説明

カラー表示型情報表示用パネルの製造方法

【課題】インクが広がることがなくカラーフィルタを精度良く形成できるカラー表示型情報表示用パネルの製造方法を提案する。
【解決手段】観察側基板と背面側基板とを対向配置した基板間空間に、表示媒体を封入し、観察側から入射した光を表示媒体で反射させて、前記観察側基板に設けた各色のカラーフィルタを通してカラー情報として認識できるように構成され、更に、前記カラーフィルタが画素よりも小面積とされていると共に、前記観察側基板が積層構造で形成してあるカラー表示型情報表示用パネルの製造方法であって、前記積層構造を成し前記表示媒体に接近して配設される第1の透明シートの外側に、透明なレジスト層を配置した後、前記カラーフィルタの設置予定箇所に応じて前記レジスト層の一部を除去して第1の凹部を形成する凹部形成工程と、印刷法を用いて前記第1の凹部に、前記各色のカラーフィルタに応じた所定のインクを充填することにより前記カラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入した表示媒体を駆動することによって表示されるモノトーン画像等の情報を、観察側基板に設けた別色(R:赤色、G:緑色、BL:青色など)のカラーフィルタにより、カラー表示できるようにしたカラー表示型情報表示用パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報表示用パネルの観察側の透明基板に、例えば画素毎にR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)の色の異なるカラーフィルタを設け、カラー表示型の情報表示用パネルを得る技術がある。そして、特許文献1は、各色のカラーフィルタを画素に対応して配置する際にその画素よりも小面積で配置することにより、斜めから見ても混色のおそれが無いカラー表示型情報表示用パネルについて開示している。また、この特許文献1には上記カラーフィルタをインクジェット法などの印刷法を用いて形成できることについても開示しており、印刷法を採用すると比較的簡易にカラーフィルタを形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のカラーフィルタは、例えば次のように形成することができる。先ず、透明電極付きの透明基板を準備し、この基板の電極が形成された面とは反対の面にカラーフィルタ(赤色:R、緑色:G、青色:BL)を形成する。ここで、斜めから見たときに発生するおそれがある混色を防止するため各カラーフィルタは画素よりも小さい面積として、精度良く形成することが必要である。ところが、従来のように、インクジェット法やフレキソ法などの印刷法を単に用いてカラーインクを印刷するだけでは、透明基板上に印刷したカラーインクが広がってしまい所望のサイズ、所望の位置に精度よくカラーフィルタを形成して配置できない場合があった。このように、カラーフィルタを精度よく形成配置できなかったカラー表示型情報表示用パネルは、前述した斜めから見たときの混色を確実には防止できず、カラー表示性能が劣るのでカラー表示型情報表示用パネルを製品とした場合には製品に対する信頼性が低下してしまう。
【0005】
よって、本発明の主な目的は、上述した問題点を解消して、印刷法によってインクが広がることがなくカラーフィルタを精度良く形成できるカラー表示型情報表示用パネルの製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、観察側透明基板と、背面側基板とを対向配置した基板間空間に、表示媒体を封入し、観察側から入射した光を表示媒体で反射させて、前記観察側透明基板に設けた各色のカラーフィルタを通してカラー情報として認識できるように構成され、更に、前記カラーフィルタが画素よりも小面積とされていると共に、前記観察側基板が積層構造で形成してあるカラー表示型情報表示用パネルの製造方法であって、
前記積層構造を成し前記表示媒体に接近して配設される第1の透明シートの外側に、透明なレジスト層を配置した後、前記カラーフィルタの設置予定箇所に応じて前記レジスト層の一部を除去して第1の凹部を形成する凹部形成工程と、
印刷法を用いて前記第1の凹部に、前記各色のカラーフィルタに応じた所定のインクを充填することにより前記カラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程とを含む、ことを特徴とするカラー表示型情報表示用パネルの製造方法よって達成される。
【0007】
また前記凹部形成工程では遮光材を配置するための第2の凹部も併せて形成し、
前記第2の凹部に前記遮光材を充填する遮光材形成工程を更に含むものでもよい。
【0008】
また、前記カラーフィルタ形成工程後、前記レジスト層上に、接合層を介して第2の透明シートを配置するシート配置工程を含み、
前記カラーフィルタ形成工程後に、カラーフィルタを平坦にする工程を行わないで、前記シート配置工程を実行してもよい。
【0009】
また、前記各色のカラーフィルタは、屈折率n、厚さdとされた前記第1の透明シートの外側であって画素と重なる位置に、前記カラーフィルタの上下両側か左右両側か上下左右すべての側のいずれか少なくとも隣接するカラーフィルタ色が異なるカラーフィルタ間であって、斜め視認方向と直角をなす部分に隙間を持つように、前記カラーフィルタが前記画素と重なる面積を前記画素の面積の50%以上100%以下で設けると共に、前記斜め視認方向での画素ピッチおよび画素間スペースをそれぞれLSおよびDSとし、前記表示媒体が表示する画像を前記カラーフィルタ面で45°方向に屈折した反射光として視認したときに起こる、式(1)で示される視野ずれl、との関係が、l≦0.5×(DS+LS)となるように配置されるものであり、
l=d×{sinθ/(n−sinθ)}1/2 θ=45°・・・式(1)
前記第1の凹部は、前記カラーフィルタの配置条件に応じて、前記レジスト層に形成する形状が規定されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラー情報表示用パネルの製造方法によると、画素よりも小面積のカラーフィルタを所望のサイズで、所望の位置に精度よく設けることができるので、混色を確実に防止した表示性能の高いカラー表示型情報表示用パネルを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象とするカラー表示型情報表示用パネルの原理的構成の一例を示す図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象とするカラー表示型情報表示用パネルの原理的構成の他の例を示す図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象とするカラー表示型情報表示用パネルの原理的構成のさらに他の例を示す図である。
【図4】本発明の対象とするカラー表示型情報表示用パネルの一つの特徴となる斜め方向から見たときに混色を起こさない関係について説明するための図である。
【図5】本発明に係るカラー表示型情報表示用パネルを製造するときに含まれている、カラーフィルタを形成するときの工程例を示している図である。
【図6】本発明に係るカラー表示型情報表示用パネルを製造するときに含まれている、カラーフィルタを形成するときの他の工程例を示している図である。
【図7】本発明の製造法により製造できるカラー表示型情報表示用パネルについて、カラーフィルタ部分を例示している図である。
【図8】本発明の製造法により製造できるカラー表示型情報表示用パネルについて、カラーフィルタ部分の他例を示している図である。
【図9】積層型となる観測側基板2の好適な積層例を具体的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の情報表示用パネルのうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として用いる情報表示用パネルの一例について説明する。上記情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間の空間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、表示パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0013】
本発明の対象となる情報表示用パネルのうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)に基づき説明する。
【0014】
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率と帯電特性とが異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT(薄膜トランジスタ)付き画素電極)と観察側透明基板2に設けた透明な電極6(共通電極)とで形成する電極対間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。
【0015】
観察側透明基板2は、積層構造をもって形成されている。電極6に接する最下層から第1の透明シート21、後述するカラーフィルタが配置される透明なレジスト層22、そして、接着剤などによる接合層23を介して、保護層として機能する第2の透明シート24を設けた構造である。
第1の透明シート21の外側(図で上側)に位置するレジスト層22の一部に凹部を設けて、各画素に対応して赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLが配置されている。
【0016】
ここでは、画素とセル(隔壁4で囲まれた空間)とを1対1に対応させ、赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLを画素に対応して形成し、RGB3画素を1表示単位(1ピクセルとも称される)として表示を行っている。ここで画素とは表示の基本単位である。詳細には、表示媒体となる粒子を移動させるように対向配置されている電極(導電膜)が互いに重なる領域で、表示媒体となる粒子を移動させることで、微小な1点(dot)を示す表示用パネルの表示の要素である。
【0017】
図1で例するカラー表示型情報表示用パネルでは、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者側に移動させて、赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLをそれぞれ透過した合成光を観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者側に移動させて黒色の表示を行っている。画素電極対とセルとを1対1に対応させているが、画素電極対とセルとは1対1に対応させなくてもよい。画素電極対をマトリックス配置し、ドットマトリックス表示できる。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
【0018】
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率と帯電特性とが異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ストライプ電極)と観察側透明基板2に設けた電極6(ストライプ電極)とが対向直交交差して形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。
【0019】
ここで示す観察側透明基板2も積層構造をもって形成されている。電極6に接する最下層から第1の透明シート21、後述するカラーフィルタが配置される透明なレジスト層22、そして、接合層23を介して、保護層として機能する第2の透明シート24を備えた構造である。
第1の透明シート21の外側(上側)に位置するレジスト層22の一部に凹部を設けて、各画素に対応して赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLが配置されている。
【0020】
ここでは、画素とセルとを1対1に対応させ、赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLを画素に対応して形成し、RGB3画素を1表示単位として表示を行っている。
【0021】
そして、ここで例示するカラー表示型情報表示用パネルでは、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者側に移動させて、赤色カラーフィルタ11R、緑色カラーフィルタ11G、青色カラーフィルタ11BLをそれぞれ透過した合成光を観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者側に移動させて黒色の表示を行っている。画素電極対とセルとを1対1に対応させているが、画素電極対とセルとは1対1に対応させなくてもよい。画素電極対をマトリックス配置し、ドットマトリックス表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
【0022】
また、本例ではセル空間が気体(例えば空気)で満たされている帯電粒子気体中移動方式の情報表示用パネルの例を説明したが、気体を除いた真空としてもよいし、気体の代わりに、絶縁液体を用いた帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)の情報表示用パネルとすることもできる。この場合、図3に示すように、帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体3W、3Bとして透明な絶縁液体7とともにカプセル8内に封止した、セルを形成する隔壁4を設けない構成の帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)の情報表示用パネルとすることもできる。ここではカプセル8と画素電極対とを1対1に対応させるが、画素電極対とカプセルとは1対1に対応させなくてもよい。画素電極対をマトリックス配置し、ドットマトリックス表示できる。
【0023】
ところで、図1〜図3で例示した情報表示用パネルの構造的特徴は、カラーフィルタと表示媒体(粒子)との間に透明シートが配置されると共に各カラーフィルタが画素よりも小面積とされていることである。このようにカラーフィルタを設定することで斜めから見た場合に発生するおそれがある混色を抑制するように設計している。
そして、混色を発生させない小さめのカラーフィルタとするためのより好ましい条件は次の通りである。各色のカラーフィルタを、屈折率n、厚さdである透明基板(第1の透明シート21)の外側であって画素と重なる位置に、カラーフィルタの上下両側か左右両側か上下左右すべての側のいずれか少なくとも隣接するカラーフィルタ色が異なるカラーフィルタ間であって、斜め視認方向と直角をなす部分に隙間を持つように、カラーフィルタが画素と重なる面積を画素面積の50%以上100%以下で設けるとともに、斜め視認方向での画素ピッチおよび画素間スペースをそれぞれLSおよびDSとし、表示媒体が表示する画像をカラーフィルタ面で45°方向に屈折した反射光として視認したときに起こる、式(1)で示される視野ずれl、との関係を、l≦0.5×(DS+LS):
l=d×{sinθ/(n−sinθ)}1/2 θ=45°・・・式(1)とした点にある。
【0024】
図4は本発明で製造対象とするカラー表示型情報表示用パネルの一つの特徴である、各色のカラーフィルタを、屈折率n、厚さdの観察側に配置する透明基板(ここでは透明導電膜6が形成された第1の透明シート21)の外側に配置したことによって斜め方向から見た場合に生じる混色について説明するための図である。図4に示す例において、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す例においては、赤色カラーフィルタ11Rが対応している画素にある表示媒体(ここでは黒色粒子)からの反射光が、斜めθ方向から見たときに、緑色カラーフィルタ11Gを介して見えてしまう領域を、図中の矢印は示している。また、観察側透明基板を構成する第1の透明シート21中を透過した反射光は緑色カラーフィルタ11Gと第1の透明シート21との界面で屈折してθ方向に進行する様子を模式的に示している。実際には、透明電極と第1の透明シート21との界面やカラーフィルタと保護層との界面での屈折を経て進行してきた反射光を見ることになるが、透明電極およびカラーフィルタは厚さが第1の透明シート21の厚さに比べて極めて薄く屈折によるずれは無視できる大きさであるので、ここでは観察側透明基板2とカラーフィルタとの界面での屈折だけを考えている。ここでは保護層を考えずに観察側の外部環境が空気層(屈折率1)の場合を示しており、屈折率nが1より大きい場合の屈折方向を示していることになる。なお、カラーフィルタと空気層の間に保護層が配置された場合にも、表示媒体(粒子)からの反射光と、その反射光が界面で屈折して観察される方向との関係は同様に示される。
【0025】
図4に示す例において、第1の透明シート21の屈折率がnであり、屈折率(n)の大きい材料で透明基板を構成した場合ほど、色の異なるカラーフィルタ間の間隔を狭めても混色を発生させにくくすることができる。表示媒体(粒子)の表面からカラーフィルタ面までの距離dは、ここでは透明基板の厚さと透明導電膜の厚さとの合計で示されるが、透明導電膜厚は数百nm程度であるため、実質的にdは数十μm〜数百μmの厚さである第1の透明シート21の厚さと同じと考えてよい。また、図4に示す例において、tは画素とカラーフィルタとが重ならない部分の長さである。図において左右両側に設けるtは同じ長さにしてもよいし、異なる長さにしてもよいが、左右(または上下)双方の斜め方向から見る情報表示用パネルとする場合には同じ長さにするのが好ましい。さらにまた、斜め方向から見るときの視認方向での画素間スペースをDSとし、画素ピッチをLSとしている。セルを形成する隔壁はこの画素間スペースに設け、その幅をDS以下にする。ここでは、画素間スペースDSよりも幅が狭い隔壁を設けた例を示している。
【0026】
図4に示す例において、斜めθ方向から見たときには、l=d×{sinθ/(n−sinθ)}1/2で示される視野ずれlがあるために、G色カラーフィルタを介して認識する色は、G色表示用画素にある表示媒体(粒子)からの反射光のほかに前記視野ずれlの分だけ、隣のR色表示用画素方向からの反射光が混ざったものとなる。すなわち、G色カラーフィルタを介して認識するのは混色した色となってしまう。視野ずれlは、距離dを小さく、屈折率nを大きくすれば小さくすることができる。そして、画素間スペースDSやカラーフィルタと画素とのスペースtを大きくすれば、隣のR色表示用画素にある表示媒体(粒子)からの反射光の混色を小さくすることができるが、画素長さ(LS−DS)に対してDSを大きくすると画素間が空きすぎるため鮮明な画像が得られない。また、画素長さ(LS−DS)に対してカラーフィルタと画素とのスペースtを大きくすると、画素の面積に対してカラーフィルタの面積が小さすぎるため鮮明な画像が得られない。本発明では、画素の面積に対してカラーフィルタの面積が50%以上100%以下となるようにするとともに、斜め45°方向から見たときの視野ずれl(θ:45°)=d×{sinθ/(n−sinθ)}1/2=d×{0.5/(n−0.5)}1/2を基準にして前記DSおよび前記DSと第1の透明シート21の屈折率nおよび表示媒体表面からカラーフィルタ面までの距離d(実質的に透明基板の厚さd)との関係においてl≦0.5×(DS+LS)を満たすようにすることで、後述する実施例から明らかなように、少なくとも斜め−45°〜正面〜斜め45°方向の範囲から観察したときに情報表示用パネル全体としての混色を抑えられるようにしている。
【0027】
図5は、本発明に係るカラー表示型情報表示用パネルを製造するときに含まれている、カラーフィルタを形成するときの工程を示した図である。図5は、積層構造で構成される観察側透明基板2にカラーフィルタを形成するときのステップを順に示している。
図5(a)は、積層構造で形成される観察側透明基板2の一部を成し、表示媒体に接近して配設される第1の透明シート21の外側に、透明なレジスト層22を配置した後、カラーフィルタの設置予定箇所に応じてレジスト層22の一部を除去して凹部22DP(第1の凹部)を形成する凹部形成工程を示している。図5(a)では透明電極6上に配置される第1の透明シート21上に、まずレジスト材料を塗布して透明なレジスト層22を形成する。そして、例えばフォトリソグラフィーの技術を応用して、フォトマスク用いて、カラーフィルタの設置予定箇所に精度良く凹部22DPを形成する。すなわち、各色のカラーフィルタそれぞれに応じたサイズおよび位置に応じて、レジスト層22に凹部22DPを形成する。凹部22DPは、形成しようとするカラーフィルタに応じた所望の形状、サイズで所望の位置に応じて形成される。
【0028】
図5(b)は、印刷法を用いて前記凹部22DPに、前記各色のカラーフィルタに応じた所定のインクを充填することによりカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程を示している。ここでは、印刷法としてフレキソ印刷やインクジェット印刷を用いて、(a)で示す工程で形成した凹部22DPに予定した所定のインクを充填する。図5(b)は赤色カラーフィルタ11R用のインクを充填した後の様子を示している。このインク充填では、必ずしも平坦である必要はなく、図示のように凹部22DPからインクが僅かに盛り上がった状態であってもよいし、凹部に対してメニスカスを形成し、中央が凹んだ状態であってもよい。その理由としては、後に貼り合わせ剤(接合層)を介して第2の透明シート24の貼り合わせなされ、このときに平坦化されので、特別な平坦処理を省くことができるだからである。
このように、充填するインクは盛り上がってもよいし、凹んでもいてもよいので、凹部22DPへのインク量を過度に調整する必要がない。
【0029】
図5(c)は、三原色のカラーフィルタ構成とするために、3個の凹部をセットした全ての凹部22DPに各色のインクの充填が完了(ここでは、赤色カラーフィルタ11Rと青色カラーフィルタ11BLの場合を例示)して、接合層23を介して第2の透明シート24を貼り合わせるときの様子を示した図である。そして、図5(d)はカラーフィルタの配置が完了した積層状の観察側透明基板2の完成体(半製品)である。この完成体には予め隔壁4が配置された状態であるので、隔壁4に囲まれたセル内に前述した表示媒体とする粒子群を充填して、背面側の基板1(図1〜図3を参照)と貼り合わせることで完成製品としてのカラー表示型情報表示用パネルを得ることができる。
なお、接合層23に用いる材料として、粘着剤、接着剤、熱融着剤などの透明材料を適宜に選択して用いることができる。
【0030】
図5で示す製造工程では、微細な構造を形成する半導体製造技術で使用されているレジストを利用するので、各カラーフィルタを想定して所望の位置に所望の形状、所望のサイズの凹部22DPを精度良く形成できる。そして、この凹部22DPにはインクジェットなどの印刷法を活用して精度良くインクを充填してカラーフィルタを形成できる。
よって、従来においては困難であった、画素よりも小さめのカラーフィルタを精度良く、効率的に形成して表示性能の高いカラー表示型情報表示用パネルを製造できる。
なお、図5では赤インクの後、青インクを充填する場合を示しているが、印刷装置により各色のインクを同時に凹部22DPに充填することもできる。
【0031】
ところで、図4を示して説明したように、前記各色のカラーフィルタは配置の好ましい関係がある。よって、図5における凹部22DPは、上記カラーフィルタの配置条件に応じて、前記レジスト層に形成する形状を規定しておくことで、より好ましいカラーフィルタを形成できる。
【0032】
図6は、カラーフィルタの形成と共に、表示をより明瞭にするために観察側の基板に遮光材を更に備えた形態とした場合のカラー表示型情報表示用パネルの製造で、カラーフィルタを形成するときの工程を示した図である。図5と同一箇所には、同じ符号を付して、重複説明は省略する。
図6(a)〜(d)は、図5(a)〜(d)と略同様の工程であるが、図6(a)で示す最初の凹部形成工程でカラーフィルタ用の凹部22DP(第1の凹部)だけでなく、遮光材BMを配置するための凹部22DP−S(第2の凹部)も併せて形成している。このような遮光材BM用の凹部は、用いるフォトマスクを変更するだけで簡単に形成できる。図6で示す工程では、第2の凹部22DP−Sに遮光材BMを充填する遮光材形成工程を更に含むことになるが、カラーフィルタを形成するための凹部22DPにインクを充填する前後のいずれでもよく、或いは、カラーフィルタ用インクの印刷と同時に行ってもよい。
上記遮光材BMは隔壁4の位置に対応して設けるのが望ましいので、基本として隔壁4上に凹部22DP−Sを形成する。遮光材BMについても、カラーインクの場合と同様に盛り上がっていてもよいし、メニスカスを形成してもよい。
【0033】
以下は、上述した本発明の製造法により製造できるカラー表示型情報表示用パネルについて、カラーフィルタ部分を具体的に例示した図である。図7(a)は画素の幅よりも狭い幅の連続した長いストライプ状のカラーフィルタ11R、11G、11BLを形成した場合、図7(b)は画素の幅よりも狭く、分断された長方形のカラーフィルタ11R、11G、11BLを長手方向に同色カラーフィルタを列ねて形成した場合である。図7(c)は、図7(a)及び図7(b)におけるA−A断面図である。
更に、図8(a)は、観察側基板に配置する電極6と、背面側基板に配置する電極5とを共にストライプ電極として、4個の画素のうち3個にカラーフィルタ11R、11G、11BLを形成し、残り1個の画素にはカラーフィルタを配置する凹部を設けずに透明レジスト膜のまま(W)とした場合である。図8(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図である。
【0034】
また、更に、図9(a)〜(d)は、積層型となる観測側基板2の好適な積層例を具体的に示した図である。
(a)は更に水分バリア膜となるSiOx薄膜30を更に設けた場合、(b)は遮光材BMを備えた構造で水分バリア膜となるSiOx薄膜30を更に設けた場合である。
また、(c)は水分バリア膜となるSiOx薄膜を30−1、30−2の2段で設けた場合、さらに(d)は水分バリア膜となるSiOx薄膜をカラーフィルタ部を挟んで30−1、30−2として2箇所に設けた場合である。
【0035】
上述で説明した各部に関して、説明をする。
前述したように観察側パネル基板2は、カラーフィルタ付きの積層基板となり、内側から、透明導電膜6、第1の透明シート21、カラーフィルタが形成される透明なレジスト層22、透明な接合層23および第2の透明シート24の順で各層が配置された構成となる。ここで第1の透明シートの厚さは、125μm以下でできるだけ薄く形成するのが好ましい。実用上は、25μm〜125μmが好適である。
上記第1の透明シート21には、屈折率が1.47以上で、厚さが125μm以下の材料を採用するのが望ましい。これは、カラーフィルタと透明導電膜とが第1の透明シートを挟むように配置されるため、できるだけ高屈折率で薄い透明シートを用いた方が、斜め方向から見たときの視野ずれを小さくして、混色の発生をより確実に防止できるからである。
屈折率が1.47以上の透明シート材料としては、屈折率1.47のガラス、屈折率1.65のポリエチレンテレフタレート(PET)、屈折率1.67のポリエチレンナフタレート(PEN)、屈折率1.49のトリアセチルセルロース(TAC)、屈折率1.63のポリカーボネート(PC)、屈折率1.68のポリエーテルサルフォン(PES)、屈折率1.49〜1.55のポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂などが挙げられる。
【0036】
また、透明シートとなる第1の透明シート21、第2の透明シート24のいずれも、表面に酸化ケイ素系化合物(SiOx)などの透明で水分バリア性のある材料薄膜が配置された水分バリア膜付きシートを用いることが望ましい。カラーフィルタ基板である積層型基板には少なくとも一層、酸化ケイ素系化合物(SiOx)やガラスシートなどの水分バリア層を配置するのが好ましい。第1の透明シート、第2の透明シートの少なくとも一面に酸化ケイ素系化合物(SiOx)薄膜を設けたり、第1の透明シート、第2の透明シートの少なくともひとつをガラスシートにしたりして水分バリア層を設けることができる(図9参照)。
【0037】
また、各色のカラーフィルタを配置する凹部や、遮光材BMなどのリブ状遮光材を配置する溝部を設ける枠体となる透明なレジスト層22は、透明なドライフィルムレジストや透明な液状レジストが好適であり、透明なドライフィルムレジストの一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を好適に採用することができる。
前記レジスト層22の厚さは、形成したいカラーフィルタや遮光材BMなどのリブ状遮光材の厚さに応じて、0.5μm〜5μmの範囲で決定することができる。
【0038】
カラーフィルタは、三原色(RGBまたはCMY)のカラーフィルタまたは三原色(RGBまたはCMY)および無色透明のカラーフィルタで構成し、少なくとも別色のカラーフィルタ間に間隙を設けることにより、混色を防止する。
カラーフィルタ層における少なくとも別色のカラーフィルタ間に設ける間隙には、黒色遮光材あるいは白色遮光材を設けたり、または遮光材を設けたりしないことができる。また、黒色遮光材あるいは白色遮光材を設ける場合に、カラーフィルタ1セットごとに設けることもできる。黒色遮光材あるいは白色遮光材を設けた場合、各カラーフィルタと各遮光材との間には間隙を設けない部分を形成することもできるが、間隙を設けることによって画素より小面積のカラーフィルタを容易に得られ、斜めから見たときの混色を防止し易いと共に、表示の明瞭化効果が得られる。
【0039】
本発明のカラー表示型情報表示用パネルの好適例として、R:赤色、G:緑色、BL:青色、または、C:シアン色、M:マゼンタ色、Y:黄色の各3色のカラーフィルタを各画素に配置し、この3画素をもって、表示単位画素を構成する、あるいは、この3画素と隣接する別の、カラーフィルタを配置しない1画素との4画素をもって、表示単位画素を構成し、2×2の画素配列とすることができる。
【0040】
カラーフィルタで採用される透明シートに関し、カラーフィルタの保護層となって、パネルの最外に配置される第2の透明シート24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂シートやガラスシートが好適に用いられ、その厚さも特に制限はない。透明シートは無色でなくてもよく、情報表示用パネルの用途によって色相を設計することができる。
透明導電膜とカラーフィルタとの間に配置される第1の透明シート21は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂シートやガラスシートが好適に用いられ、その厚さは、25μm〜125μmにする。透明シートは無色でなくてもよく、情報表示用パネルの用途によって色相を設計することができる。
【0041】
接合層23を構成する材料としては、市販の粘着材や市販の接着剤のうち透明なものを用いたり、透明な熱融着材を採用できる。透明な熱融着材としては、100〜150℃程度で軟化するか、あるいは、融ける無色透明樹脂が好適である。融ける温度が150℃を超えるものでは、この樹脂を融かすために付与する熱で、カラーフィルタ保護層とする透明樹脂シートや、カラーフィルタが配置された透明樹脂基板が白濁する等の不都合が発生する場合があるので、100〜150℃の温度範囲で融ける無色透明樹脂で構成された熱融着材を用いることが好ましい。この無色透明な樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)など、100℃〜150℃程度で軟化するか、あるいは、融けるものを好適に使用することができる。
【0042】
接合層23を構成する材料は、例えば、ケミテック製紫外線(UV光)硬化接着剤U1540Bを接着したい界面に配置後、メタルハライドランプにて1000mJ/cm2〜2000mJ/cm2のUV光を照射して行うことができる。また、例えば、フレキソ印刷により、2段階硬化型接着剤(共立化学ワールドロック798L)を接着したい界面に印刷し、メタルハライドランプにて1000mJ/cm2〜2000mJ/cm2のUV光を照射して行うことができる。
【0043】
情報表示用パネルの2枚のパネル基板間ギャップを確保するために設ける隔壁部分や、粒子群として構成した表示媒体を収納するセルを形成するために設ける隔壁部分を形成するときには、ドライフィルムレジスト材を用いたフォトリソグラフィー技術が好適に用いられる。一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)をドライフィルムレジスト材として使用することができる。これらのドライフィルムレジスト材に各種顔料を配合しておけば、所望の色の隔壁や基板間ギャップ確保用部材とすることができる。
【0044】
パネル基板間ギャップ確保用の隔壁部分の幅は、20μm〜100μmの範囲とし、セル形成専用の隔壁部分の幅は、5μm〜30μmの範囲とすることが好ましい。
【0045】
情報表示領域に対向して配置する画素を構成する導電膜において、透明基板側の情報表示領域に設ける透明導電膜材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)等の透明導電性高分子類が挙げられる。
【0046】
情報表示領域に対向して配置する画素を構成する導電膜において、背面基板側の情報表示領域に設ける導電膜材料は透明であってもよいし、透明でなくてもよく、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)等の導電性高分子類や、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属や、これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。
【0047】
パネル基板に設ける導電膜の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。パターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、観察側パネル基板の情報表示領域に設ける導電膜の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。また、観察側パネル基板の情報表示領域以外に設ける導電膜や背面側パネル基板に設ける導電膜の厚みは、導電性が確保できれば良く、0.01μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜5μmがより好ましい。
【0048】
観察側パネル基板に設ける導電膜として好適なITO等の金属酸化物系の透明導電性材料は、金属材料に比べて可とう性が小さい。観察側パネル基板の情報表示領域に設ける金属酸化物系の透明導電膜には、透明電極材中での断線防止のため、金属細線と併用することが好ましい。特に、透明導電膜をライン状とする場合には、透明導電膜中で断線が発生しやすいのでその防止のため、金属細線と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。背面側パネル基板に設ける導電膜は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた前記金属材料が好適に用いられる。また、背面側パネル基板に設ける導電膜の厚みは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01μm〜10μmに設計される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の製造方法によって製造されるカラー表示情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、リライタブルペーパー(外部の書き換え装置に接続して書換えできる)としても好適に用いられる。
【符号の説明】
【0050】
1 背面側基板
2 観察側透明基板
3W 白色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 正帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
11R 赤色カラーフィルタ
11G 緑色カラーフィルタ
11BL 青色カラーフィルタ
21 第1の透明シート
22 レジスト層
22DP レジスト層の凹部(第1の凹部)
22DP−S レジスト層の凹部(第2の凹部)
23 接合層
24 第2の透明シート
BM 遮光材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察側透明基板と、背面側基板とを対向配置した基板間空間に、表示媒体を封入し、観察側から入射した光を表示媒体で反射させて、前記観察側透明基板に設けた各色のカラーフィルタを通してカラー情報として認識できるように構成され、更に、前記カラーフィルタが画素よりも小面積とされていると共に、前記観察側基板が積層構造で形成してあるカラー表示型情報表示用パネルの製造方法であって、
前記積層構造を成し前記表示媒体に接近して配設される第1の透明シートの外側に、透明なレジスト層を配置した後、前記カラーフィルタの設置予定箇所に応じて前記レジスト層の一部を除去して第1の凹部を形成する凹部形成工程と、
印刷法を用いて前記第1の凹部に、前記各色のカラーフィルタに応じた所定のインクを充填することにより前記カラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程とを含む、ことを特徴とするカラー表示型情報表示用パネルの製造方法。
【請求項2】
前記凹部形成工程では遮光材を配置するための第2の凹部も併せて形成し、
前記第2の凹部に前記遮光材を充填する遮光材形成工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載のカラー表示型情報表示用パネルの製造方法。
【請求項3】
前記カラーフィルタ形成工程後、前記レジスト層上に、接合層を介して第2の透明シートを配置するシート配置工程を含み、
前記カラーフィルタ形成工程後に、カラーフィルタを平坦にする工程を行わないで、前記シート配置工程を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のカラー表示型情報表示用パネルの製造方法。
【請求項4】
前記各色のカラーフィルタは、屈折率n、厚さdとされた前記第1の透明シートの外側であって画素と重なる位置に、前記カラーフィルタの上下両側か左右両側か上下左右すべての側のいずれか少なくとも隣接するカラーフィルタ色が異なるカラーフィルタ間であって、斜め視認方向と直角をなす部分に隙間を持つように、前記カラーフィルタが前記画素と重なる面積を前記画素の面積の50%以上100%以下で設けると共に、前記斜め視認方向での画素ピッチおよび画素間スペースをそれぞれLSおよびDSとし、前記表示媒体が表示する画像を前記カラーフィルタ面で45°方向に屈折した反射光として視認したときに起こる、式(1)で示される視野ずれl、との関係が、l≦0.5×(DS+LS)となるように配置されるものであり、
l=d×{sinθ/(n−sinθ)}1/2 θ=45°・・・式(1)
前記第1の凹部は、前記カラーフィルタの配置条件に応じて、前記レジスト層に形成する形状が規定されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラー表示型情報表示用パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−215501(P2011−215501A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85500(P2010−85500)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】