説明

カバー付コネクタ

【課題】コネクタハウジングとカバーのロック間のクリアランスを無くすことができ、カバーの電線固定部と電線間の密着度を高めて電線固定部からの電線抜けを確実に防止することができるカバー付コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタハウジング11と、コネクタハウジング11から引き出された電線13を案内しつつ外部に導出させるカバー30を備えたカバー付コネクタ10において、コネクタハウジング11に被ロック部11bを形成し、カバー30のカバー本体31の両側部31a,31aの一方にヒンジ部を介して開き止めロック板33を一体形成し、この開き止めロック板33の一対の係止部33b,33bをカバー本体31の一対の係合部31c,31cに係止した際に、該一対の係止部33b,33bの一方の係止部33bでコネクタハウジング11の被ロック部11bをカバー本体31のロック部31bに押圧付勢するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタハウジングから引き出された電線を覆って保護するカバーを備えたカバー付コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカバー付コネクタとして、図17に示すものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このカバー付コネクタ1は、図17に示すように、電線3の一端部3aに接続された端子4を収容するコネクタハウジング2と、このコネクタハウジング2に取り付けられると共に、該コネクタハウジング2から引き出された電線3を案内しつつ外部に導出させるカバー5と、このカバー5を幅方向に跨ぐように組み付けられるレバー7とから構成されている。
【0004】
このカバー5の電線3を外部に導出させる電線導出口5aには、該電線3を結束バンド8で締め付けて固定する断面略門形状の電線固定部6を突設してある。この電線固定部6の両側の角部には結束バンド8を挿通させる一対のバンド挿通孔6a,6aを形成してある。そして、電線固定部6に結束バンド8を巻き回して、電線固定部6に電線3を結束バンド8で締め付けて固定するようになっている。
【特許文献1】特開2002−343497号公報
【特許文献2】特開平8−50952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のカバー付コネクタ1では、コネクタハウジング2とカバー5のロック間にクリアランスが生じて、カバー5が傾いたり、開き易くなり、カバー5がコネクタハウジング2から脱落し易かった。また、カバー5の断面略門形状の電線固定部6の内面に複数の電線3を単に当接しているだけの構造であるため、電線固定部6と電線3の密着力(保持力)が弱く、電線固定部6から電線3が抜け易かった。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、コネクタハウジングとカバーのロック間のクリアランスを無くすことができ、カバーの電線固定部と電線間の密着度を高めて電線固定部からの電線抜けを確実に防止することができるカバー付コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、電線の端部に接続された端子を収容するコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに取り付けられ、該コネクタハウジングから引き出された前記電線を案内しつつ外部に導出させるカバーとを備え、このカバーの前記電線を外部に導出させる電線導出口に該電線を結束バンドで締め付けて固定する電線固定部を設け、この電線固定部に前記結束バンドを挿通させるバンド挿通孔を形成したカバー付コネクタにおいて、前記コネクタハウジングに、前記カバーのカバー本体に形成されたロック部が着脱自在に係止される被ロック部を形成する一方、前記カバー本体を前記コネクタハウジング側及び前記電線導出口側が開口した箱形に形成し、このカバー本体の両側部の一方の側部にヒンジ部を介して開き止めロック板を一体形成し、この開き止めロック板の両側に前記カバー本体の両側部に形成された一対の係合部に係止される一対の係止部を形成し、前記開き止めロック板の一対の係止部を前記カバー本体の一対の係合部に係止した際に該一対の係止部の少なくとも一方の係止部で前記コネクタハウジングの被ロック部を前記カバー本体のロック部に押圧付勢するように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載のカバー付コネクタであって、前記コネクタハウジングの被ロック部に、前記開き止めロック板の一対の係止部の少なくとも一方の係止部が当接するテーパ面を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1記載のカバー付コネクタであって、前記カバー本体の側部に複数のガタ詰めリブを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、開き止めロック板の一対の係止部をカバー本体の一対の係合部に係止した際に該一対の係止部の少なくとも一方の係止部でコネクタハウジングの被ロック部をカバー本体のロック部に押圧付勢するように構成したことにより、コネクタハウジングの被ロック部とカバー本体のロック部間のクリアランスを無くして両者のガタ付きを確実に防止することができる。これにより、カバー本体の両側部の開きを完全に防止することができると共に、カバーの電線固定部と電線間の密着度を高めることができ、電線固定部からの電線抜けを確実に防止することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、コネクタハウジングの被ロック部に、開き止めロック板の一対の係止部の少なくとも一方の係止部が当接するテーパ面を形成したことにより、このテーパ面を介して、開き止めロック板の一対の係止部の少なくとも一方の係止部でコネクタハウジングの被ロック部をカバー本体のロック部に簡単かつ確実に押圧付勢することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、前記カバー本体の側部に複数のガタ詰めリブを形成したことにより、コネクタハウジングとカバー本体の側部間のガタ付きを確実に防止することができる。これにより、カバー本体の両側部の開きを完全に防止することができると共に、カバーの電線固定部と電線間の密着度を高めることができ、電線固定部からの電線抜けを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の第1実施形態のカバー付コネクタをカバー側から見た斜視図、図2は同カバー付コネクタからカバーを取り外した状態の斜視図、図3はカバーの斜視図、図4は同カバーの正面図、図5は同カバー付コネクタにカバーを取り付けた状態を示す斜視図、図6は同カバーの開き止めロック板を装着する前の状態を示す部分斜視図、図7は同開き止めロック板を装着した状態を示す部分斜視図、図8(a)は上記カバーの開き止めロック板を装着する前の状態を示す要部の拡大説明図、図8(b)は同開き止めロック板を装着した状態を示す要部の拡大説明図、図9は同カバーの電線固定部に結束バンドで電線を固定した状態を示す部分断面図、図10は同カバーの電線固定部に結束バンドで電線を固定した状態を裏側から見た部分斜視図、図11は同開き止めロック板の拡大説明図、図12は同結束バンドの斜視図、図13(a)は同カバーの電線固定部の一方の側の一対のバンド貫通孔に結束バンドを貫通させて電線を固定する作業説明図、図13(b)は同電線固定部の他方の側の一対のバンド貫通孔に結束バンドを貫通させて電線を固定する作業説明図である。
【0015】
図1及び図5に示すように、カバー付コネクタ10は、電線13の一端部13aに接続された図示しない端子を収容する合成樹脂製のコネクタハウジング11と、このコネクタハウジング11に軸部23を介して回動自在に支持され、該コネクタハウジング11に図示しない相手側コネクタを低挿入力で嵌合させる合成樹脂製のレバー20と、コネクタハウジング11に着脱自在に取り付けられると共に、該コネクタハウジング11から引き出された電線13を案内しつつ外部に導出させる合成樹脂製のカバー30とを構成されている。
【0016】
図1及び図2に示すように、コネクタハウジング11は、複数の端子を収納する端子収容部11aを有した箱形に形成してある。図1,図2及び図8(a),(b)に示すように、この端子収容部11aの両側の上下の位置には、後述するカバー30の鉤形の係止爪(ロック部)31bが着脱自在に係止されるアーム状の係止爪(被ロック部)11bをそれぞれ形成してある。
【0017】
尚、端子収容部11a内に収容される各端子に接続された電線13の一端部13aにはシール用の防水栓14を嵌め込んである。また、図9に示すように、コネクタハウジング11から引き出された複数の電線13は、後述するカバー30の電線固定部35に結束バンド40で直に固定されるようになっているが、図14に示すように、図示しないテープ等により束ねられてゴム製等のコルゲートチューブ15に挿通された状態でカバー30の電線固定部35に結束バンド40で固定される場合もある。このコルゲートチューブ15は溝部15aと突状部15bを交互に連続して形成してあり、伸縮性を有している。
【0018】
図1,図2,図5に示すように、レバー20は操作部21と両側部22,22とでコ字状に形成してある。そして、レバー20は両側部22.22に形成された各軸部23を介してコネクタハウジング11の両側面11c,11cに回動自在に支持してある。また、レバー20の両側部22,22にはカム溝24をそれぞれ形成してある。そして、このレバー20の各カム溝24に相手側コネクタの両側面から突出した各カムピンが係合されて摺動することにより、そのカム作用でコネクタハウジング11と相手側コネクタとが低挿入力で嵌合させるようになっている。
【0019】
図1,図3〜図5に示すように、カバー30は下面(コネクタハウジング11)側と外部に電線13を導出させる電線導出口34側とが開口した細長いドーム状(箱形)のカバー本体31を有している。この細長いドーム状のカバー本体31の両側部31a,31aの両端縁には、コネクタハウジング11の各係止爪11bに着脱自在に取り付けられる鉤形(L字状)の係止爪(ロック部)31bを形成してある。
【0020】
また、図3,図3に示すように、カバー本体31の両側部31a,31aの中央には、一対のガタ詰めリブ31e,31eを一体突出形成してある。さらに、カバー本体31の両側部31a,31aの両端縁には、各一対のガタ詰めリブ31f,31fをそれぞれ一体突出形成してある。
【0021】
図1,図3〜図5に示すように、カバー本体31の一方の側部31aにはヒンジ部32を介して開き止めロック板33を一体突出形成してある。この開き止めロック板33は、板状のロック本体33aと該ロック本体33aの両側に一体突出形成されたL字鉤形のフック部(係止部)33b,33bとでコ字状に形成してある。この一方のフック部33bにヒンジ部32を一体形成してある。そして、図7,図8(b)に示すように、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bをカバー本体31の一対の係合凹部31c,31cに係止した際に、該一対のフック部33b,33bの一方のフック部33bでコネクタハウジング11の係止爪11bをカバー本体31の係止爪31bに押圧付勢するようになっている。さらに、図8(a),(b)に示すように、コネクタハウジング11の係止爪11bには、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bの一方のフック部33bが当接するテーパ面11dを形成してある。
【0022】
また、図12に示すように、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bの内側には、圧入用のリブ33cをそれぞれ一体突出形成してある。そして、図6,図7に示すように、ヒンジ部32を介して開き止めロック板33をカバー本体31の両側部31a,31aを跨ぐように折り曲げて、その一対のフック部33b,33bをカバー本体31の両側部31a,31aに形成した係合凹部(係合部)31c,31cに係止させることにより、カバー本体31の両側部31a,31aの開きを防止するようになっている。この際、各フック部33bのリブ33cにより、ガタ付きを無くしてカバー本体31の両側部31a,31aの開きを完全に防止できるようになっている。
【0023】
さらに、図1,図3〜図5に示すように、カバー本体31の複数の電線13を外部に導出させる電線導出口34には、該複数の電線13を結束バンド40で締め付けて固定する電線固定部35を一体突出形成してある。この電線固定部35は断面逆U字状に形成してある。この断面逆U字状の電線固定部35の外面35aの両側には、一対の突起36,36を電線13の導出方向に対して直交する方向に平行に一体突出形成してある。この断面逆U字状の電線固定部35の一対の突起36,36間には、結束バンド40をたすき掛け状に巻き回せるように各バンド挿通孔37,37′を電線13の導出方向に対して斜めにかつ平行になるように各一対それぞれ形成してある。そして、この斜めで平行の各一対のバンド挿通孔37,37及び37′,37′のうちのいずれか片側の一対のバンド挿通孔37,37或いは37′,37′に結束バンド40を挿通させることで、該結束バンド40を電線13の導出方向に対して斜めの方向に巻き回して、断面逆U字状の電線固定部35の内面35b側に複数の電線13を結束バンド40で締め付けて固定するように構成してある。
【0024】
さらに、図3,図4に示すように、断面逆U字状の電線固定部35の内面35bには、複数の電線保持用の突出部38,38,38を円弧状に一体突出形成してある。この各電線保持用の突出部38の先端部は凹凸形状に形成してある(この凹凸形状の凹部分を符号38aで、凸部分を符号38bでそれぞれ示す)。
【0025】
図1,図9,図10,図12に示すように、結束バンド40は、内面に複数の鉤部41aを有したバンド本体41と、このバンド本体41を挿通させて任意の位置の鉤部41aを着脱自在に係止する四角枠状のロック部42とを備えている。
【0026】
以上実施形態のカバー付コネクタ10によれば、図1,図2に示すように、コネクタハウジング11にカバー30を装着する際に、コネクタハウジング11の被ロック部としての各係止爪11bにカバー30のカバー本体31のロック部としての各係止爪31bを係止する。次に、図6,図7に示すように、カバー本体31の一方の側部31aにヒンジ部32を介して一体形成された開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bをカバー本体31の両側部31a,31aの一対の係合凹部31c,31cに係止する。この際、図8(b)に示すように、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bの一方のフック部33bでコネクタハウジング11の係止爪11bをカバー30のカバー本体31の係止爪31bに押圧付勢する。これにより、コネクタハウジング11の係止爪11bとカバー本体31の係止爪31b間のクリアランスを無くすことができ、図8(a)に示すZ方向のガタ付きを確実に防止することができる。また、コネクタハウジング11の係止爪11bに形成したテーパ面11dを介して、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bの一方のフック部33bでコネクタハウジング11の係止爪11bをカバー本体31の係止爪31bに簡単かつ確実に押圧付勢することができる。これらにより、カバー本体31の両側部31a,31aの開きを確実に防止することができ、また、各フック部33bのリブ33cによりガタ付きを無くことができる。その結果、カバー本体31の両側部31a,31aの開きを完全に防止することができる。
【0027】
さらに、カバー30のカバー本体31の両側部31a,31aの中央に一体突出形成した一対のガタ詰めリブ31e,31eにより、コネクタハウジング11とカバー本体31の両側部31a,31a間のガタ付きを確実に防止して両者を固定することができる。また、カバー30のカバー本体31の両側部31a,31aの両端縁に一体突出形成した各一対のガタ詰めリブ31f,31fにより、カバー本体31の両側部31a,31aの開き(全方向への傾き)を抑制してコネクタハウジング11とカバー本体31の両側部31a,31a間のガタ付きを確実に防止することができる。これらにより、電線13に負荷が加わってもコネクタハウジング11からカバー30が外れにくくなり、カバー30の脱落を確実に防止することができる。即ち、カバー30のカバー本体31の両側部31a,31aの開きを完全に防止することができると共に、カバー30の電線固定部35と電線13間の密着度を高めることができ、電線固定部35からの電線抜けを確実に防止することができる。
【0028】
次に、図1,図9,図10に示すように、カバー30の断面逆U字状の電線固定部35内に結束バンド40を介して複数の電線13を固定する。この際、図13(a),(b)に示すように、電線固定部35に電線13の導出方向に対して斜めにかつ平行になるように各一対それぞれ形成された各一対のバンド挿通孔37,37及び37′,37′のうちのいずれか片側の一対のバンド挿通孔37,37或いは37′,37′にバンドガン45を介して結束バンド40を挿通させ、結束バンド40を電線13の導出方向に対して斜めの方向に巻き回し、断面逆U字状の電線固定部35の内面35b側に複数の電線13を結束バンド40で締め付けて固定する。
【0029】
図13(a),(b)に示すように、バンドガン45により結束バンド40で複数の電線13を締め付ける際に、バンドガン45がカバー付コネクタ10に干渉することがないようにするために、カバー付コネクタ10に対して左右いずれの位置からもバンドガン45を用いることができるようにしてある。即ち、カバー30の電線固定部35には、結束バンド40を挿通させる各一対のバンド挿通孔37,37及び37′,37′を形成してある。これにより、断面逆U字状の電線固定部35の外面35aに結束バンド40を電線13の導出方向に対して斜めの方向に簡単に巻き回せることができると共に、断面逆U字状の電線固定部35の内面35bと電線13間の密着度を高めることができ、電線固定部35の内面35bからの電線抜けを確実に防止することができる。
【0030】
このように、カバー30の電線固定部35に斜め掛けの結束バンド40で複数の電線13を固定する際に、電線固定部35の内面35bに一体突出形成した一対の電線保持用の突出部38,38の凹部38aと凸部38bに複数の電線13の被覆絶縁部を複数の点接触にて食い込ませて電線固定部35の各突出部38の凹,凸部38a,38bと複数の電線13間の密着度(接触面積)を高めることができ、電線固定部35の内面35bからの電線抜けをより確実に防止することができる。
【0031】
また、複数の電線13が外部に導出する方向に電線13の引っ張り力が作用しても、電線固定部35の各電線保持用の突出部38の凹,凸部38a,38bと複数の電線13の被覆絶縁部との点接触領域において、押さえ力が集中して作用するため、電線固定部35の内面35bからの電線抜けを確実に防止することができる。
【0032】
尚、前記第1実施形態によれば、カバー30の電線固定部35に結束バンド40で複数の電線13を直に固定する場合について説明したが、図14に示すように、複数の電線13をコルゲートチューブ15に挿通させた状態で結束バンド40を介して固定しても良い。このカバー30の電線固定部35に斜め掛けの結束バンド40で複数の電線13を挿通させたコルゲートチューブ15を固定する際に、電線固定部35の内面35bに一体突出形成した一対の電線保持用の突出部38,38の凹部38aと凸部38bに複数の電線13を挿通させたコルゲートチューブ15の各溝部15aを複数の点接触にて食い込ませて電線固定部35の各突出部38の凹,凸部38a,38bと複数の電線13を挿通させたコルゲートチューブ15の各溝部15a間の密着度(接触面積)を高めることができ、電線固定部35の内面35bからの電線抜けをより確実に防止することができる。
【0033】
図15は本発明の第2実施形態のカバーの斜視図、図16は同カバーの正面図である。
【0034】
この第2実施形態のカバー30′は、カバー本体31に対して複数の電線13を結束バンド40で締め付けて固定する電線固定部35を斜め(図では下方)に一体形成して、カバー本体31の電線導出口34から外部に導出する複数の電線13の経路を第1実施形態のカバー30のものと異ならせている。他の構成は、前記実施形態と同様の構成であるので、同一構成部分に同一符号を付して省略な説明を省略する。
【0035】
そして、この第2実施形態のカバー30′でも、前記第1実施形態のカバー30と同様に、開き止めロック板33の一対のフック部33b,33bをカバー本体31の一対の係合凹部31c,31cに係止した際に、該一対のフック部33b,33bの一方のフック部33bでコネクタハウジング11の係止爪11bをカバー本体31の係止爪31bに押圧付勢することができる。これにより、コネクタハウジング11の係止爪11bとカバー本体31の係止爪31b間のクリアランスを無くして両者のガタ付きを確実に防止することができる。その結果、カバー本体31の両側部31a,31aの開きを完全に防止することができると共に、カバー30′の電線固定部35と電線13間の密着度を高めることができ、電線固定部35からの電線抜けを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態のカバー付コネクタをカバー側から見た斜視図である。
【図2】上記カバー付コネクタからカバーを取り外した状態の斜視図である。
【図3】上記カバーの斜視図である。
【図4】上記カバーの正面図である。
【図5】上記カバー付コネクタにカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】上記カバーの開き止めロック板を装着する前の状態を示す部分斜視図である。
【図7】上記開き止めロック板を装着した状態を示す部分斜視図である。
【図8】(a)は上記カバーの開き止めロック板を装着する前の状態を示す要部の拡大説明図、(b)は同開き止めロック板を装着した状態を示す要部の拡大説明図である。
【図9】上記カバーの電線固定部に結束バンドで電線を固定した状態を示す部分断面図である。
【図10】上記カバーの電線固定部に結束バンドで電線を固定した状態を裏側から見た部分斜視図である。
【図11】上記開き止めロック板の拡大説明図である。
【図12】上記結束バンドの斜視図である。
【図13】(a)は上記カバーの電線固定部の一方の側の一対のバンド貫通孔に結束バンドを貫通させて電線を固定する作業説明図、(b)は同電線固定部の他方の側の一対のバンド貫通孔に結束バンドを貫通させて電線を固定する作業説明図である。
【図14】上記カバーの電線固定部に結束バンドで電線を挿通させたコルゲートチューブを固定した状態を示す部分断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態のカバーの斜視図である。
【図16】上記第2実施形態のカバーの正面図である。
【図17】従来のカバー付コネクタの側面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 カバー付コネクタ
11 コネクタハウジング
11b 係止爪(被ロック部)
11d テーパ面
13 電線
13a 一端部(端部)
30 カバー
31 カバー本体
31a,31a 両側部
31b 係止爪(ロック部)
31c,31c 一対の係合凹部(係合部)
31e,31f ガタ詰めリブ
32 ヒンジ部
33 開き止めロック板
33b,33b 一対のフック部(係止部)
34 電線導出口
35 電線固定部
37,37 一対のバンド挿通孔
37′,37′ 一対のバンド挿通孔
40 結束バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の端部に接続された端子を収容するコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに取り付けられ、該コネクタハウジングから引き出された前記電線を案内しつつ外部に導出させるカバーとを備え、このカバーの前記電線を外部に導出させる電線導出口に該電線を結束バンドで締め付けて固定する電線固定部を設け、この電線固定部に前記結束バンドを挿通させるバンド挿通孔を形成したカバー付コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングに、前記カバーのカバー本体に形成されたロック部が着脱自在に係止される被ロック部を形成する一方、前記カバー本体を前記コネクタハウジング側及び前記電線導出口側が開口した箱形に形成し、このカバー本体の両側部の一方の側部にヒンジ部を介して開き止めロック板を一体形成し、この開き止めロック板の両側に前記カバー本体の両側部に形成された一対の係合部に係止される一対の係止部を形成し、前記開き止めロック板の一対の係止部を前記カバー本体の一対の係合部に係止した際に該一対の係止部の少なくとも一方の係止部で前記コネクタハウジングの被ロック部を前記カバー本体のロック部に押圧付勢するように構成したことを特徴とするカバー付コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のカバー付コネクタであって、
前記コネクタハウジングの被ロック部に、前記開き止めロック板の一対の係止部の少なくとも一方の係止部が当接するテーパ面を形成したことを特徴とするカバー付コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のカバー付コネクタであって、
前記カバー本体の側部に複数のガタ詰めリブを形成したことを特徴とするカバー付コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−55863(P2010−55863A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217783(P2008−217783)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】