カーテンウォール構造
【課題】室内の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図る。
【解決手段】カーテンウォールパネルCWPの外側に複数のルーバーユニット1,1…が水平方向に所定間隔で配置され、各ルーバーユニット1は、枠内に2枚のガラス5,6が両ガラス間に空気層7を設けて配設されるとともに、空気層7内に前記2枚のガラス5,6と平行して多数の開孔を有する2枚の有孔パネル8,9がそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネル8,9に対し前記一方側のガラス5側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス6側の面に黒色系の彩色を施してあり、且つ前記一方側のガラス5側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口2b、3bが上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持される。
【解決手段】カーテンウォールパネルCWPの外側に複数のルーバーユニット1,1…が水平方向に所定間隔で配置され、各ルーバーユニット1は、枠内に2枚のガラス5,6が両ガラス間に空気層7を設けて配設されるとともに、空気層7内に前記2枚のガラス5,6と平行して多数の開孔を有する2枚の有孔パネル8,9がそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネル8,9に対し前記一方側のガラス5側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス6側の面に黒色系の彩色を施してあり、且つ前記一方側のガラス5側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口2b、3bが上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス窓から差し込む日射熱による熱負荷を軽減し省エネルギー化を図った、いわゆるダブルスキンと呼ばれるカーテンウォール構造が種々提案されている。
【0003】
具体的に下記特許文献1には、窓部を室外側ガラスと室内側ガラスとにより二重構造とし、両ガラス間に空気層を設けるとともに、窓部の上部及び/又は下部にそれぞれ流路切換装置を備え、前記空気層内にブラインドが配設されたカーテンウォール構造が開示されている。また下記特許文献2には、建物の外壁の外側に、前記建物の屋内環境をコントロールするための機能空間が形成され、前記機能空間に遮光・遮熱部材を配置した外装システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−291689号公報
【特許文献2】特開平11−100929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2記載のカーテンウォール構造はいずれも、両ガラス間の空気層にブラインドやルーバーを設けて太陽光を遮断し熱負荷の軽減を図るものであるため、ブラインドやルーバーを完全に閉めた状態では太陽光が遮断され、室内が暗くなる欠点があった。このため、室内の光量不足を補うため、照明用のエネルギーが必要となっていた。
【0006】
一方、ブライドやルーバーを閉めないと、太陽光がガラスを透過して室内に差し込むため、夏期には日射熱により室内温度が上昇し、空調負荷が増大していた。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、室内の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、複数のルーバーユニットが水平方向に所定間隔で配置されたカーテンウォール構造であって、
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持され、
夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出し、
冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としたことを特徴とするカーテンウォール構造が提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明は、カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、太陽光の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収する複数のルーバーユニットを水平方向に所定間隔で配置したカーテンウォール構造である。
【0010】
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持されたものである。ここで、「白色系の彩色」を施したものとは、白色系の色彩の薄い塗料で塗装したものに加え、金属色のものも含む概念である。「黒色系の彩色」を施したものとは、黒色系の色彩の濃い塗料で塗装したもののことである。
【0011】
かかるルーバーユニットの作動要領について説明すると、夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、日射熱及び輻射熱によって空気層内の温度が上昇し、上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出する。従って、前記有孔パネルの開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また空気層内では、日射熱及び輻射熱により空気層内の空気が加熱され空気層内に上昇気流が生起し、この上昇気流により上昇した空気は、上端部の空気連通口を通って外側に排出される。よって、日射熱による室内の熱負荷が大幅に軽減され、省エネルギー化が図れるようになる。
【0012】
一方、冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、主として輻射熱によって上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としてある。従って、夏期と同様に、有孔パネルの開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また、空気層内では、輻射熱により空気層内の空気が加熱され空気層内に上昇気流が生起し、この上昇気流により上昇した空気は、上端部の空気連通口を通って内側に供給され、室内に直接送給したり、空調機の給気として利用したりすることができ、省エネルギー化が図れるようになる。
【0013】
また、中間期には各ルーバーユニットを回転して開放することにより、外気を取り入れ易くしたり、アンビエントを向上させる効果が期待できる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明は、第1形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第1形態例では、有孔パネルを前記空気層内に2枚配置し、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある。このため、2段階に亘って太陽光エネルギーの低減又は熱エネルギーの回収が可能となる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明は、第2形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第2形態例では、有孔パネルを前記空気層内に2枚配置し、一方側ガラスの側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側ガラスの側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある。このように、表裏面で彩色が同一であるため、製作が簡略化できる。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に1枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明は、第3形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第3形態例では、有孔パネルを前記空気層内に1枚配置し、一方側ガラスの側の面に白色系の彩色を施し、他方側ガラスの側の面に黒色系の彩色を施してある。このため、構造が簡略化できるようになる。なお、前記有孔パネルは、白色系の彩色を施したものと黒色系の彩色を施したものとを貼り合わせて一体的にしたものでもよい。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記ルーバーユニットの下枠材には、前記空気層内に外気を導入する外気導入口が設けられている請求項1〜4いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明では、前記ルーバーユニットの下枠材に、前記空気層内に外気を導入する外気導入口を設けることにより、特に冬期において、新鮮な外気を室内に導入することができるようになる。
【0022】
請求項6に係る本発明として、前記一方側のガラスが省略されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0023】
上記請求項6記載の発明は、さらに構造を簡略化するため、前記一方側のガラスを省略したものである。
【0024】
請求項7に係る本発明として、前記カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンが設けられている請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0025】
上記請求項7記載の発明では、カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンを設けることにより、特に冬期に空気層内で輻射熱により加熱された空気を効率よく回収することができるようになる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳説のとおり本発明によれば、室内の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るカーテンウォール構造CWの正面図である。
【図2】そのII−II線矢視図である。
【図3】図2のルーバーユニット部分の拡大図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視図である。
【図5】ルーバーユニット1の横断面図(図1のV−V線矢視図)である。
【図6】第1形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図7】第2形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図8】第3形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図9】他の形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図10】他の形態例に係るルーパーユニット1の例を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図である。
【図11】他の形態例に係るルーパーユニット1の例を示す、(A)は正面図、(B)は縦断面図(B-B矢視)である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0029】
本カーテンウォール構造CWは、図1〜図4に示されるように、上下方向及び水平方向に隣接配置されているガラスG、G…等のカーテンウォールパネルCWPの外側に所定の間隔を空けてルーバーユニット1、1…を備えた二重構造としたものである。前記ルーバーユニット1は、各階毎に水平方向に所定の間隔で複数配置されている。
【0030】
以下、前記ルーバーユニット1について詳述する。
【0031】
〔第1形態例〕
(ルーバーユニット1の構造)
第1形態例に係るルーバーユニット1は、詳細には図3及び図5に示されるように、上枠材2、下枠材3及び左右縦枠材4、4によって四周が枠組みされた枠内に、枠面内に平行して2枚のガラス5、6が両ガラス間に空気層7を設けて嵌合支持されるとともに、前記空気層7内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する、例えば2枚の有孔パネル8、9が間隔を空けて前記枠材2、3、4に固定ビスによって固定されている。
【0032】
図3に示されるように、前記上枠材2及び下枠材3はそれぞれ、中空断面とされるとともに、この中空断面内と前記空気層7とを連通する空気連通口2a、3aが形成され、且つ前記2枚のガラス5、6のうち一方側ガラス5の側の面に枠外に連通する空気連通口2b、3bが形成されている。また、下枠材3には、必要に応じて外気を導入するための外気導入口3cが設けられている。
【0033】
前記有孔パネル8、9は、アルミニウム等の金属製の板材に多数の開孔処理を施した、いわゆるパンチングパネルであり、その開口率は10〜50%、好ましくは30〜40%である。
【0034】
本第1形態例に係るルーバーユニット1では、各有孔パネル8、9に対し、前記一方側ガラス5の側の面8A、9Aに白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側の面8B、9Bに黒色系の彩色を施してある。「白色系の彩色」を施したものとは、白色系(光を反射し易い色で銀色や淡色等も含む。)の色彩の薄い塗料で塗装したものに加え、素材の金属色なども含む概念である。「黒色系の彩色」を施したものとは、黒色系(光を反射し易い色で茶色等も含む。)の色彩の濃い塗料で塗装したものに加え、素材の黒色も含む概念である。
【0035】
前記ルーバーユニット1は、図3に示されるように上枠材2及び下枠材3の中央部がそれぞれ躯体側に対し軸部材10、10によって軸支されることにより、上下方向の回転軸芯回りに回転可能とされている(図4参照)。前記ルーバーユニット1は、前記カーテンウォールパネルCWPに対し、十分に回転可能な間隔を空けて外側に配設されるとともに、隣接するルーバーユニット1の両端部が重ならない程度の間隔を空けて配設されている。
【0036】
前記ルーバーユニット1は、図4に示されるように、閉状態においては前記カーテンウォールパネルCWPとほぼ平行に設けられ、開状態においては前記カーテンウォールパネルCWPとほぼ垂直に設けられる。
【0037】
前記縦枠材4にはそれぞれ、両側に突出する気密ゴム11が備えられている。前記気密ゴム11は、ルーバーユニット1の閉状態において隣接するルーバーユニット1の気密ゴム11と重なり代を有するように設けられている。また、前記上枠材2及び下枠材3にはそれぞれ上下に突出する気密ゴム12を備えることにより、ルーバーユニット1の閉状態において外気との気密性が確保されている。
【0038】
(ルーバーユニット1の作動要領)
次に、前記ルーバーユニット1の作動要領について図6に基づいて詳述する。
[夏期モード時]
主として夏期には、図6(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、前記一方側ガラス5を外側に向けて配置し前記他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、前記有孔パネル8、9の白色系の彩色が施された面8A、9Aを外側に向けて配置する。
【0039】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して外側の有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、白色系の彩色が施された面8Aによってほとんどの太陽光が反射する。また有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させるとともに、白色系の彩色が施された面9Aによってほとんどの太陽光が反射する。この反射光は外側の有孔パネル8の黒色系の彩色が施された面8Bに照射し同様に輻射熱を発生させる。そして前記有孔パネル9の開孔を通過した光は、他方側ガラス6を透過して可視光として室内に差し込む。
【0040】
これら有孔パネル8、9の開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また前記空気層7内では、太陽光による日射熱と前記輻射熱とにより空気層7内の空気が加熱され、空気層7内に上昇気流が生起する。この上昇気流により上昇した空気は、上枠材2の空気連通口2a、2bを通って外側に排出されると同時に、これに伴う空気層7内の負圧作用により、下枠材3の空気連通口3a、3b、3cから空気層7内に外気が導入される。よって、日射熱による室内の熱負荷が大幅に軽減され、省エネルギー化が図れるようになる。
【0041】
[冬期モード時]
一方、主として冬期には、図6(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、前記他方側ガラス6を外側に向けて配置し前記一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、前記有孔パネル8、9の黒色系の彩色が施された面8B、9Bを外側に向けて配置する。
【0042】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を透過して外側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させる。このとき、黒色系の彩色が施された面9Bによりほとんどの光を吸収してより多くの輻射熱が発生するようになる。また、外側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル8に照射し、同様に輻射熱を発生させ、黒色系の彩色が施された面8Bによりほとんどの光を吸収してより多くの輻射熱が発生する。その後、内側の有孔パネル8の開孔を通過した光は、一方側ガラス5を透過して可視光として室内に差し込む。夏期と同様に、これら有孔パネル8、9の開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。
【0043】
また前記空気層7内では、主に前記輻射熱により空気層7内の空気が加熱され、空気層7内に上昇気流が生起する。この上昇気流により上昇した空気は、上枠材2の空気連通口2a、2bを通って内側に供給され、室内に直接送給したり、空調機の給気として利用したりすることができる。なお、これに伴う空気層7内の負圧作用により、下枠材3の空気連通口3a、3cから外気が導入されるとともに、下枠材3の空気連通口3a、3bからルーバーユニット1とカーテンウォールパネルCWPとの間の空気が導入される。
【0044】
[中間期モード]
他方、春秋などの中間期には、前記ルーバーユニット1を開状態とすることにより、カーテンウォールパネルCWPから外気(風)を取り入れやすくなるとともに、直接太陽光を直接室内に取り入れることができる。
【0045】
〔第2形態例〕
第2形態例に係るルーバーユニット1は、図7に示されるように、前記空気層7内に2枚の有孔パネル8、9が配設され、一方側ガラス5の側に配置される有孔パネル8に白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側に配置される有孔パネル9に黒色系の彩色を施してある。
【0046】
そして、夏期モード時には、図7(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、一方側ガラス5を外側に向けて配置し他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された有孔パネル8を外側に配置し、黒色系の彩色が施された有孔パネル9を内側に配置する。
【0047】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して外側の有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル8が白色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が反射する。また、外側の有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル9が黒色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が吸収される。内側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の他方側ガラス6を透過して室内に差し込む。
【0048】
一方、冬期モード時には、図7(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、他方側ガラス6を外側に向けて配置し一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された有孔パネル9を外側に配置し、白色系の彩色が施された有孔パネル8を内側に配置する。
【0049】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を通過して外側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させ、このとき有孔パネル9が黒色系の彩色とされているためほとんどのほとんどの太陽光が吸収され、より多くの輻射熱を発生させる。また、外側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル8に照射して輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル8が白色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が反射して、この反射光が有孔パネル9に照射して輻射熱を発生させる。内側の有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の一方側ガラス5を透過して室内に差し込む。
【0050】
〔第3形態例〕
第3形態例に係るルーバーユニット1は、図8に示されるように、空気層7内に1枚の有孔パネル8が配設され、この有孔パネル8に対し前記一方側ガラス5の側の面8Aに白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側の面8Bに黒色系の彩色を施してある。なお、前記有孔パネル8は、白色系のパネルと黒色系のパネルとを貼り合わせて積層したもので構成してもよい。
【0051】
そして、夏期モード時には、図8(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、一方側ガラス5を外側に向けて配置し他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、有孔パネル8の白色系の彩色が施された面8Aを外側に向けて配置し黒色系の彩色が施された面8Bを内側に向けて配置する。
【0052】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、外側の面8Aに白色系の彩色が施されているためほとんどの太陽光が反射する。この有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の他方側ガラス6を透過して室内に差し込む。
【0053】
一方、冬期モード時には、図8(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、他方側ガラス6を外側に向けて配置し一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、有孔パネル8の黒色系の彩色が施された面8Bを外側に向けて配置し白色系の彩色が施された面8Aを内側に向けて配置する。
【0054】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を透過して有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させ、このとき外側の面8Bに黒色系の彩色が施されているためほとんどの太陽光が吸収しより多くの輻射熱が発生する。この有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の一方側ガラス5を透過して室内に差し込む。
【0055】
本形態例では、下枠材3に備えられる外気導入口3cは、冬期において黒色系の彩色が施された面に発生した輻射熱により加熱された空気を上昇させやすくするため、黒色系の彩色が施された面側に偏倚して設けることが好ましい。
【0056】
〔第1形態例〜第3形態例の変形例〕
上記第1形態例〜第3形態例の変形例に係るルーバーユニット1は、図9に示されるように、上記ルーバーユニット1の一方側ガラス5を省略したものである。図示例では第1形態例に係るルーバーユニット1を例に挙げているが、第2形態例及び第3形態例に係るルーバーユニット1についても同様に一方側ガラス5を省略できる。
【0057】
上記第1形態例〜第3形態例に係るルーバーユニット1の一方側ガラス5を省略することにより、構造が簡略化できるとともに、夏期には、図9(A)に示されるように、有孔パネル8、9で発生した輻射熱を外側に排出しやすくなり、冬期には、同図(B)に示されるように、輻射熱を内側に搬送しやすくなる。
【0058】
〔他の形態例〕
(1)図10に示されるように、前記カーテンウォールパネルCWPとルーバーユニット1との間の上部に前記ルーバーユニット1から排出された空気を吸引するファン13を設けることができる。前記ファン13は、図10(A)に示される夏期には停止し、同図(B)に示される冬期にはルーバーユニット1の上部から排熱された空気を吸引して、室内や空調機などに効率よく搬送することができる。
(2)前記ルーバーユニット1は、カーテンウォールパネルCWPのうち少なくともガラスパネルGの外側に配置されていれば良く、図11に示されるように、ガラスパネルGでないカーテンウォールパネルCWP部分には、コンクリートパネル等の光を透過しないパネルPを配置しても良い。これにより、建物の外観上、各階毎のアクセントともなり、デザイン性に優れるようになる。
(3)前記空気層7内に配置される有孔パネルは、3枚以上の複数枚とすることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…ルーバーユニット、2…上枠材、3…下枠材、4…縦枠材、5…一方側ガラス、6…他方側ガラス、7…空気層、8・9…有孔パネル、CW…カーテンウォール構造、CWP…カーテンウォールパネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス窓から差し込む日射熱による熱負荷を軽減し省エネルギー化を図った、いわゆるダブルスキンと呼ばれるカーテンウォール構造が種々提案されている。
【0003】
具体的に下記特許文献1には、窓部を室外側ガラスと室内側ガラスとにより二重構造とし、両ガラス間に空気層を設けるとともに、窓部の上部及び/又は下部にそれぞれ流路切換装置を備え、前記空気層内にブラインドが配設されたカーテンウォール構造が開示されている。また下記特許文献2には、建物の外壁の外側に、前記建物の屋内環境をコントロールするための機能空間が形成され、前記機能空間に遮光・遮熱部材を配置した外装システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−291689号公報
【特許文献2】特開平11−100929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2記載のカーテンウォール構造はいずれも、両ガラス間の空気層にブラインドやルーバーを設けて太陽光を遮断し熱負荷の軽減を図るものであるため、ブラインドやルーバーを完全に閉めた状態では太陽光が遮断され、室内が暗くなる欠点があった。このため、室内の光量不足を補うため、照明用のエネルギーが必要となっていた。
【0006】
一方、ブライドやルーバーを閉めないと、太陽光がガラスを透過して室内に差し込むため、夏期には日射熱により室内温度が上昇し、空調負荷が増大していた。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、室内の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、複数のルーバーユニットが水平方向に所定間隔で配置されたカーテンウォール構造であって、
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持され、
夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出し、
冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としたことを特徴とするカーテンウォール構造が提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明は、カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、太陽光の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収する複数のルーバーユニットを水平方向に所定間隔で配置したカーテンウォール構造である。
【0010】
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持されたものである。ここで、「白色系の彩色」を施したものとは、白色系の色彩の薄い塗料で塗装したものに加え、金属色のものも含む概念である。「黒色系の彩色」を施したものとは、黒色系の色彩の濃い塗料で塗装したもののことである。
【0011】
かかるルーバーユニットの作動要領について説明すると、夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、日射熱及び輻射熱によって空気層内の温度が上昇し、上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出する。従って、前記有孔パネルの開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また空気層内では、日射熱及び輻射熱により空気層内の空気が加熱され空気層内に上昇気流が生起し、この上昇気流により上昇した空気は、上端部の空気連通口を通って外側に排出される。よって、日射熱による室内の熱負荷が大幅に軽減され、省エネルギー化が図れるようになる。
【0012】
一方、冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、主として輻射熱によって上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としてある。従って、夏期と同様に、有孔パネルの開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また、空気層内では、輻射熱により空気層内の空気が加熱され空気層内に上昇気流が生起し、この上昇気流により上昇した空気は、上端部の空気連通口を通って内側に供給され、室内に直接送給したり、空調機の給気として利用したりすることができ、省エネルギー化が図れるようになる。
【0013】
また、中間期には各ルーバーユニットを回転して開放することにより、外気を取り入れ易くしたり、アンビエントを向上させる効果が期待できる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明は、第1形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第1形態例では、有孔パネルを前記空気層内に2枚配置し、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある。このため、2段階に亘って太陽光エネルギーの低減又は熱エネルギーの回収が可能となる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明は、第2形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第2形態例では、有孔パネルを前記空気層内に2枚配置し、一方側ガラスの側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側ガラスの側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある。このように、表裏面で彩色が同一であるため、製作が簡略化できる。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記有孔パネルが前記空気層内に1枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明は、第3形態例に係るルーバーユニットの構成について規定したものである。第3形態例では、有孔パネルを前記空気層内に1枚配置し、一方側ガラスの側の面に白色系の彩色を施し、他方側ガラスの側の面に黒色系の彩色を施してある。このため、構造が簡略化できるようになる。なお、前記有孔パネルは、白色系の彩色を施したものと黒色系の彩色を施したものとを貼り合わせて一体的にしたものでもよい。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記ルーバーユニットの下枠材には、前記空気層内に外気を導入する外気導入口が設けられている請求項1〜4いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明では、前記ルーバーユニットの下枠材に、前記空気層内に外気を導入する外気導入口を設けることにより、特に冬期において、新鮮な外気を室内に導入することができるようになる。
【0022】
請求項6に係る本発明として、前記一方側のガラスが省略されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0023】
上記請求項6記載の発明は、さらに構造を簡略化するため、前記一方側のガラスを省略したものである。
【0024】
請求項7に係る本発明として、前記カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンが設けられている請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォール構造が提供される。
【0025】
上記請求項7記載の発明では、カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンを設けることにより、特に冬期に空気層内で輻射熱により加熱された空気を効率よく回収することができるようになる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳説のとおり本発明によれば、室内の光量低減を抑えつつ、夏期には日射熱による熱負荷を軽減し、冬期には日射熱を効率よく熱回収することにより大幅な省エネルギー化を図ったカーテンウォール構造が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るカーテンウォール構造CWの正面図である。
【図2】そのII−II線矢視図である。
【図3】図2のルーバーユニット部分の拡大図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視図である。
【図5】ルーバーユニット1の横断面図(図1のV−V線矢視図)である。
【図6】第1形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図7】第2形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図8】第3形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図9】他の形態例に係るルーバーユニット1の作用を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図10】他の形態例に係るルーパーユニット1の例を示す、(A)は夏期、(B)は冬期の状態の縦断面図である。
【図11】他の形態例に係るルーパーユニット1の例を示す、(A)は正面図、(B)は縦断面図(B-B矢視)である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0029】
本カーテンウォール構造CWは、図1〜図4に示されるように、上下方向及び水平方向に隣接配置されているガラスG、G…等のカーテンウォールパネルCWPの外側に所定の間隔を空けてルーバーユニット1、1…を備えた二重構造としたものである。前記ルーバーユニット1は、各階毎に水平方向に所定の間隔で複数配置されている。
【0030】
以下、前記ルーバーユニット1について詳述する。
【0031】
〔第1形態例〕
(ルーバーユニット1の構造)
第1形態例に係るルーバーユニット1は、詳細には図3及び図5に示されるように、上枠材2、下枠材3及び左右縦枠材4、4によって四周が枠組みされた枠内に、枠面内に平行して2枚のガラス5、6が両ガラス間に空気層7を設けて嵌合支持されるとともに、前記空気層7内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する、例えば2枚の有孔パネル8、9が間隔を空けて前記枠材2、3、4に固定ビスによって固定されている。
【0032】
図3に示されるように、前記上枠材2及び下枠材3はそれぞれ、中空断面とされるとともに、この中空断面内と前記空気層7とを連通する空気連通口2a、3aが形成され、且つ前記2枚のガラス5、6のうち一方側ガラス5の側の面に枠外に連通する空気連通口2b、3bが形成されている。また、下枠材3には、必要に応じて外気を導入するための外気導入口3cが設けられている。
【0033】
前記有孔パネル8、9は、アルミニウム等の金属製の板材に多数の開孔処理を施した、いわゆるパンチングパネルであり、その開口率は10〜50%、好ましくは30〜40%である。
【0034】
本第1形態例に係るルーバーユニット1では、各有孔パネル8、9に対し、前記一方側ガラス5の側の面8A、9Aに白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側の面8B、9Bに黒色系の彩色を施してある。「白色系の彩色」を施したものとは、白色系(光を反射し易い色で銀色や淡色等も含む。)の色彩の薄い塗料で塗装したものに加え、素材の金属色なども含む概念である。「黒色系の彩色」を施したものとは、黒色系(光を反射し易い色で茶色等も含む。)の色彩の濃い塗料で塗装したものに加え、素材の黒色も含む概念である。
【0035】
前記ルーバーユニット1は、図3に示されるように上枠材2及び下枠材3の中央部がそれぞれ躯体側に対し軸部材10、10によって軸支されることにより、上下方向の回転軸芯回りに回転可能とされている(図4参照)。前記ルーバーユニット1は、前記カーテンウォールパネルCWPに対し、十分に回転可能な間隔を空けて外側に配設されるとともに、隣接するルーバーユニット1の両端部が重ならない程度の間隔を空けて配設されている。
【0036】
前記ルーバーユニット1は、図4に示されるように、閉状態においては前記カーテンウォールパネルCWPとほぼ平行に設けられ、開状態においては前記カーテンウォールパネルCWPとほぼ垂直に設けられる。
【0037】
前記縦枠材4にはそれぞれ、両側に突出する気密ゴム11が備えられている。前記気密ゴム11は、ルーバーユニット1の閉状態において隣接するルーバーユニット1の気密ゴム11と重なり代を有するように設けられている。また、前記上枠材2及び下枠材3にはそれぞれ上下に突出する気密ゴム12を備えることにより、ルーバーユニット1の閉状態において外気との気密性が確保されている。
【0038】
(ルーバーユニット1の作動要領)
次に、前記ルーバーユニット1の作動要領について図6に基づいて詳述する。
[夏期モード時]
主として夏期には、図6(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、前記一方側ガラス5を外側に向けて配置し前記他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、前記有孔パネル8、9の白色系の彩色が施された面8A、9Aを外側に向けて配置する。
【0039】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して外側の有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、白色系の彩色が施された面8Aによってほとんどの太陽光が反射する。また有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させるとともに、白色系の彩色が施された面9Aによってほとんどの太陽光が反射する。この反射光は外側の有孔パネル8の黒色系の彩色が施された面8Bに照射し同様に輻射熱を発生させる。そして前記有孔パネル9の開孔を通過した光は、他方側ガラス6を透過して可視光として室内に差し込む。
【0040】
これら有孔パネル8、9の開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。また前記空気層7内では、太陽光による日射熱と前記輻射熱とにより空気層7内の空気が加熱され、空気層7内に上昇気流が生起する。この上昇気流により上昇した空気は、上枠材2の空気連通口2a、2bを通って外側に排出されると同時に、これに伴う空気層7内の負圧作用により、下枠材3の空気連通口3a、3b、3cから空気層7内に外気が導入される。よって、日射熱による室内の熱負荷が大幅に軽減され、省エネルギー化が図れるようになる。
【0041】
[冬期モード時]
一方、主として冬期には、図6(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、前記他方側ガラス6を外側に向けて配置し前記一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、前記有孔パネル8、9の黒色系の彩色が施された面8B、9Bを外側に向けて配置する。
【0042】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を透過して外側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させる。このとき、黒色系の彩色が施された面9Bによりほとんどの光を吸収してより多くの輻射熱が発生するようになる。また、外側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル8に照射し、同様に輻射熱を発生させ、黒色系の彩色が施された面8Bによりほとんどの光を吸収してより多くの輻射熱が発生する。その後、内側の有孔パネル8の開孔を通過した光は、一方側ガラス5を透過して可視光として室内に差し込む。夏期と同様に、これら有孔パネル8、9の開孔を通過した太陽光は、光の回折によって光量の低減が抑えられ、室内の十分な光量が確保される。
【0043】
また前記空気層7内では、主に前記輻射熱により空気層7内の空気が加熱され、空気層7内に上昇気流が生起する。この上昇気流により上昇した空気は、上枠材2の空気連通口2a、2bを通って内側に供給され、室内に直接送給したり、空調機の給気として利用したりすることができる。なお、これに伴う空気層7内の負圧作用により、下枠材3の空気連通口3a、3cから外気が導入されるとともに、下枠材3の空気連通口3a、3bからルーバーユニット1とカーテンウォールパネルCWPとの間の空気が導入される。
【0044】
[中間期モード]
他方、春秋などの中間期には、前記ルーバーユニット1を開状態とすることにより、カーテンウォールパネルCWPから外気(風)を取り入れやすくなるとともに、直接太陽光を直接室内に取り入れることができる。
【0045】
〔第2形態例〕
第2形態例に係るルーバーユニット1は、図7に示されるように、前記空気層7内に2枚の有孔パネル8、9が配設され、一方側ガラス5の側に配置される有孔パネル8に白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側に配置される有孔パネル9に黒色系の彩色を施してある。
【0046】
そして、夏期モード時には、図7(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、一方側ガラス5を外側に向けて配置し他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された有孔パネル8を外側に配置し、黒色系の彩色が施された有孔パネル9を内側に配置する。
【0047】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して外側の有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル8が白色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が反射する。また、外側の有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル9が黒色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が吸収される。内側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の他方側ガラス6を透過して室内に差し込む。
【0048】
一方、冬期モード時には、図7(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、他方側ガラス6を外側に向けて配置し一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された有孔パネル9を外側に配置し、白色系の彩色が施された有孔パネル8を内側に配置する。
【0049】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を通過して外側の有孔パネル9に照射し輻射熱を発生させ、このとき有孔パネル9が黒色系の彩色とされているためほとんどのほとんどの太陽光が吸収され、より多くの輻射熱を発生させる。また、外側の有孔パネル9の開孔を通過した太陽光は、内側の有孔パネル8に照射して輻射熱を発生させるとともに、有孔パネル8が白色系の彩色とされているためほとんどの太陽光が反射して、この反射光が有孔パネル9に照射して輻射熱を発生させる。内側の有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の一方側ガラス5を透過して室内に差し込む。
【0050】
〔第3形態例〕
第3形態例に係るルーバーユニット1は、図8に示されるように、空気層7内に1枚の有孔パネル8が配設され、この有孔パネル8に対し前記一方側ガラス5の側の面8Aに白色系の彩色を施し、他方側ガラス6の側の面8Bに黒色系の彩色を施してある。なお、前記有孔パネル8は、白色系のパネルと黒色系のパネルとを貼り合わせて積層したもので構成してもよい。
【0051】
そして、夏期モード時には、図8(A)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、一方側ガラス5を外側に向けて配置し他方側ガラス6を内側に向けて配置するとともに、有孔パネル8の白色系の彩色が施された面8Aを外側に向けて配置し黒色系の彩色が施された面8Bを内側に向けて配置する。
【0052】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、一方側ガラス5を透過して有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させるとともに、外側の面8Aに白色系の彩色が施されているためほとんどの太陽光が反射する。この有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の他方側ガラス6を透過して室内に差し込む。
【0053】
一方、冬期モード時には、図8(B)に示されるように、各ルーバーユニット1を回転して、他方側ガラス6を外側に向けて配置し一方側ガラス5を内側に向けて配置するとともに、有孔パネル8の黒色系の彩色が施された面8Bを外側に向けて配置し白色系の彩色が施された面8Aを内側に向けて配置する。
【0054】
これにより、ルーバーユニット1に差し込む太陽光は、他方側ガラス6を透過して有孔パネル8に照射し輻射熱を発生させ、このとき外側の面8Bに黒色系の彩色が施されているためほとんどの太陽光が吸収しより多くの輻射熱が発生する。この有孔パネル8の開孔を通過した太陽光は、内側の一方側ガラス5を透過して室内に差し込む。
【0055】
本形態例では、下枠材3に備えられる外気導入口3cは、冬期において黒色系の彩色が施された面に発生した輻射熱により加熱された空気を上昇させやすくするため、黒色系の彩色が施された面側に偏倚して設けることが好ましい。
【0056】
〔第1形態例〜第3形態例の変形例〕
上記第1形態例〜第3形態例の変形例に係るルーバーユニット1は、図9に示されるように、上記ルーバーユニット1の一方側ガラス5を省略したものである。図示例では第1形態例に係るルーバーユニット1を例に挙げているが、第2形態例及び第3形態例に係るルーバーユニット1についても同様に一方側ガラス5を省略できる。
【0057】
上記第1形態例〜第3形態例に係るルーバーユニット1の一方側ガラス5を省略することにより、構造が簡略化できるとともに、夏期には、図9(A)に示されるように、有孔パネル8、9で発生した輻射熱を外側に排出しやすくなり、冬期には、同図(B)に示されるように、輻射熱を内側に搬送しやすくなる。
【0058】
〔他の形態例〕
(1)図10に示されるように、前記カーテンウォールパネルCWPとルーバーユニット1との間の上部に前記ルーバーユニット1から排出された空気を吸引するファン13を設けることができる。前記ファン13は、図10(A)に示される夏期には停止し、同図(B)に示される冬期にはルーバーユニット1の上部から排熱された空気を吸引して、室内や空調機などに効率よく搬送することができる。
(2)前記ルーバーユニット1は、カーテンウォールパネルCWPのうち少なくともガラスパネルGの外側に配置されていれば良く、図11に示されるように、ガラスパネルGでないカーテンウォールパネルCWP部分には、コンクリートパネル等の光を透過しないパネルPを配置しても良い。これにより、建物の外観上、各階毎のアクセントともなり、デザイン性に優れるようになる。
(3)前記空気層7内に配置される有孔パネルは、3枚以上の複数枚とすることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…ルーバーユニット、2…上枠材、3…下枠材、4…縦枠材、5…一方側ガラス、6…他方側ガラス、7…空気層、8・9…有孔パネル、CW…カーテンウォール構造、CWP…カーテンウォールパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、複数のルーバーユニットが水平方向に所定間隔で配置されたカーテンウォール構造であって、
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持され、
夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出し、
冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としたことを特徴とするカーテンウォール構造。
【請求項2】
前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項3】
前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項4】
前記有孔パネルが前記空気層内に1枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項5】
前記ルーバーユニットの下枠材には、前記空気層内に外気を導入する外気導入口が設けられている請求項1〜4いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【請求項6】
前記一方側のガラスが省略されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【請求項7】
前記カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンが設けられている請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【請求項1】
カーテンウォールパネルのうち少なくともガラスパネルの外側に、複数のルーバーユニットが水平方向に所定間隔で配置されたカーテンウォール構造であって、
前記ルーバーユニットは、枠組みされた枠内に2枚のガラスが両ガラス間に空気層を設けて配設されるとともに、前記空気層内に前記2枚のガラスと平行して多数の開孔を有する1枚又は複数枚の有孔パネルがそれぞれ間隔を空けて配設され、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施すか、或いは前記複数の有孔パネルのうち前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してあり、且つ前記2枚のガラスのうち一方側のガラス側の面に前記空気層とルーバーユニット外部とを連通する空気連通口が上下端部にそれぞれ設けられるとともに、上下方向の回転軸芯回りに回転可能に支持され、
夏期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記一方側のガラスを外側に向けて配置し前記他方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、白色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記白色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を反射させるとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から外側に排出し、
冬期モード時には、各ルーバーユニットを回転して、前記他方側のガラスを外側に向けて配置し前記一方側のガラスを内側に向けて配置するとともに、黒色系の彩色が施された前記有孔パネルを外側に向けて配置することにより、前記黒色系の彩色が施された面で外部からの太陽光を吸収するとともに、空気層内の温度上昇により上昇気流を生じさせ、前記空気層内の空気を上端部の空気連通口から内側に搬送可能としたことを特徴とするカーテンウォール構造。
【請求項2】
前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、各有孔パネルに対し前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項3】
前記有孔パネルが前記空気層内に2枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側に配置されるものに白色系の彩色を施し、他方側のガラス側に配置されるものに黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項4】
前記有孔パネルが前記空気層内に1枚配設されるとともに、前記一方側のガラス側の面に白色系の彩色を施し、他方側のガラス側の面に黒色系の彩色を施してある請求項1記載のカーテンウォール構造。
【請求項5】
前記ルーバーユニットの下枠材には、前記空気層内に外気を導入する外気導入口が設けられている請求項1〜4いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【請求項6】
前記一方側のガラスが省略されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【請求項7】
前記カーテンウォールパネルとルーバーユニットとの間の上部に前記ルーバーユニットから排出された空気を吸引するファンが設けられている請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォール構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−62663(P2012−62663A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206770(P2010−206770)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(510248682)株式会社シグマイー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(510248682)株式会社シグマイー (1)
【Fターム(参考)】
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