説明

オフセットボア付き弁

弁が入口ボア、入口ボアと流体連通状態にある出口ボア及び入口ボアと出口ボアとの間に形成されたオフセット部を備えた弁体を有する。弁プレートが入口ボアと出口ボアの接合部のところで弁体に回転可能に結合される。弁プレートの少なくとも一部分は、オフセット部とシールを形成する。弁を製作する方法が弁体を用意するステップと、弁体の第1の側部に第1のボアを設けるステップと、第1のボアと選択的流体連通関係をなして弁体の第2の側部に第2のボアを設けるステップとを有する。この方法は、第1のボアと第2のボアとの間にオフセット部を設けるステップと、第1のボアと第2のボアの接合部のところに弁プレートを設けて第1のボアと第2のボアとの間の流体の流れを選択的に制御するステップとを更に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スロットルプレート型弁は、流体供給システム、例えば内燃エンジン内の流体を計量するように構成されている。スロットル弁は、気体から液体までの流体又は気体と液体の混合物を計量することができる。典型的なスロットル弁は、低圧又は高圧の流体を計量する絞り板すなわちスロットルプレートを有する蝶形(バタフライ)弁を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
弁が提供される。少なくとも1つの実施形態では、弁は、入口ボア、入口ボアと流体連通状態にある出口ボア及び入口ボアと出口ボアとの間に形成されたオフセット部を備えた弁体を有する。弁プレート又は弁板が入口ボアと出口ボアの接合部のところで弁体に回転可能に結合される。弁プレート又は弁板の少なくとも一部分は、オフセット部とシールを形成している。
【0003】
別の実施形態では、弁を製作する方法が提供される。この方法は、弁体を用意するステップと、弁体の第1の側部に第1のボアを設けるステップと、第1のボアと選択的流体連通関係をなして弁体の第2の側部に第2のボアを設けるステップとを有する。この方法は、第1のボアと第2のボアとの間にオフセット部を設けるステップと、第1のボアと第2のボアの接合部のところに弁プレート又は弁板を設けて第1のボアと第2のボアとの間の流体の流れを選択的に制御するステップとを更に有する。
【0004】
例示の実施形態の十分な理解を容易にするために、次に添付の図面を参照する。これら図は、本発明を限定するものと解釈されてはならず、例示であるに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】周方向シールを備えた先行技術のスロットル弁の図である。
【図2】周方向シールを備えた先行技術のスロットル弁の図である。
【図3】アンギュラーシールを備えた先行技術のスロットル弁の図である。
【図4】アンギュラーシールを備えた先行技術のスロットル弁の図である。
【図5】本明細書において説明する例示の実施形態としての弁の図である。
【図6】本明細書において説明する例示の実施形態としての弁体の断面図である。
【図7】本明細書において説明する例示の実施形態としての弁の斜視図である。
【図8】本明細書において説明する例示の実施形態としての弁の図である。
【図9】本明細書において説明する例示の実施形態としてのプレート組立体の斜視図である。
【図10】本明細書において説明する例示の実施形態としての弁体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明は、例えばスロットル弁又は絞り弁のような弁を含む多くの特定の実施形態及び細部を提供することによって実施形態の完全な理解を提供しようとするものである。しかしながら、本発明は、例示に過ぎないこれらの実施形態及び細部には限定されないことはいうまでもない。さらに、当業者であれば、公知の装置、システム及び方法に照らして、任意の数の変形実施形態において本発明の使用をその意図した目的及び利点に関し理解するであろうことはいうまでもない。
【0007】
スロットル弁が閉鎖位置にあるとき、スロットル弁の弁漏れを制御するために数種類の従来型スロットルプレートシール設計例が用いられている。図1及び図2を参照すると、第1の設計例は、スロットルプレート100aとボア200aとの間に周方向シールを有するスロットル弁であり、典型的には、スロットルプレート100aとボア200aの内面との間の隙間が最小限になっている。オプションとして、スロットルプレート100aとボア200aの内面と間にはエラストマーシール300aが設けられる場合がある。周方向シール、特に金属間シールは、熱膨張及び/又は公差の積み重ねに起因したつかえの恐れを減少させるために非常に厳密な製造公差を必要とする。エラストマーシールは、改良型のシールと成り得るが、エラストマーの中には、流体と熱の適合性に関する問題があるものがある。
【0008】
図3及び図4を参照すると、第2の従来型スロットル弁設計例は、スロットルプレート100bとボア200bの内面との間にアンギュラー接触シールを有するスロットル弁である。オプションとして、スロットルプレート100bとボア200bとの間にはエラストマーシール300bが設けられる場合がある。アンギュラーシール、特に金属間シールは、スロットルプレートの回転角度を減少させ、それにより計量機能が貧弱になる。
【0009】
従来型スロットル弁と比較して、種々の例示の実施形態の弁は、封止及び耐漏れ性を向上させることができる。一般的にいえば、種々の例示の実施形態の弁は、主要構成要素として、本体(弁体)と、本体を貫通して設けられ、流体入口及び流体出口を提供する中央ボアと、中央ボア内に設けられ、流体の流れを選択的に計量するプレート組立体とを有する。中央ボアは、第1のボア部分を有し、この第1のボア部分は、第2のボア部分からオフセットしており、プレートは、第1のボア部分及び/又は第2のボア部分のオフセット部と面シール(端面シールとも呼ばれる)を形成する。
【0010】
漏止め性能の向上に加えて、例示の弁は、寸法公差を増大させることができ、それにより弁は、汚染及び/又は排気ガスからの凝縮液により生じるくっつき作用の影響をそれほど受けないようにすることができる。例示の実施形態の弁は又、安価に製造でき、プレートに関して必要な機械加工プロセスはそれほど複雑ではない。本明細書において例示の実施形態をスロットル弁に関して説明するが、このような弁は、任意適当な用途において流体の流れを制御するために使用できることは解る。
【0011】
図5、図6及び図7を参照すると、例示のスロットル弁500が本体(弁体)510を有している。本体510は、任意適当な材料、例えばアルミニウム、鋳鉄、ステンレス鋼、プラスチック等で構成できる。本体510は、一体形の本体であっても良く、或いは、互いに結合される複数個の部品で形成されも良い。
【0012】
例示の実施形態では、少なくとも1つの中央ボア600が本体510を貫通して設けられており、このような中央ボアは、流体入口520及び流体出口530を本体510に提供している。種々の実施形態を本明細書において単一の中央ボア600に関して説明するが、理解されるように、本体510は、直列状態か並列状態かのいずれかの多数個のボアを有しても良い。例えば、図7を参照すると、例示の実施形態では、本体510は、並列状態の2つの中央ボア600を有するのが良い。
【0013】
種々の例示の実施形態では、中央ボア600は、互いに選択的な流体連通関係にある第1のボア部分610及び第2のボア部分620を有している。第1のボア部分610は、本体510の流体入口側又は流体出口側に設けられるのが良く、この第1のボア部分は、全体として第1の方向に延びる第1の中心線612を有すると共に全体としてその内周部を画定する第1の内面614を有している。第2のボア部分620は、本体510の流体入口側又は流体出口側(第1のボア部分と反対側)に設けられるのが良く、この第2のボア部分は、全体として第2の方向に延びる第2の中心線622を有すると共に全体としてその内周部を画定する第2の内面624を有している。第1のボア部分610と第2のボア部分620は、交差部630のところで合体し、これらの間にオリフィス632が形成されている。
【0014】
例示の実施形態では、第1のボア部分610と第2のボア部分620は、互いにオフセットしているのが良い。本明細書で用いる「オフセット」という用語は、第2の中心線622からの第1の中心線612のオフセット及び/又は第2の内面624からの第1の内面614の少なくとも一部分のオフセットを意味する場合がある。第1及び第2のボア部分のオフセットは、2つのオフセットボア部分の交差部630のところに面シール表面を提供する。例えば、図6を参照すると、例示の中央ボア600は、第1のボア部分610及び第2のボア部分620を有し、第1のボア部分610と第2のボア部分620は、これらのそれぞれの中心線612,622及びこれらのそれぞれの内面614,624の周りにオフセットしており、2つのオフセットしたボア部分の交差部のところに第1の面シール表面616及び第2の面シール表面626が形成されている。
【0015】
例示の実施形態では、2つのボアのオフセット距離は、約0.001インチ(0.0254mm)からシャフトの全直径まで様々な場合がある。オフセット距離をシャフトの直径に制限することにより、スロットルプレート組立体700及び本体510の機械加工及び組み立ての単純化が可能である。オフセット距離がシャフトの直径よりも大きい場合、スロットル弁500は、二部品構成型スロットルプレート710及び/又は二部品構成型本体510を有するのが良く、このようなスロットル弁では、複雑なボア機械加工が必要になると共に過度の流体乱流が生じる場合がある。好ましい実施形態では、オフセット部は、約0.124インチ(3.1496mm)であるのが良い。
【0016】
例示の実施形態では、第1のボア部分610は、第2のボア部分620と同一サイズのものであるのが良い。他の実施形態では、第1のボア部分610と第2のボア部分620は、互いに異なるサイズのものであって良い。例えば、図10を参照すると、本体510は、第1の直径を備えた第1のボア部分610及び第1のボア部分610の直径よりも小さな第2の直径を備えた第2のボア部分620を有するのが良い。第1のボア部分610と第2のボア部分620が互いに異なるサイズのものである例示の実施形態では、ボアは、第1のボア部分610の内面614の一部分が第2のボア部分620の内面624の一部分と整列し、内面614,624のそれぞれの反対側の部分がオフセットし、それにより第1の面シール表面616が形成されるようオフセットしているのが良い。
【0017】
種々の例示の実施形態では、第1のボア部分610及び第2のボア部分620は、任意適当な断面形状を有することができる。例えば、第1のボア部分610及び/又は第2のボア部分620は、円形、長円形、多角形、心臓形、腎臓形、卵形又は中央ボア600を通る所定の流体流量を提供するのに適した任意形状の断面を有することができる。
【0018】
例示の実施形態では、スロットル弁組立体700は、スロットルプレート710がほぼ第1のボア部分610と第2のボア部分620の交差部630のところに配置されるよう本体510に回転可能に結合されている。図9を参照すると、例示のスロットルプレート組立体700は、スロットルプレート710及びシャフト720を含むのが良い。シャフト720は、スロットルプレート710と一体であっても良く、又は2つの部品を別々に形成してから互いに接合しても良い。例えば、シャフト720は、スロット(図示せず)を有するのが良く、このスロットを通してスロットルプレート710を挿入してシャフト720に締結することができる。例示の実施形態では、シャフト720は、これが全体として第1のボア中心線612と第2のボア中心線622の一方又は両方に垂直な方向に延びるよう本体510内に挿入されるのが良い。例えば、本体510を貫通してシャフトボア540が延びるのが良く、このシャフトボアは、スロットルプレート組立体700のシャフト720を受け入れるよう形作られている。シャフトボア540は、これが本体510の外部から接近可能であるように本体510の外面を貫通しているのが良い。
【0019】
例示の実施形態では、スロットルプレート710は、これを中央ボア600内で回転させることがでる任意適当な形状のものであって良く、このようなスロットルプレートは、本明細書において説明するように中央ボア600の幾つかの部分とシールを構成する。スロットルプレート組立体700又はその任意の部分は、任意適当な材料、例えばアルミニウム、鋳鉄、ステンレス鋼、プラスチック等で構成可能である。スロットルプレート710は、必要に応じて又は所望ならば構造特性又は流体流れ特性を提供するよう種々の他の輪郭又は装置を有することができる。例えば、スロットルプレート710は、スロットルプレート710が閉鎖位置にあるとき、較正された漏れを生じさせる孔を有することができる。
【0020】
種々の実施形態では、シャフト720は、スロットルプレート710が開放位置と閉鎖位置(実質的に流体の流れが生じない)との間でシャフト720の軸線回りに回転することができるよう本体510内に収納されている。閉鎖位置では、スロットルプレート710は、第1の面シール部分616及び第2の面シール部分626と面シールを形成する。例えば、図5を参照すると、スロットルプレート710は、第1のチーク712及び第2のチーク714を有するのが良く、これらチーク712,714は、スロットルプレートが閉鎖位置にあるとき、それぞれ第1の面シール部分616及び第2の面シール部分626に接触する。スロットルプレート710がその開放位置に向かって回転すると、第1のチーク712は、第1のボア部分610の中心線に向かって回動し、第2のチークは、第2のボア部分620の中心線に向かって回動する。
【0021】
幾つかの実施形態では、スロットルプレート710は、第1のボア部分610及び第2のボア部分620の内面の少なくとも一部分が互いに整列している場合(例えば、図10の実施形態)一方の側で面シールを形成し、他方の側で周方向シールを形成しても良い。
【0022】
種々の実施形態では、スロットルプレート組立体700のシャフト720は、スロットルプレート710のほぼ中心線のところに配置されるのが良い。他の実施形態では、シャフト720は、スロットルプレート710の中心線からオフセットしているのが良い。種々の実施形態では、シャフト720は、これが2つのボア相互間のオリフィス632のほぼ中心線のところに配置されるよう本体510に結合されるのが良い。シャフト720がオリフィス632に対して心出しされると、圧力がシャフト720周りで全体して平衡化されると考えられる。他の実施形態では、シャフト720は、オリフィス632に対してオフセットしているのが良い。オフセンタシャフト720がスロットルプレートを開放又は閉鎖位置に向かって選択的に付勢することができるオフセンタ力を生じさせることができると考えられる。
【0023】
種々の実施形態では、スロットルプレート710は、扁平な形状のものであって良く、或いは凹状若しくは凸状の形状のものであって良い。例えば、第1のチーク712及び第2のチーク714は、シャフト720周りにU字形又はV字形を形成するのが良い。例示の実施形態では、スロットルプレート710は、対称形状のものであっても良く或いは非対称形状のものであっても良い。類似の実施形態では、スロットルプレート710は、円形、長円形、多角形、心臓形、腎臓形、卵形又は第1のボア610及び/又は第2のボア620とシールを形成するのに適した任意形状を有することができる。或る特定の例示の実施形態では、スロットルプレート710の形状は、菱形であるのが良い。形状が菱形のスロットルプレート710は、スロットルプレート710の堅牢さを向上させると共にシャフト周りの流体の流れを向上させることができると考えられる。
【0024】
例示の実施形態では、弁500の作動は、任意適当な手段によって達成できる。例えば、例示の弁を手動で、空気圧、油圧又は電気的に且つ直接結合することができ、磁気的に結合することができ、或いはレバー及び押し棒等を介して駆動することができる。例示の弁及びアクチュエータが米国特許第7,591,245号明細書及び同第7,658,177号明細書(両方共、発明の名称は、“Air Valve and Method of Use”である)に記載されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0025】
オフセットボア形態を有する例示の実施形態の弁500は、従来型周方向弁及びアンギュラー接触弁と比較して漏れを改善することができる。多くの実施形態では、シャフト720周りの流体の漏れは、非常に少ないので、シャフト720周りの追加の封止が不要である。幾つかの実施形態では、例えば高温用途において側方漏れを一段と減少させるために追加のシャフト封止手段(例えば、ラビリンスシール、ばね押し軸方向シール、半径方向封止リング(ピストンリング))を用いるのが良い。幾つかの実施形態では、特に300℃を下回る用途の場合、ばね又はエラストマー付勢テフロン(Teflon(登録商標))を利用したシャフトシールを用いると、シャフト周りの側方漏れを減少させることができる。
【0026】
種々の例示の実施形態では、ボア600及びスロットルプレート組立体700の1つ又は2つ以上は、スロットルプレート710が回転しているときに弁500を通る動的流体流れを最適化するよう機械加工されるのが良い。例えば、図8を参照すると、第1のボア部分610及び/又は第2のボア部分620は、スロットルプレートの縁に隣接して少なくとも1つの異形表面を有するのが良い。スロットルプレート710が当初、その閉鎖位置からその開放位置に向かって例えばほぼ20°の初期回転角度にわたり回転しているとき、スロットルプレート710の縁とボアの内面614又は624との間の隙間は、実質的に一定のままであり又は変化するとしてもほんの僅かに過ぎず、それによりスロットルプレート周りの流れが制限される。例示の実施形態では、輪郭は、円形の輪郭形状を有するよう形作られるのが良く、このような円形の輪郭形状により、スロットルプレート710の或る特定の回転範囲に関して流れをなくすことができ又は一定の流れを生じさせることができる。別の例示の実施形態では、輪郭は、スロットルプレート710の或る特定の回転範囲にわたり正確な流れの調節を行なうよう放物線の輪郭形状を有するよう形作られるのが良い。
【0027】
例示の実施形態では、オフセットボアを備えたスロットル弁500の製造方法を提供できる。この方法によれば、スロットル弁500を製造するのに、本体510を用意し、本体510の第1の側部512に第1のボア部分610を設け、本体510の第2の側部514に第2のボア部分620を設けるのが良い。第2のボア部分620は、これが第1のボア部分610の端に隣接して終端し、その結果第2のボアが第1のボア610と流体連通関係をなすよう構成されている。第1のボア部分610と第2のボア部分620は、互いにオフセットしている。
【0028】
例示の実施形態では、本体510を任意適当な手段によって設けることができる。例えば、本体510は、1つ又は2つ以上の鋳造部品から成り、中央ボア600及び/又は他の部品は、例えばロストフォーム鋳造法、ロストコアインベストメント鋳造法、ソルトコア鋳造法等を用いて本体510に「鋳込まれる(cast in )」のが良い。他の実施形態では、本体510を成形し、オフセットボア部分610,620及び他の部品を例えば射出成形法により本体中に成形するのが良い。他の例示の実施形態では、任意の一般に知られている製造法を用いてオフセットボア部分610,620を本体510に形成することができる。例えば、ボアは、ビレットの機械加工及び除去等によって形成できる。当業者であれば、弁体510にオフセットボアを形成できる種々の方法を思い付くことができよう。幾つかの実施形態では、多数個のボアが並列関係か直列関係かのいずれかをなして本体510中に設けるのが良い。
【0029】
例示の実施形態によれば、スロットルプレート組立体700は、任意適当な手段を用いて本体510に回転可能に結合できる。例えば、スロットルプレート組立体700又はその任意の部分をボア610又は620の一方から弁中に挿入することができる。シャフト720を本体500のボアか外部からのいずれかから本体510の1つ又は2つ以上のシャフトボア540中に挿入することができ、それによりスロットルプレート710の回転軸線が提供される。例示の実施形態では、弁500は、スロットルプレート組立体700を開放位置と閉鎖位置との間で回転させることができる任意適当なアクチュエータ手段に結合されるのが良い。
【0030】
上述の説明において、添付の図面を参照して種々の実施形態を説明した。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載された例示の実施形態に示された本発明の広い範囲から逸脱することなく、これら実施形態の種々の改造例及び変更例を想到できると共に追加の実施形態を具体化できることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面の記載は、本発明を限定するものではなく、例示であると見なされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁であって、
入口ボア、該入口ボアと流体連通状態にある出口ボアと、前記入口ボアと前記出口ボアとの間に形成されたオフセット部とを有する弁体と、
前記入口ボアと前記出口ボアの接合部で前記弁体に回転可能に結合された弁プレートとを備え、
前記弁プレートの少なくとも一部分は、前記オフセット部とシールを形成している、
ことを特徴とする弁。
【請求項2】
前記入口ボアと前記出口ボアは、ほぼ同一の直径を有する、請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記入口ボアと前記出口ボアは、互いに異なる直径を有する、請求項1記載の弁。
【請求項4】
前記入口ボア及び前記出口ボアの少なくとも一方は、円筒形の断面を有する、請求項1記載の弁。
【請求項5】
前記弁プレートに結合され、回転軸線を定めるシャフトを更に有する、請求項1記載の弁。
【請求項6】
前記シャフトは、前記弁プレートと一体である、請求項5記載の弁。
【請求項7】
前記シャフトは、前記弁プレートの中心の付近に設けられている、請求項5記載の弁。
【請求項8】
前記シャフトは、前記弁プレートの中心からオフセットしている、請求項5記載の弁。
【請求項9】
前記弁プレートは、前記オフセット部と面シールを形成する、請求項1記載の弁。
【請求項10】
前記弁プレートは、前記入口ボア及び前記出口ボアの一方の表面と周方向シールを形成する、請求項1記載の弁。
【請求項11】
前記弁プレートは、開放位置と閉鎖位置との間で回転する、請求項1記載の弁。
【請求項12】
前記オフセットは、約0.001インチ(0.0254mm)から前記シャフトの約直径までの長さである、請求項5記載の弁。
【請求項13】
前記入口ボアと前記出口ボアは、同一の中心軸線を有する、請求項1記載の弁。
【請求項14】
前記入口ボア又は前記出口ボアの一部分は、前記弁プレートの縁に隣接して異形表面を有し、前記弁プレートが閉鎖位置から開放位置に向かって回転しているとき、前記弁プレートの遠位縁と前記異形表面との間に実質的に一定の距離が維持される、請求項1記載の弁。
【請求項15】
弁を製作する方法であって、
弁体を用意するステップと、
前記弁体の第1の側部に第1のボアを設けるステップと、
前記第1のボアと選択的流体連通関係をなして前記弁体の第2の側部に第2のボアを設けるステップと、
前記第1のボアと前記第2のボアとの間にオフセット部を設けるステップと、
前記第1のボアと前記第2のボアの接合部のところに弁プレートを設けて前記第1のボアと前記第2のボアとの間の流体の流れを選択的に制御するステップとを有し、前記弁プレートの少なくとも一部分は、前記オフセット部とシールを形成する、方法。
【請求項16】
前記第1のボアと前記第2のボアとの間に第2のオフセット部を設けるステップを更に有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1のボアと前記第2のボアは、ほぼ同一の直径を有する、請求項15記載の弁。
【請求項18】
前記第1のボアと前記第2のボアは、互いに異なる直径を有する、請求項15記載の弁。
【請求項19】
前記第1のボア及び前記第2のボアの少なくとも一方は、円筒形の断面を有する、請求項15記載の弁。
【請求項20】
前記第1のボア及び前記第2のボアは、同一の回転軸線を有する、請求項15記載の弁。
【請求項21】
前記弁プレートに結合され、回転軸線を定めるシャフトを用意するステップを更に有する、請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記シャフトは、前記弁プレートと一体である、請求項21記載の弁。
【請求項23】
前記シャフトは、前記弁プレートの中心の付近に設けられている、請求項21記載の弁。
【請求項24】
前記シャフトは、前記弁プレートの中心からオフセットしている、請求項21記載の弁。
【請求項25】
前記弁プレートは、前記オフセット部と面シールを形成する、請求項15記載の弁。
【請求項26】
前記弁プレートは、前記第1のボア及び前記第2のボアの一方の表面と周方向シールを形成する、請求項15記載の弁。
【請求項27】
前記弁プレートは、開放位置と閉鎖位置との間で回転する、請求項15記載の弁。
【請求項28】
前記オフセットは、約0.001インチ(0.0254mm)から前記シャフトの約直径までの長さである、請求項21記載の弁。
【請求項29】
前記第1のボア又は前記第2のボアの一部分は、前記弁プレートの縁に隣接して異形表面を有し、前記弁プレートが閉鎖位置から開放位置に向かって回転しているとき、前記弁プレートの遠位縁と前記異形表面との間に実質的に一定の距離が維持される、請求項15記載の弁。
【請求項30】
弁を使用する方法であって、
弁体を用意するステップを有し、
前記弁体の第1の側部に第1のボアを設けるステップを有し、
前記第1のボアと選択的流体連通関係をなして前記弁体の第2の側部に第2のボアを設けるステップを有し、
前記第1のボアと前記第2のボアとの間にオフセット部を設けるステップを有し、
前記第1のボアと前記第2のボアの接合部のところに弁プレートを用意するステップを有し、
前記弁プレートの少なくとも一部分は、前記オフセット部とシールを形成し、前記弁プレートを回転させることにより前記第1のボアと前記第2のボアとの間の流体の流れを選択的に制御するステップを有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−524228(P2012−524228A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507320(P2012−507320)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/031763
【国際公開番号】WO2010/123910
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(501402947)インターナショナル エンジン インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (69)
【Fターム(参考)】