説明

エストリオール及びエステトロールプロドラッグ類

本発明は、下記一般式(I):
[式中、基Yはステロイドに結合される]で表されるエストリオール及びエステトロールプロドラッグ類に関する。本発明はさらに、それらの生成方法、それらの化合物を含む医薬組成物、及びエストロゲン効果を有する医薬剤の製造のためへのそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(I):
【化1】

【0002】
で表されるエストリオール及びエステトロールプロドラッグ類、それらの生成方法、それらの化合物を含む医薬組成物、及びエストロゲン性作用を有する医薬剤の製造のためへのそれらの使用に関する。
【0003】
エストロゲンは、細胞面上の多くの機能を調節する。それらは、両性における生殖器官の機能において中心的役割を演じる。さらに、中枢神経系におけるエストロゲン作用は、CNS(中枢神経系)の機構、挙動性の調節、及び下垂体のゴナドトロピン分泌のモニターのために重要な役割を演じる。また、他の下垂体ホルモンも、エストロゲンにより調節される。
【0004】
それらの作用は、完全な生物において、すなわち生殖器官の外部でさえ、非常に異なった濃度で発現される少なくとも2種の既知の受容体ERα及びERβにより介在される(1)
女性においては、卵巣により分泌されるエストロゲンは、生物において生存し、それにより、エストラジオールの分泌に完全に集中される。妊娠において、胎盤は多量のエストロゲンを形成し、それにより、非常に多量のエストリオールが妊娠の後期において特に分泌される(2)
【0005】
男性においては、エストロゲンは、種々のエフェクター器官、例えばCNS、骨、脂肪組織又は腸におけるテストテロン又は副腎アンドロゲンの芳香族化により主に“末梢的に”生成される。この器官−選択的適合は、血液における非常に低いエストラジオールレベルの場合、男性において生理学的エストロゲン効果を可能にする。
【0006】
エストロゲンの損失又はそれらの破壊された形成(アロマターゼの欠陥又は阻害)は、広範囲の器官及び代謝機能の破壊により達成される(3)。この範囲は、生殖機能の破壊又は損失、炭水化物代謝及び脂質代謝における破壊、主にまた骨格系の障害を包含する(4)。若い人においては、線状成長における異常性が支配し;その後の年齢においては、骨密度の変化が支配する。骨質量の損失(オステオポローシス)は、それが骨の高められた脆さにより達成され、そして時折、高年齢における疾病の原因であるので、線状成長が終結した後、エストロゲン欠損の最も危険な結果である(5)
【0007】
女性においては、エストロゲンは、重要な循環機能を有する。閉経前期においては、それらの作用は、心血管羅病率及び死亡率に関して、女性における低い危険性のための必須の要因である。エストロゲンの損失は、血管の膨張及び凝集の予防に関してリポタンパク質及び内皮機能の好ましくない変化をもたらす(6)
尿生殖機能はまた、エストロゲン−調節される。尿道及び膀胱における上皮細胞及び筋肉の構築及び再生は、エストロゲンにより肯定的に影響される(7)
【0008】
エストロゲンの使用は、婦人科治療において一定の位置を有する。これは、ホルモン避妊剤、及び種々の形のエストロゲン置換療法への使用を包含する。ホルモン避妊剤は、排卵及び従って、エストロゲン及びプロゲステロンの卵巣分泌を阻害する。同時に、それらは、生殖管及び完全な生物における内因性性ホルモンにより置換される。子宮におけるそれらの最も重要な機能は、これに関連して、良好な月経調節を達成するために子宮の粘膜の安定化である。
【0009】
治療適用においては、エストロゲンは経口及び非経口適用され得る。経口治療に関しては、天然のエストロゲン、例えばエストラジオール又はその誘導体、例えばエストラジオールバレレートが使用される。妊婦の尿から得られたエストロゲン混合物、いわゆる接合されたエストロゲンは、経口エストロゲン療法において主要役割を演じる。後者は、エストロンからの、及び馬において典型的であるエストロゲン(エキリン及びエキレニン)からのスルフェートを表す。生物により摂取された後、それらは加水分解され;これに関しては、治療的に適切な“母エストロゲン”が開放される。それらのエストロゲンは、すべての形の閉経後置換療法を支配する。しかしながら、一定の経口生物学的利用能にもかかわらず、それらはホルモン避妊のためにいずれの役割も演じない。このための必須の理由は、従来技術に対応する、天然のエストロゲン及びその誘導体(エステル)による子宮出血の不適切な調節である。
【0010】
ホルモン避妊は、エチニルエストラジオールにより完全に支配される。エストラジオール対エチニルエストラジオールによる不良な月経調節についての基本は、ゲスタゲンの同時適用による子宮内膜におけるエストラジオールの代謝である。酵素17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(17βHSD)は、プロゲステロン及びゲスタゲンによりヒト子宮内膜において誘発される(8)。エストラジオールは、後者を、より弱いエストロゲンエストロンに転換する。エチニルエストラジオールの場合、対応する酸化段階は不可能である。これはまた、本発明の物質のために適用される。エストリオール及びエステトロールは、子宮内膜における17βHSDにより代謝されない。
【0011】
従来のエストロゲン療法の必須特徴は、非経口適用が必要とするよりも非常に高い用量についての必要性である。これは、経口エストロゲン処理又は治療が、天然のエストロゲンが実際使用された場合でさえ、同時の非経口処理又は治療以外の他の代謝効果を有する理由である(9)。しかしながら、エチニルエストラジオールは、それが肝臓における時間の遅れを伴ってのみ不活性化されるので、特に強い肝臓エストロゲン性を有する(10)。エストロゲン感受性肝臓機能は、レニン−アンギオテンシノゲン−アルドステロンシステム及び従って、血圧調節に関与する(11)。筋肉及び骨格系に関しては、肝臓IGF−I合成の低下は好ましくない(12)。エストロゲンによりまた偏向される多くの他の肝機能が存在する。
【0012】
エストラジオールの場合、しばしば40倍高い用量が、治療的に同等の経皮療法においてよりも経口治療のために使用される。従って、経口療法のために必要である高い用量は、吸収された後、投与される合計量がまず、門脈に侵入し、そしてそれにより、ほとんどの量の物質が代謝される、肝臓における強いエストロゲン効果の欠点を有する(13)
【0013】
基-SO2NR1R2を通して赤血球に結合され、そしてそこで蓄積するステロイド的に活性の化合物は、DE 10027887.6A1から知られている。赤血球と血漿との間の化合物の濃度比は、10〜1000、好ましくは30〜1000であり、その結果、赤血球におけるデポット形成を示すことが可能である。赤血球への化合物の強い結合により、代謝は、肝臓を通過しながら、回避される。不都合なことには、示される用量での低められた代謝にもかかわらず、治療−関連の活性成分レベルが得られない。
【0014】
経口利用できるエストロゲン性作用を有する新規ステロイド化合物を調製し、そして従来の技術に比較して、また低用量でさえ治療関連活性成分レベルを確保することが本発明の目的である。
【0015】
この目的は、基Yが放出されるステロイドに結合される、下記一般式(I):
【化2】

【0016】
[式中、nは0〜4であり、
R1は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、あるいは
【0017】
R2は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、あるいは
【0018】
R3は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、そして
【0019】
STEROIDは、下記一般式(IIA)−(IID):
【化3】

で表されるステロイドABCD−環系を表し、
【0020】
ここで、R4, R16, R17は、ヒドロキシ基、トリ(C1-C6−アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20、C2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基、又は基Yを表わし、そして
R15は、水素原子、ヒドロキシ基、トリ(C1-C6−アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20、C2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基、又は基Yを表わす]
で表されるエストリオール及びエステトロールプロドラッグ類、及びそれらの医薬的に許容できる塩類により達成される。
【0021】
本発明の化合物は、エストロゲン活性を有する。
本発明においては、“C1-5−アルキル基”とは、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基又はニトリル基により置換され得る、1〜5個の炭素原子を有する枝分れ又は直鎖のアルキル基として定義される。例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル又はn−ペンチル基が言及され得る。
【0022】
本発明によれば、上記に言及される“C3-8−シクロアルキル基”とは、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、又はニトリル基により置換され得る単環又は二環基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はヒドロキシシクロヘキシル基を意味する。
本出願においては、用語“アリール基”とは、6〜15個の炭素原子を有する、置換されているか又は置換されていないアリール基、例えばフェニル基、置換されたフェニル基、例えばハロフェニル基、又はニトロフェニル基又はナフチル基として定義される。
【0023】
本出願においては、用語“C1-4−アルキレンアリール基”とは、アリール基により少なくとも置換されている、二置換されたアルキル基として定義される。両基は一緒に、7〜15個の炭素原子を有し、それにより、前記基は追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例として、ベンジル基又はハロゲン基を列挙することができる。
【0024】
本出願においては、用語“C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基”とは、C3-8−シクロアルキル基により少なくとも置換されている、二置換されたアルキル基として定義される。両基は一緒に、7〜15個の炭素原子を示し、これにより、前記基は追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例として、シクロパンチルエチル、シクロヘキシルメチル又はシクロヘキシルエチル基を列挙することができる。
【0025】
本出願においては、用語“C3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基”とは、C1-4−アルキル基により少なくとも置換されている、二置換されたC3-8−シクロアルキレン基として定義される。両基は一緒に、7〜15個の炭素原子を示し、それにより前記基は、追加の置換基、例えばハロゲン原子を担持することができる。例として、プロピルシクロヘキシル基又はブチルシクロヘキシル基を列挙することができる。
【0026】
本発明によれば、用語“CpF2p+1−基”とは、過弗素化されたアルキル基、例えばトリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基として定義される。
用語トリ(C1-6−アルキル)シリルオキシ基とは、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリイソプロピル、シリルオキシ基、セキシルジメチルシリルオキシ基又はtert−ブチルジメチルシリル基として定義される。
【0027】
本発明の範囲内で、用語“C2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基”とは、ヘテロ原子として窒素原子又は酸素原子を有するC2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基として定義され、これにより、C1-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基の結合が2−、3−又は4−位置における酸素原子を通して行われる。この例は、ペルヒドロピラノキシ基である。
本発明の範囲内で、用語“ハロゲン原子”とは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子として定義され;弗素、塩素又は臭素原子が好ましい。
【0028】
数“n”は好ましくは0、1及び2であり、そして0が特に好ましい。
STEROIDは好ましくは、部分一般式IIB及びIICのステロイドABCD−環系を表す。
好ましくは、R1は基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を表し、これにより、基-SO2NH2が特に好ましい。従って、上記基は、エステル基に関して、基Yのm−位置に見出され、これを通して、基Zがステロイドに結合される。
【0029】
R1は好ましくは、基-SO2NH2を意味し、これによりR2, R3, X1及びXは好ましくは、水素原子、弗素原子、塩素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基であり、又は
R2は好ましくは、基-SO2NH2を意味し、これによりR1, R3, X1及びXは好ましくは、水素原子、弗素原子、塩素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基であり、又は
R3は好ましくは、基-SO2NH2を意味し、これによりR1, R2, X1及びXは好ましくは、水素原子、弗素原子、塩素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基である。
【0030】
R4, R16及びR17は、好ましくは個々の場合において及びお互い独立して、ヒドロキシ基、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ベンゾエート基、アセテート基、プロピルネート基、バレレート基、ブトシクレート基、又はシクロペンチルプロピオネート基であり、ここでヒドロキシ基が特に好ましい。
R15は、好ましくは、水素原子である。
基R15, R16及びR17は、α−位置及びβ−位置に配置され得る。
【0031】
特に好ましい化合物又はエストリオール又はエステトロールプロドラッグは、下記に示される:
1) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (7),
2) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (1),
3) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-16α-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β- イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
4) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-16α-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
5) 3,17β-ジヒドロキシエストラ-1 ,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (10),
6) 3,17β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (4),
【0032】
7) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-17β-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
8) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-17β-ヒドロキシエストラ-1, 3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
9) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 2'-クロロ-5'-スルファモイルベンゾエート,
10) 16α,l7β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-イル 4'-スルファモイルベンゾエート(13),
11) 3,15α,16α-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
12) 3,15α,16α-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
【0033】
13) 3,15α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
14) 3,15α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
15) 3,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-15α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
16) 3,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-15α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
17) 15α,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
18) 15α,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1 ,3,5(10)-トリエン-3イル 4'-スルファモイルベンゾエート。
【0034】
本発明の一般式Iの化合物の医薬的に許容できる塩の形成のためには、塩酸、臭酸、硫酸及びリン酸が無機酸として見なされ、そして酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、安息香酸、アスコルビン酸、シュウ酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、経皮酸及びメタンスルホン酸が有機酸として見なされる。
本発明の化合物は、経口投与の場合、エストロゲン活性を有し、これにより、従来のエストロゲンの場合以外の肝臓効果が非常に高い程度、回避される。本発明の化合物は、エストロゲン受容体にそれ自体結合せず、むしろ治療的に適切なステロイドが、エステル分解により後者が、開放される。
【0035】
インビボ試験
試験I:
驚くべきことには及び思いがけなく、より高いエストロゲン活性及び経口生物学的利用能が、m−置換された化合物10又はp−置換された化合物1のためによりも、m−置換された化合物7のために、経口投与の場合、ラットにおけるインビボ実験において達成される。
表1は、ラットによるインビボ試験における選択された化合物のデータに基づいて、経口投与及び肝臓毒性(肝臓効果)の場合のエストロゲン活性を示す。
【0036】
試験の原理及び試験の説明
成熟Wistarラットを卵巣摘出し、そして14日の待機期間の後、試験する。次に、動物を、3日間(第1〜第3日目)、処理し、そして次に、殺害する(第4日目)。次に、器官重量を決定し、そして血清における肝臓分泌のエストロゲン−調節された因子を決定し、ここでラットにおいては、アンギオテンシノゲンの上昇、及び全コレステロール及びHDLコレステロールの下降が存在する。
【0037】
子宮重量の上昇が全身性エストロゲン効果のインジケーターとして取られる場合、非常に高い用量でさえ、エストリオールは子宮重量の倍増を引起さないことが明白である。本発明に従っての表1における物質に関して、エストリオールについての処理された用量の画分は、対応する程度の子宮成長を誘発するために十分である。子宮におけるのとは異なって、肝臓におけるエストロゲン効果は、誘導体化されていないエストリオールの処理により非常に明白に現れた。絶対的期間においては、肝臓エストロゲン性は、エストリオールに比較して本発明の物質により圧側的に低められなかったが、しかし治療的に適切な効果が、より低い用量に関して、子宮において達成され得る。
【0038】
【表1】

【0039】
エストラジオールに比較して強い、ラットの肝臓におけるエストリオールの作用は、16α−OH基の存在によりこのエストロゲンの17β−OH機能の低められた酸化及びラットにおける不活性化に影響を及ぼす。他の天然のエストロゲン(エストラジオール)に比較して、子宮における低下していないエストロゲン効果は、子宮における17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼがゲスタゲンにより高められ、そしてエストラジオールが子宮の粘膜においてすばやく分離される場合、特に負の効果を有する。
【0040】
試験II
驚くべきことには十分に、ゲスタゲンにより子宮におけるエストロゲン効果の弱体化を妨げることが、エストリオール及び本発明のその対応する化合物により可能であることを決定することが現在、可能であった。
【0041】
試験の原理及び試験の説明
成熟したテンジクネズミを、卵巣摘出し、そしてこの手術の2週間後、大きな用量範囲のエストラジオール又はエストリオールにより7日間にわたって処理した。選択された用量のエストロゲンを、(a)単独で、及び(b)十分にゲスタゲン的に活性の3.0mgのプロゲステロン/動物/日と組合して、油状溶液での皮下注射により投与した。生殖器官に対するこの処理の効果は、8日の試験日に上昇した。
【0042】
図1及び2においては、卵巣摘出されたテンジクネズミの膣及び子宮におけるエストラジオール及びエストリオールとプロゲステロンとの種々の相互作用が、処理日1〜7、検死日8で示されている。
この場合、プロゲステロンは、エストラジオールの子宮向性作用を弱くするが、ところがその対応するエストリオールの作用は増強される。
【0043】
エストラジオール及びエストリオールの場合、対応する相互作用が生じる。従って、これはまた、一般的にエストリオールは実質的に弱いエストロゲンとして見られるので、驚くべきことである。プロゲステロンは、エストラジオールの子宮向性作用を弱くし、ところが処理される、すべての用量のエストリオールにおけるエストリオールのその対応する作用は明白に増強される。観察される相互作用は、子宮に対して特異的である。エストリオールによる膣の重量の上昇は、増強されないか、又はプロゲステロンによるのと同じ程度まで増強される;プロゲステロンの阻害効果が卓越する。
【0044】
この理由のために、本発明の化合物は、エストロゲンによる同時処理下での前進性及び周期内月経出血を妨げることに関して、エストラジオールよりも卓越している。ヒトにおいては、エストリオールは、接合(グルコロニド化、硫酸化)により肝臓において非常にすばやく不活性化されるので、ラットにおいて異なってヒトにおいて、エストロゲン−調節された肝臓機能の逸脱は、非常に高い経口用量のエストリオール下でされ発生しない。従って、本発明の物質は、許容されるべき肝臓における所望しない効果を伴わないで、子宮向性的に十分に作用する用量で、エストラジオール及びエチニルエストラジオールとは異なって、ヒトにおいて使用され得る。
【0045】
インビトロ試験
試験I:
m−置換された化合物7及び10の赤血球への結合に関する研究はまた驚くべきことであった。m−置換された化合物に関しては、非常に弱い結合が検出された。
しかしながら、この場合、意外には、m−置換された化合物は、赤血球への低い結合強度にもかかわらず、種々の経口利用性及びエストロゲン性を有する。表2におけるデータは、式Iの選択された化合物の赤血球への結合を示す。
【0046】
【表2】

【0047】
試験の原理及び試験の説明
本発明の物質のSO2-NH2基は、カルボアンヒドラーゼへの結合により赤血球における濃縮をもたらすことができる。試験物質による、赤血球結合からのエストラジオール−3−スルファメートの置換を測定する。
【0048】
試験調製物:ヒト血液を、14C−ラベルされた及びラベルされていないエストラジオールスルファメートから成る混合物と共に混合する。赤血球は、選択された作用点で飽和され、そして血漿/赤血球における分布は40:60である。第2の血液サンプルを、14C−ラベルされたエストラジオールスルファメート及びラベルされていない試験物質から成る混合物と共に混合する。相対的結合親和性を次のように、血漿における14C−ラベルされたエストラジオールスルファメートの割合から計算する:より高い割合=試験物質による、赤血球からの14C−エストラジオールスルファメートの強い置換=高い結合親和性。
【0049】
試験II:
驚くべきことには十分に、すべての場合、赤血球に見出されるカルボアンヒドラーゼ(CAI)に対する結合が見出されている(表3)。従って、本発明の化合物はまた、カルボアンヒドラーゼインヒビターとして治療的に適切な効果を有することが予測される。カルボアンヒドラーゼへの高い親和性により誘発される、赤血球への結合は、エストロゲンとしての性質のために重要である。この結合は、最初の肝臓通過における経口投与された物質の低められた抽出のために必須である。
【0050】
赤血球性カルボアンヒドラーゼに対する高いか又は低い親和性、このデポットからの早いか又は遅延された開放、及び続く加水分解が、本発明の物質の治療的有用性を決定する。従って、本発明の化合物は、より高い短い期間又は均等に低い及び長期続くホルモンレベルが、投与される物質の同じ絶対量で達成され得る可能性が開かれる。結果として、作用の活性強度及び持続期間は、多様である。この場合、個々の生物に適合される治療が可能にされる。
【0051】
【表3】

【0052】
試験の原理及び試験の記載
カルボアンヒドラーゼは、CO2水和物を触媒する。
試験調製:一定のCO2流を、カルボアンヒドラーゼIと共に混合された緩衝液により指図する。定義される限界内にpHを低めるために必要とされる時間は、測定パラメーターである。このパラメーターは、媒体におけるH2CO3の形成に影響を及ぼす。IC50阻害値を、試験調製物中にピペットで入れられる試験物質により決定する。試験される濃度領域においては、試験物質は、上記酵素の阻害を完結するために阻害を引起さない。
【0053】
それらの試験結果は、女性における産児調節に及びホルモン置換療法(HRT)のために、又は癌、たとえば前立腺癌の処理のために、本発明の一般式(I)の化合物の多くの可能性ある適用を開いている。
本発明の物質は、それらは天然ではないエチニルエストラジオール及び他のエストロゲン下で典型的には及び特に強く生じるので、天然ホルモンにより月経調節を達成し、そして同時に、危険な肝臓エストロゲン効果を回避するのに適切である。
【0054】
対応する第1経過の相互作用の防止は、本発明の物質のもう1つの目的である。後者は大部分及びまた、不活性形で肝臓を通過することができる。それらは、それらの“母エストロゲン”よりも所望する全身性エストロゲン効果を達成するのに、より低い用量で適用され、そして従って、肝臓において、より少ない所望しない効果を有する。
本発明の物質は好ましくは、経口治療のために使用される。それらの母エストロゲンに比較して、本発明の化合物は、明白に高められた経口生物学的利用能、高められた全身性であるが、しかし低められた肝臓エストロゲン性を有する。
【0055】
所望する及び所望しないホルモン効果のこの解離により、従来の技術に比較して、同時により治療的に効果的で且つより適合性の医薬剤が可能にされる。
天然エストロゲン(エストラジオール、エストラジオールバレレート、硫酸エストロン、接合されたエストロゲン)による経口治療の場合、しかしまた、エストラジオールスルファメートによる経口療法の場合、高レベルのエストロンが血液中に卓越する。これは、血液におけるエストラジオールの濃度がエストロの濃度よりも高い、月経率からは重要が逸脱である。従って、これは、エストロンがエストラジオールよりも、より低い効果的なエストロゲンであるので、不都合である。
【0056】
従って、従来技術に比較して、本発明の化合物の特定の利点は、個々の場合、好ましくはエストリオール及びエステトロールの場合、酸化されない母エストロゲンの本発明に従っての開放である。これは、本発明の物質の所望する高い全身性エストロゲン性に寄与する。さらに、器官−選択的の増強されたエストロゲン性の場合、子宮におけるそれらのエストロゲンの不適切な代謝が、好都合であることが知られている。
【0057】
本発明の化合物は、非経口及び経口投与の場合、エストロゲン活性を有し、それにより、肝臓効果が、子宮に対する作用に関して、等効力の用量のエストリオールの比較して、低められる。弱いエストロン誘導体への17−位置における酸化が回避される。これに関しては、エストロゲンに関するそれらのエフェクター器官におけるいくつかの所望するエストロゲン作用が、酵素補足がエストラジオールの不活性化で助けになる、エストラジオールに比較して、絶対的に又は比較的、増強される。これは、特にエストロゲン効果が、プロゲステロン又はゲスタゲン卓越下で非常に低められる場合、ヒト子宮においてエストロゲン効果に適用できる。
【0058】
エストリオールはまた、それらの条件下で子宮におけるエストロゲン効果を誘発できる。従って、本発明の物質は、子宮出血挙動性の制御のためにエストロゲンと共に、例えばいわゆる“組合された経口避妊剤”又はゲスタゲン含有HRT生成物としての使用のために特に適切である。
非常に低い用量、例えば0.05〜1mg/日 p.o.の用量で本発明の一般式(I)の化合物を含み、そして子宮(増殖)及び肝臓(凝集因子又はアンギオテンシノゲン)に対して所望しない効果を発揮しないERT(エストロゲン置換療法)のための医薬剤が、対象である。
【0059】
非常に低い用量、例えば0.05〜3mg/日 p.o.の用量で、ゲスタゲンと組合して、本発明の一般式(I)又はその塩を含むERTのための医薬剤がまた、対象である。ゲスタゲンは、プロゲステロン、ノルエチステロン、ジエノゲスト、酢酸シプロテロン、酢酸クロルマジノン、ドロスピレノン、メドロキシプロゲステロンアセテート、レボノルゲストレル、ゲストデン又はHRTのために適切な他のゲスタゲンであり得る。これは、通常の療法及び用量、例えば“連続的組合せ”に、又は中断及び連続形の投与の変法に使用され得る。
【0060】
非常に低い用量、例えば0.05〜3mg/日 p.o.の用量で、経口避妊剤として一般的な療法において、ゲスタゲンと組合して、本発明の一般式(I)又はその塩を含む避妊のための医薬剤がまた、対象である。
【0061】
それらの医薬組成物及び医薬剤は好ましくは、経口投与、直腸、膣、皮下、皮膚、静脈内、経皮又は筋肉内投与のために使用され得る。通常使用されるビークル及び/又は希釈剤の他に、それらは少なくとも1つの一般式Iの化合物又はその塩を含む。
本発明の医薬剤は、通常使用される固体又は液体ビークル又は希釈剤、及び既知手段で適切な用量での所望する型の投与に対応する、通常使用される医薬−技術的アジュバントにより生成される。好ましい調製物は、経口投与のために適切である分散のための形で存在する。分散のためのそのような形は、例えば錠剤、フィルム錠剤、被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、溶液又は懸濁液、又は他に、デポット形である。
【0062】
もちろん、非経口調製物、例えば注射用溶液が考えられる。さらに、例えば坐剤、及び膣用投与のための剤がまた、調製物として言及され得る。
対応する錠剤は例えば、活性成分を、基地アジュバント、例えば不活性希釈剤、例えばデキストロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、爆発物、例えばコーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えばスターチ又はゼラチン、滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はタルク、及び/又はデポット効果を達成するための剤、例えばカルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロースフタレート又はポリ酢酸ビニルと共に混合することにより得られる。錠剤はまた、いくつかの層から成ることができる。
【0063】
錠剤被覆に通常使用される剤、例えばポリビニルピロリドン又はセラック、アラビアガム、タルク、酸化チタン、又は糖により、錠剤に類似して生成される被覆コアーが、被覆された錠剤を、結果的に生成することができる。この場合、被覆された錠剤のシェルはまた、いくつかの層から成ることができ、それにより錠剤において上記で言及されるアジュバンドが使用され得る。
【0064】
本発明の一般式Iの化合物を含む溶液又は懸濁液は、追加の味覚−改良剤、例えばサッカリン、シクラメート又は糖、及び風味物質、例えばバニラ又はオレンジ抽出物を含むことができる。さらに、それらは、懸濁アジュバント、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース又は保存剤、例えばp−ヒドロキシベンゾエートを含むことができる。
一般式Iの化合物を含むカプセルは、例えば一般式Iの化合物と、不活性ビークル、例えばラクトース又はソルビトールと混合し、そしてゼラチンカプセルに封入することにより生成され得る。
【0065】
適切な坐剤は例えば、この目的のために供給されるビークル、例えば中性脂肪又はポリエチレングリコール又はその誘導体と共に混合することにより生成され得る。
本発明のエストリオール及びエステトロールプロドラッグは、下記例に従って合成され得、ここでその例は、より詳細に説明するために使用され、本発明を制限するものではない。
【0066】
一般合成の教示
一般式IIA−Dの化合物の生成に関しては、既知のステロイド親物質が使用され得る。次のステロイド親物質が使用され得る:エステロン、エストリオール及びエステロール。その官能基は、任意には、当業者に知られている方法に従って保護され得るか、又は対応する官能基に転換され得る。従って、ケト基は、当業者に知られている方法に従って、ヒドロキシ化合物に還元され得、そしてエノン及びエノール化合物に転換され得る。二重結合は、当業者に知られている方法に従って、ジヒドロキシ化合物に転換され得る。
【0067】
(A)基Zへのステロイド化合物のカップリング:
変法1:スルファモイルフェニルカルボン酸との反応
エストロゲンを、塩基、例えばピリジンに溶解する。対応する量のスルファモイルフェニルカルボン酸を、前記溶液に添加し、次に、酸、例えばp−トルエンスルホン酸、及び最終的に、カルボジイミド、例えばジシクロへキシルカルボジイミドを添加する。その反応混合物を、反応の完結まで撹拌する。次に、水を添加し、そしてそれを、酸、例えば10%HClにより酸性化する。沈殿物を濾過し、水及び炭酸水素ナトリウム溶液により洗浄し、そして乾燥する。残渣を有機溶媒、例えば酢酸エチルにより抽出し、有機相を洗浄し、そして乾燥剤、例えば硫酸マグネシウムにより乾燥する。濾過の後、それを蒸発により濃縮し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。対応するエストロゲンスルファモイルベンゾエートを得る。
【0068】
変法2:スルファモイルフェニルカルボン酸塩化物との反応
エストロゲンを、塩基、例えばピリジンに溶解する。対応する量のスルファモイルフェニルカルボン酸塩化物を、前記溶液に添加する。その反応混合物を、反応の完結まで撹拌する。次に、水を添加し、そしてそれを、酸、例えば10%HClにより酸性化する。それを有機溶媒、例えば酢酸エチルにより抽出し、有機相を洗浄し、そして乾燥剤、例えば硫酸マグネシウムにより乾燥する。濾過の後、それを蒸発により濃縮し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。対応するエストロゲンスルファモイルベンゾエートを得る。
【0069】
変法3:クロロスルホニルフェニルカルボン酸塩化物との反応
エストロゲンを、塩基、例えばピリジン及び有機溶媒、例えばクロロホルムに溶解し、そして冷却する。対応する量のクロロスルホニルフェニルカルボン酸塩化物を、前記溶液に添加する。その反応混合物を、反応の完結まで撹拌する。次に、反応混合物を、濃アンモニア溶液において撹拌する。その混合物を蒸発により濃縮し、そして酸、例えば10%HClにより酸性化する。沈殿物を吸引し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。対応するエストロゲンスルファモイルベンゾエートを得る。
【0070】
変法4:2−スルホフェニルカルボン酸−シクロ−無水物との反応
エストロゲンを、有機溶媒、例えばクロロホルムに溶解する。2−スルホフェニルカルボン酸−シクロ−無水物の添加の後、それを、カバーガス下で高温で撹拌する。次に、それを冷却し、そして濃アンモニア溶液、例えばメタノール性アンモニア溶液と共に混合する。その溶液を蒸発し、そして残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。有機溶媒、例えばCHCl3に、カバーガス下で溶解される、対応するエストロゲンの2’−スルホフェニルカルボン酸エステル−アンモニウム塩を得る。対応する量の塩素化剤、例えばPCl5又はSOCl2を少しづつ添加する。その反応混合物を、任意には高温で撹拌し、そして次に、濃NH3溶液に添加する。その混合物を蒸発により濃縮し、沈殿した物質を濾過し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理する。対応するエストロゲンの2’−スルファモイルフェニルカルボン酸エステルを得る。
【0071】
変法5:スルファミド(NH2SO2NH-)を形成するための反応
本発明のスルファミドを形成するための反応を、スルファミド、塩化スルファモイル又はアミノスルホニルイソシアネートにより、対応するアミンから出発してそれらの生成のために、当業者に知られている方法に従って行う(P.O. Burke など., J. Chem. Soc. Perk. Trans 2, 1984, 1851 ; M. Preiss など. Chem. Ber., 1978, 1915; C-H. Lee など., J. Org. Chem., 1990, 6104.)。
【0072】
例えば、有機溶媒、例えばトルエン中、対応するアミノベンゾエートを、塩基、例えばNEt3の存在下で、20〜60℃の温度で塩基スルファモイルと反応せしめる。その反応混合物を、反応の完結まで撹拌する。次に、水を添加し、沈殿物を濾過し、水及び炭酸水素ナトリウム溶液により洗浄し、そして乾燥する。物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理により精製する。対応するエストロゲンスルファモイルアミノベンゾエートを得る。
【0073】
B)基Zの合成:
2−クロロ−4−スルファモイル安息香酸
段階1
10gの2−クロロ−トルエン−4−スルホン酸−Na−塩xH2Oを、40mlの塩化チオニルに添加する。5mlのDMFの添加の後、それを6時間、還流する。冷反応混合物を、200gの氷に添加する。沈殿された物質を水により洗浄し、そして乾燥する。2−クロロ−トルエン−4−スルホン酸塩化物を得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 2.32 (s, 3H1 Me), 7.32-7.58 (m (重複), 3H, CH)。
【0074】
段階2
8gの2−クロロ−トルエン−4−スルホン酸塩化物を、25mlのCHCl3に溶解し、そして100mlの濃NH3溶液中にゆっくりと撹拌する。室温での10分間の撹拌の後、その溶液を蒸発により、その元の体積の1/2に濃縮する。物質を吸引し、水により洗浄し、そして乾燥する。2−クロロ−4−スルファモイルトルエンを得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 2.39 (s, 3H, Me), 7.44 (s, 2H, NH2), 7.55-7.83 (m (重複), 3H, CH)。
【0075】
段階3
1.67gの2−クロロ−4−スルファモイルトルエンを、70mlの水中に導入する。5gのKMnO4及び0.5mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加の後、それを2時間、還流する。2mlのMeOHの添加の後、生成される二酸化マンガンを濾過し、そしてその溶液を、その元の体積の半分に蒸発により濃縮する。10%HClによる酸性化の後、その溶液を、結晶化が完結するまで、8時間、冷却する。次に、それを吸引し、水により洗浄し、そして乾燥する。2−クロロ−4−スルファモイル安息香酸を得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 7.66 (s, 2H, NH2), 7.80-8.02 (m (重複), 3H, CH), 13.86 (s, 1 H1 COOH)。
【0076】
5−スルファモイルイソフタル酸
段階1
20gの5−スルホイソフタル酸−Na−塩を、5mlのDMFを加え、80mlのチオニル塩化物で、5時間沸騰させる。冷却反応混合物を500gの氷に添加し、そして沈殿した物質を吸引し、水により洗浄し、そして乾燥する。5−クロロスルホニルイソフタル酸二塩化物を得る。
1H-NMR (CDCI3): 8.98 (s, 2H, H-4,6), 9.11 (s, 1 H, H-2)。
【0077】
段階2
10gの5−クロロスルホニルイソフタル酸二塩化物を、150mlのNH3溶液中に少しづつ混合する。その溶液を蒸発により濃縮し、沈殿した物質を濾過し、水により洗浄し、そして乾燥する。5−スルファモイルイソフタル酸ジアミドを得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 7.51 ,7.67, 8.22 (6H, NH2), 8.43 (s, 2H, H-4,6), 8.53 (s, 1H, H-2)。
【0078】
段階3
1gの5−スルファモイルイソフタル酸ジアミドを、1,4−ジオキサンに懸濁する。5mlの10%HClを添加し、そしてその反応混合物を、約90℃に3時間、加熱する。次に、その反応混合物を、乾燥状態に蒸発する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。5−スルファモイルイソフタル酸一アミド及び5−スルファモイルイソフタル酸を得る。
【0079】
4−クロロスルホニル安息香酸塩化物
15gの4−スルホノ安息香酸−K−塩を、100mlの飽和アンモニア溶液に溶解する。その溶液を蒸発により濃縮し、そして塩をP2O5上で乾燥する。5gの塩を、20mlのSOCl2に溶解する。0.3mlのDMFを、反応混合物に添加し、そして2時間、還流する。それを冷却し、トルエンを結晶化のために添加し、そしてそれを濾過する。生成物をトルエンにより洗浄し、そして乾燥する。さらなる反応のために使用される4−クロロスルホニル安息香酸塩化物を得る。
【実施例】
【0080】
例1
段階1
3,16α-ジヒドロキシエストラ1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (1)
450mgの3,16α-ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)- 17β-オールを、7mlのピリジンに溶解する。1.0gのp−スルファモイル安息香酸、120mgのp−トルエンスルホン酸及び1.0gのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の添加の後、それを室温で48時間、撹拌する。次に、20mlの水及び50mlの酢酸エチルを添加する。それを、10%HClによりわずかに酸性化する(pH=5)。沈殿物を濾過し、そして酢酸エチルにより再洗浄する。
有機相を、10%炭酸水素ナトリウム溶液により分離し、そして飽和NaCl 溶液により洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発により濃縮し、そしてシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理する。3,16α-ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ‐1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (2)を得る。
1H-NMR (CDCI3): 0.04 (s, 6H, 2SiMe), 0.22 (s, 6H, 2SiMe), 0.87 (s, 9H, tert.-C4H9), 0.93 (s, 3H, H-18), 1.01 (s, 9H, tert.-C4H9), 4.51 (m, 1 H, H-16), 5.04 (s, 2H, NH2), 5.17 (m, 1 H, H-17)。
【0081】
段階2
3-ヒドロキシ‐16α-tert−ブチルジメチルシリルオキシエストラ‐1,3,5(10) -17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (3)
450mgの3,16α-ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)- 17β-イル4'-スルファモイルベンゾエートを、10mlのTHFに溶解する。撹拌しながら、300mgのTBAFを、室温で添加する。1時間後、40mlの水を添加し、次に有機移動溶媒を蒸留する。物質を濾過し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。3-ヒドロキシ‐16α-tert−ブチルジメチルシリルオキシエストラ‐1,3,5(10) トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエートを得る。
【0082】
段階3
3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (1)
600mgの3−ヒドロキシ‐16α‐tert.−ブチルジメチルシリルオキシエストラ−1,3,5(10)−17β−イル4’−スルファモイルベンゾエートを、30mlのTHFに溶解する。撹拌しながら、1.5mlのHCl(32%)を、室温で添加する。2時間後、20mlの飽和NaHCO3溶液を撹拌し、そして次に有機移動溶媒を蒸留する。物質を濾過し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)- トリエン‐17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエートを得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 0.85 (s, 3H, H-18), 4.32 (m, 1H, H-16) 4.92 (d, 1H, H-17), 5.04 (m, 1 H, 16-OH), 7.57 (m, 2H, NH2), 8.99 (s, 1 H, 3-OH)。
【0083】
例2:3,17β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (4)
前記物質を、中間生成物3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート(5)及び3−ヒドロキシ‐17β‐tert.−ブチルジメチルシリルオキシエストラ−1,3,5(10)−16α−イル4‘−スルファモイルベンゾエート(6)により、3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オールから出発して、例1に類似して得る。
【0084】
3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート(5):
1H-NMR (CDCI3): -0.04 (s, 3H, SiMe), 0.09 (s, 3H, SiMe)1 0.18 (s, 6H1 2SiMe), 0.86 (s, 9H, tert.-C4H9), 0.87 (s, 3H, H-18), 0.97 (S, 9H, tert.-C4H9), 3.94 (d, 1H, H-17), 5.09 (s, 2H, NH2), 5.18 (m, 1 H, H-16)。
【0085】
3,17β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (4):
1H-NMR (DMSO-d6): 0.78 (s, 3H, H-18), 3.81 (d, 1H, H-17) 5.09 (m, 1 H1 H-16), 5.20 (m, 1H, 17-OH), 7.55 (m, 2H1 NH2), 9.00 (s, 1 H, 3-OH)。
【0086】
例3:3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (7)
段階1
3,16α-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート(8)
1.5gの3,16α-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10) -17β-オールを、3mlのピリジン及び3mlのCHCl3に溶解する。1.5mlの3−クロロスルホニル安息香酸塩化物を、反応混合物に−20℃で、撹拌しながら添加する。次に、それを室温に加熱し、そして15分間、撹拌する。
【0087】
その反応溶液を25mlの濃NH3溶液に添加し、そして15分間、撹拌する。次に、有機移動溶媒を蒸留する。それを、10%塩酸によりわずかに酸性化する(pH=5)。沈殿した物質を吸引し、10%炭酸水素ナトリウム溶液及び水により洗浄し、そして次に、乾燥する。3,16α-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエートを得る。
1H-NMR (CDCI3): -0.03 (s, 3H1 SiMe), 0.02 (s, 3H, SiMe)1 0.18 (s, 6H, 2SiMe), 0.84 (s, 9H, tert.-C4H9), 0.89 (s, 3H, H-18), 0.97 (s, 9H1 tert.-C4H9), 4.48 (m, 1 H, H-16), 4.71 (s, 2H, NH2), 5.12 (m, 1 H. H-17)。
【0088】
段階2
3-ヒドロキシ‐16α-tert-ブチルジメチルシリルオキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート(9)
500mgの3,16α-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエートを、10mlのTHFに溶解する。撹拌しながら、500mgのTBAFを、室温で添加する。1時間後、40mlの水を撹拌し、そして次に有機移動溶媒を蒸留する。物質を濾過し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。3-ヒドロキシ‐16α-tert-ブチルジメチルシリルオキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエートを得る。
【0089】
段階3
3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート(7)
850mgの3-ヒドロキシ‐16α-tert-ブチルジメチルシリルオキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエートを、35mlのTHFに溶解する。撹拌しながら、1.5mlのHCl(32%)を、室温で添加する。2時間後、20mlの飽和NaHCO3溶液を撹拌し、そして次に有機移動溶媒を蒸留する。物質を濾過し、水により洗浄し、乾燥し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)- 17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエートを得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 0.86 (s, 3H, H-18), 4.32 (m, 1 H, H-16) 4.94 (d, 1H, H-17), 5.07 (d, 1H, 16-OH), 7.56 (m, 2H, NH2), 9.00 (s, 1 H, 3-OH)。
【0090】
例4:3,17β-ジヒドロキシエストラ-1 ,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (10)
前記物質を、中間生成物3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート(11)及び3−ヒドロキシ‐17β‐tert.−ブチルジメチルシリルオキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン‐16α−イル3‘−スルファモイルベンゾエート(12)により、3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オール(12)から出発して、例3に類似して得る。
【0091】
3,17β-ジ(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート(11):
1H-NMR (CDCI3): -0.03 (s, 3H, SiMe), 0.09 (s, 3H, SiMe), 0.18 (s, 6H, 2SiMe), 0.86 (s, 9H, tert.-C4H9), 0.87 (s, 3H, H-18), 0.97 (s, 9H, tert.-C4H9), 3.95 (d, 1 H, H-17), 5.02 (s, 2H, NH2), 5.20 (m, 1 H, H-16)。
【0092】
3,17β-ジヒドロキシエストラ-1 ,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (10):
1H-NMR (DMSO-d6): 0.79 (s, 3H, H-18), 3.82 (m, 1H, H-17) 5.09 (m, 1 H, H-16), 5.20 (d, 1H, 17-OH), 7.55 (m, 2H, NH2), 8.99 (s, 1 H, 3-OH)。
【0093】
例5:16α,l7β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-イル 4'-スルファモイルベンゾエート(13)
0.4gのエストリオールを、7mlのピリジンに溶解する。0.8gの4−スルファモイル安息香酸及び0.8gのジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)を添加した後、それを室温で1時間、撹拌する。次に、それを10%HCl(pH=2)により酸性化し、そして8mlの水を添加する。沈殿物を濾過し、そして10%炭酸水素ナトリウム溶液及び水により洗浄する。得られる生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。16α,l7β-ジヒドロキシアストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-イル 4'-スルファモイルベンゾエートを得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 0.69 (s, 3H, H-18), 3.32 (m, 1 H, H-17), 3.85 (m, 1 H, H-16), 7.62 (s, 2H1 NH2)。
【0094】
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【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1においては、卵巣摘出されたテンジクネズミの膣及び子宮におけるエストラジオール及びエストリオールとプロゲステロンとの種々の相互作用が、処理日1〜7、検死日8、で示されている。
【図2】図2においては、卵巣摘出されたテンジクネズミの膣及び子宮におけるエストラジオール及びエストリオールとプロゲステロンとの種々の相互作用が、処理日1〜7、検死日8、で示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、nは0〜4であり、
R1は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、あるいは
R2は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、あるいは
R3は、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3及びX, X1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5−アルキル基、CpF2p+1基(pは1〜3である)、基OC(O)-R20 , COOR20, OR20, C(O)NHR20 又は OC(O)NH- R21を表し、ここでR20、R21及びR22は、C1-5−アルキル基、C3-8−シクロアルキル基、アリール基、C1-4−アルキレンアリール基、C1-4−アルキレン−C3-8−シクロアルキル基又はC3-8−シクロアルキレン−C1-4−アルキル基であり、そしてさらにR20は水素であってもよく、そして
STEROIDは、下記一般式(IIA)−(IID):
【化2】

で表されるステロイドABCD−環系を表し、
ここで、R4, R16, R17は、ヒドロキシ基、トリ(C1-C6−アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20、C2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基、又は基Yを表わし、そして
R15は、水素原子、ヒドロキシ基、トリ(C1-C6−アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20、C2-5−ヘテロシクロアルキルオキシ基、又は基Yを表わす]
で表されるエストリオール及びエステトロールプロドラッグ類、及びそれらの医薬的に許容できる塩類。
【請求項2】
nが0,1又は2であることにより特徴づけられる請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が、基-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を表す請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R1が、基-SO2NH2を表す請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1, R2又はR3のいずれかが、基-SO2NH2を表す請求項1又は2記載の化合物。
【請求項6】
R1, R2, R3(後者が-SO2NH2 又は-NHSO2NH2を表さない場合)、並びにX及びX1は、お互い独立して、水素原子、弗素原子、塩素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基を表わす請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
R4, R16及びR17が、個々の場合において及びお互い独立して、ヒドロキシ、トリメチルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、ベンゾエート、アセテート、プロピオネート、バレレート、ブトシクレート、又はシクロペンチルプロピオネート基又は基Yを表し、そしてR15が水素原子を表す請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
STEROIDが、部分一般式IIB及びIICのステロイドABCD−環系を表す請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
1) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (7),
2) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (1),
3) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-16α-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β- イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
4) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-16α-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
5) 3,17β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート (10),
6) 3,17β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート (4),
7) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-17β-ヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
8) 3-tert.-ブチルジメチルシリルオキシ-17β-ヒドロキシエストラ-1, 3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
9) 3,16α-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 2'-クロロ-5'-スルファモイルベンゾエート,
10) 16α,l7β-ジヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-イル 4'-スルファモイルベンゾエート(13),
11) 3,15α,16α-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
12) 3,15α,16α-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
13) 3,15α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
14) 3,15α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
15) 3,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-15α-イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
16) 3,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-15α-イル 4'-スルファモイルベンゾエート,
17) 15α,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3イル 3'-スルファモイルベンゾエート,
18) 15α,16α,17β-トリヒドロキシエストラ-1 ,3,5(10)-トリエン-3イル 4'-スルファモイルベンゾエート、
である請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
少なくとも1つの請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの追加のステロイド的に活性の化合物が含まれる請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
追加のステロイド的に活性の化合物が、ゲスタゲンである請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記ゲスタゲンが、次の群、すなわちプロゲステロン、ノルエチステロン、ジエノゲスト、酢酸シプロテロン、酢酸クロルマジノン、ドロスピレノン、メドロキシ、酢酸プロゲステロン、レボノルゲストレル及びゲストデンから選択される請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
女性におけるエストロゲン置換療法のための医薬剤の製造のためへの請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項15】
女性における産児調節のためへの請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項16】
男性及び女性におけるホルモン誘発された疾病の処理のための医薬剤の製造のためへの請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項17】
子宮内膜症、乳癌、前立腺癌及び生殖機能不全を処理するための医薬剤の製造のためへの請求項16記載の使用。
【請求項18】
カルボアンヒドラーゼ活性の阻害により肯定的に影響され得る疾病を処理するための医薬剤の製造のためへの請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜9のいずれか1項記載の下記一般式(I):
【化3】

で表される化合物の生成方法であって、エストロゲンと共にスルファモイルフェニルカルボン酸又はその誘導体との反応、又はスルファミド、塩化スルファモイル又はアミノスルホニルイソシアネートと対応する化合物との反応を包含する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−538027(P2007−538027A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517048(P2007−517048)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005258
【国際公開番号】WO2005/113576
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】