説明

カーボンナノチューブ凝集体

本発明は、カーボンナノチューブの凝集形態での製造方法、およびこれから得られる新規カーボンナノチューブ凝集体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブの凝集形態での製造方法、およびこれから得られる新規カーボンナノチューブ凝集体に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術によれば、カーボンナノチューブは、3〜100nmの直径および直径の数倍である長さを有する主に円筒状のカーボンチューブであると理解される。該チューブは、規則的に並んだ炭素原子の1以上の層を含み、および異なった形態のコアを有する。また、該カーボンナノチューブは、例えば「カーボンフィブリル」または「中空カーボンファイバー」とも称される。
【0003】
カーボンナノチューブは、長い間、技術文献において知られている。一般に、Iijima(出版物:S.Iijima、Nature 354、第56〜58頁、1991年)がカーボンナノチューブの発見者として挙げられるが、これらの物質、特に、幾つかの黒鉛層を有する繊維状黒鉛物質は、1970年代または1980年代初期から知られている。最初に、TatesおよびBaker(GB1469930A1、1977年およびEP56004A2)が、炭化水素の触媒分解からの極めて微細な繊維状炭素の堆積物を記載した。しかしながら、短鎖炭化水素に基づいて製造された炭素フィラメントは、その直径について詳細に特徴付けられていない。
【0004】
上記カーボンナノチューブの従来知られる構造は、円筒型の構造である。円筒構造の場合には、単壁モノカーボンナノチューブ(単壁カーボンナノチューブ)と多壁円筒状カーボンナノチューブ(多壁カーボンナノチューブ)との間で区別される。その製造のための通常の方法は、例えば、方法(アーク放電)、レーザーアブレーション法、気相からの化学蒸着法(CVD法)および気相からの触媒化学蒸着法(CCVD法)が挙げられる。
【0005】
Iijima(Nature 354、1991年、第56〜58頁)は、2以上のグラフェン層を含み、途切れのない閉じた円筒状に巻き上がり、および互いに入れ子になったカーボンチューブのアーク放電法による形成を開示する。回転ベクトルに応じて、炭素原子のキラル配置およびアキラル配置がカーボンファイバーの縦軸に関して可能である。
【0006】
いわゆるフィッシュボーン形態を有するカーボンナノチューブが更に記載され(J.W.Geus、欧州特許出願第198558号)、また、竹状構造を有するカーボンナノチューブも記載される(Z.Ren、米国特許第6911260B2号)。
【0007】
グラフェンの個々の凝集層(いわゆるスクロール型)またはグラフェンの断続層(いわゆるオニオン型)がナノチューブの構造の基礎を形成するカーボンチューブの構造は、Bacon等、J.Appl.Phys.第34巻、1960年、第283〜90頁により最初に記載された。該構造はスクロール型と称される。相当する構造もまた、Zhou等、Science、第263巻、1994年、第1744〜1747頁により、およびLavin等、Carbon 40、2002年、第1123〜1130頁により見出された。
【0008】
近年、スクロール構造の更なる型が、特許出願WO2009036877A2に記載された。このCNT構造は、組み合わさって積み重なり、および巻き上がって存在するグラフェンの幾つかの層を含む(マルチスクロール型)。断面に見られるカーボンナノチューブにおけるグラフェンまたは黒鉛の個々の層は、CNTの中心から外縁へ途切れることなく連続的に続く。
【0009】
本発明では、上記の全てのカーボンナノチューブ構造は、以下、簡単に、カーボンナノチューブ、フィブリルまたはCNTまたはMWCNTと集約する。
【0010】
カーボンナノチューブの製造について既知の方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法および触媒法が挙げられる。多くのこれらの方法では、カーボンブラック、非晶質カーボンおよび大径の繊維が副生成物として形成される(いわゆる流れ法)。触媒法の場合には、例えば担持触媒粒子上での堆積と、インサイチュによりナノメーター範囲での直径で形成される金属中心上の堆積との間で区別し得る。反応条件下でガス状である炭化水素からの炭素の触媒堆積による製造では(以下、CCVD、触媒炭素蒸着)、アセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよび更なるカーボン含有遊離体が、可能な炭素供与体として挙げられる。従って、触媒法から得られるCNTは、好ましく用いられる。
【0011】
通常、触媒は、金属、金属酸化物または分解性もしくは還元性金属成分を含む。例えばFe、Mo、Ni、V、Mn、Sn、Co、Cuおよび他の亜族元素が、触媒のための金属として先行技術に記載される。通常、それぞれの金属は、先行技術によれば、高収率および非晶質炭素の低含有量が上記金属の組合せに基づく金属触媒により有利に達成されるが、実際に、ナノチューブの形成に役に立つ傾向を有する。結果として、混合触媒を用いて得られるCNTが好ましく用いられる。
【0012】
CNTの製造のための特に有利な触媒系は、Fe、Co、Mn、MoおよびNiから構成される系列からの2以上の元素を含有する金属または金属化合物の組み合わせに基づく。
【0013】
カーボンナノチューブの形成および形成されたチューブの特性は、触媒として用いる金属成分または幾つかの金属成分の組合せ、必要に応じて用いる触媒担体物質、および触媒と担体との間の相互作用、遊離体ガスおよびその分圧、水素または更なるガスの混合、反応温度および滞留時間または用いる反応器について複雑な様式で依存する。
【0014】
WO2006/050903A2は、カーボンナノチューブの製造に特に好ましく用いる方法を開示する。
【0015】
これまで種々の触媒系を用いる記載の種々の方法では、該方法から主にカーボンナノチューブ粉末として取り出すことができる異なった構造のカーボンナノチューブが製造される。
【0016】
本発明に更に好ましく適しているカーボンナノチューブは、以下の参考文献に原則として記載される方法により得られる。
【0017】
100nm未満の直径を有するカーボンナノチューブの製造は、最初に、EP205556B1に記載される。この製造について、炭素担体化合物が800〜900℃を越える温度において分解する、軽い(すなわち、短鎖および中鎖、脂肪族または単核または二核芳香族)炭化水素および鉄に基づく触媒が、ここで用いられる。カーボンナノチューブの凝集形態の詳細な説明は、記載されていない。
【0018】
WO86/03455A1は、3.5〜70nmの一定直径、100を越えるアスペクト比(長さ/直径比)およびコア領域を有する円筒構造を有するカーボンフィラメントの製造を記載する。このフィブリルは、フィブリルの円筒軸の周りに同心円上に配置される、多くの規則正しく並んだ炭素原子の連続層からなる。これらの円筒状カーボンナノチューブは、CVD法により炭素含有化合物から金属含有粒子を用いて850℃〜1200℃の温度において製造された。この反応のための触媒は、水溶液中での鉄イオンによる種々の酸化アルミニウムの含浸により得られた。酸化アルミニウムは、酸化条件下で、鉄塩での充填前に1100℃までおよび充填後に500℃までの温度において部分的に焼成された。また、鉄が充填された酸化アルミニウム担体の1100℃までの還元焼成も研究された。製造されたフィブリルは、フィブリル凝集体またはその形態について情報が存在しないが、顕微鏡下で試験された。最初に、Moy等(米国特許第5726116号、同第7198772B2号、Hyperion Catalysis International Inc)が、選択された触媒担体により生じる種々のフィブリル凝集体形態について報告する。ここでは、Moyは、3つの形態、鳥の巣構造(BN)、コーマ糸構造(CY)およびオープンネット構造(ON)の間で区別する。鳥の巣構造(BN)では、フィブリルは、鳥の巣の構造と同様に互いに絡み合ったフィブリルの球が形成されるような形態で不規則に絡まって配置される。この構造は、例えば酸化アルミニウムを、鉄/モリブデン触媒のための担体物質として用いることにより得られる。
【0019】
コーマ糸構造(CY)は、互いに同じ配向性を主に有するカーボンナノチューブの束を含む。オープンネット構造(ON)は、フィブリルが互いに緩く編まれたフィブリル凝集体により形成される。これらの2つの構造は、ガンマ−酸化アルミニウム、例えばALCOA H705、または酸化マグネシウム(Martin Marietta)を、沈殿または含浸触媒を有する担体物質として用いる。形態の説明は、凝集体の寸法、凝集体内のCNTの配置の定義、構造の特徴についての更なる物理的または幾何学的パラメーターについての正確な情報を含まない。CY構造およびON構造から形成される凝集体は、BN構造の凝集体より容易に分散可能であると言われる。
【0020】
CNT触媒の製造のための他の方法は、金属化合物、例えば酸化物の、溶液からの共沈殿である。混合金属酸化物の球形粒子は、同時沈殿から形成される。活性金属が(不活性)担体物質の表面上にのみ見出される上記の担体触媒系に対して、共沈殿球形混合酸化物の場合には、触媒活性金属が、他の金属酸化物と共に触媒粒子内でどの場所にも均質に分配される。活性金属での装填、従って効率性が向上する。触媒的に不活性な金属酸化物は、ここでは、バインダーおよびスペーサーとして働く。理想的な場合には、この触媒は、反応の間に完全にこじ開けられ、全ての活性金属中心が反応について利用可能となる。元の触媒粒子は、この方法により完全に破壊される。Moy等(US6294144、US7198772)は、カーボンナノチューブの合成について、鉄、モリブデンおよび酸化アルミニウムに基づく共沈殿触媒を体系的に研究し、全ての場合において、鳥の巣構造(BN)を有するCNTを得た。
【0021】
特許出願WO2009043445A2は、カーボンナノチューブの製造に適した、極めて高い効率性により区別される酸化コバルト、酸化マンガン、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムに基づく共沈殿触媒を記載する。この方法により得られたカーボンナノチューブ凝集体は、高度の絡み合いにより区別され、個々のCNTが整列せずに互いに編まれた鳥の巣構造を有するCNTに類似する。その結果、これらの凝集体の、例えばポリマーまたは低粘性系、例えば溶媒等における分散は困難となる。また、良好な分散に必要とされる力は、CNT凝集体の崩壊の他に個々のCNT(例えば短縮)およびポリマー(分子量の低減)への望ましくない損傷をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】英国特許出願公開第1469930号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第56004号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第198558号明細書
【特許文献4】米国特許第6911260号明細書
【特許文献5】国際公開第2009036877号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第205556号明細書
【特許文献7】国際公開第86/03455パンフレット
【特許文献8】米国特許第5726116号明細書
【特許文献9】米国特許第7198772号明細書
【特許文献10】米国特許第6294144号明細書
【特許文献11】米国特許第7198772号明細書
【特許文献12】国際公開第2009043445パンフレット
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】S.Iijima、「Nature 354」、1991年、第56〜58頁、
【非特許文献2】Bacon等、「J.Appl.Phys.」、1960年、第34巻、第283〜90頁
【非特許文献3】Zhou等、「Science」、1994年、第263巻、第1744〜47頁
【非特許文献4】Lavin等、「Carbon」、2002年、第40巻、第1123〜30頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
触媒が高い転化率およびCNT収率を供給すると同時に、生成物を、ポリマー(熱可塑性プラスチック)中に容易に、および個々のCNTおよびポリマーのいずれもの損傷を凝集体の破壊の間に避けるために低いエネルギーおよび力の導入により分散する、CNT凝集体の製造方法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、カーボンナノチューブの束を、互いに絡み合ったカーボンナノチューブの膨張糸の形態で含有し、膨張糸束におけるカーボンナノチューブが、20〜100nm、好ましくは30〜80nm、特に好ましくは40〜60nmの範囲で互いに平均距離を有することを特徴とする、3〜100nmの直径および少なくとも5の長さ/直径比を有するカーボンナノチューブの凝集体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
新規な凝集体の好ましい実施態様では、カーボンナノチューブは、CNTの膨張糸中に存在し、CNTの膨張糸は、特に互いに緩く絡み合った形態で凝集体を形成する。CNTの膨張糸は、凝集体において、実質的に0.1μm〜20μm、好ましくは0.14μm〜10μm、特に好ましくは0.18μm〜3μmの直径を有する。膨張する糸の直径は、凝集体において、糸の長さについて考慮すると特に上記範囲で変化する。糸内のCNTは、実質的に、互いに直線状に配置されないが、記載のCY構造(図2において図式により示す)に対して、実質的に、互いに不規則に並んだ位置を有する(図1において図式により示す)。
【0027】
凝集体粒子の少なくとも95重量%が、20μm〜6000μm、好ましくは60μm〜4000μm、特に好ましくは100μm〜1500μmの範囲で外径を有する新規な凝集体の形態が好ましい。
【0028】
好ましくは、凝集体は、20〜250kg/m、好ましくは40〜200kg/m、特に好ましくは50〜150kg/mのEN ISO 60による嵩密度を有する。
【0029】
新規な凝集体の好ましい変法では、凝集体は、膨張糸の形態でのカーボンナノチューブ束の他に、カーボンナノチューブの他の構造化束形態、特にコーマ糸構造におけるカーボンナノチューブ束からなる系列の構造化束形態を、鳥の巣構造において、オープンネット構造または互いに平行に配置されたフィブリル束の形態で、30%未満、好ましくは多くとも20%、特に好ましくは多くとも10%の含有量まで含有する。
【0030】
凝集体の更に好ましい実施態様は、カーボンナノチューブが多くとも7重量%、好ましくは多くとも5重量%の不純物、特に金属または金属化合物、特に好ましくは金属酸化物の含有量を有することを特徴とする。
【0031】
特に好ましくは、新規な凝集体は、カーボンナノチューブが、多壁カーボンナノチューブ、特に互いに入れ子になった黒鉛チューブ(円筒型)を有するかまたは巻き上がった多層グラフェン層(スクロール型)に基づく多壁カーボンナノチューブの形態で存在するように構成される。後者のMWCNT型は、例えばUS5747161、US4663230およびWO2009036877A2に詳細に記載される。特に好ましくは、新規な凝集体は、スクロール型のMWCNTに基づく。
【0032】
また、新規製造方法は、上記の新規凝集体の製造のために開発されたものである。
【0033】
従って、本発明はまた、第1工程において、触媒前駆体を、周期表の亜族VIIIの金属、特に鉄、コバルトまたはニッケル、好ましくはコバルトの金属塩の、周期表の亜族VIまたはVIIの金属、特にマンガン、モリブデン、クロムおよびタングステンからなる系列からの金属、好ましくはマンガンの金属塩での溶液から、特に酸化物および/または水酸化物、または適切な場合にはその水和物を与える担体上での溶液の沈殿、または水溶液からの、特に酸化物および/または水酸化物、または適切な場合にはその水和物を与える、金属塩溶液の、アルミニウム、マグネシウム、シリコン、ジルコニウム、チタンからなる1以上の金属化合物での共沈殿により形成し、
触媒前駆体を溶媒から取り出し、
次いで触媒前駆体に熱後処理を施し、
触媒前駆体に、熱後処理の間、必要に応じて減圧下で、特に空気の存在下で、少なくとも800℃の温度において、非還元性ガスの存在下で高温焼成を施し、
次いで、適切な場合には、この手順により得られる触媒に還元的後処理を施し、
得られた触媒について、少なくとも500℃の温度において、水素および炭素含有前駆体化合物、特に炭化水素の存在下で、炭素前駆体化合物、特に炭化水素、好ましくはアセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼン、アルキルベンゼン、特にトルエンまたはキシレン、特に好ましくはエチレンからなる群からの化合物の触媒分解を行い、およびこの手順により得られたCNT凝集体を単離する、カーボンナノチューブからの凝集体の製造方法を提供する。
【0034】
好ましくは、触媒前駆体を、上記金属の金属塩溶液、特にコバルト、マンガン、モリブデン、アルミニウムおよびマグネシウムからなる系列からの少なくとも2つの金属の硝酸塩、塩化物またはカルボン酸塩、特に酢酸塩の共沈殿により形成する。
【0035】
好ましくは、金属塩の共沈殿は、金属塩の酸性溶液からアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物溶液またはアンモニアに基づくアルカリ溶液を用いて行う。
【0036】
本発明の好ましい実施態様では、高温焼成は、800〜1100℃、好ましくは850〜1100℃、特に好ましくは900〜1050℃の温度において行う。
【0037】
新規方法の特に好ましい変法は、炭化水素の反応を、流動床において、必要に応じて(例えば不活性)キャリアガス、例えば窒素または水素を用いて連続的または不連続的な触媒の添加により、および引き続きのカーボンナノチューブ凝集体の流動床からの連続的な取り出しにより行うことを特徴とする。
【0038】
好ましい実施態様では、用いるべき触媒前駆体を、CoおよびMnの触媒活性金属化合物の共沈殿により、触媒処理の更なる工程において不活性バインダー物質または中間物質のいずれかを形成する少なくとも1つの更なる成分と共に、アルカリ溶液により水性媒体中で水可溶性塩から製造する。記載し得るこのような更なる成分の例は、Al、Mg、Si、Zr、Ti等および混合金属酸化物を形成し、および当業者に既知である通常の元素である。沈殿は、塩基溶液、特にアルカリ金属水酸化物溶液、アルカリ土類金属水酸化物溶液またはアンモニア系アルカリ溶液(例えばアンモニア水酸化物または単純アミン)の金属塩溶液の添加(またはその逆)により行う。
【0039】
固体の形態で得られる触媒前駆体は、原則として母液から、当業者に既知の方法、例えばろ過、遠心分離、蒸発および濃縮等により分離することができる。濃縮およびろ過が好ましい。これは、得られた固形物の向上した取り扱いの容易性のために、乾燥させることもできる。不均一触媒について知られている通り、更なる状態調節は、有利であり得る。成形および/または分類は、状態調節前または状態調節後に行うことができる。
【0040】
新規な方法に特に好ましく用いる触媒は、触媒活性成分の含有量を基準として45〜55モル%のMnおよび55〜45モル%のCoを元素として含有する。
【0041】
触媒の高温焼成は、例えば連続的にまたは不連続的に行うことができるが、連続的または不連続的には、所望の触媒前駆体の供給および触媒の取り出しはいずれも関連することができる。
【0042】
触媒を焼成する高温は、反応器の種々の型において行うことができる。その例として、これらに限定されないが、流動床反応器、回転管反応器または撹拌床を有する反応器が挙げられる。
【0043】
触媒の高温焼成は、実際のCNT製造を伴う手順において、同一反応器において段階的に行ってもよい。ここで、第1工程では、触媒前駆体を、まず、酸化的ガス流または不活性ガス流中で適切な温度にて処理し、次いで、第2工程において、ガスの適切な置換後に、このようにして処理された触媒を、同一反応器中で、CNT凝集体の形成に適した条件下で用いる。
【0044】
本発明はまた、新規な製造方法から得られたカーボンナノチューブ凝集体を提供する。
【0045】
新規なカーボンナノチューブ凝集体を、多くの異なった使用に好適に用いる。その結果、本発明は、ポリマー、ゴム、セラミック、金属、金属合金、ガラス、織物繊維および複合材料のための添加物としての新規なカーボンナノチューブ凝集体の使用を提供する。
【0046】
さらに、本発明は、カーボンナノチューブを含み、およびポリマー、ゴム、セラミック、金属、金属合金、ガラスまたは織物繊維への上記の新規なカーボンナノチューブ凝集体の添加により製造される混合物または複合材料を提供する。
【0047】
さらに、本発明は、電極における、物質の分離用の膜、太陽電池、作動装置、センサー、インキまたはペーストにおける、およびエネルギー貯蔵装置における、とりわけバッテリー、蓄電池、燃料電池またはコンデンサーにおける電気伝導性添加物としての新規なカーボンナノチューブ凝集体の使用を提供する。
【0048】
また、本発明は、薬剤活性化合物のための、または植物保護活性物質のための基材としての新規なカーボンナノチューブ凝集体の使用を提供する。
【0049】
さらに、本発明は、とりわけ揮発性化合物、例えばガスのための、または生物製剤化合物、特に酵素のための吸着材としての新規なカーボンナノチューブ凝集体の使用を提供する。
【0050】
また、本発明は、触媒のための担体または容器としての新規なカーボンナノチューブ凝集体の使用を提供する。
【0051】
本発明を、例として、以下に実施例によって、より詳細に説明する。
【実施例】
【0052】
実施例1:(触媒1の製造、400℃にて焼成、比較例)
306gのMg(NO・6HOの水(0.35リットル)中での溶液を、360gのAl(NO・9HOの0.351リットルの水中での溶液と混合した。次いで、いずれの場合にも0.5リットルの水に溶解させた170gのMn(NO・4HOおよび194gのCo(NO・6HOを添加し、混合物全体を、30分撹拌しながら、硝酸の添加により約2のpHとした。この溶液の流れを、20.6重量%濃度水酸化ナトリウム溶液と、ミキサー中で混合し、形成された懸濁液を5リットルの水の槽へ添加した。槽のpHを、水酸化ナトリウム溶液の添加を制御することにより約10において維持した。
【0053】
沈殿した固形物を、懸濁液から分離し、数回洗浄した。
【0054】
次いで洗浄固形物を、パドル乾燥機により16時間にわたって乾燥させ、乾燥機の温度は、室温から160℃へと最初の8時間内に上昇させた。次いで固形物を、12時間、500℃(試料400℃において測定した最終温度)のオーブン温度において空気の存在下で焼成し、次いで24時間冷却した。次いで触媒物質を、室温にてさらに7日間、後酸化のために放置した。合計121.3gの触媒物質を単離した。
【0055】
実施例2:(触媒2の製造、600℃にて焼成、3時間、比較例)
実施例1と同様に触媒物質を製造したが、マッフル炉において空気の存在下で600℃において3時間さらに焼成した。その後、固形物を、冷却し、計量した。110gを単離した。
【0056】
実施例3:(触媒3の製造、600℃にて焼成、6時間、比較例)
実施例1と同様に触媒物質を製造したが、マッフル炉において空気の存在下で600℃において3時間さらに焼成した。その後、固形物を、冷却し、計量した。109gを単離した。
【0057】
実施例4:(触媒4の製造、1000℃にて焼成、3時間、本発明による)
実施例1と同様に触媒物質を製造したが、マッフル炉において空気の存在下で1000℃において3時間さらに焼成した。その後、固形物を、冷却し、計量した。109gを単離した。
【0058】
実施例5:(流動床におけるCNT1の製造、比較例)
実施例1に製造される触媒を、流動床装置において実験室規模で試験した。触媒1を、まず、100mmの内径を有し、および伝熱媒体により外側から加熱する鋼製反応器中へ導入する。流動床の温度は、伝熱媒体のPID制御により調節した。流動床の温度は、熱電対により決定した。遊離体ガスおよび不活性希釈ガスを、反応器中へ電気制御質量流調節器により通過させた。
【0059】
まず、反応器を、窒素で不活性にし、700℃の温度にまで加熱した。次いで実施例1に従って製造した触媒1の18.0gの量を、計量投入した。
【0060】
その後、エテンおよび窒素の混合物としての遊離体ガスにすぐに切り替えた。遊離体ガス混合物の体積比は、エテン:N=90:10であった。全体積流は、40LN・分−1へ調節した(1分あたりの標準リットル)。触媒と遊離体ガスとの投入は、31分間行った。反応は、2分足らず(技術的な理由のため測定下限値)で立ち上がり、触媒の高い活性を示す(ガスクロマトグラフでの水素含有量のオンライン測定)。
【0061】
その後、継続反応を、遊離体供給を中断することにより停止し、反応器の内容物を取り出した。
【0062】
沈殿した炭素の量は、計量により決定し、沈殿した炭素の構造および形態を、SEMおよびTEM分析により決定した。用いる触媒に基づく沈殿した炭素の量(以下、収率と称する)は、焼成後の触媒の重量(mcat,0)および反応後の重量の増加(mtotal−mcat,0)に基づいて定義した:収率=(mtotal−mcat,0)/mcat,0。
【0063】
実験は、5回連続して行った。得られた生成物を、1つの試料へ組み合わせ、分析した。触媒収率は、用いた触媒1g当たり44.7gのカーボンナノチューブ粉末であった。生成物の嵩密度は、146.0g/リットルであった。炭素繊維は、10.5nmの平均径を有した。CNTの長さ/直径比は、少なくとも100であった。凝集体は、主に(>95重量%)、0.1〜1mmの直径を有した。
【0064】
得られた凝集体のREM写真は、鳥の巣(BN)構造を、凝集体形態として示した。
【0065】
実施例6:(流動床におけるCNT2の製造、比較例)
実施例2に製造される触媒を、流動床装置において実験室規模で試験した。このための実験は、実施例5と同様に、実施例2からの触媒を用いて行った。まず、反応器を、窒素で不活性にし、700℃の温度にまで加熱した。次いで実施例2に従って製造した触媒2の18.0gの量を、計量投入した。
【0066】
その後、エテンおよび窒素の混合物としての遊離体ガスにすぐに切り替えた。遊離体ガス混合物の体積比は、エテン:N=90:10であった。全体積流は、40LN・分−1へ調節した。触媒と遊離体ガスとの投入は、31分間行った。反応は、2分足らず(技術的な理由のため測定下限値)で立ち上がり、触媒の高い活性を示す(ガスクロマトグラフでの水素含有量のオンライン測定)。その後、継続反応を、遊離体供給を中断することにより停止し、反応器の内容物を取り出した。
【0067】
実験は、5回連続して行った。得られた生成物を、1つの試料へ組み合わせ、分析した。触媒収率は、用いた触媒1g当たり53.0gのカーボンナノチューブ粉末であった。生成物の嵩密度は、152.4g/リットルであった。炭素繊維は、12.0nmの平均径を有した。CNTの長さ/直径比は、少なくとも100であった。凝集体は、主に(>95重量%)、0.1〜1mmの範囲の直径を有した。
【0068】
得られた凝集体のREM写真は、鳥の巣(BN)構造を、凝集体形態として示した。
【0069】
実施例7:(流動床におけるCNT3の製造、比較例)
実施例3に製造される触媒を、流動床装置において実験室規模で試験した。このための実験は、実施例5と同様に、実施例3からの触媒を用いて行った。まず、反応器を、窒素で不活性にし、700℃の温度にまで加熱した。次いで実施例3に従って製造した触媒2の18.0gの量を、計量投入した。
【0070】
その後、エテンおよび窒素の混合物としての遊離体ガスにすぐに切り替えた。遊離体ガス混合物の体積比は、エテン:N=90:10であった。全体積流は、40LN・分−1へ調節した。触媒と遊離体ガスとの投入は、31分間行った。反応は、2分足らず(技術的な理由のため測定下限値)で立ち上がり、触媒の高い活性を示す(ガスクロマトグラフでの水素含有量のオンライン測定)。その後、継続反応を、遊離体供給を中断することにより停止し、反応器の内容物を取り出した。
【0071】
実験は、5回連続して行った。得られた生成物を、1つの試料へ組み合わせ、分析した。触媒収率は、用いた触媒1g当たり53.6gのカーボンナノチューブ粉末であった。生成物の嵩密度は、150.8g/リットルであった。炭素繊維は、12.7nmの平均径を有した。CNTの長さ/直径比は、少なくとも100であった。凝集体は、主に(>95重量%)、0.1〜1mmの範囲の直径を有した。
【0072】
得られた凝集体のREM写真は、鳥の巣(BN)構造を、凝集体形態として示した。
【0073】
実施例8:(流動床におけるCNT4の製造、本発明による)
実施例4に製造される触媒を、流動床装置において実験室規模で試験した。このための実験は、実施例5と同様に、実施例4からの触媒を用いて行った。まず、反応器を、窒素で不活性にし、700℃の温度にまで加熱した。次いで実施例4に従って製造した触媒4の18.0gの量を、計量投入した。
【0074】
その後、エテンおよび窒素の混合物としての遊離体ガスにすぐに切り替えた。遊離体ガス混合物の体積比は、エテン:N2=90:10であった。全体積流は、40LN・分−1へ調節した。触媒と遊離体ガスとの投入は、31分間行った。反応は、約7分後に立ち上がる。これは、実施例5〜7からの実験より著しく遅い。同じく、触媒の活性(ガスクロマトグラフでの水素含有量のオンライン測定)も、実施例5よりかなり低い(約70%)。継続反応を、遊離体供給を中断することにより停止し、反応器の内容物を取り出した。
【0075】
実験は、5回連続して行った。得られた生成物を、1つの試料へ組み合わせ、分析した。触媒収率は、用いた触媒1g当たり24.3gのカーボンナノチューブ粉末であった。生成物の嵩密度は、141.3g/リットルであった。炭素繊維は、9.7nmの平均径を有した。CNTの長さ/直径比は、少なくとも100であった。凝集体は、主に(>95重量%)、0.1〜1mmの範囲の直径を有した。
【0076】
得られた凝集体のREM写真は、凝集体が、個々のCNTが、互いに緩く編まれ、およぶ実質的に互いに直線状または平行に配置されない、多くの膨らみ形状CNT糸を含むことを示した(図1および2を参照)。
【0077】
実施例9:(CNT1のPCへの組み込み、比較例)
カーボンナノチューブの高い表面積により、個別化は、カーボンナノチューブの他の急速な再凝集が高いファンデルワールス力または個別化カーボンナノチューブの熱移動により起こるので、個別化の状態の安定化(マトリックスにおける固定化、安定剤として働く物質の添加)との組み合わせにおいてのみ好都合である。
【0078】
実施例5において製造したカーボンナノチューブ粉末CNT1を、共回転2軸押出機(ZSK 26Mc、L/D 36)の主吸入口へ、ポリカーボネート(Makrolon 2805)と共に投入した。押出機の温度は、280℃であった。スループットを複合材料の26kg/時へ、および回転の速度を400rpmへ調節した。カーボンナノチューブ粉末とポリカーボネートの重量比は、3:97であった。押出機から生じるストランドを水槽中で冷却し、および次いで粒状化した。複合材料から製造された部分のTEM写真は、カーボンナノチューブが、ポリカーボネート中に凝集形態でなお部分的に存在することを示した。次いで複合材料を、Arburg 370 S 800 − 150射出成形機により射出成形して、80mmの直径および2mmの厚みを有する円形シートを与えた。湯口は側面にあった。射出成形条件は、成形温度90℃、溶融温度340℃および進展10mm/秒であった。次いで表面抵抗は、リング電極(Monroe model 272、100 V)で測定した。試料は、1012オームを越える表面抵抗を示した。また、ポリマー分解をGPCにより決定した。PCは、27027g/モルのMwを示した(元は28000g/モル)。
【0079】
実施例10:(CNT4のPCへの組み込み、本発明による)
実施例8において製造したカーボンナノチューブ粉末CNT4を、共回転2軸押出機(ZSK 26Mc、L/D 36、実施例9と同一の軸配置)の主吸入口へ、ポリカーボネート(Makrolon 2805)と共に投入した。押出機の温度は、280℃であった。スループットを複合材料の26kg/時へ、および回転の速度を400rpmへ調節した。カーボンナノチューブ粉末とポリカーボネートの重量比は、3:97であった。押出機から生じるストランドを水槽中で冷却し、および次いで粒状化した。複合材料から製造された部分のTEM写真は、カーボンナノチューブが、ポリカーボネート中に主に個別化形態で存在することを示した。次いで複合材料を、Arburg 370 S 800 − 150射出成形機により射出成形して、80mmの直径および2mmの厚みを有する円形シートを与えた。湯口は側面にあった。射出成形条件は、成形温度90℃、溶融温度340℃および進展10mm/秒であった。次いで表面抵抗は、リング電極(Monroe model 272、100 V)で測定した。試料は、2・10オームの表面抵抗を示した。また、ポリマー分解をGPCにより決定した。PCは、27543g/モルのMwを示した(元は28000g/モル)。実施例9(比較例)に示した物質と比較して、著しく少ないポリマーの分子量の分解が生じる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブの束を、互いに絡み合ったカーボンナノチューブの膨張糸の形態で含有し、膨張糸束におけるカーボンナノチューブは、20〜100nm、好ましくは30〜80nm、特に好ましくは40〜60nmの範囲の互いからの平均距離を有することを特徴とする、3〜100nmの直径および少なくとも5の長さ/直径比を有するカーボンナノチューブの凝集体。
【請求項2】
凝集体粒子の少なくとも95重量%は、20μm〜6000μm、好ましくは60μm〜4000μm、特に好ましくは100μm〜1500μmの範囲の外径を有することを特徴とする、請求項1に記載の凝集体。
【請求項3】
凝集体は、20〜250kg/m、好ましくは40〜200kg/m、特に好ましくは50〜150kg/mのEN ISO 60によるバルク密度を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の凝集体。
【請求項4】
カーボンナノチューブは、互いに絡み合った膨張糸中に存在し、および実質的に、互いに直線状に配置されないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の凝集体。
【請求項5】
カーボンナノチューブの膨張糸は、実質的に、0.1μm〜20μm、好ましくは0.14μm〜10μm、特に好ましくは0.18μm〜3μmの直径を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の凝集体。
【請求項6】
凝集体は、膨張糸の形態でのカーボンナノチューブ束の他に、カーボンナノチューブの他の構造化束形態、特にコーマ糸構造におけるカーボンナノチューブ束からなる系列の構造化束形態を、鳥の巣構造において、オープンネット構造においてまたは互いに平行に配置されたフィブリル束の形態で、30%未満、好ましくは多くとも20%、特に好ましくは多くとも10%の含有量まで含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の凝集体。
【請求項7】
カーボンナノチューブは、多くとも7重量%、好ましくは多くとも5重量%の不純物、特に金属または金属化合物、特に好ましくは金属酸化物の含有量を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の凝集体。
【請求項8】
カーボンナノチューブは、多壁カーボンナノチューブ、特に互いに入れ子になった黒鉛チューブを有するか、または巻き上がった多層グラフェン層に基づく多壁カーボンナノチューブの形態で存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の凝集体。
【請求項9】
カーボンナノチューブの凝集体の製造方法であって、第1工程において、触媒前駆体を、周期表の亜族VIIIの金属、特に鉄、コバルトまたはニッケルの金属塩の、周期表の亜族VIまたはVIIの金属、特にマンガン、モリブデン、クロムおよびタングステンからなる系列からの金属の金属塩での溶液から、特に酸化物および/または水酸化物、または適切な場合にはその水和物として、担体上での溶液の沈殿により、または水溶液からの、特に酸化物および/または水酸化物、または適切な場合にはその水和物を与える、金属塩溶液の、アルミニウム、マグネシウム、シリコン、ジルコニウム、チタンからなる1以上の金属化合物での共沈殿により形成し、
触媒前駆体を溶媒から取り出し、
次いで触媒前駆体に熱的後処理を施し、
触媒前駆体に、熱的後処理の間、必要に応じて減圧下で、特に空気の存在下で、少なくとも800℃の温度において、高温焼成を非還元性ガスの存在下で施し、
次いで、適切な場合には、この手順により得られる触媒に還元的後処理を施し、
得られた触媒について、少なくとも500℃の温度において、水素および炭素含有前駆体化合物、特に炭化水素の存在下で、炭素前駆体化合物、特に炭化水素、特に好ましくはアセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼン、アルキルベンゼン、特にトルエンまたはキシレン、特に好ましくはエチレンからなる群からの化合物の触媒分解を行い、およびこの手順により得られたCNT凝集体を単離する、方法。
【請求項10】
触媒前駆体を、金属塩溶液、特にコバルト、マンガン、モリブデン、アルミニウムおよびマグネシウムからなる系列からの少なくとも2つの金属の硝酸塩、塩化物またはカルボン酸塩、特に酢酸塩の共沈殿により形成することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
金属塩の共沈殿は、金属塩の酸性溶液からアルカリ金属水酸化物溶液により行うことを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
高温焼成は、800〜1100℃、好ましくは850〜1100℃、特に好ましくは900〜1050℃の温度において行うことを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
炭化水素の反応を、流動床において、必要に応じてキャリアガス、好ましくは窒素または水素を用いる触媒の連続的または不連続的な添加により、および引き続きのカーボンナノチューブ凝集体の流動床からの連続的な取り出しにより行うことを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかに記載の方法から得られたカーボンナノチューブ凝集体。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載の凝集体の、ポリマー、ゴム、セラミック、金属、金属合金、ガラスまたは織物繊維への添加により製造されるカーボンナノチューブを含む混合物または複合材料。
【請求項16】
ポリマー、ゴム、セラミック、金属、金属合金、ガラス、織物繊維および複合材料のための添加物としての、請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載のカーボンナノチューブ凝集体の使用。
【請求項17】
電極における、物質の分離用の膜、太陽電池、作動装置、センサー、インキまたはペーストにおける、およびエネルギー貯蔵装置における、とりわけバッテリー、蓄電池、燃料電池またはコンデンサーにおける電気伝導性添加物としての、請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載のカーボンナノチューブ凝集体の使用。
【請求項18】
薬剤活性化合物のための、または植物保護活性物質のための基材としての、請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載のカーボンナノチューブ凝集体の使用。
【請求項19】
とりわけ揮発性化合物、例えばガスのための、または生物製剤化合物、特に酵素のための吸着材としての、請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載のカーボンナノチューブ凝集体の使用。
【請求項20】
触媒のための担体または容器としての、請求項1〜8のいずれかまたは請求項14に記載のカーボンナノチューブ凝集体の使用。

【公表番号】特表2013−502361(P2013−502361A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525070(P2012−525070)
【出願日】平成22年8月7日(2010.8.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004845
【国際公開番号】WO2011/020568
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】