説明

カメラシステムおよびカメラ制御方法

【課題】複数の自由曲面プリズムと単一の撮像素子とを用いることにより得た、撮像する画角が大きく歪の少ない広範囲のステレオ画像を、使用者にとって見やすく表示させるカメラシステム及びカメラ制御方法を提供すること。
【解決手段】所定の周期で被写体像を電気信号に変換する単一の撮像素子と、複数の異なる方向からの被写体像を複数の自由曲面プリズムによって撮像素子上の所定の領域に結像させる光学系と、撮像素子からの出力に基づいて第1の動画像を生成する手段と、その第1の動画像を各領域に対応する部分画像に分割する手段と、その部分画像を所定の配置で第2の動画像に合成する手段と、その第2の動画像を表示装置に表示させる手段と、分割された2つの部分画像に基づいて、2つの部分画像中に共通する被写体までの距離を算出する手段を備え、各自由曲面プリズムが、ステレオ画像として結像することが可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを制御するカメラシステムおよびカメラ制御方法に関し、特に、複数のプリズムで光路が制御された異なる方向からの各被写体像を単一の撮像素子で結像したカメラを制御するカメラシステムおよびカメラ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載センサーとしてのカメラや、車両の前方、後方、両サイドを撮像するためのカメラ等、カメラを使用する場面が増えてきている。
このようなカメラに用いられる従来の撮影光学ユニットとしては、撮像レンズの前方にプリズムを配置し、このプリズムより入射された光を結像レンズに通して単一の撮像素子の撮像面で結像させることによって、複数の視野を同時に映し出す構造の車載カメラユニットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、特許文献1のような撮影光学ユニットを用いた場合、プリズムと撮像素子との間に配される撮像レンズが複合レンズとして構成されており、ホルダ内に内包されて1つのレンズに組み立てられているため、該プリズムの入射位置と撮像素子の受光面との間を、その構造上短縮することが困難であり、したがって撮影光学ユニットそのもののサイズの小型化が困難である。
【0004】
また、従来のこの種の撮影光学ユニットでは、200度程度の画角を持つ魚眼レンズを使用し、必要な画角を切り取り歪補正後に運転者に画像の情報を提供する方法がある(例えば、特許文献2参照。)が、このような撮影光学ユニットを用いた場合も、同様にレンズ構造上短縮するのが困難で撮影光学ユニットそのもののサイズの小型化が困難である。また、魚眼レンズ故に視認性の低い画像しかえられず、歪補正を行うとしても周辺の情報不足により実態とはかけ離れた画像が見えていた。
【0005】
他方、車間距離センサーとしては、レーザやミリ波といった手法を用いてのシステムが使用されている。これらのシステムは、カメラを2個使用してのステレオによる手法も利用されている。このようなシステムの場合、3次元で環境認識ができるため、車両だけでなく歩行者や障害物、車線、道路形状も把握可能となっている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
ところが、このようなステレオカメラ部においては、2個の撮像素子を使用するため、それぞれにレンズ群が必要であり、ステレオ光学系を小型軽量に構成することが難しく、コストがかかってしまう。
【特許文献1】特開2000−89301号公報
【特許文献2】特開2006−262447号公報
【特許文献3】特開2004−258266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のステレオ撮影光学ユニットは、小型化が困難である上、視認性に優れていない画像しか表示できない、という問題点があった。
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、複数の自由曲面プリズムと単一の撮像素子とを用いることにより得た、撮像する画角が大きく、かつ、歪の少ない広範囲の画像を、使用者にとって見やすい画像として表示装置に表示させるカメラシステムおよびカメラ制御方法と小型軽量に構成したステレオ測距画像の入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明のカメラシステムは、所定の周期で被写体像を電気信号に変換する単一の撮像素子と、複数の自由曲面プリズムで構成され、複数の異なる方向からの被写体像をそれぞれ前記各自由曲面プリズムによって前記撮像素子上の所定の領域に結像させる光学系と、前記撮像素子から出力した電気信号に基づいて第1の動画像を生成する動画像生成手段と、前記動画像生成手段によって生成された前記第1の動画像を前記各領域に対応する部分画像に分割する像分割手段と、前記像分割手段によって分割された前記部分画像を所定の配置で第2の動画像に合成する像合成手段と、前記像合成手段によって合成された前記第2の動画像を表示装置に表示させる表示制御手段と、前記像分割手段によって分割された少なくとも2つの部分画像に基づいて、前記2つの部分画像中に共通する被写体までの距離を算出する距離算出手段とを備え、前記各自由プリズムが、前記複数の方向のうち、少なくとも2つの方向は略同方向であり、その僅かな方向のズレによりステレオ画像として結像することが可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のカメラシステムは、前記光学系が、被写体に対して前記撮像素子の直前に配置されていることが望ましい。
また、本発明のカメラシステムは、前記各領域が重ならないように前記各自由曲面プリズムが配置されていることが望ましい。
【0010】
また、本発明のカメラシステムは、ステレオカメラ部とカメラ制御部を備え、前記ステレオカメラ部が、前記撮像素子と前記光学系を有し、前記カメラ制御部が、前記動画像生成手段と前記像分割手段と前記像合成手段と前記表示制御手段と前記距離算出手段とを有することが望ましい。
【0011】
また、本発明のカメラシステムは、前記ステレオカメラ部が、車両の外部を撮像するように前記車両に配置されていることが望ましい。
また、本発明のカメラシステムは、前記2つの方向が、前記車両の前方方向または後方方向であることが望ましい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、本発明のカメラ制御方法は、所定の周期で被写体像を電気信号に変換する単一の撮像素子と、複数の自由曲面プリズムで構成され、複数の異なる方向からの被写体像をそれぞれ前記各自由曲面プリズムによって前記撮像素子上の所定の領域に結像させる光学系とを備えるステレオカメラを制御するカメラ制御方法である。そして、前記撮像素子から出力した電気信号に基づいて第1の動画像を生成し、前記生成された前記第1の動画像を前記各領域に対応する部分画像に分割し、前記分割された前記部分画像を所定の配置で第2の動画像に合成し、前記合成された前記第2の動画像を表示装置に表示させ、前記分割された少なくとも2つの部分画像に基づいて、前記2つの部分画像中に共通する被写体までの距離を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像する画角が大きく、かつ、歪の少ない広範囲の画像を、使用者にとって見やすい画像として表示装置に表示させることが可能となる。
また、小型軽量に構成したステレオ測距画像の入力装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、撮影光学ユニットの外観を表す図(その1)であり、図2は、撮影光学ユニットの外観を表す図(その2)であり、図3は、図1および図2に示した撮影光学ユニットの分解状態を示した図であり、図4は、図1におけるA−A断面を示した図であり、図5は、フレーム部分の外観を表す図(その1)であり、図6は、フレーム部分の外観を表す図(その2)である。
【0015】
フレーム1は、複数個の自由曲面プリズム4、5、6、22を組み入れるためのものである(図3参照)。このフレーム1には、長手方向の中央部分に天面壁1aから底面壁1bに向けて貫通孔hが形成されており、天面壁1a、底面壁1bの両側に位置する傾斜側壁1c、1dには該貫通孔hに連通するように切り欠かれた区画凹所e1〜e4が設けられている。そして、該区画凹所e1〜e4の底部の対向位置には、2つで1組になる座部t1〜t8が形成されている(図3参照)。
【0016】
また、ホルダ2は、前記フレーム1を載置するためのものであり、カバー体3は、このホルダ2に合わさって自由曲面プリズム4、5、6、22をフレーム1とともに内側に収納するためのものである。カバー体3には、自由曲面プリズム4、5、6、22の第1面(入射面)において開口する窓孔3a〜3cが設けられており、フレーム1とは螺子や接着によって着脱自在に固定される。カバー体3の窓孔3a〜3cには、異物の侵入を防止するためカバーガラス等が適宜設けられ、窓孔3a〜3cの開放角度は、自由曲面プリズム4、5、6、22の性能(撮影できる視野の範囲)や絞りに応じて設定される。
【0017】
また、自由曲面プリズム4(以下、第1の光学素子ということもある。)は、左側視野を真横(カバー体3に形成された凹部である窓孔3cの外表面)から前方に向けて角度θ1:60度の範囲で撮影を可能とした自由曲面のプリズムである(図3、図4、図8参照)。
【0018】
自由曲面プリズム(以下、第2の光学素子ということもあり、外観形状は自由曲面プリズム4と同じ。)5は、第1の光学素子4と同様の自由曲面のプリズムである(図3参照)。この第2の光学素子5は、入射面である第1面を第1の光学素子4とは正反対に指向させて貫通孔hに並列に配置されるものであり、右側の視野を真横から前方に向かって角度θ2:60度の範囲で撮影することが可能になっている。ここで、正反転に配置するとは、具体的に図3に示したように、第1の光学素子4に対し撮像素子15へ向かう軸上主光線の周りで180度回転させて相互に平行となる配置をいう。
【0019】
また、自由曲面プリズム(以下、第3の光学素子ということもある。)6は、第1の光学素子4、第2の光学素子5と同様の構成になる自由曲面のプリズムである(図3参照)。この第3の光学素子6は、第2の光学素子5とは入射面である第1面6aの向きを正反対に指向させて貫通孔hに並列に配置されるものであり(図3参照)、その第1面6aの入側には三角柱状あるいは台形状等にて形成された前段プリズム7が配置されている(図1〜4参照)。
【0020】
前段プリズム7より入射された光は、第3の光学素子6を経て撮像素子15において結像される。すなわち、該第3の光学素子6は、真正面を基準に右側、左側へそれぞれ30度、合計で角度θ3:60度の範囲における視野(前方視野)の撮影を可能としている。
【0021】
また、自由曲面プリズム(以下、第4の光学素子ということもある。)22は、第1の光学素子4、第2の光学素子5、第3の光学素子6と同様の構成になる自由曲面のプリズムである(図3参照)。この第4の光学素子22は、第3の光学素子6とは入射面である第1面6aの向きを正反対に指向させて貫通孔hに並列に配置されるものであり(図3参照)、その第1面6aの入側には、前段プリズム7と同様の三角柱状あるいは台形状等にて形成された前段プリズム21が対称の位置に配置されている(図1〜4参照)。
【0022】
前段プリズム21より入射された光は、第4の光学素子22を経て撮像素子15において結像される。すなわち、該第4の光学素子22は、第3の光学素子6と同様、真正面を基準に右側、左側へそれぞれ30度、合計で角度θ4:60度の範囲における視野(前方視野)の撮影を可能としている。
【0023】
ただし、第3の光学素子6と第4の光学素子22とは、後述するように視野が僅かにずれている。
さらに、弾性舌片8(8a〜8d)は、フレーム1の天面壁1aにねじ止めあるいは接着により設けられ、第1〜3の光学素子4〜6の上端に弾性接触してフレーム1に強固に固定保持する弾性舌片である(図3〜6参照)。この弾性舌片8は、片持ち支持になる板ばね等を例として示してあり、その先端にはシリコンゴムの如き緩衝部材9(9a〜9d)が設けられている。
【0024】
撮像素子15の下側には基板(フレキシブルプリント基板等)17を介して放熱板18が設けられ、該撮像素子15の上には保護板19(ガラス等)が設けられている。基板17、放熱板18、保護板19は、撮像素子15とともにホルダ2の貫通開口においてフレーム1の貫通孔hに対応するよう配置されている(パッケージ化されている)。撮像素子15は、シリコンシート等の絶縁部材を配置することにより、基板17、放熱板18とは適宜絶縁処理がなされている。
【0025】
上記のような構成の撮影光学ユニットにおいては、第1の光学素子4を通して出射された光が右側60度の視野として撮像素子15において結像され、第2の光学素子5を通して出射された光が左側60度の視野として撮像素子15において並列に結像され、さらに、前段プリズム7及び第3の光学素子6と、前段プリズム21及び第4の光学素子22とを通して出射された光が前方60度の視野として撮像素子15において並列に結像される。すなわち、単一の撮像素子15において4つの視野が並列に結像される。このような構成の撮影光学ユニットにおいては、右側から左側、あるいは左側から右側にわたる180度の範囲における撮影が可能となり、さらに前方のステレオ画像撮影が可能となる。
【0026】
本発明の実施の形態では、右側60度、左側60度、前方60度の範囲における視野を結像させる撮影光学ユニットを例として説明したが、撮影可能な視野の範囲は使用する自由曲面プリズム4、5、6、22そのものの性能や組合せによって適宜変更することができるものであり、各自由曲面プリズム4、5、6、22の視野が60度の範囲に限定されるものではない。
【0027】
また、第1の光学素子4と第2の光学素子5の2つのみで撮影光学ユニットを構成してもよいし、第3の光学素子6と第4の光学素子22の2つのみでステレオ撮影光学ユニットを構成してもよいし、左側又は右側の何れか一方と、前方あるいは後方の何れか一方の視野を結像させるように別の光学素子を組み込んで撮影光学ユニットを構成することも可能である。このような構成では光学素子の設置個数が少なくて済む分、構造をより簡素化することができ撮影光学ユニット自体のさらなる小型化が可能となる。
【0028】
また、360度の視野を撮像することを可能にするために、本実施の形態に示した構成の撮影光学ユニットを2組み背面合わせとした構成を採用することはもちろん、さらに上下に組み込んだ構成を採用することもできる。
【0029】
本発明を提供した撮影光学ユニットは、特に車両に搭載して外部の視野を撮影するのに好適であるばかりでなく、車両の内部に設置して車両の内外を監視する監視カメラとしても有用であり、またカプセル型内視鏡等にも適用し得る。
【0030】
図7は、撮影光学ユニットを車両に搭載した例を示す図である。
図7に示すように、左右両方向を同時に撮影可能とする本発明を適用した撮影光学ユニットUを、車両のフロントグリルの中央部に取り付けて、両サイド及び前方のモニタとして使用することができる。このような使用例においては、車両の走行に際して両サイドにおける安全性がより高まる。
【0031】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る撮影光学ユニットの概要を説明するための図であり、図9は、本発明の第1の実施形態に係る画面のサイズ及び撮像素子15に結像されるイメージを説明するための図であり、図10は、被写体の例を示す図である。
【0032】
図8に示したように、本発明の第1の実施形態に係る撮影光学ユニットは、前述の自由曲面プリズム4、5、6、22および前段プリズム7、21から構成されるプリズム群50と撮像素子15とが配置されている。
【0033】
一般的なカメラなどの通常の撮像素子では、画面のアスペクト比が4対3であり、画面サイズの長い4の方向が水平方向、短い3の方向が垂直方向に被写体を正対する。ところが、本発明の第1の実施形態に係る撮影光学ユニットでは、通常の画面を90度回転させ、図9に示されるように4分割された画像の垂直方向が画面サイズの長い4の方向に配置し、短い3の方向が4分割された画面の長い方向を撮像するよう構成されている。すなわち、図9に示した画像51aは、自由曲面プリズム4による右側視野60度で撮像された画像であり、画像51bは、自由曲面プリズム5による左側視野60度で撮像された画像であり、画像51cは、自由曲面プリズム6と前段プリズム7による中心視野60度で撮像された画像である。
【0034】
さらに、後述するが、画像51dは、自由曲面プリズム22と前段プリズム21による中心視野60度で撮像された画像であり、画像51dと画像51cとが一定の視差を持っている。これらの画像51cと画像51dがステレオ測距で必要となる画像である。
【0035】
図10に示されている画像は、被写体のイメージであり、例えば、車体の正面に設置されたカメラの画像を運転者から見た画像で表示装置上に正対した像として映し出すものとする。この図10に示されたイメージを撮像した場合の画像は、図9に示した画像51a、51b、51c、51dから構成されることを現している。
【0036】
図11は、撮影光学ユニットの構成を示す図であり、図12は、3画面(51a、51b、51c)を2段表示にした表示例を示す図である。
図11において、撮影光学ユニットは、ステレオカメラ部52、カメラコントローラ71、ドライビングコントローラ72を備えている。
【0037】
前記ステレオカメラ部52は、前述の自由曲面プリズム4、5、6、22、前段プリズム7、21、撮像素子15の他、TG/SSG部60、CDS/AGC/A/D部61、デジタル信号処理部62、シリアル(Serial)I/F63、通信I/F74を備えている。
【0038】
前記カメラコントローラ71は、CPU53、操作入力部54、画像処理MPU57、メモリ58、通信I/F75、通信I/F77を備えている。
また、前記ドライビングコントローラ72は、画像表示部55、液晶コントローラ56、外部メモリ66、警報装置67、通信I/F78が、バス79を介して接続されている。
【0039】
なお、撮影画像のホワイトバランスや露出補正、シャッタースピードなどの設定については、一般的な車載カメラなどと同等であり、詳細は省略する。
また、ステレオカメラ部52による測距原理については、後述する。
【0040】
ステレオカメラ部52は、動画と静止画を撮像可能であり、このステレオカメラ部52に対してカメラコントローラ71のCPU53及び画像処理MPU57が、通信I/F74、75を介して接続されている。画像処理MPU57は、画像の反転、回転、鏡像、縮小、拡大、画像張り合わせ等の処理を行う。そして、その画像処理MPU57で処理された画像を、通信I/F77、78、および液晶コントローラ56を介して、モニタ装置として使用される画像表示部55に出力する。
【0041】
また、ステレオカメラ部52は、図10に示したような被写体イメージを撮像するための自由局面のプリズム群50、及びこのプリズム群50による結像位置に配置されたCMOS/CCDでなる撮像素子15を有する。撮像素子15で得た画像情報は、後述するCPU53により、動画、静止画、上述したホワイトバランス、露出補正、シャッタースピードなどを制御し、画像表示部55に出力される。
【0042】
ステレオカメラ部52のTG/SSG部60は、駆動タイミング、パルスを発生し撮像素子15の動作タイミングを生成している。ステレオカメラ部52のCDS/AGC/AD61は、撮像素子15から得られた画像情報を相関二重サンプリングし信号量に応じて利得を調整しA/D変換され、デジタル信号処理62に送られる。そして、デジタル信号処理62では、カラー信号補間、カラー補正、ホワイトバランスなどの処理が行われ、画像情報をMPU57に供給する。
【0043】
シリアルI/F63は、CPU53からの情報に従って、各種信号のデフォルト値や可変された露出、利得などのコマンドを実行し、ステレオカメラ部52の制御を行う。
供給された画像情報は、CPU53からの画像表示方法の指示に基づき、後述する画像の処理を行い、液晶コントローラ56を介して画像表示部55にて表示される。近年、グラフィック表示機能が充実しており、画像の反転、回転、鏡像の表示は、液晶コントローラ56で行い、画像処理MPU57の負担を軽減することもできる。
【0044】
次に、画像表示部55に出力された画像を表示するための画像処理および加工について説明する。
前出の図9は、自由曲面プリズム4、5、6、22を介して撮像素子15に結像された像を表しているが、撮像素子15を750画素×480画素で想定すると、図9に示したように、4分割であれば1画面の画素数は、縦187画素、横480画素となる。
【0045】
一方、この4分割された画面のうち画像表示部55に表示する3画面は、左60度51a、右60度51b、中心60度51cの計180度を撮像することになるが、このまま縦187画素、横480画素を画像表示部55に表示すると、縦は問題ないが、横に1440画素必要となり、現在車載用として主流であるWVGA(横750画素×縦480画素)のサイズの液晶画像表示部55では3画面が並ばない。
【0046】
そこで、画像処理MPU57では、液晶画像表示部55に、後述する各種表示方法に応じた画像の画素間引き、縮小、拡大、カットなどを行う機能を持たせている。
さらに、3画面のうち画像表示部55上の画像の表示については、図12に示したように、画像表示部55上の画面の上半分の領域に左側視野および右側視野の2画像51a、51bを配列し、下半分の領域に中心視野の画像51cを配列することも可能である。
【0047】
次に、画像取り込み、画像処理、および画像処理後の液晶表示までの流れを説明する。
図13は、本発明を適用したカメラ制御処理の流れを示すフローチャートであり、図14は、本発明を適用したカメラシステムの機能ブロックを示す図であり、図15は、第1のフレームメモリの構成を示す図であり、図16は、第3のフレームメモリの構成を示す図である。
【0048】
自由曲面プリズム4、5、6、22を介して撮像素子15に結像された像は、前述した通り、図9の画像51のように撮像される。
まず、4つに分割された画像のうち、画像表示部55にて任意に表示される3枚の画像である、左側視野60度の撮像された画像51a、右側視野60度の撮像された画像51b、中心視野60度の撮像された画像51cの処理について説明する。
【0049】
最初に、ステップS701において、撮像部701が画像を撮像し、次のステップS702において、撮像された画像が、ADC(A/Dコンバータ)702によってA/D変換される。そして、ステップS703において、画像生成部703によって、カラー信号補間、カラー補正、ホワイトバランス、ガンマ補正の処理に付された後、次のステップS704において、第1のフレームメモリ704に格納される。
【0050】
この際、第1のフレームメモリ704に格納される画像は、図15に示される通り、撮像素子15から読み取られた操作順に格納される。図15に示した例では、1A、1B、1C、1D、2A、2B、2C、2D、3A、3B、3C、3Dの順で、第1のフレームメモリ704に格納されることになる。
【0051】
次に、ステップS705において、第1のフレームメモリ704に格納された元画像は、読出/書込コントローラ705によって、アドレスメモリ706を参照し、アドレスメモリ706の画像分割アドレスの指定に従って演算され、ステップS706において、第3のフレームメモリ707に格納される。図13に示した例では、1A、2A、3A、1C、2C、3C、1B、2B、3Bの順で、第3のフレームメモリ707に格納されることになる。
【0052】
この際、第3のフレームメモリ707に格納される画象は、図16に示される通り、第1のフレームメモリ704に格納された画像を上下および左右反転し、さらに左側視野60度、右側視野60度、中心視野60度の撮像された画像が正対した画像になるよう配列され格納されることになる。
【0053】
そして、ステップS707の「表示設定処理」のサブルーチンが実行される。本実施の形態では、画像表示部55に表示するモニタ表示形式は、前述したように少なくとも2つ以上の選択肢を設けている。
【0054】
図17は、カメラ制御処理のサブルーチン「表示設定処理」の流れを示すフローチャートであり、図18は、縮小して3画面表示した場合の表示例を示す図である。
まず、ステップS710において、ユーザーによるモニタ表示形式の設定を確認する。すなわち、表示モードスイッチ713で切り替えの指示があるか否かを検出する。
【0055】
モニタ表示形式の設定に変更があれば(ステップS710:YES)は、ステップS711に進み、表示パターンを参照して対応するアドレスパターンを設定する。他方、モニタ表示形式の設定に変更がなければ(ステップS710:NO)、変更前の表示バターンのままで、次のステップS712に進む。
【0056】
そして、ステップS712において、表示パターンが単画面表示か否かを判断する。ここで、単画面表示の場合は、表示する画像を縮小することになり、単画面表示でない場合は、縮小せずに画素そのままとする。
【0057】
表示パターンが単画面表示である場合(ステップS712:YES)、ステップS714において、アドレスメモリ706を参照して、縮小のための演算を実行する。例えば、ある画素の周囲の4ピクセルを線形あるいは3次元関数を用いて画素を作り、補間を行う方法も開示されている。
【0058】
そして、ステップS715において、第3のフレームメモリ707から読み出し、ステップS716において、補間部709が、読み出した画像を上述のような方法を用いて補間する。
【0059】
次に、ステップS717において、補間した画像に画像表示部55への水平スタートアドレス、水平エンドアドレス、垂直スタートアドレス、垂直エンドアドレスの書き込みアドレスを付加し、ステップS718において、第4のフレームメモリ710に格納する。
【0060】
そして、ステップS719において、全画面の書き込みが完了したか否かを判断し、完了していなければ(ステップS719:NO)、ステップS714に戻ってそれ以降を繰り返し、完了していれば(ステップS719:YES)、ステップS720において、表示コントローラ711により表示の更新処理が行われ、図18に示したような画面を表示パネル712へ表示する。
【0061】
図17のステップS712で、表示パターンが単画面表示でないと判断された場合(ステップS712:NO)は、表示する画像を縮小せず、画素そのままを表示するか、あるいは、図12に示したように、画像表示部55上の画面の上半分の領域に左側視野および右側視野の2画像51a、51bを配列し、下半分の領域に中心視野の画像51cを配列した表示を行うかが選択可能である。
【0062】
すなわち、表示パターンが単画面表示でない場合(ステップS712:NO)、例えば、図12に示したような、中心視野、右視野および左視野の3画面を2段表示にする場合、ステップS722において、アドレスメモリ706を参照して、表示のための演算を実行し、ステップS723において、例えば中心視野を中心に表示する場合は、第3のフレームメモリ707から所定のアドレスを読み出す。
【0063】
次に、ステップS724において、表示する画像に画像表示部55への水平スタートアドレス、水平エンドアドレス、垂直スタートアドレス、垂直エンドアドレスの書き込みアドレスを付加し、ステップS725において、第4のフレームメモリ710に格納する。
【0064】
そして、ステップS726において、第4のフレームメモリ710に対する3枚全画面の書き込みが完了したか否かを判断し、完了していなければ(ステップS726:NO)、ステップS722に戻ってそれ以降を繰り返し、完了していれば(ステップS726:YES)、ステップS720において、表示コントローラ711により表示の更新処理が行われ、図12に示したような画面を表示パネル712へ表示する。
【0065】
図19は、測距を行うためのステレオ光学系の平面を表す図である。
図19に示したステレオ光学系は、4画面分割構成の場合のステレオカメラ部52からステレオ光学系のみを抽出し、測距に必要な自由曲面プリズム6、22と前段プリズム7、21と撮像素子15とを抽出した平面図になっている。
【0066】
このステレオカメラ部52は、所定の間隔をおいて撮影光学系が配置されている。このステレオカメラ部52は、それぞれの光軸が平行に配置された自由曲面プリズム6、22とその前段に配置された前段プリズム7、21とを介して取り込まれた被写体の像を結像する撮像素子15とにより構成される。
【0067】
次に、一般的なレンズと2つの撮像素子を用いた場合のステレオカメラにおける測距式を簡単に説明する。
図20は、2つの撮像素子を用いたステレオカメラにおける測距式を説明するための図である。
【0068】
図20において、焦点距離fの受光レンズ81a及び81bが、レンズ間視差(基線長)Bをおいて配置されている。そして、これらの受光レンズ81a及び81bの後方に、焦点距離fだけ離れた位置に撮像素子80a及び80bが配置されている。この場合、撮像素子80aの結像位置に対する撮像素子80bの結像位置をxとすると、受光レンズ81a及び81bから被写体82までの被写体距離Lは、周知の三角測距の原理に従って、次式の関係により求められる。
【0069】
L=B×f/x ・・・(1)
但し、Lは被写体距離、Bは受光レンズ間の視差(基線長)、fは受光レンズの焦点距離である。
【0070】
また、上記結像位置xが、受光位置の変位、すなわち受光レンズ81a及び81bによる左右対応点のズレである。このとき、撮像素子80a及び80bに結像される被写体像83a及び83bは、図20中の(b)のように示される。
【0071】
次に、本発明を適用したステレオカメラ部の機能を説明する。
図21は、警報情報の生成までの処理の流れを示すフローチャートであり、図22は、第2のフレームメモリの構成を示す図である。
【0072】
この図21と図14とを用いて、ステレオ画像の取り込み、測距、警報情報の生成までの流れを説明する。
前記ステレオカメラ部52は、図10に示す被写体を撮影する撮像素子15と、前記撮像素子15の前方に取り付けられるプリズム群50と、距離画像出力部723から出力された被写体の距離画像725を計測する画像処理MPU57と、測距結果から警報が必要と判断された場合に運転者に情報を提供する警報装置67から構成される。
【0073】
本ステレオカメラ部52は、一般のビデオカメラ、デジタルスティルカメラなどと同様に、露出検出部715と露出コントローラ716とを適宜備え、撮像素子15からの輝度情報により算出された露出値に応じて撮影露出の自動調整を行っている。
【0074】
また、前記ステレオカメラ部52は、それぞれの光軸が平行に配置された自由局面プリズム6、22とその前段に配置された前段プリズム7、21とを介して取り込まれた被写体の撮像素子15に像を結像することが出来るようになっている。
【0075】
このようにしてステレオカメラ部52で撮影された、すなわち、撮像素子15で捕らえたステレオ画像726は、図14に示すように、ADC702でA/D変換され、画像生成部703でカラー信号補間、カラー補正、ホワイトバランス、ガンマ補正等の処理が付された後、図13のステップS704において、第1のフレームメモリ704に格納されている。その後、ポーリングが開始される。
【0076】
ポーリングが開始されると、ステップS730において、運転者によって操作入力部54の測距機能の選択の指示があるか否かを判断する。
測距機能の選択の指示がない場合(ステップS730:NO)は、図17のステップS701に戻る。
【0077】
他方、測距機能の選択の指示がある場合(ステップS730:YES)は、ステップS731において、第1のフレームメモリ704に格納された、図9に示す4画面の内、撮像された画像51c、51dのアドレス値を、アドレスメモリ706から参照する。図9に示したように、図中の4画面の内、中心視野の60度左側が撮像された画像51cと中心視野の60度右側が撮像された画像51dとは、ある一定の視差が生じることになる。
【0078】
次に、ステップS732において、ステップS731で参照されたアドレスに従って左側と右側の画像51c、51dを第1のフレームメモリから読み出す。
次に、ステップS733において、ステップS732で第1のフレームメモリ703から読み出した画像51c、51dに対して、レクティフィケーション部717が左側と右側の画像51c、51dのエピポーラ線を一致するように各々の画像変換処理(レクティフィケーション)を行う。そして、ステップS734において、レクティフィケーション処理された右画像718と左画像719を、図22に示すように1C、2C、3C、1D、2D、3Dの順で第2のフレームメモリ720に格納する。
【0079】
ステレオによる三次元情報抽出については、既に研究、論文等で各種報告されているので、詳細の計算による理論、手法は各文献等を参照されたい。ここでは、簡単にレクティフィケーションについて説明する。
【0080】
図23は、レクティフィケーション前の左右画像を示す図であり、図24は、レクティフィケーション後の左右画像を示す図である。
本実施の形態のステレオによる測距方法は、単一の撮像素子15から撮像された2枚の画像51c、51dを使用して、これらの画像51c、51d中に共通して存在する、ある同一着目点の視差量から距離の情報を算出するものである。
【0081】
レクティフィケーションとは、両画像の視差量算出の前に行われるもので、ある左右の同一着目点が同一線(エピポーラ線)上に配置されるよう視点変換、歪曲収差除去、回転変換などを行い、その両画像間の幾何関係(エピポーラ幾何)を同一平面上に存在するよう変換するものである。
【0082】
図23にレクティフィケーション前の画像として、左画像領域を基準とした左と右の画像領域を示した。画像中の着目点a、bの位置が左画像の同一直線上にあるとした場合、このときの右画像は、図のように「りんご」と「箱」の奥行きのため上下位置に差が生じている。さらに、カメラには、レンズの取り付け位置に上下方向のシフトが付いている。そのため、右画像の左画像に対する着目点a、bの位置が下にシフトしており同一線上に並ばなくなる。
【0083】
ここで、この着目点a、bが両画像間で同一直線上に並べる処理をレクティフィケーションと言う。
図24にレクティフィケーション後の画像を示した。着目点a、bが両画像間で同一直線上に並んでいるため、着目点を探索するには二次元での探索ではなく、一次元での探索で位置が推定できることになり、この両画像の視差を求めることで距離が算出できることになる。
【0084】
図21の説明に戻る。
次に、ステップS735において、第2のフレームメモリ720に格納された右画像718と左画像719を、読出/書込コントローラ721で読み出し、右画像718と左画像719の同一着目点を比較し、ステップS736において、距離算出部722が視差を算出する。距離算出部722による距離計算方法は、例えば、特許文献3(特開2004−258266号公報)に記載されている方法等に基づき実行される。
【0085】
そして、ステップS737において、距離画像出力部723が被写体の三次元の距離画像725を出力する。
次に、ステップのS738において、新たな警報情報があるか否かを判断し、新たな警報情報がなければ(ステップS738:NO)、ステップS733に戻り、新たな警報情報があれば(ステップS738:YES)、ステップS739において、警報情報作成部724が、例えば車などの着目物体に危険域まで近づいているなどの警報情報を作成する。
【0086】
そして、ステップS740において、警報情報を含む画面を更新表示していく。例えば、表示コントローラ727で表示パネル712ヘのOSD表示を生成している。
また、ステレオカメラ部52は、キャリブレーション部714をさらに備え、レクティフィケーション部717に対してレクティフィケーションパラメータを出力し、距離算出部722に対して距離算出用パラメータを出力する。
【0087】
なお、距離画像処理の各ブロックは、計算機上のソフトウェアで実現してもよい。
図25は、2画面分割構成でステレオのみの場合のステレオカメラ部を示す図であり、図26は、2画面分割構成の場合のイメージャ(WVGA)への画面イメージを示す図である。
【0088】
CPU53は、画像情報と車両情報を統括する役割を持っており、例えば、ステレオカメラ部52で処理された結果を画像表示部55に表示したり、ステレオカメラ部52で得られた距離情報を分析して、警報装置67に警報を発生させたりして、運転者に安全運転を促すことができるようになっている。
【0089】
なお、警報装置67は、音声装置や振動装置などから構成されている。運転者の触覚を刺激する、運転者の視覚に訴えるような情報を出す取り組みが近年盛んであり既知ではあるが、例えば、音声装置はスピーカ等からの音声、液晶パネルでは、OSD表示、HUD表示、振動装置はステアリングハンドル、アクセルペダル、運転席シートの振動により運転者に警報を発するものを利用する。
【0090】
このように、このカメラシステムによると、本発明に直接関係しないためその詳細説明は省略するが、本実施の形態に係るステレオカメラ部52から得られた画像情報と、各種センサー等から得られた車両情報とを統合することができ、画像表示部55による画像情報の表示、警報装置67による警報等により、運転者に安全走行を促すことができる。
【0091】
例えば、前方の被写体に近づきすぎたときに注意を促す表示、警報、さらには例えば既知ではあるが、先行車までの距離/自車走行スピードで先行車までの到達時間を割り出し、2秒、15秒などのある一定時間以内の場合にブレーキの制御を行うことができる。
【0092】
若しくは、道路の分離帯を読み取って自動で運転を制御する等に用いることができる。
その他に、車外を観察し、前方や後方の走行車両、障害物、白線検知等に用いる他、車内の運転者、搭乗者の顔の位置、向きを検出し、脇見運転や居眠りの検知、エアバック点火時に、大人か子供か、顔の位置方向を判断し、安全にエアバッグを作動させるセンサーとして利用することも可能である。
【0093】
また、本発明を適用したカメラシステムは、車載のステレオ撮像システムの他に、ロボット、鉄道、飛行機、船舶、監視カメラ、遠隔会議システム用カメラ等にも応用ができるものである。
【0094】
以上、本発明の各実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用されるカメラシステムは、その機能が実行されるのであれば、上述の各実施の形態等に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0095】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、可搬記憶媒体、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた各実施の形態のシステムを実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記憶媒体を、カメラシステムに供給し、そのカメラシステムのコンピュータがプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0096】
この場合、可搬記憶媒体等から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した可搬記憶媒体等は本発明を構成することになる。
【0097】
プログラムコードを供給するための可搬記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記憶媒体などを用いることができる。
【0098】
また、コンピュータがメモリ上に読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した各実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した各実施の形態の機能が実現される。
【0099】
さらに、可搬型記憶媒体から読み出されたプログラムコードやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した各実施の形態の機能が実現され得る。
【0100】
すなわち、本発明は、以上に述べた各実施の形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は形状を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】撮影光学ユニットの外観を表す図(その1)である。
【図2】撮影光学ユニットの外観を表す図(その2)である。
【図3】図1および図2に示した撮影光学ユニットの分解状態を示した図である。
【図4】図1におけるA−A断面を示した図である。
【図5】フレーム部分の外観を表す図(その1)である。
【図6】フレーム部分の外観を表す図(その2)である。
【図7】撮影光学ユニットを車両に搭載した例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る撮影光学ユニットの概要を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る画面のサイズ及び撮像素子15に結像されるイメージを説明するための図である。
【図10】被写体の例を示す図である。
【図11】撮影光学ユニットの構成を示す図である。
【図12】3画面(51a、51b、51c)を2段表示にした表示例を示す図である。
【図13】本発明を適用したカメラ制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明を適用したカメラシステムの機能ブロックを示す図である。
【図15】第1のフレームメモリの構成を示す図である。
【図16】第3のフレームメモリの構成を示す図である。
【図17】カメラ制御処理のサブルーチン「表示設定処理」の流れを示すフローチャートである。
【図18】縮小して3画面表示した場合の表示例を示す図である。
【図19】測距を行うためのステレオ光学系の平面を表す図である。
【図20】2つの撮像素子を用いたステレオカメラにおける測距式を説明するための図である。
【図21】警報情報の生成までの処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】第2のフレームメモリの構成を示す図である。
【図23】レクティフィケーション前の左右画像を示す図である。
【図24】レクティフィケーション後の左右画像を示す図である。
【図25】2画面分割構成でステレオのみの場合のステレオカメラ部を示す図である。
【図26】2画面分割構成の場合のイメージャ(WVGA)への画面イメージを示す図である。
【符号の説明】
【0102】
a、b 着目点
B レンズ間視差(基線長)
1〜e4 区画凹所
f 焦点距離
L 被写体距離
h 貫通孔
1〜t8 座部
U 撮影光学ユニット
x 結像位置
1 フレーム
1a 天面壁
1b 底面壁
1c、1d 傾斜側壁
2 ホルダ
3 カバー体
3a〜3c 窓孔
4、5、6 自由曲面プリズム
6a 第1面
7 前段プリズム
8、8a、8b、8c、8d 弾性舌片
9、9a、9b、9c、9d 緩衝部材
15 撮像素子
17 基板(フレキシブルプリント基板等)
18 放熱板
19 保護板
21 前段プリズム
22 自由曲面プリズム
50 プリズム群
51、51a、51b、51c、51d 画像
52 ステレオカメラ部
53 CPU
54 操作入力部
55 画像表示部
56 液晶コントローラ
57 画像処理MPU
58 メモリ
60 TG/SSG部
61 CDS/AGC/A/D部
62 デジタル信号処理部
63 シリアルI/F
66 外部メモリ
67 警報装置
71 カメラコントローラ
72 ドライビングコントローラ
74 通信I/F
75 通信I/F
77 通信I/F
78 通信I/F
79 バス
80a、80b 撮像素子
81a、81b 受光レンズ
82 被写体
83a、83b 被写体像
701 撮像部
702 ADC(A/Dコンバータ)
703 画像生成部
704 第1のフレームメモリ
705 読出/書込コントローラ
706 アドレスメモリ
707 第3のフレームメモリ
708 読み出しコントローラ
709 補間部
710 第4のフレームメモリ
711 表示コントローラ
712 表示パネル
713 表示モードスイッチ
714 キャリブレーション部
715 露出検出部
716 露出コントローラ
717 レクティフィケーション部
718 右画像
719 左画像
720 第2のフレームメモリ
721 読出/書込コントローラ
722 距離算出部
723 距離画像出力部
724 警報情報作成部
725 距離画像
726 ステレオ画像
727 表示コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周期で被写体像を電気信号に変換する単一の撮像素子と、
複数の自由曲面プリズムで構成され、複数の異なる方向からの被写体像をそれぞれ前記各自由曲面プリズムによって前記撮像素子上の所定の領域に結像させる光学系と、
前記撮像素子から出力した電気信号に基づいて第1の動画像を生成する動画像生成手段と、
前記動画像生成手段によって生成された前記第1の動画像を前記各領域に対応する部分画像に分割する像分割手段と、
前記像分割手段によって分割された前記部分画像を所定の配置で第2の動画像に合成する像合成手段と、
前記像合成手段によって合成された前記第2の動画像を表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記像分割手段によって分割された少なくとも2つの部分画像に基づいて、前記2つの部分画像中に共通する被写体までの距離を算出する距離算出手段と、
を備え、
前記各自由プリズムは、前記複数の方向のうち、少なくとも2つの方向は略同方向であり、その僅かな方向のズレによりステレオ画像として結像することが可能である、
ことを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記光学系は、被写体に対して前記撮像素子の直前に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記光学系は、前記各領域が重ならないように前記各自由曲面プリズムが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記カメラシステムは、ステレオカメラ部とカメラ制御部を備え、
前記ステレオカメラ部は、前記撮像素子と前記光学系を有し、
前記カメラ制御部は、前記動画像生成手段と前記像分割手段と前記像合成手段と前記表示制御手段と前記距離算出手段とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記ステレオカメラ部は、車両の外部を撮像するように前記車両に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記2つの方向は、前記車両の前方方向または後方方向であることを特徴とする請求項5に記載のカメラシステム。
【請求項7】
所定の周期で被写体像を電気信号に変換する単一の撮像素子と、複数の自由曲面プリズムで構成され、複数の異なる方向からの被写体像をそれぞれ前記各自由曲面プリズムによって前記撮像素子上の所定の領域に結像させる光学系とを備えるステレオカメラを制御するカメラ制御方法であって、
前記撮像素子から出力した電気信号に基づいて第1の動画像を生成し、
前記生成された前記第1の動画像を前記各領域に対応する部分画像に分割し、
前記分割された前記部分画像を所定の配置で第2の動画像に合成し、
前記合成された前記第2の動画像を表示装置に表示させ、
前記分割された少なくとも2つの部分画像に基づいて、前記2つの部分画像中に共通する被写体までの距離を算出する、
ことを特徴とするカメラ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図21】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−74706(P2010−74706A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242126(P2008−242126)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】