説明

カット装置及びカット方法

【課題】マザー積層体から周辺領域を除去する際に、マザー積層体の位置がずれることを抑制できる。
【解決手段】テーブル22には、複数の積層体がマトリクス状に配列されている積層体領域50a、及び、該積層体領域50aの周囲に設けられている周辺領域50bを有しているマザー積層体50が載置される。カット刃21及びカット駆動部8は、積層体領域50aから周辺領域50bを切り離す。吸引部23及び吸引駆動部12は、周辺領域50bをテーブル22から除去する。固定部24及び固定駆動部13は、吸引部23及び吸引駆動部12により周辺領域50bを除去する際に、積層体領域50aをテーブル22に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カット装置及びカット方法に関し、より特定的には、マザー積層体を複数の積層体にカットするカット装置及びカット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカット装置に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のセラミック積層電子部品の製造方法が知られている。特許文献1に記載のセラミック積層電子部品の製造方法では、積層方向から平面視したときに、マザーの積層体の外縁部分をカットして、切断面に内部電極を露出させている。そして、露出している2つの隣り合う内部電極の中心に沿ってマザーの積層体をカットすることにより、複数の積層体を得ている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のセラミック積層電子部品では、外縁部分をマザーの積層体から除去する際に、マザーの積層体の位置がずれてしまうという問題が存在する。より詳細には、カットに用いられる刃の厚みは、0.2mm以下と非常に薄い。そのため、外縁部分をカットした後に、外縁部分とマザーの積層体との間に十分な隙間が形成されず、外縁部分とマザーの積層体とが癒着してしまう。その結果、外縁部分を除去する際に、マザーの積層体が外縁部分と一緒に動いてしまい、マザー積層体の位置がずれてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−349671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、マザー積層体から周辺領域(外縁部分)を除去する際に、マザー積層体の位置がずれることを抑制できるカット装置及びカット方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るカット装置は、複数の積層体がマトリクス状に配列されている積層体領域、及び、該積層体領域の周囲に設けられている周辺領域を有しているマザー積層体を載置する載置手段と、前記積層体領域から前記周辺領域を切り離すカット手段と、前記積層体領域を前記載置手段に固定する固定手段と、前記積層体領域が前記載置手段に固定された状態で、前記周辺領域を該載置手段から除去する除去手段と、を備えていること、を特徴とする。
【0007】
本発明の一形態に係るカット方法は、複数の積層体がマトリクス状に配列されている積層体領域、及び、該積層体領域の周囲に設けられている周辺領域を有しているマザー積層体を載置手段に載置する工程と、前記積層体領域から前記周辺領域を切り離す工程と、前記積層体領域を前記載置手段に固定した状態で、前記周辺領域を該載置手段から除去する工程と、を備えていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マザー積層体から周辺領域(外縁部分)を除去する際に、マザー積層体の位置がずれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るカット装置のブロック図である。
【図2】図1のカット装置の外観斜視図である。
【図3】マザー積層体が複数の積層体にカットされる工程を示した外観斜視図である。
【図4】マザー積層体が複数の積層体にカットされる工程を示した外観斜視図である。
【図5】マザー積層体が複数の積層体にカットされる工程を示した外観斜視図である。
【図6】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【図7】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【図8】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【図9】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【図10】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【図11】周辺領域が積層体領域から切り離され除去される際の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係るカット装置及びカット方法について説明する。
【0011】
(カット装置の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係るカット装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカット装置1のブロック図である。図2は、図1のカット装置1の外観斜視図である。図2において、マザー積層体50の積層方向をz軸方向と定義する。また、テーブル22が平行移動する方向をx軸方向と定義し、x軸方向とz軸方向とに直交する方向をy軸方向と定義する。
【0012】
カット装置1は、チップコイルやチップコンデンサ等の積層型電子部品の製造に用いられ、より詳細には、マザー積層体50を複数の積層体にカットする際に用いられる装置である。カット装置1は、図1及び図2に示すように、メモリ2、制御部3、CCDカメラ5a,5b、CRT6、キーボード7、カット駆動部8、テーブル平行駆動部9、テーブル回転駆動部10、吸引駆動部12、固定駆動部13、カット刃21、テーブル22、吸引部23、固定部24及び回収箱25を備えている。
【0013】
メモリ2は、マザー積層体50をカットするためのデータを記憶している。制御部3は、例えば、CPUにより実現され、カット装置1全体を制御する。具体的には、制御部3は、メモリ2が記憶しているデータに基づいて、カット装置1の各部の動作を制御して、該各部にマザー積層体50を複数の積層体にカットさせる。
【0014】
テーブル22は、マザー積層体50を載置するための載置手段である。カット刃21は、例えば、0.2mm以下の厚さを有する刃物であり、カット駆動部8に取り付けられている。カット駆動部8は、制御部3により制御されてz軸方向にカット刃21を上下運動させ、例えば、モータやギア等により構成されている。カット駆動部8及びカット刃21は、テーブル22に載置されているマザー積層体50を複数の積層体にカットする。
【0015】
テーブル平行駆動部9は、例えば、モータにより構成され、テーブル22をx軸方向に往復移動させる。テーブル回転駆動部10は、例えば、モータにより構成され、テーブル22をz軸方向周りに回転させる。
【0016】
CCDカメラ5a,5bは、マザー積層体50のy軸方向の両端に位置する側面を撮像する。CRT6は、制御部3を介してCCDカメラ5a,5bから出力されてくるマザー積層体50の側面の映像を表示する。オペレータは、CRT6に表示された映像を見ながら、キーボード7によって所定のデータを入力する。また、制御部3は、CCDカメラ5a,5bからの出力に基づいて、マザー積層体50のカット位置のずれの補正を行う。
【0017】
ここで、マザー積層体50について説明する。マザー積層体50は、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、辺L1〜L4からなる長方形状をなしており、積層体領域50a及び周辺領域50bを有している。積層体領域50aは、複数の積層体がマトリクス状に配置されている領域であり、z軸方向から平面視したときに、長方形状をなしている。周辺領域50bは、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aの周囲に設けられており、積層体としては用いられず、破棄される領域である。具体的には、周辺領域50bは、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aを囲んでおり、辺L1〜L4に沿った形状をなしている。また、図2のマザー積層体50の側面には、内部導体は露出していない。
【0018】
以上のようなマザー積層体50では、積層体領域50aから周辺領域50bを、切り離して除去する必要がある。そこで、カット駆動部8及びカット刃21は、積層体領域50aから周辺領域50bを切り離すカット手段として機能する。すなわち、カット刃21は、カット駆動部8によりz軸方向に上下運動させられることにより、積層体領域50aから周辺領域50bを切り離す。
【0019】
更に、吸引駆動部12及び吸引部23は、積層体領域50aから切り離された周辺領域50bをテーブル22から除去する除去手段として機能している。具体的には、吸引部23は、吸引ノズルであり、z軸方向に上下運動できるように吸引駆動部12に取り付けられている。吸引駆動部12は、制御部3の制御に基づいて、吸引部23内に負圧を発生させると共に、吸引部23をz軸方向に上下運動させる。回収箱25は、テーブル22のx軸方向の正方向側に設けられており、吸引駆動部12及び吸引部23により除去された周辺領域50bを回収する。
【0020】
ところで、カット刃21の厚さは、0.2mm以下と非常に薄い。そのため、積層体領域50aから周辺領域50bを切り離した後に、積層体領域50aと周辺領域50bとの間に十分な隙間が形成されずに、積層体領域50aに周辺領域50bが癒着してしまう。その結果、何ら対策を施さない場合には、周辺領域50bの除去の際に、積層体領域50aが周辺領域50bと共に移動してしまうという問題がある。
【0021】
そこで、カット装置1では、固定駆動部13及び固定部24が設けられている。固定部24は、積層体領域50aをテーブル22に押え付けて固定するための部材であり、z軸方向に上下運動できるように固定駆動部13に取り付けられている。固定部24は、図2に示すように、L字型をなす板状の部材であり、具体的には、z軸方向に延在する板状の部分と、x軸方向に延在する板状の部分とを有している。そして、固定部24は、x軸方向に延在する板状の部分によって、積層体領域50aをテーブル22に対して押え付ける。固定駆動部13は、制御部3の制御に基づいて固定部24をz軸方向に上下運動させる。以上のような固定部24及び固定駆動部13は、吸引駆動部12及び吸引部23により周辺領域50bがテーブル22から除去される際に、積層体領域50aをテーブル22に固定する固定手段として機能する。
【0022】
(カット装置の動作及びカット方法)
以上のように構成されたカット装置1の動作及びカット方法について図面を参照しながら説明する。図3ないし図5は、マザー積層体50が複数の積層体100にカットされる工程を示した外観斜視図である。図6ないし図11は、周辺領域50bが積層体領域50aから切り離され除去される際の工程図である。
【0023】
まず、カット装置1は、図3(a)に示すように、周辺領域50bの辺L1に沿った部分を積層体領域50aから切り離す。具体的には、制御部3は、図6に示すように、カット刃21が辺L1からx軸方向の負方向側に距離dだけ離れた位置に位置するように、テーブル平行駆動部9にテーブル22を移動させる。なお、制御部3は、例えば、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像に基づいて、テーブル平行駆動部9にテーブル22を移動させる。次に、制御部3は、図7に示すように、カット駆動部8にカット刃21をz軸方向の負方向側に移動させる。これにより、図3(a)に示すように、周辺領域50bの辺L1に沿った部分は、積層体領域50aから切り離される。
【0024】
次に、カット装置1は、図3(b)に示すように、周辺領域50bの辺L1に沿った部分をテーブル22から除去する。具体的には、制御部3は、図8に示すように、吸引部23が周辺領域50bの辺L1に沿った部分のz軸方向の正方向側に位置するように、テーブル平行駆動部9にテーブル22を移動させる。なお、制御部3は、例えば、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像に基づいて、テーブル平行駆動部9にテーブル22を移動させる。次に、制御部3は、図9に示すように、固定駆動部13に固定部24をz軸方向の負方向側に移動させる。これにより、固定部24の先端が積層体領域50aに接触し、積層体領域50aは、テーブル22に固定される。更に、制御部3は、図9に示すように、吸引駆動部12に吸引部23をz軸方向の負方向側に移動させる。そして、制御部3は、吸引部23の先端が周辺領域50bの辺L1に沿った部分に接触したら、吸引駆動部12に吸引部23内に負圧を発生させる。これにより、周辺領域50bの辺L1に沿った部分は、吸引部23の先端に吸着される。次に、制御部3は、図10に示すように、固定部24に積層体領域50aをテーブル22に固定させた状態で、吸引制御部12に吸引部23をz軸の正方向側に移動させる。そして、制御部3は、図11に示すように、吸引部23が回収箱25のz軸方向の正方向側に位置するように、テーブル平行駆動部9にテーブル22を移動させる。この後、制御部3は、吸引制御部12に吸引部23内の負圧を解除させる。これにより、周辺領域50bの辺L1に沿った部分は、吸引部23の先端から離れて、回収箱25に回収される。
【0025】
ここで、図3(b)において、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aのx軸方向の正方向側の辺を辺l1とする。
【0026】
次に、カット装置1は、図3(c)に示すように、マザー積層体50をz軸周りに180度回転させる。具体的には、制御部3は、テーブル回転駆動部10にテーブル22をz軸周りに180度回転させる。これにより、辺l1は、x軸方向の負方向側に位置するようになる。図3(c)に示すように、周辺領域50bの辺L1に沿った部分が除去されることにより露出する積層体領域50aの切断面には、内部導体60がy軸方向に等間隔に並んでいる。
【0027】
次に、カット装置1は、図3(d)に示すように、周辺領域50bの辺L2に沿った部分を積層体領域50aから切り離す。なお、図3(d)に示す工程は、図3(a)に示す工程と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0028】
次に、カット装置1は、図4(a)に示すように、周辺領域50bの辺L2に沿った部分をテーブル22から除去する。なお、図4(a)に示す工程は、図3(b)に示す工程と同様であるので、これ以上の説明を省略する。ここで、図4(a)において、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aのx軸方向の正方向側の辺を辺l2とする。
【0029】
次に、カット装置1は、図4(b)に示すように、z軸方向の正方向側から平面視したときに、反時計回りにマザー積層体50をz軸周りに90度回転させる。具体的には、制御部3は、テーブル回転駆動部10にテーブル22をz軸周りに90度回転させる。これにより、辺L3は、x軸方向の正方向側に位置するようになる。また、辺l1,l2はそれぞれ、y軸方向の正方向側及び負方向側に位置するようになる。そのため、CCDカメラ5a,5bはそれぞれ、積層体領域50aの切断面から露出している内部導体60を撮像することが可能となる。
【0030】
次に、カット装置1は、図4(c)に示すように、周辺領域50bの辺L3に沿った部分を積層体領域50aから切り離し、積層体領域50aを等間隔に切断し、更に、周辺領域50bの辺L4に沿った部分を積層体領域50aから切り離す。まず、周辺領域50bの辺L3に沿った部分を積層体領域50aから切り離す工程、及び、周辺領域50bの辺L4に沿った部分を積層体領域50aから切り離す工程については、図3(a)に示す工程と同様であるので、これ以上の説明を省略する。また、積層体領域50aを等間隔に切断する工程では、制御部3は、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像に基づいて積層体の幅だけテーブル22をテーブル平行駆動部9に移動させる工程と、カット駆動部8にカット刃21によって積層体領域50aをカットさせる工程とを繰り返させる。なお、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像には、内部導体60が含まれている。よって、制御部3は、映像に含まれている内部導体60に基づいて、テーブル22の移動量(すなわち、積層体の幅)を算出する。
【0031】
次に、カット装置1は、図4(d)に示すように、周辺領域50bの辺L3に沿った部分をテーブル22から除去する。なお、図4(d)に示す工程は、図3(b)に示す工程と同様であるので、これ以上の説明を省略する。ここで、図4(d)において、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aのx軸方向の正方向側の辺を辺l3とする。
【0032】
次に、カット装置1は、図5(a)に示すように、マザー積層体50をz軸周りに180度回転させる。具体的には、制御部3は、テーブル回転駆動部10にテーブル22をz軸周りに180度回転させる。これにより、辺l3は、x軸方向の負方向側に位置するようになる。図5(a)に示すように、周辺領域50bの辺L3に沿った部分が除去されることにより露出する積層体領域50aの切断面には、内部導体62がy軸方向に等間隔に並んでいる。
【0033】
次に、カット装置1は、図5(b)に示すように、周辺領域50bの辺L4に沿った部分をテーブル22から除去する。なお、図5(d)に示す工程は、図3(b)に示す工程と同様であるので、これ以上の説明を省略する。ここで、図5(b)において、z軸方向から平面視したときに、積層体領域50aのx軸方向の正方向側の辺を辺l4とする。
【0034】
次に、カット装置1は、図5(c)に示すように、z軸方向の正方向側から平面視したときに、時計回りにマザー積層体50をz軸周りに90度回転させる。具体的には、制御部3は、テーブル回転駆動部10にテーブル22をz軸周りに90度回転させる。これにより、辺l1は、x軸方向の正方向側に位置するようになる。また、辺l3,l4はそれぞれ、y軸方向の負方向側及び正方向側に位置するようになる。そのため、CCDカメラ5a,5bはそれぞれ、積層体領域50aの切断面から露出している内部導体62を撮像することが可能となる。
【0035】
次に、カット装置1は、図5(d)に示すように、積層体領域50aを等間隔に切断する。積層体領域50aを等間隔に切断する工程では、制御部3は、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像に基づいて積層体の幅だけテーブル22をテーブル平行駆動部9に移動させる工程と、カット駆動部8にカット刃21によって積層体領域50aをカットさせる工程とを繰り返させる。なお、CCDカメラ5a,5bから出力されてくる映像には、内部導体62が含まれている。よって、制御部3は、映像に含まれている内部導体62に基づいて、テーブル22の移動量(すなわち、積層体の幅)を算出する。以上の工程を経て、マザー積層体50は、複数の積層体100に切断される。
【0036】
(効果)
以上のようなカット装置1によれば、積層体領域50aがテーブル22に固定された状態で、周辺領域50bが除去される。そのため、カット装置1は、積層体領域50aと周辺領域50bとが癒着していたとしても、積層体領域50aを動かすことなく、周辺領域50bのみを除去することが可能である。
【0037】
また、周辺領域50bの除去は、積層体領域50aの切断の直前に行われる。そのため、積層体領域50aの切断面が露出している時間が短くて済む。これにより、切断面が汚染されることが抑制され、CCDカメラ5a,5bは、切断面から露出している内部導体60,62を精度よく撮像できる。その結果、カット装置1は、マザー積層体50を複数の積層体100に正確にカットすることができる。
【0038】
(変形例)
以上のように構成されたカット装置1及びカット方法は、前記実施形態に記載したものに限らない。よって、カット装置1及びカット方法は、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0039】
例えば、テーブル22及び固定部24は、ヒータを有していてもよい。これにより、マザー積層体50は、加熱されるようになる。その結果、積層体領域50aが固定部24によりテーブル22に押え付けられた際に、マザー積層体50が冷やされて収縮してしまうことが防止される。
【0040】
また、積層体領域50aのカット工程と、周辺領域50bの切り離し工程と、周辺領域50bの除去工程の順番は、前記実施形態に示した順番に限らない。よって、カット装置1は、積層体領域50aのカットの前に全ての周辺領域50bを切り離して除去してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、カット装置及びカット方法に有用であり、特に、マザー積層体から周辺領域(外縁部分)を除去する際に、マザー積層体の位置がずれることを抑制できる点において優れている。
【符号の説明】
【0042】
L1〜L4,l1〜l4 辺
1 カット装置
2 メモリ
3 制御部
5a,5b CCDカメラ
7 キーボード
8 カット駆動部
9 テーブル平行駆動部
10 テーブル回転駆動部
12 吸引駆動部
13 固定駆動部
21 カット刃
22 テーブル
23 吸引部
24 固定部
25 回収箱
50 マザー積層体
50a 積層体領域
50b 周辺領域
60,62 内部導体
100 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積層体がマトリクス状に配列されている積層体領域、及び、該積層体領域の周囲に設けられている周辺領域を有しているマザー積層体を載置する載置手段と、
前記積層体領域から前記周辺領域を切り離すカット手段と、
前記積層体領域を前記載置手段に固定する固定手段と、
前記積層体領域が前記載置手段に固定された状態で、前記周辺領域を該載置手段から除去する除去手段と、
を備えていること、
を特徴とするカット装置。
【請求項2】
前記周辺領域を除去した後に、前記マザー積層体の積層方向周りに前記載置手段を90度回転させる回転手段を、
更に備え、
前記カット手段は、前記載置手段が90度回転された後に、前記積層体領域をカットすること、
を特徴とする請求項1に記載のカット装置。
【請求項3】
前記載置手段又は前記固定手段は、ヒータを有していること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のカット装置。
【請求項4】
複数の積層体がマトリクス状に配列されている積層体領域、及び、該積層体領域の周囲に設けられている周辺領域を有しているマザー積層体を載置手段に載置する工程と、
前記積層体領域から前記周辺領域を切り離す工程と、
前記積層体領域を前記載置手段に固定した状態で、前記周辺領域を該載置手段から除去する工程と、
を備えていること、
を特徴とするカット方法。
【請求項5】
前記周辺領域を除去した後に、前記マザー積層体の積層方向周りに前記載置手段を90度回転させる工程と、
前記載置手段が90度回転された後に、前記積層体領域をカットする工程と、
を更に備えていること、
を特徴とする請求項4に記載のカット方法。
【請求項6】
前記マザー積層体を加熱する工程を、
更に備えていること、
を特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載のカット方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−110714(P2011−110714A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266202(P2009−266202)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】