説明

ガスワイピング装置

【課題】帯鋼に反りやねじれあるいは振動が発生しても、帯鋼の幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを簡易な構成にて、防止することができるガスワイピング装置を提供することにある。
【解決手段】溶融金属めっき浴11から連続して引き上げられる帯鋼Sに対し、ワイピングノズル13からワイピングガスを吹き付けることにより、帯鋼の表面に余剰に付着した溶融金属を除去して、帯鋼を所定のめっき付着量に制御するガスワイピング装置10であって、対向するワイピングノズル間に搬送される帯鋼の幅方向端面に対向して離間配置され、帯鋼の板厚方向に移動可能なバッフルブロック14を備え、バッフルブロックを帯鋼の板厚方向に移動してバッフルブロックの先端面部14aがワイピングノズルの先端部13aに当接することにより、帯鋼の幅方向端面の外側の空間におけるワイピングノズルを閉塞するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に搬送される帯鋼に対し、ワイピングガスを吹き付けることにより、その表面に余剰に付着した溶融金属を除去して、帯鋼表面のめっき付着量を調整するガスワイピング装置に関し、特に帯鋼のエッジ部におけるめっき付着量が多くなる、いわゆるエッジオーバーコートを防止するガスワイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスワイピング法では、対向するワイピングノズル間に搬送される帯鋼のエッジ部の外方にプレートを設置して仮想の板幅を拡げる、いわゆる、バッフルプレートと称せられるものを設けている。このバッフルプレートは、帯鋼の幅方向端面と僅かな隙間を有して配置されており、現在の帯鋼の幅方向端面に追随して位置が変更されるようになっている。これにより、バッフルプレートを帯鋼と略同一面をなすように移動させて、そのエッジ部の外側空間におけるワイピングガス流同士の衝突を遮断して、エッジ付近のガス流の乱れを抑制してエッジオーバーコートを防止している。
【0003】
このような、バッフルプレートを設けた従来のガスワイピング装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−91630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ライン張力や各種サポートロールによる拘束力等の諸条件によって、帯鋼には反りやねじれあるいは板厚方向の振動(揺れ)が発生する場合がある。特許文献1記載のガスワイピング装置では、帯鋼に反りやねじれが発生すると、帯鋼に対してバッフルプレートを精度良く追随させることができるものの、バッフルプレートを精度良く位置決めするための機器および制御が複雑化してしまう。また、帯鋼の振動に対し、バッフルプレートの追随が遅れると、オーバーコートが増加し製品品質が低下する。
【0006】
以上のことから、本発明は、前述した課題を解決するために為されたもので、帯鋼に反りやねじれあるいは振動が発生しても、帯鋼の幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを簡易な構成にて、防止することができるガスワイピング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する第1の発明に係るガスワイピング装置は、
溶融金属めっき浴から連続して引き上げられる帯鋼に対し、ワイピングノズルからワイピングガスを吹き付けることにより、帯鋼の表面に余剰に付着した溶融金属を除去して、帯鋼を所定のめっき付着量に制御するガスワイピング装置であって、
対向する前記ワイピングノズル間に搬送される帯鋼の幅方向端面に対向して離間配置され、前記帯鋼の板厚方向に移動可能なバッフルブロックを備え、
前記バッフルブロックを前記帯鋼の板厚方向に移動して当該バッフルブロックの先端面部が前記ワイピングノズルの先端部に当接することにより、前記帯鋼の幅方向端面の外側の空間における前記ワイピングノズルを閉塞する
ことを特徴とする。
【0008】
上述した課題を解決する第2の発明に係るガスワイピング装置は、
第1の発明に係るガスワイピング装置であって、
前記帯鋼の幅方向端面の位置を検出する板端位置検出手段と、
前記バッフルブロックを前記帯鋼の幅方向に移動する幅方向移動手段とを備え、
前記幅方向移動手段は、前記板端位置検出手段で検出した前記帯鋼の幅方向端面の位置に応じて、前記バッフルブロックを前記帯鋼の幅方向に移動させる
ことを特徴とする。
【0009】
上述した課題を解決する第3の発明に係るガスワイピング装置は、
第1の発明に係るガスワイピング装置であって、
前記バッフルブロックは、前記一対のワイピングノズルのそれぞれの上方に配置され、前記帯鋼の幅方向に移動可能な静圧発生手段に設置される
ことを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決する第4の発明に係るガスワイピング装置は、
第3の発明に係るガスワイピング装置であって、
前記静圧発生手段に、前記バッフルブロックを前記帯鋼の板厚方向に移動する板厚方向移動手段が設けられる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るガスワイピング装置によれば、帯鋼のエッジ部にオーバーコートが発生する原因である、帯鋼の幅方向端部よりも外側でのワイピングガス同士の衝突によるガス流の乱れを、該部分のノズルをバッフルブロックで閉塞することにより排除することができる。したがって、オーバーコートを生じる原因の元を断っているので、帯鋼に反りやねじれ、あるいは板厚方向に動く振動が生じても、この動きに追随してバッフルブロックを動かすことなく、帯鋼の幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを防止することができる。よって、簡易な構成で、帯鋼の幅方向端面近傍におけるエッジオーバーコートを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係るガスワイピング装置を備えた溶融金属めっき設備の概略図である。
【図2】ガスワイピング装置にてワイピングノズル先端を開放した状態の説明図であって、図2(a)にその平面を示し、図2(b)に図2(a)のII−II矢視断面を示す。
【図3】ガスワイピング装置にてワイピングノズル先端を閉塞した状態の説明図であって、図3(a)にその平面を示し、図3(b)に図3(a)のIII−III矢視断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施例に係るガスワイピング装置について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。図2(a)および図3(a)にて、図中上方に駆動側を示し、図中下方に作業側を示す。
【0014】
図1に示す溶融金属めっき設備1は、溶融金属めっき鋼板を製造する図示しない溶融金属めっき鋼板製造ラインに設けられるものであって、連続的に搬送される帯鋼Sに対して、例えば、亜鉛やアルミニウム等の溶融金属をめっきするものである。
【0015】
図1に示すように、溶融金属めっき設備1の下方には、高温に保持された溶融金属が貯留されるめっき浴11が配置されている。めっき浴11内には、シンクロール12が回転可能に支持されており、めっき浴11内に浸漬された帯鋼Sは、このシンクロール12に巻き掛けられることにより、略鉛直上方に方向転換される。
【0016】
めっき浴11の浴面上方には、ガスワイピング装置10が設けられている。ガスワイピング装置10は、一対のワイピングノズル13と、帯鋼の幅方向両端面の外側の空間におけるワイピングノズル13の先端部13aを閉塞するバッフルブロック14とを具備する。
【0017】
一対のワイピングノズル13は、帯鋼Sの板厚方向(以下、Z軸方向と称す)から挟むように対向配置されている。このワイピングノズル13は、帯鋼Sの幅方向(以下、X軸方向と称す)及びZ軸方向や鉛直方向(以下、Y軸方向と称す)に移動可能に支持されると共に、水平面内において回転可能に支持されている。
【0018】
ワイピングノズル13は、図2(b)および図3(b)に示すように、その先端側縦断面が鋭角形状を有する中空構造となっている。ワイピングノズル13の先端部13a側には、帯鋼Sに向かうに従い下方に傾斜する上傾斜面部13bと、帯鋼Sに向かうに従って上方に傾斜する下傾斜面部13cとが形成されている。ワイピングノズル13における上傾斜面部13bと下傾斜面部13cとからなる先端部13aには、スリット(噴射口)13dが形成されている。スリット13dは、帯鋼Sの搬送方向と直交し、且つ、ワイピングノズル13の幅方向全領域に亘って開口しており、ワイピングノズル13の内部に形成されているチャンバ(図示せず)と連通している。チャンバには、図示しないワイピングガス供給装置が接続されている。すなわち、ワイピングガス供給装置によりワイピングガスがチャンバ内に供給され、スリット13dから溶融金属が付着した帯鋼Sに対してそのワイピングガスが噴射される。これにより、帯鋼Sの表面に余剰に付着した溶融金属が除去され、帯鋼表面のめっき付着量が調整されることになる。なお、噴射されるワイピングガスのガス量およびガス圧は、ワイピングガス供給装置により制御されるようになっている。
【0019】
一対のワイピングノズル13のそれぞれの上方には、帯鋼Sをこの板厚方向から挟むように対向配置される一対のクッションパッド(ガイド部材)15が設けられている。一対のクッションパッド15は、溶融金属めっき設備1に架設されている架台(架構)16に帯鋼Sの幅方向スライド用直線運動案内装置(帯鋼Sの幅方向移動手段)21および図示しない帯鋼Sの板厚方向スライド用直線運動案内装置(帯鋼Sの板厚方向移動手段)を介して取り付けられている。クッションパッド15には、帯鋼Sの幅方向に加圧する幅方向加圧シリンダ(図示せず)、および帯鋼Sの板厚方向に加圧する板厚方向加圧シリンダ(図示せず)が設けられている。これにより、一対のクッションパッド15は、それぞれ帯鋼Sの幅方向および帯鋼Sの板厚方向に移動可能になっている。なお、これら直線運動案内装置としては、スライダとガイドレールからなるLMガイド(登録商標)等が挙げられる。
【0020】
クッションパッド15は、帯鋼Sに向かうに従って下方に傾斜する下傾斜面部(案内手段、案内板)15aと、搬送される帯鋼Sと対向し、且つ、その帯鋼Sの搬送方向に延在する鉛直面部(静圧発生手段)15bとを有している。
【0021】
また、ワイピングノズル13の上傾斜面部13bとクッションパッド15の下傾斜面部15aとは、所定の隙間を有して対向配置されており、この対向する上傾斜面部13bと下傾斜面部15aとによって、巻き込み流路17が形成されている。すなわち、巻き込み流路17は、帯鋼Sに向かうに従って下方に傾斜し、且つ、ワイピングノズル13の先端部13aにおいて、そのスリット13dと交差するように形成されている。よって、巻き込み流路17は、噴射されたワイピングガスに随伴する雰囲気ガス(例えば、空気、あるいは、水素や窒素等からなる酸化防止ガス)をスリット13dの開口部先端近傍に案内し、噴射するワイピングガスと共に帯鋼Sの表面に衝突させるガス案内機構を有している。
【0022】
一方のクッションパッド15における作業側の側端部、および他方のクッションパッド15における駆動側の側端部には、上述したバッフルブロック14を支持するバッフルブロック支持部15cと、このバッフルブロック14を帯鋼Sの板厚方向に移動するシリンダ22を支持するシリンダ支持部15dとがそれぞれ設けられている。バッフルブロック14は、直線運動案内装置23を介して、バッフルブロック支持部15cに支持されている。バッフルブロック14は、略直方体状であって、搬送される帯鋼Sと対向し、且つ、その帯鋼Sの搬送方向に延在する鉛直面部(先端面部)14aと、帯鋼Sに向かうに従って下方に傾斜するように形成される下傾斜面部(摺動部)14bとを有している。バッフルブロック14の幅方向の大きさ(図2(a)および図3(a)にて上下方向の大きさ)は、20mm以上である。これにより、ワイピングノズル13の先端部13aにバッフルブロック14の鉛直面部14aを当接したときに、帯鋼Sの幅方向端面の外側にて、バッフルブロック14による閉塞箇所よりさらに外側から噴射したワイピングガスの帯鋼S側へのまわり込みを防止できる。なお、直線運動案内装置23としては、スライダとガイドレールからなるLMガイド(登録商標)等が挙げられる。
【0023】
シリンダ22は、固定具24を介してシリンダ支持部15dに支持されている。シリンダ22のピストンロッド22aは、リンク機構25を介してバッフルブロック14の後端部14cと接続している。シリンダ22には油圧給排装置(図示せず)が接続されている。
【0024】
よって、ピストンロッド22aが伸張することにより、バッフルブロック14がワイピングノズル13の上傾斜面部13bに沿って帯鋼S側に進行し、対向配置されるクッションパッド15の鉛直面部15bに当接すると共に、対向配置されるワイピングノズル13の先端部13aに当接する。これにより、帯鋼Sの幅方向端面の外方におけるワイピングノズル13のスリット13dが閉塞されることなり、帯鋼Sの幅方向端部よりも外側でのワイピングガス同士の衝突によるガス流の乱れを排除することができる。このようにオーバーコートを生じる原因の元を断っているので、帯鋼Sの幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを防止することができる。ピストンロッド22aが収縮することにより、バッフルブロック14がワイピングノズル13の上傾斜面部13bに沿って帯鋼Sから離間する方向へ移動し(帯鋼Sに対して後進し)、ワイピングノズル13のスリット13dが開放される。このように、一方のクッションパッド15の作業側および他方のクッションパッド15の駆動側のそれぞれにバッフルブロック14を設けることにより、帯鋼Sに対してバッフルブロック14の位置を個別に制御することができる。
【0025】
クッションパッド15の上方には、帯鋼Sの幅方向端面の位置を検出する板端位置検出センサ(板端位置検出手段)31が設けられている。板端位置検出センサ31は、図示しない制御装置に接続され、板端位置検出センサ31で検出されたデータは制御装置に伝送されている。制御装置は、上述した幅方向加圧シリンダに接続しており、板端位置検出センサ31で検出されたデータに基づき幅方向加圧シリンダにより帯鋼Sの幅方向スライド用直線運動案内装置21上にてクッションパッド15の位置を制御している。これに伴い、バッフルブロック14の位置も制御される。
【0026】
ここで、上述した構成のガスワイピング装置10により、ワイピングノズル13の先端部13aを閉塞した状態と、ワイピングノズル13の先端部13aを開放した状態について図2および図3を用いて説明する。
【0027】
まず、ガスワイピング装置10により、ワイピングノズル13の先端部13aを閉塞した状態にする際には、図3に示すように、板端位置検出センサ31により検出された帯鋼Sの幅方向端面のデータに基づき、クッションパッド15をそれぞれ移動してバッフルブロック14をそれぞれ帯鋼Sの幅方向端面との間に隙間dを有して配置する。そして、シリンダ22へ油圧を給排して、シリンダ22のピストンロッド22aが伸張することにより、バッフルブロック14の鉛直面部14aが当該バッフルブロック14に対向配置されるクッションパッド15の鉛直面部15bに当接すると共に、当該バッフルブロック14に対向配置されるワイピングノズル13の先端部13aに当接する。これにより、帯鋼Sの幅方向端面の外方におけるワイピングノズル13のスリット13dが閉塞される。その結果、対向するワイピングノズル13のスリット13dから噴射されるワイピングガス同士の衝突がなくなり、エッジオーバーコートが防止される。
【0028】
他方、ガスワイピング装置10により、ワイピングノズル13の先端部13aを開放した状態にする際には、図2に示すように、シリンダ22へ油圧を給排して、シリンダ22のピストンロッド22aが収縮することにより、バッフルブロック14の鉛直面部14aが当該バッフルブロック14に対向するワイピングノズル13の先端部13aから離間する。これにより、ワイピングノズル13のスリット13dが開放される。よって、バッフルブロック14を帯鋼Sの幅方向に移動する際に、バッフルブロック14がワイピングノズル13の先端部13aと接触することによる摩耗を回避できる。
【0029】
したがって、本実施例に係るガスワイピング装置10によれば、帯鋼Sのエッジ部にオーバーコートが発生する原因である、帯鋼Sの幅方向端部よりも外側でのワイピングガス同士の衝突によるガス流の乱れを、該部分のノズル13をバッフルブロック14で閉塞することにより排除することができる。したがって、オーバーコートを生じる原因の元を断っているので、帯鋼Sに反りやねじれ、あるいは板厚方向に動く振動が生じても、この動きに追随してバッフルブロック14を動かすことなく、帯鋼Sの幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを防止することができる。よって、簡易な構成で、帯鋼Sの幅方向端面近傍におけるエッジオーバーコートを防止することができる。
【0030】
板端位置検出センサ31により検出された帯鋼Sの幅方向端面のデータに基づき、クッションパッド15を帯鋼Sの幅方向に移動することができるため、帯鋼Sの蛇行や板幅変更があっても、バッフルブロック14を帯鋼Sの幅方向端面に対向配置して、帯鋼Sの幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートの防止を効率的に図ることができる。
【0031】
バッフルブロック14を帯鋼Sの幅方向に移動可能なクッションパッド15に設置することにより、バッフルブロック14の帯鋼Sの幅方向への移動機構を別途設置する必要が無く、装置の大型化を抑制できる。
【0032】
また、クッションパッド15に、バッフルブロック14を帯鋼Sの板厚方向に移動させる移動機構(直線運動案内装置23およびリンク機構25ならびにシリンダ22)が設けられることにより、めっき条件(例えば、めっきの厚みや板厚など)に応じてワイピングノズル間の大きさが変わっても、バッフルブロック14の進行量を調整して、当該バッフルブロック14に対向配置するワイピングノズル13のスリット13dを閉塞することができる。
【0033】
上記では、クッションパッド15に移動可能に設けられたバッフルブロック14を具備するガスワイピング装置10を用いて説明したが、ガスワイピングノズルに移動可能に設けられたバッフルブロックを具備するガスワイピング装置としたり、架台に移動可能に設けられたバッフルブロックを具備するガスワイピング装置としたりすることも可能である。このようなガスワイピング装置であっても、上述したガスワイピング装置10と同様な作用効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るガスワイピング装置によれば、帯鋼に反りやねじれが発生しても、帯鋼の幅方向端面近傍における、エッジオーバーコートを簡易な構成にて、防止することができるため、溶融金属めっき鋼板の製造業などにて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 溶融金属めっき設備
10 ガスワイピング装置
11 めっき浴
12 シンクロール
13 ワイピングノズル
13d スリット
14 バッフルブロック
15 クッションパッド
16 架台(架構)
21 直線運動案内装置
22 シリンダ
23 直線運動案内装置
25 リンク機構
31 板端位置検出センサ
S 帯鋼
W 帯鋼の幅方向の大きさ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属めっき浴から連続して引き上げられる帯鋼に対し、ワイピングノズルからワイピングガスを吹き付けることにより、帯鋼の表面に余剰に付着した溶融金属を除去して、帯鋼を所定のめっき付着量に制御するガスワイピング装置であって、
対向する前記ワイピングノズル間に搬送される帯鋼の幅方向端面に対向して離間配置され、前記帯鋼の板厚方向に移動可能なバッフルブロックを備え、
前記バッフルブロックを前記帯鋼の板厚方向に移動して当該バッフルブロックの先端面部が前記ワイピングノズルの先端部に当接することにより、前記帯鋼の幅方向端面の外側の空間における前記ワイピングノズルを閉塞する
ことを特徴とするガスワイピング装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたガスワイピング装置であって、
前記帯鋼の幅方向端面の位置を検出する板端位置検出手段と、
前記バッフルブロックを前記帯鋼の幅方向に移動する幅方向移動手段とを備え、
前記幅方向移動手段は、前記板端位置検出手段で検出した前記帯鋼の幅方向端面の位置に応じて、前記バッフルブロックを前記帯鋼の幅方向に移動させる
ことを特徴とするガスワイピング装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたガスワイピング装置であって、
前記バッフルブロックは、前記一対のワイピングノズルのそれぞれの上方に配置され、前記帯鋼の幅方向に移動可能な静圧発生手段に設置される
ことを特徴とするガスワイピング装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたガスワイピング装置であって、
前記静圧発生手段に、前記バッフルブロックを前記帯鋼の板厚方向に移動する板厚方向移動手段が設けられる
ことを特徴とするガスワイピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−26022(P2012−26022A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168757(P2010−168757)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(502251784)三菱日立製鉄機械株式会社 (130)
【Fターム(参考)】