説明

エンジンの排気浄化装置

【課題】粒状物質センサによる粒状物質の検出可能期間を長く確保する。
【解決手段】排気通路3に、粒状物質捕集フィルタ5とその下流側において積算式の粒状物質センサ6とが配設される。粒状物質センサ6に粒状物質(粒状物質)が堆積していくのに伴って、粒状物質センサ6の出力電流値が非線形的に増大される。粒状物質センサ6に堆積した粒状物質が所定量になると、粒状物質センサ6に装備された再生用電極13に通電されて、粒状物質センサ6に堆積した粒状物質が除去されて、粒状物質センサ6が再生される。粒状物質センサ6の再生は、粒状物質センサ6で粒状物質が検出可能な範囲内とされて、再生直後から粒状物質センサ6によって粒状物質の検出が可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物質センサの検出可能期間を長く確保できるようにしたエンジンの排気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンにあっては、気筒内から排出される粒状物質を、排気通路に配設した粒状物質捕集フィルタによって捕集することが行われている。この粒状物質捕集フィルタにひび割れ等の故障が生じると、粒状物質の捕集効率が悪化してしまうことになる。
【0003】
例えば粒状物質捕集フィルタの故障検出のために、粒状物質捕集フィルタの下流側の排気通路に積算式の粒状物質センサを設けて、この粒状物質センサの出力を利用して粒状物質捕集フィルタが故障しているか否かを判定することが行われている(特許文献1参照)。この粒状物質センサは、複数の電極を有して、堆積粒状物質が再生によって除去された再生後の初期状態では出力電流値が0の状態とされて、この初期状態から粒状物質センサに堆積する粒状物質量が増大していくとやがて複数の電極間が堆積粒状物質によって導通されて出力電流値が出現し始め(粒状物質量が検出可能となり始めた状態)、この後は、堆積粒状物質量が多くなるのに伴って出力電流値が大きくなる。
【0004】
粒状物質センサに堆積した粒状物質量が所定量よりも多くなると、粒状物質センサを例えば加熱することにより、堆積した粒状物質を除去する再生が行われることになる。そして、従来は、粒状物質センサの再生のための加熱を、あらかじめ設定した所定時間だけ行うようにする一方、この所定時間を、堆積している粒状物質が完全あるいはほぼ完全に無くなる完全再生が行われるような時間に設定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−144577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粒状物質センサを完全再生した直後は、粒状物質センサの出力が無い初期状態への復帰となる。したがって、この初期状態からエンジンの運転によって堆積する粒状物質が増大して粒状物質センサから出力され始めるまでは、粒状物質量の検出が不可能な検出不可能期間になってしまうことになる。そして、この検出不可能期間は相当に長い期間となる。粒状物質センサの再生を行うことは、粒状物質センサを利用した粒状物質量の検出を行う上で不可欠となるが、この再生を行う毎に上記のような長い検出不可能期間を生じてしまい、その分粒状物質センサを利用した粒状物質捕集フィルタの故障判定を行う機会等が減少してしまうことになる。また、粒状物質センサを再生している最中も、粒状物質センサによる粒状物質量の検出が不可能な期間となるが、完全再生に要する時間はかなり長くなるので、このことも粒状物質センサによる粒状物質量の検出可能期間を短くする原因ともなる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、粒状物質センサによる粒状物質量の検出可能期間を増大させることができるようにしたエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、粒状物質センサの再生を、完全あるいはほぼ完全に行うことなく、粒状物質センサによって粒状物質量が検出可能な範囲内で行うようにしてある。具体的には、本発明にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
エンジンの排気通路に、粒状物質量が増大するのに伴って出力が変化する積算式の粒状物質センサが配設されたエンジンの排気浄化装置であって、
前記粒状物質センサに堆積した粒状物質を除去して該粒状物質センサの再生を行う再生手段を備え、
前記再生手段は、前記粒状物質センサによって粒状物質を検出可能な範囲内でもって該粒状物質センサの再生を行う、
ようにしてある。上記解決手法によれば、粒状物質センサは、再生を終了した直後から粒状物質量を検出可能となるので、粒状物質センサの検出可能期間を従来に比して十分長く確保することができる。また、再生時間は、完全再生の場合に比して短くすることができ、この再生時間を短くできる分も合わせて粒状物質量の検出可能期間を長く確保することができる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記再生手段による再生は、再生の進行に伴って前記粒状物質センサの出力があらかじめ設定されたしきい値に達したときに終了される、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、再生終了タイミングを簡単かつ精度よく設定する上で好ましいものとなる。
【0010】
前記しきい値は、前記粒状物質センサによる粒状物質の検出可能から検出不可能に切換わるときの値として設定されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、粒状物質センサによる粒状物質量の検出可能範囲内で粒状物質センサをもっとも十分に再生して、再生機会を減少させる上で好ましいものとなる。
【0011】
前記排気通路に配設された粒状物質捕集フィルタと、
あらかじめ設定された故障判定条件が成立したときに、前記粒状物質センサの出力に基づいて前記粒状物質捕集フィルタの故障判定を行う故障判定手段と、
をさらに備え、
前記再生手段は、前記粒状物質センサの再生中に前記故障判定条件が成立したときは、該粒状物質センサの再生を中止する、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、粒状物質センサの再生中に故障判定条件が成立したときは、粒状物質センサの再生を中止することにより、粒状物質センサを利用した粒状物質捕集フィルタの故障判定を行えるようにして、故障判定機会を十分に確保する上で好ましいものとなる。
【0012】
前記再生手段は、粒状物質を電気的に加熱、除去する加熱制御式とされ、
前記再生手段は、再生に伴って前記粒状物質センサに堆積する粒状物質が減少するにしたがって、加熱のための通電量を小さくする、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、不用意に粒状物質の検出不可能な範囲まで再生し過ぎてしまう事態を確実に防止する上で好ましいものとなる。
【0013】
前記再生手段は、粒状物質の検出可能範囲内での再生をあらかじめ設定した所定回数行なった後に、またはエンジン起動後の前記粒状物質センサによる初回の計測開始時の前に、粒状物質の検出不可能なレベルまで完全再生する、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、完全再生をも行うようにして、粒状物質センサによる粒状物質量の検出を常に精度よく行う等の上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、粒状物質センサによる粒状物質量の検出可能期間を長く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示す要部系統図。
【図2】粒状物質センサの要部を示す図。
【図3】粒状物質センサの再生手法を図示的に示す図。
【図4】本発明の制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下実施形態について説明するが、粒状物質をPMと称し、粒状物質捕集捕集フィルタをDPFと称し、粒状物質センサをPMセンサと称し、粒状物質量をPM量と称して説明する。
【0017】
図1において、1はエンジンで、実施形態では自動車用ディーゼルエンジンとされている。2はエンジン1の吸気通路、3はエンジン1の排気通路である。排気通路3には、その上流側から下流側へ順次、DOC(NOをNO2に酸化するディーゼル酸化触媒)4、DPF5、PMセンサ6が配設されている。
【0018】
上記PMセンサ6は、堆積PM量が増大するのに伴ってその出力が変化する積算式とされている。このPMセンサ6について図2を参照しつつ説明すると、PMセンサ6は、基板10を有し、この基板10上に、複数の電極つまり正極11と負極12とが配設されている。正極11と負極12との間には一定電圧が印加されて、正極11と負極12との間を流れる電流値が、PMセンサ6の出力電流値とされる。正極11と負極12とは通常は離間しているために非導通状態とされて、出力電流値が0とされる。基板11上にPMが堆積していくと(図2において、多数の黒点で堆積したPMが簡略的に示される)、やがて、正極11と負極12とが堆積PMによって導通されて、正極11と負極12との間に電流が流れるようになる。基板11上に堆積するPMが増大するのに伴って、正極11と負極12との間の抵抗値が減少して、出力電流値が増大される。基板11には、電極11,12とは反対側の面において、再生用(加熱用の)電極13が配設され、また温度センサ14が配設される。なお、図2では、再生用電極13は、基板10とは分離して示しているが、実際には基板10に一体化されているものである。この再生用電極13に通電して基板10を加熱することにより、基板10上に堆積したPMが除去される(再生)。また、温度センサ14によって、PMセンサ6の温度が検出される。
【0019】
次に、本発明によるPMセンサ6の再生例について図3を参照しつつ説明するが、図中実線が本発明による場合を示し、破線が従来の場合を示す。まず、当初は、エンジン1が始動された直後には、PMセンサ6は完全再生された初期状態とされて、その出力電流値は0である(検出不可能期間となる)。エンジン1を一定の定常運転状態で運転し続けたとき、PMセンサ6に徐々にPMが堆積して、t1時点になったときに、堆積したPMによって正極11と負極12とが導通されて、出力電流値が現れる(検出可能期間となる)。この後は、堆積するPM量が増大するのに伴って、非線形的に出力電流値が増大される。
【0020】
PMセンサ6からの出力電流値が、あらかじめ設定された再生開始値(開始しきい値)にまで大きくなると(例えばt2時点)、再生用電極13に通電されて、再生が開始される。再生開始によって堆積するPMが加熱、除去されていき、PMセンサ6の出力電流値は再生の進行に伴って小さくなる。出力電流値が、あらかじめ設定された再生終了値(終了しきい値)にまで低下すると、再生が終了される(再生用電極13への通電停止)。以後は、同様のことが繰り返される。PM量が検出可能となったt1時点以後は、本発明にあっては、再生期間を除き、上記PMセンサ6によってPM量を検出可能な期間となる。なお、図3では、再生終了値として、PMセンサ6の検出可能範囲の下限値よりも十分大きい値に設定してあるが、このような設定は、再生に要する時間を短くする上で好ましいものとなる。また、PMセンサ6の出力特性のうち、感度のよい領域を優先的に使用する設定となって、検出精度確保の点でも好ましいものとなる。
【0021】
従来は、図3破線で示すように、完全再生が行われることから、再生時間を長く要し、また完全再生直後からPM量の検出可能となるまでの長い検出不可能期間(図3で不感帯として示す期間)を要することになる。
【0022】
再び図1において、PMセンサ6の再生制御やDPF5の故障判定制御のために、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラUが設けられている。コントローラUには、図3に示すような再生開始値や再生終了値が記憶されている。このコントローラUは、PMセンサ6からの出力が入力される他、各種センサ21〜27からの信号が入力される。センサ21は、エンジン回転数を検出するものである。センサ22は、エンジン負荷を検出するものである。センサ23は、燃料噴射量を検出するものである。センサ24は、燃料噴射圧力を検出するものである。センサ25は、酸素濃度を検出するものである。センサ26は、排気温度を検出するものである。センサ27は、気筒内温度を検出するものである。なお、各センサ23〜S7で検出される要素は、別のセンサ等で検出された値に基づいて演算された値を用いることもできる。
【0023】
図4は、コントローラUによるPMセンサ6の再生制御およびDPF5の故障判定を行うための制御例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートについて説明するが、以下の説明でSはステップを示す。
【0024】
まず、S1において、PMセンサ6に設けられた温度センサ14(図2参照)で検出された温度が、所定の活性値(例えば100度C)以上であるか否かが判別される。この判別でNOのときは、PMセンサ6が活性化されていないときなので、そのままリターンされる。S1の判別でYESのときは、S2において、PMセンサ6の出力(出力電流値)が読み込まれる。
【0025】
S2の後、S3において、PMセンサ6の出力電流値が再生開始値以上であるか否かが判別される。このS3の判別でYESのときは、S4において、再生用電極13に通電されて、PMセンサ6の再生が実行される。この後、S5において、後述するDPF5の故障判定条件が成立したか否かが判別される。このS5の判別でNOのときは、S6において、PMセンサ6の出力が図3に示す再生終了値以下となったか否かが判別される。このS6の判別でNOのときは、再生が終了していないときなので、S4に戻って再生が続行される。そして、S6の判別でYESのときは、S7において、再生が終了された後(再生用電極13への通電停止)、リターンされる。
【0026】
前記S3の判別でNOのときは、S8において、DPF5の故障判定を行う条件が成立したか否かが判別される。このS8での判別の内容は、前記S5での判別の内容と同じであり、例えばエンジン回転数が所定回転数範囲内で安定しておりかつエンジン負荷が所定負荷範囲内で安定しているときに、故障判定条件が成立していると判断される。このS8の判別でNOのときは、そのままリターンされる。また、S8の判別でYESのときは、S9において、PMセンサ6の出力を利用して、DPFが故障しているか否かが判別される。DPF5の故障判定は、例えば、PMセンサ6の所定期間における出力値の変化量を所定しきい値と比較することにより行われる。具体的には、上記変化量が、所定しきい値よりも大きければ故障と判定し、小さければ故障でないと判定する。
【0027】
前記S5の判別でYESのとき、つまりPMセンサ6の再生中に故障判定条件が成立したときは、S10において、PMセンサ6の再生が終了される。この後、S9での故障判定が実行される。PMセンサ6の再生途中であっても、故障判定条件が成立したときは、再生を中止することにより、S9での故障判定を行う機会を増大させることができる。
【0028】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。PMセンサ6の出力としては、電流値に限らず、電流値に関連した値となる抵抗値等で表現することもできる。PMセンサ6の再生の際に通電される再生用電極13への通電量(通電電圧あるい通電電流)は、常時一定のままとしてもよいが、好ましくは、再生直後は大きく、再生終了付近では小さくするのが好ましい。この場合、上記通電量は、連続可変的に徐々に小さくなるようにしてもよく、あるいは段階的に小さくなるようにしてもよい。このような通電制御によって、再生時間を極力短くしつつ、再生終了付近での通電量が小さくして再生終了値を超えて再生し過ぎてしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0029】
完全再生を、適宜のタイミングで行うのが、PMセンサ6による検出精度を長期間に渡って維持する等の上で好ましいものとなる。すなわち、図3の例では、エンジン1の起動直後(PMセンサ6の使用開始直前)のタイミングで完全再生を行なうようにしているが、例えば次のようなタイミングで行うこともできる。図3に示す再生開始値と再生終了値との間での再生を連続して所定回数(例えば100回)行なう毎に、完全再生を行うようにしてもよい。上記所定回数に代えて、所定経過時間(例えば30分)経過毎に完全再生を行うようにしてもよい。勿論、完全再生を一切行わないようにすることもできる。
【0030】
図3で設定されたしきい値としての再生終了値は、PMセンサ6の検出可能範囲の下限値よりも十分大きい値に設定してあるが、検出可能範囲の下限値(検出可能範囲から検出不可能範囲に切換わる値)に設定してもよい。この下限値に設定した場合は、次に再生開始されるまでの期間を長く確保する上で好ましいものとなる。また、再生開始条件や再生終了条件の少なく一方あるいは両方を、PMセンサの6の出力値に関連したしきい値以外でもって設定するようにしてもよい。例えば、再生開始条件を、PMセンサ6の再生終了から所定時間経過した時点として設定する等のこともできる。また、再生途中での再生終了条件を、定常運転のうち特に気筒内からの排出PM量が多くなる高負荷域での定常運転が検出されたときとして設定する等、適宜の条件設定することもできる。勿論、再生途中での再生終了を行わないようにしてもよい。
【0031】
PMセンサ6を、DPF5の故障判定に用いる場合には、DPF5の上流側にもPMセンサを別途設けて、DPF5の上流側と下流側との両方のPMセンサの出力を利用して、DPF5の故障判定を行うようにしてもよい(DPF5への流入PM量と流出PM量とからDPF5の捕集効率を算出して、この捕集効率をあらかじめ設定した所定のしきい値と比較して故障判定を行う)。勿論、この上流側と下流側の各PMセンサの両方について、あるいはいずれか一方のPMセンサについて、本発明による再生手法を適用することができる。PMセンサは、DPF5の故障判定以外にも使用することができる。例えば、DPF5の下流側に設けたPMセンサ6を利用して、DPF5の再生完了時期を知ることができる(DPF5が再生された直後はDPF5から流出するPM量が一時的に増大するので、この増大PM量をPMセンサ6で検出する)。また、エンジンの運転状態に応じてDPF5に流入されるPM量を推定すると共に、推定された流入PM量を上流側のPMセンサの出力に基づいて補正して、より正確な流入PM量を知るようにしてもよい。エンジン1の運転状態に基づいてDPF5への流入PM量を推定するには、例えば燃料噴射量、燃料噴射圧力、酸素濃度、排気温度、気筒内温度の少なくとも1つあるいは2以上のパラメータを用いて既知のように推定することができる。さらに、上流側PMセンサの出力に基づいて、気筒内から排出されるPM量が最小限となるように、燃料噴射量や燃料噴射圧力を制御することもできる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、自動車用のディーゼルエンジンに適用して好適である。
【符号の説明】
【0033】
1:エンジン
2:吸気通路
3:判別
5:粒状物質捕集フィルタ(DPF)
6:粒状物質センサ(PMセンサ)
10:基板
11:正極
12:負極
13:再生用電極
14:温度センサ
U:コントローラ
21:センサ(エンジン回転数)
22:センサ(エンジン負荷)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気通路に、粒状物質量が増大するのに伴って出力が変化する積算式の粒状物質センサが配設されたエンジンの排気浄化装置であって、
前記粒状物質センサに堆積した粒状物質を除去して該粒状物質センサの再生を行う再生手段を備え、
前記再生手段は、前記粒状物質センサによって粒状物質を検出可能な範囲内でもって該粒状物質センサの再生を行う、
ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記再生手段による再生は、再生の進行に伴って前記粒状物質センサの出力ががあらかじめ設定されたしきい値に達したときに終了される、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記しきい値は、前記粒状物質センサによる粒状物質の検出可能から検出不可能に切換わるときの値として設定されている、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記排気通路に配設された粒状物質捕集フィルタと、
あらかじめ設定された故障判定条件が成立したときに、前記粒状物質センサの出力に基づいて前記粒状物質捕集フィルタの故障判定を行う故障判定手段と、
をさらに備え、
前記再生手段は、前記粒状物質センサの再生中に前記故障判定条件が成立したときは、該粒状物質センサの再生を中止する、
ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記再生手段は、粒状物質を電気的に加熱、除去する加熱制御式とされ、
前記再生手段は、再生に伴って前記粒状物質センサに堆積する粒状物質が減少するにしたがって、加熱のための通電量を小さくする、
ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記再生手段は、粒状物質の検出可能範囲内での再生をあらかじめ設定した所定回数行なった後に、またはエンジン起動後の前記粒状物質センサによる初回の計測開始時の前に、粒状物質の検出不可能なレベルまで完全再生する、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−149525(P2012−149525A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6617(P2011−6617)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】