説明

カム式アクチュエータおよびこれを備えたバルブユニットと扉開閉装置

【課題】 回動軸の回動開始時および停止時における衝撃を抑える。
【解決手段】 ピストン111の進退動に伴って進退動するカム板121に溝カム123を形成し、軸心を中心に回動自在に配設された回動軸13にレバー131を設け、このレバー131のカムフォロア132を溝カム123に摺動自在に装着する。さらに、カム板121が進退動することで、レバー131が溝カム123に押されて揺動して回動軸13が回動するように、溝カム123のカム曲線を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピストンなどの直進運動(進退動)を軸の回転運動(回動)に変換するアクチュエータに関し、特に、カム機構によって回転運動に変換するカム式アクチュエータと、このカム式アクチュエータを備えたバルブユニットと扉開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、流体の流れを制御するバタフライバルブを開閉するアクチュエータとして、スコッチヨーク式のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このスコッチヨーク式アクチュエータは、例えば、回動軸に半径方向に延びるレバー(スコッチヨーク)が設けられ、この回動軸から一定距離離して回動軸に直角に設けられた往復動軸に、これに直交する2組のピンが設けられている。そして、往復動軸が軸線方向の一方へ移動する際に、一方のピンがレバーの一方の面を押して回動軸を一方へ回動させ、往復動軸が軸線方向の他方へ移動する際に、他方のピンがレバーの他方の面を押して回動軸を他方へ回動させるものである。
【特許文献1】特開平08−277958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載されているようなスコッチヨーク式アクチュエータでは、往復動軸に設けられたピンでレバーを押すことで回動軸を回動させている。すなわち、往復動軸の直進運動を回動軸の回転運動に直接変換している。このため、往復動軸の直進開始時には、急激に回動軸が回動を開始し、往復動軸の直進停止時には、急激に回動軸が回動を停止することになる。つまり、回動軸の回動開始時および停止時に、往復動軸の直進力(直進加速度)に応じた大きな衝撃が発生することになる。この結果、このようなアクチュエータを弁や扉の開閉などに使用した場合には、大きな衝撃音が発生したり、弁や扉などに大きな衝撃力を与えたりする、などの不具合が発生する。
【0004】
そこでこの発明は、回動軸の回動開始時および停止時における衝撃を抑えることが可能なカム式アクチュエータおよび、このカム式アクチュエータを備えたバルブユニットと扉開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、進退動自在に配設され、カム部が設けられた進退動部材と、前記進退動部材を進退動させる駆動手段と、軸心を中心に回動自在に配設され、前記カム部に当接するレバーが設けられた回動軸と、を備え、前記進退動部材が進退動することで、前記レバーが前記カム部に押されて揺動して前記回動軸が回動するように、前記カム部のカム曲線が設定されている、ことを特徴とするカム式アクチュエータである。
【0006】
この発明によれば、駆動手段よって進退動部材が進退動すると、進退動部材のカム部が回動軸のレバーを押し、レバーが揺動して、回動軸が回動する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカム式アクチュエータにおいて、前記進退動部材は板状で、前記カム部は前記進退動部材の板面側に形成された溝カムで、前記溝カムに前記レバーの自由端部が摺動自在に装着されている、ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載のカム式アクチュエータを備えたバルブユニットであって、前記回動軸にバルブの弁体が連結され、前記回動軸の回動に伴って前記弁体が開閉する、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、駆動手段よって進退動部材が進退動すると、カム部がレバーを押し、回動軸が回動して弁体が開閉する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載のカム式アクチュエータを備えた扉開閉装置であって、前記回動軸に板状の開閉扉が連結され、前記回動軸の回動に伴って前記開閉扉が開閉する、ことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、駆動手段よって進退動部材が進退動すると、カム部がレバーを押し、回動軸が回動して開閉扉が開閉する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、レバーがカム部に押されて揺動し、回動軸が回動する。すなわち、カム部のカム曲線に従ってレバーが揺動し、回動軸が回動するため、カム曲線を変えることで、回動軸の回動タイミング(回動速度)を変えることができる。例えば、カム曲線を変形正弦波曲線に設定することで、進退動部材の進退動の開始時には回動軸をゆっくり回動させ、進退動の停止時には回動軸をゆっくり停止させることが可能となる。この結果、回動軸の回動開始時および停止時における衝撃を抑えることが可能となる。また、カム曲線を変えることで、回動軸の回動開始時および停止時におけるトルクを大きくすることが可能となる。このため、このカム式アクチュエータをバルブなどに適用した場合に、バルブの開閉などをより適正に行うことが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、進退動部材が板状で、溝カムが進退動部材の板面側に形成されているだけであるため、構成が簡易で、しかもカム式アクチュエータを小型化することが可能となる。
【0014】
請求項3および4に記載の発明によれば、カム式アクチュエータの回動軸の回動開始時および停止時における衝撃が抑えられるため、弁体や開閉扉が開閉する際に大きな衝撃音が発生したり、大きな衝撃力が加わることが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1、2は、この実施の形態に係わるカム式アクチュエータ1を備えたバルブユニット(以下、「バルブユニット」という)10を示す斜視図(一部内部図)である。このバルブユニット10は、カム式アクチュエータ1とバタフライバルブ(バルブ)2とから構成され、カム式アクチュエータ1によってバタフライバルブ2のジスク(弁体)23が開閉されるものである。
【0017】
カム式アクチュエータ1は、図3〜8に示すように、エアシリンダ11と主ケーシング12とが連結され、エアシリンダ11内にピストン111がエアシリンダ11の軸方向に進退動自在に配設されている。また、エアシリンダ11には、エア(圧縮空気)を出し入れする2つのポート11a、11bが設けられている。ピストン111には、エアシリンダ11の軸方向に沿って主ケーシング12側に延びるピストンロッド112が配設され、ロッド受け113によって進退動自在に支持されている。このようなエアシリンダ11とピストン111とピストンロッド112とによって、駆動手段が構成されている。また、ピストンロッド112の主ケーシング12側の先端部には、カム板(進退動部材)121が取り付けられている。
【0018】
このカム板121は平板状で、図9に示すように、両側面に円弧状のスライド溝121aが形成され、このスライド溝121aに丸棒状のガイド棒122が嵌合している。そして、ピストンロッド112(ピストン111)の進退動に伴って、ガイド棒122でガイドされながらカム板121が進退動するようになっている。また、後述するレバー131からの力が溝カム123に加わっても、ガイド棒122によってカム板121が回転しないようになっている。つまり、ガイド棒122が、カム板121のガイドと回転防止とを兼ねている。
【0019】
カム板121の平面(板面)側には、カム部としての溝カム123が形成されている。この溝カム123は、図5、6に示すように、カム板121を貫通し、変形正弦波曲線(MS曲線)状のカム曲線(軌跡)を有している。具体的には、後述するように、カム板121が進退動することで、レバー131が溝カム123に押されて揺動し、回動軸13が90度の範囲で回動(往復回転)するように、溝カム123のカム曲線が設定されている。さらに、カム板121の進退動の開始時には回動軸13がゆっくり回動し始め、その後早く回動し、カム板121の停止時には回動軸13がゆっくり停止するように、溝カム123のカム曲線が設定されている。
【0020】
すなわち、図10に示す回動軸13の回転角(角度位置)と無次元力(速度や加速度に相当)との関係において、ラインL1に示すように、回転角が0度および90度では無次元力がゼロ値で、回転角が45度では無次元力が最大となるように、カム曲線が設定されている。そして、このようにカム曲線が設定されていることで、回転角が0度および90度ではトルクが最大となり、回転角が45度ではトルクが最小となる。すなわち、回動軸13の回動開始時および停止時におけるトルクが最大となる。
【0021】
ここで、図10中ラインL2は、ピストン111の無次元力を示し、ラインL3は、従来のスコッチヨーク式アクチュエータにおけるスコッチヨークの無次元力を示す。このような溝カム123の一方の端部を第1の端部123a、他方の端部を第2の端部123bとして、以下説明する。
【0022】
主ケーシング12側には、回動軸13がその軸心を中心に回動自在に配設されている。すなわち、図7〜9に示すように、主ケーシング12の底面孔12aを覆うように底面カバー14が取り付けられ、この底面カバー14の上面に軸受ブロック15が取り付けられている。そして、底面カバー14と軸受ブロック15に配設された軸受141、151で支持された状態で、回動軸13が回動自在に配設されている。また、回動軸13の軸心は、カム板121の板面およびピストンロッド112と直交するように配設されている。
【0023】
このような回動軸13に、溝カム123に当接する図11〜16に示すようなレバー131が配設されている。このレバー131は、図13に示すように、回動軸13の側面から上方に延び、その先端部(自由端部)にカムフォロア132が配設され、このカムフォロア132が溝カム123に摺動自在に装着(嵌合)されている。そして、カム板121が進退動することで、カムフォロア132が溝カム123に沿って摺動し、これに伴ってレバー131が揺動して、回動軸13が回動するようになっている。
【0024】
具体的には、図5、7に示すように、ピストン111が下死点に位置する状態では、図11、12に示すように、カムフォロア132が溝カム123の第1の端部123aに位置する。この状態からピストン111が回動軸13側に前進すると、カムフォロア132が溝カム123に沿って移動し、図13中のT1方向にレバー131が揺動して、回動軸13がT1方向に回動する。そして、ピストン111が前進して図6、8に示すように上死点に達すると、図14、15に示すように、カムフォロア132が溝カム123の第2の端部123bに位置し、回動軸13が90度回動した状態となる。さらに、この状態からピストン111が回動軸13側から後退すると、カムフォロア132が溝カム123に沿って移動し、図16中のT2方向にレバー131が揺動して、回動軸13がT2方向に回動するものである。
【0025】
バタフライバルブ2は、図17に示すように、主として、ボディ21と、ステム22と、ジスク23とを備えている。ボディ21は、リング状の弁座部211と、円筒状のガイド部212とが一体的に形成されている。また、弁座部211の内面には、はめ込みシート24が配設されている。ステム22は直進の棒状で、ボディ21のガイド部212内に回動自在に配設されている。ジスク23は円板状で、ステム22の下端部に取り付けられ、ボディ21の弁座部211内に配設されている。そして、ステム22の回動に伴ってジスク23が回動し、ジスク23の板面が弁座部211と平行に位置した状態(図1参照)では、ジスク23が弁座部211を塞ぎ、バタフライバルブ2が閉状態となる。また、ジスク23の板面が弁座部211と平行でない状態では、ジスク23と弁座部211との間に隙間が形成され、バタフライバルブ2が開状態となる。特に、ジスク23の板面が弁座部211と直交する状態(図2参照)では、バタフライバルブ2が全開状態となる。
【0026】
このようなバタフライバルブ2のステム22と、カム式アクチュエータ1の回動軸13とが、カラー25を介して接続され、回動軸13とステム22とが連動するようになっている。このように、ステム22を介して回動軸13にジスク23が連結され、回動軸13の回動に伴ってステム22が回動し、ジスク23が開閉するようになっている。さらに、ピストン111が下死点に位置する状態でジスク23が閉じ、ピストン111が上死点に位置する状態で、ジスク23が全開となるように回動軸13とステム22とが連結されている。また、カム式アクチュエータ1とバタフライバルブ2とは、連結ブロック26を介して連結されている。
【0027】
次に、このような構成のバルブユニット10の動作などについて説明する。
【0028】
第1のポート11aからエアシリンダ11内にエアを供給し、ピストン111が下死点に位置する状態では、図11、12に示すように、カムフォロア132が溝カム123の第1の端部123aに位置し、図1に示すように、ジスク23が閉じた(全閉した)状態となる。この状態から第2のポート11bからエアシリンダ11内にエアを供給し、ピストン111を回動軸13側に前進させると、上記のようにしてレバー131が揺動し、回動軸13がT1方向に回動する。この回転に伴ってステム22が回動し、ジスク23が開いていく。そして、ピストン111が上死点に達すると、図14、15に示すように、カムフォロア132が溝カム123の第2の端部123bに位置し、回動軸13が90度回動して、図2に示すように、ジスク23が全開となる。
【0029】
このような開弁動作において、溝カム123のカム曲線が上記のように設定されているため、ピストン111の前進開始時には回動軸13がゆっくり回動し始め、ジスク23もゆっくり開弁し始める。その後回動軸13が早く回動するためジスク23も速く開弁し、ピストン111の停止時には回動軸13がゆっくり停止するため、ジスク23もゆっくり開弁を停止する。
【0030】
さらに、この状態から第1のポート11aからエアシリンダ11内にエアを供給し、ピストン111を回動軸13側から後退させると、上記のようにしてレバー131が揺動して、回動軸13がT2方向に回動する。この回転に伴ってステム22が回動し、ジスク23が閉じていく。そして、ピストン111が下死点に達すると、上記と同様にジスク23が全閉した状態となる。このような閉弁動作において、溝カム123のカム曲線が上記のように設定されているため、ピストン111の後退開始時には回動軸13がゆっくり回動し始め、ジスク23もゆっくり閉弁し始める。その後回動軸13が早く回動するためジスク23も速く閉弁し、ピストン111の停止時には回動軸13がゆっくり停止するため、ジスク23もゆっくり閉弁を停止する。このようにして、ピストン111の進退動に伴って回動軸13が回動し、ジスク23が開閉するものである。
【0031】
以上のようにこのバルブユニット10によれば、ピストン111の進退動の開始時には回動軸13がゆっくり回動し、ジスク23もゆっくり開弁または閉弁し、ピストン111の進退動の停止時には回動軸13がゆっくり停止し、ジスク23もゆっくり開弁または閉弁を終了する。このため、ジスク23が開閉する際に大きな衝撃音が発生したり、大きな衝撃力が加わることが抑制される。これに対し、従来のスコッチヨーク式アクチュエータでは、図10のラインL3で示すように、回動軸の回転開始時および停止時における無次元力が大きいため、回動軸の回転開始時および停止時に大きな衝撃が生じる。
【0032】
しかも、このバルブユニット10によれば、回動軸13の回動開始時および停止時、つまりジスク23の開閉開始時および停止時におけるトルクが最大となるため、ジスク23の開閉をより適正に行うことが可能となる。
【0033】
また、ジスク23が全閉した状態ではカムフォロア132が溝カム123の第1の端部123aに位置し、これ以上レバー131が揺動しないため、エアの供給を止めても回動軸13の回動、ジスク23の開弁が抑止される。同様に、ジスク23が全開した状態ではカムフォロア132が溝カム123の第2の端部123bに位置し、これ以上レバー131が揺動しないため、エアの供給を止めても回動軸13の回動、ジスク23の閉弁が抑止される。このようにエアの供給を止めることが可能なため、省エネルギー性、環境性が向上する。また、カム板121が平板状で、溝カム123がカム板121に形成されているだけであるため、構成が簡易で、しかもカム式アクチュエータ1を小型化することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
図18、19は、この実施の形態に係わるカム式アクチュエータ1を備えた扉開閉装置(以下、「扉開閉装置」という)20を示す斜視図(一部内部図)である。この扉開閉装置20は、カム式アクチュエータ1と扉ユニット3とから構成され、カム式アクチュエータ1によって扉ユニット3の扉板(開閉扉)33が開閉されるものである。カム式アクチュエータ1は、実施の形態1におけるカム式アクチュエータ1と同等の構成で、同等の構成要素には同じ符号を付することでその説明を省略する。
【0035】
扉ユニット3は、主として、開閉軸31と、軸支体32と、扉板33とを備えている。開閉軸31の上端部は、カム式アクチュエータ1の回動軸13と接続され、回動軸13と開閉軸31とが連動するようになっている。軸支体32には筒状の軸支部32aが設けられ、この軸支部32aに開閉軸31の下端部が装着された状態で回転自在に支持されている。扉板33は平板状で、一方の端縁が開閉軸31の長手方向にそって接続されている。このように、開閉軸31を介して回動軸13に扉板33が連結され、回動軸13の回動に伴って開閉軸31が回動し、扉板33が開閉するようになっている。さらに、ピストン111が下死点に位置する状態で、扉板33の板面がピストンロッド112と直交して扉板33が全閉し(図18参照)、ピストン111が上死点に位置する状態で、扉板33の板面がピストンロッド112と平行して扉板33が全開となる(図19参照)ように、回動軸13と開閉軸31とが連結されている。
【0036】
このような構成の扉開閉装置20によれば、実施の形態1と同様に、ピストン111の進退動の開始時には回動軸13がゆっくり回動し、扉板33もゆっくり開閉し始め、ピストン111の進退動の停止時には回動軸13がゆっくり停止し、扉板33もゆっくり開閉を終了する。このため、扉板33が開閉する際に大きな衝撃音が発生したり、大きな衝撃力が加わることが抑制される。しかも、扉板33の開閉開始時および停止時におけるトルクが最大となるため、扉板33の開閉をより適正に行うことが可能となる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、回動軸13が90度の範囲で回動するように溝カム123のカム曲線が設定されているが、より広い範囲で回動軸13が回動するように溝カム123のカム曲線を設定してもよい。また、溝カム123がカム板121を貫通しているが、貫通させずに断面を凹状に形成してもよい。
【0038】
さらに、バルブユニット10や扉開閉装置20以外の装置(緊急遮断弁など)にもカム式アクチュエータ1を適用することができる。この場合、上記の実施の形態では、回動軸13がゆっくり回動し始め、その後早く回動し、回動軸13がゆっくり停止するように、溝カム123のカム曲線が設定されているが、適用する装置の機能特性や要求仕様などに応じて、所望の回動タイミング(回動速度)で回動軸13が回動するように溝カム123のカム曲線(MS曲線)を設定する。また、駆動手段(ピストン111)の駆動源がエアである場合について説明したが、油圧や電磁力など他の駆動源であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるバルブユニットで、ジスクが全閉している状態を示す斜視図(一部内部図)である。
【図2】図1のバルブユニットのジスクが全開している状態を示す斜視図(一部内部図)である。
【図3】図1のバルブユニットのカム式アクチュエータの平面図である。
【図4】図3のカム式アクチュエータの正面図である。
【図5】図4のA−A断面図で、ピストンが下死点に位置する状態を示す図である。
【図6】図4のA−A断面図で、ピストンが上死点に位置する状態を示す図である。
【図7】図3のB−B断面図で、ピストンが下死点に位置する状態を示す図である。
【図8】図3のB−B断面図で、ピストンが上死点に位置する状態を示す図である。
【図9】図4のC−C断面図である。
【図10】図3のカム式アクチュエータの回動軸の回転角と無次元力との関係を示す図である。
【図11】図5の状態のカム式アクチュエータの内部を示す斜視図である。
【図12】図11の平面図である。
【図13】図11の一部を示す斜視図である。
【図14】図6の状態のカム式アクチュエータの内部を示す斜視図である。
【図15】図14の平面図である。
【図16】図14の一部を示す斜視図である。
【図17】図1のバルブユニットのカム式アクチュエータとバタフライバルブとの連結状態を示す断面図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係わる扉開閉装置で、扉板が全閉している状態を示す斜視図(一部内部図)である。
【図19】図18の扉開閉装置の扉板が全開している状態を示す斜視図(一部内部図)である。
【符号の説明】
【0040】
1 カム式アクチュエータ
11 エアシリンダ(駆動手段)
111 ピストン(駆動手段)
112 ピストンロッド(駆動手段)
12 主ケーシング
121 カム板(進退動部材)
122 ガイド棒
123 溝カム(カム部)
13 回動軸
131 レバー
132 カムフォロア
14 底面カバー
15 軸受ブロック
2 バタフライバルブ(バルブ)
21 ボディ
22 ステム
23 ジスク(弁体)
24 はめ込みシート
3 扉ユニット
31 開閉軸
32 軸支体
33 扉板(開閉扉)
10 バルブユニット
20 扉開閉装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進退動自在に配設され、カム部が設けられた進退動部材と、
前記進退動部材を進退動させる駆動手段と、
軸心を中心に回動自在に配設され、前記カム部に当接するレバーが設けられた回動軸と、を備え、
前記進退動部材が進退動することで、前記レバーが前記カム部に押されて揺動して前記回動軸が回動するように、前記カム部のカム曲線が設定されている、
ことを特徴とするカム式アクチュエータ。
【請求項2】
前記進退動部材は板状で、前記カム部は前記進退動部材の板面側に形成された溝カムで、前記溝カムに前記レバーの自由端部が摺動自在に装着されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のカム式アクチュエータ。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載のカム式アクチュエータを備えたバルブユニットであって、
前記回動軸にバルブの弁体が連結され、前記回動軸の回動に伴って前記弁体が開閉する、ことを特徴とするバルブユニット。
【請求項4】
請求項1または2のいずれか1項に記載のカム式アクチュエータを備えた扉開閉装置であって、
前記回動軸に板状の開閉扉が連結され、前記回動軸の回動に伴って前記開閉扉が開閉する、ことを特徴とする扉開閉装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−84847(P2010−84847A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254627(P2008−254627)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(390027786)大久保歯車工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】