説明

オキサゾリジノン誘導体及び抗生物質としてのその使用

本発明は、式(I)(式中、Aは、場合により置換された或種の複素環であり、R、R、R及びRは、独立に、−H及びハロゲンから選択され、Xは、O、S、NR及びCR10から選択され、R及びR10は異なる意味を有し、Yは、O、S、SO、SO、NO、NR12及びCR1213から選択され、R12及びR13は異なる意味を有する)の新しいオキサゾリジノン化合物を提供する。又、その様な化合物を調製するための種々の方法が提供される。式(I)のオキサゾリジノン化合物は、弱いモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害活性を伴って、グラム陽性及び幾つかのグラム陰性ヒト並びに動物病原体に対して活性である。これらは細菌感染症の治療に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱いモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害活性を有する、グラム陽性及び幾つかのグラム陰性細菌に対して活性であるオキサゾリジノン抗菌化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
オキサゾリジノンは、現在利用可能となっている新しいグラム陽性抗菌剤の中で卓越したものである。オキサゾリジノンは、原核リボソームの50Sサブユニットに結合し、蛋白質合成のための開始複合体の形成を妨げる。これは新規な作用形態である。その他の蛋白質合成阻害剤は、ポリペプチド延長を阻止するか、又はmRNAの読み違えを引き起こす。リネゾリド(N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド)は、米国及びその他で臨床使用のために最初に認可された抗生物質のオキサゾリジノンである。
【0003】
リネゾリドの最小阻止濃度(MIC)は、テスト方式、実験室、細菌生存の薄いヘイズのせいである意味で僅かに変動するが、全ての研究者は、感受性分布は狭く、連鎖球菌(streptococci)、腸球菌(enterococci)及びブドウ球菌(staphylococci)に対して、0.5〜4μg/mLのMIC値を有する単一モードであることには気付いている。完全な活性は、メチシリン耐性ブドウ球菌及びバンコマイシン耐性腸球菌を含めたその他の抗生物質に耐性のグラム陽性球菌に対して保持される。MICは、モクサレラ(Moxarella)、パスツレラ(Pasteurella)及びバクテロイデス(Bacteroides)種に対しては2〜8μg/mLであるが、その他のグラム陰性細菌は、内生流出活性並びに膜細胞の外側のグラム陰性細菌により与えられる摂取の結果として耐性である。
【0004】
リネゾリドは、次の感染症を有する成人患者の治療のために指示される:
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(メチシリン感受性及び耐性株)又は肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(多剤耐性株[MDRSP]を含む)で引き起こされる院内肺炎。MDRSPとは、次の抗生物質の2つ以上に耐性の分離株を意味する:ペニシリン、第二世代セファロスポリン、マクロライド、テトラサイクリン、及びトリメトプリム/スルファメトキサゾール;黄色ブドウ球菌(メチシリン感受性及び耐性株)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、又はストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)で引き起こされる、随伴骨髄炎なしの糖尿病性足感染症を含む、複雑な皮膚及び皮膚構造感染症;黄色ブドウ球菌(メチシリン感受性のみ)又は化膿連鎖球菌で引き起こされる単純な皮膚及び皮膚構造感染症;同時菌血症を伴う場合を含めた、バンコマイシン耐性腸球菌ファエシウム(Enterococus faecium)感染症;及び肺炎連鎖球菌(多剤耐性株[MDRSP]を含む)で引き起こされ、又同時菌血症を伴う場合、又は黄色ブドウ球菌(メチシリン感受性株のみ)で引き起こされる地域感染型肺炎。
【0005】
オキサゾリジノンは、本来、鬱病及びパーキンソン病の治療のためのMAO阻害剤として開発された。MAOは、カテコールアミンの異化作用に応答する一次酵素の1つである。ヒトにおいては、MAOは、2つのアイソフォーム、MAO−A及びMAO−Bで存在する。MAO−Aは、セロトニン(5−HT)及びノルエピネフリンを優先的に脱アミノ化し、MAO−Bは、フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、及びヒトではドーパミンを優先的に脱アミノ化する。普通、MAO−A阻害剤、例えば、モクロベミド又はトラニルシプロミン等は、抗欝薬として使用され、一方、MAO−B阻害剤、例えば、セレギリン等は、好ましくはパーキンソン病の治療で使用されている。米国特許第3655687号は、顕著な抗欝活性を有する5−ヒドロキシメチル−3−置換−2−オキサゾリジノン誘導体を開示している。この特許で開示されている化合物、トロキサトン(toloxatone)、5−(ヒドロキシメチル)−3−(3−メチルフェニル)−2−オキサゾリジノンは特別な参照の化合物である。
【0006】
トロキサトンは、MAO−Aの選択的可逆性阻害剤であり、臨床的治療法に組み込まれている。この理由で、モノアミンオキシダーゼで代謝されることが知られている作用薬との逆相互作用の徴候がリネゾリドで治療された患者において生じるかどうかの疑問に対して特別の注意が払われてきた。増大した昇圧応答は、フェニルプロパノラミン及び偽エフェドリンを含めた或種のアドレナリン作用薬を使う患者において経験されており、これらの作用薬の投与量は、リネゾリドの投与を受けている患者では減少されるべきであることが特に注目される。動物実験は、リネゾリドが、内因性の食事性アミン、チラミン、及びその他の交感神経様作用アミンの昇圧効果を適度に可能にすることを示唆している。リネゾリドの能書は、リネゾリドと、チラミンに富む食品との組合せに対して並びにアドレナリン作用薬及びセロトニン作用薬との相互作用の可能性を承知して置くことについて警告している。したがって、潜在的な作用薬−作用薬相互作用に関連した副作用を除去するために、最小のMAO阻害活性を有する新しいオキサゾリジノン抗菌化合物の必要性が存在する。
【0007】
リネゾリドの調製は、PCT出願WO9507271に開示されている。
【0008】
PCT出願WO03084534は、オキサゾリジノン、特に、3−{4−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピオニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル]−3,5−ジフルオロ−フェニル}−5−(イソオキサゾール−3−イルオキシメチル)−オキサゾリジン−2−オン;2,2−ジフルオロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−グリコロイル−ピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)エタンチオアミド;及びリネゾリドでの糖尿病性足感染症の治療方法を開示している。
【0009】
PCT出願WO03063862は、オキサゾリジノンの有効量並びにビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12からなる群から選択される少なくとも1つのビタミン及び葉酸の有効量を投与する、オキサゾリジノンを必要とする患者の治療方法を開示している。
【0010】
特許出願DE10105989及びUS2003/0153610は、N−((2−オキソ−3−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−イル)−メチル−複素環式アミドの調製及びin vitro、特に保存血又はXa因子を含む生物学的サンプルでの血液凝固を阻害するためのその使用を開示している。US2003/0153610に開示されている複素環式アミドは、チエニルアミドに限定されており、一方、DE10105989は、オキソ−又はN−オキシド部分を含む置換基を伴うN−[[3−[(4−置換)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−アミドに焦点を合わせている。更に、これらの文献は、抗菌性もMAO阻害活性も記載していない。
【0011】
WO04007489は、グラム陽性及びグラム陰性菌に対して抗菌活性を有する幾つかのオキサゾリジノン誘導体を記載している。この特許出願では、リネゾリド及びその可能な同族体の臨床段階及び使用中に明らかとなった幾つかの制限が指摘されており、それは、このクラスの化合物は、結果として生じる血小板減少症を伴う骨髄抑制を誘発する傾向を有するということ、及びオキサゾリジノンによるモノアミンオキシダーゼの阻害が、臨床医に、アドレナリン作用薬又はセロトニン作用薬及び選択的セロトニン再摂取阻害剤との併用中にこのクラスの作用薬を慎重に使用することをすすめるように促しているというものである。
【0012】
WO04089944は、グラム陽性好気性菌及び嫌気性生物を含めた、多数のヒト及び動物病原体に対して有用な抗菌剤である或種の置換フェニルオキサゾリジノンを記載している。この文献では、モノアミンオキシダーゼの阻害活性についての説明は全くなされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、過去においてなされた全ての研究の努力にも拘らず、当該技術分野において知られているよりも低い副作用を有する、新しい有効な抗菌剤を見出す必要性がなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者等は、本出願において開示されているクラスの化合物が、潜在的な作用薬−作用薬相互作用に関連した副作用の顕著な減少を示す、弱いMAO阻害活性を示す特に活性な抗菌剤であることを見出した。これは、オキサゾリジノンによるモノアミンオキシダーゼの阻害が幾つかの副作用を生み出すことが知られており、然して、当業者は、オキシダゾリジノン誘導体の中の全てにおいて、低い副作用を有する又は全く副作用を持たない抗菌剤を調査していないので驚くべきことである。更に、本発明の化合物は、腸球菌に比べてブドウ球菌に対して選択的活性を示し、これは、過去の研究によれば、米国では地域に足場を得て、流行性の水準に向かう傾向にあると思われる地域感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA−MRSA)感染症等のブドウ球菌に対して特別の抗生物質を必要とする疾患の治療において有益な性質である。
【0015】
全体として、本発明は、新しいN−[[(3−[4−置換−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−アミン化合物が、弱いモノアミンオキサイダーゼ阻害活性を伴い、グラム陽性ヒト及び動物病原体に対して特に活性であり、特に、ブドウ球菌に対して活性であることの証拠を提供する。
【0016】
本発明は、弱いモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害活性を有する、グラム陽性及び幾つかのグラム陰性ヒト及び動物病原体に対して特に活性な抗菌剤である、式(I):
【化1】


(式中、A、R、R、R、R、X及びYは以下で定義される)で表されるオキサゾリジノン化合物又は薬剤として許容されるその塩の新規なクラスについて説明する。
【0017】
本発明の別の目的は、前記化合物の合成方法を提供することである。本発明の別の目的は、ヒトを含めた哺乳類の細菌感染症の治療のための医薬の調製のための、式(I)の化合物又は薬剤として許容されるその塩の使用に関する。最後の態様は、式(I)の化合物又は薬剤として許容されるその塩の治療有効量を投与することによる、細菌感染症に罹患している、ヒトを含めた哺乳類を治療するための方法として選択的に製剤されてもよい。
【0018】
本発明は、式(I):
【化2】


[式中、
、R、R及びRは、独立に、−H及びハロゲンから選択され、
Aは、
【化3】


からなる群から選択され、
及びRは、独立に、−H、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、又は、R及びRは、一緒になって、ベンゾ、ピリド、フロ、チエノ、オキサゾロ、イソオキサゾロ、チアゾロ、イソチアゾロ、ピロロ、ピラゾロ又はイミダゾ結合部分を形成し、前記結合部分は、次には、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及び−N−R2122からなる群から選択される置換基、又はシクロペント、シクロヘキソ、シクロヘプト、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから選択される縮合環(ここで、前記縮合環は、次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよい)の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
は、−H、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、又は、R及びR若しくはRは、一緒になって、2〜6個の炭素原子並びにO、N、S、SO及びSOから選択される1〜3個の基を含む環を形成することができ、これは次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
は、−H、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、ヒドロキシアルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、
及びR10は、独立に、−H、−CN、−NO、−COR11、−SO11、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、
11は、−H、−OH、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及びTからなる群から選択され、
12及びR13は、独立に、−H、−OH、−CHR1415、−CN、−COR14、−CSR14、−COOR14、−CSOR14、−CONR1415、−CSNR1415、−CON(R16)N(R14)R15、−SO14、−SOOR14、−SONR1415、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及びTからなる群から選択され、
14及びR15は、独立に、−H、−OH、−COR16、−CSR16、−SO16、−NR1718、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、フェニル、
【化4】


からなる群から選択され、
16は、−H、−OH、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、ヒドロキシアルキル(C〜C)及びTであり、
17及びR18は、独立に、−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、−NR1920、−COR19、−CONR1920、−SO19、−SONR1920、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)及びTからなる群から選択され、又はR17及びR18は、一緒になって、ベンゾ縮合部分を形成し、これは次には、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及び−N−R2122からなる群から選択される置換基、又はシクロペント、シクロヘキソ、シクロヘプト、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから選択される縮合環(ここで、前記縮合環は、次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよい)の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
19及びR20は、独立に、−H、−OH、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)及びTからなる群から選択され、
21及びR22は、独立に、−H、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)及びTから選択され、前記−N−R2122基は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル(アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)又はアルキニル(C〜C)で場合によりN−置換された)、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド及びチオモルホリニルS−ジオキシドからなる群から選択される複素環を表してもよく、
Tは、フェニル又はヘテロアリール基を表し、それぞれは場合により置換されており、ヘテロアリールは、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1,2,5−チアジアゾール、フラザン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール及び1,2,3,4−チアトリアゾールからなる群から選択され、場合により置換されたフェニル又は場合により置換されたヘテロアリール基上に場合により存在する置換基は、−F、−Cl、−Br、−OH、−NH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、NH−アルキル(C〜C)、NH−シクロアルキル(C〜C)、−N−ジアルキル(C〜C)、−N−(アルキル(C〜C))(シクロアルキル(C〜C))、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及びピロリジニル、ピペリジニル、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)又はアルキニル(C〜C)で場合によりN−置換されたピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド及びチオモルホリニルS−ジオキシドからなる群から選択される複素環からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つであってもよく、
Xは、O、S、NR及びCR10から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、NO、NR12及びCR1213から選択され、アルキル(C〜C)基の場合による置換基は、−F、−Cl、−NO、−OR21、−COR21、−N−R2122、オキソ、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、−CN、T、−COO−R21、−OCOR21、−CON−R2122、−N(R21)−CO−R22、−OCON−R2122、及び−N(R21)−COO−R22からなる群から選択される1つ、2つ又は3つであってもよい]の新規なオキサゾリジノン化合物又は薬剤として許容されるその塩に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
好ましくは、本発明は、式(I)(ここで、Rは−Fであり、R、R及びRは、それぞれ−Hであり、XはO、S及びN−CNであり、Yは、O、S、SO、SO及びNR12であり、Aは、
【化5】


(ここで、R及びRは、それぞれ−Hであり、又はRはメチルであり、Rはメトキシであり、又はR及びRは、−F、−Cl及び−Brからなる群から選択され、R12は、−H、メチル、エチル、−CN、−COCHCN、−COCH、−COOCH、−CONHCH、−SOCH、−SOCH、−SONHCH
【化6】


(ここで、R13は、−H、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、−CHOH、−CHNH、−COOH、−COOCH、−COOC、−CHCl、−CONH、−CH−CH=CH、−CH−C≡CH、−CH=CH、−C≡CH及び−CH=CHN(CHからなる群から選択される)からなる群から選択される)から選択されるキノリン基である)の新しいオキサゾリジノンに関する。
【0020】
本明細書で使用される「薬剤として許容される塩」という用語は、有機及び無機酸、例えば、臭化水素酸、塩化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、ピバリン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、琥珀酸、酒石酸等から形成される任意の塩を包含する。
【0021】
化合物は、多数のヒト及び動物の微生物に対して有効な有用な抗菌剤である。実施例43は、本発明の化合物が弱いMAO阻害活性を示すこと、そしてこのことが、モノアミンオキシダーゼの強力な阻害が、幾らかの薬剤を含めて、モノアミンオキシダーゼにより正常に代謝されたその他の化合物に対して別の清掃率をもたらすが故に、これらの化合物が潜在的な作用薬−作用薬相互作用を最小化し又は除去する能力を保有することを示すことを示す。更に、それは、神経伝達物質アミン、例えば、ドーパミン、セロトニン及びノルアドレナリン等の増加した水準を回避することと特別な関連性がある。
【0022】
実施例43は、又、本発明の化合物が、腸球菌と比較してブドウ球菌に対して選択的活性を示すことを示す。この性質は、WO04089944に開示されている化合物の様な、その他の複素環を含む化合物とは対照的に、キノリン型構造を含む、本発明におけるそれらの化合物により明瞭に示される。例えば、本発明の実施例34の化合物は、腸球菌におけるよりもブドウ球菌において100倍を超える活性がある。この選択性は、ブドウ球菌に対する特別の抗生物質治療を必要とする疾患の治療では有益な性質である。中でも、せつ腫症、蜂巣炎、膿血症、肺炎、骨髄炎、心内膜炎、傷の化膿、及び食中毒等の黄色ブドウ球菌により産生される感染症;小さな縫合部膿瘍及びその他の皮膚で止まった傷等のブドウ球菌エピデルミディス(epidermidis)により産生される感染症(ヒト及びその他の動物の寄生皮膚及び粘膜上で発生する);ブタの脂様皮膚症等のブドウ球菌ハイシアス(hycius)により産生される感染症;ブドウ球菌ピオジェンアルバス(pyogenes albus)及びブドウ球菌ピオジェンアウレアス(pyogenes aureus)により産生される感染症である。したがって、これらの化合物は、当該技術分野で知られている利益を超えた利益を有する、多数のヒト及び動物の微生物に対して有効な有用な抗菌剤である。
【0023】
好ましい化合物は、オキサゾリジノン環のC−5位にS−配位を有する光学異性体である。
【0024】
本発明の好ましい化合物は、
(a)式:
【化7】


の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド、
(b)式:
【化8】


の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド、
(c)式:
【化9】


の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド、及び
(d)式:
【化10】


の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−チオアセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシチオアミドである。
【0025】
一般式(I)の化合物は、官能基の性質によって、幾つかの異なる方法により調製されてもよい:
a)アミド化合物(I、X=O)の調製:
正式には、アミドは、一般式(II)のアミノメチル中間体と、式(III)の相当する酸の活性化形態とを反応させることにより調製される:
【化11】


(ここで、A、R、R、R、R及びYは、上で定義されている通りである)。酸(III)の活性化形態は、この酸の、酸ハロゲン化物、イミダゾリド、p−ニトロフェニルエステル及び2,4,5−トリクロロフェニルエステルからなる群から選択される。酸(III)のその他の活性化形態は、トリフェニルホスフィン、ブロモトリクロロメタン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロピリジニウムカチオン、3−クロロイソオキサゾリウムカチオン、ジフェニルホスホリルアジド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3、−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1−メシチレン−2−スルホニル)−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及び2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートから選択される試薬の存在下で、その場で調製される。
【0026】
b)チオアミド化合物(I、X=S)の調製:
相当するアミド化合物(I、X=O)からチオアミド化合物(I、X=S)の調製は、
【化12】


から選択される幾つかの加硫化試薬により行うことができる。
【0027】
好ましい加硫化試薬は、ローエッソン試薬
として知られている(IVi)である。
【0028】
さもなければ、チオアミド化合物は、相当するアミノメチル誘導体(II)とアルキルジチオアミド(IIIi):
【化13】


(ここで、Aは、一般式(I)で定義されている通りであり、Rは、アルキル(C〜C)である)との縮合により得ることができる。
【0029】
c)スルホキシド化合物(I、Y=SO)の調製:
スルホキシド化合物(I、Y=SO)の調製は、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、超原子価ヨウ素試薬、酢酸中のクロム酸、ピリジン中のクロム酸、四酢酸鉛、二酸化マンガン、硝酸タリウム(III)及びオゾン等からなる群から選択される幾つかの酸化試薬、好ましくはメタ過ヨウ素酸ナトリウムを伴って、一般式(I、Y=S)の相当する化合物から行うことができる。
【0030】
d)スルホン化合物(I、Y=SO)の調製:
相当するスルフィド(I、Y=S)からのスルホン化合物(I、Y=SO)の調製は、N−メチルモルホリンN−オキシドの存在下で、酢酸中の過剰の過酸化水素及び触媒の四酸化オスミウム等の幾つかの酸化試薬により行うことができる。酢酸中の過剰の過酸化水素が好ましい。
【0031】
e)シアノアミジン化合物(I、X=N−CN)の調製:
シアノアミジン化合物(I、X=N−CN)は、相当するアミノメチル誘導体(II)と、一般式(V):
【化14】


(ここで、Aは、一般式(I)で定義されている通りであり、Rは、アルキル(C〜C)である)のシアノイミデートとを反応させることにより合成される。
【0032】
一般式(II)の或種のアミノメチル中間体は当該技術分野において公知であり、文献に開示されている方法により調製されてもよい。したがって、PCT出願WO9507271は、N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミン(II、R=F、R=R=R=H、Y=O)の調製を開示し、PCT出願WO9854161は、N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミン(II、R=F、R=R=R=H、Y=S)の調製を開示し、PCT出願WO0032599は、N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミン(II、R=F、R=R=R=H、Y=CH−CON)の調製を開示している。PCT出願WO04/018439は、(S)−N−[3−[3−フルオロ−4−[N−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]アジド及び(S)−[3−[3−フルオロ−4−[N−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]アルコールを開示している。
【0033】
本発明の化合物は、医薬組成物として、標準の薬学的手順により普通に製剤することができる。
【0034】
本発明の別の態様は、適当な量の薬剤の賦形剤又は担体と一緒に、上で定義された一般式(I)の化合物の治療有効量を含む医薬組成物に関する。
【0035】
本発明の医薬組成物は、治療を必要とする疾患状態に対して標準的方法、例えば、経口、非経口、吸入器、直腸、経皮又は局所投与で投与されてもよい。これらの目的のために、本発明の組成物は、当該技術分野において公知の手段により、例えば、錠剤、カプセル、シロップ、水溶液又は油性溶液又は懸濁液、乳化液、分散性粉末、吸入器溶液、坐薬、軟膏、クリーム、ドロップ及び注射用の殺菌水溶液又は油性溶液又は懸濁液等の形態で製剤されてもよい。医薬組成物は、適当な固体若しくは液体担体又は希釈剤において、或いは静脈内、皮下若しくは筋肉内注射に適した懸濁液又は溶液を形成するための適当な殺菌媒体において芳香剤、甘味剤等を含んでもよい。その様な組成物は、一般的に、1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%の活性化合物を含み、組成物の残部は、薬剤として許容される担体、希釈剤、溶剤等である。
【0036】
式(I)の化合物は、0.1〜100mg/体重1kg/日、好ましくは1〜50mg/体重1kg/日の量で投与される。
【0037】
本発明の化合物は、同時菌血症、ペニシリン耐性及び感受性連鎖球菌肺炎、糖尿病性足感染症及び皮膚及び皮膚構造感染症、並びに本発明に記載されている化合物に感受性の細菌が原因の全てのその他の感染症を含めた、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因の院内肺炎、院外感染性肺炎等の状態の治療において有用である。本発明の化合物は、バンコマイシン耐性生物及びメチシリン耐性生物を含めた多数のヒト及び動物の病原体、臨床分離株に対して有効である。
【0038】
以下の非限定的実施例は、本発明の範囲を例示するものである。
【実施例】
【0039】
本明細書で使用される幾つかの略称は次の通り定義される:ジクロロメタンに対しては「DCM」、4−(ジメチルアミノ)ピリジンに対しては「DMAP」、ジメチルスルホキシドに対しては「DMSO」、3−ジメチルアミノプロピル−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩に対しては「EDCI」、エレクトロスプレーイオン化に対しては「ESI」、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールに対しては「HOBt」、高性能液体クロマトグラフィーに対しては「HPLC」、質量分析に対しては「MS」及び薄層クロマトグラフィーに対しては「TLC」。
【0040】
(実施例1)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化15】


5mLのDCM中の、110mg(1.5当量)の7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−カルボン酸、21mg(0.5当量)のDMAP及び97mgの1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.5当量)の溶液を、室温で、アルゴン下で、30分間撹拌した。次いで、100mg(1当量)のN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミンを5mLのDCMに添加し、出発物質のアミンの完全な転換がTCLで観察されるまで、撹拌を12時間続けた。粗混合物を、5%HOAc溶液、飽和NaHCO及びブラインで洗浄した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、真空で濃縮して、173mgの標記生成物を得た(収率=95%)。
【0041】
【化16】

【0042】
(実施例2)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化17】


370mgの7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−カルボン酸及び350mgのN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミンから出発して、実施例1と同じ手順に従って調製した。同様の処理を行った後、244mgの相当する所望の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミドを得た(収率=43%)。
【0043】
【化18】

【0044】
(実施例3)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化19】


190mg(1.5当量)の7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−カルボン酸及び200mg(1当量)のN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アミンから出発して、実施例1と同じ手順に従って調製した。同様の処理を行った後、120mgの相当する所望の7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミドを得た(収率=38%)。
【0045】
【化20】

【0046】
(実施例4)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシチオアミド
【化21】


4mLの1,4−ジオキサン中の、50mgのN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−イル−アミド、123mg(3当量)のローエッソン試薬の溶液を、65℃で3時間、100℃で1時間加熱した。溶剤を減圧下で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merck シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン 99/1)で精製して、39mgの標記生成物を得た(収率=75%)。
HPLC(t、%):11.2分、96%。
MS(ESI)m/z=511(M+1)。
【0047】
(実施例5)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシチオアミド
【化22】


4mLの1,4−ジオキサン中の、50mgのN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−イル−アミド、149mg(4当量)のローエッソン試薬の溶液を、65℃で3時間、100℃で1時間加熱した。溶剤を減圧下で除去し、粗生成物を、2連カラムクロマトグラフィー(Merck シリカゲル、第一カラムはDCM/MeOH 95/5で溶出され、第二カラムは酢酸エチルで溶出される)で精製して、20mgの標記生成物を純度99%で得た(収率=50%)。
HPLC(t、%):13.8分、99%。
MS(ESI)m/z=527(M+1)。
【0048】
(実施例6)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−チオアセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシチオアミド
【化23】


4mLの1,4−ジオキサン中の、50mgのN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4’−アセチル−4−ピペラジニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−イル−アミド、113mg(3当量)のローエッソン試薬の溶液を、65℃で3時間、100℃で1時間加熱した。溶剤を減圧下で除去し、粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(Merck シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン 8/2)で精製して、27mgの標記生成物を得た(収率=53%)。
HPLC(t、%):12.3分、90%。
MS(ESI)m/z=568(M+1)。
【0049】
(実施例7)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1−オキソチオモルホリン−4−イル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化24】


400mg(10当量)のメタ過ヨウ素酸ナトリウムを1mLの水に溶解し、次いで、0℃まで冷却した(氷浴)。次に、2.5mLのメタノール中の100mg(1当量)のN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−イル−アミドを添加した。0.5mLのDCMを、溶解度を増加させるために添加した。反応を、TLCが出発物質の完全な転換を示すまで0℃で3時間撹拌した。粗混合物を分離漏斗に移し、2つの透明な層が得られるまでDCM及び水を添加し、有機層を分離し、水性層を更にDCMで抽出した。有機層を一緒にし、MgSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して95mgを得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(10gのシリカゲル、極性増加でのDCM/MeOH)で精製して、82mgの標記化合物を得た(収率=79%)。
【0050】
【化25】

【0051】
(実施例8)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化26】


20mLの酢酸及び1.05mL(12当量)のH30%中の388mg(1当量)のN−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−チオモルホリニル)−フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]−7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−イル−アミドの溶液を、還流下で一晩中撹拌した。粗混合物のTLCは、出発物質が残っていることを示し、0.5mLのH30%を添加して還流下で一晩中撹拌した。溶剤を蒸発させ、DCMに溶解し、NaHCOの飽和溶液で洗浄し、有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して190mgを得た。これをカラムクロマトグラフィー(10gのシリカゲル、極性増加でのDCM/MeOH)で精製して、33mgの標記化合物を得た(収率=8%)。
【0052】
【化27】

【0053】
以下の表1の化合物は、実施例1と同じ手順で調製した:
【表1−1】


【表1−2】

【0054】
(実施例19)
N−[(5S)−[3−[3−フルオロ−4−[(N−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]アミン
【化28】


この化合物は、2つの手順により得ることができる:
手順A:EtOAc中の(S)−[3−[3−フルオロ−4−[N−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]アジド(27.6mmol)の溶液に、10%Pd/C(6.4g)を添加し、反応を、室温で、H下で撹拌した。反応をTLCで観察し、完了に達した時に混合物をセライトでろ過し、真空下で濃縮した。アミン酸化を避けるためにアルゴン下で保持した粗生成物の純度は95%より高かった。
【0055】
手順B:DCM(750mL)中の(5S)−[3−[3−フルオロ−4−[N−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]アルコール(74.1g、0.19mol)及びトリエチルアミン(36mL、0.26mol)の溶液に、3−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(55.6g、0.25mol)をゆっくりと添加した。反応を24時間撹拌し、次いで、水(500mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、幾らかの未反応3−ニトロベンゼンスルホニルクロライドを含む(5S)−[3−[3−フルオロ−4−[(N−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]ノシレート(116g)を得た。アセトニトリル(2L)中のノシレート(115g)の溶液に、濃アンモニア(d=0.88、100mL)を添加し、反応混合物を40℃に3時間加熱した。アンモニアの二番目の部分(500mL)を添加し、混合物を40℃で一晩中維持した。アンモニアの三番目の部分(500mL)を添加し、8時間後に、アンモニアの最後の部分(500mL)を添加し、更に一晩中撹拌した。反応混合物を冷却し、2つの部分に分割し、それぞれの半分を水(1L)で希釈し、DCMで抽出した(2x1L)。一緒にしたDCM抽出物を乾燥し、蒸発させて、71.4gの所望の生成物を得た。
【0056】
【化29】

【0057】
(実施例20)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−[3−[3−フルオロ−4−[(N−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化30】


7−メトキシ−2−メチルキノリン−3−カルボン酸(1.24g、5.72mmol)、EDCI(1.09g、5.72mmol)、DMAP(0.23g、1.9mmol)及びDCM(30mL)の混合物を30分間撹拌し、次いで、DCM中のN−[(5S)−[3−[3−フルオロ−4−[(N−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]アミン(1.5g、3.81mmol)の溶液を添加した。一晩中撹拌した後、混合物を5%酢酸溶液、飽和NaHCO、最後にブラインで洗浄した。溶剤を減圧下で蒸発させて、2.1gの所望の生成物を得た(収率93%)。
【0058】
【化31】

【0059】
(実施例21)
7−メトキシ−2−メチル−N−[[(5S)−[3−[3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニルメチル]−3−キノリンカルボキシアミド
【化32】


DCM(80mL)中の実施例20のBoc−保護された誘導体の溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸の50%溶液を10分掛けて添加した。15分後に、混合物を室温まで加温し、一晩中撹拌した。溶剤を減圧下で除去し、残渣を、水で繰り返し抽出(9x50mL)する前に、酢酸エチル(50mL)に溶解した。次いで、一緒にした水性抽出物をpH=12とし(KCO)、酢酸エチルで抽出した(9x50mL)。有機抽出物を乾燥し、溶剤を減圧下で除去して、1.6gの収量(60%)で白色固体の生成物を得た。
【0060】
実施例22〜27及び37〜42(以下の表2)を、同じ一般的手順に従って調製した。適当な酸(0.21mmol)、EDCI.HCl(40mg、0.21mmol)、DMAP(8.5mg、70mmol)及びDMF(1.5mL)を30分間撹拌し、次いで、実施例21の化合物(70mg、0.14mmol)を添加した。混合物を約64時間撹拌し、酢酸エチル(6mL)を添加した。混合物を5%酢酸溶液(3mL)、飽和NaHCO溶液(3mL)、最後にブライン(3mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、溶剤を減圧下で蒸発させて、生成物を得た。
【0061】
実施例28〜33(以下の表2)を、同じ手順に従って調製した。適当な酸(0.24mmol)、実施例21の化合物(80mg、0.16mmol)及びDMF(2mL)の混合物に、DMAP(10mg、0.08mmol)及びEDCI.HCl(46mg、0.24mmol)(及び実施例33の場合だけ、HOBt(31mg、0.24mmol))を添加した。溶液を一晩中撹拌し、DCM(4mL)で希釈した。混合物を5%酢酸溶液(2mL)、飽和KCO溶液(2mL)、最後にブライン(2mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、溶剤を減圧下で蒸発させて生成物を得、これを、次にフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0062】
(実施例34〜36)
実施例21の化合物を0.183mmolまで増やした量で、化合物22〜27の手順を使用した。
【化33】


【表2−1】


【表2−2】

【0063】
(実施例43)
(生物学的データの決定)
(a)抗菌活性
最小阻止活性(MIC)は、臨床研究所規格委員会、第5次認可規格M7−A5、2001年、Wayne、PA、USAによる標準微小希釈法を使用して決定した。
【0064】
全ての化合物を、関連性のある異なる感受性及び耐性特異性を示すグラム陽性及びグラム陰性細菌に対してテストした。使用した微生物は、研究所内基準細菌及び臨床分離株から選択した。
【0065】
テスト濃度は、96−ウエルマイクロタイタープレートにおいて、0.06μg/mL〜128μg/mLの二重希釈であった。
【0066】
この研究で使用された微生物は、
黄色ブドウ球菌、ブドウ球菌エピデルミディス、腸球菌ファエカリス(faecalis)、腸球菌ファエシウム(faecium)及び連鎖球菌ニューモニエ(pneumoniae)からなる好気性グラム陽性細菌;及びモラクセラ・カタルハリス(Moraxella catarrhalis)、グラム陰性細菌(呼吸器感染症に関連性があり、その成長要件の故にファスティデアス(fastidious)とも呼ばれる)であった。
【0067】
MICは、嫌気性株に対して補給されるブルセラ血液媒体中、及び好気性細菌に対するミューラー−ヒントン培地中で決定した。
【0068】
テスト化合物はDMSOに溶解し、株のそれぞれのグループに対する特定要件により、異なる媒体で、2560μg/mLの範囲まで希釈した。
【0069】
細菌を含む96−ウエル密閉マイクロタイタープレートを、微生物の性質によって、異なる実験室条件で培養した。したがって、好気性細菌を、16〜24時間の間、35℃で培養し、所謂ファスティデアス細菌、例えば、モラクセラ・カタルハリス及び連鎖球菌ニューモニエ等を、20〜24時間の間、35℃で、5%CO(Anaerocult C、MERCK)を含む微好気性雰囲気中で培養した。
【0070】
(b)in vitroMAO−A及びMAO−B酵素活性
MAO−A及びMAO−B酵素活性を、ヒトMAO−A又はヒトMAO−B(Gentest、BD、USA)を発現するSF9細胞から得られた膜を使用して測定した。検定は、基質としてキヌラミン(kynuramine)使用し、340nm/465nmでの蛍光で4−ヒドロキシキノリンの形成を測定して、黒色96−ウエルマイクロタイタープレートで行った。簡単に言えば、MAO−A(0.006mg/mL、蛋白質)及びMAO−B(0.015mg/mL、蛋白質)を伴う膜を、キヌラミン、30μMと一緒に37℃で40分間、200μLの最終容量の化合物の存在下で培養した。反応を、2N NaOHを添加して停止し、反応生成物、4−ヒドロキシキノリンを、Tecan Ultra読取り機を使用して蛍光光度法により決定した。
【0071】
低K値は、テストした阻害剤が、MAO酵素に対して堅い結合能力を所有することを示し、したがって、それは強力なMAO阻害剤である。
【0072】
抗菌活性並びにMAO−A及びMAO−B酵素活性は、それぞれに表3及び4において示される。
【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
(c)腸球菌と比較したブドウ球菌の選択的活性
得られた結果は以下の表で示される:
1.式:
【化34】


の化合物。
表5a:
【表5】

【0076】
2.式:
【化35】


の化合物。
表5b:
【表6】

【0077】
3.式:
【化36】


の化合物。
表5c:
【表7】

【0078】
4.式:
【化37】


の化合物。
表5d:
【表8】

【0079】
5.式:
【化38】


の化合物。
表5e:
【表9】

【0080】
6.式:
【化39】


の化合物。
表5f:
【表10】

【0081】
これらの結果は、本発明の化合物が、腸球菌と比較してブドウ球菌に対して選択的活性を示すことを示す。
【0082】
(実施例44)
(医薬組成物)
以下に、ヒト及び動物における抗菌使用のための、式(I)の化合物又は薬剤として許容されるその塩を含む一般的な医薬組成物を示す:
錠剤1 mg/錠剤
活性成分 100
ラクトース 179
クロスカルメロースナトリウム 12
ポリビニルピロリドン 6
ステアリン酸マグネシウム 3
【0083】
錠剤2 mg/錠剤
活性成分 50
ラクトース 229
クロスカルメロースナトリウム 12
ポリビニルピロリドン 6
ステアリン酸マグネシウム 3
【0084】
錠剤3 mg/錠剤
活性成分 1
ラクトース 92
クロスカルメロースナトリウム 4
ポリビニルピロリドン 2
ステアリン酸マグネシウム 1
【0085】
カプセル mg/カプセル
活性成分 10
ラクトース 389
クロスカルメロースナトリウム 100
ステアリン酸マグネシウム 1
【0086】
注射液 50mg/mL
活性成分 5.0%w/v
等張水溶液 100%まで
【0087】
緩衝液、薬剤として許容される助溶剤、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール又はエタノール等、或いはキレート剤は、製剤を助けるために使用されてもよい。
【0088】
上記製剤は、薬剤分野において良く知られた通常の手順で調製されてもよい。錠剤1〜3は、例えば、セルロースアセテートフタレートのコーティングを与えるために、通常の手段で腸溶性被覆されてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
、R、R及びRは、独立に、−H及びハロゲンから選択され、
Aは、
【化2】


からなる群から選択され、
及びRは、独立に、−H、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、又は、R及びRは、一緒になって、ベンゾ、ピリド、フロ、チエノ、オキサゾロ、イソオキサゾロ、チアゾロ、イソチアゾロ、ピロロ、ピラゾロ又はイミダゾ結合部分を形成し、前記結合部分は、次には、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及び−N−R2122からなる群から選択される置換基、又はシクロペント、シクロヘキソ、シクロヘプト、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから選択される縮合環(ここで、前記縮合環は、次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよい)の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
は、−H、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、又は、R及びR若しくはRは、一緒になって、2〜6個の炭素原子並びにO、N、S、SO及びSOから選択される1〜3個の基を含む環を形成することができ、これは次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
は、−H、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、ヒドロキシアルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、
及びR10は、独立に、−H、−CN、−NO、−COR11、−SO11、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、−N−R2122及びTからなる群から選択され、
11は、−H、−OH、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及びTからなる群から選択され、
12及びR13は、独立に、−H、−OH、−CHR1415、−CN、−COR14、−CSR14、−COOR14、−CSOR14、−CONR1415、−CSNR1415、−CON(R16)N(R14)R15、−SO14、−SOOR14、−SONR1415、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及びTからなる群から選択され、
14及びR15は、独立に、−H、−OH、−COR16、−CSR16、−SO16、−NR1718、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、フェニル、
【化3】


からなる群から選択され、
16は、−H、−OH、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、ヒドロキシアルキル(C〜C)及びTであり、
17及びR18は、独立に、−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−NO、−CN、−NR1920、−COR19、−CONR1920、−SO19、−SONR1920、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)及びTからなる群から選択され、又はR17及びR18は、一緒になって、ベンゾ縮合部分を形成し、これは次には、−F、−Cl、−Br、−OH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)及び−N−R2122からなる群から選択される置換基、又はシクロペント、シクロヘキソ、シクロヘプト、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから選択される縮合環(ここで、前記縮合環は、次には、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)及びアルキニル(C〜C)からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよい)の1つ、2つ又は3つで置換されていてもよく、
19及びR20は、独立に、−H、−OH、場合により置換されたアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)及びTからなる群から選択され、
21及びR22は、独立に、−H、アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)及びTから選択され、前記−N−R2122基は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル(アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)又はアルキニル(C〜C)で場合によりN−置換された)、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド及びチオモルホリニルS−ジオキシドからなる群から選択される複素環を表してもよく、
Tは、フェニル又はヘテロアリール基を表し、それぞれは場合により置換されており、ヘテロアリールは、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1,2,5−チアジアゾール、フラザン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール及び1,2,3,4−チアトリアゾールからなる群から選択され、場合により置換されたフェニル又は場合により置換されたヘテロアリール基上に場合により存在する置換基は、−F、−Cl、−Br、−OH、−NH、−NO、−CN、−CF、−COR、−CSR、−SO、−OCOR、アルキル(C〜C)、ハロアルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、アルコキシ(C〜C)、アルコキシ(C〜C)アルキル(C〜C)、NH−アルキル(C〜C)、NH−シクロアルキル(C〜C)、−N−ジアルキル(C〜C)、−N−(アルキル(C〜C))(シクロアルキル(C〜C))、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及びピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル(アルキル(C〜C)、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)又はアルキニル(C〜C)で場合によりN−置換された)、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキシド及びチオモルホリニルS−ジオキシドからなる群から選択される複素環からなる群から選択される置換基の1つ、2つ又は3つであってもよく、
Xは、O、S、NR及びCR10から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、NO、NR12及びCR1213から選択され、
アルキル(C〜C)基の場合による置換基は、−F、−Cl、−NO、−OR21、−COR21、−N−R2122、オキソ、シクロアルキル(C〜C)、アルケニル(C〜C)、アルキニル(C〜C)、−CN、T、−COO−R21、−OCOR21、−CON−R2122、−N(R21)−CO−R22、−OCON−R2122、及び−N(R21)−COO−R22からなる群から選択される1つ、2つ又は3つであってもよい]
の化合物又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項2】
が−Fであり、R、R及びRが、それぞれ−Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがOである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
XがSである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
XがN−CNである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、
【化4】


である、請求項2から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
及びRが、それぞれ−Hである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
がメチルであり、Rがメトキシである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
及びRが、−F、−Cl及び−Brからなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
Aが、
【化5】


である、請求項2から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
及びRが、それぞれ−Hである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
がメチルであり、Rがメトキシである、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
及びRが、−F、−Cl及び−Brからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
Aが、
【化6】


である、請求項2から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
及びRが、それぞれ−Hである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
がメチルであり、Rがメトキシである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
及びRが、−F、−Cl及び−Brから選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
Yが、O、S、SO及びSOからなる群から選択される、請求項2から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
YがNR12である、請求項2から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
12が、−H、メチル及びエチルからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
12が、−CN、−COCHCN、−COCH、−COOCH、−CONHCH、−SOCH、−SOCH及び−SONHCHからなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
12が、
【化7】


である、請求項19に記載の化合物。
【請求項23】
12が、
【化8】


からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
12が、
【化9】


である、請求項19に記載の化合物。
【請求項25】
13が、−H、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、−CHOH、−CHNH、−COOH、−COOCH、−COOC、−CHCl、−CONH、−CH−CH=CH、−CH−C≡CH、−CH=CH、−C≡CH及び−CH=CHN(CHからなる群から選択される、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
12が、
【化10】


からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項27】
オキサゾリジノン環のC−5位にS−配位を有する光学異性体である、請求項1から26までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
式:
【化11】


を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項29】
式:
【化12】


を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項30】
式:
【化13】


を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項31】
式:
【化14】


を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項32】
一般式(II):
【化15】


(式中、R、R、R、R及びYは、一般式(I)で定義された通りである)のアミノメチル中間体を、式(III):
【化16】


(式中、Aは、一般式(I)で定義された通りである)の相当する酸の活性化形態でアシル化する工程を含む、請求項1に記載のXがOである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項33】
酸(III)の活性化形態が、この酸の、酸ハロゲン化物、イミダゾリド、p−ニトロフェニルエステル及び2,4,5−トリクロロフェニルエステルからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
酸(III)の活性化形態が、トリフェニルホスフィン、ブロモトリクロロメタン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロピリジニウムカチオン、3−クロロイソオキサゾリウムカチオン、ジフェニルホスホリルアジド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1−メシチレン−2−スルホニル)−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及び2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートから選択される試薬の存在下で、その場で調製される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
XがOである場合の一般式(I)の相当する化合物を、
【化17】


から選択される加硫化試薬と反応させる工程を含む、請求項1に記載のXがSである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項36】
加硫化試薬が前記化合物(IVi)である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
相当するアミノメチル誘導体(II):
【化18】


(式中、R、R、R、R及びYは、一般式(I)で定義された通りである)を、アルキルジチオアミド(IIIi):
【化19】


(式中、Aは、一般式(I)で定義された通りであり、Rは、アルキル(C〜C)である)と反応させる工程を含む、請求項1に記載のXがSである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項38】
YがSである場合の一般式(I)の相当する化合物を、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、超原子価ヨウ素試薬、酢酸中のクロム酸、ピリジン中のクロム酸、四酢酸鉛、二酸化マンガン、硝酸タリウム(III)及びオゾンからなる群から選択される試薬で酸化する工程を含む、請求項1に記載のYがSOである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項39】
試薬がメタ過ヨウ素酸ナトリウムである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
YがSである場合の一般式(I)の相当する化合物を、N−メチルモルホリンN−オキシドの存在下で、酢酸中の過剰の過酸化水素及び触媒の四酸化オスミウムからなる群から選択される試薬で酸化する工程を含む、請求項1に記載のYがSOである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項41】
前記試薬が酢酸中の過剰の過酸化水素である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
一般式(II):
【化20】


(式中、R、R、R、R及びYは、一般式(I)で定義された通りである)のアミノメチル中間体を、一般式(V):
【化21】


(式中、Aは、一般式(I)で定義された通りであり、Rは、アルキル(C〜C)である)のシアノイミデートと反応させる工程を含む、請求項1に記載のXがN−CNである場合の一般式(I)の化合物の調製方法。
【請求項43】
ヒト又は動物における細菌感染症の治療のための医薬の調製のための、請求項1から31までのいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
医薬が、経口、非経口、吸入器、直腸、経皮又は局所経路で投与される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
化合物が、0.1〜100mg/体重1kg/日の量で投与される、請求項43又は44のいずれかに記載の使用。
【請求項46】
化合物が、1〜50mg/体重1kg/日の量で投与される、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
適当な量の薬剤の賦形剤又は担体と一緒に、請求項1から31までのいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の治療有効量を含む医薬組成物。


【公表番号】特表2008−543963(P2008−543963A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518807(P2008−518807)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063541
【国際公開番号】WO2007/000432
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(501108452)フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ (39)
【Fターム(参考)】