説明

エアバッグ装置

【課題】別部品を用いることなくエアバッグの展開性能を向上させることができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】エアバッグ2は、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部21と、インフレータ3に接続される根元部22と、膨張展開時にウインドシールドW側に配置されるトップ部23と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルIとの間に配置されるボトム部24と、を備え、拘束部21は、乗員との接触面21aを上面にした状態で帯状に折り畳まれてフラップ部25を形成し、フラップ部25は、エアバッグ2の膨張展開時に乗員に向かって回動しながら移動するように折り畳まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法に関し、特に、エアバッグの展開性能を向上可能なエアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、衝突時や急減速時等の緊急時にエアバッグを車内で膨張展開させて乗員に生ずる衝撃を吸収するためのエアバッグ装置が搭載されることが一般的になってきている。かかるエアバッグ装置は、一般に、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、該リテーナを保持し前記エアバッグの開口部を形成するエアバッグカバーと、を有する。
【0003】
そして、車両衝突時や急減速時には、前記インフレータから前記エアバッグにガスが供給されて前記エアバッグが膨張し、前記エアバッグカバーが開裂して前記エアバッグが車内に放出されて膨張展開する。特に、助手席用エアバッグ装置の場合には、インストルメントパネル、ウインドシールド(フロントガラス)及び乗員により囲まれた空間に前記エアバッグが膨張展開される。
【0004】
ところで、エアバッグは、上述したように、膨張展開の過程においてエアバッグカバーの脆弱部を破断して車内に放出されるため、エアバッグカバーが破断した瞬間にエアバッグが急激に車内に飛び出してしまうことがある。この場合、乗員がインストルメントパネルに接近していると、高速で膨張展開しているエアバッグが乗員と干渉してしまい、乗員をソフトに拘束することが難しいという問題があった。そこで、一般的には、エアバッグの折り畳み方法を工夫し、展開初期にエアバッグをできるだけ上方に向けて膨張させ、インストルメントパネルに接近した乗員との干渉を回避するようにしている。しかしながら、かかる従来の方法では、エアバッグの微妙な折り畳み方の違いによって膨張方向が安定しないという問題があり、特許文献1に記載されたように、展開初期に高速で膨張するエアバッグが乗員と干渉し難くすることを目的とした発明が既に提案されている。
【0005】
特許文献1に記載された発明は、一端がリテーナに固定されて折り畳んだエアバッグ及びリッドの内面間に配置され、その全長が基準長よりも大きく形成された帯状の展開規制シートで折り畳んだエアバッグを車体後方側から車体前方側に覆ってなり、前記基準長は、リッドの車体前後方向後端の第1基準点の直上に中心を持ち、かつ第1基準点を通ってフロントガラスに第2基準点で接する円の、前記第1、第2基準点間の車体後方側の円弧長で定義されることを特徴とする。かかる構成によれば、展開初期のエアバッグが車体後方に向けて膨張するのを展開規制シートで規制することができ、エアバッグと乗員との早期干渉を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−334900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、エアバッグとは別部品である展開規制シートを付加していることから、エアバッグとは別の製造工程を要する、エアバッグ装置の重量が増加してしまう、エアバッグの折り畳み容量が大きくなってしまう等の問題があった。また、エアバッグと乗員との早期干渉を回避するために、エアバッグをできるだけ上方に向けて膨張させてから、下方又は乗員に向かって膨張展開するようにさせていることから、ガスがエアバッグ内で上下変動し易く、それに伴ってエアバッグも上下に揺動してしまうという問題もあった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、別部品を用いることなくエアバッグの展開性能を向上させることができる、エアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、を有するエアバッグ装置において、前記エアバッグは、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部と、前記インフレータに接続される根元部と、膨張展開時にウインドシールド側に配置されるトップ部と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルとの間に配置されるボトム部と、を備え、少なくとも前記拘束部は、前記乗員との接触面を上面にした状態で帯状に折り畳まれてフラップ部を形成し、該フラップ部は、前記エアバッグの膨張展開時に前記乗員に向かって回動しながら移動するように折り畳まれている、ことを特徴とするエアバッグ装置が提供される。
【0010】
前記フラップ部は、例えば、折り畳まれた前記エアバッグを車両後方側から車両前方側に向かって覆うように折り畳まれている。また、前記ボトム部は、車両前方側から挟み込まれるように前記トップ部に包まれていてもよい。また、前記フラップ部は、前記トップ部と前記ボトム部とにより形成される平面部を帯状に折り畳んだ部分を含んでいてもよい。
【0011】
また、本発明によれば、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、を有するエアバッグ装置の前記エアバッグの折り畳み方法において、前記エアバッグは、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部と、前記インフレータに接続される根元部と、膨張展開時にウインドシールド側に配置されるトップ部と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルとの間に配置されるボトム部と、を備え、前記ボトム部、前記トップ部及び前記拘束部の順番に積層されるように前記エアバッグを平面展開する平面展開工程と、前記リテーナの上に折り重なるように前記根元部を折り畳み、該根元部の上に前記トップ部と前記ボトム部とにより平面部を形成し、該平面部の上に前記乗員との接触面が上面となるように前記拘束部が配置されるように折り畳む第一折り畳み工程と、前記平面部及び前記拘束部の両端部を前記リテーナの幅と略同等の大きさとなるように内側に折り畳み、前記平面部及び前記拘束部を帯状に折り畳まれたフラップ部に形成する第二折り畳み工程と、前記フラップ部の前記ボトム部側の部分を車両後方側から前記根元部の間に挟み込ませるように折り畳む第三折り畳み工程と、前記フラップ部の残部を前記根元部の上で蛇腹折りした後、前記トップ部側の部分を車両前方側から前記根元部を覆うように折り畳む第四折り畳み工程と、を有することを特徴とするエアバッグの折り畳み方法が提供される。
【0012】
前記第三折り畳み工程において、前記フラップ部の前記ボトム部側の部分はインフレータ側に向かってロール折りされてもよい。また、前記第四折り畳み工程において、前記フラップ部の先端部を前記根元部の間に挟み込むようにしてもよい。また、前記第四折り畳み工程において、前記フラップ部の蛇腹折りした部分を前記根元部の間に挟み込むようにしてもよい。また、前記第四折り畳み工程の後に、折り畳まれた前記エアバッグをラッピング部材で包んで形状を保持するラッピング工程を有していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明に係るエアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法によれば、乗員と接触する拘束部を含むフラップ部を形成し、エアバッグの膨張展開時に乗員に向かって回動しながら移動するようにフラップ部を折り畳むようにしたことから、エアバッグの膨張展開時に車内に放出されたエアバッグは、フラップ部が乗員に向かって回動しながら移動し、連れてトップ部が引き出されて膨張展開し、最終的にボトム部が膨張展開してエアバッグの膨張展開を完了させることができる。このようにフラップ部を回動させながら移動させることにより、フラップ部がエアバッグの膨張展開を規制する役割を担うことができ、初期展開時におけるエアバッグの上方への膨出を抑制することができ、乗員との早期干渉を抑制することができる。
【0014】
また、フラップ部はエアバッグの一部を折り畳むことによって形成されることから、別部品を用いる必要がない。したがって、別部品の製造工程を不要にすることができ、エアバッグ装置の重量及びエアバッグの折り畳み容量の増加を抑制することができる。
【0015】
また、エアバッグのトップ部は、フラップ部の回動に伴って膨張展開されることから、エアバッグの膨張過程におけるガスの上下変動を低減することができ、エアバッグの上下揺動を抑制することができる。
【0016】
したがって、本発明に係るエアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法によれば、別部品を用いることなくエアバッグの展開性能を向上させることができる。
【0017】
また、折り畳まれたエアバッグをフラップ部で車両後方側から車両前方側に向かって覆うようにしたことにより、エアバッグが膨張展開しようとするときに、フラップ部を押し出し、車両後方側の部分を基点にしてフラップ部を回動させることができる。
【0018】
また、ボトム部を車両前方側から挟み込むようにトップ部で包むことにより、フラップ部、トップ部、ボトム部の順にエアバッグを膨張展開させることができる。
【0019】
また、フラップ部にトップ部とボトム部とにより形成される平面部を含ませることにより、容易にフラップ部を形成するようにエアバッグを折り畳むことができる。
【0020】
また、フラップ部のボトム部側の部分をインフレータ側に向かってロール折りすることにより、ロール折りされた部分の膨張展開に時間差を付けることができ、ロール折りされた部分を根元部の膨張によって他の車内構造物(例えば、エアバッグカバー)に一時的に押し付けることができ、フラップ部が回動する際の基点を形成することができる。
【0021】
また、フラップ部の先端部を根元部の間に挟み込むようにしたことにより、エアバッグを折り畳んだときの形状を保持し易くすることができ、特に、フラップ部の折り畳み形状を安定させることができる。
【0022】
また、フラップ部の蛇腹折りした部分を根元部の間に挟み込むようにしたことにより、蛇腹折りした部分の形状を安定させることができる。
【0023】
また、折り畳まれたエアバッグをラッピング部材で包むことにより、折り畳まれた形状を安定させることができ、エアバッグ装置の製造工程におけるエアバッグモジュールの取り扱いを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置を示す断面図である。
【図2】図1に示したエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は通常状態、(B)は第一段階、(C)は第二段階、を示している。
【図3】図1に示したエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は第三段階、(B)は第四段階、(C)は展開完了状態、を示している。
【図4】図1に示したエアバッグを示す図であり、(A)は正面図、(B)は水平断面図、を示している。
【図5】図1に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は平面展開工程、(B)は第一折り畳み工程、を示している。
【図6】図1に示したエアバッグの折り畳み方法における第二折り畳み工程を示す図であり、(A)は第一段階、(B)は第二段階、(C)は第三段階、(D)は第四段階、を示している。
【図7】図1に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は第三折り畳み工程、(B)は第四折り畳み工程の第一段階、及び(C)は第四折り畳み工程の第二段階、を示している。
【図8】本発明の第二実施形態に係るエアバッグ装置を示す断面図である。
【図9】図8に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は第三折り畳み工程、(B)は第四折り畳み工程の第一段階、及び(C)は第四折り畳み工程の第二段階、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るエアバッグ装置1の実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置を示す断面図である。図2は、図1に示したエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は通常状態、(B)は第一段階、(C)は第二段階、を示している。図3は、図1に示したエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は第三段階、(B)は第四段階、(C)は展開完了状態、を示している。図4は、図1に示したエアバッグを示す図であり、(A)は正面図、(B)は水平断面図、を示している。
【0026】
本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置1は、図1〜図4に示したように、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2にガスを供給するインフレータ3と、エアバッグ2及びインフレータ3を固定するリテーナ4と、を有し、エアバッグ2は、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部21と、インフレータ3に接続される根元部22と、膨張展開時にウインドシールドW側に配置されるトップ部23と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルIとの間に配置されるボトム部24と、を備え、少なくとも拘束部21は、乗員との接触面21aを上面にした状態で帯状に折り畳まれてフラップ部25を形成し、フラップ部25は、エアバッグ2の膨張展開時に乗員に向かって回動しながら移動するように折り畳まれている。
【0027】
前記エアバッグ装置1は、助手席用エアバッグ装置であり、図2(A)に示したように、助手席の前面に配置されているインストルメントパネルIに装着される。具体的には、エアバッグ装置1は、図1に示したように、エアバッグ2、インフレータ3及びリテーナ4を収容するエアバッグカバー5を有する。また、リテーナ4は、保持ケース6に固定されており、保持ケース6は、エアバッグカバー5に係止されている。保持ケース6には、図1に示したように、エアバッグ装置1を車内構造物7に固定するためのブラケット62が装着される。なお、図1において、左側は背面(ウインドシールド側)を示し、右側は正面(乗員側)を示している。
【0028】
エアバッグカバー5は、図1に示したように、板状部51とインナーケース52とを一体に成型したものである。板状部51及びインナーケース52は、射出成形により一体に成型されてもよいし、板状部51の背面にインナーケース52を溶着することにより一体に構成するようにしてもよい。なお、エアバッグカバー5は、図示した構造及び形状に限定されるものではなく、例えば、インストルメントパネルIと一体に形成されていてもよい、板状部51は傾斜していてもよい等、従来から使用されているものを適宜使用することができる。
【0029】
板状部51は、例えば、インストルメントパネルIの車両内装面の一部を構成する部材である。板状部51のインナーケース52の内側に位置する領域には、エアバッグ2の膨張展開時に開裂させたい形状に合わせて、薄肉に形成されたテアライン51aが形成されている。テアライン51aは、例えば、略H字形状に形成され、板状部51は、一対の扉部51bに開裂し、ヒンジ部54を中心に観音開きする。なお、テアライン51aは、例えば、一枚の扉部が片開きとなるように略コ字状に形成してもよい。
【0030】
インナーケース52は、板状部51の背面に矩形に立設された筒状の壁面により構成されている。また、インナーケース52は、保持ケース6を係止するための複数の保持孔53と、扉部51bを回動させるヒンジ部54と、を有する。保持ケース6には、保持孔53に係止可能なフック61が形成されている。ヒンジ部54は、板状部51とインナーケース52との連接部により構成され、図1に示したように、例えば、インナーケース52の一部を薄肉に形成した部分により構成される。
【0031】
前記インフレータ3は、エアバッグ2に供給されるガスを発生させるガス発生器であり、例えば、略円柱形状の外形(シリンダ型)をなしている。インフレータ3は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、加速度センサ等の計測値に基づいて制御される。ECUが車両の衝突や急減速を感知又は予測すると、インフレータ3はECUからの点火電流により点火され、インフレータ3の内部に格納された薬剤を燃焼させてガスを発生させ、エアバッグ2にガスを供給する。なお、インフレータ3は、図示した形状に限定されるものではなく、ディスク型であってもよい。
【0032】
前記リテーナ4は、インフレータ3を支持する下部リテーナ41と、インフレータ3の上部に配置される上部リテーナ42と、を有する。下部リテーナ41と上部リテーナ42との間にインフレータ3を配置し、下部リテーナ41と上部リテーナ42とをボルト等の締結具により接続することによって、インフレータ3を挟持する。なお、下部リテーナ41と上部リテーナ42との間に、エアバッグ2の一部を一緒に挟持させることによって、エアバッグ2とインフレータ3との接続部を封止することができる。
【0033】
前記エアバッグ2は、図4(A)及び(B)に示したように、例えば、車両左右方向に一対の膨張部2a,2aが配置されたツインバッグである。エアバッグ2は、図4(B)に示したように、基端部2b側にリテーナ4に接続される開口部2cが形成されており、開口部2cの近傍は膨張部2a,2aを連通する根元部22を構成している。一対の膨張部2a,2aは縫合部2dにより接続されており、一つの膨張体としての形状を保持できるように構成されている。各膨張部2aには幅方向の形状を規制するテザー2eが接続されていてもよい。
【0034】
エアバッグ2の前面は、乗員と接触する接触面21aを構成し、膨張部2a,2aの先端部は拘束部21を構成している。また、図3(C)に示したように、エアバッグ2は、拘束部21及び根元部22の中間部において、ウインドシールドW側に配置されるトップ部23と、乗員とインストルメントパネルIとの間に配置されるボトム部24と、を有している。なお、エアバッグ2は、図示した形状に限定されるものではなく、内圧を調整するベントホールを有していてもよいし、一つの膨張部により構成されるシングルバッグであってもよい。
【0035】
また、エアバッグ2は、図1に示すように、フラップ部25が、折り畳まれたエアバッグ2を車両前方側(ウインドシールド側)から車両後方側(乗員側)に向かって覆うように折り畳まれている。より具体的には、ボトム部24は、車両前方側(ウインドシールド側)から挟み込まれるようにトップ部23に包まれ、トップ部23は、車両前方側(ウインドシールド側)から挟み込まれるようにフラップ部25に包まれている。
【0036】
ここで、エアバッグ2の折り畳み方法について、図5〜図7を参照しつつ説明する。図5は、図1に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は平面展開工程、(B)は第一折り畳み工程、を示している。図6は、図1に示したエアバッグの折り畳み方法における第二折り畳み工程を示す図であり、(A)は第一段階、(B)は第二段階、(C)は第三段階、(D)は第四段階、を示している。図7は、図1に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は第三折り畳み工程、(B)は第四折り畳み工程の第一段階、及び(C)は第四折り畳み工程の第二段階、を示している。
【0037】
本実施形態に係るエアバッグ2の折り畳み方法は、図5〜図7に示したように、ボトム部24、トップ部23及び拘束部21の順番に積層されるようにエアバッグ2を平面展開する平面展開工程と、リテーナ4の上に折り重なるように根元部22を折り畳み、根元部22の上にトップ部23とボトム部24とにより平面部26を形成し、平面部26の上に乗員との接触面が上面となるように拘束部21が配置されるように折り畳む第一折り畳み工程と、平面部26及び拘束部21の両端部をリテーナ4の幅と略同等の大きさとなるように内側に折り畳み、拘束部21及び平面部26を帯状に折り畳まれたフラップ部25に形成する第二折り畳み工程と、フラップ部25のボトム部24側の部分を車両後方側(乗員側)から根元部22の間に挟み込ませるように折り畳む第三折り畳み工程と、フラップ部25の残部を根元部22の上で蛇腹折りした後、トップ部23側の部分を車両前方側(ウインドシールド側)から根元部22を覆うように折り畳む第四折り畳み工程と、を有している。
【0038】
図5(A)に示した平面展開工程は、袋体として縫製されたエアバッグ2を作業台上で平面展開する工程である。エアバッグ2の折り畳み後の形態を保持し易くするために、エアバッグ2にリテーナ4を予め接続しておいてもよい。図5(A)において、図の左側から、表面図、中央断面図、裏面図を図示している。この平面展開工程では、拘束部21の接触面21aを押さえながらエアバッグ2を上から押し潰すようにした形状にエアバッグ2を平面展開する。したがって、エアバッグ2は、裏面側から表面側に向かって、ボトム部24、トップ部23、拘束部21の順番に積層される。また、平面展開状態では、根元部22は、トップ部23とボトム部24との間に位置している。表面図において、トップ部23の側面には、ベントホール23aやテザー2eの縫製部23bが配置されている。裏面図において、根元部22の一部は、エアバッグ2の内側に折り込まれて、エアバッグ2内に突出した舌部22aを形成する。
【0039】
図5(B)に示した第一折り畳み工程は、図5(A)に示した平面展開状態のエアバッグ2を折り線L1,L2によってエアバッグ2を折り畳む工程である。具体的には、図5(A)の中央断面図に示したように、折り線L1に沿って、拘束部21を表面側から裏面側に回転させ、折り線L2に沿って、リテーナ4を根元部22の上に回転させる。その結果、図5(B)に示したように、エアバッグ2は略菱形の外形となるように折り畳まれる。図5(B)において、図の左側から、表面図、中央断面図、裏面図を図示している。中央断面図に示したように、リテーナ4の下側で根元部22は蛇腹折りされた状態になっており、蛇腹折りされた根元部22の下に、平面部26が形成されている。平面部26は、表面が拘束部21(接触面21a)により構成され、裏面側(根元部22側)の上部がボトム部24の一部により構成され、下部がトップ部23の一部により構成されている。また、裏面図に示したように、平面部26の表面は、拘束部21(接触面21a)とトップ部23の一部とが折り重なった状態に構成されている。
【0040】
以下の工程では、リテーナ4及び根元部22側を下にして平面部26を上にした状態(表裏を反転させた状態)かつ平面部26のトップ部23側を上にしてボトム部24側を下にした状態(上下を反転させた状態)でエアバッグ2を折り畳むこととする。
【0041】
図6(A)〜(D)に示した第二折り畳み工程は、エアバッグ2をエアバッグカバー5に収容できるように横幅を短くする工程である。具体的には、図6(A)に示した第一段階のように、平面部26を構成するトップ部23及びボトム部24を上方に向かってロール折りし、図6(B)に示した第二段階のように、平面部26を構成する拘束部21の下側に隠れた状態にする。反対側も同様にロール折りして、図6(C)に示した第三段階のように、平面部26を構成する拘束部21の下側に平面部26を構成するトップ部23及びボトム部24をロール折りした状態で畳み込む。
【0042】
次に、図6(D)に示した第四段階のように、平面部26を構成する拘束部21を下方(インフレータ側)に向かって折り畳み、平面部26のロール折りされた部分と同じ幅となるようにする。このとき、平面部26を構成する拘束部21の幅が大きい場合には下方(インフレータ側)に向かってロール折りするようにしてもよい。このように平面部26及び拘束部21の横幅を短くして、リテーナ4の幅と略同等の大きさとなるように折り畳むことによって、平面部26及び拘束部21を帯状に折り畳んだフラップ部25を形成する。
【0043】
図7(A)に示した第三折り畳み工程は、フラップ部25のボトム部24側の部分をエアバッグカバー5に収容できるように折り畳む工程である。フラップ部25のボトム部24側の部分は、蛇腹折りされた根元部22に向かって下方(インフレータ側)にロール折りされる。このとき、蛇腹折りされた根元部22の一部を外方に引き出し、フラップ部25のロール折りされた部分を約半分の面積で支持する。
【0044】
図7(B)及び(C)に示した第四折り畳み工程は、フラップ部25のトップ部23側の部分をエアバッグカバー5に収容できるように折り畳む工程である。具体的には、図7(A)に示したフラップ部25のトップ部23側の部分を図の矢印で示した方向に一度折り畳むことによって、図7(B)に示したように、フラップ部25の残部を根元部22の上で蛇腹折りする。また、同時に、第三折り畳み工程で引き出した蛇腹折りした根元部22の一部で、フラップ部25の蛇腹折りした部分を覆うように折り畳む。すなわち、フラップ部25の蛇腹折りした部分を根元部22の間に挟み込むようにする。
【0045】
続いて、折り畳まれたエアバッグ2から突出したフラップ部25の先端部を、図7(C)に示した矢印のように、蛇腹折りした根元部22の部分を覆うように折り畳む。このとき、フラップ部25の先端部を蛇腹折りされた根元部22の間に挟み込むようにすると、折り畳んだエアバッグ2の形状を安定的に保持することができる。その結果、図7(C)に示したように、エアバッグ2の全体をリテーナ4上でエアバッグカバー5に収容できる大きさに折り畳むことができる。
【0046】
最後に、第四折り畳み工程の後に、折り畳まれたエアバッグ2を図7(C)に示したラッピング部材27で包んで形状を保持するラッピング工程を追加するようにしてもよい。具体的には、リテーナ4に装着されたボルト等の締結具にラッピング部材27の一端を係止させ、ラッピング部材27の他端を折り畳まれたエアバッグ2を包み込むように反対側の締結具に係止させる。また、ラッピング部材27の側面部27aでエアバッグの側面部を包み、締結具に係止させることによって、エアバッグ2の全面をラッピング部材27で被覆するようにしてもよい。このようにエアバッグ2をラッピングすることにより、エアバッグ装置1の製造工程におけるエアバッグモジュールの取り扱いを容易にすることができる。ラッピング部材27は、例えば、エアバッグ2を構成する基布と同じ素材により形成される。なお、ラッピング部材27の中間部には、エアバッグ2の膨張展開時に開裂するテアライン27bが形成されている。
【0047】
上述した折り畳み方法によりエアバッグ2を折り畳むことにより、ボトム部24は、車両前方側(ウインドシールド側)から挟み込まれるように根元部22に包まれ、根元部22は、車両前方側(ウインドシールド側)から挟み込まれるようにトップ部23に包まれ、トップ部23は、車両前方側(ウインドシールド側)から挟み込まれるようにフラップ部25に包まれることとなる。すなわち、フラップ部25は、折り畳まれたエアバッグ2を車両前方側(ウインドシールド側)から車両後方側(乗員側)に向かって覆うように折り畳まれることとなる。
【0048】
なお、最終的にエアバッグ装置1は、リテーナ4にインフレータ3を接続し、保持ケース6に折り畳まれたエアバッグ2、インフレータ3及びリテーナ4を固定し、保持ケース6をエアバッグカバー5の保持孔53に係止させることによって、図1に示した状態に形成される。
【0049】
次に、上述した折り畳み方法によって折り畳まれたエアバッグ2の膨張展開挙動について、図2及び図3を参照しつつ説明する。なお、図2(C)〜図3(B)において二点鎖線で示した形状は、従来技術のエアバッグ200における膨張展開挙動を比較例として図示したものである。
【0050】
図2(A)に示した通常状態は、車両が衝突したり、急減速したりしていない状態である。また、エアバッグ2は、インストルメントパネルIにエアバッグカバー5を嵌め込んで固定されており、インストルメントパネルIの前方及び上方にはウインドシールドWが配置されている。
【0051】
そして、衝突時や急減速時等の緊急時には、ECU(電子制御ユニット)の指令に基づいて、インフレータ3が作動しエアバッグ2内にガスを噴出する。エアバッグ2内に噴出されたガスは、図2(B)に示した第一段階のように、まず、根元部22を膨張させ、根元部22の上に折り畳まれていたフラップ部25を上方に押し上げ、エアバッグカバー5を開裂させる。
【0052】
さらに、エアバッグ2内にガスが供給されると、図2(C)に示した第二段階のように、フラップ部25のトップ部23側の部分が上方に押し出されて車内に放出可能な状態となる。また、フラップ部25のボトム部24側の部分は、ロール折りされていることから、解け難くなっており、膨張展開に時間差を付けることができ、ロール折りされた状態のまま押し出され、エアバッグカバー5の出口付近に一時的に押し付けられた状態となる。一方、同時刻における従来技術のエアバッグ200では、一般に、エアバッグカバー5から上方に向かって放出され易く折り畳まれていることから、本実施形態に係るエアバッグ2よりも上方に突出した状態になっている。
【0053】
さらに、エアバッグ2内にガスが供給されると、図3(A)に示した第三段階のように、フラップ部25のトップ部23側の部分が、エアバッグカバー5に押し付けられたロール折りの部分を基点にして乗員に向かって回動しながら移動する。一方、同時刻における従来技術のエアバッグ200では、上方に向かって放出され易く折り畳まれていることから、本実施形態に係るエアバッグ2よりも上方に突出し、ウインドシールドWに沿ってエアバッグ2が膨張展開された状態になっている。
【0054】
さらに、エアバッグ2内にガスが供給されると、図3(B)に示した第四段階のように、フラップ部25のトップ部23側の部分の回動に伴って、トップ部23が膨張展開し、フラップ部25の背面(車両前方側の面)がウインドシールドWに向かって膨張展開する。このとき、エアバッグカバー5に押し付けられたロール折りの部分は、エアバッグ2の膨張展開に伴って、徐々にロールが解けていく。一方、同時刻における従来技術のエアバッグ200では、ウインドシールドWに沿って上方に膨張展開し、エアバッグ200の全体が車内に引き出されて、次に下方に向かって膨張展開しようとする状態になっている。
【0055】
さらに、エアバッグ2内にガスが供給されると、図3(C)に示した展開完了状態のように、フラップ部25は乗員に向かって膨張展開して接触面21aを形成し、エアバッグカバー5に押し付けられたロール折りの部分が完全に解けて、ボトム部24が乗員とインストルメントパネルIとの間に膨張展開される。一方、同時刻における従来技術のエアバッグ200の場合も略同様の形状に膨張展開される。なお、図3(C)において、拘束部21、根元部22、トップ部23及びボトム部24を区分けする一点鎖線は単なる仮想境界線である。
【0056】
ところで、従来技術のエアバッグ200では、ウインドシールドWに沿って上方に膨張展開した後、下方に向かってエアバッグ200を膨張展開させていることから、エアバッグ200内におけるガスの上下変動が大きく、エアバッグ200が上下に揺動し易い。それに対して、本実施形態に係るエアバッグ2では、トップ部23がフラップ部25の回動に伴って膨張展開されることから、エアバッグ2の膨張過程におけるガスの上下変動を低減することができ、エアバッグ2の上下揺動を抑制することができる。
【0057】
また、上述したように、本実施形態では、拘束部21により形成されるフラップ部25を回動させながら移動させることにより、フラップ部25がエアバッグ2の膨張展開を規制する役割を担うことができ、初期展開時におけるエアバッグ2の上方への膨出を抑制することができ、乗員との早期干渉を抑制することができる。特に、フラップ部25はエアバッグ2の一部を折り畳むことによって形成されていることから、別部品を用いる必要がなく、余分な製造工程を追加する必要がなく、エアバッグ装置1の重量及びエアバッグ2の折り畳み容量の増加を抑制することもできる。
【0058】
また、上述したように、本実施形態では、ボトム部24を車両前方側(ウインドシールドW側)から挟み込むようにトップ部23で包み、トップ部23を車両前方側(ウインドシールドW側)から挟み込むようにフラップ部25で包むように折り畳んでいることから、フラップ部25、トップ部23、ボトム部24の順にエアバッグ2を膨張展開させることができる。
【0059】
次に、本発明の第二実施形態に係るエアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法について、図8及び図9を参照しつつ説明する。ここで、図8は、本発明の第二実施形態に係るエアバッグ装置を示す断面図である。図9は、図8に示したエアバッグの折り畳み方法を示す図であり、(A)は第三折り畳み工程、(B)は第四折り畳み工程の第一段階、及び(C)は第四折り畳み工程の第二段階、を示している。なお、上述した第一実施形態に係るエアバッグ装置1及びエアバッグ2の折り畳み方法と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0060】
図8に示したエアバッグ装置1は、図1に示したエアバッグ装置1と同じ構成をなしており、エアバッグ2の折り畳み方法のみが異なっている。図8に示したエアバッグ2は、蛇腹折りした根元部22の間に挟み込まれる部分をフラップ部25のボトム部24側のロール折りした部分のみにしたものである。すなわち、根元部22の上で蛇腹折りされたフラップ部25の部分は、蛇腹折りした根元部22の間に挟み込まれていない。かかる構成によっても、第一実施形態に係るエアバッグ2と同様に、フラップ部25は、エアバッグ2の膨張展開時に乗員に向かって回動しながら移動するように折り畳むことができ、図2及び図3に示した膨張展開挙動と実質的に同じ挙動でエアバッグ2を膨張展開させることができる。
【0061】
上述した第二実施形態に係るエアバッグ2の折り畳み方法は、図5及び図6に示した平面展開工程〜第二折り畳み工程及びラッピング工程は、第一実施形態に係るエアバッグ2の折り畳み方法と同じである。以下、図9(A)〜(C)に基づいて、第三折り畳み工程及び第四折り畳み工程について説明する。
【0062】
図9(A)に示した第三折り畳み工程は、フラップ部25のボトム部24側の部分をエアバッグカバー5に収容できるように折り畳む工程である。フラップ部25のボトム部24側の部分は、図の矢印で示したように、蛇腹折りされた根元部22に向かって下方(インフレータ側)にロール折りされる。
【0063】
図9(B)及び(C)に示した第四折り畳み工程は、フラップ部25のトップ部23側の部分をエアバッグカバー5に収容できるように折り畳む工程である。具体的には、図9(A)に示したフラップ部25のトップ部23側の部分を図の矢印で示した方向に一度折り畳むことによって、図9(B)に示したように、フラップ部25を根元部22の上で蛇腹折りする。
【0064】
続いて、折り畳まれたエアバッグ2から突出したフラップ部25の先端部を、図9(C)に示した矢印のように、蛇腹折りした根元部22の部分を覆うように折り畳む。このとき、フラップ部25の先端部を蛇腹折りされた根元部22の間に挟み込むようにすると、折り畳んだエアバッグ2の形状を安定的に保持することができる。その結果、図9(C)に示したように、エアバッグ2の全体をリテーナ4上でエアバッグカバー5に収容できる大きさに折り畳むことができる。
【0065】
上述した実施形態では、助手席用エアバッグ装置に本発明を適用した場合について説明したが、同様の構成を採用できるエアバッグ装置であれば、運転席用エアバッグ装置、サイドエアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、歩行者用エアバッグ装置等に適用するようにしてもよい。
【0066】
本発明は上述した実施形態に限定されず、エアバッグ1は三片の基布により形成されるシングルバッグでもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
1…エアバッグ装置
2…エアバッグ
2a…膨張部
2b…基端部
2c…開口部
2d…縫合部
2e…テザー
3…インフレータ
4…リテーナ
5…エアバッグカバー
6…保持ケース
7…車内構造物
21…拘束部
21a…接触面
22…根元部
22a…舌部
23…トップ部
23a…ベントホール
23b…縫製部
24…ボトム部
25…フラップ部
26…平面部
27…ラッピング部材
27a…側面部
27b…テアライン
41…下部リテーナ
42…上部リテーナ
51…板状部
51a…テアライン
51b…扉部
52…インナーケース
53…保持孔
54…ヒンジ部
61…フック
62…ブラケット
200…エアバッグ(従来技術)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、を有するエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部と、前記インフレータに接続される根元部と、膨張展開時にウインドシールド側に配置されるトップ部と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルとの間に配置されるボトム部と、を備え、
少なくとも前記拘束部は、前記乗員との接触面を上面にした状態で帯状に折り畳まれてフラップ部を形成し、該フラップ部は、前記エアバッグの膨張展開時に前記乗員に向かって回動しながら移動するように折り畳まれている、
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
前記フラップ部は、折り畳まれた前記エアバッグを車両後方側から車両前方側に向かって覆うように折り畳まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記ボトム部は、車両前方側から挟み込まれるように前記トップ部に包まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記フラップ部は、前記トップ部と前記ボトム部とにより形成される平面部を帯状に折り畳んだ部分を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、を有するエアバッグ装置の前記エアバッグの折り畳み方法において、
前記エアバッグは、膨張展開時に乗員の正面に配置される拘束部と、前記インフレータに接続される根元部と、膨張展開時にウインドシールド側に配置されるトップ部と、膨張展開時に乗員とインストルメントパネルとの間に配置されるボトム部と、を備え、
前記ボトム部、前記トップ部及び前記拘束部の順番に積層されるように前記エアバッグを平面展開する平面展開工程と、
前記リテーナの上に折り重なるように前記根元部を折り畳み、該根元部の上に前記トップ部と前記ボトム部とにより平面部を形成し、該平面部の上に前記乗員との接触面が上面となるように前記拘束部が配置されるように折り畳む第一折り畳み工程と、
前記平面部及び前記拘束部の両端部を前記リテーナの幅と略同等の大きさとなるように内側に折り畳み、前記平面部及び前記拘束部を帯状に折り畳まれたフラップ部に形成する第二折り畳み工程と、
前記フラップ部の前記ボトム部側の部分を車両後方側から前記根元部の間に挟み込ませるように折り畳む第三折り畳み工程と、
前記フラップ部の残部を前記根元部の上で蛇腹折りした後、前記トップ部側の部分を車両前方側から前記根元部を覆うように折り畳む第四折り畳み工程と、
を有することを特徴とするエアバッグの折り畳み方法。
【請求項6】
前記第三折り畳み工程において、前記フラップ部の前記ボトム部側の部分はインフレータ側に向かってロール折りされる、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグの折り畳み方法。
【請求項7】
前記第四折り畳み工程において、前記フラップ部の先端部を前記根元部の間に挟み込むようにした、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグの折り畳み方法。
【請求項8】
前記第四折り畳み工程において、前記フラップ部の蛇腹折りした部分を前記根元部の間に挟み込むようにした、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグの折り畳み方法。
【請求項9】
前記第四折り畳み工程の後に、折り畳まれた前記エアバッグをラッピング部材で包んで形状を保持するラッピング工程を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のエアバッグの折り畳み方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−6537(P2013−6537A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141055(P2011−141055)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(306009581)タカタ株式会社 (812)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】