説明

カーボンナノチューブ生成炉及び製造装置

【課題】純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるカーボンナノチューブ生成炉を提供することを課題とする。
【解決手段】還元雰囲気の回転ドラムに炭化水素と触媒を投入して反応させ、高機能のカーボンを製造するカーボンナノチューブ生成炉において、還元雰囲気の横型の回転ドラム11と、この回転ドラム11内に充填された金属ボール16a,16b,16cと、前記回転ドラム11の外側に配置された加熱ヒータ30とを具備し、前記回転ドラム11に炭化水素25と金属製触媒17を投入して、カーボンナノチューブを生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用性の高い繊維状のナノカーボンを効率的に製造するカーボンナノチューブ生成炉及びカーボンナノチューブの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブの生成法には、例えばアーク放電法、レーザー蒸着法、化学気相成長法(CVD法)が挙げられる。
アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される方法である(例えば、特許文献1参照)。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノチューブを生成する方法である(例えば、特許文献2参照)。
一般に、上記アーク放電法やレーザー蒸発法では結晶性の良いカーボンナノチューブが生成できるが、生成するカーボンナノチューブの量が少なく大量生成に難しいと言われている。
【0003】
CVD法には、反応炉の中に入れた基板にカーボンナノチューブを生成させる気相成長基板法(例えば、特許文献3)と、触媒金属と炭素源を一緒に高温の炉に流動させカーボンナノチューブを生成する流動気相法(例えば、特許文献4)の二つの方法がある。
【0004】
気相成長基板法について、図4を参照して説明する。図中の符番1は、内部に触媒2を担持する触媒担持基板3が配置された反応管を示す。反応管1の外周外側部には電気ヒータ4が配置されている。こうした構成の反応管1内に、該反応管1の一方側から原料(炭化水素)5を流し、他方側から排気するようにすると、反応管1内部で炭化水素ガス6が発生し、カーボンナノチューブ7が形成される。
【0005】
次に、図5を用いて流動気相法について説明する。但し、図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。図5では、反応管1の一方側から原料である炭化水素5とともにキャリアガス8を流すことを特徴とする。これにより、電気ヒータ4が配置された部位に相当する反応管1内で炭化水素ガス6が発生し、カーボンナノチューブ7が形成される。
【0006】
しかし、気相成長基板法はバッジ処理であるので大量生産に難しい。また、流動気相法は温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノチューブを生成するのが難しいとされている。さらに、流動気相法の発展型として、高温の炉の中に、触媒兼用流動材で流動層を形成し、炭素原料を供給して繊維状のナノカーボンを生成する方法も提案されている。しかし、炉内の温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノチューブを生成するのが難しいと考えられる。
【0007】
しかして、純度および安定性の高いカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるようになれば、カーボンナノチューブの特性を生かしたナノテクノロジー製品を低コストで大量に供給することが可能になる。
【特許文献1】特開2000−95509号公報
【特許文献2】特開平10−273308号公報
【特許文献3】特開2000−86217号公報
【特許文献4】特開2003−342840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるナノカーボンチューブ生成炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るカーボンナノチューブ生成炉は、還元雰囲気の回転ドラムに炭化水素と触媒を投入して反応させ、高機能のカーボンを製造するカーボンナノチューブ生成炉において、還元雰囲気の横型の回転ドラムと、この回転ドラム内に充填された金属ボールと、前記回転ドラムの外側に配置された加熱ヒータとを具備し、前記回転ドラムに炭化水素と金属製触媒を投入して、カーボンナノチューブを生成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るカーボンナノチューブの製造装置は、前記カーボンナノチューブ生成炉を用いてカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブの製造装置であり、触媒を活性化する触媒調整装置と、還元雰囲気の生成炉に炭化水素と触媒を投入して反応させてカーボンを生成するカーボン生成装置と、生成したカーボンから触媒とカーボンとを分離して精製するカーボン精製装置と、前記触媒調整装置及びカーボン生成装置から発する反応ガスを排気する排気装置とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるナノカーボンチューブ生成炉が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のカーボンナノチューブ生成炉及び製造装置について更に詳しく説明する。
(1) 本発明のカーボンナノチューブ生成炉は、上述したように、横型の回転ドラムと、金属ボールと、加熱ヒータとを具備し、前転ドラムに炭化水素と金属製触媒を投入して、気相成長法によりカーボンナノチューブを生成することを特徴とする。こうした構成によれば、純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができる。
【0013】
(2) 上記(1)の発明において、回転ドラムを複数の反応室に分割する,連通孔が形成された仕切板を具備し、仕切られた各反応室は仕切板の連通孔で連通し、且つ各反応室に金属ボールが充填されていることが好ましい。このように、回転ドラムを複数の反応室に分割することにより、ガスがそのまま回転ドラムの出口側に向うのを回避し、金属ボールと反応し易くすることができる。
【0014】
(3) 上記(1)の発明において、回転ドラムを上流側から順に原料ガス化室と複数の反応室に分割する,連通孔が形成された複数の仕切板と、反応室まで延出するように回転ドラムに配置された触媒導入管とを具備し、且つ原料ガス化室及び各反応室に金属ボールが充填されていることが好ましい。触媒導入管を反応室まで延出するように配置することにより、触媒を反応室に確実に送りこみ、触媒の表面に形成されるカーボンナノチューブの生成効率を上げることができる。
【0015】
(4) 上記(1)の発明において、金属製触媒は平均粒径が1〜100μmの金属粉末であることが好ましい。ここで、平均粒径が1μm未満では生成効率や良いが、分離して飛散し易い。また、平均粒径が100μmを超えると、生成効率が低下する。
【0016】
(5) 上記(1)又は(2)の発明において、金属ボールの直径は5〜100mm程度で、ステンレス、鉄、ニッケル、クロム、アルミナのいずれかからなることが好ましい。上記のように金属ボールの直径は大小を含めて5〜100mm程度が望ましいが、これは回転ドラムの直径の大きさを考慮したためである。さらに、金属ボールの直径は、触媒の粒径との関係から触媒の粒径より十分大きくすることが望ましい。
【0017】
(6) 本発明のカーボンナノチューブの製造装置は、上述したように、触媒調整装置と、カーボン生成装置と、カーボン精製装置と、排気装置とを具備したことを特徴とする。前記触媒調整装置は、触媒調整炉と、この触媒調整炉と接続された触媒受入タンクと、添加剤タンクと、この添加剤タンクの添加剤とともに混合ガスを発生させる酸素を収容した酸素タンクと、前記触媒調整炉に接続された触媒タンクを備えていることを特徴とする。前記カーボン生成装置は、カーボン生成炉と、このカーボン生成炉に接続された原料タンクと、カーボン生成炉に接続された水素タンクと、この水素タンクからの水素と反応させて混合ガスを発生させる添加剤を収容した添加剤タンクと、前記カーボン生成炉に接続された生成物回収タンクを備えていることを特徴とする。前記カーボン精製装置は、分離装置と、この分離装置に順次接続されたカーボンろ過装置,乾燥装置及びカーボン生成物タンクと、前記分離装置に順次接続された触媒ろ過装置,乾燥装置及び分離触媒タンクを備えていることを特徴とする。
(7) 上記(6)の発明において、カーボン精製装置より分離した触媒を再利用することが好ましい。これにより、触媒を有効利用することができる。
【0018】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は下記に述べることに限定されない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるカーボンナノチューブ生成炉の概略図である。図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図である。
【0019】
図中の符番1は、横型の回転ドラムを示す。この回転ドラム11は、円形状の仕切板12a,12b,12cにより原料ガス室13,第1の反応室14,第2の反応室15に区切られている。仕切板12a,12b,12cは、その主面が回転ドラム11の縦断面方向に沿うように配置されている。前記原料ガス室13にはSUS製のボール(金属ボール)16aが、第1の反応室14にはSUS製のボール(金属ボール)16b及び触媒17が、第2の反応室15には、SUS製のボール(金属ボール)16c及び触媒17が充填されている。ここで、金属ボール16a〜16cの直径は5〜100mm程度で、その材質はニッケルである。但し、ニッケル以外に、例えばステンレス,鉄,クロム,アルミナのいずれかの金属ボールを用いてもよい。触媒は平均粒径が10〜200μmのNi金属粉末である。
【0020】
第1の反応室14内は主面が回転ドラム11の軸方向と平行な矩形状の仕切板18(図2図示)により更に仕切られ、第2の反応室15内は主面が回転ドラム11の軸方向と平行な矩形状の仕切板19(図3図示)により更に仕切られている。仕切板18,19は、90°違いに取り付けられている。前記仕切板12aには、金属ボール16a,16bは通らないが、ガスは通す大きさの連通孔31が形成されている。前記仕切板12bには、金属ボール16b,16cは通らないが、触媒17は楽に通す大きさの連通孔20,21が形成されている。前記仕切板12cには、金属ボール16cは通らないが、触媒17は楽に通す大きさの連通孔22,23が形成されている。
【0021】
前記回転ドラム11の一端側(図中の左側)には、仕切板12aから第1の反応室14に突き抜けるように筒状の保護管24が設けられている。この保護管24は、回転軸シール25等を介して回転ドラムの端部に係止されている。保護管24には、炭化水素26を原料ガス化室16aに導入するための原料導入管27及び原料ノズル28とともに、触媒17を第1の反応室14に導入するための触媒導入管29及び触媒ノズル30が設けられている。原料導入管26に連結した原料ノズル27は、第1の反応室14に延出するように形成されている。
【0022】
前記回転ドラム11の外周側でかつ原料ガス化室13,第1の反応室14及び第2の反応室15に対応する部分には、加熱ヒータ30が夫々配置されている。この加熱ヒータ30により、回転ドラム11の内部に充填された金属ボール12a〜12cまで十分に加熱できるようになっている。加熱温度は800℃〜900℃である。回転ドラム11の他端側(図中の右側)には、回転軸シール25bを介して出口フード32が配置されている。出口フード32の下部にはロータリーバルブ33が取り付けられ、このバルブ33を介して生成カーボン34が排出される。出口フード32の上部からは熱分解ガス35が排出される。前記回転軸シール25a,25bにより、回転ドラム11の内部に外気が侵入しない構造になっている。
【0023】
なお、図示していないが、回転ドラム1には炭化水素や触媒と同様な投入方法で還元ガス(Hガス、又はHガスを含む不活性ガス、又はCOガス)注入できる構造になっている。また、図1中の符番36は、触媒+カーボンナノチューブである。
【0024】
こうした構成のカーボンナノチューブ生成炉において、還元雰囲気で回転ドラム11の中に金属ボール16a,16b,16cを充填し、炭化水素25と触媒15を投入して、気相成長法によりカーボンナノチューブを生成する。本発明では金属ボール16a,16b,16cが十分に蓄熱され、触媒17と炭化水素が一緒に攪拌されるため温度が均一になる。触媒17は連通口20,21,22,23を通って少しづつ出口側に移動する。一方、内部のガスも連通孔20〜23を通って出口側に移動する。この過程で触媒17の表面にカーボンナノチューブが生成される。
【0025】
第1の実施形態のカーボンナノチューブ生成炉によれば、温度が十分に均一になり、滞留時間も容易にコントロールできるので、純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができる。
なお、上記実施形態では、回転ドラムの外周側に加熱ヒータを単に配置する場合について述べたが、原料ガス化室、第1の反応室及び第2の反応室に対応して加熱ヒータを夫々分離して配置し、各室に対応した温度制御を行ってもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造装置のブロック図を示す。但し、図1〜図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。
この製造装置は、触媒を活性化する触媒調整装置40と、還元雰囲気の生成炉に炭化水素と触媒を投入して反応させてカーボンを生成するカーボン生成装置50と、生成したカーボンから触媒とカーボンとを分離して精製するカーボン精製装置60と、前記触媒調整装置及びカーボン生成装置から発する反応ガスを排気する排気装置70とを備えている。
【0027】
前記触媒調整装置40は、500℃〜800℃程度に保たれた触媒調整炉41と、この触媒調整炉41と接続された触媒受入タンク42と、添加剤タンク43と、この添加剤タンク43の添加剤とともに混合ガスを発生させる酸素を収容した酸素タンク44と、前記触媒調整炉41に接続された触媒タンク45を備えている。こうした構成の触媒調整装置40において、触媒調整炉41に触媒受入タンク42から触媒を投入する。それと同時に添加剤タンク43、酸素タンク44から触媒を活性するための混合ガスを注入する。活性された触媒は、触媒タンク45に保管される。
【0028】
前記カーボン生成装置50は、外熱式横型回転炉(カーボン生成炉)51と、このカーボン生成炉51に接続された原料タンク52と、カーボン生成炉51に接続された水素タンク53と、この水素タンク53からの水素と反応させて混合ガスを発生させる添加剤を収容した添加剤タンク54と、前記カーボン生成炉51に接続された生成物回収タンク55を備えている。カーボン生成炉51は触媒調整装置40の触媒タンク45と接続され、この触媒タンク45からから活性化された触媒が供給されるようになっている。こうした構成のカーボン生成装置50において、外気と遮断したカーボン生成炉51を800℃〜900℃程度に加熱し、触媒と同時に原料タンク52より炭化水素液もしくはガスを注入し、水素タンク53より還元ガスを注入し、添加剤タンク54より不活性ガス又はCOガスを混合し、カーボン生成炉51に入れて触媒表面にカーボンナノチューブを生成する。生成したカーボンナノチューブは、生成物回収タンク55に保管される。
【0029】
前記カーボン精製装置60は、分離装置61と、この分離装置61に順次接続されたカーボンろ過装置62,乾燥装置63及びカーボン生成物タンク64と、前記分離装置61に順次接続された触媒ろ過装置65,乾燥装置66及び分離触媒タンク67を備えている。分離装置61には、カーボン生成装置50の生成物回収タンク55が接続されている。
【0030】
こうした構成のカーボン精製装置60は、触媒とカーボンナノチューブが一体となっているものを分離する装置で、純粋なカーボンをカーボン生成物タンク64に溜め、純粋な触媒を分離触媒タンク67に溜めるようになっている。
【0031】
前記排気装置70は、触媒調整装置40の触媒調整炉41及びカーボン生成装置50のカーボン生成炉51に夫々接続した水封タンク71と、この水封タンク71に接続した排気ポンプ72とを備えている。水封タンクにはカーボン生成炉51から熱分解ガスが送られる。
【0032】
第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造装置によれば、第1の実施形態で説明したように還元雰囲気で金属ボール16a,16b,16cを充填した回転ドラム11に、炭化水素25と触媒15を投入して、気相成長法によりカーボンナノチューブを生成する炉を用いているので、温度が十分に均一になり、滞留時間も容易にコントロールできる。また、触媒を再利用し活性化する工程を設けた構成になっているので、純度及び安定性の高い高機能のカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができる。
【0033】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカーボンナノチューブ生成炉の概略図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造装置の概略図。
【図5】従来のCVD法によるナノカーボン製造方法の説明図。
【図6】従来の基板法によるナノカーボン製造方法の説明図。
【符号の説明】
【0035】
11…回転ドラム、12a,12b,12c,18,19…仕切板、13…原料ガス化室、14…第1の反応室、15…第2の反応室、16a,16b,16c…SUS304ボール(金属ボール)、17…触媒、20〜23…連通孔、24…保護管、26…炭化水素、27…原料導入管、28…原料ノズル、29…触媒導入管、30…触媒ノズル、31…加熱ヒータ、32…出口フード、33…ロータリーバルブ、34…生成カーボン、35…熱分解ガス、36…触媒+カーボンナノチューブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元雰囲気の回転ドラムに炭化水素と触媒を投入して反応させ、高機能のカーボンを製造するカーボンナノチューブ生成炉において、
還元雰囲気の横型の回転ドラムと、この回転ドラム内に充填された金属ボールと、前記回転ドラムの外側に配置された加熱ヒータとを具備し、前記回転ドラムに炭化水素と金属製触媒を投入して、カーボンナノチューブを生成することを特徴とするカーボンナノチューブ生成炉。
【請求項2】
前記回転ドラムを複数の反応室に分割する,連通孔が形成された仕切板を具備し、仕切られた各反応室は仕切板の連通孔で連通し、且つ各反応室に金属ボールが充填されていることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ生成炉。
【請求項3】
前記回転ドラムを上流側から順に原料ガス化室と複数の反応室に分割する,連通孔が形成された複数の仕切板と、反応室まで延出するように回転ドラムに配置された触媒導入管とを具備し、且つ原料ガス化室及び各反応室に金属ボールが充填されていることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ生成炉。
【請求項4】
前記金属製触媒は平均粒径が1〜100μmの金属粉末であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ生成炉。
【請求項5】
前記金属ボールの直径が5〜100mm程度で、ステンレス、鉄、ニッケル、クロム、アルミナのいずれかからなることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載のカーボンナノチューブ生成炉。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載のカーボンナノチューブ生成炉を用いてカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブの製造装置であり、
触媒を活性化する触媒調整装置と、還元雰囲気の生成炉に炭化水素と触媒を投入して反応させてカーボンを生成するカーボン生成装置と、生成したカーボンから触媒とカーボンとを分離して精製するカーボン精製装置と、前記触媒調整装置及びカーボン生成装置から発する反応ガスを排気する排気装置とを具備したことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置。
【請求項7】
前記触媒調整装置は、触媒調整炉と、この触媒調整炉と接続された触媒受入タンクと、添加剤タンクと、この添加剤タンクの添加剤とともに混合ガスを発生させる酸素を収容した酸素タンクと、前記触媒調整炉に接続された触媒タンクを備えていることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブの製造装置。
【請求項8】
前記カーボン生成装置は、カーボン生成炉と、このカーボン生成炉に接続された原料タンクと、カーボン生成炉に接続された水素タンクと、この水素タンクからの水素と反応させて混合ガスを発生させる添加剤を収容した添加剤タンクと、前記カーボン生成炉に接続された生成物回収タンクを備えていることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブの製造装置。
【請求項9】
前記カーボン精製装置は、分離装置と、この分離装置に順次接続されたカーボンろ過装置,乾燥装置及びカーボン生成物タンクと、前記分離装置に順次接続された触媒ろ過装置,乾燥装置及び分離触媒タンクを備えていることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブの製造装置。
【請求項10】
カーボン精製装置より分離した触媒を再利用することを特徴とする請求項6若しくは9記載のカーボンナノチューブの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−120412(P2009−120412A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293584(P2007−293584)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】