説明

エチレン共重合体及びその製造方法

【課題】エチレン又はα−オレフィンの多段階合成を通じて、多峰の分子量分布を有するエチレン共重合体を製造して物性及び加工性が同時に改善されるエチレン共重合体及びこの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)一つ以上の反応器の中で、下記化学式1の遷移金属触媒を含む触媒組成物の存在下において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体を重合させて第1共重合体を製造する段階;及び(b)前記(a)段階で製造された第1共重合体を前記(a)段階の触媒組成物と同一な触媒組成物の存在下において、前記(a)段階の反応温度より高い温度で前記エチレン又はエチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィンを含有する一つ以上の他の反応器の中を通過させることによってエチレン及びC3−C18のα−オレフィン共重合体組成物を含む高温の重合体を製造する段階;とを含むエチレン共重合体の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエチレン共重合体及びこの製造方法に関するものであって、具体的に多段階合成を通じて多峰の分子量分布指数を有して優れる加工性及び物性を示すエチレン共重合体及びこの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、単一活性点触媒で重合された高分子は分子量分布が狭く共単量体の分布が均一であり、チーグラー・ナッタ触媒より共重合の活性度も高い。しかし、狭い分子量分布によって加工時にエネルギーの消費が大きくなり製品加工が難しくて既存の設備条件による生産は容易でなく、加工費用が増加される短所がある。単一活性点触媒を用いたオレフィン重合技術を商業化された既存工程の観点から分析すると、高圧溶液工程の場合には単一活性点触媒が溶媒に対する溶解度が十分であれば直接適用が可能であり、相対的に高い重合温度において触媒の安定性、反応器の以後の後段工程で触媒の活性を除去する方法などが重要な問題になり、溶剤を分離、精製して回収する工程で不純物及び反応阻害物質の分離もやはり重要になる。単一活性点遷移金属触媒を使用して重合されたエチレン共重合体が向上された物性を有しながらも加工性を保障するためにはもう最も広い分子量分布を有したり又は分子量分布曲線の頂点が二つ以上を現す分子量分布を有するものが有利である。
【0003】
このように向上された加工性と物性を有するエチレン共重合体を製造するために、米国特許第4935474号では一つの反応器に反応速度が異なる二つ以上のメタロセン触媒を使用する方法を開示した。しかし、この方法では相対的に広い分子量分布又は二峰分子量分布を有する重合体の製造は可能であるが、同時に多様な密度分布を有するエチレン共重合体を製造するには難点がある。
【0004】
米国特許第3592880号、ヨーロッパ特許第057420号、第237294号、英国特許第2020672号などではスラリ−スラリ多段階重合工程、英国特許第1505017号、ヨーロッパ特許第040992号、米国特許第4420592号などでは気相−気相多段階重合工程、英国特許第1532231号、米国特許第4368291号、第4309521号、第4368304号などではスラリ−気相多段階工程について言及している。さらに、WO第9212182号ではスラリ−気相工程で気相工程の場合は2段以上が可能であるとなっているが、触媒特性及びそれによる水素投入で2段工程を通じた二峰(bimodal)分子量分布のみを見せており、該特許の実施例によると、0.930g/cm3以上の限定された密度のみを有するエチレン共重合体を生産する方法が提示されていて、高い衝撃強度を有するフィルムなどの多様な用途のエチレン共重合体樹脂を生産するには限界がある。
【0005】
WO第1994/17112号では溶液重合法でメタロセン及びチーグラー・ナッタ触媒を使用して広い分子量分布を有するエチレン共重合体を合成する発明を提示しているが、二峰分子量分布に限られて工程改善を通じた重合体の物性向上を図るには限界がある。
【0006】
米国特許第6277931号の場合も溶液重合工程に異種の触媒(メタロセン及びチーグラー・ナッタ)を使用して二峰分子量分布を有するエチレン重合工程を紹介している。しかし、異種の触媒を一つのシステムで使用する場合、異種の触媒若しくは共触媒の相互間に干渉を起こして反応制御が難しくなり、チーグラー・ナッタ触媒の共触媒が単一活性点触媒においては触媒毒として或いは反応阻害剤として作用することもある。
【0007】
WO第2006/048257号では3つの反応器を経て広い分子量分布及び三峰(trimodal)分子量分布を有するエチレン共重合体を提案した。該発明の場合、スラリ−気相工程であって、スラリ工程に先立っているプレポリマー反応器において高分子量の高密度のポリエチレンを一部合成し、後を次いでスラリ及び気相工程を経て三峰の広い分子量分布を有するエチレン共重合体を考案したが、高分子量部分が高密度になる場合に全体樹脂の側面から見てフィルムの衝撃強度に良くない影響を及ぼすという短所がある。
【0008】
米国特許第6372864号ではホスフィンイミンリガンドを有する単一活性点触媒を使用し、2つの攪拌式反応器を使用して物性及び加工性を満たすエチレン共重合体を製造する方法を提示したが、触媒特性上の低い密度を示すために多量の共単量体が工程上で運営しなければならなく、これに従って共単量体が最終重合体内に残留されて製品に匂い及び衛生性の問題を残す短所があって改善が要求される。また、米国特許第6995216号では架橋されたインデノインドリルリガンドを含む単一活性点触媒を使用して多段階或いは多重反応器を使用して広い分子量分布を有するエチレン共重合体を製造する方法を提示したが、多段階を経ながら反応される反応物の完全な混合に対する考慮はなくて段階別に合成された重合体が不完全な混合によって欠点を有するようになるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明者らは前記従来技術の問題点の克服及び改善のために広範囲な研究を行った結果、狭い分子量分布及び均一な密度分布を有する単一活性点触媒によるエチレン共重合体の特性を多段階合成工程で制御してエチレン共重合体樹脂の物性及び加工性を同時に改善することができるように適切な単一活性点触媒系を使用した多段溶液反応工程を考案した。即ち、2つ以上の多段階で連結された各反応器で単量体及び共単量体の組成、反応温度、反応圧力などを異にして多用な分子量及び共単量体の含量或いは密度を有する重合体を作り出すことである。具体的に、前記の多段階溶液反応工程を通じて多峰分子量分布、望ましくは二峰以上の多峰分子量分布を有し、炭素数3以上のα−オレフィン共単量体を使用して各反応器で密度分布が異なるエチレン共重合体を製造することができるように行い、本発明はこれに基づいて完成された。特に、本特許で使用された単一活性点触媒の場合は共単量体の結合度が高いにも関わらず高い分子量を有する共重合体を製造することができてこのような発明が可能になった。
【0010】
従って、前記のような問題点を解決するために本発明の目的は、エチレン又はα−オレフィンの多段階合成を通じて、多峰の分子量分布を有するエチレン共重合体を製造して物性及び加工性が同時に改善されるエチレン共重合体及びこの製造方法を提供することにある。
【0011】
なお、本発明のもう一つの目的は、混合して製造される短所を改善して生産性が容易であり、多様な用途に適用できるエチレン共重合体及びこの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために本発明の一側面は、(a)一つ以上の反応器の中で、下記化学式1の遷移金属触媒を含む触媒組成物の存在下において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体を重合させて第1共重合体を製造する段階;及び(b)前記(a)段階で製造された第1共重合体を前記(a)段階の触媒組成物と同一な触媒組成物の存在下において、前記(a)段階の反応温度より高い温度で前記エチレン又はエチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィンを含有する一つ以上の他の反応器の中を通過させることによってエチレン及びC3−C18のα−オレフィン共重合体組成物を含む高温の重合体を製造する段階;とを含むエチレン共重合体の製造方法を提供する。
【0013】
本発明のもう一つの側面は、(a)一つ以上の反応器の中で、下記化学式1の遷移金属触媒を含む触媒組成物の存在下において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体を重合させて第1共重合体を製造する段階;(b)一つ以上の他の反応器の中で、前記(a)段階の触媒組成物と同一な触媒組成物の存在下において、前記(a)段階の反応温度より高い温度で前記エチレン又はエチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィンを反応させて第2共重合体を製造する段階;及び(c)前記第1共重合体を前記第2共重合体と混合する段階;とを含むエチレン共重合体の製造方法を提供する。
【0014】
[化学式1]

式中、Mは周期律表上の4族の遷移金属であり;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
からRは互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記RからRは融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立にハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
【化1】

であり;
11からR15は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R11からR15は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
前記 RからR、R11からR15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ若しくはアリールチオ;RからR、又はR11からR15がアルキレン又はアルケニレンを介して隣接した置換体と連結して形成された環;及び前記ArとAr11のアリール及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換できる。
【0015】
以下、本発明に添付された図面を参照して本発明の好適な一実施例を詳細に説明する。先ず、図面のうち、同一な構成要素又は部品はできる限り同一な参照符号を示していることに留意しなければならない。本発明を説明することにおいて、関連された公知機能或いは構成に対する具体的な説明は本発明の要旨を曖昧でないようにするため省略する。
【0016】
本明細書で使用される程度の用語の“約”、“実質的に”などは言及された意味に固有な製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その寸法で又はその寸法に近接した意味で使用され、本発明がわかり易くするために正確であり又は絶対的な寸法が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0017】
本発明のエチレン共重合体は2段階以上から製造されて狭い分子量分布を提供し、高い共単量体の結合力及び狭い密度分布を得ることができる単一活性点触媒系を必要とする。これはシクロペンタジエン誘導体及びオルト(ortho−)位置にアリール誘導体が置換されたアリールオキシドリガンドを少なくとも一つ以上含み、リガンドの相互間に架橋されない4族遷移金属触媒、つまりこのような遷移金属触媒とアルミノキサン共触媒又はホウ素化合物共触媒を含む触媒組成物がこれに該当される。
【0018】
これと共に、単一活性点触媒で重合した重合体の狭い分子量分布による加工性を克服するために二峰以上の分子量分布を有するように行う工程を適用し、炭素3つ以上、望ましくは炭素6つ以上の高分子量α−オレフィンを共単量体で適用可能な溶液重合工程を進ませる。
【0019】
従って、本発明は高分子量部分の密度を他の分子量部分に比べて低く有することにより、分子鎖の中で連結分子(Tie molecule)の存在頻度を高めて、フィルム用途の場合は衝撃強度を高くし、パイプ用途の場合は高温における長期耐久性を向上させるようにする。
【0020】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0021】
1.使用された触媒に対する詳細
【0022】
本発明で使用された触媒は下記化学式1の遷移金属触媒及び共触媒が含まれた触媒組成物である。前記共触媒にはホウ素化合物及びアルミニウム化合物から選ばれたりこれらの混合物が含まれる。
【0023】
先ず、下記化学式1は遷移金属の周りにシクロペンタジエン誘導体及びオルト(ortho-)位置にアリール誘導体が置換されたアリールオキシドリガンドを少なくとも一つ以上を含み、リガンド相互間に架橋されない4族遷移金属触媒である。
【0024】
[化学式1]

【0025】
前記化学式1の遷移金属触媒で中心金属のMは周期律表上の4族の遷移金属であり、望ましくはチタニウム、ジルコニウム、又はハフニウムである。なお、前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換できる。前記Cpの具体的な例としては、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、ブチルシクロペンタジエチル、sec−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、ジメチルインデニル、エチルインデニル、イソプロピルインデニル、フルオレニル、メチルフルオレニル、ジメチルフルオレニル、エチルフルオレニル、イソプロピルフルオレニルなどがある。
【0026】
前記化学式1のアリールフェノキシドリガンド上のRからRに関連しては、互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記RからRは融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立にハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
【化1】

であり;
11からR15は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R11からR15は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
前記 RからR、R11からR15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ若しくはアリールチオ;RからR、又はR11からR15がアルキレン又はアルケニレンを介して隣接した置換体と連結して形成された環;及び前記ArとAr11のアリール及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換できる。
【0027】
前記ハロゲン原子の例としてフッ素、塩素、臭素、又はヨード原子が挙げられ;前記(C1−C20)アルキル又は(C3−C20)シクロアルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、又はn−エイコシルであり、この中で望ましいものはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルであり;(C6−C30)アリールの例を挙げると、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニルが挙げられ;(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル基の例としてベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2,3−ジメチルフェニル)メチル、(2,4−ジメチルフェニル)メチル、(2,5−ジメチルフェニル)メチル、(2,6−ジメチルフェニル)メチル、(3,4−ジメチルフェニル)メチル、(4,6−ジメチルフェニル)メチル、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(n−テトラデシルフェニル)メチル、トリフェニルメチル、ナフチルメチル、又はアントラセニルメチルが挙げられ、この中で望ましいものはベンジル、トリフェニルメチルであり;(C1−C20)アルコキシの例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、n−オクトキシ、n−ドデソキシ、n−ペンタデソキシ、又はn−エイコソキシが挙げられ、この中で望ましいものはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシであり;(C3−C20)アルキルシロキシ又は(C6−C30)アリールシロキシの例としてトリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ、トリ−n−プロピルシロキシ、トリイソプロピルシロキシ、トリ−n−ブチルシロキシ、トリ−sec−ブチルシロキシ、トリ−tert−ブチルシロキシ、トリ−イソブチルシロキシ、tert−ブチルジメチルシロキシ、トリ−n−ペンチルシロキシ、トリ−n−ヘキシルシロキシ、トリシクロヘキシルシロキシ、フェニルシロキシ、ジフェニルシロキシ、ナフチルシロキシが挙げられ、この中で望ましいものはトリメチルシロキシ、又はtert−ブチルジメチルシロキシ、又はフェニルシロキシである。また、(C1−C20)アルキルアミノ又は(C6−C30)アリールアミノの例としてジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−tert−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、tert−ブチルイソプロピルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−デシルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルフェニルアミノ、ベンジルヘキシルアミノガ挙げられ、この中で望ましいものはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、又はジフェニルアミノであり、(C1−C20)アルキルチオ又は(C6−C30)の例として、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、フェニルチオ、ナフチルチオが挙げられる。
【0028】
前記化学式1の具体的な例として下記化学式から選ばれる。
【0029】
[化学式1−1]

[化学式1−2]

[化学式1−3]

[化学式1−4]

[化学式1−5]

[化学式1−6]

[化学式1−7]

[化学式1−8]

[化学式1−9]

(R11とR12が連結されて環形成した場合に該当する)
[化学式1−10]

[化学式1−11]

[化学式1−12]

(R11とR12及びR13とR14が連結されて環形成した場合に該当する)
[化学式1−13]

[化学式1−14]

【0030】
前記R21からR26は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R21からR26は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;前記 R21からR26のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ又はアリールチオは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
前記X及びXはメチル又はClである。
【0031】
さらに具体的には前記遷移金属触媒は下記から選ばれることを特徴とするエチレン共重合体の製造方法を提供する。
【0032】
【化2】

【0033】
前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;前記X及びXはメチル又はClである。
【0034】
一方、前記化学式1の遷移金属触媒はオレフィン重合に使用される活性触媒成分になるために、望ましくは本発明による遷移金属化合物の中のXリガンドを抽出して中心金属を陽イオン化させながら弱い結合力を有する反対イオン、つまり陰イオンとして作用できるアルミニウム化合物又はホウ素化合物、又はこれらの混合物が共触媒として使用される。この際、使用される有機アルミニウム化合物は反応溶媒内で触媒毒に作用する微量の極性物質を除去するためであるが、Xリガンドがハロゲンである場合にはアルキル化剤として作用することもできる。
【0035】
本発明における共触媒で使用できるホウ素化合物は米国特許第5,198,401号からわかるように下記化学式2、化学式3、又は化学式4で表される化合物中から選ばれる。
【0036】
[化学式2]
B(R31
[化学式3]
[R32[B(R31
[化学式4]
[(R33ZH][B(R31
【0037】
前記化学式2から化学式4で、Bはホウ素原子;R31はフェニルであり;前記フェニルはフッ素原子、フッ素原子によって置換され若しくは置換されない(C1−C20)アルキル、又はフッ素原子によって置換され若しくは置換されない(C1−C20)アルコキシから選ばれる3から5つの置換基でさらに置換でき;R32は(C5−C7)シクロアルキルラジカル又は(C1−C20)アルキル(C6−C20)アリールラジカル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルラジカル、例えばトリフェニルメチルラジカル;Zは窒素又はリン原子;R33は(C1−C20)アルキルラジカル又は窒素原子と共に2つの(C1−C4)アルキル基で置換されたアニリニウムラジカル;qは2又は3の整数である。
【0038】
前記ホウ素系共触媒の望ましい例では、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、又はテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートが挙げられる。なお、それらの特定配合例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1′−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、又はトリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが含まれ、この中で最も望ましいものはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであり、この際に中心金属M:ホウ素原子のモル比は望ましくは1:0.1〜50、より望ましくは1:0.5〜15である。
【0039】
本発明で使用されるアルミニウム化合物は化学式5又は化学式6のアルミノキサン化合物、化学式7の有機アルミニウム化合物、又は化学式8または化学式9の有機アルミニウムヒドロカルビルオキシド化合物が使用できる。
【0040】
[化学式5]
(−Al(R41)−O−)
[化学式6]
(R41Al−(−O(R41)−)−(R41
[化学式7]
(R42Al(E)3−r
[化学式8]
(R43AlOR44
[化学式9]
43Al(OR44
【0041】
前記化学式5から化学式9において、R41は線形又は非線形の(C1−C20)アルキルであって、望ましくはメチル又はイソブチルであり、mとpは5から20の整数であり;R42、R43は(C1−C20)アルキル;Eは水素原子又はハロゲン原子;rは1から3の整数;R44は(C1−C20)アルキル又は(C6−C30)アリールの中から選ばれる。
【0042】
前記アルミニウム化合物で使用できる具体的な例でアルミノキサン化合物としてメチルアルミノキサン、改良メチルアルミノキサン、テトライソブチルアルミノキサンがあり;有機アルミニウム化合物の例でトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリヘキシルアルミニウムを含むトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、及びジヘキシルアルミニウムクロライドを含むジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、及びヘキシルアルミニウムジクロライドを含むアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムヒドライド、ジエチルアルミニウムヒドライド、ジプロピルアルミニウムヒドライド、ジイソブチルアルミニウムヒドライド、及びジヘキシルアルミニウムヒドライドを含むジアルキルアルミニウムヒドライドが挙げられ、望ましくはトリアルキルアルミニウム、より望ましくはトリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムであり、この際に中心金属のM:アルミニウム原子のモル比は望ましくは1:1から1:2,000、さらに望ましくは1:5から1:1,000である。
【0043】
また、中心金属M:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比は望ましくは1:0.1から50:1〜1,000、より望ましくは1:0.5から15:5〜500である。
【0044】
2.溶液重合工程
【0045】
本発明のエチレン重合工程は少なくとも2段階以上で重合が行われるため、2つ以上の反応器を必要とする。従って、前記段階が2又は3段階の重合段階からなって広い分子量分布を有させる。
【0046】
また、本発明は反応温度が(a)段階で80から210℃、及び(b)段階で90から220℃であり、各段階の圧力が20から500気圧であるエチレン共重合体が製造されることを特徴とする。
【0047】
(a)段階において、前記触媒又は触媒組成物の下で80から210℃、さらに望ましくは80から150℃、圧力は20から500気圧、さらに望ましくは30から200気圧で重合される。前記反応温度が80℃未満である場合は反応物が析出され又は円滑に分散されず反応が生じなくて重合物の生成が難しく、210℃を越えると、予め設計された分子量を有する重合体の製造が不可能となる。なお、圧力が前記の範囲を外れる場合にも要求される分子量を有する重合体の製造が難しくなる。
【0048】
以後、(b)段階において、前記(a)段階で使用された同一な触媒又は触媒組成物の下で90から220℃、さらに望ましくは120から200℃で前記(a)段階と同一な圧力の下で前記(a)段階で製造された重合体と共に重合される。前記反応温度が90℃未満である場合は重合物が析出され、前記(a)段階と類似した重合体が製造されて多段階重合の効果がなく、220℃を越えると、重合体の分子量があまり低くてなって物性が低下される恐れがある。なお、前記圧力の場合にも前記(a)段階の理由と同様である。
【0049】
一方、前記(a)又は(b)段階に投入されたエチレン量、水素量、転換率などの工程条件を相異にして均一分子量及び密度分布が多峰で存在するエチレン共重合体の物性を制御しようとすることが本発明の着眼点である。特に、(a)段階における高分子量、低密度の重合体を予め設計された割合で製造して分子構造で結合分子(Tie Molecule)を最適化して引張強度、衝撃強度などの最終樹脂物性を改善しようとし、(a)段階に次いで(b)段階にも同一な触媒又は触媒組成物を使用して(a)段階よりさらに高い温度で重合して(a)段階で製造された重合体と相異した範囲の分子量と密度を有するエチレン共重合体が製造され、本発明の遷移金属触媒の特性上、その結果物が狭い分子量分布及び密度分布を示すしかないが、多段階の反応を通じて生産者が望む広い分子量及び密度の分布を有するように制御することができる。
【0050】
前記の多段階反応において、反応器の配列は直列又は並列連結が可能である。
【0051】
図1は本発明の望ましい一実施例による直列反応器の概略図である。図1を参照すれば、本発明の直列反応器は1段階のフィードポンプ11、1段階のフィードクーラー12、1段階反応器のフィードヒーター13、1段階低温反応器14、1段階低温反応器の触媒フィード15、直列2段階高温反応器16、2段階高温反応器の触媒フィード17、2段階反応器のフィードポンプ18、2段階反応器のフィードクーラー19、2段階反応器のフィードヒーター20、2段階反応器のフィード21、及び水素フィード22が含まれる。
【0052】
従って、本発明の直列反応は1段階反応器のフィードポンプ11で触媒を除いた反応物を、1段階反応器のフィードクーラー12及び1段階反応器のフィードヒーター13から構成された温度調節器が装着された1段階低温反応器14に投入させ、1段階低温反応器の触媒フィード15を介して触媒を投入して2段階より低い温度で(a)段階を進ませる。前記(a)段階を経た重合物を2段階反応器のフィードクーラー19及び2段階反応器のフィードヒーター20が装着された直列2段階高温反応器16に直ちに投入して2段階高温反応器の触媒フィード17を介して触媒添加後、2段階反応器のフィードポンプ18を介して2段階反応器のフィード21に反応物及び水素フィード22に水素を注入して前記(a)段階より高い温度で(b)段階の重合反応を進ませるようになる。このような直列反応器で反応の場合、1段階反応におけるエチレン転換率及び触媒活性などを考慮して全体的な反応器システム設計及び制御になるべきである。
【0053】
図2は本発明の望ましい一実施例による並列反応器の概略図である。図2を参照すれば、本発明の並列反応器は低温反応器のフィードポンプ31、高温反応器のフィードポンプ32、低温反応器のフィードクーラー33、低温反応器のフィードヒーター34、高温反応器のフィードクーラー35、高温反応器のフィードヒーター36、低温反応器37、低温反応器の触媒フィード38、高温反応器の触媒フィード39、高温反応器40、インラインミキサー41、段階反応器のフィード42、及び水素フィード43が含まれる。
【0054】
従って、本発明の並列反応は低温反応器のフィードポンプ31を介して触媒を除いた反応物を低温反応器のフィードクーラー33及び低温反応器のフィードヒーター34で温度調節できる低温反応器37に投入し、低温反応器の触媒フィード38で触媒添加の後(a)段階を進ませる。前記(a)段階とは別として同時に高温反応器のフィードポンプ32を介して触媒を除いた反応物を高温反応器のフィード42を介して高温反応器のフィードクーラー35及び高温反応器のフィードヒーター36で温度調節ができる高温反応器40に水素フィード43と共に投入し、高温反応器の触媒フィード39で触媒添加の後に(a)段階より高い温度で反応を進ませる。前記低温及び高温反応物をインラインミキサー41に混合して均質な共重合体を製造する。このような並列反応器で反応の場合、均一な共重合体物性を示すために各反応器から出てくる溶液を均一に混合するためにインライン混合器が使用される。均質な共重合体を製造するためにインラインミキサーのみならず攪拌槽などのできる限り単位操作が使用できる。
【0055】
本発明の前記(a)及び(b)段階において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体はエチレン60〜99重量%及びα−オレフィン共単量体1〜40重量%であるものが望ましい。前記エチレン含量が60重量%未満の場合、エチレンの含量が低くてエチレンの特性が発揮されなくて物性が低下され、99重量%を超えると共重合体の効果が低くなる。
【0056】
また、前記(a)及び(b)段階において、前記C3−C18のα−オレフィン共単量体の具体的な例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−デセン、及び1−ドデセン又はこれらの混合物であり、この中でさらに望ましくは1−ブテン、1−へキセン、1−オクテン、又は1−デセンである。
【0057】
また、前記(a)及び(b)段階において、重合に使用される望ましい有機溶媒はC30−C20の炭化水素であり、その具体的な例としては、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、商業的に市販されている有機溶媒の中で本工程で使用するに適合した溶媒を一つ例として挙げると、イソパラフィン系列溶媒のSK-ISOL系列溶媒である。例えば、SK-ISOL Eの場合、C8−C12の脂肪族炭化水素溶剤であり、蒸留範囲は117から137℃であり、SK Energy(株)で市販している。
【0058】
本発明の製造方法から製造されたエチレン共重合体は、(a)段階で製造された重合体10〜70重量%及び(b)段階で製造された重合体30〜90重量%を含み、前記(a)段階で製造された重合体はMIが0.001〜2.0g/10min.であり、密度が0.860〜0.925g/cmであり、前記(b)段階で製造された重合体はMIが0.1〜100.0g/10min.であり、密度が0.900〜0.970g/cm3であるエチレン共重合体を特徴とする。
【0059】
先ず、前記(a)段階で製造された重合体は10〜70重量%、さらに望ましくは20から60重量%が含まれるが、前記(a)段階で製造された重合体の含量が10重量%未満の場合、衝撃強度改善の影響がなく、70重量%を超えると、フィルムで加工するとき透明度が著しく低下されて加工時に高いエネルギーが必要となり、生産性が低下される。
【0060】
また、(a)段階で製造された重合体の分子量はASTM D2839に基づいたMI(溶融指数、Melt Index)測定法を使用してMIが0.001〜2.0g/10min.、より望ましくは0.005から1.0g/10min.である。前記(a)段階で製造された重合体のMIが0.001g/10min.未満の場合、重合体があまりにも堅くなって加工性が低下される恐れがあり、2.0g/10min.を超えると、引張強度、衝撃強度などの全体物性に明らかな改善が見えない。テツヤ、ヨシギヨ、タカギハトリなど('High Performance PE100 Resin with Extraordinary Resistance of Slow Crack Growth’, Plastics Pipes VIII Conference, 2007)によると、多峰分子量分布を有するエチレン共重合体を重合するための多段階重合方法で高分子量部分であるほど優先的に重合する段階とするのが高分子量部分の全体樹脂のうち分散が良好になるそうである。
【0061】
なお、(a)段階で製造された重合体の密度は0.860〜0.925g/cm3、さらに望ましくは0.880〜0.915g/cm3である。前記密度が0.860g/cm3未満の場合、フィルムで製造時に物性があまりにも低くなる恐れがあり、0.925g/cm3を超えると、フィルムがあまりにも堅くなる。前記(a)段階で製造される重合体は低い領域の密度範囲を有する樹脂が重合されるが、これは高分子鎖のうち不均一な共重合体分布をみせるチーグラー・ナッタ触媒とは違って、本発明の単一活性点を有する遷移金属触媒を使用して高分子鎖のうち均一な共重合単量体分布を有する樹脂を合成して最終製造される樹脂の物性を改善するためである。
【0062】
一方、前記(b)段階で製造された重合体は30〜90重量%、さらに望ましくは40から80重量%が含まれるが、前記(b)段階で製造された重合体の含量が30重量%の未満の場合、前記(a)段階で製造された高分子量、低密度のエチレン共重合体によって最終樹脂の加工性及びフィルムの透明度が低下され、90重量%を超えると、高い物性を提供する(a)段階で製造された重合体の含量が低くなって樹脂の耐環境性低下及び衝撃強度、引張強度などの物性が低くなる。
【0063】
また、(b)段階で製造された重合体の分子量はASTM D2839に基づいたMI(溶融指数、Melt Index)測定法を使用してMIが0.1〜100.0g/10min.、より望ましくは0.3〜50.0g/10min.である。前記(b)段階で製造された重合体のMIが0.1g/10min.未満の場合、前記(a)段階で製造された重合体と分子量範囲が重なって分子量分布が広くなくて多段階反応の長所が発揮できず、100g/10min.を超えると、低い分子量によって物性低下が起きる。
【0064】
なお、(b)段階から生成される重合体の密度は0.900〜0.970g/cm3であるものが望ましい。前記密度が0.900g/cm3未満の場合、前記(a)段階で製造される重合体の密度範囲に含まれて段階別重合を行う効果がなくなり、0.970g/cm3を超える場合、フィルムなどの用途で使うときにあまりにも堅くなるという問題点がある。従って、前記(a)段階で製造された重合体と前記(b)段階で製造された重合体の密度範囲を調整して樹脂の物性を最適化することができる密度範囲で定めるようになる。
【0065】
その他に、本発明の方法から製造されたエチレン共重合体の密度が0.910〜0.940g/cmの鎖状低密度ポリエチレン共重合体(LLDPE)であるエチレン共重合体、密度が0.900g/cm以上0.910g/cm以下の超低密度エチレン共重合体(VLDPE又はULDPE)であるエチレン共重合体が含まれる。
【0066】
前記の製造方法に従って製造されたエチレン共重合体は分子量分布指数が2.8〜30.0であることを特徴とする。
【0067】
一般的な単一活性点触媒によるエチレン共重合体の特徴である狭い分子量分布を、前記多段階反応工程を使用して、加工性を改善することができる2つ以上の分子量分布を有するようになる広い分子量分布を有するように考案された。これに本発明の工程及び触媒を通じて製造されるエチレン共重合体の分子量分布指数(質量平均分子量を数平均分子量で割った値)が2.8〜30.0になるように制御して加工性と物性を同時に向上させることができる。
【0068】
従って、前記(a)及び(b)段階を経て製造されたエチレン共重合体は分子量分布指数が2.8〜30.0のエチレン共重合体であり、ひいては3.0から20であり得る。前記分子量分布指数が前記範囲にあればエチレン共重合体の加工性又は物性が要求される範囲に合わせて制御できる。前記分子量分布指数が2.8未満の場合、単一反応器及び単一活性点触媒を使用したときと大きな差異がなくなり、30.0を超える場合、密度及び分子量分布の制御の効果がなくなって加工性又は物性改善の効果が低下される問題点がある。
【0069】
本発明で前記(a)から(b)段階に投入されるエチレン、C3−C18のα−オレフィン共単量体は反応器に投入される前に溶媒に溶解させる工程を経るが、溶媒と混合して溶解させる前にエチレン、共単量体及び溶媒は精製工程を経て潜在的に触媒の毒になれる水分、酸素、一酸化炭素及びその他の金属不純物を除去するようになる。このような精製工程に使用される物質は該当分野に公知のように分子体や活性化アルミニウム、又はシリカゲルなどを使用する。
【0070】
また、前記(a)から(b)段階に投入される原料は投入される前に熱交換工程を経ながら冷却されたり加熱され、これを介して反応器内の温度を制御するようになる。従って、反応器の温度制御は反応器の壁を通じた熱交換のない断熱(adiabatic)反応器の工程であって、反応熱の制御は反応器に流入される溶媒と単量体流れの温度を変化させながら反応器内の温度を制御するようになる。
【0071】
本発明では前記(b)段階以後の段階に追加的にエチレン及び共単量体、触媒、溶媒などが供給でき、これも熱交換の工程を経て予め設計された温度で制御される。一般的に触媒は各段階に投入されるとき、他原料とは独立に供給され、この際に溶媒と予め混合又は溶解されて準備されることが望ましい。
【0072】
ここで、段階別の分子量及び密度の測定は2以上の多段階反応を経て重合体が合成される場合、(b)段階又はそれ以上の段階で製造される重合体の物性は(a)段階後に樹脂を採取して分析を行い、(b)段階後の最終生産された重合体を分析して各段階別に重合体の密度、分子量などを計算することができる。
【0073】
また、物性測定においては、(a)から(b)段階の各段階別に同一な反応温度及び圧力、溶媒、反応物、触媒及び反応時間などの同一な重合条件で各段階を単一反応器で反応して生成される高分子でその物性を類推したり文献(B.Hagsroem Conference on polymer Processing, 1977)に記載されたように多段階反応で各段階に該当する部分を計算して分析することができる。
【0074】
一方、前記(a)から(b)段階での滞留時間は各段階における設計容積と時間当たり生産量によって決められる。前記(a)から(b)段階での適切な攪拌を通じて物質が均一に運転条件を保持させ、最終的に製造されたエチレン重合体又はエチレン共重合体は適切な溶媒除去工程を経て回収される。
【0075】
従って、(a)及び(b)段階を経て製造されたエチレン共重合体から インフレーションフィルム、キャスティングフィルム、射出、中空成形、又はパイプの用途として使用されるエチレン共重合体成形物が得られる。
【0076】
特に、前記フィルム用としてはインフレーションフィルム、キャスティングフィルムで成形されて単層又は多層で形成された包装用フィルムが製造でき、収縮フィルム、重包装フィルム、冷凍包装フィルム、自動包装フィルム、ストレッチラップ、バック(bag)などの用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の望ましい一実施例による直列反応器の概略図である。
【図2】本発明の望ましい一実施例による並列反応器の概略図である。
【図3】本発明の実施例2によるエチレン共重合体の分子量分布曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下実施例を通じて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例によって本発明の範囲が限られるものではない。
【0079】
別途で言及される場合を除いては全てリガンド及び触媒合成実験は窒素雰囲気の下において標準シェンク(Schenk)又はグローブボックス技術を使用して行われ、反応に使用される有機溶媒はナトリウム金属とベンゾフェノンの下で還流させて水分を除去して使用直前に蒸留して使用した。合成されたリガンド及び触媒のH−NMR分析は常温でVarian Mercury 300 MHzスペクトロメータを使用して行った。
【0080】
重合溶媒のシクロヘキサンはQ−5触媒(BASF社)、シリカゲル及び活性アルミナが充填された管を順序に通過させ、高純度の窒素でバブリングさせて水分、酸素及びその他の触媒毒物質を十分除去させた後、使用した。
【0081】
重合された重合体を有しインフレーションフィルムの成形装備とキャスティングの成形装備で加工されたフィルムを製造し、重合された重合体とフィルムは下記に説明された方法によって分析された。
【0082】
1.溶融流れ指数(MI)
ASTM D 2839に基づいて測定した。
【0083】
2.密度
ASTM D 1505に基づき、密度勾配管を使用して測定した。
【0084】
3.溶融点(Tm)分析
DuPont DSC2910を用いて窒素雰囲気の下において10℃/minの速度で二次加熱の条件で測定した。
【0085】
4.分子量及び分子量分布
PL Mixed−BX2+preColが装着されたPL210 GPCを用いて135℃で1.0mL/minの速度で1,2,3−トリクロロベンゼンの溶媒下で測定し、PLポリスチレン標準物質を使用して分子量を補正した。
【0086】
5.引張強度
ASTM D638法で測定した。
【0087】
6.衝撃強度
ASTM D 1709法で測定した。
【0088】
7.かすみ(Haze)
ASTM D 1003法で測定した。
【0089】
8.熱接着強度(Heat seal)
実施例及び比較例で重合されたエチレン共重合体をフィルムで加工し、フィルム2枚を重ねって一定温度で1秒間2kg/cmの圧力で接着させる。接着させた試料をASTM D638の方法で引張強度を測定して強度が1,500gを超えればそのときに接着させた温度を熱接着強度の値とする。つまり、値が低いほど接着させるにエネルギー消耗が少なくなり、接着加工後の使用時に強度を現すことがわかる。
【0090】
9.加工負荷
直径35mm押出機を使用して製品を加工しながら押出機のモータにかかる電流値を加工負荷で測定した。
【0091】
10.パイプの物性測定
製作された樹脂のパイプ用途に対する適合性及び強点を判断するために樹脂をパイプで加工し(外径=16mm、厚さ=1.45mm)、ISO 13479に基づいて低速亀裂成長の抵抗性を測定した。
【0092】
あらゆる実施例に関連された実験は下記に言及された連続溶液重合工程を用いて行った。本工程で溶媒、単量体、触媒などの全ての流れは連続的に供給され、反応結果物は重合体と分離された溶媒及び未反応物も連続的に除去される。全ての供給流れは反応器に投入される前に通常的に知られた吸着媒体を経て純度を高め、この過程で触媒毒の不純物(水、酸素、一酸化炭素など)が除去される。あらゆる原料はまた高純度の窒素雰囲気下で貯蔵し使用される。
【0093】
本発明の重合工程は連続的に直列連結された2つの反応器或いは並列連結された2つの反応器で構成されている。直列連結の場合、1番目の反応器は内容積が500mlであり管を通じて連続的に1000mlの容積を有する第2反応器と連結されており、並列連結の場合、500mlの反応器と650mlの反応器が連結されている構造を有する。各反応器にそれぞれ溶媒と単量体、共単量体、水素及び触媒を投入することができるように設計した。
【0094】
本発明の反応器に投入される触媒は前記化学式1の単一活性点触媒を含む触媒組成物を適用し、前記触媒は全実施例の第1及び第2段階の反応に共通的に適用される。
【0095】
本発明の共触媒としてはホウ素を含むイオン活性化剤及びアルミノキサンが使用され、具体的に本実施例ではトリイソブチルアルミニウムがアルミノキサンで使用され、トリフェニルメチリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートはイオン活性化剤として選択的に使用された。第1と第2反応器に投入される触媒及び共触媒はそれぞれトルエンに溶解して投入した。
【0096】
本発明での重合工程はシクロヘキサンを溶媒にして110kg/cmの圧力下で進まれる。エチレンは重合反応器に投入される前30kg/cmの圧力及び23℃の下でシクロヘキサンに溶解させる。共単量体の場合も重合反応器に投入される前にエチレンと共に溶媒に溶解されて投入される。反応が進めながらエチレンの転換率は触媒濃度、反応温度、触媒活性などによって調節する。
【0097】
触媒の製造
【0098】
<製造例1>
【0099】
(ビス(2−フェニル−4−フルオロフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドの合成)
【0100】
1.90g(10.09mmol)の2−フェニル−4−フルオロフェノールを80mlジエチルエーテルに溶解した後、4.8mlのブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液)を0℃で徐々に滴加した。常温で5時間反応させた後、(トリクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)(1.64g、5.5mmol)を10mlのジエチルエーテルに溶解した溶液を−78℃で徐々に滴加させた。常温で12時間撹拌させた後に濾過してから揮発物質を除去し、トルエン/ヘキサン混合溶液に−35℃で再結晶してオレンジ色の固体成分2.54gを得た。
【0101】
収率85% H NMR (C) δ = 1.46 (s,15H ), 6.65−7.57 (m,8H)。
【0102】
<製造例2>
【0103】
(ビス(4−メチル−2−(2′−イソプロピルフェニル)フェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドの合成)
【0104】
4−メチル−2−(2′−イソプロピルフェニル)フェノール(2g、8.8mmol)とナトリウムヒドライド(636mg、26.5mmol)をトルエン20mlに溶解させた後4時間還流反応させた。以後常温に冷却させた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)トリクロライド(1.15g、4.0mmol)を5mlのトルエンに溶解した溶液を徐々に滴加させ、24時間還流反応をさせた。反応が完了されれば揮発物質を除去し、精製されたヘキサンで洗浄した後、ヘキサンに−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させてオレンジ色の固体成分1.65gを得た。
【0105】
収率61 % H NMR (C) δ = 0.96−1.07 (m,6H), 1.54 (s,15H ), 1.72 (s,3H ), 2.76 (m,1H), 6.76−7.27 (m,7H) ppm。
【0106】
<製造例3>
【0107】
(ビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドの合成)
【0108】
2−フェニルフェノール(1.72g、10.1mmol、Aldrich 99%)を乾燥されたフラスコに入れて40mlのトルエンに溶解させた後、よく撹拌させて温度を0℃で冷却させた。N−ブチルリチウム(4.8ml、2.5Mヘキサン溶液、Aldrich)を混合物に徐々に滴加した。滴加が終わると、1時間温度を保持させた後に、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド(1.64g、5.5mmol)を10mlトルエンに溶解して徐々に滴加した。滴加が終わると、1時間保持させた後に常温に上げ、再び1時間撹拌させた。反応器の温度を90℃に上げた後、12時間反応させた。得られた混合物を濾過した後、揮発物質を除去し、トルエン/ヘキサン混合溶液に−35℃で再結晶を施してオレンジ色の固体成分2.3gを得た。
【0109】
収率75 % H NMR (C) δ = 1.54 (s,15H), 6.74−7.16 (m,9H) ppm。
【0110】
<製造例4>
【0111】
(2−イソプロピル−6−フェニルフェノールの合成)
【0112】
2−ブロモ−6−イソプロピルアニソル(1.98g、8.64mmol)、フェニルボロニン酸(2.10g、17.28mmol)、パラジウムアセテート(96mg、0.43mmol)、トリフェニルホスフィン(0.225g、0.86mmol)及びリン酸カリウム(11g、51.84mmol)を投入したフラスコに8mlの水と32mlのジメトキシエタンの混合溶液を入れ12時間還流させた。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(15ml)と30mlのジエチルエーテルを注入してから有機層を分離し残留物を除去して2−イソプロピル−6−フェニルアニソルのグレイ固体2gを得た。得られたアニソルは別途の精製過程なく15mlのメチレンクロライドに溶解させた後、−78℃で12mlのボロントリブロマイド(1Mメチレンクロライド溶液)を滴加した後、徐々に常温で温度を上げながら12時間反応させた。反応後、水(15ml)とジエチルエーテル(30ml)の混合溶液を投入してから有機層を分離し、水溶液層をジエチルエーテルで抽出(15ml×3)して集まれた有機層を乾燥させてから揮発成分を減圧下で除去した残留物をシリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンとメチレンクロライドの混合溶媒下で精製して白色の固体物質の2−イソプロピル−6−フェニルフェノール1.72gを収得した。
【0113】
収率: 94%, H−NMR (CDCl) δ = 1.307 (d,6H), 3.45 (m,1H), 5.09 (s,1H), 6.95−7.43 (m,8H) ppm。
【0114】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−6−フェニルフェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0115】
2−イソプロピル−6−フェニルフェノール(236g、9.84mmol)をトルエン10mlに溶かした後、4時間還流反応させた。以後、常温で冷却させた後、(トリクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)(930mg、3.21mmol)を5mlのトルエンに溶かした溶液を徐々に滴加させ、24時間還流反応をさせた。反応が完了されると、揮発物質を除去し精製されたヘキサンで洗浄した後、トルエン/ヘキサンの混合溶液で−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分1.0gを得た。
【0116】
収率: 64%, H−NMR (C) δ = 1.324 (d,6H), 1.63 (s,15H), 3.53 (m,1H), 7.05−7.66 (m,8H) ppm。
【0117】
<製造例5>
【0118】
(2−ビフェニルフェノールの合成)
【0119】
2−ブロモアニソル(2.57g、12.96mmol)、4−ビフェニルボロニン酸(2.57g、12.96mmol)、パラジウムアセテート(96mg、0.43mmol)、トリフェニルホスフィン(0.225g、0.86mmol)及びリン酸カリウム(11g、51.84mmol)を投入したフラスコに8mlの水と32mlのジメトキシエタンの混合溶液を入れ常温で12時間還流させた。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(15ml)と30mlのジエチルエーテルを注入してから有機層を分離し残留物をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、揮発物質を除去して2−ビフェニルアニソルのグレイ固体2.0gを得た。得られたアニソルは別途の精製過程なく15mlのメチレンクロライドに溶解させた後、−78℃で12mlのボロントリブロマイド(1Mメチレンクロライド溶液)を滴加した後、徐々に常温で温度を上げながら12時間反応させた。反応後、水(15ml)とジエチルエーテル(30ml)の混合溶液を投入してから有機層を分離し、水溶液層をジエチルエーテルで抽出(15ml×3)して集まれた有機層を乾燥させてから揮発成分を減圧下で除去した残留物をシリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンとメチレンクロライドの混合溶媒下で精製して白色の固体物質の2−ビフェニルフェノール1.8gを収得した。
【0120】
収率: 85%, H−NMR (CDCl) δ = 5.29 (s,1H), 6.95−7.75 (m,13H) ppm。
【0121】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−ビフェニルフェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0122】
2−ビフェニルフェノール(700g、2.84mmol)とナトリウムヒドライド(204mg、8.52mmol)をトルエン10mlに溶かした後、4時間還流反応させた。以後、常温で冷却させた後、(トリクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)(820mg、2.83mmol)を5mlのトルエンに溶かした溶液を徐々に滴加させ、24時間還流反応をさせた。反応が完了されると、揮発物質を除去し精製されたヘキサンで洗浄した後、トルエン/ヘキサンの混合溶液で−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分0.9gを得た。
【0123】
収率: 64%, H−NMR (C) δ = 1.65 (s,15H), 6.65−7.89 (m,13H) ppm。
【0124】
<製造例6>
【0125】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0126】
(2−ブロモ−9,9′−ジメチルフルオレンの合成)
【0127】
1000mL3口丸いフラスコに2−ボロモフルオレン(25g、102.0mmol)、ヨードメタン(43.4g、306.0mmol)とDMSO300mLを入れ、窒素雰囲気下で撹拌して溶かす。ポタシウム−tert−ブトキシド(32.1g、285.6mmol)をDMSO400mLに溶かして徐々に滴加させる。常温で12時間撹拌させた後、再び80℃で1時間撹拌させてから常温で温度を下げる。水1000mLと混合した後、n−ヘキサンで抽出する。有機混合物を蒸留水で3回洗ってから無水マグネシウムスルフェート(MgSO)で水分を除去した後、回転蒸発器で溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてn−ヘキサンで精製して再びn−ヘキサンで再結晶して白色の固形分である2−ブロモ−9,9′−ジメチルフルオレン27.0g(収率96.9%)を収得した。
【0128】
H−NMR (CDCl) δ = 1.65(s,6H), 7.35−7.39(m,2H), 7.44−7.50(m,2H), 7.58−7.62(m,2H), 7.72−7.73(m,1H) ppm
【0129】
(2−(2″−メトキシフェニル)−9,9′−ジメチルフルオレンの合成)
【0130】
2−ブロモ−9,9′−ジメチルフルオレン(27.0g、98.8mmol)、2−メトキシフェニルボロニン酸(18.0g、118.6mmol)、パラジウムアセテート(0.13g、0.6mmol)、トリフェニルホスフィン(0.94g、3.6mmol)及びリン酸カリウム(40.9g、177.9mmol)を投入したフラスコに70mlの水と150mLのジメトキシエタンの混合溶液を入れ6時間還流させた。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(150mL)と200mLのジエチルエーテルを注入してから有機層を分離し残留物をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンで精製して固形分である2−(2″−メトキシフェニル)−9,9′−ジメチルフルオレン28.0g(収率94.0%)を収得した。
【0131】
H−NMR (CDCl) δ = 1.56(s,6H), 3.88(s,3H), 7.04−7.06(d,1H), 7.08−7.11(t,1H), 7.33−7.39(m,3H), 7.43−7.45(d,1H), 7.47−7.48(d,1H), 7.56−7.58(d,1H), 7.63(s,1H), 7.76−7.840(t,2H) ppm。
【0132】
(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノールの合成)
【0133】
2−(2″−メトキシフェニル)−9,9′−ジメチルフルオレン(25.0g、83.2mmol)を400mLのメチレンクロライドに溶かした後、−78℃で100mLのボロントリブロマイド(1M−メチレンクロライド溶液)を滴加した後、徐々に常温で温度を上げて3時間反応させた。反応後、氷(150g)とジエチルエーテル(300mL)の混合溶液を投入した後、有機層を分離し水溶液層をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去してからシリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンとメチレンクロライドの混合溶液で精製して白色の固形分である2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノール18.0g(収率75.5%)を収得した。
【0134】
H−NMR (CDCl) δ = 1.55(s,6H), 7.04−7.07(m,2H), 7.30−7.40(m,4H), 7.47−7.50(m,2H), 7.55(s,1H), 7.78−7.80 (d,1H), 7.85−7.87(d,1H) ppm
【0135】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0136】
2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノール(5.0g、17.1mmol)を200mLのトルエンに溶かした後、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、6.9mL)を徐々に注入した後、常温で12時間撹拌させる。反応物の温度を−78℃で下げた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)トリクロライド(4.7g、16.3mmol)を100mLのトルエンに溶かして徐々に添加して、12時間常温で反応をさせた。反応が完了されると、セライトでフィルタして溶媒を除去し、精製されたトルエンとヘキサンで−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分である(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)5.6g(収率63.9%)を得た。
【0137】
H−NMR (C) δ = 1.61(s,6H), 1.77(s,15H), 7.03−7.05(t,1H), 7.16−7.19(t,1H), 7.32−7.34(m,2H), 7.37−7.39(d,1H), 7.42−7.44(d,1H), 7.46−7.47(d,1H), 7.71−7.77(m,3H), 7.82−7.84(d,1H) ppm 。
【0138】
Mass (APCI mode, m/z): 539.4
【0139】
<製造例7>
【0140】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)の合成)
【0141】
2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノール(5.0g、17.1mmol)を200mLのトルエンに溶かした後、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、6.9mL)を徐々に注入した後、常温で12時間撹拌させる。反応物の温度を−78℃で下げた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)トリクロライド(2.3g、8.0mmol)を100mLのトルエンに溶かして徐々に添加して、12時間80℃で反応をさせた。反応が完了されると、セライトでフィルタして溶媒を除去し、精製されたトルエンとヘキサンで−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させてオレンジ色の固体成分である(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)3.5g(収率55.8%)を得た。
【0142】
H−NMR (C) δ = 1.54(s,6H), 1.61(s,6H), 1.65(s,15H), 7.01−7.04(t,2H), 7.21−7.24(t,2H), 7.33−7.36(m,4H), 7.39−7.41 (t,4H), 7.44−7.46(m,2H), 7.65(s,2H), 7.73−7.757(t,2H), 7.82−7.88(m,4H) ppm。
【0143】
Mass (APCI mode, m/z): 789.3
【0144】
<製造例8>
【0145】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0146】
(2−(2′−メトキシフェニル)−9H−ジメチルフルオレンの合成)
【0147】
2−ブロモ−9H−フルオレン(10.0g、40.8mmol)、2−メトキシフェニルボロニン酸(7.4g、49.0mmol)、パラジウムアセテート(0.055g、0.245mmol)、トリフェニルホスフィン(0.44g、1.4mmol)及びリン酸カリウム(2.0g、95.5mmol)を投入したフラスコに33mlの水と100mLのジメトキシエタンの混合溶液を入れ6時間還流させた。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(100mL)と150mLのジエチルエーテルを注入してから有機層を分離し残留物をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンで精製して固形分である2−(2′−メトキシフェニル)−9H−ジメチルフルオレン10.0g(収率90.0%)を収得した。
【0148】
H−NMR (CDCl) δ = 3.87(s,3H), 3.98(s,2H), 7.04−7.05(d,1H), 7.07−7.10(t,1H), 7.32−7.42(m,4H), 7.57−7.59(d,2H), 7.74(s,1H), 7.83−7.86(t,2H) ppm。
【0149】
(2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノールの合成)
【0150】
2−(2′−メトキシフェニル)−9H−ジメチルフルオレン(10.0g、36.7mmol)を200mLのメチレンクロライドに溶かした後、−78℃で44mLのボロントリブロマイド(1M−メチレンクロライド溶液)を滴加した後、徐々に常温で温度を上げて3時間反応させた。反応後、氷(150g)とジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンとメチレンクロライドの混合溶液で精製して白色の2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノールの7.0g(収率73.8%)を収得した。
【0151】
H−NMR (CDCl) δ = 3.96(s,2H), 7.00−7.02(m,2H), 7.25−7.35(m,3H), 7.39−7.42(t,1H), 7.47−7.49(d,1H), 7.56−7.58(d,1H), 7.64(s,1H), 7.81−7.83(d,1H), 7.88−7.89(d,1H) ppm。
【0152】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0153】
2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノール(4.4g、17.0mmol)を200mLのトルエンに溶かした後、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、6.9mL)を徐々に注入した後、常温で12時間撹拌させる。反応物の温度を−78℃で下げた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)トリクロライド(4.7g、16.3mmol)を100mLのトルエンに溶かして徐々に添加して、12時間常温で反応をさせた。反応が完了されると、セライトでフィルタして溶媒を除去し、精製されたトルエンとヘキサンで−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分である(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)5.9g(収率71.0%)を得た。
【0154】
H−NMR (C) δ = 1.72(s,15H), 3.94(s,2H), 7.05−7.18(m,2H), 7.36−7.38(m,2H), 7.44−7.46(m,2H), 7.48−7.50 (d,1H), 7.65−7.66(d,1H), 7.81−7.82(d,1H), 7.86−7.87(d,1H), 7.98(1,1H) ppm。
【0155】
Mass (APCI mode, m/z): 511.3
【0156】
<製造例9>
【0157】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタニウム(IV)の合成)
(1−ブロモ−2−メトキシナフタレンの合成)
【0158】
500mL3口丸いフラスコに1−ボロモナフタレン−2−オル(30.0g、134.5mmol)、水酸化カリウム(KOH)(11.3g、201.7mmol)とDMSO300mLを入れ、窒素雰囲気下で10分間撹拌させてから、氷水の容器で反応物を冷却させた後、ヨードメタン(28.6g、201.7mmol)を徐々に滴加させる。ヨードメタンの注入が終わると、常温で12時間窒素雰囲気下で撹拌させた後、再び50℃で1時間撹拌させてから常温で温度を下げる。水500mLと混合した後、ジエチルエーテルで抽出する。有機混合物を蒸留水で3回洗ってから無水マグネシウムスルフェート(MgSO)で水分を除去した後、回転蒸発器で溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてn−ヘキサンで精製して白色の固形分である1−ブロモ−2−メトキシナフタレン22.0g(収率69.0%)を収得した。
【0159】
H−NMR (CDCl) δ = 4.07(s,3H), 7.30−7.32(d,1H), 7.41−7.44(t,1H), 7.58−7.61(t,1H), 7.81−7.86(m,2H), 8.25−8.26 (d,1H) ppm。
【0160】
(2−メトキシ−1−フェニルナフタレンの合成)
【0161】
1−ブロモ−2−メトキシナフタレン(20.0g、84.4mmol)、フェニルボロニン酸(11.3g、92.8mmol)、パラジウムアセテート(0.10g、0.46mmol)、トリフェニルホスフィン(0.85g、2.78mmol)及びリン酸カリウム(40.9g、177.9mmol)を入れたフラスコに60mlの水と120mLのジメトキシエタンの混合溶液を入れ6時間還流させた。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(150mL)と200mLのジエチルエーテルを注入してから有機層を分離し残留物をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンで精製して無色液体である2−メトキシ−1−フェニルナフタレン13.0g(収率66%)を収得した。
【0162】
H−NMR (CDCl) δ = 3.87(s,3H), 7.35−7.47(m,6H), 7.52−7.55(m,3H), 7.85−7.87(d,1H), 7.91−7.93(d,1H) ppm。
【0163】
(1−フェニルナフタレン−2−オルの合成)
【0164】
2−メトキシ−1−フェニルナフタレン(13.0g、55.5mmol)を300mLのメチレンクロライドに溶かした後、−78℃で670mLのボロントリブロマイド(1M−メチレンクロライド溶液)を滴加した後、徐々に常温で温度を上げて3時間反応させた。反応後、氷(150g)とジエチルエーテル(250mL)の混合溶液を投入した後、有機層を分離し水溶液層をジエチルエーテルで抽出して集まれた有機層をマグネシウムスルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィ管を用いてヘキサンとメチレンクロライドの混合溶液で精製して白色の固形分である1−フェニルナフタレン−2−オル)10.0g(収率81.8%)を収得した。
【0165】
H−NMR (CDCl) δ = 7.29−7.31(d,1H), 7.35−7.39(m,2H), 7.53−7.56(t,1H), 7.61−7.64(t,2H), 7.83−7.86 (m,2H) ppm。
【0166】
((ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタニウム(IV)の合成)
【0167】
1−フェニルナフタレン−2−オル(2.0g、9.1mmol)を100mLのトルエンに溶かした後、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、3.6mL)を徐々に注入した後、常温で12時間撹拌させる。反応物の温度を−78℃で下げた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)トリクロライド(2.5g、16.3mmol)を60mLのトルエンに溶かして徐々に添加して、12時間常温で反応をさせた。反応が完了されると、セライトでフィルタして溶媒を除去し、精製されたトルエンとヘキサンで−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分である(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタニウム(IV)2.5g(収率58.2%)を得た。
【0168】
H−NMR (C) δ = 1.87(s,15H), 7.27−7.32(m,3H), 7.43−7.46(t,2H), 7.58−7.60(m,3H), 7.70−7.73(t,1H), 7.92−7.94(t,1H) ppm。
【0169】
Mass (APCI mode, m/z): 471.83
【0170】
(実施例1)
【0171】
直列で連結された1段階及び2段階の反応器の単一活性点触媒として製造例1から合成されたビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−フェニル−4−フルオロフェノキシ)チタニウム(IV)クロライドが使用された。実施例及び比較例において、触媒使用量は表1、表2に示したものと同様である。Tiは単一活性点触媒、Alは共触媒のトリイソブチルアルミニウム、Bはトリフェニルメチリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートをそれぞれ示す。各触媒はキシレンにそれぞれ0.2g/l、5.0g/l、1.5g/lの濃度で溶解させて注入した。各反応器別にエチレンの投入比を4:6とし、共単量体で1−オクテンを使用して合成を施した。但し、2段階反応器に投入されるエチレン量の場合、第1反応器における重合体密度及び分子量を合わせるために転換率が低い場合、第2反応器に移動する未反応エチレンを考慮して決められる。各反応器内の温度勾配を通じて推測することができる。2段階反応器で相対的に高いMIの共重合体を生成するために適当量の水素を注入して分子量を制御した。また、各反応器内における分子量は単一活性点触媒の場合、反応器温度及び1−オクテン含量の関数で制御するようになり、下記表1−1にその条件が表れる。
【0172】
前記製造されたエチレン共重合体を有し、バレル温度160−170−170℃、ダイ温度175℃で押出して厚さ40μm、幅530mmのインフレーションフィルムで製造した。
【0173】
(実施例2)
【0174】
前記実施例1のような方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例3から合成されたビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドをトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1に掲示された量で投入した。また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0175】
図3は本発明の実施例2によるエチレン共重合体の分子量分布曲線である。図3を参照すれば、本発明の実施例2によるエチレン共重合体の分子量分布曲線は2つの峰で3.58を示して広い分子量分布を有することを確認した。
【0176】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例1と同一な条件でインフレーションフィルムで製造した。
【0177】
(実施例3)
【0178】
並列で連結された2つの反応器を使用して反応を行い、各反応器から出た重合体と溶剤の混合物の溶液はインラインミキサーを介して均質であるように混合させる工程を経る方法で重合体を製造し、また単一活性点触媒としては製造例2の方法で製造したビス(4−メチル−2−(2′−イソプロピルフェニル)フェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドをトルエンに0.2g/lの濃度で溶解し、表1−1に示した量で添加して使用した。また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0179】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例1と同一な条件でインフレーションフィルムで製造した。
【0180】
(実施例4)
【0181】
前記実施例3と同様な方法で重合体を製造し、但し、第1及び第2反応器で投入される単一活性点触媒量は表1−1に掲示された通りであり、また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0182】
前記製造されたエチレン共重合体を有し、キャスティングフィルム法でバレル温度160−180−200℃、ダイ温度230℃で押出して厚さ40μm、幅445mmのキャスティングフィルムで製造した。
【0183】
(実施例5)
【0184】
前記実施例1と同一な方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例4から合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−6−フェニルフェノキシ)チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−1に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0185】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0186】
(実施例6)
【0187】
前記実施例3と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例5から合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−ビフェニルフェノキシ)チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−1に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0188】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0189】
(実施例7)
【0190】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例3から合成されたビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドをトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−1に掲示された量で投入した。また、表1−1に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0191】
前記製造されたエチレン共重合体をパイプ押出機を使用して、バレル温度160−200−220℃、ダイ温度230℃で線速度5m/minで押出して外径16mm、厚さ1.45μmのパイプを製造した。
【0192】
(実施例8)
【0193】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例6から合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−2に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0194】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0195】
(実施例9)
【0196】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例7から合成された(クロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9′,9″−ジメチルフルオレン−2′−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−2に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0197】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0198】
(実施例10)
【0199】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例8から合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9′H−フルオレン−2′−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−2に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0200】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0201】
(実施例11)
【0202】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し単一活性点触媒としては製造例9から合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタニウム(IV)をトルエンに0.2g/lの濃度で溶解して表1−2に掲示された量で第1及び第2反応器に投入した。また、表1−2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。
【0203】
前記製造されたエチレン共重合体を前記実施例4と同一な条件でキャスティングフィルムで製造した。
【0204】
(比較例1)
【0205】
反応器は単一反応器のみを使用し、単一活性点触媒としては製造例2の方法で製造したビス(4−メチル−2−(2′−イソプロピルフェニル)フェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)クロライドをトルエンに0.2g/lの濃度で溶解し、表2に示された量で添加して使用した。また、表2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応の温度条件を異にして製造した。物性は表2の通りであり、前記実施例1、2、3に従って製造された共重合体のようにフィルムで加工後、物性を下記表3に比較した。
【0206】
(比較例2)
【0207】
前記実施例1と同じ方法で重合体を製造し、但し第1及び第2反応器に使用された単一活性点触媒は(トリメチル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)が使用され、トルエンに0.5mol/mlの濃度で溶解して、表2に示された量で投入した。残りは表2に示された条件のように各反応器に供給されるエチレン量と共単量体の1−オクテン量、そして反応器の温度条件を異にして製造した。物性は表2の通りであり、前記実施例1、2、3に従って製造された共重合体のようにフィルムで加工後、物性を下記表3に比較した。
【0208】
(比較例3)
【0209】
SK Energyの販売製品のFN810 Gradeであって、単峰分子量分布を有する1−オクテン共重合体として物性は表2の通りであり、前記実施例1、2、3に従って製造された共重合体のようにフィルムで加工後、物性を下記表3に比較した。
【0210】
(比較例4)
【0211】
SK Energyの販売製品のFT810 Gradeであって、単峰分子量分布を有する1−オクテン共重合体として物性は表2の通りであり、前記実施例4、5に従って製造された共重合体のようにフィルムで加工後、物性を下記表3に比較した。
【0212】
(比較例5)
【0213】
SK Energyの販売製品のDX800 Gradeであって、単峰分子量分布を有する1−オクテン共重合体として物性は表2の通りであり、前記実施例6に従って製造された共重合体のようにパイプで加工後、物性を下記表3に比較した。
【0214】
【表1−1】

【0215】
【表1−2】

【0216】
−エチレン投入比=第1反応器:第2反応器
−Ti:単一活性点触媒中のTiを意味する。
−Al:共触媒のトリイソブチルアルミニウムを示す。
−B:共触媒のトリフェニルメチリニウムテトラキスペンタフルオロ フェニルボレートを示す。
【0217】
【表2】

【0218】
【表3】

【0219】
【表4】

【0220】
前記表1−1、1−2及び2は実施例1〜11及び比較例1〜5の重合条件と各条件に応じる重合体の物性結果である。前記表1−1、1−2と表2からわかるように、単一活性点触媒と共に2段階反応工程を介して重合されることにより単一活性点触媒によって製造された重合体であるにもかかわらず、3以上の広い分子量分布を示すことを確認し、本特許で限定した範囲内の触媒例で共単量体の結合程度や活性では若干の差異はあるが、単一活性点触媒の特性をよく示し、特に本特許で提示した工程を通じて製造した共重合体は既存の製品に比べて優れる物性を示すことがわかった。
【0221】
前記表3は実施例1から6、8から11及び比較例1、2から製造されたフィルムの物性結果である。前記表3でのように類似したMI、密度の規格であるにもかかわらず殆ど全ての物性で向上されたことを見られる。特に、さらに広い分子量分布によって押出機の加工負荷がずいぶん減らされたことがわかり、これお通じて生産時にエネルギー消費節減或いは生産速度向上をなされることがわかる。
【0222】
また、実施例1、2、3、8、10と比較例2の場合、同じ工程を通じて合い異なるメタロセン触媒を使用して樹脂を合成して重合体分析を行い、インフレーションフィルムで加工して物性を比較した。比較例2で使用したメタロセン触媒は本特許に掲示されたメタロセン触媒の範囲に該当されない触媒であり、この触媒で第1反応器を経て生成されたエチレン共重合体は該当反応温度で高分子量の樹脂を提供できなく、従って、このように製造されたインフレーションフィルムは実施例1、2、3、8、10の樹脂と大きな物性での差異を見せる。インフレーションフィルムで本特許で提示された方法で施した実施例1から3、8、10と既成製品(SK Energy FN810 Grade)の比較例3を比べてみてもやはり本発明の効果が把握でき、実施例1から3、8、10の場合は反応器から生成される高分子量、低密度部分の割合を異にした結果、衝撃強度及び熱接着強度(Heat seal)の側面から多い物性向上を見せることがわかった。
【0223】
また、実施例4、5、6、9、11と比較例4はキャスティングフィルムの代表的MI及び密度に該当する樹脂を当特許に考案された方法で合成したものと既成製品(SK Energy, FT810 Grade)の重合体分析及びフィルム加工後の物性を比較したものである。
【0224】
前記表4は実施例7及び比較例5から製造されたパイプ実験結果である。前述したように、パイプ用途における物性向上如何を調べるためにISO 13479の方法で80℃の高温で低速亀裂成長の速度を測定した。実施例6の重合体と比較例3の重合体をそれぞれ外径16mm、厚さ1.45mmのパイプで加工し、80℃でそれぞれ5.5MPa、5.65MPaのフープストレスを作用して破壊が生じるまでの時間を記録した。表4でのように1段階反応器で高分子量、低密度部分が添加された実施例7で製作されたパイプの耐久性が向上されたことがわかった。
【0225】
以上から説明した本発明は、前述した実施例及び添付された図面によって限られるものではなく、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を持っている者にとって明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0226】
上述したように、本発明のエチレン共重合体は、エチレン又はα−オレフィンの多段階合成を通じて、多峰の分子量分布を有するエチレン共重合体を製造して物性及び加工性が同時に改善される効果がある。
【0227】
なお、他の重合体と混合して製造される短所を改善して生産性が容易であり、多様な用途に適用できる効果がある。
【符号の説明】
【0228】
11:1段階反応器のフィードポンプ
12:1段階反応器のフィードクーラー
13:1段階反応器のフィードヒーター
14:1段階低温反応器
15:1段階低温反応器の触媒フィード
16:直列2段階高温反応器
17:2段階高温反応器の触媒フィード
18:2段階反応器のフィードポンプ
19:2段階反応器のフィードクーラー
20:2段階反応器のフィードヒーター
21:2段階反応器のフィード
22:水素フィード
31:低温反応器のフィードポンプ
32:高温反応器のフィードポンプ
33:低温反応器のフィードクーラー
34:低温反応器のフィードヒーター
35:高温反応器のフィードクーラー
36:高温反応器のフィードヒーター
37:低温反応器
38:低温反応器の触媒フィード
39:高温反応器の触媒フィード
40:高温反応器
41:インラインミキサー
42:2段階反応器のフィード
43:水素フィード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一つ以上の反応器の中で、下記化学式1の遷移金属触媒を含む触媒組成物の存在下において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体を重合させて第1共重合体を製造する段階;及び
(b)前記(a)段階で製造された第1共重合体を前記(a)段階の触媒組成物と同一な触媒組成物の存在下において、前記(a)段階の反応温度より高い温度で前記エチレン又はエチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィンを含有する一つ以上の他の反応器の中を通過させることによってエチレン及びC3−C18のα−オレフィン共重合体組成物を含む高温の重合体を製造する段階;
とを含むエチレン共重合体の製造方法。
[化学式1]

式中、Mは周期律表上の4族の遷移金属であり;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上をさらに置換でき;
からRは互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記RからRは、融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立にハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
【化1】

であり;
11からR15は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R11からR15は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
前記 RからR、R11からR15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ若しくはアリールチオ;RからR、又はR11からR15がアルキレン又はアルケニレンを介して隣接した置換体と連結して形成された環;又は前記ArとAr11のアリール及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換できる。
【請求項2】
(a)一つ以上の反応器の中で、下記化学式1の遷移金属触媒を含む触媒組成物の存在下において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体を重合させて第1共重合体を製造する段階;
(b)一つ以上の他の反応器の中で、前記(a)段階の触媒組成物と同一な触媒組成物の存在下において、前記(a)段階の反応温度より高い温度で前記エチレン又はエチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィンを反応させて第2共重合体を製造する段階;及び
(c)前記第1共重合体を前記第2共重合体と混合する段階;
とを含むエチレン共重合体の製造方法。
[化学式1]

式中、Mは周期律表上の4族の遷移金属であり;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
からRは互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記RからRは融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立にハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
【化1】

であり;
11からR15は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R11からR15は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;
前記RからR、R11からR15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ若しくはアリールチオ;RからR、又はR11からR15がアルキレン又はアルケニレンを介して隣接した置換体と連結して形成された環;又は前記ArとAr11のアリール及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換できる。
【請求項3】
前記化学式1の遷移金属触媒においてMがTiであることを特徴とする請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項4】
前記遷移金属触媒が下記複数の化学式から選ばれることを特徴とする請求項3に記載のエチレン共重合体の製造方法。
[化学式1−1]

[化学式1−2]

[化学式1−3]

[化学式1−4]

[化学式1−5]

[化学式1−6]

[化学式1−7]

[化学式1−8]

[化学式1−9]

(R11とR12が連結されて環形成した場合に該当する)
[化学式1−10]

[化学式1−11]

[化学式1−12]

(R11とR12及びR13とR14が連結されて環形成した場合に該当する)
[化学式1−13]

[化学式1−14]

前記R21からR26は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又はニトロであるか、或いは前記R21からR26は融合環を含む若しくは含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて脂環族環又は単一環若しくは多環の芳香族環を形成することができ;前記 R21からR26のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ又はアリールチオは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ及びヒドロキシから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
前記X及びXはメチル又はClである。
【請求項5】
前記遷移金属触媒が下記から選ばれることを特徴とする請求項4に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【化2】

前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルから選ばれる一つ以上にさらに置換でき;
前記X及びXはメチル又はClである。
【請求項6】
前記触媒組成物は、前記遷移金属触媒と;アルミノキサン化合物、アルキルアルミニウム化合物、ホウ素化合物及びこれらの混合物から選ばれる共触媒;とを含む請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記遷移金属触媒と前記共触媒との割合が遷移金属M:アルミニウム原子のモル比を基準にして1:1から1:2000である請求項6に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記遷移金属触媒と前記共触媒との割合が遷移金属M:ホウ素原子のモル比を基準にして1:0.1から1:50である請求項6に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項9】
前記遷移金属触媒と前記共触媒との割合が遷移金属M:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比を基準にして1:0.1から50:1〜1000である請求項7に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記反応温度が(a)段階で80から210℃及び(b)段階で90から220℃であり、各段階の圧力が20から500気圧である請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項11】
前記(a)及び(b)段階において、α−オレフィン共単量体が、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、及びこれらの混合物から選ばれる請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項12】
前記(a)及び(b)段階において、エチレン及び一つ以上のC3−C18のα−オレフィン共単量体の量は、エチレン60〜99重量%でα−オレフィン共単量体1〜40重量%である請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
【請求項13】
請求項1または2に記載のエチレン共重合体の製造方法から製造されたエチレン共重合体。
【請求項14】
前記エチレン共重合体は。(a)段階で製造された重合体10〜70重量%及び(b)段階で製造された重合体30〜90重量%を含むことを特徴とする請求項13に記載のエチレン共重合体。
【請求項15】
前記(a)段階で製造された重合体は、MIが0.001〜2.0g/10min.であり、密度が0.860〜0.925g/cm3であり、前記(b)段階で製造された重合体は、MIが0.1〜100.0g/10min.であり、密度が0.900〜0.970g/cm3であることを特徴とする請求項14に記載のエチレン共重合体。
【請求項16】
密度が0.910〜0.940g/cm3の鎖状低密度ポリエチレン共重合体であることを特徴とする請求項13に記載のエチレン共重合体。
【請求項17】
密度が0.900〜0.910g/cm3の超低密度エチレン共重合体であることを特徴とする請求項13に記載のエチレン共重合体。
【請求項18】
分子量分布指数が2.8〜30であることを特徴とする請求項13に記載のエチレン共重合体。
【請求項19】
インフレーションフィルム、キャスティングフィルム、射出、中空成形、又はパイプとして使用されることを特徴とする請求項13に記載のエチレン共重合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−502161(P2012−502161A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526815(P2011−526815)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005190
【国際公開番号】WO2010/030145
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(308007044)エスケー イノベーション  カンパニー リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
【Fターム(参考)】