説明

エアバッグ・モジュール

本発明は、車両用のエアバッグ・モジュールに関し、前記モジュールは、エアバッグを収容し、エアバッグ・モジュール(6)の外側領域(A)を内側領域(I)から分離するために用いられるカバー(7)と、乗員を保護するべく、膨張用開口部(3)からガスによって膨張し、前記カバー(7)の開口可能領域(10)を通って前記エアバッグ・モジュール(6)の前記外側領域(A)に展開することが可能なエアバッグ(1)を有する。前記エアバッグ(1)は、前記エアバッグ(1)が膨張する際に前記エアバッグ・モジュール(6)の前記内側領域(I)に構成される第一流出口(4)を有し、当該第一流出口(4)を通るガスは、前記カバー(7)の前記開口可能領域(10)を通過して前記外側領域(A)に到る。本発明に係る前記エアバッグ・モジュールは、前記エアバッグ(1)膨張用のガス発生に使用可能なガス発生器(8)を有し、前記ガスは前記ガス発生器(8)の少なくとも1つの排気口を通り、前記膨張用開口部(3)を経て前記エアバッグ(1)に流入する。本発明によれば、前記エアバッグ・モジュール(6)は、前記排気口から流れるガスが少なくとも部分的に前記外側領域(A)に誘導されるような、前記ガス発生器(8)の排気口に通気状に連結可能な第二流出口(15a)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分(プレアンブル)に記載の、車両用エアバッグ・モジュールに関する。
【0002】
請求項1に基づくエアバッグ・モジュールは、エアバッグ・モジュールの外側空間を内側空間から分離するエアバッグ収容用の少なくとも1つのカバーと、乗員保護のため注入口を通ったガスによって膨張可能なエアバッグを有する。当該エアバッグは、モジュールの外側空間において、カバーの開口可能領域によって展開可能であり、エアバッグ・モジュールの第一流出口を有する。また、この第一流出口は、エアバッグの膨張状態では、第一流出口から流出するガスが開口可能領域から外側空間に流れるように、エアバッグ・モジュールの内側空間に構成されている。さらに、上記のエアバッグ・モジュールは、エアバッグを膨張させるためのガスを発生可能なガス発生器を有し、このガスはガス発生器の少なくとも1つの排気口から流出し注入口を通ってエアバッグに到る。カバーの開口可能領域は、例えば、エアバッグが展開中に主展開方向に開口可能領域を押圧するという方法で、エアバッグによって開口可能である。破断線がカバーに設けられ、この破断線沿いに、カバーの開口可能領域が開裂可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記したタイプのエアバッグ・モジュールの膨張特性を改善することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有するエアバッグ・モジュールによって解決される。
【0005】
本発明によれば、エアバッグ・モジュールは、排気口を通って流出するガスが少なくとも部分的に外側空間に誘導されるよう、ガス発生器の排気口に通気状に連結可能な第二流出口を有する。
【0006】
このことにより、エアバッグ・モジュールの膨張特性は特殊な状況に有利に適応可能となる。例えば、oop状況(out−of−position、乗員が非定常位置に着座している状況)では、エアバッグによって保護されるべき乗員は、例えば、エアバッグの主展開方向においてエアバッグから不充分な距離に位置し、第二流出口(または複数の同様な流出口)が早期に開口可能となり、その結果、エアバッグは、エアバッグと乗員との間の不十分な距離に対応して、乗員に負傷させないためにやや少ない程度の膨張となる。
【0007】
さらに、このことは、膨張中にエアバッグ内に発生するガス圧の低減に有利に寄与し、このガス圧低減は、第一流出口(または同様の複数の開口部)によってもたらされる。エアバッグ・モジュール内側空間におけるこのような(恒常的に開状態の)第一流出口を構成は、膨張中のエアバッグ・モジュール内の高い内圧のため、エアバッグの効率よい排気を可能とする。
【0008】
このようなエアバッグ・モジュールの制約的な挙動は、第二流出口が開口するタイム・ポイント(このタイム・ポイントは、第二流出口を制御するためのソフトウエアの、容易に制御可能なパラメータである。)によって制御されるため、この種のエアバッグ・モジュールは、全車両に最も簡易な方法で採用可能である。また、このことは、各車両の変容する自動化や、様々な法規制およびユーザーによる試験適用にも対応する。
【0009】
本発明の変更例において、エアバッグ・モジュールは第二流出口を有し、この流出口は少なくとも2つの異なる位置間で変位可能であり、2つの位置間のこの変位の結果として、第二流出口は、排気口を通って流出するガスが少なくとも部分的に外側空間に誘導されるよう、ガス発生器の排気口に、通気状に連結可能であることが特に好ましい。
【0010】
ガス発生器の排気口は、排気口を通って流出するガスがエアバッグ・モジュールを囲む外側空間に完全に誘導されるように、通気状に第二流出口に連結可能であることが好ましい。従って、例えば乗員が非定常着座位置に着座しているような状況の際、エアバッグの膨張を完全に規制することが可能である。
【0011】
本発明の一の実施例において、ガスが開口可能領域を通って外側空間に流入するように、第二流出口がエアバッグ・モジュールの内側空間に構成されるよう提案されている。この場合、開口可能領域は、展開されたエアバッグによって覆われているため、乗員を傷付ける危険は無い。さらに、例えば運転者エアバッグの場合、運転者に面していないステアリング・カラムまたはステアリング・ホイールの側面に関しては、運転者の方向に開口したエアバッグ・モジュール・カバーの開口可能領域を通ってガスが流出する際、ガス流最適化構造または耐熱性構造を有する必要がないため、この側面は構造上の自由がある。
【0012】
本発明の更なる変更例において、ガスの放出のため、エアバッグは、第三流出口を有し、エアバッグが展開した状態では、この第三流出口は、エアバッグ・モジュールの外側空間に構成される。この種の第三流出口は、既に展開されたエアバッグを確実に排気することができるため、有利である。
【0013】
エアバッグが膨張した状態では、第三流出口はエアバッグ・モジュールに面した側面、即ち運転者から遠ざかる方向を向いたエアバッグの側面に構成されることが好ましく、その結果、エアバッグから流出するガスが、エアバッグから保護されるべき運転者または乗員に直接当たらないよう、または必ず旋回して当たるように構成されている。
【0014】
ガスの排出を助け、エアバッグの展開状態では、エアバッグ・モジュールの外側空間に構成される、更なる第三流出口が設けられていることが好ましい。
【0015】
この場合、エアバッグの膨張状態では、エアバッグの主展開方向に対して交差する方向に、第三流出口の対向側に更なる第三流出口が位置し、その結果、例えば運転者用エアバッグが鏡像対称状に構成されている場合、できる限り鏡像対称状にガスが放出され、エアバッグは(空間的に)均一に排気されることが可能である。
【0016】
変位可能要素は、エアバッグの主展開方向に平行に延在する変位方向に変位できるように、エアバッグ・モジュールに変位可能状に取り付けられていることが好ましい。
【0017】
更に、変位可能要素は、注入口に平行に延在する変位方向に変位可能および/または回転可能であるように構成されていることが好ましい。
【0018】
本発明の変更例において、エアバッグ・モジュールは、エアバッグ・モジュールのガス発生器を囲むチャンバーを有する。チャンバーは、一方で、エアバッグの保護に役立ち、他方では、(外側空間にガスを誘導するための)開口可能な(閉止可能な)流出口または(エアバッグにガスを導入するための)開口部を有してもよい。またはチャンバーの構成部材の変位の結果、同様な流出口を形成してもよい。
【0019】
本発明の例示的実施例において、変位可能要素は、少なくともガス発生器によって形成されており、当該ガス発生器は、ガス発生器が変位方向に変位した結果、第二流出口が開状態となるように、チャンバーに保持されていることが好ましい。
【0020】
ガス発生器は、ガス発生器の変位方向への変位が、ガス流出中に生じる圧力によって起こるように構成されていることが好ましい。
【0021】
ガス発生器を囲むチャンバーは、少なくとも1つの第一チャンバー要素と少なくとも1つの第二チャンバー要素によって形成されることが好ましい。2つのチャンバー要素のうち一方は、ガス発生器に連結されている。さらに、2つのチャンバー要素は、ガス発生器用の容器を形成すると共に変位方向に互いに対して変位可能状に取り付けられている。その結果、これらはガス発生器の変位方向において互いに遠ざかるように変位可能である。また第二流出口が、チャンバー即ち変位方向にて互いに面する2つのチャンバー要素の連続的な縁部の間で、例えばガス発生器の周りに連続的に延在する間隙として構成されるという結果を伴う。
【0022】
2つのチャンバー要素は変位方向に長尺状に延在する誘導要素によって互いに対して変位可能状に取り付けられていることが好ましい。この種の誘導要素は、例えば、2つのチャンバー要素の一方に一体状に連結され、このチャンバー要素またはチャンバーの更なる構成要素から変位方向に突出していてもよい。もう一方のチャンバー要素は、凹部(例えば連続的な穴)を有してもよく、この凹部に誘導要素が係合し、その結果このもう一方のチャンバー要素は、誘導要素上を変位方向に変位可能状に、即ち凹部を通って誘導要素がスライドするように取り付けられている。
【0023】
本発明の変更例において、ガス発生器が第二チャンバー要素に保持される一方、エアバッグは、第一チャンバー要素に保持されることが提案されている。運転者用エアバッグの場合、エアバッグが取り付けられる第一チャンバー要素は、第二チャンバー要素とエアバッグによって保護されるべき運転者との間に、エアバッグの主展開方向に構成される。
【0024】
ガス発生器は、ガス発生器の変位方向へガス発生器が変位する結果として、第二チャンバー要素が第一チャンバー要素から遠ざかるように、第二チャンバー要素に取り付けられていることが、特に好ましい。また例えば、変位方向に対して交差する方向にガス発生器の周りに連続的に延在する間隙の形の第二流出口は、変位方向において2つのチャンバー要素の間に形成される。即ち、第二流出口は、2つのチャンバー要素が互いから隔たるこの変位の結果として開状態となる。
【0025】
本発明の変更例において、注入口に対してガス発生器を保持に役立つロック解除可能なロック要素が設けられている。このロック要素は、エアバッグの膨張中にガス発生器を初期位置に取り付けることが可能であり、電子的制御によって作動可能である。その結果、ロック要素のロック解除は、特殊な事故状況の作用としての特殊なタイム・ポイントにおいて実施可能である。ガス流出中の圧力上昇のために、ロック要素に押圧するガス発生器は、ロック要素の解離またはロック解除後に、続く圧力のため、変位方向において初期位置から隔たった更なる位置へ、変位方向に存在するエアバッグの注入口から遠ざかるように変位する。
【0026】
ロック要素は、ガス発生器をエアバッグの注入口に対して保持するべく、誘導要素に係合可能となるよう構成されていることが好ましい(例えばロック要素は誘導要素に積極的に係合してもよい)。
【0027】
ロック要素は、ガス発生器の変位方向に対して交差する方向に延在するロック解除方向における直線的な変位によって、少なくとも部分的に誘導要素との係合が外れるように設定されていることが特に好ましい。この場合、ロック要素は、ロック解除方向に長尺状に延在し、変位方向にロック解除要素を貫く長孔を有し、この長孔部において誘導要素はガス発生器を保持するために係合する。この目的のため、長孔はロック解除方向に拡幅されていてもよい。また、誘導要素は、変位方向においてこの長孔の拡幅領域へ誘導可能であり、さらにロック要素が各長孔の狭部領域で長孔に境界を形成する縁部領域と係合可能なノッチ部を有する。よって、誘導要素は変位方向におけるこの縁部領域に押圧し、それによって変位方向に保持される。
【0028】
長孔の狭部領域およびロック解除方向に対向側に位置する広部領域は、ロック解除方向に対して交差する方向に長孔を絞ることにより、互いに分離されてもよい。誘導要素が環状に連続的なノッチ部と共に狭部領域に押し込められ、絞り部によって狭部領域に保持可能であるため、この方法は有利である。狭部領域に位置する誘導要素を長孔の広部領域へロック解除方向に変位させるには、所定の最小の力を必要とし、ロック要素が意図せずにロック解除される危険を低減する。
【0029】
本発明の変更例において、ロック要素をロック解除するべく、ロック要素の直線的な変位を生じる変位発生装置が設けられている。この場合、この変位発生装置は、ロック解除方向にロック要素に押圧するピストンを有し、誘導要素は長孔の狭部領域から長孔の広部領域に変位され、その結果誘導要素は、長孔内でロック解除方向に対して交差する方向、即ち変位方向にスライドすることが可能である。変位方向においてロック要素上に拡幅部が形成されてもよく、その結果ロック要素は、誘導要素沿いにスライドする際に、誘導要素との係合から完全には外れない。従って変位方向に2つのチャンバー間で取り得る最大距離が存在する。
【0030】
本発明の他の変更例においては、第二流出口または複数の同様の第二流出口は、ガス発生器を囲むチャンバー上に形成され、ガス発生器は注入口に対して所定の位置を有する。(ガス発生器の2点間での変位可能な取り付けにより可能となる補正的な変位を除く)
【0031】
この場合、変位可能要素は、第二流出口が変位可能要素によって開閉可能であるように、変位可能状に取り付けられていることが好ましい。
【0032】
本発明の変更例において、ガス発生器のチャンバーは、第二流出口が構成されている円筒状の壁を有することが提案されている。この場合、この円筒状の壁は、エアバッグ・モジュールのエアバッグ主展開方向に対して交差方向にガス発生器の周りに連続的に延在してもよい。この例において、ガス発生器の排気口(または複数の同様な排気口)は、エアバッグ主展開方向に対して交差方向に第二流出口(または対応する複数の同様の第二流出口)に面し、その結果ガスはガス発生器を囲むチャンバーから主展開方向に対して交差方向に先ず流出可能である。
【0033】
変位可能要素は、クリアランスを有する円筒状リングを有し、リングが壁沿いに変位する結果、当該クリアランスが第二流出口に一致可能となるように、このリングはチャンバー壁に変位可能状に取り付けられていることが好ましい。この場合、リングのクリアランスは、第二流出口と同じ形および大きさを有してもよい。円筒状の壁沿いに形成されてもよい複数の第二流出口に関して言えば、円筒状のリングは、壁沿いにリングが変位する結果、第二流出口と一致させることが可能な、対応する複数のクリアランスを有する。この文脈ではリングの変位は、円筒状リングの円筒軸周りの回転、即ち、円筒状リングが、壁に押圧し、壁に対して回転可能であることを意味する。しかし、リングの平行移動も同様に(回転と組み合わせた場合であっても)可能である。
【0034】
チャンバーの壁に対し、リングが完全に第二流出口(または、複数の第二流出口)を閉止する位置にリングを回転またはスライド可能であるように、リングのクリアランスが形成されている。クリアランスは、壁の全第二流出口が壁に対するリングの特殊な位置で開状態であるように、リング上に同様に構成されている。
【0035】
リングを変位方向に変位するために、リングが変位方向(円筒状壁の場合、変位方向は、エアバッグの主展開方向に対して好ましくは交差方向に、即ち円筒状壁の円筒軸に対し交差方向に円筒状壁の周りに延在する。)に対して交差方向に延在する縁部を伴う凹部を有することが特に好ましい。本発明の変更例において、この凹部は、リングを分断し、変位方向に対して交差方向に延在する間隙として構成されている(開放状リング)。
【0036】
変位発生装置のピストンは、変位方向において凹部の縁部に押圧し、その結果リングが、ピストンによって、第二流出口が閉止状態である初期位置から押し出され、第二流出口が開状態である更なる位置に到ることが好ましい。このように有利に力を接線方向に取り入れることにより、リングはほんのわずかしか変形されない。リングを強化するため、凹部はリング上に部分的にしか形成されなくてもよい、即ち、変位方向に直交方向にリングを完全に切断する必要はない。この例では、更に、変位方向に対して交差する方向にリングを切断し、変位方向における凹部の縁部の背後に形成され、この縁部沿い、即ち変位方向に対して交差方向に延在する更なる狭い縁部が設けられている。変位発生装置のピストンが変位方向に凹部の縁部を凹圧する場合、更なる縁部が存在するため、リングは変位方向に押されず、代わりに引っ張られ、その結果ピストンの動作によって生じる変形がさらに最小化される。
【0037】
リングの変形を最小化に関する上記の利点によって、リングは特に低重量(壁の厚さが薄い)の構造を有することが可能である。更に、第二流出口を開状態にするため第二流出口と一致させることが可能なリングのクリアランスは、リングの変形を最小化した結果として、特に広い範囲を有してもよい。クリアランス(単数または複数の開口部)は、チャンバーの壁に面したリング表面の約半分を占めてもよい。
【0038】
本発明の更なる変更例において、ガス発生器を囲むチャンバーが閉止可能な排気口を有することが提案され、この排気口を通って、ガス発生器によって発生または放出されたガスが、エアバッグを膨張させるためにエアバッグに流入可能である。排気口(複数の排気口があってもよい)は、エアバッグの注入口に面するチャンバーの排気領域上に構成されている。
【0039】
エアバッグ・モジュールの変位可能要素が、開口部を伴うバルブ・プレートを有し、このバルブ・プレートは、排気領域沿いのバルブ・プレートの変位(回転)の結果、開口部を排気口と一致させることが可能であるように、チャンバーの壁上に変位可能状に取り付けられていることが特に好ましい。排気口領域上に形成された複数の排気口に関して言えば、対応する複数の開口部がバルブ・プレート上に設けられ、バルブ・プレートの変位または回転の結果、この開口部は排気口と一致可能となり、さらにその結果チャンバーの排気口が開状態となることが可能である。
【0040】
更に、排気領域に対してバルブ・プレートを所定の角度に回転する結果、バルブ・プレートがチャンバーの排気領域の全排気口を閉止するように、一または複数の開口部がバルブ・プレート上に形成されている。
【0041】
本発明の変更例において、バルブ・プレートは、エアバッグまたはエアバッグの注入口に面したリングの連続的な縁部に保持されることが提案されている。即ち、変位可能要素は片側が開いた平たい円筒として構成されてもよく、この円筒の片側の底部は、(円形の)バルブ・プレートによって形成されている。
【0042】
チャンバー壁の第二流出口が開状態である際、排気口がバルブ・プレートによって閉止されるように、バルブ・プレートの開口部は、リングのクリアランスに対して構成されていることが好ましい。更に、第二流出口がリングによって閉止されている際、排気口が開状態であることが好ましい。同様のことが、バルブ・プレートの複数の開口部またはチャンバーの排気口と、チャンバーの複数の第二流出口またはリングのクリアランスとの関係に適用される。
【0043】
エアバッグの圧力を軽減するための更なる流路となることが可能であるのみならず、エアバッグに流入するガスの経路が完全に遮断可能であるため、チャンバーの追加的に設けられた制御可能な排出口は有利であり、その結果、非定常位置に着座中の乗員への負荷を更に軽減することが可能である。
【0044】
第一、第二および第三流出口は、互いに連結し互いに協動していてもよい。この場合、エアバッグにおける第一および第三流出口は、エアバッグが通常備えている標準的な流出口と代替される。(エアバッグが妨害されずに自由に展開可能である)適正動作が、標準的なエアバッグの動作と合致するべく、第三流出口に対する第一流出口の面積の調整、即ちこれら2つの面積の相互の比率が適宜調整される。
【0045】
第一流出口および第三流出口が恒久的に開状態である一方、第二流出口は、開閉切り替え可能であり、制御可能である。即ち、この第二流出口の開口は、(例えば、点火技術的な変位発生装置による)ガス発生器の点火後の時間の作用として起こる。この第二流出口が早期に開口する場合、(例えばエアバッグの注入口の周りに連続的に延在する縁部領域を、ジェネレータ担体に挟み込むことによる)エアバッグの連結状態の下で、ガス発生器から大量のガスが排出される結果、エアバッグの充填程度が影響を受けると同時に、付随の第一および第三流出口により、体重の軽い(5%、女性)乗員向けの効果的な抑制的挙動(エアバッグ「軟化」)が実施される。切り替え可能または制御可能な第二流出口がより遅く開口する場合の、体重の重い(50%から95%、男性)乗員向けの抑制的挙動は改善されている。エアバッグを起動する事故状況下では、乗員の加速値(減速値)の解析作業によって、エアバッグの展開(迅速なエアバッグ展開による早期抑制)が補佐される。全体的に、乗員の作用としてのエアバッグの最適な軟化は、所定の方法で選択可能である追加的な流出領域(第二流出口)の開口タイム・ポイントによって設定可能である。開口タイム・ポイントの決定は、乗員情報(体格、体重、位置)および衝突依存性データ(減速、速度)の感知をもとに自動的に行われてもよい。
【0046】
乗員の非定常位置着座状況下では、乗員がエアバッグに衝撃を受ける際に、乗員に掛かる負荷をさらに軽減するべく、切り替え可能な第二流出口を早期開口することによって、エアバッグ・モジュール内(即ちエアバッグ内)の圧力をさらに最小化することが可能である。
【0047】
既知のエアバッグ・モジュールに比べ、本発明のエアバッグ・モジュールに導入されるガスは、ジェネレータ担体の開口部を通りさらに下方、即ちステアリング軸沿いにステアリング・ホイール・ボディに誘導されるのでなく、代わりに、エアバッグ・モジュールのカバーの開口可能領域の方向におけるステアリング軸沿いまたはエアバッグの主展開方向に向かう。ガスの流出は、カバーの開口可能領域を通ってエアバッグ沿いに起こる。乗員の非定常位置着座状況下であっても、エアバッグ・モジュール付近にある乗員の体の部分はエアバッグによって充分カバーされるため、流出する高温ガスによって起こる怪我の危険は、排除される。更に、カバーの開口可能領域を通る上記の流路のため、近接するサブアセンブリは不利に影響されることはない。流出を保証するためのステアリング・ホイールの更なる措置は必要ない。同時に、例えばステアリング・ホイールを通ってガスが流出する場合に起こりうるような、例えばステアリング・ホイール上で手に怪我を負うような状況は回避される。
【0048】
本発明の更なる特徴および作用効果は、図面を参照しつつ、以下の実施例によって詳述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
図1は、運転者用エアバッグとして用いられるエアバッグ1を示す。エアバッグ1は、紙面に一致する平面に沿って広がり、2つの円形のガスバッグ層から構成され、これらの連続的な縁部は、エアバッグを形成するために、互いに縫着、接着、編み合わせ、ないし溶接されている。
【0050】
エアバッグは、エアバッグ1の膨張状態において、図1に示されていないエアバッグ・モジュール6に面する、または、膨張状態のエアバッグ1により保護されるべき運転者から背向する側面2を有する。
【0051】
エアバッグ1の側面2上には、中央部に円形の注入口3が設けられ、これを通ってエアバッグ1を膨張させるためのガスがエアバッグ1に導入される。
【0052】
エアバッグ1は、注入口3の互いに対向する縁部領域に構成され、また注入口3沿いに長尺状に延在する2つの第一流出口4を有する。これら2つの第一流出口4は、エアバッグ1の膨張状態では、エアバッグ・モジュール6の内側空間Iに構成されるべく、注入口3に近接して構成されている。
【0053】
さらに、エアバッグ1は複数の第三排出口5を有し、これらはいずれも円形注入口3の中心からある距離に位置し、この距離は注入口3の中心から第一流出口4までの距離より大きい。またこの距離は、エアバッグ1の膨張状態では、第三流出口5が、エアバッグ・モジュール6の内側空間Iの外側、特にエアバッグ・モジュールを囲む外側空間A内に構成されるには、充分大きい距離であるよう構成されている。
【0054】
図2は、図3から7に関連して、エアバッグ・モジュール6のエアバッグ1用およびガス発生器8用の容器を形成するカバー7と、およびガス発生器8を囲むエアバッグ・モジュール6のチャンバー9を有するエアバッグ・モジュール6の部分的な断面を示す。
【0055】
エアバッグ・モジュール6のカバー7は、エアバッグ・モジュール6の外側空間Aから内側空間Iを分離する。さらに、エアバッグ・モジュール6のカバー7上に、開口可能領域が設けられており、エアバッグ1に圧力が掛かった結果、エアバッグが、エアバッグ・モジュール6のカバー7の開口可能領域10に押圧して内側空間Iからエアバッグの主展開方向に押し出る際、この開口可能領域は、例えば所定の破断線沿いに破断する。内側空間Iとは、この場合、エアバッグ1が未膨張状態で占有する空間を意味すると考えられる。内側空間Iは、エアバッグ1の主展開方向Hにおいて、閉状態のカバー7によって範囲を設定されている。
【0056】
図2は、エアバッグ1(その一部を図2に示す)がカバー7の開口可能領域10を通ってエアバッグ・モジュール6の外側空間Aに展開した後、エアバッグ1の第三流出口5がエアバッグ・モジュール6の外側空間Aに構成され、第二流出口4が内側空間Iに構成されていることを図示する。流路は矢印によって図2に概略的に示される。
【0057】
エアバッグ1内にあるガスは、第三流出口5から直接外側空間Aに流出可能である一方、第二流出口4から先ず内側空間Iに導入され、そこからエアバッグ1沿いに開口可能領域10を通って外側空間Aに誘導される。
【0058】
ガス発生器8を囲むチャンバー9は、キャップ型の拡散器11、ジェネレータ担体12、底板13およびガス発生器上で2つの位置間を変位するよう取り付けられたガス発生器用の担体14によって構成される。拡散器11はカップ型に形成され、主展開方向に注入口3を貫通して(膨張した)エアバッグ1内に突出している。エアバッグ1の注入口3の周りに連続的に延在する縁部領域は、エアバッグの主展開方向Hにおいて、拡散器11の連続的縁部領域11aと、注入口3に面しジェネレータ担体12の中央開口部12cの周りに連続的に延在する連続的縁部領域12aの間に構成され、主展開方向Hにおいて互いに対向する2つの縁部領域11a、12aの間に挟まれている(エアバッグ締め付け)。
【0059】
拡散器11およびジェネレータ担体12は、拡散器11の縁部領域11aから長尺状に突出した4つの取り付け要素11bを介して、主展開方向Hに構成されている(4つの取り付け要素11bは、縁部領域11a沿いにある隣合った各取り付け要素から等距離にあるように、環状の縁部領域11a沿いに構成されている。)これら4つの取り付け要素11bは、取り付け要素11bの自由端部が、ジェネレータ担体12の縁部領域12aの拡散器11に背向する面から突出するように、ジェネレータ担体12の縁部領域12a上に形成された対応する穴12bを通って誘導される。これらの突出した自由端部は、さらに底板13の対応した穴13aに導入され、穴13aは、(穴13a同様)取り付け要素11bおよび主展開方向Hと一直線状にある底板13の円筒状取り付け領域13bに構成されている。
【0060】
底板13は、中央に円形のガス発生器用クリアランス13cを有し、当該クリアランス13cは、主展開方向Hにおいてジュネレータ担体12の中央開口部12cおよびエアバッグ1の注入口3の対向側に位置する。
【0061】
概ね円筒形に構成されたガス発生器8は、主展開方向Hに、底板13のこのガス発生器用クリアランス13cに導入される。ガス発生器8は、主展開方向Hに対して直交方向にガス発生器8から突出し、主展開方向Hに対して直交方向にガス発生器8の周りに連続的に延在するフランジ8aによってトラフ型に構成された担体14に、2つの位置を変位可能状に連結されている。フランジ8aによる担体14へのガス発生器8の変位可能状の連結は、完全に必須であるわけではない。さらに、担体14およびガス発生器8が互いに直接連結されるよう、フランジ8a自体が担体14として形成されてもよい。
【0062】
担体14は、取り付け手段11bの端部の自由端に取り付けられ、この取り付け手段11bは、底板13の穴13aを通って導かれ、主展開方向Hにおいて拡散器11の対向側に位置する側で、ガス発生器8のチャンバー9を閉止する。
【0063】
さらに、ジェネレータ担体12は、円筒状の壁15を有し、この壁はジェネレータ担体12の中央開口部12cに直交状に延在し、さらに主展開方向Hを横切るように環状にジェネレータ担体12の中央開口部12cの周りに連続的に延在する。複数の第一流出口15aは、ジェネレータ担体12のこの壁15上に形成され、円筒状リング16の形の変位可能要素によって閉止または開口可能である。
【0064】
この目的のため、円筒状リング16は、円筒状壁15のガス発生器8に面した内側に押圧状に接し、主展開方向Hに対して交差する方向に延在する変位方向Bにおける2つの位置間で変位可能であり、また主展開方向Hに交差する方向に円筒状壁15の周りに連続的に延在するように構成されている。即ち、円筒状リング16は、主展開方向Hに一致するリング自体の円筒軸周りに回転可能である。
【0065】
壁15の流出口15aの輪郭を有するクリアランス16aは、この開口部が壁15の第二流出口15aと完全に一致可能となるように、リング16上に設けられ円筒状リング16沿いに構成されている。第二流出口15aとクリアランス16aが一致する際、第二流出口15aは完全に開状態となり、その結果ガス発生器8によって生じたガスは第二流出口15aを通って内側空間Iに入り、そこからエアバッグ・モジュール6の外側空間Aに流入する。リング16が回転または変位されることにより、リング16のクリアランス16aはジェネレータ担体12の壁15の第二流出口15aと一致可能から外れる。この例では、第二流出口15aはリング16によって完全に閉止される。
【0066】
最初に閉状態であった流出口15aを開状態にするべく、円筒状リング16が変位方向Bに変位可能であるように、図7に基づく点火式作動装置の形状の変位発生装置17が底板13上に設けられている。
【0067】
図7によれば、変位発生装置17は、電子制御系によって作動可能、即ち点火可能である点火器18を有し、圧力チャンバー19内に変位可能状に取り付けられ長尺状に延在するピストン20を変位方向Bに圧力チャンバー19から押出すことが可能な高圧を、底板13に形成された圧力チャンバー19内に発生可能である。
【0068】
ピストンの変位を伝達するべく、ピストン20は、リング16の凹部21において変位方向Bに構成され、この凹部21は変位方向Bにおいてリング16を分断する。またピストン20は、圧力チャンバー19内に与えられた過度の圧力により、変位方向Bに直交状に延在するリング16の凹部21の縁部22を変位方向Bに押圧するよう構成され、その結果リング16は、第二流出口15aを開口するべく壁15に対して変位方向Bに回転される。凹部21は、リング16のクリアランス16aであってもよい。
【0069】
リング16の凹部21におけるピストン20の構造に関し、特に、当該ピストンが、ピストンに面したリング16の縁部22をリング16に対し接線方向に押圧することが可能であるように、凹部21のピストン20に面した縁部22と、凹部21の変位方向Bにおいて縁部22の対向側に位置する更なる縁部との間に構成されることは有利である。従って、壁15に対してリング16を回転するべく、この種のピストンが、リング16から放射状に一定間隔に配置され、リングから突出した領域を押圧する場合起こるであろう変形は、軽減される。即ち、上記のようなピストン20の構造のため、リング16は、材質と質量に関して最適な方法で製造されることが可能である。
【0070】
リング16がピストン20によってジェネレータ担体12の壁15沿いに確実に変位可能であるために、変位方向Bにおいて円筒状リング16を誘導する誘導手段が、ジェネレータ担体12および/または底板13上に設けられている。底板13は、特に段差形状のこの種の誘導手段を有し、この誘導手段は、ガス発生器クリアランス13cの周りに連続的に延在し、これに沿って底板13に面するリング16の縁部がスライド可能である。
【0071】
図8は、図5のエアバッグ・モジュール6の変更例を示す。図5と比べて、この図では、リング16は、変位方向Bにおいて凹部21によって分断されていない。リング16の凹部21は、ここでは底板13に面するリング16の縁部上に形成され、特に、ピストン20がリング16を変位させるべく押圧可能である、変位方向Bを横切って延在する凹部21の縁部22の形成と同様の方法で形成されている。しかし、エアバッグ・モジュール6の変更例では、図8に図示されているように、リング16は、図5のようにピストン20によって変位方向Bに圧迫されるのではなく、代わりに縁部22を押圧するピストン20によって引っ張られる。なぜなら、変位方向Bにおいてリング16の凹部21の縁部22の前に、縁部22に平行に延在しリング16を分断する更なる凹部23が間隙の形で形成されているからである。その結果、リング16は、変位方向Bに縁部22を押圧するピストン20によって、変位方向Bに押されるのではなく、代わりに縁部22を押圧するピストン20によって変位方向Bに引っ張られる。ピストン20によって起こるリング16の変形を効果的に軽減可能であることから、この方法は有利である。
【0072】
図9は、図10および図11と関連して、図5および図8に示されるエアバッグ・モジュール6の更なる変更例を示す。図5および図8に比べ、リング16上の凹部21は、リング16を断絶しないように設けられている。即ちリング16は、それ自体閉じているように構成され、その結果リング16を変位させるべくこの凹部21の縁部22を押圧するピストン20が、変位方向Bにリング16を押す。この例では、壁15に対して変位される間、リング16がピストン20によって受ける変形の度合いを少なくするために、このリングは変位方向Bと直交する方向に概ねU字型またはそれに類似の形状を有する。
【0073】
図12は、図13および図14と関連して、エアバッグ・モジュール6の更なる変更例を示す。図5、図8および図11と比べ、変位可能要素は、リング16によってではなく、代わりに、ガス発生器8自体によって形成され、ガス発生器は、2つの位置の間で主展開方向Hに変位可能である。図5、図8および図11と比べ、底板13は、この場合省略可能である。ガス発生器8を囲むチャンバー9は、この例では、少なくとも1つの第一チャンバー要素および1つの第二チャンバー要素によって形成される。より詳細には、第一チャンバー要素としてのジェネレータ担体12は、第二チャンバー要素としてトラフ型に形成された担体14の主展開方向Hにおける対向側に位置し、担体14には中央にガス発生器用凹部14aが形成され、この凹部を通ってガス発生器8の自由端領域が主展開方向Hに突出する。また、ガス発生器8は、ガス発生器8の周りに連続的に延在しガス発生器8から突出するフランジ8aを有し、このフランジによって、ガス発生器8は、ガス発生器用凹部14aの周りに連続的に延在する縁部領域に取り付けられる。またこのフランジ8aは、主展開方向Hにおいてエアバッグ・モジュール6のエアバッグ1の注入口3(図示されていない)の対向側に位置し、同注入口3に面する。
【0074】
担体14は、主展開方向Hにおいてジェネレータ担体12に面し、ガス発生器8を囲むチャンバー9を形成するべくジェネレータ単体12に押圧的に接触している連続的縁部領域14cを有する。
【0075】
キャップ型拡散器11は、ジェネレータ担体12の中央開口部12c上に設置され、前述のように、エアバッグ1は、注入口3の周りに連続的に延在する縁部領域と共に拡散器11とジェネレータ担体12との間に挟みこまれる。前述のように、取り付け要素11bは、拡散器11から突出し、取り付け要素11bと一直線上にあるジェネレータ担体12の穴12bを通り、この12bと一直線上にある担体14の穴14bを通り、さらに担体14と一直線上にあるロック要素24の長孔24aを通って誘導され、主展開方向Hに長尺状に延在するように構成されたナット25によって、ネジ止めされる。
【0076】
これらのナットは、取り付け要素11bにネジ止めされた状態では、主展開方向Hにおいて、ロック要素24の長孔24aに誘導され、さらに取り付け要素11bと一直線状にある担体14の穴14bに誘導される。その結果、担体14は、主展開方向Hにあるナット25上で主展開方向Hにスライド可能である。即ちナット25は、ガス発生器8および担体14(第二チャンバー要素)のための誘導要素を構成し、これらはエアバッグ1を膨張中に作用する圧力により、この誘導要素25を経て、主展開方向Hに対向する変位方向Bに誘導され得る。
【0077】
エアバッグ1の膨張中に、ガス発生器8を、第二流出口が閉状態である初期位置に設置するために、ロック要素24が設けられ、このロック要素24は、ガス発生器8が担体14と共にロック要素24を(前記圧力により)変位方向Bに押圧可能であるように、またガス発生器8がこの場合注入口3に対して初期位置に保持されるように、誘導要素に係合されることが可能である。即ち、ガス発生器8のフランジ8aによってガス発生器8に連結されている担体14は、ジェネレータ担体12に面した担体の縁部領域14cと共にジェネレータ担体12に押圧し、その結果、主展開方向Hにおいて担体14とジェネレータ担体12の間に、ガス発生器8の周りのチャンバー9からガスは全く流出できないか、ほんのわずかな量しか流出することができない(従って担体14の縁部領域14cが、ジェネレータ担体12を密封状に押圧する必要はない)。
【0078】
ロック要素24は、点火装置27によって、圧力チャンバー内で強い圧力を生じる(更なる)変位発生装置26によってロック解除され、この圧力は、ガス発生器8の変位方向Bを横切るロック解除方向Eにおいて、ピストン28を変位発生装置26の圧力チャンバーから外へ押し出す。
【0079】
この目的のため、変位発生装置26のピストン28は、ロック要素24がピストン28によってロック解除方向Eに直線的に変位されるように、ロック要素24に対して構成されている。従ってロック要素24は、誘導要素25のノッチ25aとの係合から外れ、エアバッグ1の膨張中に作用する圧力の結果として、ガス発生器8はエアバッグ1の注入口3から変位方向Bに解離される。この場合、担体14の特にガス発生器8に連結したその縁部領域14cは、担体12から解離して変位し、その結果、担体14の縁部領域14cとジェネレータ担体12の間に、ガス発生器8の周りに連続的に延在し第二流出口15aを形成する間隙を構成する。ガス発生器8または担体14のこの位置関係は図12に示されている。対照的に、図13は、ガス発生器8または担体14の初期位置において、担体14の縁部領域14cがジェネレータ担体12を押圧していることを示す。これは第二流出口15aが閉状態であることに相当する。
【0080】
図15は、図12から図14に示されたエアバッグ・モジュール6の細部を示し、特に、主展開方向Hにおいて、担体14の対向側に位置する概ね環状構造のロック要素24が、誘導要素25と係合可能である原理を示す。
【0081】
この目的のため、ロック要素24はロック解除方向Eに延在する長孔24aを有する。当該長孔24aは、ロック解除方向Eに拡がり、またいずれも同様に狭部24cを有する。この狭部24cは、ロック解除方向Eにおける長孔24aの広部24bの対向側に位置し、絞り部によってこの広部24bから分割されている。
【0082】
誘導要素25のノッチ部25aは、環状構造であって、変位方向Bに対し直交方向に誘導要素25の周りに連続的に延在する。誘導要素25のノッチ部25aの外側直径は、正確に、誘導要素25がノッチ部25aと共に長孔24aの狭部24cに押し込まれ、狭部24cと広部24bとの間の絞り部のため、狭部24cに係合可能であるような大きさである。この位置では、もはや誘導要素25は、変位方向Bに変位不可能である。第二流出口15aが開状態となる際、即ち担体14とガス発生器8が変位方向Bにおいてジェネレータ担体12から分離される際には、変位発生装置26の点火部27が点火し、それによってピストン28はロック解除方向にロック要素24を押圧し、その結果、長孔24aの狭部24cは、誘導要素25のノッチ部25aから外れて押し出され、広部領域24bが誘導要素25の方向に変位される。ノッチ部25aから隔たった部分の誘導要素25の外側直径が長孔24aの広部領域24bの直径より小さいため、ロック要素24は、誘導要素25のノッチ部25aとの係合から外れる。即ち、ロック要素24は、担体14および担体に取り付けられたガス発生器8と共に、変位方向Bに誘導要素25上をスライド可能である。
【0083】
図16は、図17および図18と関連して、エアバッグ・モジュール6の細部の斜視図または分解図を示す。この図のジェネレータ担体12は、ジェネレータ担体12の前記の実施例と比べて、恒久的に開状態の中央開口部12cを持たず、代わりに、放射状に構成され、ガスがエアバッグ・モジュール26のチャンバー9から出て注入口3を通ってエアバッグ1に流入可能であるような複数の排気口29を有する。この目的のため、これら排気口29は、エアバッグ1の主展開方向Hにおいて注入口3に面し、主展開方向Hにおいて注入口3の対向側に位置する。
【0084】
排気口29は、排気口29の特殊な構造のため、エアバッグ1を膨張させるべく、この排気口29を通過するガスが旋回するように構成されてもよく、その結果、拡散器11は無くてもよい。即ち、図16から18に図示されるエアバッグ・モジュール6は、クランプ環30のみを有し、このクランプ環にジェネレータ担体12に面する縁部領域11a(図5参照)が形成され、またこのクランプ環は、注入口3の周りに連続的に延在するエアバッグ1の縁部領域をジェネレータ担体12に押圧し、エアバッグ1をジェネレータ担体12に保持する。
【0085】
取り付け要素11bは、上記のエアバッグ・モジュール6の実施例と同様に、主展開方向Hにおいて、クランプ環30から突出している。
【0086】
ジェネレータ担体12の排気口29を閉じるために、図2から図11とは対照的に、リング16はリング自体の上に複数の開口部32aを有するバルブ・プレート32を有し、この開口部32aはジェネレータ担体12の排気領域31の排気口29と一致することが可能である。この目的のため、バルブ・プレート32は、バルブ・プレートに取り付けられているリング16と共に(リング16およびバルブ・プレート32は一体状に形成されてもよい)、主展開方向Hに対して直交方向に延在する変位方向Bに回転可能である。即ち、バルブ・プレート32は、バルブ・プレート32に直交状で主展開方向Hと一致する軸の周りに回転可能であり、一方、バルブ・プレート32の開口部32aは、排気口29が開状態である際、排気領域31の排気口29と一致することが可能、または、排気口29は、バルブ・プレート32によって完全に閉状態となることが可能である。バルブ・プレート32がリング16と結合されているため、バルブ・プレート32は図2から図11に図示された変位発生装置17によって変位方向Bに変位可能である。排気口29は、バルブ・プレート32によって排気口29が閉状態である際にジェネレータ担体12の円筒型壁15の第二流出口15aが開状態となり、排気口29が開状態、即ちバルブ・プレート32上に形成された開口部32aと一致する際に流出口15aがリング16によって閉状態となるように、ジェネレータ担体12の排気領域31に形成されている。
【0087】
もちろん、上記の実施例を互いに組み合わせることも可能である。例えば、図14に基づき、ガス発生器8は変位方向Bに変位可能に構成されてもよく、一方ジェネレータ担体12の中央開口部12cは、排気領域31によって、図18に基づく同様の排気口29を設けられてもよい。その結果、図14に示されるジェネレータ担体の中央開口部12cは、バルブ・プレート32によって閉止可能である。この目的のため、いずれの場合も、図7に基づく変位発生装置が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第一流出口、第三流出口および注入口を有する、展開状態のエアバッグを上から見た図を示す。
【図2】第一流出口、第二流出口および第三流出口を有する、本発明に基づくエアバッグ・モジュールの、部分的に断面状である概略図を示す。
【図3】第二流出口が閉状態であるエアバッグ・モジュールの斜視図を示す。
【図4】第二流出口が開状態である図3のエアバッグ・モジュールの断面概略図を示す。
【図5】図3および図4に示されるエアバッグ・モジュールの分解図を示す。
【図6】図5に示されたエアバッグ・モジュールの(組付け状態の)概略図を示す。
【図7】点火部とピストンを有する点火式変位発生装置を示す。
【図8】図3から図6に示されるエアバッグ・モジュールの変更例の分解斜視図を示す。
【図9】ガス流出のため開状態である第二流出口を有する、本発明に基づくエアバッグ・モジュールの更なる変更例を示す。
【図10】第二流出口が閉状態である、図9に示されるエアバッグ・モジュールの斜視図を示す。
【図11】図9および図10に示されるエアバッグ・モジュールの分解斜視図を示す。
【図12】変位可能に取り付けられたガス発生器を伴い、第二流出口が開状態である、本発明に基づくエアバッグ・モジュールの更なる変更例を示す。
【図13】第二流出口が閉状態である、図12に示されるエアバッグ・モジュールの斜視図を示す。
【図14】図12および図13に示されるエアバッグ・モジュールの分解斜視図を示す。
【図15】図14に示されるエアバッグ・モジュールの細部を示す。
【図16】本発明に基づくエアバッグ・モジュールの変更例のガス発生器を囲む、制御可能な排気口を有するチャンバーの斜視図を示す。
【図17】排気口が開状態である、図16に示されたチャンバーを示す。
【図18】図16および17に示されたエアバッグ・モジュールの分解斜視図を示す。
【符号の説明】
【0089】
1 エアバッグ
2 側面
3 注入口
4 流出口
5 流出口
6 エアバッグ・モジュール
7 カバー
8 ガス発生器
8a フランジ
9 チャンバー
10 開口可能領域
11 拡散器
11a 縁部
11b 取り付け要素
12 ジェネレータ担体
12a 縁部
12b 穴
12c 開口部
13 底板
13a 穴
13b 取り付け領域
13c クリアランス
14 担体
15 壁
15a 流出口
16 リング
16a クリアランス
17 変位発生装置
18 点火器
19 圧力チャンバー
20 ピストン
21 凹部
22 縁部
23 凹部
24 ロック要素
24a 穴
24b 穴広部
24c 穴狭部
25 ナット
25a ノッチ部
26 変位発生装置
27 点火器
28 ピストン
29 排気口
30 クランプ環
31 排気部
32 バルブ・プレート
32a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用エアバッグ・モジュールであって、
前記エアバッグ・モジュール(6)の内側空間(I)から前記エアバッグ・モジュール(6)の外側空間(A)を分離し、エアバッグ(1)を収容するためのカバー(7)と、
乗員を保護するべく、注入口(3)を通るガスによって膨張可能であり、前記カバー(7)の開口可能領域(10)を経て前記エアバッグ・モジュール(6)の前記外側空間(A)に展開可能であるエアバッグ(1)と、
前記エアバッグ(1)の展開状態では、流出するガスが前記カバー(7)の前記開口可能領域(10)を通って前記外部領域(A)に流入するよう、前記エアバッグ・モジュール(6)の前記内側空間(I)に構成された、前記エアバッグ(1)の第一流出口(4)と、
少なくとも1つの排気口から、前記注入口(3)を経て前記エアバッグ(1)に流入し、前記エアバッグ(1)を膨張させるガスを発生可能であるガス発生器(8)を有し、
前記エアバッグ・モジュール(6)は、前記排気口から流出するガスが少なくとも部分的に前記外側空間(A)に導入されるように、前記ガス発生器(8)の前記排気口に通気状に連結可能である第二流出口(15a)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記エアバッグ・モジュール(6)は、少なくとも2つの異なる位置間で変位可能な要素であり、この二つの位置間での変位の結果、前記排気口から流出する前記ガスが少なくとも部分的に前記外側空間(A)に誘導されるよう、前記ガス発生器(8)の前記排気口に通気状に連結可能であるような要素(8、14;16)を備えた第二流出口(15a)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)の前記排気口は、当該排気口を通って流出する前記ガスが完全に前記外側空間(A)に誘導されるように、前記第二流出口(15a)に通気状に連結可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記第二排出口(15a)から流出するガスが前記内側空間(I)に流入し、ここから前記開口可能領域(10)を通って前記外側空間(A)に到るように、前記第二流出口(15a)は構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記第二流出口(15a)から流出するガスが、前記エアバッグ(1)外部の前記内側空間(I)に直接流入し、この内側空間から前記開口可能領域(10)を通って前記外側空間(A)に到るよう、前記第二流出口(15a)が構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記エアバッグ(1)は、ガスの放出のため、エアバッグ(1)が展開されると共に、前記エアバッグ・モジュール(6)の前記外側空間(A)に構成される第三流出口(5)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記エアバッグ(1)の膨張状態では、前記第三流出口(5)は、前記エアバッグ・モジュール(6)に面する前記エアバッグ(1)の側面(2)上に構成されることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項8】
請求項6または7に記載のエアバッグ・モジュールであって、ガスの前記放出のため、前記エアバッグ(1)は、エアバッグ(1)が展開されると共に、前記エアバッグ・モジュール(6)の前記外側空間(A)に構成される更なる第三流出口(5)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項9】
請求項6および8に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記エアバッグ(1)の膨張した状態では、前記更なる第三流出口(5)が、前記エアバッグ(1)の主展開方向(H)に交差する方向に、前記第三流出口(5)の対向側に位置することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素(8、14;16)は、前記エアバッグ(1)の主展開方向(H)に平行に延在する変位方向(B)に変位可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素(8、14;16)は、前記注入口(3)に平行に延在する変位方向(B)において、変位可能および/または回転可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)を包囲するチャンバー(9)が設けられていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素は、前記ガス発生器(8)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項14】
請求項10または11および請求項12または13のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)の前記変位方向(B)における変位の結果、前記第二流出口(15a)が開放されるように、前記ガス発生器(8)は、前記チャンバー(9)に連結されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項15】
請求項14に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)の前記変位方向(B)における前記変位が、前記ガスの流出中に生じる圧力によって起こるように、前記ガス発生器(8)が構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項16】
請求項14または15に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記チャンバー(9)は、前記変位方向(B)において、相互に変位可能状に取り付けられている少なくとも1つの第一チャンバー要素(12)および少なくとも1つの第二チャンバー要素(14)によって構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記二つのチャンバー要素(12、14)は、前記変位方向(B)において長尺状に延在する誘導要素(25)によって、相互に変位可能状に取り付けられていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項18】
請求項16または17に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記エアバッグ(1)は、前記第一チャンバー要素(12)に保持されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)は、前記第二チャンバー要素(14)に連結されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位方向(B)における前記ガス発生器(8)の変位の結果、前記第二チャンバー要素(14)が前記第一チャンバー要素(12)から離間し、これによって前記第二流出口(15a)が前記変位方向(B)において前記2つのチャンバー要素(12、14)間に構成されるように、前記ガス発生器(8)は前記第二チャンバー要素(14)に連結されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)を保持するためのロック解除可能なロック要素(24)によって特徴付けられるエアバッグ・モジュール。
【請求項22】
請求項17、または請求項17に係る請求項18から21のいずれか一項、に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ガス発生器(8)を保持するために、前記ロック要素(24)は、前記誘導要素(25)に係合可能であるように構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項23】
請求項10、11または22のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位方向(B)に対して交差状に延在するロック解除方向(E)における直線的な変位によって、前記ロック要素(24)は、少なくとも部分的に前記誘導要素(25)との係合を解除可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項24】
請求項23に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ロック要素(24)は、前記ロック解除方向(E)に長尺状に延在し、前記注入口(3)に関して前記ガス発生器(8)を保持するために、前記誘導要素(25)が係合する長孔(24a)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項25】
請求項23または24に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記ロック要素(24)の直線的な変位を生じるための、変位発生装置(26)によって特徴付けられるエアバッグ・モジュール。
【請求項26】
請求項25に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位発生装置(26)は、前記ロック要素(24)をロック解除するため、前記ロック解除方向(E)において、前記ロック要素(24)を押圧するピストン(28)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項27】
請求項1から11のいずれか一項または請求項12に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記第二流出口(15a)は、前記チャンバー(9)上に構成されることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項28】
請求項27に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素は、前記第二流出口(15a)が前記変位可能要素によって閉止可能であるように、前記チャンバー(9)上に変位可能状に取り付けられていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項29】
請求項27または28に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記チャンバー(9)は、前記第二流出口(15a)が構成されている円筒状壁(15)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項30】
請求項29に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素は、クリアランス(16a)を伴う円筒状リング(16)を有し、前記壁に沿って当該リング(16)を変位させた結果、前記クリアランス(16a)が前記第二流出口(15a)に合致するよう、当該リング(16)が前記チャンバー(9)の前記壁(15)上に変位可能状に構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項31】
請求項30に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記リング(16)を前記変位方向に変位させるべく、前記リング(16)は、前記変位方向(B)と交差する方向の縁部(22)を伴う凹部(21)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項32】
請求項31に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記凹部(21)は、前記リング(16)を分断し前記変位方向(B)と交差する方向に延在する間隙として、構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項33】
請求項31に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記リング(16)を分断する間隙の形状の更なる凹部(23)は、前記凹部(21)の前記縁部(22)沿いに延在することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項34】
請求項26から32のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素(16)は、変位発生装置(17)によって変位可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項35】
請求項33に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位発生装置(17)は、前記リング(16)を前記変位方向(B)に変位するため、前記凹部(21)の前記縁部(22)を押圧するピストン(20)を有することを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項36】
請求項26から34のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記チャンバー(9)は、閉止可能な排気口(29)を有し、前記エアバッグ(1)を膨張させるべく、当該排気口(29)を通ってガスが前記エアバッグ(1)に流入可能であることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項37】
請求項35に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記排気口(29)は、前記エアバッグ(1)に面した、前記チャンバー(9)の排気領域(31)上に構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項38】
請求項26から36のいずれか一項に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記変位可能要素は、開口部(32a)を伴うバルブ・プレート(32)を有し、当該バルブ・プレート(32)が前記排気領域(31)沿いに変位することによって前記開口部(32a)が前記排気口(29)と合致するように、当該バルブ・プレート(32)は前記チャンバー(9)の前記壁(15)上に変位可能状に構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項39】
請求項29から34のいずれか一項および請求項37に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記バルブ・プレート(32)は、前記エアバッグ(1)に面した前記リング(16)の連続的な縁部に保持されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。
【請求項40】
請求項39に記載のエアバッグ・モジュールであって、前記第二流出口(15a)が前記リング(16)によって開状態である際、前記排出口(29)が前記バルブ・プレート(32)によって閉状態となり、また前記第二流出口(15a)が前記リング(16)によって閉状態である際、前記排出口(29)が、開状態となるよう、前記バルブ・プレート(32)の前記開口部(32a)は、前記リング(16)の前記クリアランス(16a)に関連して構成されていることを特徴とするエアバッグ・モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−542114(P2008−542114A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515044(P2008−515044)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001004
【国際公開番号】WO2006/131110
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(594101503)タカタ・ペトリ アーゲー (146)
【Fターム(参考)】