説明

オートマチックトランスミッション用のバルブ機構

【課題】スリーブのストッパ部に変形が生じることを防止し、コントロールバルブの動作を安定して行えるオートマチックトランスミッション用のバルブ機構を提供すること。
【解決手段】バルブ機構1は、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路22の切換制御を行う。バルブ機構1は、制御用油圧経路22を複数開口させた摺動口21を形成してなるバルブボディ2、複数の制御用油圧経路22の開閉状態の切換を行うコントロールバルブ3、摺動口21内に配設したスリーブ5、スリーブ5内に配置したプランジャ4、及びコントロールバルブ3を原位置Aへ戻す圧縮スプリング6を有している。スリーブ5は、プランジャ4よりも表面硬度が低くなっており、ストッパ部52における軸方向他方側L2の表面には、スリーブ5よりも表面硬度が高い衝突用スペーサ7が配設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路の切換制御を行うバルブ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
オートマチックトランスミッションにおいては、各種機構の制御を行うために、多数のコントロールバルブ(スプールバルブ)を用いて油圧回路を構成している。この油圧回路においては、バルブボディに形成した多数の摺動口内にそれぞれコントロールバルブを配置し、このコントロールバルブを摺動口内においてスライドさせて、各種機能の制御を行っている。
【0003】
図10には、オートマチックトランスミッションにおいて、バルブボディ92に形成した摺動口921内に、コントロールバルブ93、プランジャ94、スリーブ95及び圧縮スプリング96を配置し、コントロールバルブ93をスライドさせて、摺動口921に開口する制御用油圧経路922の切換制御を行うバルブ機構9を示す。このバルブ機構9においては、操作用油圧によりコントロールバルブ93を操作するときには、コントロールバルブ93によって押されたプランジャ94がスリーブ95におけるストッパ面951に衝突し、コントロールバルブ93が所定の操作位置までスライドする。これにより、摺動口921に開口させて形成した制御用油圧経路922の切換を行っている。また、操作用油圧の圧力を減少させたときには、圧縮スプリング96の反発力及びプランジャ94に加わる復帰用油圧により、コントロールバルブ93が原位置に戻される。
【0004】
上記コントロールバルブを用いた油圧回路の一例としては、例えば、特許文献1に開示されたスロットルバルブがある。このスロットルバルブにおいては、スプリングを介してスプール及びプランジャをバルブボディ内に配置し、スプールの端面又はランドの端面に信号圧力を与え、この信号圧力に応じてスプールを移動させ、油圧を調整している。
【0005】
しかしながら、上記従来のバルブ機構9においては、例えば、プランジャ94は、鉄系金属から製作している一方、スリーブ95は、加工性等を考慮して、アルミニウム等の材料から製作している。そのため、プランジャ94の表面硬度はスリーブ95の表面硬度よりも高くなっており、プランジャ94が衝突する毎に、スリーブ95におけるストッパ面951が磨耗し、変形してしまうおそれがある。そして、この変形量が大きくなると、コントロールバルブ93の動作に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0006】
【特許文献1】特開平2−80847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、スリーブのストッパ部に変形が生じることを防止することができ、コントロールバルブの動作を安定して行うことができるオートマチックトランスミッション用のバルブ機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路の切換制御を行うバルブ機構において、
上記制御用油圧経路を複数開口させた摺動口を形成してなるバルブボディと、
上記摺動口の内周面を摺動して上記制御用油圧経路を開閉するランド部を有し、該ランド部によって上記複数の制御用油圧経路の開閉状態の切換を行うコントロールバルブと、
上記摺動口内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口を形成してなる筒状部と、該筒状部と一体形成したストッパ部とを有するスリーブと、
上記プランジャ収納口内に配置し、上記コントロールバルブの軸方向一方側の端面によって押されて上記プランジャ収納口内を摺動するプランジャと、
上記摺動口内において、上記コントロールバルブにおける上記ランド部の軸方向一方側の段差状端面と、上記スリーブの軸方向他方側の端面との間に配置した圧縮スプリングとを有しており、
上記摺動口には、上記コントロールバルブの軸方向他方側の端面又は上記ランド部の軸方向他方側の段差状端面に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路と、上記スリーブにおける上記筒状部と上記ストッパ部との間に開口し、上記プランジャの軸方向一方側の端面に上記操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路とが開口形成してあり、
上記スリーブは、上記プランジャよりも表面硬度が低くなっており、上記スリーブの上記ストッパ部における軸方向他方側の表面には、当該スリーブよりも表面硬度が高い衝突用スペーサが配設してあり、
上記コントロールバルブは、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力に打ち勝って、上記プランジャを上記衝突用スペーサに衝突させて、上記摺動口における操作位置までスライドし、一方、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力によって、上記摺動口における原位置までスライドするよう構成してあることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構にある(請求項1)。
【0009】
本発明のバルブ機構は、上記バルブボディ、コントロールバルブ、プランジャ、スリーブ及び圧縮スプリングを有しており、スリーブにおけるストッパ部に上記衝突用スペーサを配設することにより、このストッパ部の耐久性を向上させたものである。
本発明のバルブ機構において、コントロールバルブが摺動口における原位置にあるときには、上記操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力は、上記復帰用油圧経路への復帰用油圧の圧力よりも低くなっており、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力及び復帰用油圧による圧力を受けて、原位置に安定して維持される。
【0010】
そして、コントロールバルブを摺動口における操作位置へスライドさせるときには、操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力を増加させる。このとき、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャをスライドさせながら軸方向一方側に向けてスライドする。そして、プランジャの軸方向一方側の端面が、スリーブのストッパ部における軸方向他方側の表面に配設した衝突用スペーサに衝突して、コントロールバルブが操作位置に維持される。これにより、コントロールバルブにおけるランド部が、摺動口における複数の制御用油圧経路の開閉状態を変更することができる。
【0011】
その後、コントロールバルブを摺動口における原位置へ復帰させるときには、操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力を減少させる。このとき、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力を受けると共に、プランジャを介して復帰用油圧による圧力を受けて、軸方向他方側に向けてスライドする。これにより、コントロールバルブが原位置までスライドし、コントロールバルブにおけるランド部が、摺動口における複数の制御用油圧経路の開閉状態を元の状態に復帰させることができる。
【0012】
このように、本発明のバルブ機構においては、プランジャは、このプランジャよりも表面硬度が低いスリーブのストッパ部に直接衝突することがなく、ストッパ部よりも表面硬度が高い衝突用スペーサに衝突する。そのため、スリーブのストッパ部における磨耗を減少させることができ、スリーブに変形が生じることを防止することができる。
それ故、本発明のバルブ機構によれば、スリーブのストッパ部に変形が生じることを防止することができ、コントロールバルブの動作を安定して行うことができる。
【0013】
第2の発明は、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路の切換制御を行うバルブ機構において、
上記制御用油圧経路を複数開口させた摺動口を形成してなるバルブボディと、
上記摺動口の内周面を摺動して上記制御用油圧経路を開閉するランド部を有し、該ランド部によって上記複数の制御用油圧経路の開閉状態の切換を行うコントロールバルブと、
上記摺動口内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口を形成してなる筒状部と、該筒状部と一体形成したストッパ部とを有するスリーブと、
上記プランジャ収納口内に配置し、上記コントロールバルブの軸方向一方側の端面によって押されて上記プランジャ収納口内を摺動するプランジャと、
上記摺動口内において、上記コントロールバルブにおける上記ランド部の軸方向一方側の段差状端面と、上記スリーブの軸方向他方側の端面との間に配置した圧縮スプリングとを有しており、
上記摺動口には、上記コントロールバルブの軸方向他方側の端面又は上記ランド部の軸方向他方側の段差状端面に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路と、上記スリーブにおける上記筒状部と上記ストッパ部との間に開口し、上記プランジャの軸方向一方側の端面に上記操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路とが開口形成してあり、
上記バルブボディから上記摺動口内には、上記スリーブが上記摺動口の外部へ抜け出すことを防止するための位置決めキーが配設してあり、
上記スリーブは、上記プランジャよりも表面硬度が低くなっており、
上記位置決めキーは、上記スリーブよりも表面硬度が高くなっており、かつ上記ストッパ部の軸方向他方側の表面に配設してあり、
上記コントロールバルブは、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力に打ち勝って、上記プランジャを上記位置決めキーに衝突させて、上記摺動口における操作位置までスライドし、一方、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力によって、上記摺動口における原位置までスライドするよう構成してあることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構にある(請求項3)。
【0014】
本発明のバルブ機構は、上記バルブボディ、コントロールバルブ、プランジャ、スリーブ及び圧縮スプリングを有しており、スリーブの抜け防止を行う位置決めキーにプランジャを衝突させることにより、ストッパ部の耐久性を向上させたものである。
本発明のバルブ機構において、コントロールバルブが摺動口における原位置にあるときには、上記操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力は、上記復帰用油圧経路への復帰用油圧の圧力よりも低くなっており、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力及び復帰用油圧による圧力を受けて、原位置に安定して維持される。
【0015】
そして、コントロールバルブを摺動口における操作位置へスライドさせるときには、操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力を増加させる。このとき、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャをスライドさせながら軸方向一方側に向けてスライドする。そして、プランジャの軸方向一方側の端面が、スリーブのストッパ部における軸方向他方側の表面に配設した位置決めキーに衝突して、コントロールバルブが操作位置に維持される。これにより、コントロールバルブにおけるランド部が、摺動口における複数の制御用油圧経路の開閉状態を変更することができる。
【0016】
その後、コントロールバルブを摺動口における原位置へ復帰させるときには、操作用油圧経路への操作用油圧の供給圧力を減少させる。このとき、コントロールバルブは、圧縮スプリングによる反発力を受けると共に、プランジャを介して復帰用油圧による圧力を受けて、軸方向他方側に向けてスライドする。これにより、コントロールバルブが原位置までスライドし、コントロールバルブにおけるランド部が、摺動口における複数の制御用油圧経路の開閉状態を元の状態に復帰させることができる。
【0017】
このように、本発明のバルブ機構においては、プランジャは、このプランジャよりも表面硬度が低いスリーブのストッパ部に直接衝突することがなく、ストッパ部よりも表面硬度が高い位置決めキーに衝突する。そのため、スリーブのストッパ部における磨耗を減少させることができ、スリーブに変形が生じることを防止することができる。
それ故、本発明のバルブ機構によっても、スリーブのストッパ部に変形が生じることを防止することができ、コントロールバルブの動作を安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
第1の発明において、上記衝突用スペーサは、上記スリーブの上記ストッパ部における軸方向他方側の表面に配置する衝突部と、該衝突部から屈曲形成して、上記ストッパ部に形成した係合溝に係合させる係合部とを有していることが好ましい(請求項2)。この場合には、衝突用スペーサにおける係合部をストッパ部における係合溝に係合させることによって、衝突用スペーサを安定してストッパ部の表面に保持することができる。
【0019】
第2の発明において、上記バルブボディには、上記位置決めキーを挿入配置するためのキー挿入口が、上記復帰用油圧経路に隣接して形成してあり、上記スリーブにおける上記ストッパ部の軸方向他方側の表面には、上記キー挿入口に連通するキー溝が形成してあり、上記位置決めキーは、上記キー挿入口と上記キー溝とに連続して挿入配置することが好ましい(請求項4)。この場合には、キー挿入口とキー溝とにより、位置決めキーが斜めに傾いてしまうことを防止することができる。そのため、位置決めキーを安定して、スリーブにおけるストッパ部の軸方向他方側の表面に配設しておくことができる。
【実施例】
【0020】
以下に、本発明のオートマチックトランスミッション用のバルブ機構にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例のバルブ機構1は、図1、図2に示すごとく、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路22の切換制御を行うものである。このバルブ機構1は、以下のバルブボディ2、コントロールバルブ3、プランジャ4、スリーブ5及び圧縮スプリング6を有している。
【0021】
図1、図2に示すごとく、上記バルブボディ2は、制御用油圧経路22を複数開口させた摺動口21を形成してなる。上記コントロールバルブ3は、摺動口21の内周面を摺動して制御用油圧経路22を開閉するランド部31を有しており、このランド部31によって複数の制御用油圧経路22の開閉状態の切換を行うよう構成してある。上記スリーブ5は、摺動口21内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口511を形成してなる筒状部51と、この筒状部51と一体形成したストッパ部52とを有している。
【0022】
上記プランジャ4は、スリーブ5のプランジャ収納口511内に配置し、コントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端面301によって押されてプランジャ収納口511内を摺動するよう構成してある。上記圧縮スプリング6は、摺動口21内において、コントロールバルブ3におけるランド部31の軸方向一方側L1の段差状端面311と、スリーブ5の軸方向他方側L2の端面502との間に配置してある。
【0023】
また、図1、図2に示すごとく、バルブボディ2における摺動口21には、コントロールバルブ3の軸方向他方側L2の端面302に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路23と、スリーブ5における筒状部51とストッパ部52との間に開口し、プランジャ4の軸方向一方側L1の端面401に操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路24とが開口形成してある。
また、スリーブ5は、プランジャ4よりも表面硬度が低くなっている。そして、図3、図4に示すごとく、スリーブ5におけるストッパ部52の耐久性を向上させるために、ストッパ部52における軸方向他方側L2の表面には、スリーブ5よりも表面硬度が高い衝突用スペーサ7が配設してある。
【0024】
こうして、コントロールバルブ3は、図2に示すごとく、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャ4を衝突用スペーサ7に衝突させて、摺動口21における操作位置Bまでスライドするよう構成してある。一方、コントロールバルブ3は、図1に示すごとく、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力によって、摺動口21における原位置Aまでスライドするよう構成してある。
【0025】
以下に、本例のオートマチックトランスミッション用のバルブ機構1につき、図1〜図4と共に説明する。
図1、図2に示すごとく、上記バルブボディ2における摺動口21は、バルブボディ2における一方側端面に開口して形成してある。摺動口21内には、奥側にコントロールバルブ3が配置してあると共に、手前側にプランジャ4をプランジャ収納口511内に配置した状態のスリーブ5が配置してある。また、バルブボディには、ストッパキー用穴25が形成してある。
【0026】
そして、ストッパキー用穴25からストッパキー26を差し込むことにより、このストッパキー26がスリーブ5の軸方向一方側L1の端面に配置され、コントロールバルブ3、プランジャ4、スリーブ5及び圧縮スプリング6が、摺動口21の外部へ抜け出すことが防止される。また、バルブボディ2は、ストッパキー用穴25が開口する側の表面が他のバルブボディ2の表面又は他の構成部品の表面と合わさることによって、ストッパキー26の抜け防止がなされる。
【0027】
図1、図2に示すごとく、上記コントロールバルブ3は、断面円形状を有しており、摺動口21の内周面を摺動する複数のランド部31と、このランド部31よりも縮径して形成した複数の縮径部32とを有している。また、コントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端部には、ランド部31よりも縮径して形成し、スリーブ5におけるプランジャ収納口511内に配置されるプランジャ押圧部321が形成してある。
【0028】
本例のバルブボディ2は、アルミニウムから製作してあり、コントロールバルブ3は、鉄系金属から製作してある。また、本例のプランジャ4及び衝突用スペーサ7は、鉄系金属から製作してあり、スリーブ5は、アルミニウムから製作してある。
また、スリーブ5における筒状部51とストッパ部52との間には、筒状部51におけるプランジャ収納口511と復帰用油圧経路24とを連通するための連通口53が形成してある。
【0029】
また、図3、図4に示すごとく、衝突用スペーサ7は、スリーブ5のストッパ部52における軸方向他方側L2の表面に配置する衝突部71と、この衝突部71から屈曲形成して、ストッパ部52に形成した係合溝521に係合させる係合部72とを有している。本例の係合部72は、衝突部71に対して垂直に折り曲げた起立部721と、この起立部721に対してさらに折り曲げて、衝突部71に対向すると共に衝突部71に平行に形成した掛止部722とを有している。また、係合溝521は、起立部721を配置する軸方向溝部522と、掛止部722を配置する径方向溝部523とからなる。
【0030】
そして、衝突用スペーサ7は、衝突部71をストッパ部52の軸方向他方側L2の表面に配置し、かつ起立部721を軸方向溝部522内に配置すると共に掛止部722を径方向溝部523内に配置することにより、位置ずれが防止された状態で、安定してストッパ部52に保持することができる。
【0031】
本例のバルブ機構1において、図1に示すごとく、コントロールバルブ3が摺動口21における原位置Aにあるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力は、復帰用油圧経路24への復帰用油圧の圧力よりも低くなっており、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力を受けて、原位置Aに安定して維持される。
【0032】
そして、コントロールバルブ3を摺動口21における操作位置Bへスライドさせるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を増加させる。このとき、図2に示すごとく、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャ4をスライドさせながら軸方向一方側L1に向けてスライドする。そして、プランジャ4の軸方向一方側L1の端面401が、スリーブ5のストッパ部52における軸方向他方側L2の表面に配設した衝突用スペーサ7に衝突して、コントロールバルブ3が操作位置Bに維持される。これにより、コントロールバルブ3におけるランド部31が、摺動口21における複数の制御用油圧経路22の開閉状態を変更することができる。
【0033】
その後、コントロールバルブ3を摺動口21における原位置Aへ復帰させるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を減少させる。このとき、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力を受けると共に、プランジャ4を介して復帰用油圧による圧力を受けて、軸方向他方側L2に向けてスライドする。また、プランジャ4は、復帰用油圧による圧力を受けてコントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端面301に当接する原位置Aまでスライドする。これにより、コントロールバルブ3及びプランジャ4が原位置Aまでスライドし、コントロールバルブ3におけるランド部31が、摺動口21における複数の制御用油圧経路22の開閉状態を元の状態に復帰させることができる。
【0034】
このように、本例のバルブ機構1においては、プランジャ4は、このプランジャ4よりも表面硬度が低いスリーブ5のストッパ部52に直接衝突することがなく、ストッパ部52よりも表面硬度が高い衝突用スペーサ7に衝突する。そのため、スリーブ5のストッパ部52における磨耗を減少させることができ、スリーブ5に変形が生じることを防止することができる。
それ故、本例のバルブ機構1によれば、スリーブ5のストッパ部52に変形が生じることを防止することができ、コントロールバルブ3の動作を安定して行うことができる。
【0035】
(実施例2)
本例のバルブ機構1Aは、図5、図6に示すごとく、オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路22の切換制御を行うものである。このバルブ機構1Aは、以下のバルブボディ2、コントロールバルブ3、プランジャ4、スリーブ5A及び圧縮スプリング6を有している。
【0036】
図5、図6に示すごとく、上記バルブボディ2は、制御用油圧経路22を複数開口させた摺動口21を形成してなる。上記コントロールバルブ3は、摺動口21の内周面を摺動して制御用油圧経路22を開閉するランド部31を有しており、このランド部31によって複数の制御用油圧経路22の開閉状態の切換を行うよう構成してある。上記スリーブ5Aは、摺動口21内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口511を形成してなる筒状部51と、この筒状部51と一体形成したストッパ部52とを有している。
【0037】
上記プランジャ4は、スリーブ5Aのプランジャ収納口511内に配置し、コントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端面301によって押されてプランジャ収納口511内を摺動するよう構成してある。上記圧縮スプリング6は、摺動口21内において、コントロールバルブ3におけるランド部31の軸方向一方側L1の段差状端面311と、スリーブ5Aの軸方向他方側L2の端面502との間に配置してある。
【0038】
また、図5、図6に示すごとく、バルブボディ2における摺動口21には、コントロールバルブ3の軸方向他方側L2の端面302に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路23と、スリーブ5Aにおける筒状部51とストッパ部52との間に開口し、プランジャ4の軸方向一方側L1の端面401に操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路24とが開口形成してある。
また、バルブボディから摺動口21内には、スリーブ5Aが摺動口21の外部へ抜け出すことを防止するための位置決めキー7Aが配設してある。
【0039】
また、スリーブ5Aは、プランジャ4よりも表面硬度が低くなっている。そして、スリーブ5Aにおけるストッパ部52の耐久性を向上させるために、位置決めキー7Aは、スリーブ5Aよりも表面硬度が高くなっており、かつストッパ部52の軸方向他方側L2の表面に配設してある。
【0040】
こうして、コントロールバルブ3は、図6に示すごとく、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャ4を位置決めキー7Aに衝突させて、摺動口21における操作位置Bまでスライドするよう構成してある。一方、コントロールバルブ3は、図5に示すごとく、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力によって、摺動口21における原位置Aまでスライドするよう構成してある。
【0041】
以下に、本例のオートマチックトランスミッション用のバルブ機構1Aにつき、図5〜図9と共に説明する。
図5、図6に示すごとく、上記バルブボディ2における摺動口21は、バルブボディにおける一方側端面に開口して形成してある。摺動口21内には、奥側にコントロールバルブ3が配置してあると共に、手前側にプランジャ4をプランジャ収納口511内に配置した状態のスリーブ5Aが配置してある。また、バルブボディ2には、位置決めキー7Aを挿入配置するためのキー挿入口25Aが、復帰用油圧経路24の軸方向一方側L1に隣接して形成してある。
【0042】
また、図7〜図9に示すごとく、復帰用油圧経路24とキー挿入口25Aとは、連続して形成してあり、キー挿入口25Aの形成幅は、復帰用油圧経路24の形成幅よりも大きくなっている。これにより、キー挿入口25Aに挿入配置した位置決めキー7Aをキー挿入口25Aの側面に当接させて、安定して維持することができる。
また、スリーブ5Aにおける筒状部51とストッパ部52との間には、筒状部51におけるプランジャ収納口511と復帰用油圧経路24とを連通するための連通口53が形成してある。
【0043】
また、スリーブ5Aにおけるストッパ部52の軸方向他方側L2の表面には、キー挿入口25Aに連通するキー溝521Aが形成してある。このキー溝521Aは、このキー溝521Aを開口形成した側とは反対側の部分に、位置決めキー7Aの挿入先端部を保持する保持凹部522Aを有している。そして、キー溝521A内に挿入配置された位置決めキー7Aは、その挿入先端部が保持凹部522Aによって保持される。
こうして、位置決めキー7Aは、キー挿入口25Aとキー溝521Aとに連続して挿入配置され、キー挿入口25Aとキー溝521Aとにより、位置決めキー7Aが斜めに傾いてしまうことを防止することができ、位置決めキー7Aを安定して、スリーブ5Aにおけるストッパ部52の軸方向他方側L2の表面に配設しておくことができる。
【0044】
また、位置決めキー7Aにより、コントロールバルブ3、プランジャ4、スリーブ5A及び圧縮スプリング6が、摺動口21の外部へ抜け出すことが防止される。また、バルブボディ2は、キー挿入口25Aが開口する側の表面が他のバルブボディ2の表面又は他の構成部品の表面と合わさることによって、位置決めキー7Aの抜け防止がなされる。
【0045】
図5、図6に示すごとく、上記コントロールバルブ3は、断面円形状を有しており、摺動口21の内周面を摺動する複数のランド部31と、このランド部31よりも縮径して形成した複数の縮径部32とを有している。また、コントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端部には、ランド部31よりも縮径して形成し、スリーブ5Aにおけるプランジャ収納口511内に配置されるプランジャ押圧部321が形成してある。
【0046】
本例のバルブボディ2は、アルミニウムから製作してあり、コントロールバルブ3は、鉄系金属から製作してある。また、本例のプランジャ4及び位置決めキー7Aは、鉄系金属から製作してあり、スリーブ5Aは、アルミニウムから製作してある。
【0047】
本例のバルブ機構1Aにおいて、図5に示すごとく、コントロールバルブ3が摺動口21における原位置Aにあるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力は、復帰用油圧経路24への復帰用油圧の圧力よりも低くなっており、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力を受けて、原位置Aに安定して維持される。
【0048】
そして、コントロールバルブ3を摺動口21における操作位置Bへスライドさせるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を増加させる。このとき、図6に示すごとく、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力及び復帰用油圧による圧力に打ち勝って、プランジャ4をスライドさせながら軸方向一方側L1に向けてスライドする。そして、プランジャ4の軸方向一方側L1の端面401が、スリーブ5Aのストッパ部52における軸方向他方側L2の表面に配設した位置決めキー7Aに衝突して、コントロールバルブ3が操作位置Bに維持される。これにより、コントロールバルブ3におけるランド部31が、摺動口21における複数の制御用油圧経路22の開閉状態を変更することができる。
【0049】
その後、コントロールバルブ3を摺動口21における原位置Aへ復帰させるときには、操作用油圧経路23への操作用油圧の供給圧力を減少させる。このとき、コントロールバルブ3は、圧縮スプリング6による反発力を受けると共に、プランジャ4を介して復帰用油圧による圧力を受けて、軸方向他方側L2に向けてスライドする。また、プランジャ4は、復帰用油圧による圧力を受けてコントロールバルブ3の軸方向一方側L1の端面301に当接する原位置Aまでスライドする。これにより、コントロールバルブ3及びプランジャ4が原位置Aまでスライドし、コントロールバルブ3におけるランド部31が、摺動口21における複数の制御用油圧経路22の開閉状態を元の状態に復帰させることができる。
【0050】
このように、本例のバルブ機構1Aにおいては、プランジャ4は、このプランジャ4よりも表面硬度が低いスリーブ5Aのストッパ部52に直接衝突することがなく、ストッパ部52よりも表面硬度が高い位置決めキー7Aに衝突する。そのため、スリーブ5Aのストッパ部52における磨耗を減少させることができ、スリーブ5Aに変形が生じることを防止することができる。
それ故、本例のバルブ機構1Aによっても、スリーブ5Aのストッパ部52に変形が生じることを防止することができ、コントロールバルブ3の動作を安定して行うことができる。
【0051】
また、本例においては、位置決めキー7Aに、スリーブ5Aの抜け防止を行う機能だけでなく、プランジャ4を当接させる機能を兼用させたことにより、新たに別部品を設けることなく、スリーブ5Aのストッパ部52に変形が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例1における、コントロールバルブが原位置にある状態のバルブ機構を示す断面説明図。
【図2】実施例1における、コントロールバルブが操作位置にある状態のバルブ機構を示す断面説明図。
【図3】実施例1における、衝突用スペーサを配設したスリーブを示す断面説明図。
【図4】実施例1における、衝突用スペーサを配設したスリーブを示す側方断面説明図。
【図5】実施例2における、コントロールバルブが原位置にある状態のバルブ機構を示す断面説明図。
【図6】実施例2における、コントロールバルブが操作位置にある状態のバルブ機構を示す断面説明図。
【図7】実施例2における、プランジャ及び位置決めキーを配設するスリーブを示す断面説明図。
【図8】実施例2における、プランジャ及び位置決めキーを配設するスリーブを示す上面説明図。
【図9】実施例2における、プランジャ及び位置決めキーを配設するスリーブを示す側方断面説明図。
【図10】従来例における、バルブ機構を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0053】
1、1A バルブ機構
2 バルブボディ
21 摺動口
22 制御用油圧経路
23 操作用油圧経路
24 復帰用油圧経路
25A キー挿入口
3 コントロールバルブ
31 ランド部
311 段差状端面
4 プランジャ
5、5A スリーブ
51 筒状部
511 プランジャ収納口
52 ストッパ部
521 係合溝
521A キー溝
6 圧縮スプリング
7 衝突用スペーサ
71 衝突部
72 係合部
7A 位置決めキー
A 原位置
B 操作位置
L1 軸方向一方側
L2 軸方向他方側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路の切換制御を行うバルブ機構において、
上記制御用油圧経路を複数開口させた摺動口を形成してなるバルブボディと、
上記摺動口の内周面を摺動して上記制御用油圧経路を開閉するランド部を有し、該ランド部によって上記複数の制御用油圧経路の開閉状態の切換を行うコントロールバルブと、
上記摺動口内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口を形成してなる筒状部と、該筒状部と一体形成したストッパ部とを有するスリーブと、
上記プランジャ収納口内に配置し、上記コントロールバルブの軸方向一方側の端面によって押されて上記プランジャ収納口内を摺動するプランジャと、
上記摺動口内において、上記コントロールバルブにおける上記ランド部の軸方向一方側の段差状端面と、上記スリーブの軸方向他方側の端面との間に配置した圧縮スプリングとを有しており、
上記摺動口には、上記コントロールバルブの軸方向他方側の端面又は上記ランド部の軸方向他方側の段差状端面に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路と、上記スリーブにおける上記筒状部と上記ストッパ部との間に開口し、上記プランジャの軸方向一方側の端面に上記操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路とが開口形成してあり、
上記スリーブは、上記プランジャよりも表面硬度が低くなっており、上記スリーブの上記ストッパ部における軸方向他方側の表面には、当該スリーブよりも表面硬度が高い衝突用スペーサが配設してあり、
上記コントロールバルブは、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力に打ち勝って、上記プランジャを上記衝突用スペーサに衝突させて、上記摺動口における操作位置までスライドし、一方、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力によって、上記摺動口における原位置までスライドするよう構成してあることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構。
【請求項2】
請求項1において、上記衝突用スペーサは、上記スリーブの上記ストッパ部における軸方向他方側の表面に配置する衝突部と、該衝突部から屈曲形成して、上記ストッパ部に形成した係合溝に係合させる係合部とを有していることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構。
【請求項3】
オートマチックトランスミッションの油圧回路に用い、制御用油圧経路の切換制御を行うバルブ機構において、
上記制御用油圧経路を複数開口させた摺動口を形成してなるバルブボディと、
上記摺動口の内周面を摺動して上記制御用油圧経路を開閉するランド部を有し、該ランド部によって上記複数の制御用油圧経路の開閉状態の切換を行うコントロールバルブと、
上記摺動口内に配設してあると共に、筒状のプランジャ収納口を形成してなる筒状部と、該筒状部と一体形成したストッパ部とを有するスリーブと、
上記プランジャ収納口内に配置し、上記コントロールバルブの軸方向一方側の端面によって押されて上記プランジャ収納口内を摺動するプランジャと、
上記摺動口内において、上記コントロールバルブにおける上記ランド部の軸方向一方側の段差状端面と、上記スリーブの軸方向他方側の端面との間に配置した圧縮スプリングとを有しており、
上記摺動口には、上記コントロールバルブの軸方向他方側の端面又は上記ランド部の軸方向他方側の段差状端面に操作用油圧を供給するための操作用油圧経路と、上記スリーブにおける上記筒状部と上記ストッパ部との間に開口し、上記プランジャの軸方向一方側の端面に上記操作用油圧よりも低圧の復帰用油圧を供給するための復帰用油圧経路とが開口形成してあり、
上記バルブボディから上記摺動口内には、上記スリーブが上記摺動口の外部へ抜け出すことを防止するための位置決めキーが配設してあり、
上記スリーブは、上記プランジャよりも表面硬度が低くなっており、
上記位置決めキーは、上記スリーブよりも表面硬度が高くなっており、かつ上記ストッパ部の軸方向他方側の表面に配設してあり、
上記コントロールバルブは、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を増加させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力に打ち勝って、上記プランジャを上記位置決めキーに衝突させて、上記摺動口における操作位置までスライドし、一方、上記操作用油圧経路への上記操作用油圧の供給圧力を減少させたときには、上記圧縮スプリングによる反発力及び上記復帰用油圧による圧力によって、上記摺動口における原位置までスライドするよう構成してあることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構。
【請求項4】
請求項3において、上記バルブボディには、上記位置決めキーを挿入配置するためのキー挿入口が、上記復帰用油圧経路に隣接して形成してあり、上記スリーブにおける上記ストッパ部の軸方向他方側の表面には、上記キー挿入口に連通するキー溝が形成してあり、
上記位置決めキーは、上記キー挿入口と上記キー溝とに連続して挿入配置してあることを特徴とするオートマチックトランスミッション用のバルブ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−88992(P2008−88992A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267031(P2006−267031)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000185488)株式会社オティックス (305)
【Fターム(参考)】