説明

カラーフィルタ製造ライン

【課題】自動倉庫と処理ラインを接続したカラーフィルタ製造ラインにて、直前工程での不良が検出された際に、検査のための直前工程への投入作業量を低減させ、生産性の阻害を軽減させるカラーフィルタ製造ラインを提供する。
【解決手段】処理ライン(Li、i=1〜(n−1))は、その搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)へガラス基板を逆搬送する逆搬送手段(30−i)を有し、処理ライン(Li、i=2〜n)は、a)その搬出装置(ULD−i)から、直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へガラス基板を搬送し、b)また、直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へガラス基板を搬送する搬送手段(50−i)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ製造ラインにおける検査・修正に関するものであり、特に、ある処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での不良が検出された際に、再度の検査・修正のために当該ガラス基板を直前工程の検査・修正装置へ投入する作業量を低減させ、不良として検出されたガラス基板が多い場合に被る生産性の阻害を軽減させることのできるカラーフィルタ製造ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。また、図7は、図6に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図6、及び図7に示すように、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42)、及び透明導電膜(43)が順次に形成されたものである。
図6、及び図7はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(42)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角17インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
【0003】
液晶表示装置の多くに用いられている、上記構造のカラーフィルタの製造方法としては、先ず、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次に、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上のブラックマトリックスのパターンに位置合わせして着色画素を形成し、更に透明導電膜を位置合わせして形成するといった方法が広く用いられている。ブラックマトリックス(41)は、遮光性を有するマトリックス状のものであり、着色画素(42)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(43)は、透明な電極として設けられたものである。
【0004】
ブラックマトリックス(41)は、着色画素(42)間のマトリックス部(41A)と、着色画素(42)が形成された領域(表示部)の周辺部を囲む額縁部(41B)とで構成されている。
ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
【0005】
このブラックマトリックスの形成は、クロム成膜の処理ラインを用いてガラス基板(40)上にブラックマトリックスの材料としてのクロム(Cr)、酸化クロム(CrOX )などの金属、もしくは金属化合物を薄膜状に成膜し、成膜された薄膜上に、ブラックマトリックスの処理ラインを用いて、例えば、ポジ型のフォトレジストのエッチングレジストパターンを形成し、次に、成膜された金属薄膜の露出部分のエッチング及びエッチングレジストパターンの剥膜を行い、Cr、CrOX などの金属薄膜からなるブラックマトリックス(41)を形成するといった方法がとられている。
或いは、ガラス基板(40)上に、ブラックマトリックス形成用の黒色感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によってブラックマトリックス(41)を形成するといった方法がとられている。
【0006】
また、着色画素(42)の形成は、このブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、着色画素の処理ラインを用いて、例えば、顔料などの色素を分散させたネガ型のフォトレジストの塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によって着色画素を形成するといった方法がとられている。
また、透明導電膜(43)の形成は、透明導電膜の処理ラインを用いて、着色画素が形成されたガラス基板上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
【0007】
図6、及び図7に示すカラーフィルタ(4)は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタとして基本的な機能を備えたものである。液晶表示装置は、このようなカラーフィルタを内蔵することにより、フルカラー表示が実現し、その応用範囲が飛躍的に広がり、液晶カラーTV、ノート型PCなど液晶表示装置を用いた多くの商品が創出された。
多様な液晶表示装置の開発、実用に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには、上記基本的な機能に付随して下記のような、種々な機能が付加されるようになった。
【0008】
図6に示すカラーフィルタに追加される機能としては、例えば、保護層、フォトスペーサー、配向制御用突起、光路調整層、光散乱層などがあげられる。これら諸機能の内、そのカラーフィルタの用途、仕様にもとづき1機能或いは複数の機能が図6に示すカラーフィルタに追加される。
【0009】
図8は、前記各種の処理ラインの内、着色画素の処理ラインの一例を示す説明図である。図8に例示する着色画素の処理ラインは、洗浄装置(12)、塗布装置(13)、膜厚/ムラ検査装置(14)、露光装置(15)、現像装置(16)、ポストベーク装置(17)、検査・修正装置(18)などのプロセス装置(P)と、搬入装置(LD)及び搬出装置(ULD)で構成されている。
尚、ガラス基板は図示していないが、ガラス基板の動線を実線矢印で表している。ガラス基板は、搬送機構により各装置間を順次に搬送される。
【0010】
図8に示すように、ガラス基板は、搬入装置(LD)から洗浄装置(12)へ搬入され、洗浄装置(12)にて洗浄処理が施される。次に、洗浄装置(12)から塗布装置(13)へ搬送され、塗布装置(13)にてフォトレジストが塗布される。塗布後に膜厚/ムラ検査装置(14)へ搬送され、フォトレジストの塗膜の検査が行われる。
【0011】
続いて、露光装置(15)での露光、現像装置(16)での現像、ポストベーク装置(17)でのポストベーク、検査装置(18)での検査及び修正が施され、パターンが形成されたガラス基板は、検査・修正装置(18)から搬出装置(ULD)へと搬出される。フォトレジストの塗布後に行われる膜厚/ムラ検査装置(14)は、例えば、光学式非接触の膜厚検査と、マクロ画像を撮像するムラ検査を行うものであり、着色画素の処理ライン内に組み込まれた、所謂、インラインの検査装置である。また、検査・修正装置(18)は、例えば、形成されたパターンの外観検査を行い、検出されたピンホールなどの白欠陥や異物の付着などの黒欠陥を修正する外観検査及び欠陥修正装置である。
【0012】
カラーフィルタを製造するための、前記各種の処理を行う複数の処理ラインへのガラス基板の供給、及び処理ラインからの回収は、ガラス基板の大型化に伴い、ガラス基板のサイズが550mm×650mm程度になった第3世代からは、例えば、無軌道の無人搬送台車(AGV)を使い、ガラス基板が収納されたカセット及び空のカセットが保管されている自動倉庫から各処理ラインへ、或いは各処理ラインから自動倉庫へカセットを搬送していた。
【0013】
しかし、ガラス基板のサイズが1500mm×1800mm程度になった第6世代からは、無軌道の無人搬送台車(AGV)はスペースを取りすぎるために、カラーフィルタ製造ラインの配置を自動倉庫と各処理ラインを接続させた配置として、自動倉庫から各処理ライン、或いは各処理ラインから自動倉庫へ直接にカセットの供給及び回収を行う方式が採用されるようになった。
【0014】
図1は、自動倉庫と各処理ラインを接続させて配置し、カセットを直接に搬送する方式を採用した第6世代以降のカラーフィルタ製造ラインの一例の概略を示す平面図である。図1に示すように、このカラーフィルタ製造ラインは、各種の処理を行う複数の処理ライン(L1〜Ln)と自動倉庫(20)で構成されている。複数の処理ライン(L1〜Ln)は、前記クロム成膜の処理ライン、ブラックマトリックスの処理ライン、着色画素の処理ライン、透明導電膜の処理ライン、追加される層の処理ライン等であり、ある処理ライン(Li)は、プロセス装置(Pi)と、搬入装置(LD−i)及び搬出装置(ULD−i)で構成されている。
【0015】
自動倉庫(20)は、この複数の処理ライン(L1〜Ln)に対応した自動倉庫である。自動倉庫(20)の長手方向(図1中、Y軸方向)に対し、複数の処理ライン(L1〜Ln)は、その長手方向を垂直にして配置され、その搬入装置(LD)及び搬出装置(ULD)は、自動倉庫(20)に接続されている。
【0016】
自動倉庫(20)には、ガラス基板が収納されたカセット及び空のカセットが保管されている。自動倉庫(20)は、搬入装置(LD)には、処理を行うガラス基板が収納されたカセットを供給し、また、ガラス基板がプロセス装置(P)へ投入されて空となった空のカセットを回収する。
また、自動倉庫(20)は、搬出装置(ULD)には、処理が施されたガラス基板を収納する空のカセットを供給し、また、ガラス基板が収納されたカセットを回収する。
【0017】
図2は、図1に示す、ある処理ライン(Li)として、ブラックマトリックスの処理ライン(L2)と、次の処理ラインとして、第1色目の赤色着色画素の処理ライン(L3)、及び対応している自動倉庫(20)の一部を拡大した平面図である。図2に示すように、自動倉庫(20)は、カセット(図示せず)を載置・保管する多段の棚(21)が図2中、Y軸方向に直線状に配列したストッカー(25)と、走行レール(23)上をY軸方向に移動自在なスタッカークレーン(22)で構成されている。
【0018】
スタッカークレーン(22)は、カセットを積載した状態で、上下移動が自在となっており、ストッカー(25)の棚(21)へカセットを載置し、或いは棚(21)からカセットを取り出すことができるようになっている。
また、このスタッカークレーン(22)は、積載したカセットを搬入装置(LD−2、LD−3)又は搬出装置(ULD−2、ULD−3)のカセットポート(図示せず)へ供給し、或いは、搬入装置(LD−2、LD−3)又は搬出装置(ULD−2、ULD−3)のカセットポートからカセットを回収することができるようになっている。
【0019】
ブラックマトリックスのプロセス装置(P2)で処理が施され、ブラックマトリックスの検査・修正装置(18−2)にて外観検査・修正が終了したガラス基板は、搬出装置(ULD−2)にてカセットに収納される。このガラス基板が収納されたカセットは、スタッカークレーン(22)によって赤色着色画素の処理ライン(L3)の搬入装置(LD−3)へ供給され、赤色着色画素の形成が施される。
【0020】
搬出装置(ULD−2)から赤色着色画素の処理ライン(L3)の搬入装置(LD−3)へのカセットの供給は、例えば、搬出装置(ULD−2)から搬入装置(LD−3)へ直接に供給され、或いは、一旦スタッカークレーン(22)によってストッカー(25)の棚(21)に載置・保管され、順次に搬入装置(LD−3)へ供給される。
尚、図2中の実線矢印は、投入されたガラス基板が処理ライン(L2、L3)内で搬送機構により各装置間を搬送され、順次に処理される順方向の動線を表している。
【0021】
赤色着色画素が形成されたガラス基板へは、次工程である第2色目の緑色着色画素の処理ライン(L4、図示せず)において、緑色着色画素の形成が施される。
【0022】
さて、上述のように、カラーフィルタ製造ラインにおいて、赤色着色画素の処理ライン(L3)の搬入装置(LD−3)へは、ブラックマトリックスの検査・修正装置(18−2)にて外観検査・修正が終了したガラス基板が供給される。
しかし、このガラス基板上に、赤色着色画素が形成され、赤色着色画素の検査・修正装置(18−3)にて外観検査が行われる際に、直前工程であるブラックマトリックスの外観不良が検出されることがある。
【0023】
赤色着色画素の検査・修正装置(18−3)にて、ブラックマトリックスの不良が検出された場合には、例えば、当該ガラス基板を直前工程であるブラックマトリックスの処理ライン(L2)の搬入装置(LD−2)へ投入し、プロセス装置(P2)の途中の装置を空転させた状態でプロセス装置(P2)中を搬送し、再度、ブラックマトリックスの検査・修正装置(18−2)にて、ブラックマトリックスの外観検査・修正を行うといった作業を行うことになる。
【0024】
この搬入装置(LD−2)へのガラス基板の投入作業は、手作業で行うために相応の作業量となる。特に、不良として検出されたガラス基板が多い場合には、新規のガラス基板を搬入装置(LD−2)より投入することができなくなるから、カラーフィルタ製造ラインの生産性を阻害することとなる。
【特許文献1】特開2004−109968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、上述したカラーフィルタ製造ラインにおいて、ある処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での不良が検出された際に、再度の検査・修正のために当該ガラス基板を直前工程の検査・修正装置へ投入する作業量を低減させ、不良として検出されたガラス基板が多い場合に被る生産性の阻害を軽減させることのできるカラーフィルタ製造ラインを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、自動倉庫と、複数の処理ラインの搬入装置及び搬出装置を接続させて配置し、該自動倉庫と、該搬入装置又は搬出装置との間でカセットの供給及び回収を行うカラーフィルタ製造ラインにおいて、
1)前記複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、最終工程の処理ライン(Ln)以外の処理ライン(Li、i=1〜(n−1))は、その搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)へガラス基板を逆搬送する逆搬送手段(30−i)を有し、
2)前記複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、第1工程の処理ライン(L1)以外の処理ライン(Li、i=2〜n)は、
a)その搬出装置(ULD−i)から、直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へガラス基板を搬送し、
b)また、少なくとも直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へガラス基板を搬送する搬送手段(50−i)を有し、
処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程での品質不良が検出されたガラス基板を直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送し、直前工程の検査・修正装置(18−(i−1))にての再度の検査・修正後に、該ガラス基板を少なくとも直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へ搬送することを特徴とするカラーフィル
タ製造ラインである。
【0027】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ製造ラインにおいて、前記直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))が、再度の検査・修正にて品質不良と判定されたガラス基板を搬出装置(ULD−(i−1))から排出する排出機構を有することを特徴とするカラーフィルタ製造ラインである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、自動倉庫と、複数の処理ラインの搬入装置及び搬出装置を接続させて配置し、該自動倉庫と、該搬入装置又は搬出装置との間でカセットの供給及び回収を行うカラーフィルタ製造ラインにおいて、1)複数の処理ラインの内、最終工程の処理ライン以外の処理ラインは、その搬出装置から検査・修正装置へガラス基板を逆搬送する逆搬送手段(30−i)を有し、2)複数の処理ラインの内、第1工程の処理ライン以外の処理ラインは、a)その搬出装置から、直前工程の搬入装置又は搬出装置へガラス基板を搬送し、b)また、少なくとも直前工程の搬出装置から、処理ラインの搬出装置へガラス基板を搬送する搬送手段(50−i)を有し、処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での品質不良が検出されたガラス基板を直前工程の搬入装置又は搬出装置へ搬送し、直前工程の検査・修正装置にての再度の検査・修正後に、該ガラス基板を少なくとも直前工程の搬出装置から、処理ラインの搬出装置へ搬送するカラーフィルタ製造ラインであるので、ある処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での不良が検出された際に、再度の検査・修正のために当該ガラス基板を直前工程の検査・修正装置へ投入する作業量を低減させ、不良として検出されたガラス基板が多い場合に被る生産性の阻害を軽減させることのできるカラーフィルタ製造ラインとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、自動倉庫と各処理ラインを接続させて配置し、カセットを直接に搬送する方式を採用した第6世代以降の前記カラーフィルタ製造ラインの一例の概略を示す平面図であるが、また、本発明によるカラーフィルタ製造ラインの一例の概略を示す平面図を兼ねたものである。
【0030】
図1に示すように、本発明によるカラーフィルタ製造ラインは、各種の処理を行う複数の処理ライン(L1〜Ln)と自動倉庫(20)で構成されている。図3は、本発明における、ある処理ライン(Li)と、その直前工程の処理ライン(L(i−1))、及び対応している自動倉庫(20)の一部を拡大した平面図である。本発明における、この処理ライン(Li)は、図1に例示するカラーフィルタ製造ラインの配列での処理ライン(Li)に相当する位置に配列しているものである。
【0031】
図3に示すように、本発明における処理ライン(Li)は、逆搬送手段(30−i)及び搬送手段(50−i)を有している。図3は、逆搬送手段(30−i)及び搬送手段(50−i)が配設される状態を模式的に説明するものであり、逆搬送手段(30−i)及び搬送手段(50−i)を従来の処理ラインに重ねて示してある。
【0032】
処理ライン(Li)の搬入装置(LD−i)に供給されたカセット(図示せず)からプロセス装置(Pi)に投入されたガラス基板は、実線矢印(c)で示すように、搬送機構(図示せず)により各装置間を順次に搬送されながら当該処理が施され、検査・修正装置(18−i)を経て搬出装置(ULD−i)のカセットに収納される。
本発明における処理ライン(Li)の逆搬送手段(30−i)は、ガラス基板を搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)へ逆搬送するものである。実線矢印(d)は、逆搬送されるガラス基板の動線を表している。
【0033】
検査・修正装置(18−i)を含むプロセス装置(Pi)から搬出装置(ULD−i)への搬送機構によるガラス基板の搬送(実線矢印(c))と、搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)への逆搬送手段(30−i)によるガラス基板の逆搬送(実線矢印(d))は同時には行われず、いずれか一方が選択的に作動するようになっている。
【0034】
また、直前工程の処理ライン(L(i−1))の逆搬送手段(30−(i−1))は、上記逆搬送手段(30−i)と同一のものであり、同様な動作、すなわち、ガラス基板を搬出装置(ULD−(i−1))から検査・修正装置(18−(i−1))へ逆搬送するものである。
図3中、実線矢印(a)は、直前工程の処理ライン(L(i−1))におけるガラス基板の順方向の動線を表している。また、実線矢印(b)は、逆搬送されるガラス基板の逆方向の動線を表している。
【0035】
本発明における処理ライン(Li)の搬送手段(50−i)は、ガラス基板を搬出装置(ULD−i)から、直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送し、また、ガラス基板を直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へ搬送するものである。
【0036】
実線矢印(e)は、搬出装置(ULD−i)から直前工程の搬入装置(LD−(i−1))へ搬送されるガラス基板の動線を表し、実線矢印(f)は、搬出装置(ULD−i)から直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送されるガラス基板の動線を表している。また、実線矢印(g)は、直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から搬出装置(ULD−i)へ搬送されるガラス基板の動線を表している。
搬送手段(50−i)は、上記3種の搬送(e、f、g)を同時には行わず、いずれか一種の搬送を選択的に行うようになっている。
【0037】
逆搬送手段(30−i、30−(i−1))及び搬送手段(50−i)は、例えば、前記図2に例示する従来の処理ライン(L2、L3)に追加して配設されるものである。従って、自動倉庫(20)と搬入装置(LD−i、LD−(i−1))との間でのカセットの供給及び回収や、自動倉庫(20)と搬出装置(ULD−i、ULD−(i−1))との間でのカセットの供給及び回収に支障をきたすものではない。
【0038】
図4は、本発明における処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程の処理ライン(L(i−1))での品質不良のガラス基板が検出された場合に、当該ガラス基板を直前工程の処理ライン(L(i−1))の搬入装置(LD−(i−1))へ搬送し、再度、直前工程の処理ライン(L(i−1))の検査・修正装置(18−(i−1))にて検査・修正を行う状態の説明図である。
【0039】
図4に示すように、直前工程の処理ライン(L(i−1))にて処理が施されたガラス基板は、搬出装置(ULD−(i−1))にてカセット(図示せず)に収納される。このカセットは、処理ライン(Li)の搬入装置(LD−i)に直接或いはストッカーでの保管を経て供給される。搬入装置(LD−i)に供給されたカセットからガラス基板はプロセス装置(Pi)に投入され、実線矢印(c)で示すように、プロセス装置(Pi)にての処理が施され、検査・修正装置(18−i)にて検査・修正が行われ搬出装置(ULD−i)に搬送される。
【0040】
処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程の処理ライン(L(i−1))での品質不良が検出された当該ガラス基板は、搬送手段(50−i)によって、点線矢印(e)で示すように、搬出装置(ULD−i)から直前工程の処理ライン(L(i−1))の搬入装置(LD−(i−1))に搬送される。
【0041】
当該ガラス基板は、点線矢印(a’)で示すように、搬入装置(LD−(i−1))から直前工程のプロセス装置(P(i−1))に投入され、プロセス装置(P(i−1))の途中の装置は空転した状態でプロセス装置(P(i−1))内を搬送され、検査・修正装置(18−(i−1))にて再度、検査・修正が行われる。再度の検査・修正が終了した当該ガラス基板は、搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送される。
【0042】
再度の検査・修正によって、当該ガラス基板が良品の際には、搬送手段(50−i)によって、点線矢印(g)で示すように、搬出装置(ULD−i)へ搬送され良品として扱われる。また、再度の検査・修正によって、当該ガラス基板が不良品の際には、例えば、排出機構によって、搬出装置(ULD−(i−1))から外部へ排出される。
尚、この間、逆搬送手段(30−i)及び逆搬送手段(30−(i−1))が作動することはない。
【0043】
上記のように、本発明における処理ライン(Li)及び直前工程の処理ライン(L(i−1))では、搬入装置(LD−(i−1))への当該ガラス基板の投入は手作業によらないので、相応の作業量はなく、不良として検出されたガラス基板が多い場合でも、カラーフィルタ製造ラインの生産性の阻害は軽減されたものとなる。
【0044】
図5は、本発明における処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程の処理ライン(L(i−1))での品質不良のガラス基板が検出された場合に、当該ガラス基板を直前工程の処理ライン(L(i−1))の搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送し、再度、直前工程の処理ライン(L(i−1))の検査・修正装置(18−(i−1))にて検査・修正を行う状態の説明図である。
【0045】
図5に示すように、直前工程の処理ライン(Li(i−1))にて処理が施されたガラス基板は、搬出装置(ULD−(i−1))にてカセット(図示せず)に収納される。このカセットは、処理ライン(Li)の搬入装置(LD−i)に直接或いはストッカーでの保管を経て供給される。搬入装置(LD−i)に供給されたカセットからガラス基板はプロセス装置(Pi)に投入され、実線矢印(c)で示すように、プロセス装置(Pi)にての処理が施され、検査・修正装置(18−i)にて検査・修正が行われ搬出装置(ULD−i)に搬送される。
【0046】
処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程の処理ライン(L(i−1))での品質不良が検出された当該ガラス基板は、搬送手段(50−i)によって、点線矢印(f)で示すように、搬出装置(ULD−i)から直前工程の処理ライン(L(i−1))の搬出装置(ULD−(i−1))に搬送される。
【0047】
当該ガラス基板は、点線矢印(b)で示すように、逆搬送手段(30−(i−1))によって、搬出装置(ULD−(i−1))から検査・修正装置(18−(i−1))に逆搬送され、検査・修正装置(18−(i−1))にて再度、検査・修正が行われる。再度の検査・修正が終了した当該ガラス基板は、点線矢印(a’)で示すように、搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送される。
【0048】
再度の検査・修正によって、当該ガラス基板が良品の際には、搬送手段(50−i)によって、点線矢印(g)で示すように、搬出装置(ULD−i)へ搬送され良品として扱われる。また、再度の検査・修正によって、当該ガラス基板が不良品の際には、例えば、排出機構によって、搬出装置(ULD−(i−1))から外部へ排出される。
尚、この間、逆搬送手段(30−i)は作動せず、逆搬送手段(30−(i−1))が作動することになる。
【0049】
上記のように、本発明における処理ライン(Li)及び直前工程の処理ライン(L(i−1))では、搬出装置(ULD−(i−1))への当該ガラス基板の投入は手作業によらないので、相応の作業量はなく、不良として検出されたガラス基板が多い場合でも、カラーフィルタ製造ラインの生産性の阻害は軽減されたものとなる。
また、当該ガラス基板が少量である際には、図5中、実線矢印(a)で示すように、直前工程の搬入装置(LD−(i−1))から、通常処理を行うガラス基板を投入し、当該ガラス基板への再度の検査・修正処理と、ガラス基板への通常処理を混合させた状態で直前工程の処理ライン(L(i−1))を稼働させることも可能である。
【0050】
また、本発明によるカラーフィルタ製造ラインは、複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、最終工程の処理ライン(Ln)以外の処理ライン(Li、i=1〜(n−1))は、その搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)へガラス基板を逆搬送する逆搬送手段(30−i)を有し、また、複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、第1工程の処理ライン(L1)以外の処理ライン(Li、i=2〜n)は、搬送手段(50−i)を有している。
【0051】
従って、第1工程の処理ライン(L1)以外の処理ライン(Li、i=2〜n)の検査・修正装置(18−i、i=2〜n)が検出した、各直前工程の品質不良は、最終工程の処理ライン(Ln)以外の各直前工程の検査・修正装置(18−i、i=1〜(n−1))で再度の検査・修正処理を行うことができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】自動倉庫と各処理ラインを接続させて配置したカラーフィルタ製造ラインの一例の概略、及び本発明によるカラーフィルタ製造ラインの一例の概略を兼ねて示す平面図である。
【図2】ブラックマトリックスの処理ラインと第1色目の赤色着色画素の処理ライン、及び対応している自動倉庫の一部を拡大した平面図である。
【図3】本発明における、ある処理ラインと、その直前工程の処理ライン、及び対応している自動倉庫の一部を拡大した平面図である。
【図4】処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での品質不良のガラス基板が検出された場合、再度の検査・修正を行う状態の説明図である。
【図5】処理ラインの検査・修正装置にて、直前工程での品質不良のガラス基板が検出された場合、再度の検査・修正を行う状態の説明図である。
【図6】液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。
【図7】図6に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【図8】着色画素の処理ラインの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
12・・・洗浄装置
13・・・塗布装置
14・・・膜厚/ムラ検査装置
15・・・露光装置
16・・・現像装置
17・・・ポストベーク装置
18・・・検査・修正装置
20・・・自動倉庫
21・・・カセットを載置・保管する棚
23・・・走行レール
25・・・ストッカー
30・・・逆搬送手段
40・・・ガラス基板
41・・・ブラックマトリックス
42・・・着色画素
43・・・透明導電膜
50・・・搬送手段
L1〜Li〜Ln・・・処理ライン
L2・・・ブラックマトリックスの処理ライン
L3・・・赤色着色画素の処理ライン
LD・・・搬入装置
P、Pi・・・プロセス装置
P2・・・ブラックマトリックスのプロセス装置
P3・・・赤色着色画素のプロセス装置
ULD・・・搬出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫と、複数の処理ラインの搬入装置及び搬出装置を接続させて配置し、該自動倉庫と、該搬入装置又は搬出装置との間でカセットの供給及び回収を行うカラーフィルタ製造ラインにおいて、
1)前記複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、最終工程の処理ライン(Ln)以外の処理ライン(Li、i=1〜(n−1))は、その搬出装置(ULD−i)から検査・修正装置(18−i)へガラス基板を逆搬送する逆搬送手段(30−i)を有し、
2)前記複数の処理ライン(L1〜Ln)の内、第1工程の処理ライン(L1)以外の処理ライン(Li、i=2〜n)は、
a)その搬出装置(ULD−i)から、直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へガラス基板を搬送し、
b)また、少なくとも直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へガラス基板を搬送する搬送手段(50−i)を有し、
処理ライン(Li)の検査・修正装置(18−i)にて、直前工程での品質不良が検出されたガラス基板を直前工程の搬入装置(LD−(i−1))又は搬出装置(ULD−(i−1))へ搬送し、直前工程の検査・修正装置(18−(i−1))にての再度の検査・修正後に、該ガラス基板を少なくとも直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))から、処理ライン(Li)の搬出装置(ULD−i)へ搬送することを特徴とするカラーフィルタ製造ライン。
【請求項2】
前記直前工程の搬出装置(ULD−(i−1))が、再度の検査・修正にて品質不良と判定されたガラス基板を搬出装置(ULD−(i−1))から排出する排出機構を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ製造ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−145829(P2008−145829A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334251(P2006−334251)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】