説明

エレベータ

【課題】一般利用者と車椅子利用者とが兼用する乗りかごに対する車椅子利用者の乗降にかかる利便性を向上させる。
【解決手段】実施形態によれば、第1の乗場行先階登録装置と、第1の乗場行先階登録装置より低い位置に設けられる第2の乗場行先階登録装置をもつ。また、実施形態によれば、第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が所定の条件を満たして近い場合に、設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口側の所定のスペースに第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示し、この操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が条件を満たさない場合に、床面における出入口からみた奥側の所定のスペースに優先スペースを表示する表示制御手段をもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般利用者と車椅子利用者とが兼用するエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各階床の乗り場に一般利用者用の乗場行先階登録装置と、車椅子利用者用の乗場行先階登録装置をそれぞれ設けたエレベータにおいて、車椅子利用者の安全性および利便性を向上させるために、車椅子利用者用の乗場行先階登録装置の操作にしたがって応答した乗りかごの戸開時間を一般利用者用の乗場行先階登録装置の操作により応答した乗りかごの戸開時間より長くするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−302434号公報
【特許文献2】特開2005−272127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の乗りかごでは、既に乗客の乗っている乗りかご内へ車椅子利用者が乗り込む場合、既に乗っている乗客が車椅子利用者をスムーズに乗降させるための、乗りかご内の車椅子利用者の優先利用スペースが明確でなく、乗客も車椅子利用者も乗り降りに過剰に気を使っていた。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、一般利用者と車椅子利用者とが兼用する乗りかごに対する車椅子利用者の乗降にかかる利便性を向上させることが可能になるエレベータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、乗場での行先階登録のための操作を受け付ける第1の乗場行先階登録装置と、前記第1の乗場行先階登録装置より低い位置に設けられ、乗場での行先階登録のための操作を受け付ける第2の乗場行先階登録装置をもつ。また、実施形態によれば、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が所定の条件を満たして近い場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示し、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たさない場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口からみた奥側の所定のスペースに優先スペースを表示する表示制御手段をもつ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態におけるエレベータの構成例を示すブロック図。
【図2】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示形態の例を表形式で示す図。
【図3】実施形態におけるエレベータの設置建物の各階床の関係の一例を示す図。
【図4】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第1の例を示すフローチャート。
【図5】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第1の表示パターンを示す図。
【図6】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第2の表示パターンを示す図。
【図7】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の乗車時の通路表示の一例を示す図。
【図8】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の降車時の通路表示の一例を示す図。
【図9】実施形態におけるエレベータの構成の第2の例を示すブロック図。
【図10】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第2の例を示すフローチャート。
【図11】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第3の表示パターンを示す図。
【図12】実施形態におけるエレベータの構成の第3の例を示すブロック図。
【図13】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第3の例を示すフローチャート。
【図14】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第4の表示パターンを示す図。
【図15】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第5の表示パターンを示す図。
【図16】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第4の例を示すフローチャート。
【図17】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第6の表示パターンを示す図。
【図18】実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第7の表示パターンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態におけるエレベータの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、実施形態におけるエレベータは、エレベータ制御装置1、一般用乗場行先階登録装置2および車椅子用乗場行先階登録装置3を備える。
【0009】
一般用乗場行先階登録装置2および車椅子用乗場行先階登録装置3は、各階床の乗り場に設けられる。一般用乗場行先階登録装置2は、健常者などの一般利用者による乗場での行先階登録のための操作を受け付け、車椅子用乗場行先階登録装置3は、車椅子利用者による乗場での行先階登録のための操作を受け付ける。車椅子用乗場行先階登録装置3の設置箇所の高さは、一般用乗場行先階登録装置2の設置箇所の高さより低い。
【0010】
また、本実施形態では、乗りかご4は、図示しない巻上機の回転軸に設けられたシーブおよびそらせシーブに巻き掛けられたメインロープを介して吊り合い重りと連結される。乗りかご4は、巻上機の駆動によるシーブの回転に伴い、シーブとメインロープの間の摩擦力により吊り合い重りとともに昇降路内を互いに上下反対方向に昇降する。
乗りかご4は、床面に液晶ディスプレイなどの床表示装置41を備え、天井付近にスピーカ42を備える。
【0011】
エレベータ制御装置1は、運転制御部11、行先階登録部12、行先階登録種別判別部13、戸開閉検知部14、映像出力部15、音声出力部16、記憶装置17を有する。
運転制御部11は、行先階登録にしたがって乗りかごの昇降動作やドア開閉を制御する。行先階登録部12は、一般用乗場行先階登録装置2や車椅子用乗場行先階登録装置3の操作にしたがって行先階を登録する。
【0012】
また、運転制御部11は、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作にしたがって当該車椅子用乗場行先階登録装置3の設置階に応答した乗りかご4の戸開時間を一般用乗場行先階登録装置2の操作により応答した乗りかご4の戸開時間より長くする。
また、運転制御部11は、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作にしたがって当該車椅子用乗場行先階登録装置3に乗りかご4が応答した後に、この乗りかご4が車椅子用乗場行先階登録装置3の操作にしたがって登録された行先階に応答した際の当該乗りかご4の戸開時間を一般用乗場行先階登録装置2の操作により応答した乗りかご4の戸開時間より長くする。
【0013】
行先階登録種別判別部13は、一般用乗場行先階登録装置2および車椅子用乗場行先階登録装置3のうち操作された装置の種別を判別する。戸開閉検知部14は、乗りかご4のドアの開閉を検知する。
【0014】
映像出力部15は、乗りかご4に車椅子利用者が乗り込む際の当該車椅子利用者が優先して利用する優先スペースや、出入口と優先スペースとの間の経路(通路)を案内するための通路表示(案内表示)のための映像情報を出力して乗りかご4の床表示装置41に表示させる。
【0015】
音声出力部16は、乗りかご4に車椅子利用者が乗り込む際の当該車椅子利用者の優先スペースや、出入口から優先スペースの間の経路(通路)を乗客に案内するための音声を乗りかご4のスピーカ42に出力する。
【0016】
記憶装置17は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、運転制御部11、行先階登録部12、行先階登録種別判別部13、戸開閉検知部14、映像出力部15、音声出力部16による処理動作のための制御プログラム、映像出力部15により出力する画像情報、および音声出力部16により出力する音声情報を記憶する。
【0017】
図2は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示形態の例を表形式で示す図である。
図2に示すように、乗りかご4の床表示装置41の表示パターンは、かごドアの種類、同一階床における車椅子利用者の人数、車椅子利用者が車椅子用乗場行先階登録装置3を操作した乗車階から登録された目的階までの距離、および、目的階と乗車階での乗降方向によって変化する。また、表示パターンにより、車椅子利用者が登録した目的階より手前の途中階の呼びへの応答の有無が変化する。
【0018】
図2に示したドアの形態の「1方向CO」は、ドアが1つであり、かご側部の中央から開閉する事である。また、「2方向CO」は、ドアが2つ設けられ、それぞれのドアがかご側部の中央から開閉する事である。また、「2方向2S」は、ドアが2つ設けられ、かつ、かご側部の一端から中央にかけた部分のみがドアが開閉して出入口となる部分であり、中央から他端にかけては出入口とならない部分である。
【0019】
図3は、実施形態におけるエレベータの設置建物の各階床の関係の一例を示す図である。
図3に示した例は、1階の車椅子用乗場行先階登録装置3が操作されることで、4階が行先階登録され、この1階に乗りかご4が応答した際に、3階の一般用乗場行先階登録装置2が操作されて行先階登録がなされている事を指す。
【0020】
次に、図1に示した構成のエレベータの動作について説明する。
図4は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第1の例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第1の表示パターンを示す図である。図5に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「1」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
図6は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第2の表示パターンを示す図である。図5に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「2」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
【0021】
図7は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の乗車時の通路表示の一例を示す図である。図8は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の降車時の通路表示の一例を示す図である。
まず、いずれかの車椅子用乗場行先階登録装置3が操作されて、この操作をエレベータ制御装置1の行先階登録種別判別部13が判別することで、行先階登録部12が車椅子利用者対応の行先階登録を行なうと(ステップS1)、運転制御部11は、乗りかご4を車椅子用乗場行先階登録装置3が操作された階床である乗車階に応答させて、戸開する(ステップS2)。
【0022】
そして、映像出力部15は、前述した乗車階と、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作により登録された目的階(行先階)との間が所定の条件を満たして近い、例えば乗車階と目的階との差が2階床以内である場合には(ステップS3のYES)、かご床の出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図5(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS4)。優先スペースを表示させるための映像情報としては、車椅子を示すマークが挙げられる。
【0023】
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースを乗客に案内するための、例えば「車椅子の方が乗りますので、床の優先スペースを空けてください。」といった音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0024】
また、映像出力部15は、乗車階と目的階(行先階)との間が前述した所定の条件を満たしていない、例えば乗車階と目的階とが図3に示すように3階床以上離れている場合には(ステップS3のNO)、かご床の、出入口から見て奥側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図6(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS5)。
【0025】
そして、映像出力部15は、かご床の出入口側の所定のスペースに対して、出入口からステップS5の処理で表示させる優先スペースまでの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図6(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS6)。この通路スペースの映像情報は、例えば、出入口から優先スペースまでの移動方向を示す情報であり、例えば図7(a),(b),(c)の順で矢印の位置が出入口側から優先スペース側に向かって変化して、この表示を繰り返す形態が挙げられる。
【0026】
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースおよび通路スペースを乗客に案内するための、例えば「車椅子の方が乗りますので、床の優先スペースおよび通路スペースを空けてください。」といった音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0027】
ステップS4またはS6による表示がなされ、乗りかご4が戸閉した事を戸開閉検知部14が検知すると、運転制御部11は、乗りかご4を発車させる(ステップS7)。ステップS6により通路スペースが表示されていた場合、乗りかご4が戸閉すると、映像出力部15は、この通路スペースの映像情報の出力を停止して、図6(c)に示すように、走行中は車椅子利用者の優先スペースのみが床面に表示されるようにする。
【0028】
乗りかご4の発車後、運転制御部11は、乗車階から目的階までの間の階床である途中階の一般用乗場行先階登録装置2が操作されることで、行先階が行先階登録部12により登録されている場合で(ステップS8のYES)、前述したステップS3の処理で「NO」と判別している場合には(ステップS9のNO)、乗りかごの床面の出入口側に車椅子利用者がいないため、途中階の一般用乗場行先階登録装置2を操作した乗客は当該途中階での乗車が可能であるとして、乗りかご4を当該途中階に応答させる(ステップS10)。
【0029】
また、運転制御部11は、前述した途中階での行先階登録がなされている場合でも、前述したステップS3の処理で「YES」と判別している場合には(ステップS9のYES)、乗りかごの床面の出入口側の所定のスペースに車椅子利用者がいるため、途中階の一般用乗場行先階登録装置2を操作した乗客は当該途中階での乗車が行なえないとして、乗りかご4を当該途中階に応答させずに通過させる。
【0030】
運転制御部11は、乗りかご4がステップS1で登録された目的階に応答した後に戸開する。ここで、ステップS6により通路スペースが表示されていた場合、乗りかご4が戸開すると、映像出力部15は、かご床の出入口側の所定のスペースに対して、ステップS5の処理で表示した優先スペースから出入口までの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図6(d)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる。
【0031】
この通路スペースの映像情報は、例えば、優先スペースから出入口までの移動方向を示す情報であり、例えば図8(a),(b),(c)の順で矢印の位置が優先スペース側から出入口側に向かって変化して、この表示を繰り返す形態が挙げられる。
【0032】
乗りかご4が目的階に応答して戸開したのちに戸閉すると、映像出力部15は、優先スペースや通路スペースの映像情報の出力を停止して、図5(e)や図6(e)に示すように床表示装置41の表示が終了するようにする(ステップS11)。
【0033】
以上のように、実施形態におけるエレベータでは、車椅子用乗場行先階登録装置が操作されることで、車椅子利用者用の行先階が登録された場合に、かご床における、目的階に応じた箇所に車椅子利用者の優先スペースを表示し、必要に応じて通路スペースを表示させるので、既に乗りかごに乗っている乗客は、車椅子利用者の目的階に応じた優先スペースが明確となり、この乗客が乗りかご内の優先スペースを空けることで、車椅子利用者をスムーズに乗降させることが可能になる。
【0034】
次に実施形態の第2の例を説明する。この例は、乗りかごに乗り込む車椅子利用者が2人いる場合の例であり、図2に示した表示パターン番号「3」に対応する条件でかご床の表示を行なう例である。
図9は、実施形態におけるエレベータの構成の第2の例を示すブロック図である。
図9に示したエレベータ制御装置1は、図1に示した例と比較して、車椅子人数判別部51をさらに備える。車椅子人数判別部51は、各階床のそれぞれにおいて、当該階床に乗りかご4が応答するまでの同一階床の車椅子用乗場行先階登録装置3の操作回数をもとに、当該階床に応答した乗りかご4に乗り込む車椅子利用者が1人であるか2人であるかを判別する。本実施形態では、当該階床に応答した乗りかご4に乗り込む車椅子利用者は1人または2人であるとする。
【0035】
図10は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第2の例を示すフローチャートである。
図11は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第3の表示パターンを示す図である。図11に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「3」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
まず、同一階床の車椅子用乗場行先階登録装置3が乗りかご4の応答までに2回操作されて、この操作をエレベータ制御装置1の行先階登録種別判別部13が判別することで、行先階登録部12が車椅子利用者対応の行先階登録を2回分行なうと(ステップS21)、運転制御部11は、乗りかご4を車椅子用乗場行先階登録装置3が操作された階床である乗車階に応答させて、戸開する(ステップS22)。ここでは、2回分登録された行先階は同じであるとする。
【0036】
そして、映像出力部15は、かご床の出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の1台目の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図11(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS23)。
【0037】
そして、映像出力部15は、かご床の出入口からみて奥側の所定のスペースに車椅子利用者の2台目の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図11(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS24)。
【0038】
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースを乗客に案内するための、例えば「車椅子の方が2名乗りますので、床の優先スペースを空けてください。」といった音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0039】
ステップS23およびS24による表示がなされ、乗りかご4が戸閉した事を戸開閉検知部14が検知すると、運転制御部11は、乗りかご4を発車させる(ステップS25)。
【0040】
ここで、運転制御部11は、乗車階から目的階までの間の階床である途中階の一般用乗場行先階登録装置2が操作されることで、行先階が行先階登録部12により登録されている場合でも、乗りかごの床面の出入口側及び奥側の所定のスペースに車椅子利用者がいるため、途中階での乗車が行なえないとして、乗りかご4を当該途中階に応答させずに通過させる。
【0041】
運転制御部11は、乗りかご4がステップS21で登録された目的階に応答した後に戸開する。乗りかご4が目的階に応答して戸開したのちに戸閉すると、映像出力部15は、2台分の優先スペースの映像情報の出力を停止して、図11(e)に示すように床表示装置41の表示が終了するようにする(ステップS26)。
【0042】
以上のように、実施形態の第2の例では、乗りかご4に乗り込む車椅子利用者が2人である場合には、車椅子利用者の2台分の優先スペースをかご床に表示させるので、既に乗りかごに乗っている乗客は、2人の車椅子利用者の優先スペースが明確となり、この乗客が乗りかご内の2台分の優先スペースを空けることで、2人の車椅子利用者をスムーズに乗降させることが可能になる。
【0043】
なお、2人の車椅子利用者が登録した行先階が利用者ごとにそれぞれ異なっている場合には、乗りかご4が車椅子利用者が登録した最初の行先階に応答して1人目の車椅子利用者が降車した際に、この応答した階床をあらたな乗車階として、かつ車椅子利用者用が登録した2番目の行先階をあらたな目的階として、前述したステップS3の判別を行なって、かご床の表示、音声出力及び運転制御を行なえばよい。
【0044】
次に実施形態の第3の例を説明する。この例は、乗りかご4の出入口が、第1の乗降方向に沿って乗降するための第1の出入口、および当該第1の出入口に対向する、第2の乗降方向に沿って乗降するための第2の出入口でなる場合の例であり、図2に示した表示パターン番号「4」,「5」に対応する条件でかご床の表示を行なう例である。ここでは、第1の乗降方向と第2の乗降方向とが対向する場合について説明するが、これに限らず、例えば第1の乗降方向と第2の乗降方向とが直交する構成としてもよい。
【0045】
図12は、実施形態におけるエレベータの構成の第3の例を示すブロック図である。
図12に示したエレベータ制御装置1は、図1に示した例と比較して、戸開閉方向判別部61をさらに備える。戸開閉方向判別部61は、車椅子利用者用の行先階が登録された際、この登録元の乗車階での戸開閉方向と、登録された行先階での戸開閉方向とが同じであるか異なるかを判別する。
【0046】
図13は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第3の例を示すフローチャートである。
図14は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第4の表示パターンを示す図である。図14に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「4」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
図15は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第5の表示パターンを示す図である。図15に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「5」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
【0047】
まず、いずれかの車椅子用乗場行先階登録装置3が操作されて、この操作をエレベータ制御装置1の行先階登録種別判別部13が判別することで、行先階登録部12が車椅子利用者対応の行先階登録を行なうと(ステップS31)、運転制御部11は、乗りかご4を車椅子用乗場行先階登録装置3が操作された階床である乗車階に応答させて、戸開する(ステップS32)。
【0048】
そして、乗車階での戸開閉方向と、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作により登録された目的階(行先階)での戸開閉方向とが同じであると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS33のYES)、映像出力部15は、かご床の現在戸開している出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図14(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS34)。
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースを乗客に案内するための音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0049】
また、乗車階での戸開閉方向と目的階(行先階)での戸開閉方向とが異なると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS33のNO)、映像出力部15は、かご床の現在戸開している出入口と反対側の出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図15(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS35)。
【0050】
そして、映像出力部15は、かご床の現在戸開している出入口側の所定のスペースに対して、当該出入口からステップS35の処理で表示させる優先スペースまでの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図15(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS36)。
【0051】
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースおよび通路スペースを乗客に案内するための音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0052】
ステップS34またはS36による表示がなされ、乗りかご4が戸閉した事を戸開閉検知部14が検知すると、運転制御部11は、乗りかご4を発車させる(ステップS37)。ステップS36により通路スペースが表示されていた場合、乗りかご4が戸閉すると、映像出力部15は、この通路スペースの映像情報の出力を停止して、図15(c)に示すように、走行中は車椅子利用者の優先スペースのみが床面に表示されるようにする。
【0053】
乗りかご4の発車後、運転制御部11は、乗車階から目的階までの間の階床である途中階の一般用乗場行先階登録装置2が操作されることで、行先階が行先階登録部12により登録されている場合で(ステップS38のYES)、途中階での戸開閉方向が優先スペースの表示側でない、つまり、乗車階での戸開閉方向と、途中階での戸開閉方向とが異なると戸開閉方向判別部61が判別した場合で、かつ、途中階の一般用乗場行先階登録装置2により登録された行先階がステップS31で登録された行先階より手前の階床である場合における、乗車階での戸開閉方向と、当該手前の階床での戸開閉方向とが異なると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS39のNO)、乗りかごの床面の、一般用乗場行先階登録装置2を操作した乗客は、途中階からの乗車および当該乗客の目的階での降車が可能であるとして、乗りかご4を当該途中階に応答させる(ステップS40)。
【0054】
また、運転制御部11は、前述した途中階での行先階登録がなされている場合でも(ステップS38のYES)、途中階での戸開閉方向が優先スペースの表示側である、つまり、乗車階での戸開閉方向と、当該途中階での戸開閉方向とが同じであると戸開閉方向判別部61が判別する、または、途中階の一般用乗場行先階登録装置2により登録された行先階がステップS31で登録された行先階より手前の階床である場合における、乗車階での戸開閉方向と、当該手前の階床での戸開閉方向とが同じであると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS39のYES)、一般用乗場行先階登録装置2を操作した乗客による途中階からの乗車および当該乗客の目的階での降車の少なくとも一方が行なえないとして、乗りかご4を当該途中階に応答させずに通過させる。
【0055】
運転制御部11は、乗りかご4がステップS31で登録された目的階に応答した後に戸開する。乗りかご4が目的階に応答して戸開したのちに戸閉すると、映像出力部15は、優先スペースの映像情報の出力を停止して、図14(e)や図15(e)に示すように床表示装置41の表示が終了するようにする(ステップS41)。
【0056】
以上のように、実施形態の第3の例では、乗りかご4の出入口が、第1の出入口、および当該第1の出入口に対向する第2の出入口でなる場合において、乗車階での戸開閉方向と、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作により登録された目的階(行先階)での戸開閉方向とが同じである場合には、かご床の現在戸開している出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させる。また、乗車階での戸開閉方向と目的階(行先階)での戸開閉方向とが異なる場合には、かご床の現在戸開している出入口と反対側の出入口側の所定のスペースに車椅子利用者の優先スペースを表示させる。よって、既に乗りかごに乗っている乗客は、車椅子利用者の目的階に応じた優先スペースが明確となり、この乗客が乗りかご内の優先スペースを空けることで、車椅子利用者をスムーズに乗降させることが可能になる。
【0057】
次に実施形態の第4の例を説明する。この例は、図2に示したかごドアの種類「2方向2S」に対応し、図2に示した表示パターン番号「6」,「7」に対応する条件でかご床の表示を行なう例である。
この例におけるエレベータ制御装置1の構成は、第3の例で説明した構成と同一である。この例では、乗りかご4における第1のドア開閉部分を含む側部4aのうちドア開閉部分に隣接する側がドア開閉部分でない固定部分となる。また、乗りかご4における第2のドア開閉部分を含む側部4bのうちドア開閉部分に隣接する側がドア開閉部分でない固定部分となる。
【0058】
また、この例では、乗りかご4の床面の床表示装置41の表示範囲は、乗りかご1の第1の側面における出入口である第1の出入口に面する第1の出入口範囲、当該範囲に隣接して第1の側面に面して車椅子利用者が第1および第2の出入口から退避可能な第1の退避範囲、乗りかご4の第2の側面における出入口である第2の出入口に面する第2の出入口範囲、および、当該範囲に隣接して第2の側面に面して車椅子利用者が第1および第2の出入口から退避可能な第2の退避範囲を有し、ぞれぞれの範囲が区分される。
【0059】
図16は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の表示のための処理動作の第4の例を示すフローチャートである。
図17は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第6の表示パターンを示す図である。図17に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「6」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
図18は、実施形態におけるエレベータの乗りかごの床面の第7の表示パターンを示す図である。図18に示した表示パターンは、図2に示した表示パターン番号「7」に対応する条件での、乗車階への応答前の通常運行中、乗車階での戸開中、乗車階から目的階への走行中、目的階での戸開中および目的階応答後の通常運転復帰におけるかご床の表示パターンを示す。
【0060】
まず、いずれかの車椅子用乗場行先階登録装置3が操作されて、この操作をエレベータ制御装置1の行先階登録種別判別部13が判別することで、行先階登録部12が車椅子利用者対応の行先階登録を行なうと(ステップS51)、運転制御部11は、乗りかご4を車椅子用乗場行先階登録装置3が操作された階床である乗車階に応答させて、戸開する(ステップS52)。
【0061】
そして、乗車階での戸開閉方向と、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作により登録された目的階(行先階)での戸開閉方向とが同じであると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS53のYES)、映像出力部15は、乗りかご4の床面の前述した第1および第2の退避範囲のうち、かご床の現在戸開している出入口に面する前述した出入口範囲に隣接する退避範囲に車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図17(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS54)。この優先スペースは、車椅子利用者が乗車階および行先階の出入口から退避可能で、かつ、行先階の出入口に近いスペースである。
【0062】
そして、映像出力部15は、乗りかご4の床面の第1および第2の出入口範囲のうち、かご床の現在戸開している出入口に面する出入口範囲に対して、出入口からステップS54の処理で表示させる優先スペースまでの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図17(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS55)。
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースを乗客に案内するための音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0063】
また、乗車階での戸開閉方向と、車椅子用乗場行先階登録装置3の操作により登録された目的階(行先階)での戸開閉方向とが異なると戸開閉方向判別部61が判別した場合には(ステップS53のNO)、映像出力部15は、前述した第1および第2の退避範囲のうち、かご床の現在戸開している出入口と反対側の出入口に面する前述した出入口範囲に隣接する退避範囲に車椅子利用者の優先スペースを表示させるための映像情報を生成して、テールコードを介して出力して、図18(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS56)。この優先スペースは、車椅子利用者が乗車階および行先階の出入口から退避可能で、かつ、行先階の出入口に近いスペースである。
【0064】
そして、映像出力部15は、前述した第1および第2の出入口範囲のうち、かご床の現在戸開している出入口に面する出入口範囲に対して、かご床の現在戸開している出入口からステップS56の処理で表示させる優先スペースまでの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図18(b)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる(ステップS57)。この場合、通路スペースの映像情報としては、例えば、かご床の現在戸開している出入口からステップS56の処理で表示させる優先スペースへ向かう、現在戸開している出入口からみて斜め方向の矢印を示す映像情報が挙げられる。
【0065】
また、音声出力部16は、車椅子利用者の優先スペースおよび通路スペースを乗客に案内するための音声情報をテールコード介して出力して乗りかご4のスピーカ42から出力させる。
【0066】
ステップS55またはS57による表示がなされ、乗りかご4が戸閉した事を戸開閉検知部14が検知すると、運転制御部11は、乗りかご4を発車させる(ステップS58)。乗りかご4が戸閉すると、映像出力部15は、ステップS55またはS57により表示されていた通路スペースの映像情報の出力を停止して、図17(c)や図18(c)に示すように、走行中は車椅子利用者の優先スペースのみが床面に表示されるようにする。
【0067】
乗りかご4の発車後、運転制御部11は、乗車階から目的階までの間の階床である途中階の一般用乗場行先階登録装置2が操作されることで、行先階が行先階登録部12により登録されている場合には(ステップS59のYES)、乗りかごの床面の、途中階での出入口に面する出入口範囲に車椅子利用者がいないため、途中階での乗車が可能であるとして、乗りかご4を当該途中階に応答させる(ステップS60)。
【0068】
運転制御部11は、乗りかご4がステップS51で登録された目的階に応答した後に戸開する。ここで、乗りかご4が戸開すると、映像出力部15は、第1および第2の出入口範囲のうち、かご床の戸開した出入口に面する出入口範囲に対して、ステップS54やS56の処理で表示した優先スペースから戸開した出入口までの移動方向を車椅子利用者を含む乗客に案内する通路スペースを表示させるための映像情報を生成してテールコードを介して出力して、図17(d)や図18(d)に示すように乗りかご4の床表示装置41に表示させる。乗りかご4が目的階に応答して戸開したのちに戸閉すると、映像出力部15は、優先スペースや通路スペースの映像情報の出力を停止して、図17(e)や図18(e)に示すように床表示装置41の表示が終了するようにする(ステップS61)。
【0069】
以上のように、実施形態の第4の例では、乗りかご4の出入口が、第1の出入口、および当該第1の出入口に対向する第2の出入口でなる場合において、車椅子用乗場行先階登録装置3が操作された階床である乗車階での戸開閉方向と、この操作により登録された目的階(行先階)での戸開閉方向とが同じである場合には、かご床の現在戸開している出入口に面する出入口範囲に隣接する退避範囲に車椅子利用者の優先スペースを表示させる。また、乗車階での戸開閉方向と目的階(行先階)での戸開閉方向とが異なる場合には、かご床の現在戸開している出入口と反対側の出入口に面する出入口範囲に隣接する退避範囲に車椅子利用者の優先スペースを表示させる。よって、既に乗りかごに乗っている乗客は、車椅子利用者の目的階に応じた優先スペースが明確となり、この乗客が乗りかご内の優先スペースを空けることで、車椅子利用者をスムーズに乗降させることが可能になる。
【0070】
また、この例では、優先スペースを車椅子利用者が2つの出入口から退避可能な退避範囲に表示するので、乗車階と目的階とでの戸開閉方向が同じであるか否かに関わらず、乗りかごを途中階に応答させることができる。
【0071】
これらの各実施形態によれば、一般利用者と車椅子利用者とが兼用する乗りかごに対する車椅子利用者の乗降にかかる利便性を向上させることが可能になるエレベータを提供することができる。
発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…エレベータ制御装置、2…一般用乗場行先階登録装置、3…車椅子用乗場行先階登録装置、4…乗りかご、11…運転制御部、12…行先階登録部、13…行先階登録種別判別部、14…戸開閉検知部、15…映像出力部、16…音声出力部、17…記憶装置、41…床表示装置、42…スピーカ、51…車椅子人数判別部、61…戸開閉方向判別部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場での行先階登録のための操作を受け付ける第1の乗場行先階登録装置と、
前記第1の乗場行先階登録装置より低い位置に設けられ、乗場での行先階登録のための操作を受け付ける第2の乗場行先階登録装置と、
前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が所定の条件を満たして近い場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示し、
前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たさない場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口からみた奥側の所定のスペースに優先スペースを表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たさない場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口からみた奥側の所定のスペースに優先スペースを表示するとともに、前記出入口から前記床面における前記優先スペースの表示箇所までの案内表示を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たさない場合で当該設置階に応答した乗りかごが、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階に応答して戸開した際に、前記床面における前記優先スペースの表示箇所から前記戸開した出入口までの案内表示を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たして近い場合で、前記登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間の途中階における前記第1の乗場行先階登録装置が操作された場合には、前記乗りかごを当該途中階に応答させ、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間が前記所定の条件を満たさない場合で、前記登録された行先階と当該操作された乗場行先階登録装置の設置階との間の途中階における前記第2の乗場行先階登録装置が操作された場合には、前記乗りかごを当該途中階に応答させずに通過させる運転制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
同一階床の前記第2の乗場行先階登録装置の操作回数をもとに、当該操作された乗場行先階登録装置を操作した人数を判別する人数判別手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記操作された乗場行先階登録装置を操作した人数が2人であると前記人数判別手段により判別した場合、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した一方の乗客の優先スペースを表示し、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における出入口からみた奥側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した他方の乗客の優先スペースを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記乗りかごの出入口は、第1の乗降方向に沿って乗降するための第1の出入口、および前記第1の乗降方向と異なる第2の乗降方向に沿って乗降するための第2の出入口でなり、
前記表示制御手段は、
当該操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と当該操作により登録された行先階での乗降方向とが同じ場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における、当該設置階で戸開した出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示し、当該操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と当該操作により登録された行先階での乗降方向とが異なる場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における、前記登録された行先階で戸開する出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
当該操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と当該操作により登録された行先階での乗降方向とが異なる場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における、当該設置階で戸開した出入口側の所定のスペースに前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示するとともに、前記戸開した出入口から前記床面における前記優先スペースの表示箇所までの案内表示を行なう
ことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記登録された行先階と当該操作された前記第2の乗場行先階登録装置の設置階との間の途中階における前記第1の乗場行先階登録装置が操作された場合で、当該途中階での乗降方向および、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階より手前である前記途中階の第1の乗場行先階登録装置の操作により登録された第2の行先階での乗降方向が、前記操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と異なる場合には、前記乗りかごを当該途中階に応答させ、当該途中階での乗降方向および前記第2の行先階での乗降方向のいずれかが、前記操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と同じである場合には、前記乗りかごを当該途中階に応答させずに通過させる運転制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ。
【請求項9】
前記乗りかごの出入口は、第1の乗降方向に沿って乗降するための第1の出入口、および前記第1の乗降方向と異なる第2の乗降方向に沿って乗降するための第2の出入口でなり、
前記乗りかごにおける床面は、
当該乗りかごの第1の側面における前記第1の出入口に面する第1の出入口範囲、当該範囲に隣接する、車椅子利用者が前記第1および第2の出入口から退避可能な第1の退避範囲、前記乗りかごの第2の側面における前記第2の出入口に面する第2の出入口範囲、および、当該範囲に隣接する、車椅子利用者が前記第1および第2の出入口から退避可能な第2の退避範囲を有し、
前記表示制御手段は、
当該操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と当該操作により登録された行先階での乗降方向とが同じ場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における前記第1および第2の退避範囲のうち、前記設置階で戸開する出入口に面する出入口範囲に隣接する退避範囲に前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示するとともに、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における前記第1および第2の出入口範囲のうち、前記設置階で戸開する出入口に面する出入口範囲に対して当該出入口から前記優先スペースまでの案内表示を行ない、
前記表示制御手段は、
当該操作された乗場行先階登録装置の設置階での乗降方向と当該操作により登録された行先階での乗降方向とが異なる場合に、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における前記第1および第2の退避範囲のうち、前記登録された行先階で戸開する出入口に面する出入口範囲に隣接する退避範囲に前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先スペースを表示するとともに、前記設置階に応答して戸開した乗りかごの床面における前記第1および第2の出入口範囲のうち、前記設置階で戸開する出入口に面する出入口範囲に対して当該出入口から前記優先スペースまでの案内表示を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
当該操作された乗場行先階登録装置の設置階に応答した乗りかごが、前記第2の乗場行先階登録装置の操作により登録された行先階に応答して戸開した際に、前記床面における前記優先スペースの表示箇所から前記戸開した出入口までの案内表示を行なう
ことを特徴とする請求項9に記載のエレベータ。
【請求項11】
前記乗りかごの床面における前記表示された優先スペースについて前記第2の乗場行先階登録装置を操作した乗客の優先利用を案内する音声を出力する音声出力手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−184050(P2012−184050A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46869(P2011−46869)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】