説明

ガス分離方法及びガス分離装置

【課題】複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから特定ガスを安価で効率的に分離することができるガス分離方法及びガス分離装置を提供する。
【解決手段】複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスを充填材が充填されたカラムに流通させて各特定ガスを分離し、複数のカラムを順次利用して各特定ガスを連続的に分離するガス分離方法及びガス分離装置において、被処理ガスの各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、被処理ガスの各カラムへの供給時間を、未分離混合ガスの各カラムからの排出時間以上とすることにより、各特定ガスを安価で効率的に分離することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを分離するガス分離方法及びガス分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造工程、液晶製造工程等では、その工程に応じて、各種のガスが利用されている。例えば、ドライエッチング工程や薄膜形成工程などにおいて、CF,NF,C,C,SF,CHF,COFなどのフッ素を含む化合物であるPFC(perfluoro compound)ガスが反応性ガスとして使用され、これらを含む排ガスが生じる。
【0003】
これらPFCガスなどの排ガスは温暖化係数が高く、そのまま系外に排出することは好ましくないため、各種の処理方法で処理される。このような処理方法としては、(1)燃焼式、触媒式、吸着式、プラズマ分解式などの除害処理によりPFCガスを分解、除害する除害方法が知られている。また、(2)これらのガスを膜によって分離する膜分離方法、(3)ガスの沸点の相違を利用して分離する深冷分離方法、(4)各種充填材を使用したクロマトカラムを利用して排ガスからPFCガスを分離するクロマト分離方法等により分離したPFCガスを再利用する方法も提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、複数成分のPFC等の特定ガスを含有する被処理ガスから特定ガスを分離するガス分離装置であって、活性炭が充填されたカラムを利用して被処理ガスをクロマト分離する分離手段を有するガス分離装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−273144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記(1)の除害方法では、PFCガスの完全な分解が困難であることや、PFCガスを分解して排気するため回収再利用ができないという問題がある。
【0007】
また、上記(2)の膜分離方法では、窒素とPFCとの混合排ガスからPFCガスを分離することは可能であるが、複数成分のPFCガスを含む排ガスから複数成分のPFCガスをそれぞれ分離することができない。
【0008】
また、上記(3)の深冷分離方法は、装置が大掛かりなものとなり、設備費及びランニングコストが非常に高くなる。さらに、例えばCF/NF混合ガス系のように排ガスに含まれる各成分の沸点の差が1℃程度しか無い場合には分離が困難であるなどの多くの問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献1のような(4)のクロマト分離方法では、所定のカラム数で処理する際に、被処理ガスである排ガスの流速とその供給時間、カラム温度、キャリアガス流量など設定するパラメータが多く、最適な処理条件を設定することが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを安価で効率的に分離することができるガス分離方法及びガス分離装置である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを分離するガス分離方法であって、前記被処理ガスを充填材が充填されたカラムに流通させて前記各特定ガスを分離し、複数の前記カラムを順次利用して前記各特定ガスを連続的に分離する分離工程と、前記各カラムから排出される混合ガスであって、各特定ガスが分離されていない未分離混合ガスを移送して被処理ガスと共に次のカラムに供給する移送工程と、を含み、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給を前記各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給時間を、前記未分離混合ガスの前記各カラムからの排出時間以上とする。
【0012】
また、前記ガス分離方法において、前記特定ガスはPFCガスであることが好ましい。
【0013】
また、前記ガス分離方法において、前記PFCガスは、C,N,Sのうち少なくとも1つの元素を構成元素とするフッ素化合物のいずれか1つを含むことが好ましい。
【0014】
また、前記ガス分離方法において、前記PFCガスは、CF,C,C,CHF,SF,NFまたはCOFのいずれか1つを含むことが好ましい。
【0015】
また、前記ガス分離方法において、前記被処理ガスは、窒素を含むことが好ましい。
【0016】
また、前記ガス分離方法において、前記PFCガスはCF及びCであり、前記充填材はモレキュラシーブ13Xであることが好ましい。
【0017】
また、前記ガス分離方法において、前記分離工程において、前記被処理ガスを移送するためのガスとして不活性ガスを使用することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを分離するガス分離装置であって、充填材が充填された複数のカラムを有し、前記複数のカラムを順次利用して、前記特定ガスを連続的に分離する分離手段と、前記各カラムから排出される混合ガスであって、各特定ガスが分離されていない未分離混合ガスを、次のカラムに移送する移送手段と、を有し、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給を前記各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給時間を、前記未分離混合ガスの前記各カラムからの排出時間以上とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスを充填材が充填されたカラムに流通させて各特定ガスを分離し、複数のカラムを順次利用して各特定ガスを連続的に分離するガス分離方法及びガス分離装置において、被処理ガスの各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、被処理ガスの各カラムへの供給時間を、未分離混合ガスの各カラムからの排出時間以上とすることにより、各特定ガスを安価で効率的に分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0021】
本発明の実施形態に係るガス分離装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。ガス分離装置1は、真空ポンプ10と、スクラバ装置12と、脱水装置14と、第1濃縮装置16と、分離手段である分離装置18と、第2濃縮装置20,22とを備える。
【0022】
さらに詳細に説明すると、図1のガス分離装置1において、半導体製造工程、液晶製造工程等のドライエッチングやCVD(化学気相成長法)等の薄膜形成などの製造工程28等に、真空ポンプ10の吸い込み側が接続されており、真空ポンプ10の吐き出し側は、スクラバ装置12の入口に接続されている。スクラバ装置12の出口は、脱水装置14の入口に接続され、脱水装置14の出口は第1濃縮装置16の入口に接続されている。第1濃縮装置16の出口は分離装置18の入口に接続され、分離装置18の出口は、第2濃縮装置20,22と、にそれぞれ接続されている。
【0023】
本実施形態に係るガス分離方法及びガス分離装置1の動作について説明する。図1のガス分離装置1において、半導体製造工程、液晶製造工程等のドライエッチングや薄膜形成などの製造工程28には、PFCガス供給装置26からPFCガスが供給される。そこで例えばCF、Cの2成分のPFCガスを含んだ排ガスが生じ、PFCガスを含む排ガスは、真空ポンプ10によって製造工程28から排気される。
【0024】
ここで、製造工程28においては、PFCガスが分解してフッ酸(HF)が発生するため、排ガス中にはフッ酸も含まれている。このため、排ガスをそのまま排ガス経路及び真空ポンプ10に導入すると、排ガス経路を腐食するおそれ及び真空ポンプ10を損傷するおそれがある。そこで、真空ポンプ10に至る排ガス経路において、窒素ガス等を希釈ガスとして供給し、排ガスが希釈される。
【0025】
真空ポンプ10の吐き出し側から排出される、窒素で希釈された排ガスは、スクラバ装置12に供給され、水のシャワーによって、排ガス中のフッ酸(HF)等が除去される。
【0026】
スクラバ装置12からの排ガスは、脱水装置14に導入され、ここで水分が除去される。これは、排ガスがスクラバ装置12において、水分を多く含み、後処理工程のためには、水分を除去しておくことが好ましいからである。なお、ガスの流れ方向に対するスクラバ装置12の上流側あるいは脱水装置14の下流側に微粒子除去フィルタ(図示せず)を設けてもよい。これにより、排ガス中の半導体、無機及び有機の絶縁材料、金属等の微粒子を除去することができる。
【0027】
このようにして、得られたPFCガス(CF、C)と窒素とを含む排ガスは、第1濃縮装置16に供給される。この第1濃縮装置16は、排ガスを分離装置18に導入する前に窒素をある程度除去するためのものである。これによって、排ガス中から窒素がある程度除去され、PFCガスが濃縮される。
【0028】
このようにしてPFCガスが濃縮された排ガス(被処理ガス)は分離装置18に供給される。分離装置18は内部に所望の充填材を充填した複数のカラムを有し、分離装置18において、これら複数のカラムを順次利用して、被処理ガス中の各特定ガスが連続的に分離される。被処理ガスは、各カラムの入口からカラム内部の充填材に接触しながら流通され、被処理ガスに含まれるガス成分毎の充填材に対する親和力(吸着性や分配係数)や分子径の相違によりリテンションタイム(保持時間)が異なるため、被処理ガスは各成分に分離される。
【0029】
分離装置18は、複数のカラムを有するが、4本のカラムを有する例の概略構成を図2に示す。分離装置18は、4本のカラム30a〜30dと、真空ポンプ32a〜32dと、バルブ34a〜34d,36a〜36d,38a〜38d,40a〜40d,42a〜42d,44a〜44dとを備える。
【0030】
さらに詳細に説明すると、分離装置18において、第1濃縮装置16の出口はカラム30a,30b,30c,30dの入口に配管及びバルブ36a,36b,36c,36dを介してそれぞれ接続され、それらの配管にキャリアガスとして用いる窒素ガスを供給する配管がバルブ34a,34b,34c,34dを介してバルブ36a〜36dの下流側にそれぞれ接続されている。カラム30a〜30dの各出口は、配管、バルブ38a,38b,38c,38d及び真空ポンプ32aを介して窒素排気系に、配管、バルブ40a,40b,40c,40d及び真空ポンプ32bを介して第2濃縮装置22に、配管、バルブ42a,42b,42c,42d及び真空ポンプ32cを介して第2濃縮装置20に、配管、バルブ44a,44b,44c,44d及び真空ポンプ32dを介して第1濃縮装置16からの被処理ガス供給配管のバルブ36a〜36dの上流側にそれぞれ接続されている。
【0031】
次に、4本のカラム30a,30b,30c,30dを順次利用して被処理ガス(CF、C、窒素)中の特定ガス(CF、C)を連続的に分離する方法の一例を図2に基づいて説明する。分離装置18においては、キャリアガス、すなわち被処理ガスを移送するためのガスとして窒素が用いられる。例えば、まず、バルブ36a〜36dを切り換えて、すなわちバルブ36aを開けてバルブ36b〜36dを閉じて、所定量の被処理ガスを最初のカラム30aに流入させる。その後、バルブ34aを開けてバルブ34b〜34dを閉じて、キャリアガスをカラム30aに所定量流入させて被処理ガスをパージする(押し出し)。すると、被処理ガスは、カラム30a内部の充填材に接触しながら流通され、リテンションタイムの差により成分毎に分離される。カラム30aの出口からは窒素、CF+窒素、CF+C+窒素、C+窒素の順序でガスが出てくるため、カラム出口側のバルブ38a,42a,44a,40aを順次切り換えるとともに対応する真空ポンプ32a,32c,32d,32bを駆動してこれらガスを分離して排出する。
【0032】
ここで、特定ガスが分離されていない未分離混合ガス(CF+C+窒素)の画分は、第1濃縮装置16からの被処理ガス供給配管のバルブ36a〜36dの上流側に返送され、バルブ36bを開けてバルブ36a,36c,36dを閉じることにより、被処理ガスと共に次のカラム30bに流入させる。カラム30bに流入された被処理ガス及び未分離混合ガスは、カラム30aの場合と同様にして、窒素、CF+窒素、CF+C+窒素、C+窒素に分離される。そして、カラム30bから排出された未分離混合ガスは同様にして次のカラム30cに被処理ガスと共に流入される。
【0033】
カラム30cに流入された被処理ガス及び未分離混合ガスは、カラム30a,30bの場合と同様にして、窒素、CF+窒素、CF+C+窒素、C+窒素に分離される。そして、カラム30cから排出された未分離混合ガスは同様にして次のカラム30dに被処理ガスと共に流入される。
【0034】
カラム30dに流入された被処理ガス及び未分離混合ガスは、カラム30a,30b,30cの場合と同様にして、窒素、CF+窒素、CF+C+窒素、C+窒素に分離される。そして、カラム30dから排出された未分離混合ガスは同様にして最初のカラム30aに被処理ガスと共に流入される。
【0035】
このようにして4本のカラム30a,30b,30c,30dを順次利用して被処理ガス(CF、C、窒素)中の特定ガス(CF、C)を、窒素、CF+窒素、CF+C+窒素、C+窒素の画分に連続的に分離することができる。
【0036】
ここで、本実施形態においては、複数のカラムを順次利用して、各特定ガスを連続的に分離する分離工程において、各特定ガスが分離されていない未分離混合ガスが必ず生成するようにカラムへの被処理ガスの供給量、流通速度等を制御する。そして、被処理ガスの各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、被処理ガスの各カラムへの供給時間を、未分離混合ガスの各カラムからの排出時間以上とし、排出された未分離混合ガスを次のカラムに移送する。
【0037】
4本のカラムを使用して、このように運転する場合の運転工程を図3に示す(詳細は後述の参考例1及び実施例1を参照)。図3において、「F」は原料(被処理ガス)、「N」は窒素、「A」はCF+窒素、「B」はC+窒素、「M」は未分離混合ガス(CF+C+窒素)を表す。各カラムにおいて、未分離混合ガスが必ず生成するようにカラムへの供給量、流通速度等を制御し、被処理ガス(F)をカラム1の入口へ供給する。カラム1の出口からは最初はCF+窒素(A)が排出されるが、ある時点から未分離混合ガス(CF+C+窒素)が排出される。カラム1の出口から未分離混合ガス(M)が排出を始めると同時に、被処理ガス(F)のカラム1の入口への供給を停止し、その後は窒素(N)をカラム1の入口から供給する。ある時点でカラム1の出口からのCFの排出が終了し、C+窒素(B)が排出される。バルブの操作により、CF+窒素(A)及びC+窒素(B)の画分は第2濃縮装置20,22に移送される。一方、未分離混合ガス(M)は、次のカラム2に新たな被処理ガス(F)と共に供給され、引き続きカラム1と同様にしてカラム2で分離が行われる。さらに、同様にしてカラム3,4で分離が行われた後、カラム4から排出された未分離混合ガス(M)は最初のカラム1の入口に新たな被処理ガス(F)と共に供給され、以降上記操作を繰り返す。このようにして4本のカラムを順次使用して、被処理ガスからの各特定ガスの分離が行われる。このサイクルは、被処理ガス(F)の各カラムへの供給時間を、未分離混合ガス(M)の各カラムからの排出時間以上とし、排出された未分離混合ガス(M)を次のカラムに移送することにより達成される。
【0038】
ここで、例えば、各カラムにおいて、未分離混合ガスが生成しないように、すなわちCF+窒素(A)の画分及びC+窒素(B)の画分が完全に分離するようにカラムへの被処理ガスの供給量、流通速度等を制御した場合は、図7に示すように(後述の参考例2及び比較例1参照)、7本のカラムが必要となり効率性が低下する。
【0039】
また、例えば、各カラムにおいて未分離混合ガスが生成するようにカラムへの被処理ガスの供給量、流通速度等を制御しても、被処理ガス(F)の各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガス(M)が排出を始めるまでに停止しなかった場合は、図9に示すように(後述の参考例3及び比較例2参照)、12本のカラムが必要となり効率性が低下する。
【0040】
さらに、例えば、各カラムにおいて未分離混合ガスが生成するようにカラムへの被処理ガスの供給量、流通速度等を制御して、被処理ガス(F)の各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガス(M)が排出を始めるまでに停止しても、被処理ガス(F)の各カラムへの供給時間を、未分離混合ガス(M)の各カラムからの排出時間未満とした場合は、図11に示すように(後述の参考例4及び比較例3参照)、9本のカラムが必要となり効率性が低下する。
【0041】
このようにして、複数のカラム30を順次使用して、上記条件にて分離処理を行うことにより、分離の処理効率を向上させることができる。図2では4本のカラム30a〜30dを使用したが、分離する成分の数、被処理ガスの処理量等に応じて最適な本数を選択すればよい。
【0042】
このような処理により、ガスはその成分毎に分離されるため、CF+窒素、C+窒素という画分においては、他の物質はほとんど含まれない純粋なものが得られる。
【0043】
そして、CF+窒素の画分を第2濃縮装置20、C+窒素の画分を第2濃縮装置22に供給する。この第2濃縮装置20,22において、上述の第1濃縮装置16と同様にしてCF+窒素あるいはC+窒素中のCFあるいはCが濃縮される。そして、このCFガスあるいはCガスを回収して、製造工程28において再利用することができる。
【0044】
本実施形態に係るガス分離装置及びガス分離方法により処理される被処理ガスとしては、あらゆる混合ガスを対象とすることが可能であるが、例えば、半導体製造工程、液晶製造工程等のドライエッチングや薄膜形成などの製造工程、太陽電池の製造工程等で排出される排ガスを対象とする。中でも、半導体製造工程等から排出されるPFCガスを含むガス、特に半導体製造工程等から排出されるPFCガス及び窒素を含むガスを処理対象とすることが好ましい。
【0045】
被処理ガスに含まれる分離対象(濃縮対象)となる特定ガスとしては、PFCガス、窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられるが、PFCガスであることが好ましい。PFCガスは、C,N,Sのうち少なくとも1つの元素を構成元素とするフッ素化合物のいずれか1つを含み、具体的には、CF,C,C,CHF,SF,NFまたはCOFのいずれか1つを含む。被処理ガスに含まれる特定ガスは、1種類でも複数種類でもよい。複数種類の特定ガスの分離を行う場合には、充填材やカラムの流通条件等を適宜選択して各特定ガスのリテンションタイムが離れるようにしてやれば、それらを容易に分離することができる。
【0046】
スクラバ装置12は、水のシャワーによって、排ガス中のフッ酸(HF)等を水に溶解除去するものであり、公知の装置を用いることができる。
【0047】
脱水装置14としては、どのような形式のものを採用してもよいが、排ガスの温度を低下して水分を除去する形式のものなどが好ましい。
【0048】
第1濃縮装置16は、排ガスを分離装置18に導入する前に窒素をある程度除去するためのものであり、ガス透過膜を利用した膜分離装置が好ましい。なお、第1濃縮装置16としては、深冷分離装置を利用することもできる。すなわち、PFCガスと窒素とはその沸点が大きく離れている。そこで、この相違を利用して窒素を容易に分離でき、PFCガスを濃縮することができる。
【0049】
第1濃縮装置16においては通常、特定ガスの濃度をガス全量に対して80vol%〜90vol%程度に濃縮する。
【0050】
分離装置18におけるカラムの充填材としては、シリカゲル、活性炭、3A,4A,5A,13X等のモレキュラシーブ、ゼオライト等を用いることができ、被処理ガスに含まれるガスの種類等に応じて充填材を選択すればよい。例えば、被処理ガスがCFとCとの混合ガスの場合は充填剤としてモレキュラシーブ13Xを、被処理ガスがNFとSFとの混合ガスの場合は充填剤としてモレキュラシーブ13Xを、被処理ガスがCFとCHFとの混合ガスの場合は充填剤として活性炭を、被処理ガスがCFとNFとの混合ガスの場合は充填剤として活性炭を、それぞれ用いることにより効果的に分離を行うことができる。特にモレキュラシーブ13Xは、CFとCとの混合ガス、NFとSFとの混合ガス等のガスのクロマト分離に非常に有効であり、且つ安価であるというメリットがある。
【0051】
3種以上の複数成分のPFCに対して分離を行う際には、それら複数成分のPFCがそれぞれ分離するような充填材を選定して分離を行ってもよい。また、1種/他種と分離するような充填材を選定して分離を行い、未分離の他種のPFCを更に分離するような充填材を選定してさらに分離を行う多段処理によって分離してもよい。このような場合は、分離装置18において、充填材の異なる複数のカラムを直列に接続して使用すればよい。
【0052】
分離装置18のカラムにおいて供給される被処理ガスの供給流量は、被処理ガスに含まれるガスの種類、カラムの大きさ、カラム温度等の分離条件に応じて決めればよく特に制限はないが、例えば、0.1L/回〜50L/回の範囲である。
【0053】
分離装置18のカラムにおける被処理ガスの流通速度は、被処理ガスの種類、カラムの大きさ、カラム温度等の分離条件に応じて決めればよく特に制限はないが、例えば、カラムの長さが1mの場合、0.1SLM(Standard liter per minute)〜50SLMの範囲であり、1SLM〜10SLMの範囲であることが好ましい。
【0054】
分離装置18のカラム内部の温度は、被処理ガスに含まれるガスの種類、カラムの大きさ等の分離条件に応じて決めればよく特に制限はないが、20℃〜200℃の範囲であることが好ましく、35℃〜150℃の範囲であることがより好ましい。カラム内部の温度が20℃未満であると、分離が不十分となる場合がある。200℃を超えると、充填材の分解等の可能性がある。
【0055】
また、第1濃縮装置16と分離装置18との間には被処理ガスを貯留しておくバッファタンクを設置してもよい。バッファタンクは常圧でもよいし、貯留量を増やすために加圧式としてもよい。
【0056】
分離装置18の出口における各成分のガスの採取や、図1におけるバルブ切換は、出口ガスの分析結果に基づき行うことが好ましい。例えば、四重極質量分析計(QMS)、示差熱式検出器(TCD)やフーリエ変換−赤外線分析計(FT−IR)等を用いて、成分を検出し、その結果により制御するとよい。本実施形態ではフーリエ変換−赤外線分析計(FT−IR)を用いることが好ましい。また、FT−IR等の分析結果に基づいてバルブの切り換え条件等をあらかじめ決定しておけば、通常運転時のバルブの切り換え等は時間による制御でかまわない。
【0057】
第2濃縮装置20,22は、第1濃縮装置16と同様に排ガスを分離装置18に導入する前に窒素をある程度除去するためのものであり、第1濃縮装置16と同様のガス透過膜を利用した膜分離装置、深冷分離装置等を使用することができる。特に、膜分離装置において、濃縮ガスを何度も循環したり、多段としたり、深冷分離装置を用いることで、窒素をほぼ100%分離して、純粋な、濃度100%のCFガス、Cガス等のPFCガスを得ることができる。なお、第1濃縮装置16、第2濃縮装置20,22には、同じ方式の濃縮装置を使用してもよいし、異なる方式の濃縮装置を使用してもよい。
【0058】
このように、本実施形態においては、複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスを充填材が充填されたカラムに流通させて各特定ガスを分離し、複数のカラムを順次利用して各特定ガスを連続的に分離するガス分離方法及びガス分離装置において、被処理ガスの各カラムへの供給を各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、被処理ガスの各カラムへの供給時間を、未分離混合ガスの各カラムからの排出時間以上とすることにより、各特定ガスを安価で効率的に分離することができる。そこで、分離されたCF、C等のPFCを回収再利用することができる。
【0059】
このため、特に、原料ガスであるPFCの濃度として99.999%以上の高純度が要求される半導体製造工程、液晶製造工程等においてPFCの回収再利用を行うことができる。
【0060】
クロマト分離工程では、被処理ガス供給に関する運転パラメータが多く存在するが、本実施形態の方法を用いることにより、被処理ガス供給条件の検討、決定を容易に行うことができる。また、被処理ガス中の特定ガスの濃度が変化した等の場合でも、本実施形態の方法を用いることにより、カラムの本数を増やす等の設備変更をすることなく、常に最適条件で運転をすることができる。さらに、カラムを順次利用することは被処理ガスを外部に出さずに連続的に処理することができるために好適である。
【0061】
また、本実施形態では、分離装置18の前段に第1濃縮装置16を設け、一旦窒素を除去しておく。これによって、分離装置18において、PFCを効率よく高濃度で分離することができる。
【0062】
また、第1濃縮装置16、分離装置18において得られる窒素は、上述したように製造工程28からの排ガスの希釈等の用途として再利用される。この窒素ガスについては、そのまま再利用しても問題はないが、PFCガスが若干含まれている場合には、PFCガスを除去する処理を行ってもよい。この処理としては、従来よりPFCガスの分解方法として知られているプラズマ分解処理、燃焼、触媒加熱処理などが好ましい。さらには、膜処理、深冷分離、カラム分離などを再度行い、PFCガスを分離してから再利用してもよい。
【実施例】
【0063】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0064】
(参考例1)
図4に示す実験装置を使用して、PFCであるCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の分離を行った。カラムは、内径60.5mm、長さ2.0mのものを1本使用した。カラム温度は120℃とし、充填材としてモレキュラシーブ13X(GLサイエンス社製、粒径60〜80メッシュ)を使用した。カラム出口を真空ポンプにて吸引しながら、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスを10分間導入した後、窒素10.0SLMでパージした(押出し)。カラム出口から排出されるガスについてフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR、株式会社堀場エステック製、FG−100型)で分析した。
【0065】
その結果、図5に示すようにPFC供給開始直後から10分後までCF+窒素が排出され、PFC供給開始10分後から未分離混合ガス(CF+C+窒素)が排出され、PFC供給開始から13分後にはCFの排出が終了し、最後にC+窒素が排出し終わるまでPFC供給開始から40分かかった。
【0066】
なお、FT−IRによる排出ガスの分析では、2100〜2210cm−1のCFに起因するピーク強度と、2000〜2100cm−1のCに起因するピーク強度との比率から排出ガス中のCF及びCの濃度を求めた。
【0067】
(実施例1)
参考例1の結果を元に、図1及び図2に示すガス分離装置を用い、図3に示す運転工程表に基づいてCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の連続分離を行った。カラムは、内径60.5mm、長さ2.0mのものを使用した。カラム温度は120℃とし、充填材としてモレキュラシーブ13X(GLサイエンス社製、粒径60〜80メッシュ)を使用した。参考例1の結果より、被処理ガスのカラムへの供給時間を10分とし、未分離混合ガスのカラムからの排出時間3分より長く設定し、PFC供給が10分で、1バッチが40分であるからカラム数は40÷10=4本とした。
【0068】
カラム出口を真空ポンプにて吸引しながら、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスを10分間導入した後、窒素10.0SLMでパージした(押出し)。また、得られた未分離混合ガス(CF+C+窒素)は次のカラムに被処理ガスと共に供給した。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にしてフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で分析した。図3の運転工程表に基づき運転を行い、PFCガス(CFとC)がそれぞれ99%以上のPFC濃度で連続的に効率良く得られた。
【0069】
(参考例2)
図4に示す実験装置を使用して、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスの導入時間を5分間とした以外は、参考例1と同様にしてPFCであるCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の分離を行った。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にして分析を行った。
【0070】
その結果、図6に示すようにPFC供給開始直後からCF+窒素が排出され、PFC供給開始から8分後にCF+窒素の排出が終了した。3分間PFCを含まない窒素が排出され、PFC供給開始から11分後からC+窒素が排出され、C+窒素が排出し終わるまでPFC供給開始から35分かかった。CFとCとの排出が重ならなかったため、未分離混合ガス(CF+C+窒素)は排出されなかった。この条件ではPFC供給開始後8分から11分まではPFCガスが排出されないが、カラム出口のバルブはC排出ラインに切り換えて実施した。
【0071】
(比較例1)
図1及び図2に示すガス分離装置を用い、図7に示す運転工程表に基づいてCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の連続分離を行った。カラム、充填材、カラム温度は実施例1と同じとした。参考例2の結果より、被処理ガスのカラムへの供給時間を5分とし、未分離混合ガスのカラムからの排出がない、すなわちCFとCとの排出が重ならないようにした。PFC供給が5分で、1バッチが35分であるからカラム数は35÷5=7本とした。
【0072】
カラム出口を真空ポンプにて吸引しながら、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスを5分間導入した後、窒素10.0SLMでパージした(押出し)。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にしてフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で分析した。図7の運転工程表に基づき運転を行い、PFCガス(CFとC)がそれぞれ99%以上のPFC濃度で得られた。しかし、各カラムにおいてPFC供給開始後8〜11分はPFCガスの排出がない状態であり分離カラムとしての機能を十分に発揮していないと考えられる。そのため、実施例1の条件に比較しても処理量が半分と少ないにもかかわらず、カラム数が4本から7本に増加し、分離は可能であるが装置が大型化してしまい、分離効率が低下した。
【0073】
(参考例3)
図4に示す実験装置を使用して、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスの導入時間を20分間とした以外は、参考例1と同様にしてPFCであるCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の分離を行った。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にして分析を行った。
【0074】
その結果、図8に示すようにPFC供給開始直後から8分後までCF+窒素が排出され、PFC供給開始8分後から未分離混合ガス(CF+C+窒素)が排出され、PFC供給開始から24分後にはCFの排出が終了し、最後にC+窒素が排出し終わるまでPFC供給開始から100分かかった。
【0075】
(比較例2)
図1及び図2に示すガス分離装置を用い、図9に示す運転工程表に基づいてCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の連続分離を行った。カラム、充填材、カラム温度は実施例1と同じとした。参考例3の結果より、被処理ガスのカラムへの供給時間を20分とし、未分離混合ガスのカラムからの排出時間16分より長く設定した。また、PFC供給が20分で、1バッチが100分であるからカラム数は100÷20=5本とすればよいが、この条件ではPFCガス供給中に未分離混合ガスが排出されてくるため、次のカラムに未分離混合ガスを送るとすると、図9のようにカラム数が12本必要になってしまった。
【0076】
カラム出口を真空ポンプにて吸引しながら、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスを20分間導入した後、窒素10.0SLMでパージした(押出し)。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にしてフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で分析した。図9の運転工程表に基づき運転を行い、PFCガス(CFとC)がそれぞれ99%以上のPFC濃度で得られた。しかし、実施例1の条件に比較するとカラム数が4本から12本に増加し、分離は可能であるが装置が大型化してしまい、分離効率が低下した。また、未分離ガスを送られてきたカラムでは被処理ガスと未分離混合ガス(組成、流速ともに被処理ガスと同じ)を同時に処理するため、実質処理量が2倍の負荷が掛かることになる。そのため分離状況も大きく変わりマスバランスが崩れ処理が上手く行かなかった。これを解消するには未分離混合ガス供給時に被処理ガスの供給を行わない方法が考えられるが、その場合、先のカラムは単に被処理ガスを通過させるのに使用されるため分離効率が非常に悪くなる。またカラム数を5本として、この時の未分離混合ガスを、被処理ガスを供給しているカラム自体に戻してループさせると、ガスの出る経路(逃げ場)が無くなるため系内圧力が増加して運転できないため実施不可能である。
【0077】
(参考例4)
図4に示す実験装置を使用して、CF/C(CF:1.0SLM、C:1.0SLM)の混合ガスの導入時間を10分間とした後、窒素2.0SLMでパージした(押出し)以外は、参考例1と同様にしてPFCであるCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の分離を行った。カラム出口から排出されるガスについて参考例1と同様にして分析を行った。
【0078】
その結果、図10に示すようにPFC供給開始直後から10分後までCF+窒素が排出され、PFC供給開始10分後から未分離混合ガス(CF+C+窒素)が排出された。押出しパージ窒素流量が参考例1より低いため、PFC供給開始からCFの排出まで25分かかった。また、最後にC+窒素が排出し終わるまでPFC供給開始から90分かかった。
【0079】
(比較例3)
図1及び図2に示すガス分離装置を用い、図11に示す運転工程表に基づいてCFとCとの混合ガス(被処理ガス)の連続分離を行った。カラム、充填材、カラム温度は実施例1と同じとした。参考例4の結果より、被処理ガスのカラムへの供給時間を10分とし、未分離混合ガスのカラムからの排出時間15分より短く設定した。また、PFC供給が10分で、1バッチが90分であるからカラム数は90÷10=9本とした。
【0080】
その結果、未分離混合ガス排出時間15分≧原料供給時間10分であるため、あるカラムから排出された未分離混合ガスの初期10分は次のカラムに被処理ガスと共に供給されるが、後半の5分は次の次のカラムに原料と共に供給される。このため、あるカラムでは被処理ガスと2種類の未分離混合ガスとが供給されるためPFC供給量が多くなり、クロマト分離のマスバランスが合わなくなり分離が適正に行なわれなかった。
【0081】
実施例1のように、複数のカラムを順次利用して、被処理ガス中の特定ガスを連続的に分離する際、被処理ガスの供給量を調整して、被処理ガスを未分離混合ガスが排出されるまで供給し、更には被処理ガス供給時間≧未分離混合ガス排出時間とすることで効率的に分離運転を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施形態に係るガス分離装置の一例の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るガス分離装置における分離装置の一例の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における4本のカラムを用いた分離の運転工程の一例(本発明の実施例1)を示す図である。
【図4】本発明の参考例1〜4において使用したガス分離装置の概略を示す図である。
【図5】本発明の参考例1における流出ガスのFT−IRの分析結果を示す図である。
【図6】本発明の参考例2における流出ガスのFT−IRの分析結果を示す図である。
【図7】本発明の比較例1における分離の運転工程を示す図である。
【図8】本発明の参考例3における流出ガスのFT−IRの分析結果を示す図である。
【図9】本発明の比較例2における分離の運転工程を示す図である。
【図10】本発明の参考例4における流出ガスのFT−IRの分析結果を示す図である。
【図11】本発明の比較例3における分離の運転工程を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ガス分離装置、10 真空ポンプ、12 スクラバ装置、14 脱水装置、16 第1濃縮装置、18 分離装置、20,22 第2濃縮装置、26 PFCガス供給装置、28 製造工程、30a,30b,30c,30d カラム、32a,32b,32c,32d 真空ポンプ、34a,34b,34c,34d,36a,36b,36c,36d,38a,38b,38c,38d,40a,40b,40c,40d,42a,42b,42c,42d,44a,44b,44c,44d バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを分離するガス分離方法であって、
前記被処理ガスを充填材が充填されたカラムに流通させて前記各特定ガスを分離し、複数の前記カラムを順次利用して前記各特定ガスを連続的に分離する分離工程と、
前記各カラムから排出される混合ガスであって、各特定ガスが分離されていない未分離混合ガスを移送して被処理ガスと共に次のカラムに供給する移送工程と、
を含み、
前記被処理ガスの前記各カラムへの供給を前記各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給時間を、前記未分離混合ガスの前記各カラムからの排出時間以上とすることを特徴とするガス分離方法。
【請求項2】
請求項1に記載のガス分離方法であって、
前記特定ガスはPFCガスであることを特徴とするガス分離方法。
【請求項3】
請求項2に記載のガス分離方法であって、
前記PFCガスは、C,N,Sのうち少なくとも1つの元素を構成元素とするフッ素化合物のいずれか1つを含むことを特徴とするガス分離方法。
【請求項4】
請求項3に記載のガス分離方法であって、
前記PFCガスは、CF,C,C,CHF,SF,NFまたはCOFのいずれか1つを含むことを特徴とするガス分離方法。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載のガス分離方法であって、
前記被処理ガスは、窒素を含むことを特徴とするガス分離方法。
【請求項6】
請求項5に記載のガス分離方法であって、
前記PFCガスはCF及びCであり、前記充填材はモレキュラシーブ13Xであることを特徴とするガス分離方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分離方法であって、
前記分離工程において、前記被処理ガスを移送するためのガスとして不活性ガスを使用することを特徴とするガス分離方法。
【請求項8】
複数成分の特定ガスを含有する被処理ガスから各特定ガスを分離するガス分離装置であって、
充填材が充填された複数のカラムを有し、前記複数のカラムを順次利用して、前記特定ガスを連続的に分離する分離手段と、
前記各カラムから排出される混合ガスであって、各特定ガスが分離されていない未分離混合ガスを、次のカラムに移送する移送手段と、
を有し、
前記被処理ガスの前記各カラムへの供給を前記各カラムから未分離混合ガスが排出を始めるまでに停止し、かつ、前記被処理ガスの前記各カラムへの供給時間を、前記未分離混合ガスの前記各カラムからの排出時間以上とすることを特徴とするガス分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−346590(P2006−346590A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176605(P2005−176605)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】