説明

エーテル類、エーテル組成物の調製方法、フルオロエーテル消火システム、混合物及び方法

高度にフッ素化された飽和あるいは不飽和のフルオロエーテルは、全面フラッジング型及び携帯型システム中で単独あるいは他の消火剤とのブレンドとして用いられる効率的、経済的、かつ非オゾン破壊性の消火剤である。エーテル類、ハロゲン化エーテル中間体及びフルオロエーテルの製造方法、新規なフルオロエーテル組成物及びフルオロエーテル消火性混合物、消火方法及び消火システムが開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なエーテル化合物、特にハロゲン化エーテル化合物に関し、また他の実施態様においてはフッ素化エーテル化合物に関する。また、本発明はさらにこれらエーテル化合物の製造方法及び使用方法にも関する。
【0002】
また、本発明のいくつかの実施態様はフルオロエーテル消火剤及びフルオロエーテルを用いた消火方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臭素、塩素及び沃素を含むハロゲン化化合物は一般的に有効な消火剤として理解されている。火炎抑制機構の一つとして、消火剤及びそれらの作用に内在する基本的機構関連文献の論評、NACA−TN2102(1950年)においてフライブルグによって提唱されたラジカルトラップ機構がある。ハロゲン類の効果はCl<Br<Iの順で質量に基づくことが、Malcom,Iによって米国軍エンジニアリング研究開発研究所(Fort Bevoir,VA,1950)の報告書117、「揮発性消火剤」(プロジェクト8−76−04−003)において報告されている。
【0004】
沃素含有化合物の消火剤としての使用は、それらの製造コストが高いこと、あるいは有毒性を考慮して状況によって回避されてきた。今日まで一般的に使用されてきた消化剤はすべて臭素含有化合物、すなわちハロン(Halon)1301(CFBr),ハロン(Halon)1211(CFBrCl)及びハロン(Halon)2402(BrCFCFBr)である。これら揮発性臭素含有化合物の消火に際しての効果についてはオーウェンの米国特許No.4,014,799に記載がある。ある種の塩素含有化合物、例えばラーセンの米国特許No.3,844,354に記載があるハロン(Halon)251(CFCFCl)も消火剤として有効であることが公知である。
【0005】
上記の臭素あるいは塩素含有ハロン剤は有効な消火剤ではあるが、このような臭素あるいは塩素を含む剤は地球の保護オゾン層を破壊する可能性があることが主張されている。また、これらの剤はしばしば世界的温暖化の可能性に結びつく温室温暖化効果の原因になり得ると考えられている。
【0006】
より近年では、たとえば米国特許No.5,124,053において、ハイドロフルオロカーボンが消火剤として提唱されている。しかしながら、このような化合物は世界的温暖化をひき起こす可能性の比較的高いものである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の一実施態様では、オレフィン類及びアルコール類からのハロゲン化エーテル類の製造方法が提供されている。従って、本発明の目的の一つはオレフィン類及びメタノールからのハロゲン化エーテル類の製造方法を提供することである。本発明の目的は、特に含塩基水溶液の存在下でオレフィン類及びアルコール類を化合することによるハロゲン化エーテル類の連続的製造方法を提供することである。
【0008】
本発明はまた、フルオロエーテルの製造に役立つハロゲン化エーテル中間体の製造方法を提供することを他の目的とする。一実施態様として、ハロゲン化エーテル中間体は紫外線(UV)照射下においてエーテルをハロゲン化剤と化合することにより製造可能である。
【0009】
本発明の他の実施態様においては、ハロゲン化エーテル中間体をフルオロエーテルへ変換することが可能である。一態様として、CFCHFCFOCCLをガス状HF及び触媒の存在下でフッ素化してCFCHFCFOCFを製造することができる。また一態様として、CFCHFCFOCHCLを触媒存在下でHFと反応させることによりCFCHFCFOCHFを製造することができる。
【0010】
他の態様では、ハロゲン化エーテル中間体を液状フッ化水素(HF)の存在下でフッ素化し、さらに後続的にフッ素化することによりフルオロエーテルが生成可能なフルオロエーテル中間体を得ることが可能である。例示的態様として、液状HFの存在下でCFCHFCFOCClをフッ素化してCFCHFCFOCClFを生成し、さらに後続してこれをガス状HFの存在下でフッ素化することによりCFCHFCFOCFを生成することが可能である。
【0011】
本発明に係るフルオロエーテル類を、多工程ルートを介して製造することも可能である。例えば、CFCHFCFOCFHを、下記3工程を介して製造することが可能である。
i)塩基の存在下でメタノールを市販のヘキサフルオロプロペン(CFCF=CF)と反応させてCFCHFCFOCHを得る。
ii)塩素を用いてCFCHFCFOCHを塩素化してCFCHFCFOCHClを生成する。
iii)HFを用いてCFCHFCFOCHClをフッ素化して最終生成物であるCFCHFCFOCFHを生成する。
【0012】
本発明のさらに別の実施態様では、本発明に係るフルオロエーテル類は消火剤(流出剤及び全面フラッジング剤を含む)として用いられる。
【0013】
本発明の前記目的及び他の目的、利点及び特徴は、飽和あるいは不飽和のフルオロエーテル類及びそれらの混合物を他剤とともに消火方法及び消火装置において消火剤として用いることにより達成可能である。本発明に係る消火方法には、飽和あるいは不飽和のフルオロエーテルを消火濃度で火炎中へ導入し、火炎が消火されるまでその消火濃度を維持する過程が含まれていてもよい。本発明における飽和フルオロエーテル類の具体例として、CFCHFCFOCH,CFCHFCFOCHF,CFCHFCFOCFH,CFCHFCFOCF,(CFCHCFOCH,(CFCHCFOCHF,(CFCHCFOCHF及び(CFCHCFOCHが挙げられる。
【0014】
これらのフルオロエーテル類は単独あるいは相互の混合物として、あるいは他の消火剤とのブレンドとして使用できる。ハイドロフルオロカーボン類との混合物に用いる適当な消火剤(混合物)として、CFCHFCF,CFCFCFH,CFCHCF,CFCFH及びCFHがある。
【0015】
本発明のさらに他の実施態様では、本発明に係るフルオロエーテル類を溶媒、冷却剤、発泡剤、エッチング液、麻酔剤及び推進剤として用いることが可能である。CFCHFCFOCFのような新規な組成物も提供されている。
【0016】
本発明の上記及び他の実施態様、目的、代替例及び利点は、以下に図面を参照して詳細に記載された本発明に関する説明からさらに明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施態様に従い、フルオロエーテル類を製造し、それらフルオロエーテル類を用いて燃焼を止めることが可能である。本発明の開示において、用語「フルオロエーテル」にはエーテル基及びフッ素原子を含むあらゆる化合物が含まれる。かかる化合物の例としては、以下に限定されないが、過フッ素化エーテル類、ハイドロフルオロエーテル類、フルオロハロゲン化エーテル類及び/またはハイドロフルオロハロゲン化エーテル類を挙げることができる。以下に本発明の例示的態様について図1及び図2を参照しながら説明する。
【0018】
図1には、オレフィン供給源1、アルコール供給源2及び塩基水溶液4を含む反応装置10が(オレフィン、アルコール及び反応物7としての塩基水溶液とともに)図示されている。前記装置には反応槽3がさらに含まれている。一実施態様においては、オレフィン1、アルコール2及び塩基水溶液4が化合されてエーテル含有反応生成物5が生成される。反応試薬はバッチ式、半連続式あるいは連続式で化合される。反応生成物5は反応槽3中にそのまま保持されてもよく、及び/または粗エーテル生成物8が反応物7から分離される図に示された分離槽6中へ移し変えられてもよい。次いで反応物7を反応槽3中へ戻して、追加されたあるいは残存している塩基水溶液4の存在下で反応を行うことが可能である。
【0019】
試薬として選択される具体的オレフィン類及びアルコール類によっては、エーテル含有反応生成物を、ガス状、あるいは上層、中間層あるいは下層等の種々形態で反応槽3から取り出すことが可能である。また、反応物7からの粗エーテル8の分離には、粗エーテル生成物8のガス状、あるいは上層、中間層あるいは下層としての取り出し、さもなければ反応物7のガス状、あるいは上層、中間層あるいは下層としての取り出しが伴われてもよい。従って、反応物7を反応槽3へ戻す際の形態は、ガス及び/または液状組成物の形態であってもよい。
【0020】
オレフィン1は一般式R(R)C=CXYを有するものであればよい。オレフィン1は総じて水素化、ハロゲン化及び/または過ハロゲン化オレフィンと呼ばれるものである。Rは孤立したハロゲン、孤立した水素、ハロゲン化アルキル基、水素化アルキル基、あるいは過ハロゲン化アルキル基単独あるいはそれらの組合せであればよい。ここで前記ハロゲン化アルキル基には、アルキル基の他の元素が何であるかに関わりなく少なくとも1個のハロゲンを有するあらゆるアルキル基が含まれる。例えば、単なる例示であって以下に限定されないが、ハロゲン化アルキル基として−CHFCl,−CFあるいは−CFClを挙げることができる。Rは孤立したハロゲン、孤立した水素、ハロゲン化アルキル基、あるいは過ハロゲン化アルキル基単独あるいはそれらの組合せであればよい。R及びRは同一の基でも異なる基であってもよい。一例として、RはCFあるいはFである。本発明の一態様としてRをHまたはFとすることができる。組合せの一例として、RをFとし、及びRをFとすることができる。組合せの他の例として、RをFとし、RをHとすることも可能である。
【0021】
前記一般式において、X及びYはハロゲン1種、あるいは数種のハロゲン、すなわちI,Br,Cl及び/またはFであればよい。本発明の一態様として、X及びYを同一の基、例えばXをFとし、YをFとすることができる。別の態様例として、X及びYを異なる基、例えばXをF,YをHとすることも可能である。
【0022】
本発明の一態様では、オレフィン1は、CFCF=CF(ヘキサフルオロプロペン、HFP)、CFCH=CF(ペンタフルオロプロペン、PFP)、あるいはCF=CF(テトラフルオロエテン、TFE)である。本発明のいくつかの態様では、オレフィン1はCFCF=CFを含み、あるいはCFCF=CFから成り、及び/またはCFCF=CFを必須成分として成る。他の態様例として、オレフィン1はCF=CFを含み、あるいはCF=CFから成り、及び/またはCF=CFを必須成分として成るものであってもよい。
【0023】
アルコール2としては水素化及びハロゲン化アルコールが挙げられる。本発明の一態様として、アルコール2はメタノール(CHOH),エタノール(CHCHOH)及び/またはイソプロパノール((CHCHOH)であってもよい。
【0024】
塩基水溶液4としては、アルコールとの組合せによりアルコキシドを確実に生成するに十分な塩基が挙げられる。前記アルコキジトの生成に使用可能な塩基として、水酸化ナトリウム(NaOH)及び/または水酸化カリ(KOH)等のナトリウム及びカリの水溶液が挙げられる。本発明の一態様では、塩基水溶液としてKOHが用いられる。
【0025】
本発明の一態様では、塩基水溶液4として、KOH濃度10〜45重量%の水溶液が用いられる。このKOH溶液を反応槽3中でアルコール2と化合することにより、アルコール濃度が50〜60重量%であり、及びKOH濃度が5〜20重量%である第一反応物混合液を生成することができる。次いでオレフィン1を反応槽3中でこの第一反応物混合液と化合させることができる。反応槽3の温度は約10℃ないし約50℃の範囲内に設定できる。
【0026】
一態様として、粗エーテル8を含む底部有機層を反応物7が含まれる上部混合液から分離することが可能である。例示的態様として、反応物7を反応槽3へ戻すことも可能である。
【0027】
本発明による前記粗エーテル8は、エーテルあるいはハロゲン化エーテルと総称できるものであり、一般式RCXY−O−Rで表される。Rで表される基としては、水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び/または過ハロゲン化アルキル基を挙げることができる。例えば単なる例示として、RはCFCHF−,CFCH−及び/またはCHF−である。Rで表される基としては、水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び/または過ハロゲン化アルキル基を挙げることができる。例えば単なる例示であるが、Rは−CH,−CHCH及び/または−CH(CHである。本発明の一態様において、前記ハロゲン化エーテルはCFCHFCFOCHである。本発明の別の態様においては、前記ハロゲン化エーテルはCFCHCFOCHである。本発明のさらに別の態様においては、前記ハロゲン化エーテルはCHFCFOCHである。非限定的である実施例1〜3によって、本発明に従ったエーテル製造の態様が示されている。
【0028】
本発明の別の態様では、光化学エネルギーの存在下でエーテルをハロゲンと反応させることにより前記ハロゲン化エーテルを生成することが可能である。この反応は光化学反応器中で実施可能である。前記反応器は、その内容物へ内部及び/または外部の供給源から光化学エネルギーが与えられるように構成可能である。例えば単なる例示であるが、中圧水銀ランプ(100ワット、全放射エネルギー11.49ワット)を用いて反応器内部から必要な放射エネルギーを与えることが可能である。他に、90%、3500オングストローム範囲内のフォトン黒色光を用いて全放射エネルギー24ワットを与えるように構成することも可能である。前記反応器は、例えば公営の水道源を用いて冷却可能である。
【0029】
前記ハロゲンとして塩素(Cl)を用いることも可能である。所望される生成物によっては、ハロゲンとして臭素あるいは沃素を用いることも同様に可能である。反応は約10℃ないし約70℃の範囲内で実施可能である。
【0030】
例示的態様として、エーテルを含む光化学反応器を用いる方法を採用してもよい。エーテルは前記したように一般式RCXY−O−Rで表されるものでよい。
【0031】
前記ハロゲン化エーテル中間体は一般式RCXY−O−Rで表されるものである。Rで表される基は、水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び/または過ハロゲン化アルキル基である。例えば単なる例示であるが、RはCFCHF−,CFCClF−,CFCH−,CFCHCl−,CFCCl−,CHF−及び/またはCClF−である。Rで表される基はハロゲン化アルキル基あるいは過ハロゲン化アルキル基である。例えば単なる例示であるが、Rは−CHCl,−CHCl及び/または−CClである。本発明の一態様として、前記ハロゲン化エーテル中間体はCFCHFCFOCClであってもよい。本発明の別の態様として、前記ハロゲン化エーテル中間体をCFCHFCFOCHClとすることも可能である。本発明のさらに別の態様として、前記ハロゲン化エーテル中間体をCFCHFCFOCHClとすることも可能である。例示的態様として、前記ハロゲン化エーテル中間体をCFCClFCFOCClとすることも可能である。
【0032】
本発明のいくつかの態様では、フルオロエーテルの製造に有益な2種のハロゲン化エーテル中間体を本発明に従って製造することが可能である。一態様として、エーテルCFCHFCFOCHを本発明に従って塩素化することにより、CFCHFCFOCHCl及びCFCHFCFOCCl等のハロゲン化エーテル中間体の混合物の製造が可能である。非限定的である実施例4は、本発明に従ったハロゲン化エーテル中間体の製造方法の一態様を示している。
【0033】
本発明の別の態様では、ハロゲン化エーテル中間体を有益なフルオロエーテルへ変換する方法が提供される。本発明のいくつかの態様では、ハロゲン化エーテルをフッ素化してこれまで非公知である化合物を製造する効率的方法が提供されている。
【0034】
本発明の一態様において、前記ハロゲン化エーテル中間体は一般式RCXY−O−Rで表される化合物である。本発明の一態様では、前記ハロゲン化エーテル中間体をHF及び触媒の存在下で選択的にフッ素化することによりフルオロエーテルを生成することが可能である。
【0035】
前記触媒は、前フッ素化されたクロム/炭素触媒であってもよい。用いられる触媒は同質なものでもあるいは担持型のものでもよい。担体としては、これに限定されないが活性炭素から成る担体が挙げられる。触媒自体としては、下記に限定されないが、クロム、ニッケル、鉄、バナジウム、マンガン、コバルト及び/または亜鉛が挙げられる。フルオロエーテルの製造は約100℃ないし約300℃の範囲内において可能である。いくつかの態様において、上記反応における温度は約200℃である。
【0036】
製造されたフルオロエーテルは一般式R−O−Rで表される。Rで表される基としては、水素化アルキル基、ハイドロフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び/または過フッ素化アルキル基を挙げることができる。例えば単なる例示であるが、Rとしては、CFCHFCF−,CFCClFCF−,CFCFCF−,CFCHCF−,CFCHClCF−,CFCClCF−,CHFCF−,CFCF−及び/またはCClFCF−を挙げることができる。Rで表される基としては、ハイドロフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び/または過フッ素化アルキル基を挙げることができる。例えば単に例示であるが、Rとしては、−CFCl,−CFCl,−CF,−CHFCl,−CFH及び/またはCFHが挙げられる。本発明の一態様において、前記フルオロエーテルはハイドロフルオロエーテルCFCHFCFOCFである。本発明の別の態様では、前記フルオロエーテルはハイドロフルオロエーテルCFCHFCFOCHFである。本発明のさらに別の態様では、前記フルオロエーテルは過フッ素化エーテルCFCFCFOCFである。
【0037】
本発明の一態様に従って、液状フッ化水素(HF)の存在下でエーテルをフッ素化することができる。一態様として、ハロゲンであるI,BrあるいはClの少なくとも1種を有するエーテルを液状HFの存在下でフッ素化してフルオロエーテルを製造することができる。本発明の前記態様に従って製造されたフルオロエーテルは前記エーテルよりもフッ素原子を少なくとも1個多く有することで特徴付けられる。例えば単に例示であるが、エーテルCFCHFCFOCClを液状HFの存在下でフッ素化することによりフルオロエーテルCFCHFCFOCFClを製造することができる。本発明の一態様として、このフッ素化は約40℃ないし約120℃の温度範囲内において実施可能である。本発明の一態様では、このフッ素化は約70℃において実施可能である。
【0038】
本発明の一態様に従って製造されたフルオロエーテルを、本発明の他の態様において出発物質として利用することが可能である。その場合、エーテルを約70℃でフッ素化し、次いで約200℃でフッ素化することができる。また、エーテルを約70℃でフッ素化してから次いで約230℃あるいは280℃でフッ素化してもよい。例えば単に例示であるが、エーテルCFCHFCFOCClを液状HFの存在下でフッ素化してフルオロエーテルCFCHFCFOCFClを製造し、このフルオロエーテルをHF及び前述した触媒の存在下でフッ素化してハイドロフルオロエーテルCFCHFCFOCFを製造することができる。
【0039】
本発明の一実施態様ではフルオロエーテル製造のための多工程合成方法を提供している。本発明の一態様では、アルコールをオレフィンと化合してエーテルを製造することを含むフルオロエーテルの製造方法が提供されている。次いで、エーテルをハロゲン化剤と反応させてハロゲン化エーテル中間体を製造した後、HFを用いて該ハロゲン化エーテル中間体をフッ素化することによりフルオロエーテルが製造される。別の態様では、HFを用いてハロゲン化エーテル中間体を第一温度でフッ素化することによりフルオロエーテル中間体を生成でき、次いでHFを用いて前記フルオロエーテル中間体を第二温度でフッ素化することによりフルオロエーテルを生成することが可能である。
【0040】
本発明の一実施態様はハロゲン化エーテル化合物をさらに提供している。これらのエーテル化合物は総じて式ROR10で表されるものである。Rで表される基は部分的あるいは完全にハロゲン化された飽和あるいは不飽和の有機基であり、R10で表される基は部分的あるいは完全にハロゲン化された飽和あるいは不飽和の有機基である。いくつか特定の態様では、これらハロゲン化エーテル化合物にはCFCHFCFOCFが含まれている。CFCHFCFOCFの化学構造はガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)及びフッ素(19F)、プロトン(H)及び炭素(13C)核磁気共鳴(NMR)によって確認されている。この化合物の沸点も測定されている。
GC−MS(m/e): 69(CF)、82(CFCH)、101(CFCHF)、129(CHFCFOCFまたはCHCFOCF)、135(CFOCF)、151(CFCHFCF)、217(CFCHFCFOCF
高分解能MS理論値: 235.98837
測定値: 235.98726
NMR:F19(282MHz,CFCl):δ−55.4(t,3F,J=8.9Hz),−75.3(m,3F),−81.4(m,2F),−211.5(d,t,q,1F,J=43.64,10.91Hz)ppm
:(300MHz,CDCl):δ4.86(d,t,q,1H,J=43.8,5.51,5.98Hz)ppm
C1:(75MHz,CDCl):δ77(t,J=31.78Hz),84.1(d,t,q,J=204.69,35.79,35.79Hz),119.2(q,J=267.68Hz),112−125(m)ppm
沸点: 23−24℃
【0041】
非限定的である実施例5、6、7及び8には本発明の態様に従って製造された調製化合物が示されている。
【0042】
本発明ではさらに、化学的、物理的及び/または熱による消火方法の他、不活性化及び/または希釈を介して消火を可能とするフルオロエーテル消火剤を含む消火性混合物が提供されている。熱による消火方法には燃焼の「冷却」も含まれる。本発明はまた、前記消火性混合物を用いた火炎の消火、妨害及び/または抑制方法も提供されている。本発明はさらに、前記消火性混合物を運ぶための消火、妨害及び/または抑制装置も提供している。本発明の例示的態様について図2を参照しながら説明する。
【0043】
図2には消火システム11が配置された空間27が示されている。消火システム11には、消火剤分散ノズル17へ接続された消火剤貯蔵容器13が備えられている。図示されているように、基台25上のパン23中で燃焼21が起こっている。消火性混合物19は空間27内に存在し、燃焼21へ加えられて火炎をほぼ消火する。
【0044】
本開示図面では二次元で図示されているが、空間27の容積はその大きさ(例えば幅、高さ及び長さ)によって決まる容積であると理解されなければならない。図2は、図示されたような閉鎖型空間内における消火のために構成されたシステムを示しているが、本発明による混合物の処理、システム及び方法は図示された構成に限定されるものではない。いくつかの態様として、本発明を、閉鎖型空間と同様に、開放型空間における消火へ適用することも可能である。
【0045】
あるいは、前記フルオロエーテル消火剤を従来型の携帯用消火装置を用いて火炎へ処理することも可能である。本発明に従ったフルオロエーテル含有システムを、希釈剤を用いて周囲条件で約600psigまでの所望の圧力まで便宜的に加圧させることも可能である。
【0046】
本発明に係る混合物を用いた、あるいは本発明に従った方法及びシステムを用いた消火、燃焼抑制あるいは妨害に適する燃焼はすべて少なくとも部分的に空間によって取り囲まれた燃焼である。この空間の有効容積を本発明にかかる組成物で充満させることにより燃焼を消火し、抑制し、及び/または妨害することが可能となる。前記有効容積は一般的に液体あるいはガスが占有可能な[すなわち、流体(ガス及び液体)が入れ替わり得る]容積である。中実な構造物は一般的には前記有効容積部分には当たらない。
【0047】
また、図2には単一の消火剤貯蔵容器13が示されている。消火性混合物19は複式の消火剤貯蔵容器13からも空間27へ処理でき、また本発明は単一容器から供給される混合物、方法及び/またはシステムに限定されず、また単一容器を用いる方法あるいはシステムに限定されないと理解されるべきである。通常、燃焼21は、消火性混合物19が容器13からノズル17を通して空間27へ導入された時に消火される。また、図2には単一のノズル17が示されているが、複式のノズルを用いることも可能であり、及び本発明は単一ノズルを用いた混合物、方法及び/またはシステムに限定されないと理解されるべきである。
【0048】
本発明の一態様では、消火性混合物19を、フルオロエーテル消火剤を含ませて、あるいはフルオロエーテル消火剤を必須構成成分として、及び/またはフルオロエーテル消火剤から成るように構成可能である。また別の態様では、消火性混合物19を、フルオロエーテル消火剤及び抑制添加剤及び/または他の消火剤を含ませて、あるいはそれらを必須構成成分として、及び/またはそれらから成るように構成可能である。
【0049】
前記使用される抑制添加剤としては、希釈ガス、水及び/またはこれらの混合物を挙げることができる。前記希釈ガスの例としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素及び/またはこれらの混合物を挙げることができる。例示的態様として、これらのガスは火炎から酸素及び/または燃料等の必要要素を奪い取ることが可能である。同じあるいは別の態様では、これらの希釈ガスは燃焼へ暴露されても耐分解性である。これらのガスは不活性ガスと呼ばれることもある。希釈ガスの例として、窒素を含み、あるいは窒素を必須成分として成り、及び/または窒素から成る希釈ガスを挙げることができる。
【0050】
前記フルオロエーテル消火剤は総じて一般式ROR10で表される。通常、Rで表される基は部分的あるいは完全にハロゲン化された飽和あるいは不飽和の有機基であり、またR10で表される基は部分的あるいは完全にハロゲン化された飽和あるいは不飽和の有機基である。具体的には、本発明に係るフルオロエーテル消火剤は一般式Z−O−Zで表される。Zで表される基として、CFCHFCF−,CFCFCF−,(CFCHCF−,CHFCF−,CF=C(CF)−,CFCF=CF−,CF=CFCF−,CFCH=CF−,CFCHBrCF−,CFCFBrCF−あるいはCFBrCF−を挙げることができる。Zで表される基としては、−CHF,−CF,−CHF,−CHBr,−CFBr,−CHFBrあるいは−CFBrを挙げることができる。いくつか特定の態様では、フルオロエーテル消火剤はCFCHFCFOCF及び/またはCFCHFCFOCHF及び/またはCHFCFOCFである。フルオロエーテル消火剤の使用濃度は、通常空中濃度(容積%)として、約3%ないし約15%、好ましくは約5%ないし約10%の範囲内である。
【0051】
これらのフルオロエーテル消火剤は単独で、あるいはそれぞれの混合物として、あるいは他の消火剤とのブレンドとして使用可能である。消火剤との混合物とする場合の使用可能な濃度は、空中濃度(容積%)で約3%ないし15%及び/または約5%ないし10%の範囲内である。本発明に係るフルオロエーテル消火剤を他の消火剤との混合物(ブレンド)として用いる場合、ブレンド中へ含有させるフルオロエーテル消火剤含量は少なくとも該ブレンドに対して約10重量%とすることができ、前記ブレンド全体の濃度は空中濃度(容積%)として約3%ないし約15%及び/または約5%ないし約10%の範囲内とすることができる。本発明に係る消火剤は、全面フラッジング用途及び携帯型火炎抑制用途の双方における使用に適する。
【0052】
本明細書及び特許請求の範囲中に記載された容積%値は空間容積に対する%値であり、国家火災予防協会によってNFPA2001、「消火剤基準」2000年版において採用記載された設計濃度に基づく数値であることが理解されるべきである。
【0053】
消火性化合物濃度の計算に用いられる計算式は同じく国家火災予防協会によって採用されたものであり、この計算式を以下に示す。
W=V/s(C/100−C)
式中、
W=消火性化合物重量(kg)
V=試験空間容積(m
s=試験温度における消火性化合物容積(m/kg)
C=濃度(容積%)
【0054】
フルオロエーテル消火剤とのブレンドに適する消火剤としては、ジフルオロメタン(HFC−32), クロロジフルオロメタン(HCFC−22), 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123), 1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a), 2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124), 1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124a), ペンタフルオロエタン(HFC−125), 1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134), 1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a), 3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca), 1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cb), 2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225aa), 2,3−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225da), 1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ca), 1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea), 1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea), 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa), 1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236cb), 1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ca), 3−クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−235ca), 3−クロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HCFC−235cb), 1−クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−235cc), 3−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−235fa), 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa), 3−クロロ−1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226ca), 1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226cb), 2−クロロ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226da), 3−クロロ−1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226ea)及び2−クロロ−1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226ba)、さらに窒素等の不活性ガスを挙げることができる。
【0055】
本発明に係るフルオロエーテル消火剤は、火炎を消すことができるほぼ最小濃度で効果的に使用でき、その正確な最小濃度レベルは燃焼物、フルオロエーテル消火剤が何であるか、及び燃焼条件に依存して決まる。しかしながら、通常フルオロエーテル、あるいはそれらの混合物及びブレンドを少なくとも約3容積%程度の濃度で用いた場合に許容できる結果が得られる。フルオロエーテル消火剤を単独で用いる場合は、フルオロエーテル消火剤濃度が約5容積%程度である場合に許容できる結果が得られる。さらに、用いられる最大量は経済性及び生き物に対する潜在毒性によって左右される。フルオロエーテル消火剤、それらの混合物及びブレンドの閉鎖された場所内における適切な最大使用濃度は約15容積%である。開放された場所では15容積%を超える濃度で使用できるが、その正確な濃度は燃焼物、選択されるフルオロエーテル消火剤(またはそれらの混合物またはブレンド)及び燃焼条件によって決まる。本発明の一態様におけるフルオロエーテル消火剤及びそれらの混合物及びブレンドの濃度は約5容積%ないし10容積%の範囲内である。
【0056】
いくつか特定の態様では、CFCHFCFOCFを含み、あるいはこれを必須成分として成り、及び/またはこれから成るフルオロエーテル消火剤を用いることができる。CFCHFCFOCFの場合は約5容積%の濃度で使用可能である。
【0057】
本発明に係るフルオロエーテル消火剤の用途の例として、液状及びガス状燃料に起因する火災の消火、電気器具、木、紙及び布地等の一般可燃物の防護及びコンピュータ設備、データ処理機器及び制御室の防護を挙げることができる。
【0058】
本発明に従った新規なエーテル類を火炎抑制目的で液体、あるいはガス、あるいは双方の混合の形態で火炎中へ導入するも可能である。これは、これらエーテル組成物を流動剤として利用する際にしばしば言及される点である。本発明に従った前記新規エーテル類を他の化合物と組み合わせたブレンドとして火炎中へ投入することも可能である。
【0059】
本発明のさらに別の実施態様では、本発明に係るエーテル類は、単独あるいはブレンドで、流動剤及び全面フラッジング剤を含む消火剤、溶媒、冷却剤、発泡あるいは膨張剤、エッチング剤、麻酔剤、推進剤及び出力サイクル作動液として用いられる。
【0060】
本発明に係る新規なエーテル類を用いて、エーテルを単独あるいはブレンドで濃縮し、次いで冷却すべき体部分の近接部位において濃縮液を蒸発させることにより冷却を起こすことが可能である。また、本発明に係る新規なエーテル類を用いて、加熱されるべき体部分の近接部位において冷却剤を濃縮し、次いで該冷却剤を蒸発させることにより熱を発生させることが可能である。
【0061】
次に以下に記載の実施例により本発明についてさらに説明する。但し、以下の実施例は本質的に例示であり、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。実施例の記載中、GC面積%は、各サンプルがフレームイオン化検出器及びシリカプロットカラムの装着されたガスクロマトグラフを用いて分析された際に得られたすべてのピークに対するピークの面積百分率に一致する数値である。

実施例1:エーテルの調製
KOH水溶液
CFCF=CF+CHOH→CFCHFCFOCH
【0062】
45重量%KOH水溶液をメタノールへ加えて60重量%メタノール及び18重量%KOHを含有する混合液を得る。この混合液をドライアイス冷却器、浸漬管及び温度計が装着された三叉ガラスフラスコ中へ入れる。−3℃ないし0℃下で前記浸漬管を通してHFCを溶液中へ送り込む。未反応のHFPを濃縮して反応器中へ戻すため前記冷却器の温度を−30℃ないし−40℃に保つ。水浴を用いて発熱反応を制御する。前記溶液がミルク状に懸濁したら、この混合液を反応器から取り出して相分離を行う。粗CFCHFCFOCHを含有する底部有機相を分離して取り出し、メタノールを追加した上部混合液を反応器中へ送り戻す。粗CFCHFCFOCHを一定時間間隔で4つのアリコートに等分して採取し、軽分、未反応オレフィン、エーテル及び重分についてガスクロマトグラフィーを用いて分析する。その結果を下記表1に示す。
【表1】


実施例2:エーテルの調製
KOH水溶液
CFCF=CF+CHOH→CFCHFCFOCH
【0063】
実施例2は、実施例1における反応を13重量%KOH及び57重量%メタノールを含む水溶液を用いて15℃ないし25℃下で行うように変更した以外は実施例1と同様に実施し、2つの収集されたアリコートを採取してガスクロマトグラフィーを用いて分析した。ガスクロマトグラフィーの分析結果を下記表2に示す。
【表2】


実施例3:エーテルの調製
KOH水溶液
CF=CF+CHOH→CHFCFOCH
【0064】
実施例3は、実施例1における反応を10重量%KOH及び50重量%メタノールを含む水溶液を用いて容量600ccのステンレススチール製圧力反応器中で行うように変更した以外は実施例1と同様に実施した。反応器を−10℃まで冷却し、次いで予めα−ピネンを充満させたバブラーを通過させたテトラフルオロエチレン(CF=CF)を用いて加圧する。反応を60℃、60psigの条件下で行って97%(GC面積%)の精製CHFCFOCHを得る。肉眼ではポリテトラフルオロエチレンの生成は認められなかった。

実施例4:ハロゲン化エーテル中間体の調製
紫外光
CFCHFCFOCH+Cl
CFCHFCFOCHCl+CFCHFCFOCCl
【0065】
この反応は水道水で冷却されたジャケット装着のガラス光化学反応器中で行う。この反応には中圧水銀ランプ(100ワット、全照射エネルギー11.49ワット)を用いる。400gのCFCHFCFOCH液中へ温度20℃ないし30℃下塩素ガスを泡立たせ、副生物であるHClを水スクラバーへ排出する。この反応を止め、粗反応混合物をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーを用いて分析してから蒸留する。この反応においては、全量482gの採取粗生成物について2種の主生成物、すなわちCFCHFCFOCHCl[GC面積%:37%、沸点75℃(42cmHg)]及びCFCHFCFOCCl[GC面積%:61%、沸点82℃(32cmHg)]が生成される。

実施例5:フルオロエーテルの調製
Cr/AC−ガス相
CFCHFCFOCHCl+HF→CFCHFCFOCHF
【0066】
クロム/炭素触媒を、放射放熱を用いて加熱されたInconel(登録商標)管状反応器(径0.5インチ×長さ24インチ)中へ充填する。前記触媒を前フッ素化した後、HF及び純度99.8%のCFCHFCFOCHClを常圧下で所定の速度及び温度において反応器中へ送り込む。粗生成物を氷水スクラバー中で回収し、水洗浄し、MgSO上で乾燥した後蒸留して精製する。生成されたCFCHFCFOCHFの沸点は47〜48℃であり、密度dは1.529である。用いられるパラメータに対応する採取物のGC分析結果を下記表3に示す。
【表3】


実施例6:フルオロエーテルの調製
Cr−ガス相
CFCHFCFOCCl+HF→CFCHFCFOCF
【0067】
酸化クロム(III)触媒38gをセラミック繊維製ヒーターを用いて加熱されたInconel(登録商標)管状反応器(径0.5インチ×長さ14.215インチ)中へ充填する。前記触媒は窒素下において250〜300℃で乾燥させる。乾燥後、前記触媒をHF:N混合物(希釈比1:20)を用いて250〜300℃で前フッ素化する。前記前フッ素化をHFが反応器中に存在することが検出されるまで継続する。この時点において、窒素を止め温度を350℃まで上昇させる。前記触媒を上記条件下に16時間置く。触媒の前フッ素化後、HF及びCFCHFCFOCClを常圧下所定の速度及び温度において反応器中へ送り込む。粗生成物を水洗浄し、硫酸カルシウム上を通過させ、乾燥氷/アセトン冷トラップ中に採取する。反応器中の生成物を用いられるパラメータに従って分析し、その結果を下記表4に示す。生成されたCFCHFCFOCFの沸点は23〜24℃であった。
【表4】


実施例7:フルオロエーテルの調製
液相
CFCHFCFOCCl+HF→CFCHFCFOCFCl
【0068】
本発明に従って製造されたCFCHFCFOCCl、405gをステンレススチール製の圧力反応器中へ入れる。この反応器を−9℃まで冷却してから、HF76gを該反応器中へ添加する。70℃において反応を行わせ、生成されるHClを水スクラバーへ排出して反応器中の圧力を300psigに維持する。粗生成物367.6gを採取する。ガスクロマトグラフィー分析の結果、生成物中に、GC面積比で91.1%のCFCHFCFOCFCl,GC面積比で3.6%のCFCHFCFOCFCl及びGC面積比で3.5%の未反応CFCHFCFOCClが検出された。

実施例8:フルオロエーテルの調製
Cr/AC−ガス相
CFCHFCFOCFCl+HF→CFCHFCFOCF
【0069】
実施例6と同様の条件及び操作手順によって製造した。触媒の前フッ素化後、HF及び純度99%のCFCHFCFOCFClを常圧下所定の速度及び温度において反応器中へ送り込む。生成された粗生成物を加熱したスクラバー上を通過させて乾燥氷/アセトンを用いて冷却したトラップ中に採取する。次いでこの液体をCaSO上で乾燥させる。採取した粗混合物のGC分析結果を表5に示す。採取された物質を一纏めにして蒸留することにより、沸点23〜24℃におけるGC検定結果が99.6%及び99.77%である2画分のCFCHFCFOCFを得る。
【表5】


実施例9
【0070】
本実施例では、携帯型(流動型)用途に用いる場合における、本発明に係る火炎抑制剤を用いて得られる望ましい「投入距離」について示す。投入距離は消火剤を流水状に放出可能な距離である。投入距離が長ければ長い程、燃焼過程において発生する火炎及び有毒な煙へ操作者を晒すような距離まで近づき過ぎることなく消火が可能となる。
【0071】
容量150mLのステンレススチール製シリンダへ送込管及びオン/オフ弁を介して送りノズルへ連結された浸漬管を装着する。このシリンダへCFCHFCFOCFH、50gを充填してから、所定圧まで窒素を用いて加圧する。シリンダ内容物を完全に放出して投入距離を測定した(表6)。
【表6】


実施例10
【0072】
本実施例では本発明に係る消火剤を用いたクラスBに相当する火炎の消火について示す。容量150mLのステンレススチール製シリンダへ送込管及びオン/オフ弁を介して送りノズルへ連結された浸漬管を装着する。前記シリンダへCFCHFCFOCFH、30gを充填してから窒素を用いて120psigまで加圧する。メタノール20mLをパン(2インチ×4インチ×0.5インチ)中へ加えて充満させる。このメタノールへ点火して30秒間燃焼させる。次いで消火剤を4フィート離れた場所から火炎上へ放出する。メタノールは1.5秒内に消火される。消火剤は全量で16g放出された。

実施例11
【0073】
アセトン、イソプロパノール及びヘプタンを燃焼源として実施例10に記載した方法を用いて実施した。すべての燃焼源による火炎が迅速に消火される(表7参照)。
【表7】


実施例12
【0074】
本実施例では本発明に係る消火剤を用いたクラスAに相当する強火炎の消火について示す。容量150mLのステンレススチール製シリンダへ送込管及びオン/オフ弁を介して送りノズルへ連結された浸漬管を装着する。前記シリンダへCFCHFCFOCFH、30gを充填してから窒素を用いて120psigまで加圧する。各層が4片から成る寸法6インチ×2インチの6層から成る木製の小屋を0.125インチの窯乾燥した樅材片を用いて建てる。この小屋をヘプタン中に浸し、点火して5分間燃焼させる。次いで消火剤を火炎上へ放出すると、すばやく(2秒以内)消火させることができる。消火剤は全量で25g用いる。消火後直ちに小屋は手で触れられるまで冷える。このことより消火剤によって効果的燃焼抑制が為されていることが明らかである。

実施例13:CFCHFCFOCFカップバーナー
【0075】
ハイドロフルオロエーテル、CFCHFCFOCFの消火濃度は、M.Robin及びThomas F.Rowland、「標準的カップバーナー装置の発展、NFPA及びISO標準方法、1999年ハロゲン選択技術作業会議、4月27−29日、Albuquerque、ニューメキシコ州」に記載されたカップバーナー装置を用いて決めることができる。このカップバーナー法は消火性混合物の測定の基準となる方法であり、国内及び国際双方におる火炎抑制基準として採用されてきた。例えば、NFPA2001年消火剤消火システム及びISO14520−1、ガス消火システムのいずれもがこのカップバーナー法を取り入れている。
【0076】
空気及びCFCHFCFOCFの混合物を内径85mmのパイレックス煙突管を通して外径28mmの燃料カップの周囲へ流す。拡散装置中においてワイヤ製メッシュスクリーン及び外径3mmのガラスビーズの厚さ76mm(3インチ)の層を用いて空気及びCFCHFCFOCFを十分に混合する。
【0077】
n−ヘプタンを、該n−ヘプタンのカップ中における液体燃料面を一定に調節可能にする実験室用ジャッキ上に取り付けられた容量250mLの分液フラスコから成る液体燃料貯蔵器からカップへ比重を利用して送り込む。この燃焼源へプロパン小型点火装置を用いて点火し、前記煙突管を前記カップバーナー装置上に配置する。次いで燃焼源面を燃焼源がカップの底部内端から1−2mmの高さとなるように調整する。90秒間の前燃焼を行い、目盛り定めされた流量計(流量20−40L/分)を通して空気の最初の流入を開始する。
【0078】
一次及び二次の空気流入を目盛り定めされた流量計(管数210、225、230及び240)によってモニターする。前記空気流入は火炎が消火されるまで継続する。すべての試験において、一次空気流入(240管)の流量は20〜40L/分の範囲内で一定に維持する。二次空気流入は、浸漬管が装着された容量1150mLのスチール製混合室中に収容されたCFCHFCFOCF中を通過するように行う。CFCHFCFOCFで飽和された空気を含む二次空気流は、前記混合室から出て、カップバーナーの拡散装置へ入る前に一次空気流と混ざり合う。
【0079】
火炎消火後直ちにカップの縁近くを通るガス流のサンプルを、3方向弁及び多適合型ガスシリンジへ取り付けられた一定の長さをもつプラスチック管系を介して採取する。次いでこのサンプルについてガスクロマトグラフィー分析を行う。GC検量線作成は、容量1LのTedlar(登録商標)バッグ(E.I.DuPont De Nemours and Co.,Corp、1007Market Street,Wilmington,Delaware)中に標準サンプルを作成して実施する。
【0080】
試験パラメータ及び結果を要約して下記表8に示す。
【表8】

【0081】
本発明のさらなる目的、利点及び他の新規な特徴は当業者にとって上記説明の考察によって明らかであり、また本発明の実施により習得可能である。本発明の実施態様に関する上記記載は本発明の説明のために提示されたものである。従って上記記載は本発明を網羅しているわけではなく、また本発明を開示された詳細へ限定する意図でもない。上記教示を検討することにより種々の変更及び変形を行い得ることは明らかである。実施態様は本発明の基本的技術を最良の形で説明するために選び記載されたものなので、当業者は企画した特定用途に適する種々の実施態様及び変形へ本発明を利用できるであろう。本願特許請求の範囲が正しく、適法、かつ公正に権利化された範囲に従って解釈されれば、上述の変更及び変形はすべて、添付の特許請求の範囲によって限定される本発明の範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は本発明に従ったエーテル製造の一実施態様を示した図である。
【図2】図2は本発明の一態様に従った消火性混合物の適用方法について示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一反応物混合物を生成するために、塩基水溶液をアルコールと混合する工程と、
一般式R(R)C=CXY(式中Rは水素、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、水素化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択される基、Rは水素、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、水素化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択される基、X及びYはそれぞれH,I,Br,Cl及びFから選択される基及びX及びYは互いに同一でも異なっていてもよい)で表されるオレフィンを供する工程と、
一般式RCXY−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択される基であり、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択される基である)で表されるエーテルを生成するために、前記第一反応物混合物を前記オレフィンと化合する工程、から構成されるエーテルの調製方法。
【請求項2】
前記塩基水溶液が約10重量%ないし約45重量%の範囲内でKOHを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項3】
前記第一反応物混合物が約50重量%ないし約60重量%の範囲内でアルコールを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項4】
前記Rで表される基がCF−及びFから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項5】
前記Rで表される基がH及びFから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項6】
前記Rで表される基がCF−及びFから選択されたいずれかの基であり、前記Rで表される基がH及びFから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項7】
前記XがYと同一元素であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項8】
前記XがF及びHから選択されたいずれかの基であり、YがF及びHから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項9】
前記オレフィンがCFCF=CF,CFCH=CF及びCF=CFから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項10】
前記オレフィンがCFCF=CFを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項11】
前記オレフィンがCF=CFを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項12】
前記化合が、約−10℃ないし約50℃の範囲内の温度をもつ反応器中で行われることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項13】
前記Rで表される基がCFCHF−,CFCH−及びCHF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項14】
前記Rで表される基にCFCHF−が含まれることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項15】
前記Rで表される基にCHF−が含まれることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項16】
前記Rで表される基が−CH,−CHCH及び−CH(CHから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項17】
前記Rで表される基に−CHが含まれることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項18】
前記エーテルがCFCHFCFOCHを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項19】
前記エーテルがCHFCFOCHを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項20】
前記エーテルがCFCHCFOCHを含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項21】
前記エーテルを液体状で取り除くことによって前記オレフィン及びアルコールからエーテルを分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項22】
前記エーテルの製造に、下層に前記エーテルが含まれ、上層に水溶液が含まれる少なくとも2層を形成する工程がさらに含まれることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項23】
前記第一反応物混合物に上層が含まれることを特徴とする請求項22項記載の方法。
【請求項24】
一般式RCXY−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、X及びYはそれぞれH,I,Br,Xl及びFから選択されたいずれかの元素であり、X及びYは互いに同一でも異なっていてもよい)で表されるエーテルを含む光化学反応器を供する工程と、
一般式RCXY−O−R(式中、Rはハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、及びRはハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基である)で表されるハロゲン化エーテル中間体を生成するために、前記エーテルを光化学エネルギーの存在下でガス状ハロゲン化剤と反応させる工程から構成されるハロゲン化エーテル中間体の調製方法。
【請求項25】
前記RがCFCHF−,CFCH−及びCHF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項26】
前記Rで表される基にCFCHF−が含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項27】
前記Rで表される基にCHF−が含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項28】
前記Rが−CH,−CHCH及び−CH(CHから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項29】
前記Rで表される基に−CHが含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項30】
前記エーテルがCFCHFCFOCHを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項31】
前記エーテルがCHFCFOCHを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項32】
前記エーテルがCFCHCFOCHを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項33】
前記Xが前記Yと同一元素であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項34】
前記XがF及びHから選択されたいずれの元素であり、前記YがF及びHから選択されたいずれかの元素であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項35】
前記光化学エネルギーに紫外線が含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項36】
前記ガス状ハロゲン化剤が塩素を含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項37】
前記反応が約10℃ないし約70℃の範囲内において起こることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項38】
前記RがCFCHF−,CFCClF−,CFCH−,CFCHCl−,CFCCl−,CHF−及びCClF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項39】
前記Rで表される基にCFCHF−が含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項40】
前記Rで表される基にCHF−が含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項41】
前記Rが−CHCl,−CHCl及び−CClから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項42】
前記Rで表される基に−CHClが含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項43】
前記Rで表される基に−CClが含まれることを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項44】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項45】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCHClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項46】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCClFCFOCClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項47】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCHClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項48】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCClFCFOCClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項49】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHCFOCClを含むことを特徴とする請求項24項記載の方法。
【請求項50】
CXY−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、Rはハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、X及びYはH,I,Br,Cl及びFから選択されたいずれかの元素であり、及びX及びYは互いに同一でも異なっていてもよい)で表され、かつI,Br,及びClから選択されるハロゲンの少なくとも1種を含むハロゲン化エーテル中間体を供する工程と、
−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハイドロフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び過フッ素化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、Rはハロゲンフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び過フッ素化アルキル基から選択されたいずれかの基である)で表されるフルオロエーテルを生成するために、HF及び触媒の存在下で前記ハロゲン化エーテル中間体をフッ素化する工程から構成されるフルオロエーテルの調製方法。
【請求項51】
前記RがCFCHF−,CFCClF−,CFCH−,CFCHCl−,CFCCl−,CHF−及びCClF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項52】
前記Rで表される基にCFCHF−が含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項53】
前記Rで表される基にCHF−が含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項54】
前記Rが−CHCl,−CHCl及びCClから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項55】
前記Rで表される基に−CHClが含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項56】
前記Rで表される基に−CClが含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項57】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項58】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCHClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項59】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCHFCFOCHClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項60】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCClFCFOCClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項61】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCClFCFOCClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項62】
前記ハロゲン化エーテル中間体がCFCClCFOCClを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項63】
前記Xが前記Yと同一元素であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項64】
前記XがF及びHから選択されたいずれかの元素であり、前記YがF及びHから選択されたいずれかの元素であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項65】
前記HFがガス状であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項66】
前記フッ素化が約100℃ないし約300℃の温度範囲内において起こることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項67】
前記触媒にクロムが含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項68】
前記触媒に活性炭素が含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項69】
前記RがCFCHFCF−,CFCClFCF−,CFCFCF−,CFCHCF−,CFCHClCF−,CFCClCF−,CHFCF−,CFCF−及びCClFCF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項70】
前記Rで表される基にCFCHFCF−が含まれることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項71】
前記Rが−CFCl,−CFCl,−CF,−CHFCl,−CFH及び−CFHから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項72】
前記フルオロエーテルがCFCHFCFOCFを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項73】
前記フルオロエーテルがCFCHFCFOCHFを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項74】
前記フルオロエーテルがCFCFCFOCFを含むことを特徴とする請求項50項記載の方法。
【請求項75】
I,Br,及びClから選択された少なくとも1種のハロゲンを有するエーテルを供する工程と、
前記エーテルよりもフッ素原子を少なくとも1個多く有する第一のフルオロエーテルを生成するために、液状HFの存在下で第一温度において前記エーテルをフッ素化する工程から構成されるフルオロエーテルの調製方法。
【請求項76】
前記エーテルが一般式RCXY−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、Rは水素化アルキル基、ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、X及びYはH,I,Br,Cl及びFから選択されたいずれかの元素であり、及びX及びYは互いに同一でも異なっていてもよい)で表され及び前記ハロゲン化エーテル中間体に、I,Br,及びClから選択された少なくとも1種のハロゲンが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項77】
前記RがCFCHF−,CFCClF−,CFCH−,CFCHCl−,CFCCl−,CHF−及びCClF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項78】
前記Rで表される基にCFCHF−が含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項79】
前記Rで表される基にCHF−が含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項80】
前記Rが−CHCl,−CHCl及び−CClから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項81】
前記Rで表される基に−CHClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項82】
前記Rで表される基に−CClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項83】
前記エーテルに−CFCHFCFOCClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項84】
前記エーテルにCFCHFCFOCHClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項85】
前記エーテルにCFCHFCFOCHClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項86】
前記エーテルに−CFCClFCFOCClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項87】
前記エーテルにCClFCFOCClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項88】
前記エーテルにCFCHCFOCClが含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項89】
前記Xが前記Yと同一元素であることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項90】
前記XがF及びHから選択されたいずれかの元素であり、前記YがF及びHから選択されたいずれかの元素であることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項91】
前記第一温度が約40℃ないし約120℃の範囲内であることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項92】
前記第一のフルオロエーテルがCFCHFCFOCFCl,CFCHFCFOCFCl,CHFCFOCFCl及びCHFCFOCFClから選択されたいずれかであることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項93】
−O−R(式中、Rは水素化アルキル基、ハイドロフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び過フッ素化アルキル基から選択されたいずれかの基であり、Rはハイドロフルオロハロゲン化アルキル基、ハイドロフッ素化アルキル基、フルオロハロゲン化アルキル基及び過フッ素化アルキル基から選択されたいずれかの基である)で表される第二のフルオロエーテルを生成するために、HFの存在下に第二温度において前記第一のフルオロエーテルをフッ素化する工程がさらに含まれることを特徴とする請求項75項記載の方法。
【請求項94】
前記第一温度が前記第二温度よりも低いことを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項95】
前記第一温度が約40℃ないし約120℃の範囲内であり、及び前記第二温度が約100℃ないし約300℃の範囲内であることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項96】
前記第一のフルオロエーテルのフッ素化が触媒の存在下において起こることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項97】
前記触媒にクロムが含まれることを特徴とする請求項96項記載の方法。
【請求項98】
前記触媒に活性炭素が含まれることを特徴とする請求項96項記載の方法。
【請求項99】
前記第一のフルオロエーテルのフッ素化がHFの存在下に起こることを特徴とする請求項96項記載の方法。
【請求項100】
前記RがCFCHFCF−,CFCClFCF−,CFCFCF−,CFCHCF−,CFCHClCF−,CFCClCF−,CHFCF−,CFCF−及びCClFCF−から選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項101】
前記Rで表される基にCFCHFCF−が含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項102】
前記Rが−CFCl,−CFCl,−CF,−CHFCl,−CFH及び−CFHから選択されたいずれかの基であることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項103】
前記第二のフルオロエーテルにCFCHFCFOCFが含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項104】
前記第二のフルオロエーテルにCFCHFCFOCHFが含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項105】
前記第二のフルオロエーテルにCFCFCFOCFが含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項106】
前記第二のフルオロエーテルにCHFCFOCFが含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項107】
前記第二のフルオロエーテルにCHFCFOCHFが含まれることを特徴とする請求項93項記載の方法。
【請求項108】
エーテルを生成するために、アルコールをオレフィンと化合する工程と、
ハロゲン化エーテル中間体を生成するために、前記エーテルをハロゲン化剤と反応させる工程と、
フルオロエーテルを生成するために、前記ハロゲン化エーテル中間体をHFを用いてフッ素化する工程から構成されるフルオロエーテルの製造方法。
【請求項109】
エーテルを生成するために、アルコールをオレフィンと化合する工程と、
ハロゲン化エーテル中間体を生成するために、前記エーテルをハロゲン化剤と反応させる工程と、
第一段階として、フルオロエーテル中間体を生成するために、前記ハロゲン化エーテル中間体を第一温度においてHFを用いてフッ素化する工程と、
第二段階として、フルオロエーテルを生成するために、前記フルオロエーテル中間体を第二温度においてHFを用いてフッ素化する工程とから構成されるフルオロエーテルの製造方法。
【請求項110】
一般式Z−O−Z(式中、ZはCFCHFCF−,CFCFCF−,(CFCHCF−,CHFCF−,CF=C(CF)−,CFCF=CF−,CF=CFCF−,CFCH=CF−,CFCHBrCF−,CFCFBrCF−及びCFBrCF−から選択されたいずれかの基であり、Zは−CHF,−CF,−CHCF,−CHBr,−CFBr及びCFBrから選択されたいずれかの基である)で表される消火性化合物を含む空間内混合物。
【請求項111】
前記消火性化合物が前記空間の約0.1容積%ないし約10容積%を構成することを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項112】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCHFを含むことを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項113】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約0.1容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項111項記載の混合物。
【請求項114】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約6容積%を構成することを特徴とする請求項111項記載の混合物。
【請求項115】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCHFを必須成分として成ることを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項116】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCHFから成ることを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項117】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCFを含むことを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項118】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約4容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項117項記載の混合物。
【請求項119】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約5容積%を構成することを特徴とする請求項117項記載の混合物。
【請求項120】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCFを必須成分として成ることを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項121】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCFから成ることを特徴とする請求項110項記載の混合物。
【請求項122】
一般式Z−O−Z(式中、ZはCFCHFCF−,CFCFCF−,(CFCHCF−,CHFCF−,CF=C(CF)−,CFCF=CF−,CF=CFCF,CFCH=CF−,CFCHBrCF−,CFCFBrCF−及びCFBrCF−から選択されたいずれかの基であり、Zは−CHF,−CF,−CHCF,−CHBr,−CFBr及び−CFBrから選択されたいずれかの基である)で表される消火性化合物を含む混合物を前記空間へ導入することにより前記空間内の火炎の消火、抑制、あるいは妨害の1以上を行う方法。
【請求項123】
前記消火性化合物が前記空間の約0.1容積%ないし約10容積%を構成することを特徴とする請求項122項記載の方法。
【請求項124】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCHFを含むことを特徴とする請求項122項記載の方法。
【請求項125】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約0.1容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項124項記載の方法。
【請求項126】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約6容積%を構成することを特徴とする請求項124項記載の方法。
【請求項127】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCFを含むことを特徴とする請求項122項記載の方法。
【請求項128】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約4容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項127項記載の方法。
【請求項129】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約5容積%を構成することを特徴とする請求項127項記載の方法。
【請求項130】
一般式Z−O−Z(式中、ZはCFCHFCF−,CFCFCF−,(CFCHCF−,CHFCF−,CF=C(CF)−,CFCF=CF−,CF=CFCF−,CFCH=CF−,CFCHBrCF−,CFCFBrCF−及びCFBrCF−から選択されたいずれかの基であり、Zは−CHF−CF,−CHCF,−CHBr,−CFBr及び−CFBrから選択されたいずれかの基である)で表される消火性化合物を含む混合物を空間へ導入するように構成された火炎消火、抑制あるいは妨害システム。
【請求項131】
前記消火性化合物が前記空間の約0.1容積%ないし約10容積%を構成することを特徴とする請求項130項記載のシステム。
【請求項132】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCHFを含むことを特徴とする請求項130項記載のシステム。
【請求項133】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約0.1容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項132項記載のシステム。
【請求項134】
前記CFCHFCFOCHFが前記空間の約6容積%を構成することを特徴とする請求項132項記載のシステム。
【請求項135】
前記消火性化合物がCFCHFCFOCFを含むことを特徴とする請求項130項記載のシステム。
【請求項136】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約4容積%ないし約6容積%を構成することを特徴とする請求項135項記載のシステム。
【請求項137】
前記CFCHFCFOCFが前記空間の約5容積%を構成することを特徴とする請求項135項記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−515567(P2006−515567A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−530801(P2004−530801)
【出願日】平成15年6月19日(2003.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/019693
【国際公開番号】WO2004/018553
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
パイレックス
【出願人】(501480990)ピーシービーユー サービシイズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】