説明

オピオイドの鎮痛効果を強めかつオピオイドの依存性を軽減するシグマリガンドとしての1−アリール−3−アミノアルコキシ−ピラゾール

本発明は、オピオイドおよびアヘン薬の鎮痛効果の相乗作用、および同時にオピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を減少させるための、式(I)の一群のシグマ受容体リガンドの使用に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オピオイドおよびアヘン薬の鎮痛効果の相乗作用、ならびにオピオイドおよびアヘン薬の嗜癖の減弱に関する。より具体的には、本発明は、オピオイドおよびアヘン薬の鎮痛効果の相乗作用のため、および同時に、オピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を減少させるための、一群のシグマ受容体リガンドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
オピオイドおよびアヘン薬は診療で広く使用される強力な鎮痛剤である。オピオイドおよびアヘン薬薬物は、特異的な薬物種がリガンドとして結合する細胞受容体および分化した組織受容体に関するその結合選択性によって、典型的に分類される。これらの受容体としては、ミュー(μ)受容体、デルタ(δ)受容体、カッパ(κ)受容体および侵害受容体が挙げられる。
【0003】
モルヒネおよびその類似体などの周知の麻薬性のアヘン薬は、オピオイドミュー受容体に対して選択的である。ミュー受容体は無痛覚、呼吸抑制、および胃腸の通過の阻害を媒介する。カッパ受容体は無痛覚および鎮静を媒介する。しかしながら、鎮痛剤としてのそれらの良好な活性にもかかわらず、オピオイドおよびアヘン薬は依存症を引き起こすという欠点を有する。
【0004】
シグマ受容体は、無痛覚関連プロセスにおけるその役割に起因して薬理学で非常に興味がもたれている非オピオイド(opiaceous)の種類の受容体である。シグマ結合部位は、(+)SKF 10047、(+)シクラゾシン、および(+)ペンタゾシンなどの特定のアヘン薬ベンゾモルファンの右旋性の異性体に対して、およびまたハロペリドールなどのいくつかの催眠薬に対して優先的な親和性を有する。シグマ受容体は、これらの薬理活性のある薬物の立体選択的異性体によって見分けられうる少なくとも2つの亜型を有する。SKF 10047は、シグマ1(σ−1)部位に対してナノモル濃度の親和性を有し、シグマ2(σ−2)部位に対してマイクロモル濃度の親和性を有する。ハロペリドールは両方の亜型に対して同程度の親和性を有する。
【0005】
オピオイドまたはアヘン薬と組み合わせたいつかのシグマリガンドがオピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を調節することができるということが報告されてきた。例えば、ハロペリドールがモルヒネ、DADLまたはブレマゾシンなどの異なるオピオイドおよびアヘン薬の活性を高めることが知られている[非特許文献1]。Chien C.らもハロペリドールおよびモルヒネの組み合わせの相乗効果に言及し[非特許文献2および非特許文献3]、Marazzo A.らは、κ−オピオイド受容体に媒介される無痛覚を調節する、シグマリガンド(+)−MR200の能力を教示した。Mei J.らは、オピオイド薬物の鎮痛活性に対する調節系としてのシグマ−1受容体の重要性を確認した[非特許文献4]。にもかかわらず、これらの場合のすべてにおいてオピオイドおよびアヘン薬によって誘導される依存症の問題は残ったままである。
【0006】
このオピオイドおよびアヘン薬依存性の問題を解決するための薬理学的アプローチのうちの1つが、オピオイドまたはアヘン薬とシグマリガンドとの同時投与であった。例えば、シグマ−1受容体作動薬SA4503は、モルヒネへの嗜癖に対して調節効果を有することが示されている[非特許文献5]。また、シグマ−1作動薬DHEAは、モルヒネ依存症の発症を減弱させる何らかの能力を示した[非特許文献6]。特許文献1は、モルヒネ、コカインおよびメタンフェタミンへの薬物嗜癖の治療のためのシグマリガンドの使用を教示する。しかしながら、これらのアプローチのいずれも、モルヒネの鎮痛効果の増強を示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1130018号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Chichenkov、O.N.ら、「Effect of haloperidol on the analgesic activity of intracisternally and intrathecally injected opiate agonists」、Farmakologiya i Toksikologiya(Moscow)、1985年、第48巻、第4号、58−61頁
【非特許文献2】「Selective antagonism of opioid analgesia by a sigma system」、J Pharmacol Exp Ther、1994年、第271巻、1583−1590頁
【非特許文献3】「Sigma antagonists potentiate opioid analgesia in rats」、Neurosci Lett、1995年、第190巻、137−139頁
【非特許文献4】「Sigma1 receptor modulation of opioid analgesia in the mouse」、J Pharmacol Exp Ther、2002年、第300巻、第3号、1070−1074頁
【非特許文献5】Nomura,M.ら、「Studies on drug dependence (Rept. 322): Attenuation of morphine− and psychostimulants−induced place preference by sigma1 receptor agonist SA4503」、72nd Annual Meeting of the Japanese Pharmacological Society (Sapporo,Japan−March 1999)
【非特許文献6】Noda,Y.ら、「A neuroactive steroid, dehydroepiandrosterone sulfate, attenuates the development of morphine dependence: an association with sigma1 receptors」、31st Annual Meeting of the Society of Neuroscience(San Diego−Nov 2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、ピオイドまたはアヘン薬の依存性を同時に軽減しつつ、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を相乗的に高めることができるシグマリガンドを見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、いくつかの特定のシグマリガンドが、オピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を同時に減少させつつ、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を相乗的に高める能力を示すということを見出した。
【0011】
本発明の1つの目的は、少なくとも1つのシグマリガンドと少なくともオピオイドまたはアヘン薬化合物との組み合わせであって、当該シグマリガンドは一般式(I):
【化1】

(式中、
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換の芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
およびRは、独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択されるか、またはそれらは一緒に縮合環系を形成し、
およびRは、独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択されるか、またはそれらが結合する窒素原子とともに、一緒になって置換もしくは非置換のヘテロシクリル基を形成し、
nは1、2、3、4、5、6、7または8から選択され、
tは1、2または3であり、
およびRは、各々独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、およびハロゲンから選択される)
を有するか、またはそれらの薬学的に許容できる塩、異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物である、組み合わせに関する。
【0012】
本発明の別の目的は、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高めるためおよび/またはその依存性を減少させるための上で画定されたとおりの組み合わせの同時、個別または逐次の投与に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】雄のCD−1 WTマウス(A)およびCD−1 σ1R−KOマウス(B)でのテールフリックテストにおける化合物63(10、20、40および80mg/kg、i.p.)の急性投与の用量反応効果。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり12匹(A)または10(B)匹の動物から得られたデータが、テールフリック潜時(tail−flick latency)(秒)の平均±SEMとして提示されている。***p<0.001 対 溶媒(HPMC 0.5%)処置群(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。
【図2】雄のCD−1 WTマウスでのテールフリックテストにおけるモルヒネ(1.25、2.5、5および10mg/kg、sc)の急性投与の用量反応効果。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり8匹の動物から得られたデータが、テールフリック潜時(秒)の平均±SEMとして提示されている。p<0.05、***p<0.001 対 溶媒(生理食塩水)処置群(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。
【図3】雄のCD−1 σ1R−KOマウスでのテールフリックテストにおけるモルヒネ(1.25、2.5、5および10mg/kg、sc)の急性投与の用量反応効果。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり10〜11匹の動物から得られたデータが、テールフリック潜時(秒)の平均±SEMとして提示されている。***p<0.001 対 溶媒(生理食塩水)処置群(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。
【図4】雄のCD−1 WTおよびσ1R−KOマウスでのテールフリックテストにおけるモルヒネ(1.25、2.5、5および10mg/kg、sc)のS字型用量反応曲線。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり8〜11匹の動物から得られたデータは、無痛覚の百分率(%)の平均±SEMとして提示される。挿入部分:WTおよびσ1R−KOの両方、溶媒処置群のテールフリック潜時。p<0.05、***p<0.001 対 対応する溶媒群(生理食塩水)(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。
【図5】A)雄のCD−1 WTマウスでのテールフリックテストにおける化合物63(10、20、40mg/kg、ip)によるモルヒネ(2mg/kg、sc)の抗侵害作用の相乗作用。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり11〜12匹の動物から得られたデータは、テールフリック潜時(秒)の平均±SEMとして提示されている。***p<0.001 対 溶媒処置群;###p<0.001 対 モルヒネ(2mg/kg)群(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。B)S字型用量反応曲線表示。
【図6】雄のCD−1 WTマウスでのテールフリックテストにおけるモルヒネ(1、2、4、および10mg/kg、sc)および化合物63(40mg/kg、ip)とモルヒネ(1、2および4mg/kg、sc)との組み合わせのS字型用量反応曲線。化合物はこの試験の30分前に注射された。1つの群あたり10〜11匹の動物から得られたデータが、無痛覚の百分率(%)の平均±SEMとして提示されている。**p<0.01;***p<0.001 対 対応する溶媒処置群(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定);p<0.05 対 モルヒネ(2および4mg/kg)で処置された対応する群(対応のないt−検定)。
【図7】WTおよびσ1R−KOの雄のCD−1マウスでのテールフリックテストにおけるモルヒネ(MOR)およびモルヒネ+化合物63の組み合わせの抗侵害効果。化合物はこの試験の30分前に腹腔内に注射された。薬物の用量はmg/kgで表されている(グラフ中の括弧)。1つの群あたり6〜14匹の動物から得られたデータは、テールフリック潜時(秒)の平均±SEMとして提示されている。***p<0.001 対 溶媒処置WT群;###p<0.001 対 MOR+化合物63処置WT群。(ANOVA後のNewman−Keuls多重比較検定)。
【図8】周知のシグマリガンドBD1063と比較した場合の、モルヒネによって媒介される無痛覚における化合物63および11の強められた相乗効果。
【図9】場所条件付けパラダイム(スコア値)における、モルヒネによって誘導される報酬効果に対する化合物63(25mg/kg s.c)の効果。
【図10】場所条件付けパラダイムにおける、モルヒネによって誘導される報酬効果に対する化合物63(25mg/kg s.c.)の効果。条件付け前段階および試験段階の間に薬物と対応する区画の中で費やした時間。
【発明を実施するための形態】
【0014】
式(I)の化合物は、本出願人らの以前の出願、国際公開第2006021462号パンフレットに開示されたようにして調製することができる。
【0015】
用語「塩」は、当該化合物がイオン性形態にあるか、または電荷を帯びていて対イオン(カチオンまたはアニオン)に結合しているか、または溶液中にある、本発明に従って使用される活性化合物のいずれかの形態として理解されたい。この定義は、第四級アンモニウム塩および当該活性分子と他の分子およびイオンとの複合体、特にイオン相互作用を介して形成される複合体をも包含する。この定義は、特に生理的に許容できる塩を含み、この用語は「薬学的に許容できる塩」と等価であると理解されたい。
【0016】
用語「薬学的に許容できる塩」は、本発明に関しては、特にヒトおよび/または哺乳動物において施されるかまたは使用される治療のために適切な態様で使用される場合に、生理的に耐容性である(通常、特に、対イオンの結果として無毒であるということを意味する)いずれかの塩を意味する。これらの生理的に許容できる塩は、カチオンまたは塩基と形成されてもよく、本発明に関しては、本発明に従って使用される少なくとも1つの化合物−通常、酸(脱プロトン化されている)−(アニオンなど)と、特にヒトおよび/または哺乳動物に対して使用される場合の少なくとも1つの生理的に耐容されるカチオン、好ましくは無機のカチオンとによって形成される塩であると理解される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属との塩は特に好ましく、アンモニウムカチオン(NH)との塩も同様である。好ましい塩は、(モノ)または(ジ)ナトリウム、(モノ)または(ジ)カリウム、マグネシウムまたはカルシウムと形成される塩である。これらの生理的に許容できる塩はアニオンまたは酸と形成されてもよく、本発明に関しては、本発明に従って使用される少なくとも1つの化合物−通常は例えば窒素でプロトン化された−(カチオンなど)と、特にヒトおよび/または哺乳動物に対して使用される場合の少なくとも1つの生理的に耐容されるアニオンとによって形成される塩であると理解される。この定義は、特に本発明に関しては、生理的に耐容される酸によって形成される塩、すなわち特定の活性化合物と、特にヒトおよび/または哺乳動物に対して使用される場合の生理的に耐容される有機または無機の酸との塩を包含する。この種の塩の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸またはクエン酸と形成される塩である
【0017】
本発明に係る用語「溶媒和物」は、本発明に係る活性化合物が非共有結合によって別の分子(通常は極性溶媒)へと結合されている本発明に係る活性化合物のいずれかの形態を意味すると理解されたい。その例としては、とりわけ水和物およびアルコール和物(例えば、メタノール和物)が挙げられる。
【0018】
式Iの化合物のプロドラッグであるいずれの化合物も本発明の範囲内にある。用語「プロドラッグ」は、その最も広い意味で使用され、インビボで本発明の化合物へと変換される誘導体を包含する。プロドラッグの例としては、生物加水分解性(biohydrolyzable)部分を含む式Iの化合物の誘導体および代謝産物、例えば生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド類、および生物加水分解性リン酸エステル類似体などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグはそのカルボン酸の低級アルキルエステルである。このカルボン酸エステルは、その分子上に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することによって簡便に形成される。プロドラッグは、典型的には、Burger、「Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed.」(Donald J.Abraham編、2001、Wiley)および「Design and Applications of Prodrugs」(H.Bundgaard編、1985、Harwood Academic Publishers)によって記載される方法などの周知の方法を使用して調製することができる。
【0019】
好ましい実施形態では、式Iの化合物におけるRはH、−COR、および置換もしくは非置換のアルキルから選択される。より好ましくは、RはH、メチルおよびアセチルから選択される。より好ましい実施形態は、RがHの場合である。
【0020】
別の好ましい実施形態では、RはHまたはアルキル、より好ましくはメチルを表す。
【0021】
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、RおよびRは当該フェニル基のメタおよびパラ位に置かれ、好ましくは、それらは独立に、ハロゲンおよび置換もしくは非置換のアルキルから選択される。
【0022】
本発明のとりわけ好ましい実施形態では、RおよびRの両方は、当該フェニル基と一緒に縮合環系、より好ましくはナフチル環系を形成する。
【0023】
また、nが2、3、4から選択される実施形態が、本発明に関しては好ましい。
【0024】
最後に、別の実施形態では、RおよびRが一緒にモルホリン−4−イル基を形成することが好ましい。
【0025】
本発明の好ましい変更例では、本発明は、少なくとも1つのオピオイドまたはアヘン薬と、以下から選択される少なくとも1つの式Iの化合物との組み合わせを包含する:
[1] 4−{2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H ピラゾール−3−イルオキシ)エチル}モルホリン
[2] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[3] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[4] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[5] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[6] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[7] 3−{1−[2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル]ピペリジン−4−イル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
[8] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−4−メチルピペラジン
[9] エチル 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペラジンカルボキシレート
[10] 1−(4−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)エタノン
[11] 4−{2−[1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[12] 1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[13] 1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[14] 1−[2−(1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル]ピペリジン
[15] 1−{2−[1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[16] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[17] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[18] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[19] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[20] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[21] 2−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[22] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}モルホリン
[23] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[4−(ピロリジン−1−イル)ブトキシ]−1H−ピラゾール
[24] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[25] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−4−メチルピペラジン
[26] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−1H−イミダゾール
[27] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルブタン−1−アミン
[28] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−4−フェニルピペリジン
[29] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−6,7−ジヒドロ−1H−インドール−4(5H)−オン
[30] 2−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[31] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[32] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[33] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[34] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[35] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[36] 2−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[37] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[38] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ] N,N−ジエチルエタンアミン
[39] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[40] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[41] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[42] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペラジン
[43] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピロリジン−3−アミン
[44] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[45] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[46] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[47] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[48] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[49] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[50] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}モルホリン
[51] (2S,6R)−4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−2,6−ジメチルモルホリン
[52] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[53] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[4−(ピロリジン−1−イル)ブトキシ]−1H−ピラゾール
[55] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルブタン−1−アミン
[56] N−ベンジル−4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N−メチルブタン−1−アミン
[57] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルブタン−1−アミン
[58] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}チオモルホリン
[59] 1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−(2−モルホリノエトキシ)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノン
[60] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[61] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[62] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[63] 4−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[64] N,N−ジエチル−2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エタンアミン
[65] 1−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[66] 5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
またはそれらの薬学的に許容できる塩、それらの溶媒和物またはプロドラッグ。
【0026】
オピオイドおよびアヘン薬は、オピオイド受容体に結合する化合物である。本発明の範囲内のオピオイド受容体に結合する化合物としては、モルヒネ、コデインおよびテバインなどの天然のアヘン薬;ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、オキシモルフォン、デソモルフィン、ジアセチルモルフィン、ニコモルフィン、ジプロパノイルモルフィン、ベンジルモルフィンおよびエチルモルフィンなどの、天然のオピオイドから誘導される半合成アヘン薬;フェンタニル、ペチジン、メサドン、トラマドールおよびプロポキシフェンなどの完全合成オピオイド;ならびにエンドルフィン類、エンケファリン類、ダイノルフィン類、およびエンドモルフィン類およびそれらの類似体などの、体内で自然に産生される内在性のオピオイドペプチドが挙げられる。好ましくは、本発明に従って利用されるオピオイド受容体リガンドはモルヒネまたはその類似体である。
【0027】
用語「類似体」は、本発明に関しては、オピオイド受容体に結合して鎮痛効果を顕在化させる化合物から構造的に誘導されるかまたはその化合物と相同的ないずれかの実体を指す。この定義に係る類似体の例としては、例えば欧州特許第0975648号明細書または同第0793364号明細書に開示されるモルヒネ類似体が挙げられる。
【0028】
本発明の好ましい組み合わせは、4−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリンとモルヒネとの組み合わせを含む。
【0029】
本発明の組み合わせは、その同時、個別または逐次の投与のために、少なくとも薬学的に許容できる担体、添加剤、佐剤または溶媒を用いて処方されてもよい。これは、上記2つの活性化合物の組み合わせが以下のようにして投与されてもよいということを含意している:
a)同じ医薬処方物の一部分である組み合わせとして(この場合は、それらの2つの活性化合物は常に同時に投与される)。
b)2つの単位の組み合わせとして(各々が、同時、逐次または個別の投与の可能性を生じる当該活性物質のうちの1つを有する)。特定の実施形態では、当該シグマリガンドは、オピオイドまたはアヘン薬から独立に(すなわち2つの単位として)、しかし同時に投与される。別の特定の実施形態では、当該シグマリガンドが最初に投与され、次いでオピオイドまたはアヘン薬が個別的にまたは逐次的に投与される。さらに別の特定の実施形態では、オピオイドまたはアヘン薬が最初に投与され次いでシグマリガンドが、明記されたように、個別的にまたは逐次的に投与される。
【0030】
これらの特定のおよび異なる投与方法の各々は、オピオイドもしくはアヘン薬による無痛覚を相乗的に高め、かつ/またはその依存症を減弱させるために、所望の効果をもたらす。
【0031】
補助物質または添加剤は、担体、賦形剤、支持物質、滑沢剤、充填剤、溶媒、希釈剤、着色料、風味調整剤(flavour conditioner)(糖類など)、抗酸化物質および/または凝集剤の中から選択することができる。座薬の場合、これは、非経口使用のためのワックスまたは脂肪酸エステルまたは防腐剤、乳化剤および/または担体を意味する場合がある。これらの補助物質および/または添加剤の選択ならびに使用されるべき量は、医薬組成物の使用の形態に依存するであろう。
【0032】
本発明に係る薬学的組み合わせは、経口的または非経口的に、例えば肺に、経鼻的に、直腸におよび/または静脈内になど、いずれの投与形態に適合させることができる。それゆえ、本発明に係る処方物は、局所のまたは全身性の使用のため、特に経皮(dermal)、皮下、筋肉内、関節内、腹腔内、肺内、口腔内、舌下、鼻内、経皮(percutaneous)、膣内、経口または非経口での使用のために適合されていてもよい。
【0033】
経口使用のための適切な調剤は、錠剤、丸剤、チューインガム、カプセル、顆粒、ドロップまたはシロップである。
【0034】
非経口使用のための適切な調剤は、液剤、懸濁剤、再構成可能な乾燥調剤または噴霧薬である。
【0035】
本発明の組み合わせは、経皮的使用のための溶解された形態のまたは貼剤としての被覆物(deposit)として処方されてもよい。
【0036】
皮膚使用としては、軟膏剤、ゲル、クリーム、ローション剤、懸濁剤またはエマルションが挙げられる。
【0037】
直腸使用の好ましい形態は、座薬による。
【0038】
少なくとも1つのオピオイドまたはアヘン薬と少なくとも1つの一般式Iの化合物との組み合わせは、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高める際の使用のため、および/またはオピオイドまたはアヘン薬の依存性を減少させるために適している。これらの組み合わせは、同時に、個別的にまたは逐次的に投与ことができる。
【0039】
本発明の組み合わせは、オピオイドまたはアヘン薬によってもたらされる無痛覚を高める効果、およびそれらの依存性を減少させる効果の両方を示すが、いずれの場合も、これらの目的のうちのただ1つを達成するために使用することもできる。
【0040】
例えば、式(I)の化合物およびオピオイドまたはアヘン薬の同時投与について、そのオピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を最大にするようにのみ導かれてもよい。このシナリオの下では、オピオイドまたはアヘン薬の投薬量を低下させつつ同じ鎮痛薬レベルを維持するという付加された恩恵を達成することが可能であろう。
【0041】
別の実施形態では、当該投与は、まさにオピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性または嗜癖の減弱のために意図されてもよい。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明は、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高めるため、および同時にオピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を減少させるための両方のための、本願明細書で画定される組み合わせの使用を含む。
【0043】
患者に投与されるべき投薬量計画は、患者の体重、使用の種類、疾患の状態および重症度に応じて変わる。1つの好ましい投薬量計画は、0.5〜100mg/kgの範囲の式(I)の化合物および0.15〜15mg/kgのオピオイドまたはアヘン薬の投与を含み、それは1日に1回または数回の用量で投与される。
【0044】
本発明の別の目的は、シグマリガンドが、同時に、オピオイドおよびアヘン薬の鎮痛効果を相乗的に強め、かつオピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存症を減少させることができるという発見に基づく。本発明のこの態様は、少なくとも1つのシグマリガンドおよび少なくともオピオイドまたはアヘン薬化合物の組み合わせを含む。この組み合わせは、この場合、オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高め、かつその依存性を減少させるために、同時、個別または逐次の態様で投与される。
【0045】
本発明の別の実施形態では、使用されるアヘン薬は、好ましくはモルヒネまたはその類似体である。
【0046】
以下の実施例は、本発明を例証するための役割を果たすであろう。
【実施例】
【0047】
実施例1:モルヒネによって媒介される無痛覚における化合物63の相乗効果
a)テールフリックテストにおけるモルヒネ無痛覚の調節
シグマ−1リガンドである化合物63と、モルヒネとの組み合わせによって誘導される無痛覚を、CD−1 野生型(WT)マウスおよびシグマ−1欠損マウス(KO)で、Carlssonら[Neurosci Lett. 1986年11月21日;71(3):356−60]によって記載された方法に従うテールフリックテストによって評価した。
【0048】
まず、化合物63単独の有効性を、様々な用量(10、20、40および80mg/kg、i.p.)でのその投与によってWTマウスおよびKOマウスにおいて評価した。化合物63は、試験した最高用量を除いて、反応潜時に対して有意な効果を有しなかった。予想したとおり、この効果は、KOマウスについては存在すらしなかった(図1を参照)。
【0049】
対照的に、モルヒネは、WTおよびKOマウスのいずれにおいても、同程度の有効性および効力(WTおよびKOについて、それぞれED50 3.5および3.7mg/kg)で明確な用量依存的鎮痛効果をもたらした。これは、KOマウスは、通常、テールフリックアッセイのこれらの条件においてモルヒネ無痛覚を知覚するということを示す(図2、図3および図4を参照)。
【0050】
次に、化合物63およびモルヒネの組み合わせによってもたらされる無痛覚をWTマウスで評価した。図5は、テールフリック潜時(A)および無痛覚の百分率(B)によって表される、化合物63によるモルヒネ(2mg/kg、s.c.)の抗侵害作用の相乗作用を示す。
【0051】
図6に示すように、モルヒネ単独(1、2、4および10mg/kg、s.c.)と比べたときの、モルヒネ(1、2および4mg/kg、s.c.)と化合物63(40mg/kg、i.p.)との組み合わせのCD1 WTマウスにおけるS字型用量反応曲線は、その組み合わせの無痛覚の百分率の有意な増加およびその組み合わせのED50の有意な減少((ED50=1.33) 対 モルヒネ単独(ED50=3.21))を示す。モルヒネと40mg/kgの化合物63との組み合わせはモルヒネ単独の無痛覚効力を2.4倍増加させる。
【0052】
マウスの群はモルヒネ単独(1mg/kg)および化合物63(40mg/kg)と組み合わせて与えられ、モルヒネ単独の場合のわずか10%の無痛覚(有意差なし)および当該組み合わせの場合の55%の無痛覚が見出された。しかしながら、この相乗効果は、図7に示すとおり、この組み合わせをシグマ−1 KOマウスに投与した場合は消失した。
【0053】
b)ホットプレート試験におけるモルヒネ無痛覚の調節
モルヒネ無痛覚に対する化合物63の効果をさらに研究するために、Janickiら[Pharmacol Biochem Behave. 1979 Apr;10(4):623−6]によって記載されたようにして、ホットプレートにおいて実験を実施した(脊椎上の統合反応(supraspinally integrated response))。モルヒネ無痛覚に対する化合物63の効果を検討した:マウスの群に、モルヒネ単独(2.5mg/kg)および化合物63(40mg/kg)と組み合わせて与えた。ホットプレート試験を50℃で実施する場合、本発明者らは、モルヒネ単独の場合に45%の鎮痛活性、およびモルヒネおよび化合物63の組み合わせの場合に83%の鎮痛活性を見出した。この実験を55℃で実施する場合、モルヒネは、43%の鎮痛活性をもたらし、当該組み合わせは94%の鎮痛活性をもたらした。それゆえ、化合物はこのホットプレート試験においてもモルヒネ無痛覚を強めることができる。
【0054】
実施例2:周知のシグマリガンドBD1063と比べた場合の、モルヒネによって媒介される無痛覚における化合物63および11の強められた相乗効果
モルヒネと組み合わせた本発明の化合物のうちの2つ(化合物63および化合物11)ならびに周知のシグマ−1リガンドであるBD1063の鎮痛効果を、実施例1でのようにして、テールフリックテストによりCD−1野生型(WT)マウスで評価した。化合物63および11ならびにBD1063を、モルヒネ(1mg/kg s.c.)の投与の30分前に40mg/kg i.pの1回用量で投与した。
【0055】
図8に示す結果は、シグマリガンドとモルヒネとのすべての組み合わせがモルヒネの鎮痛効果の増強をもたらしたが、この効果は、本発明の化合物63および11の同時投与の場合はより顕著であったということを示す。
【0056】
実施例3:化合物63との同時投与によるモルヒネによって誘導される依存症の減弱
化合物63によるモルヒネの嗜癖効果の減弱を、場所条件付けパラダイム(place conditioning paradigm)モデルを用いて試験した。この場所条件付けパラダイムは、薬物の可能な報酬/嫌悪特性を評価するためにマウスで使用される行動モデルである。このパラダイムでは、当該薬物の報酬効果は環境の物理的特性と関連付けられており、従って、マウスはこの報酬特性を有する薬物と関連づけられている環境の中でより多くの時間を費やすことを好むことになる。このモデルはまた、薬物の嫌悪効果を探索することも可能にし、この場合、マウスは嫌悪特性を有する薬物と関連付けられた区画に留まることを回避することになる。
【0057】
この目的は、このマウスの場所条件付けパラダイムにおいて化合物63の投与によって誘導される効果およびこのパラダイムにおけるモルヒネの報酬特性を改変するその能力を評価することであった。2つの異なる用量のモルヒネを試験し、化合物63を、神経因性疼痛モデルにおいてこれまでに得られたデータ(データは示さず)から算出した1回の用量で投与した。
【0058】
この実験の開始時に体重20〜22gであった雄のCD−1 マウス(Charles River、フランス)を使用した。マウスを尾部の印によって特定し、温度を21±1℃に維持し、湿度を55±10%に維持し、光制御した周期(08:00時に光を点灯;20:00時に光を消灯)の制御された実験室条件の中に個々に収容した。すべての実験を防音室の中で行った。これらのマウスに、行動試験の間を除いて、食餌および水を自由に摂らせた。すべての実験手順および動物の管理は、標準的な倫理指針(European Community Guidelines on the Care and Use of Laboratory Animals)に従って行い、施設内の倫理委員会の承認を受けた。
【0059】
以下の実験群を試験した:
群1(n=12):生理食塩水+生理食塩水
群2(n=14):モルヒネ(1.5mg/kg s.c.)+生理食塩水
群3(n=11):モルヒネ(5mg/kg s.c.)+生理食塩水
群4(n=12):生理食塩水+化合物63(25mg/kg s.c.)
群5(n=11):モルヒネ(1.5mg/kg s.c.)+化合物63(25mg/kg s.c.)
群6(n=12):モルヒネ(5mg/kg s.c.)+化合物63(25mg/kg s.c.)。
【0060】
モルヒネの報酬特性および化合物63の可能性のある報酬/嫌悪効果を、条件づけ場所嗜好性パラダイム(conditioning place preference paradigm)のために適合した装置を使用して評価した。この装置は、三角形の中央区分によって隔てられた2つの主要な正方形の条件付け区画からなる。条件付け前段階の間、各マウスを中央区分の中央に置き、18分間、当該条件付け装置の両方の区画へ自由にアクセスさせ、各区画中で費やした時間を記録した。偏りのない手順を使用するために、処置を区画間で相殺させた。条件付け段階については、マウスを、6日間、薬物(モルヒネおよび/もしくは化合物63)または生理食塩水の交互の注射で処置した。生理食塩水および化合物63は、モルヒネまたは生理食塩水注射の30分前に投与した。マウスを、モルヒネまたは生理食塩水の投与の直後に、壁と合致するギロチンドアを使用して対応する区画の中へと、20分間閉じ込めた。薬物を1日目、3日目および5日目に投与し、生理食塩水を2日目、4日目および6日目に投与した。対照動物には毎日生理食塩水を与えた。試験段階は条件付け前段階でのようにして行い、すなわち18分間、両方の区画へ自由にアクセスさせ、各区画中で費やした時間を記録した。各マウスについて、薬物と対応する区画の中で費やした、条件付け後の時間と条件付け前の時間との差としてスコアを算出した。データは、生の時間スコア値(秒)(図9)ならびに条件付け前段階および試験段階の間に薬物と対応する区画の中で費やした時間(秒)(図10)として表した。(被験体間での)一元配置ANOVAおよびそれに続くDunnet事後比較を使用して時間スコア値を比較した。マウスの各群についての、条件付け前測定および条件付け後測定の間に薬物と対応する区画の中で費やした時間の値を、対応のある両側Student’s t−検定を使用することにより比較した。
【0061】
図9および図10に示した結果から以下の結論が得られる:
・ 5mg/kgの用量で投与したモルヒネは、条件付け場所嗜好性によって明らかになった報酬効果を誘導した:モルヒネを1.5mg/kgの用量で投与した場合には効果は観察されなかった。モルヒネのこれらの有効用量および非有効用量を、化合物63との可能性のある相互作用を評価するために使用した。
・ 化合物63(25mg/kg)は、単独で投与した場合には、場所条件付け効果をまったくもたらさなかった。この結果は、化合物63は、この用量で投与した場合には、報酬効果または嫌悪効果をもたらさないということを示唆する。
・ 化合物63(25mg/kg)は、この場所条件付けパラダイムにおいて、モルヒネによって誘導される報酬効果を減弱する。従って、化合物63は、モルヒネの有効用量(5mg/kg)によってもたらされる報酬反応を抑制し、化合物63がモルヒネの非有効用量(1.5mg/kg)と合わされた場合には、条件付けされた反応をまったくもたらさない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時、個別または逐次の投与のための少なくとも1つのシグマリガンドと少なくとも1つのオピオイドまたはアヘン薬化合物との組み合わせであって、前記シグマリガンドは、一般式(I)
【化1】

(式中、
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換の芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
およびRは、独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択されるか、またはそれらは一緒に縮合環系を形成し、
およびRは、独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−CH=NR、−CN、−OR、−OC(O)R、−S(O)−R、−NR、−NRC(O)R、−NO、−N=CR、およびハロゲンによって形成される群から選択されるか、またはそれらが結合する窒素原子とともに、一緒になって置換もしくは非置換のヘテロシクリル基を形成し、
nは1、2、3、4、5、6、7または8であり、
tは1、2または3であり、
およびRは、各々独立に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、およびハロゲンから選択される)
を有するか、またはそれらの薬学的に許容できる塩、異性体、プロドラッグもしくは溶媒和物である、組み合わせ。
【請求項2】
はH、−COR、および置換もしくは非置換のアルキルから選択される、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
はHまたはアルキルである、請求項1または請求項2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
およびRは前記フェニル基のメタ位およびパラ位に存在する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項5】
およびRは、独立にハロゲン、および置換もしくは非置換のアルキルから選択される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項6】
およびRは一緒に縮合ナフチル環系を形成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項7】
nは2、3、および4から選択される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項8】
およびRは一緒にモルホリン−4−イル基を形成する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項9】
式Iの化合物は、以下の
[1] 4−{2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H ピラゾール−3−イルオキシ)エチル}モルホリン
[2] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[3] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[4] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[5] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[6] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[7] 3−{1−[2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル]ピペリジン−4−イル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
[8] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−4−メチルピペラジン
[9] エチル 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペラジンカルボキシレート
[10] 1−(4−(2−(1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル)ピペラジン−1−イル)エタノン
[11] 4−{2−[1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[12] 1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[13] 1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[14] 1−[2−(1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル] ピペリジン
[15] 1−{2−[1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[16] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[17] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[18] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[19] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[20] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1H−イミダゾール
[21] 2−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[22] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}モルホリン
[23] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[4−(ピロリジン−1−イル)ブトキシ]−1H−ピラゾール
[24] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[25] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−4−メチルピペラジン
[26] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−1H−イミダゾール
[27] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルブタン−1−アミン
[28] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−4−フェニルピペリジン
[29] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−6,7−ジヒドロ−1H−インドール−4(5H)−オン
[30] 2−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[31] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[32] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[33] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[34] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[35] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[36] 2−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
[37] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[38] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ] N,N−ジエチルエタンアミン
[39] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[40] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[41] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[42] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペラジン
[43] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピロリジン−3−アミン
[44] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[45] 4−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[46] 2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルエタンアミン
[47] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
[48] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ]−1H−ピラゾール
[49] 1−{2−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[50] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}モルホリン
[51] (2S,6R)−4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}−2,6−ジメチルモルホリン
[52] 1−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[53] 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[4−(ピロリジン−1−イル)ブトキシ]−1H−ピラゾール
[55] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N,N−ジエチルブタン−1−アミン
[56] N−ベンジル−4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N−メチルブタン−1−アミン
[57] 4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルブタン−1−アミン
[58] 4−{4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]ブチル}チオモルホリン
[59] 1−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−(2−モルホリノエトキシ)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノン
[60] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[61] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−3−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[62] 1−{1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}エタノン
[63] 4−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリン
[64] N,N−ジエチル−2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エタンアミン
[65] 1−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}ピペリジン
[66] 5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−3−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]−1H−ピラゾール
またはそれらの薬学的に許容できる塩、それらの溶媒和物およびプロドラッグから選択される、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記アヘン薬はモルヒネまたはその類似体を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記組み合わせは4−{2−[5−メチル−1−(ナフタレン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ]エチル}モルホリンおよびモルヒネを含む、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項12】
オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高める際の使用のため、および/またはオピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を減少させるための、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項13】
オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高める際の使用のための、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項14】
オピオイドまたはアヘン薬によって誘導される依存性を減少させる際の使用のための、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項15】
オピオイドまたはアヘン薬の鎮痛効果を高める際の使用のため、およびオピオイドまたはアヘン薬の依存性を減少させるための同時、個別または逐次の投与のための、少なくとも1つのシグマリガンドと少なくともオピオイドまたはアヘン薬化合物との組み合わせ。
【請求項16】
前記アヘン薬はモルヒネまたはその類似体を含む、請求項15に記載の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−518807(P2011−518807A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505522(P2011−505522)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054974
【国際公開番号】WO2009/130310
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】