説明

カテプシンK阻害組成物

本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を含む経口医薬組成物を用いて要治療哺乳動物の骨吸収を阻害する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒトおよび他の哺乳類の様々な障害には骨吸収の異常が関与または付随している。このような障害は非限定的に、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発骨粗鬆症、ページェット病、骨交代の異常亢進、歯周病、歯の欠落、骨折、リウマトイド関節炎、骨関節炎、プロテーゼ周囲骨溶解、骨形成不全症、悪性高カルシウム血症、多発性骨髄腫および転移性骨疾患を含む。これらの障害のうちで最も多く見られるものの1つは骨粗鬆症であり、閉経女性に最も頻繁に現れる。骨粗鬆症は骨質量の減少および骨組織の微細構造的崩壊を特徴とする全身骨格疾患であり、その結果として骨が脆くなり折れ易くなる。骨粗鬆症による骨折は高齢者の罹病および死亡の主要な原因である。女性の50%および男性の1/3が骨粗鬆症による骨折を経験している。かなりの割合の高齢者では既に骨密度が低下しており、骨折の危険性が高い。骨粗鬆症および骨吸収に付随する他の状態の予防および治療の必要度はいずれも高い。骨粗鬆症および骨減量に付随する他の障害は一般に慢性状態なので、適正療法は典型的には長期間治療を要すると考えられている。
【0002】
E−64(トランス−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド−(4−グアニジノ)ブタン)が骨吸収の阻害に有効であることが知られている。Delaisse,JMら,1987,Bone :305−313参照。該文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。最近では、カテプシンKが破骨細胞中でクローニングされ特異的に発現されることが知見された。Tezuka,Kら,1994,J Biol Chem 269:1106−1109;Shi,GPら,1995,FEBS Lett 357:129−134;Bromme,D and Okamoto,K,1995,Biol Chem Hoppe Seyler 376:379−384;Bromme, Dら,1996,J Biol Chem 271:2126−2132;Drake,FHら,1996,J Biol Chem 271:12511−12516参照。これらの文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。クローニングに伴って、骨吸収の減少を伴う大理石症表現型を特徴とする常染色体劣性障害である多発異骨症がカテプシンK遺伝子に存在する突然変異であることが認められた。カテプシンK遺伝子中で同定されたすべての突然変異がコラゲナーゼ活性を除去することはこれまでにわかっている。Gelb,BDら,1996,Science 273:1236−1238;Johnson,MRら,1996,Genome Res :l050−1055;Hou,W−Sら,1999 J.Clin.Invest.103,731−738参照。これらの文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。従って、カテプシンKは破骨細胞によって媒介される骨吸収に関与すると考えられる。
【0003】
骨の主要コラーゲンであるヒトI型コラーゲンはカテプシンKの好適な基質である。Kafienah,W,ら,1998,Biochem J 331:727−732参照。該文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。カテプシンKに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用したin vitro実験は、in vitro骨吸収の減少を示し、その理由はカテプシンKのmRNAの翻訳遅滞にあると考えられる。Inui,T,ら,1997,J Biol Chem 272:8109−8112参照。該文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。カテプシンKの結晶構造は解明されている。McGrath,ME,ら,1997,Nat Struct Biol :105−109;Zhao,B,ら,1997,Nat Struct Biol :109−11参照。これらの文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。また、選択的ペプチドに基づくカテプシンKインヒビターも開発された。Bromme,D,ら,1996,Biochem J 315:85−89;Thompson,SK,ら,1997,Proc Natl Acad Sci USA 94:14249−14254参照。これらの文献の記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。従って、カテプシンKのインヒビターは骨吸収を減少させる。このようなインヒビターは骨粗鬆症のような骨吸収が関与する障害の治療に有用であろう。
【0004】
週間および月間投与のカテプシンKインヒビター組成物は他の療法よりもすぐれた治療上の利点を有しており、また、利便性、患者のコンプライアンスおよび患者の満足度を増進するであろう。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回という投薬間隔を有する連続スケジュールに従って骨吸収を阻害するように構成されたカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を含む経口医薬組成物に関する。
【0006】
本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する経口単位用量の形態で、一回用量が約2.00−80.0μM/時のAUC0−168および約10nM−約200nMのCminを特徴とする医薬を製造するためのカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物の使用に関する。本発明はまた、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従って経口単位用量の形態で一回用量が約2.00−80.0μM/時のAUC0−168および約10nM−約200nMのCminであることを特徴とするカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を投与することによってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する方法に関する。
【0007】
本発明の1つの実施態様では、哺乳動物、より特定的にはヒトが上部胃腸障害に罹患しているかまたは罹患し易いと診断されている。この実施態様の1つのクラスでは、上部胃腸障害が胃腸逆流症(GERD)、食道炎、消化不良(胸焼け)または潰瘍である。
【0008】
本発明の1つの実施態様では、本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する経口単位用量の形態の医薬を製造するための、約2.5mg−約250mgの式I:
【0009】
【化2】

[式中、Rは2−7個のハロで置換されたC1−3アルキルであり、
は水素またはハロであり、
XはNまたはCHであり、
Dはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリール基のおのおのは単環式または二環式でよく、場合によってはその炭素またはヘテロ原子がメチル、C1−6ハロアルキル、ハロまたはSOから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルキニル、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR、−C(O)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−C(R)(R)N(R、−SO、−SON(R)(R)または−SON(R)C(O)(R)であり;ここに、前記アルキル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は場合によってはその炭素またはヘテロ原子がC1−6アルキルまたはハロから独立に選択された1−5個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル(C1−4)アルキルまたはヘテロシクリル(C1−4)アルキルであり;これらは場合によっては、ハロ、アルコキシまたは−SOから独立に選択された1、2または3個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであり、
は水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであるか;
あるいはRとRとがそれらの間の炭素または窒素原子と共に3−6員の環を形成しており、
は水素、または、ハロまたはシアノから独立に選択された1、2または3個の置換基で場合によっては置換されたC1−6アルキルであり、
mは0−2の整数である]
のカテプシンKインヒビター、またはその塩、立体異性体、N−オキシド誘導体またはそれらの混合物の使用に関する。
【0010】
本発明の1つの実施態様では、本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する経口単位用量の形態の医薬を製造するための、約2.5mg−約250mgの式II:
【0011】
【化3】

[式中、Rはハロであり、
はハロであり、
は水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである]のカテプシンKインヒビター、またはその塩、立体異性体、N−オキシド誘導体またはそれらの混合物の使用に関する。
【0012】
本発明の1つの実施態様では、本発明は、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従って経口単位用量の形態で一回用量が約2.00−80.0μM/時のAUC0−168および約10nM−約200nMのCminであることを特徴とする式IまたはIIで示されるカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を投与することによってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する方法に関する。
【0013】
この実施態様の1つのクラスでは、本発明は、
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[2’−メチル−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−{(1S)−1−[4’−(アミノスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル]−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−2’−フルオロビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1S)−2,2−ジフルオロ−l−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[5−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−1−[4’−(1−シアノシクロプロピル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(4−{5−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−3−クロロピリジン−2−イル}フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(5−{4−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]フェニル}ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−イル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルフィニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−2,2−ジフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
およびその塩から成るグループから選択された約2.5mg−約250mgの化合物を含む経口医薬組成物の使用に関する。
【0014】
本発明の別の実施態様では、本発明は上記化合物から選択されたカテプシンKインヒビターを投与することによってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する方法に関する。
【0015】
本発明のこの実施態様の1つのクラスでは、カテプシンKインヒビターが、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである。
【0016】
上記化合物の製造方法は、国際公開WO03/075836、公開日2003年9月18日、および、WO2005/000800、公開日2005年1月6日、に記載されている。
【0017】
本発明の1つの実施態様で、本発明は、約2.5mg−約250mgのカテプシンKインヒビターと、有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター、HMG−CoAレダクターゼのインヒビター、インテグリン受容体アンタゴニスト、骨芽細胞同化促進剤、カルシウム、ビタミンD、合成ビタミンD類似体、非ステロイド系抗炎症薬、選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキン−1βのインヒビター、LOX/COXインヒビター、RANKLインヒビターおよび医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物から成るグループから選択された別の薬剤とを含む経口医薬組成物の使用に関する。この実施態様の1つのサブクラスで、ビタミンDの量は、2,800IU、5,600IU、7,000IU、8,400IU、11,200IU、14,000IU、16,800IUまたは19,600IUである。この実施態様の別のサブクラスで、週一回投与されるビタミンDの量は、2,800IU、5,600IU、7,000IU、8,400IUまたは11,200IUである。この実施態様の別のサブクラスで、月一回投与されるビタミンDの量は、11,200IU、14,000IU、15,400IU、16,800IUまたは19,600IUである。
【0018】
本文中に記載された化合物の置換基および置換パターンは、化学的および代謝的に安定であり、入手容易な出発材料から当業界で公知の技術や後述する方法によって容易に合成できる化合物を得るために平均的な当業者によって選択できることは理解されよう。置換基自体が2つ以上の基で置換されているとき、これらの複数の基は安定構造が得られるならば同一炭素に存在しても異なる炭素に存在してもよいことは理解されよう。“場合によっては1つ以上の置換基で置換された”という表現は、“場合によっては少なくとも1つの置換基で置換された”という表現と等価であると解釈されるべきであり、このような場合の好ましい実施態様は0−3個の置換基を有するであろう。
【0019】
本文中に使用した“アルキル”という用語は他の指定がなければ、1−10個の炭素原子を有している分枝状および直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、“C−C10アルキル”中のC−C10は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素を線状、分枝状または環状配置で有している基を含むと定義される。例えば“C−C10アルキル”は具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを含む。
【0020】
“アルコキシ”または“アルキルオキシ”は他の指示がなければ、アルキル基が酸素ブリッジを介して結合した上記に定義のアルキル基を表す。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシなどである。
【0021】
“シクロアルキル”または“炭素環”という用語は他の指示がなければ、全炭素原子数が3−8個またはこの範囲内のいずれかの個数である環状アルカン環を意味する(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)。
【0022】
“アルキニル”という用語は他の指定がなければ、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む炭素原子数2−10個の直鎖状または分枝状の炭化水素ラジカルを表す。3個までの炭素−炭素三重結合が存在し得る。従って、“C−Cアルキニル”は、2−6個の炭素原子を有しているアルキニルラジカルを意味する。アルキニル基はエチニル、プロピニルおよびブチニルを含む。アルキニル基の直鎖状、分枝状または環状部分は三重結合を含むことができ、置換アルキニル基という指示があるときは置換されていてもよい。
【0023】
いくつかの場合に、置換基は(C−C)アルキレン−アリールのような0を含む炭素範囲で定義され得る。アリールがフェニルであるとき、この定義はフェニル自体と、−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどを含むであろう。
【0024】
本文中に使用した“アリール”は、各環の原子数が12個以下の安定な単環式または二環式炭素部分を意味しており、少なくとも1つの環が芳香族である。このようなアリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルである。アリールの好ましい例はフェニルである。アリール置換基が二環式で1つの環が非芳香族の場合、結合が芳香環を介することは理解されよう。
【0025】
本文中に使用した“ヘテロアリール”という用語は、各環の原子数が10個以下の安定な単環式、二環式または三環式基を表し、少なくとも1つの環が非芳香族であり、O、NおよびSから成るグループから選択された1−4個のヘテロ原子を有している。この定義の範囲内のヘテロアリール基の非限定例は、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンズオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリニル、メチレンジオキシベンゼン、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリルおよびテトラヒドロキノリンである。ヘテロアリール置換基が二環式で1つの環が非芳香族であるかまたはヘテロ原子を含有しない場合、結合が芳香環またはヘテロ原子含有環を介していることは理解されよう。ヘテロアリールが窒素原子を含有するとき、対応するそのN−オキシドもこの定義に包含されることは理解されよう。
【0026】
当業者には理解されるであろうが、本文中に使用した“ハロ”または“ハロゲン”はクロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含意する。“ケト”という用語は、カルボニル(C=O)を意味する。
【0027】
“ハロアルキル”という用語は他の指定がなければ、1−5個、好ましくは1−3個のハロゲンで置換された上記に定義のアルキルラジカルを意味する。その代表的非限定例は、トリフルオロメチル、ジクロロエチルなどである。
【0028】
“アリールアルキル”という用語は、上記に定義のアルキルを含むアルキル部分と上記に定義のアリールを含むアリール部分とを有していることを意味する。アリールアルキルの非限定例は、ベンジル、フルオロベンジル、クロロベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フルオロフェニルエチルおよびクロロフェニルエチルである。アルキルアリールの非限定例は、トルイル、エチルフェニルおよびプロピルフェニルである。
【0029】
本文中に使用した“ヘテロアリールアルキル”という用語は、上記に定義のヘテロアリールを含むヘテロアリール部分とアルキル部分とを有している系を意味する。ヘテロアリールアルキルの非限定例は、チエニルメチル、チエニルエチル、チエニルプロピル、ピリジルメチル、ピリジルエチルおよびイミダゾイルメチルである。
【0030】
“シクロアルキルアルキル”という用語は、上記に定義のアルキルを含むアルキル部分と上記に定義のシクロアルキルを含むシクロアルキル部分とを有している。シクロアルキルアルキルの非限定例は、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピルエチルなどである。
【0031】
本文中に使用した“ヘテロシクリルアルキル”という用語は、上記に定義のヘテロシクリルを含むヘテロシクリル部分とアルキル部分とを有している系を意味する。ヘテロシクリルアルキルの非限定例は、オキシラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、および、モルホリニルである。
【0032】
本文中に使用した“複素環”または“ヘテロシクリル”という用語は他の指定がなければ、O、N、S、SOまたはSOから成るグループから選択された1−4個のヘテロ原子を含む5−から10−員環の非芳香環を意味する。従って“ヘテロシクリル”の非限定例は、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピペリジニル、テトラヒドロチオフェニルなどである。複素環が窒素を含むとき、その対応するN−オキシドもこの定義に包含されることは理解されよう。
【0033】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターはまた、式Iの化合物のN−オキシド誘導体および保護誘導体を含む。例えば、式Iの化合物が酸化可能窒素原子を有しているとき、窒素原子は当業界で公知の方法によってN−オキシドに変換できる。また、式Iの化合物がヒドロキシ、カルボキシ、チオールのような基または(1つの以上の)窒素原子を含有する何らかの基を含むとき、これらの基は適当な保護基によって保護できる。適当な保護基の包括的なリストは、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.1981に見出される。該文献はその記載内容全部が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0034】
置換基の名称に“アルキル”または“アリール”または双方の接頭根が存在するとき(例えば、アリールC0−8アルキル)、これらの“アルキル”および“アリール”は上記の定義と同義であると解釈されたい。指定した炭素原子数(例えばC1−10)は独立に、アルキルまたは環状アルキル部分の炭素原子数、または、アルキルが接頭根として含まれているより大きい置換基のアルキル部分を表す。
【0035】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターは、錠剤、カプセル(おのおのが持続放出または適時放出配合物を含む)、丸剤、粉末、顆粒、液剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、エマルションのような経口剤形で投与できる。
【0036】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターを使用する投薬用法は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態、治療される状態の重篤度、投与経路、患者の腎機能および肝機能、使用される特定化合物またはその塩、などの様々な要因に従って選択される。平均的な内科医、獣医または臨床医は、状態の予防、阻止または進行阻止に必要な薬物の有効量を容易に決定し処方できる。
【0037】
本発明はまた、医薬的に許容される担体または希釈剤を使用または不使用で治療有効量の本文中に記載のカテプシンKインヒビターを投与するための骨粗鬆症または他の骨障害の治療に有用な医薬組成物を包含する。本発明の適当な組成物は、本発明の化合物と薬理学的に許容される担体とを含む水溶液を含む。本発明の1つの実施態様は、以下から選択されたカテプシンKインヒビターを約2.5mg−約200mgの量で含有する医薬組成物を含む:
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[2’−メチル−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−{(1S)−1−[4’−(アミノスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル]−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−2’−フルオロビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1S)−2,2−ジフルオロ−l−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[5−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−1−[4’−(1−シアノシクロプロピル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(4−{5−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−3−クロロピリジン−2−イル}フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(5−{4−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]フェニル}ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−イル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルフィニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−2,2−ジフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミドまたはそれらの塩。
【0038】
この実施態様の1つのクラスでは、カテプシンKインヒビターが、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドまたはその塩である。
【0039】
1つの代表的な用途では、カテプシン依存的状態の治療を受けている哺乳動物に適正量の化合物を投与する。表示された効果に使用するときの本発明の経口投薬量は、一週に体重1kgあたり約0.01mg(mg/kg/週)−約10mg/kg/週、好ましくは0.1−10mg/kg/週、最も好ましくは0.1−5mg/kg/週の範囲であろう。経口投与の場合、治療される患者への投薬量を症状に応じて調整できるように組成物が2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mg、100mgおよび200mgの有効成分を含有する錠剤の形態で提供されるのが好ましい。医薬は典型的には約2.5mg−約200mgの有効成分、具体的には2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mg、100mgおよび200mgの有効成分を含有している。カテプシンKインヒビターは週一回用量の投与が有利であろう。あるいは、カテプシンKインヒビターを隔週一回、月二回または月一回用量で投与してもよい。
【0040】
本発明の化合物は単独で、または好ましくは、医薬的に許容される担体または希釈剤および場合によっては医薬組成物に公知のミョウバンのようなアジュバントと共に、標準的投薬方法に従って哺乳動物好ましくはヒトに投与し得る。化合物は経口投与できる。
【0041】
経口使用錠剤の場合、常用の担体はラクトースおよびコーンスターチであり、通常はステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を添加する。カプセル形態の経口投与の場合、有用な希釈剤はラクトースおよび乾燥コンスターチを含む。本発明の治療用化合物を経口使用する場合、選択された化合物を例えば錠剤もしくはカプセルの形態または水溶液もしくは懸濁液として投与し得る。錠剤またはカプセルの形態で経口投与するためには、活性薬物成分を、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどのような医薬的に許容される経口無毒の不活性担体に組合せる。液体形態の経口投与のためには、経口薬物成分を、エタノール、グリセロール、水、ポリエチレングリコールなどのような医薬的に許容される経口無毒の不活性担体に組合せる。さらに、所望または所要の場合、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤も混合物に組込むことができる。適当な結合剤は、デンプン、ゼラチン、グルコースもしくはベータ−ラクトースのような天然糖類、トウモロコシ甘味料、アラビアガム、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウムのような天然または合成のガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどを含む。これらの剤形に使用される滑沢剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は非限定的にデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含む。経口使用のために水性懸濁液が必要なときは、有効成分を乳化剤および懸濁化剤と混合する。所望の場合、甘味料および/または着香料をある程度添加してもよい。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内に使用するためには、通常は有効成分の滅菌溶液を調製し、溶液のpHを適正に調節し、緩衝する。静脈内使用の場合には、調製物が等張性になるように溶質の全濃度をコントロールしなければならない。
【0042】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターはまた小粒単層小胞、大粒単層小胞および多層小胞のようなリポソームデリバリーシステムの形態で投与できる。リポソームは、コレステロール、ステアリ−ルアミンまたはホスファチジルコリンのような様々なリン脂質から形成できる。
【0043】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターはまた、化合物分子を結合させる独立担体としてモノクローナル抗体を使用することによって送達できる。本文中に記載のカテプシンKインヒビターはまた、ターゲット指向性薬物担体となる可溶性ポリマーに結合されてもよい。このようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミド−フェノールまたはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシンを含む。さらに、本文中に記載のカテプシンKインヒビターは薬物の調節放出を行うために有用な生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーに結合されてもよい。
【0044】
本発明はまた、週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬周期を有するカテプシンKインイビターの連続投与スケジュールに適応してカテプシンKインヒビター、医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を含む医薬組成物の複数の単位用量を含むキットを包含する。
【0045】
1つの実施態様で、カテプシンKインヒビターは、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである。
【0046】
本発明の別の実施態様では、キットが週一回投与用である。本発明の1つのクラスでは、単位用量が2.5mg−約200mgのカテプシンKインヒビターを含む。本発明の1つのサブクラスでは、単位用量が、2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mg、100mgまたは200mgのカテプシンKインヒビターを含む。本発明の別のクラスでは、キットが週二回投与に適応する。本発明の1つのクラスでは、単位用量が2.5mg−50mgのカテプシンKインヒビターを含む。本発明の1つのサブクラスでは、単位用量が2.5mg−25mgのカテプシンKインヒビターを含む。本発明の別のクラスでは、キットが隔週一回または月二回投与に適応する。本発明の1つのクラスでは、単位用量が2.5mg−50mgのカテプシンKインヒビターを含む。本発明の1つのサブクラスでは、単位用量が2.5mg−25mgのカテプシンKインヒビターを含む。
【0047】
本発明の1つの実施態様で、キットはブリスターパックである。本発明の1つのクラスでは、キットがさらに、治療スケジュールの投薬予定日を指示する記憶補助手段を含む。本発明の1つのサブクラスでは記憶補助手段が差込みカレンダーである。
【0048】
本発明の1つの実施態様で、キットは毎週の同じ曜日に投与されるように構成されている。本発明の1つのクラスでキットは週一回投与を毎日曜日に行うように構成されている。
【0049】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の骨減量の阻害方法である。本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の骨減量の抑制方法である。骨吸収を阻害するカテプシンKインヒビターの有効性は文献において知られている。Stroup,GB,Lark,MW,Veber,DF.,Bhattacharrya,A,Blake,S,Dare,LC,Erhard, KF,Hoffman,SJ,James,IE,Marquis,RW,Ru,Y,Vasko−Moser,JA,Smith,BR,Tomaszek,T and Gowen,M,“Potent and selective inhibition of human cathepsin K leads to inhibition of bone resorption in vivo in a nonhuman primate”,J.Bone Miner.Res.,16:1739−1746;2001;および、Votta,BJ,Levy,MA,Badger,A,Dodds,RA,James,IE,Thompson,S,Bossard,MJ,Carr,T,Connor,JR,Tomaszek,TA,Szewczuk,L,Drake,FH,Veber,D,and Gowen,M,“Peptide aldehyde inhibitors of cathepsin K inhibit bone resorption both in vivo and in vitro”,J.Bone Miner.Res.12:1396−1406;1997参照。
【0050】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の骨粗鬆症の治療または予防方法である。骨粗鬆症を治療または予防するカテプシンKインヒビターの有効性は文献において知られている。Saftig,P,Hunziker,Wehmeyer,O, Jones,S,Boyde,A,Rommerskirch,W,Moritz,JD,Schu,P,and Vonfigura,K,“Impaired osteoclast bone resorption leads to osteopetrosis in cathepsin K−deficient mice”,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:13453−13458;1998参照。
【0051】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物のリウマトイド関節炎状態の治療または予防方法である。関節周囲骨の進行性破壊がリウマトイド関節炎(RA)患者の関節機能不全および不能の主因であることは知られている。Goldring SR,“Pathogenesis of bone erosions in rheumatoid arthritis”,Curr.Opin.Rheumatol.2002;14:406−10参照。RA患者の関節組織の分析から、カテプシンK陽性破骨細胞がリウマトイド滑液病変に付随する巣状骨吸収を媒介する細胞型であることが判明した。Hou,W−S,Li,W,Keyszer,G Weber,E,Levy,R,Klein,MJ, ravallese,EM,Goldring,SR,Bromme,D,“Comparison of Cathepsin K and S expression within the Rheumatoid and Osteoarthritic Synovium”,Arthritis Rheumatism 2002;46:663−74参照。さらに、全身に広がる骨減量が重篤なRAに付随する罹病の主因である。腰および脊椎の骨折頻度は慢性RA患者で実質的に増加している。Gould A,Sambrook,P,Devlin Jら,“Osteoclastic activation is the principal mechanism leading to secondary osteoporosis in rheumatoid arthritis”,J.Rheumatol.1998;25:1282−9参照。関節下骨吸収および全身性骨減量の治療または予防にカテプシンKインヒビターを使用することはリウマトイド関節炎の進行に対する合理的な薬理学的介入方法である。
【0052】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の骨関節炎の治療または予防方法である。骨関節炎(OA)に関節軟骨表面の糜爛、関節周囲軟骨内骨化/骨増殖および軟骨下骨硬化と嚢胞形成のような関節の明らかな変化が伴うことは文献において知られている。Oettmeier R,Abendroth,K,“Osteoarthritis and bone:osteologic types of osteoarthritis of the hip”,Skeletal Radiol.1989;18:165−74参照。最近では、軟骨下骨硬化がOAの発症および進行の有力な原因であると示唆されている。硬化した軟骨下骨は関節が反復的な衝撃負荷に応じるときに関節を介して力を減衰および分散させる能力が低下し、関節軟骨表面にかかる機械的ストレスを増加させる。これが軟骨の摩耗および原線維化を加速する。Radin,EL and Rose RM,“Role of subchondral bone in the initiation and progression of cartilage damage”,Clin.Orthop.1986;213:34−40参照。カテプシンKインヒビターのような抗吸収剤によって過度の軟骨下骨吸収を阻害すると軟骨下骨交代が阻害され、これはOA進行に逆らう有利な効果を与えるであろう。
【0053】
上記仮説に加えて最近にはカテプシンKタンパク質発現がOA患者に由来の滑膜および関節軟骨標本から得られた滑液線維芽細胞、マクロファージ様細胞および軟骨細胞中で同定された。Hou,W−S,Li,W,Keyszer,G,Weber,E,Levy,R,Klein,MJ,Gravallese,EM,Goldring,SR,Bromme,D,“Comparison of Cathepsin K and S expression within the Rheumatoid and Osteoarthritic Synovium”,Arthritis Rheumatism2002;46:663−74;および、Dodd,RA,Connor,JR,Drake,FH,Gowen,M,“Expression of Cathepsin K messenger RNA in giant cells and their precursors in human osteoarthritic synovial tissues”,Arthritis Rheumatism 1999;42:1588−93;および、Konttinen,YT,Mandelin,J,Li,T−F,SaIo,J,Lassus,Jら,“Acidic cysteine endoproteinase cathepsin K in the degeneration of the superficial articular hyaline cartilage in osteoarthritis”,Arthritis Rheumatism 2002;46:953−60参照。これらの最近の研究は、骨関節炎の進行に伴う関節軟骨中のII型コラーゲンの破壊にカテプシンKが関与することを示唆した。従って、本発明に記載のカテプシンKインヒビターが骨関節炎の治療または予防に与える効果は異なる2つのメカニズムから成り、第一のメカニズムは破骨細胞駆動軟骨下骨交代の阻害に役立ち、第二のメカニズムはOA患者の滑膜および軟骨のII型コラーゲン変性の直接阻害に役立つ。
【0054】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の癌の治療方法である。カテプシンKがヒト乳癌、前立腺癌および脊索腫で発現されマトリックス変性能力を有することは文献において知られている。Littlewood−Evans AJ,Bilbe G,Bowler WB,Farley D,Wlodarski B,Kokubo T,Inaoka T,Sloane J,Evans DB,Gallagher JA,“The osteoclast−associated protease cathepsin K is expressed in human breast carcinoma”,Cancer Res 1997 Dec l;57(23):5386−90;Brubaker KD,Vessella RL,True LD,Thomas R,Corey E“Cathepsin K mRNA and protein expression in prostate cancer progression”,J Bone Miner Res 2003 18,222−30;およびHaeckel C,Krueger S,Kuester D Ostertag H,Samii M,Buehling F,Broemme D,Czerniak B,Roessner A,“Expression of cathepsin K in chordoma”,Hum Pathol 2000 JuI;31(7):834−40参照。
【0055】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物のアテローム性動脈硬化症の治療方法である。カテプシンKがヒトアテローマで発現されること、および、有意なエラスターゼ活性を有していることは文献において知られている。Sukhova GK,Shi GP,Simon DI,Chapman HA,Libby P,“Expression of the elastolytic cathepsins S and K in human atheroma and regulation of their production in smooth muscle cells”,J Clin Invest 1998 Aug 102,576−83参照。
【0056】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する治療を要する哺乳動物の肥満症および肥満関連状態の治療方法である。いくつかの肥満マウスモデルの脂肪組織でカテプシンK mRNAが増加していることは文献において知られている。痩身および肥満のヒト男性で脂肪組織のカテプシンK遺伝子発現とボディ・マス・インデックスとの間に有意な相関関係が観察されている。Chiellini C,Costa M,Novelli SE,Amri EZ,Benzi L,Bertacca A,Cohen P,Del Prato S,Friedman JM,Maffei M,“Identification of cathepsin K as a novel marker of adiposity in white adipose tissue”,Cell Physiol 2003,195,309−21参照。これらのデータは、カテプシンKと脂肪生成組織と肥満との間に関係が存在することを示す。
【0057】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の慢性閉塞性肺疾患の治療方法である。カテプシンKが肺線維症に1つの役割を果たすことは文献において知られている。Buhling,Fら,“Pivotal role of cathepsin K in lung fibrosis”, Am J Pathol.2004 Jun;164(6):2203−16参照。
【0058】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の寄生虫感染症の治療方法である。哺乳類のカテプシンが寄生虫の生命サイクルに重要な役割を果たすパパイン様システインプロテアーゼに近縁であることは文献において知られている。このような寄生虫はマラリア、アメリカトリパノゾーマ症、アフリカトリパノゾーマ症、リーシュマニア症、ジアルディア症、トリコモナス症、アメーバー症、住血吸虫症、ファスキオラ症、肺吸虫および腸回虫などの病気に関与する。Lecaille F,Kaleta J,Bromme D,“uman and parasitic papain−like cysteine proteases:their role in physiology and pathology and recent developments in inhibitor design”,Chem Rev 2002 102,4459−88参照。
【0059】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の重篤な急性呼吸症候群(SARS)の治療方法である。
【0060】
本発明の別の実施態様は、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかを哺乳動物に投与する要治療哺乳動物の転移性骨疾患の治療方法である。破骨細胞が骨吸収の原因であり転移性腫瘍によって誘発された骨破壊および高カルシウム血症が破骨細胞によって行われることは文献において知られている。従って、破骨細胞の阻害によって骨破壊および骨転移を防止できる。Miyamoto,T and Suda,T,“Differentiation and function of osteoclasts”,Keio J Med 2003 Mar;52(1):1−7参照。
【0061】
本発明の別の実施態様は、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、神経痛、侵害受容器疼痛、癌、非限定的に若年性糖尿病、多発性硬化症、尋常性天疱症、グレイブス病、重症筋無力症、全身性ループスエリテマトーデス、リウマトイド関節炎および橋本甲状腺炎を含むいくつかの自己免疫疾患;非限定的に喘息を含むアレルギー性疾患;および、非限定的に臓器移植または組織移植片に対する拒絶を含む同種免疫応答のような哺乳動物のカテプシンS関連疾患を治療するための、治療有効量の上記化合物のいずれかまたは医薬組成物のいずれかの哺乳動物への投与である。カテプシンS活性が上記の疾患状態に関連することは文献において知られている。Munger JS,Haass C,Lemere CA,Shi GP,Wong WS,Teplow DB,Selkoe DJ,Chapman HA,“Lysosomal processing of amyloid precursor protein to A beta peptides:a distinct role for cathepsin S”,Biochem J 1995 311,299−305;Sukhova GK,Zhang Y,Pan JH,Wada Y,Yamamoto T, aito M, odama T,Tsimikas S,Witztum JL,Lu ML,Sakara Y,Chin MT,Libby P,Shi GP,“Deficiency of cathepsin S reduces atherosclerosis in LDL receptor−deficient mice”,J Clin Invest 2003 111,897−906;Zheng T,Zhu Z,Wang Z,Homer RJ,Ma B,Riese RJ Jr,Chapman HA Jr,Shapiro SD,Elias JA“Inducible targeting of IL− 13 to the adult lung causes matrix metalloproteinase− and cathepsin−dependent emphysema”,J Clin Invest 2000 106,1081−93;Shi GP,Sukhova GK,Kuzuya M,Ye Q,Du J,Zhang Y,Pan JH,Lu ML,Cheng XW,Iguchi A,Perrey S,Lee AM,Chapman HA,Libby P,“Deficiency of the cysteine protease cathepsin S impairs microvessel growth”, Circ Res 2003 92,493−500;および、Nakagawa TY,Brissette WH,Lira PD,Griffiths RJ,Petrushova N,Stock J,McNeish JD,Eastman SE,Howard ED,Clarke SR,Rosloniec EF,Elliott EA,Rudensky AY,“Impaired invariant chain degradation and antigen presentation and diminished collagen−induced arthritis in cathepsin S null mice”,Immunity 1999 10,207−17参照。
【0062】
本発明の実例は、その必要がある哺乳動物の骨粗鬆症の治療および/または予防用医薬の製造における上記化合物のいずれかの使用である。本発明のまた別の実例は、骨減量、骨吸収、骨折、転移性骨疾患および/またはカテプシン機能関連障害の治療および/または予防用医薬の製造における上記化合物のいずれかの使用である。
【0063】
本文中に記載のカテプシンKインヒビターは、非限定的に骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発骨粗鬆症、ページェット病、骨交代の異常亢進、歯周病、歯の欠落、骨折、リウマトイド関節炎、骨関節炎、プロテーゼ周囲骨溶解、骨形成不全症、肥満症、アテローム性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、悪性の高カルシウム血症、または多発性骨髄腫を含むカテプシン媒介状態の治療に有用な他の薬物と併用できる。このような組合せの構成成分の各々は治療期間中の異なる時期に別々に投与してもよくまたは個別形態もしくは合一形態で同時に投与してもよい。従って本発明はこのような同時的または代替的治療計画をすべて包含すると理解されるべきであり、“投与する”という用語もそれに応じて解釈される。本発明の化合物とカテプシン媒介状態の治療に有用な他の薬剤との組合せの範囲が原則として、エストロゲン機能関連障害の治療に有用ないかなる医薬組成物との組合せも包含することは理解されよう。
【0064】
従って本発明の範囲は、本文中に記載のカテプシンKインヒビターと、有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター、HMG−CoAレダクターゼのインヒビター、インテグリン受容体アンタゴニスト、PTHのような骨芽細胞同化促進剤、非ステロイド系抗炎症薬、選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキン−1βのインヒビター、LOX/COXインヒビター、RANKLインヒビターおよび医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物から選択された第二薬剤との併用を包含する。本発明の範囲はまた、本文中に記載のカテプシンKインヒビターと、有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター、HMG−CoAレダクターゼのインヒビター、インテグリン受容体アンタゴニスト、PTHのような骨芽細胞同化促進剤、非ステロイド系抗炎症薬、選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキン−1βのインヒビター、LOX/COXインヒビター、RANKLインヒビターおよび医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物から選択された第二薬剤との併用による骨吸収阻害方法を包含する。
【0065】
本発明の化合物はまた、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発骨粗鬆症、ページェット病、骨交代の異常亢進、歯周病、歯の欠落、骨折、リウマトイド関節炎、骨関節炎、プロテーゼ周囲骨溶解、骨形成不全症、アテローム性動脈硬化症、肥満症、慢性閉塞性肺疾患、転移性骨疾患、悪性の高カルシウム血症または多発性骨髄腫の治療または予防に有用な既知の薬物との組合せに有用である。本発明に開示されたカテプシンKインヒビターと骨粗鬆症または他の骨障害の治療または予防に有用な他の薬剤との組合せは本発明の範囲内である。平均的な当業者は、薬剤のどのような組合せが有効であるかを薬剤および関連疾患の個々の特徴に基づいて判断できるであろう。このような薬剤は以下を含む:有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター、HMG−CoAレダクターゼのインヒビター、インテグリン受容体アンタゴニスト、PTHのような骨芽細胞同化促進剤、カルシウム、ビタミンDまたは合成ビタミンD類似体、非ステロイド系抗炎症薬、選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキン−1βのインヒビター、LOX/COXインヒビター、RANKLインヒビターおよび医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物。好ましい組合せは本発明の化合物と有機ビスホスホネートである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物とエストロゲン受容体モジュレーターである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物とアンドロゲン受容体モジュレーターである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物と骨芽細胞同化促進剤である。
【0066】
“有機ビスホスホネート”は非限定的に、化学式
【0067】
【化4】

の化合物を含む。式中の、nは0−7の整数であり、AおよびXは独立に、H、OH、ハロゲン、NH、SH、フェニル、C−C30アルキル、C−C30分枝状またはシクロアルキル、2または3個のNを含む二環式環構造、C−C30置換アルキル、C−C10アルキル置換NH、C−C10分枝状またはシクロアルキル置換NH、C−C10ジアルキル置換NH、C−C10アルコキシ、C−C10アルキル置換チオ、チオフェニル、ハロフェニルチオ、C−C10アルキル置換フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニルおよびベンジルから成るグループから、nが0であるときにAおよびXの双方がHまたはOHとならないように選択されるか、あるいは、AとXとはそれらが結合した1つ以上の炭素原子と共にC−C10環を形成している。
【0068】
上記化学式中のアルキル基は、化学式に十分な数の原子が選択されている限り、直鎖状、分枝状または環状のいずれでもよい。C−C30置換アルキルは様々な置換基を含むことができ、その非限定例はフェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル、NH,C−C10アルキルまたはジアルキル置換NH、OH、SHおよびC−C10アルコキシから成るグループから選択される。
【0069】
上記化学式はまた、Aおよび/またはX置換基に複合炭素環、芳香族およびヘテロ原子構造を包含し、その非限定例はナフチル、キノリル、イソキノリル、アダマンチルおよびクロロフェニルチオを含む。
【0070】
ビスホスホネートの医薬的に許容される塩および誘導体も本発明に有用である。塩の非限定例は、アルカリ金属、アルカリ性金属、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラ−C−C10−アルキル置換アンモニウムから成るグループから選択された塩を含む。好ましい塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアンモニウム塩から成るグループから選択された塩を含む。ナトリウム塩がより好ましい。誘導体の非限定例は、エステル、水和物およびアミドから成るグループから選択された誘導体を含む。
【0071】
本発明の治療薬に関して本文中に使用した“ビスホスホネート”および“ビスホスホネート類”という用語は、ジホスホネート、ビホスホン酸およびジホスフィン酸やこれらの物質の塩および誘導体も含意する。ビスホスホネートまたはビスホスホネート類に関して使用した特定の命名法は、特に指示されていなければ本発明の範囲を限定しない。平均的な当業者は混成命名法を現用しているので、本発明においてビスホスホネート化合物の具体的な重量またはパーセンテージを示したとき、これらの値は本文中に他の指示がないならば酸活性重量を基準とする。例えば、“アレンドロネート、医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物から成るグループから選択されたアレンドロン酸活性重量基準で約5mgの骨吸収阻害性ビスホスホネート”という表現は、選択されたビスホスホネート化合物の量が5mgのアレンドロン酸に基づいて計算されていることを意味する。
【0072】
本発明に有用なビスホスホネートの非限定例を以下に挙げる:
アレンドロン酸としても知られたアレンドロネート、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸,アレンドロネートナトリウムまたはアレンドロネートモノナトリウム三水和物、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸モノナトリウム三水和物。
【0073】
アレンドロネートは米国特許4,922,007,Kieczykowskiら,1990年5月1日許諾;5,019,651,Kieczykowskiら,1991年5月28日許諾;5,510,517,Dauerら,1996年4月23日許諾;5,648,491,Dauerら,1997年7月15日許諾、に記載されている。これらの特許はいずれもその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0074】
シクロヘプチルアミノメチレン−1,1−ビスホスホン酸,YM 175,Yamanouchi(インカドロネート、以前はシマドロネートとして知られた)は米国特許4,970,335,Isomuraら,1990年11月13日許諾、に記載されている。該特許はその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0075】
1,1−ジクロロメチレン−1,1−ジホスホン酸(クロドロン酸)および二ナトリウム塩(クロドロネート、Procter and Gamble)はベルギー特許672,205(1966)およびJ.Org.Chem 32,4111(1967)に記載されている。双方の文献はその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0076】
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(EB−1053)
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)
1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチルアミノ)プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸は,BM−210955、Boehringer−Mannheim(イバンドロネート)としても知られており、米国特許No.4,927,814,1990年5月22日許諾、に記載されている。該特許はその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0077】
1−ヒドロキシ−2−イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−イエチリデン(ミノドロネート)
6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン−1,1−ビスホスホン酸(ネリドロネート)
3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(オルパドロネート)
3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(パミドロネート)
[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−1,1−ビスホスホン酸(ピリドロネート)は米国特許No.4,761,406に記載されている。該特許はその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0078】
1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)
(4−クロロフェニル)チオメタン−1,1−ジホスホン酸(チルドロネート)は米国特許4,876,248,Breliereら,1989年10月24日許諾、に記載されている。該特許はその全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0079】
1−ヒドロキシ−2−(lH−イミダゾール−1−イル)エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(ゾレドロネート)。
【0080】
ビスホスホネート類の非限定例は、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、チルドロネートおよびゾレンドロネート、医薬的に許容されるそれらの塩およびエステルである。特に好ましいビスホスホネートはアレンドロネート、特にアレンドロン酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアンモニウム塩である。好ましいビスホスホネートの実例はアレンドロン酸のナトリウム塩、特にアレンドロン酸の水和ナトリウム塩である。塩は整数モル数の水または非整数モル数の水で水和できる。ビスホスホネートのさらに好ましい例は、特に水和塩がアレンドロネートモノナトリウム三水和物のときのアレンドロン酸の水和ナトリウム塩である。
【0081】
2種類以上のビスホスホネート活性物質の混合物を使用できることが認識されている。
【0082】
有機ビスホスホネートの正確な投与量は、投与スケジュール、選択された特定のビスホスホネート、哺乳動物またはヒトの年齢、体格、性別および状態、治療される障害の種類および重篤度、関係のある他の医学的および身体的要因に伴って変更されるであろう。従って、正確な医薬的有効量を予め特定することはできないが、介護者または臨床医が容易に決定できる。適正量は動物モデルおよびヒトの臨床試験から常套的な実験によって決定できる。一般に、ビスホスホネートの適正量は、骨吸収阻害効果を得るように選択される。すなわち、骨吸収阻害量のビスホスホネートが投与される。ヒトの場合、ビスホスホネートの有効経口用量は典型的には、約1.5−約6000μg/kg体重、好ましくは約10−約2000μg/kg体重である。アレンドロネートモノナトリウム三水和物の場合、ヒトに投与される常用の用量は一般に約2mg/日−約40mg/日、好ましくは約5mg/日−約40mg/日の範囲である。現在米国で認可されているアレンドロネートモノナトリウム三水和物の投与量は、骨粗鬆症予防に5mg/日、骨粗鬆症治療に10mg/日、ページェット病治療に40mg/日である。
【0083】
代替的投薬用法では、ビスホスホネートを一日一回以外の間隔、例えば、週一回投与、週二回投与、隔週一回投与、月二回投与などの間隔で投与できる。週一回投与の用法では、アレンドロネートモノナトリウム三水和物を35mg/週または70mg/週の薬用量で投与する。
【0084】
“選択的エストロゲン受容体モジュレーター”は、メカニズムにかかわりなく受容体へのエストロゲンの結合を妨害または阻害する化合物を表す。エストロゲン受容体モジュレーターの非限定例は、エストロゲン、プロゲストゲン、エストラジオール、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、TSE−424、タモキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾンおよびSH646である。
【0085】
“エストロゲン受容体ベータモジュレーター”は、エステロゲン受容体ベータ(ERβ)を選択的にアゴナイズまたはアンタゴナイズする化合物である。アゴニスト性ERβはERβ媒介イベントを介してトリプトファンヒドロキシラーゼ遺伝子(TPH、セロトニン合成のキー酵素)の転写を増進する。エストロゲン受容体ベータアゴニストの例は、PCT国際公開WO01/82923,公開日2001年11月8日,およびWO02/41835,公開日2002年5月20日、に見出される。双方の特許は全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0086】
“アンドロゲン受容体モジュレーター”は、メカニズムにかかわりなく受容体へのアンドロゲンの結合を妨害または阻害する化合物を表す。アンドロゲン受容体モジュレーターの例は、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼインヒビター、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよびアビラテロンアセテートである。
【0087】
“破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター”は、破骨細胞の先端膜に見出され骨吸収プロセスに重要な役割を果たすと報告されているプロトンATPアーゼのインヒビターを表す。このプロトンポンプは、骨粗鬆症および類縁の代謝疾患の治療および予防に役立つであろう骨吸収インヒビターを設計するための魅力的なターゲットである。Farina,Cら,“Selective inhibitors of the osteoclast vacuolar proton ATPase as novel bone antiresorptive agents”,DDT,4:163−172(1999)参照。この文献は全体が参照によって本発明に組み込まれるものとする。
【0088】
“HMG−CoAレダクターゼインヒビター”は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼインヒビターを表す。HMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物は当業界で公知のアッセイを使用して容易に同定できる。例えば、米国特許4,231,938,6欄およびWO84/02131,30−33頁に記載または引用されたアッセイを参照するとよい。本文中に使用した“HMG−CoAレダクターゼインヒビター”および“HMG−CoAレダクターゼのインヒビター”という用語は同じ意味を有している。
【0089】
使用できるHMG−CoAレダクターゼインヒビターの非限定例は、ロバスタチン(MEVACOR(R);米国特許Nos.4,231,938,4,294,926および4,319,039参照)、シンバスタチン(ZOCOR(R);米国特許Nos.4,444,784,4,820,850および4,916,239参照)、プラバスタチン(PRAVACHOL(R);米国特許Nos.4,346,227,4,537,859,4,410,629,5,030,447および5,180,589参照)、フルバスタチン(LESCOL(R);米国特許Nos.5,354,772,4,911,165,4,929,437,5,189,164,5,118,853,5,290,946および5,356,896参照)、アトルバスタチン(LIPITOR(R);米国特許Nos.5,273,995,4,681,893,5,489,691および5,342,952参照)およびセリバスタチン(リバスタチンおよびBAYCHOL(R)としても知られる;米国特許No.5,177,080参照)である。本発明の方法に使用し得るこれらのおよび追加のHMG−CoAレダクターゼインヒビターの構造式は、M.Yalpani,“Cholesterol Lowering Drugs”,Chemistry & Industry,pp.85−89(5 February 1996)の87頁、および、米国特許Nos.4,782,084および4,885,314に記載されている。本文中に使用したHMG−CoAレダクターゼインヒビターという用語は、医薬的に許容されるすべてのラクトンおよび開酸形態(すなわち、ラクトン環が開いて遊離酸を形成する場合)、ならびに、HMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物の塩およびエステル形態を包含する。従って、このような塩、エステル、開酸およびラクトン形態の使用は本発明の範囲内である。ラクトン部分およびその対応する開酸形態の代表を以下に構造IおよびIIとして示す:
【0090】
【化5】

【0091】
開酸形態が存在できるHMG−CoAレダクターゼインヒビターでは、塩およびエステル形態が好ましくは開酸から形成され、このような形態がすべて本文中に使用した“HMG−CoAレダクターゼインヒビター”という用語の意味に内包される。好ましくは、HMG−CoAレダクターゼインヒビターがロバスタチンおよびシンバスタチンから選択され、最も好ましくはシンバスタチンである。本文中で、HMG−CoAレダクターゼインヒビターに関する“医薬的に許容される塩”という用語は、本発明に使用される化合物の無毒性塩を意味する。これらは一般に、遊離酸を有機または無機の適当な塩基と反応させることによって製造される。特に、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛およびテトラメチルアンモニウムのようなカチオンから形成された塩、ならびに、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−p−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イル−メチルベンズ−イミダゾール、ジエチルアミン、ピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのようなアミンから形成された塩がある。HMG−CoAレダクターゼインヒビターの塩形態の別の例は非限定的に、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カムシラート、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エディシラート、エストール酸塩、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、メチル硫酸塩、ムコ無酸塩、ナプシラート、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクラート、トシラート、トリエチヨージドおよび吉草酸塩である。
【0092】
記載のHMG−CoAレダクターゼインヒビター化合物のエステル誘導体は、温血動物の血流に吸収されたときに開裂して薬物形態を放出し薬物に改善治療効果を発揮させるプロドラッグとして作用し得る。
【0093】
上記に使用した“インテグリン受容体アンタゴニスト”は、αvβ3インテグリンへの生理的リガンドの結合に選択的に拮抗、阻害または対抗する化合物、αvβ5インテグリンへの生理的リガンドの結合に選択的に拮抗、阻害または対抗する化合物、αvβ3インテグリンおよびαvβ5インテグリのン双方への生理的リガンドの結合に選択的に拮抗、阻害または対抗する化合物、血管内皮細胞に発現された(1種類以上の)特定のインテグリンの活性に拮抗、阻害または対抗する化合物を表す。この用語はまた、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2βl、α5β1、α6β1およびα6β4インテグリンのアンタゴニストを表す。この用語はまた、αvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、αlβl、α2βl、α5βl、α6βlおよびα6β4インテグリンの組合せアンタゴニストを表す。H.N.Lodeと共同研究者らはPNAS USA 96:1591−1596(1999)に、自発的腫瘍転移の根絶に抗脈管形成性αvインテグリンアンタゴニストと腫瘍特異的抗体サイトカイン(インターロイキン−2)融合タンパク質との相乗効果が観察されたと記載している。これらの結果は、この組合せが癌および転移性腫瘍増殖の治療に有効である可能性を示唆した。αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストは、現用のすべての薬物とは異なる新規なメカニズムを介して骨吸収を阻害する。インテグリンは細胞−細胞および細胞−マトリックスの相互作用を媒介するヘテロダイマー型トランスメンブラン付着受容体である。αおよびβインテグリンサブユニットは非共有結合的に相互作用し二価カチオン依存的に細胞外マトリックスリガンドに結合する。破骨細胞に最も多量に存在するインテグリンはαvβ3(>10/破骨細胞)であり、これは細胞の移動および分極に重要な細胞骨格編制に律速的な役割を果たすと考えられる。αvβ3のアンタゴニスト効果は、骨吸収の阻害、再発狭窄症の阻害、黄斑変性の阻害、関節炎の阻害、ならびに、癌および転移性成長の阻害から選択される。
【0094】
“骨芽細胞同化促進剤”は、PTHのような骨を構築する薬剤を表す。上皮小体ホルモン(PTH)またはそのアミノ末端フラグメントおよび類似体の間欠的投与は、動物およびヒトの骨減量を予防、阻止、部分的に回復すること、また、骨形成を刺激することが示された。詳細についてはDempster,DWら,“Anabolic actions of parathyroid hormone on bone”, Endocr Rev 14:690−709(1993)を参照するとよい。いくつかの研究が骨形成の刺激およびそれによる骨質量および強度の増加における上皮小体ホルモンの臨床効果を証明した。結果はNeer,RMら,New Eng J Med 344 1434−1441(2001)によって報告された。
【0095】
さらに、PTHrP−(1−36)のような上皮小体ホルモン類縁タンパク質フラグメントまたは類似体は強力な高カルシウム尿防止効果を示し[Syed MAら,“Parathyroid hormone−related protein−(l−36) stimulates renal tubular calcium re−absorption in normal human volunteers:implications for the pathogenesis of humoral hypercalcemia of malignancy”,JCEM 86:1525−1531(2001)参照]、また、骨粗鬆症治療用同化促進剤として効力を有するであろう。
【0096】
“ビタミンD”は非限定的に、ビタミンD(コレカルシフェロール)およびビタミンD(エルゴカルシフェロール)を含み、これらは、ビタミンD:1α−ヒドロキシビタミンD;25−ヒドロキシビタミンDおよび1α,25−ジヒドロキシビタミンDのヒドロキシル化した生物活性代謝産物の生物不活性前駆体であり天然に産生する。ビタミンDおよびビタミンDは人体に同じ生物効果を有している。ビタミンDまたはDのいずれかが循環に入ると、シトクロムP450−ビタミンD−25−ヒドロキシラーゼによってヒドロキシル化されて25−ヒドロキシビタミンDとなる。25−ヒドロキシビタミンDの代謝産物は生物不活性であり、腎臓でシトクロムP450−モノオキシゲナーゼ、25(OH)D−1α−ヒドロキシラーゼによってさらにヒドロキシル化されて、1,25−ジヒドロキシビタミンDとなる。血清カルシウムが減少すると、上皮小体ホルモン(PTH)の産生が増加し、カルシウムホメオスタシスが調節され、25−ヒドロキシビタミンDから1,25−ジヒドロキシビタミンDへの変換が増進されて血清カルシウムレベルが上がる。
【0097】
1,25−ジヒドロキシビタミンDは、カルシウムおよび骨の代謝に対するビタミンDの効果の原因であると考えられている。1,25−ジヒドロキシ代謝産物は、カルシウム吸収および骨格一体性を維持するために必要な活性ホルモンである。カルシウムホメオスタシスは、1,25−ジヒドロキシビタミンDが単球幹細胞を破骨細胞に分化させカルシウムを正常範囲に維持することによって維持され、その結果、骨表面へのカルシウムヒドロキシアパタイトの沈着による骨ミネラル化が生じる。Holick,MF,“Vitamin D photobiology,metabolism,and clinical applications”DeGroot L,esser H,Burger HG,ら,_eds.Endocrinology,3rded.,990−1013(1995)参照。しかしながら1α25−ジヒドロキシビタミンDのレベルが上がると血液中のカルシウム濃度が増加し骨代謝によるカルシウム濃度の異常コントロールが生じて高カルシウム血症になる。1α,25−ジヒドロキシビタミンDはまた骨代謝における破骨細胞活性を間接的に調節しており、そのレベルが上がると骨粗鬆症における過度の骨吸収を増進すると予測される。
【0098】
本発明の1つの実施態様においては、骨吸収阻害効果を与えるカテプシンKインヒビターの能力を妨害することなく投薬期間中に適正なビタミンD栄養素を供給するようにビタミンD化合物が適切な量で選択される。カテプシンKインヒビターとビタミンD化合物とを含む本発明の経口組成物では、ビタミンD化合物の量が約100IU−約60,000IUである。本発明の実施態様におけるビタミンD化合物の経口量の非限定例は、2,800IU、5,600IU、7,000IU、8,400IU、11,200IU、14,000IU、16,800IUまたは19,600IUという薬用量を含む。週一回投与するビタミンDの経口量の非限定例は、2,800IU、5,600IU、7,000IU、8,400IUおよび11,200IUである。月一回投与するビタミンDの経口量の非限定例は、11,200IU、14,000IU、15,400IU、16,800IUおよび19,600IUである。
【0099】
“合成ビタミン類似体”はビタミンD同様に作用する非天然産生の化合物を含む。
【0100】
“カルシウム”は非限定的に、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムまたは元素カルシウムを含有する他の何らかの化合物を含む。カルシウムはヒトの健康に必須であり、骨格の構造的一体性に必要である。血中カルシウムのイオン化分画は生理的に重要であり、上皮小体ホルモン(PTH)および1,25ジヒドロキシビタミンDによって厳密に維持されている。すなわち、血中カルシウムの減少(またはカルシウム摂取量の単なる不足)は骨格の健康に不利に作用するような影響をPTHおよび1,25ジヒドロキシビタミンDレベルに与え易い。従って、追加カルシウムの補給がPTHレベルを低下させ、骨格の貯蔵カルシウムの取崩しを抑制し、そうすることによって骨格の健康に有益な効果を与える。本発明の実施態様のカルシウムの経口量の非限定例は、1日あたり1200−1500mgの元素カルシウムという薬用量の分割投与である。
【0101】
“非ステロイド系抗炎症薬”またはNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ(COX)−1およびCOX−2を介してアラキドン酸からプロ炎症性プロスタグランジンへの代謝を阻害する。NSAIDの非限定例は、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、エトドラック、フェノポルフェン、フルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、ジフルニサール、メクロフェナメートおよびフェニルブタゾンを含む。
【0102】
“選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター”またはCOX−2インヒビターは、身体の疼痛および炎症の原因となるCOX−2補酵素を阻害する一種の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。COX−2インヒビターの非限定例は、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびルミラコキシブを含む。
【0103】
“インターロイキン−1ベータまたはIL−1βのインヒビター”は、単球、マクロファージのような細胞や、T−リンパ球を活性化してマイトジェンまたは抗原に対するT−リンパ球の応答を増強する他の細胞によって産生される可溶性因子であるIL−1のインヒビターを表す。IL−1Bインビターの非限定例は、ジアセレインおよびラインを含む。
【0104】
“LOX/COXインヒビター”は、アラキドン酸経路に関与する3つの主要酵素、すなわち、5−LOX、COX−1およびCOX−2の1つまたは全部に対するインヒビターを表す。LOX/COXインヒビターの非限定例はリコフェロンである。
【0105】
“RANKLインヒビター”は、従来は、破骨細胞分化因子(ODF)、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)およびTNF−類縁活性化誘導サイトカイン(TRANCE)と呼ばれていた受容体アクチベーターNF−kBリガンド(RANKL)のインヒビターを表す。RANKLは破骨細胞の形成および成熟のキー刺激物質である。RANKLインビターの非限定例はAMG−162である。
【0106】
固定用量として配合される場合、このような一体型製品は本発明の化合物を以下に記載の薬用量範囲で使用し、(1種以上の)他の医薬活性薬物をその認可された薬用量範囲で含む。あるいは、一体型配合物が適当でない場合には本発明の化合物を医薬的に許容される公知の薬物と順次に使用する。
【0107】
“AUC”または“曲線下面積”は所与の時間的期間の血漿濃度−時間曲線によって形成される面積を意味しており、所与の時間的期間の血漿の全薬物接触量を表す。AUC0−24は、化合物の投与後の最初の24時間の濃度−時間曲線下面積を表す。AUC0−168は、薬物の投与後の最初の168時間(1週間)の濃度−時間曲線下面積を表す。
【0108】
“Cmin”という用語は、所与の時間的期間に血漿を循環する薬物の最小濃度を表す。最小濃度の時期は一般的に次回の薬物投与の直前である。
【0109】
本文中に使用した“週一回”および“週一回投薬”という用語は、単位薬用量、例えばカテプシンKインヒビターの単位薬用量が週一回、すなわち7日間に一回、好ましくは各週の同じ曜日に投与されることを表す。週一回投薬用法では、単位薬用量を一般にはほぼ7日毎に投与する。週一回投薬用法の非限定例は毎日曜日のカテプシンKインヒビターの単位薬用量の投与を含む。週一回投与の単位薬用量を2日連続で投与することは一般には勧められないが、週一回投薬用法は、2つの日が異なる2つの週に含まれるときに2日連続で単位薬用量を投与する投薬用法を含み得る。
【0110】
“隔週”投薬は、単位薬用量のカテプシンKインヒビターを二週間に一回、すなわち、14日間に一回、好ましくは隔週の同じ曜日に投与することを意味する。隔週投薬用法では、各単位薬用量を一般にほぼ14日毎に投与する。隔週(twice−weekly)投薬用法の非限定例は隔週日曜日の単位薬用量のカテプシンKインヒビターの投与を含む。単位薬用量を2日連続で投与しないのが好ましいが、隔週投薬用法は、2つの日が異なる2週間期に含まれるときに2日連続で単位薬用量を投与する投薬用法を含み得る。
【0111】
“月二回”投薬は、単位薬用量のカテプシンKインヒビターを1暦月期間中に2回、すなわち2度投与することを意味する。月二回用法では各月の2つの同じ日付けに投薬を行うのが好ましい。月二回投薬用法では、一般には各単位薬用量を14−16日毎に投与する。月二回投薬用法の非限定例は、月の初日またはほぼ初日と15日またはほぼ15日すなわち月の中日との投薬を含む。単位薬用量を同日または2日連続で投与しないのが好ましいが、月二回投薬用法は、1つの月間または異なる月間内に2日連続で投与する投薬用法を含み得る。本発明では月二回用法を隔週投薬用法とは区別して考えており、隔週投薬用法に含めない。その理由は、2つの用法が異なる周期をもち、長期間では薬用量の投与回数が異なるからである。例えば、月二回用法では一年間で合計約24の薬用量が投与されるが(1年に12の暦月があるので)、隔週投薬用法では合計約26の薬用量が投与される(1年が約52週なので)。
【0112】
“月一回”という用語は、約4週、約30日または1暦年の1/12に相当する時間の単位という普遍的な意味で使用されている。
【0113】
“胃腸上部障害”という用語は、胃腸(GI)管上部に関連する障害を意味しており、非限定的に胃腸逆流症(GERD)、食道炎、消化不良(胸焼け)および潰瘍を含む。
【0114】
本発明の化合物に関する“投与”という用語およびその変形(例えば、化合物を“投与する”)は、化合物または化合物のプロドラッグを要治療動物の系に導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグが1種類以上の他の有効薬物(例えば、細胞障害薬など)と組合せて提供されるとき、“投与”およびその変形のおのおのは化合物またはそのプロドラッグと他の薬物との同時的および順次的導入を含むと理解されたい。本発明は本発明化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。一般に、このようなプロドラッグは必要な化合物に容易にin vivo変換され得る本発明化合物の官能誘導体である。従って本発明の治療方法で、“投与する”という用語は、詳細に開示した化合物または詳細に開示しなかったが患者に投与後に特定した化合物にin vivo変換できる化合物による記載の様々な状態の治療を包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製に関する慣用の手順は、例えば、“Design of Prodrugs,”ed.Bundgaard,H,Elsevier,1985に記載されている。該文献は参照によって全体が本発明に組み込まれるものとする。これらの化合物の代謝産物は本発明の化合物を生物媒体に導入したときに産生された活性種を含む。
【0115】
本文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を特定した量で含む生成物、および、特定した量の特定した成分の組合せから直接または間接に得られる何らかの生成物を含む。
【0116】
本文中に使用した“単位用量”という用語は一度に全部が投与される一回分の単一用量を意味する。
【0117】
本文中に使用した“治療有効量”という用語は、組織、系、動物またはヒト体内で研究者、獣医、内科医または他の臨床医が求める生物的または医学的応答を誘発する活性化合物または医薬の量を意味する。
【0118】
本文中に使用した“治療する”または疾患の“治療”という用語は、疾患の予防、すなわち、疾患に接触したかまたは疾患体質であるが該疾患の病歴がなく症状を示すこともない哺乳動物で疾患の臨床症状を進行させないこと、疾患の阻害、すなわち、疾患またはその臨床症状の進行を停止または減退させること、または、疾患の軽減、すなわち、疾患またはその臨床症状を退行させることを意味する。
【0119】
本文中に使用した“骨吸収”という用語は、破骨細胞が骨を劣化させるプロセスを表す。
【0120】
本発明のこれらのおよびその他の特徴は本文中の教示から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0121】
以下の実施例は本発明を例示する目的で与えられており、本発明の範囲の制限であると解釈されてはならない。
【0122】
医薬組成物
以下の医薬組成物では、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドをカテプシンKインヒビターの一例として使用できる。
【0123】
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する経口単位用量の形態で、一回用量が約2.00−80.0μM/時のAUC0−168および約10nM−約200nMのCminであることを特徴とする医薬を製造するためのカテプシンKインヒビターまたは医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物の使用。
【請求項2】
週一回、隔週一回、月二回または月一回の投薬間隔を有する連続スケジュールに従ってその必要がある哺乳動物の骨吸収を阻害する経口単位用量の形態の医薬を製造するための、約2.5mg−約200mgの式I:
【化1】

[式中、Rは2−7個のハロで置換されたC1−3アルキルであり、
は水素またはハロであり、
XはNまたはCHであり、
Dはアリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリール基のおのおのは単環式または二環式でよく、場合によってはその炭素またはヘテロ原子がメチル、C1−6ハロアルキル、ハロまたはSOから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルキニル、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−OR、−C(O)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−C(R)(R)N(R、−SO、−SON(R)(R)または−SON(R)C(O)(R)であり;ここに、前記アルキル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は場合によってはその炭素またはヘテロ原子がC1−6アルキルまたはハロから独立に選択された1−5個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル(C1−4)アルキルまたはヘテロシクリル(C1−4)アルキルであり;これらは場合によっては、ハロ、アルコキシまたは−SOから独立に選択された1、2または3個の置換基で置換されており、
は水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであり、
は水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであるか;
あるいはRとRとがそれらの間の炭素または窒素原子と共に3−6員の環を形成しており、
は水素、または、ハロまたはシアノから独立に選択された1、2または3個の置換基で場合によっては置換されたC1−6アルキルであり、
mは0−2の整数である]
のカテプシンKインヒビター、またはその塩、立体異性体、N−オキシド誘導体またはそれらの混合物の使用。
【請求項3】
カテプシンKインヒビターが、
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[2’−メチル−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−{(IS)−1−[4’−(アミノスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル]−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−2’−フルオロビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[5−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−1−[4’−(1−シアノシクロプロピル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(4−{5−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−3−クロロピリジン−2−イル}フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(5−{4−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]フェニル}ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−イル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルフィニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−2,2−ジフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;またはその塩である請求項2に記載の使用。
【請求項4】
カテプシンKインヒビターが、
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである請求項3に記載の使用。
【請求項5】
有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPアーゼのインヒビター、HMG−CoAレダクターゼのインヒビター、インテグリン受容体アンタゴニスト、骨芽細胞同化促進剤、カルシウム、ビタミンD、合成ビタミンD類似体、非ステロイド系抗炎症薬、選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、インターロイキン−1βのインヒビター、LOX/COXインヒビター、RANKLインヒビターおよび医薬的に許容されるその塩およびそれらの混合物から成るグループから選択された薬剤をさらに含む請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記薬剤がビタミンDである請求項5に記載の使用。
【請求項7】
ビタミンDの量が、2,400IU、5,600IU、7,000IU、8,400IU、11,200IU、14,000IU、15,400IU、16,800IUまたは19,600IUである請求項6に記載の使用。
【請求項8】
経口単位用量が錠剤である請求項2に記載の使用。
【請求項9】
経口単位用量がカプセルである請求項2に記載の使用。
【請求項10】
経口単位用量が液体である請求項2に記載の使用。
【請求項11】
哺乳動物が上部胃腸障害に罹患しているかまたは罹患し易いと診断されている請求項4に記載の使用。
【請求項12】
上部胃腸障害が胃腸逆流症、食道炎、消化不良または潰瘍である請求項11に記載の使用。
【請求項13】
骨粗鬆症を治療するための請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(lS)−2,2,2−トリフルオロ−1−[2’−メチル−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−{(1S)−1−[4’−(アミノスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル]−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−2−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−((1S)−1−{4’−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−2’−フルオロビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−((1S)−1−{4’−[(1S)−2,2−ジフルオロ−l−ヒドロキシエチル]ビフェニル−4−イル}−2,2,2−トリフルオロエチル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4−[5−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル]フェニル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−1−[4’−(1−シアノシクロプロピル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(4−{5−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]−3−クロロピリジン−2−イル}フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−[(1S)−1−(5−{4−[1−(アミノカルボニル)シクロプロピル]フェニル}ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−((1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン−2−イル}エチル)−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルフィニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド;
−(1−シアノシクロプロピル)−N−{(1S)−2,2−ジフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
(1R,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジクロロ−2−[4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
から選択された約2.5mg−約200mgのカテプシンKインヒビターまたはその塩を含む医薬組成物。
【請求項15】
カテプシンKインヒビターが、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドまたはその塩である請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
経口用である請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
単一用量である請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
週一回の用量である請求項15、16または17に記載の組成物。
【請求項19】
カテプシンKインヒビターが、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである請求項1から18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
錠剤である請求項1から19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
カプセルである請求項1から20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
粉末である請求項1から21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
液体である請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
カテプシンKインヒビター、医薬的に許容されるその塩またはそれらの混合物を含む医薬組成物を複数の単位用量で含み週一回、隔週一回、週二回(twice weekly)または月一回の投与周期を有しているカテプシンKインヒビターの連続投与スケジュールに適応したキット。
【請求項25】
週一回投与用の請求項24に記載のキット。
【請求項26】
単位用量が約2.5mg−約100mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項25に記載のキット。
【請求項27】
単位用量が、2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mgまたは100mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項26に記載のキット。
【請求項28】
週二回投与(twice−weekly dosing)に適応した請求項24に記載のキット。
【請求項29】
単位用量が約2.5mg−約50mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項28に記載のキット。
【請求項30】
単位用量が約2.5mg−約25mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項27に記載のキット。
【請求項31】
隔週一回または月二回投与に適応した請求項24に記載のキット。
【請求項32】
単位用量が約2.5mg−約200mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項31に記載のキット。
【請求項33】
単位用量が約2.5mg−約100mgのカテプシンKインヒビターを含む請求項32に記載のキット。
【請求項34】
カテプシンKインヒビターが、N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである請求項1から33のいずれか一項に記載のキット。
【請求項35】
医薬組成物が錠剤またはカプセルの形態である請求項1から34のいずれか一項に記載のキット。
【請求項36】
医薬組成物が錠剤の形態である請求項34に記載のキット。
【請求項37】
所期の使用順序の投薬を指示するカードを含む請求項1から36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
ブリスターパックである請求項1から37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
さらに、治療スケジュールの投薬日程を指定する記憶補助手段を含む請求項1から38のいずれか一項に記載のキット。
【請求項40】
記憶補助手段が差込みカレンダーである請求項39に記載のキット。
【請求項41】
各週の同じ曜日の投与に適応した請求項1から40のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
毎週日曜日の投与に適応した請求項41に記載のキット。

【公表番号】特表2008−531691(P2008−531691A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558086(P2007−558086)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/006622
【国際公開番号】WO2007/046842
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】