ガスを検出する方法及び装置
本開示は、トレーサガス等のガスの存在を検出するように構成されたセンサ装置(300、300’、300’’、450)と、トレーサガスの存在を検出し、漏れ位置を示すように構成された漏れ検出装置(100、100’)とに関する。漏れ検出装置(100、100’)は、更に、漏れ位置での漏れ速度を定量化するように構成してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの存在を検出する方法及び装置に関し、特に、漏れ試験環境におけるトレーサガスの存在の検出のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の漏れ試験装置において、被試験部品の内部領域又は外部領域のいずれかは、被試験部品の内部領域又は外部領域の他方よりも高圧の状態に置かれる。そのため、被試験部品に漏れが存在する場合、ガスは、被試験部品の高圧側から、被試験部品の低圧側へ流動する。このガスの流動を監視し、これにより漏れの存在を検出する一方法は、被試験部品の高圧側の圧力を監視する圧力降下装置によるものである。圧力の減少は、漏れを示すものとなる可能性がある。別の方法では、被試験部品の低圧側でのトレーサガスの存在を試験するために、質量分析に基づいた装置を使用する。トレーサガスは、被試験部品の高圧側に導入される。
【0003】
こうした装置は、装置のオペレータに対して、被試験部品に漏れがあるか、或いは少なくとも、被試験部品に所定の閾値を上回る漏れがあるかの表示を提供する。通常は、顧客が閾値を指定し、オペレータが装置の閾値を設定する。漏れ試験装置のオペレータが漏れ試験装置から、被試験部品が容認できない漏れ、即ち、閾値を上回る漏れを含むとの表示を受けた場合、オペレータには被試験部品が不合格であることが分かり、オペレータは、試験待ちの部品を更なる試験のために配置する。しかしながら、オペレータは、漏れ位置について、或いは、その後に不合格となった部品の漏れがほぼ同じ位置にあるか、異なる位置にあるかは分からない。
【0004】
漏れ位置を決定するためには、従来、更なる試験が必要となる。漏れ位置が決定された後、製造プロセスの変更を実施し、将来の不合格部品数を最小化できる。漏れ位置は、通常、二種類の方法の一方により決定される。第一に、大きな漏れについて、漏れ位置は、不合格部品を加圧し、不合格部品を水槽に沈めることで決定される。漏れ位置は、漏れ部位から生じる気泡の存在に基づいて決定される。第二に、小さな漏れについて、漏れ位置は、不合格部品をトレーサガスにより加圧し、不合格部品の漏れの可能性のある区域上でスニファ装置等のトレーサガス検出器を通過させることにより決定できる。トレーサガス検出器は、トレーサガス検出装置のプローブに近接するガスをプローブに引き込み、検出器に通過させて、トレーサガスの存在を検出する。プローブに近接するガスを引き込む一方法は、プローブにガスを引き込み、その後、検出器を通過させるファンユニットによるものである。これにより、漏れの部位が認知され、場合によりは製造プロセスの変更が実施される。
【0005】
上記の二段階のプロセスは、追加的なリソースを必要とし、試験中の任意の部品での漏れ位置の決定を遅延させ、不合格部品間で漏れ位置に再現性があるかの決定を遅延させる。更に、上記の二段階のプロセスは、オペレータが漏れを視覚的に認識し、漏れ位置を示し、各不合格部品に一貫した試験手順を施す必要がある点において、オペレータへの依存性が非常に高い。更に、漏れを認識して漏れ位置を示す各オペレータの能力において、結果は、オペレータ毎に変化する。
【0006】
加えて、従来の装置は、少量のトレーサガスを検出する必要性から、漏れの存在を検出するために質量分析機器を使用する場合が多い。こうした装置では、被試験部品の低圧側に位置するガスを検知要素に引き込み、ガスを分析してトレーサガスの存在を検出する必要がある。
【0007】
そのため、部品の初期漏れ試験と全般的に同時に、被試験部品における漏れ位置の表示を提供する漏れ検出装置に対する必要性が存在する。更に、漏れ位置の表示と、漏れ速度の表示又は測定値とを提供する漏れ検出装置に対する必要性が存在する。更に、費用効率に優れた漏れ検出装置に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0008】
例示的な一実施形態において、本発明は、被試験部品における漏れの存在を検出するように構成された漏れ試験装置を含む。一例において、本発明の漏れ試験装置は、更に、被試験部品における漏れ位置を決定するように構成される。別の例において、漏れ試験装置は、更に、被試験部品における漏れ位置と、対応する漏れの漏れ速度との両方を決定するように構成される。
【0009】
別の例示的実施形態において、被試験部品の第一の領域における少なくとも一つの漏れの存在を検出し、少なくとも一つの漏れ位置を特定する装置であって、第一の領域の第一の側がトレーサガスを包含し、第一の領域の第二の側より高圧であり、少なくとも一つの漏れを介して、第一の側から第二の側へ、トレーサガスが流出するようになる装置は、第一の領域に近接して位置決めされた複数のセンサを備え、各センサは漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して、検知信号を提供するように構成され、更に、装置は、複数のセンサに接続されたコントローラを備える。コントローラは、複数のセンサの少なくとも第一のセンサがトレーサガスの存在を検出することに応答して、漏れ検出信号を提供し、漏れ検出信号は、複数のセンサの少なくとも第一のセンサ及び第二のセンサから受信した検知信号に基づいて、第一の領域における漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む。一例において、装置は、更に、漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたインジケータを備える。変形例の一つにおいて、インジケータは、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとを表示するように構成されたディスプレイを含み、センサアイコンは、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。別の変形例において、インジケータは、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとを表示するように構成されたディスプレイを含み、漏れグラフィックの位置は、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。
【0010】
例示的な一方法において、第一の領域が漏れを含むかを決定するために被試験部品を監視する方法について、方法は、複数のセンサを第一の領域に近接して配置するステップを備え、複数のセンサのそれぞれは漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して、検知信号を提供するように構成され、更に、方法は、複数のセンサのいずれかによりトレーサガスが検出されているかを決定するために、複数のセンサのそれぞれを監視するステップと、複数のセンサの少なくとも第一のセンサがトレーサガスの存在を検出することに応答して、漏れ検出信号を提供するステップと、を備え、漏れ検出信号は複数のセンサの少なくとも第一のセンサ及び第二のセンサから受信した検知信号に基づいて、第一の領域における漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む。一例において、方法は、更に、漏れ位置の第一の表示を提供するステップを備える。変形例の一つにおいて、第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとをディスプレイ上に表示するステップを含み、センサアイコンは、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。別の変形例において、第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとをディスプレイ上に表示するステップを含み、漏れグラフィックの位置は、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。
【0011】
更に別の例示的実施形態において、複数のセンサのうち、被試験部品の漏れに近接したものを決定する漏れ試験用途において使用するコンピュータ読み取り可能な媒体は、複数のセンサの位置に対応するデータファイルをロードし、複数のセンサのいずれが漏れの存在を検出したかを決定するために複数のセンサを監視し、複数のセンサの少なくとも第一のセンサが漏れの存在を検出した場合に漏れ位置を決定し、複数のセンサの少なくとも第一のセンサが漏れの存在を検出した場合に、漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたソフトウェア部を備える。一例において、ソフトウェア部は、更に、被試験部品の第一の表現と、被試験部品の少なくとも第一の表現上に位置決めされた、少なくとも第一のセンサの第一のセンサ表現とを提供するように構成される。別の例において、少なくとも第一のセンサの視覚的表現は、センサアイコンである。更に別の例において、ソフトウェア部は、更に、複数のセンサのうち、どのセンサが被試験部品から放出されたトレーサガスの最大濃度を検出したかを決定することで、漏れ位置を決定するように構成される。更なる例において、ソフトウェア部は、更に、複数のセンサのうち、どのセンサが被試験部品から放出されたトレーサガスの存在を最初に検出したかを決定することで、漏れ位置を決定するように構成される。また更なる例において、ソフトウェア部は、更に、被試験部品における漏れの漏れ速度を決定するように構成される。変形例の一つにおいて、ソフトウェア部は、更に、被試験部品の第一の表現上で、漏れ位置に近接した位置に位置決めされた漏れグラフィックを提供するように構成される。
【0012】
更なる例示的実施形態において、本発明は、ヘリウム又は水素といったガスの存在を検出するように構成されたセンサ装置を含む。一例において、センサ装置は、センサコントローラを含み、ネットワーク可能なセンサ装置であり、センサ装置は、ネットワークを介して、他のデバイスと情報を共有できるようになる。別の例において、センサ装置は、ヘリウム又は水素といったガスの存在及び濃度を検出するように構成される。更に別の例において、センサ装置は、ガスの存在を検出するコンポーネントに組み込まれるように構成される。
【0013】
更なる例示的実施形態において、被試験部品における漏れの存在を検出するセンサ装置は、被試験部品がトレーサガスを含むガスにより加圧され、ハウジングと、トレーサガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサと、ハウジングに収容されたセンサの少なくとも第一の部分と、ハウジングに結合されたI/Oインタフェースとを備え、I/Oインタフェースはアナログ出力に対応する第一の接続及びネットワーク出力に対応する第二の接続を提供するように構成され、更に、センサ装置は、センサ及びI/Oインタフェースに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラを備え、センサコントローラは更に、I/Oインタフェースの第二の接続を介してネットワークが存在するかを決定すると共に、ネットワークが存在する場合にネットワークを介して送信するデータパケットを生成するように構成され、センサコントローラはハウジングに収容される。一例において、センサは、熱伝導トランスデューサを含む。変形例の一つにおいて、熱伝導トランスデューサの一部は、ハウジングの外部からアクセス可能であり、ハウジングの外部に近接して位置決めされる。別の例において、センサコントローラは、第一のネットワークの存在と、少なくとも一つの追加ネットワークの存在とを検出するように構成される。変形例の一つにおいて、センサコントローラは、第一のネットワーク及び少なくとも一つの追加ネットワークが存在しない時に、第一の接続を介してアナログ出力を提供するように構成される。更に別の例において、センサ装置は、スタンドアロンの漏れ検出装置であり、センサ装置は、更に、ハウジング内に位置決めされると共に、少なくともセンサコントローラに結合された電源と、ハウジングの外部から見えるインジケータとを備え、インジケータは、トレーサガスの存在の表示を提供するように構成される。
【0014】
更なる例示的実施形態において、ガスの存在を検出するガスセンサ装置は、第一の外面を含むハウジングと、ガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサとを備え、センサはトランスデューサ部を含み、トランスデューサ部は、ガスがトランスデューサ部に接触可能となるようにハウジングの第一の外面に近接して位置決めされ、更に、ガスセンサ装置は、センサに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラを備え、センサの少なくとも一部及びセンサコントローラは、ハウジング内に収容される。一例において、ガスセンサ装置は、更に、ハウジングに結合されると共に、センサコントローラをガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備える。変形例の一つにおいて、センサコントローラの出力信号は、センサにより検出されたガスの量を表す基準化アナログ出力信号であり、基準化アナログ出力信号は、I/Oインタフェースの第一の接続を介して、少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる。別の変形例において、センサコントローラの出力信号は、センサにより検出されたガスの量を表すデジタル信号であり、デジタル信号は、I/Oインタフェースの第二の接続を介して、少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる。更に別の変形例において、I/Oインタフェースは、更に、センサコントローラからデジタル信号を受信して、デジタル信号を含むデータパケットを生成及び送信するように構成された少なくとも一つのトランシーバを含む。別の例において、ガスセンサは、更に、可視表示信号を提供するように構成されたインジケータを備え、可視表示信号はガスの存在を表し、可視表示信号はハウジングの外部から見ることができる。
【0015】
更に別の例示的実施形態において、ネットワークで使用するセンサ装置は、ハウジングと、トレーサガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサとを備え、センサは第一の検知部を含み、第一の検知部は、トレーサガスが第一の検知部に接触可能となるように位置決めされ、更に、センサ装置は、センサに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、センサコントローラに接続されると共に、ネットワークデータパケットを生成するように構成されたネットワークコントローラと、を備え、ネットワークデータパケットは、センサコントローラにより生成された出力信号に基づく情報を含み、更に、センサ装置は、ネットワークコントローラに接続され、センサ装置をネットワークに接続するのに適したネットワークインタフェースを備え、ハウジングは、センサの少なくとも第一の部分、センサコントローラ、及びネットワークコントローラを収容するように構成される。一例において、センサは、熱伝導トランスデューサを含む。更に別の例において、センサ装置は、更に、センサコントローラに結合されたインジケータを備え、インジケータは、センサ装置に関連するステータス情報を提供するように構成された第一のインジケータと、トレーサガスの存在の表示を提供するように構成された第二のインジケータとを含む。
【0016】
本発明の付加的な特徴は、現時点で考え得る本発明を実施するための最良の形態を例示した以下の好適な実施形態の詳細な説明を考慮することにより、当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本開示は、2003年3月6日提出の米国特許出願第10/382,961号「ガスを検出する方法及び装置」と、2003年3月6日提出の米国特許出願第10/382,565号「漏れを検出する方法及び装置」とを参照により明示的に援用するものとする。
【0018】
例示的実施形態の詳細な説明では、特に添付図面を参照する。
【0019】
本発明には様々な変形及び代替形態の余地があるが、その例示的実施形態は、図面において一例として図示されており、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、開示した特定の形態に本発明を限定する意図はなく、反対に、全ての変形例、等価物、及び代替物を、付記した請求項により定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれるものとして対象とすることが意図されると理解されたい。
【0020】
<漏れ検出装置>
図1を参照すると、本発明による漏れ試験装置100の模式図が図示されている。漏れ試験装置100は、試験領域120と、複数のセンサ106(そのうち、例示としてセンサ106a及び106bが図示される)と、コントローラ108と、インジケータ110とを含む。図1には二個のセンサ106a及び106bのみが図示されているが、複数のセンサ106は、二個、三個、或いは更に多くのセンサを含むと考えられる。試験領域102は、少なくとも第一の潜在的漏れ領域114を有する被試験部品112を受け入れるように構成される。潜在的漏れ領域の例は、溶接領域及び継手を含む。しかしながら、一実施形態では、被試験部品の全表面又はその一部で、潜在的な漏れの試験をしてよく、したがって、全表面又はその一部を、潜在的漏れ領域とみなしてよい。一例において、試験領域102は、被試験部品112を保持するように構成されると共に、被試験部品112の潜在的漏れ領域114と相対的に複数のセンサ106を位置決めするように構成された、少なくとも一つの固定具(図示せず)を含む。別の実施形態において、試験領域102は、更に、圧力室(図示せず)を含む。圧力室は、被試験部品112の周囲の空気体積を加圧するように構成される。
【0021】
例示した実施形態において、コントローラ108は、コンピュータ116と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)118とを含む。コンピュータ116は、複数のセンサ106から受信したデータを処理し、漏れ位置を特定し、漏れ位置のインジケータ110に信号を提供し、将来の分析のために漏れデータを格納する能力を提供するように構成される。別の実施形態において、コンピュータ116は、更に、漏れの漏れ速度を定量化し、漏れ速度のインジケータ110に信号を提供するように構成される。例示的なコンピュータ116は、P.O. Box 2042, Carbondale, IL 62902所在のEMAC, Inc.から入手可能なEMACインダストリアルコンピュータである。
【0022】
PLC118は、漏れ試験装置100の物理的運動を制御するように構成される。例示的なPLC118は、US Bank Center,777 East Wisconsin Avenue, Suite 1400 Milwaukee, Wisconsin 53202所在のRockwell Automationを介してAllen Bradleyから入手可能なモデル番号SLC 5/05である。一例において、PLC118は、シリンダ等のコンポーネントを作動させ、被試験部品112を固定するように構成された試験領域102の対応する固定具又は固定具群において被試験部品112を固定し、複数のセンサ106a及び106bを潜在的漏れ領域114に近接させて位置決めするように構成される。PLC118は、更に、被試験部品112でのトレーサガスの充填及び排出を制御するように構成される。代替実施形態において、PLC118は、試験領域102の圧力室でのトレーサガスの充填及び排出を制御するように構成される。PLC118のように、被試験部品でのトレーサガスの充填及び排出を制御するためのPLCの使用は、この技術において周知である。
【0023】
PLC118は、更に、ヒューマン−マシンインタフェース(HMI)119に接続される。HMI119は、被試験部品において容認できない漏れに対応する設定値又は漏れ速度、及び/又は被試験部品112の試験サイクルの長さを制御する試験タイマ値といった入力パラメータを、漏れ試験装置100のオペレータが漏れ試験装置100に入力するための例示的なインタフェースを提供する。例示的なHMIは、US Bank Center,777 East Wisconsin Avenue, Suite 1400 Milwaukee, Wisconsin 53202所在のRockwell Automationを介してAllen Bradleyから入手されるPanelviewスタンダードターミナルである。例示した実施形態において、HMI119は、下で説明するネットワーク120のようなネットワークを介して、コントローラ108にリンクされる。代替実施形態において、HMI119は、コントローラ108に直接接続される。
【0024】
別の実施形態において、PLC118には、コンピュータ116から、或いはリモートコンピュータ(図示せず)から、ネットワーク120のようなネットワークを介して、パラメータ値が提供される。更なる実施形態において、PLC118には、PLC118或いはコンピュータ116又はリモートコンピュータ(図示せず)に取り外し可能に結合されたコンピュータ読み取り可能な媒体(図示せず)から、パラメータ値が提供される。
【0025】
漏れ試験装置100の一実施形態において、PLC118は、更に、圧力降下試験等、被試験部品112に対する初期ノックアウト又はグロスリーク試験を実行するように構成される。PLC118のようなPLCを使用して、被試験部品に対する圧力降下試験を実行することは、この技術において周知である。部品112がグロスリーク試験に合格しなかった場合、グロスリークの位置を正確に特定することが望まれない限り、下で説明する更に正確なトレーサガス又はファインリーク試験により被試験部品112を試験する必要はない。変形例の一つにおいて、圧力降下試験のようなグロスリーク試験は、ファインリーク試験と同時に実行される。圧力降下試験及びファインリーク試験が同時に実行される時、圧力降下試験は、トレーサガスを含むガスを使用する。
【0026】
例示した実施形態において、コンピュータ116及びPLC118は、ネットワーク120を介して共にリンクされる。ネットワーク120は、コンピュータ116及びPLC118が情報を共有できるように構成される。例示的なネットワークは、有線ネットワーク、或いはRFネットワーク、IRネットワーク、又はセルラネットワーク等の無線ネットワーク、イーサネットネットワーク又はトークンリングネットワーク等のローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、コントローラエリアネットワーク(CAN)、インターネット又はイントラネットへの接続、RS232接続、RS485接続、或いは、コンピュータ116及びPLC118を接続するその他の適切なネットワーク又は方法を含む。コンピュータ116及びPLC118は、品質管理用のリモートコンピュータ(図示せず)等、ネットワーク120を介した追加デバイス、或いは被試験部品112の製造プロセス内のステーションに位置決めされた制御デバイスに接続できる。そのため、不合格部品における漏れ位置に関して、或いは、不合格部品の漏れ位置間の任意の相関性について、フィードバックを品質管理担当者又は製造担当者に即座に提供できる。
【0027】
代替実施形態において、コントローラ108は、コンピュータ116及びPLC118両方の上記機能を実行するように構成されたコンピュータ116のような単一のコンピュータを備える。一例において、HMI119は、タッチスクリーン、ライトペン、マウス、ローラボール、又はキーボードである。
【0028】
上記のように、ファインリーク試験について、コントローラ108は、被試験部品112の内部又は被試験部品112の外部へ、トレーサガスを含むガスを提供するように構成される。被試験部品112に漏れがない限り、被試験部品112の内部又は外部にトレーサガスが保持されるように、被試験部品を密閉することは、この技術において周知である。トレーサガスが被試験部品の内部に提供される場合、試験領域102は、圧力室を必要とせず、一方、トレーサガスが被試験部品102の外部に提供される場合、試験領域102は、被試験部品112の外部を加圧できるように圧力室(図示せず)を含む。
【0029】
トレーサガスは、トレーサガスを含む内部又は外部がトレーサガスを含まない内部又は外部の他方と相対的に高圧となるように、被試験部品112の内部又は外部に導入される。したがって、被試験部品112の内部と被試験部品112の外部との間に圧力差が形成され、高圧領域は、トレーサガスを含む領域に対応する。そのため、被試験部品112が漏れを含む場合、トレーサガスは、高圧領域から低圧領域へ流出又は流動する。一例において、トレーサガスはヘリウムである。別の例において、トレーサガスは水素である。
【0030】
漏れ試験装置100は、低圧領域におけるトレーサガスの存在により示されるような、被試験部品112における漏れの存在を検出するように構成される。漏れ試験装置100は、更に、漏れ試験を実行するように構成され、これにより、被試験部品112における漏れは、PLC118により提供された試験タイマの値に対応する期間に渡って、監視される。図1に示したように、センサ106は、潜在的漏れ領域114に近接して配置される。上記のように、三個以上のセンサ106を領域114に近接して位置決めすることが考えられる。センサ106は、コントローラ108に接続されると共に、トレーサガスの検出を表す検知信号を提供するように構成される。一例において、検知信号は、トレーサガスの濃度に比例する。例示した実施形態において、センサ106a及び106bは、ネットワーク122を介してコントローラ108に接続され、ネットワーク122は一般にネットワーク120に類似しており、センサ106a及び106bは、それぞれ検知信号を生成し、ネットワーク122を介して、ネットワークメッセージ又はデータパケットとして、検知信号をコントローラ108に提供する。一例において、ネットワーク122及びネットワーク120は、同じネットワークの一部である。代替実施形態において、センサ106は、コントローラ108に直接接続され、コントローラ108は、アナログ信号等の直接入力として、各センサから検知信号を受信する。
【0031】
コントローラ108は、センサ106からの検知信号を受信し、信号が被試験部品112に漏れが存在することを示すかを判断するように構成される。下で更に詳細に説明するように、漏れ位置は、センサ106からの個別の検知信号を監視することで推定できる。更に、下で詳細に説明するように、センサが閉じ込め又は蓄積体積の区域を定める場合、両センサ106からの検知信号等の合計検知信号を監視することで、漏れの漏れ速度を推定できる。
【0032】
インジケータ110は、コントローラ108に接続され、漏れ試験装置100のオペレータに対して、被試験部品112における漏れの存在及び位置の表示信号を提供するように構成される。コントローラ108は、センサ106a及び106bの少なくとも一方がトレーサガスの存在を検出することに応答して、インジケータ110に対して、漏れ検出信号を提供するように構成される。更に、コントローラ108の漏れ検出信号は、リモートコントローラ(図示せず)のような他のデバイスに提供できる。漏れ検出信号は、漏れ位置を表す情報、及び/又は漏れの漏れ速度に関連する情報を含む。
【0033】
例示した実施形態において、インジケータ110は、コントローラ108に直接接続される。別の実施形態において、インジケータ110は、ネットワーク120のようなネットワークを介して、コントローラ108にリンクされる。表示信号の例は、漏れ位置を含むネットワークデバイスへの信号、音声メッセージ、漏れ位置の視覚的テキストメッセージ、或いは、漏れ位置に配置された漏れグラフィックを備えた被試験部品の視覚画像を含む。一実施形態において、インジケータ110は、更に、漏れの漏れ速度の表示を提供するように構成される。漏れ速度の表示は、漏れ位置と同じ信号に含めることが可能であり、或いは、第二の表示信号において送信できる。
【0034】
図2を参照すると、少なくとも二つの潜在的漏れ領域214a及び214bを有する被試験部品212を監視する構成である漏れ試験装置100’が図示されている。漏れ試験装置100’は、全般的に、漏れ試験装置100に類似する。そのため、漏れ試験装置100と漏れ試験装置100’とに共通する構成要素には、同様の数字が使用される。図2に示したように、センサ106a及び106bのような複数のセンサを備えた第一のセンサアレイ224aは、第一の潜在的漏れ領域214aに近接して配置され、センサ206a、206b、206c、206d、206e、206f、及び206gのような複数のセンサを備えた第二のセンサアレイ224bは、第二の潜在的漏れ領域214bに近接して配置される。センサ206a乃至206gは、一般に、センサ106a及び106bと同一である。各センサアレイ224a及び224bは、コントローラ108に接続される。上記のように、センサは、ネットワーク122のようなネットワークを介して、或いは直接、コントローラ108に接続される。
【0035】
一実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、単純に、センサの集団であるセンサ106a及び106とセンサ206a乃至206gとをそれぞれ意味する。別の実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、それぞれのセンサから、コントローラ108のような他のネットワークコンポーネントへ、ネットワークトラフィックを中継するように構成されたネットワークデバイスに対応する。一例において、センサアレイ224a及び224bは、ネットワークルータである。更に別の実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、コントローラであり、それぞれのセンサからデータを受信すると共に、それぞれのセンサから受信したデータに基づいて、ネットワークメッセージを他のネットワークデバイスに対してコンパイルするように構成される。一例において、それぞれのセンサは、ネットワーク122に類似するネットワークを介して、センサアレイコントローラにリンクされる。別の例において、それぞれのセンサは、センサアレイコントローラに直接接続され、アナログ出力を提供する。センサアレイコントローラによりコンパイルされたネットワークメッセージは、それぞれのセンサからの信号の中継、漏れ位置の表示、又は漏れの漏れ速度の表示にしてよい。
【0036】
本発明は、領域214aに近接して位置決めされた単一のセンサと、領域214bに近接して位置決めされた単一のセンサとにより実施してよいが、潜在的漏れ領域214a又は214bに近接して位置決めされたセンサが多いほど、漏れ位置の決定及び/又は漏れ速度の定量化において、漏れ検出装置100’の精度が向上する。そのため、ネットワークを介して、センサ206a乃至206g、106a及び106bをコントローラ108に接続することが好適であり、これは、こうした接続により、コントローラ108が多数のデータ入力を有する必要なく、ネットワークへのアクセスのみにより、多数のセンサがコントローラ108と通信可能になるためである。
【0037】
図3を参照すると、例示的なセンサアレイ130は、複数のセンサ132a乃至132lを含む。センサアレイ130は、漏れ試験装置100又は漏れ試験装置100’で使用するように構成される。図4aに示したように、各センサ132a乃至132lは、検知要素又はトランスデューサ134a乃至lを含む。好適な実施形態において、センサ132a乃至132lは、コントローラエリアネットワーク(CAN)又はRS−485ネットワークのようなネットワークとインタフェースするように構成される。CANネットワーク又はRS−485上で使用する例示的なセンサは、下の図14乃至24に図示したセンサ300である。下で説明するように、センサ300に関連して、センサ132a乃至132lの検知要素又はトランスデューサ134a乃至134lは、トレーサガスが検知要素又はトランスデューサ134a乃至lに接触した時にトレーサガスの存在を検出するように構成される。下で説明するようなセンサ300はアナログモード及びネットワークモードの両方で機能できるが、好適な実施形態におけるセンサ132a乃至132lは、ネットワークモードにおいて機能できる必要のみを有し、更に、RS−485又はCANのような一つのネットワーク向けに構成される必要のみを有すると理解される。代替実施形態において、センサ132a乃至132lは、二つ以上のネットワーク向けに構成される。
【0038】
センサアレイ130のセンサ132a乃至132lは、図3、5、及び6に示したトルクコンバータ136の溶接部134のような被試験部品の潜在的漏れ区域に対して、センサアレイ130が容易に位置決めされるように、固定具133に取り付けられる。固定具133は、センサ132aが常に溶接部134の部分138に隣接して配置されるような再現性のある形で、センサ132a乃至132lをトルクコンバータ136の溶接部134に近接して位置決めするように構成される。そのため、第一のトルクコンバータ136と後続のトルクコンバータ136とにおいて、溶接部134の部分138に漏れが存在する場合、同じセンサであるセンサ132aが、漏れに近接したものとなる。
【0039】
図3、4a、4b、5、及び6に示したように、固定具133は、部品134と協調して、内部領域又は蓄積体積140(図6に図示)を定めるように構成され、溶接部134における漏れ144等の漏れを介した、部品136の内部領域142からの任意の放出トレーサガスが収集される。放出トレーサガスは、漏れの漏れ速度を定量化するために、トレーサガスの濃度の経時的な変化を監視し得るように、内部領域140内に収集される。一例において、内部領域142は、内部領域142での圧力上昇と、対応する漏れ速度の不正確な計算につながる可能性がある圧力上昇による漏れ144の低速化とを防止するために、密閉領域ではない。
【0040】
代替実施形態において、センサアレイを固定するための固定具は、センサを支持し、潜在的漏れ領域に関して再現性のある形で、センサを位置決めする。しかしながら、固定具は、放出トレーサガスが集まる内部領域を定めない。そのため、固定具は、漏れ速度の正確な推定を可能にせず、潜在的漏れ領域に相対的な漏れ位置の表示のみとなる。
【0041】
図6を参照すると、センサ132fは、漏れ144に近接して位置決めされる。そのため、検知要素134fは、センサ132aの検知要素134aより前に、漏れ144から放出されたトレーサガスの存在を検出する。更に、時間と共に、センサ132fは、センサ132aと比較して、最大の反応を有するようになり、これはセンサ132fがセンサ132aよりも高い濃度のトレーサガスを検出することを意味する。下で説明するように、こうした事実の一方又は両方を使用して、漏れ144の位置を決定する。更に、下で説明するように、漏れ144から放出されたトレーサガスが内部領域140に全般的に保持されるような固定具133の形状である時、全センサ132a乃至132lの反応の合計及び平均を使用して、漏れ144に関連する漏れ速度を決定する。
【0042】
図7乃至10を参照すると、漏れ試験ソフトウェア600の例示的実施形態が図示されている。漏れ試験ソフトウェア600は、ファインリーク試験に関連して、コントローラ108により実行されるように構成される。例えば、図3、5、及び6の部品136の試験について、ソフトウェア600は、センサアレイ130及びセンサ132a乃至132lを試験部品136に対して関連付け、ネットワーク122のようなネットワークを介してセンサ132a乃至132lにより提供された信号を監視し、漏れ144の位置の表示及び/又は漏れ144に関連する漏れ速度の表示を提供するように構成される。一実施形態において、コントローラ108は、漏れ検出信号として、漏れ144の位置及び/又は漏れ144の漏れ速度の表示を提供する。ソフトウェア600は、多数のセンサアレイを監視するように構成されると考えられる。図7乃至10に示した例示の実施形態において、漏れ試験ソフトウェア600は、コンピュータ116により実行され、PLC118との間で情報の送受信を行う。代替実施形態において、漏れ試験ソフトウェア600は、コンピュータ116により部分的に実行され、PLC118により部分的に実行される。更なる代替実施形態において、ソフトウェア600の機能の少なくとも一部は、ファームウェアとして提供される。別の代替実施形態において、ソフトウェア600は、リモートコンピュータにより実行され、コマンドは、ネットワーク120のようなネットワークを介してコントローラ108に提供される。
【0043】
一実施形態において、ソフトウェア600は、ディスケット、CD−ROM、ZIPディスク、テープ、メモリカード、又はフラッシュメモリカードといった携帯型のコンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上のファイルとして利用できる。一例におけるソフトウェア600は、コンピュータ116へのソフトウェア600のロード及び/又はソフトウェア600の設定を行うように構成されたインストールプログラムを含む。代替実施形態において、ソフトウェア600及び/又はインストールプログラムは、一つ以上のダウンロードファイルとして、ネットワークを介して利用できる。
【0044】
図7を参照すると、漏れ試験ソフトウェア600は、例えば部品136等、特定の被試験部品の試験のような、特定のジョブに関連する様々なパラメータを、オペレータが設定できるように構成されたセットアップ部602と、部品の漏れ試験の準備を行うオペレータにより使用されるように構成されたオペレータ部604とを含む。オペレータ部604は、特定の被試験部品に対するパラメータセットをロードし、第一の部品の漏れを試験する試験ルーチン656を実行するように構成される。
【0045】
図8を参照すると、ソフトウェア600の例示的なセットアップ部が図示されている。ブロック606により表現されるように、試験対象の部品を表す少なくとも第一のピクチャがロードされる。ピクチャは、オペレータに漏れ位置の視覚表示を提供するために使用される。第一の例において、ピクチャは、物理的な部品の静止画像に対応する。第二の例において、ピクチャは、CADソフトウェアパッケージ等、部品の電子データベースから生成されたビューに対応する。第三の例において、ピクチャは、CADソフトウェアパッケージ等の電子データベースから生成された、部品の三次元ソリッドモデルに対応する。
【0046】
ブロック608により表現されるように、オペレータは、センサ132aのようなセンサの表現を、試験対象の部品のピクチャ上に配置する。一実施形態において、センサの表現は、センサアイコンであり、センサアイコン135aのようなセンサアイコンの例については、図13aを参照されたい。図13に示したセンサアイコンは、三角形の形状である。しかしながら、センサアイコンは様々な形状にすることが可能であり、センサ番号及び/又はセンサ名が表示されるように、テキストを含むことが可能であると考えられる。ピクチャ上のセンサ132aの位置は、部品136の試験中の部品136に対する物理的なセンサ132aの位置に対応する。しかしながら、ピクチャ上のセンサ132aの位置を更新することで、物理的な部品上のセンサ132aの位置は移動しない。ピクチャ上のセンサ132aの位置は、単純に、物理的な部品上のセンサ132aの位置の表現となる。次に、オペレータは、ブロック610により表現されるように、センサ132aに関する情報を更新する。更新されるセンサ情報の例は、センサ132aの名前と、センサ132aのネットワークIDと、センサ位置データと、どのセンサグループ又はアレイ130にセンサ132aが関連するかと、現在表示されているセンサ132a又はピクチャに対する表示優先度とを含む。表示優先度は、センサ132aから生じる漏れを示す好適なビューに関連するパラメータである。ピクチャの場合、表示一次パラメータは、オペレータ部604の間に使用するデフォルトビューを示す。
【0047】
ソフトウェア600は、ブロック612bにより表現されるように、試験対象の部品の現在のピクチャ上に、追加センサを表示するかを質問する。追加センサの位置が現在のピクチャ内で見える場合、オペレータは、イエスを選択し、追加センサのために上のプロセスを繰り返す。追加センサが現在のピクチャ内で見えない場合、オペレータは、ノーを選択するべきであり、これにより、ソフトウェア600は、ブロック614により表現されるように、試験対象の部品の追加ピクチャをロードするかを質問する。追加ピクチャをロードする場合、オペレータは、イエスを選択し、ソフトウェア600は、ブロック606へループバックする。それ以外の場合、オペレータは、ブロック616により表現されるように、試験対象の部品に対応するセンサマッピングファイルを保存するように指示される。センサマッピングファイルは、セットアップ部602の間に入力された情報を含む。一例において、センサマッピングファイルは、少なくとも、試験対象の部品のピクチャに対するリファレンスと、各ピクチャ上に含まれるセンサと、各ピクチャに対するセンサ位置と、各ピクチャに対するセンサパラメータとを含むテキストファイルである。
【0048】
図9を参照すると、ソフトウェア600のオペレータ部604が図示されている。ブロック620により表現されるように、オペレータは、オペレータ部604を始動すると、部品136等の現在の被試験部品に対応するセンサマッピングファイルを含むディレクトリの位置に入力又は選択する。オペレータが適切なパスを選択しない場合、オペレータは、ブロック622により表現されるように、ディレクトリを再び入力又は選択する必要がある。一方、適切なパスが選択された場合、オペレータは、次に、ブロック624により表現されるように、正しいセンサマッピングファイル616を選択する。
【0049】
センサマッピングファイルは、コントローラ108のメモリにロードされ、ブロック626により表現されるように、センサマッピングファイル内に含まれる被試験部品のピクチャのリストがオペレータに提示される。ブロック628及び630により表現されるように、オペレータは、リストからピクチャを選択し、選択されたピクチャは、センサアイコン135と共に、対応するディスプレイ上に表示される。オペレータに表示するピクチャを選択させることで、オペレータによる目視検査が実行可能となり、選択されたセンサマッピングファイルが試験対象の部品に対応することが保証される。
【0050】
ここで、オペレータは、ブロック632により表現されるように、センサ情報又はセンサ配置を変更可能であり、或いは、試験の開始へ進むことができる。更新が必要な場合、オペレータは、ブロック634により表現されるように、更新するべきセンサを選択する。オペレータは、新しい位置情報を手動で入力することで、或いは、対応するセンサアイコン135を部品のピクチャと相対的に移動させることで、選択したセンサの配置を更新できる。しかしながら、ユーザは、実際の物理的なセンサ位置ではなく、ピクチャ上のセンサの位置を変更するだけである。ブロック636、638、及び640により表現されるように、いずれかの方法で新しいセンサ位置が受信され、センサテーブルが更新される。更に、オペレータは、ブロック642、644、及び646により表現されるように、表示優先度、センサ名、又はセンサネットワークIDといったセンサ情報を更新できる。一例において、センサ情報は、異なるネットワークIDを有する新しいセンサを壊れたセンサと交換する時に更新する必要がある。
【0051】
オペレータは、次に、ブロック648により表現されるように、別のセンサを選択し、そのセンサに関連するセンサ位置又はセンサ情報を更新できる。追加センサが選択された場合、ブロック636、638、640、642、644、及び646に関連する上記プロセスが反復される。センサの位置またはセンサ情報に対する更新を行った後、オペレータは、ブロック650により表現されるように、センサマッピングファイルに変更を保存するか、或いは変更を破棄する必要がある。ブロック652、654、及び656により表現されるように、変更を保存する場合、ソフトウェア600は、試験ルーチンを開始するか質問する。変更を破棄する場合、ブロック632により表現されるように、オペレータには、センサ位置又はセンサ情報を更新するオプションが再度提示される。
【0052】
ブロック654、656、658、660、及び662により表現されるように、表示されたピクチャに対する更新が行われた後、オペレータは、ブロック656のように試験ルーチンを開始すること、ブロック660のようにプログラムを抜けること、ブロック662及び620のように新しいセンサマッピングファイルを選択すること、或いは、ブロック662、626、及び628のように現在のセンサマッピングファイルに関連する追加ピクチャを選択することが可能である。オペレータは、一例において、センサマッピングファイルに関連する追加ピクチャを選択して、以前に表示されたピクチャでは見えないセンサのセンサ配置又はセンサ情報を更新する。更に、一例において、ソフトウェアは、第一のピクチャにおけるセンサ位置の変更又はセンサ情報の変更を認識し、そのセンサを含む追加ピクチャでの対応するセンサ位置又はセンサ情報を更新する。
【0053】
図10を参照すると、試験ルーチン656の例が図示されている。ブロック664及び665により表現されるように、試験ルーチンが開始されると、ブロック664において、選択されたセンサマッピングファイルがロードされ、ブロック665において、関連する部品の画像又はピクチャがロードされる。部品画像の一つは、その部品画像をデフォルト画像として指定するパラメータ値を有する。デフォルト部品画像は、ブロック668により表現されるように、ディスプレイに表示される。デフォルト画像の表示は、ソフトウェア600が正しいセンサマッピングファイルと対応する部品画像とをロードしたことの視覚的キューをオペレータに提供する。
【0054】
ソフトウェア600は、ブロック670により表現されるように、被試験部品の試験の準備が整ったことを示す、PLCからの試験開始信号を待つ。一例において、PLCからの信号は、被試験部品136が試験領域102に適切に位置決めされ、センサ132が全て正しい位置にあり、トレーサガスが適切に導入され、被試験部品の外部と内部との間の圧力差が確立された状況に対応する。PLC118から試験開始信号が受信されると、ブロック672により表現されるように、トレーサガスの存在を監視するためのコマンドが全てのセンサ132に発行され、ブロック674により表現されるように、試験タイマが始動される。試験タイマは、部品136の試験の長さを定める。試験タイマの長さの間に、部品136において漏れが検出されなかった場合、部品136は承認される。試験ルーチン656の一例において、試験ルーチンは、漏れの検出或いは試験タイマの期限切れによりリセットされ、第二の部品の試験を開始し、第二の部品は、通常、部品136と同一である。そのため、オペレータが試験ルーチン656を入力すると、オペレータは、第二の部品の試験の前に、ブロック620、624、及び628といった、オペレータ部604の追加的な指示を再び通過する必要がない。
【0055】
ブロック676により表現されるように、ソフトウェアは、ネットワーク122を監視し、ネットワーク122上のセンサ132又はその他のコンポーネントからデータが受信されたかを判断する。ネットワーク122を介してデータが受信された場合、ブロック678により表現されるように、データがトレーサガスの検出に対応するかについて判断される。一例において、判断は、検出されたトレーサガスの量がセンサマッピングファイル内のパラメータにより設定された閾値を上回るかにより決まる。データがトレーサガスの検出に対応しない場合、試験タイマを確認して、ブロック680により表現されるように、試験手順が完了したかを判断する。データがトレーサガスの検出に対応しない場合の例は、センサ132が適切に動作していること、或いはエラーが発生したこと等のセンサステータスデータを含む。
【0056】
データがトレーサガスの検出に対応する場合、ブロック685により表現されるように、そのデータと後続のデータとが分析される。データは、位置特定ルーチンであるブロック686により表現されるように、漏れ位置を決定するために分析される。一実施形態において、データは、更に、漏れ速度ルーチンであるブロック688により表現されるように、漏れの速度を決定するために分析される。漏れ速度ルーチン688は、一般に、位置特定ルーチン686と同時に実行される。位置特定ルーチン686及び漏れ速度ルーチン688の両方は、オペレータが漏れ位置及びサイズを容易に認知できるようにするための試験部品のピクチャ又は画像上での漏れの視覚化等、部品136における漏れの表示を生成する情報を提供する。例えば、センサ132fによる漏れの検出を表現する、図13Bに図示したような漏れグラフィック137である。漏れの追加的な表示は、コントローラ108により品質管理又は製造区域のコンピュータ等のリモートデバイスへ送信される信号、PLC118に関連するHMIユニット上の視覚的テキストメッセージ、警報音、又は点滅光等の視覚的キューを含む。
【0057】
位置特定ルーチン686は、ブロック690により表現されるように、最高濃度のトレーサガスを検出しているセンサを発見することで、漏れ位置を決定する。漏れ位置は、ブロック692により表現されるように、このセンサの位置に相関される。ブロック694により表現されるように、漏れ位置の最適な表示を提供する部品136のピクチャが自動的に選択され、漏れ位置の表示と共に表示される。表示されるピクチャは、センサマッピングファイル内のセンサに対する表示プリファレンスに基づいたものとなる。第一の例では、対応するセンサアイコンを点滅させること、或いは対応するセンサアイコンの色又はその他の属性を変更することが、漏れ位置の視覚的キューとなる。第二の例では、図13Bに示したように、漏れ位置は、漏れ位置からのトレーサガスの放出を表す漏れグラフィック137により示される。更なる例において、図13Bの漏れグラフィックは、アニメーショングラフィックであり、漏れ位置から流出するガスをグラフィックがシミュレートするようになる。また更なる例では、漏れグラフィックが点滅し、漏れ位置を更に指し示す。例示的なセンサアイコン及び漏れグラフィックは、共に図13Bに図示されている。
【0058】
代替実施形態において、漏れ位置は、トレーサガスを最初に検出したセンサにより決定される。更なる代替実施形態において、漏れ位置は、閾値レベルを上回るトレーサガスの存在を最初に検出したセンサにより決定される。また更なる代替実施形態では、二個の隣接するセンサが両方ともトレーサガスの同様の検出を報告し、漏れ位置は、各センサにより報告された値の相対的な重み付けにより、センサの中間、或いは隣接するセンサの第一のセンサの付近等、二個の隣接するセンサの間にあると決定される。
【0059】
更に、被試験部品は、二つ以上の漏れを有し得ると考えられる。多数の漏れは、同じ潜在的漏れ領域、又は異なる潜在的漏れ領域において発生し得る。異なる潜在的漏れ領域のセンサが、それぞれ漏れの検出を報告する時、上記の位置特定ルーチン686及び速度ルーチン688は、各領域で実行される。多数の漏れが同じ潜在的漏れ領域に存在する場合、ソフトウェアは、漏れ条件を発生させる二個の非隣接センサによるトレーサガスの検出により、多数の漏れを認識する。例えば、二個の非隣接センサは、トレーサガス濃度の極大をそれぞれ記録し、或いは、二個の非隣接センサは、介在するセンサがトレーサガスの存在を記録する前に、トレーサガスの存在をそれぞれ記録する。
【0060】
多数の漏れのケースでは、分割画面のように、被試験部品の多数の画像を同時にディスプレイに示すことが可能となる。被試験部品の多数のビューが必要となるのは、各センサの好適なビューが異なる画像となる可能性があるためであり、或いは、漏れに対応する少なくとも一つのセンサが他のセンサの好適な画像において見えないためである。
【0061】
漏れ速度ルーチン688は、特定された漏れの漏れ速度を決定するように構成される。ブロック696により表現されるように、漏れを検出したセンサアレイについて、そのセンサアレイに関連する各センサからの示度が加算され、その後、平均化される。更に、この平均センサ示度が経時的に監視され、ブロック698により表現されるように、平均センサ示度における平均変化率が計算される。通常の漏れ試験の状況において、試験サイクル及び漏れサイズは、平均センサ示度の変化率が全体として直線的になるようなものとなる。そのため、経時的な平均センサ示度に近似する線の傾斜を決定することで、漏れ速度を概算する。
【0062】
平均センサ示度の変化率は、ブロック700により表現するように、漏れ速度の単位に基準化する。一例において、基準化は、固定具133のような、センサを収容する固定具の蓄積体積を考慮に入れて、ブロック698により決定された傾斜率と、既知の漏れの傾斜率とを比較することで達成される。平均センサ示度の変化率は、漏れの漏れ速度に正比例し、蓄積体積の量に反比例する。更に、漏れ速度は、位置特定ルーチン686により決定された漏れ位置と共に、部品のピクチャ又は画像上に表示される。一例において、漏れ速度は、漏れ位置に近接した数値として示される。別の例において、漏れ速度は、漏れをシミュレートするのに使用する漏れグラフィックの選択によりシミュレートされる(図13B参照)。例えば、漏れ位置から流出する大きな漏れを示すグラフィックを、高い漏れ速度に対して使用し、漏れ位置から流出する小さな漏れを示すグラフィックを、小さな漏れ速度に対して使用する。
【0063】
図11及び12を参照すると、漏れ試験装置100による部品136の漏れ試験に対応するセンサ出力の例が図示されている。図11及び12に示した例では、既知の漏れ144が、潜在的漏れ領域134の付近で部品に持ち込まれている。既知の漏れ144は、較正漏れ基準を部品136に挿入することで、部品136に形成した。更に、既知の漏れ144は、0.1scc/分(標準立方センチメートル毎分)に等しい既知の漏れ速度を有するサイズとした。漏れ試験ソフト600を試験するために、システム100の応答時間を決定できるように、バルブを介してトレーサガスを部品134の内部142に提供した。
【0064】
図11は、潜在的漏れ領域に近接して位置決めされた16個のセンサのうち五個の経時的な個別センサ示度を提示する。五個の選択されたセンサは、漏れ144に最も近い四個のセンサと、漏れ144に対して遠くにある一個のセンサとに対応する。16個のセンサは、図3乃至5に例示した12個のセンサ132a乃至132lを上回ることに留意されたい。そのため、図11に示した結果は、図3乃至5に示した12個のセンサ配置の結果よりも正確な漏れ144の位置を提供できるべきである。
【0065】
図11を見ると、センサ13として示したセンサは、データ系列160により表現されるように、トレーサガスの第一の検出を示すと共に、トレーサガスの最高の記録濃度を示す。センサ12、14、及び15として示したセンサは、センサ13に近接しており、それぞれデータ系列162、164、及び166により表される。センサ12、14、及び15のそれぞれは、センサ13の僅かに後にトレーサガスの存在を検出し、センサ12、14、及び15のそれぞれは、センサ13より低いトレーサガスの濃度を検出する。そのため、漏れ144の位置は、センサ13に近接する。しかしながら、センサ14の強い応答と、センサ12及び15の類似する応答とは、センサ13及び14のほぼ中間に漏れが位置することを示唆する点に留意されたい。更に、センサ13に対して遠位に位置決めされた、センサ5として示したセンサに対応するデータ系列168は、センサ12、14、及び15といった、漏れ144により近接したセンサに比べて、漏れ144の位置から遠くにあるセンサがトレーサガスの検出とトレーサガスの測定濃度とにおいて立ち遅れることを示すために含まれている。
【0066】
図12を参照すると、二種類のデータ系列170及び172が図示されている。データ系列170は、系列170の部分174により表現される漏れ144の開始と、系列170の部分176により表現される漏れ144の停止とに対応する。漏れ144は、バルブを介して部品136の内部142にトレーサガスを導入することで開始され、バルブを閉じることで停止される。データ系列172は、センサアレイの全センサでの経時的なトレーサガスの濃度の平均値に対応する。図12を見ると、システムの応答時間は、非常に良好である。データ系列172の直線領域180は、約3秒以内に発生しており、既知の漏れ144のサイズである漏れについて、システムが約3乃至5秒以内に漏れ速度を決定できることを示唆している。更に、系列172の領域180は、非常に直線的であり、領域180の傾斜が漏れ144の漏れ速度の良好な近似値を提供することを示唆している。
【0067】
図10を参照すると、試験タイマは、位置特定ルーチン686及び速度ルーチン688に優先する。そのため、試験タイマが時間切れになると、ブロック682により表現されるように、センサに対して停止コマンドが発行される。更に、ブロック684により表現されるように、最終漏れ速度が計算され、PLCへ送信される。代替として、最終漏れ速度は、ネットワーク122上の追加デバイスにより利用可能となる。
【0068】
<ガス検出のためのセンサ装置>
図14を参照すると、センサ装置300が図示されている。センサ装置300は、トレーサガスのようなガスの存在を検出して、ガスの存在の検出を通信するために適切な出力を提供するように構成される。第一の応用において、センサ装置は、漏れ試験用途において、ヘリウム又は水素のようなトレーサガスの存在を検出するように構成される。第二の応用において、センサ装置300は、ヘリウム又は水素のようなトレーサガスの存在を検出し、安全センサとして、コンポーネントの設計に組み込まれるように構成され、コンポーネントの例は、自動車と、トラックと、飛行機と、ボートと、燃料システム、排気システム、客室システム、及び貨物システムのような、そのサブシステムとを含む。
【0069】
センサ装置300は、一例において、約0ppm(百万分率)乃至約5000ppmの範囲で、トレーサガスであるヘリウムの濃度を検出可能であり、約25ppmの分解能を有する。別の例において、センサ装置300は、約0ppm乃至約5000ppmの範囲で、トレーサガスであるヘリウムの濃度を検出可能であり、約5ppmの分解能を有する。更に別の例において、センサ装置300は、約5000ppmを上回るヘリウムの濃度を検出できる。
【0070】
センサ装置300は、二種類の動作モードの一方で動作できる。第一の動作モードにおいて、センサ装置300は、自己完結型センサ又は自己完結型漏れ試験装置であり、センサ装置300によるトレーサガス等のガスの検出の表示をオペレータに提供する。第二の動作モードにおいて、センサ装置300は、リモートコントローラに対して信号を提供し、信号は、センサ装置300によるトレーサガス等のガスの検出に関連する情報を含む。両方の動作モードについて、下で詳細に説明する。第二の動作モードの一例において、センサ装置300は、ネットワークを介してリモートコントローラに信号を提供するネットワーク対応センサである。
【0071】
必ずしも両方のモードを同時にではないとしても、センサ装置300が両方の動作モードで動作可能である時、センサ装置300は、デュアルモードセンサ装置又はデュアルモード漏れ検出装置である。しかしながら、図15のセンサ装置300’で一般的に参照されるように、第一の動作モードのみで動作するように、或いは、図15のセンサ装置300’’で一般的に参照されるように、第二の動作モードのみで動作するように、センサ装置300を構成することは、本発明の範囲に含まれる。
【0072】
再び図14を参照すると、センサ装置300は、デュアルモード漏れ検出装置であり、センサ304に直接又は追加コンポーネントを介して接続されたコントローラ302と、電源306と、インジケータ308と、I/Oインタフェース310とを備える。コントローラ302、センサ304、電源306、及びインジケータ308は、ハウジング312に収納される。しかしながら、インジケータ308は、ハウジング312の外部から少なくとも見ることが可能であり、I/Oインタフェース310は、ハウジング312の外部からアクセス可能である。更に、センサ304の検知要素又はトランスデューサ314は、ハウジング312の外部からアクセス可能であり、一般的に、ハウジング312の外部に近接して位置決めされる。そのため、センサ装置300において、トレーサガスの存在について試験するべきガスは、内部の検知要素へ引き込む、或いはこれを通過させる必要がない。
【0073】
下で更に詳細に説明するように、センサ304は、トレーサガス等のガスの存在を検出して、コントローラ302に対して検知信号を提供するように構成され、検知信号は、トレーサガスの存在又は欠如と、検出されたトレーサガスの量又は規模とを示す。一例において、検知信号は、検出したトレーサガスの濃度に比例する。電源306は、コントローラ302と、センサ304と、インジケータ308と、I/Oインタフェース310とに電力を提供するように構成される。インジケータ308は、センサ装置300のオペレータに対して、トレーサガスの検出及び/又は検出したトレーサガスの量の表示を提供するように構成される。I/Oインタフェース310は、外部デバイスに出力信号を提供するように構成され、出力信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表す。エラー信号又はセンサステータス信号のような更なる信号も考えられる。一実施形態において、I/Oインタフェース310は、センサ装置300をネットワークにリンクさせるように構成される。
【0074】
コントローラ302は、センサ304からの検知信号を受信し、センサ304からの検知信号に基づいて分析又は追加判断を行うように構成される。更に、コントローラ302は、インジケータ308に対して表示信号を提供するように構成され、表示信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表し、或いはコントローラ302は、I/Oインタフェース310に対してI/O信号を提供するように構成され、I/O信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表し、或いはコントローラ302は、インジケータ308への表示信号と、I/Oインタフェース310へのI/O信号との両方を提供するように構成される。
【0075】
図15を参照すると、センサ装置300’が図示される。センサ装置300’は、一般に、第二の動作モードで動作するようにセンサ装置300が構成された時のセンサ装置300と同様である。そのため、センサ装置300とセンサ装置300’との両方に共通するコンポーネントには、同様の数字が使用される。センサ装置300’は、リモートコントローラ(図示せず)に信号を提供し、信号は、センサ装置300’によるガスの検出に関連する情報を含む。一例において、センサ装置300’は、ネットワークにリンクされるように構成される。そのため、センサ装置300’は、インジケータ308のようなインジケータを必要としない点を除き、一般に、センサ装置300と同様である。加えて、センサ装置300’はI/Oインタフェース310を介してリモートコントローラに接続されるため、コントローラ302及びセンサ304が必要とする電力は、電源306ではなく、I/Oインタフェース310を介して提供できる。代替として、電源306は、ワイヤレスネットワークのように、リモート電源を利用できない状況では、センサ装置300’に含まれる。更に、センサ装置300’の電子機器は、一般にセンサ装置300の電子機器と同様だが、少なくとも、センサ300’がアナログ出力を供給する必要がなく、インジケータを制御する必要がなく、電源を制御する必要がないという事実のため、より単純にしてよい。
【0076】
図16を参照すると、センサ装置300’’が図示される。センサ装置300’’は、一般に、オペレータに対してセンサ装置300によるトレーサガスの検出の表示を提供する自己完結型センサ装置に対応する第一の動作モードで動作するようにセンサ装置300が構成された時のセンサ装置300と同様である。そのため、センサ装置300とセンサ装置300’’との両方に共通するコンポーネントには、同様の数字が使用される。センサ装置300’’は、I/Oインタフェース310のようなI/Oインタフェースを必要としない点を除き、一般に、センサ装置300と同様である。更に、センサ装置300’の電子機器は、一般にセンサ装置300の電子機器と同様だが、少なくとも、I/Oインタフェースを必要とせず、ネットワークを介して送信するデータ及び情報をセンサが構成する必要がないという事実のため、より単純にしてよい。
【0077】
図17を参照すると、デュアルモードセンサ装置450の一実施形態が図示されている。センサ装置450は、一般に、センサ装置300と同様であり、コントローラ452と、センサ454と、電源456と、インジケータ458と、I/O部材又はインタフェース460とを備え、それぞれ一般に、センサ装置300のコントローラ302と、センサ304と、電源306と、インジケータ308と、I/O部材又はインタフェース310とに類似する。センサ装置450は、更に、プログラミング入力462を備え、プログラミング入力462は、一連の入力464を含むと共に、コントローラ452の構成、或いはコントローラ452により格納又はアクセスされるパラメータ値を修正するために、コントローラ452に対してプログラミング信号を提供するように構成される。一例において、プログラミングユニット452は、CANネットワークで使用するセンサ装置450に割り当てられたネットワークIDを修正するために使用される。
【0078】
センサ装置450のセンサ454は、熱伝導センサ466と、増幅回路470を含む関連するセンサ回路468とを備える。熱伝導センサ466は、周囲温度よりも加熱された膜(図示せず)等の検知要素又はトランスデューサ467(図18に図示)と、膜の温度を測定する測定抵抗又は一連の抵抗472と、周囲温度の変化を補う周囲温度基準抵抗又は一連の抵抗474とを備える。図18に示したように、検知要素又はトランスデューサ467は、センサ466の外部に位置決めされる。例示した実施形態において、熱伝導センサ466は、Rue Jaquet-Droz 1, CH-2007 Neuchatel, Switzerland所在のMicrosens SAから入手可能なモデル番号MTCS-2202である。代替のセンサは、その他の適切な熱伝導センサと、音波トランスデューサと、光フィードバックトランスデューサと、トレーサガスの存在を検出可能なその他の適切なセンサとを含む。
【0079】
熱伝導センサ466は、膜の温度の尺度である測定レジスタ472の抵抗と、基準レジスタ474の抵抗とを比較することで、トレーサガスの存在又は濃度を測定する。空気より低い熱伝導率を有するガスは、センサ膜の表面温度を変化させるため、測定抵抗472の抵抗を変化させる。そのため、トレーサガスがヘリウム又は水素である時、センサ膜に隣接するヘリウム又は水素の存在は、センサ膜の表面温度を変化させ、したがって、測定抵抗472の抵抗を変化させる。更に、センサ膜に隣接するヘリウム又は水素の濃度が増加すると、測定抵抗472の抵抗は、更に変化する。
【0080】
増幅器470を含む例示のセンサ回路468は、熱伝導センサ366の製造会社、Microsens SAにより推奨されている。代替実施形態では、センサ回路の変形例が考えられる。増幅器470の出力は、センサ454の検知信号に対応し、接続473を介して、コントローラ452へ提供される。一例において、検知信号は、検出されたトレーサガスの濃度に比例する。増幅器470の出力の電圧値は、測定抵抗472の抵抗に直接的に依存する。そのため、測定抵抗472によるヘリウム又は水素の検出により、増幅器470の出力電圧の低下が生じる。
【0081】
電源456は、「5VDC」の指定により表される電源474と、電圧調整器476とを備える。「5VDC」の指定は、便宜上、図17に何度も図示されており、各事例は電源474との接続を表していることに留意されたい。電源474は、一実施形態において、電池等の携帯式電源である。電源474は、別の例示的実施形態において、標準のコンセントに接続されたACアダプタの出力等の外部電源である。更に、電源474、更に別の実施形態において、I/Oインタフェース460を介してセンサ装置450に電力を提供する外部電源である。
【0082】
電圧調整器476は、センサ454及びコントローラ452に対して、全般的に一定の電圧ソースを提供するように構成される。例示した実施形態において、電圧調整器476は、One Technology Way, P.O. Box 9106, Norwood,MA 02062-9106所在のAnalog Devicesから入手可能な、回路チップ477モデル番号ADR421を含む。
【0083】
コントローラ452は、例示した実施形態において、Analog Devicesから入手可能なMicro Converter(R)モデル番号AduC834を含む。コントローラ452は、プログラム可能なデバイスであり、プログラムメモリ(図示せず)とデータメモリ(図示せず)とを含む。本発明において、コントローラ452は、接続473を介して、センサ454から検知信号を受信して、検知信号とコントローラ452に格納された命令又はプログラムとに基づいて、検知信号の分析及び/又は更なる決定を行うように構成される。一例において、コントローラ452は、センサ454からの検知信号をデジタル化し、検知信号を基準化して、I/Oインタフェース460に提供する出力信号を生成する。一例において、出力信号は、デジタル−アナログコンバータ(D/A)により生成されたアナログ信号である。別の例において、出力信号は、デジタル信号である。更に、一例において、コントローラ452は、インジケータ458に提供する表示信号を生成する。
【0084】
インジケータ458は、例示した実施形態において、第一の発光ダイオード(「LED」)478と、第二のLED480とを備える。LED478は、センサ装置450の外部から視認可能な、緑色等の第一の色を有する光を提供する。LED478の緑色光は、センサ装置450の電源オン状態に対応するコントローラ452からの第一の表示信号を受信することに応答して提供される。そのため、LED478は、センサ装置450が電力を受信しており、機能が可能であることの視覚的キューを、センサ装置450のオペレータに提供する。代替実施形態において、第一のLEDは、コントローラにより制御され、センサ装置のウォームアップ期間中に点滅し、センサ装置で試験の準備が整うと、安定した信号を提供する。
【0085】
LED480は、センサ装置450の外部から視認可能な、赤色等の第二の色を有する光を提供する。LED480の赤色光は、センサ装置450によるトレーサガスの存在の検出に対応するコントローラ452からの第二の表示信号を受信することに応答して提供される。そのため、LED480は、トレーサガスが検出されたことの視覚的キューを、センサ装置450のオペレータに提供する。漏れ試験用途において、LED480は、センサ454の付近で被試験部品が漏れを有することの視覚的キューをオペレータに提供する。別の例において、LED480は、1501 Route 34 South Farmingdale, NJ 07727所在のDialight Corporationから入手可能なモデル番号591-3001-013のような二色LEDである。二色LED480が発する波長は、LED480に提供される信号に依存する。例えば、波長は、全般的に緑色の波長から、様々な濃さの一般的にオレンジ色の波長、更に一般的に赤色の波長まで変化できる。そのため、一例において、二色LED480は、検出したトレーサガスの濃度の視覚的キューをセンサ装置450のオペレータに提供する(低濃度の緑色から高濃度の赤色まで)。別の例において、二色LED480は、低濃度に対して緑色の波長を発し、閾値を上回る濃度に対して赤色の波長を発する。代替実施形態において、第二のLEDは、コントローラにより制御され、センサ装置の漏れ試験用途での試験期間中に点滅し、センサによりトレーサガスの存在が検出された時に安定した信号を提供し、トレーサガスを検出せずに試験期間が完了した場合には光を発しない。
【0086】
図19及び20を参照すると、ハウジング496を含めて、センサ装置450の例示的実施形態が図示されている。ハウジング496は、コントローラ452と、センサ454と、電源456(含まれる場合)と、インジケータ458を封入するように構成される。更に、ハウジング496は、CANトランシーバ492のような部材460と、CANコントローラ494と、RS−485トランシーバ490とを封入するように構成される。しかしながら、図19に示したように、熱伝導センサ466の検知要素又はトランスデューサ467は、ハウジング496の外部からアクセス可能であり、一般的にハウジング496の外部に近接して位置決めされる。更に、図20に示したように、インジケータ458は、ハウジング496の外部から少なくとも見ることができる。
【0087】
図19及び20に示したように、ハウジング496の第一の部分497は、ハウジング496を、漏れ試験用途に関連して、図3に示した固定具133のような別のコンポーネントに結合させるように構成される。例示した実施形態において、第一の部分497は、ネジ山付き開口部(図示せず)に第一の部分497をねじ込めるように、ネジ山が付いている。ナット498は、第一の部分497にねじ込まれて図示されている。ナット498は、第一の部分497とネジ山付き開口部(図示せず)との間の係合の度合いを制御するのを助ける。ハウジング496の第二の部分499は、工具により結合されるように構成される。例示した実施形態において、第二の部分499には、第二の部分499をレンチにより把持して、第一の部分497とネジ山付き開口部との係合又は分離を支援し得るように、小面が形成される。
【0088】
再び図17を参照すると、I/Oインタフェース460は、例示した実施形態において、三種類の出力のうち一つを外部デバイスに提供するように構成される。第一に、I/Oインタフェース460は、接続484を通ってコントローラ452に結合された接続482を介してアナログ出力を提供するように構成される。例示的な一実施形態において、コントローラ452は、センサ454からの検知信号を表す0乃至2.5ボルトで基準化されたアナログ信号を提供する。
【0089】
第二に、I/Oインタフェース460は、接続486及び488を介してRS−485ネットワーク対応信号を提供するように構成される。I/Oインタフェース460は、RS−485規格に準拠するように構成された適切なトランシーバ490を含み、ネットワークを介して、RS−485規格に準拠するように構成された他のデバイスと通信する。RS−485トランシーバ490は、様々な接続を介してコントローラ452により制御される。RS−485トランシーバ490は、例示した実施形態において、Analog Devicesから入手可能なモデル番号ADM485である。
【0090】
第三に、I/Oインタフェースは、接続486及び488又は追加の接続を介してCANネットワーク対応信号を提供するように構成される。I/Oインタフェースは、CAN規格に準拠するように構成された適切なCANトランシーバ492を含み、CANネットワークと、コントローラ452及びCANトランシーバ492を接続するように構成されたCANコントローラ494等の適切なネットワークコントローラとにより調査された、CANに準拠するように構成された他のデバイスと通信する。CANトランシーバ492は、CANトランシーバ494により制御され、CANトランシーバ494は、コントローラ452との様々な接続を介して、コントローラ452により制御される。CANトランシーバ492は、例示した実施形態において、モデル番号MCP2551であり、CANトランシーバ494は、モデル番号MCP2510であり、共に、2355 West Chandler Blvd., Chandler, AZ 85224-6199所在のMicrochip Technology, Inc.から入手可能である。
【0091】
アナログ、RS−485、又はCANのどの出力タイプで出力信号を送信するかの選択は、コントローラ452の制御下にある。好適な実施形態において、センサ装置450のコントローラ452は、プラグアンドプレイ型の機能を有するようにプログラム可能であり、コントローラ452は、ネットワークの欠如を含む、どのタイプのネットワークがセンサ装置450に接続されているかを認識できるようになる。プラグアンドプレイ機能の動作とコントローラ302の追加機能とについては、下の図21乃至24を参照して説明する。
【0092】
図21を参照すると、コントローラ302にプラグアンドプレイ型機能を提供するように構成されると共に、コントローラ302を漏れ試験アプリケーション向けに構成するように構成された例示的ソフトウェア500のフローチャートが図示されている。ソフトウェア500は、センサ装置450のリセット中に実行される機能、或いは、センサ454がウォームアップされ、センサ装置450周囲の空気を検出する準備が整ったと判断されるまで、更なるタスクの動作を遅延させるために実行される機能に対応する、電源オン又はリセットルーチン502を含む。更に、構成ステップ504及び506は、センサ装置450を構成する。構成ステップ504は、ネットワークアドレス及びセンサ定数といったセットアップ制御パラメータのロードを含め、コントローラ452を構成する。構成ステップ506は、CANコントローラ494を構成する。
【0093】
センサ装置450を構成した後、ソフトウェア500は、ブロック508により表現されるように、現在、ネットワークがセンサ装置450に接続されているかを確認する。ネットワークが検出されなかった場合、ソフトウェア500は、ブロック510により表現されるように、D/Aコンバータを介してコントローラ452がアナログ出力を生成できるようにする。アナログ出力は、その後、上で説明したように、接続482を介して利用可能となる。更に、ソフトウェア500は、ブロック512により表現されるように、ループ511を有効にし、これにおいて、センサ454からのアナログデータはコントローラ452によりデジタルデータに変換され、その後、コントローラ452によりアナログデータに回復され、接続482を介してアナログデータにアクセスできるようにする。一例において、コントローラ452により生成されたアナログデータは、データの基準化のため、センサ454から受信したアナログデータとは異なる。
【0094】
ループ511は、ブロック514により表現されるように、A/Dコンバータを介してセンサ454からのアナログデータを読み、ブロック516により表現されるように、受信データを処理及び基準化し、ブロック518により表現されるように、結果的なデータが存在する場合に、これをD/Aコンバータに送信し、接続482を介してデータにアクセスできるようにするステップを含む。一例において、コントローラ452は、データを処理し、データがトレーサガスの閾値濃度の検出に対応するかを決定し、I/O部材460及びインジケータ458に対する適切な命令を生成する。閾値の濃度又は値は、一例において、センサコントローラ452にプログラムされる。別の例において、閾値は、リモートデバイスからセンサコントローラ452に通信される。
【0095】
ループ511が実行される際に、ソフトウェア500は、ブロック520により表現されるように、ネットワークがI/O部材460に接続されたことを示す潜在的なネットワーク活動を監視する。ネットワーク活動が検出されない場合、ループ511が継続される。しかしながら、ネットワーク活動が検出された場合、ブロック522により表現されるように、D/A出力(アナログ出力)が中断され、ブロック508により表現されるように、有効なネットワークが接続されたかを判断するために、ネットワーク活動が試験される。活動が有効なネットワークではない場合、ブロック512のように、D/A出力が再び有効となり、ループ511が再開される。
【0096】
有効なネットワークが検出されたと仮定すると、ソフトウェア500は、ブロック524により表現されるように、テストランフラグが設定されたかを確認する。テストランフラグは、漏れ試験アプリケーションが開始されたことを、コントローラ452、或いはPLC118又はコンピュータ116といったネットワークを介したデバイスが示すものである。通常、漏れ試験アプリケーションは、特定の時間枠で実行される。そのため、センサ装置450は、漏れ試験アプリケーションの時間枠中に、検知信号等の検知データを提供するように構成される。
【0097】
テストランフラグが設定されたと仮定すると、ブロック526により表現されるように、ソフトウェア500は、A/Dの結果が準備されているかを確認する。A/Dの結果は、センサ454の出力を表すデジタル信号に対応する。一例において、コントローラ452は、約100ms毎のような個別の時間間隔でセンサ454からの示度を取り出すように構成される。示度に対応する値は、一例において、コントローラ452によりアクセス可能なメモリに格納される。そのため、ソフトウェア500は、現在の値がメモリに格納されているかを確認する。現在の値が格納されていない場合、ソフトウェア500は、ブロック528により表現されるように、オンボード診断のチェック等、割り込み又はその他の機能を実行する必要がない限り、現在の値を待つ。オンボード診断のタイプの一例は、ブロック530により表現されるように、センサの故障をチェックすることである。センサの故障が検出された場合、ソフトウェア500は、ブロック532により表現されるように、エラーパケットを生成し、ネットワークを介して、PLC118又はコンピュータ116といった他のデバイスへ送信する。
【0098】
現在の値がメモリに格納されている場合、ソフトウェア500は、ブロック534により表現されるように、メモリから現在の結果を消去し、ブロック536により表現されるように、メモリからの現在の結果を含むデータパケットを生成及び送信する。データパケットは、ネットワークを介して、PLC118又はコンピュータ116といった他のデバイスへ送信される。
【0099】
ソフトウェア500は、全体として漸進的な形で説明されているが、漸進的な実行に制限されない。一実施形態において、ソフトウェア500は、周期的な時間間隔で、割り込みルーチン、或いはパラメータ又はフラグの変化、或いはネットワーク活動の存在又は欠如をチェックする。第一の割り込みルーチンの例550は、図22に図示されている。割り込みルーチン550は、CANネットワーク等のネットワークを介してネットワークメッセージの受信に対応する。ネットワークメッセージは、センサ装置450を対象としたコマンドを含むと共に、センサ装置に機能の実行を要求又は命令するように構成される。ソフトウェア500は、ブロック552により表現されるように、送信されたコマンドを解釈するように構成される。
【0100】
四種類の例示的なコマンドタイプが、図22に図示されている。第一に、試験コマンドタイプは、ブロック554により表現されるように、試験期間の開始又は中断を対象とするコマンド、或いは試験期間に関連する追加コマンドに対応する。第一のコマンドの例は、ブロック562により表現されるように、試験開始コマンドに対応する。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック564により表現されるように、テストランフラグを設定して、試験期間が開始されたことを示す。第二のコマンドの例は、ブロック566により表現されるように、試験停止コマンドに対応する、ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック568により表現されるように、テストランフラグを消去し、試験期間が終了したことを示す。
【0101】
第二に、データ更新コマンドタイプは、ブロック556により表現されるように、センサ装置からのデータの更新又は検証を要求するコマンドに対応する。データを更新及び検証する第一のコマンドの例は、ブロック570により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック572により表現されるように、要求されたデータによる応答を生成及び送信する。
【0102】
第三に、データ読み出しコマンドタイプは、ブロック558により表現されるように、センサ装置のメモリに格納されたデータの読み出し及び送信を要求するコマンドに対応する。メモリからデータを読み出す第一のコマンドの例は、ブロック574により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック576により表現されるように、取り出したデータによる応答を生成及び送信する。
【0103】
第四に、センサ更新コマンドタイプは、ブロック560により表現されるように、現在のセンサ装置のパラメータの値を要求するか、或いはセンサ装置のパラメータを更新するコマンドに対応する。センサ装置450に新しいパラメータ値を提供する第一のコマンドの例は、ブロック578により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック580により表現されるように、パラメータ値が変更されたことを示す応答を生成及び送信する。
【0104】
第二の割り込みルーチンの例582は、図23に図示されている。割り込みルーチン582は、ウォッチドッグサービスルーチンに対応する。ウォッチドッグサービスルーチンは、ブロック584により表現されるように、RESETコマンドが受信されたかを確認し、ブロック586により表現されるように、センサ装置450のRESETを発生させる。一例において、RESETコマンドは、ネットワークを介して受信される。別の例において、RESETコマンドは、オペレータがセンサ装置450の外部に位置するRESETボタン(図示せず)を押下するか、或いはその他の形でRESETコマンドを始動することにより受信される。更に別の例において、RESETコマンドは、コントローラ自体により生成され、これは、コントローラが不安定になったこと、或いはロック状態になったことを意味する。
【0105】
第三の割り込みルーチンの例588は、図24に図示されている。割り込みルーチン588は、A/D結果準備ルーチンに対応する。図21に関連して説明したように、ソフトウェア500は、センサ454からのデータ値に対応して、A/Dの結果が準備されているかを監視する。割り込みルーチン588は、センサ454に対応するデータ値が利用可能であることをソフトウェア500が判断するメカニズムの一つである。割り込みルーチン588は、ブロック590により表現されるように、A/D値を読み出すことを含み、ブロック592により表現されるように、A/D結果準備フラグを設定して、新しいデータ値の準備が整っているのをソフトウェア500に知らせることを含む。
【0106】
センサ装置450の一実施形態において、センサ装置450の全て又は実質的に全ての電子機器は、センサコントローラ452と、少なくとも一つのネットワークタイプ用の対応する電子機器を含むI/O部材460と、センサ454とを含め、センサ装置450の全体的サイズを低減するために、全てカスタムチップ(図示せず)に組み込まれるように設計される。一例において、熱伝導センサ466は、全て又は実質的に全ての電子機器を含むカスタムチップ(図示せず)の表面に結合される。別の例において、熱伝導センサは、カスタムチップ(図示せず)のコンポーネントとして構成され、熱伝導センサの検知要素又はトランスデューサは、チップの外部に位置決めされるか、或いはチップの外部からアクセス可能になる。カスタムチップのリードとの様々な接続を行うことで、CANネットワーク又はRS−485といったネットワークをカスタムチップに接続できる。センサ装置450の優れた検知能力と共に、センサ装置450のサイズ低減により、センサ装置450は、安全センサとして自動車等のコンポーネントに組み込むのに理想的となる。センサ装置450は、コンポーネントのコントローラ(図示せず)と情報を共有して、ガスの存在又は量に関する情報及びデータを中継する。
【0107】
別の実施形態において、センサ装置450は、図15のセンサ装置300’に類似する第二の動作モードにおいて動作するように構成され、センサ装置450の全体的サイズを低減するために、カスタムチップ(図示せず)に組み込まれるように設計される。そのため、センサ装置450は、インジケータ458のようなインジケータを含まない。加えて、センサ装置450はI/O部材460を介してリモートコントローラに接続されるため、少なくともコントローラ452及びセンサ454が必要とする電力は、電源476を介してではなく、I/Oインタフェース460を介して提供できる。一例において、熱伝導センサ466は、全て又は実質的に全ての電子機器を含むカスタムチップ(図示せず)の表面に結合される。別の例において、熱伝導センサは、カスタムチップ(図示せず)のコンポーネントとして構成され、熱伝導センサの検知要素又はトランスデューサは、チップの外部に位置決めされるか、或いはチップの外部からアクセス可能となる。カスタムチップのリードとの様々な接続を行うことで、CANネットワーク又はRS−485といったネットワークをカスタムチップに接続できる。上記のように、センサ装置450の優れた検知能力と共に、センサ装置450のサイズ低減により、センサ装置450は、安全センサとして自動車等のコンポーネントに組み込むのに理想的となる。センサ装置450は、コンポーネントのコントローラ(図示せず)と情報を共有して、ガスの存在又は量に関する情報及びデータを中継する。
【0108】
図25及び26を参照すると、センサ装置の例示的な実施形態が図示されており、これにおいて、センサ装置450の全て又は実質的に全ての電子機器は、カスタムチップに組み込まれる。センサ装置450は、ハウジング596を含み、ハウジング596は、カスタムチップ(図示せず)とセンサ454とを封入するように構成される。更に、ハウジング596は、CANトランシーバ492等のI/Oインタフェース460の一部と、カスタムチップ(図示せず)に組み込んでよいCANコントローラ494とを封入するように構成される。しかしながら、図25に示したように、熱伝導センサ466の検知要素又はトランスデューサ467は、ハウジング596の外部からアクセス可能であり、一般的にハウジング596の外部に近接して位置決めされる。更に、図26に示したように、I/Oインタフェース460は、ハウジング596の外部からアクセス可能となる。
【0109】
図25及び26に示したように、ハウジング596の第一の部分597は、ハウジング596を別のコンポーネントに結合させるように構成される。図27に示したように、センサ装置450は、自動車等のコンポーネント700のいくつかの位置に位置決めされる。センサ装置450a及び450bは、自動車700の燃料システム702に結合され、センサ装置450cは、自動車700の排気システム704に結合される。センサ装置450a、450b、及び450cは、I/Oインタフェース460a、460b、及び460cを介して、自動車700のコンポーネントコントローラ706に接続される。
【0110】
以上、本発明について特定の例示実施形態を参照して詳細に説明してきたが、変形例は、前記特許請求の範囲により画定される本発明の範囲及び趣旨の中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】第一の潜在的漏れ領域を有する被試験部品における漏れを試験するように構成された、本発明の漏れ試験装置の模式図である。
【図2】少なくとも第一及び第二の潜在的漏れ領域を有する被試験部品における漏れを試験するように構成された、図1の漏れ試験装置の模式図である。
【図3】複数のセンサと、複数のセンサを取り付ける固定具とを備えるセンサアレイの斜視図であり、複数のセンサが第一の潜在的漏れ領域を有する被試験部品に隣接して位置決めされ、被試験部品がトルクコンバータであり、第一の潜在的漏れ領域が溶接継手となる斜視図である。
【図4a】複数のセンサのそれぞれの検知要素を示す、図3のセンサアレイ及び固定具の底面図である。
【図4b】図3のセンサアレイ及び固定具の斜視図である。
【図5】被試験部品に隣接したセンサアレイ及び固定具を示す、図3のセンサアレイ、固定具、及び被試験部品の斜視図である。
【図6】第一の潜在的漏れ領域に対する、センサアレイ内の第一のセンサ及び第二のセンサの位置決めを示す、線6−6に沿った図5の断面図である。
【図7】漏れ試験ソフトウェアの第一の例示的実施形態のフローチャートであり、漏れ試験ソフトウェアがセットアップ部及びオペレータ部を有するフローチャートである。
【図8】図7の漏れ試験ソフトウェアのセットアップ部の第一の例示的実施形態を示すフローチャートである。
【図9】図7の漏れ検出ソフトウェアのオペレータ部の第一の例示的実施形態を示すフローチャートである。
【図10】図9に例示した漏れ試験ソフトウェアのオペレータ部の試験ルーチンの第一の例示的実施形態のフローチャートである。
【図11】本発明の漏れ試験装置の実験用センサ出力で、漏れ試験において使用された16個のセンサのうち、五個の出力データを示す第一の例示的漏れ試験に関連する実験データの図である。
【図12】時間の関数としてセンサアレイ内の全センサにより測定されたトレーサガスの平均濃度の直線関係を示す、漏れ試験装置内のセンサのセンサ出力データを示す図である。
【図13a】被試験部品のピクチャに重ねた複数のセンサアイコンの例を示す図である。
【図13b】漏れグラフィックの位置において、被試験部品から生じる漏れの視覚的キューを提供する、被試験部品のピクチャに重ねた図13のセンサアイコンと漏れグラフィックの例とを示す図である。
【図14】トレーサガスの存在を検出するように構成されたデュアルモードセンサ装置の模式図である。
【図15】トレーサガスの存在を検出すると共に、遠隔デバイスに出力信号を提供するように構成されたセンサ装置の模式図である。
【図16】スタンドアロン漏れ検出器となるように構成されたセンサ装置の模式図
【図17】本発明のデュアルモードセンサ装置を示す回路図である。
【図18】図14乃至17のセンサ装置のようなセンサ装置において使用する熱伝導検知要素の斜視図である。
【図19】図18の熱伝導センサを組み込んだ図17のセンサ装置の外部の第一の斜視図である。
【図20】インジケータ及びI/Oインタフェースを示す図17のセンサ装置の外部の第二の斜視図である。
【図21】センサ装置用のセンサソフトウェアの第一の例示的実施形態のフローチャートである。
【図22】図21のセンサソフトウェアの第一の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図23】図21のセンサソフトウェアの第二の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図24】図21のセンサソフトウェアの第三の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図25】外部からアクセス可能な検知要素を示す、センサ装置の外部の第一の斜視図である。
【図26】I/Oインタフェースを示す、図25のセンサ装置の外部の第二の斜視図である。
【図27】自動車等のコンポーネントにセンサとして組み込まれた本発明のセンサ装置の模式図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの存在を検出する方法及び装置に関し、特に、漏れ試験環境におけるトレーサガスの存在の検出のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の漏れ試験装置において、被試験部品の内部領域又は外部領域のいずれかは、被試験部品の内部領域又は外部領域の他方よりも高圧の状態に置かれる。そのため、被試験部品に漏れが存在する場合、ガスは、被試験部品の高圧側から、被試験部品の低圧側へ流動する。このガスの流動を監視し、これにより漏れの存在を検出する一方法は、被試験部品の高圧側の圧力を監視する圧力降下装置によるものである。圧力の減少は、漏れを示すものとなる可能性がある。別の方法では、被試験部品の低圧側でのトレーサガスの存在を試験するために、質量分析に基づいた装置を使用する。トレーサガスは、被試験部品の高圧側に導入される。
【0003】
こうした装置は、装置のオペレータに対して、被試験部品に漏れがあるか、或いは少なくとも、被試験部品に所定の閾値を上回る漏れがあるかの表示を提供する。通常は、顧客が閾値を指定し、オペレータが装置の閾値を設定する。漏れ試験装置のオペレータが漏れ試験装置から、被試験部品が容認できない漏れ、即ち、閾値を上回る漏れを含むとの表示を受けた場合、オペレータには被試験部品が不合格であることが分かり、オペレータは、試験待ちの部品を更なる試験のために配置する。しかしながら、オペレータは、漏れ位置について、或いは、その後に不合格となった部品の漏れがほぼ同じ位置にあるか、異なる位置にあるかは分からない。
【0004】
漏れ位置を決定するためには、従来、更なる試験が必要となる。漏れ位置が決定された後、製造プロセスの変更を実施し、将来の不合格部品数を最小化できる。漏れ位置は、通常、二種類の方法の一方により決定される。第一に、大きな漏れについて、漏れ位置は、不合格部品を加圧し、不合格部品を水槽に沈めることで決定される。漏れ位置は、漏れ部位から生じる気泡の存在に基づいて決定される。第二に、小さな漏れについて、漏れ位置は、不合格部品をトレーサガスにより加圧し、不合格部品の漏れの可能性のある区域上でスニファ装置等のトレーサガス検出器を通過させることにより決定できる。トレーサガス検出器は、トレーサガス検出装置のプローブに近接するガスをプローブに引き込み、検出器に通過させて、トレーサガスの存在を検出する。プローブに近接するガスを引き込む一方法は、プローブにガスを引き込み、その後、検出器を通過させるファンユニットによるものである。これにより、漏れの部位が認知され、場合によりは製造プロセスの変更が実施される。
【0005】
上記の二段階のプロセスは、追加的なリソースを必要とし、試験中の任意の部品での漏れ位置の決定を遅延させ、不合格部品間で漏れ位置に再現性があるかの決定を遅延させる。更に、上記の二段階のプロセスは、オペレータが漏れを視覚的に認識し、漏れ位置を示し、各不合格部品に一貫した試験手順を施す必要がある点において、オペレータへの依存性が非常に高い。更に、漏れを認識して漏れ位置を示す各オペレータの能力において、結果は、オペレータ毎に変化する。
【0006】
加えて、従来の装置は、少量のトレーサガスを検出する必要性から、漏れの存在を検出するために質量分析機器を使用する場合が多い。こうした装置では、被試験部品の低圧側に位置するガスを検知要素に引き込み、ガスを分析してトレーサガスの存在を検出する必要がある。
【0007】
そのため、部品の初期漏れ試験と全般的に同時に、被試験部品における漏れ位置の表示を提供する漏れ検出装置に対する必要性が存在する。更に、漏れ位置の表示と、漏れ速度の表示又は測定値とを提供する漏れ検出装置に対する必要性が存在する。更に、費用効率に優れた漏れ検出装置に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0008】
例示的な一実施形態において、本発明は、被試験部品における漏れの存在を検出するように構成された漏れ試験装置を含む。一例において、本発明の漏れ試験装置は、更に、被試験部品における漏れ位置を決定するように構成される。別の例において、漏れ試験装置は、更に、被試験部品における漏れ位置と、対応する漏れの漏れ速度との両方を決定するように構成される。
【0009】
別の例示的実施形態において、被試験部品の第一の領域における少なくとも一つの漏れの存在を検出し、少なくとも一つの漏れ位置を特定する装置であって、第一の領域の第一の側がトレーサガスを包含し、第一の領域の第二の側より高圧であり、少なくとも一つの漏れを介して、第一の側から第二の側へ、トレーサガスが流出するようになる装置は、第一の領域に近接して位置決めされた複数のセンサを備え、各センサは漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して、検知信号を提供するように構成され、更に、装置は、複数のセンサに接続されたコントローラを備える。コントローラは、複数のセンサの少なくとも第一のセンサがトレーサガスの存在を検出することに応答して、漏れ検出信号を提供し、漏れ検出信号は、複数のセンサの少なくとも第一のセンサ及び第二のセンサから受信した検知信号に基づいて、第一の領域における漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む。一例において、装置は、更に、漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたインジケータを備える。変形例の一つにおいて、インジケータは、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとを表示するように構成されたディスプレイを含み、センサアイコンは、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。別の変形例において、インジケータは、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとを表示するように構成されたディスプレイを含み、漏れグラフィックの位置は、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。
【0010】
例示的な一方法において、第一の領域が漏れを含むかを決定するために被試験部品を監視する方法について、方法は、複数のセンサを第一の領域に近接して配置するステップを備え、複数のセンサのそれぞれは漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して、検知信号を提供するように構成され、更に、方法は、複数のセンサのいずれかによりトレーサガスが検出されているかを決定するために、複数のセンサのそれぞれを監視するステップと、複数のセンサの少なくとも第一のセンサがトレーサガスの存在を検出することに応答して、漏れ検出信号を提供するステップと、を備え、漏れ検出信号は複数のセンサの少なくとも第一のセンサ及び第二のセンサから受信した検知信号に基づいて、第一の領域における漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む。一例において、方法は、更に、漏れ位置の第一の表示を提供するステップを備える。変形例の一つにおいて、第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとをディスプレイ上に表示するステップを含み、センサアイコンは、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。別の変形例において、第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとをディスプレイ上に表示するステップを含み、漏れグラフィックの位置は、漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する。
【0011】
更に別の例示的実施形態において、複数のセンサのうち、被試験部品の漏れに近接したものを決定する漏れ試験用途において使用するコンピュータ読み取り可能な媒体は、複数のセンサの位置に対応するデータファイルをロードし、複数のセンサのいずれが漏れの存在を検出したかを決定するために複数のセンサを監視し、複数のセンサの少なくとも第一のセンサが漏れの存在を検出した場合に漏れ位置を決定し、複数のセンサの少なくとも第一のセンサが漏れの存在を検出した場合に、漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたソフトウェア部を備える。一例において、ソフトウェア部は、更に、被試験部品の第一の表現と、被試験部品の少なくとも第一の表現上に位置決めされた、少なくとも第一のセンサの第一のセンサ表現とを提供するように構成される。別の例において、少なくとも第一のセンサの視覚的表現は、センサアイコンである。更に別の例において、ソフトウェア部は、更に、複数のセンサのうち、どのセンサが被試験部品から放出されたトレーサガスの最大濃度を検出したかを決定することで、漏れ位置を決定するように構成される。更なる例において、ソフトウェア部は、更に、複数のセンサのうち、どのセンサが被試験部品から放出されたトレーサガスの存在を最初に検出したかを決定することで、漏れ位置を決定するように構成される。また更なる例において、ソフトウェア部は、更に、被試験部品における漏れの漏れ速度を決定するように構成される。変形例の一つにおいて、ソフトウェア部は、更に、被試験部品の第一の表現上で、漏れ位置に近接した位置に位置決めされた漏れグラフィックを提供するように構成される。
【0012】
更なる例示的実施形態において、本発明は、ヘリウム又は水素といったガスの存在を検出するように構成されたセンサ装置を含む。一例において、センサ装置は、センサコントローラを含み、ネットワーク可能なセンサ装置であり、センサ装置は、ネットワークを介して、他のデバイスと情報を共有できるようになる。別の例において、センサ装置は、ヘリウム又は水素といったガスの存在及び濃度を検出するように構成される。更に別の例において、センサ装置は、ガスの存在を検出するコンポーネントに組み込まれるように構成される。
【0013】
更なる例示的実施形態において、被試験部品における漏れの存在を検出するセンサ装置は、被試験部品がトレーサガスを含むガスにより加圧され、ハウジングと、トレーサガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサと、ハウジングに収容されたセンサの少なくとも第一の部分と、ハウジングに結合されたI/Oインタフェースとを備え、I/Oインタフェースはアナログ出力に対応する第一の接続及びネットワーク出力に対応する第二の接続を提供するように構成され、更に、センサ装置は、センサ及びI/Oインタフェースに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラを備え、センサコントローラは更に、I/Oインタフェースの第二の接続を介してネットワークが存在するかを決定すると共に、ネットワークが存在する場合にネットワークを介して送信するデータパケットを生成するように構成され、センサコントローラはハウジングに収容される。一例において、センサは、熱伝導トランスデューサを含む。変形例の一つにおいて、熱伝導トランスデューサの一部は、ハウジングの外部からアクセス可能であり、ハウジングの外部に近接して位置決めされる。別の例において、センサコントローラは、第一のネットワークの存在と、少なくとも一つの追加ネットワークの存在とを検出するように構成される。変形例の一つにおいて、センサコントローラは、第一のネットワーク及び少なくとも一つの追加ネットワークが存在しない時に、第一の接続を介してアナログ出力を提供するように構成される。更に別の例において、センサ装置は、スタンドアロンの漏れ検出装置であり、センサ装置は、更に、ハウジング内に位置決めされると共に、少なくともセンサコントローラに結合された電源と、ハウジングの外部から見えるインジケータとを備え、インジケータは、トレーサガスの存在の表示を提供するように構成される。
【0014】
更なる例示的実施形態において、ガスの存在を検出するガスセンサ装置は、第一の外面を含むハウジングと、ガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサとを備え、センサはトランスデューサ部を含み、トランスデューサ部は、ガスがトランスデューサ部に接触可能となるようにハウジングの第一の外面に近接して位置決めされ、更に、ガスセンサ装置は、センサに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラを備え、センサの少なくとも一部及びセンサコントローラは、ハウジング内に収容される。一例において、ガスセンサ装置は、更に、ハウジングに結合されると共に、センサコントローラをガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備える。変形例の一つにおいて、センサコントローラの出力信号は、センサにより検出されたガスの量を表す基準化アナログ出力信号であり、基準化アナログ出力信号は、I/Oインタフェースの第一の接続を介して、少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる。別の変形例において、センサコントローラの出力信号は、センサにより検出されたガスの量を表すデジタル信号であり、デジタル信号は、I/Oインタフェースの第二の接続を介して、少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる。更に別の変形例において、I/Oインタフェースは、更に、センサコントローラからデジタル信号を受信して、デジタル信号を含むデータパケットを生成及び送信するように構成された少なくとも一つのトランシーバを含む。別の例において、ガスセンサは、更に、可視表示信号を提供するように構成されたインジケータを備え、可視表示信号はガスの存在を表し、可視表示信号はハウジングの外部から見ることができる。
【0015】
更に別の例示的実施形態において、ネットワークで使用するセンサ装置は、ハウジングと、トレーサガスの存在を検出して、検知信号を生成するように構成されたセンサとを備え、センサは第一の検知部を含み、第一の検知部は、トレーサガスが第一の検知部に接触可能となるように位置決めされ、更に、センサ装置は、センサに接続されると共に、センサにより生成された検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、センサコントローラに接続されると共に、ネットワークデータパケットを生成するように構成されたネットワークコントローラと、を備え、ネットワークデータパケットは、センサコントローラにより生成された出力信号に基づく情報を含み、更に、センサ装置は、ネットワークコントローラに接続され、センサ装置をネットワークに接続するのに適したネットワークインタフェースを備え、ハウジングは、センサの少なくとも第一の部分、センサコントローラ、及びネットワークコントローラを収容するように構成される。一例において、センサは、熱伝導トランスデューサを含む。更に別の例において、センサ装置は、更に、センサコントローラに結合されたインジケータを備え、インジケータは、センサ装置に関連するステータス情報を提供するように構成された第一のインジケータと、トレーサガスの存在の表示を提供するように構成された第二のインジケータとを含む。
【0016】
本発明の付加的な特徴は、現時点で考え得る本発明を実施するための最良の形態を例示した以下の好適な実施形態の詳細な説明を考慮することにより、当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本開示は、2003年3月6日提出の米国特許出願第10/382,961号「ガスを検出する方法及び装置」と、2003年3月6日提出の米国特許出願第10/382,565号「漏れを検出する方法及び装置」とを参照により明示的に援用するものとする。
【0018】
例示的実施形態の詳細な説明では、特に添付図面を参照する。
【0019】
本発明には様々な変形及び代替形態の余地があるが、その例示的実施形態は、図面において一例として図示されており、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、開示した特定の形態に本発明を限定する意図はなく、反対に、全ての変形例、等価物、及び代替物を、付記した請求項により定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれるものとして対象とすることが意図されると理解されたい。
【0020】
<漏れ検出装置>
図1を参照すると、本発明による漏れ試験装置100の模式図が図示されている。漏れ試験装置100は、試験領域120と、複数のセンサ106(そのうち、例示としてセンサ106a及び106bが図示される)と、コントローラ108と、インジケータ110とを含む。図1には二個のセンサ106a及び106bのみが図示されているが、複数のセンサ106は、二個、三個、或いは更に多くのセンサを含むと考えられる。試験領域102は、少なくとも第一の潜在的漏れ領域114を有する被試験部品112を受け入れるように構成される。潜在的漏れ領域の例は、溶接領域及び継手を含む。しかしながら、一実施形態では、被試験部品の全表面又はその一部で、潜在的な漏れの試験をしてよく、したがって、全表面又はその一部を、潜在的漏れ領域とみなしてよい。一例において、試験領域102は、被試験部品112を保持するように構成されると共に、被試験部品112の潜在的漏れ領域114と相対的に複数のセンサ106を位置決めするように構成された、少なくとも一つの固定具(図示せず)を含む。別の実施形態において、試験領域102は、更に、圧力室(図示せず)を含む。圧力室は、被試験部品112の周囲の空気体積を加圧するように構成される。
【0021】
例示した実施形態において、コントローラ108は、コンピュータ116と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)118とを含む。コンピュータ116は、複数のセンサ106から受信したデータを処理し、漏れ位置を特定し、漏れ位置のインジケータ110に信号を提供し、将来の分析のために漏れデータを格納する能力を提供するように構成される。別の実施形態において、コンピュータ116は、更に、漏れの漏れ速度を定量化し、漏れ速度のインジケータ110に信号を提供するように構成される。例示的なコンピュータ116は、P.O. Box 2042, Carbondale, IL 62902所在のEMAC, Inc.から入手可能なEMACインダストリアルコンピュータである。
【0022】
PLC118は、漏れ試験装置100の物理的運動を制御するように構成される。例示的なPLC118は、US Bank Center,777 East Wisconsin Avenue, Suite 1400 Milwaukee, Wisconsin 53202所在のRockwell Automationを介してAllen Bradleyから入手可能なモデル番号SLC 5/05である。一例において、PLC118は、シリンダ等のコンポーネントを作動させ、被試験部品112を固定するように構成された試験領域102の対応する固定具又は固定具群において被試験部品112を固定し、複数のセンサ106a及び106bを潜在的漏れ領域114に近接させて位置決めするように構成される。PLC118は、更に、被試験部品112でのトレーサガスの充填及び排出を制御するように構成される。代替実施形態において、PLC118は、試験領域102の圧力室でのトレーサガスの充填及び排出を制御するように構成される。PLC118のように、被試験部品でのトレーサガスの充填及び排出を制御するためのPLCの使用は、この技術において周知である。
【0023】
PLC118は、更に、ヒューマン−マシンインタフェース(HMI)119に接続される。HMI119は、被試験部品において容認できない漏れに対応する設定値又は漏れ速度、及び/又は被試験部品112の試験サイクルの長さを制御する試験タイマ値といった入力パラメータを、漏れ試験装置100のオペレータが漏れ試験装置100に入力するための例示的なインタフェースを提供する。例示的なHMIは、US Bank Center,777 East Wisconsin Avenue, Suite 1400 Milwaukee, Wisconsin 53202所在のRockwell Automationを介してAllen Bradleyから入手されるPanelviewスタンダードターミナルである。例示した実施形態において、HMI119は、下で説明するネットワーク120のようなネットワークを介して、コントローラ108にリンクされる。代替実施形態において、HMI119は、コントローラ108に直接接続される。
【0024】
別の実施形態において、PLC118には、コンピュータ116から、或いはリモートコンピュータ(図示せず)から、ネットワーク120のようなネットワークを介して、パラメータ値が提供される。更なる実施形態において、PLC118には、PLC118或いはコンピュータ116又はリモートコンピュータ(図示せず)に取り外し可能に結合されたコンピュータ読み取り可能な媒体(図示せず)から、パラメータ値が提供される。
【0025】
漏れ試験装置100の一実施形態において、PLC118は、更に、圧力降下試験等、被試験部品112に対する初期ノックアウト又はグロスリーク試験を実行するように構成される。PLC118のようなPLCを使用して、被試験部品に対する圧力降下試験を実行することは、この技術において周知である。部品112がグロスリーク試験に合格しなかった場合、グロスリークの位置を正確に特定することが望まれない限り、下で説明する更に正確なトレーサガス又はファインリーク試験により被試験部品112を試験する必要はない。変形例の一つにおいて、圧力降下試験のようなグロスリーク試験は、ファインリーク試験と同時に実行される。圧力降下試験及びファインリーク試験が同時に実行される時、圧力降下試験は、トレーサガスを含むガスを使用する。
【0026】
例示した実施形態において、コンピュータ116及びPLC118は、ネットワーク120を介して共にリンクされる。ネットワーク120は、コンピュータ116及びPLC118が情報を共有できるように構成される。例示的なネットワークは、有線ネットワーク、或いはRFネットワーク、IRネットワーク、又はセルラネットワーク等の無線ネットワーク、イーサネットネットワーク又はトークンリングネットワーク等のローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、コントローラエリアネットワーク(CAN)、インターネット又はイントラネットへの接続、RS232接続、RS485接続、或いは、コンピュータ116及びPLC118を接続するその他の適切なネットワーク又は方法を含む。コンピュータ116及びPLC118は、品質管理用のリモートコンピュータ(図示せず)等、ネットワーク120を介した追加デバイス、或いは被試験部品112の製造プロセス内のステーションに位置決めされた制御デバイスに接続できる。そのため、不合格部品における漏れ位置に関して、或いは、不合格部品の漏れ位置間の任意の相関性について、フィードバックを品質管理担当者又は製造担当者に即座に提供できる。
【0027】
代替実施形態において、コントローラ108は、コンピュータ116及びPLC118両方の上記機能を実行するように構成されたコンピュータ116のような単一のコンピュータを備える。一例において、HMI119は、タッチスクリーン、ライトペン、マウス、ローラボール、又はキーボードである。
【0028】
上記のように、ファインリーク試験について、コントローラ108は、被試験部品112の内部又は被試験部品112の外部へ、トレーサガスを含むガスを提供するように構成される。被試験部品112に漏れがない限り、被試験部品112の内部又は外部にトレーサガスが保持されるように、被試験部品を密閉することは、この技術において周知である。トレーサガスが被試験部品の内部に提供される場合、試験領域102は、圧力室を必要とせず、一方、トレーサガスが被試験部品102の外部に提供される場合、試験領域102は、被試験部品112の外部を加圧できるように圧力室(図示せず)を含む。
【0029】
トレーサガスは、トレーサガスを含む内部又は外部がトレーサガスを含まない内部又は外部の他方と相対的に高圧となるように、被試験部品112の内部又は外部に導入される。したがって、被試験部品112の内部と被試験部品112の外部との間に圧力差が形成され、高圧領域は、トレーサガスを含む領域に対応する。そのため、被試験部品112が漏れを含む場合、トレーサガスは、高圧領域から低圧領域へ流出又は流動する。一例において、トレーサガスはヘリウムである。別の例において、トレーサガスは水素である。
【0030】
漏れ試験装置100は、低圧領域におけるトレーサガスの存在により示されるような、被試験部品112における漏れの存在を検出するように構成される。漏れ試験装置100は、更に、漏れ試験を実行するように構成され、これにより、被試験部品112における漏れは、PLC118により提供された試験タイマの値に対応する期間に渡って、監視される。図1に示したように、センサ106は、潜在的漏れ領域114に近接して配置される。上記のように、三個以上のセンサ106を領域114に近接して位置決めすることが考えられる。センサ106は、コントローラ108に接続されると共に、トレーサガスの検出を表す検知信号を提供するように構成される。一例において、検知信号は、トレーサガスの濃度に比例する。例示した実施形態において、センサ106a及び106bは、ネットワーク122を介してコントローラ108に接続され、ネットワーク122は一般にネットワーク120に類似しており、センサ106a及び106bは、それぞれ検知信号を生成し、ネットワーク122を介して、ネットワークメッセージ又はデータパケットとして、検知信号をコントローラ108に提供する。一例において、ネットワーク122及びネットワーク120は、同じネットワークの一部である。代替実施形態において、センサ106は、コントローラ108に直接接続され、コントローラ108は、アナログ信号等の直接入力として、各センサから検知信号を受信する。
【0031】
コントローラ108は、センサ106からの検知信号を受信し、信号が被試験部品112に漏れが存在することを示すかを判断するように構成される。下で更に詳細に説明するように、漏れ位置は、センサ106からの個別の検知信号を監視することで推定できる。更に、下で詳細に説明するように、センサが閉じ込め又は蓄積体積の区域を定める場合、両センサ106からの検知信号等の合計検知信号を監視することで、漏れの漏れ速度を推定できる。
【0032】
インジケータ110は、コントローラ108に接続され、漏れ試験装置100のオペレータに対して、被試験部品112における漏れの存在及び位置の表示信号を提供するように構成される。コントローラ108は、センサ106a及び106bの少なくとも一方がトレーサガスの存在を検出することに応答して、インジケータ110に対して、漏れ検出信号を提供するように構成される。更に、コントローラ108の漏れ検出信号は、リモートコントローラ(図示せず)のような他のデバイスに提供できる。漏れ検出信号は、漏れ位置を表す情報、及び/又は漏れの漏れ速度に関連する情報を含む。
【0033】
例示した実施形態において、インジケータ110は、コントローラ108に直接接続される。別の実施形態において、インジケータ110は、ネットワーク120のようなネットワークを介して、コントローラ108にリンクされる。表示信号の例は、漏れ位置を含むネットワークデバイスへの信号、音声メッセージ、漏れ位置の視覚的テキストメッセージ、或いは、漏れ位置に配置された漏れグラフィックを備えた被試験部品の視覚画像を含む。一実施形態において、インジケータ110は、更に、漏れの漏れ速度の表示を提供するように構成される。漏れ速度の表示は、漏れ位置と同じ信号に含めることが可能であり、或いは、第二の表示信号において送信できる。
【0034】
図2を参照すると、少なくとも二つの潜在的漏れ領域214a及び214bを有する被試験部品212を監視する構成である漏れ試験装置100’が図示されている。漏れ試験装置100’は、全般的に、漏れ試験装置100に類似する。そのため、漏れ試験装置100と漏れ試験装置100’とに共通する構成要素には、同様の数字が使用される。図2に示したように、センサ106a及び106bのような複数のセンサを備えた第一のセンサアレイ224aは、第一の潜在的漏れ領域214aに近接して配置され、センサ206a、206b、206c、206d、206e、206f、及び206gのような複数のセンサを備えた第二のセンサアレイ224bは、第二の潜在的漏れ領域214bに近接して配置される。センサ206a乃至206gは、一般に、センサ106a及び106bと同一である。各センサアレイ224a及び224bは、コントローラ108に接続される。上記のように、センサは、ネットワーク122のようなネットワークを介して、或いは直接、コントローラ108に接続される。
【0035】
一実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、単純に、センサの集団であるセンサ106a及び106とセンサ206a乃至206gとをそれぞれ意味する。別の実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、それぞれのセンサから、コントローラ108のような他のネットワークコンポーネントへ、ネットワークトラフィックを中継するように構成されたネットワークデバイスに対応する。一例において、センサアレイ224a及び224bは、ネットワークルータである。更に別の実施形態において、センサアレイ224a及び224bは、コントローラであり、それぞれのセンサからデータを受信すると共に、それぞれのセンサから受信したデータに基づいて、ネットワークメッセージを他のネットワークデバイスに対してコンパイルするように構成される。一例において、それぞれのセンサは、ネットワーク122に類似するネットワークを介して、センサアレイコントローラにリンクされる。別の例において、それぞれのセンサは、センサアレイコントローラに直接接続され、アナログ出力を提供する。センサアレイコントローラによりコンパイルされたネットワークメッセージは、それぞれのセンサからの信号の中継、漏れ位置の表示、又は漏れの漏れ速度の表示にしてよい。
【0036】
本発明は、領域214aに近接して位置決めされた単一のセンサと、領域214bに近接して位置決めされた単一のセンサとにより実施してよいが、潜在的漏れ領域214a又は214bに近接して位置決めされたセンサが多いほど、漏れ位置の決定及び/又は漏れ速度の定量化において、漏れ検出装置100’の精度が向上する。そのため、ネットワークを介して、センサ206a乃至206g、106a及び106bをコントローラ108に接続することが好適であり、これは、こうした接続により、コントローラ108が多数のデータ入力を有する必要なく、ネットワークへのアクセスのみにより、多数のセンサがコントローラ108と通信可能になるためである。
【0037】
図3を参照すると、例示的なセンサアレイ130は、複数のセンサ132a乃至132lを含む。センサアレイ130は、漏れ試験装置100又は漏れ試験装置100’で使用するように構成される。図4aに示したように、各センサ132a乃至132lは、検知要素又はトランスデューサ134a乃至lを含む。好適な実施形態において、センサ132a乃至132lは、コントローラエリアネットワーク(CAN)又はRS−485ネットワークのようなネットワークとインタフェースするように構成される。CANネットワーク又はRS−485上で使用する例示的なセンサは、下の図14乃至24に図示したセンサ300である。下で説明するように、センサ300に関連して、センサ132a乃至132lの検知要素又はトランスデューサ134a乃至134lは、トレーサガスが検知要素又はトランスデューサ134a乃至lに接触した時にトレーサガスの存在を検出するように構成される。下で説明するようなセンサ300はアナログモード及びネットワークモードの両方で機能できるが、好適な実施形態におけるセンサ132a乃至132lは、ネットワークモードにおいて機能できる必要のみを有し、更に、RS−485又はCANのような一つのネットワーク向けに構成される必要のみを有すると理解される。代替実施形態において、センサ132a乃至132lは、二つ以上のネットワーク向けに構成される。
【0038】
センサアレイ130のセンサ132a乃至132lは、図3、5、及び6に示したトルクコンバータ136の溶接部134のような被試験部品の潜在的漏れ区域に対して、センサアレイ130が容易に位置決めされるように、固定具133に取り付けられる。固定具133は、センサ132aが常に溶接部134の部分138に隣接して配置されるような再現性のある形で、センサ132a乃至132lをトルクコンバータ136の溶接部134に近接して位置決めするように構成される。そのため、第一のトルクコンバータ136と後続のトルクコンバータ136とにおいて、溶接部134の部分138に漏れが存在する場合、同じセンサであるセンサ132aが、漏れに近接したものとなる。
【0039】
図3、4a、4b、5、及び6に示したように、固定具133は、部品134と協調して、内部領域又は蓄積体積140(図6に図示)を定めるように構成され、溶接部134における漏れ144等の漏れを介した、部品136の内部領域142からの任意の放出トレーサガスが収集される。放出トレーサガスは、漏れの漏れ速度を定量化するために、トレーサガスの濃度の経時的な変化を監視し得るように、内部領域140内に収集される。一例において、内部領域142は、内部領域142での圧力上昇と、対応する漏れ速度の不正確な計算につながる可能性がある圧力上昇による漏れ144の低速化とを防止するために、密閉領域ではない。
【0040】
代替実施形態において、センサアレイを固定するための固定具は、センサを支持し、潜在的漏れ領域に関して再現性のある形で、センサを位置決めする。しかしながら、固定具は、放出トレーサガスが集まる内部領域を定めない。そのため、固定具は、漏れ速度の正確な推定を可能にせず、潜在的漏れ領域に相対的な漏れ位置の表示のみとなる。
【0041】
図6を参照すると、センサ132fは、漏れ144に近接して位置決めされる。そのため、検知要素134fは、センサ132aの検知要素134aより前に、漏れ144から放出されたトレーサガスの存在を検出する。更に、時間と共に、センサ132fは、センサ132aと比較して、最大の反応を有するようになり、これはセンサ132fがセンサ132aよりも高い濃度のトレーサガスを検出することを意味する。下で説明するように、こうした事実の一方又は両方を使用して、漏れ144の位置を決定する。更に、下で説明するように、漏れ144から放出されたトレーサガスが内部領域140に全般的に保持されるような固定具133の形状である時、全センサ132a乃至132lの反応の合計及び平均を使用して、漏れ144に関連する漏れ速度を決定する。
【0042】
図7乃至10を参照すると、漏れ試験ソフトウェア600の例示的実施形態が図示されている。漏れ試験ソフトウェア600は、ファインリーク試験に関連して、コントローラ108により実行されるように構成される。例えば、図3、5、及び6の部品136の試験について、ソフトウェア600は、センサアレイ130及びセンサ132a乃至132lを試験部品136に対して関連付け、ネットワーク122のようなネットワークを介してセンサ132a乃至132lにより提供された信号を監視し、漏れ144の位置の表示及び/又は漏れ144に関連する漏れ速度の表示を提供するように構成される。一実施形態において、コントローラ108は、漏れ検出信号として、漏れ144の位置及び/又は漏れ144の漏れ速度の表示を提供する。ソフトウェア600は、多数のセンサアレイを監視するように構成されると考えられる。図7乃至10に示した例示の実施形態において、漏れ試験ソフトウェア600は、コンピュータ116により実行され、PLC118との間で情報の送受信を行う。代替実施形態において、漏れ試験ソフトウェア600は、コンピュータ116により部分的に実行され、PLC118により部分的に実行される。更なる代替実施形態において、ソフトウェア600の機能の少なくとも一部は、ファームウェアとして提供される。別の代替実施形態において、ソフトウェア600は、リモートコンピュータにより実行され、コマンドは、ネットワーク120のようなネットワークを介してコントローラ108に提供される。
【0043】
一実施形態において、ソフトウェア600は、ディスケット、CD−ROM、ZIPディスク、テープ、メモリカード、又はフラッシュメモリカードといった携帯型のコンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上のファイルとして利用できる。一例におけるソフトウェア600は、コンピュータ116へのソフトウェア600のロード及び/又はソフトウェア600の設定を行うように構成されたインストールプログラムを含む。代替実施形態において、ソフトウェア600及び/又はインストールプログラムは、一つ以上のダウンロードファイルとして、ネットワークを介して利用できる。
【0044】
図7を参照すると、漏れ試験ソフトウェア600は、例えば部品136等、特定の被試験部品の試験のような、特定のジョブに関連する様々なパラメータを、オペレータが設定できるように構成されたセットアップ部602と、部品の漏れ試験の準備を行うオペレータにより使用されるように構成されたオペレータ部604とを含む。オペレータ部604は、特定の被試験部品に対するパラメータセットをロードし、第一の部品の漏れを試験する試験ルーチン656を実行するように構成される。
【0045】
図8を参照すると、ソフトウェア600の例示的なセットアップ部が図示されている。ブロック606により表現されるように、試験対象の部品を表す少なくとも第一のピクチャがロードされる。ピクチャは、オペレータに漏れ位置の視覚表示を提供するために使用される。第一の例において、ピクチャは、物理的な部品の静止画像に対応する。第二の例において、ピクチャは、CADソフトウェアパッケージ等、部品の電子データベースから生成されたビューに対応する。第三の例において、ピクチャは、CADソフトウェアパッケージ等の電子データベースから生成された、部品の三次元ソリッドモデルに対応する。
【0046】
ブロック608により表現されるように、オペレータは、センサ132aのようなセンサの表現を、試験対象の部品のピクチャ上に配置する。一実施形態において、センサの表現は、センサアイコンであり、センサアイコン135aのようなセンサアイコンの例については、図13aを参照されたい。図13に示したセンサアイコンは、三角形の形状である。しかしながら、センサアイコンは様々な形状にすることが可能であり、センサ番号及び/又はセンサ名が表示されるように、テキストを含むことが可能であると考えられる。ピクチャ上のセンサ132aの位置は、部品136の試験中の部品136に対する物理的なセンサ132aの位置に対応する。しかしながら、ピクチャ上のセンサ132aの位置を更新することで、物理的な部品上のセンサ132aの位置は移動しない。ピクチャ上のセンサ132aの位置は、単純に、物理的な部品上のセンサ132aの位置の表現となる。次に、オペレータは、ブロック610により表現されるように、センサ132aに関する情報を更新する。更新されるセンサ情報の例は、センサ132aの名前と、センサ132aのネットワークIDと、センサ位置データと、どのセンサグループ又はアレイ130にセンサ132aが関連するかと、現在表示されているセンサ132a又はピクチャに対する表示優先度とを含む。表示優先度は、センサ132aから生じる漏れを示す好適なビューに関連するパラメータである。ピクチャの場合、表示一次パラメータは、オペレータ部604の間に使用するデフォルトビューを示す。
【0047】
ソフトウェア600は、ブロック612bにより表現されるように、試験対象の部品の現在のピクチャ上に、追加センサを表示するかを質問する。追加センサの位置が現在のピクチャ内で見える場合、オペレータは、イエスを選択し、追加センサのために上のプロセスを繰り返す。追加センサが現在のピクチャ内で見えない場合、オペレータは、ノーを選択するべきであり、これにより、ソフトウェア600は、ブロック614により表現されるように、試験対象の部品の追加ピクチャをロードするかを質問する。追加ピクチャをロードする場合、オペレータは、イエスを選択し、ソフトウェア600は、ブロック606へループバックする。それ以外の場合、オペレータは、ブロック616により表現されるように、試験対象の部品に対応するセンサマッピングファイルを保存するように指示される。センサマッピングファイルは、セットアップ部602の間に入力された情報を含む。一例において、センサマッピングファイルは、少なくとも、試験対象の部品のピクチャに対するリファレンスと、各ピクチャ上に含まれるセンサと、各ピクチャに対するセンサ位置と、各ピクチャに対するセンサパラメータとを含むテキストファイルである。
【0048】
図9を参照すると、ソフトウェア600のオペレータ部604が図示されている。ブロック620により表現されるように、オペレータは、オペレータ部604を始動すると、部品136等の現在の被試験部品に対応するセンサマッピングファイルを含むディレクトリの位置に入力又は選択する。オペレータが適切なパスを選択しない場合、オペレータは、ブロック622により表現されるように、ディレクトリを再び入力又は選択する必要がある。一方、適切なパスが選択された場合、オペレータは、次に、ブロック624により表現されるように、正しいセンサマッピングファイル616を選択する。
【0049】
センサマッピングファイルは、コントローラ108のメモリにロードされ、ブロック626により表現されるように、センサマッピングファイル内に含まれる被試験部品のピクチャのリストがオペレータに提示される。ブロック628及び630により表現されるように、オペレータは、リストからピクチャを選択し、選択されたピクチャは、センサアイコン135と共に、対応するディスプレイ上に表示される。オペレータに表示するピクチャを選択させることで、オペレータによる目視検査が実行可能となり、選択されたセンサマッピングファイルが試験対象の部品に対応することが保証される。
【0050】
ここで、オペレータは、ブロック632により表現されるように、センサ情報又はセンサ配置を変更可能であり、或いは、試験の開始へ進むことができる。更新が必要な場合、オペレータは、ブロック634により表現されるように、更新するべきセンサを選択する。オペレータは、新しい位置情報を手動で入力することで、或いは、対応するセンサアイコン135を部品のピクチャと相対的に移動させることで、選択したセンサの配置を更新できる。しかしながら、ユーザは、実際の物理的なセンサ位置ではなく、ピクチャ上のセンサの位置を変更するだけである。ブロック636、638、及び640により表現されるように、いずれかの方法で新しいセンサ位置が受信され、センサテーブルが更新される。更に、オペレータは、ブロック642、644、及び646により表現されるように、表示優先度、センサ名、又はセンサネットワークIDといったセンサ情報を更新できる。一例において、センサ情報は、異なるネットワークIDを有する新しいセンサを壊れたセンサと交換する時に更新する必要がある。
【0051】
オペレータは、次に、ブロック648により表現されるように、別のセンサを選択し、そのセンサに関連するセンサ位置又はセンサ情報を更新できる。追加センサが選択された場合、ブロック636、638、640、642、644、及び646に関連する上記プロセスが反復される。センサの位置またはセンサ情報に対する更新を行った後、オペレータは、ブロック650により表現されるように、センサマッピングファイルに変更を保存するか、或いは変更を破棄する必要がある。ブロック652、654、及び656により表現されるように、変更を保存する場合、ソフトウェア600は、試験ルーチンを開始するか質問する。変更を破棄する場合、ブロック632により表現されるように、オペレータには、センサ位置又はセンサ情報を更新するオプションが再度提示される。
【0052】
ブロック654、656、658、660、及び662により表現されるように、表示されたピクチャに対する更新が行われた後、オペレータは、ブロック656のように試験ルーチンを開始すること、ブロック660のようにプログラムを抜けること、ブロック662及び620のように新しいセンサマッピングファイルを選択すること、或いは、ブロック662、626、及び628のように現在のセンサマッピングファイルに関連する追加ピクチャを選択することが可能である。オペレータは、一例において、センサマッピングファイルに関連する追加ピクチャを選択して、以前に表示されたピクチャでは見えないセンサのセンサ配置又はセンサ情報を更新する。更に、一例において、ソフトウェアは、第一のピクチャにおけるセンサ位置の変更又はセンサ情報の変更を認識し、そのセンサを含む追加ピクチャでの対応するセンサ位置又はセンサ情報を更新する。
【0053】
図10を参照すると、試験ルーチン656の例が図示されている。ブロック664及び665により表現されるように、試験ルーチンが開始されると、ブロック664において、選択されたセンサマッピングファイルがロードされ、ブロック665において、関連する部品の画像又はピクチャがロードされる。部品画像の一つは、その部品画像をデフォルト画像として指定するパラメータ値を有する。デフォルト部品画像は、ブロック668により表現されるように、ディスプレイに表示される。デフォルト画像の表示は、ソフトウェア600が正しいセンサマッピングファイルと対応する部品画像とをロードしたことの視覚的キューをオペレータに提供する。
【0054】
ソフトウェア600は、ブロック670により表現されるように、被試験部品の試験の準備が整ったことを示す、PLCからの試験開始信号を待つ。一例において、PLCからの信号は、被試験部品136が試験領域102に適切に位置決めされ、センサ132が全て正しい位置にあり、トレーサガスが適切に導入され、被試験部品の外部と内部との間の圧力差が確立された状況に対応する。PLC118から試験開始信号が受信されると、ブロック672により表現されるように、トレーサガスの存在を監視するためのコマンドが全てのセンサ132に発行され、ブロック674により表現されるように、試験タイマが始動される。試験タイマは、部品136の試験の長さを定める。試験タイマの長さの間に、部品136において漏れが検出されなかった場合、部品136は承認される。試験ルーチン656の一例において、試験ルーチンは、漏れの検出或いは試験タイマの期限切れによりリセットされ、第二の部品の試験を開始し、第二の部品は、通常、部品136と同一である。そのため、オペレータが試験ルーチン656を入力すると、オペレータは、第二の部品の試験の前に、ブロック620、624、及び628といった、オペレータ部604の追加的な指示を再び通過する必要がない。
【0055】
ブロック676により表現されるように、ソフトウェアは、ネットワーク122を監視し、ネットワーク122上のセンサ132又はその他のコンポーネントからデータが受信されたかを判断する。ネットワーク122を介してデータが受信された場合、ブロック678により表現されるように、データがトレーサガスの検出に対応するかについて判断される。一例において、判断は、検出されたトレーサガスの量がセンサマッピングファイル内のパラメータにより設定された閾値を上回るかにより決まる。データがトレーサガスの検出に対応しない場合、試験タイマを確認して、ブロック680により表現されるように、試験手順が完了したかを判断する。データがトレーサガスの検出に対応しない場合の例は、センサ132が適切に動作していること、或いはエラーが発生したこと等のセンサステータスデータを含む。
【0056】
データがトレーサガスの検出に対応する場合、ブロック685により表現されるように、そのデータと後続のデータとが分析される。データは、位置特定ルーチンであるブロック686により表現されるように、漏れ位置を決定するために分析される。一実施形態において、データは、更に、漏れ速度ルーチンであるブロック688により表現されるように、漏れの速度を決定するために分析される。漏れ速度ルーチン688は、一般に、位置特定ルーチン686と同時に実行される。位置特定ルーチン686及び漏れ速度ルーチン688の両方は、オペレータが漏れ位置及びサイズを容易に認知できるようにするための試験部品のピクチャ又は画像上での漏れの視覚化等、部品136における漏れの表示を生成する情報を提供する。例えば、センサ132fによる漏れの検出を表現する、図13Bに図示したような漏れグラフィック137である。漏れの追加的な表示は、コントローラ108により品質管理又は製造区域のコンピュータ等のリモートデバイスへ送信される信号、PLC118に関連するHMIユニット上の視覚的テキストメッセージ、警報音、又は点滅光等の視覚的キューを含む。
【0057】
位置特定ルーチン686は、ブロック690により表現されるように、最高濃度のトレーサガスを検出しているセンサを発見することで、漏れ位置を決定する。漏れ位置は、ブロック692により表現されるように、このセンサの位置に相関される。ブロック694により表現されるように、漏れ位置の最適な表示を提供する部品136のピクチャが自動的に選択され、漏れ位置の表示と共に表示される。表示されるピクチャは、センサマッピングファイル内のセンサに対する表示プリファレンスに基づいたものとなる。第一の例では、対応するセンサアイコンを点滅させること、或いは対応するセンサアイコンの色又はその他の属性を変更することが、漏れ位置の視覚的キューとなる。第二の例では、図13Bに示したように、漏れ位置は、漏れ位置からのトレーサガスの放出を表す漏れグラフィック137により示される。更なる例において、図13Bの漏れグラフィックは、アニメーショングラフィックであり、漏れ位置から流出するガスをグラフィックがシミュレートするようになる。また更なる例では、漏れグラフィックが点滅し、漏れ位置を更に指し示す。例示的なセンサアイコン及び漏れグラフィックは、共に図13Bに図示されている。
【0058】
代替実施形態において、漏れ位置は、トレーサガスを最初に検出したセンサにより決定される。更なる代替実施形態において、漏れ位置は、閾値レベルを上回るトレーサガスの存在を最初に検出したセンサにより決定される。また更なる代替実施形態では、二個の隣接するセンサが両方ともトレーサガスの同様の検出を報告し、漏れ位置は、各センサにより報告された値の相対的な重み付けにより、センサの中間、或いは隣接するセンサの第一のセンサの付近等、二個の隣接するセンサの間にあると決定される。
【0059】
更に、被試験部品は、二つ以上の漏れを有し得ると考えられる。多数の漏れは、同じ潜在的漏れ領域、又は異なる潜在的漏れ領域において発生し得る。異なる潜在的漏れ領域のセンサが、それぞれ漏れの検出を報告する時、上記の位置特定ルーチン686及び速度ルーチン688は、各領域で実行される。多数の漏れが同じ潜在的漏れ領域に存在する場合、ソフトウェアは、漏れ条件を発生させる二個の非隣接センサによるトレーサガスの検出により、多数の漏れを認識する。例えば、二個の非隣接センサは、トレーサガス濃度の極大をそれぞれ記録し、或いは、二個の非隣接センサは、介在するセンサがトレーサガスの存在を記録する前に、トレーサガスの存在をそれぞれ記録する。
【0060】
多数の漏れのケースでは、分割画面のように、被試験部品の多数の画像を同時にディスプレイに示すことが可能となる。被試験部品の多数のビューが必要となるのは、各センサの好適なビューが異なる画像となる可能性があるためであり、或いは、漏れに対応する少なくとも一つのセンサが他のセンサの好適な画像において見えないためである。
【0061】
漏れ速度ルーチン688は、特定された漏れの漏れ速度を決定するように構成される。ブロック696により表現されるように、漏れを検出したセンサアレイについて、そのセンサアレイに関連する各センサからの示度が加算され、その後、平均化される。更に、この平均センサ示度が経時的に監視され、ブロック698により表現されるように、平均センサ示度における平均変化率が計算される。通常の漏れ試験の状況において、試験サイクル及び漏れサイズは、平均センサ示度の変化率が全体として直線的になるようなものとなる。そのため、経時的な平均センサ示度に近似する線の傾斜を決定することで、漏れ速度を概算する。
【0062】
平均センサ示度の変化率は、ブロック700により表現するように、漏れ速度の単位に基準化する。一例において、基準化は、固定具133のような、センサを収容する固定具の蓄積体積を考慮に入れて、ブロック698により決定された傾斜率と、既知の漏れの傾斜率とを比較することで達成される。平均センサ示度の変化率は、漏れの漏れ速度に正比例し、蓄積体積の量に反比例する。更に、漏れ速度は、位置特定ルーチン686により決定された漏れ位置と共に、部品のピクチャ又は画像上に表示される。一例において、漏れ速度は、漏れ位置に近接した数値として示される。別の例において、漏れ速度は、漏れをシミュレートするのに使用する漏れグラフィックの選択によりシミュレートされる(図13B参照)。例えば、漏れ位置から流出する大きな漏れを示すグラフィックを、高い漏れ速度に対して使用し、漏れ位置から流出する小さな漏れを示すグラフィックを、小さな漏れ速度に対して使用する。
【0063】
図11及び12を参照すると、漏れ試験装置100による部品136の漏れ試験に対応するセンサ出力の例が図示されている。図11及び12に示した例では、既知の漏れ144が、潜在的漏れ領域134の付近で部品に持ち込まれている。既知の漏れ144は、較正漏れ基準を部品136に挿入することで、部品136に形成した。更に、既知の漏れ144は、0.1scc/分(標準立方センチメートル毎分)に等しい既知の漏れ速度を有するサイズとした。漏れ試験ソフト600を試験するために、システム100の応答時間を決定できるように、バルブを介してトレーサガスを部品134の内部142に提供した。
【0064】
図11は、潜在的漏れ領域に近接して位置決めされた16個のセンサのうち五個の経時的な個別センサ示度を提示する。五個の選択されたセンサは、漏れ144に最も近い四個のセンサと、漏れ144に対して遠くにある一個のセンサとに対応する。16個のセンサは、図3乃至5に例示した12個のセンサ132a乃至132lを上回ることに留意されたい。そのため、図11に示した結果は、図3乃至5に示した12個のセンサ配置の結果よりも正確な漏れ144の位置を提供できるべきである。
【0065】
図11を見ると、センサ13として示したセンサは、データ系列160により表現されるように、トレーサガスの第一の検出を示すと共に、トレーサガスの最高の記録濃度を示す。センサ12、14、及び15として示したセンサは、センサ13に近接しており、それぞれデータ系列162、164、及び166により表される。センサ12、14、及び15のそれぞれは、センサ13の僅かに後にトレーサガスの存在を検出し、センサ12、14、及び15のそれぞれは、センサ13より低いトレーサガスの濃度を検出する。そのため、漏れ144の位置は、センサ13に近接する。しかしながら、センサ14の強い応答と、センサ12及び15の類似する応答とは、センサ13及び14のほぼ中間に漏れが位置することを示唆する点に留意されたい。更に、センサ13に対して遠位に位置決めされた、センサ5として示したセンサに対応するデータ系列168は、センサ12、14、及び15といった、漏れ144により近接したセンサに比べて、漏れ144の位置から遠くにあるセンサがトレーサガスの検出とトレーサガスの測定濃度とにおいて立ち遅れることを示すために含まれている。
【0066】
図12を参照すると、二種類のデータ系列170及び172が図示されている。データ系列170は、系列170の部分174により表現される漏れ144の開始と、系列170の部分176により表現される漏れ144の停止とに対応する。漏れ144は、バルブを介して部品136の内部142にトレーサガスを導入することで開始され、バルブを閉じることで停止される。データ系列172は、センサアレイの全センサでの経時的なトレーサガスの濃度の平均値に対応する。図12を見ると、システムの応答時間は、非常に良好である。データ系列172の直線領域180は、約3秒以内に発生しており、既知の漏れ144のサイズである漏れについて、システムが約3乃至5秒以内に漏れ速度を決定できることを示唆している。更に、系列172の領域180は、非常に直線的であり、領域180の傾斜が漏れ144の漏れ速度の良好な近似値を提供することを示唆している。
【0067】
図10を参照すると、試験タイマは、位置特定ルーチン686及び速度ルーチン688に優先する。そのため、試験タイマが時間切れになると、ブロック682により表現されるように、センサに対して停止コマンドが発行される。更に、ブロック684により表現されるように、最終漏れ速度が計算され、PLCへ送信される。代替として、最終漏れ速度は、ネットワーク122上の追加デバイスにより利用可能となる。
【0068】
<ガス検出のためのセンサ装置>
図14を参照すると、センサ装置300が図示されている。センサ装置300は、トレーサガスのようなガスの存在を検出して、ガスの存在の検出を通信するために適切な出力を提供するように構成される。第一の応用において、センサ装置は、漏れ試験用途において、ヘリウム又は水素のようなトレーサガスの存在を検出するように構成される。第二の応用において、センサ装置300は、ヘリウム又は水素のようなトレーサガスの存在を検出し、安全センサとして、コンポーネントの設計に組み込まれるように構成され、コンポーネントの例は、自動車と、トラックと、飛行機と、ボートと、燃料システム、排気システム、客室システム、及び貨物システムのような、そのサブシステムとを含む。
【0069】
センサ装置300は、一例において、約0ppm(百万分率)乃至約5000ppmの範囲で、トレーサガスであるヘリウムの濃度を検出可能であり、約25ppmの分解能を有する。別の例において、センサ装置300は、約0ppm乃至約5000ppmの範囲で、トレーサガスであるヘリウムの濃度を検出可能であり、約5ppmの分解能を有する。更に別の例において、センサ装置300は、約5000ppmを上回るヘリウムの濃度を検出できる。
【0070】
センサ装置300は、二種類の動作モードの一方で動作できる。第一の動作モードにおいて、センサ装置300は、自己完結型センサ又は自己完結型漏れ試験装置であり、センサ装置300によるトレーサガス等のガスの検出の表示をオペレータに提供する。第二の動作モードにおいて、センサ装置300は、リモートコントローラに対して信号を提供し、信号は、センサ装置300によるトレーサガス等のガスの検出に関連する情報を含む。両方の動作モードについて、下で詳細に説明する。第二の動作モードの一例において、センサ装置300は、ネットワークを介してリモートコントローラに信号を提供するネットワーク対応センサである。
【0071】
必ずしも両方のモードを同時にではないとしても、センサ装置300が両方の動作モードで動作可能である時、センサ装置300は、デュアルモードセンサ装置又はデュアルモード漏れ検出装置である。しかしながら、図15のセンサ装置300’で一般的に参照されるように、第一の動作モードのみで動作するように、或いは、図15のセンサ装置300’’で一般的に参照されるように、第二の動作モードのみで動作するように、センサ装置300を構成することは、本発明の範囲に含まれる。
【0072】
再び図14を参照すると、センサ装置300は、デュアルモード漏れ検出装置であり、センサ304に直接又は追加コンポーネントを介して接続されたコントローラ302と、電源306と、インジケータ308と、I/Oインタフェース310とを備える。コントローラ302、センサ304、電源306、及びインジケータ308は、ハウジング312に収納される。しかしながら、インジケータ308は、ハウジング312の外部から少なくとも見ることが可能であり、I/Oインタフェース310は、ハウジング312の外部からアクセス可能である。更に、センサ304の検知要素又はトランスデューサ314は、ハウジング312の外部からアクセス可能であり、一般的に、ハウジング312の外部に近接して位置決めされる。そのため、センサ装置300において、トレーサガスの存在について試験するべきガスは、内部の検知要素へ引き込む、或いはこれを通過させる必要がない。
【0073】
下で更に詳細に説明するように、センサ304は、トレーサガス等のガスの存在を検出して、コントローラ302に対して検知信号を提供するように構成され、検知信号は、トレーサガスの存在又は欠如と、検出されたトレーサガスの量又は規模とを示す。一例において、検知信号は、検出したトレーサガスの濃度に比例する。電源306は、コントローラ302と、センサ304と、インジケータ308と、I/Oインタフェース310とに電力を提供するように構成される。インジケータ308は、センサ装置300のオペレータに対して、トレーサガスの検出及び/又は検出したトレーサガスの量の表示を提供するように構成される。I/Oインタフェース310は、外部デバイスに出力信号を提供するように構成され、出力信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表す。エラー信号又はセンサステータス信号のような更なる信号も考えられる。一実施形態において、I/Oインタフェース310は、センサ装置300をネットワークにリンクさせるように構成される。
【0074】
コントローラ302は、センサ304からの検知信号を受信し、センサ304からの検知信号に基づいて分析又は追加判断を行うように構成される。更に、コントローラ302は、インジケータ308に対して表示信号を提供するように構成され、表示信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表し、或いはコントローラ302は、I/Oインタフェース310に対してI/O信号を提供するように構成され、I/O信号は、トレーサガスの検出又は検出の欠如及び/又は検出されたトレーサガスの量を表し、或いはコントローラ302は、インジケータ308への表示信号と、I/Oインタフェース310へのI/O信号との両方を提供するように構成される。
【0075】
図15を参照すると、センサ装置300’が図示される。センサ装置300’は、一般に、第二の動作モードで動作するようにセンサ装置300が構成された時のセンサ装置300と同様である。そのため、センサ装置300とセンサ装置300’との両方に共通するコンポーネントには、同様の数字が使用される。センサ装置300’は、リモートコントローラ(図示せず)に信号を提供し、信号は、センサ装置300’によるガスの検出に関連する情報を含む。一例において、センサ装置300’は、ネットワークにリンクされるように構成される。そのため、センサ装置300’は、インジケータ308のようなインジケータを必要としない点を除き、一般に、センサ装置300と同様である。加えて、センサ装置300’はI/Oインタフェース310を介してリモートコントローラに接続されるため、コントローラ302及びセンサ304が必要とする電力は、電源306ではなく、I/Oインタフェース310を介して提供できる。代替として、電源306は、ワイヤレスネットワークのように、リモート電源を利用できない状況では、センサ装置300’に含まれる。更に、センサ装置300’の電子機器は、一般にセンサ装置300の電子機器と同様だが、少なくとも、センサ300’がアナログ出力を供給する必要がなく、インジケータを制御する必要がなく、電源を制御する必要がないという事実のため、より単純にしてよい。
【0076】
図16を参照すると、センサ装置300’’が図示される。センサ装置300’’は、一般に、オペレータに対してセンサ装置300によるトレーサガスの検出の表示を提供する自己完結型センサ装置に対応する第一の動作モードで動作するようにセンサ装置300が構成された時のセンサ装置300と同様である。そのため、センサ装置300とセンサ装置300’’との両方に共通するコンポーネントには、同様の数字が使用される。センサ装置300’’は、I/Oインタフェース310のようなI/Oインタフェースを必要としない点を除き、一般に、センサ装置300と同様である。更に、センサ装置300’の電子機器は、一般にセンサ装置300の電子機器と同様だが、少なくとも、I/Oインタフェースを必要とせず、ネットワークを介して送信するデータ及び情報をセンサが構成する必要がないという事実のため、より単純にしてよい。
【0077】
図17を参照すると、デュアルモードセンサ装置450の一実施形態が図示されている。センサ装置450は、一般に、センサ装置300と同様であり、コントローラ452と、センサ454と、電源456と、インジケータ458と、I/O部材又はインタフェース460とを備え、それぞれ一般に、センサ装置300のコントローラ302と、センサ304と、電源306と、インジケータ308と、I/O部材又はインタフェース310とに類似する。センサ装置450は、更に、プログラミング入力462を備え、プログラミング入力462は、一連の入力464を含むと共に、コントローラ452の構成、或いはコントローラ452により格納又はアクセスされるパラメータ値を修正するために、コントローラ452に対してプログラミング信号を提供するように構成される。一例において、プログラミングユニット452は、CANネットワークで使用するセンサ装置450に割り当てられたネットワークIDを修正するために使用される。
【0078】
センサ装置450のセンサ454は、熱伝導センサ466と、増幅回路470を含む関連するセンサ回路468とを備える。熱伝導センサ466は、周囲温度よりも加熱された膜(図示せず)等の検知要素又はトランスデューサ467(図18に図示)と、膜の温度を測定する測定抵抗又は一連の抵抗472と、周囲温度の変化を補う周囲温度基準抵抗又は一連の抵抗474とを備える。図18に示したように、検知要素又はトランスデューサ467は、センサ466の外部に位置決めされる。例示した実施形態において、熱伝導センサ466は、Rue Jaquet-Droz 1, CH-2007 Neuchatel, Switzerland所在のMicrosens SAから入手可能なモデル番号MTCS-2202である。代替のセンサは、その他の適切な熱伝導センサと、音波トランスデューサと、光フィードバックトランスデューサと、トレーサガスの存在を検出可能なその他の適切なセンサとを含む。
【0079】
熱伝導センサ466は、膜の温度の尺度である測定レジスタ472の抵抗と、基準レジスタ474の抵抗とを比較することで、トレーサガスの存在又は濃度を測定する。空気より低い熱伝導率を有するガスは、センサ膜の表面温度を変化させるため、測定抵抗472の抵抗を変化させる。そのため、トレーサガスがヘリウム又は水素である時、センサ膜に隣接するヘリウム又は水素の存在は、センサ膜の表面温度を変化させ、したがって、測定抵抗472の抵抗を変化させる。更に、センサ膜に隣接するヘリウム又は水素の濃度が増加すると、測定抵抗472の抵抗は、更に変化する。
【0080】
増幅器470を含む例示のセンサ回路468は、熱伝導センサ366の製造会社、Microsens SAにより推奨されている。代替実施形態では、センサ回路の変形例が考えられる。増幅器470の出力は、センサ454の検知信号に対応し、接続473を介して、コントローラ452へ提供される。一例において、検知信号は、検出されたトレーサガスの濃度に比例する。増幅器470の出力の電圧値は、測定抵抗472の抵抗に直接的に依存する。そのため、測定抵抗472によるヘリウム又は水素の検出により、増幅器470の出力電圧の低下が生じる。
【0081】
電源456は、「5VDC」の指定により表される電源474と、電圧調整器476とを備える。「5VDC」の指定は、便宜上、図17に何度も図示されており、各事例は電源474との接続を表していることに留意されたい。電源474は、一実施形態において、電池等の携帯式電源である。電源474は、別の例示的実施形態において、標準のコンセントに接続されたACアダプタの出力等の外部電源である。更に、電源474、更に別の実施形態において、I/Oインタフェース460を介してセンサ装置450に電力を提供する外部電源である。
【0082】
電圧調整器476は、センサ454及びコントローラ452に対して、全般的に一定の電圧ソースを提供するように構成される。例示した実施形態において、電圧調整器476は、One Technology Way, P.O. Box 9106, Norwood,MA 02062-9106所在のAnalog Devicesから入手可能な、回路チップ477モデル番号ADR421を含む。
【0083】
コントローラ452は、例示した実施形態において、Analog Devicesから入手可能なMicro Converter(R)モデル番号AduC834を含む。コントローラ452は、プログラム可能なデバイスであり、プログラムメモリ(図示せず)とデータメモリ(図示せず)とを含む。本発明において、コントローラ452は、接続473を介して、センサ454から検知信号を受信して、検知信号とコントローラ452に格納された命令又はプログラムとに基づいて、検知信号の分析及び/又は更なる決定を行うように構成される。一例において、コントローラ452は、センサ454からの検知信号をデジタル化し、検知信号を基準化して、I/Oインタフェース460に提供する出力信号を生成する。一例において、出力信号は、デジタル−アナログコンバータ(D/A)により生成されたアナログ信号である。別の例において、出力信号は、デジタル信号である。更に、一例において、コントローラ452は、インジケータ458に提供する表示信号を生成する。
【0084】
インジケータ458は、例示した実施形態において、第一の発光ダイオード(「LED」)478と、第二のLED480とを備える。LED478は、センサ装置450の外部から視認可能な、緑色等の第一の色を有する光を提供する。LED478の緑色光は、センサ装置450の電源オン状態に対応するコントローラ452からの第一の表示信号を受信することに応答して提供される。そのため、LED478は、センサ装置450が電力を受信しており、機能が可能であることの視覚的キューを、センサ装置450のオペレータに提供する。代替実施形態において、第一のLEDは、コントローラにより制御され、センサ装置のウォームアップ期間中に点滅し、センサ装置で試験の準備が整うと、安定した信号を提供する。
【0085】
LED480は、センサ装置450の外部から視認可能な、赤色等の第二の色を有する光を提供する。LED480の赤色光は、センサ装置450によるトレーサガスの存在の検出に対応するコントローラ452からの第二の表示信号を受信することに応答して提供される。そのため、LED480は、トレーサガスが検出されたことの視覚的キューを、センサ装置450のオペレータに提供する。漏れ試験用途において、LED480は、センサ454の付近で被試験部品が漏れを有することの視覚的キューをオペレータに提供する。別の例において、LED480は、1501 Route 34 South Farmingdale, NJ 07727所在のDialight Corporationから入手可能なモデル番号591-3001-013のような二色LEDである。二色LED480が発する波長は、LED480に提供される信号に依存する。例えば、波長は、全般的に緑色の波長から、様々な濃さの一般的にオレンジ色の波長、更に一般的に赤色の波長まで変化できる。そのため、一例において、二色LED480は、検出したトレーサガスの濃度の視覚的キューをセンサ装置450のオペレータに提供する(低濃度の緑色から高濃度の赤色まで)。別の例において、二色LED480は、低濃度に対して緑色の波長を発し、閾値を上回る濃度に対して赤色の波長を発する。代替実施形態において、第二のLEDは、コントローラにより制御され、センサ装置の漏れ試験用途での試験期間中に点滅し、センサによりトレーサガスの存在が検出された時に安定した信号を提供し、トレーサガスを検出せずに試験期間が完了した場合には光を発しない。
【0086】
図19及び20を参照すると、ハウジング496を含めて、センサ装置450の例示的実施形態が図示されている。ハウジング496は、コントローラ452と、センサ454と、電源456(含まれる場合)と、インジケータ458を封入するように構成される。更に、ハウジング496は、CANトランシーバ492のような部材460と、CANコントローラ494と、RS−485トランシーバ490とを封入するように構成される。しかしながら、図19に示したように、熱伝導センサ466の検知要素又はトランスデューサ467は、ハウジング496の外部からアクセス可能であり、一般的にハウジング496の外部に近接して位置決めされる。更に、図20に示したように、インジケータ458は、ハウジング496の外部から少なくとも見ることができる。
【0087】
図19及び20に示したように、ハウジング496の第一の部分497は、ハウジング496を、漏れ試験用途に関連して、図3に示した固定具133のような別のコンポーネントに結合させるように構成される。例示した実施形態において、第一の部分497は、ネジ山付き開口部(図示せず)に第一の部分497をねじ込めるように、ネジ山が付いている。ナット498は、第一の部分497にねじ込まれて図示されている。ナット498は、第一の部分497とネジ山付き開口部(図示せず)との間の係合の度合いを制御するのを助ける。ハウジング496の第二の部分499は、工具により結合されるように構成される。例示した実施形態において、第二の部分499には、第二の部分499をレンチにより把持して、第一の部分497とネジ山付き開口部との係合又は分離を支援し得るように、小面が形成される。
【0088】
再び図17を参照すると、I/Oインタフェース460は、例示した実施形態において、三種類の出力のうち一つを外部デバイスに提供するように構成される。第一に、I/Oインタフェース460は、接続484を通ってコントローラ452に結合された接続482を介してアナログ出力を提供するように構成される。例示的な一実施形態において、コントローラ452は、センサ454からの検知信号を表す0乃至2.5ボルトで基準化されたアナログ信号を提供する。
【0089】
第二に、I/Oインタフェース460は、接続486及び488を介してRS−485ネットワーク対応信号を提供するように構成される。I/Oインタフェース460は、RS−485規格に準拠するように構成された適切なトランシーバ490を含み、ネットワークを介して、RS−485規格に準拠するように構成された他のデバイスと通信する。RS−485トランシーバ490は、様々な接続を介してコントローラ452により制御される。RS−485トランシーバ490は、例示した実施形態において、Analog Devicesから入手可能なモデル番号ADM485である。
【0090】
第三に、I/Oインタフェースは、接続486及び488又は追加の接続を介してCANネットワーク対応信号を提供するように構成される。I/Oインタフェースは、CAN規格に準拠するように構成された適切なCANトランシーバ492を含み、CANネットワークと、コントローラ452及びCANトランシーバ492を接続するように構成されたCANコントローラ494等の適切なネットワークコントローラとにより調査された、CANに準拠するように構成された他のデバイスと通信する。CANトランシーバ492は、CANトランシーバ494により制御され、CANトランシーバ494は、コントローラ452との様々な接続を介して、コントローラ452により制御される。CANトランシーバ492は、例示した実施形態において、モデル番号MCP2551であり、CANトランシーバ494は、モデル番号MCP2510であり、共に、2355 West Chandler Blvd., Chandler, AZ 85224-6199所在のMicrochip Technology, Inc.から入手可能である。
【0091】
アナログ、RS−485、又はCANのどの出力タイプで出力信号を送信するかの選択は、コントローラ452の制御下にある。好適な実施形態において、センサ装置450のコントローラ452は、プラグアンドプレイ型の機能を有するようにプログラム可能であり、コントローラ452は、ネットワークの欠如を含む、どのタイプのネットワークがセンサ装置450に接続されているかを認識できるようになる。プラグアンドプレイ機能の動作とコントローラ302の追加機能とについては、下の図21乃至24を参照して説明する。
【0092】
図21を参照すると、コントローラ302にプラグアンドプレイ型機能を提供するように構成されると共に、コントローラ302を漏れ試験アプリケーション向けに構成するように構成された例示的ソフトウェア500のフローチャートが図示されている。ソフトウェア500は、センサ装置450のリセット中に実行される機能、或いは、センサ454がウォームアップされ、センサ装置450周囲の空気を検出する準備が整ったと判断されるまで、更なるタスクの動作を遅延させるために実行される機能に対応する、電源オン又はリセットルーチン502を含む。更に、構成ステップ504及び506は、センサ装置450を構成する。構成ステップ504は、ネットワークアドレス及びセンサ定数といったセットアップ制御パラメータのロードを含め、コントローラ452を構成する。構成ステップ506は、CANコントローラ494を構成する。
【0093】
センサ装置450を構成した後、ソフトウェア500は、ブロック508により表現されるように、現在、ネットワークがセンサ装置450に接続されているかを確認する。ネットワークが検出されなかった場合、ソフトウェア500は、ブロック510により表現されるように、D/Aコンバータを介してコントローラ452がアナログ出力を生成できるようにする。アナログ出力は、その後、上で説明したように、接続482を介して利用可能となる。更に、ソフトウェア500は、ブロック512により表現されるように、ループ511を有効にし、これにおいて、センサ454からのアナログデータはコントローラ452によりデジタルデータに変換され、その後、コントローラ452によりアナログデータに回復され、接続482を介してアナログデータにアクセスできるようにする。一例において、コントローラ452により生成されたアナログデータは、データの基準化のため、センサ454から受信したアナログデータとは異なる。
【0094】
ループ511は、ブロック514により表現されるように、A/Dコンバータを介してセンサ454からのアナログデータを読み、ブロック516により表現されるように、受信データを処理及び基準化し、ブロック518により表現されるように、結果的なデータが存在する場合に、これをD/Aコンバータに送信し、接続482を介してデータにアクセスできるようにするステップを含む。一例において、コントローラ452は、データを処理し、データがトレーサガスの閾値濃度の検出に対応するかを決定し、I/O部材460及びインジケータ458に対する適切な命令を生成する。閾値の濃度又は値は、一例において、センサコントローラ452にプログラムされる。別の例において、閾値は、リモートデバイスからセンサコントローラ452に通信される。
【0095】
ループ511が実行される際に、ソフトウェア500は、ブロック520により表現されるように、ネットワークがI/O部材460に接続されたことを示す潜在的なネットワーク活動を監視する。ネットワーク活動が検出されない場合、ループ511が継続される。しかしながら、ネットワーク活動が検出された場合、ブロック522により表現されるように、D/A出力(アナログ出力)が中断され、ブロック508により表現されるように、有効なネットワークが接続されたかを判断するために、ネットワーク活動が試験される。活動が有効なネットワークではない場合、ブロック512のように、D/A出力が再び有効となり、ループ511が再開される。
【0096】
有効なネットワークが検出されたと仮定すると、ソフトウェア500は、ブロック524により表現されるように、テストランフラグが設定されたかを確認する。テストランフラグは、漏れ試験アプリケーションが開始されたことを、コントローラ452、或いはPLC118又はコンピュータ116といったネットワークを介したデバイスが示すものである。通常、漏れ試験アプリケーションは、特定の時間枠で実行される。そのため、センサ装置450は、漏れ試験アプリケーションの時間枠中に、検知信号等の検知データを提供するように構成される。
【0097】
テストランフラグが設定されたと仮定すると、ブロック526により表現されるように、ソフトウェア500は、A/Dの結果が準備されているかを確認する。A/Dの結果は、センサ454の出力を表すデジタル信号に対応する。一例において、コントローラ452は、約100ms毎のような個別の時間間隔でセンサ454からの示度を取り出すように構成される。示度に対応する値は、一例において、コントローラ452によりアクセス可能なメモリに格納される。そのため、ソフトウェア500は、現在の値がメモリに格納されているかを確認する。現在の値が格納されていない場合、ソフトウェア500は、ブロック528により表現されるように、オンボード診断のチェック等、割り込み又はその他の機能を実行する必要がない限り、現在の値を待つ。オンボード診断のタイプの一例は、ブロック530により表現されるように、センサの故障をチェックすることである。センサの故障が検出された場合、ソフトウェア500は、ブロック532により表現されるように、エラーパケットを生成し、ネットワークを介して、PLC118又はコンピュータ116といった他のデバイスへ送信する。
【0098】
現在の値がメモリに格納されている場合、ソフトウェア500は、ブロック534により表現されるように、メモリから現在の結果を消去し、ブロック536により表現されるように、メモリからの現在の結果を含むデータパケットを生成及び送信する。データパケットは、ネットワークを介して、PLC118又はコンピュータ116といった他のデバイスへ送信される。
【0099】
ソフトウェア500は、全体として漸進的な形で説明されているが、漸進的な実行に制限されない。一実施形態において、ソフトウェア500は、周期的な時間間隔で、割り込みルーチン、或いはパラメータ又はフラグの変化、或いはネットワーク活動の存在又は欠如をチェックする。第一の割り込みルーチンの例550は、図22に図示されている。割り込みルーチン550は、CANネットワーク等のネットワークを介してネットワークメッセージの受信に対応する。ネットワークメッセージは、センサ装置450を対象としたコマンドを含むと共に、センサ装置に機能の実行を要求又は命令するように構成される。ソフトウェア500は、ブロック552により表現されるように、送信されたコマンドを解釈するように構成される。
【0100】
四種類の例示的なコマンドタイプが、図22に図示されている。第一に、試験コマンドタイプは、ブロック554により表現されるように、試験期間の開始又は中断を対象とするコマンド、或いは試験期間に関連する追加コマンドに対応する。第一のコマンドの例は、ブロック562により表現されるように、試験開始コマンドに対応する。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック564により表現されるように、テストランフラグを設定して、試験期間が開始されたことを示す。第二のコマンドの例は、ブロック566により表現されるように、試験停止コマンドに対応する、ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック568により表現されるように、テストランフラグを消去し、試験期間が終了したことを示す。
【0101】
第二に、データ更新コマンドタイプは、ブロック556により表現されるように、センサ装置からのデータの更新又は検証を要求するコマンドに対応する。データを更新及び検証する第一のコマンドの例は、ブロック570により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック572により表現されるように、要求されたデータによる応答を生成及び送信する。
【0102】
第三に、データ読み出しコマンドタイプは、ブロック558により表現されるように、センサ装置のメモリに格納されたデータの読み出し及び送信を要求するコマンドに対応する。メモリからデータを読み出す第一のコマンドの例は、ブロック574により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック576により表現されるように、取り出したデータによる応答を生成及び送信する。
【0103】
第四に、センサ更新コマンドタイプは、ブロック560により表現されるように、現在のセンサ装置のパラメータの値を要求するか、或いはセンサ装置のパラメータを更新するコマンドに対応する。センサ装置450に新しいパラメータ値を提供する第一のコマンドの例は、ブロック578により表現される。ソフトウェア500は、これに応答して、ブロック580により表現されるように、パラメータ値が変更されたことを示す応答を生成及び送信する。
【0104】
第二の割り込みルーチンの例582は、図23に図示されている。割り込みルーチン582は、ウォッチドッグサービスルーチンに対応する。ウォッチドッグサービスルーチンは、ブロック584により表現されるように、RESETコマンドが受信されたかを確認し、ブロック586により表現されるように、センサ装置450のRESETを発生させる。一例において、RESETコマンドは、ネットワークを介して受信される。別の例において、RESETコマンドは、オペレータがセンサ装置450の外部に位置するRESETボタン(図示せず)を押下するか、或いはその他の形でRESETコマンドを始動することにより受信される。更に別の例において、RESETコマンドは、コントローラ自体により生成され、これは、コントローラが不安定になったこと、或いはロック状態になったことを意味する。
【0105】
第三の割り込みルーチンの例588は、図24に図示されている。割り込みルーチン588は、A/D結果準備ルーチンに対応する。図21に関連して説明したように、ソフトウェア500は、センサ454からのデータ値に対応して、A/Dの結果が準備されているかを監視する。割り込みルーチン588は、センサ454に対応するデータ値が利用可能であることをソフトウェア500が判断するメカニズムの一つである。割り込みルーチン588は、ブロック590により表現されるように、A/D値を読み出すことを含み、ブロック592により表現されるように、A/D結果準備フラグを設定して、新しいデータ値の準備が整っているのをソフトウェア500に知らせることを含む。
【0106】
センサ装置450の一実施形態において、センサ装置450の全て又は実質的に全ての電子機器は、センサコントローラ452と、少なくとも一つのネットワークタイプ用の対応する電子機器を含むI/O部材460と、センサ454とを含め、センサ装置450の全体的サイズを低減するために、全てカスタムチップ(図示せず)に組み込まれるように設計される。一例において、熱伝導センサ466は、全て又は実質的に全ての電子機器を含むカスタムチップ(図示せず)の表面に結合される。別の例において、熱伝導センサは、カスタムチップ(図示せず)のコンポーネントとして構成され、熱伝導センサの検知要素又はトランスデューサは、チップの外部に位置決めされるか、或いはチップの外部からアクセス可能になる。カスタムチップのリードとの様々な接続を行うことで、CANネットワーク又はRS−485といったネットワークをカスタムチップに接続できる。センサ装置450の優れた検知能力と共に、センサ装置450のサイズ低減により、センサ装置450は、安全センサとして自動車等のコンポーネントに組み込むのに理想的となる。センサ装置450は、コンポーネントのコントローラ(図示せず)と情報を共有して、ガスの存在又は量に関する情報及びデータを中継する。
【0107】
別の実施形態において、センサ装置450は、図15のセンサ装置300’に類似する第二の動作モードにおいて動作するように構成され、センサ装置450の全体的サイズを低減するために、カスタムチップ(図示せず)に組み込まれるように設計される。そのため、センサ装置450は、インジケータ458のようなインジケータを含まない。加えて、センサ装置450はI/O部材460を介してリモートコントローラに接続されるため、少なくともコントローラ452及びセンサ454が必要とする電力は、電源476を介してではなく、I/Oインタフェース460を介して提供できる。一例において、熱伝導センサ466は、全て又は実質的に全ての電子機器を含むカスタムチップ(図示せず)の表面に結合される。別の例において、熱伝導センサは、カスタムチップ(図示せず)のコンポーネントとして構成され、熱伝導センサの検知要素又はトランスデューサは、チップの外部に位置決めされるか、或いはチップの外部からアクセス可能となる。カスタムチップのリードとの様々な接続を行うことで、CANネットワーク又はRS−485といったネットワークをカスタムチップに接続できる。上記のように、センサ装置450の優れた検知能力と共に、センサ装置450のサイズ低減により、センサ装置450は、安全センサとして自動車等のコンポーネントに組み込むのに理想的となる。センサ装置450は、コンポーネントのコントローラ(図示せず)と情報を共有して、ガスの存在又は量に関する情報及びデータを中継する。
【0108】
図25及び26を参照すると、センサ装置の例示的な実施形態が図示されており、これにおいて、センサ装置450の全て又は実質的に全ての電子機器は、カスタムチップに組み込まれる。センサ装置450は、ハウジング596を含み、ハウジング596は、カスタムチップ(図示せず)とセンサ454とを封入するように構成される。更に、ハウジング596は、CANトランシーバ492等のI/Oインタフェース460の一部と、カスタムチップ(図示せず)に組み込んでよいCANコントローラ494とを封入するように構成される。しかしながら、図25に示したように、熱伝導センサ466の検知要素又はトランスデューサ467は、ハウジング596の外部からアクセス可能であり、一般的にハウジング596の外部に近接して位置決めされる。更に、図26に示したように、I/Oインタフェース460は、ハウジング596の外部からアクセス可能となる。
【0109】
図25及び26に示したように、ハウジング596の第一の部分597は、ハウジング596を別のコンポーネントに結合させるように構成される。図27に示したように、センサ装置450は、自動車等のコンポーネント700のいくつかの位置に位置決めされる。センサ装置450a及び450bは、自動車700の燃料システム702に結合され、センサ装置450cは、自動車700の排気システム704に結合される。センサ装置450a、450b、及び450cは、I/Oインタフェース460a、460b、及び460cを介して、自動車700のコンポーネントコントローラ706に接続される。
【0110】
以上、本発明について特定の例示実施形態を参照して詳細に説明してきたが、変形例は、前記特許請求の範囲により画定される本発明の範囲及び趣旨の中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】第一の潜在的漏れ領域を有する被試験部品における漏れを試験するように構成された、本発明の漏れ試験装置の模式図である。
【図2】少なくとも第一及び第二の潜在的漏れ領域を有する被試験部品における漏れを試験するように構成された、図1の漏れ試験装置の模式図である。
【図3】複数のセンサと、複数のセンサを取り付ける固定具とを備えるセンサアレイの斜視図であり、複数のセンサが第一の潜在的漏れ領域を有する被試験部品に隣接して位置決めされ、被試験部品がトルクコンバータであり、第一の潜在的漏れ領域が溶接継手となる斜視図である。
【図4a】複数のセンサのそれぞれの検知要素を示す、図3のセンサアレイ及び固定具の底面図である。
【図4b】図3のセンサアレイ及び固定具の斜視図である。
【図5】被試験部品に隣接したセンサアレイ及び固定具を示す、図3のセンサアレイ、固定具、及び被試験部品の斜視図である。
【図6】第一の潜在的漏れ領域に対する、センサアレイ内の第一のセンサ及び第二のセンサの位置決めを示す、線6−6に沿った図5の断面図である。
【図7】漏れ試験ソフトウェアの第一の例示的実施形態のフローチャートであり、漏れ試験ソフトウェアがセットアップ部及びオペレータ部を有するフローチャートである。
【図8】図7の漏れ試験ソフトウェアのセットアップ部の第一の例示的実施形態を示すフローチャートである。
【図9】図7の漏れ検出ソフトウェアのオペレータ部の第一の例示的実施形態を示すフローチャートである。
【図10】図9に例示した漏れ試験ソフトウェアのオペレータ部の試験ルーチンの第一の例示的実施形態のフローチャートである。
【図11】本発明の漏れ試験装置の実験用センサ出力で、漏れ試験において使用された16個のセンサのうち、五個の出力データを示す第一の例示的漏れ試験に関連する実験データの図である。
【図12】時間の関数としてセンサアレイ内の全センサにより測定されたトレーサガスの平均濃度の直線関係を示す、漏れ試験装置内のセンサのセンサ出力データを示す図である。
【図13a】被試験部品のピクチャに重ねた複数のセンサアイコンの例を示す図である。
【図13b】漏れグラフィックの位置において、被試験部品から生じる漏れの視覚的キューを提供する、被試験部品のピクチャに重ねた図13のセンサアイコンと漏れグラフィックの例とを示す図である。
【図14】トレーサガスの存在を検出するように構成されたデュアルモードセンサ装置の模式図である。
【図15】トレーサガスの存在を検出すると共に、遠隔デバイスに出力信号を提供するように構成されたセンサ装置の模式図である。
【図16】スタンドアロン漏れ検出器となるように構成されたセンサ装置の模式図
【図17】本発明のデュアルモードセンサ装置を示す回路図である。
【図18】図14乃至17のセンサ装置のようなセンサ装置において使用する熱伝導検知要素の斜視図である。
【図19】図18の熱伝導センサを組み込んだ図17のセンサ装置の外部の第一の斜視図である。
【図20】インジケータ及びI/Oインタフェースを示す図17のセンサ装置の外部の第二の斜視図である。
【図21】センサ装置用のセンサソフトウェアの第一の例示的実施形態のフローチャートである。
【図22】図21のセンサソフトウェアの第一の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図23】図21のセンサソフトウェアの第二の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図24】図21のセンサソフトウェアの第三の例示的割り込みルーチンのフローチャートである。
【図25】外部からアクセス可能な検知要素を示す、センサ装置の外部の第一の斜視図である。
【図26】I/Oインタフェースを示す、図25のセンサ装置の外部の第二の斜視図である。
【図27】自動車等のコンポーネントにセンサとして組み込まれた本発明のセンサ装置の模式図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験部品の第一の領域における少なくとも一つの漏れの存在を検出し、前記少なくとも一つの漏れ位置を特定する装置であって、前記第一の領域の第一の側がトレーサガスを包含すると共に前記第一の領域の第二の側より高圧であり、前記トレーサガスが前記少なくとも一つの漏れを介して前記第一の側から前記第二の側へ流出する装置において、
前記第一の領域に近接して位置決めされた複数のセンサにして、漏れから流出するトレーサガスの前記存在を検出して検知信号を送信するようにそれぞれ構成された複数のセンサと、
前記複数のセンサに接続され、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して漏れ検出信号を送信するように構成されたコントローラにして、前記漏れ検出信号は前記複数のセンサの少なくとも前記第一のセンサ及び第二のセンサから受信した前記検知信号に基づいて前記第一の領域における前記漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む、コントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
更に、前記漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたインジケータを備える、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記インジケータは、前記被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとを表示するように構成されたディスプレイを含み、前記センサアイコンは、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記センサアイコンは、前記漏れ位置の視覚的表示を提供する、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記インジケータは、前記被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとを表示するように構成されたディスプレイを含み、前記漏れグラフィックの位置は、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記漏れグラフィックは、前記漏れから流出する前記トレーサガスをシミュレートするように構成されたアニメーショングラフィックである、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記漏れ検出信号は、前記複数のセンサの少なくとも一個のセンサにより前記トレーサガスの閾値量が検出されたという判断に応答して提供される、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記漏れ検出信号は、第一のセンサの表示を含み、前記第一のセンサは、前記少なくとも一つの漏れが前記第一のセンサに近接して位置決めされるという判断に基づいて選択される、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第一のセンサは、前記トレーサガスの最高濃度を検出した前記センサに対応する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記第一のセンサは、前記トレーサガスの前記存在を最初に検出した前記センサに対応する、請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記漏れ検出信号は、前記少なくとも一つの漏れの漏れ速度の表示を含む、請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記複数のセンサは、固定具に結合され、前記固定具は、前記第一の領域を実質的に囲むように構成され、前記少なくとも一つの漏れの前記漏れ速度は、前記複数のセンサにより経時的に検出されたトレーサガスの平均濃度の傾斜を求めることで決定される、請求項11記載の装置。
【請求項13】
第一の領域が漏れを含むかどうかを決定するために被試験部品を監視する方法であって、
複数のセンサを前記第一の領域に近接して配置するステップにして、前記複数のセンサのそれぞれは前記漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して検知信号を送信するように構成される、ステップと、
前記複数のセンサのいずれにより前記トレーサガスが検出されているかを決定するために、前記複数のセンサのそれぞれを監視するステップと、
前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して漏れ検出信号を送信するステップにして、前記漏れ検出信号は前記複数のセンサの少なくとも前記第一のセンサ及び第二のセンサから受信した前記検知信号に基づいて前記第一の領域における前記漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む、ステップと、
を備える方法。
【請求項14】
更に、前記漏れ位置の第一の表示を提供するステップを備える、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとをディスプレイ上に表示するステップを含み、前記センサアイコンは、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとをディスプレイ上に表示するステップを含み、前記漏れグラフィックの位置は、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記複数のセンサを配置する前記ステップは、前記複数のセンサを少なくとも第一の固定具に結合するステップと、前記第一の固定具を前記第一の領域に隣接して位置決めするステップとを備える、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記第一の固定具は、前記漏れから流出するトレーサガスが前記第一の固定具により実質的に保持されるように、前記第一の領域を実質的に囲むように構成される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
更に、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して、漏れ速度信号を提供するステップを備え、前記漏れ速度信号は、前記漏れの前記漏れ速度を表す漏れ速度情報を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記漏れ速度信号を提供する前記ステップは、
前記複数のセンサの平均濃度を決定するステップと、
第一の期間に渡って前記複数のセンサの平均濃度の変化を監視するステップと
経時的な前記平均濃度の変化率を決定するステップと、
平均濃度の変化率を既知の漏れ速度と比較するステップと、を備える、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記漏れ検出信号は、前記漏れ速度を表す情報を含み、前記方法は、更に、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して、漏れ速度の第二の表示を提供するステップを備える、請求項13記載の方法。
【請求項22】
複数のセンサのうちいずれが被試験部品の漏れに近接しているかを決定する漏れ試験用途において使用するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記複数のセンサの位置に対応するデータファイルをロードし、前記複数のセンサのうちいずれが漏れの存在を検出したかを決定するために前記複数のセンサを監視し、前記複数のセンサのうち少なくとも第一のセンサが前記漏れの存在を検出した場合に前記漏れ位置を決定し、前記複数のセンサのうち少なくとも前記第一のセンサが前記漏れの存在を検出した場合に、前記漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたソフトウェア部、
を備える、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品の第一の表現と、前記被試験部品の少なくとも前記第一の表現上に位置決めされた、前記少なくとも第一のセンサの第一のセンサ表現とを提供するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項24】
前記少なくとも第一のセンサの前記視覚的表現は、センサアイコンである、請求項23記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項25】
前記第一のセンサ表現は、前記漏れ位置の前記視覚的表示である、請求項23記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項26】
前記ソフトウェア部は、更に、前記複数のセンサのうち、どのセンサが前記被試験部品から放出されたトレーサガスの最大濃度を検出したかを決定することで、前記漏れ位置を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項27】
前記ソフトウェア部は、更に、前記複数のセンサのうち、どのセンサが前記被試験部品から放出されたトレーサガスの前記存在を最初に検出したかを決定することで、前記漏れ位置を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項28】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品における前記漏れの漏れ速度を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項29】
前記ソフトウェア部は、
前記複数のセンサにより検出されたトレーサガスの平均濃度を決定し、第一の期間に渡り前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの前記平均濃度の変化を監視し、第二の期間に渡り前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの前記平均濃度の変化率を決定し、前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの平均濃度の前記変化率を既知の漏れ速度と比較することにより、前記被試験部品における前記漏れの前記漏れ速度を決定するように構成される、請求項28記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項30】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品の前記第一の表現上で、前記漏れ位置に近接した位置に位置決めされた漏れグラフィックを提供するように構成される、請求項28記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項31】
トレーサガスを含むガスで加圧される被試験部品における漏れの存在を検出するセンサ装置であって、
ハウジングと、
前記トレーサガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成され、その少なくとも第一の部分が前記ハウジングに収容されたセンサと、
前記ハウジングに結合され、アナログ出力に対応する第一の接続及びネットワーク出力に対応する第二の接続を提供するように構成されたI/Oインタフェースと、
前記センサ及び前記I/Oインタフェースに接続され、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラにして、更に、前記I/Oインタフェースの前記第二の接続を介してネットワークが存在するかどうかを決定し、前記ネットワークが存在する場合に前記ネットワークを介して送信するデータパケットを生成するように構成されると共に、前記ハウジングに収容されるセンサコントローラと、
を備えるセンサ装置。
【請求項32】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項31記載のセンサ装置。
【請求項33】
前記熱伝導トランスデューサの一部は、前記ハウジングの外部からアクセス可能であり、前記ハウジングの外部に近接して位置決めされる、請求項32記載のセンサ装置。
【請求項34】
前記ハウジングの前記外部の第一の部分は、固定具に結合されるように構成され、前記固定具は、前記被試験部品に近接して前記センサ装置を位置決めするように構成される、請求項33記載のセンサ装置。
【請求項35】
前記センサコントローラは、第一のネットワークの存在と、少なくとも一つの追加ネットワークの存在とを検出するように構成される、請求項31記載のセンサ装置。
【請求項36】
前記センサコントローラは、前記第一のネットワーク及び前記少なくとも一つの追加ネットワークが存在しない時に、前記第一の接続を介して前記アナログ出力を提供するように構成される、請求項35記載のセンサ装置。
【請求項37】
前記センサ装置は、スタンドアロンの漏れ検出装置であり、前記センサ装置は、更に、前記ハウジング内に位置決めされると共に、少なくともセンサコントローラに結合された電源と、前記ハウジングの前記外部から見えるインジケータとを備え、前記インジケータは、前記トレーサガスの前記存在の表示を提供するように構成される、請求項33記載のセンサ装置。
【請求項38】
ガスの存在を検出するガスセンサ装置であって、
第一の外面を含むハウジングと、
前記ガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成されたセンサにして、前記ガスにより接触可能となるように前記ハウジングの前記第一の外面に近接して位置決めされたトランスデューサ部を含むセンサと、
前記センサに接続されると共に、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、
を備え、
前記センサの少なくとも一部及び前記センサコントローラは、前記ハウジング内に収容される、ガスセンサ装置。
【請求項39】
更に、前記ハウジングに結合されると共に、前記センサコントローラを前記ガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備える、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項40】
前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの量を表す基準化アナログ出力信号であり、前記基準化アナログ出力信号は、前記I/Oインタフェースの第一の接続を介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる、請求項39記載のガスセンサ装置。
【請求項41】
前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの前記量を表すデジタル信号であり、前記デジタル信号は、前記I/Oインタフェースの第二の接続を介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる、請求項39記載のガスセンサ装置。
【請求項42】
前記I/Oインタフェースは、更に、前記センサコントローラから前記デジタル信号を受信して、前記デジタル信号を含むデータパケットを生成及び送信するように構成された少なくとも一つのトランシーバを含む、請求項41記載のガスセンサ装置。
【請求項43】
前記ガスセンサ装置は、CANネットワークに接続され、前記I/Oインタフェースは、CANトランシーバ及びCANコントローラを含み、前記CANトランシーバにより生成された前記データパケットは、前記CANネットワークを介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスにより読み取り可能である、請求項42記載のガスセンサ装置。
【請求項44】
前記ガスセンサ装置は、RS−485接続を介して前記少なくとも一つのリモートデバイスに接続され、前記少なくとも一つのトランシーバは、前記RS−485接続を介して前記少なくとも一つのリモートデバイスにより読み取り可能となるデータパケットを生成するように構成される、請求項42記載のガスセンサ装置。
【請求項45】
更に、可視表示信号を提供するように構成されたインジケータを備え、前記可視表示信号は前記ガスの前記存在を表し、前記可視表示信号は前記ハウジングの前記外部から見ることができる、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項46】
前記センサコントローラは、閾値を含み、前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの前記量が前記閾値を上回るかどうかの表示を含む、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項47】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項48】
前記ガスセンサ装置は、更に、前記センサコントローラを前記ガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備え、前記ガスセンサ装置の前記ハウジングは、コンポーネントに結合される、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項49】
前記コンポーネントは、自動車であり、前記I/Oインタフェースは、前記ガスセンサ装置を前記自動車のコンポーネントコントローラに接続する、請求項48記載のガスセンサ装置。
【請求項50】
前記ガスセンサ装置の前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項49記載のガスセンサ装置。
【請求項51】
ネットワークで使用するセンサ装置であって、
ハウジングと、
トレーサガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成されたセンサにして、前記トレーサガスにより接触可能となるように位置決めされた第一の検知部を含むセンサと、
前記センサに接続されると共に、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、
前記センサコントローラに接続されると共に、前記センサコントローラにより生成された前記出力信号に基づく情報を含むネットワークデータパケットを生成するように構成されたネットワークコントローラと、
前記ネットワークコントローラに接続され、前記センサ装置を前記ネットワークに接続すべく構成されたネットワークインタフェースと、
を備え、
前記ハウジングは、前記センサの少なくとも第一の部分、前記センサコントローラ、及び前記ネットワークコントローラを収容するように構成される、センサ装置。
【請求項52】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項51記載のセンサ装置。
【請求項53】
前記センサは、前記熱伝導トランスデューサにより検出された前記トレーサガスの量に基づいて前記検知信号を生成する、請求項52記載のセンサ装置。
【請求項54】
更に、前記センサコントローラに結合されたインジケータを備え、前記インジケータは、前記センサ装置に関連するステータス情報を提供するように構成された第一のインジケータと、前記トレーサガスの前記存在の表示を提供するように構成された第二のインジケータとを含む、請求項51記載のセンサ装置。
【請求項1】
被試験部品の第一の領域における少なくとも一つの漏れの存在を検出し、前記少なくとも一つの漏れ位置を特定する装置であって、前記第一の領域の第一の側がトレーサガスを包含すると共に前記第一の領域の第二の側より高圧であり、前記トレーサガスが前記少なくとも一つの漏れを介して前記第一の側から前記第二の側へ流出する装置において、
前記第一の領域に近接して位置決めされた複数のセンサにして、漏れから流出するトレーサガスの前記存在を検出して検知信号を送信するようにそれぞれ構成された複数のセンサと、
前記複数のセンサに接続され、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して漏れ検出信号を送信するように構成されたコントローラにして、前記漏れ検出信号は前記複数のセンサの少なくとも前記第一のセンサ及び第二のセンサから受信した前記検知信号に基づいて前記第一の領域における前記漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む、コントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
更に、前記漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたインジケータを備える、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記インジケータは、前記被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとを表示するように構成されたディスプレイを含み、前記センサアイコンは、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記センサアイコンは、前記漏れ位置の視覚的表示を提供する、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記インジケータは、前記被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとを表示するように構成されたディスプレイを含み、前記漏れグラフィックの位置は、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記漏れグラフィックは、前記漏れから流出する前記トレーサガスをシミュレートするように構成されたアニメーショングラフィックである、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記漏れ検出信号は、前記複数のセンサの少なくとも一個のセンサにより前記トレーサガスの閾値量が検出されたという判断に応答して提供される、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記漏れ検出信号は、第一のセンサの表示を含み、前記第一のセンサは、前記少なくとも一つの漏れが前記第一のセンサに近接して位置決めされるという判断に基づいて選択される、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第一のセンサは、前記トレーサガスの最高濃度を検出した前記センサに対応する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記第一のセンサは、前記トレーサガスの前記存在を最初に検出した前記センサに対応する、請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記漏れ検出信号は、前記少なくとも一つの漏れの漏れ速度の表示を含む、請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記複数のセンサは、固定具に結合され、前記固定具は、前記第一の領域を実質的に囲むように構成され、前記少なくとも一つの漏れの前記漏れ速度は、前記複数のセンサにより経時的に検出されたトレーサガスの平均濃度の傾斜を求めることで決定される、請求項11記載の装置。
【請求項13】
第一の領域が漏れを含むかどうかを決定するために被試験部品を監視する方法であって、
複数のセンサを前記第一の領域に近接して配置するステップにして、前記複数のセンサのそれぞれは前記漏れから流出するトレーサガスの存在を検出して検知信号を送信するように構成される、ステップと、
前記複数のセンサのいずれにより前記トレーサガスが検出されているかを決定するために、前記複数のセンサのそれぞれを監視するステップと、
前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して漏れ検出信号を送信するステップにして、前記漏れ検出信号は前記複数のセンサの少なくとも前記第一のセンサ及び第二のセンサから受信した前記検知信号に基づいて前記第一の領域における前記漏れ位置を表す漏れ検出情報を含む、ステップと、
を備える方法。
【請求項14】
更に、前記漏れ位置の第一の表示を提供するステップを備える、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされたセンサアイコンとをディスプレイ上に表示するステップを含み、前記センサアイコンは、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第一の表示は、被試験部品の第一の表現と、前記第一の表現上に位置決めされた漏れグラフィックとをディスプレイ上に表示するステップを含み、前記漏れグラフィックの位置は、前記漏れ位置に近接した第一のセンサの位置に対応する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記複数のセンサを配置する前記ステップは、前記複数のセンサを少なくとも第一の固定具に結合するステップと、前記第一の固定具を前記第一の領域に隣接して位置決めするステップとを備える、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記第一の固定具は、前記漏れから流出するトレーサガスが前記第一の固定具により実質的に保持されるように、前記第一の領域を実質的に囲むように構成される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
更に、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して、漏れ速度信号を提供するステップを備え、前記漏れ速度信号は、前記漏れの前記漏れ速度を表す漏れ速度情報を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記漏れ速度信号を提供する前記ステップは、
前記複数のセンサの平均濃度を決定するステップと、
第一の期間に渡って前記複数のセンサの平均濃度の変化を監視するステップと
経時的な前記平均濃度の変化率を決定するステップと、
平均濃度の変化率を既知の漏れ速度と比較するステップと、を備える、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記漏れ検出信号は、前記漏れ速度を表す情報を含み、前記方法は、更に、前記複数のセンサの少なくとも第一のセンサが前記トレーサガスの前記存在を検出することに応答して、漏れ速度の第二の表示を提供するステップを備える、請求項13記載の方法。
【請求項22】
複数のセンサのうちいずれが被試験部品の漏れに近接しているかを決定する漏れ試験用途において使用するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記複数のセンサの位置に対応するデータファイルをロードし、前記複数のセンサのうちいずれが漏れの存在を検出したかを決定するために前記複数のセンサを監視し、前記複数のセンサのうち少なくとも第一のセンサが前記漏れの存在を検出した場合に前記漏れ位置を決定し、前記複数のセンサのうち少なくとも前記第一のセンサが前記漏れの存在を検出した場合に、前記漏れ位置の視覚的表示を提供するように構成されたソフトウェア部、
を備える、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品の第一の表現と、前記被試験部品の少なくとも前記第一の表現上に位置決めされた、前記少なくとも第一のセンサの第一のセンサ表現とを提供するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項24】
前記少なくとも第一のセンサの前記視覚的表現は、センサアイコンである、請求項23記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項25】
前記第一のセンサ表現は、前記漏れ位置の前記視覚的表示である、請求項23記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項26】
前記ソフトウェア部は、更に、前記複数のセンサのうち、どのセンサが前記被試験部品から放出されたトレーサガスの最大濃度を検出したかを決定することで、前記漏れ位置を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項27】
前記ソフトウェア部は、更に、前記複数のセンサのうち、どのセンサが前記被試験部品から放出されたトレーサガスの前記存在を最初に検出したかを決定することで、前記漏れ位置を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項28】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品における前記漏れの漏れ速度を決定するように構成される、請求項22記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項29】
前記ソフトウェア部は、
前記複数のセンサにより検出されたトレーサガスの平均濃度を決定し、第一の期間に渡り前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの前記平均濃度の変化を監視し、第二の期間に渡り前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの前記平均濃度の変化率を決定し、前記複数のセンサにより検出された前記トレーサガスの平均濃度の前記変化率を既知の漏れ速度と比較することにより、前記被試験部品における前記漏れの前記漏れ速度を決定するように構成される、請求項28記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項30】
前記ソフトウェア部は、更に、前記被試験部品の前記第一の表現上で、前記漏れ位置に近接した位置に位置決めされた漏れグラフィックを提供するように構成される、請求項28記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項31】
トレーサガスを含むガスで加圧される被試験部品における漏れの存在を検出するセンサ装置であって、
ハウジングと、
前記トレーサガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成され、その少なくとも第一の部分が前記ハウジングに収容されたセンサと、
前記ハウジングに結合され、アナログ出力に対応する第一の接続及びネットワーク出力に対応する第二の接続を提供するように構成されたI/Oインタフェースと、
前記センサ及び前記I/Oインタフェースに接続され、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラにして、更に、前記I/Oインタフェースの前記第二の接続を介してネットワークが存在するかどうかを決定し、前記ネットワークが存在する場合に前記ネットワークを介して送信するデータパケットを生成するように構成されると共に、前記ハウジングに収容されるセンサコントローラと、
を備えるセンサ装置。
【請求項32】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項31記載のセンサ装置。
【請求項33】
前記熱伝導トランスデューサの一部は、前記ハウジングの外部からアクセス可能であり、前記ハウジングの外部に近接して位置決めされる、請求項32記載のセンサ装置。
【請求項34】
前記ハウジングの前記外部の第一の部分は、固定具に結合されるように構成され、前記固定具は、前記被試験部品に近接して前記センサ装置を位置決めするように構成される、請求項33記載のセンサ装置。
【請求項35】
前記センサコントローラは、第一のネットワークの存在と、少なくとも一つの追加ネットワークの存在とを検出するように構成される、請求項31記載のセンサ装置。
【請求項36】
前記センサコントローラは、前記第一のネットワーク及び前記少なくとも一つの追加ネットワークが存在しない時に、前記第一の接続を介して前記アナログ出力を提供するように構成される、請求項35記載のセンサ装置。
【請求項37】
前記センサ装置は、スタンドアロンの漏れ検出装置であり、前記センサ装置は、更に、前記ハウジング内に位置決めされると共に、少なくともセンサコントローラに結合された電源と、前記ハウジングの前記外部から見えるインジケータとを備え、前記インジケータは、前記トレーサガスの前記存在の表示を提供するように構成される、請求項33記載のセンサ装置。
【請求項38】
ガスの存在を検出するガスセンサ装置であって、
第一の外面を含むハウジングと、
前記ガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成されたセンサにして、前記ガスにより接触可能となるように前記ハウジングの前記第一の外面に近接して位置決めされたトランスデューサ部を含むセンサと、
前記センサに接続されると共に、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、
を備え、
前記センサの少なくとも一部及び前記センサコントローラは、前記ハウジング内に収容される、ガスセンサ装置。
【請求項39】
更に、前記ハウジングに結合されると共に、前記センサコントローラを前記ガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備える、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項40】
前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの量を表す基準化アナログ出力信号であり、前記基準化アナログ出力信号は、前記I/Oインタフェースの第一の接続を介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる、請求項39記載のガスセンサ装置。
【請求項41】
前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの前記量を表すデジタル信号であり、前記デジタル信号は、前記I/Oインタフェースの第二の接続を介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスで利用可能となる、請求項39記載のガスセンサ装置。
【請求項42】
前記I/Oインタフェースは、更に、前記センサコントローラから前記デジタル信号を受信して、前記デジタル信号を含むデータパケットを生成及び送信するように構成された少なくとも一つのトランシーバを含む、請求項41記載のガスセンサ装置。
【請求項43】
前記ガスセンサ装置は、CANネットワークに接続され、前記I/Oインタフェースは、CANトランシーバ及びCANコントローラを含み、前記CANトランシーバにより生成された前記データパケットは、前記CANネットワークを介して、前記少なくとも一つのリモートデバイスにより読み取り可能である、請求項42記載のガスセンサ装置。
【請求項44】
前記ガスセンサ装置は、RS−485接続を介して前記少なくとも一つのリモートデバイスに接続され、前記少なくとも一つのトランシーバは、前記RS−485接続を介して前記少なくとも一つのリモートデバイスにより読み取り可能となるデータパケットを生成するように構成される、請求項42記載のガスセンサ装置。
【請求項45】
更に、可視表示信号を提供するように構成されたインジケータを備え、前記可視表示信号は前記ガスの前記存在を表し、前記可視表示信号は前記ハウジングの前記外部から見ることができる、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項46】
前記センサコントローラは、閾値を含み、前記センサコントローラの前記出力信号は、前記センサにより検出された前記ガスの前記量が前記閾値を上回るかどうかの表示を含む、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項47】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項48】
前記ガスセンサ装置は、更に、前記センサコントローラを前記ガスセンサ装置から離れた少なくとも一つのデバイスに接続するように構成されたI/Oインタフェースを備え、前記ガスセンサ装置の前記ハウジングは、コンポーネントに結合される、請求項38記載のガスセンサ装置。
【請求項49】
前記コンポーネントは、自動車であり、前記I/Oインタフェースは、前記ガスセンサ装置を前記自動車のコンポーネントコントローラに接続する、請求項48記載のガスセンサ装置。
【請求項50】
前記ガスセンサ装置の前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項49記載のガスセンサ装置。
【請求項51】
ネットワークで使用するセンサ装置であって、
ハウジングと、
トレーサガスの存在を検出して検知信号を生成するように構成されたセンサにして、前記トレーサガスにより接触可能となるように位置決めされた第一の検知部を含むセンサと、
前記センサに接続されると共に、前記センサにより生成された前記検知信号に基づいて出力信号を生成するように構成されたセンサコントローラと、
前記センサコントローラに接続されると共に、前記センサコントローラにより生成された前記出力信号に基づく情報を含むネットワークデータパケットを生成するように構成されたネットワークコントローラと、
前記ネットワークコントローラに接続され、前記センサ装置を前記ネットワークに接続すべく構成されたネットワークインタフェースと、
を備え、
前記ハウジングは、前記センサの少なくとも第一の部分、前記センサコントローラ、及び前記ネットワークコントローラを収容するように構成される、センサ装置。
【請求項52】
前記センサは、熱伝導トランスデューサを含む、請求項51記載のセンサ装置。
【請求項53】
前記センサは、前記熱伝導トランスデューサにより検出された前記トレーサガスの量に基づいて前記検知信号を生成する、請求項52記載のセンサ装置。
【請求項54】
更に、前記センサコントローラに結合されたインジケータを備え、前記インジケータは、前記センサ装置に関連するステータス情報を提供するように構成された第一のインジケータと、前記トレーサガスの前記存在の表示を提供するように構成された第二のインジケータとを含む、請求項51記載のセンサ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2006−522335(P2006−522335A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508819(P2006−508819)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/005508
【国際公開番号】WO2004/081519
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
イーサネット
【出願人】(505335843)シンシナティ テスト システムズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/005508
【国際公開番号】WO2004/081519
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
イーサネット
【出願人】(505335843)シンシナティ テスト システムズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]