説明

エアーマット

【課題】エアーマットにおいて、呼吸動作のうち呼気動作をし易くし、息を吐き切るところまで呼気動作を持続し易いように補助する。
【解決手段】空気袋は、ベースマット上に仰臥した身体背面の大腿部、左右肩部、叉は臀部に対応して設けられており、制御装置は、複数の空気袋が人体の呼吸周期のうち呼気相において呼気動作に対応して身体を屈曲させるように、大腿部、左右肩部、叉は臀部のいずれか一つ叉は複数の空気袋を選択的に給排気制御する。例えば、大腿部に対応する空気袋2eと左右肩部に対応する空気袋2aとを膨張させ、臀部に対応する空気袋2dを収縮させる。これにより、呼気動作時に身体を前屈姿勢とさせ、呼吸動作のうち呼気動作をし易くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の空気袋の膨張及び収縮を制御することによって、呼吸動作のうち主に呼気動作の補助を行うエアーマットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、マット上に仰臥した身体背面に対応して設けられた空気袋を、夫々人体の呼吸の吸気相と呼気相に対応させて膨張・収縮させる動作モードを備えたエアーマッサージマットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このエアーマッサージマットは、空気袋が膨張するとき胸や腹を背面から押し広げるような形となり、吸気をし易くし、収縮するとき呼気をし易くするものであり、空気袋が人体胸部の背面に位置していると、胸式呼吸をし易くし、人体腹部の背面に位置していると、腹式呼吸をし易くするものである。
【0003】
また、呼吸周期については、予め一般的な呼吸や深呼吸の周期を登録したものや、それらより少しだけ遅い周期叉は1/fゆらぎで変化するものや、人体の呼吸周期をリアルタイムでセンシングしてフィードバックするものや、時間の経過とともに上記の周期の組合せや比率を変えるものが提案されている。
【0004】
また、呼吸の仕方に関して、意識的に呼気相(息を吐く)の時間長を長くした長周期呼吸をすることで、精神を鎮静化させ、リラックスさせる効果が認められている。また、入眠期には呼吸周期が長くなるとともに、吸気相に対する呼気相の時間長が長くなることが知られている。これらは、吸気相では自律神経のうち生理的緊張を促す交感神経活動が高まり、逆に呼気相では生理的休息を促す副交感神経が高まることによるものと考えられている。従って、呼吸によって効果的に生理的緊張を解きほぐし、生理的休息を促すには、ゆっくりと吐くこと、つまり吸気相にかかる時間長に対し呼気相にかかる時間長を長くすることが望ましい。
【特許文献1】特開2003−225269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に示されるエアーマッサージマットにおいては、呼吸動作のうち、背部に対応する空気袋を収縮させるときを呼気動作に対応させており、空気袋上に乗っている身体の体重により自然排気し、叉は、膨張時と共通若しくは別に用意したエアーポンプで強制的に排気する。そして、空気袋を収縮させる時間長を、深呼吸のようなゆっくりした呼気動作に対応する遅い周期に設定することも可能であるが、使用者に呼気動作を行わせるときに、制御時間だけ長くしても、それに合わせて呼気時間を長くすることは、吐く息が続きにくく、不自然な呼吸パターンになるという可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解消するものであり、呼吸動作のうち呼気動作をし易くし、息を吐き切るところまで呼気動作を持続し易いように補助するエアーマットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ベースマットに配設された複数の空気袋と、これら空気袋を膨張及び収縮させる給排気装置と、前記給排気装置を制御する制御装置とを備えたエアーマットにおいて、前記空気袋は、ベースマット上に仰臥した身体背面に対応して設けられており、前記制御装置は、複数の空気袋が人体の呼吸周期のうち呼気相において呼気動作に対応して身体を屈曲させるように、選択的に給排気制御するものである。
請求項2の発明は、請求項1記載のエアーマットにおいて、前記空気袋は、ベースマット上に仰臥した身体背面の大腿部、左右肩部、叉は臀部に対応して設けられており、前記制御装置は、呼気動作に対応して身体を屈曲させるように、前記大腿部、左右肩部、叉は臀部のいずれか一つ叉は複数の空気袋を給排気制御するものである。
請求項3の発明は、請求項1叉は請求項2に記載のエアーマットにおいて、前記制御装置に対する指示入力用であって、使用者によって操作され、前記制御装置による空気袋の給排気動作の設定部を有した操作部を備え、前記設定部は、所定周期より長い周期で前記給排気装置を制御する動作モードを備えているものである。
請求項4の発明は、請求項3記載のエアーマットにおいて、前記設定部は、呼吸動作周期のうち呼気動作時間(x)と吸気動作時間(y)が、x≧2yとなるように前記給排気装置を制御する動作モードを備えているものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアーマットにおいて、前記制御装置から出力される給排気装置を制御する制御信号に基づいて駆動され、前記給排気装置の給排気動作周期に同期した動作ガイドを出力するガイド出力部をさらに備えたものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のエアーマットにおいて、使用者の呼吸周期を検出する呼吸検出部と、前記呼吸検出部により検出された使用者の呼吸周期(以下、検出呼吸周期という)に応じて前記制御装置による空気袋の給排気動作方法を選定する動作選定部と、をさらに備え、前記動作選定部は、前記検出呼吸周期で前記給排気装置が動作するように制御し、一定時間経過後、前記検出呼吸周期より少し遅い周期で前記給排気装置が動作するように制御し、そのときの検出呼吸周期が給排気装置の動作周期に追従しているかを比較し、その検出呼吸周期が給排気装置の動作周期に追従していなければ、再び当初の検出呼吸周期で給排気装置が動作するように制御するものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアーマットにおいて、使用者の意識レベルを検出する意識レベル検出部をさらに備え、前記動作選定部は、前記意識レベル検出部により検出された意識レベルが所定のリラックス度或いは睡眠段階に到達したと見なされるとき、前記給排気装置の制御を停止するものである。
請求項8の発明は、請求項6に記載のエアーマットにおいて、前記呼吸検出部で検出した使用者の呼吸周期と前記給排気装置の動作周期とに関する情報が表示される表示部をさらに備えたものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のエアーマットにおいて、前記給排気装置は、前記空気袋の給排気動作モードを設定可能とされ、前記空気袋の一部の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応した動作とし、その他の空気袋の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応しない動作とした組み合わせモードとすることができるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、呼気動作時に身体を前屈姿勢とさせ、前屈姿勢は横隔膜を上げ易くするため、呼吸動作のうち呼気動作をし易くすることができる。この動作が自然に行えることにより、リラクゼーション効果や入眠促進効果が期待できる。
請求項2の発明によれば、大腿部を垂直上方向に持ち上げて骨盤が後傾する、つまり腰仙角をフラットに近づけて腰部を屈曲動作させることができ、叉は、左右の肩を内側に内側に向け上半身を屈曲させることができ、叉は、臀部を垂直下方向に沈ませて骨盤が後傾する、つまり腰仙角をフラットに近づけて腰部を屈曲させることができ、これにより、息を吐き切るところまで呼気動作を持続し易くする。
請求項3の発明によれば、長周期に利用者自身が呼吸を同調させることで、呼吸が整えられ安定した精神状態へ導くことが可能となり、より効果的にリラクゼーションや入眠を促進させることが期待できる。
請求項4の発明によれば、息を吸う時間長に対して息を吐く時間長を長くすることができるため、自律神経のうち生理的緊張を促す交感神経を高めることができる。
請求項5の発明によれば、使用者は空気袋の給排気動作周期と、それに同期した動作ガイド、例えば音声や音や光などのガイドとに合わせて呼吸をすることで、確実に呼吸が整えられ安定した精神状態へ導くことが可能となり、効果的にリラクゼーションや入眠を促進させることができる。
請求項6の発明によれば、使用者の呼吸周期に合わせて無理することなく確実に呼吸が整えられ安定した精神状態へ導くことが可能となり、より効果的にリラクゼーションや入眠を促進させることができる。
請求項7の発明によれば、使用者がリラックス状態又は入眠状態になってからは空気袋が動作しないので、安定したリラックス状態又は入眠の妨げになるのを防止することができる。
請求項8の発明によれば、使用者自身の呼吸などを情報表示から確認することができ、呼吸が整っていなかったり空気袋の動作との合致率が低かったりした場合には、次回使用時に空気袋の動作に合わせるように使用者の意識を高める動機付けとなり、また、これにより、使用する毎に、より効果的にリラクゼーションや入眠を促進させることが期待できる。
請求項9の発明によれば、使用者は常に呼吸を意識する必要がなく、自然にリラクゼーションや入眠を促進させることが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係るエアーマットについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るエアーマットを示す。エアーマットは、基体としてのベースマット1上に配された複数の空気袋2と、ベースマット1の隅部に配され、各空気袋2を個別に膨張及び収縮させる給排気装置3と、給排気装置3を制御する制御装置4と、操作器5とを備えている。空気袋2の各々は、仰臥状態の身体背部の各部位に対応するものから成る。空気袋2aは、仰臥状態の身体背面の左右肩部に対応させて設けられ、空気袋2bは、背部に対応させて設けられ、空気袋2cは、腰部に対応させて設けられ、空気袋2dは、臀部に対応させて設けられ、空気袋2eは、大腿部に対応させて設けられている。全空気袋2a〜2eは、給排気装置3にエアーホースを介して接続され、呼気動作を補助し得るように制御される。給排気装置3及び制御装置4は、ベースマット1外に設置されるものであってもよい。
【0010】
ベースマット1は、空気袋2の膨張及び収縮動作を行うことが可能であれば何層であってもよいし、本例では、空気袋2a〜2eはベースマット1上に配置しているが、空気袋の膨張及び収縮動作を行うことが可能であれば空気袋はベースマット層の何れの位置に配置してもよい。
【0011】
図2は、空気袋2a〜2eの人体部位への対応位置を示す。左右肩部Aに対応する空気袋2aは、空気袋の持ち上げ中心位置が肩甲骨の中心に合うように配置されており、呼気動作を補助するときには、両者を同時に膨張させることで、しっかり左右肩部を持ち上げることができるようにしている。臀部Dに対応する空気袋2dは、空気袋の端部が腰部の第4腰椎に合うように配置され、空気袋による持ち上げ中心位置が骨盤における左右の座骨結節に合うように配置されている。呼気動作を補助するときには、両者を同時に膨張させることで、しっかり臀部を持ち上げることができるようにしている。腰部Cに対応する空気袋2cは、1つである。
【0012】
空気袋2a、2dは、身体左右に対応するよう夫々2つから成り、空気袋の膨張によりストレッチマッサージをも行えるようにしている。すなわち、身体左右に対応する夫々2つの空気袋のうち、片側のみ持ち上げると肩部や腰部をひねる動作を与えることができる。なお、空気袋2a、2dとも夫々1つであってもよいし、身体を屈曲することが可能であれば、空気袋の数や大きさに制限はない。
【0013】
空気袋2a〜2eは、その位置を身長、体格に合わせてベースマット1の長手方向に変更可能に構成しておくことが望ましく、こうしておくことで、最適な位置で効果的に膨張及び収縮動作を行うことができる。
【0014】
図3は、エアーマットの空気袋2a〜2eの膨張及び収縮を制御するための操作部5、制御装置4、及び給排気装置3の構成を示す。使用者によって操作される操作部5は、制御装置4に対する指示入力用であって、制御装置4による空気袋の給排気方法の設定部5aを有している。給排気方法設定部5aの設定に応じて、空気袋の動作時間、空気袋の動作速度、動作する空気袋の選択、動作する空気袋の切換の設定が行われる。予め複数用意された動作コースの中から選択されるものとしてもよい。給排気方法設定部5aで設定された信号が制御装置4に入力される。
【0015】
制御装置4は、空気袋を膨張、保持、収縮させる時間を制御する動作時間制御部41と、空気袋を膨張、収縮させる速度を制御する動作速度制御部42と、複数の空気袋から膨張、保持、収縮させる空気袋を選択する動作空気袋選択部43と、次に動作させる空気袋を切り換えるまでにかかる時間を制御する切換時間制御部44とから構成される。制御装置4による動作は、動作時間制御部41、動作速度制御部42、動作空気袋選択部43、及び切換時間制御部44の制御の組合せが予め複数用意されていて、その中のいずれかに対応するように制御される。制御装置4から設定パターン信号に基づく制御信号が給排気装置3に伝達され、この設定パターン信号に従い、エアーポンプ31と加圧分岐32と電磁弁33が駆動する。これらの駆動により、人体の各部位に対応する空気袋2a〜2eが膨張、保持、収縮され、設定パターン信号通りの動作を人体へ与えることができる。
【0016】
図4は、エアーポンプと電磁弁と空気袋の動作のタイムチャートを示す。各空気袋に対するエアーの給気、保持、排気により、空気袋は、膨張、保持、収縮動作する。
【0017】
以下、本実施形態のエアーマットの各種動作を説明する。図5は、大腿部に対応する空気袋2eを給排気して、身体を屈曲することを示している。ここで、図9(a)は呼吸曲線、(b)は空気袋の膨張及び収縮を示しており、使用者が呼気動作を行うときに、空気袋2eを膨張させ、使用者が吸気動作を行うときに、空気袋2eを収縮させる。
【0018】
図6は、左右肩部に対応する空気袋2aを給排気して、身体を屈曲することを示している。ここで、図9のように、使用者が呼気動作を行うときに、空気袋2aを膨張させ、使用者が吸気動作を行うときに、空気袋2aを収縮させる。
【0019】
図7は、臀部に対応する空気袋2dを給排気して、身体を屈曲することを示している。ここで、図10(a)は呼吸曲線、(b)は空気袋の膨張及び収縮を示しており、使用者が呼気動作を行うときに、空気袋2dを収縮させ、使用者が吸気動作を行うときに、空気袋2dを膨張させる。
【0020】
図8は、大腿部に対応する空気袋2eと、左右肩部に対応する空気袋2aと、臀部に対応する空気袋2dとを同時に給排気して、身体を屈曲することを示している。使用者が呼気動作を行うときに、空気袋2eと空気袋2aを膨張させ、空気袋2dを収縮させる。そして、使用者が吸気動作を行うときに、空気袋2eと空気袋2aを収縮させ、空気袋2dを膨張させる。このように、空気袋の少なくともいずれか一つ以上を選択的に給排気して身体を屈曲する。
【0021】
次に、上記のような空気袋の膨張・収縮によって、呼気動作をし易くできることについて説明する。呼吸周期について、普段、呼吸は無意識的に行われているが、呼吸に対応する特定刺激を与えて調息することによって、リラクゼーション効果や入眠促進効果が得られる。これを利用して、リラックスさせたり入眠を促進させたりするための刺激として、一般的には光の明暗や音の大小等を利用する方法もあるが、本発明では、呼気動作をし易くするために、その時間長が長くなるよう空気袋を膨張及び収縮する。入眠期における人の呼吸数は一般的に1分間に12〜20回程度(1呼吸あたり5〜3秒)であるが、この周期を所定周期とし、この周期よりも長い周期で空気袋を膨張及び収縮する。例えば、呼吸数が1分間10回(1呼吸あたり6秒)になるよう、空気袋の動作時間を給排気方法設定部5aに設定する。このとき、空気袋の動作時間は長くなるが、使用者は無理をすることなく空気袋の動作に合わせて呼吸長を長くすることが可能となる。
【0022】
また、空気袋の動作により呼気動作を補助しても、呼吸回数を少なくするにはある程度の訓練や慣れが必要であるため、例えば、本エアーマットを使用し始めるときや呼吸法の初心者用には、まず呼吸数が1分間10回の動作コースを選択できるようにし、使用期間が長くなってきたときや呼吸法の経験者用には呼吸数が1分間5回の動作コースが選択できるようにしてもよい。
【0023】
給排気方法設定部5aは、呼吸動作周期のうち呼気動作時間(x)と吸気動作時間(y)が、x≧2yとなるよう給排気装置を制御する動作モードを設定できる。これは、呼吸法や腹式呼吸(腹筋を使い横隔膜の伸び縮みによって行う呼吸で、胸式呼吸よりも深い呼吸)において、まず肺の中の空気を全部吐き、息をこらえ、約3秒間お腹を膨らませながら鼻から息を吸い、吸ったときの2倍の時間の約6秒間で吐くといったことを繰り返す方法によって、交感神経の緊張を解き、副交感神経を高めたり、内蔵を活発化したり、冷え性や肩こりなどを改善することが可能であるとの推認を応用したものである。例えば、呼吸数を1分間10回(1呼吸あたり6秒)にするには吸気動作時間を2秒、呼気動作時間を4秒とし、呼吸数を1分間5回(1呼吸あたり12秒)にするには、吸気動作時間を4秒、呼気動作時間を8秒とする。
【0024】
以上のような方法による精神鎮静効果を検証するために、被験者2名(被験者Aと被験者B)で心電図の計測実験を行った。実験条件は、エアーマットに仰臥した状態で、調息動作として、呼吸動作のうち呼気動作時に、大腿部に対応する空気袋と、左右肩部に対応する空気袋を膨張させ、臀部に対応する空気袋を収縮させた。この調息動作の周期は1呼吸あたり11秒とした。被験者には、この調息動作に自発呼吸を同調するよう指示をした。計測開始に際し、まずエアーマットに仰臥し、事前に空気袋の動作に自発呼吸を同調する練習を実施した。計測スケジュールは、安静を2分間、調息動作を6分間、調息動作終了後、安静を6分間とし、計測中は仰臥姿勢で閉眼状態とした。
【0025】
図11に上記の検証結果を示す。ここには、心電図のR−R間隔から求められる副交感神経系活動度の変化を表している。副交感神経系活動度は、精神鎮静化を示す値で、値が大きいほど鎮静効果が高いことを示す指標である。最初の安静時の副交感神経系活動度(2分間の平均値±標準偏差)を1.00とする(被験者Aは1.00±0.28、被験者Bは1.00±0.44)と、被験者2名とも調息動作中(6分間の平均値±標準偏差)は僅かに副交感神経系活動度が下がった(被験者Aは0.88±0.53、被験者Bは0.83±0.38)ものの、調息動作終了後安静時(6分間の平均値±標準偏差)には、副交感神経系活動度が上昇(被験者Aは1.66±1.26、被験者Bは1.40±0.78)した。このことから、上記調息動作による精神鎮静効果が検証される。
【0026】
図12は、本発明の他の実施形態に係るエアーマットの制御のための構成を示す。本実施形態のエアーマットは、使用者に対して呼吸を誘導するための動作ガイドを出力する機能を持つものであり、給排気装置3の給排気動作周期に同期した動作ガイドを出力するための信号変換部20及びガイド出力部30を備えている。信号変換部20は、制御装置4から出力される給排気装置3を制御する制御信号を、動作ガイド出力のための信号に変換し、ガイド出力部30はこの信号に基づいて駆動され、その出力装置から後述するような動作ガイドを出力する。その他の構成は、前述実施形態と同様である。
【0027】
図13は、同上実施形態に係るエアーマットの構成例を示す。この例は、ガイド出力部30の出力装置として、動作ガイドを音声出力するスピーカ6を用いた場合である。スピーカ6は、使用者の耳付近に設置され、空気袋2の給排気動作周期のうち、呼気動作に対応するものに同期して「息を吐いて」、吸気動作に対応するものに同期して「息を吸って」と音声ガイドを出力する。使用者は、この音声の切り替わりをきっかけとして、空気袋の給排気動作に自呼吸を合わせるようにすることができる。
【0028】
同上実施形態の動作について図14を参照して説明する。図14(a)は呼吸曲線、(b)は空気袋2eの膨張及び収縮、(c)は音声ガイドの出力を示し、前述の図5のように、大腿部に対応する空気袋2eを給排気して、身体を屈曲させて呼気動作を行うときには、空気袋2eを膨張させている区間Bで「息を吐いて」という音声ガイドを出力し、使用者が吸気動作を行うときには、空気袋2eを収縮させている区間Aで「息を吸って」という音声ガイドを出力する。このような動作ガイドにより、使用者は確実に呼吸が整えられ安定した精神状態へ導くことが可能となり、効果的にリラクゼーションや入眠促進が得られる。
【0029】
上記動作ガイドは、音声以外にも、空気袋の給排気動作に対応するように周波数の高低や音量に大小をつけた音や、明暗させる光などが考えられる。この場合、図14(c)の区間Bで周波数の低い音、区間Aで周波数の高い音、又は、区間Bで音量の小さい音、区間Aで音量の大きい音、又は、区間Bで次第に暗くなる光、区間Aで次第に明るくなる光、を出力する。音や光以外でも、使用者の自呼吸を合わせる指標となり、それに合わせることで呼吸をし易くすることができるものであれば何でも構わない。
【0030】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御構成を、図16はエアーマットの構成を示す。本実施形態のエアーマットは、使用者の呼吸周期を検出する呼吸検出部40と、この呼吸検出部40により検出された使用者の呼吸周期(検出呼吸周期)に応じて制御装置4による空気袋2の給排気動作方法を選定する動作選定部50と、を備えている。呼吸検出部40は、呼吸を検出する呼吸センサ7を有している。動作選定部50は、検出呼吸周期で給排気装置3が動作するように制御し、一定時間経過後、検出呼吸周期より少し遅い周期で給排気装置3が動作するように制御し、そのときの検出呼吸周期が給排気装置3の動作周期に追従しているかを比較し、その検出呼吸周期が給排気装置の動作周期に追従していなければ、再び当初の検出呼吸周期で給排気装置が動作するように制御する。
【0031】
呼吸検出部40の呼吸センサ7の例を図17及び図18に例示する。図17は胸廓及び腹壁の呼吸運動に伴う電気抵抗の変化を記録するストレインゲージ(歪素子)8、図18は鼻孔に装着して呼吸に伴う気流の温度変化を検出するサーミスタ9である。図19、図20に、各呼吸センサ8,9の人体への装着方法を示す。呼吸センサは使用者の呼吸を計測できる手段であれば何でもよい。呼吸検出部40は、このような呼吸センサの出力値から呼吸周期をリアルタイムに検出し、制御装置4は、この呼吸周期信号に基づいて空気袋2が膨張及び収縮するよう制御する。
【0032】
図21は本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。制御装置4は、呼吸検出部40によって使用者の呼吸周期を検出し(#1)、この検出呼吸周期と同じ周期で空気袋2を動作させる(#2)。この処理を一定時間繰り返す(#3)。この一定時間とは、例えば1分間とし、まず、空気袋の動作に呼吸を合わせることに慣れさせる。この一定時間が経過した後、検出した呼吸周期より少し遅い周期で空気袋を動作させる(#4)。少し遅い周期とは、例えば、検出した呼吸周期より10%遅い周期とする。これはリラックス又は入眠期においては意識レベルが低下するにつれて呼吸数が徐々に減少し安定していくことを応用したものであり、自呼吸よりも少し遅い周期の刺激を与えると、それに誘導されるようにして呼吸の減少が促進され、結果として、リラックスや入眠し易くなる。このように、検出呼吸周期より少し遅い周期で空気袋を動作させ、その周期に呼吸が追従し、略一致していれば(#5,#6でYes)、動作開始から所定時間経過するまで処理を繰り返す(#7)。上記において、呼吸周期が空気袋の動作に追従していない場合(#6でNo)、未だ開始から所定時間が経過していなければ(#8でNo)、処理は元に戻って、一旦遅くした空気袋の動作周期を当初の検出呼吸周期に同期させるようにする。ここでまた一定時間経過してから、再度検出した呼吸周期より少し遅い周期で空気袋を動作させ(#4)、以下、同様の動作を繰り返す。
【0033】
ここで、呼吸周期と空気袋の動作との追従関係について図22を参照して説明する。同図(a)は呼吸曲線、(b)は空気袋の膨張及び収縮を示すが、(b)の周期に対して(a)の周期がずれて、呼吸が追従していない例である。追従しているかどうかの判断は、例えば、吸気相から呼気相に移るタイミングと空気袋の収縮から膨張に移るタイミングとのズレ(図22の矢印で示す)が、空気袋の動作周期に対して呼吸周期が例えば±20%以上となった時に、追従していないと判断する。以上の制御を繰り返して、使用者の呼吸数を徐々に減少させ安定させる。開始からの所定時間とは、オフタイマーと同様で、例えば15分間といったように予め設定された時間でもよいし、使用者自身が開始前に任意に設定した時間でもよい。
【0034】
図23は、本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御構成を示す。この実施形態は、使用者の意識レベルを検出する意識レベル検出部60を備え、使用者の意識レベルが所定のリラックス度又は睡眠段階に到達したと動作選定部50で判定されたとき、給排気装置3の制御を停止するものである。意識レベル検出部60は、生体信号のうち脳波、心電図、呼吸、体動などを検出する生体信号センサを備え、これらの生体信号のうちから使用者の意識レベルを判断する。入眠させることを目的とする場合、一般的に入眠期の睡眠は、睡眠深度1から睡眠深度2を経て睡眠深度3、4といった深い睡眠深度に到達するが、ここで睡眠深度3、4というのは完全に眠っている状態であり、この状態のときにはもう入眠させるための刺激は必要ない。逆に、この状態で空気袋が膨張及び収縮されると、安定した睡眠の妨げになる可能性もある。
【0035】
そこで、例えば、所定の意識レベルを睡眠深度2と設定し、意識レベル検出部60で検出した意識レベルが、睡眠深度2に到達した場合には、空気袋が膨張及び収縮するのを停止するようにする。つまり、意識レベルが所定の意識レベル以下に低下した場合、動作開始からの所定時間(予め設定された時間でもよいし、使用者自身が開始前に任意に設定した時間)よりも先に動作コースが終了することになる。ここで所定の意識レベルとは、予め設定されたレベルでもよいし、使用者自身が開始前に任意に設定したレベルでもよい。又は停止しなくても、所定の終了時間までの間、利用者が気づかない程度に小さく空気袋が動作するように切り替わってもよい。
【0036】
図24は、本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御構成を示す。この実施形態は、給排気装置3の制御が停止した後、呼吸検出部40で検出した使用者の呼吸周期と給排気装置3の給排気動作周期とに関する情報を表示する機能を持つものであり、演算部70と表示部80とを備える。演算部70は、呼吸検出部40から出力される検出信号と、制御装置4から出力される給排気装置3を制御する制御信号とを受けて、表示部80に表示するための表示値を算出する。表示部80は、算出された表示値を表示パネル10を備えている。
【0037】
図25は、表示部10の一例を示す。表示部10は、給排気装置の制御が停止した後、呼吸検出部40で検出した使用者の呼吸周期と給排気装置3の給排気動作周期とに関する情報を表示する。詳細には、表示部10は、例えば使用者の呼吸回数について、1分間あたりの平均、最大、最小回数を表示したり、呼吸検出部40で検出した使用者の1分間あたりの呼吸回数と空気袋の1分間あたりの動作回数との合致率や前回使用時の同合致率を表示したり、呼吸検出部で検出した使用者の1分間あたりの呼吸回数と空気袋の1分間あたりの動作回数を経時的にプロットしたグラフを表示したり、意識レベルの変化をプロットしたグラフを表示したりすることができる。この図では、徐々に呼吸回数が減少し、開始から12分間のところで意識レベルが所定のレベルに到達したため、制御を停止している例を示している。
【0038】
図26は本発明のさらに他の実施形態におけるエアーマットの空気袋の動作を示す。本実施形態においては、給排気装置は、空気袋の給排気動作モードを設定可能とされ、空気袋の一部の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応した動作とし、その他の空気袋の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応しない動作とした組み合わせモードとすることができるようにしている。
【0039】
同図において、動作Aは呼吸動作周期に対応する空気袋の動作で、動作Bは呼吸動作周期に対応しない空気袋の動作とする。これら動作AとBを組み合わせて空気袋を動作させる。動作Bの呼吸動作周期に対応しない空気袋の動作とは、例えば、特許文献1(特開2003−225269号公報)に開示されているような空気袋を膨張及び収縮させることによるマッサージ動作である。動作Aの呼吸動作周期に対応する空気袋の動作をさせる区間では、意識的に自呼吸を空気袋の動作に合わせるようにするか、又は呼気動作に対応して身体を屈曲させるように空気袋が動作しているときに、特に意識することなくタイミングが合ったときのみ身体が屈曲されて、呼気動作がし易くなる。動作Bのマッサージのために空気袋の動作をさせる区間では、使用者は呼吸周期を意識せず、しっかりとマッサージやストレッチングを受けたり、ゆったりした気持ち良さを感じることができる。動作AとBの各動作時間は、例えば30秒間とする。これらの動作時間は一定であってもよいし、そうでなくてもよい。この図の例は、動作時間が一定でない場合である。また、動作Bは、空気袋の動作でない他のマッサージ手段であってもよいし、その他リラクゼーションや入眠促進に効果のある手段であってもよい。
【0040】
図27は、本発明のさらに他の実施形態におけるエアーマットの構成を示す。エアーマットは、上層1a、中層1b、及び下層1cの三層構造からなるベースマット1を備え、上層1aの下に空気袋2a〜2eが配設されている。空気袋の膨張及び収縮によって、呼吸動作の補助を行うことが可能であればベースマット1は何層であってもよいし、空気袋2a〜2eをいずれの層の位置又は層間に配置してもよい。また、この図では、給排気装置3及び制御装置4は、ベースマット1外に設置する例を示している。
【0041】
本発明は、上記実施例の構成に限られることなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、膨張させる空気袋の硬さ、又は身体持ち上げ高さを変化させる範囲については、使用者の体重・身長・好み等によって異なるが、使用者に不快感を与えたり、リラクゼーションや入眠を阻害するような範囲での変化であってはならない。また、膨張及び収縮させる空気袋の硬さ、又は身体持ち上げ高さを調整する方法については、エアー以外に、ウォーターやジェル状のものをマット体に流入・排出させたり、又は機械的に変化させるものであってもよく、空気袋の硬さ、又は形状を調整できる構成であれば何でもよい。さらに、本発明の実施形態については、マットタイプ以外にも、軽い休憩用のリクライニングチェアタイプも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係るエアーマットの全体斜視図。
【図2】同エアーマットの空気袋と身体部位との対応関係の説明図。
【図3】同エアーマットの制御のためのブロック構成図。
【図4】同エアーマットにおけるエアーポンプと電磁弁による空気袋動作を示したタイムチャート図。
【図5】同エアーマットの一動作の説明図。
【図6】同エアーマットの他の動作の説明図。
【図7】同エアーマットのさらに他の動作の説明図。
【図8】同エアーマットのさらに他の動作の説明図。
【図9】呼吸曲線と本の動作のタイムチャート。
【図10】呼吸曲線と本実施形態の動作のタイムチャート。
【図11】本発明による副交感神経系活動度評価結果の特性図。
【図12】本発明の他の実施形態に係るエアーマットの制御のためのブロック構成図。
【図13】同エアーマットの全体斜視図。
【図14】呼吸曲線と本実施形態の動作のタイムチャート。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御のためのブロック構成図。
【図16】同エアーマットの全体斜視図。
【図17】同エアーマットの呼吸検出センサの説明図。
【図18】同エアーマットの他の呼吸検出センサの説明図。
【図19】図17の呼吸検出センサを人体に装着した説明図。
【図20】図18の呼吸検出センサを人体に装着した説明図。
【図21】同エアーマットの一動作のフローチャート。
【図22】呼吸曲線と本実施形態の動作のタイムチャート。
【図23】本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御のためのブロック構成図。
【図24】本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの制御のためのブロック構成図。
【図25】同エアーマットの表示パネルを示す図。
【図26】エアーマットの一動作のタイムチャート。
【図27】本発明のさらに他の実施形態に係るエアーマットの全体断面図。
【符号の説明】
【0043】
1 ベースマット
2 身体に対応する空気袋
2a 肩部空気袋
2b 背部空気袋
2c 腰部空気袋
2d 臀部空気袋
2e 大腿部空気袋
3 給排気装置
4 制御装置
5 操作器
6 スピーカ
7 呼吸センサ
10 表示パネル
20 信号変換部
30 ガイド出力部
40 呼吸検出部
50 動作設定部
60 意識レベル検出部
70 演算部
80 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマットに配設された複数の空気袋と、これら空気袋を膨張及び収縮させる給排気装置と、前記給排気装置を制御する制御装置とを備えたエアーマットにおいて、
前記空気袋は、ベースマット上に仰臥した身体背面に対応して設けられており、
前記制御装置は、複数の空気袋が人体の呼吸周期のうち呼気相において呼気動作に対応して身体を屈曲させるように、選択的に給排気制御することを特徴とするエアーマット。
【請求項2】
前記空気袋は、ベースマット上に仰臥した身体背面の大腿部、左右肩部、叉は臀部に対応して設けられており、
前記制御装置は、呼気動作に対応して身体を屈曲させるように、前記大腿部、左右肩部、叉は臀部のいずれか一つ叉は複数の空気袋を給排気制御することを特徴とする請求項1記載のエアーマット。
【請求項3】
前記制御装置に対する指示入力用であって、使用者によって操作され、前記制御装置による空気袋の給排気動作の設定部を有した操作部を備え、
前記設定部は、所定周期より長い周期で前記給排気装置を制御する動作モードを備えていることを特徴とする請求項1叉は請求項2に記載のエアーマット。
【請求項4】
前記設定部は、呼吸動作周期のうち呼気動作時間(x)と吸気動作時間(y)が、x≧2yとなるように前記給排気装置を制御する動作モードを備えていることを特徴とする請求項3記載のエアーマット。
【請求項5】
前記制御装置から出力される給排気装置を制御する制御信号に基づいて駆動され、前記給排気装置の給排気動作周期に同期した動作ガイドを出力するガイド出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアーマット。
【請求項6】
使用者の呼吸周期を検出する呼吸検出部と、
前記呼吸検出部により検出された使用者の呼吸周期(以下、検出呼吸周期という)に応じて前記制御装置による空気袋の給排気動作方法を選定する動作選定部と、をさらに備え、
前記動作選定部は、前記検出呼吸周期で前記給排気装置が動作するように制御し、一定時間経過後、前記検出呼吸周期より少し遅い周期で前記給排気装置が動作するように制御し、そのときの検出呼吸周期が給排気装置の動作周期に追従しているかを比較し、その検出呼吸周期が給排気装置の動作周期に追従していなければ、再び当初の検出呼吸周期で給排気装置が動作するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のエアーマット。
【請求項7】
使用者の意識レベルを検出する意識レベル検出部をさらに備え、
前記動作選定部は、前記意識レベル検出部により検出された意識レベルが所定のリラックス度或いは睡眠段階に到達したと見なされるとき、前記給排気装置の制御を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアーマット。
【請求項8】
前記呼吸検出部で検出した使用者の呼吸周期と前記給排気装置の動作周期とに関する情報が表示される表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のエアーマット。
【請求項9】
前記給排気装置は、前記空気袋の給排気動作モードを設定可能とされ、前記空気袋の一部の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応した動作とし、その他の空気袋の給排気動作を、使用者の呼吸周期に対応しない動作とした組み合わせモードとすることができるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のエアーマット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2006−297056(P2006−297056A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336691(P2005−336691)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】