説明

ガス栓

【課題】プラグの装着およびねじ込み状態を容易に確認することができるガス栓を提供すること。
【解決手段】流入路31aおよび流出路31bを有する弁箱31内に、これらを連通するボール形弁体34が回転自在に設けられ、流入路31aと流出路31bとの間に、ボール形弁体34を回転可能にシールする一対のボールシート32が設けられ、弁箱31に形成された突設部41に、ボール形弁体34の外周面と弁箱34の内周面との間のキャビティ部Cに連通する穴部42が穿設され、この穴部42に、これを閉塞するプラグ43が装着され、プラグ43の外周に識別部44が形成され、突設部41に、プラグ43の識別部44を視認する確認窓41aが形成されることにより、プラグ43の装着状態の確認が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス配管内の空気抜き用穴やガス圧検査用の接続穴を有するガス栓に関し、特に、キッチン組み込みタイプのガスコンロや給湯器などの固定式燃焼器具に直接接続されるガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図11に示すように、この種のガス栓1は、キッチン組み込みタイプのガスコンロや給湯器などの固定式燃焼器具に直接接続され使用される。取り付け状態としては、システムキッチン20での使用の場合、扉式のキャビネット21の内部に取り付けられ、このキャビネット21の上部に組み込まれたガスコンロ22に直接接続される。
【0003】
前記ガス栓1を、図12〜15を参照して説明する。図12において、2は弁箱、3はボール形弁体、4および5は1対のリング状の弁座、6はステム軸、7はハンドル、8はプラグである。なお、弁箱2には、割りリング9aを介して回転自在の継手部9が接続されている。
【0004】
弁箱2には、ステム軸6に対して軸線方向に流入路2aと、これに直角な方向に流出路2bとが形成されており、この弁箱2に1対の弁座4および5を介してボール形弁体3が装着してある。また、このボール形弁体3にも、ステム軸6に対して軸線方向とこれに直角な方向とでL字形に流路3aと3bが形成されている。
さらに、このボール形弁体3のステム軸6に対して直角な方向に形成された流路3bの裏側の球面を平面状に切除した切除面3cが形成されていて、このボール形弁体3が、図14に示したようにバルブ1の全開状態と全閉状態との中間の位置にあるときに、切除面3cがこれに対面する弁座5の部分との間に透き間Cを形成するようになっている。
【0005】
ボール形弁体3が、図12、13に示したようにバルブ1の全開状態の位置にあるときにボール形弁体3の切除面3cが対面する弁箱2の部分に、外部に通じプラグ8を着脱自在にして形成した開口部2cが形成してあり、この開口部2cにOリング10で密封するようにしたプラグ8がねじ込められている。すなわち、開口部2cにプラグ8を装着することによって、開口部2cを密封し、ガス漏れを防いでいる。
【0006】
次に、ガス栓1の作用を述べる。
先ず、1対の弁座4および5を有するこのアングル形ボールバルブ1においては、両弁座4および5の間のいわゆるボデーキャビティー2dは流入路2aに常に通じており、一方の弁座4の外側は流出路2bになっているが、他方の弁座5の外側は開口部2cに通じていて、ボール形弁体3が、図12、13に示したように全開の状態であるときおよび図15に示したように全閉の状態であるときには、ガスの流路2a、2b、3aおよび3bとは完全に隔絶された状態になる。
【0007】
このため、常にあり得る状態である全開および全閉の状態において、例え開口部2cが開放されていても、内部のガスが外部に漏れることがない。また、空気抜き、漏れ検査またはガス圧検査などのためにガスの流路と開口部2cとを連通させるには、図14に示したようにボール形弁体3を中間の開度にして、ボール形弁体3の切除面3cとこれに対面する弁座5の部分との間に透き間を生じさせればよい。
【0008】
さらに、弁座4および5は通常ゴム等の弾性体かPTFEのような弾性を有する合成樹脂で作られているために、ガスコックのように金属面接触している本体と弁体(栓体)との間から漏れる虞がない。また、図12〜15に示したように、プラグ8をOリング10で密封するようにすると、開閉操作途中でのガス漏れが防止される。このような従来技術は、以下に示す特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平07−301348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のガス栓1は、キャビネット21内のような狭所に取り付けられ、しかもプラグ8は、弁箱2の下部に装着されている。このため、ガス栓1を配管接続する際に、プラグ8の装着の有無やねじ込み状態を確認し難いという事情がある。
【0010】
プラグ8の装着忘れやねじ込み不足は、ガス漏れの原因になり、このガス漏れは、ガス栓1が半開状態のときに生じる。つまり、ハンドル7が不本意に中間位置に回転させられ、ガス栓1が半開状態にされると、ガス漏れを誘発することになる。
【0011】
本発明の技術的課題は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラグの装着およびねじ込み状態を容易に確認することができるガス栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、流入路および流出路を有する弁箱と、前記弁箱内に回転自在に設けられ、前記流入路および前記流出路を連通するボール形弁体と、前記流入路と前記流出路との間で、前記ボール形弁体を回転可能にシールする一対のボールシートとを備え、前記弁箱に形成された突設部に、前記ボール形弁体の外周面と前記弁箱の内周面との間のキャビティ部に連通する穴部が穿設され、前記穴部に、これを閉塞するプラグが装着されたガス栓において、前記プラグの外周に識別部が形成され、前記突設部に、前記プラグの識別部を視認する確認窓が形成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記確認窓は、前記突設部に形成された切欠溝または切欠孔であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記突設部は、前記弁箱の外周面に突出した突出部または前記弁箱の外周面に形成された肉厚部であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記識別部は、前記プラグの上方外周面に各種の色彩等を施して締付完了用識別部または不完全締付用識別部としたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記プラグの接合ねじ部の長さより前記プラグのOリングシール可能面の長さが長く形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記弁箱をアングル形に形成してアングル形のガス栓とし、または前記弁箱をストレート形に形成してストレート形のガス栓としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、プラグの識別部を視認する確認窓が形成されたので、プラグの識別部を確認窓より視認することで、プラグのねじ込み不足が容易に確認される。また、確認窓よりプラグの装着の有無や脱落も確認することができ、ガス漏れを未然に防止することができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、確認窓は、突設部を切り欠いた溝または孔であるので、キャビネットの使用者やキャビネット内の収容物は、突設部に接触し、プラグへの直接の接触が回避される。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、突設部は、弁箱の突出部または肉厚部で形成されるので、プラグが確実に装着される突設部が簡単な加工によって得られる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、識別部は、プラグの上方外周面に各種の色彩等を施して締付完了用識別部または不完全締付用識別部としたので、プラグのねじ込み状態の確認が、より確実かつ容易に確認される。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、プラグの接合ねじ部の長さよりプラグのOリングシール可能面の長さが長く形成されたので、プラグがねじ込み不足であっても、穴部のシール性が確保され、ガス漏れを抑制することができる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、アングル形またはストレート形に適用される汎用性の高いガス栓が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るガス栓の一実施の形態を示す全開時の縦断面図であり、図2は、図1の全開状態から時計回りに90°回転した全閉状態を示す縦断面図である。
【0025】
図1、2に示すガス栓30は、たとえば、ガスコンロ22の下部に配置されたキャビネット21内に取り付けられるもので、アングル形に形成された弁箱31を有している(図11参照)。
【0026】
前記弁箱31内には、ガスが流入する流入路31aと、これと略直角方向に交差し、上方に配置されたガスコンロ22にガスを流出する流出路31bとが形成されている。そして、流入路31aと流出路31bとが交差する位置には、流入路31aと流出路31bとを連通するボール形弁体34が回転自在に設けられ、流入路31aと流出路31bとの間の、前記ボール形弁体34の上流側および下流側には、ボール形弁体34を回転可能にシールする一対のボールシート32がそれぞれ装着されている。
【0027】
また、弁箱31には、流入路31aの軸線上に回転軸35が回転自在に設けられ、この回転軸35の一端部は、ボール形弁体34に固定され、他端部には、コネクタ33を介してハンドル39が接続されている。
回転軸35の一端部側の円柱部には、一対のOリング36が装着されており、ハンドル39が弁箱31内の気密性を確保したまま回転されるようになっている。
回転軸35の他端部には、二面凸部35aが形成されており、この二面凸部35aに、コネクタ33の一端部に形成された二面凹部33aを嵌合することにより、コネクタ33を、回転軸35の軸心方向に移動可能としつつ、回転軸35とともに回転可能としている。
【0028】
ハンドル39は、ねじ40によりコネクタ33に固定されており、コネクタ33は、弁箱31の取付部31cに固定された略環状のストッパー61により、弁箱31内に配置されている。なお、ストッパー61は、取付部31cに対し、周方向の回転を係合部(図示しない)により規制されるとともに、軸方向の移動を取付部31cの段部31eと止め輪62により規制されている。
【0029】
コネクタ33は、コイルばね38によってハンドル39側に付勢され、コネクタ33のハンドル側端部に設けたコネクタ二面凸部33bが、ストッパー61の内径に形成されたストッパー二面凹部61aに嵌合することによって、ハンドル39の回転方向位置がロックされている。
【0030】
ガス栓30を図1の全開状態とする場合には、ハンドル39をコイルばね38の弾発力に抗して押圧することにより、コネクタ二面凸部33bとストッパー二面凹部61aとの嵌合を解除し、ハンドル39のロックを解除する。そして、ハンドル39を押圧した状態で、回転することにより、コネクタ33と回転軸35を介して、ボール形弁体34を回転する。コネクタ33の基部外周33cには、段部(図示しない)が形成されており、この段部を、弁箱31の取付部31cの内周に形成した突部(図示しない)に当接することにより、ハンドル39が全開位置となるように形成している。なお、前記のような全閉位置のハンドルロック構造は、実開昭64−46587にも開示されている。
【0031】
前記ハンドル39は、ポリカーボネート材からなるカップ形状を有しており、その開口部は弁箱31の取付部31cを覆うように位置している。ハンドル39の開口部には、その軸線方向に延在し開口端に達する一対のスリット39aが若干の間隔をおいて形成され、径方向の弾性変位を容易にした舌片39bが形成されている。そして、この舌片39bの内面に、半球状の突起部39cが形成されている(図3参照)。
【0032】
また、前記取付部31cにおいて、突起部39cに対応する位置には、突起部39cの形状に略整合する凹部31dが形成され、突起部39cが凹部31dに係止されることにより、ハンドル39の全開時の位置が仮止めされ、不本意なハンドル39の回転が阻止されるようになっている(図4参照)。
【0033】
ガス栓30を図2の全開状態とする場合には、ハンドル39を押圧することなく回転することにより、ハンドル39の突起部39cが弁箱31の凹部31dの周縁部に乗り上げ、舌片39bが径方向に弾性変位することにより、仮止めが解除される。
したがって、全閉状態のハンドル39の保持力は、ハンドル39の押圧による解除を必要とする大きな保持力にて設定され、その嵌合解除の際には、ハンドル39の操作時に大きなクリック感覚が得られるのに対し、全開状態のハンドル39の保持力は、ハンドル39の回転のみにより解除される小さな保持力にて設定されており、その係合解除の際には、ハンドル39の操作時に小さなクリック感覚が得られる。
【0034】
このように、ボール形弁体34を全開、全閉位置の双方で保持することにより、ボール形弁体34が不本意に中間開度位置に回転するのを防ぐ他、これら双方位置でのクリック感覚によって、操作時に誤って中間開度位置に放置してしまうことを防止することができる。
さらに、全閉位置でのハンドル39の保持力に比べ、全開位置での保持力は相対的に小さく設定しているために、ガスを緊急遮断する必要性に基づくハンドル39の全開から全閉状態への回転操作は、ハンドル39の押圧操作を必要とすることなく、円滑に行うことができる。
【0035】
前記弁箱31の下部の、流出路31bの軸線上には、突設部41が形成され、この突設部41には、ボール形弁体34の外周面と弁箱31の内周面との間のキャビティ部Cに連通する穴部42が穿設されている。なお、前記突設部41は、弁箱31の突出部または肉厚部で形成されている。
【0036】
この穴部42は、小径部42aと内周がねじ加工された大径部42bとからなり、穴部42内には、プラグ43がねじ込められ、穴部42を気密に閉塞して、キャビティ部Cから突設部41の外方へのガスの漏洩を防止している。
【0037】
このようなプラグ43は、穴部42の小径部42aおよび大径部42bにそれぞれ略整合する小径部43aおよび大径部43bを有し、小径部43aの先端部には、Oリング45が装着され、大径部43bの外周はねじ加工され、小径部43aの長さlは、少なくとも穴部42の大径部42bと、プラグ43の大径部43bとの螺合長さXよりも長く設定しており、本実施形態においては、小径部43aの長さlを前記螺合長さXと等しい大径部43bのねじ部長さLより長く設定され、小径部42aのほぼ全長がシール可能面となっている(図5(b)参照)。なお、前記Oリング45は、穴部42の小径部42aに装着してもよい。
【0038】
前記プラグ43の大径部43bの外周には、その先端部43cに隣接する識別部44が形成され、突設部41の開口端部には、プラグ43の先端部43cおよび識別部44を視認するための確認窓41aが形成されている。このような確認窓41aは、突設部41の開口端部を切り欠いて形成した溝または孔あるいはこれらを組み合わせたものである。本実施例における確認窓41aは、ハンドル39側から確認可能に形成された溝である。
【0039】
プラグ43が、穴部42に正常に装着されている場合は、図5(a)、(b)に示すように、プラグ43は、穴部42に完全にねじ込められており、この状態では、プラグ43の先端部43cが、確認窓41aより視認され、プラグ43が正常に装着されていることが容易に確認される。
【0040】
次に、プラグ43のねじ込みが不十分な場合、あるいは万が一、キャビネット21の繰り返し使用による振動や収容物が接触するなどして、プラグ43のねじが緩む危険性が考えられ、そうした場合、穴部42より抜脱をはじめると、プラグ43の識別部44が、確認窓41aより視認され、プラグ43の緩みが確認される(図6(a)、(b)参照)。
【0041】
次に、プラグ43が緩み、図7(a)、(b)および図8(a)、(b)に示すように、順次、プラグ43の抜脱が進行しても、小径部43aの長さlは、大径部43bの長さLより長く設定されているので、穴部42のシール性は確保され、ガス漏れを抑えることができる。
【0042】
プラグ43が穴部42に未装着の場合、図9(a)、(b)に示すように、プラグ43が、確認窓41aより視認されず、プラグ43の未装着が容易に確認される。
【0043】
このように、本実施の形態では、プラグ43の先端部43c近傍に識別部44が形成され、突設部41の開口端部に識別部44を視認する確認窓41aが形成されたので、プラグ43の識別部44が確認窓41aより容易に視認され、プラグ43の緩み(締め付け状態)が確認される。また、確認窓41aよりプラグ43の装着の有無や脱落状態も確認され、ガス漏れを未然に防止することができる。
【0044】
また、確認窓41aは、突設部41を切り欠いて形成された溝または孔であるので、キャビネット21の使用者やキャビネット21内の収容物は、突設部41の端部に接触し、プラグ43への直接の接触が極力回避され、プラグ43の緩みが抑制される。
【0045】
また、突設部41は、弁箱31の突出部または肉厚部で形成されるので、突設部41が簡単な加工で得られ、プラグ43は、余裕をもって確実に装着される。
【0046】
次に、プラグ43の緩みをさらに抑制する他の実施例について説明する。
システムキッチン20のキャビネット21の内部には、鍋やフライパン等の調理器具や調味料のビンなどの容器が収納されている。一例として、フライパンは、直径約20〜30cmのものが多く市販されており、その柄は、直径約25〜30mmである。
【0047】
プラグ43の先端部43cの端面を、突設部41の開口端部41bの端面よりも内方に位置する、いわゆる凹み状に配置することにより、調理器具の柄などが、キャビネット21の内方上方に配置されたガス栓の当接部41に接触しても、プラグ43の端面まで到達する現象を防ぐことができ、これに起因するプラグ43の緩みを抑制することができる。
【0048】
前記凹み寸法t(プラグ43の先端部43cの端面から、突設部41の開口端部41bの端面までの寸法)は、プラグのねじ呼びM9の場合、t=約0.5mmに設定することにより、直径約30mmの調理器具の柄等がプラグの端面まで到達するのを防ぐことができ、t=約1.0mmに設定することにより、直径約15mmの調理器具等の到達を防ぐことができる。なお、t=約2.0mmよりも大きく設定すると、確認窓41aを突設部41の鍛造成形時に一体に成形するのが困難となるから、0.5〜2.0mmが好ましく、1.0〜2.0mmに設定するのが最適である。
【0049】
また、プラグ43のねじ部の長さよりプラグ43のOリングシール可能面の長さが長く形成されたので、プラグ43が緩み、その抜脱が進行しても、少なくともプラグ43と大径部42bのねじの掛りが1山以上あれば、穴部42のシール性が確保されることになり、ガス漏れが抑制される。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
【0051】
たとえば、識別部44に、プラグ43の不完全締付用識別部および締付完了用識別部を設け、不完全締付位置(ガス漏れ危険位置)において、確認窓41aから視認できる位置に、赤色を表示し、締付完了位置(安全位置)において、確認窓41aから視認できる位置に、青色表示を併記してもよい。
【0052】
さらに、識別部44は、暗いキャビネット21内でも視認できるように、蛍光表示としてもよい。これらにより、より明確な注意の喚起が行われ、プラグの装着状態の確認がより確実かつ容易になる。
【0053】
弁箱31をストレート形に形成してストレート形のガス栓とすることもでき、アングル形またはストレート形に適用できるようにし、汎用性を向上させることができる。
【0054】
図10に示すように、ハンドル50の開口端部に凹部50aを形成し、弁箱31の取付部31cに樹脂リング51を装着し、樹脂リング51に突起部51aを形成し、凹部50aを突起部51aに係止させることによって、ガス栓31の全開時の位置を仮止めし、ハンドル50の不本意な回転を阻止してもよい。この場合、ハンドル50に突起部を形成し、樹脂リング51に凹部を形成してもよい。なお、図中、31fは、弁箱31の取付部31c上面に設けた凸部であり、この凸部31fを、樹脂リング51下面の凹部51bに係止することにより、樹脂リング51の回転を防止している。
【0055】
また、プラグ43の端部にボールプランジャーを固定し、ボール形弁体34に形成された凹部に、ボールプランジャーのボールを押し当て、ボール形弁体34の不本意な回転を阻止するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態に係るガス栓の全開時の縦断面図である。
【図2】図1に示すガス栓の全閉時の縦断面図である。
【図3】図1に示すハンドルの底面図である。
【図4】図1のB部拡大断面図である。
【図5】図1に示すプラグが正常に装着されている状態を示すもので、(a)は、ガス栓の正面図、(b)は、プラグおよび穴部の断面図である。
【図6】図1に示すプラグが抜脱する行程を示すもので、(a)は、突設部の正面図、(b)は、プラグおよび穴部の断面図である。
【図7】図1のプラグが抜脱する行程を示すもので、(a)は、突設部の正面図、(b)は、プラグおよび穴部の断面図である。
【図8】図1のプラグが抜脱する行程を示すもので、(a)は、突設部の正面図、(b)は、プラグおよび穴部の断面図である。
【図9】図1に示すプラグが装着されていない状態を示すもので、(a)は、突設部の正面図、(b)は、穴部の断面図である。
【図10】図1に示すハンドルの係止機構を示す断面図である。
【図11】ガス栓の取り付け状態を示す斜視図である。
【図12】従来のガス栓の縦断面図である。
【図13】図12のA−A断面図である。
【図14】図13の状態からハンドルを45°回転したときのボール形弁体の状態を示す断面図である。
【図15】図14の状態からハンドルをさらに45°回転し、全閉時のボール形弁体の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
30 ガス栓
31 弁箱
31a 流入路
31b 流出路
32 ボールシート
34 ボール形弁体
35 回転軸
39 ハンドル
39a スリット
39b 舌片
39c 突起部
41 突設部
41a 確認窓
42 穴部
42a、43a 小径部
42b、43b 大径部
43 プラグ
44 識別部
C キャビティ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入路および流出路を有する弁箱と、前記弁箱内に回転自在に設けられ、前記流入路および前記流出路を連通するボール形弁体と、前記流入路と前記流出路との間で、前記ボール形弁体を回転可能にシールする一対のボールシートとを備え、前記弁箱に形成された突設部に、前記ボール形弁体の外周面と前記弁箱の内周面との間のキャビティ部に連通する穴部が穿設され、前記穴部に、これを閉塞するプラグが装着されたガス栓において、
前記プラグの外周に識別部が形成され、前記突設部に、前記プラグの識別部を視認する確認窓が形成されたことを特徴とするガス栓。
【請求項2】
前記確認窓は、前記突設部に形成された切欠溝または切欠孔であることを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項3】
前記突設部は、前記弁箱の外周面に突出した突出部または前記弁箱の外周面に形成された肉厚部であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス栓。
【請求項4】
前記識別部は、前記プラグの上方外周面に各種の色彩等を施して締付完了用識別部または不完全締付用識別部としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガス栓。
【請求項5】
前記プラグの接合ねじ部の長さより前記プラグのOリングシール可能面の長さが長く形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガス栓。
【請求項6】
前記弁箱をアングル形に形成してアングル形のガス栓とし、または前記弁箱をストレート形に形成してストレート形のガス栓としたことを特徴とする請求項1に記載のガス栓。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−303538(P2007−303538A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131940(P2006−131940)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(390002381)株式会社キッツ (223)
【Fターム(参考)】