説明

エチレンをオリゴマー化するための触媒組成物およびプロセス

本発明は、少なくとも1種類の遷移金属ビスフェノレート化合物および少なくとも1種類の助触媒を含む、エチレンのオリゴマー化のための触媒組成物に関する。この遷移金属ビスフェノレートはジルコニウムのビスフェノレートである。本発明はまた、本発明による触媒組成物の存在下でのエチレンのオリゴマー化のためのプロセスに関する。このプロセスにより、高収率でC4〜C18直鎖アルファオレフィンおよびC6〜C10直鎖アルファオレフィンが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類の遷移金属ビスフェノレート化合物および少なくとも1種類の助触媒を含む触媒組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、本発明による触媒組成物の存在下でのエチレンのオリゴマー化のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
直鎖アルファオレフィン(LAO)は、化学式Cx2xを持つオレフィンであり、炭化水素鎖の直鎖性および第1のまたはアルファ位置での二重結合の位置により、類似の分子式を持つ他のモノオレフィンと区別される。直鎖アルファオレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン並びにC20〜C24、C24〜C30、およびC20〜C30範囲の高級ブレンドを含む、様々な工業的に重要なアルファオレフィンである。
【0004】
直鎖アルファオレフィンには、幅広い用途がある。炭素数の少ないオレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンは、圧倒的に、ポリエチレンの製造においてコモノマーとして用いられている。C4〜C8直鎖アルファオレフィンの別の重要な用途は、直鎖アルデヒドの製造である。1−デセンの主な用途は、ポリアルファオレフィン合成滑剤のベース素材の製造、および高級直鎖アルファオレフィンとブレンドしての、界面活性剤の製造である。C10〜C14直鎖アルファオレフィンは、水性洗浄剤配合物のための界面活性剤の製造に用いられる。これらの炭素数の直鎖アルファオレフィンは、ベンゼンと反応せしめられて、直鎖アルキルベンゼンを形成し、これはさらに、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩にスルホン化される。あるC14アルファオレフィンは水性洗浄剤用途に販売されているが、C14アルファオレフィンには、クロロパラフィンに転化されること、および陸上での掘削流体のベース素材などの他の用途がある。C16〜C18直鎖オレフィンには、油溶性界面活性剤における疎水部分として、またそれ自体潤滑液として、主な用途が見出されている。C16〜C18アルファまたは内分オレフィンは、高価値の主に沖合の合成掘削流体のための合成掘削流体ベースとして、および紙のサイズ処理に用いられる。C20〜C30直鎖アルファオレフィンは、重質直鎖アルキルベンゼンおよびワックスの性質を向上させるために用いられる低分子量ポリマーを製造するための供給原料としての用途を含む、数多くの反応性および非反応性用途に用いられる。
【0005】
直鎖アルファオレフィンは通常、チーグラー・ナッタ型触媒の存在下でのエチレンの触媒オリゴマー化により調製される。エチレンのオリゴマー化の重要な要件は、所望の選択性および所望の生成物分布である。適用される触媒およびプロセス条件は、これらの所望の特徴を得るための必須の性質である。
【0006】
エチレンのオリゴマー化のためのプロセスに、様々な種類の触媒が適用されることが知られている。
【0007】
公知の触媒系の例としては、選択性を向上させるために、例えば、電子供与体などの第3成分と必要に応じてさらに混合して、四塩化チタンと組み合わされた二塩化エチルアルミニウムを含む二成分触媒系が挙げられる。別の公知の触媒系としては、ジルコニウム含有化合物と組み合わされた二塩化エチルアルミニウムを含む二成分触媒が挙げられる。しかしながら、これらの触媒組成物は、活性および選択性に関して、極めて満足するものではない。
【0008】
ジルコニウム含有触媒の使用が、例えば、特許文献1から9に開示されている。これらの触媒を用いたエチレンのオリゴマー化は、100℃および150℃の間の温度で、0.4MPaおよび0.8MPaの間の高圧で、炭化水素溶媒中において行われる。その触媒の主な欠点は、炭化水素溶媒中の四塩化ジルコニウムの不十分な溶解性、触媒動作の厳しい条件およびその相対的に低い選択率である。エチレンのオリゴマー化の最中に、これらの触媒の影響下で、望ましくないワックスおよびポリマーが多量に形成されてしまう。
【0009】
特許文献10には、ジルコニウムハロゲン化物、有機アルミニウム化合物およびルイス塩基を含む三成分触媒系の使用、および得られる反応混合物への触媒失活剤の添加が開示されている。このプロセスの欠点は、C20+分画の高収率と組み合わされたC6〜C10分画の比較的低い選択率(30〜56%)である。
【0010】
特許文献11には、ジルコニウム化合物を、アセタールおよびケタールの群から選択される有機化合物と、またアルミニウムヒドロカルビルの塩素または臭素含有化合物と混合することにより得られた触媒を用いて、エチレンを軽質アルファオレフィン、主に、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンにオリゴマー化するためのプロセスが開示されている。この系は、C6〜C10分画について低い選択率(33〜57質量%)を示す。
【0011】
特許文献12には、カルボン酸ジルコニウムおよび有機アルミニウム化合物を含む触媒が開示されている。この触媒系の主な欠点は、C6〜C10分画の低い選択率およびポリエチレンやC20+ワックスのオリゴマーなどの望ましくない副生成物の形成である。蝋状固体であり、直鎖アルファオレフィンの生成混合物中に一部しか溶解しない重質オリゴマーが形成されることにより、反応装置が詰まり、その結果、洗浄のために反応装置を頻繁に停止しなければならなくなる。
【0012】
エチレンは、チタンおよびジルコニウム化合物に基づく金属錯体触媒を用いて、直鎖アルファオレフィンに効率的にオリゴマー化されるかもしれない。しかしながら、公知の触媒は、最も価値のある望ましいアルファオレフィンの狭い分画、例えば、C4〜C10分画およびC6〜C10分画の製造にとっては、非技術的であるか、または高選択性ではない。
【特許文献1】米国特許第4486615号明細書
【特許文献2】米国特許第4442309号明細書
【特許文献3】米国特許第4434313号明細書
【特許文献4】米国特許第4434312号明細書
【特許文献5】米国特許第4410750号明細書
【特許文献6】米国特許第4409409号明細書
【特許文献7】米国特許第4396788号明細書
【特許文献8】米国特許第4377720号明細書
【特許文献9】米国特許第4361714号明細書
【特許文献10】米国特許第4783573号明細書
【特許文献11】米国特許第5345023号明細書
【特許文献12】国際公開第1980/00224号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、好ましくはC6〜C10分画の収率が改善された、直鎖の低分子量アルファオレフィンの調製のための、活性が改善され、選択性が改善された触媒組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、遷移金属ビスフェノレートが、化学式(I):
【化1】

【0015】
ここで、
RおよびR2は、互いに独立して、同じでも異なっていてもよく、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロゲンであり、
1=−CH2−、−CHR−、(−CH2−)2、−S−S−、または−CH2NH−CH2−、
Xは、ハロゲン、β−ジケトネート、−ORおよび−OOCRから選択され、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロゲンであり、
m=1または2、および
n=0または2、
により表されるジルコニウム(IV)ビスフェノレートであることを特徴とする。
【0016】
本発明による触媒組成物により、C4〜C18分画の収率が高い、エチレンの直鎖アルファオレフィンへの選択的なオリゴマー化となる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態によれば、R=H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲン。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施の形態によれば、Rは、C(CH33−、メチルシクロヘキシルまたはフェニルである。
【0019】
化学式(I)によるジルコニウム(IV)ビスフェノレート中の必須の架橋基R1は、−CH2−、−CHR−、(−CH2−)2、−S−S−、または−CH2NH−CH2−である。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態によれば、R1は、−CH2−、−CHR−および(−CH2−)2から選択される。
【0021】
−CHR−において、R=H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲン。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施の形態によれば、R1は、−CH2−、−CH(CH3)−および(−CH2−)2から選択される。
【0023】
本発明のより好ましい実施の形態によれば、R1は−CH2−である。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態によれば、R2=H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲン。
【0025】
さらに好ましい実施の形態によれば、R2=H、(C1〜C20)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲン。さらに好ましい実施の形態によれば、R2=H、CH3またはC(CH33
【0026】
R、R2およびXにおける好ましいハロゲンは塩素である。
【0027】
RおよびR2以外の追加の置換基を、ビスフェノレート系の芳香族環に、すなわち、芳香族環の他の炭素原子に提供してもよい。本発明の好ましい実施の形態によれば、Xは、塩素、β−ジケトネート、−ORおよび−OOCRから選択され、R=H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲン。本発明の好ましい実施の形態によれば、ジルコニウムビスフェノレートは、2,2’−ビス置換ジルコニウム(IV)クレゾレートおよび/またはジルコニウム(IV)メチレンビスフェノレートである。
【0028】
好ましい助触媒は有機アルミニウム化合物である。
【0029】
前記有機アルミニウム化合物は、化学式R3pAlY3-p
ここで、
3=(C1〜C20)アルキル、
Y=ハロゲン、
1≦p≦2。
Y=塩素がより好ましい。
1.5≦p≦2がより好ましい。
により表されることが好ましい。
【0030】
本発明の別の好ましい実施の形態によれば、前記有機アルミニウム化合物は、塩化ジエチルアルミニウムおよび/またはエチルアルミニウムセスキクロライドである。
【0031】
助触媒対遷移金属のモル比は、約10:1から約100:1の範囲に及ぶことが好ましい。そのモル比が約15:1から約70:1の範囲に及ぶことがより好ましく、モル比が約20:1から約50:1に及ぶことがさらにより好ましい。
【0032】
前記触媒組成物は、少なくとも1種類の電子供与体化合物を含んでもよい。適切な電子供与体化合物の例としては、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、アニソール、チオフェン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルアミンおよび2−ピロリドンが挙げられる。一般に、電子供与体化合物:Zrのモル比は、1:0.1および1:3の間に及ぶ。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態によれば、助触媒は、触媒組成物の望ましい高い活性および選択率を得るために、第1工程において反応装置に加えられる。
【0034】
本発明は、エチレンが反応装置内で本発明による触媒組成物と接触せしめられる、エチレンのオリゴマー化のためのプロセスにも関する。
【0035】
オリゴマー化温度は約30℃から約120℃に及ぶことが好ましい。オリゴマー化温度は約50℃から約100℃に及ぶことがより好ましい。
【0036】
エチレン圧が約1MPaから約5MPaに及ぶことが好ましい。エチレン圧が約2MPaから約4MPaに及ぶことがより好ましい。
【0037】
本発明による触媒組成物の非常に重要な利点は、この触媒を使用することにより、エチレンがC6〜C10分画の収率の高い直鎖アルファオレフィンに選択的にオリゴマー化されることである。
【0038】
高分子量ポリマーの形成が、最小となるかまたはさらには全く除去されることが本発明のさらなる利点である。
【0039】
本発明の別の利点は、触媒組成物およびエチレンオリゴマー化プロセスが行われる条件により、ポアソン分布のオリゴマー化生成物分布となり、一方で、公知のジルコニウム含有触媒系については、シュルツ・フローリー分布が特徴的であることである。ポアソン分布の利点は、この分布により、C6からC10および他の中程度のαオレフィン分画の収率が増加することである。一般に、既存のZr含有触媒は、C6からC10分画の収率が少ない、幅は広いエチレンオリゴマー化生成物が得られる、シュルツ・フローリー分布により特徴付けられる。
【0040】
本発明による触媒組成物は、成分を、芳香族、ハロゲン化物芳香族および/または脂肪族溶媒中に溶解させることにより調製されることが好ましい。触媒組成物を調製するには、要求される触媒成分の添加順序に、特別な制限はない。直鎖アルファオレフィンの製造に用いられる触媒系が不活性有機溶媒中に溶解されることが好ましい。
【0041】
適切な有機溶媒の例としては、ハロゲンにより置換されていてもいなくてもよい芳香族炭化水素溶媒、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、脂肪族パラフィン炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、脂環式炭化水素化合物、例えば、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、およびハロゲン化アルカン、例えば、ジクロロエタンおよびジクロロブタンが挙げられる。
【0042】
反応体および溶媒から、酸素、水分および攻撃的不純物を排除することがさらに好ましい。
【0043】
本発明の重要な態様は、エチレンの、不活性溶媒中に溶解した触媒組成物との反応モードである。
【0044】
触媒成分は、約−30℃から50℃の範囲の温度で接触されてもよく、オリゴマー化反応装置への添加前に、24時間までエチレンの不在下においてもよい。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態において、触媒成分は、高活性を得るために、オリゴマー化反応装置内で、エチレンと直接接触される。
【0046】
オリゴマー化反応が約1MPa以下のエチレン圧で行われる場合、エチレン供給物は、オリゴマー化中心の失活、ポリマー、内分オレフィンおよび分岐オレフィンの形成を最小にするかまたは防ぐため、またC6〜C10アルファオレフィンの高い選択率に到達するために、反応装置に連続的に供給しなければならない。約1MPa以下の圧力では、オリゴマー化反応は、定圧および可変圧の両方で行ってよい。
【0047】
オリゴマー化中心の失活の裏にある主な理由は、中間体の金属−有機オリゴマー化中心の二分子の破壊である。この失活プロセスの結果として、オリゴマー化活性が減少してしまう。ある場合、中間体の金属−有機中心が破壊された結果として、遷移金属が、触媒の重合活性にとって好ましい酸化状態ではなくなってしまう。配位圏に嵩のあるビスフェノレートリガンドが存在すると、オリゴマー化中心の二分子失活が大きく制限される。このことは転じて、その安定性と全体として触媒の安定性が増加することになる。この嵩のあるビスフェノレートリガンドは、負に荷電したAl含有錯体対イオンから正に荷電した遷移金属−有機中心がより効果的に分離しているために、触媒のオリゴマー化(二量体化)活性を担う、触媒中心の金属−陽イオン特性にとって好ましい。その結果、エチレンのオリゴマー化の過程で、オリゴマー化活性が増加し、重合活性が減少する(またはなくなる)という全体的な効果が生じる。
【0048】
その一方で、オリゴマー化中心の増加した金属−陽イオン特性により、これらの中心におけるβ−水素の排除を経る連鎖移動プロセスが増強される。それゆえ、触媒中心は、長鎖オリゴマー化プロセスの代わりに、エチレンの二量体化および三量体化反応をより導きやすくする。その結果、初期段階で、二量体化および三量体化生成物が急激に蓄積する。第1の二量体化生成物、1−ブテンの蓄積に続いて、エチレンとの二次的共二量体化(ヒドロビニル化)が続き、1−ヘキセンが生成される。1−ヘキセンの蓄積に続いて、エチレンとの共二量体化が続き、例えば、1−オクテンが得られる。共二量体化(ヒドロビニル化)率は、1−ブテン>>1−ヘキセン>1−オクテン>1−デセンの順番に急激に減少する。そのような連続並列二量体化プロセスは、シュルツ・フローリー分布からの逸脱を導き、それゆえ、生成物中のC6〜C10アルファオレフィン含有量の増加を導く。アルファオレフィン含有量の高い選択率(>98〜99%)は、遷移金属の内部配位圏内に嵩のあるビスフェノレートリガンドが存在し、連鎖移動反応の過程における中間体のジルコニウム−H種の付加へのアルファオレフィンの付加の結果として得られる中間体のオリゴアルキル−ジルコニウム鎖の端部に遷移金属原子を向けることにより提供される。
【0049】
本発明によるプロセスで得られるC6〜C10直鎖アルファオレフィンは、無色透明の液体である。C6〜C10直鎖アルファオレフィンの構造は、ガスクロマトグラフィー、赤外およびNMRスペクトル法により決定されてきた。この分析は、本発明による直鎖アルファオレフィンのアルファオレフィン純度が約95%および約98%の間に及ぶことを示している。
【0050】
Zhu等は、出版物the Journal of Organometallic Chemistryの「Preparation and structure of 6- and 7-coordinate salen-type zirconium compleses and their catalytic properties for oligomerization of ethylene」(2005年、9月17日、3929〜3936頁)において、ジルコニウム錯体を開示している。本発明とは反対に、Zhu等により記載されたサレンおよびサルフェン型のジルコニウム錯体はその構造にジイミン型架橋基(−CH=NCH2−CH2N=CH−、−CH=N−Ph−N=CH)を有する。これらの6−および7−配位サレンおよびサルフェン型のジルコニウム錯体は、非常に堅い飽和八面体(またはそれより多面体の)配位圏を有する。その理由のために、それらの錯体を100℃未満の温度でアルミニウム−有機化合物により活性化するのは難しい。それらの配位圏を、アルミニウム−有機活性体と反応できるようにより可動性(柔軟)にするためには、より高い温度が必要である。本発明による前駆体は、4−および5−配位不飽和および可動性配位圏を有する。その理由のために、それら前駆体は、アルミニウム有機化合物とより容易に反応して、より低温で、オリゴマー化プロセスを仲介する活性中心を与える。Zhu等による触媒系は、不安定であり、150℃より高い温度でも中位の活性を示すだけである。本発明による触媒系は、より安定であり、例えば、50℃および100℃の間の温度で高い活性を有する。さらに、Zhu等による前駆体を用いて得られるオリゴマー化生成物のオレフィン純度は低く(74.9%および91.6%の間)、そのために、その前駆体は、エチレン重合プロセスにおけるコモノマーとして有用でなくなってしまう。
【実施例】
【0051】
本発明を、以下の非限定的実施例を参照して、説明する。
【0052】
実施例1〜20
実施例において、特定の触媒の存在下で、0.5〜2時間の期間に亘りエチレンのオリゴマー化を行った。
【0053】
実施例の実験条件が以下に要約されている:
全ての材料を、シュレンク技法または窒素充填グローブボックスのいずれかを使用して、窒素雰囲気内で取り扱った。窒素およびトルエンは、プラント供給源から購入したか供給され、必要であれば、分子篩の追加の床により乾燥させた。実施例1〜18および19〜20は、2つの異なる反応装置内で行った。実施例1〜18は、0.5リットルの容量を持つステンレス鋼製の反応装置内で行った。ある体積のエチレンの消費後、オートクレーブをエチレン供給ラインから外し、室温以下(−35℃まで)に冷却した。エチレンの未反応部およびある量の合成ブテン−1を、ドライアイスとアセトンとの混合物により冷却されたトラップに通過させた。次いで、2mlのNaOH水溶液(10%)をオートクレーブ中に加え、触媒の失活のために、反応混合物を5分以内で撹拌した。濃縮ブテン−1をGC法により分析した。反応の液体生成物をオートクレーブから排出し、ガス−液体クロマトグラフィー法により分析した。実施例19〜20は、外部/内部冷却コイルのジャケット付きの2リットルのステンレス鋼製の反応装置内で行った。エチレンおよび窒素ガスの反応装置中への供給は、質量流量制御装置により制御した。質量流量制御装置は、毎分の流量および総ガス流を制御するために、コンピュータ制御システムにより動作された。反応条件を維持しながら、表記の時間に亘り反応を続けた後、20mlのエタノールを反応混合物に加えることにより、反応を停止させた。得られた直鎖アルファオレフィン生成物を分離し、収集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0054】
適用したジルコニウムビスフェノレート錯体および実験結果が表1に示されている。
【0055】
実施例1
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体1の溶液(0.02ミリモル、0.116g)を、磁気撹拌機が設けられた、空にされ真空中で乾燥された200mlのオートクレーブ中に装填した。次いで、10mlのトルエン中の塩化ジエチルアルミニウム[DEAC]の溶液(6ミリモル、0.723g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。オートクレーブをエチレン供給ラインに接続し、70℃まで加熱した。
【0056】
次いで、3MPaに到達するまで、エチレンをオートクレーブ中に導入し、60分間に亘り70℃および3MPaのエチレン圧で、エチレンオリゴマー化プロセスを行った。
【0057】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、56.7gであった。
【0058】
触媒の活性は3108g/gZr・時であった。
【0059】
実施例2
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体2の溶液(0.162ミリモル、0.081g)を、実施例1におけるように調製した200mlのオートクレーブ中に装填し、20mlのトルエン中のDEACの溶液(6.48ミリモル、0.78g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=40:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを100℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(4MPa)に維持した。
【0060】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、80.3gであった。
【0061】
触媒の活性は5436g/gZr・時であった。
【0062】
実施例3
60mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体3の溶液(0.150ミリモル、0.140g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(3.02ミリモル、0.364g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=20:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを100℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0063】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、94.5gであった。
【0064】
触媒の活性は6907g/gZr・時であった。
【0065】
実施例4
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体4の溶液(0.15ミリモル、0.106g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(7.5ミリモル、0.9g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=50:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを80℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0066】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、86.8gであった。
【0067】
触媒の活性は6345g/gZr・時であった。
【0068】
表1に示した化学式において、C572=アセチルアセトン。
【0069】
実施例5
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体5の溶液(0.116ミリモル、0.081g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(3.48ミリモル、0.42g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(5MPa)に維持した。
【0070】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、80.5gであった。
【0071】
触媒の活性は7608g/gZr・時であった。
【0072】
表1に示した化学式において、DBM**=ジベンゾイルメタン。
【0073】
実施例6
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体6の溶液(0.195ミリモル、0.1129g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのトルエン中のジエチルアルミニウムセスキクロライドの溶液(3.9ミリモル、0.965g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=20:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを120℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(30分間)一定(2.5MPa)に維持した。
【0074】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、49.3gであった。
【0075】
触媒の活性は5543g/gZr・時であった。
【0076】
実施例7
30mlの乾燥クロロベンゼン中のジルコニウムビスフェノレート錯体7の溶液(0.121ミリモル、0.064g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのクロロベンゼン中のDEACの溶液(2.42ミリモル、0.29g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=20:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを50℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(2時間)一定(1MPa)に維持した。
【0077】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、58.8gであった。
【0078】
触媒の活性は2672g/gZr・時であった。
【0079】
実施例8
50mlの乾燥ベンゼン中のジルコニウムビスフェノレート錯体8の溶液(0.160ミリモル、0.095g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのベンゼン中のDEACの溶液(8ミリモル、0.964g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=50:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを60℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0080】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、70.8gであった。
【0081】
触媒の活性は4852g/gZr・時であった。
【0082】
実施例9
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体9の溶液(0.180ミリモル、0.104g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(2.7ミリモル、0.325g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=15:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを80℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(2.5MPa)に維持した。
【0083】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、30.8gであった。
【0084】
触媒の活性は1877g/gZr・時であった。
【0085】
実施例10
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体10の溶液(0.120ミリモル、0.116g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(7.8ミリモル、0.94g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=65:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(30分間)一定(3MPa)に維持した。
【0086】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、40.6gであった。
【0087】
触媒の活性は4451g/gZr・時であった。
【0088】
実施例11
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体11の溶液(0.25ミリモル、0.132g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(5ミリモル、0.6g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=20:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを60℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(30分間)一定(3MPa)に維持した。
【0089】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、34.4gであった。
【0090】
触媒の活性は3017g/gZr・時であった。
【0091】
実施例12
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体12の溶液(0.2ミリモル、0.126g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(6ミリモル、0.723g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0092】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、45.5gであった。
【0093】
触媒の活性は2494g/gZr・時であった。
【0094】
実施例13
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体13の溶液(0.17ミリモル、0.1053g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのトルエン中のDEACの溶液(5.1ミリモル、0.614g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを50℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(4MPa)に維持した。
【0095】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、58gであった。
【0096】
触媒の活性は3742g/gZr・時であった。
【0097】
実施例14
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体14の溶液(0.165ミリモル、0.0987g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(6.6ミリモル、0.795g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=40:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを80℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(4MPa)に維持した。
【0098】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、65.8gであった。
【0099】
触媒の活性は4375g/gZr・時であった。
【0100】
実施例15
30mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体15の溶液(0.175ミリモル、0.0896g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのトルエン中のDEACの溶液(3.5ミリモル、0.42g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=20:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0101】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、78.7gであった。
【0102】
触媒の活性は4931g/gZr・時であった。
【0103】
実施例16
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体16の溶液(0.19ミリモル、0.103g)をオートクレーブに装填し、次いで、30mlのトルエン中のDEACの溶液(5.7ミリモル、0.687g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(4MPa)に維持した。
【0104】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、83.6gであった。
【0105】
触媒の活性は4824g/gZr・時であった。
【0106】
実施例17
50mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体17の溶液(0.2ミリモル、0.1028g)をオートクレーブに装填し、次いで、20mlのトルエン中のDEACの溶液(6ミリモル、0.723g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(3MPa)に維持した。
【0107】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、77.8gであった。
【0108】
触媒の活性は4265g/gZr・時であった。
【0109】
実施例18
40mlの乾燥トルエン中のジルコニウムビスフェノレート錯体18の溶液(0.185ミリモル、0.1038g)をオートクレーブに装填し、次いで、40mlのトルエン中のDEACの溶液(5.55ミリモル、0.669g)を加えた。触媒成分のモル比は、Al:Zr=30:1であった。エチレンオリゴマー化プロセスを70℃で行った。圧力は、反応期間中ずっと(1時間)一定(4MPa)に維持した。
【0110】
得られた直鎖アルファオレフィン(LAO)の量は、80.3gであった。
【0111】
触媒の活性は4759g/gZr・時であった。
【0112】
実施例19
200mlのトルエン、2.20ミリモルのエチルアルミニウムセスキクロライド(EASC)および2.23ミリモルのDEACを250mlの丸底フラスコ内で混合した。次いで、0.15ミリモルのジルコニウムビスフェノレート錯体1をその混合物に加えた。Al/Zrのモル比は29.5であった。反応を70℃および2.5MPaのエチレン圧で行った。オリゴマー化時間は60分間であった。
【0113】
171gのLAOが得られた。
【0114】
LAOの収率は、12500gLAO/gZrであった。
【0115】
実施例20
200mlのトルエン、0.25ミリモルのジルコニウムビスフェノレート錯体1および純EASC(Al/Zr=35)を250mlの丸底フラスコ内で混合した。反応を80℃および3MPaのエチレン圧で行った。オリゴマー化時間は60分間であった。
【0116】
212gのLAOが得られた。
【0117】
LAOの収率は、9298gLAO/gZrであった。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

これらの実施例および表1は、本発明による触媒組成物がエチレンのオリゴマー化に都合よく適用されることを示している。この触媒により、C6〜C10分画の収率が高くなり、触媒の活性が高くなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の遷移金属ビスフェノレート化合物および少なくとも1種類の助触媒を含む触媒組成物であって、前記遷移金属ビスフェノレートが、化学式(I):
【化1】

ここで、
RおよびR2は、互いに独立して、同じでも異なっていてもよく、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロゲンであり、
1=−CH2−、−CHR−、(−CH2−)2、−S−S−、または−CH2NH−CH2−、
Xは、ハロゲン、β−ジケトネート、−ORおよび−OOCRから選択され、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキルまたはハロゲンであり、
m=1または2、および
n=0または2、
により表されるジルコニウム(IV)ビスフェノレートであることを特徴とする触媒組成物。
【請求項2】
RおよびR2が、H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよびハロゲンから選択されることを特徴とする請求項1記載の触媒組成物。
【請求項3】
1が、−CH2−、−CHR−および(−CH2−)2から選択され、Rが、H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルおよびハロゲンから選択されることを特徴とする請求項1または2記載の触媒組成物。
【請求項4】
1が−CH2−であることを特徴とする請求項3記載の触媒組成物。
【請求項5】
2が、H、CH3およびC(CH33から選択されることを特徴とする請求項4記載の触媒組成物。
【請求項6】
Xが、塩素、β−ジケトネート、−ORおよび−OOCRから選択され、R=H、(C1〜C20)アルキル、(C6〜C20)アリール、(C3〜C10)シクロアルキルまたはハロゲンであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の触媒組成物。
【請求項7】
前記ジルコニウムビスフェノレートが、2,2’−ビス置換ジルコニウム(IV)クレゾレートおよび/またはジルコニウム(IV)メチレンビスフェノレートであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の触媒組成物。
【請求項8】
前記助触媒が、化学式R3pAlY3-p
ここで、
3が(C1〜C20)アルキルであり、
Yがハロゲンであり、
1≦p≦2、
により表される有機アルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の触媒組成物。
【請求項9】
少なくとも1種類の電子供与体化合物を含むことを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の触媒組成物。
【請求項10】
エチレンのオリゴマー化のためのプロセスであって、エチレンが反応装置内で請求項1から9いずれか1項記載の触媒組成物と接触せしめられることを特徴とするプロセス。
【請求項11】
請求項10記載のプロセスにより得られるC4〜C18直鎖アルファオレフィン。
【請求項12】
請求項10記載のプロセスにより得られるC6〜C10直鎖アルファオレフィン。

【公表番号】特表2009−525855(P2009−525855A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553622(P2008−553622)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/EA2007/000001
【国際公開番号】WO2007/090412
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(502132128)サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション (109)
【Fターム(参考)】