説明

エチレン系重合体の製造方法

【課題】低融点のエチレン系重合体をより経済的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される遷移金属錯体からなるオレフィン重合用触媒成分と、
下記一般式(2)で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、
活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン系重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等のアルキル側鎖(例えば、エチル分岐、ブチル分岐など)を有するエチレン系重合体は、アルキル側鎖を有さないエチレン系重合体(例えば、高密度ポリエチレン。)に比べて、融点が低いために、熱融着性に優れる。そのため、食品や医薬品の包装フィルム、熱封縮性蓋材、ホットメルト接着剤等の材料に用いられている。
このアルキル側鎖を有するエチレン系重合体は、これまで、オレフィン重合用触媒の存在下で、エチレンとα−オレフィン(1−ブテン、1−ヘキセンなど)とを共重合することにより製造されている。
【0003】
しかし、アルキル側鎖を有するエチレン系重合体の従来の製造方法では、エチレンと高価なα−オレフィンとを原料モノマーとして使用する必要があり、経済的に十分満足のいく方法ではなかった。そこで、昨今では、原料モノマーとしてエチレンのみを使用して、アルキル側鎖を有するエチレン系重合体を製造する方法が検討されている。
【0004】
例えば、非特許文献1、2には、オレフィン重合用触媒成分としてジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライドと、三量化用触媒成分として[1−ジメチルフェニルメチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライドと、活性化助触媒成分としてメチルアルミノキサンとを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンを重合して、融点の低下したエチレン系重合体を製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Zhibin Ye、外2名、「A Tandem Catalytic System for the Synthesis of Ethylene-Hex-1-ene Copolymers from Ethylene Stock」、Macromolecular Rapid Communications、(独国)、Wiley−VCH、2004年、25巻、p.647−652
【非特許文献2】Fahad Alobaidi、外2名、「Direct Synthesis of Linear Low-Density Polyethylene of Ethylene/1-Hexene from Ethylene with a Tandem Catalytic System in a Single Reactor」、Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry、(米国)、Wiley Periodicals, Inc.、2004年、42巻、p.4327−4336
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記方法では、三量化用触媒成分を多く使用する必要があるなど、経済性において、必ずしも満足し得るものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、低融点のエチレン系重合体をより経済的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、オレフィン重合用触媒成分と三量化用触媒成分と活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンを重合して、低融点のエチレン系重合体をより経済的に製造する方法であって、オレフィン重合用触媒成分として特定の遷移金属錯体を用いて、あるいは、三量化用触媒成分として特定の遷移金属錯体を用いて、前記低融点のエチレン系重合体を製造する方法である。
【0008】
すなわち、本発明の第1は、
下記一般式(1)


(式中、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
は元素の周期律表の第16族の原子を表し、
は元素の周期律表の第14族の原子を表す。
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
、X、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合してJと一緒になって環を形成していてもよい。)
で表される遷移金属錯体からなるオレフィン重合用触媒成分と、
一般式(2)

(式中、Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、炭素原子を表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、置換基を有していてもよいハイドロカルビル基または水素原子を表す。
2つのRはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、2つのRは結合して、Jと一緒になって環を形成していてもよい。
、X及びXはそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXのうち、2つの基は結合して、Mと一緒になって環を形成していてもよい。)
で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、
活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法にかかるものである。
【0009】
本発明の第2は、オレフィン重合用触媒成分と、
一般式(3)

[式中、Mは元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
10、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
15及びR16はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXはそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
10、R11、R12、R13及びR14のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R15及びR16は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]
で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、
活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、高温での工業的生産に適した温度条件であっても、融点の低下したブチル分岐を有するエチレン系重合体を、経済的に製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず、共重合を包含したものである。また、本発明において「置換基」という語は、化合物や基を構成するハロゲン原子を包含したものである。
【0012】
<オレフィン重合用触媒成分>
本発明で使用されるオレフィン重合用触媒成分は、一般式(1)で表される遷移金属錯体である。
【0013】


(式中、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
は元素の周期律表の第16族の原子を表し、
は元素の周期律表の第14族の原子を表す。
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
、X、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X及びXは結合してそれらが結合しているMと一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合してそれらが結合しているJと一緒になって環を形成していてもよい。)
【0014】
一般式(1)で示される錯体について詳細に説明する。Mにおける元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改定版1989)の第4族の遷移金属原子としては、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などが挙げられ、好ましくは、チタン原子である。
【0015】
における元素の周期律表の第16族の原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、セレン原子などが挙げられ、好ましくは、酸素原子である。
【0016】
として示される元素の周期律表の第14族の原子としては、例えば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子などが挙げられる。好ましくは、炭素原子、ケイ素原子であり、より好ましくは炭素原子である。
【0017】
置換基Cpとして示されるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えばη−シクロぺンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロぺンタジエニル基、η−n−プロピルシクロペンタジエニル基、η−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ペンチルシクロぺンタジエニル基、η−ネオペンチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ヘキシルシクロぺンタジエニル基、η−n−オクチルシクロぺンタジエニル基、η−フェニルシクロぺンタジエニル基、η−ナフチルシクロぺンタジエニル基、η−トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−トリエチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−インデニル基、η−メチルインデニル基、η−ジメチルインデニル基、η−エチルインデニル基、η−n−プロピルインデニル基、η−イソプロピルインデニル基、η−n−ブチルインデニル基、η−sec−ブチルインデニル基、η−tert−ブチルインデニル基、η−n−ペンチルインデニル基、η−ネオペンチルインデニル基、η−n−ヘキシルインデニル基、η−n−オクチルインデニル基、η−n−デシルインデニル基、η−フェニルインデニル基、η−メチルフェニルインデニル基、η−ナフチルインデニル基、η−トリメチルシリルインデニル基、η−トリエチルシリルインデニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルインデニル基、η−テトラヒドロインデニル基、η−フルオレニル基、η−メチルフルオレニル基、η−ジメチルフルオレニル基、η−エチルフルオレニル基、η−ジエチルフルオレニル基、η−n−プロピルフルオレニル基、η−ジ−n−プロピルフルオレニル基、η−イソプロピルフルオレニル基、η−ジイソプロピルフルオレニル基、η−n−ブチルフルオレニル基、η−sec−ブチルフルオレニル基、η−tert−ブチルフルオレニル基、η−ジ−n−ブチルフルオレニル基、η−ジ−sec−ブチルフルオレニル基、η−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、η−n−ペンチルフルオレニル基、η−ネオペンチルフルオレニル基、η−n−ヘキシルフルオレニル基、η−n−オクチルフルオレニル基、η−n−デシルフルオレニル基、η−n−ドデシルフルオレニル基、η−フェニルフルオレニル基、η−ジ−フェニルフルオレニル基、η−メチルフェニルフルオレニル基、η−ナフチルフルオレニル基、η−トリメチルシリルフルオレニル基、η−ビス−トリメチルシリルフルオレニル基、η−トリエチルシリルフルオレニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルフルオレニル基などが挙げられ、好ましくはη−シクロペンタジエニル基、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−インデニル基、η−フルオレニル基などである。
【0018】
、X、R、R、RおよびRにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0019】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。
【0020】
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
【0021】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリール基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基などが挙げられる。
【0022】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、上記アラルキル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0023】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、n−イコソキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルコキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、上記アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0024】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などの炭素原子数6〜20のアリールオキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、上記アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0025】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキルオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、上記アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0026】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基において、Rはそれぞれ独立に、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など)、アリール基(フェニル基など)などのハイドロカルビル基;ハイドロカルビル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わったハロゲン化ハイドロカルビル基であり、3つのRの炭素原子数の合計が1〜20の範囲である。この3つのRの炭素原子数の合計は3〜18の範囲が好ましい。該置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を1つ有する1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を2つ有する2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を3つ有する3置換シリル基などが挙げられる。これらのうち好ましくは3置換シリル基であり、さらに好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0027】
、X、R、R、R、R、RおよびRにおける−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基において、Rはそれぞれ独立に、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRの炭素原子数の合計が2〜20の範囲であり、2〜10の範囲がさらに好ましい。かかるハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基は、前記置換シリル基のハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基として説明したものと同じである。また、この2つのRは互いに結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0028】
、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合してそれらが結合しているJと一緒になって環を形成していてもよい。該環としては、例えば、飽和もしくは不飽和のハイドロカルビル環などがあげられ、具体的には、例えば、シクロプロパン環、シクロプロペン環、シクロブタン環、シクロブテン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環、シクロオクタン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、シラシクロプロパン環、シラシクロブタン環、シラシクロペンタン環、シラシクロヘキサン環などをあげることができる。これらの環は、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基などで置換されていてもよい。
【0029】
置換基X、Xとして好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子である。
として好ましくは、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、アミル基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられ、さらに好ましくは、tert−ブチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
【0030】
一般式(1)で示される遷移金属錯体は、例えば、特開平9−87313号公報に記載の方法などで製造することができる。
【0031】
一般式(1)で示される錯体としては、例えばメチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0032】
メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0033】
メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0034】
メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0035】
メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0036】
メチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0037】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0038】
イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0039】
イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0040】
イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0041】
イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0042】
イソプロピリデン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0043】
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0044】
ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0045】
ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0046】
ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0047】
ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0048】
ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドなどや、これらの化合物のチタニウムをジルコニウム、ハフニウムに変更した化合物、クロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミドに変更した化合物、(シクロペンタジエニル)を(ジメチルシクロペンタジエニル)、(トリメチルシクロペンタジエニル)、(n−ブチルシクロペンタジエニル)、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(インデニル)に変更した化合物、3,5−ジメチル−2−フェノキシを2−フェノキシ、3−メチル−2−フェノキシ、3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ、3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ、3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ、3−トリメチルシリル−2−フェノキシに変更した化合物、メチレンをジエチルメチレンに変更した化合物などといった一般式(1)におけるJが炭素原子である遷移金属錯体ならびに
【0049】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0050】
ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0051】
ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0052】
ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0053】
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0054】
ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0055】
ジメチルシリレン(インデニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
【0056】
ジメチルシリレン(フルオレニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライドなどや、これらの化合物の(シクロペンタジエニル)を(ジメチルシクロペンタジエニル)、(トリメチルシクロペンタジエニル)、(エチルシクロペンタジエニル)、(n−プロピルシクロペンタジエニル)、(イソプロピルシクロペンタジエニル)、(sec−ブチルシクロペンタジエニル)、(イソブチルシクロペンタジエニル)、(tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタジエニル)、(フェニルシクロペンタジエニル)、(メチルインデニル)、(フェニルインデニル)に変更した化合物、2−フェノキシを3−フェニル−2−フェノキシ、3−トリメチルシリル−2−フェノキシ、3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシに変更した化合物、ジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、ジメトキシシリレンに変更した化合物、チタニウムをジルコニウム、ハフニウムに変更した化合物、クロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミドに変更した化合物といった一般式(1)におけるJが炭素原子以外の元素の周期律表の第14族の原子である遷移金属錯体が挙げられる。
【0057】
<遷移金属錯体(2)>
第1の発明で使用される三量化用触媒成分は、下記一般式(2)で表される遷移金属錯体である。
【0058】

(式中、Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは、炭素原子を表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、置換基を有していてもよいハイドロカルビル基または水素原子を表す。
2つのRはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、2つのRは結合して、Jと一緒になって環を形成していてもよい。
、X及びXはそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXのうち、2つの基は結合して、Mと一緒になって環を形成していてもよい。)
【0059】
一般式(2)で示される錯体について詳細に説明する。
【0060】
置換基Cpとして示されるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、η−シクロぺンタジエニル基、または少なくとも一つの置換基を有するシクロペンタジエニル基である。少なくとも一つの置換基を有するシクロペンタジエニル基としては、例えば、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル基、η−トリメチルシクロペンタジエニル基、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロぺンタジエニル基、η−n−プロピルシクロペンタジエニル基、η−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル基、η−tert−ブチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ペンチルシクロぺンタジエニル基、η−ネオペンチルシクロぺンタジエニル基、η−n−ヘキシルシクロぺンタジエニル基、η−n−オクチルシクロぺンタジエニル基、η−フェニルシクロぺンタジエニル基、η−ナフチルシクロぺンタジエニル基、η−トリメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−トリエチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルシクロぺンタジエニル基、η−インデニル基、η−メチルインデニル基、η−ジメチルインデニル基、η−エチルインデニル基、η−n−プロピルインデニル基、η−イソプロピルインデニル基、η−n−ブチルインデニル基、η−sec−ブチルインデニル基、η−tert−ブチルインデニル基、η−n−ペンチルインデニル基、η−ネオペンチルインデニル基、η−n−ヘキシルインデニル基、η−n−オクチルインデニル基、η−n−デシルインデニル基、η−フェニルインデニル基、η−メチルフェニルインデニル基、η−ナフチルインデニル基、η−トリメチルシリルインデニル基、η−トリエチルシリルインデニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルインデニル基、η−テトラヒドロインデニル基、η−フルオレニル基、η−メチルフルオレニル基、η−ジメチルフルオレニル基、η−エチルフルオレニル基、η−ジエチルフルオレニル基、η−n−プロピルフルオレニル基、η−ジ−n−プロピルフルオレニル基、η−イソプロピルフルオレニル基、η−ジイソプロピルフルオレニル基、η−n−ブチルフルオレニル基、η−sec−ブチルフルオレニル基、η−tert−ブチルフルオレニル基、η−ジ−n−ブチルフルオレニル基、η−ジ−sec−ブチルフルオレニル基、η−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、η−n−ペンチルフルオレニル基、η−ネオペンチルフルオレニル基、η−n−ヘキシルフルオレニル基、η−n−オクチルフルオレニル基、η−n−デシルフルオレニル基、η−n−ドデシルフルオレニル基、η−フェニルフルオレニル基、η−ジ−フェニルフルオレニル基、η−メチルフェニルフルオレニル基、η−ナフチルフルオレニル基、η−トリメチルシリルフルオレニル基、η−ビス−トリメチルシリルフルオレニル基、η−トリエチルシリルフルオレニル基、η−tert−ブチルジメチルシリルフルオレニル基などが挙げられる。少なくとも一つの置換基を有するシクロペンタジエニル基として、好ましくは、η−メチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロペンタジエニル、η−n−プロピルシクロペンタジエニル、η−イソプロピルシクロペンタジエニル、η−n−ブチルシクロペンタジエニル、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル、η−トリメチルシクロペンタジエニル、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−インデニル基、η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、などであり、より好ましくはη−メチルシクロペンタジエニル基、η−エチルシクロペンタジエニル、η−n−プロピルシクロペンタジエニル、η−イソプロピルシクロペンタジエニル、η−n−ブチルシクロペンタジエニル、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η−ジメチルシクロペンタジエニル、η−トリメチルシクロペンタジエニル、η−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基などであり、もっとも好ましくはη−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基である。
【0061】
は炭素原子である。
【0062】
Arとして示される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2,3,4,5−テトラメトキシフェニル基、2,3,4,6−テトラメトキシフェニル基、2,3,5,6−テトラメトキシフェニル基、ペンタメトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2,3−ジフェニルフェニル基、2,4−ジフェニルフェニル基、2,5−ジフェニルフェニル基、2,6−ジフェニルフェニル基、3,4−ジフェニルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、2,3,4−トリフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,6−トリフェニルフェニル基、2,4,6−トリフェニルフェニル基、3,4,5−トリフェニルフェニル基、2,3,4,5−テトラフェニルフェニル基、2,3,4,6−テトラフェニルフェニル基、2,3,5,6−テトラフェニルフェニル基、ペンタフェニルフェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2,3−ジフェノキシフェニル基、2,4−ジフェノキシフェニル基、2,5−ジフェノキシフェニル基、2,6−ジフェノキシフェニル基、3,4−ジフェノキシフェニル基、3,5−ジフェノキシフェニル基、2,3,4−トリフェノキシフェニル基、2,3,5−トリフェノキシフェニル基、2,3,6−トリフェノキシフェニル基、2,4,6−トリフェノキシフェニル基、3,4,5−トリフェノキシフェニル基、2,3,4,5−テトラフェノキシフェニル基、2,3,4,6−テトラフェノキシフェニル基、2,3,5,6−テトラフェノキシフェニル基、ペンタフェノキシフェニル基、2−ベンジルフェニル基、3−ベンジルフェニル基、4−ベンジルフェニル基、2,3−ジベンジルフェニル基、2,4−ジベンジルフェニル基、2,5−ジベンジルフェニル基、2,6−ジベンジルフェニル基、3,4−ジベンジルフェニル基、3,5−ジベンジルフェニル基、2,3,4−トリベンジルフェニル基、2,3,5−トリベンジルフェニル基、2,3,6−トリベンジルフェニル基、2,4,6−トリベンジルフェニル基、3,4,5−トリベンジルフェニル基、2,3,4,5−テトラベンジルフェニル基、2,3,4,6−テトラベンジルフェニル基、2,3,5,6−テトラベンジルフェニル基、ペンタベンジルフェニル基、2−ベンジロキシフェニル基、3−ベンジロキシフェニル基、4−ベンジロキシフェニル基、2,3−ジベンジロキシフェニル基、2,4−ジベンジロキシフェニル基、2,5−ジベンジロキシフェニル基、2,6−ジベンジロキシフェニル基、3,4−ジベンジロキシフェニル基、3,5−ジベンジロキシフェニル基、2,3,4−トリベンジロキシフェニル基、2,3,5−トリベンジロキシフェニル基、2,3,6−トリベンジロキシフェニル基、2,4,6−トリベンジロキシフェニル基、3,4,5−トリベンジロキシフェニル基、2,3,4,5−テトラベンジロキシフェニル基、2,3,4,6−テトラベンジロキシフェニル基、2,3,5,6−テトラベンジロキシフェニル基、ペンタベンジロキシフェニル基、2−トリメチルシリルフェニル基、3−トリメチルシリルフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基、2,3−ビストリメチルシリルフェニル基、2,4−ビストリメチルシリルフェニル基、2,5−ビストリメチルシリルフェニル基、2,6−ビストリメチルシリルフェニル基、3,4−ビストリメチルシリルフェニル基、3,5−ビストリメチルシリルフェニル基、2,3,4−トリストリメチルシリルフェニル基、2,3,5−トリストリメチルシリルフェニル基、2,3,6−トリストリメチルシリルフェニル基、2,4,6−トリストリメチルシリルフェニル基、3,4,5−トリストリメチルシリルフェニル基、2,3,4,5−テトラキストリメチルシリルフェニル基、2,3,4,6−テトラキストリメチルシリルフェニル基、2,3,5,6−テトラキストリメチルシリルフェニル基、ペンタトリメチルシリルフェニル基、tert−ブチルジメチルシリルフェニル基、トリフェニルシリルフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、3−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2,3−ビスジメチルアミノフェニル基、2,4−ビスジメチルアミノフェニル基、2,5−ビスジメチルアミノフェニル基、2,6−ビスジメチルアミノフェニル基、3,4−ビスジメチルアミノフェニル基、3,5−ビスジメチルアミノフェニル基、2,3,4−トリスジメチルアミノフェニル基、2,3,5−トリスジメチルアミノフェニル基、2,3,6−トリスジメチルアミノフェニル基、2,4,6−トリスジメチルアミノシリルフェニル基、3,4,5−トリスジメチルアミノフェニル基、2,3,4,5−テトラキスジメチルアミノフェニル基、2,3,4,6−テトラキスジメチルアミノフェニル基、2,3,5,6−テトラキスジメチルアミノフェニル基、ペンタジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、ピロリジニルフェニル基、ピペリジニルフェニル基、などが挙げられる。
これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などが挙げられる。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アリール基として好ましくは、フェニル基、または炭素原子数1〜4のアルキル基を置換基として有するフェニル基、具体的には、3,5−ジメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基などである。
【0063】
における元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改定版1989)の第4族の遷移金属原子としては、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などが挙げられ、好ましくは、チタン原子、ジルコニウム原子、さらに好ましくは、チタン原子である。
【0064】
における置換基を有していてもよいハイドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などのアルキル基、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などのアラルキル基、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などのアリール基が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ケイ素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、イオウ原子、ハロゲン原子などのヘテロ原子を有する置換基で置き換わった基などが挙げられる。Rとして、好ましくはメチル基である。
【0065】
2つのRは結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、ここでいう環の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環である。
【0066】
、X及びXにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子である。
【0067】
、X及びXにおける炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられる。
【0068】
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
【0069】
、X及びXにおける炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、n−イコソキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルコキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよい基を意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、上記アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0070】
、X及びXにおける炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリール基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基などが挙げられる。
【0071】
、X及びXにおける炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などの炭素原子数6〜20のアリールオキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、上記アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0072】
、X及びXにおける炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、上記アラルキル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0073】
、X及びXにおける炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。
また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキルオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味する。該ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、上記アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基が挙げられる。
【0074】
、X及びXにおける−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基において、Rはそれぞれ独立に、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など)、アリール基(フェニル基など)などのハイドロカルビル基;ハイドロカルビル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わったハロゲン化ハイドロカルビル基であり、3つのRの炭素原子数の合計が1〜20の範囲である。この3つのRの炭素原子数の合計は3〜18の範囲が好ましい。該置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を1つ有する1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を2つ有する2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を3つ有する3置換シリル基などが挙げられる。これらのうち好ましくは3置換シリル基であり、さらに好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0075】
、X及びXにおける−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基において、Rはそれぞれ独立に、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRの炭素原子数の合計が2〜20の範囲であり、2〜10の範囲がさらに好ましい。かかるハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基は、前記置換シリル基のハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基として説明したものと同じである。また、この2つのRは互いに結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0076】
一般式(2)で示される遷移金属錯体としては、例えば、(1−フェニルメチル−シクロペンタジエニル)チタニウムトリクロライド、(1−ジフェニルメチル−シクロペンタジエニル)チタニウムトリクロライド、(1−トリフェニルメチル−シクロペンタジエニル)チタニウムトリクロライド、[1−(2−メチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3−メチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(4−メチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,5−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,6−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,4−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4,5−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2−トリメチルシリルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3−トリメチルシリルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(4−トリメチルシリルフェニル)メチル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2−メチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,6−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,4−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,5−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,6−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4,5−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,4,5−トリメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)エチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−エチル−1−フェニルプロピル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−フェニルシクロヘキシル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−フェニルビニル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド
【0077】
[1−フェニルメチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジフェニルメチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−トリフェニルメチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2−メチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3−メチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(4−メチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,5−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,6−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,4−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,5−ジメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4,5−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(2−トリメチルシリルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(3−トリメチルシリルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(4−トリメチルシリルフェニル)メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2−メチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,6−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,4−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,5−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,6−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4,5−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(3,4,5−トリメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−メチル−1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−エチル−1−フェニルプロピル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−フェニルシクロヘキシル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−(1−フェニルビニル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライドなどや、これらの化合物のシクロペンタジエニルを2−メチルシクロペンタジエニル、3−メチルシクロペンタジエニル、2,3−ジメチルシクロペンタジエニル、2,4−ジメチルシクロペンタジエニル、2,5−ジメチルシクロペンタジエニル、2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル、2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル、2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル、2−n−ブチルシクロペンタジエニル、3−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,3−ジ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,4−ジ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,5−ジ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,4−トリ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,5−トリ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,4,5−テトラ−n−ブチルシクロペンタジエニル、2−tert−ブチルシクロペンタジエニル、3−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,4−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,5−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,4−トリ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,5−トリ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2,3,4,5−テトラ−tert−ブチルシクロペンタジエニル、2−トリメチルシリルシクロペンタジエニル、3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル、2,3−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル、2,4−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル、2,5−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル、2,3,4−トリス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル、2,3,5−トリス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル、2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルに、チタニウムをジルコニウム、ハフニウムに、クロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミドに変更した化合物などが挙げられる。
【0078】
一般式(2)で示される遷移金属錯体は、例えば、Organometallics 2002,21,5122−5135.に記載の方法などで製造することができる。
【0079】
<遷移金属錯体(3)>
第2の発明で使用される三量化用触媒成分は、下記一般式(3)で表される遷移金属錯体である。
【0080】

[式中、Mは元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
10、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
15及びR16はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXはそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
10、R11、R12、R13及びR14のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R15及びR16は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]
【0081】
以下、一般式(3)で表される遷移金属錯体について詳述する。
遷移金属錯体(3)において、Mは元素周期律表の第4族元素を示し、例えばチタン原子、ジルコニウム原子及びハフニウム原子等が挙げられる。これらの中でも、チタン原子が好ましい。
【0082】
前記遷移金属錯体(3)において、置換基R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、X、X及びXは上述のとおりの定義であり、その具体例を以下に示す。
【0083】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
【0084】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基の「炭素原子数1〜20のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びn−エイコシル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアルキル基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基及びアミル基等を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数1〜20の範囲であると好ましく、炭素原子数1〜10の範囲がさらに好ましい。好適なハロゲン原子を置換基として有するアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0085】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基の「炭素原子数6〜20のアリール基」の具体例としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアリール基としては、炭素原子数6〜10のアリール基であり、さらに好ましはフェニル基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリール基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は6〜20の範囲であると好ましく、6〜10の範囲がさらに好ましい。具体的に好適な、ハロゲン原子を置換基として有するアリール基は、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基等を挙げることができる。
【0086】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基の「炭素原子数7〜20のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられる。これらのうち好ましいアラルキル基としては、炭素原子数7〜10のアラルキル基であり、さらに好ましくはベンジル基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキル基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキル基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は7〜20の範囲であると好ましく、7〜10の範囲がさらに好ましい。
【0087】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基の「炭素原子数1〜20のアルコキシ基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアルコキシ基としては、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアルコキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アルコキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数1〜20の範囲であると好ましく、1〜10の範囲がさらに好ましい。
【0088】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の「炭素原子数6〜20のアリールオキシ基」の具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基及びアントラセノキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基であり、さらに好ましくはフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アリールオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は6〜20の範囲であると好ましく、6〜10の範囲がさらに好ましい。
【0089】
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基の「炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基」の具体例としては、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられる。これらのうち好ましいアラルキルオキシ基としては、炭素原子数7〜10のアラルキルオキシ基であり、さらに好ましくはベンジルオキシ基を挙げることができる。また、「ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアラルキルオキシ基」の「ハロゲン原子を置換基として有していてもよい」とは、アラルキルオキシ基にある水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置き換わっていてもよいことを意味し、該ハロゲン原子の具体例は上述のとおりである。なお、ハロゲン原子を置換基として有する場合、その炭素原子数は7〜20の範囲であると好ましく、7〜10の範囲がさらに好ましい。
【0090】
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基において、Rはそれぞれ独立に、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など)、アリール基(フェニル基など)などのハイドロカルビル基;ハイドロカルビル基にある水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わったハロゲン化ハイドロカルビル基であり、3つのRの炭素原子数の合計が1〜20の範囲である。この3つのRの炭素原子数の合計は3〜18の範囲が好ましい。該置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を1つ有する1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を2つ有する2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基においてハイドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などのハイドロカルビル基及び/又はハロゲン化ハイドロカルビル基を3つ有する3置換シリル基などが挙げられる。これらのうち好ましくは3置換シリル基であり、さらに好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0091】
−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基において、Rはそれぞれ独立に、ハイドロカルビル基又はハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRの炭素原子数の合計が2〜20の範囲であり、2〜10の範囲がさらに好ましい。かかるハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基は、前記置換シリル基のハイドロカルビル基およびハロゲン化ハイドロカルビル基として説明したものと同じである。また、この2つのRは互いに結合して、これらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換わった基である。
【0092】
15及びR16は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよく、R10、R11、R12、R13及びR14のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する基同士は結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。ここでいう環とは、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換された、飽和もしくは不飽和のハイドロカルビル環などである。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロプロペン環、シクロブタン環、シクロブテン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環、シクロオクタン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、シラシクロプロパン環、シラシクロブタン環、シラシクロペンタン環、シラシクロヘキサン環である。
【0093】
前記遷移金属錯体(3)においてR10、R11、R12、R13及びR14のうち、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
【0094】
10、R11、R12、R13及びR14の好ましい組み合わせとしては、その部分構造式(4)

(式中、R10、R11、R12、R13及びR14は前記と同じ意味を表す。)
において、例えば、次のような部分構造を挙げることができる。
【0095】
フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、tert−ブチルフェニル、ジ−tert−ブチルフェニル、tert−ブチルメチルフェニル、ジ(tert−ブチル)メチルフェニル、ナフチル、アントラセニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル
【0096】
ここに例示した部分構造のうち、好ましい部分構造はフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、ペンタメチルフェニルなどである。
【0097】
前記遷移金属錯体(3)においてR15及びR16のうち、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、ナフチル基、ベンジル基が挙げられる。
【0098】
15及びR16のうち好ましい組み合わせとしては、その部分構造式(5)

(式中、R15及びR16は前記と同じ意味を表す。)
において、例えば、次のような部分構造を挙げることができる。
【0099】
ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、エチルメチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、メチル(n−プロピル)シリレン、ジ(n−ブチル)シリレン、n−ブチルメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン
【0100】
ここに例示したシリレン部分構造のうち、好ましいシリレン部分構造はジメチルシリレン、エチルメチルシリレン、n−ブチルメチルシリレン、シクロテトラメチレンシリレンなどである。
【0101】
遷移金属錯体(3)を具体的に例示すると、次のような錯体を挙げることができる。
【0102】
[1−ジメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−ジエチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−シクロテトラメチレン(フェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−エチルメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチルフェニルシリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(3,5−ジメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(2,4,6−トリメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、[1−n−ブチルメチル(ペンタメチルフェニル)シリル−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド、などが挙げられる。また、ここに例示する錯体において、「チタニウム」を「ジルコニウム」又は「ハフニウム」に置き換えたもの、「クロライド」を「フルオリド」、「ブロマイド」、「アイオダイド」、「ハイドライド」、「メチル」、「フェニル」、「ベンジル」、「メトキシド」、「n−ブトキシド」、「イソプロポキシド」、「フェノキシド」、「ベンジロキシド」、「ジメチルアミド」、「ジエチルアミド」に置き換えたものも同様に例示される。
【0103】
一般式(3)で示される遷移金属錯体は、例えば、J.Organomet.Chem. 1999,592,84−94.に記載の方法などで製造することができる。
【0104】
<活性化助触媒成分>
活性化助触媒成分としては、次の化合物(A)及び化合物(B)をあげることができ、る。化合物(A)と化合物(B)を併用してもよい。
化合物(A):下記化合物(A1)〜(A3)からなる化合物群から選ばれる1種以上のアルミニウム化合物
(A1):一般式 (E1aAl(G)3-aで表される有機アルミニウム化合物
(A2):一般式 {−Al(E2)−O−}bで表される構造を有する環状のアルミノキサン
(A3):一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAl(E32で表される構造を有する線状のアルミノキサン
(式中、E1、E2およびE3は、炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基を表し、Gは、水素原子またはハロゲン原子を表し、aは1〜3の整数を表し、bは2以上の整数を表し、cは1以上の整数を表す。E1が複数ある場合、複数のE1は互いに同じであっても異なっていてもよい。Gが複数ある場合、複数のGは互いに同じであっても異なっていてもよい。複数のE2は互いに同じであっても異なっていてもよい。複数のE3は互いに同じであっても異なっていてもよい。)
化合物(B):下記化合物(B1)〜(B3)からなる化合物群から選ばれる1種以上のホウ素化合物
(B1):一般式 BQ123で表されるホウ素化合物
(B2):一般式T(BQ1234で表されるボレート化合物
(B3):一般式(L−H)(BQ1234で表されるボレート化合物
(式中、Bは3価の原子価状態のホウ素原子を表し、Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ同一または相異なり、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハイドロカルビルシリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基または炭素原子数2〜20のジハイドロカルビルアミノ基を表し、Tは無機または有機のカチオンを表し、(L−H)はブレンステッド酸を表す。)
【0105】
化合物(A1)〜(A3)において、E1、E2およびE3における炭素原子数1〜8のハイドロカルビル基としては、例えば、炭素原子数1〜8のアルキルなどが挙げられ、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0106】
一般式 (EAl(G)3−aで表される有機アルミニウム化合物(A1)としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ、トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムなどが挙げられ、ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライドなどが挙げられ、アルキルアルミニウムジクロライドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライドなどが挙げられ、ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0107】
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶剤(ベンゼン、脂肪族ハイドロカルビルなど)に溶かした溶液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させて作る方法が例示できる。
【0108】
(A2):式{−Al(E)−O−}で表される構造を有する環状のアルミノキサン又は(A3)式E{−Al(E)−O−}AlEで表される構造を有する線状のアルミノキサンにおけるE及びEとしては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基及びネオペンチル基等のアルキル基があげられる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E及びEはそれぞれ独立にメチル基又はイソブチル基であり、bは2〜40であり、cは1〜40である。
【0109】
化合物(B1)〜(B3)において、Q1、Q2、Q3およびQ4は、好ましくは、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基である。Tにおける無機のカチオンとしては、例えば、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが挙げられ、有機のカチオンとしては、例えば、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。(BQ1234としては、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。ブレンステッド酸である(L−H)としては、例えば、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられる。
【0110】
一般式 BQ123で表されるホウ素化合物(B1)としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどが挙げられる。
【0111】
一般式T(BQ1234で表されるボレート化合物(B2)としては、例えば、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げられる。
【0112】
一般式(L−H)(BQ1234で表されるボレート化合物(B3)としては、例えば、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ビス−トリメチルシリルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0113】
<オレフィン重合用触媒>
第1の発明で使用されるオレフィン重合用触媒は、一般式(1)で表される遷移金属錯体からなるオレフィン重合用触媒成分と、一般式(2)で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、上述した活性化助触媒成分とを接触させて得られる触媒である。
第2の発明で使用されるオレフィン重合用触媒は、上述したオレフィン重合用触媒成分と、一般式(3)で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、上述した活性化助触媒成分とを接触させて得られる触媒である。
【0114】
各触媒成分の使用量として、三量化用触媒成分とオレフィン重合用触媒成分のモル比(三量化用触媒成分/オレフィン重合用触媒成分)は、通常0.0001〜100であり、好ましくは0.001〜1であり、より好ましくは、0.01から0.5であり、さらに好ましくは、0.05から0.15である。
【0115】
各触媒成分の使用量としては、化合物(A)(アルミニウム原子換算)と触媒成分として使用する遷移金属錯体(三量化用触媒成分とオレフィン重合用触媒成分の合計)のモル比(化合物(A)(アルミニウム原子換算)/遷移金属錯体)は、通常0.01〜10000であり、好ましくは5〜2000である。また、化合物(B)と触媒成分として使用する遷移金属錯体(三量化用触媒成分とオレフィン重合用触媒成分の合計)のモル比(化合物(B)/遷移金属錯体)は、通常0.01〜100、好ましくは0.5〜10である。
【0116】
各触媒成分を溶液状態で使用する場合、触媒成分として使用する遷移金属錯体の濃度は、通常0.0001〜5ミリモル/リットルであり、好ましくは、0.001〜1ミリモル/リットルである。化合物(A)の濃度は、アルミニウム原子換算で、通常0.01〜500ミリモル/リットルで、好ましくは、0.1〜100ミリモル/リットルである。化合物(B)の濃度は、通常0.0001〜5ミリモル/リットルであり、好ましくは、0.001〜1ミリモル/リットルである。
【0117】
各触媒成分は担体に担持して使用してもよい。担体としては、多孔質物質が好適に用いられ、無機物質または有機ポリマーがより好適に用いられ、無機物質がさらに好適に用いられる。担体については後述する。
【0118】
各触媒成分を接触させる方法は、特に限定されるものではない。オレフィン重合用触媒成分と三量化用触媒成分と活性化助触媒成分とを予め接触させて重合用触媒を調製し、該重合用触媒を重合反応器に供給してもよい。また、各触媒成分を任意の順序で重合反応器に供給し、重合反応器内で接触処理を行ってもよい。重合反応器には、オレフィン重合用触媒成分と三量化用触媒成分とを予め接触させたもの(オレフィン重合用触媒成分と三量化用触媒成分とを同時に製造したものも含む)を供給してもよく、オレフィン重合用触媒成分と活性化助触媒成分とを予め接触させたものを供給してもよく、三量化用触媒成分と活性化助触媒成分とを予め接触させたものを供給してもよい。
【0119】
(担体)
担体に用いられる無機物質の例としては、無機酸化物、マグネシウム化合物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。
【0120】
担体に用いられる無機酸化物の具体例としては、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等、およびこれらの混合物、例えば、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiO、Alが好ましく、SiOがより好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiO等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
【0121】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物としてはその表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用してもよく、該置換基はシリル基が好ましい。改質無機酸化物として具体的には、トリメチルクロロシランやtert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン、ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシランなどと接触処理した無機酸化物が挙げられる。
【0122】
担体に用いられるマグネシウム化合物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド; フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド; エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することができる。これらの中で好ましくは、ハロゲン化マグネシウムまたはアルコキシマグネシウムであり、さらに好ましくは塩化マグネシウムまたはブトキシマグネシウムである。
【0123】
担体に用いられる粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイトまたはサポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイトまたはヘクトライトである。
【0124】
担体に用いられる無機物質としては、無機酸化物が好ましい。
【0125】
担体に用いられるこれらの無機物質としては、加熱処理により乾燥させたものが好ましく用いられる。該加熱処理の温度は、通常100〜1500℃であり、好ましくは100〜1000℃であり、さらに好ましくは200〜800℃である。該加熱処理の時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。該加熱処理の方法としては、加熱した上で、例えば、乾燥された不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で数時間以上流通させる方法、あるいは、数時間減圧する方法等が挙げられるが、その方法は限定されることはない。
【0126】
無機物質からなる担体の平均粒子径は、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは10〜100μmである。無機物質からなる担体の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。無機物質からなる担体の比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは100〜500m/gである。
【0127】
担体に用いられる有機ポリマーとしては、特に制限はなく、また2種以上の有機ポリマーを混合物として用いても構わないが、活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基を有する重合体が好ましい。
【0128】
活性水素を有する基としては、活性水素を有しておれば特に制限はなく、具体例としては1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0129】
非プロトン供与性のルイス塩基性基としては、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する基であれば特に制限はなく、具体例としてはピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基であり、特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基またはN−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0130】
重合体中のかかる活性水素を有する基および非プロトン供与性のルイス塩基性基の量としては、重合体単位グラム当りの該基のモル量は、好ましくは0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0131】
かかる基を有する重合体は、例えば、活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合することにより、またはこれと重合性不飽和基を1個以上有する他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。また、該他のモノマーの少なくとも1種に、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーを用いることが好ましい。
【0132】
かかる活性水素を有する基および/または非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーとしては、上記の活性水素を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマー、上記の活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーなどを挙げることができる。かかる重合性不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチン基等のアルキニル基等が挙げられる。
【0133】
活性水素を有する基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーの例としては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物等を挙げることができる。具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
【0134】
非プロトン供与性のルイス塩基性基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾール等を挙げることができる。
【0135】
重合性不飽和基を1個以上有する他のモノマーとしては、オレフィン、芳香族ビニル化合物等が例示され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレンなどが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。また、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0136】
有機ポリマーからなる担体の平均粒子径は、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。有機ポリマーからなる担体の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。有機ポリマーからなる担体の比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは50〜500m/gである。
【0137】
担体に用いられるこれらの有機ポリマーとしては、加熱処理により乾燥させたものが好ましく用いられる。該加熱処理の温度は、通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは70〜150℃である。該加熱処理の時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。該加熱処理の方法としては、加熱した上で、例えば、乾燥された不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で数時間以上流通させる方法、あるいは、数時間減圧する方法等が挙げられるが、その方法は限定されることはない。
【0138】
担体の粒径の体積基準の幾何標準偏差は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下であり、さらに好ましくは1.7以下である。
【0139】
<重合>
本発明は、上述のオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法である。重合では、原料モノマーとしてエチレンのみを供給して重合を行ってもよく、エチレンと共重合可能なモノマーとエチレンとを供給して重合を行ってもよい。
【0140】
エチレンと共重合可能なモノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数3〜20のオレフィン;ノルボルネンなどの環状オレフィン;スチレンなどのアルケニル芳香族ハイドロカルビル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物などがあげられる。これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を用いられてもよい。
【0141】
重合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族ハイドロカルビル、ベンゼン、トルエン等の芳香族ハイドロカルビル、又はメチレンジクロライド等のハロゲン化ハイドロカルビルを溶媒として用いる溶媒重合、又はスラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等が可能である。また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能である。
【0142】
本発明は、原料モノマーとしてヘキセンの供給が少量の重合であっても、あるいは、原料モノマーとしてエチレンのみの供給での重合であっても、融点の低下したブチル分岐を有する重合体を得ることができるものである。そのため、本発明の効果がより顕著となる重合条件としては、重合形式がスラリー重合の場合、重合系中のエチレンのモル分率(重合系中のエチレンと1−ヘキセンとの総量を100モル%とする。)が、好ましくは90mol%以上であり、より好ましくは95mol%以上であり、更に好ましくは実質的に100mol%である。また、重合形式が気相重合の場合、重合系中のエチレンのモル分率(重合系中のエチレンと1−ヘキセンとの総量を100モル%とする。)が、好ましくは97mol%以上であり、より好ましくは98mol%以上であり、更に好ましくは実質的に100mol%である。
【0143】
溶液重合とスラリー重合の場合、重合液中でのオレフィン重合用触媒の濃度は、触媒成分として使用する遷移金属錯体(三量化用触媒成分とオレフィン重合用触媒成分の合計)のモル換算として、通常0.0001〜5ミリモル/リットルである。オレフィン重合用触媒の濃度は、経済性を高めるために、好ましくは2ミリモル/リットル以下であり、より好ましくは1ミリモル/リットル以下である。また、オレフィン重合用触媒の濃度は、融点を低下させブチル分岐の数をより高めるために、好ましくは0.001ミリモル/リットル以上であり、より好ましくは0.01ミリモル/リットル以上であり、さらに好ましくは0.1ミリモル/リットル以上であり、特に好ましくは0.5ミリモル/リットル以上である。
【0144】
重合圧力は、常圧〜5MPaが好ましい。重合時間は、一般的に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。また、エチレン系重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
【0145】
重合温度は、0℃〜220℃の範囲を取り得る。重合温度は、経済性を高めるために、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは40℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上であり、もっとも好ましくは70℃以上である。また重合温度は、また、融点を低下させブチル分岐の数をより高めるために、好ましくは130℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。
【0146】
<重合体>
本発明の製造方法で得られるエチレン系重合体としては、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−スチレン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−ノルボルネン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−プロピレン−スチレン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−プロピレン−ノルボルネン共重合体などがあげられる。
【0147】
エチレン系重合体として好ましくは、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−スチレン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−ノルボルネン共重合体であり、より好ましくは、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体である。
【0148】
エチレン系重合体の炭素原子1000個当りのブチル分岐の数は、エチレン系重合体の機械的強度を高める観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは3以上であり、更に好ましくは5以上であり、特に好ましくは10以上である。また、ブチル分岐の数は、エチレン系重合体の剛性を高める観点から、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、更に好ましくは25以下である。該ブチル分岐の数は、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)法、IR法などによって求めることができる。
【0149】
エチレン系重合体の融点は、エチレン系重合体の機械的強度を高める観点から、好ましくは130℃未満である。融点は、示差走査型熱量計を用いて求めることができる。
【0150】
重合用触媒の調製において使用する三量化用触媒成分とオレフィン重合用触媒成分のモル比(三量化用触媒成分/オレフィン重合用触媒成分)を高くすることにより、また、重合温度を低くすることにより、エチレン系重合体の炭素原子1000個当りのブチル分岐の数を多くすることができる。
【0151】
エチレン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、重合体の加工性を高めるために、好ましくは1.5以上である。また、重合体の機械的強度を高めるために、Mw/Mnは、好ましくは20以下である。該分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によってポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。
【0152】
エチレン系重合体は、公知の成形加工方法、例えば、インフレーションフィルム成形加工法やTダイフィルム成形加工法などの押出成形法;中空成形法;射出成形法;圧縮成形法;架橋発泡成形法などにより、各種成形体(フィルム、シート、容器(ボトル、トレーなど)など)に成形され、使用される。
【0153】
エチレン系重合体は、公知の樹脂とブレンドして成形されてもよい。また、成形体は、エチレン系重合体を含有する単層の成形体でもよく、エチレン系重合体を含有する層を有する多層の成形体であってもよい。
【0154】
成形体としては、食品包装用フィルム、食品包装用容器、医薬品包装材、表面保護フィルム、半導体製品などの包装に用いる電子部品包装材、架橋発泡成形体、押出発泡成形体、中空成形体、ブローボトルやスクイーズボトルなどがあげられる。
【実施例】
【0155】
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
【0156】
<エチレン系重合体の製造>
実施例および比較例における各項目の測定値は、次の方法に従って測定した。測定試料には必要におうじて、予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm)を配合した。
【0157】
(1)分子量及び分子量分布(Mw/Mn)
RapidGPC(Symyx社製)を用いて以下の条件により測定した。
送液装置 :(LCポンプ)Gilson社製
Model305(ポンプヘッド25.SC)
カラム :PolymerLaboratories(PL)社製
PLgel Mixed−B 10μm
7.5mmφ×300mm
移動相 :o−ジクロロベンゼン
溶解溶媒 :1,2,4-トリクロロベンゼン
流量 :2ml/分
カラム温度:160℃
検量線 :PL社標準品 ポリスチレン(PS) 8試料
(標準PS分子量)5,000、10,050、28,500、65,500
185,400、483,000、1,013,000、3,390,000
【0158】
(2)融点(単位:℃)
示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200R)を用いて、以下の条件で重合体の融点を測定した。融点は、2回目の昇温でのサーモグラムから求めた。
[条件]20℃−(20℃/分)→200℃(10分ホールド)−(−20℃/分)→−100℃(10分ホールド)−(20℃/分)→200℃(10分ホールド)
【0159】
(3)ブチル分岐数
得られたポリマー中のブチル分岐数は赤外吸収スペクトルから求めた。なお、測定および計算は、文献(赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション、高山、宇佐美等著)記載の方法に準じ、ヘキセン由来の特性吸収を利用して実施した。ブチル分岐数は、1000炭素当たりの分岐数(Me/1000C)として表した。
【0160】
[実施例1]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(錯体2)0.09μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で3分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、47.4×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、Mwは4.3×10、Mw/Mnは1.9、融点は128.1℃、ブチル分岐数は2であった。
結果を表1に記す。
【0161】
[実施例2]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体3)0.005μmolと、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(錯体2)0.095μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で3分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、49.9×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、Mwは4.4×10、Mw/Mnは2.0、融点は127.5℃、ブチル分岐数は3であった。
結果を表1に記す。
【0162】
[実施例3]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体3)0.01μmolと、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(錯体2)0.09μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で5分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、33.1×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、Mwは4.6×10、Mw/Mnは2.0、融点は122.5℃、ブチル分岐数は5であった。
結果を表1に記す。
【0163】
[実施例4]
オートクレーブに窒素下で、1−ヘキセンを0.02ml、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(錯体2)0.09μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で9分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、12.9×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、Mwは2.8×10、Mw/Mnは2.3、融点は113.0℃、ブチル分岐数は10であった。
結果を表1に記す。
【0164】
[実施例5]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.64ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液160μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル)−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体3)0.01μmolと、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(錯体4)0.09μmolとのトルエン溶液900μL、および濃度が0.001mmol/mLであるトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液300μLを投入して重合を開始し、70℃で51分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、0.94×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、Mwは2.1×10、Mw/Mnは1.5、融点は129.2℃、ブチル分岐数は5であった。
結果を表2に記す。
【0165】
[比較例1]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド(錯体5)0.09μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で8分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、21.1×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、融点は132.4℃であった。
結果を表1に記す。
【0166】
[比較例2]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.7ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製 TMAO)のトルエン溶液400μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、エチレン(ビスインデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体6)0.09μmolとのトルエン溶液900μLを投入して重合を開始し、70℃で6分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、34.4×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、融点は132.8℃であった。
結果を表1に記す。
【0167】
[比較例3]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.64ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液160μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド(錯体5)0.09μmolとのトルエン溶液900μL、および濃度が0.001mmol/mLであるN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液300μLを投入して重合を開始し、70℃で6分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、23.1×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、融点は134.5℃であった。
結果を表2に記す。
【0168】
[比較例4]
オートクレーブに窒素下で、トルエンを3.64ml仕込み、系内の温度を70℃まで昇温し、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。次に、濃度が0.25mmol/mLであるトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液160μLを、オートクレーブ内に投入した。次に、オートクレーブ内に、[1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−シクロペンタジエニル]チタニウムトリクロライド(錯体1)0.01μmolと、ジメチルシリレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド(錯体5)0.09μmolとのトルエン溶液900μL、および濃度が0.001mmol/mLであるトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液300μLを投入して重合を開始し、70℃で2分間重合を行った。重合中はオートクレーブ内の全圧を一定に維持するように、エチレンガスを供給した。重合終了後、オートクレーブ内のエチレンをパージして、揮発成分を減圧留去して除去することにより、重合体を得た。活性は、遷移金属錯体1mol当たり、1時間当たり、63.0×10gであった。
得られた重合体の物性を測定したところ、融点は134.8℃であった。
結果を表2に記す。
【0169】
表1

【0170】
表2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される遷移金属錯体からなるオレフィン重合用触媒成分と、
下記一般式(2)で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、
活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法。


(式中、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
は元素の周期律表の第16族の原子を表し、
は元素の周期律表の第14族の原子を表す。
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
、X、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合してJと一緒になって環を形成していてもよい。)


(式中、Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表し、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、Jは炭素原子を表し、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、置換基を有していてもよいハイドロカルビル基または水素原子を表す。
2つのRはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、2つのRは結合して、Jと一緒になって環を形成していてもよい。
、X及びXはそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXのうち、2つの基は結合して、Mと一緒になって環を形成していてもよい。)
【請求項2】
一般式(2)におけるCpがη−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基である遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分である請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
【請求項3】
下記一般式(1)で表される遷移金属錯体からなるオレフィン重合用触媒成分と、
下記一般式(3)で表される遷移金属錯体からなる三量化用触媒成分と、
活性化助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法。


(式中、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
は元素の周期律表の第16族の原子を表し、
は元素の周期律表の第14族の原子を表す。
Cpはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を表す。
、X、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、R、R及びRのうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R及びRは結合してJと一緒になって環を形成していてもよい。)


[式中、Mは元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、
10、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
15及びR16はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
、X及びXはそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
−Si(R(3つのRはそれぞれ独立に、水素原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、3つのRにある炭素原子数の合計が1〜20である。)で示される置換シリル基、
又は−N(R(2つのRはそれぞれ独立にハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表し、2つのRにある炭素原子数の合計が2〜20である。)で示される2置換アミノ基を表し、
10、R11、R12、R13及びR14のうち、隣接した2つの炭素原子に結合する2つの基は結合して、該2つの基が結合している2つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、X、X及びXは結合してMと一緒になって環を形成していてもよく、R15及びR16は結合してそれらが結合しているケイ素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]

【公開番号】特開2011−99091(P2011−99091A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216593(P2010−216593)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】