説明

カメラ

【課題】バッテリーの残量に応じて複数のバッテリーを自動的に切り替え且つ撮影機能の利用中には撮影機能の変化が発生しないカメラを提供する。
【解決手段】デジタルカメラ1の連写モードが有効になっているとき、レリーズボタンが押下されている間、使用しているバッテリーに応じた速度で、撮像処理が連続して実行される。ユーザは内蔵バッテリー23と外部バッテリー24のどちらのバッテリーを使用するのかを設定することができ、デジタルカメラ1への電力供給は、基本的にユーザが指定したバッテリーが用いられる。しかしながら、使用中のバッテリーの残容量率が所定のしきい値以下になった場合には、制御回路16により使用するバッテリーの切り替えが自動的に行われる。制御回路16は、連写機能を使用していないときにのみ残容量率の取得とバッテリーの切り替えとを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリーを利用するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のカメラには、所定の連写速度を備えた連写機能や、所定の連続撮影時間制限を有する動画撮影機能のような、種々の撮影機能が搭載されている。これらの撮影機能を、所定の条件に応じて変化させるようにしたカメラが知られている。このようなカメラは、例えば連写機能においては、バッテリーの種類、被写体の状態、および周辺環境などにより連写速度を切り替える。例えば特許文献1では、被写体の動きに応じて連写速度を自動的に切り替えるカメラが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−3110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用するバッテリーの種類に応じて撮影機能を変化させるカメラにおいて、バッテリーの残量に応じて使用するバッテリーを自動的に切り替えるようにした場合、撮影機能を使用中にバッテリーの切り替えが発生することにより、ユーザが意図しない撮影機能の変化が発生することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、使用されているバッテリーの種別に応じて異なる撮影機能を有するカメラであって、前記カメラへ電力供給を行っているバッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、他のバッテリーへの切り替えを行うバッテリー切替手段と、所定の撮影機能を実行する機能提供手段と、前記所定の撮影機能が実行されている期間中は、前記バッテリー切替手段によるバッテリーの切り替えが行われたか否かにかかわりなく、前記所定の撮影機能を継続して実行させる制御手段とを備えることを特徴とするカメラである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの意図しない撮影機能の変化の発生を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
――第1の実施の形態――
図面を用いて、本発明の一実施の形態によるデジタルカメラについて説明する。この実施の形態のデジタルカメラには内部バッテリーよりも大容量である外部バッテリーを接続することができる。使用中のバッテリーの残容量率が所定のしきい値を下回ると、使用するバッテリーを他方へ切り替える。
【0008】
図1は本実施の形態によるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、入力装置13,焦点調節装置14,撮像素子15,制御回路16,DRAM17,フラッシュメモリ18,液晶モニタ20,メモリカードインタフェース(I/F)21,および内蔵バッテリー23を備える。
【0009】
撮像素子15は、画素に対応する複数の光電変換素子を備えたCCDやCMOSイメージセンサによって構成される。撮像素子15は、撮像面上に結像されている被写体像を撮像し、被写体像の明るさに応じた光電変換信号(画像信号)を出力する。撮像素子15の撮像面には、それぞれR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタが画素位置に対応するように設けられている。撮像素子15がカラーフィルタを通して被写体像を撮像するため、各撮像素子から出力される画像信号は、それぞれRGB表色系の色情報を有する。
【0010】
撮像素子15から出力された画像信号は制御回路16に入力される。制御回路16は、画像信号に対して種々の画像処理を行い、画像データを生成する。そして、制御回路16は生成された画像データに対してJPEGなどの所定の方式により圧縮処理を行い、EXIFなどの形式で記録媒体22へ記録する。制御回路16は、たとえばRISCなどで構成され、図1に示す各回路を制御する。
【0011】
焦点調節装置14は、撮像素子15から出力される撮像信号に基づいて周知の焦点評価値演算を行い、演算結果を制御回路16へ出力する。制御回路16は、上記演算結果に基づいて、焦点評価値が最大となる位置へ撮影レンズ10を移動する。
【0012】
DRAM17は、画像処理、画像圧縮処理および表示用画像データ作成処理の途中や処理後のデータを一時的に格納するために使用される。表示用画像データは、制御回路16が撮像素子15からの出力に基づいて生成した画像データ、もしくは記録媒体22に記録されている画像データに基づいて、制御回路16により生成される。生成された表示用画像データは、制御回路16によりDRAM17に格納される。フラッシュメモリ18は、たとえば制御回路16が演算を行なうための各種の処理プログラムが記憶された不揮発性メモリである。
【0013】
LCD駆動回路19は制御回路16の命令に基づいて液晶モニタ20を駆動し、液晶モニタ20は画像を表示する。また、液晶モニタ20は、デジタルカメラの各種設定メニュー画面の表示を行なう。入力装置13は、レリーズボタンや再生ボタンなどの種々の操作ボタンを含み、使用者による各操作ボタンの操作信号を制御回路16へ出力する。内蔵バッテリー23は、デジタルカメラ1の各部材へ動作に必要な電力を供給する。制御回路16は内蔵バッテリー23から残容量率を取得することができる。
【0014】
デジタルカメラ1には、図1に示した補助バッテリーパック2を接続することができる。補助バッテリーパック2は外部バッテリー24を備える。デジタルカメラ1へ補助バッテリーパック2を接続すると、デジタルカメラ1の各部材へ外部バッテリー24から電力を供給することができるようになる。また、制御回路16が外部バッテリー24の残容量率を取得できるようになる。
【0015】
内蔵バッテリー23と外部バッテリー24とは排他的に動作する。すなわち、デジタルカメラ1の各部材への電力の供給は、内蔵バッテリー23と外部バッテリー24とのいずれか一方により行われ、これら2つのバッテリーから同時に電力が供給されることはない。ユーザはどちらのバッテリーを使用するかを、デジタルカメラ1に設定することができる。制御回路16は、ユーザによる設定とこれら2つのバッテリーから取得した残容量率とに基づいて、どちらのバッテリーから電力の供給を受けるかを決定する。
【0016】
次に、デジタルカメラ1の連写機能について説明する。デジタルカメラ1には連写モードが存在し、ユーザは入力装置13を操作することにより連写モードを有効にするか否かを決定することができる。連写モードが無効になっているとき、レリーズボタンを1回押下する度にデジタルカメラ1による撮像処理が1回だけ実行される。連写モードが有効になっているとき、レリーズボタンが押下されている間、撮像処理が連続して実行される。
【0017】
図2は、デジタルカメラ1が利用可能なバッテリー毎の連写速度を示す図である。内蔵バッテリー23は1500ミリアンペア時の容量を持ち、最大連写速度は毎秒6枚である。すなわち、デジタルカメラ1が内蔵バッテリー23による電力の供給を受けて動作しているときに連写モードを有効にすると、レリーズボタンの押下中に最大で毎秒6回の撮像が行われる。なお、デジタルカメラ1のシャッター速度が設定などにより遅くなっている場合には、連写速度が最大連写速度を下回ることもある。
【0018】
他方、外部バッテリー24は内蔵バッテリー23よりも大きい2500ミリアンペア時の容量を持つ。これに伴い、最大連写速度は内蔵バッテリー23よりも高速な毎秒8枚となっている。すなわち、ユーザは外部バッテリー24から電力の供給を受けるよう設定を行うことで、内蔵バッテリー23を使用する場合よりも高速な連写を行うことができる。
【0019】
次に、制御回路16によるバッテリーの切り替えについて説明する。前述の通り、ユーザは内蔵バッテリー23と外部バッテリー24のどちらのバッテリーを使用するのかを設定することができる。デジタルカメラ1への電力供給は、基本的にユーザが指定したバッテリーが用いられる。しかしながら、使用中のバッテリーの残容量率が所定のしきい値以下になった場合には、制御回路16により使用するバッテリーの切り替えが自動的に行われる。
【0020】
制御回路16によるバッテリーの切り替えが、連写機能を使用している間に行われることはない。これは、連写を行っている最中にバッテリーの切り替えが行われると、ユーザが意図しない最大連写速度の変化が生じてしまうためである。制御回路16は、連写機能を使用していないときにのみ残容量率の取得とバッテリーの切り替えとを行う。
【0021】
本実施形態では、バッテリーの切り替えが行われる残容量率のしきい値は、ユーザが任意に設定することができる。ユーザによる設定が行われていない場合、バッテリーの切り替えが行われる残容量率のしきい値は10%である。
【0022】
図3は、デジタルカメラ1の電源オンから電源オフまでの動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、デジタルカメラ1が電源オフ状態から一旦電源オン状態となり、再び電源オフ状態になるまでの動作を示している。まずステップS10では、入力装置13に含まれる電源ボタンが押下されたか否かを判定する。電源ボタンが押下されるまでステップS10の処理を繰り返し、電源ボタンが押下されるとステップS11へ進む。
【0023】
ステップS11では、デジタルカメラ1を電源オン状態にする。ステップS12では、ユーザによりバッテリー切り替えのしきい値が設定されているか否かを判定する。ユーザによるしきい値の設定が行われている場合には、ステップS12により肯定判定がなされ、ステップS13へ進む。ステップS13では、ユーザが設定したしきい値を読み出し、バッテリー切り替えのしきい値として採用する。他方、ステップS12により否定判定がなされた場合には、ステップS14へ進み、フラッシュメモリ18から所定のしきい値(10%)を読み出す。
【0024】
ステップS15では、後述するメイン処理を実行する。メイン処理は、連写処理およびバッテリー切り替え処理を含む。ステップS16では、電源ボタンが押下されたか否かを判定する。電源ボタンが押下されていない場合にはステップS16により否定判定がなされ、ステップS15へ戻る。他方、ステップS16により肯定判定がなされた場合には、ステップS17へ進む。ステップS17では、デジタルカメラ1を電源オフ状態にし、処理を終了する。
【0025】
図4は、図3に示したフローチャートのステップS15で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。まずステップS21では、レリーズボタンが押下されたか否かを判定する。レリーズボタンが押されている場合には、ステップS21により肯定判定がなされ、ステップS22へ進む。他方、ステップS21により否定判定がなされた場合には、ステップS24へ進む。
【0026】
ステップS22では連写処理を開始する。これ以降、可能な限り早い速度で、撮像処理を繰り返す。ステップS23では、レリーズボタンが解放されたか否かを判定する。レリーズボタンが押されていない場合には、ステップS23により肯定判定がなされ、ステップS24へ進む。レリーズボタンの押下中、撮像処理およびステップS23の処理を繰り返す。
【0027】
ステップS24では連写処理を終了する。ステップS25では、現在使用しているバッテリーの残容量率を取得する。ステップS26では、ステップS25で取得した残容量率がバッテリー切り替えのしきい値以下であるか否かを判定する。残容量率がしきい値以下であった場合、ステップS26により肯定判定がなされ、ステップS27へ進む。他方、ステップS26により否定判定がなされた場合には、メイン処理を終了する。
【0028】
ステップS27では、連写速度を切り替え先のバッテリーに対応する速度に変更する。すなわち、現在使用しているバッテリーが内蔵バッテリー23であれば連写速度は毎秒8枚に、現在外部バッテリー24を使用しているのであれば連写速度は毎秒6枚に変更される。ステップS28では、デジタルカメラ1の各部材へ電力を供給するバッテリーを、現在使用中のバッテリーとは異なるバッテリーへ切り替える。バッテリーの切り替えが終了したらメイン処理を終了する。
【0029】
上述した第1の実施の形態によるデジタルカメラによれば、次の作用効果が得られる。
(1)使用するバッテリーを内蔵バッテリー23と外部バッテリー24とから残容量率に応じて自動的に選択する制御回路16は、どちらのバッテリーが用いられているかに応じて連写機能における最大連写速度を変化させる。ただし、連写機能の使用中にはバッテリーの切り替えを抑止することにより、最大連写速度の変化を発生させない。これにより、バッテリーの切り替えがユーザにとって意図しない変化を発生させることを防止することができる。
【0030】
(2)バッテリーの切り替えを行うか否かを判定するためのしきい値は、ユーザが任意に設定することができる。これにより、内蔵バッテリー23と外部バッテリー24とをどのように利用するかをユーザが決定することができる。
【0031】
上述した第1の実施の形態では、連写機能の使用中はバッテリーの切り替えが全く行われなかった。以下に詳述する第2の実施の形態では、内蔵バッテリー23から外部バッテリー24への切り替えに限り、連写機能の使用中であっても切り替えが行われる。
【0032】
――第2の実施の形態――
第2の実施の形態によるデジタルカメラは、内蔵バッテリー23を使用している場合に限り、図4に示したメイン処理とは異なる処理を実行する。この処理では、連写機能の使用中であっても残容量率に応じてバッテリーの切り替えを行う。ただし、連写速度の変更は行わない。
【0033】
外部バッテリー24は内蔵バッテリー23よりも大きな容量を持ち、内蔵バッテリー23よりも高速に連写を行うことができる。内蔵バッテリー23を用いて外部バッテリー24と同様の連写速度を実現することはできないが、外部バッテリー24を用いて連写速度を意図的に遅らせ、内蔵バッテリー23と同様の連写速度を実現することは可能である。そこで、本実施の形態におけるデジタルカメラは、連写機能の使用中に内蔵バッテリー23から外部バッテリー24への切り替えが行われた場合、連写速度を内蔵バッテリー23に合わせ、本来の外部バッテリー24が備える最大連写速度よりも遅い連写速度とする。これにより、ユーザが意図しない連写速度の変化が生じない。
【0034】
図5は、内蔵バッテリー23を使用している場合にデジタルカメラにより呼び出されるメイン処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態によるデジタルカメラは、内蔵バッテリー23から電力の供給を受けている場合に限り、図3に示したフローチャートのステップS14から、図4のフローチャートに示した処理ではなく、図5のフローチャートに示す処理を実行する。以下、図5を用いて内蔵バッテリー23を使用している場合のメイン処理を説明する。
【0035】
まずステップS31では、レリーズボタンが押下されたか否かを判定する。レリーズボタンが押されている場合には、ステップS31により肯定判定がなされ、ステップS32へ進む。他方、ステップS31により否定判定がなされた場合には、ステップS37へ進む。
【0036】
ステップS32では連写処理を開始する。これ以降、可能な限り早い速度で、撮像処理を繰り返す。ステップS33では、現在使用している内蔵バッテリー23の残容量率を取得する。ステップS34では、ステップS33で取得した内蔵バッテリー23の残容量率がバッテリー切り替えのしきい値以下であるか否かを判定する。残容量率がバッテリー切り替えのしきい値以下である場合には、ステップS34により肯定判定がなされ、ステップS35へ進む。ステップS35では、使用するバッテリーを内蔵バッテリー23から外部バッテリー24へ切り替え、ステップS36へ進む。他方、ステップS34により否定判定がなされた場合には、ステップS36へ進む。
【0037】
ステップS36では、レリーズボタンが解放されたか否かを判定する。レリーズボタンが押されていない場合には、ステップS36により肯定判定がなされ、ステップS37へ進む。レリーズボタンが押下中である場合には、ステップS33へ戻る。ステップS33からステップS36の処理を実行する間、デジタルカメラ1は撮像処理を可能な限り早い速度で実行し続ける。
【0038】
ステップS37では連写処理を終了する。ステップS38では、内蔵バッテリー23の残容量率を取得する。ステップS39では、ステップS38で取得した残容量率がバッテリー切り替えのしきい値以下であるか否かを判定する。残容量率がしきい値以下であった場合、ステップS39により肯定判定がなされ、ステップS40へ進む。他方、ステップS39により否定判定がなされた場合には、メイン処理を終了する。
【0039】
ステップS40では、連写速度を外部バッテリー24に対応する速度に変更する。すなわち、連写速度は毎秒6枚に変更される。ステップS41では、外部バッテリー24がデジタルカメラ1の各部材へ電力を供給するよう設定する。既に外部バッテリー24により電力の供給が行われている場合には何も行わない。バッテリーの切り替えが終了したらメイン処理を終了する。
【0040】
上述した第2の実施の形態によるデジタルカメラによれば、第1の実施の形態によるデジタルカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)制御回路16は、内蔵バッテリー23が使用されており且つ連写機能を使用している場合には、外部バッテリー24への切り替えを行っても最大連写速度を変化させない。これにより、内蔵バッテリー23の消耗を抑え且つ最大連写速度の変化を抑止することができる。
【0041】
上述した第1の実施の形態では、連写機能を使用しているときにはバッテリーの切り替えが行われなかった。以下に詳述する第3の実施の形態では、連写機能ではなく動画撮影機能を対象としてバッテリーの切り替えを制御する。
【0042】
――第3の実施の形態――
第3の実施の形態におけるデジタルカメラは、動画撮影機能を備える。ユーザが入力装置13を用いて動画撮影を有効にし、その後レリーズボタンを押下すると動画の撮影が開始される。以降、再度レリーズボタンが押下されるか、あるいは動画の連続撮影時間が所定の制限時間に達するまで動画撮影が継続される。撮影した動画は記録媒体22へ記録される。
【0043】
図6は、本実施形態におけるデジタルカメラが利用可能なバッテリー毎の、動画撮影の制限時間を示す図である。第1の実施の形態と同様に、本実施形態におけるデジタルカメラ1は内蔵バッテリー23と外部バッテリー24とのいずれか一方から電力の供給を受ける。内蔵バッテリー23が電力を供給しているとき、デジタルカメラ1は最長で3分間の動画を撮影することができる。他方、外部バッテリー24が電力を供給しているときは、動作撮影時間は最長で5分間となる。
【0044】
図7は、第3の実施の形態において、図3に示したフローチャートのステップS15で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。まずステップS51では、レリーズボタンが押されたか否かを判定する。レリーズボタンが押された場合には、ステップS51により肯定判定がなされ、ステップS52へ進む。他方、ステップS51により否定判定がなされた場合には、ステップS54へ進む。
【0045】
ステップS52では動画撮影処理を開始する。これ以降、動画撮影処理を終了するまで、継続して動画撮影処理を行う。ステップS53では、現在撮影中の動画の撮影時間が動画撮影の制限時間に到達したか否かを判定する。撮影時間が制限時間に達していた場合、ステップS53により肯定判定がなされ、ステップS55へ進む。他方、ステップS53により否定判定がなされた場合にはステップS54へ進む。ステップS54では、ステップS51以降にレリーズボタンが再度押されたか否かを判定する。レリーズボタンが押されていない場合には、ステップS54により肯定判定がなされ、ステップS55へ進む。レリーズボタンの押下中、動画撮影処理を継続して実行する。
【0046】
ステップS55では動画撮影処理を終了する。ステップS56では、現在使用しているバッテリーの残容量率を取得する。ステップS57では、ステップS56で取得した残容量率がバッテリー切り替えのしきい値以下であるか否かを判定する。残容量率がしきい値以下であった場合、ステップS57により肯定判定がなされ、ステップS58へ進む。他方、ステップS57により否定判定がなされた場合には、メイン処理を終了する。
【0047】
ステップS58では、動画撮影の制限時間を切り替え先のバッテリーに対応する制限時間に変更する。すなわち、現在使用しているバッテリーが内蔵バッテリー23であれば制限時間は5分に、現在外部バッテリー24を使用しているのであれば制限時間は3分に変更される。ステップS59では、デジタルカメラ1の各部材へ電力を供給するバッテリーを、現在使用中のバッテリーとは異なるバッテリーへ切り替える。バッテリーの切り替えが終了したらメイン処理を終了する。
【0048】
上述した第3の実施の形態によるデジタルカメラによれば、第1の実施の形態によるデジタルカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)制御回路16は、動画撮影が行われているときバッテリーの切り替えを行わず、動画の連続撮影の制限時間も変化させない。これにより、動画撮影機能に対して、バッテリーの切り替えがユーザにとって意図しない変化を発生させることを防止することができる。
【0049】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)使用するバッテリーを切り替えるか否かを判定するために、残容量率以外のパラメータを用いてもよい。例えば、バッテリーの残容量を用いてもよい。
【0050】
(2)デジタルカメラ1の起動時に使用するバッテリーは、ユーザによる設定以外の要素に基づいて決定してもよい。例えば、常に内蔵バッテリー23を用いて起動するようにしてもよいし、バッテリーの残容量に基づいてどちらのバッテリーを用いるかを決定するようにしてもよい。
【0051】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施の形態によるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラ1が利用可能なバッテリー毎の連写速度を示す図である。
【図3】デジタルカメラ1の電源オンから電源オフまでの動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態において、図3に示したフローチャートのステップS15で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態において、内蔵バッテリー23を使用している場合にデジタルカメラにより呼び出されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施の形態におけるデジタルカメラが利用可能なバッテリー毎の、動画撮影の制限時間を示す図である。
【図7】第3の実施の形態において、図3に示したフローチャートのステップS15で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 デジタルカメラ
2 補助バッテリーパック
16 制御回路
23 内蔵バッテリー
24 外部バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用されているバッテリーの種別に応じて異なる撮影機能を有するカメラであって、
前記カメラへ電力供給を行っているバッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、他のバッテリーへの切り替えを行うバッテリー切替手段と、
所定の撮影機能を実行する機能提供手段と、
前記所定の撮影機能が実行されている期間中は、前記バッテリー切替手段によるバッテリーの切り替えが行われたか否かにかかわりなく、前記所定の撮影機能を継続して実行させる制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記使用されているバッテリーの種別とは、カメラ内蔵型バッテリーおよび複数種の外部バッテリーのいずれか一つを示し、
前記撮影機能とは、連写モードの有無、連写モードにおける連写速度、動画撮影時における連続撮影可能時間を含むことを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラにおいて、
前記制御手段は、前記所定の撮影機能が実行されている期間中、前記バッテリー切替手段によるバッテリーの切り替えを抑止することにより、前記所定の撮影機能を他の撮影機能に変化させないことを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
前記制御手段は、前記所定の撮影機能が実行されている期間中、より制限的な撮影機能へ変更させないことを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のカメラにおいて、
前記所定の撮影機能は連写機能であり、
前記より制限的な撮影機能への変更とは連写速度を低下させる変更であることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項4に記載のカメラにおいて、
前記所定の撮影機能は動画撮影機能であり、
前記より制限的な撮影機能への変更とは連続撮影時間を短縮させる変更であることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
前記バッテリー切替手段によるバッテリーの切り替えは、ユーザが設定した任意の条件に基づいて行われることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−87970(P2010−87970A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256398(P2008−256398)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】