説明

カード状電子機器、通信端末および認証方法

【課題】デジタルカメラ10の通信許可設定が容易なメモリカード30を提供する。
【解決手段】実施形態のメモリカード30は、撮像部11を有するデジタルカメラ10のカード接続端子16と接続される外部接続端子31と、他のデジタルカメラ110Aと無線でデータを送受信する通信部35と、認識画像から特徴を抽出する認識部34と、撮像部11が撮影する第1の認識画像の特徴とデジタルカメラ110Aから送信される第2の認識画像の特徴とが一致する場合に以降のデジタルカメラ110Aとのデータの送受信を許可するCPU33と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、撮像部を有するホストが近距離無線通信システムを介して通信を行うためのカード状電子機器、および撮像部を有し近距離無線通信システムを介して通信を行う通信端末、および近距離無線通信システムを介しての通信を行うための認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの使用者には、写真を撮影した後、近くにいる他のデジタルカメラの使用者と、その撮影した画像を交換したいという要望が強い。この要望に答えるために、通信機能のないデジタルカメラのカードスロットに挿入することにより、デジタルカメラに無線通信機能を付与する通信機能を内蔵したフラッシュメモリカードが開発されている。
【0003】
通信機能内蔵メモリカードがスロットに挿入されたデジタルカメラは、互いに近距離無線通信システムを介してデータを送受信することができる。特に、基地局を介しないで各端末自身が自律的にルーティングを行うアドホック通信が可能なメモリカードは高い利便性を有している。
【0004】
ここで、無線通信システムにおいては、通信相手である他の通信端末を限定する必要がある。例えば、パソコンにおいては、接続アドレスおよびパスワードを、キーボード等をもちいて入力することで、通信許可設定が行われている。
【0005】
キーボード等のないデジタルカメラにおいては、従来方法での通信許可設定を行うことは、容易ではない。このため、公知の通信機能内蔵メモリカードでは、予め通信相手のデジタルカメラが決まっている場合には、その通信許可設定情報がパソコン等を介してメモリカードに転送され記憶されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−329180号公報
【特許文献2】特開2006−350434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、近距離無線通信システムを介しての通信許可設定を容易にするカード状電子機器、および、通信許可設定が容易な通信端末、および通信許可設定が容易な認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のカード状電子機器は、撮像手段を有するホストのカード接続端子、と接続される外部接続端子と、他の通信端末と無線でデータを送受信する通信手段と、認識画像から特徴を抽出する画像認識手段と、前記撮像手段が撮影する第1の認識画像の特徴と前記他の通信端末から送信される第2の認識画像の特徴とが一致する場合に以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する制御手段と、を有する。
【0009】
本発明の別の一態様の通信端末は、撮像手段と、他の通信端末と無線でデータを送受信する通信手段と、認識画像から特徴を抽出する画像認識手段と、前記撮像手段が撮影する第1の認識画像の特徴と前記他の通信端末から送信される第2の認識画像の特徴とが一致する場合に以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する制御手段と、を具備する。
【0010】
本発明の一態様の認証方法は、被写体を撮影し第1の認識画像を取得する認識画像取得工程と、前記第1の認識画像を送信する認識画像送信工程と、他の通信端末からの第2の認識画像を、受信する認識画像受信工程と、前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の特徴を抽出する特徴抽出工程と、前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の前記特徴が一致する場合に以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する通信許可工程と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態のメモリカード、デジタルカメラ、およびデジタルカメラを具備する近距離無線通信システムの構成を説明するための説明図である。
【図2】実施形態のメモリカードの構成を説明するための説明図である。
【図3】実施形態のメモリカードの認識画像を説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態のメモリカードの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態のカード状電子機器であるメモリカード30、デジタルカメラ10、および認証方法について説明する。
図1に示すように、メモリカード30は、ホストであるデジタルカメラ(以下「カメラ」という)10のカードスロット15に挿入されて撮像部11が撮影した画像を記憶する、例えばSDメモリカード(登録商標)である。
【0013】
そして、メモリカード30がカードスロット15に挿入されたカメラ10は、近距離にある同じ構成を有する他のデジタルカメラ110A〜110Cとともに、近距離無線通信システム1を構成することができる。すなわち、メモリカード30は、無線通信機能内蔵メモリカードである。
【0014】
なお、図1に示すように近距離無線通信システム1では、基地局またはアクセスポイント等を介することなく、カメラ同士が直接、通信を行うアドホック通信を行う。
【0015】
カメラ10は、撮像手段である撮像部11と、カメラ制御部14と、操作部13と、表示部12と、カードスロット15と、を有する。撮像部11は、例えばCOMS撮像素子等と光学系とを有し、被写体の画像を撮影し画像データを出力する。操作部13は使用者が操作を行うシャッタボタン等である。表示部12はスルー画像または撮影画像を表示する液晶パネル等を有する。カードスロット15は、カード接続端子16を有し、カメラ筐体内へのメモリカード30の収納部である。
【0016】
次に、図2に示すように、メモリカード30は、外部接続端子31と、ホストインターフェイス(ホストIF)32と、通信部35と、認識部34と、CPU33と、ROM40と、RAM39と、NANDインターフェイス(メモリIF)41と、メモリ部42と、を有する。
【0017】
制御手段であるCPU33は、ROM36に記憶されているファームウエアを読み込むことにより、メモリカード30全体の制御を行うと同時に、後述する通信モードにおいては通信制御も行う。外部接続端子31は、メモリカード30がカメラ10のカードスロット15に挿入/収納されると、カード接続端子16と接続される。
【0018】
ホストIF32は、外部接続端子31を介してカメラ10とメモリカード30との間でデータを送受信する。通信手段である通信部35は、RF I/F(38)と、アンテナ36と、RFユニット37と、を有し、外部の通信端末であるデジタルカメラ110A〜110Cと無線通信を行う。RAM39には動作中にデータ等が一時記憶される。NAND IF(41)は、メモリ部42へのデータの記憶/読み出しを行うためのインターフェイスである。メモリ部42は不揮発性のNAND型フラッシュメモリセルからなる。
【0019】
そして、画像認識手段である認識部34は、後述するように、認識画像から特徴を抽出する。なお説明のため認識部34を独立した構成要素としているが、ROM40またはメモリ部42に記憶され、動作時に、CPU33に読み込まれて動作するプログラムであってもよい。メモリ部42に記憶されCPU33で実行されるプログラムである認識部34は、アップデートを容易に行うことができる。
【0020】
カメラ10を通常のカメラとして使用する場合、すなわち通常モードでは、使用者は、表示部12に表示されたスルー画像をもとに、操作部13のシャッターを押圧操作することにより、被写体の画像を撮像部11により撮影する。撮影された画像は、メモリカード30に送信されて、ホストIF32とNAND IF38とを介してメモリ部42に記憶される。すなわち通常モードではカメラ10およびメモリカード30は、カメラ制御部14の制御により動作する。
【0021】
カメラ10は、カメラ制御部14の制御メニューから、所定の動作モードが選択されることにより、通信モードに切り替わる。通信モードに切り替わると、制御の主体がカメラ制御部14からメモリカード30のCPU33に変わる。そして、CPU33の制御のもと、近距離無線通信システム1を介して、他のカメラ110A〜110Cとのデータ送受信が行われる。すなわち、カメラ10は通信機能を有していないが、カードスロット15にメモリカード30が挿入されることにより、近距離無線通信が可能となる。
【0022】
近距離無線通信システム1は、数mから100mの程度の距離にあるカメラ間で、電波を使いデータの送受信を行う、例えばWiFiシステムである。
【0023】
そして、メモリカード30を有するカメラ10では、CPU33の制御のもと、撮像部11が撮影する第1の認識画像の特徴と、他のカメラ110Aから送信される第2の認識画像の特徴と、が一致する場合に、以降のカメラ110Aとのデータの送受信を許可する通信許可設定が行われる。
【0024】
このため、カメラ10は、予め通信許可設定されたカメラだけでなく、その場で同じ特徴の被写体を撮影可能なカメラ110A等との間で画像の送受信を行うことができる。
【0025】
認識画像の被写体は、例えば、その場にいる人物Aである。認識部34が抽出する人物Aの画像の特徴は比較的、簡単に抽出可能な特徴でよい。例えば、顔の特徴に限られず、服の色もしくは柄、または、図3(A)に示すような、体全体をもちいた姿勢(ポーズ)等であってもよい。
【0026】
すなわち、カメラ10が行う認証は、セキュリティの高い厳密な認証ではないが、通信圏内に多くの通信相手が存在するときに、その中から所望の相手とグルーピングを行うためには十分である。
【0027】
認識画像の被写体が人物の手の場合には、使用者がそれぞれ自分の手を撮影してもよい。カメラ10が撮影する第1の使用者の手と、カメラ110Aが撮影する第2の使用者の手とは別である。しかし、認識部34は、図3(B)〜図3(D)に示すような認識画像中の手の形状、すなわち5本の指の形状、を識別し、両者の示す指サインが一致していた場合には、両者の特徴が一致していると判断する。
【0028】
認識画像の被写体が人体であるため、メモリカード30は、特別な準備/器具が不要なMan-Machineインターフェイスを実現する。
【0029】
そして、カメラ10とカメラ110Aとが別々に撮影した2枚の認識画像から抽出された特徴が一致していた場合に、カメラ10のCPU33は、以降のカメラ110Aとの通信を許可する。
【0030】
そして、カメラ10は、近距離無線通信システム1の通信可能範囲内にあるカメラのうち、通信許可設定されたカメラとの間でのみ通信を行う。
【0031】
メモリカード30の認識部34は、高度で複雑な認証による同一人物かどうかの厳密な判定等を行うのではなく、比較的簡単な方法で通信許可設定のための認証を行う。
【0032】
そして本実施形態の認証方法は、撮影画像の特徴にもとづくために、何桁ものパスワード等を入力する必要がなく、キーボード等の入力部を有していないカメラ10であっても容易に行うことができる。
【0033】
また、認証画像の被写体は、通信を開始するときに、その場で任意に決定される。このため何を撮影するかの選択およびポーズの決定等を含む一連の認証操作には、それ自体に娯楽性がある。このために、本実施形態の認証方法は、場の雰囲気を盛り上げるという効果もある。
【0034】
以上の説明のように、メモリカード30を有するカメラ10は、簡単にかつ確実に通信許可設定を行うことができる。
【0035】
次に、図4のフローチャートにもとづき、カメラ10の通信動作について説明する。
<ステップS10>通信モード(メモリカード制御)移行工程
カメラ10は、カメラ制御部14の制御メニューから、例えば選択された画像Sをプリントアウトするプリントアウト設定をメモリカードに対して行い、メモリカードはプリントアウト設定を受けて通信モードに移行する。もちろん、カメラ制御部14が通信モード移行のための専用メニューを有していてもよい。
【0036】
<ステップS11>認識画像取得工程
通信モードに移行すると、撮像部を11介して所定の被写体、例えば、図3(A)に示した人物の全体像が撮影され、左足を上げた人物の第1の認識画像が取得される。
【0037】
認識画像の被写体は、グルーピングを希望する複数のカメラの使用者が、その場において、話し合って決定することができる。すなわち被写体は予め決められたものではない。このため従来の認証方法と異なり、実施形態の認証方法には娯楽性がある。例えば、被写体となる人物に、わざと無理な姿勢を要求したり、再現が容易ではない動きを要求したりできる。
【0038】
<ステップS12>認識画像送信工程
近距離無線通信システム1は、ネットワークを構築するカメラ同士が互いに通信許可設定を行うアドホックネットワークである。すなわち、他のカメラ110A等がカメラ10と通信するためには、カメラ110Aがカメラ10と通信許可設定されていなければならない。
【0039】
このため、カメラ10は、他のカメラ110Aの認証のために、近距離無線通信システム1を介して第1の認識画像を送信する。
【0040】
<ステップS13>認識画像受信?
CPU33は、通信部35を介して通信可能範囲に通信対象の他のカメラ、例えば、認識画像を送信しているカメラがあるかを検知する。複数の認識画像が受信可能な場合には、例えば、最も電波強度の強い信号を送信しているカメラが優先的に選択される。逆に認識画像が受信できない場合(No)には、カメラ10は、ステップS12からの処理、すなわち認識画像送信を繰り返す。
【0041】
通信対象のカメラ110Aがあった場合(Yes)には、カメラ10はカメラ110Aから送信された第2の認識画像を受信する。
【0042】
なお、第1の認識画像と第2の認識画像とは、同時に撮影された同じ被写体の画像である必要はない。例えば、カメラ10は人物Aを、カメラ110Aは人物Bを撮影しても、両者が同じように、例えば左足を上げていればよい。また例えば、カメラ10が人物Aの画像を取得した後に、人物Bがカメラ10の表示部12に表示された画像(第1の認識画像)を見ながら同じポーズをとっているのを、カメラ110Aが撮影してもよい。
【0043】
なお、認識画像送信工程と認識画像送信工程との順序は逆でもよい。すなわち、第2の認識画像を受信後に第1の認識画像を送信してもよい。
【0044】
<ステップS14>特徴抽出工程
認識部34は、第1の認識画像の特徴および第2の認識画像の特徴を抽出する。特徴抽出には公知の画像認識技術をもちいることができる。なお、第1の認識画像の特徴抽出は、ステップS11の認識画像取得工程の直後に行われてもよいし、複数の他のカメラとネットワーク接続する場合には、最初のカメラとの交信のときに1回だけ行ったのでよい。
【0045】
<ステップS15>特徴一致?
第1の認識画像の特徴と第2の認識画像の特徴とが一致する場合(Yes)には、ステップS16からの処理が行われ、一致していなかった場合(No)にはステップS12からの処理が行われる。
【0046】
<ステップS16>通信許可工程
CPU33は以降のカメラ110Aとのデータの送受信を許可する。そして、別の通信対象のカメラがあった場合(S17:Yes)にはステップS12からの処理を繰り返す。
【0047】
カメラ10以外の例えばカメラ110Aも、カメラ10と同じ動作を行う。カメラ10のCPU33がカメラ110Aとの送受信を許可し、カメラ110AのCPU33がカメラ10との送受信を許可すると、両者の間の通信が可能となる。それぞれのカメラが上記動作を繰り返しグルーピング処理が行われる。
【0048】
そして、カメラ10はプリントアウトモードで選択された画像Sを送信し、グルーピングされた他のカメラは画像Sを受信する。プリントアウトモードで複数の画像を選択することにより、複数の画像を送信することもできる。もちろん、通信モードになってから、送受信する画像等が選択されてもよい。
【0049】
以上の説明のように、本実施形態のカード状電子機器であるメモリカード30は、カメラ10の近距離無線通信システム1を介しての通信許可設定を容易にする。また、データを記憶する不揮発性NANDメモリセルからなるメモリ部42を有するメモリカード30は、より利便性が高い。
【0050】
また、メモリカード30がカードスロット15に挿入された本実施形態のカメラ10は、撮像部11と、他の通信端末と無線でデータを送受信する通信部35と、認識画像から特徴を抽出する認識部34と、撮像部11が撮影する第1の認識画像の特徴と、前記他の通信端末から送信される第2の認識画像の特徴と、が一致する場合に、以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可するCPU33と、を具備する通信端末である。
【0051】
なお、メモリカード30が有する無線通信機能および認証機能を有している通信端末であれば、メモリカード30は不要である。
【0052】
すなわち、近距離無線通信装置は、カメラ、または、カメラで使用されるメモリカードに内蔵され、画像認識機能を有しており、画像処理にて同一被写体の入力があったと見なされた場合、もしくは被写体から判断されるパスワード/番号が一致した場合には無線グルーピングを行い、そのグループ内での近距離無線通信を行う。
【0053】
このため、本実施形態のカメラ10は、近距離無線通信システム1を介しての通信許可設定が容易である。
【0054】
また、本実施形態の認証方法は、被写体を撮影し第1の認識画像を取得する認識画像取得工程と、前記第1の認識画像を送信する認識画像送信工程と、他の通信端末からの第2の認識画像を受信する認識画像受信工程と、前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の特徴を抽出する特徴抽出工程と、前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の前記特徴が一致する場合に以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する通信許可工程と、を具備する。
【0055】
このため、本実施形態の認証方法は、通信許可設定が容易である。さらに、本実施形態の認証方法は娯楽性を有する。
【0056】
<第1実施形態の変形例1>
次に、第1実施形態の変形例のメモリカード30A、デジタルカメラ10Aおよび認証方法(以下、「メモリカード30A等」という)について説明する。本変形例のメモリカード30A等は第1実施形態のメモリカード30等と類似しているため、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0057】
メモリカード30等は認識画像を送受信したが、メモリカード30A等は認識部34が抽出した認識画像の特徴を送受信してもよいし、認識画像の特徴と対応付けられた文字/数字情報を送受信してもよい。
【0058】
例えば、認識画像が人差し指と中指を立てたVサインを示す手の画像の場合に、メモリカード30等は「V」という文字情報を認識画像の特徴として送受信する。認識画像の特徴は認識画像そのものよりもデータ量が少ないため、送受信に要する時間および特徴が一致するかの判定に要する時間を短くできる。
【0059】
メモリカード30A等はメモリカード30等が有する効果を有し、さらに通信許可設定が容易である。<第1実施形態の変形例2>
以下、第1実施形態の変形例のメモリカード30B、デジタルカメラ10Bおよび認証方法(以下、「メモリカード30B等」という)について説明する。本変形例のメモリカード30B等は第1実施形態のメモリカード30等と類似しているため、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0060】
メモリカード30等が送受信する認識画像は静止画であったが、メモリカード30B等は動画を認識画像として送受信する。
【0061】
静止画に比べて動画は情報量が多い。例えば、手サインとして、2本の指が伸びた手を、5本の指が伸びた状態に変化する認識動画像から、数字「2」と数字「5」とを抽出することにより、2桁の数字「25」を特徴とすることができる。また、より複雑なジェスチャーをもとに、よりユニークな特徴としてもよい。
【0062】
メモリカード30B等はメモリカード30等が有する効果を有し、さらに多くの情報量をもとに認証を行うために通信相手を確実に特定することができる。
【0063】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のメモリカード30C、デジタルカメラ10Cおよび認証方法(以下、「メモリカード30C等」という)について説明する。本実施形態のメモリカード30C等は第1実施形態のメモリカード30等と類似しているため、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0064】
メモリカード30C等は、撮像部11が撮影する第3の認識画像の特徴にもとづき、送受信を許可する他のカメラの数、または、データの送信もしくは受信、の少なくともいずれかをCPU33が制限する通信設定工程を具備する。
【0065】
すなわち、メモリカード30Cを有するカメラ10Cは、例えば、1台のカメラ110Aとの通信を許可した後に、さらに撮像部11により第3の認証画像の撮影/認識を行うことにより、CPU33は送受信を許可する他のカメラの数、または、データの送信もしくは受信、の少なくともいずれかを制限することもできる。
【0066】
例えば、図3(C)に示すように、カメラ10Cは、撮像部11が撮影する第3の認識画像として1本の指が伸びた手の画像を認証画像として、送受信を許可する他のカメラの数を1台に制限できる。
【0067】
例えば、手招きのジャスチャー画像を認識画像として送信したカメラは受信側に設定される。また、例えば、親指だけを伸ばした認識画像により、1枚の画像のみを送信するようにカメラを設定できる。
【0068】
すなわち、カメラ10Cでは、使用者はカメラ10の操作部等を操作するのではなく、撮像部11により撮影した認識画像をもちいて通信操作を行うことができる。
【0069】
なお、カメラ10Cは、第3の認識画像による通信設定工程の後に、認識画像送信工程等を行ってもよい。
【0070】
メモリカード30C等は、メモリカード30等が有する効果を有し、さらに認証工程以外の通信操作を認証画像をもちいて簡単に行うことができる。
【0071】
なお、通信端末(ホスト)としてデジタルカメラを例に説明したが、撮像部を有する携帯型の通信端末であれば、携帯電話またはPDA等であってもよい。また、認識画像の被写体は物品または風景等であってもよい。さらに音声による認証等を併用して通信許可設定を行ってもよい。また近距離無線通信システムは基地局等を介したシステムでもよい。
【0072】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…近距離無線通信システム、10、10A〜10C…デジタルカメラ、11…撮像部、12…表示部、12…カメラ制御部、13…操作部、14…カメラ制御部、15…カードスロット、16…カード接続端子、30、30A〜30C…メモリカード、31…外部接続端子、33…CPU、34…認識部、35…通信部、36…アンテナ、37…RFユニット、39…RAM、42…メモリ部、110A〜110C…デジタルカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段を有するホストのカード接続端子、と接続される外部接続端子と、
他の通信端末と無線でデータを送受信する通信手段と、
認識画像から特徴を抽出する画像認識手段と、
前記撮像手段が撮影する第1の認識画像の特徴と、前記他の通信端末から送信される第2の認識画像の特徴と、が一致する場合に、以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する制御手段と、を有することを特徴とするカード状電子機器。
【請求項2】
前記制御手段が、前記撮像手段が撮影する第3の認識画像の特徴にもとづき、送受信を許可する前記他の通信端末の数、または、データの送信もしくは受信、の少なくともいずれかを制限することを特徴とする請求項1に記載のカード状電子機器。
【請求項3】
前記認識画像が、人物の画像であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード状電子機器。
【請求項4】
前記認識画像が、人物の手の画像であり、前記画像認識手段が、指の形状から前記特徴を抽出することを特徴とする請求項3に記載のカード状電子機器。
【請求項5】
前記認識画像が、動画像であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカード状電子機器。
【請求項6】
データを記憶する半導体メモリ部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカード状電子機器。
【請求項7】
前記ホストがデジタルカメラであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカード状電子機器。
【請求項8】
撮像手段と、
他の通信端末と無線でデータを送受信する通信手段と、
認識画像から特徴を抽出する画像認識手段と、
前記撮像手段が撮影する第1の認識画像の特徴と、前記他の通信端末から送信される第2の認識画像の特徴と、が一致する場合に、以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する制御手段と、を具備することを特徴とする通信端末。
【請求項9】
前記制御手段が、前記撮像手段が撮影する第3の認識画像の特徴にもとづき、送受信を許可する前記他の通信端末の数、または、データの送信もしくは受信、の少なくともいずれかを制限することを特徴とする請求項8に記載の通信端末。
【請求項10】
前記認識画像が、人物の画像であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の通信端末。
【請求項11】
前記認識画像が、人物の手の画像であり、前記画像認識手段が、指の形状から特徴を抽出することを特徴とする請求項10に記載の通信端末。
【請求項12】
前記認識画像が、動画像であることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項13】
無線通信機能を有するカード状電子機器がスロットに挿入されたデジタルカメラであることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項14】
被写体を撮影し第1の認識画像を取得する認識画像取得工程と、
前記第1の認識画像を送信する認識画像送信工程と、
他の通信端末からの第2の認識画像を、受信する認識画像受信工程と
前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の特徴を抽出する特徴抽出工程と、
前記第1の認識画像および前記第2の認識画像の前記特徴が一致する場合に、以降の前記他の通信端末とのデータの送受信を許可する通信許可工程と、を具備することを特徴とする認証方法。
【請求項15】
前記撮像手段が撮影する第3の認識画像の特徴にもとづき、送受信を許可する前記他の通信端末の数、または、データの送信もしくは受信、の少なくともいずれかを制限する通信設定工程を具備することを特徴とする請求項14に記載の認証方法。
【請求項16】
前記認識画像が、人物の画像であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の認証方法。
【請求項17】
前記認識画像が、人物の手の画像であり、指の形状から特徴を抽出することを特徴とする請求項16に記載の認証方法。
【請求項18】
前記認識画像が、動画像であることを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか1項に記載の認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−134872(P2012−134872A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286543(P2010−286543)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】