説明

カメラ用羽根駆動装置

【課題】羽根部材が衝撃等で停止位置から勝手に移動するのを防止する。
【解決手段】開口部10aを開閉自在に基板10に支持された羽根部材40、羽根部材の長孔42に挿入される連結ピン33を有し基板に回動自在に支持された連動レバー30、連動レバーに連結される駆動ピン21aを有し所定の作動角を回動するロータ21を含むアクチュエータ20を備え、羽根部材の長孔42は、羽根部材を開閉駆動する際に連結ピンを内接させる第1内周縁部42a、羽根部材が開口部を閉鎖又は開放する停止位置に位置付けられる際に連結ピンを内接させるべく,第1内周縁部と異なる傾斜角度で連続して形成されると共に連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長する第2内周縁部42bを有する。これによれば、装置を簡素化しつつ、落下等による衝撃力を受けても、羽根部材を所定の停止位置に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等に搭載されて、光路用の開口部を開閉するバリヤ羽根、シャッタ羽根、あるいは絞り羽根等の羽根部材を駆動して位置決めするカメラ用羽根駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカメラ用羽根駆動装置としては、光路用の開口部を画定する地板、地板に対して開口部を開閉自在に支持されたシャッタ羽根、シャッタ羽根に設けられた長孔に挿入される駆動ピンを有するロータを含むアクチュエータ(ムービングマグネット型モータ)、駆動ピンの移動によってシャッタ羽根とは逆方向に回転させられるバランス板等を備え、ロータを所定の角度範囲で回動させることにより、シャッタ羽根を開閉駆動すると共に、バランス板によってシャッタ羽根の衝撃を抑えることで、シャッタ羽根を所定位置に位置決めして保持しようとするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他のカメラ用羽根駆動装置としては、光路用の開口部を画定する基板、基板に対して開口部を開閉自在に支持された互いに連動する一対のバリヤ羽根、一方のバリヤ羽根に設けられた連結ピン、連結ピンを受け入れるスリットを一端側に有すると共に基板に揺動自在に支持されたリンク部材、リンク部材の他端側に設けられた長孔に挿入される駆動ピンを有するロータを含むアクチュエータ(ムービングマグネット型モータ)、一方のバリヤ羽根に連結される他方のバリヤ羽根、一対のバリヤ羽根を開放位置に位置決めするストッパ等を備え、ロータを所定の角度範囲で回動させることにより、一対のバリヤ羽根を開閉駆動すると共に、バリヤ羽根が衝撃等で勝手に移動しないように、磁力を用いてバリヤ羽根を開放位置に保持しようとするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、これらの装置においては、シャッタ羽根あるいはバリヤ羽根の重心は、その回転中心から離れた位置にあるため、回転中心回りの慣性力あるいは回転モーメントが大きくなり、又、駆動ピンが挿入されるシャッタ羽根の長孔は単に直線的な長孔として形成され、バリヤ羽根の連結ピンを受け入れるスリットは単に直線的な切り欠きとして形成されているため、落下時の衝撃力等に対して、駆動ピンと長孔の間あるいは連結ピンとスリットの間に相対的な移動が生じ易く、所定位置に保持されたシャッタ羽根あるいはバリヤ羽根が勝手に移動してしまう虞がある。また、バランス板やバリヤ羽根を保持するために磁石を設ける必要があり、コストアップを招く。
【0005】
【特許文献1】特開2007−33602号公報
【特許文献2】特開2006−284641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、装置の小型化等を図りつつ、落下等により衝撃力が加わっても、羽根部材を所定の停止位置(例えば、開口部を閉鎖する閉鎖位置又は開口部を開放する開放位置)に確実に保持することができるカメラ用羽根駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るカメラ用羽根駆動装置は、開口部を有する基板と、開口部を開閉自在に基板に支持された1枚の羽根部材と、羽根部材の長孔に挿入される連結ピンを有し基板に回動自在に支持された連動レバーと、連動レバーに連結される駆動ピンを有し所定の作動角を回動するロータを含むアクチュエータを備えたカメラ用羽根駆動装置であって、羽根部材の長孔は、羽根部材を開閉駆動する際に連結ピンを内接させる第1内周縁部と、羽根部材が開口部を閉鎖又は開放する停止位置に位置付けられる際に連結ピンを内接させるべく,第1内周縁部と異なる傾斜角度で連続して形成されると共に連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長する第2内周縁部を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、ロータが回動すると、連動レバーが回動し、その連結ピンが長孔の第1内周縁部に内接して、羽根部材が開口部を開閉する。そして、羽根部材が開口部を閉鎖又は開放する停止位置に停止する際には、連結ピンが長孔の第2内周縁部に内接する。ここで、第2内周縁部は、連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長するため、衝撃力等により、羽根部材が停止位置から逆向きに(閉鎖位置に停止するときは開放位置に向けて、開放位置に停止するときは閉鎖位置に向けて)勝手に移動しようとしても、羽根部材に設けられた長孔の第2内周縁部が、連結ピンを連動レバーの回転中心に向けて押圧することになり、連結ピンと長孔との相対的な移動が防止され、連動レバーの回転すなわち羽根部材の移動が防止される。
したがって、特別な機構を設けることなく、装置の簡素化、小型化を達成しつつ、落下等による衝撃力を受けても、羽根部材を所定の停止位置(例えば、開口部を閉鎖する位置又は開放する位置)に保持することができる。また、羽根部材と連動レバーは、単一の部材からなるため、組み立て時の累積公差の影響が小さく、連結ピンと長孔(の内周縁部)の当接角を高精度に設定することができる。
【0008】
上記第1の観点に係る構成において、羽根部材の長孔は、羽根部材を停止位置に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく、第2内周縁部と異なる傾斜角度で連続的に形成された第3内周縁部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、羽根部材の停止位置において、ロータがディテントトルクを生じるような場合に、連動レバーの連結ピンが第2内周縁部から第3内周縁部に内接して、羽根部材を所定の停止位置から過移動する(閉鎖位置に停止する場合はさらに閉鎖側に向けて又開放位置に停止する場合はさらに開放位置に向けて移動する)ように付勢力を及ぼすことになり、羽根部材を確実に停止位置(全閉位置又は全開位置)に位置決めして保持することができる。
【0009】
上記第1の観点に係る構成において、第2内周縁部の伸長方向は、羽根部材が停止位置にあるとき、連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して75度〜90度をなすように方向付けされている、構成を採用することができる。
この構成によれば、羽根部材が停止位置に位置する状態で、衝撃力等を受けた際に、連結ピンが長孔(第2内周縁部)に対して停止位置に向う方向と逆向きに移動するのを防止できる。これにより、羽根部材が作動不良になるのを防止でき、機能上の信頼性を確保することができる。
【0010】
上記第1の観点に係る構成において、第1内周縁部は、ロータが作動角の略中間に位置するとき、連動レバーの回転中心と羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、連結ピンが第2内周縁部に接触して羽根部材を停止位置に保持した状態から、開放位置又は閉鎖位置に向けて羽根部材を移動させる際に、作動範囲の中間に位置する連結ピンが連動レバーの回転中心と羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になる第1内周縁部に接触するため、連結ピンが及ぼす回転トルクが羽根部材に効率良く伝達され、回転トルクが伝達されない停滞時間を短くでき、羽根部材を高速で移動させることができる。
【0011】
本発明の第2の観点に係るカメラ用羽根駆動装置は、開口部を有する基板と、開口部を開閉自在に基板に支持された1枚の羽根部材と、羽根部材の長孔に挿入される駆動ピンを有し所定の作動角を回動するロータを含むアクチュエータを備えたカメラ用羽根駆動装置であって、羽根部材の長孔は、羽根部材を開閉駆動する際に駆動ピンを内接させる第1内周縁部と、羽根部材が開口部を閉鎖又は開放する停止位置に位置付けられる際に駆動ピンを内接させるべく,第1内周縁部と異なる傾斜角度で連続して形成されると共にロータの回転中心及び駆動ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長する第2内周縁部を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、ロータが回動すると、その駆動ピンが長孔の第1内周縁部に内接して、羽根部材が開口部を開閉する。そして、羽根部材が開口部を閉鎖又は開放する停止位置に停止する際には、駆動ピンが長孔の第2内周縁部に内接する。ここで、第2内周縁部は、ロータの回転中心及び駆動ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長するため、衝撃力等により、羽根部材が停止位置から逆向きに(閉鎖位置に停止するときは開放位置に向けて、開放位置に停止するときは閉鎖位置に向けて)勝手に移動しようとしても、羽根部材に設けられた長孔の第2内周縁部が、駆動ピンをロータの回転中心に向けて押圧することになり、駆動ピンと長孔との相対的な移動が防止され、ロータの回転すなわち羽根部材の移動が防止される。
したがって、特別な機構を設けることなく、装置の簡素化、小型化を達成しつつ、落下等による衝撃力を受けても、羽根部材を所定の停止位置(例えば、開口部を閉鎖する位置又は開放する位置)に保持することができる。また、連動レバーを廃止した分だけ、装置を簡素化することができる。
【0012】
上記第2の観点に係る構成において、羽根部材の長孔は、羽根部材を停止位置に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく、第2内周縁部と異なる傾斜角度で連続的に形成された第3内周縁部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、羽根部材の停止位置において、ロータがディテントトルクを生じるような場合に、ロータの駆動ピンが第2内周縁部から第3内周縁部に内接して、羽根部材を所定の停止位置から過移動する(閉鎖位置に停止する場合はさらに閉鎖側に向けて又開放位置に停止する場合はさらに開放位置に向けて移動する)ように付勢力を及ぼすことになり、羽根部材を確実に停止位置(全閉位置又は全開位置)に位置決めして保持することができる。
【0013】
上記第2の観点に係る構成において、第2内周縁部の伸長方向は、羽根部材が停止位置にあるとき、ロータの回転中心及び駆動ピンを通る直線に対して75度〜90度をなすように方向付けされている、構成を採用することができる。
この構成によれば、羽根部材が停止位置に位置する状態で、衝撃力等を受けた際に、駆動ピンが長孔(第2内周縁部)に対して停止位置に向う方向と逆向きに移動するのを防止できる。これにより、羽根部材が作動不良になるのを防止でき、機能上の信頼性を確保することができる。
【0014】
上記第2の観点に係る構成において、第1内周縁部は、ロータが作動角の略中間に位置するとき、ロータの回転中心と羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動ピンが第2内周縁部に接触して羽根部材を停止位置に保持した状態から、開放位置又は閉鎖位置に向けて羽根部材を移動させる際に、作動範囲の中間に位置する駆動ピンがロータの回転中心と羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になる第1内周縁部に接触するため、駆動ピンが及ぼす回転トルクが羽根部材に効率良く伝達され、回転トルクが伝達されない停滞時間を短くでき、羽根部材を高速で移動させることができる。
【発明の効果】
【0015】
上記構成をなすカメラ用羽根駆動装置によれば、構造の簡略化、装置の小型化等を達成しつつ、落下等により衝撃力が加わっても、羽根部材を所定の停止位置(例えば、開口部を閉鎖する閉鎖位置又は開口部を開放する開放位置)に確実に保持することができ、この装置がデジタルカメラ等に搭載された場合には、羽根部材の誤作動を防止して高精度な撮影を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図11は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一実施形態としてレンズバリヤ装置を示すものであり、図1は装置の分解斜視図、図2は装置の一部(カバー)を省略した斜視図、図3ないし図5は羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す平面図及び部分拡大平面図、図6及び図7は羽根部材が閉鎖位置から過移動した状態を示す平面図及び部分拡大平面図、図8及び図9は羽根部材が作動範囲の途中位置にある状態を示す平面図及び部分拡大平面図、図10及び図11は羽根部材が開放位置にある状態を示す平面図及び部分拡大平面図である。
【0017】
この装置は、図1及び図2に示すように、略矩形の開口部10aを有する基板10、基板10に固定されて回転駆動力を発生するアクチュエータ20、基板10に対して回動自在に支持された連動レバー30、基板10に対して揺動自在に支持され開口部10aを閉鎖する閉鎖位置と開口部10aを開放する開放位置の間を移動する羽根部材としての1枚のバリヤ羽根40、バリヤ羽根40を覆うカバー50等を備えている。
【0018】
基板10は、図1及び図2に示すように、輪郭が略矩形をなすように樹脂材料により形成されて、光路用の略矩形をなす開口部10a、バリヤ羽根40を回動自在に支持する支軸11、連動レバー30を回動自在に支持する支軸12、後述する連動レバー30の連結ピン33を通す略扇状の貫通孔13、バリヤ羽根40を摺動させるガイド面14、バリヤ羽根40を閉鎖位置に位置決めする閉じストッパ15、バリヤ羽根40を開放位置に位置決めする開きストッパ16、アクチュエータ20を固定する固定部17、後述するカバー50の掛止片52を掛止する凹部18、カバー50を締結するネジBを捩じ込むネジ孔19等を備えている。
【0019】
アクチュエータ20は、図1及び図4に示すように、ムービングマグネット型のモータであり、軸線S1を回転中心として所定の作動角を回動すると共に駆動ピン21aを一体的に有するロータ21、ロータ21を回動自在に支持する支持枠22、支持枠22の周りに巻回された励磁用のコイル23、コイル23の周りにおいて支持枠22に嵌合された円筒状のヨーク24、ロータ21にディテントトルクを発生させるべく支持枠22に嵌合された複数の鉄ピン25等を備えている。
ロータ21は、周方向においてN極とS極に着磁された円柱状に形成されている。駆動ピン21aは、ロータ21の回転中心(軸線S1)から所定距離だけ隔てた位置に位置するように一体的に形成されている。
【0020】
連動レバー30は、図1、図2、図4、図5に示すように、扁平でかつ略L字状をなすように樹脂材料により形成され、支軸12を通す円孔31、一端側に設けられて駆動ピン21aを通す長孔32、他端側に設けられて後述するバリヤ羽根40の長孔42に挿入される連結ピン33等を備えている。
長孔32は、駆動ピン21aが内接する内周縁部が直線的に形成されている。連結ピン33は、円柱状に形成されている。
そして、連動レバー30は、支軸12上の中心軸線S2を回転中心として、基板10に対して所定の角度範囲を回動自在に支持されている。
【0021】
バリヤ羽根40は、図1、図2、図4及び図5に示すように、樹脂材料等を用いて薄板状に形成され、支軸11を通す円孔41、連動レバー30の連結ピン33を通す長孔42等を備えている。
長孔42は、図4及び図5に示すように、第1内周縁部42a、第1内周縁部42aと異なる傾斜角度で連続して形成された第2内周縁部42b、第2内周縁部42bと異なる傾斜角度で連続して形成された第3内周縁部42cを画定するように形成されている。
【0022】
第1内周縁部42aは、図8及び図9に示すように、バリヤ羽根40が開閉駆動される際に、その作動範囲の途中領域で連結ピン33を内接させる領域である。
第2内周縁部42bは、図3ないし図5に示すように、バリヤ羽根40が開口部10aを閉鎖する閉鎖位置(停止位置)に位置付けられる際に又閉鎖位置(停止位置)にあるとき、連結ピン33を内接させる領域である。
第3内周縁部42cは、図5ないし図7に示すように、バリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるように、連結ピン33を内接させる領域である。
【0023】
そして、バリヤ羽根40は、円孔41に支軸11が通され、長孔42に連結ピン33が通されて、支軸11上の中心軸線S3を回転中心として、基板10に対して所定の角度範囲(閉じストッパ15と開きストッパ16とにより回転規制される範囲)を回動自在に支持され、連結ピン33が及ぼす回転駆動力により、開口部10aを閉鎖する閉鎖位置と開口部10aを開放する開放位置の間を移動するようになっている。
尚、ここでは、バリヤ羽根40が閉鎖位置に位置するときを停止位置として規定している。
【0024】
ここで、第2内周縁部42bは、図4及び図5に示すように、バリヤ羽根40が停止位置(閉鎖位置)にあるとき、連動レバー30の回転中心S2及び連結ピン33(の中心軸線)を通る直線L1に対して、略直角な方向に伸長する直線L2に沿うように、すなわち、図5に示す角度θが略90度になるように形成されている。
したがって、ロータ21が図4中の反時計回りに回転し、連動レバー30が図4中の時計回りに回転して、バリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)に停止させる際に、連結ピン33は、長孔42の第1内周縁部42aから第2内周縁部42bに移動して内接する。
【0025】
ここで、第2内周縁部42bは、連動レバー30の回転中心S2及び連結ピン33(の中心軸線)を通る直線L1に対して略直角な方向に伸長するため、衝撃力等により、バリヤ羽根40が閉鎖位置(停止位置)から開放位置に向けて逆向きに勝手に移動しようとしても、バリヤ羽根40に設けられた長孔42の第2内周縁部42bが、連結ピン33を連動レバー30の回転中心S2に向けて押圧することになり、連結ピン33と長孔42との相対的な移動が防止され、連動レバー30の回転すなわちバリヤ羽根40の移動が防止される。
【0026】
これにより、特別な機構を設けることなく、装置の簡素化、小型化を達成しつつ、落下等による衝撃力を受けても、バリヤ羽根40を所定の閉鎖位置(停止位置)に保持することができ、又、バリヤ羽根40と連動レバー30は単一の部材からなるため、組み立て時の累積公差の影響が小さく、連結ピン33と長孔42(の第1内周縁部42a,第2内周縁部42b,第3内周縁部42c)の当接角を高精度に設定することができる。
【0027】
尚、バリヤ羽根40が閉鎖位置(停止位置)にあるときの第2内周縁部42bの伸長方向、すなわち、角度θは、直線Lに対して、好ましくは、75度〜90度、さらに好ましくは85度程度に設定される。これによれば、バリヤ羽根40が閉鎖位置(停止位置)に位置する状態で、衝撃力等を受けた際に、連結ピン33が長孔42(第2内周縁部42b)に対して閉鎖位置(停止位置)に向う方向と逆向きに移動するのを防止できる。また、バリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)から開放位置に向けて移動させるとき、スムーズな移動が可能となる。これらにより、バリヤ羽根40が作動不良になるのを防止でき、機能上の信頼性を確保することができる。
【0028】
また、第2内周縁部42bは、図5に示すように、その伸長方向の直線L2がバリヤ羽根40の回転中心S3を通る平行な直線L2´に近い位置に形成されるのが好ましい。これによれば、バリヤ羽根40が図5中において時計回りに(開放位置に向けて)回転しようとする際に、第2内周縁部42bが連結ピン33を押圧するベクトルは、より高精度に直線L1上に方向付けられため、連動レバー30の回転をより確実に防止でき、それ故に、バリヤ羽根40の回転を規制して、所定の閉鎖位置(停止位置)に保持することができる。
【0029】
第3内周縁部42cは、前述したように、バリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく形成されているため、バリヤ羽根40が閉鎖位置(停止位置)にあるとき、ロータ21がディテントトルクを生じるような場合に、連動レバー30の連結ピン33が第2内周縁部42bから第3内周縁部42cに移動して内接し、バリヤ羽根40を所定の閉鎖位置(停止位置)から過移動する(さらに閉鎖側に向けて移動する)ように付勢力を及ぼすことになり、バリヤ羽根40を確実に閉鎖位置(停止位置)に位置決めして保持することができる。
【0030】
第1内周縁部42aは、図8及び図9に示すように、ロータ21が作動角ωの略中間に位置するとき、その伸長方向の直線L3が、連動レバー30の回転中心S2とバリヤ羽根40の回転中心S3を通る直線L4と略平行になるように形成されている。
これによれば、連結ピン33が、第2内周縁部42bに接触してバリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)に保持した状態から、開放位置に向けてバリヤ羽根40を移動させる際に、作動範囲の中間に位置する連結ピン33が連動レバー30の回転中心S2とバリヤ羽根40の回転中心S3を通る直線L4と略平行になる第1内周縁部42aに接触するため、連結ピン33が及ぼす回転トルクがバリヤ羽根40に効率良く伝達され、回転トルクが伝達されない停滞時間を短くでき、バリヤ羽根40を高速で移動させることができる。
【0031】
カバー50は、図1に示すように、略矩形形状をなすように薄板状の金属板等により形成されており、基板10の開口部10aに対応する位置に略矩形の開口部50a、連結ピン33の移動を許容する略円弧状の貫通孔51、掛止片52、ネジBを通す円孔53等を備えている。
そして、バリヤ羽根40が組付けられた基板10に対して、基板10の凹部18に掛止片52を掛止させ、円孔53の外側からネジBを通して基板10のネジ孔19に捩じ込むことにより、バリヤ羽根40を回動自在に覆った状態で、カバー50が基板10に固定されるようになっている。
【0032】
次に、このレンズバリヤ装置におけるバリヤ羽根40の開閉動作について、図3ないし図11を参照しつつ説明する。
先ず、ロータ21が作動角ωの範囲の一方の回転端に位置するとき、連動レバー30は時計回りに回転して、バリヤ羽根40は、図3に示すように、閉じストッパ15に当接して開口部10aを閉鎖する閉鎖位置(停止位置)にある。
このとき、連動レバー30の連結ピン33は、図4及び図5に示すように、長孔42の第2内周縁部42bに内接しており、バリヤ羽根40が開放位置に向けて回転するのを規制している。
また、ロータ21が強力なディテントトルクを発生する場合、連動レバー30を時計回りに回転付勢するため、図6及び図7に示すように、連動レバー30の連結ピン33は第2内周縁部42bから第3内周縁部42cに移行して内接し、バリヤ羽根40をさらに閉鎖側に向けて過移動させるように付勢して、バリヤ羽根40を閉鎖位置に保持している。
【0033】
続いて、コイル23への通電により、ロータ21が時計回りに回転し始めると、連動レバー30が反時計回りに回転し始め、連動レバー30の連結ピン33は、第2内周縁部42b(又は第3内周縁部42c)から第1内周縁部42aに移行して内接し、バリヤ羽根40を開放位置に向けて時計回りに回転させ始める。
そして、ロータ21が作動角の略中間位置に至ると、図8及び図9に示すように、長孔42の第1内周縁部42aは連動レバー30の回転中心S2とバリヤ羽根40の回転中心S3を通る直線L4に略平行となるように方向付けられ、連結ピン33が及ぼす回転トルクは効率よくバリヤ羽根40に伝達される。
続いて、ロータ21がさらに同一方向に回転して他方の回転端に至ると、連動レバー30はさらに反時計回りに回転し、バリヤ羽根40は、図10及び図11に示すように、開きストッパ16に当接して開口部10aを開放する開放位置に位置決めされる。尚、このとき、連結ピン3は、再度、第2内周縁部42bの領域に達するが、上記したような角度θの関係はない。
【0034】
一方、コイル23への逆向きの通電により、ロータ21が反時計回りに回転し始めると、図10及び図8に示す状態を経て、図3に示す閉鎖位置(停止位置)さらには図6に示すように過移動位置に向けて付勢された閉鎖位置に至り、連結ピン33は長孔42の第2内周縁部42bに内接しさらには第3内周縁部42cに内接して、バリヤ羽根40を閉鎖位置(停止位置)に確実に保持する。
【0035】
この閉鎖位置(停止位置)において、外部からの衝撃力等により、バリヤ羽根40が閉鎖位置(停止位置)から逆向きに(開放位置に向けて)勝手に移動しようとしても、バリヤ羽根40に設けられた長孔42の第2内周縁部42bが、連結ピン33を連動レバー30の回転中心S2に向けて押圧することになり、連結ピン33と長孔42との相対的な移動が防止され、連動レバー30の回転すなわちバリヤ羽根40の移動が防止される。
したがって、特別な機構を設けることなく、バリヤ羽根40を所定の停止位置(閉鎖位置)に保持することができる。また、バリヤ羽根40と連動レバー30は、単一の部材からなるため、組み立て時の累積公差の影響が小さく、連結ピン33と長孔42(の内周縁部)の当接角を高精度に設定することができる。
上記の装置によれば、構造の簡略化、装置の小型化等を達成しつつ、落下等により衝撃力が加わっても、バリヤ羽根40を所定の停止位置(閉鎖位置)に確実に保持することができ、この装置がデジタルカメラ等に搭載された場合には、バリヤ羽根40の誤作動を防止して高精度な撮影を行うことができる。
【0036】
図12ないし図16は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の他の一実施形態としてレンズバリヤ装置を示すものであり、図12は装置の一部(カバー)を省略した斜視図、図13及び図14は羽根部材が停止位置(閉鎖位置)にある状態を示す平面図及び部分拡大平面図、図15は羽根部材が作動範囲の途中位置にある状態を示す部分拡大平面図、図16は羽根部材が開放位置にある状態を示す平面図である。
【0037】
この実施形態においては、前述の実施形態における連動レバー30を廃止して、駆動ピン21aでバリヤ羽根40´を直接開閉駆動するようにしたものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この装置は、図12ないし図16に示すように、略矩形の開口部10aを有する基板10´、基板10´に固定されて回転駆動力を発生するアクチュエータ20、基板10に対して揺動自在に支持され開口部10aを閉鎖する閉鎖位置と開口部10aを開放する開放位置の間を移動する羽根部材としての1枚のバリヤ羽根40´、バリヤ羽根40´を覆うカバー50(不図示)等を備えている。
【0038】
基板10´は、図13及び図16に示すように、開口部10a、支軸11、円弧状の貫通孔13、ガイド面14、閉じストッパ15、開きストッパ16、固定部17、凹部18、ネジ孔19等を備えている。
バリヤ羽根40´は、図13ないし図15に示すように、支軸11を通す円孔41、駆動ピン21aを通す長孔42等を備えている。
長孔42は、図14及び図15に示すように、第1内周縁部42a、第1内周縁部42aと異なる傾斜角度で連続して形成された第2内周縁部42b、第2内周縁部42bと異なる傾斜角度で連続して形成された第3内周縁部42cを画定するように形成されている。
【0039】
第1内周縁部42aは、図15に示すように、バリヤ羽根40´が開閉駆動される際に、その作動範囲の途中領域で、駆動ピン21aを内接させる領域である。
第2内周縁部42bは、図14に示すように、バリヤ羽根40´が開口部10aを閉鎖する閉鎖位置(停止位置)に位置付けられる際に又閉鎖位置(停止位置)にあるとき、駆動ピン21aを内接させる領域である。
第3内周縁部42cは、図14に示すように、バリヤ羽根40´を閉鎖位置(停止位置)に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるように、駆動ピン21aを内接させる領域である。
【0040】
そして、バリヤ羽根40´は、円孔41に支軸11が通され、長孔42にロータ21の駆動ピン21aが通されて、支軸11上の中心軸線S3を回転中心として、基板10´に対して所定の角度範囲を回動自在に支持され、駆動ピン21aが及ぼす回転駆動力により、開口部10aを閉鎖する閉鎖位置と開口部10aを開放する開放位置の間を移動するようになっている。尚、バリヤ羽根40´が閉鎖位置に位置するときを停止位置として規定している。
【0041】
ここで、第2内周縁部42bは、図13及び図14に示すように、バリヤ羽根40´が停止位置(閉鎖位置)にあるとき、ロータ21の回転中心S1及び駆動ピン21a(の中心軸線)を通る直線L1´に対して、略直角な方向に伸長する直線L2に沿うように、すなわち、図14に示す角度θが略90度になるように形成されている。
したがって、ロータ21が図14中の時計回りに回転して、バリヤ羽根40´を閉鎖位置(停止位置)に停止させる際に、駆動ピン21aは、長孔42の第1内周縁部42aから第2内周縁部42bに移動して内接する。
【0042】
ここで、第2内周縁部42bは、ロータ21の回転中心S1及び駆動ピン21a(の中心軸線)を通る直線L1´に対して略直角な方向に伸長するため、衝撃力等により、バリヤ羽根40´が閉鎖位置(停止位置)から開放位置に向けて逆向きに勝手に移動しようとしても、バリヤ羽根40´に設けられた長孔42の第2内周縁部42bが、駆動ピン21aをロータ21の回転中心S1に向けて押圧することになり、駆動ピン21aと長孔42との相対的な移動が防止され、ロータ21の回転すなわちバリヤ羽根40´の移動が防止される。
これにより、特別な機構を設けることなく、装置の簡素化、小型化を達成しつつ、落下等による衝撃力を受けても、バリヤ羽根40´を所定の閉鎖位置(停止位置)に保持することができ、又、前述の連動レバー30を廃止した分だけ、構造を簡素化することができる。
【0043】
尚、バリヤ羽根40´が閉鎖位置(停止位置)にあるときの第2内周縁部42bの伸長方向、すなわち、角度θは、直線L1´に対して、好ましくは、75度〜90度、さらに好ましくは85度程度に設定される。これによれば、バリヤ羽根40´が閉鎖位置(停止位置)に位置する状態で、衝撃力等を受けた際に、駆動ピン21aが長孔42(第2内周縁部42b)に対して閉鎖位置(停止位置)に向う方向と逆向きに移動するのを防止できる。また、バリヤ羽根40´を閉鎖位置(停止位置)から開放位置に向けて移動させるとき、スムーズな移動が可能となる。これらにより、バリヤ羽根40´が作動不良になるのを防止でき、機能上の信頼性を確保することができる。
【0044】
また、第2内周縁部42bは、図14に示すように、その伸長方向の直線L2がバリヤ羽根40´の回転中心S3を通る平行な直線L2´に近い位置に形成されるのが好ましい。これによれば、バリヤ羽根40´が図14中において時計回りに(開放位置に向けて)回転しようとする際に、第2内周縁部42bが駆動ピン21aを押圧するベクトルは、より高精度に直線L1´上に方向付けられため、ロータ21の回転をより確実に防止でき、それ故に、バリヤ羽根40´の回転を規制して、所定の閉鎖位置(停止位置)に保持することができる。
【0045】
第3内周縁部42cは、バリヤ羽根40´を閉鎖位置(停止位置)に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく形成されているため、バリヤ羽根40´が閉鎖位置(停止位置)にあるとき、ロータ21がディテントトルクを生じるような場合に、駆動ピン21aが第2内周縁部42bから第3内周縁部42cに内接して、バリヤ羽根40´を所定の閉鎖位置(停止位置)から過移動する(さらに閉鎖側に向けて移動する)ように付勢力を及ぼすことになり、バリヤ羽根40´を確実に閉鎖位置(停止位置)に位置決めして保持することができる。
【0046】
また、第1内周縁部42aは、図15に示すように、ロータ21が作動角ωの略中間に位置するとき、その伸長方向の直線L3が、ロータ21の回転中心S1とバリヤ羽根40´の回転中心S3を通る直線L4´と略平行になるように形成されている。
これによれば、駆動ピン21aが、第2内周縁部42bに接触してバリヤ羽根40´を閉鎖位置(停止位置)に保持した状態から、開放位置に向けてバリヤ羽根40´を移動させる際に、作動範囲の中間に位置する駆動ピン21aがロータ21の回転中心S1とバリヤ羽根40´の回転中心S3を通る直線L4´と略平行になる第1内周縁部42aに接触するため、駆動ピン21aが及ぼす回転トルクがバリヤ羽根40´に効率良く伝達され、回転トルクが伝達されない停滞時間を短くでき、バリヤ羽根40´を高速で移動させることができる。
尚、この装置の動作については、前述の実施形態と基本的に同一であるため、説明を省略する。
【0047】
上記の装置によれば、構造の簡略化、装置の小型化等を達成しつつ、落下等により衝撃力が加わっても、バリヤ羽根40´を所定の停止位置(閉鎖位置)に確実に保持することができ、この装置がデジタルカメラ等に搭載された場合には、バリヤ羽根40´の誤作動を防止して高精度な撮影を行うことができる。
【0048】
上記実施形態においては、バリヤ羽根40,40´が停止位置として閉鎖位置にあるとき、第2内周縁部42b及び第3内周縁部42cが連結ピン33又は駆動ピン21aと接触して、バリヤ羽根40,40´を所定の停止位置に保持する作用を及ぼす場合を示したが、バリヤ羽根40,40´が開放位置にあるとき、駆動ピンと長孔の相対的な移動を防止できるように、少なくとも第1内周縁部、第2内周縁部に相当する部位を形成することで、停止位置として開口部10aを開放する開放位置を規定してもよい。
上記実施形態においては、羽根部材として、バリヤ羽根40,40´を示したが、これに限定されるものではなく、シャッタ羽根、絞り羽根、あるいは、NDフィルタ羽根等を備える構成において、本発明を採用してもよい。
上記実施形態においては、この装置がデジタルカメラに搭載された場合について説明したが、これに限定されるものではなく、銀塩フィルム式のカメラ、その他のカメラ等においても、本発明を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上述べたように、本発明のカメラ用羽根駆動装置は、構造の簡略化、装置の小型化等を達成しつつ、羽根部材を所定の停止位置に確実に保持することができるため、小型で携帯用のデジタルカメラ等に搭載されるのは勿論のこと、外部から衝撃力等を受けて羽根部材の誤作動の虞があるカメラであれば、携帯型に限らず、固定型のカメラにも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のカメラ用羽根駆動装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す装置の一部(カバー)を省略した斜視図である。
【図3】図1に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す平面図である。
【図4】図1に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図5】図1に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図6】図1に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)からさらに過移動した状態を示す平面図である。
【図7】図1に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)からさらに過移動した状態を示す部分拡大平面図である。
【図8】図1に示す装置において、羽根部材が開閉動作の途中位置にある状態を示す平面図である。
【図9】図1に示す装置において、羽根部材が開閉動作の途中位置にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図10】図1に示す装置において、羽根部材が開放位置にある状態を示す平面図である。
【図11】図1に示す装置において、羽根部材が開放位置にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図12】本発明のカメラ用羽根駆動装置の他の実施形態を示すものであり、装置の一部(カバー)を省略した斜視図である。
【図13】図12に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す平面図である。
【図14】図12に示す装置において、羽根部材が閉鎖位置(停止位置)にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図15】図12に示す装置において、羽根部材が開閉動作の途中位置にある状態を示す部分拡大平面図である。
【図16】図12に示す装置において、羽根部材が開放位置にある状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
10,10´ 基板
10a 開口部
11,12 支軸
13 貫通孔
14 ガイド面
15 閉じストッパ
16 開きストッパ
17 固定部
18 凹部
19 ネジ孔
20 アクチュエータ
21 ロータ
21a 駆動ピン
22 支持枠
23 励磁用のコイル
24 ヨーク
25 鉄ピン
30 連動レバー
31 円孔
32 長孔
33 連結ピン
40,40´ バリヤ羽根(羽根部材)
41 円孔
42 長孔
42a 第1内周縁部
42b 第2内周縁部
42c 第3内周縁部
50 カバー
50a 開口部
S1 ロータの回転中心
S2 連動レバーの回転中心
S3 バリヤ羽根の回転中心
L1 連動レバーの回転中心と連結ピンを通る直線
L1´ ロータの回転中心と駆動ピンを通る直線
L4 連動レバーの回転中心とバリヤ羽根の回転中心を通る直線
L4´ ロータの回転中心とバリヤ羽根の回転中心を通る直線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する基板と、前記開口部を開閉自在に前記基板に支持された1枚の羽根部材と、前記羽根部材の長孔に挿入される連結ピンを有し前記基板に回動自在に支持された連動レバーと、前記連動レバーに連結される駆動ピンを有し所定の作動角を回動するロータを含むアクチュエータを備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記羽根部材の長孔は、前記羽根部材を開閉駆動する際に前記連結ピンを内接させる第1内周縁部と、前記羽根部材が前記開口部を閉鎖又は開放する停止位置に位置付けられる際に前記連結ピンを内接させるべく,前記第1内周縁部と異なる傾斜角度で連続して形成されると共に前記連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長する第2内周縁部を有する、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。
【請求項2】
前記羽根部材の長孔は、前記羽根部材を前記停止位置に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく、前記第2内周縁部と異なる傾斜角度で連続的に形成された第3内周縁部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項3】
前記第2内周縁部の伸長方向は、前記羽根部材が前記停止位置にあるとき、前記連動レバーの回転中心及び連結ピンを通る直線に対して75度〜90度をなすように方向付けされている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項4】
前記第1内周縁部は、前記ロータが前記作動角の略中間に位置するとき、前記連動レバーの回転中心と前記羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項5】
開口部を有する基板と、前記開口部を開閉自在に前記基板に支持された1枚の羽根部材と、前記羽根部材の長孔に挿入される駆動ピンを有し所定の作動角を回動するロータを含むアクチュエータを備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記羽根部材の長孔は、前記羽根部材を開閉駆動する際に前記駆動ピンを内接させる第1内周縁部と、前記羽根部材が前記開口部を閉鎖又は開放する停止位置に位置付けられる際に前記駆動ピンを内接させるべく,前記第1内周縁部と異なる傾斜角度で連続して形成されると共に前記ロータの回転中心及び駆動ピンを通る直線に対して略直角な方向に伸長する第2内周縁部を有する、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。
【請求項6】
前記羽根部材の長孔は、前記羽根部材を前記停止位置に移動させる際にさらに同一方向に過移動させるべく、前記第2内周縁部と異なる傾斜角度で連続的に形成された第3内周縁部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項7】
前記第2内周縁部の伸長方向は、前記羽根部材が前記停止位置にあるとき、前記ロータの回転中心及び駆動ピンを通る直線に対して75度〜90度をなすように方向付けされている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項8】
前記第1内周縁部は、前記ロータが前記作動角の略中間に位置するとき、前記ロータの回転中心と前記羽根部材の回転中心を通る直線と略平行になるように形成されている、
ことを特徴とする請求項5ないし7いずれか一つに記載のカメラ用羽根駆動装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−162824(P2009−162824A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339435(P2007−339435)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】