説明

カードコネクタ

【課題】構造が簡単で、製造が容易な金属製のイジェクト部材を有するカードコネクタを提供する。
【解決手段】絶縁性合成樹脂から成形されるベース部材と、金属薄板から形成されるカバー部材とで、カードを収容し得るカード収容空間を形成するカードコネクタであって、ベース部材に配置される複数のコンタクト、ベース部材に対して前後方向に移動可能であるイジェクト部材、該イジェクト部材を後方に付勢する圧縮コイルバネ、ハートカム及びカム溝を含むハートカム機構を備え、イジェクト部材は、カード押圧部、前方にコイルバネ収容空間及び後方に揺動空間を形成する、垂直断面で逆U字形の本体部、及びカード押圧部と本体部の前方を連結する、垂直断面でU字形の連結部を含み、カード押圧部、本体部、及び連結部を含むイジェクト部材は、金属薄板から一体に形成され、コイルバネ収容空間及び揺動空間は、前後方向同一ライン上に一列に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路が内蔵されるカード(以下、単に、「ICカード」という。)を電子機器などの配線基板に接続するためのカードコネクタに関し、より詳細には、ICカードの着脱を助けるイジェクト機構を備えるカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードの着脱を容易に、かつ確実に行うことができるように構成されているプッシュ・プッシュ式イジェクト機構は、例えば、特許文献1に開示されるように、従来から良く知られている。
【0003】
特許文献1に開示されるカードコネクタは、絶縁性合成樹脂剤からなるベース部材と金属製または合成樹脂性のカバー部材とでカード収容空間を形成している。また、プッシュ・プッシュ式イジェクト機構は、概ね、合成樹脂性のイジェクト部材、圧縮コイルバネ、ハート形カム機構、及び揺動アームを備えている。イジェクト部材は、ICカードに当接し、ICカードとともにカードコネクタのカード収容空間内をベース部材の側壁に沿って移動する。該イジェクト部材は、また、ベース部材に配置される圧縮コイルバネにより、ICカード抜き取り方向に付勢されている。ハート形カム機構は、ベース部材に形成されており、揺動アームの一端がハート形カム機構のカム溝内を案内される。なお、揺動アームの他端は、イジェクト部材に揺動自在に保持されている。
【0004】
さらに、ICカード抜き取り時に該ICカードの飛び出し等を防止するために、イジェクト部材に取り付けられているフィーリングロック部材も、従来から提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−251024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1などに開示されるように、イジェクト部材が合成樹脂製である場合、材料強度に限界があり、イジェクト部材の厚さや幅を大きくする必要があり、結果としてカードコネクタの小型化、薄型化を困難にしている。また、揺動アームや、フィーリングロック部材は、イジェクト部材とは別部材として作成され、イジェクト部材に取り付けられることで、部品点数が増大するとともに製造工程も増す。さらに、イジェクト部材は、合成樹脂製のベース部材の側壁に沿って移動するように構成されているので、ICカードの挿抜が度重なると該側壁が磨耗し、損傷する恐れがある。
【0007】
本願発明の目的は、このような問題点を解決すべく、構造が簡単で、製造が容易な金属製のイジェクト部材を有するカードコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るカードコネクタは、絶縁性合成樹脂から成形され、底壁及び前壁を少なくとも有するベース部材と、金属薄板から形成され、天板及び左右の側壁を少なくとも有するカバー部材とを組み立てることにより、集積回路を内蔵するカードの少なくとも一部を挿抜可能に収容し得るカード収容空間を形成するカードコネクタであって、ベース部材に配置され、カードに電気的に接続される複数のコンタクト、カードの挿抜に伴い、ベース部材に対してカードの挿抜方向である前後方向に移動可能であって、左右方向に弾性変形可能な揺動アームを有するイジェクト部材、カードがカード収容空間内に装着されているとき、イジェクト部材を後方に付勢する圧縮コイルバネ、ベース部材に形成されるハートカム、及び該ハートカムの周囲及び該ハートカムから延在するように形成され、揺動アームの先端部に設けられたロックピンが移動するカム溝を含むハートカム機構を備え、イジェクト部材は、カードの先端が当接するカード押圧部、前方に圧縮コイルバネを収容するコイルバネ収容空間及び後方に揺動アームが左右に揺動可能な揺動空間を形成する、垂直断面で逆U字形の本体部、及びカード押圧部と本体部の前方を連結する垂直断面でU字形の連結部を含み、カード押圧部、本体部、及び連結部を含むイジェクト部材は、金属薄板から一体に形成され、コイルバネ収容空間及び揺動空間は、前後方向同一ライン上に一列に配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るカードコネクタは、イジェクト部材は、左右方向に弾性変形可能なフィーリングロック部材をさらに含み、該フィーリングロック部材は、揺動空間を挟んで揺動アームに対向する位置に設けられるとともに、フィーリングロック部材の支点と揺動アームの支点とは、揺動空間を挟んで対角に位置していることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係るカードコネクタは、イジェクト部材を構成する本体部は、水平上壁、外壁及び内壁を有して垂直断面逆U字形をなし、イジェクト部材を構成する連結部は、水平下壁、外壁及び内壁を有して垂直断面U字形をなし、連結部の外壁は、本体部の内壁の一部を構成していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るカードコネクタは、前記揺動アームは、前記イジェクト部材を構成する前記本体部の前記外壁の一部から形成されるとともに、前記揺動空間内で左右に揺動するように形成され、前記フィーリングロック部材は、前記イジェクト部材を構成する前記本体部の前記内壁の一部から形成され、前記カード収容空間と前記揺動空間との間を左右に揺動するように形成されることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係るカードコネクタは、前記イジェクト部材を構成する本体部の水平上壁は、カバー部材の天板に接するように前後方向に移動することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るカードコネクタの少なくとも揺動アームを有するイジェクト部材は、金属薄板から一体に形成されるので、部品点数を削減するとともに、さらに、コイルバネ収容空間と揺動空間がイジェクト部材の前後に同一ライン上に配置されることで、イジェクト部材の小型化が可能となり、ひいては、カードコネクタの小型化を可能とする。
【0014】
イジェクト部材は、さらにフィーリングロック部材を有することで、部品点数がさらに削減するとともに、それぞれの揺動支点が対角に位置するように揺動アームとフィーリングロック部材を対向して配置することで、揺動空間を小さくすることが可能となり、したがって、カードコネクタの小型化を可能とする。
【0015】
イジェクト部材の本体部を逆U字形とすることでイジェクト部材の本体部の剛性を確保し、形成される空間をコイルバネ収容空間及び揺動空間に利用することで、カードコネクタの小型化をさらに図ることができるとともに、収容される圧縮コイルバネのたわみを防止することができる。それにより、イジェクト部材がカード収容空間側に傾斜することを防止できる。
【0016】
揺動アームとフィーリングロック部材とをイジェクト部材を構成する本体部の対向する外壁及び内壁の一部を利用して形成することで、揺動空間を小さくすることがより確実に行える。
【0017】
イジェクト部材を構成する本体部の水平上壁をカバー部材の天板に接するように移動させることで、イジェクト部材は、カードの装着及び取り外し時に、ベース部材の側壁との磨耗を発生させることがなく、且つ、円滑に前後方向に移動することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施態様)
本発明の第1の実施態様を、図1ないし11を用いて説明する。図1は、本発明に係るカードコネクタの右斜め後方であって上方から見た斜視図である。図2は、カバー部材を取り除いたカードコネクタの上面図である。図3は、図2に示されるカバー部材を取り除いたカードコネクタのカード収容空間内にカードが挿入されている途中の状態を示す斜視図である。図4は、図2に示されるカードコネクタのカード収容空間内にカードが挿入される状態を示す図であり、カードがカード収容空間内に完全に挿入された状態を示す斜視図である。図5は、イジェクト部材が組み込まれたカバー部材の下面図である。図6は、図5のカバー部材の左斜め後方であって下方から見た斜視図である。図7ないし10は、本発明に係るカードコネクタのイジェクト部材の詳細図であり、図7(a)は、イジェクト部材の左斜め前方であって上方から見た斜視図であり、図7(b)は、7(a)のイジェクト部材に圧縮コイルばねが組み込まれた斜視図である。図8(a)は、図7(a)のイジェクト部材の上面図であり、図8(b)は、図7(a)のイジェクト部材を別の角度から見た斜視図である。図9(a)は、イジェクト部材の右斜め前方であって下方から見た斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示されるイジェクト部材の一部拡大図である。図10は、図7(a)のイジェクト部材の下面図である。図11は、複数のコンタクトが配置されたベース部材の右斜め後方であって上方から見た斜視図である。
【0019】
なお、本明細書の説明において、用語「前」及び「後ろ」は、図1に示される座標において、それぞれ、+x方向及び−x方向を指し、用語「左」及び「右」は、それぞれ、図1に示される+y方向及び−y方向を指し、用語「上」及び「下」は、それぞれ、+z方向及び−z方向を指すものとする。
【0020】
図1及び2に示されるように、カードコネクタ1は、概略、カバー部材10、ベース部材20、イジェクト部材30及び複数のコンタクト50を備えている。
【0021】
カバー部材10は、金属薄板からプレス加工により形成され、後述するベース部材20と上下に重ね合わせて組み立てることにより、ICカード90の少なくとも一部が収容されるカード収容空間5を形成する。ICカード90は、カード収容空間5の後方に形成されるカード挿入口6から前方に向かって挿入される。カードコネクタ1に装着されるICカード90は、本実施態様においては、周知のSD(Super densityまたはSecure Digital)カードであって、左右に一対の段部95a、95bが形成され、カードの下側は上側に比べて若干幅(左右方向の長さ)が狭い構造を有している。また、ICカード90の外部接点である接触パッドは、カード下側に形成された凹部内に配設されている。なお、本発明に係るカードコネクタ1に装着されるICカード90は、これに限られるものではない。
【0022】
カバー部材10は、図5及び6に詳細に示されるように、カード収容空間5の上壁を構成する矩形状の天板11、該天板11の左右に形成される左側壁12a及び右側壁12bを有する。左右の側壁12a、12bは、いずれも天板11に対して直角をなしており、互いに対して平行である。本実施態様では、カバー部材10の天板11及び右側壁12bに沿って、後述するICカード90の装着、排出のためのプッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成するイジェクト部材30が前後方向(言い換えれば、ICカード90の挿抜方向)に移動する。本実施態様では、このようにイジェクト部材30が右側壁12bに沿って移動するように構成されているが、挿入されるICカードの構造によっては、左側壁12aに沿って移動する構成を採用することも可能である。左右の側壁12a、12bの前方端には、それぞれ、前方半田付け片13a、13bが左右の側壁12a、12bから延設され、相対向するように形成される。また、左右の側壁12a、12bの後方端には、それぞれ、後方半田付け片18a、18bが左右の側壁12a、12bから相対向するように折り曲げられている。左右の前方半田付け片13a、13b及び左右の後方半田付け片18a、18bは、カードコネクタ1を組み立てて後、電子機器などにハンダ付けされ、それにより、カードコネクタ1が電子機器に固定される。
【0023】
天板11の前端であって、右側壁12bの近傍には、コイルバネ40の一端を支持するための第1のコイルバネ支持片17が天板11から折り曲げられている。第1のコイルバネ支持片17は、図6に示されるように、天板11から直角に折り曲げられている折り曲げ片17aからさらに直角に内側(後方)に向かって折り曲げられることで形成されている。したがって、第1のコイルバネ支持片17は、天板にほぼ平行に形成される。また、折り曲げ片17aは、後述するベース部材20の前壁22の内壁面(後壁面)に当接するように形成されている。天板11の前端には、また、固定片15が適宜の数(本実施態様では、3個)天板11から直角に折り曲げられている。固定片15各々は、図6に示されるように、天板11から直角に折り曲げられている折り曲げ片15aからさらに直角に外側(前方)に向かって折り曲げられることで形成されている。また、折り曲げ片15aは、後述するベース部材20の前壁22の内壁面(後面)に形成される孔22c(図3参照)に係合する。固定片15は、カバー部材10をベース部材20に対し位置決めするとともに、ベース部材20に固定するために用いられる。
【0024】
また、天板11の後端であって、右側壁12bの近傍には、補強片19が天板11から直角に折り曲げられている。補強片19は、本実施態様では、組み立てられたとき、イジェクト部材30の後端が当接するベース部材20の当接壁27の外面(後面)側に面接触するように形成され、該当接壁27を補強する。なお、補強片19は、イジェクト部材30の後端が直接当接するように、当接壁27の内面(前面)側に面接触して設けられてもよい。
【0025】
さらに、天板11の後方両側には、装着されたICカードが抜け落ちることを防止するための左右一対のブレーキ片14a、14bがプレス加工により形成される。ブレーキ片14a、14bそれぞれは、前方を自由端とし、該自由端がICカード90に弾性的に接触し得るように、天板11から内側(下方)に向かって所定の傾斜角度をなして折り曲げられている。
【0026】
また、本実施態様では、右ブレーキ片14bの前方に、カバー部材10を介してICカード90を接地するためのグランド端子片16がプレス加工により形成されている。該グランド端子片16は、挿入されるICカード90との関連で設けられているものであり、必ずしも必要なものではない。グランド端子片16は、例えば、右ブレーキ片14bと同様に、前方を自由端とし、該自由端がICカード90のグランド端子(不図示)に弾性的に接触し得るように、天板11から内側(下方)に向かって所定の傾斜角度をなして折り曲げられている。
【0027】
次に、ベース部材20は、絶縁性の合成樹脂から概略筐形状に成形され、上述したように、カバー部材10と上下に重ね合わせて組み立てることにより、ICカード90が装着されるカード収容空間5を形成する。
【0028】
ベース部材20は、図2及び11に詳細に示されるように、底壁21、前壁22、左側壁23、左右一対のガイドレール25a、25b、ガイド底壁25c及びコンタクト収容溝24を含んでいる。底壁21は、カード収容空間5の下壁を構成し、前壁22は、底壁21の前端に直立形成され、左側壁23は、底壁21の左端に直立形成される。左側壁23は、前壁22に対しても直角をなすように形成されている。
【0029】
本実施態様では、左側壁23に対応する右側壁が省略されている。すなわち、本実施態様では、従来のカードコネクタと違い、イジェクト部材30は、ベース部材20の側壁に沿って移動するのではなく、上述したように、カバー部材10の右側壁12bに沿って前後方向に移動する。本実施態様では、右側壁が省略されていることで、従来のカードコネクタと比べて、少なくとも該右側壁の厚さ分その幅(左右の長さ)を小さくすることができる。
【0030】
底壁21の前方には、複数のコンタクトが1つずつ収容される複数のコンタクト収容溝24が形成されている。複数のコンタクト収容溝24は、前壁22の内側(後側)であって、該前壁22に対して直角をなし、且つ、互いに平行に前後方向に延びている。コンタクト収容溝24それぞれは、前壁22を含めて4周を壁で囲まれ、上から見て細長い矩形形状をなしている。コンタクト収容溝24の前方には、前壁22を前後方向に貫通する貫通孔22aが形成され、該貫通孔22aを通ってコンタクト50がその固定部52を介して圧入固定されるとともに、その端子53が前方に突出している。コンタクト収容溝24の後方には、また、該コンタクト収容溝24それぞれに配置されるコンタクト50の接触部51の変形量を大きくするため、該接触部51に対応する位置に底壁21を上下方向に貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
【0031】
前壁22の右側端部には、上述した第1のコイルバネ支持片17の折り曲げ片17aの外面(前面)が前壁22の内壁面に面接触し、該折り曲げ片17aが嵌まり込むように、上方及び後方(内側)に向かって開放する収容溝22bが形成されている。
【0032】
底壁21の左右両側には、左ガイドレール25a、右ガイドレール25bが底壁21に対して階段状に対をなして形成される。左右のガイドレール25a、25bは、挿入されるICカード90の段部形状に倣って形成され、カード挿入口6からカード収容空間5内に挿入されるICカード90を正しい姿勢で案内する。左ガイドレール25aは、左側壁23の内側(右側)であって該左側壁23と底壁21との交差部にカード挿入口6から前壁22まで前後方向に延在する。右ガイドレール25bは、後述するガイド底壁25cの内側(左側)に、左ガイドレール25aに平行に、且つ左ガイドレール25aに対向するように、カード挿入口6から前壁22まで前後方向に延在する。
【0033】
ガイド底壁25cは、右ガイドレール25bのさらに右側に、該右ガイドレール25bと平行に且つ右ガイドレール25bの上面とほぼ面一に、前後方向に延在する。ガイド底壁25cと右ガイドレール25bとの間には、前後方向に延びるレール溝26が形成されている。レール溝26には、後述するイジェクト部材30の第1及び第2の内壁37、38が緩く嵌まり込み、第1及び第2の内壁37、38がレール溝26に案内されることにより、ガイド底壁25cの上をイジェクト部材30が前後方向に確実に移動することができる。
【0034】
ガイド底壁25cの後方上面には、プッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成するハートカム機構29が設けられている。ハートカム機構29は、従来から知られているように、ハートカム29a、該ハートカム29aの周囲及びその前後(本実施態様では、後方)に延在するように形成されているカム溝29b、を備えている(詳細は、上記特許文献1参照)。ハートカム機構29を構成するカム溝29b内を、後述するイジェクト部材30の揺動アーム41先端に設けられたロックピン44が移動する。
【0035】
ガイド底壁25cの後端には、また、当接壁27が形成され、該当接壁27の後面側には、上述したようにカバー部材10の補強片19が配置される。当接壁27には、カードコネクタ1にICカード90が挿入されていないとき、コイルバネ40の作用により、イジェクト部材30が当接している。当接壁27の後面側は、補強片19がきっちりと嵌まり込むように上下及び後方に向けて開放する取り付け溝27aが形成されていることが好ましい。
【0036】
さらに、本実施態様では、図2及び図11に示されるように、ベース部材20の左側壁23に沿って、前方には、ICカード90がカードコネクタ1内に完全に装着されたことを検出するカード認識スイッチ60が設けられている。また、カード認識スイッチ60の後方には、装着されるICカード90のライトプロテクトボタン92の位置を検出するライトプロテクトスイッチ70が設けられている。カード認識スイッチ60及びライトプロテクトスイッチ70は、図に示されるように、片持ち梁状に左側壁23の外側面に支持されている。また、それぞれの接点部61、71は、左側壁23に形成される切欠部23a、23bからカード収容空間5内に臨んであり、ICカード90の挿入に伴い、外側(左側)に向けて弾性変形可能に配置されている。
【0037】
次に、本発明の特徴とするイジェクト部材30について図7(a)、(b)、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)及び図10を用いて詳細に説明する。イジェクト部材30は、プッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成する主要部材であり、本実施態様においては、金属薄板からプレス加工により形成される。イジェクト部材30は、ICカード90の挿抜に伴い、前後方向に、したがって、ICカード90の挿抜方向に移動する部材である。
【0038】
本実施態様においては、イジェクト部材30は、前方から見て略逆U字形の本体部31、同じく前方から見て略U字形の連結部33及びカード押圧部34を備えている。本体部31、連結部33及びカード押圧部34は、上述したように、一枚の金属薄板から所定の形状に打ち抜かれ、プレス加工されることで形成される。
【0039】
本体部31は、概略、水平上壁32、外壁(右側壁)としての第1の外壁35と第2の外壁36、及び内壁(左側壁)としての第1の内壁37と第2の内壁38を有し、前方から見て、または、垂直断面で、略逆U字形状をなしている。言い換えれば、本体部31は、概略、水平上壁32、外壁及び内壁とで前後方向及び下方が開放した箱形形状をなしている。
【0040】
水平上壁32は、ほぼ平坦であり、前後方向に所定の長さを持って延在し、組み立てられたとき、カバー部材10の天板11に接する。水平上壁32の概略前方半分は、第1の外壁35、連結部33の垂直外壁33a及び第1の内壁37とでコイルバネ40を収容するコイルバネ収容空間を形成する。また、水平上壁32の概略後方半分は、第2の外壁36、第2の内壁38とで、後述する揺動アーム41の揺動空間を形成する。したがって、コイルバネ収容空間と揺動空間は、前後方向に一列状に(すなわち、前後方向同一ライン上に)配置され、それにより、コネクタの幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0041】
第1の外壁35は、水平上壁32の前方右側から該水平上壁32に対して直角をなすように折り曲げられている。第1の外壁35は、水平上壁32の前端から該水平上壁32の長さの約半分の位置まで延在している。本実施態様では、第1の外壁35の前方部分は、その後端壁部35aに比べて、上下方向の長さが短く形成されているがこれに限られるものではない。例えば、第1の外壁35の前方部分は、下方に開放するスリットを介してその後端壁部35aと同じ長さだけ延在していてもよい。この場合、このスリットには、後述する第2のコイルバネ支持片47を備えるL字形折り曲げ片46の水平部分が嵌め込まれ、該L字形折り曲げ片46の水平部分を保持する。第2の外壁36は、水平上壁32の後方右側から水平上壁32に対して直角をなすように折り曲げられている。第2の外壁36は、第1の外壁35の後方であって、その延長線上に位置する。本実施態様では、イジェクト部材30の第1の外壁35及び第2の外壁36は、組み立てられたとき、カバー部材10の右側壁12bに接触し、前後方向に移動可能である。
【0042】
第1の外壁35と第2の外壁36との間には、本実施態様では、揺動アーム41が形成される。揺動アーム41は、第1の外壁35と第2の外壁36を結ぶ外壁部分を利用し、加工するものであり、第1の外壁35と第2の外壁36を結ぶ外壁部分の加工片を、第1の外壁35の後端壁部35aの後端から第2の内壁38に対して傾斜するように折り曲げることで形成される。
【0043】
揺動アーム41は、後端壁部35aの後端を支点として弾性変形可能であり、したがって、揺動アーム41は、揺動空間内を揺動可能である。また、揺動アーム41の先端部(後端部)には、ロックピン44が下方に向けて突出形成される。該ロックピン44は、その下端部を例えば半球状に丸く形成するとともに、その柱状部分の外周を円筒状に形成することが好ましい。このようにロックピン44の下端部を半球状に形成するとともにその柱状部分の外周を円筒状に形成することで、該ロックピン44が移動するハートカム機構29を構成するカム溝29bを傷めることを防止できる。さらに、ロックピン44が設けられている位置より前方であって、ロックピン44が突出する方向とは逆に揺動アーム41から上方に向けて押さえ突起45が突出形成されている。押さえ突起45の存在により、何らかの原因でロックピン44が上昇したとき、押さえ突起45が上壁32に当接することで、ロックピン44がハートカム機構29を構成するカム溝29bから外れることが防止される。押さえ突起45は、後述する第2の実施態様に示されるように、揺動アーム41に沿って前後方向に延在するように形成されていてもよい(図16参照)。押さえ突起45をこのように形成することで、揺動アーム41が補強され、該揺動アーム41の変形が防止され、したがって、ロックピン44がカム溝29bから外れることがさらに抑制される。
【0044】
なお、本実施態様では、揺動アーム41は、第1の外壁35の後端壁部35aの後端から第2の内壁38に向けて傾斜するように折り曲げられることで形成されると説明したが、これに限られるものではない。例えば、揺動アーム41は、後端壁部35aの後端から第2の内壁38に向けて該後端壁部35aに対して直角をなすように折り曲げられ、揺動空間の中間付近で第2の内壁38にほぼ平行になるようにさらに直角に折り曲げられることで形成されてもよい。要は、揺動アーム41の後端に設けられるロックピン44が揺動空間内で左右に揺動できるように揺動アーム41を形成すればよい。
【0045】
第1の内壁37は、連結部33の後方であって、第1の外壁35に対応する位置に形成される。第1の内壁37は、水平上壁32の左側から該水平上壁32に対して直角をなすように折り曲げられている。
【0046】
第2の内壁38は、水平上壁32の後方左側から上壁32に対して直角をなすように折り曲げられている。第2の内壁38は、第1の内壁37の後方であって、その延長線上に位置する。第2の内壁38は、水平上壁32の後端から該水平上壁32の長さの約半分の位置まで延在している。第1の内壁37及び第2の内壁38の下端部分は、ベース部材20の右ガイドレール25bとガイド底壁25cとの間に形成されたレール溝26内に緩く嵌合し、レール溝26内を前後方向に移動可能に配置される。
【0047】
第2の内壁38には、前後方向に細長い矩形状の窓部39が形成され、該窓部39に対応する内壁部分を利用加工して、該窓部39の後端側辺から該窓部39内を前後方向に延在するようにフィーリングロック部材42が形成される。フィーリングロック部材42は、窓部39の後端側辺において第2の内壁38に対して片持ち梁状に支持される。フィーリングロック部材42は、カード収容空間5内に突出するように形成されている係合突起42aを備え、該係合突起42aは、ICカード90がカード押圧部34に当接した時、該ICカード90の係合凹部91に係合する。フィーリングロック部材42は、窓部39の後端側辺を支点として弾性変形可能である。該フィーリングロック部材42は、装着されているICカード90の抜けを防止するとともに、ICカード90を取り外すとき、ICカード90がカード収容空間から勢いよく飛び出すことを防止する。
【0048】
フィーリングロック部材42の弾性変形の支点としての窓部39の後端側辺は、図10に示されるように、上記揺動アーム41の弾性変形の支点としての後端壁部35aの後端に対して、該揺動アーム41の揺動空間を挟んで、概略対角の位置にある。このように支点が対角に配置されていることにより、それぞれの弾性変形が互いの弾性変形に干渉することがなく、また、揺動空間の幅(左右方向に長さ)が小さくても、それぞれの弾性変形量を十分大きくとることが可能となる。
【0049】
例えば、フィーリングロック部材42を第1の外壁35に、揺動アーム41を第2の内壁38に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、互いの弾性変形の干渉を防ぐために、フィーリングロック部材42と揺動アーム41を交差させる必要があり、結果として揺動空間の厚さ(上下方向の高さ)を大きくすることになり、好ましくない。この点からも、フィーリングロック部材42及び揺動アーム41を本実施態様のように設けることにより、揺動空間の厚さを低減することができ、コネクタの小型化が可能となる。
【0050】
第1の内壁37と第2の内壁38との間には、本実施態様では、イジェクト部材30を後方に向けて付勢するコイルバネ40の他端を支持する第2のコイルバネ支持片47が設けられる。第2のコイルバネ支持片47は、L字形折り曲げ片46前端の中間部分から前方に向けて例えば水平に突出形成されている。L字形折り曲げ片46は、垂直部分と水平部分とを有し、垂直部分が上壁32の左側から水平上壁32に対して直角をなすように下方に向けて折り曲げられ、さらに、垂直部分の下端から水平部分が水平上壁32に平行になるようにコイルバネ収容空間内に折り曲げられる。L字形折り曲げ片46の水平部分の後端は、第1の外壁35の後端壁部35aの前端に接触し、その位置が維持される。結果として、L字形折り曲げ部46の水平部分は、コイルバネ収容空間と揺動空間との間を仕切る部材として配置されている。
【0051】
イジェクト部材30の連結部33は、本体部31の前端部分とカード押圧部34を連結している。連結部33は、垂直外壁33a、水平下壁33b及び垂直内壁33cを有し、前方から見て、または、垂直断面で、略U字形状をなしている。垂直外壁33aは、本体部31の水平上壁32の前端から第1の内壁37までの間であって、該水平上壁32左側から垂直に下方に向かって折り曲げられている。垂直外壁33aは、第1の内壁37及び第2の内壁38と同一平面内にあり、したがって、垂直外壁33aは、本体部31の内壁の一部を構成し、上述したようにコイルバネ収容空間を形成する。
【0052】
水平下壁33bが、垂直外壁33aの下端から左側に向けて直角に折り曲げられ、続いて垂直内壁33cが水平下壁33bの左端から上方に向けて直角に折り曲げられている。水平下壁33bは、ほぼ平坦であり、組み立てられたとき、その下面が右ガイドレール25b上面に接して配置されるように形成される。また、垂直外壁33a及び垂直内壁33cは、互いに対して平行である。水平下壁33b左側前方は、図10に示されるように、段部33dを有しており、イジェクト部材30の本体部31より前方に突出する部分として形成され、垂直内壁33cを介してカード押圧部34に連結する。したがって、カード押圧部34の前端面34bは、図10に示されるように、本体部31の前端より前方に位置する。
【0053】
イジェクト部材30のカード押圧部34は、全体として平坦な部材であり、連結部33の垂直内壁33cの上端から左側に向けて直角に折り曲げられ、左側に向かって所定の長さだけ延在している。カード押圧部34は、また、その上面がイジェクト部材30の本体部31の水平上壁32の水平平面より低い位置にあるように形成されている。なお、カード押圧部34の左側端部34cは、平坦なカード押圧部34から下方または斜め下方に向けて折り曲げられていることが好ましい。
【0054】
連結部33の水平下壁33b、垂直内壁33c及びカード押圧部34は、カード収容空間5内に延在する。カード押圧部34のICカード90の先端面94が当接する後端面のうち、右側半分は、該ICカード90に形成される切欠93に対応して、傾斜面34aとして形成されている。該傾斜面34aは、連結部33の水平下壁33bの傾斜面33eに連続している。該傾斜面34aは、ICカード90の(裏表または前後の)逆差しを防止するために設けられるものであり、従来から良く知られている構造である。また、カード押圧部34の後端面の左側半分は、挿入されるICカード90の先端面94に平行であり、したがって、ICカード90の挿抜方向に直交しており、さらに言えば、ICカード90を案内する右ガイドレール25bに直角をなしている。カード押圧部34の前端面34bは、カード押圧部34の後端面の左側半分と平行であり、したがって、ICカード90の挿抜方向に直交しており、さらに言えば、ベース部材20の前壁22に対しても平行である。
【0055】
プッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成するコイルバネ40は、上述したカバー部材10の第1のコイルバネ支持片17とイジェクト部材30の第2のコイルバネ支持片46との間に保持され、イジェクト部材30の移動に伴い伸縮する。コイルバネ40は、また、上述したように、イジェクト部材30の本体部31の水平上壁32、第1の外壁35、連結部33の垂直外壁33a及び第1の内壁37とで形成されるコイルバネ収容空間内に収容される。したがって、コイルバネ40は、ICカード90がカードコネクタ1に装着され、圧縮されているとき、その大部分が該コイルバネ収容空間内に収容されることで、左右方向に撓むことが防止される。それにより、コイルバネ40の前後方向に延びる中心線の延長線上にロックピン44が位置することになり、イジェクト部材30を傾斜させることなく真っ直ぐ後方に付勢する。
【0056】
コイルバネ40は、また、ICカード90が挿入され、圧縮されるとき、コイルバネ収容空間内にて上又は下に凸になるように撓むように支持されている。例えば、コイルバネ40を支持する天板11に設けられた第1のコイルバネ支持片17及びイジェクト部材30に設けられた第2のコイルバネ支持片47は、それらの先端が若干上方または下方を向くように傾斜して形成されていることが好ましい。このように構成することにより、コイルバネ40が圧縮されると、該コイルバネ40は、上又は下に凸に撓み、該コイルバネ40がコイルバネ収容空間を構成するイジェクト部材30の水平上壁32に当接する。それにより、イジェクト部材30は、その水平上壁32がカバー部材10の天板11に対して接するように移動することが可能となる。結果として、イジェクト部材30は、例えば、イジェクト部材30を構成する水平下壁33bがベース部材20の右ガイドレール25bの上面と接触して移動することを極力避けることが可能となり、ベース部材20の磨耗を防止することができる。なお、コイルバネ40は、ICカード90が挿入されていないとき、あるいは、挿入されるICカード90の先端面94がイジェクト部材30のカード押圧部34に当接していないときに、予め負荷がかかっている状態に支持してもよい。この場合、第1のコイルバネ支持片17と第2のコイルバネ支持片47の間の距離を短くし、コイルバネ40を上又は下に凸に撓むように支持する。
【0057】
以上、本発明に係るカードコネクタ1の構造について説明してきたが、ここで、図3及び4を用いて、該カードコネクタ1にICカード90を装着し、またはそれから取り出す動作(あるいは、ICカードの挿抜動作)について、従来のものと特に変わるものではないが、簡単に説明する。
【0058】
図3は、ICカード90がカード挿入口6を介してカード収容空間5内に挿入され、ICカード90の先端がイジェクト部材30のカード押圧部34の傾斜面34aを含む後端面に到達した状態を示している。この時、図3にも示されるように、イジェクト部材30を含むプッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成する部材は全て当初位置にある。具体的には、コイルバネ40は、圧縮されておらず、したがって、負荷がかかっておらず伸びた状態にある。また、イジェクト部材30(より具体的には、本体部31)の後端は、ベース部材20の当接壁27内面に接触し、揺動アーム41のロックピン44は、ハートカム機構29を構成するハートカム29aから離れたカム溝29bの所定位置(始点)に位置している。また、フィーリングロック部材42の係合突起42aは、ICカード90の係合凹部91に係合する。
【0059】
図3の状態から、ICカード90を前方に向けてさらに挿入すると、ICカード90の先端が、イジェクト部材30のカード押圧部34を押し、それにより、イジェクト部材30も前方に移動する。イジェクト部材30は、その本体部31の第1の外壁35及び第2の外壁36がカバー部材10の右側壁12bに接触した状態で、また、第1の内壁37及び第2の内壁38それぞれの下端部がレール溝26に緩く嵌合した状態で、前方に移動する。イジェクト部材30の前方への移動に伴い、圧縮コイルバネ40が圧縮され、ロックピン44は、ハートカム機構29を構成するカム溝29b内を移動する。したがって、この段階でのICカード90の挿入に対しては、圧縮コイルバネ40のバネ力に対抗し得る所定の押し込み力が必要とされる。
【0060】
図4に示されるように、イジェクト部材30のカード押圧部34の前端面34bが、ベース部材20の前壁22に到達することで、ICカード90の挿入が停止される。挿入が停止した後、ICカード90の挿入のための押し込み力を解除すると、ICカード90は、圧縮コイルバネ40の付勢力により、後方へ戻される。この時、ロックピン44は、ハートカム機構29を構成するハートカム29aの周囲に形成されるカム溝29bに案内され、ハートカムの窪み部分に導かれ、イジェクト部材30の後退を妨げる。したがって、ICカード90は、図4に示される装着状態に保持される。また、カード認識スイッチ60がICカード90の装着を検出し、ライトプロテクトスイッチ70がライトプロテクトボタン92の位置を検出し、ICカード90への書き込みを禁止するか否かを判断する。
【0061】
図4の装着状態において、カードコネクタ1からICカード90を取り出すまたは抜き取るときは、ICカード90が前壁22に到達して停止するまで、ICカード90をコイルバネ40のバネ力に抗して前方に押し込む。それにより、ICカード90の挿入時と同様、イジェクト部材30が前方に移動する。この時、ロックピン44は、ハートカム機構29を構成するハートカム29aの周囲に形成されるカム溝29bに案内され、ハートカム29aの窪み部分から外れ、イジェクト部材30の後退を可能とする。この時、ICカード90の押し込み力を解除すれば、イジェクト部材30は、コイルバネ40の付勢力により後退し、図3に示される当初位置に戻る。この時、フィーリングロック部材42の係合突起42aがICカード90の係合凹部91に係合しているので、ICカード90は、カードコネクタ1の収容空間から慣性により後方に飛び出すことなく図3に示される位置で停止する。ICカード90の停止後、ICカード90のカードコネクタ1から突出している部分を指などで摘んでICカード90をカードコネクタ1から引き出すことで、ICカード90をカードコネクタ1から取り出すことが完了する。
【0062】
(第2の実施態様)
続いて、本発明に係る第2の実施態様について図12ないし17を用いて説明する。図12は、本発明の第2の実施態様に係るカードコネクタの下面図であり、図13は、図12のカードコネクタであって、カバー部材を取り除いたカードコネクタの下面図である。図14は、図12に示される第2の実施態様に係るカードコネクタに使用されるイジェクト部材であって、左斜め後方であって下方から見た斜視図である。図15は、図14に示されるイジェクト部材の右斜め後方であって下方から見た斜視図であり、図16は、図14に示されるイジェクト部材の右斜め後方であって上方から見た斜視図である。図17は、配線基板に対して第1及び第2の実施態様に係るカードコネクタを適用した状態を示す概念図である。なお、図12ないし16に示される図は、いずれも下方から見た図であり、図17に示されるように実際の使用に際しては、図12ないし16に示される部品または構成要素は、上下が逆に配置されることに留意されたい。また、図12ないし17に説明される第2の実施態様において、上記第1の実施態様において説明されたと同じ部品または構成要素であることを示す場合は、第1の実施態様で表示された数字に100を加えた数字で表示されている。
【0063】
図17の概念図で示されるように、カードコネクタは、電子機器に搭載される他の部品の配置によって、配線基板200の上側または下側に配置されるかが決定される場合がある。このような場合、ICカード挿入の観点から見ると、上側に配置されたカードコネクタに装着されるICカードと同じ姿勢で、同様のICカードが下側に配置されたカードコネクタに対して装着されることが好ましい。本実施態様に係るカードコネクタ101は、配線基板200の下側に配置されるカードコネクタとして用いられる。すなわち、本実施態様のカードコネクタ101は、装着されるICカード190が上側に配置されたカードコネクタ、例えば、上記第1の実施態様に係るカードコネクタ1、に装着されるICカード90と同じ姿勢に装着できるように構成される。なお、本実施態様において、カードコネクタ101に装着されるICカード190も、これに限られるものではないが、上記第1の実施態様と同じくSDカードであるものとする。
【0064】
図12、13及び17に示されるように、本実施態様におけるカードコネクタ101も、第1の実施態様のカードコネクタ1と同様、概略、カバー部材110、ベース部材120、イジェクト部材130及び複数のコンタクト150を備えている。図17から理解されるように、カードコネクタ101は、ベース部材120が上方に配置され、カバー部材110が下方に配置され、丁度、上記第1の実施態様のカードコネクタ1と上下逆に配置された構造を有している。しかしながら、ICカード190は、第1の実施態様のカードコネクタ1におけるICカード90と同じ姿勢で、カードコネクタ101に対して挿入、取出しが行われる。すなわち、ICカード190は、上方のベース部材120と下方のカバー部材110とで形成されるカードコネクタ101に対して、ICカード190の幅が広い部分が上側になり、段差を介して幅が狭い部分が下側となる姿勢で装着される。
【0065】
本実施態様におけるカバー部材110は、金属薄板からプレス加工により形成され、上記第1の実施態様とほぼ同じ構成を備えている。上記第1の実施態様のカバー部材10との相違点は、図17からも理解されるように、本実施態様におけるカバー部材110がベース部材120に対して下側から重ね合わせられることにより、ICカード190を収容するカード収容空間105が形成されることにある。なお、上述したように、配線基板200の上側のカードコネクタ1に装着されるICカード90と同じ姿勢で、配線基板200の下側に配置される本実施態様に係るカードコネクタ101にICカード190が装着される必要性がある。すなわち、上述したように、ICカード190は、上方のベース部材120と下方のカバー部材110とで形成されるカードコネクタ101に対して、ICカード190の幅が広い部分が上側になり、段差を介して幅が狭い部分が下側となる姿勢で装着される。ICカード190のこのような装着を可能とするため、後述するように、複数のコンタクト150の接点部151が下方に向って変位するように、ベース部材120の前壁122に片持ち梁状に保持される。このような構成とした場合、コンタクト150の接点部151の下方への変位量を大きく取ることができるようにするとともに、接点部151のこのような変位によるコンタクト150間の短絡などを防止する必要がある。そのため、本実施態様においては複数のコンタクト150の下側に配置されることになるカバー部材110の天板111には、上記第1の実施態様の場合とは違って、該複数のコンタクト150に対応して複数のスリット111aが形成されることが好ましい。
【0066】
本実施態様におけるベース部材120も、基本的には、上記第1の実施態様におけるベース部材20とほぼ同じ構造を有している。すなわち、ベース部材120は、絶縁性の合成樹脂から概略筐形状に成形され、底壁121、前壁122、左側壁123、左右一対のガイドレール125a、125b及びガイド底壁125cを含んでいる。また、ベース部材120が上記したカバー部材110と重ね合わせられることで、ICカード190の少なくとも一部を収容し得るカード収容空間105が形成されることも第1の実施態様と同じである。なお、図17から理解されるように、ベース部材120は、底壁121が上方に位置するように、配線基板200の下側に取り付けられる。しかしながら、繰り返しにはなるが、ICカード190は、上記第1の実施態様と同じく、カード収容空間105の後方に形成されるカード挿入口106から、第1の実施態様におけるICカード90と同じ姿勢で、前方に向って挿入される。
【0067】
ベース部材120に関し、本実施態様が第1の実施態様と大きく異なる点は、複数のコンタクト150の保持構造にある。図12に示されるように、コンタクト150は、ベース部材120の前壁122の下方部分で該前壁122を前後方向に貫通して形成される貫通孔122dに圧入され、片持ち梁状に保持される。すなわち、複数のコンタクト150は、装着されるICカード190の先端部分が底壁121と複数のコンタクト150との間入り込むように前壁122に保持される。また、挿入されるICカード190の左右の段部を案内する左右一対のガイドレール125a、125bは、それぞれ、ベース部材120の左側壁123及びガイド底壁125cの後端部に形成されている当接壁127からカード収容空間105内に向けて突出形成される。左右一対のガイドレール125a、125bは、前後方向に延在する。該左右一対のガイドレール125a及び125bも、コンタクト150と同様、ベース部材120の下方に形成される。
【0068】
次に、第2の実施態様に係るイジェクト部材130について図14ないし16を用いて詳細に説明する。本実施態様に係るイジェクト部材130、プッシュ・プッシュ式イジェクト機構を構成する主要部材であり、金属薄板からプレス加工により形成されることは、上記第1の実施態様と同じである。本実施態様におけるイジェクト部材130の構造に関しても、概略上記第1の実施態様におけるイジェクト部材30と同じである。しかしながら、本実施態様のイジェクト部材130が、第1の実施態様のイジェクト部材30と配線基板200を挟んでほぼ対称的に配置されることに伴う相違する点を含めて、本実施態様に係るイジェクト部材130について以下に簡単に説明する(省略部分は、上記第1の実施態様参照)。
【0069】
本実施態様においては、イジェクト部材130は、前方から見て略U字形の本体部131、同じく前方から見て略階段状の連結部133及びカード押圧部134を備えている。
【0070】
本体部131は、概略、水平下壁132、外壁(右側壁)としての第1の外壁135と第2の外壁136、及び内壁(左側壁)としての第1の内壁137と第2の内壁138を有し、前方から見て、または、垂直断面で、略U字形状をなしている。
【0071】
水平下壁132は、ほぼ平坦であり、前後方向に所定の長さを持って延在し、組み立てられたとき、カバー部材110の天板111に接する。水平下壁132の概略前方半分は、第1の外壁135、連結部133の垂直外壁133a及び第1の内壁137とでコイルバネ(不図示)を収容するコイルバネ収容空間を形成する。また、水平下壁32の概略後方半分は、第2の外壁136、第2の内壁138とで、揺動アーム141の揺動空間を形成する。したがって、本実施態様においても、コイルバネ収容空間と揺動空間は、前後方向に一列状に(すなわち、前後方向同一ライン上に)配置され、それにより、コネクタの幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0072】
また、本実施態様でも、イジェクト部材130の第1の外壁135及び第2の外壁136は、組み立てられたとき、カバー部材110の右側壁に接触し、前後方向に移動可能である。
【0073】
第1の外壁135と第2の外壁136との間には、本実施態様では、揺動アーム141が形成される。揺動アーム141は、上記第1の実施態様と同様、第1の外壁135と第2の外壁136を結ぶ外壁部分を利用し、加工するものである。揺動アーム141は、後端壁部135aの後端を支点として、揺動空間内を揺動可能であり、その先端部には、ロックピン44が上方に向けて突出形成される。さらに、揺動アーム141には、ロックピン44が突出する方向とは逆に下方に向けて押さえ突起145が突出形成される。該押さえ突起145は、本実施態様では、揺動アーム141に沿って前後方向に延在するように形成されている。押さえ突起145をこのように形成することで、揺動アーム141が補強される。
【0074】
第1の内壁137及び第2の内壁138は、水平下壁132から該下壁132に対して直角をなすように折り曲げられている。第2の内壁138は、第1の内壁137の後方であって、その延長線上に位置する。第2の内壁138は、水平下壁132の後端から該水平下壁132の長さの約半分の位置まで延在している。第1の内壁137及び第2の内壁138の上端部分は、ベース部材120のガイド底壁125cに形成されたレール溝(不図示)内に緩く嵌合し、該レール溝内を前後方向に移動可能に配置される。
【0075】
第2の内壁138には、前後方向に細長い矩形状の切欠140が形成され、該切欠140に対応する内壁部分を利用加工して、該切欠140の後端側辺の上端部から該切欠140内を前後方向に延在するようにフィーリングロック部材142が形成される。該フィーリングロック部材142は、上記第1の実施態様とは異なり、装着されるICカード190の上方幅広部に対応するように、切欠140の上方端部に形成される。フィーリングロック部材142は、切欠140の後端側辺の上端部において第2の内壁138に対して片持ち梁状に支持される。フィーリングロック部材142は、カード収容空間5内に突出するように形成されている係合突起142aを備え、該係合突起142aは、ICカード190がカード押圧部134に当接した時、該ICカード190の上方の幅広部に形成される係合凹部(不図示)に係合する。フィーリングロック部材142は、切欠140の後端側辺の上端部を支点として弾性変形可能である。該フィーリングロック部材142は、装着されているICカード190の抜けを防止するとともに、ICカード190を取り外すとき、ICカード190がカード収容空間から勢いよく飛び出すことを防止する。
【0076】
第1の内壁137と第2の内壁138との間には、本実施態様でも、イジェクト部材130を後方に向けて付勢するコイルバネ(不図示)の他端を支持する第2のコイルバネ支持片147が設けられる。第2のコイルバネ支持片147は、L字形折り曲げ片146前端の中間部分から前方に向けて例えば水平に突出形成されている。
【0077】
イジェクト部材130の連結部133は、本体部131の前端部分とカード押圧部134を連結している。連結部133は、垂直外壁133a、水平壁133b及び垂直内壁133cを有し、前方から見て、または、垂直断面で、階段状をなしている。本実施態様のイジェクト部材130は、該連結部133の断面形状において、上記第1の実施態様のイジェクト部材30と構造を異にする。このような構造とすることにより、イジェクト部材130のカード押圧部134は、装着されるICカード190の上方幅広部に対応するように配置される。垂直外壁133aは、本体部131の水平下壁132の前端から第1の内壁137までの間であって、該水平下壁132左側から垂直に上方に向かって折り曲げられている。垂直外壁133aは、第1の内壁137及び第2の内壁138と同一平面内にあり、したがって、垂直外壁133aは、本体部131の内壁の一部を構成し、上述したようにコイルバネ収容空間を形成する。
【0078】
水平壁133bが、垂直外壁133aの上端から左側に向けて直角に折り曲げられ、続いて垂直内壁133cが水平壁133bの左端からさらに上方に向けて直角に折り曲げられている。水平壁133bは、ほぼ平坦であり、組み立てられたとき、その上面が右ガイドレール125b上面に接して配置されるように形成される。また、垂直外壁133a及び垂直内壁133cは、互いに対して平行である。水平壁133b左側前方は、図13、15に示されるように、段部133dを有しており、イジェクト部材130の本体部131より前方に突出する部分として形成され、垂直内壁33cを介してカード押圧部34に連結する。したがって、カード押圧部134の前端面134bは、図13、15に示されるように、本体部131の前端より前方に位置する。
【0079】
イジェクト部材130のカード押圧部134は、全体として平坦な部材であり、連結部133の垂直内壁133cの上端から左側に向けて直角に折り曲げられ、左側に向かって所定の長さだけ延在している。カード押圧部134は、また、カードコネクタ101として組み立てられたとき、その上面がベース部材120の底壁121に接触しないように形成されている。なお、カード押圧部134の左側端部134cは、平坦なカード押圧部134から下方または斜め下方に向けて折り曲げられていることが好ましい。
【0080】
連結部133の水平壁133b、垂直内壁133c及びカード押圧部134は、カード収容空間105内に延在する。カード押圧部134のICカード190の先端面が当接する後端面のうち、右側半分は、該ICカード190に形成される切欠(不図示)に対応して、傾斜面134aとして形成されている。
【0081】
なお、カードコネクタ101にICカード190を装着し、またはそれから取り出す動作(あるいは、ICカードの挿抜動作)についても、上記第1の実施態様において述べたと同様であるので説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係るカードコネクタの右斜め後方であって上方から見た斜視図である。
【図2】カバー部材を取り除いたカードコネクタの上面図である。
【図3】図2に示されるカバー部材を取り除いたカードコネクタのカード収容空間内にカードが挿入されている途中の状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示されるカードコネクタのカード収容空間内にカードが挿入される状態を示す図であり、カードがカード収容空間内に完全に挿入された状態を示す斜視図である。
【図5】イジェクト部材が組み込まれたカバー部材の下面図である。
【図6】図5のカバー部材の左斜め後方であって下方から見た斜視図である。
【図7】本発明に係るカードコネクタのイジェクト部材の図であり、(a)は、イジェクト部材の左斜め前方であって上方から見た斜視図であり、(b)は、(a)のイジェクト部材に圧縮コイルバネが組み込まれている図である。
【図8】本発明に係るカードコネクタのイジェクト部材の図であり、(a)は、図7(a)に示されるイジェクト部材の上面図であり、(b)は、図7(a)に示されるイジェクト部材を別の角度から見た斜視図である。
【図9】本発明に係るカードコネクタのイジェクト部材の図であり、(a)は、イジェクト部材の右斜め前方であって下方から見た斜視図であり、(b)は、(a)に示されるイジェクト部材の一部拡大図である。
【図10】図7(a)に示されるイジェクト部材の下面図である。
【図11】複数のコンタクトが配置されたベース部材の右斜め後方であって上方から見た斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施態様に係るカードコネクタの下面図である。図12のカードコネクタであって、カバー部材を取り除いたカードコネクタの下面図である。
【図13】図12のカードコネクタであって、カバー部材を取り除いたカードコネクタの下面図である。
【図14】図12に示される第2の実施態様に係るカードコネクタに使用されるイジェクト部材であって、左斜め後方であって下方から見た斜視図である。
【図15】図14に示されるイジェクト部材の右斜め後方であって下方から見た斜視図である。
【図16】図14に示されるイジェクト部材の右斜め後方であって上方から見た斜視図である。
【図17】配線基板に対して第1及び第2の実施態様に係るカードコネクタを適用した状態を示す概念図である。
【符号の説明】
【0083】
1、101 カードコネクタ
5、105 カード収容空間
10、110 カバー部材
11、111 (カバー部材の)天板
12a (カバー部材の)左側壁
12b (カバー部材の)右側壁
20、120 ベース部材
21、121 (ベース部材の)底壁
22、122 (ベース部材の)前壁
23 (ベース部材の)側壁
29 ハートカム機構
29a ハートカム
29b カム溝
30、130 イジェクト部材
31、131 本体部
32 (本体部の)水平上壁
33、133 連結部
33a (連結部の)垂直外壁
33b (連結部の)水平下壁
33c (連結部の)垂直内壁
34、134 カード押圧部
35 (本体部の)第1の外壁
36 (本体部の)第2の外壁
37 (本体部の)第1の内壁
38 (本体部の)第2の内壁
41、141 揺動アーム
42、142 フィーリングロック部材
44 ロックピン
50、150 コンタクト
90、190 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性合成樹脂から成形され、底壁及び前壁を少なくとも有するベース部材と、金属薄板から形成され、天板及び左右の側壁を少なくとも有するカバー部材とを組み立てることにより、集積回路を内蔵するカードの少なくとも一部を挿抜可能に収容し得るカード収容空間を形成するカードコネクタであって、
前記ベース部材に配置され、前記カードに電気的に接続される複数のコンタクト、
前記カードの挿抜に伴い、前記ベース部材に対して前記カードの挿抜方向である前後方向に移動可能であって、左右方向に弾性変形可能な揺動アームを有するイジェクト部材、
前記カードが前記カード収容空間内に装着されているとき、前記イジェクト部材を後方に付勢する圧縮コイルバネ、
前記ベース部材に形成されるハートカム、及び該ハートカムの周囲及び該ハートカムから延在するように形成され、前記揺動アームの先端部に設けられたロックピンが移動するカム溝を含むハートカム機構、
を備え、
前記イジェクト部材は、前記カードの先端が当接するカード押圧部、前方に前記圧縮コイルバネを収容するコイルバネ収容空間及び後方に前記揺動アームが左右に揺動可能な揺動空間を形成する、垂直断面でU字形の本体部、及び前記カード押圧部と前記本体部の前方を連結する連結部を含み、
前記カード押圧部、前記本体部、及び前記連結部を含む前記イジェクト部材は、金属薄板から一体に形成され、
前記コイルバネ収容空間及び前記揺動空間は、前後方向同一ライン上に一列に配置されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
前記イジェクト部材は、左右方向に弾性変形可能なフィーリングロック部材をさらに有し、
該フィーリングロック部材は、前記揺動空間を挟んで前記揺動アームに対向する位置に設けられるとともに、前記フィーリングロック部材の支点と前記揺動アームの支点とは、前記揺動空間を挟んで対角に位置していることを特徴とする請求項1に記載のカードコネクタ。
【請求項3】
前記イジェクト部材を構成する前記本体部は、水平壁、外壁及び内壁を有して垂直断面U字形をなし、
前記イジェクト部材を構成する前記連結部は、水平壁、垂直外壁及び垂直内壁を有し、
前記連結部の垂直外壁は、前記本体部の内壁の一部を構成することを特徴とする請求項2に記載のカードコネクタ。
【請求項4】
前記揺動アームは、前記イジェクト部材を構成する前記本体部の前記外壁の一部から形成されるとともに、前記揺動空間内で左右に揺動するように形成され、
前記フィーリングロック部材は、前記イジェクト部材を構成する前記本体部の前記内壁の一部から形成され、前記カード収容空間と前記揺動空間との間を左右に揺動するように形成されることを特徴とする請求項3に記載のカードコネクタ。
【請求項5】
前記イジェクト部材を構成する前記本体部の前記水平壁は、前記カバー部材の前記天板に接するように前後方向に移動することを特徴とする請求項4に記載のカードコネクタ。
【請求項6】
前記連結部は、水平壁、垂直外壁及び垂直内壁とで垂直断面U字形に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカードコネクタ。
【請求項7】
前記連結部は、水平壁、垂直外壁及び垂直内壁とで垂直断面階段状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカードコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−50077(P2010−50077A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294365(P2008−294365)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】