説明

エレクトロルミネッセンス配合物

発明は、小分子有機機能性材料を含む乳濁液及び分散液、それらの調製のため方法、小分子有機機能性材料と、任意にさらなる有機機能性材料とを含むエレクトロニクス素子及びエレクトロニクス素子の調製のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、とりわけ、配合物、それらの調製のための方法、及び、エレクトロニクス又は光エレクトロニクスの素子の調製のための前記配合物の使用に関する。
【0002】
有機エレクトロルミネセンス素子(OLEDs)、有機電界効果トランジスタ (OFETs)、有機光起電セル(OPVs)、有機発光電気化学セル (OLECs)、光検出器及び全ポリマー集積電子回路エレクトロニクスのような有機電子機器は、材料設計、軽量、及び、広い領域での応用に用途が広いため、過去20年の間により注意を引いている。これらの有機電子機器素子は、通常、多層構造を含む。これにより、活性な有機材料をナノからメゾスコピックスケールで基板に析出させることが重要である。加えて、有機多層構造の形成は、非制御な方法で基底層に影響を及ぼすことなく生じなければならない。有機電子機器の量産のための、経済的な技術の発達は、使用された現在の技術と比較し、それらの競争のための決定的な役割を持つであろう。量産のための費用削減は、それゆえ、有機電子機器の商業的成功のための必須の先行条件である。この目的を達成するため、溶液ベースの析出方法は、溶液を供給し得る。しかしながら、特に多層構造が小さな分子を含む場合に、現在の技術は、有機電子機器のための多層構造を十分に準備するための競争的な方法を提供するものではない。これは、既に析出された層に他の層を積層するとき、既に析出された層が、少なくとも部分的に、溶解又は洗浄されるかもしれないという事実のためである。
【0003】
OLEDsの場合、パターンされた発光層の形成は、重要であるが、エレクトロルミネッセンス素子の生産における困難な工程である。例えば、分離された赤、緑及び青のパターンされたエミッター層の形成は、エレクトロルミネッセンスフルカラー表示素子の生産に典型的に要求される。真空蒸着(例えば、シャドーマスク)は、パターンされた層各々の形成のために最も一般的な技術である。しかしながら、真空蒸着技術は、OLEDsのような有機材料を含む多層構造の商業的な発達を著しく妨げるかもしれない2、3の不利益を有する。これらの技術は、必要とされる設備の点でやや複雑である。特に、大型表示用で、パターンされた層の製造のための他の方法が必要とされる。溶液からの析出材料に基づく方法は、それらの期待された大型素子の製作への適合性のために特に望ましい。
【0004】
可能な技術は、例えば、インクジェット印刷、浸漬被覆、スピンコーティング、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレード被覆、及び、スロットダイ被覆等である。インクジェット印刷は、高い解像度の表示が調製されることを許容するため、特に好ましい。しかしながら、これらの技術の全ては、有機半導体の多目的への応用に苦しみ、それゆえ、多層構造を形成するための他の方法を見つけることを高く要求される。このために二つのアプローチがある。第一は、EP 0637899 A1に記載されているような、架橋性化合物を使用することで、ここで、第一は、次の層を第一の層に被覆又は印刷する前に、熱的又はUV光に晒すことにより誘導された架橋により第一の層を固定することである。このアプローチの不利な点は、層中に架橋性化合物を導入しなければならないか、有機官能性化合物中の架橋性官能基をデザインすらしなければならない、さらには、残存する架橋性基は、素子性能に対して有害でもあり得た。第2のアプローチは、いわゆる直交溶媒を使用することであり、例えば、第一の層は、第二の層が被覆されるであろう溶液中の溶媒に不溶である。そのため、一つは、直交溶媒に溶解可能な一対の化合物を有しなければならないか、直交溶媒の状態を満たす最適な配合を見つけなければならない。
【0005】
一つのアプローチは、共役ポリマーが半導体ポリマーナノ球体(SPNs)と呼ばれる小さな球形ユニットの形態にある共役ポリマー分散液を小乳濁液から調製することが、WO 2003/050147 A1に開示されている。小乳濁液は、溶媒A、溶媒Aに不溶性の化合物の溶液(溶媒B)及び少量の界面活性剤を含み、溶媒Aが溶媒Bに不混和性である系にせん断力を加えることにより作製され、1から7000nmの独特なサイズの小滴の安定な乳濁液であると理解されている。ポリマー粒子は、溶媒Aの気化後のそのような小滴から得られ得る。WO 2003/050147 A1に開示された、分散液中の共役ポリマーの配合物は、例えばOLEDs及びOPVs中に多層構造を作製するために使用され得る。ポリマーの析出は、先行技術として知られている。
【0006】
しかしながら、小分子(SMOLEDs)に基づいたOLEDsの性能は、共役ポリマー(PLEDs)に基づいたOLEDsと比較して、多くの場合、優れている。PLEDsは、例えば、不十分な寿命に苦しむ。一方、最近、SMOLEDsは、色彩、寿命及び駆動電圧の観点で優れた性能を示す。実際に、SMOLEDsは、携帯電話のような小さな表示市場への商業的な参入が既に達成されている。低い材料利用を導き、かつ素子寸法が制限されるという熱的真空析出の不利益を解消するため、本発明は、特に、小乳濁液中の小分子化合物及び多層構造の形成を促進する分散液を構築する方法に関する。
【0007】
それゆえ、これらの化合物の化学的構造を変更することなく、それらの好ましいエレクトロニクス及び光エレクトロニクスの特性を得るために、小分子に基づいた材料を大きな面積に構築及び被覆する方法を見つけることが高く望まれる。
【0008】
本発明の目的は、先行技術で知られた問題を解消することである。特に、本発明の目的は、乳濁液及び分散液、それらの調製のための方法、及び、多層構造を持つエレクトロニクス及び光エレクトロニクスの素子の調製のためのそれらの使用を提供する。
【0009】
驚くことに、機能性材料を含む乳濁液及び分散液が形成され得ることが見つけられている。これらの乳濁液及び分散液は、配合物としてここにおいて一般的に言及され、溶液からの単純な析出技術を使用することにより層及び多層構造を持つ素子を調製するために使用され得る。本発明に係る配合物は、太陽電池及び光起電セルのような光エレクトロニクス素子の調製に特に重要で、かつ有用である。
【0010】
乳濁液及び分散液の一般的な識別は、一つ又はそれ以上の不連続相の組成に及んでいる。乳濁液は、本発明において概要が以下に述べられている、小分子有機機能性材料及び/またはさらなる有機機能性材料に加え、少なくとも一つの溶媒を含む。溶媒が除かれると、分散液が得られる。配合物の不連続相は、乳濁液及び分散液それぞれの場合において、ナノ小滴及びナノ粒子の形態で存在し得る。
【0011】
本発明は配合物に関し、配合物が少なくとも一つの連続相及び少なくとも一つの不連続相を含むことを特徴とし、少なくとも一つの不連続相が少なくとも一つの小分子有機機能性材料を含むことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、本発明に係る配合物が一つの連続相を含む。特に好ましくは、本発明に係る配合物が一つの連続相及び一つの不連続相を含む。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、不連続相は、4、特に好ましくは3、最も好ましくは2つの小分子有機機能性材料を含む。
【0014】
本発明の他の特に好ましい実施形態において、不連続相は、一つの小分子有機機能性材料を含む。好ましくは、本発明に係る配合物が少なくとも一つの界面活性剤を含み、好ましくはそれが3つの界面活性剤を含み、特に好ましくはそれが2つの界面活性剤を含み、さらに特に好ましくはそれが1つの界面活性剤を含む。界面活性剤は、乳濁液を安定させるために使用され得る。本発明に適した界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0015】
ここにおける使用に適切なアニオン界面活性剤の非制限的な実施例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、硫酸化モノグリセリド(monoglycerides)、硫酸化オレフィン、アルキルアリルスルホン酸塩、一級又は二級アルカンスルホン酸塩、アルキルスルホサクシネート、アシルタウレート(taurates)、アシルイソチアネート、アルキルグリセルエーテル(glycerylether)スルホン化メチルエーテル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタミ酸塩、アシルサルコシン塩、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルアクチレート(acyl lactylates)、 アニオンフルオロ界面活性剤、ナトリウムラウロイルグルミタン酸塩、及びそれらの組み合わせを含む。
【0016】
本発明の使用に適切なアニオン界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテル硫酸塩を含む。これらの材料は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mを有する。ここで、Rは約 8〜約24の 炭素原子のアルキルまたはアルケニル、 xは1〜10、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性カチオンである。アルキルエーテル硫酸塩は、エチレンオキシドと約8〜約24の炭素原子を持つ1価アルコールとの縮合生成物として典型的になる。好ましくは、Rはアルキルとアルキルエーテルの硫酸塩の双方において、約 10〜約 18の炭素原子である。アルコールは、例えばココナツ油または脂肪組織などの脂肪に由来されえ、あるいは合成可能なものである。ラウリルアルコール及びココナツ油由来の直鎖アルコールがここにおいて好ましい。そのようなアルコールは、約1〜約 10、好ましくは約3〜約 5、特に好ましくは約3のモル比率のエチレンオキシドと反応し、例えば、1モルのアルコールに対して3モルのエチレンオキシドの平均を有するモル種の結果混合物が、硫酸化され、中和される。
本発明において使用されて良い、アルキルエーテル硫酸塩の特殊な実施例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩のナトリウム及びアンモニウム塩、脂肪アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩のナトリウム及びアンモニウム塩、及び、脂肪アルキルヘキサオキシエチレン硫酸塩のナトリウム及びアンモニウム塩である。より好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記化合物は、約10〜約16の炭素原子の平均アルキル鎖長と、約 1〜約 4モルのエチレンオキシドのエトキシ化の平均度数とを有する。.
本発明に係る使用に好ましいアニオン界面活性剤は、アンモニウムラウリル硫酸塩、アンモニウムラウレス(laureth)硫酸塩、トリエチルアミンラウリル硫酸塩、トリエチルアミンラウレス(laureth)硫酸塩、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、トリエタノールアミンラウレス(laureth)硫酸塩、モノエタノールアミンラウリル硫酸塩、モノエタノールアミンラウレス(laureth)硫酸塩、ジエタノールアミンラウリル硫酸塩、ジエタノールアミンラウレス(laureth)硫酸塩、ラウリック(lauric)モノグリセリドナトリウム硫酸塩、 ナトリウムラウリル硫酸塩、ナトリウムラウレス(laureth)硫酸塩、 カリウムラウリル硫酸塩、カリウムラウレス(laureth)硫酸塩、ナトリウムラウリルサルコシネート、 ナトリウムラウロイル(lauroyl)サルコシネート、ラウリルサルコシ、ココイルサルコシ、アンモニウムココイル硫酸塩、アンモニウムラウロイル硫酸塩、ナトリウムココイル硫酸塩、ナトリウムラウロイル硫酸塩、カリウムココイル硫酸塩、カリウムラウリル硫酸塩、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、トリエタノールアミンラウリル硫酸塩、モノエタノールアミンココイル硫酸塩、モノエタノールアミンラウリル硫酸塩、硫酸ドデシルナトリウム、ナトリウムトリデシルベンゼンスルホン酸塩、及びそれらの組み合わせを含む。
【0017】
好ましい好ましいアニオン界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルベンジル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンジルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、及びアルキルカルボン酸塩から選択され、特に好ましくは硫酸ドデシルナトリウム (SDS)である。
【0018】
本発明の使用に適切な両性界面活性剤は、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり得る脂肪族の二級及び三級アミン類の誘導体として広く記載されたものを含み、ここで、つの of the 脂肪族置換基のひとつは約 8〜約 18の炭素原子を含み、一つは、例えばカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸、リン酸塩あるいはホスホン酸塩などのアニオン水溶性基を含む。この定義を満たす化合物の実施例は、ナトリウム 3-ドデシル-アミノプロピオン酸塩、ナトリウム3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸塩、ナトリウムラウリルサルコシネート、ドデシルアミンをUS 2658072の教示によるナトリウムイセチオン酸塩と反応させることにより調製されるようなN-アルキルタウリン、US 2438091の教示により生成したもののようなN-高級アルキルアスパラギン酸、及びUS 2528378に記載の製品である。
【0019】
本発明において、カチオン界面活性剤も使用されることが可能である。好ましいカチオン界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)及び他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロライド(CPC)、ポリエトキシ化脂肪族アミン(POEA)、塩化ベンズアルコニウム(BAC)、及び、塩化ベンゼトニウム(BZT)から選択される。
【0020】
本発明の使用に適切な非イオン界面活性剤は、McCutcheion's Detergents and Emulsifiers, North American edition (1986), Allured Publishing Corp.,及びMcCutcheion's Functional Materials, North American edition (1992)、これらは参照によりここに組み込まれる、に記載されているものを含む。ここでの適切な使用のための非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化(alkoxylated)脂肪酸エステル、スクロースエステル、アミン酸化物、及びそれらの組み合わせを含む。
【0021】
本発明による使用に適切な非イオン界面活性剤は、有機疎水性化合物を持つアルキレンオキシド基(性質において水溶性)の縮合生成物を含み、それは性質において脂肪族またはアルキル芳香族であると良い。非イオン界面活性剤の好ましい種類は以下のものを含む:
1) アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、例えば、エチレンオキシドを備え、かつ直鎖または分岐鎖のいずれかの形態において約 6〜約 20の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物であり、エチレンオキシドはアルキルフェノール1モル当たり約 10〜約 60モルのエチレンオキシドと等価な量で存在する;
2) エチレンオキシドの縮合物に由来し、プロピレンオキシドとエチレンジアミン生成物の反応により生成した結果物を有する非イオン界面活性剤;
3) 例えば直鎖または分岐鎖のいずれかの形態において約8〜約18の炭素原子を有し、エチレンオキシドを持つ脂肪族アルコールの縮合生成物、例えば、ココナッツアルコール1モル当たり約10〜約30モルのエチレンオキシドを有するココナッツアルコールエチレンオキシド縮合物、ココナッツアルコール留分は約 10〜約 14の炭素原子を有する;
4)長鎖3級アミン酸化物;
5)長鎖3級ホスフィンオキシド;
6) 約 1〜約 3の炭素原子 (通常メチル)の一つの短鎖アルキルまたはヒドロキシアルキルラジカルと、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、またはケトアルキルラジカルを含み、約 8〜約 20の炭素原子、0〜約 10のエチレンオキシド成分及び0〜約 1 グリセリル成分を含む一つの長い疎水性鎖とを含む長鎖ジアルキルスルホキシド;
7) 約 6〜約 30の炭素原子を持つ疎水性基と親水性基として多糖 (例えばポリグリコシド)とを有し、疎水性及び親水性の成分と結合するポリアルキレンオキシド基を任意に有し、ここで、アルキル基(例えば疎水性成分)が飽和、不飽和、分岐あるいは非分岐、非置換または置換 (例えばヒドロキシまたは炭素環)であり、US 4565647に記載されているアルキルポリグリコシドのようなアルキル多糖(APS)界面活性剤;
8) 式R(O)OCH2CH(OH)CH2(OCH2CH2)nOH、ここで、nは約 5〜約200、好ましくは約 20〜約100、Rは約 8〜約 20の炭素原子の脂肪族ヒドロカルビルであり、のようなポリエチレングリコール (PEG) グリセリル脂肪酸エステル。
【0022】
本発明の使用に適切な両性イオン界面活性剤は、脂肪族4級のアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムの化合物の誘導体として広く記載され、ここで、脂肪族ラジカルは直鎖または分岐鎖であり得、脂肪族置換基の一つは約 8〜約 18の炭素原子を含み、一つが例えばカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸、リン酸塩またはホスホン酸塩などのアニオン基を含むものを含む。
【0023】
ここでの使用に適切な他の両性イオン界面活性剤は、ベタインを含み、これは、ココイル(coco)ジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルヒ゛ス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタインを含む。スルホベタイン(sulfobetaines)は、ココ(coco)ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル) スルホプロピルベタイン等;アミドベタイン及びアミドスルホベタインで表されて良く、ここでRCONH(CH2)3ラジカルはベタインの窒素原子に結合し、本発明に有用なものである。
配合物の不連続相は、ナノ小滴の形態で通常存在する。配合物におけるナノ小滴のサイズは、使用される界面活性剤の種類及び量によって調整可能である。好ましくは、硫酸ドデシルナトリウム (SDS)が本発明に係る配合物において使用される。
【0024】
界面活性剤の量は、配合物の全体の重量に基づいて、好ましくは0.1〜20 wt%の範囲で、特に好ましくは0.2〜10 wt%の範囲で、さらに特に好ましくは0.5〜5 wt%の範囲である。
本発明に係る配合物は、少なくとも一つの共安定剤(co-stabilizer)をさらに含んでいても良い。共安定剤として使用される疎水性化合物は、Ostwald成長に対して、本発明に係る配合物を浸透的に安定させる。
【0025】
DE 198 52 784に記載されているような適切な共安定剤(例えば、シラン、有機シラン、シロキサン及び長鎖エステル)は、本発明に係る配合物で使用されて良い。
【0026】
好ましくは、本発明に係る配合物は乳濁液であり、ここで、連続相及び不連続相の双方が少なくとも一つの溶媒を含む。本発明の他の好ましい実施形態は分散液であり、ここで、少なくとも一つのナノ小滴は、連続相に分散された固体ナノ粒子を示す。分散液は、例えば、この発明のいずれかで記述された不連続相から溶媒を除去することによって得られえる。好ましくは、連続相は、高い極性の第1の溶媒 を含む。特に好ましくは、第1の溶媒は、水、アルコール、グリコール、エーテル及びグリコールエーテルから選択される。好ましくは、不連続相は、第2の溶媒を含み、第2の溶媒は第1の溶媒または少なくとも二つの有機 溶媒の混合物と比較して低い極性を持つ有機溶媒である。
【0027】
本発明に係る配合物は、水中油型乳剤(標準あるいは直接の乳濁液)である。
【0028】
さらに好ましい実施形態において、連続相は低い極性の第1溶媒を含み、不連続相は第1の溶媒と比較して高い極性の第2の溶媒を含む。好ましくは、第2の溶媒 は、水及びアルコールから選択され、第1の溶媒は有機溶媒または少なくとも二つの有機溶媒の混合物である。
【0029】
さらに、本発明に係る配合物は油中水乳剤 (逆乳濁液)であって良い。
【0030】
適切なアルコールは、1)作動温度で液体の形態であり、2)200°C未満の沸点を持ち、それは配合物がコートされた後に加熱により除去されることが可能であるため、3) 溶媒として水を一緒に用いた場合、水と混和性で、好ましくは水に対する溶解度が2 g/Lより大きいものである。.前記作動温度は配合物が調製される温度を意味し、好ましくは室温である。アルコールについてのさらなる詳細は、有機化学のテキストまたは適切なハンドブックに見つけることが可能である。好ましいアルコールは、例えば、しかし制限されず、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、 n-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、ネオペンチルアルコール、3-ペンタノール、2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2-メチル-2-ブタノールのような、1〜12 C原子で直鎖または分岐のアルキル鎖を有するアルコールである。
【0031】
本発明の好ましい実施形態において、配合物における連続相の濃度は、10〜99 wt%、好ましくは20〜95 wt%、特に好ましくは40〜95 wt%、さらに特に好ましくは 50〜95wt%の範囲である。
【0032】
他の好ましい実施形態において、少なくとも二つの有機 溶媒の混合物は、2、3、4、5またはそれ以上の有機 溶媒を含んでいて良い。
【0033】
適切な有機 溶媒は、ケトン類、エステル、アミド、硫黄化合物、ニトロ化合物、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素を含む。芳香族及び複素環式芳香族の炭化水素と、塩化炭化水素は、好ましい 有機 溶媒である。
【0034】
特に好ましい有機 溶媒は、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、 o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、クロロホルム、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、1、4-ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1、2-ジクロロエタン、 1、1、1-トリクロロエタン、1、1、2、2-テトラクロロエタン、エチルアセテート、 n ブチルアセテート、ジメチルホルムアミド、 ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダン(indane)及び/又はそれらの混合物である。.
好ましい 実施形態において、前記連続相及び/又は前記 不連続相は、表面張力を減らすため、あるいは膜形成を改良するため、さらなる添加剤を含んでいても良い。適切な添加剤は、例えばWO 2003/019693 A2に好ましくは言及されえる。
【0035】
本発明に係る配合物は、例えば、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性改良剤、脱泡剤、脱気器、反応性または非反応性であって良い希釈剤、助剤、着色剤、色素または顔料、増感剤、安定剤、あるいは阻害剤のような一つ又はそれ以上のさらなる成分を含むことができる。
【0036】
用語有機機能性材料は、有機導電剤、有機半導体、有機色素、有機蛍光性化合物、有機 燐光性化合物、有機吸収化合物、 有機光増感化合物、有機光増感剤及び他の有機光活性化合物に言及される。用語有機機能性材料は、遷移金属、希土類、ランタニド及びアクチニドの有機-金属錯体も含む。
【0037】
有機機能性材料は、小分子、ポリマー、オリゴマー、あるいはデンドリマー、それらの融合または混合から選択されて良い。
【0038】
ここで使用される用語小分子は、ポリマー、オリゴマー、デンドリマーあるいは融合でない分子として定義される。特に、繰り返し構造は、小分子中に存在しない。小分子の分子量は、繰り返し単位の低い数、オリゴマーあるいはそれ以下のポリマーの範囲が典型的である。
【0039】
小分子の分子量は、好ましくは4000 g/mol未満で、特に好ましくは3000 g/molみまんで、さらに特に好ましくは2000 g/mol未満である。
【0040】
ここにおいて使用される用語小分子有機機能性材料は、小分子の基準を満たす有機機能性材料である。
【0041】
本発明のポリマーは、好ましくは10〜10000、特に好ましくは20〜 5000、さらに特に好ましくは50〜2000の繰り返し単位を好ましくは有する。この発明に係るオリゴマーは、好ましくは2〜9の繰り返し単位を有する。ポリマー及びオリゴマーの分岐指数は、0 (分岐を持たない直鎖ポリマー)〜1(完全に分岐したデンドリマー)である。ここで使用される用語デンドリマーは、Angew. Chem.、Int.Ed.1999、38、885におけるM. Fischer et al.によって定義される。
【0042】
本発明のポリマーの分子量(MW)は、好ましくは10000〜2000000 g/molの範囲内で、特に好ましくは100000〜1500000 g/molの範囲内で、さらに特に好ましくは200000〜1000000 g/molの範囲内である。MWの決定は、例えば、ポリスチレンを内部基準としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて当業者に知られた標準的な技術に従って実施され得る。
【0043】
ブレンドは、少なくとも一つのポリマー、デンドリマーまたはオリゴマー成分を含む混合物である。
【0044】
小分子有機機能性材料は重合可能な基を含まず、その意図は不連続相において重合反応を行って、ポリマー、デンドリマーまたはオリゴマーの有機機能性材料、たとえばCl、Br、I、O−トシラート、O−トリフラート、O−メシラート、O−ナノフラート、NH、SiMe3−n(n=1または2)、O SO、B(OR、−CR=C(R、C≡CHおよびSn(Rを得る。それゆえ、本発明のナノ小滴は、ナノスコピックなバッチ反応器とはみなされず、小分子有機機能性材料が最終生成物である。
【0045】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、小分子有機機能性材料は連続相に不溶である。
【0046】
本発明の意味において、その溶解度が0.4g/100ml未満、好ましくは0.1g/100ml、特に好ましくは0.001g/100ml未満であれば、材料または化合物は溶媒に不溶である。
【0047】
小分子有機機能性材料が4000g/mol以下、好ましくは3000g/mol以下、特に好ましくは2000g/mol以下であることを特徴とする配合物も本発明の主題である。
【0048】
本発明の他の主題において、配合物が乳濁液である場合、配合物は、不連続相が、1ないし7000nmの範囲、好ましくは1ないし3000nmの範囲、特に好ましくは5ないし2000nmの範囲、さらに特に好ましくは5ないし1000nmの範囲の平均直径を有するナノ粒子を形成することを特徴とする。
【0049】
小乳濁液は、ナノ小滴の平均直径が1ないし7000nmの範囲にあることを特徴とする。本明細書において用いる限り、乳濁液という用語は、小滴の平均サイズに依存するが、乳濁液および小乳濁液の両者をいう。
【0050】
本発明の他の主題において、配合物が分散液である場合、配合物は、不連続相が、1ないし5000nmの範囲、好ましくは10ないし2000nmの範囲、特に好ましくは10ないし500nmの範囲、さらに特に好ましくは10ないし300nmの範囲、より一層さらに特に好ましくは20ないし100nmの範囲の平均直径を有するナノ粒子を形成する。
【0051】
本発明のさらに他の実施形態の配合物において、配合物が乳濁液または分散液である場合、配合物は、不連続相がナノ小滴またはナノ粒子を形成し、ここで75%超、好ましくは80%超、特に好ましくは90%超、さらに特に好ましくは98%超のナノ小滴が、ナノ小滴の全平均直径の平均から、55%以下、好ましくは50%以下、特に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下だけはずれた平均直径を有する。
【0052】
乳濁液および分散液中のナノ小滴およびナノ粒子のサイズおよびサイズ分布は、それぞれ、当業者に知られている標準的な技術を用いて測定することができる。動的光散乱は、両者のパラメータを測定するのに用いることができる(Chu、 B. Laser Light scattering: Basic Principles and Practice、 2nd Edition. Academic Press (1992))。
【0053】
本発明の配合物は、小分子有機機能性材料に加えて、少なくとも一つのさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。それゆえ、不連続相が少なくとも一つのさらなる有機機能性材料を含むことを特徴とする配合物も、本発明の対象である。好ましくは、配合物は、3つ、特に好ましくは2つ、さらに特に好ましくは1つのさらなる有機機能性材料を含む。
【0054】
好ましくは、不連続相中の小分子有機機能性材料およびさらなる有機機能性材料の重量濃度は、0.5%ないし10%、好ましくは1ないし5%、特に好ましくは2ないし4%である。
【0055】
前記少なくとも一つのさらなる有機機能性材料は、小分子、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、ブレンドおよびこれらの混合物からなる群より選択される。
【0056】
本明細書において用いる限り、有機機能性材料という用語は小分子有機機能性材料およびさらなる有機機能性材料の両者をいう。
【0057】
前記小分子有機機能性材料は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体、および色素から選択される。
【0058】
好ましくは、前記小分子有機 機能性材料は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、および金属錯体から選択される。
【0059】
前記さらなる機能性材料は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体、および色素から選択される。
【0060】
前記さらなる機能性材料は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、および金属錯体から選択される。
【0061】
エミッター材料は、好ましくは、本発明内のどこかに概説したような有機エレクトロルミネッセンスエミッター材料のクラスから選択される。
【0062】
色素は、好ましくは、有機太陽電池もしくは有機光起電セル、または以下に説明するような色素増感太陽電池に関連して使用される化合物から選択される。
【0063】
本発明に係る小分子有機機能性材料およびさらなる有機機能性材料は、しばしば、それらの分子フロンティア軌道、すなわち最高占有分子軌道(HOMO)(ときに価電子帯とも呼ばれる)および最低非占分子軌道(LUMO)(ときに伝導帯とも呼ばれる)によって特徴づけられる。HOMOおよびLUMO準位は通常、たとえばXPS=X線光電子分光法、UPS=紫外線光電子分光法またはCV=サイクロボルタンメトリーによって測定されるか、または量子化学的な方法たとえば(時間異存)DFT=密度関数理論によって計算され、これらは当業者に知られている。また、当業者は、これらのエネルギー準位の絶対値が、用いられる方法に著しく依存するという事実を承知している。出願人は、有機半導体のエネルギー準位を決定する、矛盾のない組み合わせ方法を確立した。一連の半導体(20以上の異なる半導体)のHOMO/LUMO準位を、信頼性のある評価方法を伴うCVにより測定し、また同じ補正関数たとえばB3PW91および同じ基底セットたとえば6−31 G(d)をもつGaussian 03WのDFTによって計算した。その後、計算値を測定値に従って校正する。このような校正係数をさらなる計算に用いる。計算値と測定値との一致は非常に良好である。それゆえ、本発明のエネルギー準位の比較は、信頼できる基礎の上に設定される。エネルギーギャップまたはバンドギャップは、HOMOとLUMOとの間のエネルギー準位の差によって得られる。
【0064】
本発明に係る配合物は、正孔注入材料(HIM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。HIMとは、アノードから有機層へまたはアノードから注入される正孔(すなわち正電荷)を促進することができる、材料またはユニットをいう。典型的には、HIMは、アノードの仕事関数、すなわち−5.3eVに匹敵するかまたはより高いHOMO準位を有する。
【0065】
本発明に係る配合物は、正孔輸送材料(HTM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。本発明の組成物の有機機能性材料は、正孔輸送材料(HTM)でもよい。HTMは、正孔注入材料又はアノードから注入される正孔(すなわち正電荷)を輸送できる材料又はユニットであることによって特徴づけられる。HTMは通常、典型的には−5.4eVより高い、高HOMOを有する。多くの場合、HIMは、隣接する層に依存するが、HTMとしても機能しうる。
【0066】
本発明に係る配合物は、正孔ブロッキング材料(HBM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。HBMとは、多層構造において発光層または正孔輸送層に隣接して堆積した場合、正孔が流れて通過するのを防止する材料をいう。通常、これは、隣接する層中のHTMのHOMO準位と比較して、低いHOMOを有する。正孔ブロッキング層はしばしば、OLEDにおいて発光層と電子輸送層との間に挿入される。
【0067】
本発明に係る配合物は、電子注入材料(EIM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。EIMとは、カソードから有機層へ注入される電子(すなわち負電荷)を促進することができる材料をいう。EIMは通常、カソードの仕事関数に匹敵するまたは低いLUMO準位を有する。典型的には、EIMは−2.6eVより低いLUMOを有する。
【0068】
本発明に係る配合物は、電子輸送材料(ETM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。ETMとは、EIMまたはカソードから注入される電子(すなわち負電荷)を輸送することができる材料をいう。ETMは通常、典型的には−2.7eVより低い、低LUMOを有する。多くの場合、EIMは、隣接するそうに依存するが、ETMとしても役立つ。
【0069】
本発明に係る配合物は、電子ブロッキング材料(EBM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。EBMとは、多層構造において発光層または電子輸送層に隣接して堆積した場合、電子が流れて通過するのを防止する材料をいう。通常、これは、隣接する層中のETMのLUMO準位と比較して、高いLUMOを有する。
【0070】
本発明に係る配合物は、励起子ブロッキング材料(ExBM)から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。ExBMとは、多層構造において発光層に隣接して堆積した場合、励起子が拡散して通過するのを防止する材料をいう。ExBMは、発光層または他の隣接する層と比較して、高い三重項準位または一重項準位を有するのがよい。
【0071】
本発明に係る配合物は、エミッターから選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。エミッターという用語は、他の材料からの任意の種類のエネルギー移動によって励起子エネルギーを受け取ったとき、または電気的もしくは光学的に励起子を生成することによって、放射崩壊を起こして光を発光する材料をいう。2つのクラスのエミッター、すなわち蛍光エミッターおよび燐光エミッターがある。蛍光エミッターという用語は、励起一重項状態から基底への放射遷移を起こす材料又は化合物をいう。燐光エミッターという用語は、本明細書において用いる限り、遷移金属を含むルミネッセント材料又は化合物に関する。典型的には、これはスピン禁制遷移たとえば励起三重項状態からの遷移によって引き起こされる光を発光する材料を含む。
【0072】
本明細書において使用する限り、ドーパントという用語は、エミッターまたはエミッター材料の代わりにも用いられる。
【0073】
本発明に係る配合物は、ホスト材料から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。ホスト材料は通常、エミッターと組み合わせて用いられ、一般的に、エミッター材料と比較してHOMOとLUMOとの間に大きなエネルギーギャップを有する。加えて、ホスト材料は電子または正孔輸送材料として振舞う。また、ホスト材料は、電子および正孔輸送特性の両者を有しうる。一重項遷移がOLEDにおける光ルミネセンスに対して優勢な原因である場合、エミッターの吸収スペクトルとホスト材料の光ルミネセンススペクトルとの間の最大限の重なりが、非常に望ましい。これは、ホスト材料からエミッターへのエネルギー輸送を確実にする。
【0074】
ホスト材料は、特にOLEDにおいて燐光エミッターと組み合わせて用いられるホストを意味する場合、マトリックスまたはマトリックス材料とも呼ばれる。そして、エミッター単位を含む共重合体については、ポリマー骨格はホストと同じ意味を有する。
【0075】
本発明に係る配合物は、金属錯体から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。量子力学によれば、高いスピン多重性をもつ励起状態、たとえば励起三重項状態から基底状態への遷移は禁止されている。
【0076】
しかし、重原子、たとえばイリジウム、オスミウム、白金およびユーロピウムの存在かでは、強いスピン−軌道結合をもたらす、すなわち励起した一重項と三重項とが混ざり、三重項がいくぶん一重項の性質を獲得する。そして、一重項−三重項混合が非放射事象よりも速い放射崩壊速度を生じるならば、ルミネッセントが効率的になりうる。この種の発光は、最初にBaldo et al.; Nature 395, 151-154 (1998)によって報告されたように、金属錯体を用いて達成できる。たとえばB. O'Regan & M. Graetzel, Nature 353, 737 (1991)によって報告されたRu錯体のように、別の金属錯体も効率的で広帯域な光吸収材料として機能しうる。
【0077】
本発明に係る配合物は、色素から選択される一つ又はそれ以上の小分子有機機能性材料及び/又はさらなる有機機能性材料を含んでいてもよい。色素は一般的に、光を吸収し、それゆえ着色して見える無機又は有機物質として説明できる。光吸収材料としての色素の定義は、光を取り込んで、光エネルギーを光または任意の他の種類の変換されたエネルギーとして別の材料に伝えるというものである。
【0078】
本明細書のどこかで述べたHIMに加えて、好適なHIMは、フェニレンジアミン誘導体(US 3615404)、アリールアミン誘導体(US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US 3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP Showa 54 (1979) 110837)、ヒドラゾン誘導体(US 3717462)、アシルヒドラゾン、スチルベン誘導体(JP Showa 61 (1986) 210363)、 シラザン誘導体(US 4950950)、ポリシラン化合物(JP Heisei 2 (1990) 204996)、PVKおよび他の導電性高分子、アニリン系共重合体(JP Heisei 2 (1990) 282263)、導電性高分子チオフェンオリゴマー(JP Heisei 1 (1989) 211399)、PEDOT:PSS(スピンコートポリマー)、プラズマ析出フルオロカーボンポリマー(US 6127004、US 6208075、US 6208077)、ポルフィリン化合物(JP Showa 63 (1988) 2956965、US 4720432)、芳香族三級アミンおよびスチリルアミン(US 4127412)、ベンジジンタイプのトリフェニルアミン、スチリルアミンタイプのトリフェニルアミン、およびジアミンタイプのトリフェニルアミンである。フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、またはブタジエン誘導体も好適なように、アリールアミンデンドリマーを用いることもできる(JP Heisei 8 (1996) 193191)。
【0079】
好ましくは、HIMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびこれらの誘導体を含むモノマーの有機化合物から選択される。
【0080】
特に好ましいのは、三級芳香族アミン (US 2008/0102311 A1)、例えば、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-トリル)ベンジジン (= 4,4’-ビス[N-3-メチルフェニル]-N-フェニルアミノ)ビフェニル (NPD) (US 5061569)、 N,N’-ビス(N,N’-ジフェニル-4-アミノフェニル)-N,N-ジフェニル-4,4’-ジアミノ-1、1’-ビフェニル (TPD 232)および4,4’,4’’-トリス[3-メチルフェニル)フェニルアミノ]-トリフェニルアミン (MTDATA) (JP Heisei 4 (1992) 308688)、またはフタロシアニン誘導体、例えば、H2Pc、 CuPc、 CoPc、 NiPc、 ZnPc、 PdPc、 FePc、 MnPc、 ClAlPc、 ClGaPc、 ClInPc、 ClSnPc、 Cl2SiPc、 (HO)AlPc、 (HO)GaPc、 VOPc、 TiOPc、 MoOPc、 GaPc-O-GaPcである。
【0081】
特に好ましいのは、以下に示す式1(TPD 232)、2、3、および4のトリアリールアミン化合物であり、これは置換されていてもよく、さらなる化合物は、US 7399537 B2、 US 2006/0061265 A1、 EP 1661888 B1、 およびJP 08292586 Aに開示されている。
【0082】
正孔注入材料として適切なさらなる化合物は、EP 0891121 A1およびEP 1029909 A1に開示されている。一般的な正孔注入層は、US 2004/0174116に記載されている。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0083】
原理的には、当業者に既知のいずれかのHTMを、本発明の配合物において使用することができる。本明細書の他の場所で言及されるHTMに加えて、HTMは、好ましくは、アミン類、トリアリールアミン類、チオフェン類、カルバゾール類、フタロシアニン類、ポルフィリン類、これらの異性体および誘導体から選択される。HTMは、特に好ましくは、アミン類、トリアリールアミン類、チオフェン類、カルバゾール類、フタロシアニン類、およびポルフィリン類から選択される。
【0084】
正孔輸送層に適切な材料は、フェニレンジアミン誘導体 (US 3615404)、アリールアミン誘導体 (US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体 (US 3526501)、スチリルアントラセン誘導体 (JP A 56-46234)、多環芳香族化合物 (EP 1009041)、ポリアリールアルカン誘導体 (US 3615402)、 フルオレノン誘導体 (JP A 54-110837)、ヒドラゾン誘導体 (US 3717462)、スチルベン誘導体 (JP A 61-210363)、シラザン誘導体 (US 4950950)、ポリシラン (JP A 2-204996)、アニリン共重合体 (JP A 2-282263)、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、PVK、ポリピロール、ポリアニリンおよびさらなる共重合体、ポルフィリン化合物 (JP A 63-2956965)、芳香族ジメチリデン型化合物、カルバゾール化合物(例えば、CDBP、CBP、mCP、)芳香族三級アミンおよびスチリルアミン化合物 (US 4127412)、ならびにモノマーのトリアリールアミン類 (US 3180730)である。さらに、トリアリールアミノ基は、分子で存在していてもよい。
【0085】
好ましいものは、少なくとも2つの三級アミン単位を含む芳香族三級アミン類 (US 4720432およびUS 5061569)、例えば、4, 4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル (NPD) (US 5061569) またはMTDATA (JP A 4-308688)、 N,N,N’,N’-テトラ(4-ビフェニル)ジアミノビフェニレン(TBDB)、 1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン (TAPC)、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-3-フェニルプロパン (TAPPP)、 1,4-ビス[2-[4-[N、N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン (BDTAPVB)、 N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル (TTB)、 TPD、 N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’’’-ジアミノ-1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’-クアテルフェニル、ならびにカルバゾール単位を含む三級アミン類、例えば、4 (9H-カルバゾール-9-イル)-N,N-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ベンゼンアミン (TCTA)である。好ましいものは、さらに、US 2007/0092755 A1に記載のヘキサアザトリフェニレン化合物である。
【0086】
特に好ましいのは、以下の式5〜10のトリアリールアミン化合物(これらは置換されていてもよい)およびEP 1162193 B1、 EP 650955 B1、 Synth. Metals 1997, 91(1-3), 209、 DE 19646119 A1、 WO 2006/122630 A1、 EP 1860097 A1、 EP 1834945 A1、 JP 08053397 A、 US 6251531 B1、 およびWO 2009/041635に開示されているものである。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【0087】
原理的には、当業者に既知のいずれかのHBMを、本発明による配合物において使用することができる。本明細書の他の場所で言及されるHBMに加えて、適切な正孔ブロッキング材料は、例えばbis(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)-アルミニウム(III) (BAlQ)のような金属錯体(US 2003/0068528)である。Fac-tris(1-フェニルピラゾラート-N,C2)イリジウム(III) (Ir(ppz)3)は、この目的のために同様に使用される(US 2003/0175553 A1)。例えばBCPのようなフェナントロリン誘導体または例えばTMPPのようなフタルイミドが、同様に使用される。
【0088】
さらに、適切な正孔ブロッキング材料は、WO 00/70655 A2、WO 01/41512およびWO 01/93642 A1に記載されている。
【0089】
原理的には、当業者に既知のいずれかのEIMが、本発明による配合物において使用され得る。本明細書の他の場所で言及されるEIMに加え、8-ヒドロキシキノリンの金属錯体、複素環式有機化合物、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、アントラキノンジエチレンジアミン、これらの異性体および誘導体から選択される少なくとも1つの有機化合物を含むEIMが本発明により使用され得る。
【0090】
例えばAlq3およびGaq3のような8-ヒドロキシキノリンの金属錯体は、電子注入層に対するEIMとして使用され得る。カソードとの界面においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、Li、Cs、CaまたはMg)の添加を減らすことは、有利である。好ましいのは、Csを含む組み合わせ(例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbまたはCs、NaとK)である。
【0091】
例えば、1,10-フェナントロリン誘導体、ベンゾイミダゾール類、チオピランジオキシド類、オキサゾール類、チアゾール類、イミダゾール類またはオキサジアゾール類のような複素環式有機化合物も同様に適している。適切な窒素含有5員環の例は、オキサゾール類、チアゾール類、オキサジアゾール類、チアジアゾール類、トリアゾール類、およびUS 2008/0102311 A1に開示されている化合物である。
【0092】
好ましいEIMは、式11〜13の化合物から選択され、これらは置換または非置換であってよい。
【化11】

【化12】

【化13】

【0093】
フルオレノン類、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン類、ジフェノキノン類、アントロン類およびアントラキノンジエチレンジアミン類のような有機化合物も、使用され得る。例えば、
【化14】

【化15】

【0094】
である。
【0095】
原理的には、当業者に既知のいずれかのETMが、本発明による配合物において使用され得る。本明細書の他の場所で言及されるETMに加え、適切なETMは、イミダゾール類、ピリジン類、ピリミジン類、ピリダジン類、ピラジン類、オキサジアゾール類、キノリン類、キノキサリン類、アントラセン類、ベンズアントラセン類、ピレン類、ペリレン類、ベンゾイミダゾール類、トリアジン類、ケトン類、ホスフィンオキシド類、フェナジン類、フェナントロリン類、トリアリールボラン類、それらの異性体および誘導体からなる群より選択される。
【0096】
電子輸送層について適切なETMは、8 ヒドロキシキノリンの金属キレート (例えば、Liq、 Alq3、 Gaq3、 Mgq2、 Znq2、 Inq3、 Zrq4)、Balq、4アザフェナントレン-5-オール/Be 錯体 (US 5529853 A; 例えば式16)、ブタジエン誘導体 (US 4356429)、複素環式蛍光増白剤 (US 4539507)、ベンズアゾール類、例えば1,3,5-トリス(2-N-フェニルベンズイミダゾリル)ベンゼン (TPBI) (US 5766779、式17)、1,3,5-トリアジン類、ピレン類、アントラセン類、テトラセン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、デンドリマー類、テトラセン類、例えばルブレン誘導体、1,10-フェナントロリン誘導体 (JP 2003/115387、 JP 2004/311184、 JP 2001/267080、 WO 2002/043449)、シルアシル-シクロペンタジエン誘導体 (EP 1480280、 EP 1478032、 EP 1469533)、ピリジン誘導体 (JP 2004/200162 Kodak)、フェナントロリン類、例えばBCPおよびBphen、さらにビフェニルもしくは他の芳香族基を介して結合した多数のフェナントロリン類(US 2007/0252517 A1)またはアントラセンと結合したフェナントロリン類(US 2007/0122656 A1、 例えば式18および19)、1、3、4-オキサジアゾール類、例えば式20、トリアゾール類、例えば式21、トリアリールボラン類、例えばSiを有する(例えば式48)、ベンズイミダゾール誘導体および他のN複素環式化合物(cf. US 2007/0273272 A1)、シラシクロペンタジエン誘導体、ボラン誘導体、Gaオキシノイド錯体である。
【0097】
好ましいのは、2,9,10-置換アントラセン類 (1-もしくは2-ナフチルおよび4-もしくは3-ビフェニルを有する) または2つのアントラセン単位を含む分子である (US 2008/0193796 A1)。
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【0098】
同様に好ましいのは、アントラセン-ベンズイミダゾール誘導体(例えば、式22〜24の化合物)、ならびに例えばUS 6878469 B2、US 2006/147747 A、およびEP 1551206 A1に開示されているものである。
【化22】

【化23】

【化24】

【0099】
原理的には、当業者に既知のいずれかのEBMが、本発明による配合物において使用され得る。本明細書の他の場所で言及されるETMに加え、例えばIr(ppz)3のような遷移金属錯体(US 2003/0175553)が、電子ブロッキング層に対する材料として使用され得る。
【0100】
好ましくは、EBMはさらに、アミン類、トリアリールアミン類およびこれらの誘導体から選択される。
【0101】
本発明による配合物に適したExBMの選択が、隣接する層のエネルギーギャップに依存することを当業者は知っている。適切なExBMは、好ましくは発光層である隣接する層における機能性材料よりも大きなエネルギーギャップ(一重項または三重項)を有すると考えられる。本明細書の他の場所で言及されるExBMに加え、例えばMTDATAまたは4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン (TDATA)のような置換トリアリールアミンが、電子ブロッキング層に対するExBMとして使用され得る。置換トリアリールアミンンは、例えば、US 2007/0134514 A1に記載されている。
【0102】
例えばTCTAのようなN-置換カルバゾール化合物または例えばBCPのような複素環も適している。
【0103】
例えばIr(ppz)3またはAlq3のような金属錯体も、同様にこの目的のために使用され得る。
【0104】
原理的には、当業者に既知のいずれかのホスト材料が、本発明による配合物において使用され得る。使用されるエミッターの種類に依存して、ホスト材料は、蛍光性エミッターに対するホストと燐光性エミッターに対するホストの2つのカテゴリーに分類されてよく、それにより、後者は多くの場合、マトリックスまたはマトリックス材料と呼ばれる。
【0105】
本発明による配合物は、1つ以上のホスト材料を含んでいてもよく、好ましくは3つのホスト材料を含み、特に好ましくは2つのホスト材料を含み、非常に特に好ましくは1つのホスト材料を含む。本発明による配合物が少なくとも2つのホスト材料を含む場合、ホスト材料はco-ホストまたはco-ホスト材料とも呼ばれる。
【0106】
蛍光性エミッターに適した好ましいホスト材料は、アントラセン類、ベンズアントラセン類、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、デヒドロフェナントレン類、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾールおよびそれらの誘導体から選択される。
【0107】
蛍光性エミッターに適した特に好ましいホスト材料は、オリゴアリーレンの分類(例えば、EP 676461に記載の2,2’,7,7‘-テトラフェニルスピロビフルオレンまたはジナフチルアントラセン)、特に、例えばフェナントレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレン、スピロフルオレン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、デカシクレン、ルブレン、のような縮合芳香族基を含むオリゴアリーレン類、オリゴアリーレンビニレン類(例えば、EP 676461に記載の4,4’-ビス(2,2-ジフェニルエテニル)-1、1’-ビフェニル (DPVBi)もしくは4,4-ビス-2,2-ジフェニルビニル-1,1-スピロビフェニル (スピロ-DPVBi))、ポリポダル(polypodal)金属錯体 (例えば、WO 2004/081017に記載)、特に、8ヒドロキシキノリンの金属錯体、例えば、アルミニウム(III) トリス(8-ヒドロキシキノリン) (アルミニウムキノレート、Alq3)もしくはビス(2-メチル-8-キノリノラート)-4-(フェニルフェノリノラート)アルミニウム、さらにイミダゾールキレート (US 2007/0092753 A1) およびキノリン-金属錯体、アミノキノリン-金属錯体、ベンゾキノリン-金属錯体、正孔伝導性化合物 (例えば、WO 2004/058911に記載)、電子導電性化合物、特に、ケトン類、ホスフィンオキシド類、スルホキシド類等(例えば、WO 2005/084081およびWO 2005/084082に記載)、アトロプ異性体 (例えば、WO 2006/048268に記載)、ボロン酸誘導体 (例えば、WO 2006/117052に記載)またはベンズアントラセン類 (例えば、DE 102007024850)から選択される。特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレンの分類、あるいはこれらの化合物のアトロプ異性体、ケトン類、ホスフィンオキシド類およびスルホキシド類から選択される。非常に特に好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンズアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレンの分類、あるいはこれら化合物のアトロプ異性体から選択される。本発明の目的のために、オリゴアリーレンは、少なくとも3つのアリールまたはアリーレン基が相互に結合した化合物を意味することが意図される。
【0108】
蛍光性エミッターに対してさらに好ましいホスト材料は、特に、式25の化合物から選択される。
【化25】

【0109】
式中、
Ar、Ar、Arは、出現ごとに同じか異なり、5〜30個の芳香環原子を有するアリール又はヘテロアリール基であり、1以上の基により置換されていてもよい。
【0110】
pは、1、2又は3である。
【0111】
Ar、Ar及びArにおけるπ電子の合計は、p=1の場合は少なくとも30であり、p=2の場合は少なくとも36であり、p=3の場合は少なくとも42である。
【0112】
Ar基が、1以上のR基により置換されていてもよいアントラセンを表し、Ar及びArが9位及び10位で結合していることが、式25により表されるホスト材料において特に好ましい。さらに特に好ましくは、Ar及び/又はArの少なくとも1つは、1−又は2−ナフチル、2−,3−又は9−フェナントレニル又は2−,3−,4−,5−,6−又は7−ベンズアントラセニルから選択される縮合アリール基であり、これらは、各々、1以上のR基により置換されていてもよい。アントラセン系化合物は、US2007/0092753A1及びUS2007/0252517A1に記載されており、例えば、2−(4−メチルフェニル)−9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン、9−(2−ナフチル)−10−(1,1’−ビフェニル)アントラセン及び9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン及び1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンが挙げられる。好ましいものとして、2つのアントラセン単位を含むホスト材料が挙げられ(US2008/0193796A1)、例えば、10,10’−ビス[1,1’,4’,1’ ’]ターフェニル−2−イル−9,9’−ビスアントラセニルが挙げられる。
【0113】
更に好ましいホスト材料は、アリールアミン誘導体、スチリルアミン、フルオレセイン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、シクロペンタジエン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンズオキサゾリン、オキサゾン、ピリジン、ピラジン、イミン、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール(US2007/0092753A1)、例えば、2,2’,2’ ’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]、アルダジン、スチルベン、スチリルアリーレン誘導体、例えば、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、及びジスチリルアリーレン誘導体(US5121029)、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ジケトピロロピロール、ポリメチン、メロシアニン、アクリドン、キナクリドン、桂皮酸エステル及び蛍光染料である。
【0114】
特に好ましいものとして、アリールアミン及びスチリルアミンの誘導体が挙げられ、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB)が挙げられる。
【0115】
蛍光エミッターのためのホストとしてオリゴアリーレンを有する好ましい化合物は、例えば、US2003/0027016A1、US7326371B2、US2006/043858A、US7326371B2、US2003/0027016A1、WO2007/114358、WO2008/145239、JP3148176B2、EP1009044、US2004/018383、WO2005/061656A1、EP0681019B1、WO2004/013073A1、US5077142、WO2007/065678及びUS2007/0205412A1に記載されている化合物である。
【0116】
特に好ましいオリゴアリーレン系化合物は、式26−32を有する化合物である。
【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【0117】
蛍光エミッターのための更なるホスト材料は、スピロビフルオレン及びその誘導体から選択することができ、例えば、EP0676461に記載されているスピロ−DPVBi及び、US6562485に記載されているインデノフルオレンである。
【0118】
燐光エミッターのための好ましいホスト材料、すなわち、マトリックス材料は、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、デヒドロフェナントレン、チオフェン、イミダゾール及びこれらの誘導体から選択される。好ましい誘導体の一部について、以下に更に詳細に説明する。
【0119】
燐光エミッターが、例えば、有機発光素子(OLED)においてエレクトロルミネセンス化合物として使用される場合、ホスト材料は、蛍光エミッターに使用されるホスト材料と比較して更なる特性を満たさなければならない。燐光エミッターに使用されるホスト材料は、エミッターの三重項準位と比較してエネルギーがより高い三重項準位を有することが要求される。ホスト材料は、電子又は正孔のいずれか、もしくは双方を輸送することができる。加えて、エミッターは、一重項−三重項混合を充分に促進するために、大きなスピン軌道結合定数を有することが推定される。これは、金属錯体を使用することで可能とされ得る。
【0120】
好ましいマトリックス材料は、N,N−ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、カルバゾール誘導体(例えば、WO2005/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527もしくはDE102007002714に従う)、アザカルバゾール(例えば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160に従う)、ケトン(例えば、WO2004/093207に従う)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(例えば、WO2005/003253に従う)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(例えば、US2005/0069729に従う)、バイポーラーマトリックス材料(例えば、WO2007/137725に従う)、シラン(例えば、WO2005/111172に従う)、9,9−ジアリールフルオレン誘導体(例えば、DE102008017591に従う)、アザボロールもしくはボロン酸エステル(例えば、WO2006/117052に従う)、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フェニレンジアミン誘導体、芳香族三級アミン、スチリルアミン、インドール、アントロン誘導体、フルオレノン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、カルボジイミド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、フタロシアニン誘導体、例えばAlq等の8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体(8−ヒドロキシキノリン錯体はまた、トリアリールアミノフェノール配位子を含んでもよい(US2007/0134514))、配位子として金属フタロシアニン、ベンズオキサゾールもしくはベンゾチアゾールを有する種々の金属錯体−ポリシラン化合物、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)等の正孔伝導ポリマー、アニリンコポリマー、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体およびポリオリフルオン誘導体である。
【0121】
さらに特に好ましいマトリックス材料は、例えばDE102009023155.2、EP0906947B1、EP0908787B1、EP906948B1、WO2008/056746A1、WO2007/063754A1、WO2008/146839A1、およびWO2008/149691A1に開示されている、インドロカルバゾールおよびその誘導体を含む化合物(例えば、式33〜39)から選ばれる。
【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【0122】
好ましいカルバゾール誘導体の例は、1,3−N,N−ジカルバゾールベンゼン(=9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール)(mCP)、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1‘−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、1,3−ビス(N,N’−ジカルバゾル)ベンゼン(=1,3−ビス(カルバゾル−9−イル)ベンゼン)、PVK(ポリビニルカルバゾール)、3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニルおよび式40〜44で表される化合物である。
【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【0123】
好ましいSiテトラアリール化合物は、例えば、式45〜50で表される化合物(US2004/0209115、US2004/0209116、US2007/0087219A1およびUS2007/0087219A1)である。
【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【0124】
燐光ドーパントに特に好ましいマトリックスは、式51で表される化合物である(EP652273B1)。
【化51】

【0125】
燐光ドーパントに更に好ましいマトリックス材料は、一般式52で表される化合物から選ばれる(EP1923448B1)。
【化52】

【0126】
ここで、M、Lおよびnは、文献に定義される通りである。好ましくは、MはZnであり、Lはキノリナートであり、nは2、3または4である。[Znq、[Znqおよび[Znqが特に好ましい。
【0127】
好ましいものは、金属オキシノイド錯体から選ばれるコ−ホストであり、リチウムキノレート(Liq)およびAlqが、特に好ましい。
【0128】
エミッター化合物は、ホスト化合物と比べてより小さいバンドギャップを有することが要請される。一般的に、より小さいバンドギャップは、共役分子系のπ電子系を拡張することにより達成することができる。したがって、エミッター化合物は、ホスト分子よりもより拡張された共役π電子系を有する傾向にある。多くの例が公開されてきており、例えば、JP2913116BおよびWO2001/021729A1に開示されたスチリルアミン誘導体、WO2008/006449およびWO2007/140847に開示されたインデノフルオレン誘導体である。
【0129】
青色蛍光エミッターは、好ましくは、例えば9,10−ジ(2−ナフチルアントラセン)等のポリ芳香族化合物および他のアントラセン誘導体、テトラセン、キサンテンの各誘導体、例えば2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン等のペリレン誘導体、フェニレン、例えば、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、フルオレン、アリールピレン(US2006/0222886)、アリーレンビニレン(US5121029、US5130603)、ルブレン、クマリン、ローダミンの各誘導体、例えば、N,N’−ジメチルキナクリドン(DMQA)等のキナクリドン誘導体、例えば、4−(ジシアノエチレン)−6−(4-ジメチルアミノスチリル−2−メチル)−4H−ピラン(DCM)等のジシアノメチレンピラン、チオピラン、ポリメチン、ピリリウムおよびチアピリリウム塩、ペリフランセン、インデノペリレン、ビス(アジニル)イミン−ボロン化合物(US2007/0092753A1)、ビス(アジニル)メテン化合物およびカルボスチリル化合物等である。
【0130】
さらに好ましい青色蛍光エミッターが、C.H.Chen等、“有機エレクトロルミネッセンス材料の最近の開発”、Macromol.Symp.125、(1997)、1−48、及び、“分子状有機エレクトロルミネッセンス材料および素子の最近の進展”、Mat.Sci.and Eng.R、39(2002)、143−222に記載されている。
【0131】
本発明の好ましい蛍光ドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテルおよびアリールアミンの分類から選択される。
【0132】
モノスチリルアミンは、1個の置換あるいは非置換スチリル基と、少なくとも1個の、好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。ジスチリルアミンは、2個の置換あるいは非置換スチリル基と、少なくとも1個の、好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。トリスチリルアミンは、3個の置換あるいは非置換スチリル基と、少なくとも1個の、好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。テトラスチリルアミンは、4個の置換あるいは非置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンを含む化合物を意味するものと解される。スチリル基は、特に好ましくはスチルベンであり、さらに置換されていてもよい。対応するホスフィンとエーテルはアミンと同様に定義される。本発明の目的のために、アリールアミンもしくは芳香族アミンは、窒素に直接結合した3個の置換あるいは非置換芳香族もしくはヘテロ芳香族環系を含む化合物を意味するものと解される。これら芳香族もしくはヘテロ芳香族環系の少なくとも1個は、好ましくは縮合環系であり、好ましくは少なくとも14個の芳香族環原子を有する。これらの好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族アントラセンジアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミン及び芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、一個のジアリールアミノ基が、アントラセン基に直接、好ましくは、9−位で結合する化合物を意味するものと解される。芳香族アントラセンジアミンは、二個のジアリールアミノ基が、アントラセン基に直接、好ましくは、9、10−位で結合する化合物を意味するものと解される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミンおよびクリセンジアミンはこれと同様に定義され、ここで、ジアリールアミノ基は、好ましくはピレンに1位もしくは1、6−位で結合する。
【0133】
さらに好ましい蛍光ドーパントは、例えば、WO2006/122630に従うインデノフルオレンアミン及びインデノフルオレンジアミン、例えば、WO2008/006449に従うベンゾインデノフルオレンアミン及びベンゾインデノフルオレンジアミン、例えば、WO2007/140847に従うジベンゾインデノフルオレンアミン及びジベンゾインデノフルオレンジアミンから選択される。
【0134】
スチリルアミンの分類からのドーパントの例は、置換あるいは非置換トリスチルベンアミン、またはWO2006/000388、WO2006/058737、WO2006/000389、WO2007/065549およびWO2007/115610に記載されるドーパントである。ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体は、US5121029に記載されている。さらなるスチリルアミンは、US2007/0122656A1に見出される。
【0135】
特に好ましいスチリルアミンドーパントとトリアリールアミンドーパントは、式53〜58により表される化合物であり、US7250532B2、DE102005058557A1、CN1583691A、JP08053397A、US6251531B1、およびUS2006/210830Aに開示される。
【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【0136】
さらに好ましい蛍光性ドーパントはEP 1957606 A1とUS 2008/0113101 A1に開示されているようなトリアリルアミン類から選択される。
【0137】
さらに好ましい蛍光性ドーパントは、ナフタリン、アントラセン、ナフタセン、フルオレン、ペリフランセン、インデノペリレン、フェナントレン、ペリレン(US 2007/0252517 A1)、ピレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、ルブレン、クマリン(US 4769292、US 6020078、US 2007/0252517 A1)、ピラン、オキサゾン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピラジン、桂皮酸エステル、ジケトピロロピロール、アクリドン、キナクリドン(US 2007/0252517 A1)の誘導体から選択される。
【0138】
アントラセン化合物の中で、特に9, 10- 置換アントラセン、例えば9, 10-ジフェニルアントラセンと9, 10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1, 4- ビス(9’-エチニルアントラセニル)ベンゼンも好ましいドーパントである。
【0139】
燐光性エミッターの例はWO 00/70655、WO 01/41512、WO 02/02714、WO 02/15645、EP 119613、EP 119612、EP 119614、WO 2005/033244の出願で明らかにされている。通常では、燐光性OLEDについて従来技術により使用され、有機エレクトロルミネッセンスの分野の当業者に知られているような全ての燐光性錯体が好ましく、当業者は進歩性のないさらに別の燐光性錯体を使用することが可能である。
【0140】
燐光性エミッタ―は好ましくは化学式M(L)を有する金属錯体であってもよく、ここでMは金属原子であり、Lはそれぞれが相互に独立して発生する場合、1、2またはそれ以上の位置を介してMに結合するかまたはMと配位される有機配位子であり、zは好ましくは1、2、3、4、5又は6のような1以上の整数であり、ここで随意選択的に、これらのグループは1以上、好ましくは1、2または3つの位置を介して、好ましくは配位子Lを介して、ポリマーにリンクされる。
【0141】
Mは特に遷移金属から選択され、好ましくはグループVIIIの遷移金属、或いはランサノイド又はアクチニドから選択され、特に好ましくはRh、Os、Ir、Pt、Pd、Au、Sm、Eu、Gd、Td、Dy、Re、Cu、Zn、W、Mo、Pd、Ag又はRuから選択され、非常に好ましいのはOs、Ir、Ru、Rh、Re、Pd又はPtから選択されたものである。MはZnであってもよい。
【0142】
好ましい配位子は2フェニルピリジン誘導体、7,8- ベンゾキノリン誘導体、2(2-チエニル)ピリジン誘導体である。全てのこれらの化合物は例えば青色では、フルオロ−又はトリフルオロメチル置換基であることができる。補助配位子は好ましくはアセチルアセトネート又はピクリン酸である。
【0143】
特に、US 2007/0087219 A1に開示されている式59のテトラデンテート配位子とのPtまたはPdの錯体(ここでR〜R14とZ〜Zが引用例に規定されている)、拡大された環系を有するPtポルフィリン錯体(US 2009/0061681 A1)と、Ir錯体、例えば2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン-Pt(II)、テトラフェニル-Pt(II)-テトラベンゾポルフィリン(US 2009/0061681 A1)、シス-ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2’) Pt(II)アセチルアセトネート、又はトリス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)Ir(III)(Ir(ppy)、緑色)、ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)Ir(III)アセチルアセトネート(Ir(ppy)、アセチルアセトネート、緑色、US 2001/0053462 A1, Baldo, Thompson et al, Nature 402,(2000),750-753)、ビス(1-フェニルイソキノリナート-N,C2’)(2-フェニルピリジナート- N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2-フェニルピリジナート-N,C2’)(1-フェニルイソキノリナート-N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2’-ベンゾチエニル)ピリジナート-N,C3’)イリジウム(III)アセチルアセトネート、ビス(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2’)イリジウム(III)ピッコリネート(Firpic、青色)、ビス(2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナート-N,C2’)Ir(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ホウ酸塩、トリス(2-(ビフェニル-3-yl)-4-tert-ブチルピリジン)イリジウム(III))、(ppz)Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、(45ooppz)Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、2フェニルピリジン-Ir錯体の誘導体、例えばイリジウム(III)ビス(2-フェニルキノリル-N,C2’)アセチルアセトネート(PQIr)、トリス(2-(フェニルイソキノリナート-N,C)Ir(III)(赤色)、ビス(2-(2’-ベンゾ[4,5-a]チエニル)ピリジナート-N,C3)Irアセチルアセトネート([Btp2lr(acac)])、赤色、adachi et al. Ally, Phys. Lett. 78 (2001)、1622-1624)が好ましい。
【化59】

【0144】
さらに、三価ランタニド、例えばTb3+とEu3+(J. Kido et al. Appl.Phys. Lett.65(1994), 2124, Kido et al. Chem. Lett. 657, 1990, Us 2007/0252517 A1)或いは、マレオニトリルジチオレートとのPt(III)、Ir(I)、Rh(I)(Johnson et al., JACS 105, 1983, 1795)、Re(I)トリカルボニルジイミン錯体(特にWrighton, JACS 96, 1974, 998 )、シアノ配位子およびビピリジル又はフェナントロリン配位子とのOs(II)錯体(Ma et al., Synth. Metals 94, 1998, 245)又はホストのないAlqも好ましい。
【0145】
三座配位子を有するさらに別の燐光性エミッタ―がUS 6824895とUS 7029766に記載されている。赤色発光の燐光性錯体はUS 6835469とUS 6830828に記載されている。
【0146】
特に好ましい燐光性ドーパントは式60を有する化合物、及び例えばUS 2001/0053462 A1に記載されているようなさらに別の化合物である。
【0147】
特に好ましい燐光性ドーパントは式61を有する化合物、及び例えばWO 2007/095118 A1に記載されているようなさらに別の化合物である。
【化60】

【化61】

【0148】
さらに別の誘導体がUS 7378162 B2、US 6835469 B2、JP 2003/253145 Aに記載されている。
【0149】
この明細書中で述べた金属錯体のほかに、本発明による適切な金属錯体は遷移金属から選択されることができ、希土類元素、ランサノイド、アクチニドも本発明の主題である。好ましくは、その金属はIr、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、Pd又はAgから選択される。
【0150】
この明細書中で述べた染料のほかに、本発明による染料はペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ染料、ペリレン−ジイミド、ポルフィリン、スクアライン、異性体、その誘導体から選択されることができる。
【0151】
好ましくは、染料はペリレン、ルテニウム染料、フタロシアニン、アゾ染料、ペリレン−ジイミド、ポルフィリン、スクアラインから選択される。さらに、Yu Bai et.al., in Nature Materials, Vol7, 626(2008)により、及びB. O’regan et.al., in Nature, 353, 737(1991)により開示されているルテニウム錯体と、Bessho et al., in Chem. Commun.3717 (2008)により開示されているCuベースの錯体が好ましい。
【0152】
さらに別の染料がアクリジン、アントラキノン、アリルメタン、ジアリルメタン、tリアリルメタン、アゾベースの染料、シアニン、ジアゾニウムベースの染料、ニトロベースの染料、ニトロソベースの染料、キノン−イミン、アジンベースの染料、ユーホジン、サフラニン、インダリン、インダミン、インドフェノール、オキサジン、オキサゾン、チアジン、チアゾール、キサンテン、フルオレン、ピロニン、フルオロン、ローダミンから選択される。
【0153】
本発明による染料に加えて、電荷発生材も染料と同じ機能をもつことができる。これらは例えば電子写真装置に使用される。したがってPaul M. Borsenberger; David S. Weiss in Organic Photorecptors for Xerography; Marcel Dekker, Inc., 1988, Chapter 6と、K. Y. Law, Chem. Rev. Vol93, 449-486(1993)により要約されているような電荷発生材もここでは適切な染料として考えられる。
【0154】
さらに別の適切な染料は溶融環系を含んだ有機化合物、例えばアントラセン、ナフタレン、ペンタセン、テトラセン誘導体から選択される。
【0155】
本発明による製剤はさらに別の有機機能材を有することもでき、これらは微粒子、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー及び配合物から選択される。機能ポリマーは、異なる機能が1つの大きい粒子又は大きい粒子の配合物へ一体化されることができることを特徴とする。この機能は特に、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子ブロッキング材料、電子発光材料、正孔ブロッキング材料、電子注入材料、電子輸送材料、染料のうちの一つである。ポリマーに一体化される機能は異なるグループにカテゴリ化されることができる。所望の機能グループと、それらの間の比率を選択することによって、ポリマーは所望の機能を有するように調整されることができる。
【0156】
ポリマー、オリゴマー、デンドリマーの違いは、前述したようにサイズ、サイズ分布、分子的実体のブランチングによるものである。
【0157】
異なる構造は特に、WO 2002/077060 A1及びDE 10337346 A1に記載され広く列挙されている構造である。この構造ユニットは例えば以下のグループから生じる:
グループ1:ポリマーの正孔注入および/または輸送特性を増加するユニット。これは前述のHIM又はHTMに対応する。
【0158】
グループ2:ポリマーの電子注入および/または輸送特性を増加するユニット。これは前述のEIM又はETMに対応する。
【0159】
グループ3:グループ1とグループ2からの個々のユニットの組合せを有するユニット。
【0160】
グループ4:電子蛍光ではなく電子燐光が得られることができる程度まで発光特性を変更するユニット。典型的にこれは燐光性エミッタ―に対応し、さらに好ましくは前述の発光金属錯体に対応する。
【0161】
グループ5:いわゆる一重項状態からより高いスピン状態、例えば三重項状態への遷移を改良するユニット。
【0162】
グループ6:結果的に生じるポリマーの形態および/または発光色に影響するユニット。
【0163】
グループ7:典型的にバックボーンとして使用され、電子輸送機能、正孔輸送機能、又はその両者をもつことができるユニット。
【0164】
グループ8:UVから赤外線までの少なくとも1つの波長における強力な吸収を有するユニット。これは前述したような染料材料に対応する。
【0165】
好ましくは、前記さらに別の有機機能材料は、グループ1のユニットを有する正孔輸送または注入ポリマーであり、これは好ましくは前述したように低い分子量のHTM又はHIMを有するユニットから選択される。
【0166】
グループ1からのさらに好ましいユニットは、例えばトリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレン-ジアミン、カルバゾール、アズレン、チオ-フェン、ピロール、フラン誘導体とさらに、高いHOMOを有するO、S又はNを含んだヘテロ環である。これらのアリールアミンとヘテロ環は好ましくは(真空レベルに対して)5.8eVよりも大きいポリマー、好ましくは5.5eVよりも大きいポリマーにおいてHOMOを生じる。
【0167】
好ましい重合HTM又はHIMは式62により以下の反復ユニットの少なくとも1つを具備するポリマーである。
【化62】

【0168】
ここでは、同じであるか異なってもよいArは、異なる反復ユニットの場合では、単結合または随意選択的に置換単核であるか或いは多核のアリールグループを示している。
【0169】
同じであるか異なってもよいArは、異なる反復ユニットの場合では、随意選択的に置換単核であるか或いは多核のアリールグループを示している。
【0170】
同じであるか異なってもよいArは、異なる反復ユニットの場合では、随意選択的に置換単核であるか或いは多核のアリールグループを示している。
【0171】
mは1、2または3である。
【0172】
式62の特に好ましいユニットは式63〜65からなるグループから選択される。
【化63】

【化64】

【化65】

【0173】
ここで、それぞれの発生において同じであるか異なってもよいRはH、置換または置換をされていない芳香族又は複素環式芳香族、アルキル、シクロアルキル、アルコキシル、アラルキル、アリールオキシ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、シリル、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基から選択される。
【0174】
rは0、1、2、3又は4である。
【0175】
sは0、1、2、3、4又は5である。
【0176】
さらに好ましい重合HTM又はHIMは式66による以下の反復ユニットの少なくとも1つを有するポリマーである。
【化66】

【0177】
ここで、TとTは相互に独立し、トリオフェン、セレノフェン、チエノ[2,3b]トリオフェン、チエノ[3,2b]トリオフェン、ジチエノチオフェン、ピロール、アニリンから選択されたものであり、これらは全て随意選択的にRと置換される。
【0178】
はそれぞれの発生において、相互に独立し、ハロゲン、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、SCN、C(=O)NRR00、-C(=O)X、-C(=O)R、-NH、-NRR00、SH、SR、-SOH、-SOR、-OH、-NO、-CF、-SF、随意選択的に1〜40C原子を有する置換シリル又はカルビル或いはハイドロカルビルから選択され、これは随意選≦≦択的に置換され随意選択的に1以上のヘテロ原子を含む。
【0179】
ArとArは相互に独立した単核であるか或いは多核のアリール又はヘテロアリールであり、これは随意選択的に置換され、随意選択的に隣接チオフェン又はセレノフェングループの一方またはその両者の2,3-位置に融合される。
【0180】
cとeは相互に独立しており、0、1、2、3又は4であり、1<c+e≦6である。
【0181】
dとfは相互に独立しており、0、1、2、3又は4である。
【0182】
重合HTMの例はWO 2007131582 A1とWO 2008/009343A1に記載されているものである。
【0183】
好ましくは前記さらに別の有機機能材料はグループ2を有する電子輸送または注入ポリマーであり、これは好ましくは前述したように低い分子量のETM又はEIMを有するグループから選択される。
【0184】
電子注入又は電子輸送特性を有するグループ2からのさらに好ましいユニットは例えばピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾリル、キノリン、キノキサリン、フェナジン誘導体であるが、トリアリールボラン、さらには低いLUMOを有するO、S、Nを含むヘテロ環であってもよい。ポリマーにおけるこれらのユニットは好ましくは2.7eVよりも小さく、特に好ましくは2.8eVよりも小さいLUMOを生じる。
【0185】
好ましくは、前記さらに別の有機機能材料はグループ3からのユニットを有するポリマーであり、それにおいて正孔移動度と電子移動度を増加する構造(即ちグループ1と2からのユニット)は相互に直接結合される。これらのユニットのうちの幾つかはエミッターとして作用し、発光色を緑、黄色または赤色へシフトする。したがってそれらの使用は例えば元来は青色発光ポリマーからの他の発光色或いは広帯域の発光を発生するのに適切である。
【0186】
好ましくは、前記さらに別の有機機能材料はグループ4のユニットを有するポリマーであり、これは好ましくは前述したように燐光エミッタ―、特に発光金属錯体を有するグループから選択される。ここでは対応する構造ユニットに対する特定の好みを挙げており、これはグループ8〜10からの元素(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)を含む。
【0187】
好ましくは、前記さらに別の有機機能材料はグループ5のユニットを有する重合トリプルマトリックスであり、これは一重項状態からより三重項状態への遷移を改良でき、これはグループ4からの構造元素のサポートに使用され、これらの構造元素の燐光」特製を改良する。この目的で適切であるのはDE 10304819 A1とDE 10328627 A1に記載されているように、特にカルバゾール、架橋カルバゾール二量体ユニットである。さらにこの目的に適切であるのはDE 10349033 A1に記載されているように、ケトン、ホスフィン酸化物、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体及び類似の化合物である。さらに好ましい構造ユニットは前述したように、低い分子量の燐光マトリックスを有するグループから選択されることができる。
【0188】
好ましくは前記さらに別の有機機能材料はグループ6のユニットを有するポリマーであり、これはポリマーの形態および/または発光色に影響し、これらは前述のことに加えて、前述のグループ下に入らない少なくとも1つのさらに別の芳香または別の共役構造を有し、即ち電荷担体の移動度にほとんど影響せず、これは有機金属錯体ではなく、又は一重項-三重項遷移に影響しない。このタイプの構造元素は結果的に生じたポリマーの形態および/または発光色に影響する可能性がある。したがって、これらは、ユニットに依存して、エミッターとして使用することもできる。ここでは、蛍光性OLEDの場合、6〜40のC原子を有する芳香族構造、またはトラン、スチルベンまたはビススチリルアリーレン誘導体が好ましく、これらの各々は、一つ又はそれ以上のラジカルR1により置換されていてもよい。ここでは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-もしくは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-または4,9-ピレニレン、3,9-または3,10-ペリレニレン、4,4'-ビフェニリレン、4、4''-テルフェニリレン、4,4' ビ 1,1'-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4'-スチルベニレンまたは4,4''-ビススチリル-アリーレン誘導体を組み込むことが特に好ましい。
【0189】
好ましくは、前記さらなる有機機能性材料は、典型的にポリマー骨格として使用される、6〜40炭素原子を有する芳香族構造を含む基7の単位を含むポリマーである。これらは、例えば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体(例えば、US 5962631、 WO 2006/052457 A2およびWO 2006/118345A1に開示されている)、9,9’-スピロビフルオレン誘導体(例えば、WO 2003/020790 A1に開示されている)、9,10-フェナントレン誘導体(例えば、WO 2005/104264 A1に開示されている)、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体(例えば、WO 2005/014689 A2に開示されている)、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体およびシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体(例えば、WO 2004041901 A1、WO 2004113412 A2に開示されている)および、ビナフチレン誘導体(例えば、WO 2006/063852 A1に開示されている)、ならびに、例えばWO 2005/056633A1、 EP 1344788A1およびWO 2007/043495A1、WO 2005/033174 A1、WO 2003/099901A1およびDE 102006003710.3に開示されているようなさらなる単位である。
【0190】
基7に由来するさらに好ましい構造エレメントは、フルオレン誘導体(たとえばUS 5,962,631、WO 2006/052457 A2およびWO 2006/118345 A1に開示される)、スピロビフルオレン誘導体(たとえばWO 2003/020790 A1に開示される)、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフルオレンおよびこれらの誘導体(たとえばWO 2005/056633A1、 EP 1344788A1 and WO 2007/043495A1に開示される)から選択される。
【0191】
基7の非常に好ましい構造エレメントは、式67のものである。
【化67】

【0192】
式67
ここで
A、BおよびB’は、互いに独立に、および複数回登場する場合には互いに独立に、二価の基、好ましくは-CR1R2-、-NR1-、-PR1-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、-CS-、-CSe-、-P(=O)R1-、-P(=S)R1-および-SiR1R2-から選択され、
R1およびR2は、互いに独立に、H、ハロゲン、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NR0R00、-C(=O)X、-C(=O)R0、-NH2、-NR0R00、-SH、-SR0、-SO3H、-SO2R0、-OH、-NO2、-CF3、-SF5、任意に置換されたシリル、または任意に置換され、任意に一つ又はそれ以上のヘテロ原子を含む1〜40のC原子のカルビルもしくはヒドロカルビルから選択される同一または異なる基であり、任意に、基R1およびR2は、それらが結合するフルオレン部分とスピロ基を形成し、
Xはハロゲンであり、
R0およびR00は、互いに独立に、H、または任意に一つ又はそれ以上のヘテロ原子を含む任意に置換されたカルビルまたはヒドロカルビル基であり、
それぞれのgは、独立に0または1であり、同じサブユニット中のそれぞれの対応するhは、0または1の他方であり、
mは、1以上の整数であり、
Ar1およびAr2は、互いに独立に、任意に置換され、インデノフルオレン基の7,8-位または8,9-位に任意に融合された、単核または多核アリールまたはヘテロアリールであり、
Aおよびbは、互いに独立に、0または1である。
【0193】
基R1およびR2が、それらが結合するフルオレン基とスピロ基を形成する場合、好ましくはスピロビフルオレンである。
【0194】
式67の基は、好ましくは、以下の式68〜72から選択される。
【化68】

【0195】
式68
【化69】

【0196】
式69
【化70】

【0197】
式70
【化71】

【0198】
式71
【化72】

【0199】
式72
ここでR1は式67で規定されるとおりであり、rは0、1、2、3または 4であり、RはR1の意味の一つである。
【0200】
Rは、好ましくはF、Cl、Br、I、-CN、-NO2 、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NR0R00、-C(=O)X0、-C(=O)R0、-NR0R00、任意に置換されたシリル、4〜40、好ましくは6〜20のC原子のアリールまたはヘテロアリール、または直鎖、分枝もしくは環状の1〜20、好ましくは1〜12のC原子のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ、ここで一つ又はそれ以上のH原子は、任意にFまたはClにより置換され、ここでR0、R00およびX0は、上記で規定されるとおりである。
【0201】
式67の特に好ましい基は、以下の式73〜76から選択される。
【化73】

【0202】
式73
【化74】

【0203】
式74
【化75】

【0204】
式75
【化76】

【0205】
式76
ここで
Lは、H、ハロゲン、または任意にフッ素化された1〜12個のC原子の直鎖または分枝のアルキルまたはアルコキシであり、好ましくはH、F、メチル、i-プロピル、t-ブチル、n-ペントキシ、またはトリフルオロメチルであり、
L’は、任意にフッ素化された1〜12個のC原子の直鎖または分枝のアルキルまたはアルコキシであり、好ましくはn-オクチルまたはn-オクチルオキシである。
【0206】
好ましくは、前記さらなる有機 機能性材料は、基8を含むポリマーであり、これは、上述の色素材料を含む基から選択することができる。有機太陽電池に適した共役ポリマーは、たとえば、F.C. Krebs, in Solar Energy Materials and Solar Cells, Vol91, 953 (2007)により要約されるとおり、本発明において、前記さらなる有機 機能性材料として使用することもできる。
【0207】
基1〜8から選択される一つ又はそれ以上のユニットを同時に含む本発明での使用に適したポリマーが好ましい。同様に、基に由来する2つ以上の構造ユニットが同時に存在することが好ましい。
【0208】
エミッターの構造ユニットに加えて、上述の基に由来する少なくとも一つの構造ユニットを更に含む本発明での使用に適したポリマーが好ましい。少なくとも二つの構造ユニットは、特に好ましくは、上述のものの異なるクラスに由来する。
【0209】
ポリマーに存在する場合、異なるクラスの基の割合は、好ましくは各ケースにおいて少なくとも5 mol%、特に好ましくは各ケースにおいて少なくとも10 mol%である。とりわけ、これら構造ユニットの一つは、正孔導電ユニットの基から選択され、他方の基は、エミッティングユニットであり、ここでこれらの2つの機能(正孔導電およびエミッション)は、同じユニットにより搭載されていてもよい。
【0210】
しかし、エミッティングユニット、とりわけ緑色および赤色エミッティングユニットののより小さい割合が、たとえば白色エミッティング共重合体の合成にとって好ましいこともある。白色エミッティング共重合体を合成することができる方法は、DE 10343606 A1に詳細に記載される。
【0211】
十分な溶解度を保証するために、平均少なくとも2つの非芳香族C原子が、繰返しユニットあたり、置換基に存在することが好ましい。ここでは、少なくとも4つ、特に好ましくは少なくとも8つのC原子が好ましい。加えて、これらの個々のC原子は、OまたはSにより置換されていてもよい。しかし、これは、繰返しユニットのある割合が、さらなる非芳香族置換基をもっていないことを意味することがもっぱら可能である。
【0212】
フィルムの形態を損なうことを避けるために、直鎖で12より多いC原子を有する長鎖置換基をもたないことが好ましく、特に好ましくは8より多いC原子を有するものをもたず、特に好ましくは6より多いC原子を有するものをもたない。
【0213】
本発明においてさらなる有機機能性材料として使用されるポリマーは、統計またはランダム共重合体、交互またはレジオレギュラー共重合体、ブロック共重合体またはその組合せであり得る。
【0214】
別の好ましい実施形態において、前記ポリマーは、側鎖非共役ポリマーであり、これは、ポリマーに基づく燐光性 OLEDにとってとりわけ重要である。一般に、かかる燐光性ポリマーは、ビニル化合物のラジカル共重合体化により得られ、US 7250226 B2に開示されるように、側鎖に少なくとも一つの燐光性エミッターおよび少なくとも一つの電荷輸送ユニットを含む。かかる燐光性 ポリマーのさらなる例は、たとえばJP 2007/211243 A2、JP 2007/197574 A2、US 7250226B2、JP 2007/059939Aに開示される。
【0215】
さらに好ましい実施形態において、前記ポリマーは、主鎖非共役ポリマーであり、ここで骨格ユニットは、主鎖上でスペーサーにより連結される。側鎖非共役ポリマーのように、主鎖非共役ポリマーは、高い三重項準位も与える。主鎖非共役ポリマーに基づく三重項OLEDの例は、DE 102009023154.4に開示される。
【0216】
さらなる実施形態において、前記 ポリマーは、蛍光性OLEDのための非共役ポリマーとすることもできる。好ましい一重項非共役ポリマーは、JP 2005/108556、JP 2005/285661、JP 2003/338375などに開示されるとおり、たとえば、側鎖にアントラセン、ベンズアントラセンおよびそれらの誘導体を備えた側鎖ポリマーである。
【0217】
前記ポリマーは、ETMまたはHTMとして作用することもでき、好ましくはポリマーは、非共役ポリマーである。
【0218】
本発明による素子は、配合物、すなわち本発明による乳濁液または分散液を用いることにより析出されなかった追加の層を含んでいてもよい。追加の層は、溶液からの技術または蒸着により析出されてもよい。これにより、採用される特定の方法は、使用される材料の特徴に依存し、当業者が適切な技術を選択することに問題はない。析出される材料は、エレクトロニクスおよび光エレクトロニクス多層構造の分野で使用される任意の材料とすることができる。とりわけ、材料は、ここで記載される任意の材料であり得る。更に、材料は、以下で概説される有機および無機機能性材料から選択されてもよい。
【0219】
無機化合物、たとえばpタイプSiおよびpタイプSiC、および無機酸化物、たとえば、酸化バナジウム (VOx)、酸化モリブデン (MoOx)、または酸化ニッケル (NiOx) は、HIMとして使用することもできる。
【0220】
電子注入層 (EIL) は、しばしば絶縁体および半導体から構築される。
【0221】
EILのための好ましいアルカリ金属カルコゲニドは、Li2O、LiO、Na2S、Na2Se、NaO、K2O、Cs2Oである。
【0222】
EILのための好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドは、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、CaSeである。
【0223】
EILのための好ましいアルカリ金属のハロゲン化物は、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl、NaClである。
【0224】
EILのためのアルカリ土類金属のハロゲン化物は、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2、BeF2である。
【0225】
同様に、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属 (Sc、Y、Ce、Th、Yb)、希土類金属錯体、希土類金属化合物 (好ましくはYbF3、ScF3、TbF3) などを使用することものである。
【0226】
EILの構造は、たとえば、US 5608287、US 5776622、US 5776623、US 6137223、US 6140763、US 6914269に記載される。
【0227】
電子輸送層は、固有の材料から構成されてもよいし、ドーパントを含んでいてもよい。Alq3 (EP 278757 B1) およびLiq (EP 0569827 A2) は、固有の層の例である。4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン (Bphen):Li 1:1 (US 2003/02309890) および ルブレン(rubrene)/LiFは、ドープ層の例である。
【0228】
上述の材料に加えて、本発明による有機 エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも一つのアノード、少なくとも一つのカソード、および一つ又はそれ以上の基板を含んでいてもよい。
【0229】
アノードのための好ましい材料は、インジウムスズ酸化物 (ITO)、インジウム亜鉛酸化物 (IZO)、スズ酸化物 (SnO)、ZnO、InO、アルミニウム-亜鉛-酸化物 (AlZnO)、および他の金属酸化物、たとえば酸化亜鉛をドープされたAl-およびIn-亜鉛酸化物、マグネシウム-インジウム-酸化物、およびニッケル-タングステン-酸化物から選択される金属酸化物であるが、これらに限定されない。金属窒化物、たとえば窒化ガリウム、および金属セレン化物、たとえばセレン化亜鉛、および金属硫化物、たとえば硫化亜鉛も使用することができる。アノードのために使用することができるさらなる材料は、導電性ポリマー、たとえばポリチオフェンおよびポリピロールである。
【0230】
アノードは、透明、不透明、または反射性とすることができる。アノードは、中間状態、たとえば部分的に反射性であって部分的に透明であるものを採用することもできる。
【0231】
アノードが、透明でないか、または部分的にしか透明でない場合、さらなる導電材料を使用することができる。不透明または部分的に透明なアノードのための好ましい材料は、Au、Ir、Mo、Pd、Pt、Cu、Ag、Sn、C、Al、V、Fe、Co、Ni、W、およびこれらの混合物から選択されるが、これらに限定されない。導電材料は、上述のさらなる導電材料、たとえばIn-Cuと混ぜることもできる。
【0232】
アノードは、好ましくは透明であり、アノードのための特に好ましい 材料はITOである。ボトムエミッティング素子の場合、ガラスまたはプラスチックは、好ましくはITOでコーティングされる。トップエミッティング素子の場合、アノードは、好ましくは反射性材料を含む。さらなる材料を、アノードのために使用することができ、これは当業者に公知である。
【0233】
基板とアノードの柔軟で透明な組合せは、たとえばUS 5844363 B2およびUS 6602540 B2に記載される。
【0234】
カソードは、透明か、不透明、あるいは反射性であり得る。カソードは、低い仕事関数の金属又は合金から選択される。好ましくは、金属、合金、あるいは4.0 eV未満の仕事関数を持つ導電性の化合物もしくは材料が使用される。特に好ましいカソードは、制限されるものではないが、Ba、Ca、Sr、Yb、Ga、Cd、Si、Ta、Sb、Zn、Mg、Al、In、Li、Na、Cs、Ag、Mg/AlまたはAl/LiまたはAl/Sc/LiまたはMg/Agを含む合金のような二以上の元素の混合、ITO又はIZOのような金属酸化物から選択される。
【0235】
カソードのためのさらに好ましい材料は、薄い誘電層を形成するために使用され、LiF、Li2O、BaF2、MgOあるいはNaFと混合される金属から選択される。
【0236】
先端にITO層を持つMg/Alカソードは、US 5703436、US 5707745、US 6548956 B2、US 6576134 B2に記載されている。Mg/Ag合金は、US 4885221に記載されている。
【0237】
基板は、剛性もしくは柔軟性であって良い。それは、透明、透光性、不透明または反射性であって良い。使用される材料は、ガラス、プラスチック、セラミックまたは金属箔であり得、プラスチック及び金属箔は、柔軟性基板のために好ましくは使用される。しかしながら、例えば、シリコンウエハ又はプリント回路基板(PCB)の材料のような半導体材料は、伝導体トラックの発生を簡素化するためにも使用され得る。他の基板も使用され得る。
使用されるガラスは、例えば、ソーダ石灰ガラス、Ba又はSr含有ガラス、鉛ガラス、ケイ酸アルミニウムガラス、ケイ酸ホウ素ガラス、Baケイ酸ホウ素ガラスまたは石英であり得る。
【0238】
プラスチック板は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテル硫化物樹脂あるいはポリスルフォン樹脂からなり得る。
【0239】
透明フィルムのための使用は、例えば、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、PVC、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン-エチレン 共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミドまたはポリエーテルイミドからなる。
【0240】
基板は疎水性層を備える。基板は透明であることが望ましい。
【0241】
ここに述べた以外の他の材料も使用可能である。最適な材料は、当業者に知られているものである。
【0242】
本発明の好ましい実施形態において、不連続相が少なくとも一つのエミッター材料及び少なくとも一つのホスト材料を含むことを配合物が特徴としており、特に好ましくは、それが二つのエミッター材料及び一つのホスト材料を含み、さらに特に好ましくは、それが一つのエミッター及び一つのホストを含む。ホスト材料及びエミッター材料の双方は、本願に記載されているものと対応する材料から選択される。
【0243】
少なくとも二つのエミッター材料が不連続相に存在する場合、Foersterエネルギー輸送の利益を得るため、一つのエミッターの吸収スペクトルが、他のエミッターの光ルミネセンス(PL)スペクトルと重なることが好ましい。エミッターのPLスペクトルは、当業者に良く知られている標準的な技術によって測定されることが可能である。
【0244】
好ましい実施形態において、本発明に係る配合物は、少なくとも一つのエミッター材料が、蛍光性エミッター材料及び燐光性エミッター材料から選択され、ホスト材料が、アントラセン類、ベンズアントラセン類、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、ジヒドロ(diehydro)フェナントレン類、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾール類、ケトン類、カルバゾール類、トリアリルアミン類、及びそれらの誘導体から選択されることを特徴としている。
【0245】
好ましさは、蛍光性エミッター材料及び蛍光性ホスト材料に与えられる。本発明の他の課題は、不連続相において、少なくとも一つの蛍光性エミッター及び少なくとも一つのホスト材料を含むことを特徴とした配合物である。好ましくは、配合物が3つの蛍光性エミッター材料及び一つのホスト材料を含み、特に好ましくはそれが2つの蛍光性エミッター及び一つのホスト材料を含み、そしてさらに特に好ましくは、それが一つの蛍光性エミッター及び一つのホスト材料を含む。
【0246】
本発明に係る配合物は、一つ又はそれ以上の追加の蛍光性ホスト、いわゆる共ホスト(co-hosts)を含んでも良い。原則として、当業者に知られているあらゆる蛍光性エミッター及び蛍光性ホストが、本発明に係る配合物に使用され得る。好ましくは、蛍光性エミッター材料及びホスト材料は、本願に記載されているような蛍光性エミッター材料及び蛍光性ホスト材料から選択される。
【0247】
本発明の好ましい実施形態において、蛍光性ホスト材料は、アントラセン類、ベンズアントラセン類、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、デヒドロフェナントレン類、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾール類及びそれらの誘導体から選択される。
【0248】
さらなる好ましさは、燐光性エミッター材料及び燐光性ホスト材料に与えられる。本発明の課題は、それゆえ、不連続相に少なくとも一つの燐光性エミッター及び少なくとも一つのホスト材料を含むことを特徴とした配合物である。好ましくは、配合物が3つの燐光性エミッター材料及び一つのホスト材料を含み、特に好ましくはそれが2つの燐光性エミッター材料及び一つのホスト材料を含み、さらに特に好ましくはそれが一つの燐光性エミッター材料及び一つのホスト材料を含む。本発明に係る配合物は、一つ又はそれ以上の追加のホスト、いわゆる共ホスト(co-hosts)を含んでいても良い。原則として、当業者に知られているあらゆる燐光性エミッター及びホストが、本発明に係る配合物において使用され得る。好ましくは、燐光性エミッター材料及びホスト材料は、本願に記載されているような燐光発光のための燐光性エミッター材料及び燐光性ホスト材料、例えば、電子的に励起された三重項または五重項の状態から選択される。
【0249】
本発明の好ましい実施形態において、燐光性発光のためのホストは、ケトン類、カルバゾール類、トリアリルアミン類、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、デヒドロフェナントレン類、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾール類及びそれらの誘導体から選択される。
【0250】
好ましくは、前記燐光性エミッターは、遷移金属、希土類、ランタニド及びアクチニドからなる群から選択される金属を含む金属錯体から選択され、好ましくはIr、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、Pd及びAgよりなる群から選択される。そして、前記ホストは、ケトン、カルバゾール、トリアリルアミン、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、デヒドロフェナントレン類、ホスフィン、 ホスフィンオキシド、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾール及びそれらの誘導体を含む化合物から好ましくは選択される。
【0251】
他の好ましい実施形態において、前記配合物は、少なくとも二つの燐光性エミッター及び一つのホスト材料を含む。さらに好ましくは、一つの燐光性エミッターの吸収スペクトルは、他の燐光性エミッターの光ルミネセンスと重なり、それゆえ、Foersterエネルギー輸送は二つの燐光性エミッター間で好ましく生じるかもしれない。さらに好ましくは、一つの燐光性エミッターが青緑色の光を放出し、二つ目が緑又は赤の光を放出する。
【0252】
本発明は、不連続相が少なくとも一つの電子輸送材料を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、発明に係る配合物は3つのETMs、特に好ましくは2つのETMs、さらに特に好ましくは一つのETMを含む。原則として、当業者に知られているあらゆるETMsが本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、ETMsは本願に記載されているようなETMsから選択される。
【0253】
好ましいETMは、イミダゾール類、ピリジン類、ピリミジン類、ピリダジン類、ピラジン類、オキサジアゾール類、キノリン類、キノキサリン類、アントラセン類、ベンズアントラセン類、ピレン類、ペリレン類、ベンゾイミダゾール類、トリアジン類、ケトン類、ホスフィン、ホスフィンオキシド類、フェナジン類、フェナントロリン類、トリアリールボラン類及びそれらの誘導体から選択される。
【0254】
本発明は、不連続相が少なくとも一つの電子注入材料を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、本発明に係る配合物は、3つのEIMs、特に好ましくは2つのEIMs、さらに特に好ましくは一つのEIMを含む。原則として、当業者に知られているあらゆるEIMsが本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、EIMsは本願に記載されているようなEIMsから選択される。
【0255】
好ましいEIMは、イミダゾール類、ピリジン類、ピリミジン類、ピリダジン類、ピラジン類、オキサジアゾール類、キノリン類、キノキサリン類、アントラセン類、ベンズアントラセン類、ピレン類、ペリレン類、ベンゾイミダゾール類、トリアジン類、ケトン類、ホスフィン、ホスフィンオキシド類、フェナジン類、フェナントロリン類、トリアリールボラン類及びそれらの誘導体から選択される。
【0256】
本発明は、不連続相が少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、本発明に係る配合物は3つのHTMs、特に好ましくは2つのHTMs、さらに特に好ましくは一つのHTMを含む。原則として、当業者に知られているあらゆるHTMsが本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、HTMsは本願に記載されているようなHTMsから選択される。
【0257】
好ましいHTMsは、アミン類、トリアリルアミン類、チオフェン類、カルバゾール類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びそれらの誘導体から選択される。本発明は、不連続相が少なくとも一つの正孔注入材料を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、本発明に係る配合物は3つのHIMs、特に好ましくは2つのHIMs、さらに特に好ましくは一つのHIMを含む。ことを特徴とする配合物にさらに関する。原則として、当業者に知られているあらゆるHIMsが本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、HIMsは本願に記載されているようなHIMsから選択される。
【0258】
好ましいHTMsは、アミン類、トリアリルアミン類、チオフェン類、カルバゾール類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びそれらの誘導体から選択される。
【0259】
本発明は、不連続相が少なくとも一つの金属錯体を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、本発明に係る配合物は、3つの金属錯体、特に好ましくは2つの金属錯体、さらに特に好ましくは一つの金属錯体を含む。原則として、当業者に知られているあらゆる金属錯体が本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、金属錯体は本願に記載されているような金属錯体から選択される。
【0260】
好ましい金属錯体は、遷移金属、希土類、ランタニド及びアクチニドから選択される。特に好ましい金属錯体は、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、Pd及びAgから選択される金属を含む。
【0261】
本発明は、不連続相が少なくとも一つの色素を含むことを特徴とする配合物にさらに関する。好ましくは、本発明に係る配合物は3つの色素、特に好ましくは2つの色素、さらに特に好ましくは一つの色素を含む。原則として、当業者に知られているあらゆる色素が本発明に係る配合物に使用可能である。好ましくは、色素は本願に記載されているような色素から選択される。
【0262】
好ましい色素は、ペリレン類、ルテニウム色素、フタロシアニン類、アゾ化合物、ペリレンジイミド類、ポルフィリン類、スクワライン(squaraine)化合物及びそれらの誘導体から選択される。
【0263】
さらに好ましい実施形態において、前記配合物は、少なくとも一つの色素と、任意にさらなる有機 機能性材料を含み、ここで、それらの少なくとも一つは小分子有機機能性材料である。前記色素は、前述の材料から選択され得る。前記さらなる有機機能性材料は、前述のETM、HTMまたはホスト材料から選択される。さらに好ましい有機機能性材料は、電子受容体であり、フラーレン、例えばC60、カーボンナノチューブ、グラフェン及びそれらの誘導体から好ましくは選択される。好ましくは光起電性応用のため、前記色素及び前記さらなる有機機能性材料は、0.4 eVより大きい、好ましくは0.5 eVより大きい、特に好ましくは0.6 eVより大きいエネルギーオフセットを持つタイプIIエネルギーオフセット(energy offset)構造を形成する。
【0264】
本発明に適したさらに好ましいフラーレンは、中空球体、長円体、チューブあるいは板の形態で、カーボン同素体、全てカーボンからなる分子からなる群から選択される。球形のフラーレンはバッキーボールとも呼ばれ、円筒形のものはカーボンナノチューブあるいはバッキーチューブと呼ばれる。グラフェンは、板状のフラーレンシートの例である。
【0265】
本発明は、少なくとも一つの連続相及び少なくとも一つの不連続相を含む配合物にさらに関し、配合物は少なくとも一つの量子ドットを含むことを特徴とする。
【0266】
好ましくは、配合物は一つの連続相、一つの不連続相及び少なくとも一つの量子ドット、好ましくは1〜100、特に好ましくは1〜50、さらに特に好ましくは1〜10の量子ドットを含む。
【0267】
特に好ましくは、配合物は一つの連続相、一つの不連続相及び1〜5、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3、さらに特に好ましくは1〜2の量子ドットを含む。
【0268】
さらに特に好ましくは、配合物は一つの連続相、一つの不連続相及び一つの量子ドットを含む。
【0269】
量子ドットは、不連続相及び/又は連続相に位置され得る。好ましくは、量子ドットは、配合物の不連続相に位置する。
【0270】
本発明の他の実施形態は、前述の不連続相中に小分子有機機能性材料を含み、それに加え、少なくとも一つの量子ドットを含む配合物に関する。量子ドットは、再び、不連続相及び/又は不連続相に位置され得、好ましくは量子ドットは不連続相に位置する。
【0271】
一つのさらに好ましい実施形態において、本発明に係る配合物は、不連続相中に小分子有機蛍光性エミッターと、少なくとも一つ、 好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2、さらに特に好ましくは1つの量子ドットを含む。量子ドットは不連続相中に好ましくは位置する。
【0272】
一つのさらに好ましい実施形態において、本発明に係る配合物は、不連続相中に小分子有機燐光性エミッターと、少なくとも一つ、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2、さらに特に好ましくは1つの量子ドットを含む。量子ドットは不連続相中に好ましくは位置する。
【0273】
量子ドットは、他の種類の電子放出物質を示す。それらは、以下に記述するように単分散性ナノ結晶とも呼ばれる。量子ドットの利点は、1) 一重項有機エミッターの25%と比較して、100%と高い理論内部量子効率、2)一般の有機 溶媒に溶解可能、3)発光波長はコアサイズにより容易に調整可能である、4)狭い発光スペクトル、5)無機材料中での固有の安定性である。
【0274】
半導体材料を含む第1の単分散性ナノ結晶は、ここにおいて、量子ドットまたはQDsとして言及もされ、CdE (E=S、Se、Te)に基づき、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法を用いてBawendiにより生産され、後にKatari et alらによって改質された。QDsの合成上の検討はMurray、Norris及びBawendiの“Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E = sulfur、 selen、 tellurium) semiconductor nanocrystallites”、 J. Am. Chem. Soc. 115[19]、8706-8715、1993により提供される。量子ドットの大部分報告されたキャップ(caps)は、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)またはトリオクチルホスフィン(TOP)に基づいており、電子輸送特性を持つとされている。
【0275】
量子ドットは、簡単に生成可能で、有機蛍光性化合物または燐光性化合物とは反対に、狭い発光スペクトルを持つ。それらは、量子ドットの発光最大値を決めるサイズの観点から調整可能である。高い光ルミネセンス効率は、量子ドットを用いて得ることも可能である。さらに、それらの発光強度は、それらの使用濃度により調整可能である。さらに、量子ドットは、多くの溶媒に溶解可能であるか、一般の有機溶媒に溶解可能に容易にされ得、これは、多様なプロセス方法、特に、スクリーン印刷、オフセット印刷及びインクジェット印刷のような印刷方法を許容する。
【0276】
一般に、量子ドットは、その励起が全ての3つの空間的次元に制限された半導体である。その結果、それらは、バルク半導体の特性と個々の分子の特性との間の特性を有する。例えば、化学的方法、イオン注入、リソグラフィの最新技術により製造されたナノ素子によって量子ドット構造を調製するための数種の方法がある。
【0277】
本発明の量子(quatuim)ドットは、コロイド状の半導体ナノ結晶に関連し、化学的方法によって生産される、コロイド状の量子ドット、ナノドットまたはナノ結晶としても知られる。
量子ドット(QDs)の用語は、サイズにおいて実質的に単分散のナノ結晶に関連する。QDは、約500 nm未満、約1 nmの次数まで下降する次元を持つ、少なくとも一つの領域または特性の次元を有する。用語単分散性は、サイズ分布が提示された値(stated value)の±10%以内であることを意味し、例えば、直径100 nmの単分散性ナノ結晶は90 nm以上、110 nm以下のサイズの範囲を包含する。
【0278】
配合物の量子ドットの濃度範囲は、配合物の総重量を参照し、0.01〜20 wt%の間、0.05〜10 wt%の間、0.1〜5 wt%の間から選択されることが可能である。
【0279】
半導体材料を含む第1の単分散性コロイド状の量子ドットは、CdE (E=S、Se、Te)に基づき、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法を用いてBawendiにより生産され、後にKatari et alらによって改質された。QDsの合成上の検討はMurray、Norris及びBawendiの“Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E = sulfur、 selen、 tellurium) semiconductor nanocrystallites”、 J. Am. Chem. Soc. 115[19]、8706-8715、1993により提供される。
【0280】
当業者に知られたあらゆる方法がQDsの合成に使用可能であるが、好ましくは、制御された無機QDsの成長のための、溶液相コロイド法が使用される。前記コロイド法は、例えば、Alivisatos, A. P., "Semiconductor clusters, nanocrystals, and quantum dots," Science 271:933 (1996)、X. Peng, M. Schlamp, A. Kadavanich, A. P. Alivisatos, "Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility," J. Am. Chem. Soc. 30:7019-7029 (1997)、及び、C. B. Murray, D. J. Norris, M. G. Bawendi, "Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E=sulfur, selenium, tellurium) semiconductor nanocrystallites," J. Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993)に開示される。これらの方法は、クリーンルーム及び高価な製造装置を必要とすることなく、低いコスト加工性を許容する。これらの方法において、高温で熱分解を受ける金属錯体は、有機界面活性剤分子の熱溶液に急速に注入される。これらの前駆体は、高温で分離し、核化ナノ結晶と反応する。この初期の核化相の後、成長結晶へのモノマーの追加により相成長が始まる。従って、結晶性ナノ粒子は、それらの表面を被覆する有機界面活性剤分子を有する溶液中に得られる。
【0281】
これらの方法において、合成は、数秒間に亘って生じる初期の核化事象として生じ、次いで、上昇した温度において数分間、結晶成長が生じる。温度のようなパラメータは、反応の性質及び進行を変更するため、存在する界面活性剤の種類、前駆体材料、及び、モノマーに対する界面活性剤の比率によって変更され得る。温度は、核化現象の構造的な相、前駆体の分解比率、及び成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、溶解度及びナノ結晶形状の制御の双方に影響を及ぼす。モノマーに対する界面活性剤、界面活性剤同士、モノマー同士、モノマーの個々の比率は、成長の動力学に強く影響を及ぼす。
【0282】
適切な半導体材料は、QDsに組み入れられることが可能であり、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnO、ZnS、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、及び、CdZnSeのような合金のようなグループII〜VI;InAs、InP、GaAs、GaP、InN、GaN、InSb、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、及び、InAsP、CdSeTe、ZnCdSe、InGaAsのような合金のようなグループIII〜V;PbSe、PbTe及びPbS及びそれらの合金のようなグループIV〜VI;InSe、InTe、InS、GaSe、及びInGaSe、InSeSのような合金のようなグループIII〜VI;Si合金及びGe合金のような半導体グループIV;及び複合構造におけるそれらの組み合わせ;の元素から選択される。
【0283】
さらに適切な半導体材料は、U.S. patent application Ser. No. 10/796,832に開示されたものを含み、グループII-VI、グループIII-V、グループIV-VI及びグループIV半導体を含むあらゆる種類の半導体を含む。適切な半導体材料は、制限されるものではないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlS、AlSb、BaS、BaSe、BaTe、CaS、CaSe、CaTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si3N4、Ge3N4、Al2O3、(Al、Ga、In)2(S、Se、Te)3、及びAl2COを含む。さらに、さらに適切な半導体材料は、前述の半導体の組み合わせ及び/又はコア/シェル構造、コアマルチシェル(core multi-shell)層構造の組み合わせを含む。
【0284】
さらに、本発明の他の実施形態は、本発明に係る配合物の調製のための、以下の工程を含む方法である。方法は、
a)少なくとも一つの第1の溶媒と、任意に少なくとも一つの界面活性剤を含む第1の溶液を調製すること、
b)少なくとも一つの有機溶媒と、前記少なくとも一つの小分子有機機能性材料と、任意に一つ又はそれ以上のさらなる有機機能性材料を含む第2の溶液を調製すること、
c)工程(a)で得られた第1の溶液及び工程(b)で得られた第2の溶液を特定の比率で混合すること、
d)工程(c)の混合から物理的方法により配合物を形成することと
を含む。
【0285】
この方法によって得られた配合物は、この発明による乳濁液である。
【0286】
好ましくは、工程 d)の物理的方法のために使用された素子は、超音波処理素子である。
【0287】
好ましい比率は、重量で3:1〜15:1の範囲である。
【0288】
一つの好ましい第1の溶媒は、水及び/又はアルコールである。
【0289】
適切な界面活性剤は、前述の界面活性剤から選択されることが可能である。好ましくは、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)が使用される。界面活性剤の量は、配合物の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20 wt%の範囲で、特に好ましくは0.2〜10wt%の範囲で、さらに特に好ましくは0.5〜5 wt%の範囲である。
【0290】
適切な第2の有機溶媒は、前述の有機溶媒から選択可能である。好ましくは、第2の溶液中の有機機能性材料の重量濃度は0.5〜10%、好ましくは1〜5%、特に好ましくは2〜4%である。
【0291】
本発明のさらなる実施形態において、工程 d)は、超音波処理又は高圧ホモジナイザー(homogenisator)またはジェットディスペンサー(disperser)により行われ、好ましくは超音波処理である。
【0292】
本発明のさらなる実施形態は、前述したのと類似の工程を含む油中水乳剤の調製のための方法に関し、ここで、第1の溶液は、任意に界面活性剤を備えた有機溶媒であり、第2の溶液は、少なくとも一つの小分子有機能性材料と、任意に一つ又はそれ以上のさらなる有機機能性材料を含む、水及び/又はアルコール溶液である。
【0293】
本発明に係る配合物は、can be used for the 調製 of a layer and 多層構造 in order to establish a stack of 有機機能性材料のスタックを確立するため、例えば、OLEDsのようなエレクトロニクスまたは光エレクトロニクス素子の調製のため、層構造及び多層構造の調製のために使用され得る。さらなるプロセスのため、小分子有機機能性材料と任意にさらなる有機 機能性材料を含む分散液である配合物に帰する被覆の前に、一つ又はそれ以上の不連続相から溶媒を除去することに時々利点がある。
【0294】
それゆえ、本発明は、本発明に係る乳濁液の不連続相の溶媒の除去により形成された連続相に分散されたナノ粒子を含む分散液にも関する。本発明に係る乳濁液のナノ小滴は、それゆえ、配合物の連続相に分散された固体ナノ粒子に変換される。用語分散液は、ここにおいて、少なくとも一つの液体媒体(例えば、水性またはアルコール系の相)と、固体粒子、好ましくはナノ粒子として懸濁された有機相を含む系のために使用される。
【0295】
本発明は、連続相に分散されたナノ粒子を含む分散液にも関し、ナノ粒子が少なくとも一つの小分子有機機能性材料と、任意にさらなる有機機能性材料を含むことを特徴とする。
【0296】
好ましくは、ナノ粒子は、3、特に好ましくは2、さらに特に好ましくは1つの有機機能性材料を含み、ここにおいて、少なくとも一つの有機機能性材料は小分子有機機能性材料である。
【0297】
この発明に係る分散液は、連続相と、前記連続相に分散された少なくとも一つの小分子有機機能性材料を含む。前記少なくとも一つの小分子有機 機能性材料は、前述の材料の群から選択される。
【0298】
本発明に係る分散液は、分散液を構築するために使用される本発明に係る乳濁液によっては、連続相に分散された少なくとも一つのさらなる有機機能性材料を含んでいても良い。前記少なくとも一つのさらなる有機機能性材料は、前述の材料の群から選択される。
【0299】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも一つの有機溶媒に分散された有機ナノ粒子を含む分散液に関し、前記分散液は、前述の油中水乳剤の不連続相において溶媒を除去することにより得られることを特徴とする。記載したのと同じ溶媒が使用されて良い。
【0300】
本発明に係る分散液は、本発明に係る乳濁液から調製可能である。それゆえ、本発明の他の課題は、乳濁液の不連続相の溶媒を除去することによる、分散液の調製のための方法である。好ましくは、溶媒は気化により除去される。特に好ましくは、溶媒の気化は、加熱により、促進されるか、すくなくとも維持される。本発明に係る乳濁液は、不連続相の溶媒が除去された後、好ましくはダイアフィルトレーションにより少なくとも一部が除去されて良い、一つ又はそれ以上の界面活性剤を含んでいて良い。
【0301】
界面活性剤が存在する場合、それは最初の含有量の50%、好ましくは60%まで、特に好ましくは70%まで、さらに特に好ましくは80%まで除去され得る。
【0302】
層構造は、様々な有機エレクトロニクスまたは光エレクトロニクスの素子にとって重要である。本発明は、配合物、すなわち本発明に係る乳濁液及び/又は分散液の使用により、直交溶媒を用いる層構造を調製するための方法にさらに関する。本発明に係る配合物は、層構造を調製するための様々な方法に使用され得る。好ましくは、層構造は多層構造である。
【0303】
好ましい方法は、以下に記載される。
【0304】
第1の方法は、以下の工程を含む。
【0305】
(a) 基板上に第1の有機層を用意する。
【0306】
(b) 本発明に係る配合物(すなわち、乳濁液または分散液)を被覆することにより、第1の有機層上に第2の有機層を用意する。第1の有機層は、前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に不溶性であるか、制限された溶解度を有することを特徴とする。
【0307】
前記第1の方法において、第1の層は、熱的蒸着または(好ましくは)溶液からの被覆、例えば、スピンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット(slot)印刷、ノズル(nozzle)印刷等によって析出され得る。工程(b)において、第1の層は乳濁液または分散液をコートした後においても塞がれているため、第1の有機層は、前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に不溶性であるか、制限された溶解度のみを有することが必要である。好ましくは、第1の層の最大溶解度は前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に作動温度で0.4 wt%未満である。そして最も好ましくは、第1の層は前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に不溶性である。
【0308】
第2の方法は、以下の工程を含む。
【0309】
(a) 本発明に係る配合物(すなわち、乳濁液または分散液)を被覆することにより、基板上に第1の有機層を用意する。
【0310】
(b) 第2の溶液から第1の有機層の上方に第2の有機層を用意する。第1の有機層における第1の有機機能性材料は、第2の溶液の溶媒に不溶性であるか、制限された溶解度を有することを特徴とする。
【0311】
前記第2の方法において、双方の層は、スピンコーティングまたはインクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット(slot)印刷、ノズル(nozzle)印刷等のような印刷技術から選択され得るコーティング技術により溶液からコートされる。工程 (b)において、第1の層は乳濁液または分散液をコートした後においても塞がれているため、第1の有機層は、第2の溶液の溶媒に制限された溶解度のみを有することが必要である。好ましくは、第1の層の最大溶解度は前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に作動温度で0.4 wt%未満である。そして最も好ましくは、第1の層は第2の溶液の溶媒に不溶性である。
【0312】
第3の方法は、以下の工程を含む。
【0313】
(a) 本発明に係る配合物(すなわち、乳濁液または分散液)を被覆することにより、基板上に第1の有機層を用意する。
【0314】
(b) 第2の溶液または本発明に係る第2の分散液から第1の有機層の上方に第2の有機層を用意する。第1の有機層における第1の有機機能性材料は、第2の乳濁液または分散液の連続相の溶媒に不溶性であるか、制限された溶解度を有することを特徴とする。
【0315】
前記第3の方法において、双方の層は、スピンコーティングまたはインクジェット印刷、スクリーン印刷、スロット(slot)印刷、ノズル(nozzle)印刷等のような印刷技術から選択される技術により溶液からコートされる。工程 (b)において、第1の層は乳濁液または分散液をコートした後においても塞がれているため、第1の有機層は、前記乳濁液または分散液の連続相の溶媒に制限された溶解度のみを有することが必要である。好ましくは、第1の層の最大溶解度は前記乳濁液または分散液の連続相における溶媒に作動温度で0.4 wt%未満である。そして最も好ましくは、第1の層は前記乳濁液または分散液の連続相の溶媒に不溶性である。
【0316】
さらに好ましい実施形態において、多層構造を調製するための前述の方法は、コーティング媒体として分散液を使用する。
【0317】
本発明のさらに好ましい実施形態において、多層構造を調製するための前述の方法は、少なくとも一つの添加剤が分散液に添加されることを特徴とする。
【0318】
好ましくは3、特に好ましくは2、さらに特に好ましくは1の添加剤が分散液に添加される。
【0319】
添加剤の好ましい機能は、多層構造の調製を促進するため、物理的特性の変更である。
【0320】
特に好ましくは、添加剤は、フィルム形成を可能にするため、分散液の表面張力を変更する。直交溶媒を用いる多層構造の調製と関連した典型的な問題は、直下の層上の溶液または分散液の濡れである。それゆえ、溶液または分散液をそれの使用前に、例えばその表面張力を変更することが必要である。それは、例えば湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤等のさらなる添加剤の添加により達成され得る。さらなる適切な添加剤は、例えばWO 2003/019693 A2に言及され得る。
【0321】
溶液または分散液からの析出技術のための重要なパラメータは、例えば、粘度、表面張力、濃度、溶液の分子量、分散液の粒子サイズ、 沸点 of 溶媒の沸点等である。特に、異なる析出技術は、異なるパラメータを要求する。最も広く使用された技術、スピンコーティング及びインクジェット印刷のため、最適な条件は方法及び使用される基板によって互いに異なるが、それらは共通にいくつかのパラメータを有する、例えば、それらは、4〜12 mPasの粘度、40 mN/m未満の表面張力、1μm以下のサイズの粒子、及び、70〜190°Cの溶媒の沸点を要求する。溶液または分散液の前述のパラメータを所望のcorridorに調整することが重要である。これは、異なる添加剤の添加により達成され得る。しかしながら、添加剤はフィルム中に残るであろう、それは望ましくないことである。驚くべきことに、前述の物理的なパラメータは、分散液の不連続相における溶液の溶質または有機機能性材料のための溶媒である必要はないが、溶液または分散液の溶媒と混和性の適切な共溶媒(co-solvent)の使用により適切に変更され得る。有機層上に本発明の水系分散液をコーティングするために、適切な共溶媒(co-solvent)は、1) 10〜40 mPasの範囲の表面張力か、2) 70〜200°Cの沸点のいずれかを満たすべきであり、特に適切な共溶媒(co-solvent)は両方の条件を満たすべきである。本発明に係る水系分散液のための適切な共溶媒の好ましい実施例はイソプロパノールである(実施例参照)。
【0322】
それゆえ、好ましい添加剤は共溶媒(co-solvent)であり、特に好ましくはアルコールであり、さらに特に好ましくはイソプロパノールである。
【0323】
さらなる他の実施形態において、本発明は、前述及び以下の乳濁液及び/又は分散液を用いるコーティング方法に関する。コスト(より素子/単位面積)及び電力消費を削減するため、最新のマイクロエレクトロニクスにおいて小構造またはパターンを生じさせることが望ましい。発明の層のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノ-インプリントリソグラフィ(例えばScience (96)、272、85-87に報告されている)または"Dip-Pen" Nanolithography (Science (99)、283、661-663に報告)によって実施されて良い。エレクトロニクスまたは光エレクトロニクスの素子における薄膜としての使用のため、有機機能性材料または本発明による乳濁液又は分散液は、あらゆる適切な方法により析出されて良い。OLEDsのような素子の液体コーティングは、真空析出技術よりも好ましい。溶液析出方法は、特に好ましい。好ましい析出技術は、制限なしに、ディップコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラ印刷、逆ローラ(reverse-roller)印刷、オフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、はけ塗りまたはパッド(pad)印刷、スロットダイコーティングを含む。高い解像度の表示素子が調製されることを許容するため、インクジェット印刷が特に好ましい。
【0324】
本発明に係る選択された乳濁液及び/又は分散液は、インクジェット印刷又はマイクロ計量分配(microdispensing)によるプレハブの素子基板に適用されて良い。好ましくは、産業圧電印刷ヘッドは、制限されるものではないが、Aprion、Hitachi-Koki、InkJet Technologyにより供給される。目的の技術では、Picojet、Spectra、Trident、Xaarは、基板に有機機能性材料層を塗布するために使用されて良い。さらに、Brother、Epson、Konica、Seiko Instruments、Toshiba TECにより製造された半産業ヘッドか、Microdrop及びMicrofabにより提供されるもののようなシングルノズルマイクルディスペンサー(single nozzle microdispensers)が使用されて良い。
インクジェット印刷又はマイクロ計量分配(microdispensing)による適用のため、本発明に係る乳濁液及び/又は分散液は、連続相における適切な溶媒に最初に調製されるべきである。溶媒は、前述の要求を満たさなければならず、選択された印刷ヘッドにいかなる不利益も及ぼしてはならない。水系または他の極性溶媒系の乳濁液の場合、そのような乳濁液または分散液の使用は、デスクトップインクジェットプリンタと関連して知られている。逆乳濁液及びそれの分散液において、連続相は非極性であり、ヘッドの内部の溶液の乾燥により生じる操作上の問題を回避するため、溶媒は100°C を超える、好ましくは140°Cを超える、より好ましくは150°Cを超える沸点を有するべきである。ここにおいて既に記載された溶媒とは別に、適切な溶媒は、置換または非置換のキシレン誘導体、 ジ-C1-2-アルキルフォルムアミド、置換または非置換のアニソール及び他のフェノール−エーテル誘導体、 substituted heterocycles such as 置換されたピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、ピロリジノン類、置換または非置換のN,N-ジ-C1-2-アルキルアニリン及び他のフッ化または塩化芳香族を含む。
本発明に係る逆乳濁液及びその分散液のインクジェット印刷による析出のための好ましい溶媒は、一つ又はそれ以上の置換基の中の炭素原子の総数が少なくとも3である一つ又はそれ以上の置換基により置換されたベンゼン環を有するベンゼン誘導体を含む。例えば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または3つのメチル基によって置換されていて良く、双方の場合において、トータルで3つの置換炭素原子がある。そのような溶媒は、形成されるべきインクジェット液体がポリマーを持つ溶媒を含むことを可能にし、ジェットの閉塞及びスプレー中の成分の分離を減少または抑制する。溶媒は、次のリストの例から選択されたものを含んでいて良い:ドデシルベンゼン、1-メチル-4-tert-ブチルベンゼン、テルピオネールリモネン、イソズレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、2またはそれ以上の溶媒の組み合わせである、溶媒混合物であって良く、各溶媒は、100°Cを超える、より好ましくは140°Cを超える沸点を好ましくは有する。そのような溶媒は、析出された層におけるフィルム形成を促し、層における欠陥を減らす。インクジェット液体(本発明に係る乳濁液)は、20°Cで1〜100mPa.s、より好ましくは1〜50 mPa.s、最も好ましくは1〜30 mPa.sの粘度を好ましくは有する。
本発明に係る乳濁液及び分散液は、それらの物理的及び化学的特性に関して調整可能であり、それゆえあらゆる種類のエレクトロニクス素子に使用されて良い。発明に係る乳濁液及び分散液と、エレクトロニクス及び光エレクトロニクスの素子の調製のための発明に係る方法で得られた発明に係る分散液も、本発明の課題である。
【0325】
本発明の教示により調製された素子の層は、乳濁液の分散液またはナノ小滴におけるナノ粒子の粒子関連構造のため、粒子構造を有する。この特殊なナノ-構造は、順番に、対応する層の構造と、層自身及び素子全体のそれらの有益な光エレクトロニクス特性を大いに決定する。本発明は、本発明の配合物の使用により得ることが可能な層及び多層の構造にも関する。
【0326】
さらに、発明による多層構造の調製のための方法は、エレクトロニクス及び光エレクトロニクスの素子を製造するために使用されて良く、本発明の実施形態である。
【0327】
好ましくは、本発明に係る乳濁液及び分散液は、光エレクトロニクス素子、スペクトルの好ましくは紫外、可視あるいは赤外の部分における電磁放射の吸収及び放出に使用されて良く、発光素子、光センサーあるいは光集積素子(例えば光起電セル)のような重要な役割を担う。
【0328】
好ましさは、有機エレクトロルミネセンス素子(OLEDs)、ポリマー発光ダイオード(PLEDs)、繊維OLEDs、有機発光電気化学セル(OLECs)、有機電界効果トランジスタ(OFETs)、薄膜トランジスタ(TFTs)、有機太陽電池(O-SCs)、色素増感太陽電池(DSSCs)、有機レーザダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線IC(RFID)タグ、光検出器、センサー、論理回路、メモリー素子、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止フィルム、導電基板またはパターン、光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機スピントロニクス素子、及び、有機プラズモン放出素子(OPEDs)から選択されるエレクトロニクス及び光エレクトロニクスの素子における本発明に係る乳濁液及び/又は分散液の使用に与えられる。
【0329】
発明は、発明による方法で得られたエレクトロニクス又は光エレクトロニクスの素子にさらに関連する。好ましくは、素子は、有機エレクトロルミネセンス素子(OLEDs)、ポリマー発光ダイオード(PLEDs)、繊維OLEDs、有機発光電気化学セル(OLECs)、有機電界効果トランジスタ(OFETs)、薄膜トランジスタ(TFTs)、有機太陽電池(O-SCs)、色素増感太陽電池(DSSCs)、有機レーザダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線IC(RFID)タグ、光検出器、センサー、論理回路、メモリー素子、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止フィルム、導電基板またはパターン、光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機スピントロニクス素子、及び、有機プラズモン放出素子(OPEDs)から選択される。特に好ましくは、素子は、OLEDか、O-SCsである。
【0330】
同じ層か二つの隣り合う層のいずれかにおいて、素子における複数の有機機能性材料を持つことは、通常有益であり、層間か、層中(図1参照)のバルクヘテロ結合のいずれかにヘテロ結合を形成する。そのようなヘテロ結合は、二つの種類に分類され得る;タイプI、図1の左側に図示されているように、一つの材料(材料A)のLUMO及びHOMO準位が、第2の材料(材料B)のLUMO-HOMOエネルギーギャップ内に存在する、及び、タイプII、図1の右側に図示されているように、最大HOMO状態と最小LUMO状態間の最小エネルギー差が、ヘテロ結合の異なる側上の準位間にある。正孔がエネルギー的に最高のHOMO準位を占める傾向にあるのに対し、電子は、エネルギー的に最低のLUMO準位を占める傾向にある。従って、タイプIのヘテロ結合において、電子及び正孔は結合の同じ側に位置し、タイプIIのヘテロ結合において、電子及び正孔の双方が結合の異なる側に位置する。しかしながら、有機機能性材料においては、励起子結合エネルギーが通常、0.5 eV以上とされているので、タイプIIのバンドオフセット(band offset)は、ヘテロ結合での効果的な励起子解離を確保するため、約0.5 eVより大きいことが必要であり、特に有機太陽電池にとって重要な論点である。
【0331】
好ましさは、本発明に係る少なくとも一つの乳濁液または分散液を使用することにより調製されるOLEDに与えられ、前記乳濁液または分散液は、上述されているような、少なくとも一つの有機機能性材料を含む。
【0332】
ナノLED及びO-SCに見られるように、層の典型的な結果は、例えば:
-任意に第1の基板、
- アノード層、
- 任意に正孔注入層(HIL)、
- 任意に正孔輸送層(HTL)及び/又は電子ブロッキング層(EBL)、
- 活性層は、電気的または光学的な励起上において、励起子を生成する、
- 任意に電子輸送層(ETL)及び/又は正孔ブロッキング層(HBL)、
- 任意に電子注入層(EIL)、
-カソード層、
- 任意に第2の基板。
【0333】
与えられた層構造の結果は、例示である。他の結果が可能である。前述の素子の活性層によるが、異なる光エレクトロニクス素子が得られる。第1の好ましい 実施形態において、活性層は、アノードとカソード間に印加された電圧を通して電気的励起上に励起子を生じ、励起子の放射的な減衰を通してさらに発光する。一般的に、これは、発光素子と呼ばれる。他の好ましい実施形態において、活性層は、吸収光を通して励起子を生じ、励起子解離を通して自由電荷キャリアをさらに生じる。一般的に、これは光起電性または太陽のセルと呼ばれる。
【0334】
ここにおいて使用される用語中間層は、ポリマー発光ダイオード(PLEDs)における正孔注入層(または緩衝層)及び発光層の間の層として定義され、例えばWO 2004/084260 A2に開示されているような電子ブロッキング層である。中間層を備えたPLEDsの典型的な素子構造は、図2に示される。しかしながら、この種の素子の一つの問題は、中間層が少なくとも部分的に、EML層をコーティングする時に通常洗浄され、大変に薄い層となることにある。このプロセスは、先行技術において上手に制御されていない。高い効率及び寿命を達成するために正孔及び励起子のより良い閉じ込めを得る目的で、図3に示すように、PLEDsにおいてETLまたはHMBを使用することが高く望まれる。
他の好ましい実施形態において、発明のエレクトロニクス素子は、アノード/HIL/EML/カソードというような多層構造を含むOLEDs、特に例えばWO 2004/084260 A2に開示されているようなPLEDsに基づいた問題解決の可能なシステムであり、ここで、二重層HIL/EMLは、前述のような多層構造のための少なくとも一つの分散液及び一つの方法を使用することにより作製される。
HILは、通常、HIMを含む透明導電ポリマー薄膜である。好ましいHIMは、前述の通りである。電子放出物質は、二又はそれ以上の異なるエミッターの融合もしくは混合、例えば異なる種類の二つのエミッター及び/又は異なる色の光を発光するエミッターをさらに含んでいても良い。従って、本発明の素子は、白色を提供するであろう。
前述の素子構造は、当業者に明らかなエレクトロニクス素子をさらに含む。それにも拘らず、明確にする目的で、いくつかの詳細な素子構造に対して文献が参照される。
【0335】
有機プラズモン放出素子は、好ましくは、Koller et al.によってNature Photonics (2008)、2、684-687に報告されているような素子に言及されている。アノード及びカソードの少なくとも一つが放出層から表面プラズモン(Plasmon)と結合することが可能であるべきであることを除き、OPEDは前述の OLEDと大変に類似している。OPEDは、乳濁液または分散液及びここに記載の方法を使用することにより調製されることがここにおいて好ましい。
【0336】
一つの好ましい有機スピントロニクス素子は、例えばZ.H. Xiong et al.によりNature 2004、Vol. 427、821で報告されているように、二つの強磁性電極と二つの強磁性電極間の有機層を含むスピンバルブ(spin-valve)素子である。強磁性電極は、Co、Ni、Feまたはそれらの合金、ReMnO3またはCrO2からなり、ここでReは希土類元素である。少なくとも一つの有機層が本発明に係る乳濁液または分散液から被覆されていることが好ましい。
【0337】
有機発光電気化学セル(OLECs)は、Pei & HeegerによりScience (1995)、269、1086-1088に最初に報告されているように、二つの電極と、その間に電解質及び蛍光性種の混合又は融合とを含む。OLECは、上述と下記に記載された、乳濁液または分散液及び方法により調製されることがここにおいて好ましい。
【0338】
色素増感太陽電池(DSSCs)は、O’Regan & GraetzelによりNature (1991)、353、737-740に最初に報告されているように、結果として、電極/色素増感TiO2多孔質薄膜/電解質/対極を含む。液体電解質は、Nature (1998)、395、583-585に報告されているように、固体正孔輸送層により置換されることが可能である。
【0339】
本発明の教示により調製された素子の層は、乳濁液の分散液またはナノ小滴におけるナノ粒子の粒子関連構造のため、粒子構造を有する。この特殊なナノ-構造は、順番に、対応する層の構造と、層自身及び素子全体の有益な光エレクトロニクス特性を大いに決定する。本発明は、本発明の配合物の使用により得ることが可能な層及び多層の構造にも関する。本発明は、前記層を含む素子にも関連する。好ましくは、素子は、本発明に記述されている光エレクトロニクス素子である。
【0340】
本発明は、本発明に係る配合物の使用により得られることが可能な素子にも関する。
【0341】
本発明に係る配合物(分散液、乳濁液) 、それらを含む素子、及び、前記配合物の使用により得ることが可能な素子は、照明及び表示の応用を含む制限的でないあらゆる種類の光源に使用され得る。光源は、治療、化粧品、予防薬及び診断という多くの応用において重要な役割も担う。いくつかの応用において、光源の機能は、表示または取り扱われる対象を照らすことを単に示す。他の場合、人または動物の対象が扱われるときに、光の有益な結果が活用される。従って、本発明に係る配合物、すなわち、乳濁液及び分散液の両方は、治療疾患の処理、予防及び/又は診断及び/又は化粧用条件用に使用されることが可能である。これは、あらゆる種類の光線療法、光線力学療法、光療法と薬物療法のような光を使用しない治療とのあらゆる組み合わせ、光療法又は光処理としてここに一般的に言及されているものを含む。多くの光処理は、皮膚、傷、粘膜、目、髪、爪、爪床、歯肉、舌のような処理されるべき対象の外表面に向けられるが、光処理は、例えば肺、血管、心臓、胸及び対象の他の器官を処理するため、対象の内部にも適用され得る。
これらの疾患及び/又は条件は、例えば、皮膚疾患、皮膚エージングを含む皮膚に関連した条件、セリュライト、拡張された毛穴、オイリー皮膚、毛嚢炎、前癌性太陽角化症、皮膚損傷、老化、しわ及び日焼けの皮膚、目尻のシワ、皮膚潰瘍 (糖尿病、高圧(pressure)、静脈うっ帯)、赤瘡損傷、セリュライト;皮脂様油脂線及び周囲組織の光調整(photomodulation); シワの削減、アクネ痕及びアクネ細菌、炎症、痛み、傷、心理学及び神経に関連した疾患及び条件、浮腫、パジェット病、第一期及び転移腫瘍、結合組織疾患、コラーゲンの手技、哺乳動物組織における繊維芽細胞及び繊維芽細胞由来細胞準位、照明網膜(illuminating retina)、ネオプラスチック、新生血管及び肥大性の疾患、炎症及びアレルギー反応、発汗、漏出分泌腺(汗)またはアポクリン腺からの発汗及びハイパーヒドロシス(hyperhydrosis)、黄疸、白斑、視覚上の新生血管疾患、神経性過食症、ヘルペス、季節性情緒、かんしゃく、睡眠障害、皮膚癌、 crigler naijar、アトピー性皮膚炎、糖尿病性皮膚潰瘍、ストレス(pressure)潰瘍、膀胱感染症、筋肉痛の軽減、痛み、関節のこわばり、細菌の軽減、消毒、液体の消毒、水のような飲料の消毒、食物の消毒、歯肉炎、歯のホワイトニング、歯及び口の組織の治療、傷の手当を含む。
【0342】
前記配合物、それらを含む素子、及び、本発明に係る配合物の使用により得ることが可能な素子は、200〜1000 nm、好ましくは300〜1000 nm、特に好ましくは300〜950 nm、さらに特に好ましくは400〜900nmの範囲の光を発光する、少なくとも一つの有機エレクトロルミネッセンス化合物を含む。
【0343】
前述の本発明の実施形態に対する変形形態は、本発明の範囲内に属したままでなすことができると認識されよう。本明細書で開示している各特徴は、そうでないと明示しない限りは、同一、等価または同様の目的に供する代替の特徴で置換できる。したがって、そうでないと明示しない限り、開示した各特徴は、包括的な一連の等価または同様の特徴の一例に過ぎない。
【0344】
本明細書で開示しているすべての特徴は、このような特徴および/またはステップの少なくとも一部が、互いに相容れない組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組合せで使用できる。同様に、非本質的な組合せで説明した特徴は、(組合せではなく)別個に使用してもよい。
【0345】
上述の特徴、特に、好ましい実施形態の多くは、それら自体で発明性があり、単なる本発明の実施形態の一部ではないと認識されよう。独立した保護が、本出願において特許請求するあらゆる発明に追加または代替するこれらの特徴に対して求められ得る。
【0346】
ここに記載されている教示は、要旨となり得、開示された他の実施例と組み合わせられることが可能である。
【0347】
本発明の特徴は、発明の説明を与え、かつそれらを制限する意図ではない詳細な実施形態及び図面の以下の記載の中に明らかになるであろう。
【実施例】
【0348】
実施例1
材料
以下のポリマーIL1及びLEP1(LEP = 発光ポリマー)は、Suzuki couplingを用いて合成される。反応は、当業者に良く知られた合成方法に従って実施され得る。方法は、例えばWO 2003/048225に記載されている。
【0349】
中間層として使用されるポリマーIL1は、次のモノマーを示されているmol%で含む共重合体である。
【化77】

【0350】
得られたポリマーの分子量(MW)は、200,000〜300,000 g/molの範囲に分布する。
【0351】
放出層としてのポリマーLEP1は、次のモノマーを示されているmol%で含む。
【化78】

【0352】
LEP1の分子量(MW)は、430,000〜530,000 g/molの範囲に分布する。
【0353】
次の小分子有機機能性材料は、放出層 (EML)中の成分として使用され、ここで、SM1は青色蛍光性エミッター、SM2はホストである。SM1の合成はWO 2008/006449 A1に従って実施され得、SM2のそれはJP 3148176 B2に従って実施され得る。SM1及びSM2は、トルエンに良く溶解可能である。
【化79】

【0354】
電子輸送材料としての次のETM1も使用される。ETM1はトルエンに良く溶解可能である。その合成は、WO 2008/145239に従って実施され得る。
【化80】

【0355】
実施例2
SM1及びSM2の小乳濁液/分散液の調製
50 mgの有機半導体(5 wt% SM1 + 95 w%t SM2)は、3 g のクロロホルムに溶解される。溶液は、30 mg 硫酸ドデシルナトリウム (SDS)を含む12 gの水に添加され、電磁かくはん機で1時間の高速で攪拌される。その後、プレ乳濁液は、超音波処理素子(Banson sonifier 450 W、1/2-inch tip、90%振幅)を用いて乳濁される。ナノ小滴中にSM1及びSM2を含む安定な小乳濁液が得られる。
対応する分散液を得るため、ナノ小滴中のクロロホルムはSM1及びSM2を含むナノ粒子の分散液を得るために2時間気化される;界面活性剤の除去はダイアフィルトレーション(exclusion size of the membrane: 100 kDa)によって、洗浄水の導電度が3μS/cm未満になるまで達成される。
【0356】
ナノ粒子の直径及びその分布は、動的光散乱 (Zeta Nanosizer (Malvern Instruments、 UK)により当業者に知られている標準的な方法で決定される。上述のようにして得られた分散液の最終的な粒子サイズは、20%FWHM (Full Width at Half Maximum)で約 40 nmである。
【0357】
小乳濁液及びETM1を含む対応する分散液は、この実施例においてSM1及びSM2のために記載されている方法に従って調製される。The final 粒子ize of this 分散液 (これ以降で分散液2と呼ばれる)の最終的な粒子サイズは、20% FWHMで約 48 nmである。
【0358】
実施例 3
OLED1制御素子
図2に示される構造のOLED1は、次の方法に従って調製される。
【0359】
(1) ITO被覆ガラス基板上に80 nm PEDOT (Baytron P AI 4083)がスピンコーティングによって析出され、残存水を除去するため、10分間180°Cで加熱される。
【0360】
(2) グローブボックスにおいて、0.5% wt/lの濃度のトルエン溶液からスピンコーティングによって20 nm IL1を析出させる。
【0361】
(3) グローブボックスにおいて、IL1層を180°Cで1時間加熱する。
【0362】
(4) (23.75 mg SM2 + 1.25 mg SM1 / 1 ml トルエン)の濃度を持つSM1及びSM2のトルエン溶液のスピンコーティングによってEML層を厚さ65 nmまで析出させる。
【0363】
(5) グローブボックスにおいて、素子を80°Cで20分間加熱する。
【0364】
(6) Ba/Al (厚さで3 nm/150 nm)を含むカソードを、放出層の上方に真空熱的蒸着で析出させる。
【0365】
(7) 当業者に知られた標準的な技術及び標準的な材料の使用により素子を封入する。
【0366】
実施例 4
OLED2
OLED2は、本発明による小乳濁液及び直交溶媒を用いて次の手順に従って調製される。
【0367】
(1) 実施例 3の工程 (1)に記述されているようにPEDOTを析出させる。
【0368】
(2) 実施例 3の工程 (2)に記述されているようにIL1を析出させる。
【0369】
(3) 実施例 3の工程 (3)に記述されているようにIL1層を加熱する。
【0370】
(4) 実施例2の分散液に20 wt% イソプロパノールを混合し、完全に攪拌する。
【0371】
(5) 工程 4)からのSM1及びSM2のナノ粒子を含む分散液からスピンコーティングによってEILを厚さ65 nmまで析出させる。
【0372】
(6) 素子を80°Cで20分間加熱する。
【0373】
(7) 実施例 3の工程 (6)に記述されているようにカソードを析出させる。
【0374】
(8) 実施例 3の工程 (7)に記述されているように封入する。
【0375】
実施例 5
IL1残存厚さ及び多層形成
実施例3(工程 (4))のEMLの析出は、EMLのスピンコーティング中にIL1層を部分的に溶解させる、これは、IL1及びEMLの双方がトルエンに溶解可能であるという事実のためである。
IL1層の残存厚さを決定するため、1時間180°Cで加熱した後、20 nmのIL1層はスピンコーティングによってトルエンで洗浄され、その後、洗浄前後の最大波長での吸収スペクトルを比較することによって、残存厚さが決定される。IL1層の残存厚さは、3〜5 nmの範囲である。
【0376】
同じ手順は、たとえば20 nm IL1層の直交溶媒系に実施され、1時間180°Cで加熱した後、スピンコーティングによって混合溶媒(水+20 wt% イソプロパノール)で洗浄される。IL1の厚さは洗浄前後でほとんど変化しない。
【0377】
IL1と水間の表面張力のミスマッチのため、実施例 2で得られた分散液は、単独でIL1層上に均一な膜を形成することができず、それはIL1上に良く濡れない。分散液の表面張力は、他の共溶媒(co-solvent)を分散液に添加することにより調製可能である。この目的のために特に良好な共溶媒(co-solvent)は、イソプロパノールである。フィルム形態は、表面プロファイラーにより粗さを測定することにより調査される。20〜50 wt%のイソプロパノールを含む混合物は、良好なフィルム形成を導き、例えば、実施例 2で得られた分散液及びイソプロパノールの3:2の比率の混合物は、ピーク粗さが3.7 nmで、かつRa (平均粗さ)が2 nm未満の優れた均一な膜を示す。
【0378】
実施例 6
OLED1とOLED2の性能比較
OLED1及びOLED2の素子は、当業者に良く知られている標準的な方法を用いて様々な物理的特性について調査される。記録された特性は、電圧電流ルミネセンス(VIL)特性、エレクトロルミネセンス(EL)スペクトル、カラーコーディネート (CIE)、効率、及び駆動電圧である。
【0379】
対照としてOLED1を用いた比較は、表1に要約され、ここでUonはturn-on voltage、 U(100)は100 nits (1 nit = 1 cd/m2)での電圧、LT DCは駆動モードでの寿命である。外部量子効率は、EQEと省略して記載する。
【表1】

【0380】
表1のデータは、本発明に係る乳濁液/分散液を用いる多層構造が、著しくOLEDの性能を改良することを示している。対照素子OLED1と比較し、OLED2は、2倍より大きい効率(cd/AとEQEの双方)と、ほとんど7倍の寿命を与える。
実施例 7
同じものを用いたIL/EML/ETL及びOLEDを含む多層構造。
【0381】
溶解可能なシステムを使用することにより調製されたOLEDsの性能をさらに改良するため、特に駆動電圧を低減するため、追加の電子輸送層 (ETL)が図3に示すように、カソードとEMLの間に挟まれる。しかしながら、IL、 EML及びETMが異なる層の調整のために一般的に使用される溶媒に溶解可能である場合、それは、そのような多層構造を得るための試みである。問題の解決は、ETMを含む分散液の使用である。
【0382】
図3に示す多層構造を含むPLED2は、次のようにして調製されることが可能である。 (1) ITO被覆ガラス基板上にスピンコーティングにより、80 nm PEDOT (Baytron P AI 4083)を析出させる。その後、残存水を除去するため、10分間180°Cで加熱される。
(2) グローブボックスにおいて、0.5% wt/lの濃度のトルエン溶液からスピンコーティングによって20 nm IL1を析出させる。
(3) グローブボックスにおいて、IL1層を180°Cで1時間加熱する。
【0383】
(4) 0.5〜1.0 wt%の濃度のLEP1のトルエン溶液のスピンコーティングにより、EML層を厚さ30 nmで析出させる。
【0384】
(5) グローブボックスにおいて、素子を180°Cで1時間加熱する。
【0385】
(6) 実施例2の分散液2に20 wt% イソプロパノールを混合し、完全に攪拌する。
【0386】
(7) 工程(6)からのETM1のナノ粒子を含む分散液2からスピンコーティングによってEILを厚さ50nmまで析出させる。
【0387】
(8) 素子を80°Cで20分間加熱する。
【0388】
(9) 3 nm/150 nmのBa/Alカソードを、EMLの上方に気化により析出させる。
【0389】
(10) 素子を封入する。
【0390】
異なる工程後の厚さの測定は、EML及びETLが制御された方法により所望の厚さに調製可能であることを確認する。
【0391】
PEDOT(80nm)/IL1(3-5 nm)/LEP1(80 nm)/Ba/Al構造を有する対照PLED1が調製される。
【0392】
PLED1及びPLED2の性能は表2に要約され、約1V未満の駆動電圧であるが、PLED2 が類似の効率を与えることを示す。
【表2】

【0393】
実施例 8
他の有機機能化合物を含むさらなる小乳濁液及び分散液
実施例 2に従った手順を用い、小分子有機 機能性材料を含む有機機能性材料と、さらなる有機機能性材料を含むさらなる乳濁液及び分散液が調製可能である。ここで使用される溶媒はトルエンである。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は界面活性剤として使用される。ナノ粒子のサイズは、ナノ小滴における界面活性剤及び有機 機能性材料の濃度を変化させることにより40〜100 nmの範囲に調整可能である。
【0394】
次の有機機能性材料は、表3に記載されている12乳濁液/分散液として確立することで使用される。
【0395】
・LEP1、SM1及びSM2:上述の通り
・TER1:金属錯体は赤色を発光する三重項エミッターである
【化81】

【0396】
・TEG1: 金属錯体は緑色を発光する三重項エミッターである。
【化82】

【0397】
・TMM1:マトリックス材料
【化83】

【0398】
・HTM1: 正孔輸送材料
【化84】

【0399】
Poly1: 三重項マトリックスとしての主鎖非共役ポリマー 。その合成は、DE 102009023145.4及びPCT/DE2009/003538に言及されている。ポリマーPoly1は、次のモノマーを表示されたmol%で含む。
【化85】

【0400】
Poly1の分子量(MW)は、60,000〜160,000 g/molの範囲である。
【表3】

【0401】
表 3は、有機機能性材料の総量に基づき、各有機機能性材料を重量パーセント(wt%)で含むナノ小滴の組成を示す。
【0402】
さらなる工程のため、前記乳濁液及び分散液は、少なくとも数時間の安定性が要求されるOLEDまたはO-SCのような多層構造を確立する。それゆえ、乳濁液及び分散液双方は、視覚的な観察により調査される。安定な乳濁液及び分散液は、特定のタイムスパンで相分離及び析出を示さないとされている。表3による12乳濁液及び分散液は、6時間観察され、それらが少なくとも6時間全く安定であることの観察が可能なものである。
【0403】
ここに記載されている乳濁液及び分散液は、本発明の例示的な実施形態である。当業者は、本発明の教示に基づき、発明することなく、有機機能性材料を含む複数のさらなる乳濁液及び分散液を調製する。
【図面の簡単な説明】
【0404】
【図1】タイプI及びタイプIIのヘテロ結合の軌道エネルギー概要。
【図2】カソード、EML、中間層、HIL及びITOを含むOLEDの典型的な層構造。
【図3】カソード、ETL、EML、中間層、HIL及びITOを含むOLEDの典型的な層構造。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの連続相及び少なくとも一つの不連続相を含み、
少なくとも一つの不連続相は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料 (HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体及び色素より選択される少なくとも一つの小分子有機機能性材料を含むことを特徴とする配合物。
【請求項2】
小分子有機機能性材料は、4000g/molの分子量を有することを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項3】
不連続相は、正孔注入材料(HIM)、正孔輸送材料(HTM)、正孔ブロッキング材料(HBM)、電子注入材料(EIM)、電子輸送材料(ETM)、電子ブロッキング材料(EBM)、励起子ブロッキング材料(ExBM)、ホスト材料、エミッター材料、金属錯体及び色素から選択される少なくとも一つのさらなる有機機能性材料を含むことを特徴とする請求項1または2記載の配合物。
【請求項4】
不連続相は、少なくとも一つのエミッター材料及び少なくとも一つのホスト材料を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の配合物。
【請求項5】
不連続相は、二つのエミッター材料及び一つのホスト材料を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の配合物。
【請求項6】
不連続相は、一つのエミッター材料及び一つのホスト材料を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の配合物。
【請求項7】
少なくとも一つのエミッター材料は、蛍光性エミッター材料及び燐光性のエミッター材料から選択され、ホスト材料は、アントラセン類、ベンズアントラセン類、インデノフルオレン類、フルオレン類、スピロビフルオレン類、フェナントレン類、ジヒドロフェナントレン類、チオフェン類、トリアジン類、イミダゾール、ケトン類、カルバゾール類、トリアリルアミン類及びそれらの誘導体から選択されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の配合物。
【請求項8】
不連続相は、イミダゾール類、ピリジン類、ピリミジン類、ピリダジン類、ピラジン類、オキサジアゾール類、キノリン類、キノキサリン類、アントラセン類、ベンズアントラセン類、ピレン類、ペリレン類、ベンゾイミダゾール類、 トリアジン類、ケトン類、ホスフィンオキシド類、フェナジン類、フェナントロリン類、トリアリールボラン類及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの電子輸送材料を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の配合物。
【請求項9】
不連続相は、アミン類、トリアリルアミン類、チオフェン類、カルバゾール類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の配合物。
【請求項10】
不連続相は、遷移金属、希土類、ランタニド及びアクチニドから選択される金属を含む少なくとも一つの金属錯体を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の配合物。
【請求項11】
不連続相は、ペリレン類、ルテニウム色素、フタロシアニン類、アゾ化合物、ペリレンジイミド類、ポルフィリン類、スクワライン(squaraine)化合物及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの色素を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の配合物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項記載に係る配合物の調製のための方法は、
a)少なくとも一つの第1の溶媒と、任意に少なくとも一つの界面活性剤を含む第1の溶液を調製すること、
b)少なくとも一つの有機溶媒と、前記少なくとも一つの小分子有機機能性材料と、任意に一つ又はそれ以上のさらなる有機機能性材料を含む第2の溶液を調製すること、
c)工程(a)で得られた第1の溶液及び工程(b)で得られた第2の溶液を特定の比率で混合すること、
d)工程(c)の混合から物理的方法により配合物を形成することと
を含む。
【請求項13】
請求項12の方法で得られた配合物の少なくとも一つの不連続相の溶媒が除かれ、配合物中に界面活性剤が存在する場合には、それは、少なくとも部分的に除かれることを特徴とする、請求項1〜11いずれか1項記載の配合物の調製ための方法。
【請求項14】
層構造の調製ための方法は、
(a)好ましくは熱的蒸着又は溶液または分散液から被覆することによって、第1の有機層を基板上に塗布すること、
(b)請求項1〜11のいずれか1項記載の配合物を被覆することにより、第2の有機層を第1の有機層に塗布すること
とを含み、第1の有機層は前記配合物の連続相の溶媒に不溶性であるか、作動温度で0.4 wt%以下に制限された溶解度を有することを特徴とする。
【請求項15】
層構造の調製ための方法は、
(a)請求項1〜11のいずれか1項記載の配合物を被覆することにより、第1の有機層を基板に塗布すること、
(b)追加の溶液または請求項1〜11のいずれか1項記載の他の配合物から、第1の有機層に第2の有機層を塗布すること
とを含み、
第1の有機層中の小分子有機機能性材料は、追加の溶液の溶媒または配合物の連続相の溶媒に不溶性であるか、作動温度で0.4 wt%以下に制限された溶解度を有することを特徴とする。
【請求項16】
少なくとも一つの添加剤は、配合物に添加されることを特徴とする請求項19または20記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれか1項記載の配合物の使用により得ることが可能な層。
【請求項18】
エレクトロニクス及び光エレクトロニクス素子の調製のための、請求項1〜11のいずれか1項記載の配合物の使用。
【請求項19】
エレクトロニクス及び光エレクトロニクス素子の調製のための、請求項14〜16のいずれか1項記載の配合物の使用。
【請求項20】
素子は、有機発光ダイオード(OLEDs)、ポリマー発光ダイオード(PLEDs)、繊維OLEDs、有機発光電気化学セル(OLECs)、有機電界効果トランジスタ(OFETs)、薄膜トランジスタ(TFTs)、有機太陽電池(O-SCs)、色素増感太陽電池(DSSCs)、有機レーザダイオード(O-laser)、有機集積回路(O-IC)、無線IC(RFID)タグ、光検出器、センサー、論理回路、メモリー素子、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化(planarising)層、帯電防止フィルム、導電の基板又はパターン、 光伝導体、電子写真素子、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機スピントロニクス素子、及び、有機プラズモン放出素子(OPEDs)から選択されることを特徴とする請求項18又は19記載の使用。
【請求項21】
請求項14〜16いずれか1項記載の方法により得られたエレクトロニクス又は光エレクトロニクスの素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515360(P2013−515360A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545112(P2012−545112)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006875
【国際公開番号】WO2011/076314
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】