説明

オルガノゲル化剤のキセロゲルの繊維をベースとする拡散性粒子、その調製方法、および美容用処方物中でのその利用

本発明の目的は、キセロゲル(ドライゲル)の形のオルガノゲル化物質の繊維で基本的に構成されている粒子であって、該繊維が基本的に同じ方向に配向され、最も長い繊維を中心として無作為に整列している粒子にある。オルガノゲル化物質は、好ましくは1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールである。紡錘状の形をしているこれらの粒子は、有利な光学特性を呈している。これらの粒子は、拡散透過率が正透過率よりも高い、0.80超の全光透過率を有する。本発明は同様に、溶剤蒸発技術、溶剤拡散/蒸発技術またはせん断を伴うプロセスによってこれらの粒子を調製するプロセスをも目的としている。最後に、本発明は、皮膚美容上有効な成分が上に固定化されているこれらの粒子で構成された活性粒子、これらの粒子またはこれらの活性粒子を含む皮膚美容用組成物、およびこの皮膚美容用組成物を肌に塗布することから成る美容的処置方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノゲル化物質の繊維で基本的に構成されている新規の粒子に関する。細長いこれらの粒子は、有利な虹色の特性、特に光学干渉特性(「ソフトフォーカス」効果)を呈する。
【0002】
メーキャップおよびファンデーションは、肌の視覚的様相を改善させる目的で用いられる。しかしながら、往々にしてこれらの化粧品は、肌のシワおよび小ジワまたはその他の欠点の存在をさらにきわ立たせる。この望ましくない効果は、特に、メーキャップがシワによって形成された溝の内部に蓄積することと関係している。従来のメーキャップ製品は一般に、肌の色相を再生するべく酸化鉄ベースの顔料を含有している。かくして、メーキャップが塗布されると、これらの顔料は皮膚に展延し、シワを充填し、このためシワの色相を際立たせ、かくしてシワをはるかに目立つものにする。
【0003】
肌のシワおよび小ジワの外観は、光学的現象全体の結果としてもたらされる(Bruls, W. Vander Leun, J. Forward scattering properties of human epidermal layers, Photochem. Photobiol. 1984, 40, p.231−242)。光が物体に達すると、この物体の性質に応じて複数の事象が発生し得る。かくして、光は、鏡と全く類似の要領で、入射角に応じた方向に完全に反射され得る。もう一つの可能性は、光が空間の全ての方向に拡散されるというものであり、この場合、拡散反射と言われる。同様に、物体が充分に透明である場合、光は物体を透過し得る。この現象には同様に、光の屈折も関与し得る。光が物体を通過する時、その伝播速度ならびにその波長は、物体の内部での光の伝播速度に対する真空内の光の伝播速度の比として定義づけされる屈折率に応じて変化する。光は、肌の表面に達すると、一部分は吸収、反射、拡散されるが、所定の観察者にとって、肌の視覚的様相は、特に、吸収、拡散された光の量によって左右されるものである。かくして、光はシワに達すると、拡散も反射すらもされず、従って一本の暗い線という外観がシワに与えられる。この場合、光は、無機顔料と同様に、シワの溝の内部に捕えられる。この様相は、光がシワの内部で幾重にも反射し、観察者に向けて戻って来ることができないという事実に関連している。この捕捉の結果、目は、シワをより暗く見せる、シワの箇所での光の減少を知覚する。
【0004】
シワまたは小ジワの外観を緩和させるように、メーキャップまたはファンデーションに光をコントロールする能力を有する顔料を入れることによりこれらの処方物を変えることができ、かくして顔料が塗布される表面の外観を変えることができる。したがって数多くの化粧品が、肌の外観を完璧なものにするように拡散性の粉末または粒子を用いている。肌のシワを隠す上で、光を拡散する粒子の主たる役目は、この光がシワまたは小ジワの溝の内部に捕捉されるのを妨ぐことにある。光を拡散する粒子は、例えば、溝を物理的に充填し、光を反射させるものである、二酸化チタンであり得る。かくして、米国特許第6174533号明細書では、肌の外観を改善させることを目的とした、酸化チタン粒子を含有する局所用組成物が記載されている。しかしながら、このタイプの反射性材料では、シワまたは小ジワは隠されず、かえって強調される。二酸化チタン粒子は、過度に不透明で反射性であることから、この望ましくない効果を呈する。したがって、このタイプの利用分野では、材料が、光のみを反射するのではなく、二酸化チタンの「マスク」効果を回避するべく一定の透明度をも呈することが不可欠である。
【0005】
或る種の化粧品では、シワを隠し肌にさらに輝きを与えるための「ソフトフォーカス」(光学干渉)効果を与える粒子が用いられる。かかる粒子は、光を拡散する特性を有し、かくして、肌を白くしてくすんだ顔色を与える不透明な粒子(TiOなど)とは異なり、サテンのような光沢のある自然な効果を生み出す。光学干渉効果つまり「ソフトフォーカス」効果を得るためには、光拡散体は一定数の特性を全て有していなければならない。まず第一に、吸収される光の量は最小限でなくてはならない。透明な材料はより自然な様相を呈することから、総透過量は多くなくてはならない。透過される光の性質は、照明が肌の表面で均等に分布しているように見えるように、主として拡散性のものでなくてはならない。輝きの効果はシワの存在をさらに強調するため、総反射量(鏡の効果を与える正反射)は最小限に抑えられるべきであり、この反射の拡散成分は大きくなくてはならない。
【0006】
非生物分解性のさまざまな有機および無機の粒子材料が、光拡散体として利用可能である。最もよく使用される無機材料は、タルク、二酸化チタン、窒化ホウ素、雲母、シリカ、アルミナ、オキシ塩化ビスマスおよび硫酸バリウムである。同様に、重合体、ナイロン−6、ナイロン−12、シリコーン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、およびPMMA/ポリスチレン共重合体といったような有機材料で構成される粒子も利用される。粒子は、小板状、フレーク状、球状、針状といったさまざまな形状を呈し、1〜50ミクロンの間で変化するサイズおよび1.45〜2.50の屈折率を有する。同様に、これらのさまざまな材料の組合せ、ならびに異なる屈折率の材料を結び付けた複合材を利用することもできる。例えば、二酸化チタンまたは酸化鉄でコーティングされたポリスチレンビーズまたはタルク小板などである。
【0007】
かくして、特開2004−067535号広報は、雲母またはセリサイトと雲母チタンとの混合物で構成された、「ソフトフォーカス」効果を有する透明な粉末の、メーキャップにおける利用について記述している。特開2001−199839号広報も同様に、シリカおよび金属で構成される「ソフトフォーカス」効果を有する粉末について記載している。米国特許第6432535号明細書は、二酸化チタンの粒子でコーティングされたシリカ粒子で構成される顔料の細かいフレークを特許請求の範囲に記載している。
【特許文献1】米国特許第6174533号明細書
【特許文献2】特開2004−067535号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当業者は、この「ソフトフォーカス」効果をもたらし得るその他の粒子を探究している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、本発明者は、有利な虹色の特性を有する、キセロゲルの形のオルガノゲル化剤の繊維をベースとする新規な粒子を開発した。特に、これらの粒子は、光学干渉効果を呈する。
【0010】
本発明の意味合いでは、「オルガノゲル化剤」という用語は、低い割合で広範囲の有機溶剤をゲル化する能力を有する有機分子を指す(Terech P.& Al “Low molecular mass gelators of organic liquids and the properties of their gels” Chemical Reviews 1997, 97, (8), p.3133−3159、または、Abdallah D. J. & Al “Organogels and low molecular mass organic gelators” Advanced materials 2000, 12, (7), p.1237−1243、または、Terech P. “Low molecular weight organogelators” Specialist Surfactants I. D. Robb (Ed), Blackie Academic and Professional, Glasgow. 1996, p.208−268、を参照のこと)。
【0011】
キシリトールまたはソルビトールといったようなポリオールまたは炭水化物由来のオルガノゲル化剤は、
Watase, M., Nakatani, Y., Itagaki, H., On the origin of the formation and stability of physical gels of di−O−benzylidene−D−sorbitol. J. Phys. Chem. B. 1999 103: p.2366−2373、
Yamasaki, S. Y., Tsusumi, H., The dependence of the polarity of solvents on 1,3:2,4−Di−O−benzylidene−D−sorbitol gel, Bull. Chem. Soc. Jpn 1995 68: p.123−127、
Wilder, E. A., Hall, C. K., Khan, S. A., Spontak, R. J., Molecular self−oganization and gelation efficacy of dibenzylidene sorbitol: An overview, Recent Res. Devel. Mat. Sci. 2001 3: p.93−115、
といった刊行物中で記載されており、その結果得られるゲルは、デオドラントスティックにおいて利用されるものとして既知である(米国特許第6338841号明細書および米国特許第5964691号明細書)。デオドラントスティックの場合、ゲル化は塊で起こり、いかなる形状の粒子も存在しない。
【0012】
本発明は、キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する細長い粒子であって、繊維が基本的に、2〜100μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されている粒子を目的としている。
【0013】
本発明の枠内で、オルガノゲルという用語は、オルガノゲル化物質と溶剤すなわち液体(この中にこのオルガノゲル化物質が導入される)とから形成されるゲルを指す。このオルガノゲルは、粘性、半固体であるか、または固定化液の形であってもよい。キセロゲルは、オルガノゲル内に含有される溶剤を蒸発させると得られる生成物である。これは、オルガノゲル化物質の繊維で組織された網を有するドライゲルである。
【0014】
本発明の枠内では、キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の繊維は、相互に組織し合って粒子を形成する。これらの粒子を得るために別の構成要素、特に重合体を導入する必要はない。
【0015】
かくして、「キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されている」という表現の使用は、前記クラスターの少なくとも80%(重量/重量(p/p))が、キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の前記繊維で構成され、有利には前記クラスターの少なくとも90%(p/p)が前記繊維で構成され、より有利には前記クラスターの少なくとも95%(p/p)が前記繊維で構成され、さらにより有利には前記クラスターの少なくとも98%(p/p)が前記繊維で構成されていることを意味する。
【0016】
粒子は、前記繊維クラスターを被覆する、重合体または界面活性剤を含む外被を有する。界面活性剤または重合体を含む外被の付加は、キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の繊維により形成された小液滴の分散を安定化すること、また、形成された粒子を保護することを可能にする。界面活性剤は、カチオン、アニオン、非イオンまたは両性イオンタイプの界面活性分子であり得る。特に、界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)であり得る。重合体は有利には水溶性の重合体である。水溶性の重合体は有利には、重量で5000〜100000g・mol−1の間、好ましくは30000〜50000g・mol−1の間に含まれる平均分子量Mwを有する、98〜99%加水分解されたポリビニルアルコール(PVA)であり得る。
【0017】
オルガノゲル化物質は有利には、置換された脂肪酸、ならびにその一価、二価または三価の金属塩、ステロイド誘導体、多環芳香族誘導体、大員環、糖誘導体、フッ化物または部分的なフッ化物、脂肪族アミン、アルカン、長鎖カルバミン酸アンモニウム、コレステロール誘導体、アミド、ビス尿素、ならびにこれらのオルガノゲル化物質の考えられる全ての組合せを含む群の中から選択されるものである。
【0018】
本発明に従うと、オルガノゲル化物質は好ましくは、キシリトールまたはソルビトールといったポリオールまたは炭水化物の誘導体の中から選択されるものである。
【0019】
特にオルガノゲル化物質は、
・ 2モルのH−CO−Rという構造式のアルデヒド(なおここでラジカルRは、
− C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合した複素環ラジカル、
− 飽和または不飽和の、直鎖または分岐型の、C−C12のアルキルラジカル、
− C−C20のアラルキルラジカル、
から成る群の中から選択され、またラジカルRは、C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキルラジカル、飽和または不飽和の、直鎖または分岐型の、C−C12のアルキルラジカル、ハロゲン原子、−NH、−OH、−NO、−CNおよび−COOHから成る群の中から選択された単数または複数のラジカルにより置換され得る)、
と、
・ nが3、4または5である、1モルのHOCH(CHOH)CHOHという構造式のポリオール、
との間の縮合反応の生成物である。
【0020】
単一の芳香族ラジカルの例としては、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、クメニルおよび類似のラジカルを挙げることができる。融合した芳香族ラジカルの例としては、ナフチル、アントリル、フェナントリルおよび類似のラジカルを挙げることができる。
【0021】
「C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキル」という表現は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび類似のものといったような、3〜14員の飽和した炭素環核を意味する。
【0022】
ここで用いられている「C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキル」という用語は、酸素、窒素または硫黄から成る群の中から選択された少なくとも一つのヘテロ原子を含有する飽和または不飽和の、少なくとも3員の複素環核を表す。この複素環核は、もう一つの複素環核またはシクロアルキル核または芳香族核に融合され得る。複素環核の例としては、非制限的に、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、フリル、ピラニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、フラザニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、ベンゾフラニル、インドリジニル、インドリル、キノリル、クロマニル、インドリニルのラジカルを挙げることができる。
【0023】
本発明の枠内での「飽和または不飽和アルキル」という表現は、アルカン、アルケンまたはアルキンを意味する。特に、「飽和アルキル」という表現は、直鎖または分岐型の1〜12個の炭素原子、有利には1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカルを意味する。1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、tertブチルを挙げることができる。「不飽和アルキル」という表現は、直鎖または分岐型の、2〜12個の炭素原子、有利には2〜6個の炭素原子を有する、例えばビニル、アリルまたはそれに類するものといったアルケニルラジカル(少なくとも二重結合)、またはアルキニルラジカル(少なくとも三重結合)を意味する。
【0024】
本発明の枠内での「アラルキル」という用語は、例えばベンジルまたはフェネチルといったような、(先に定義されている通りの)飽和アルキルラジカルに結合された、好ましくは単一の、芳香族ラジカルを意味する。
【0025】
「ハロゲン」という用語は、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素を意味する。
【0026】
本発明で使用されるポリオールというのは、各々一つの異なる炭素原子に結合されている少なくとも三つのヒドロキシルラジカルを含有するアルコールを意味する。ポリオールは、有利には、5または6個のヒドロキシルラジカルを含有するアルコール、好ましくはキシリトールまたはソルビトールである。
【0027】
オルガノゲル化物質は、有利には
【化1】

という構造式(I)を満たし、式中、
・ mは0または1であり、
・ RおよびR、RおよびR、RおよびRは水素原子を表すか、そうでなければRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRが合わさって、ラジカルRにより置換されたメチレンラジカルを形成し、ここでラジカルRは、
− C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキルラジカル、
− 飽和または不飽和の、直鎖または分岐型のC−C12のアルキルラジカル、
− C−C20のアラルキルラジカル、
から成る群の中から選択されており、またラジカルRは、C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキルラジカル、飽和または不飽和の、直鎖または分岐型のC−C12のアルキルラジカル、ハロゲン原子、−NH、−OH、−NO、−CNおよび−COOHから成る群の中から選択された単数または複数のラジカルにより置換され得、
・ R、R、R、R、RおよびRは全てが同時に水素原子ではない。
【0028】
ラジカルRは有利には、未置換のフェニルラジカル、または、p−メチルフェニル、p−エチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニルおよびインドリニルを含む、隣接する炭素原子と共に一つの脂肪族環または芳香族環を形成するC−Cのアルキルラジカル、ハロゲン、C−Cのアルキレンラジカルを含む群の中から選択された1〜3個のラジカルによって置換されたフェニルラジカルを表す。好ましくは、Rは、未置換のフェニルラジカル、または、隣接する炭素原子と共に一つの脂肪族環を形成するC−Cのアルキルラジカル、ハロゲン、C−Cのアルキレンラジカルを含む群の中から選択された1〜3個のラジカルにより置換されたフェニルラジカルを表す。
【0029】
アルデヒド混合物とポリオールを反応させるようにすることもでき、これにより、同一のまたは異なる置換基(それぞれ対称または非対称ジアセタール)を有するアセタールにより置換されたポリオールが結果として生じる。アルデヒドは有利にはポリオールと反応して1:3および2:4位でアセタールを形成する。
【0030】
オルガノゲル化物質は、好ましくは1:3位または2:4位での一置換ポリオール、好ましくは1:3位および2:4位での二置換ポリオール、および場合によっては(m=1)、1:3位、2:4位および5:6位での三置換ポリオールであり得る。
【0031】
本発明の特定の有利な変形形態に従うと、オルガノゲル化物質は、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4:5,6−トリ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、2,4−モノ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−キシリトール、および2,4−モノ−O−ベンジリデン−D−キシリトールから成る群の中から選択される。
【0032】
1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールは、以下の構造式の化合物である:
【化2】

【0033】
本発明に従った粒子は細長く、有利には、紡錘状または桿状の形をしている。
【0034】
溶剤の拡散による微粒子の調製技術は周知であり、さまざまな有効成分を内含し得る重合体のミクロスフェアの調製において広く利用されている。この技術においては、重合体を、非水混和性の有機溶剤中に溶解させる。この有機相をその後、有利には分散剤(例えばPVAまたはTween(登録商標)80など)を含有する水中で乳化させる。次に、ミクロスフェアを回収するために溶剤を蒸発させる。本発明においては、溶剤中に溶解した重合体によって構成される有機相を、非水混和性の溶剤中にオルガノゲル化物質を溶解させて得られるオルガノゲルで置き換える。このとき、ミクロスフェアの形をしてはいないが大部分が束状に会合した細かい繊維で構成されている微粒子が得られる。
【0035】
したがって、本発明は同様に
a) 揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1中にオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
c) 段階b)で得た粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むことを特徴とする、粒子の合成プロセスをも目的としている。
【0036】
重合体は有利には水溶性の重合体である。
【0037】
溶剤S1は、有利には、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、エーテル、酢酸エチル、蟻酸エチルおよびそれらの混合物から成る群の中から選択される。より有利には、溶剤S1は酢酸エチルである。
【0038】
段階a)で得た混合物は、本発明の枠内ではオルガノゲルと呼ばれる。本発明に従った粒子は、溶剤の蒸発によるプロセス(第一の変形形態)、溶剤の拡散/蒸発によるプロセス(第二の変形形態)、またはせん断によるプロセス(第三の変形形態)によって、オルガノゲルから調製可能である。
【0039】
本発明に従った粒子はさらに、前記繊維により構成された集合体を被覆する前記外被の外表面の周囲に、コーティング剤を含む外部層を有することもできる。このためには、有利には、溶剤S1に可溶であるコーティング剤が利用される。特に、粒子は重合体でコーティングされ、この重合体は特に紡錘状体を安定化するかまたは屈折率を調節することができる。コーティング剤は、有利には、オルガノゲル化物質の重量に対して5重量%から50重量%の割合で、好ましくはオルガノゲル化物質の重量に対して25重量%の割合で、オルガノゲル中に導入される。オルガノゲル化物質がDBSである場合、好ましいコーティング剤はポリメタクリル酸メチル(PMMA)である。
【0040】
本発明の第一の変形形態に従うと、粒子は5〜100μmの間に含まれる長さを有する紡錘状の形をしている。
【0041】
これらの粒子は、溶剤の蒸発によるプロセスによって得ることができる。特に、粒子は、
a) 溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が完全に蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た5〜100μmの間に含まれる長さの紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む、本発明の目的であるプロセスによって得られる。
【0042】
重合体は有利には水溶性の重合体である。
【0043】
溶剤S1は有利には、先に定義づけされた群の中から選択される。
【0044】
段階a)の際に、混合物(溶剤およびオルガノゲル化物質)を、溶剤S1中へのオルガノゲル化物質の溶解を容易にしかつ加速する目的で加熱することができる。特に、混合物を、30℃〜150℃の間に含まれる温度、有利には約75℃の温度に加熱することができる。
【0045】
段階a)の際に、好ましくは、酢酸エチル中のDBSが利用され、ここでDBSは、酢酸エチルの体積に対して4%の質量である濃度で利用される。
【0046】
分散の段階b)i)に際しては、段階a)で得た混合物(オルガノゲル化物質、すなわち好ましくはDBS)は有利には、
− 合計重量に対して0.1〜1%の質量、好ましくは0.5%の質量である濃度の界面活性剤、特にTween(登録商標)80、または
− 合計重量に対して0.1〜5%の質量、好ましくは2%の質量である濃度の、5000〜100000g・mol−1、好ましくは30000〜50000g・mol−1の間に含まれるMwを有する重合体、特に水溶性の重合体、特に98〜99%加水分解されたPVA
を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込まれる。
【0047】
撹拌/蒸発の段階b)ii)の際に、混合物は有利には、溶剤S1が完全に蒸発するまで、20℃〜90℃の間に含まれる温度で撹拌される。特にオルガノゲル化物質がDBSであり溶剤S1が酢酸エチルである場合、混合物は有利には約25℃の温度で撹拌される。
【0048】
粒子回収/乾燥の段階c)の際に、粒子は有利には遠心分離によって回収される。その後、粒子は有利には水で洗浄され凍結乾燥により乾燥させられる。
【0049】
かくして得られた粒子は、1〜15μmの間に含まれる幅、1〜2μmの間に含まれる厚み、そして5〜100μmの間に含まれる長さを有する、有利には顕微鏡検査で虹色をした紡錘状の形を呈している。これらの紡錘状体は、50〜100nmの間で変化する幅の帯状に組織された、整列したオルガノゲル化剤の分子で構成されている。しかしながら、紡錘状体のそばには、凍結乾燥した粒子を水中に再度分散させた場合に沈降する、最も長い繊維で構成された数多くの屑が存在し得る。
【0050】
これらの粒子は同様に、前記繊維クラスターを被覆する、コーティング剤を含む外部層を、前記外被の外表面の周囲に有することもできる。この場合、その調製プロセスは、オルガノゲル化物質の重量に対して5〜50重量%、有利には25重量%の、溶剤S1に可溶なコーティング剤(有利には重合体)を添加することから成る、追加のコーティング段階を含む。オルガノゲル化物質がDBSである場合、好ましいコーティング剤はPMMAである。この場合、段階a)の際に、オルガノゲル化物質(DBS)と一部分の酢酸エチルとでオルガノゲルを調製し、次に、コーティング剤(PMMA)が中に溶解している残りの酢酸エチルを添加する。
【0051】
本発明は同様に、キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する紡錘状の粒子において、繊維が基本的に、5〜100μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a) 揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が完全に蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た5〜100μmの間に含まれる長さの紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むプロセスによって得ることのできる粒子にも関する。
【0052】
このプロセスの特徴は、本発明の第一の変形形態の枠内で先に記述されたものと同じである。オルガノゲル化物質は有利にはDBSであり、溶剤S1は有利には酢酸エチルである。これらの粒子は同様に、追加の外部層、有利には重合体、特にPMMAによりコーティングすることができる。
【0053】
本発明の第二の変形形態に従うと、粒子は2〜30μmの間、有利には2〜10μmの間に含まれた長さを有する紡錘状の形をしている。これらの粒子は、溶剤の拡散および蒸発によるプロセスにより得ることができる。特に、粒子は、
a)i) 不揮発性かつ水混和性の有機溶剤S0中に、溶剤S0+S1の体積に対して0.1〜50%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
ii) 25/75〜90/10の間で変化するS0/S1の体積比で溶剤S1を添加する段階、
b)i) 段階a)ii)で得た混合物を、機械的撹拌下で水溶液中に注ぎ込み、その後この混合物中に界面活性剤または重合体を分散させる段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た2〜30μmの間、有利には2〜10μm間の長さを有する紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む、本発明の目的であるプロセスにより得られる。
【0054】
重合体は有利には水溶性の重合体である。
【0055】
溶剤S1は有利には、先に定義づけされた群の中から選択される。特に溶剤S1は酢酸エチルである。
【0056】
溶剤S0は有利には、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロパノール−2、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランおよびその混合物から成る群の中から選択される。特に溶剤S0はDMSOである。
【0057】
段階a)i)の際に、混合物(溶剤およびオルガノゲル化物質)を、溶剤S0へのオルガノゲル化物質の溶解を容易にしかつ加速する目的で加熱することができる。
【0058】
オルガノゲル(または粘性液体)の調製の段階a)の際に、有利には、オルガノゲル化物質をまず、水混和性で不揮発性の有機溶剤(S0)中に、溶剤S0+S1の体積に対してオルガノゲル化物質が0.1〜50%の質量という濃度で、好ましくは溶剤S0+S1の体積に対してオルガノゲル化物質が約20%の質量という濃度で溶解させる。最終体積は、その後、25/75〜90/10の間で変化するS0/S1の体積比、好ましくは50/50の体積比の、非水混和性の揮発性溶剤(先に定義づけされたS1)により補完される。そうして、分散の段階b)i)の際にエマルジョンが形成され、溶剤S0はこれらの小液滴の外へ急速に拡散してそのサイズを縮減する。
【0059】
特に有利には、オルガノゲル化物質はDBSであり、溶剤S0はDMSOであり、溶剤S1は酢酸エチルである。
【0060】
分散の段階b)i)の際に、界面活性剤または重合体、有利には水溶性の重合体である添加剤を、水溶液へのオルガノゲルの導入後に添加する。特に、添加剤はPVAまたはTween(登録商標)80であり、その分量は、最終的にPVAの2%溶液またはTween(登録商標)80の0.5%溶液が得られるようなものである。
【0061】
撹拌/蒸発の段階b)ii)の際に、小液滴中に残っている溶剤S1(有利には酢酸エチル)は、機械的撹拌中に漸進的に蒸発する。オルガノゲル化物質がDBSであり、溶剤S0がDMSOであり、溶剤S1が酢酸エチルである場合、この撹拌は有利には25℃という温度で実施される。このとき、粒子が形成される。粒子は、有利には、遠心分離により回収され、水で洗浄され、その後凍結乾燥により乾燥される(段階c)。
【0062】
かくして得られた粒子は、0.4〜1ミクロンの間に含まれる幅および2〜10ミクロンの間に含まれる長さの、きわめて小さなサイズの紡錘状の形を呈する。これらの薄い紡錘状体は、多少の差こそあれ融合された、整列したオルガノゲル化剤の帯で構成されている。この第二の変形形態の利点は、紡錘状体のそばに、(第一の変形形態とは異なり)水中に凍結乾燥した粒子を再度分散させた場合に沈降する最も長い繊維で構成された屑が存在しないということにある。
【0063】
これらの粒子は同様に、前記繊維クラスターを被覆する、コーティング剤を含む外部層を、前記外被の外表面の周囲に有することもできる。この場合、その調製プロセスは、オルガノゲル化物質の重量に対して5〜50重量%、有利には25重量%の、溶剤S1に可溶なコーティング剤(有利には重合体)を添加することから成る、追加のコーティング段階を含む。オルガノゲル化物質がDBSである場合、好ましいコーティング剤はPMMAである。この場合、段階a)の際に、オルガノゲル化物質(DBS)と一部分の酢酸エチルとでオルガノゲルを調製し、次に、コーティング剤(PMMA)が中に溶解している残りの酢酸エチルを添加する。本発明は同様に、オルガノゲル化物質の複数のキセロゲルの繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する紡錘状の粒子において、繊維が基本的に、2〜30μmの間、有利には2〜10μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a)i) 不揮発性かつ水混和性の有機溶剤S0中に、溶剤S0+S1の体積に対して0.1〜50%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
ii) 25/75〜90/10の間で変化するS0/S1の体積比で、揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1を添加する段階、
b)i) 段階a)ii)で得た混合物を、機械的撹拌下で水溶液中に注ぎ込み、その後この混合物の中に界面活性剤または重合体を分散させる段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た2〜30μmの間、有利には2〜10μmの間の長さを有する紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むプロセスによって得ることのできる粒子にも関する。
【0064】
このプロセスの特徴は、本発明の第二の変形形態の枠内で先に記述されたものと同じである。特に有利には、オルガノゲル化物質はDBSであり、溶剤S0はDMSOであり、溶剤S1は酢酸エチルである。これらの粒子は同様に、有利には重合体、特にPMMAによりコーティングされてもよい。
【0065】
本発明の第三の変形形態に従うと、粒子は、約25μmの長さを有する桿状の形をしている。
【0066】
これらの粒子は、せん断によるプロセス、特に水性エマルジョンからの有機溶剤の蒸発段階を含まないせん断によるプロセスによって得ることができるものであり、このプロセスはしたがって工業的利用に適している。粒子は有利には、
a) 溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を減圧にて乾燥させ、キセロゲル粉末を回収する段階、
ii) 段階b)i)で得たキセロゲル粉末をせん断し、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に分散させる段階、
c) 段階b)ii)で得た約25μmの平均長を有する桿状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む、本発明の目的であるプロセスにより得られる。
【0067】
溶剤S1は有利には、先に定義づけされた群の中から選択される。特にS1は酢酸エチルである。重合体は、有利には水溶性の重合体である。
【0068】
段階a)の際に、混合物(溶剤およびオルガノゲル化物質)を、溶剤S1へのオルガノゲル化物質の溶解を容易にしかつ加速する目的で加熱することができる。特に、S1が酢酸エチルでありオルガノゲル化物質がDBSである場合、混合物を、30℃〜150℃の間に含まれる温度、有利には約75℃の温度に加熱することができる。段階a)の際に、好ましくは、酢酸エチル中のDBSが利用され、ここでDBSは、酢酸エチルの体積に対して4%の重量の濃度で利用される。
【0069】
段階a)で得た混合物(オルガノゲル)は次に、溶剤S1(酢酸エチル)を完全に除去しキセロゲル粉末の形でオルガノゲルを得るべく、減圧にて乾燥させられる(段階b)i))。このキセロゲル粉末は、せん断され、そして有利にはTween(登録商標)80である分散剤を有利に含有する水溶液中に機械的に分散された、オルガノゲル化物質の非常に長い繊維で構成されている(段階b)ii))。繊維の破断ならびにその分散は、「Ultraturax」タイプの強力な撹拌器での非常に強い撹拌または超音波処理によって得ることができる。好ましくは、同じく分散剤を含有する水溶液の超音波処理によりオルガノゲルをせん断し分散させることが選択されるものである。このとき、平均長が25μmの虹色の桿状体が得られる。
【0070】
本発明は、同様に、オルガノゲル化物質のキセロゲルの繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する桿状の形の粒子において、繊維が基本的に、約25μmの粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a) 揮発性の有機溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を減圧にて乾燥させ、キセロゲル粉末を回収する段階、
ii) 段階b)i)で得たキセロゲル粉末をせん断し、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に分散させる段階、
c) 段階b)ii)で得た、約25μmの平均長を有する桿状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むプロセスによって得ることのできる粒子にも関する。
【0071】
このプロセスの特徴は、本発明の第三の変形形態の中で先に記載されたものと同じである。特に有利には、オルガノゲル化物質はDBSであり、溶剤S1は酢酸エチルである。
【0072】
本発明に従った粒子(先に記載された、特に第一、第二または第三の変形形態に従うもの)は、有利には、拡散透過率が正透過率よりも高い、0.80超の光の全透過率を有する。
【0073】
光は、材料に達すると、毎回、拡散透過(多方向)または正透過(単方向)、拡散反射(多方向)または正反射(単方向)され、そして吸収され得る。光を完全に透過する材料は、1という全透過率を有する。かくして、全透過率が0.80超である場合、粒子に到着する光の80%が透過される。したがって粒子は透明である。
【0074】
粒子は有利には、0.85超、より有利には0.90超、さらに一層有利には97%超の全透過率を有する(透明)。拡散透過率は正透過率を上回り、かくして、透過される光の半分超が拡散透過される。有利には、透過された光の少なくとも90%が拡散される。粒子は同様に低い全反射率を有する。粒子は有利には、正反射率を上回る拡散反射率を有する。かくして、反射される光は、主に拡散反射される。
【0075】
粒子は、有利には1.45超の屈折率を有する。粒子は、顕微鏡検査で虹色をしている。細長い粒子を構成する各繊維が光を拡散するものと推定される。炭水化物またはポリオールに由来するオルガノゲル化物質のキセロゲルの繊維の場合、ポリオール核(有利にはソルビトールまたはキシリトール)と、有利には芳香族である鞘(ラジカルR)との間の屈折率の差異が干渉の形成をひき起こし得る。
【0076】
これらの粒子は、光を拡散する特性を呈する。その上、これらの粒子は以下のような光学的特徴を有する。
・ 光の全透過率が高く(透明)、そのため光は粒子を通過し、粒子が塗布される表面(肌)上で反射され、かくして表面(肌)の自然な色調を保つことができる。
・ 透過の拡散成分の割合が大きいため、光は表面(肌)上の複数の点で反射され得、そのため表面(肌)の欠点が隠される。
・ 全反射量が少なく、そのため粒子の色の投射が妨げられる。
・ 反射の拡散成分の割合が大きく、輝きは最小限におさえられる。
【0077】
したがってこれらの粒子は「ソフトフォーカス」効果を示す。一つの粒子が光を拡散する、つまり「ソフトフォーカス」効果を有する能力は、同様に、その屈折率と媒質の屈折率の間の差異にも左右され得る。例えば、この目的で利用されるPMMAミクロスフェアは1.49という屈折率を有するのに対して、化粧品に通常利用される媒質は、1.33〜1.6の間に含まれる屈折率を有する。差異が過度に小さい場合、拡散は無く、粒子は透明である。これに対し、差異が過度に大きい場合、反射率は増大し、そのため不透明で不自然な外観が与えられる。
【0078】
その上、紡錘状体または桿状体は、繊維の方向に光を誘導するものとして役立ち得る。オルガノゲル化剤の屈折率が媒質の屈折率を上回る場合、光ファイバとの類推を行うことができる。紡錘状体により誘導された光はこのとき、基質の欠点(肌のシワ)の内部を照らすことができ、かくしてこれらの欠点はより明るく見えるようになる。細長い粒子が、オルガノゲル化剤の屈折率より低い屈折率の材料でコーティングされている場合、この効果は強くなる。
【0079】
なお、紡錘状体または桿状体は、ミクロスフェアの場合に比べてさらに広い、表面(肌)との接触面積を呈するという利点を有する。
【0080】
本発明は同様に、皮膚美容上有効な成分が上に固定化されている、先に定義づけした通りの粒子で構成された活性粒子をも目的としている。非制限的に、この皮膚美容上有効な成分は、着色料、顔料、液晶、ビタミン、治療作用のある有効成分、紫外線フィルタ、さらにはこれらの異なる有効成分の組合せであり得る。
【0081】
有効成分は、粒子のサイズを実質的に変えることなく、かつその光学特性を変えることなく固定化される。
【0082】
本発明は、先に定義づけした通りの粒子または先に定義づけした通りの活性粒子および皮膚美容上受容可能な担体を含む皮膚美容用組成物も目的としている。特に、本発明は、美容用組成物および薬学組成物(皮膚科用)も目的としている。
【0083】
本発明に従った粒子および本発明に従った活性粒子は、有利には、紡錘状または桿状の形を呈し、このため(球に比べ)肌との接触表面を増大させることができる。得られた粒子のサイズの範囲はさらに、シワ(約80μm)および小ジワ(40μmまで)の深さと適合している。
【0084】
本発明に従った粒子はさらに、肌のpHで分解しないという利点を示す。その上、粒子は、分散後数週間その形態を保つ。
【0085】
本発明は、最後に、シワ、小ジワおよびその他の皮膚の欠点を隠すため、ならびに/または顔色を均一にするための美容的処置方法であって、先に定義した通りの組成物を肌に塗布する段階から成ることを特徴とする処置方法を目的としている。
【0086】
本発明に従った粒子は、肌の自然な様相を保ちながらも肌の輝きを増大させシワを隠すために、ファンデーション中で利用することができる。本発明に従った粒子は、光を拡散する特性を呈し、このために、肌を白くしてくすんだ顔色を与える不透明な粒子(TiOなど)とは異なり、サテンのような光沢のある自然な効果が生み出される。
【0087】
本発明に従った組成物は同様に、肌の欠点を隠すと同時にこの欠点の源を治療するためにも使用可能である。かくして、これらの組成物は、本発明に従った粒子上に固定化されている、座瘡、白斑、色素沈着過度、紅斑、アレルギー、皮膚病、皮膚炎、湿疹、自己免疫疾患(乾癬)を治療するための有効成分を含有して、皮膚の外観を均一にし、赤味、シミ、特に色素斑、または吹き出物を隠すために利用することができる。
【0088】
本発明の有利な一実施形態に従うと、本発明に従った粒子上に固定化された有効成分は、紫外線フィルタ、特にEusolex(登録商標)2292(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、UVBフィルタ)またはEusolex(登録商標)9020(ブチルメトキシベンゾイルメタン、UVAフィルタ)といったような液体紫外線フィルタである。このUVAフィルタは有利にはUVBフィルタ中に溶解させられている。粒子による光の拡散特性によって、フィルタを含有しない紡錘状体が、UV放射線を、フィルタを含有する紡錘状体に向かって誘導することが可能となる。このとき、保護は、紫外線フィルタの存在がより少ない場合でも増大する。
【0089】
本発明に従った虹色の細長い粒子、特にDBSの虹色の細長い粒子は、
− 広い表面上での「ソフトフォーカス」効果を伴う半透明な粒子
− 光の回転偏光
− 皮膚への塗布のための、シワおよび小ジワを隠すのに適した形状
− 球よりも高いカバー率
− 調節可能な紡錘状体または桿状体のサイズ
− 生体適合性のある粒子
− 化学的安定性(酸性媒質)
− 紡錘状体の調製が容易
− DBSは廉価でありかつ化粧品利用分野ですでに認可されている
− 光の誘導を得ることが可能
− 粒子を容易に染色することが可能
− 芳香族置換基の化学的調節(UVフィルタ、屈折率、着色)
− 紡錘状体の屈折率を調節できる(重合体コーティング)
という特性を呈する。
【0090】
以下の実施例は、本発明に従った粒子のさまざまな調製プロセスを非制限的に例示している。
【実施例1】
【0091】
第一の変形形態に従ったプロセス
オルガノゲルの調製:ゲル(または粘性液体)を、5mlの無水酢酸エチル中の、体積に対して4%の質量、つまり0.2gのDBSの溶液から調製する。溶剤中にDBSを完全に溶解させるため、混合物を還流(75℃)に付して、粘性液体を形成させるべく室温で冷却させる。
【0092】
分散:粘性液体を、1430回転/分(4枚羽根スクリュー)で機械的に撹拌しながら、0.5質量%のTween(登録商標)80水溶液100mlの中に、25℃で注ぎ込む。
【0093】
撹拌/蒸発:溶剤は、25℃で3時間30分にわたる1430回転/分の機械的撹拌中に漸進的に蒸発する。
【0094】
粒子の回収:粒子を、8700回転/分で20分間の遠心分離により回収する。これらの粒子を次に水で5回洗浄する。
【0095】
凍結乾燥による乾燥:24時間の凍結乾燥により粒子を乾燥させる。粒子の収率は54%である。次に粒子を光学顕微鏡および電子顕微鏡による検査により特徴づけする。形態およびサイズ分布を、画像技術によって決定する。長さ19μm×幅1μmの平均サイズを有する多分散の紡錘状の粒子が得られる。
【実施例2】
【0096】
第二の変形形態に従ったプロセス
オルガノゲルの調製:2.5mlの無水DMSO中に1gのDBSを室温で溶解させ、次に5mlの最終体積、および体積に対して20%の質量であるDBS濃度となるように、2.5mlの酢酸エチルを添加することにより、ゲルまたは粘性液体を調製する。
【0097】
分散および拡散:75mlの水中に、1430回転/分で機械的に撹拌しながら、粘性液体を滴下にて注ぎ込む。
【0098】
分散剤の添加/安定化:3分間撹拌した後、0.5%の最終質量濃度を得るように25mlのTween(登録商標)80溶液を添加する。
【0099】
溶剤の撹拌および蒸発:酢酸エチルは、3時間にわたる機械的撹拌中に漸進的に蒸発する。
【0100】
粒子の回収:粒子を、8700回転/分で20分間の遠心分離により回収する。これらの粒子を次に水で5回洗浄する。
【0101】
凍結乾燥による乾燥:24時間の凍結乾燥により粒子を乾燥させる。粒子の収率は84%である。次に粒子を光学顕微鏡および電子顕微鏡による検査により特徴づけする。形態およびサイズ分布を、画像技術によって決定する。長さ5μm×幅0.4μmの平均サイズを有する、実施例1ほどには多分散でない紡錘状の粒子が得られる。
【実施例3】
【0102】
コーティングされた粒子の獲得
実施例1の手順にしたがって作業を進めるが、ここではDBSに対して5質量%のPMMA(Mw=15000)を添加する。実施例1の場合と同様に、長さ19μm×幅1μmの平均サイズを有する多分散の紡錘状の粒子が得られる。
【実施例4】
【0103】
第三の変形形態に従ったプロセス
オルガノゲルの調製:ゲル(または粘性液体)を、5mlの無水酢酸エチル中の、体積に対して4%の質量、つまり0.2gのDBSの溶液から調製する。溶剤中にDBSを完全に溶解させるため、混合物を還流(75℃)に付し、粘性液体を形成させるべく室温で冷却させる。
【0104】
溶剤の蒸発:酢酸エチルをロータリーエバポレーター(40℃/120mbar)で1時間蒸発させる。溶剤は、後で使用するために再利用することができる。
【0105】
オルガノゲルの懸濁:得られたオルガノゲル(0.198g)を、0.1gのTween(登録商標)80(体積に対して0.5%の質量)を含有する水溶液20ml中に導入する。
【0106】
機械的せん断および分散:間隔をおいて25分間(1×5分および2×10分)、超音波プローブ(20kHz、600W)を用いて混合物を機械的にせん断する。
【0107】
粒子の回収:粒子をろ紙におけるろ過により回収し、水で5回洗浄する。その後、粒子を24時間、60℃で真空乾燥器で乾燥させる。粒子の質量収率は95%である。
粒子を光学顕微鏡による検査により特徴づけする。形態および粒径分布を画像技術によって決定する。長さ25μm×幅4μmの平均サイズを有する、桿状の虹色の粒子が得られる。
【実施例5】
【0108】
紫外線フィルタの封入
実施例1の手順にしたがって作業を進めるが、ここでは、オルガノゲルを調製するために用いた酢酸エチル中で、DBSに対して50質量%のEusolex2292(最大吸収:310nm)を溶解させる。
【0109】
実施例1の場合と同様に、長さ19μm×幅1μmの平均サイズを有する多分散の紡錘状の粒子が得られる。これらの粒子は、実施例1のプロセスにしたがって得られた粒子の光学特性を保つ一方で、平均して8.4質量%のEusolex2292を含有する。
【0110】
美容用処方物は主として水性媒質内で作成されることから、Eusolex2292が、近い組成を有する媒質中で微粒子内に残留するか否かを知ることが重要である。したがって、これらの微粒子を1mg/mlの濃度で水中に分散させた。20日間の磁気撹拌の後も、放出されるEusolex2292はない。
【0111】
したがって、溶剤の蒸発により作製される微粒子は、UVBにおける微粒子の吸収特性を保つEusolex2292を固定化し、顕微鏡検査上の虹色を保つ一方で、美容用処方物において用いられるものに近い媒質の中でEusolex2292を放出しないという利点を示す。
【実施例6】
【0112】
薬学的有効成分の封入
実施例2の手順にしたがって作業を進めるが、ここでは、オルガノゲルを調製するために用いた酢酸エチル中で、DBSに対して0.8質量%のプロゲステロンを溶解させる。
【0113】
実施例2の場合と同様に、長さ5μm×幅0.4μmの平均サイズを有する紡錘状の粒子が得られる。これらの粒子は平均して0.48質量%のプロゲステロンを含有する。
【実施例7】
【0114】
光学特性
溶剤の蒸発技術(第一の変形形態)により得た粒子の光学特性を、積分球を備えた可視分光光度計で測定した。試料に到達する光は、吸収、反射または透過され得、反射光および透過光は両方共、正成分および拡散成分を有する。
【0115】
本発明の虹色の粒子により反射および透過される光の全量は多く、この光の全てが拡散される。透過される光の百分率はきわめて高く(透明)、約97%である。
【0116】
これらの特性は、優れたソフトフォーカス効果を示すために粒子が有していなくてはならない光学的特徴に対応する。
【0117】
溶剤の拡散/蒸発技術により得られる粒子で実施される光学的測定は、類似の結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する細長い粒子であって、繊維が基本的に、2〜100μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外皮を有している粒子。
【請求項2】
オルガノゲル化物質が、
【化1】

という構造式(I)を満たし、式中、
・ mは0または1であり、
・ RおよびR、RおよびR、RおよびRが水素原子を表すか、そうでなければRおよびRならびに/またはRおよびRならびに/またはRおよびRが合わさって、ラジカルRにより置換されたメチレンラジカルを形成し、ここでラジカルRは、
− C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、
− C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキルラジカル、
− 飽和または不飽和の、直鎖または分岐型のC−C12のアルキルラジカル、
− C−C20のアラルキルラジカル、
から成る群の中から選択されており、またラジカルRは、C−C14の単一のまたは融合した芳香族ラジカル、C−C14の単一のまたは融合したシクロアルキルラジカル、C−C14の単一のまたは融合したヘテロシクロアルキルラジカル、飽和または不飽和の、直鎖または分岐型のC−C12のアルキルラジカル、ハロゲン原子、−NH、−OH、−NO、−CNおよび−COOHから成る群の中から選択された単数または複数のラジカルにより置換され得、
・ R、R、R、R、RおよびRは全てが同時に水素原子ではない
ことを特徴とする、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
オルガノゲル化物質が、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4:5,6−トリ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、2,4−モノ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−キシリトール、および2,4−モノ−O−ベンジリデン−D−キシリトールから成る群の中から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の粒子。
【請求項4】
5〜100μmの間に含まれる長さを有する紡錘状の形をしていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の粒子。
【請求項5】
2〜30μmの間に含まれる長さを有する紡錘状の形をしていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の粒子。
【請求項6】
約25μmの長さの桿状の形をしていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の粒子。
【請求項7】
拡散透過率が正透過率よりも高い、0.80超の光の全透過率を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の粒子。
【請求項8】
正反射率を上回る拡散反射率を有することを特徴とする、請求項7に記載の粒子。
【請求項9】
1.45超の屈折率を有することを特徴とする、請求項7または8に記載の粒子。
【請求項10】
重合体であるコーティング剤を含む外部層を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の粒子。
【請求項11】
a) 揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1中にオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
c) 段階b)で得た粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の粒子の合成方法。
【請求項12】
a) 溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が完全に蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た5〜100μmの間に含まれる長さの紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
a)i) 不揮発性かつ水混和性の有機溶剤S0中に、溶剤S0+S1の体積に対して0.1〜50%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
ii) 25/75〜90/10の間で変化するS0/S1の体積比で溶剤S1を添加する段階、
b)i) 段階a)ii)で得た混合物を、機械的撹拌下で水溶液中に注ぎ込み、その後この混合物中に界面活性剤または重合体を分散させる段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た2〜30μmの間の長さを有する紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
オルガノゲル化物質の重量に対して5〜50重量%の、溶剤S1に可溶な重合体であるコーティング剤を添加することから成る、追加のコーティング段階を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
a) 溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を減圧にて乾燥させ、粉末を回収する段階、
ii) 段階b)i)で得た粉末をせん断し、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に分散させる段階、
c) 段階b)ii)で得た約25μmの平均長を有する桿状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
溶剤S1が、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、エーテル、酢酸エチル、蟻酸エチルおよびそれらの混合物から成る群の中から選択され、特に酢酸エチルであることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
溶剤S0が、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロパン−2−オール、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランおよびそれらの混合物から成る群の中から選択され、特にDMSOであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する紡錘状の粒子において、繊維が基本的に、5〜100μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a) 揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に機械的撹拌下で注ぎ込む段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が完全に蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た5〜100μmの間に含まれる長さの紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む方法によって得ることのできる粒子。
【請求項19】
キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する紡錘状の粒子において、繊維が基本的に、2〜30μmの間に含まれる粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a)i) 不揮発性かつ水混和性の有機溶剤S0中に、溶剤S0+S1の体積に対して0.1〜50%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
ii) 25/75〜90/10の間で変化するS0/S1の体積比で、揮発性かつ非水混和性の有機溶剤S1を添加する段階、
b)i) 段階a)ii)で得た混合物を、機械的撹拌下で水溶液中に注ぎ込み、その後この混合物中に界面活性剤または重合体を分散させる段階、
ii) 段階b)i)で得た混合物を、溶剤S1が蒸発するまで撹拌する段階、
c) 段階b)ii)で得た2〜30μmの間の長さを有する紡錘状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む方法によって得ることのできる粒子。
【請求項20】
キセロゲルの形のオルガノゲル化物質の複数の繊維で基本的に構成されているクラスターの形を呈する桿状の形の粒子において、繊維が基本的に、約25μmの粒子長を画定する同じ主方向に沿って配向されており、かつ前記繊維クラスターを被覆する重合体または界面活性剤を含む外被を有している粒子であって、
a) 揮発性の有機溶剤S1中に、溶剤S1の体積に対して0.1〜10%の質量のオルガノゲル化物質を溶解させる段階、
b)i) 段階a)で得た混合物を減圧にて乾燥させ、キセロゲル粉末を回収する段階、
ii) 段階b)i)で得たキセロゲル粉末をせん断し、界面活性剤または重合体を含む水溶液中に分散させる段階、
c) 段階b)ii)で得た、約25μmの平均長を有する桿状の粒子を回収し乾燥させる段階、
という連続的な段階を含む方法によって得ることのできる粒子。
【請求項21】
皮膚美容上有効な成分が上に固定化されている、請求項1〜10および18〜20のいずれか一つに記載の粒子で構成された活性粒子。
【請求項22】
請求項1〜10および18〜20のいずれか一つまたは請求項21に記載の粒子および美容上受容可能な担体を含む、皮膚美容用組成物。
【請求項23】
皮膚のシワ、小ジワおよびその他の肌の欠点を隠すため、ならびに/または顔色を均一にするための美容的処置方法であって、請求項22に記載の組成物を肌に塗布することから成ることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−512634(P2009−512634A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532794(P2008−532794)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066892
【国際公開番号】WO2007/039561
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(506260401)
【氏名又は名称原語表記】PIERRE FABRE DERMO−COSMETIQUE
【出願人】(508020339)ユニヴェルシテ ポール サバティエ トゥールーズ トロワ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE PAUL SABATIER TOULOUSE III
【出願人】(500470482)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック(セーエヌエールエス) (25)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE (CNRS)
【Fターム(参考)】