説明

エッチング装置

【課題】本発明は、エッチング液の流れを促進させ、高密度回路が形成される基板を高い収率で製造できるエッチング装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るエッチング装置は、基板(220)を支持する基板支持台(210)と、基板(220)にエッチング液(240)を噴射する噴射ノズル(230)と、エッチング液(240)の流れが促進されるように基板支持台(210)の外周縁に配置され、エッチング液(240)を回収する吸入器(250)と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品を駆動させる印刷回路基板には多数の複雑な工程が行われ、その中でも、電気信号の伝達のための核心的な役割をするのが回路形成工程、すなわち、エッチング工程である。
【0003】
従来の湿式エッチング工程によれば、水平回転ロール(roll)により基板が移送され、基板にエッチング液を噴射することにより基板がエッチングされ、特に、ロールによる基板の損傷を低減させるために、基板の両側と中間部分のみをロールで支持する3点ロール方式により基板が移送された。
【0004】
図2は、従来技術によるエッチング装置を示す概略図である。図2に示すように、従来技術によるエッチング装置100は、3点ロール110で基板120が支持され、ノズル140から基板120上にエッチング液130が噴射されることにより、基板120自体の荷重及びノズル140から噴射されるエッチング液130のため基板120が重力方向(図中下方向)に曲げられてエッチング液130が溜まるという問題点があった。
【0005】
このように、エッチング液が循環しなく一定領域に溜まる場合、局所的に過エッチングや異物質の溜まりなどの問題が発生し、結果的に、製品の収率が低くなり、高密度回路の形成に障害となるため、エッチング液の流れを促進できるエッチング装置が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は基板上でのエッチング液の流れを促進することができるエッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、基板を支持する基板支持台と、基板にエッチング液を噴射する噴射ノズルと、エッチング液の流れを促進するために、基板支持台の外周縁に配置され、エッチング液を回収する吸入器と、を含むエッチング装置が提供される。
【0008】
エッチング液の流れが促進されるように、基板支持台の外周縁に吸入器に対向して配置され、基板に補助流体を噴射する吐出器をさらに含むことができる。エッチング液が吸入器に流れ込むように、基板支持台を吸入器側に傾くことができる。噴射ノズルは基板支持台に対応して傾くことができる。
【0009】
エッチング液が溜まることを防止するために、噴射ノズルに隣接して配置され、基板に補助流体を噴射する補助ノズルをさらに含むことができる。噴射ノズル及び補助ノズルは、各々複数であり、補助ノズルは噴射ノズルの間にそれぞれ配置されてもよい。噴射ノズルは、2流体ノズルであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、基板上でのエッチング液の流れを促進させることにより、高密度回路が形成される基板を高い収率で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るエッチング装置の実施形態を添付図面に基づいて詳しく説明し、添付図面を参照して説明することにおいて、同一かつ対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに対する重複される説明は省略する。
【0012】
また、「結合」とは、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合だけを意味することではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合も含む概念として用いられる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるエッチング装置を示す概略図である。図1を参照すると、エッチング装置200、基板支持台210、基板220、噴射ノズル230、エッチング液240、吸入器250、流体吸入部260、吐出器270、流体供給部280、補助流体285、補助ノズル290が示されている。
【0014】
本実施形態によれば、吸入器250を基板支持台210の外周縁に配置してエッチング液240を回収することにより、基板220に噴射されるエッチング液240の流れを促進することができ、吸入器250に対向するように吐出器270を配置して補助流体285を噴射することにより、吸入器250に流れ込むエッチング液240の流れをより円滑にすることができるエッチング装置200が提示される。
【0015】
また、基板支持台210と噴射ノズル230とを吸入器250方向に傾けることにより、基板220に噴射されるエッチング液240が吸入器250に、より容易に回収できるようになり、噴射ノズル230に隣接する補助ノズル290から補助流体285が噴射されることにより、エッチング液240が基板220に局所的に溜まることを防止できるエッチング装置200が提示される。
【0016】
また、噴射ノズル230として2流体ノズルを用いることにより、エッチング液240の流れの速度をさらに促進できるエッチング装置200が提示される。
【0017】
基板支持台210は、基板220を支持することができ、駆動装置(図示せず)により基板支持台210を駆動させることにより、基板220を移送することができる。なお、駆動装置は、当業界において通常使用されているものであり、例えば、マイコン制御により基板支持台の駆動ローラを回転制御して該基板支持台を駆動させるものである。この際、基板支持台210は噴射ノズル230から基板220に噴射されるエッチング液240が吸入器250に容易に流れ込むように、吸入器250の方に傾くことができ、この場合、基板支持台が地面となす角度は0度〜90度になるように傾くことができる。
【0018】
基板支持台210は、吸入器250が配置されている方向に傾き、これにより支持されている基板220が吸入器250の方に傾くことになるので、基板220に噴射されるエッチング液240が重力により吸入器250側の方に流れ込むことになり、吸入器250が、より容易にエッチング液240を回収できるようになる。吸入器250については、後でより詳しく説明する。
【0019】
噴射ノズル230は、基板220にエッチング液240を噴射することができる。すなわち、噴射ノズル230は基板支持台210の位置に対応して基板支持台210上に配置されることができ、基板220にエッチング液240を噴射して、例えば、回路パターンなどを形成することができる。
【0020】
この際、噴射ノズル230は基板支持台210に対応して傾けることができ、基板支持台210により傾くように支持されている基板220上に略垂直にエッチング液240を噴射することができるため、より均一に基板220の表面をエッチングすることができる。
【0021】
また、噴射ノズル230はエッチング液240と共に、例えば、空気、アルゴン(Ar)、または窒素(N)などを噴射できる2流体ノズルであってもよく、これにより、噴射ノズル230の噴射圧力を10倍以上増加させられるので、噴射されるエッチング液240の速度を増加させてエッチング液の流れを、より促進させることができる。
【0022】
この場合、基板220と反応して還元されたエッチング液240を、エッチング液240と共に噴射される空気などで酸化させ再生できるため、エッチング液240を酸化させ再生するための別途添加剤の必要量が減少して基板220の製造費用を節減することができる。
【0023】
吸入器250は、エッチング液240の流れが促進されるように、基板支持台210の外周縁に配置され、エッチング液240を回収できる。すなわち、吸入器250は基板支持台210の一側に配置され、基板220上に噴射されたエッチング液240を吸入して流体吸入部260に回収でき、このためエッチング液240の流れを促進させて高密度の微細回路パターンを形成することができる。
【0024】
吐出器270は、エッチング液240の流れが促進されるように、基板支持台210の外周縁に吸入器250に対向するように配置されて基板220に補助流体285を噴射することができる。すなわち、吐出器270は吸入器250に対応して基板支持台210の他側に配置され、例えば、エッチング液240と空気で構成される補助流体285を流体供給部280から噴射することができ、このため吸入器250が、より容易にエッチング液240を回収できるようになる。
【0025】
補助ノズル290は、エッチング液240の溜まりを防止するために、噴射ノズル230に隣接して配置され、基板220に補助流体285を噴射することができる。また、噴射ノズル230及び補助ノズル290は、それぞれ複数であってもよく、補助ノズル290は、噴射ノズル230の間にそれぞれ配置されてもよい。
【0026】
補助ノズル290が噴射ノズル230に隣接して配置され、エッチング液240が局所的に溜まる領域に、例えば、エッチング液240と空気で構成される補助流体285を噴射することにより、エッチング液240が溜まることを防ぐことができ、結果的に、エッチング液240の流れを促進させることができる。
【0027】
また、噴射ノズル230の間に補助ノズル290を配置させることにより、噴射ノズル230の間の空間に停滞する恐れのあるエッチング液240が円滑に流れるように誘導してエッチング液240が溜まることを防ぐことができ、結果的に、エッチング液240の流れを促進させることができる。なお、エッチング装置の全体制御は、例えば、マイコン制御、またはマイコン制御と同等の性能を有するものであればよく、噴射ノイズ230に制御信号を出力して該制御信号に応答して噴射ノイズからエッチング液の噴射が行われる。前述した実施形態以外の多様な実施形態が本発明の特許請求の範囲内に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態によるエッチング装置を示す概略図である。
【図2】従来技術によるエッチング装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0029】
200 エッチング装置
210 基板支持台
230 噴射ノズル
250 吸入器
260 流体吸入部
270 吐出器
280 流体供給部
290 補助ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する基板支持台と、
前記基板にエッチング液を噴射する噴射ノズルと、
前記エッチング液の流れが促進されるように、前記基板支持台の外周縁に配置され、前記エッチング液を回収する吸入器と、
を含むことを特徴とするエッチング装置。
【請求項2】
前記エッチング液の流れが促進されるように、前記基板支持台の外周縁に前記吸入器に対向するように配置され、前記基板に補助流体を噴射する吐出器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項3】
前記エッチング液が前記吸入器へ流れるように、前記基板支持台が前記吸入器側に傾くことを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項4】
前記噴射ノズルが、前記基板支持台に対応するように傾くことを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項5】
前記エッチング液が溜まることを防止するために、前記噴射ノズルに隣接して配置され、前記基板に補助流体を噴射する補助ノズルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項6】
前記噴射ノズル及び前記補助ノズルは、それぞれ複数であり、前記補助ノズルは、前記噴射ノズルの間にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項5に記載のエッチング装置。
【請求項7】
前記噴射ノズルは、2流体ノズル(2−stream nozzle)であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−141313(P2009−141313A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148037(P2008−148037)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】