Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
ガス採取装置
説明

ガス採取装置

【課題】長期且つ任意の時間に、任意の場所において、ガスを自動的に採取することを可能とする装置を提供する。
【解決手段】吸気口1より吸気されたガスが、吸気用チューブ、ガス送気用チューブを通して針に送気されて、前記針が挿入されたバイアル瓶中にガスが充填される工程1と、
ガス注入装置40のニードル駆動用アクチュエーターの作動により、前記針がバイアル瓶中への挿入と抜出を反復する工程2と、
バイアル瓶固定・排出装置20のバイアル瓶固定用アクチュエーター、及びバイアル瓶排出用アクチュエーターの作動により、バイアル瓶のガス注入位置への固定、排出、及び次のバイアル瓶の固定を行う工程3とからなり、
工程1、工程2および工程3が制御部90の指示により連動することにより、ガスが連続してバイアル瓶へ充填され、且つ前記吸気口を除く各構成要素が筐体に収めら、可搬式であることを特徴とするガス自動採取装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスをバイアル瓶に自動的に注入することを連続して行うガス自動採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)は京都議定書で削減目標が定められた温室効果ガスである。京都議定書の削減目標の達成度をはかるためには、まず規制対象となっている温室効果ガスの発生量を正確に算定することが必要となる。
温室効果ガスは、土壌からも発生するが、土壌から大気への温室効果ガスのフラックスは時間変動が大きいため、発生量を精度良く定量するためには一日一回程度の測定頻度でモニタリングすることが望ましく、さらに、温室効果ガスの排出係数は年間で算出する必要があるため、年間測定することが必要とされている。
【0003】
ガスの長期連続測定を行う場合に、(1)現場に測定器を設置して連続分析を行う方法と、(2)現場にて試料ガスを採取して実験室に持ち帰り分析を行う方法とがある。(1)は現場で分析を行うため特に保存できないガスの分析に適しており、また試料ガス採取から分析データを得るまでのタイムラグが短いという利点がある一方で、従来は測定器に加えてガス流路切り替え装置や制御装置等の各装置をそれぞれ現場に設置する必要があるために、測定装置の設置作業が煩雑で、且つ測定装置全体としては大型となり、一旦設置するとその移動は困難であるという欠点があった。
【0004】
これに対し、(2)の現場で採取する方法は、ガスの採取場所を任意に選ぶことができるうえ、採取場所の変更も容易であるが、従来法である手動のクローズドチャンバー法では、チャンバーの設置、シリンジによるサンプリングおよび真空バイアル瓶等のサンプル容器への充填という一連の作業をすべて人力で行うため、サンプリング頻度および測定期間を十分にとることは労力的に非常に困難であった。例えば土壌から発生する温室効果ガスの測定においては、測定頻度が週1〜2回程度、測定期間は数ヶ月程度にとどまり、測定頻度および測定期間が不十分であるという問題があった。
【0005】
試料ガス等の自動採取装置としては、例えばモジュール式バイアル自動サンプル装置が提案されているが(特許文献1を参照。)、該装置はバイアルのための貯蔵領域、少なくとも1つのモジュール式サンプリング部、バイアル移送機構、及びモジュール式自動サンプル装置を含む極めて大型のもので、任意の場所へ移動して使用することは不可能であった。またバイアルサンプラ装置も提案されているが(特許文献2を参照。)、該装置は施設内に定置されるものであった。このため、ガスのサンプリングを自動で行う「可搬型ガス自動採取装置」の開発が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特表平10−502733号公報
【特許文献2】特開平6−174605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、任意の時間に、且つ屋外屋内を問わず任意の場所において、長期に試料ガスを自動的に採取することを可能とする装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
<1> 本発明は、吸気口に接続する吸気用チューブが、T字型コネクタを介して送気用チューブ、送気用チューブ、及びニードルアダプタを介して接続する針と通じており、ガス吸送用アクチュエーターの作動により、吸気口より吸気されたガスが、前記吸気用チューブ、ガス送気用チューブを通じて針に送気されて、前記針が挿入されたバイアル瓶中にガスが充填される工程1と、
ニードル駆動用アクチュエーターの作動によりニードルアダプタ保持具に保持されたニードルアダプタが往復運動をして、前記針がガス注入位置に固定されたバイアル瓶中への挿入と抜出を反復する工程2と、
バイアル瓶固定用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶をガス注入位置に固定し、バイアル瓶中へのガスの充填が終了すると、バイアル瓶排出用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶を排出し、次のバイアル瓶を固定する工程3とからなり、
工程1、工程2および工程3が制御部の指示により連動することにより、ガスが連続してバイアル瓶へ充填され、且つ前記吸気口を除く各構成要素が筐体に収めら、可搬式であることを特徴とするガス自動採取装置である。
<2> 前記工程3は、バイアル瓶格納ケースに格納されたバイアル瓶がバイアル瓶固定・排出装置に落下すると、バイアル瓶固定用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶をバイアル瓶径方向保持具とバイアル瓶固定用アクチュエーターで挟持してガス注入位置に固定し、バイアル瓶中へのガスの充填が終了すると、バイアル瓶排出用アクチュエーターが作動してバイアル瓶固定・排出装置をバイアル瓶排出口方向に押し出し、バイアル瓶固定・排出装置が、バイアル瓶排出口の上に来るとバイアル瓶固定用アクチュエーターが作動し、バイアル瓶の挟持を解除し、バイアル瓶はバイアル瓶貯留槽に落下し、バイアル瓶が落下するとバイアル瓶排出用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶固定・排出装置を再びガス注入位置に戻し、次のバイアル瓶の落下し固定する工程が好ましい。
<3> 前記ガス自動採取装置は、前記ニードル駆動用アクチュエーターが、立ち上げアームを介してニードルアダプタに接続し、ニードル駆動用アクチュエーターの作動がニードルアダプタへ並列的に伝達されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のガス自動採取装置は、可搬型で、設置場所を屋外でも屋内でも任意に選ぶことができ、簡易にガス採取地を移動することができ、ガス採取地に設置後は、任意のシリンジの充填回数で、長期にわたり自動的にバイアル瓶へのガス採取を可能とする。また本装置はまたはストロークの異なる空気圧シリンダを用いることにより、バイアル瓶の充填圧を容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のガス採取装置は、ガス導入装置、バイアル瓶固定・排出装置、ガス注入装置、バイアル瓶供給装置、及び制御部により構成される。以下本発明のガス採取装置について、図に基づき説明する。
図1は本発明のガス採取装置の全体を示す正面概要図である。図1において1は吸気口を、10はガス導入装置を、20はバイアル瓶固定・排出装置を、40はガス注入装置を、60はバイアル瓶供給装置を、80はバイアル瓶貯留槽を、90は制御部をそれぞれ示す。
【0011】
図2は、ガス導入装置10の説明のための概略説明図で、ガス吸送気部としてシリンジを用いた場合を示す。ガス導入装置10のガス吸送気部は、シリンジの他に、ダイアフラム式等のエアポンプを用いることもできる。エアポンプは配管のパージ量が多くなるため、サンプル量に制限がない場合に用いることが好ましい。これに対しクローズドチャンバーを用いる土壌からのガス発生量の測定のように、サンプル量に制限がある場合は、シリンジを用いることが好ましい。また、バイアル瓶にガスを注入する際に加圧したい場合にも、シリンジを用いることが好ましい。
【0012】
図2において、11はシリンジを、12はシリンジのプランジャーを、13はガス吸送用アクチュエーターを、14はプランジャー先端とアクチュエーターのピストンロッド先端との固定具を、15はT字型コネクタを、17はガス吸気用チューブを、19はガス送気用チューブをそれぞれ示す。ガス吸気用チューブ17は、図に示さないガス採取地に設けられたクローズドチャンバー等の内部に設置された吸気口に接続している。また、ガス送気用チューブ19は、後記のニードルアダプタを介して針と接続する。
【0013】
前記ガス吸送用アクチュエーター13の作動により、吸気口より吸気されたガスが、前記吸気用チューブ17、ガス送気用チューブ19を通じて後記の針に送気されて該針が挿入された後記のバイアル瓶中にガスが充填されるが、該ガス吸送用アクチュエーターの作動によりガスの吸気及びバイアル瓶中への充填工程を以下工程1という。
【0014】
前記シリンジ11は、市販のシリンジを使用することができる。該シリンジの容量は、バイアル瓶容量と封入後のガスの圧力に応じ選択することが好ましい。例えば所要の封入後のガス圧力が2気圧であれば、バイアル瓶容量の2倍容量のシリンジを選択することが好ましい。但し、シリンジ容量がバイアル瓶と同じ場合でも、充填回数を2回とすることで、充填圧を2気圧とすることは可能である。
【0015】
前記シリンジのプランジャー12を駆動するガス吸送用アクチュエーター13は、モータやエアシリンダ、油圧シリンダ等、直線運動をする駆動装置であれば、いずれも使用することができるが、中でもエアシリンダが駆動速度の制御が簡単である点で好ましい。
【0016】
シリンジ先端に設けられるT字型コネクタ15は、3方電磁弁、逆止弁付きT字型コネクタのいずれも用いることができるが、市販の逆止弁付きT字型コネクタがより好ましい。ガス吸気用チューブ17、及びガス送気用チューブ19は、ガスを通気できる管であればいずれの管も用いることができるが、中でもポリテトラフルオロエチレン管を用いることが好ましい。該吸気及び送気用チューブの径は、流路に滞留するガス量を極力少なくするために、外径3mm、内径2mm程度が好ましい。
【0017】
図3はガス注入装置40の断面説明図である。図3において、5はバイアル瓶を、7はバイアル瓶の栓を、41は針を、43は針ガイド板を、45はガイド板押えを、49はニードルアダプタを、51はニードルアダプタ保持具を、19はガス送気用チューブを、53は立ち上げアームを、57はニードル駆動用アクチュエーターのピストンロッドを、59はニードル駆動用アクチュエーターをそれぞれ示す。
【0018】
後記によりバイアル瓶5がバイアル瓶固定・排出装置20の所定位置に固定されると、制御部の指示によりニードル駆動用アクチュエーター59が作動して、ピストンロッド57が往復運動をし、ピストンロッド57の動きがニードルアダプタ保持具51に伝達され、ニードルアダプタ49が水平往復運動をすることにより、針41がバイアル瓶への挿入と抜出を反復する。該ニードル駆動用アクチュエーターの作動により、針がバイアル瓶への挿入と抜出を反復する工程を以下工程2という。
【0019】
ピストンロッド57、ニードルアダプタ保持具51、針41が、直線的に接続され、ピストンロッド57の運動を針41に伝達してもよいが、図3に示すとおり、ピストンロッド57とニードルアダプタ保持具51の間に、立ち上げアーム53を介在させて、ピストンロッド57、立ち上げアーム53、ニードルアダプタ保持具51が、「コ」の字状に形成されることが、装置全体の幅を狭くし、コンパクトなものとすることができ好ましい。
【0020】
ニードル駆動用アクチュエーター59は、モータやエアシリンダ、油圧シリンダ等、直線往復運動をする駆動装置であれば、いずれの装置も使用することができる。ストロークと大きさがほぼ同じに出来るものとしてはエアシリンダまたは油圧シリンダが考えられるが、油圧シリンダは内部の油が損傷や老朽化等により外部に漏れ出す可能性もあるため、エアシリンダのほうが好ましい。ニードル駆動用アクチュエーター59の直線運動が直接針41に伝達されるため、該直線運動はバイアル瓶の長手方向に並行となるように制御される。
【0021】
前記ニードルアダプタ49は、前記ガス導入装置10により採取されたガスが送気されるガス送気用チューブ19と、針41とを接続する。針41がバイアル瓶の栓7を貫通すると、ガス導入装置10のガス吸送気部が作動して、ガスがバイアル瓶中に注入される。ニードルユニット用アクチュエーター59の動作とガス吸送気部の動作は、制御部により制御される。
【0022】
前記ニードルアダプタ49は、市販のルアーロックコネクタを用いることができる。針41は、市販のシリンジ用交換針を用いることができる。中でも針の目詰まり防止のため、横穴式が好ましい。
【0023】
針ガイド板43は、厚さ2〜5mmの板状で、針41の通過部分に、針の径に対し0.1〜0.3mm程度の遊びのある孔である針ガイドが形成される。使用時において針41は、ニードルアダプタ49及びニードルアダプタ保持具51と、前記針ガイドに保持されて、針の上下、左右等のブレを抑止し、バイアル瓶の栓7に対し常に直角に挿入、貫通することを確保する。針ガイド板43は、ポリカーボネート等の素材によることが好ましい。ガイド板押え45は、針ガイド板43を保持するとともに、ガイド板押え45のネジを調整することにより、針ガイド板43における前記針ガイドの位置を、上下、左右に調整することができる。
【0024】
本発明のガス採取装置に用いられるバイアル瓶5は、市販のバイアル瓶を用いることができる。中でも穴あきスクリューキャップ式バイアル瓶が好ましい。バイアル瓶の栓7はブチルゴム製が好ましい。
【0025】
図4及び図5は、バイアル瓶固定・排出装置20の断面説明図である。図4はバイアル瓶がガス注入位置に固定された状態を、図5はバイアル瓶がバイアル瓶排出口に送り出された状態をそれぞれ示す。図4及び図5において、5はバイアル瓶を、21はバイアル瓶排出用アクチュエーターを、23はバイアル瓶径方向保持具を、25はバイアル瓶固定用アクチュエーターを、27はバイアル瓶衝撃吸収シートを、31はバイアル瓶固定・排出装置の収納ケースを、33は収納ケース上面に開口されたバイアル瓶導入口を、35は収納ケース下面に開口されたバイアル瓶排出口をそれぞれ示す。
【0026】
前記バイアル瓶排出用アクチュエーター21のピストンロッド端部に、バイアル瓶径方向保持具23が設けられ、且つバイアル瓶固定用アクチュエーター25は、バイアル瓶排出用アクチュエーター21のピストンロッドと一体に形成されており、該送出用アクチュエーターのピストンロッドの往復運動に応じ、バイアル瓶径方向保持具23及びバイアル瓶固定用アクチュエーター25は一体に運動する。
【0027】
前記バイアル瓶導入口33より落下したバイアル瓶5は、バイアル瓶衝撃吸収シート27上に静置した後に、バイアル瓶固定用アクチュエーター25が作動し、バイアル瓶を押圧することにより、バイアル瓶径方向保持具23との間にバイアル瓶を挟持し、所定の位置に固定する。バイアル瓶径方向保持具23は、バイアル瓶のブレを抑止するためのもので、送出用アクチュエーター21のピストンロッド端部に「コ」の字状、アーク状の保持具が固着される。
【0028】
前記工程1によりバイアル瓶にガスが充てんされ、前記工程2により針41が抜出されると、制御部の指示により、バイアル瓶排出用アクチュエーター21が作動し、バイアル瓶はバイアル瓶固定用アクチュエーター25により固定されたまま、バイアル瓶排出口35方向に移動する。図5に示すように、バイアル瓶がバイアル瓶排出口35上に移動すると、制御部の指示によりバイアル瓶固定用アクチュエーター25が作動してバイアル瓶の固定を解除し、バイアル瓶はバイアル瓶貯留槽80に落下する。
【0029】
バイアル瓶がバイアル瓶貯留槽80に落下すると、バイアル瓶排出用アクチュエーター21が作動し、固定用アクチュエーター25及びバイアル瓶径方向保持具23を再びガス注入位置まで戻し、次のバイアル瓶の落下、固定という動作が反復する。
【0030】
図6は、バイアル瓶供給装置60の概念図である。図6において、61はバイアル瓶供給用アクチュエーターを、63はバイアル瓶供給カセット固定部を、65はバイアル瓶カセット固定板を、67は固定用ネジをそれぞれ示す。
【0031】
図7は、バイアル瓶供給カセットの一例を示す模式図である。70はバイアル瓶供給カセットを、73はバイアル瓶格納ケースを、75はバイアル瓶供給カセット側板を、77はバイアル瓶落下防止用ストッパーをそれぞれ示す。
【0032】
バイアル瓶供給カセット70は、縦がバイアル瓶の長手方向に対し、横がバイアル瓶の径方向に対し、それぞれ数mmの遊びを有し、高さがバイアル瓶を10個〜20個程度格納できる大きさのバイアル瓶格納ケース73を複数重ねて形成される。バイアル瓶供給カセットの上面及び底面は開放されており、事前にナンバーリングしたバイアル瓶をナンバー順に、各バイアル瓶格納ケース73に格納する。バイアル瓶供給カセット70は、バイアル瓶の残量等を確認できるため、透明素材よりなることが好ましい。
【0033】
バイアル瓶供給カセット70の底面から5〜10mmの位置で、縦方向の中央位置には、バイアル瓶落下防止用ストッパー77が設けられ、バイアル瓶格納時、及び格納後のバイアル瓶供給カセットの運搬等におけるバイアル瓶の落下を防止する。
【0034】
バイアル瓶供給カセット70は、バイアル瓶供給カセットの一の側板75をバイアル瓶供給装置60のバイアル瓶供給カセット固定部63に挿入し、バイアル瓶供給カセットの他の側板75をバイアル瓶カセット固定板に、固定用ネジ67により固定する。バイアル瓶供給カセットがバイアル瓶供給装置60に固定されると、前記バイアル瓶落下防止用ストッパー77が抜除され、バイアル瓶が前記バイアル瓶導入口より落下する。
【0035】
前記バイアル瓶供給カセット70の一のバイアル瓶格納ケース73に格納されたバイアル瓶5が消費されると、制御部からの指示によりバイアル瓶供給用アクチュエーター61が作動し、バイアル瓶供給カセット全体が、バイアル瓶導入孔33方向に、バイアル瓶格納ケース一つ分だけ送り出され、次のバイアル瓶格納ケースが、バイアル瓶導入孔33の直上に固定される。バイアル瓶供給用アクチュエーター61は、ガス吸送用アクチュエーター13と同様に、直線運動をする駆動装置であれば、いずれも使用することができるが、中でもエアシリンダが小型で好ましい。
【0036】
前記バイアル瓶格納ケース73に格納されたバイアル瓶5が落下し、ガス注入位置に固定され、前記工程1によりバイアル瓶中へのガスの充填が終了すると、バイアル瓶がバイアル瓶貯留槽80に落下して、次のバイアル瓶が固定されるという一連の工程を以下工程3という。
【0037】
制御部90は、組込用のPCやパーソナルコンピュータ、リレー、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等を用いることができる。
【0038】
制御部90は、工程1のガス吸送用アクチュエーターの作動によりガスが吸気口より吸気されると、工程2のニードル駆動用アクチュエーターが作動して、針がバイアル瓶中へ挿入され、工程1のガスの充填が終了すると、工程2のニードル駆動用アクチュエーターが作動して、針がバイアル瓶から抜出され、工程3のバイアル瓶排出用アクチュエーターの作動に続いてバイアル瓶固定用アクチュエーターが作動してバイアル瓶がバイアル瓶貯留槽に落下し、バイアル瓶が落下するとバイアル瓶排出用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶固定・排出装置を再びガス注入位置に戻し、次のバイアル瓶を固定して、次の工程1が開始されるプロセスを管理する。
【0039】
さらに制御部90は、前記プロセスの管理のほかに、ガス採取時間の間隔の管理、一のバイアル瓶に充填するシリンジの作動回数等を管理する。
【0040】
本発明のガス採取装置は、野外においても使用されるために、本装置全体が、金属その他の防水、防湿の素材からなり、外部から密閉された筐体に格納される。該筐体の大きさは、運搬等の観点から、縦50cm、横120cm、高さ120cm以下が好ましく、縦35cm、横100cm、高さ100cm以下がより好ましい。また同様の理由で、筐体を含む本発明のガス採取装置の全体重量は、80kg以下が好ましく、60kg以下がより好ましい。また以下の実施例においては、筐体をはじめ、ガイド板押え、バイアル瓶供給カセット固定部等の素材としてステンレスを用いたため総重量は50kgであったが、該素材をアルミ等の軽量金属や硬質樹脂を用いることにより30kg以下とすることが可能である。
【実施例】
【0041】
本発明のガス採取装置について、実施例に基づき、更に詳細に説明する。以下の実施例の説明において、図、及び図中の記号は、前記「発明を実施するための最良の形態」に用いた図及び記号を用いる。
ガス導入部10において、シリンジ11としては、テルモ社製ss-50ESz、容量50mlを用いた。またガス吸送用アクチュエーター13は、SMC社製CQ2F40-50Dを、T字型コネクタ15は、ジーエルサイエンス社製ミニチェックバルブMFTD-W-3Vを、ガス吸気用チューブ17、及びガス送気用チューブ19は、いずれもジーエルサイエンス社製ポリテトラフルオロエチレンチューブ、外径3mm、内径2mmをそれぞれ用いた。
【0042】
ガス注入装置40において、針41はシリンジの目詰まり防止のため、横穴式のジーエルサイエンス外径1.0mm×40mm(3008-45005)を用い、ガス送気用チューブ19と針41を接続するニードルアダプタ49は、市販のジーエルサイエンス社製ルアーロックコネクタLLA-3を用い、該ニードルアダプタを固定するニードルアダプタ保持具51はアルミ材を加工して作製し、サイズは5.5cmとした。立ち上げアーム55は、アルミ材を切削加工して作製し、サイズは5.5cmとした。ニードル駆動用アクチュエーター59は、SMC社製CQ2KB40-25Dを用い、ピストンロッドのストロークは23mmとした。ニードルアダプタ保持具51、立ち上げアーム53、及びニードル駆動用アクチュエーター59のピストンロッドは、それぞれ切削加工により作成し、コの字型になるようボルトで連結した。
【0043】
針ガイド板43は、厚さ3mmのポリカーボネート板を用い、針ガイドの孔の径は1.3mmとした。ガイド板押え45は、ステンレス板により作製した。
【0044】
バイアル瓶は日電理化社製穴あきスクリューキャップ式バイアル瓶SVG-15、キャップ込みの長さ5.9cm、径2.7cm、容量15mlを用いた。
【0045】
バイアル瓶固定・排出部20において、バイアル瓶排出用アクチュエーター21は、SMC社製CXSM10-35-X593を用い、ピストンロッドのストロークは30mmとした。バイアル瓶径方向保持具23は、送出用アクチュエーター21のピストンロッドの端部に幅6cmの「コ」の字状器具を設けた。バイアル瓶固定用アクチュエーター25は、SMC社製CQSKF12-10Dを用いた。バイアル瓶衝撃吸収シート27は、高さ0.2cm程度のゴム板を用いた。
【0046】
バイアル瓶固定・排出装置の収納ケース31は、アルミ材を切削加工して作製し、サイズは縦10cm、横27cm、高さ3cmとした。バイアル瓶導入口33、バイアル瓶排出口35は、いずれも縦7cm、横3.5cmとした。バイアル瓶貯留槽80は、縦17.5cm、横43.5cm、高さ14cmのプラスチック容器を用いた。
【0047】
バイアル瓶供給装置60において、バイアル瓶供給用アクチュエーター61は、TAIYO社製10S-1SD12N35Tを用いた。バイアル瓶供給カセット固定部63、及びバイアル瓶カセット固定板65は、ステンレスで作製し、バイアル瓶供給用アクチュエーター61のピストンロッドとバイアル瓶供給カセット固定部63とをボルトで連結した。バイアル瓶カセット固定板65は、蝶ネジを用いてバイアル瓶カセット側板を固定するものである。
【0048】
バイアル瓶供給カセット70は、バイアル瓶の充填方向、残量の確認を容易と知るために、厚み4mmの透明アクリル樹脂を用い、内径が縦6.1cm、横3cm、高さ29cmのバイアル瓶格納ケースを三つ重ねたものとし、バイアル瓶供給カセット70の底面から2cm、中央にステンレス製棒状のバイアル瓶落下防止用ストッパー77を設けた。
【0049】
制御部90は、組込用のPC/104規格PCと8chリレーボードを使用した。
【0050】
本実施例のガス採取装置の全体図を図8に示すが、本装置全体を覆う筐体は、ステンレスで作製し、その大きさは縦28.5cm、横77.5cm、高さ80cmであった。本装置全体の重量は50kgであり、野外の任意のガス採取に運搬し、設定することは極めて容易であった。
【0051】
本発明のガス採取装置の使用手順を以下に示す。
(1) 真空済みバイアル瓶5をバイアル瓶供給カセット70に装填する。なお、バイアル瓶の識別のため、あらかじめナンバーリングをしておき、ナンバー順に格納することが好ましい。なおバイアル瓶供給カセット下部は開放されているため、バイアル瓶落下防止用ストッパー棒77を事前にセットして、バイアル瓶5の落下を防止しておく。
(2) バイアル瓶カセット70を、バイアル瓶供給装置60に設置した後、手動によりバイアル瓶落下防止用ストッパー棒77を抜除する。
【0052】
(3) サンプリング時間、サンプリング回数、配管チューブ内空気のパージ回数等の必要なデータを制御部90に指示する。
(4) あらかじめサンプリングが開始される前に、1本目のバイアル瓶をバイアル瓶固定・排出装置20に固定しておく。
(5) サンプリング時間となると、制御部90の指示によりガス吸送用アクチュエーター13が作動して、シリンジ11が設定回数の吸気及び排気を繰り返し、配管チューブ内空気のパージを行う。なおパージの間は、針41は外気中にある。
【0053】
(6) パージ終了後、シリンジ11を引くことにより、該シリンジ11内にガスが採取されると共に、ニードル駆動用アクチュエーター59が作動して、針41がバイアル瓶5中に挿入される。
(7) ガス吸送用アクチュエーター13が作動して、シリンジが注入することにより、シリンジ11内のガスをバイアル瓶5に充填する。
【0054】
(8) バイアル瓶5にガスが充填されると、ニードル駆動用アクチュエーター59が作動して、針41がバイアル瓶5から抜出される。その後バイアル瓶排出用アクチュエーター21が作動し、バイアル瓶をバイアル瓶径方向保持具23とバイアル瓶固定用アクチュエーター25で挟持したまま、バイアル瓶排出口35方向に押し出す。バイアル瓶5が、バイアル瓶排出口35の真上に来ると、バイアル瓶固定用アクチュエーター25が作動し、バイアル瓶の保持を解除し、バイアル瓶はバイアル瓶貯留槽80に落下する。バイアル瓶固定用アクチュエーター25はバイアル瓶保持のポジションに戻す。その後バイアル瓶排出用アクチュエーター21が作動し、バイアル瓶径方向保持具23等がバイアル瓶導入口33の下に戻る。
【0055】
(9) バイアル瓶排出用アクチュエーターがバイアル瓶導入口33の下に戻った後、バイアル瓶固定アクチュエーターをバイアル瓶保持のポジションを解除すると、上部のバイアル瓶カセットより次のバイアル瓶がバイアル瓶固定・排出装置内に落下し、再びバイアル瓶固定用アクチュエーターによりバイアル瓶を固定する。
(10) バイアル瓶カセットの一列目の終了まで、(5)〜(9)と同様の手順を繰り返す。
【0056】
(11) バイアル瓶格納ケースの一列目が終了すると、バイアル瓶カセット供給用アクチュエーター61が作動し、バイアル瓶カセットの2列目のケースがバイアル瓶導入口の直上に移動する。2列目以降も1列目と同様の手順を繰り返す。
(12) ガスの採取が終了すると、注入済みバイアル瓶貯留槽より適宜バイアル瓶を回収し、分析に供する。バイアル瓶貯留槽内のバイアル瓶は順不同のため、バイアル瓶の識別は前記手順(1)においてあらかじめセットしておいたナンバーリングによる。
【0057】
本装置は、ガス採取の時間間隔を最小1分から日単位まで設定でき、他のガス採取方法に比べ時間分解能を高くすることができ、急激な濃度変動を捕らえることも可能であった。採取したガスは、ガスクロマトグラフ等の定法の分析方法により測定することができた。
【0058】
また本実施例では、バイアル瓶30本が収納できるバイアル瓶格納ケースを用いたが、ガス採取地におけるチャンバーボックスを1点設置して、一チャンバーボックスのガス採取間隔を24時間おきとし、一回のサンプリングにおいて、10分おきに3つのサンプルを採取するとし、10日間のガスサンプルの採取が可能であった。1点のガスフラックスの計算においてそれぞれ3つのサンプルを用いるため、10のガスフラックスが得られた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
ガス導入部を自動クローズドチャンバーと接続することにより、野外におけるガスの無人サンプリングを高頻度・長期にわたり行うことができる。
この他に、バイアル瓶での保存が可能な安定なガス種について、そのガス採取に用いることが可能である。特に本装置は、時間分解能を高くすることが可能なことから、急激な濃度変動を捕らえる必要がある、例えば、室内空気、排ガス等の様々なガスの自動サンプリングを必要とする場合に利用できる。また、スタンダードガスボンベと接続することにより、スタンダードガスをバイアル瓶に自動で充填することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のガス採取装置の全体を示す正面概要図である。
【図2】ガス吸送部の概略説明図である。
【図3】ガス注入装置の断面説明図である。
【図4】バイアル瓶固定・排出装置の断面説明図である。(バイアル瓶がガス注入位置の状態)
【図5】バイアル瓶固定・排出装置の断面説明図である。(バイアル瓶がバイアル瓶排出口の状態)
【図6】バイアル瓶供給装置の模式図である。
【図7】バイアル瓶供給カセットの一例を示す模式図である。
【図8】本実施例のガス採取装置の全体図である。
【符号の説明】
【0061】
1 吸気口
5 バイアル瓶
7 バイアル瓶の栓
10 ガス導入装置
11 シリンジ
12 シリンジのプランジャー
13 ガス吸送用アクチュエーター
14 プランジャー先端とピストンロッド先端との固定具
15 T字型コネクタ
17 ガス吸気用チューブ
19 ガス送気用チューブ
20 バイアル瓶固定・排出装置
21 バイアル瓶排出用アクチュエーター
23 バイアル瓶径方向保持具
25 バイアル瓶固定用アクチュエーター
27 バイアル瓶衝撃吸収シート
31 バイアル瓶固定・排出装置の収納ケース
33 バイアル瓶導入口
35 バイアル瓶排出口
40 ガス注入装置
41 針
43 針ガイド板
45 ガイド板押え
49 ニードルアダプタ
51 ニードルアダプタ保持具
53 立ち上げアーム
57 ニードル駆動用アクチュエーターのピストンロッド
59 ニードル駆動用アクチュエーター
60 バイアル瓶供給装置
61 バイアル瓶供給用アクチュエーター
63 バイアル瓶供給カセット固定部
65 バイアル瓶カセット固定板
67 固定用ネジ
70 バイアル瓶供給カセット
73 バイアル瓶格納ケース
75 バイアル瓶カセット側板
77 バイアル瓶落下防止用ストッパー
80 バイアル瓶貯留槽
90 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口に接続する吸気用チューブが、T字型コネクタを介して送気用チューブ、送気用チューブ、及びニードルアダプタを介して接続する針と通じており、ガス吸送用アクチュエーターの作動により、吸気口より吸気されたガスが、前記吸気用チューブ、ガス送気用チューブを通じて針に送気されて、前記針が挿入されたバイアル瓶中にガスが充填される工程1と、
ニードル駆動用アクチュエーターの作動によりニードルアダプタ保持具に保持されたニードルアダプタが往復運動をして、前記針がガス注入位置に固定されたバイアル瓶中への挿入と抜出を反復する工程2と、
バイアル瓶固定用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶をガス注入位置に固定し、バイアル瓶中へのガスの充填が終了すると、バイアル瓶排出用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶を排出し、次のバイアル瓶を固定する工程3とからなり、
工程1、工程2および工程3が制御部の指示により連動することにより、ガスが連続してバイアル瓶へ充填され、且つ前記吸気口を除く各構成要素が筐体に収めら、可搬式であることを特徴とするガス自動採取装置。
【請求項2】
前記工程3が、バイアル瓶格納ケースに格納されたバイアル瓶がバイアル瓶固定・排出装置に落下すると、バイアル瓶固定用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶をバイアル瓶径方向保持具とバイアル瓶固定用アクチュエーターで挟持してガス注入位置に固定し、バイアル瓶中へのガスの充填が終了すると、バイアル瓶排出用アクチュエーターが作動してバイアル瓶固定・排出装置をバイアル瓶排出口方向に押し出し、バイアル瓶固定・排出装置が、バイアル瓶排出口の上に来るとバイアル瓶固定用アクチュエーターが作動し、バイアル瓶の挟持を解除し、バイアル瓶はバイアル瓶貯留槽に落下し、バイアル瓶が落下するとバイアル瓶排出用アクチュエーターの作動によりバイアル瓶固定・排出装置を再びガス注入位置に戻し、次のバイアル瓶の落下し固定する工程である請求項1に記載のガス自動採取装置。
【請求項3】
前記ニードル駆動用アクチュエーターが、立ち上げアームを介してニードルアダプタに接続し、ニードル駆動用アクチュエーターの作動がニードルアダプタへ並列的に伝達される請求項1又は請求項2に記載のガス自動採取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−174908(P2009−174908A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11540(P2008−11540)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(501245414)独立行政法人農業環境技術研究所 (60)
【Fターム(参考)】