ガス濃度検出装置
【課題】低濃度側の検出範囲の拡大を図ったガスセンサを提供する。
【解決手段】圧力センサ6が、ガスセンサ2を収容するセンサ室5の圧力を検出する。吸気ポンプ7が、センサ室5に雰囲気を流入してセンサ室5を加圧する。バルブ8が、弁開してセンサ室5内の雰囲気を流出してセンサ室5を減圧する。CPU91が、圧力センサ6により検出された圧力に基づいてセンサ室5の圧力が雰囲気圧よりも高い値になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御する。
【解決手段】圧力センサ6が、ガスセンサ2を収容するセンサ室5の圧力を検出する。吸気ポンプ7が、センサ室5に雰囲気を流入してセンサ室5を加圧する。バルブ8が、弁開してセンサ室5内の雰囲気を流出してセンサ室5を減圧する。CPU91が、圧力センサ6により検出された圧力に基づいてセンサ室5の圧力が雰囲気圧よりも高い値になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃度検出装置に係り、特に、検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述したガスセンサとして、例えば特許文献1に記載された接触燃焼式や吸着燃焼式のガスセンサが知られている。このガスセンサは、シリコン基板に支持された薄膜ダイヤフラムと、薄膜ダイヤフラム上に形成された白金ヒータと、この白金ヒータを覆う検知対象ガスとの燃焼を促進する貴金属触媒膜と、から構成されている。上述した構成のガスセンサは、白金ヒータを通電すると雰囲気中の酸素と検知対象ガスとが貴金属触媒膜上で燃焼して、このときに発生する燃焼熱を白金ヒータの抵抗変化としてとらえることで、検知対象ガスの濃度を検出している。
【0003】
エタノールやトルエンなどの極性の大きい検知対象ガスは貴金属触媒膜の表面上への吸着作用があるため、ガスセンサの白金ヒータを間欠的に通電させると、通電していない間に検知対象ガスが貴金属触媒膜に吸着する。その後、白金ヒータが通電されると吸着された検知対象ガスが一気に燃焼するため、図8(A)に示すように、ガスセンサの出力は、通電開始後から数〜数十msにピークを持つ山状波形が得られる。このピークの出力に基づいて検知対象ガスの濃度を検出するものを吸着燃焼式という。
【0004】
一方、メタンや水素、COなどの無極性又は低有極性の検知対象ガスは貴金属触媒膜の表面上への吸着作用がない。このため、白金ヒータを非通電状態から通電状態にしても、図8(B)に示すように、ガスセンサの出力は、山状波形が得られず、上昇した後に検知対象ガスの濃度に応じた値で一定となる。この一定の出力に基づいて検知対象ガスの濃度を検出するものを接触燃焼式という。
【0005】
しかしながら、上述した従来のガスセンサでは、検出対象ガスの濃度が低い雰囲気中では貴金属触媒膜上で燃焼する検出対象ガスが少なくなるため、出力が小さくなる。よって、従来のガスセンサでは、低濃度の検出には限界があり、低濃度側の検出範囲が狭いという、問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−69465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、低濃度側の検出範囲の拡大を図ったガスセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、低濃度側の検出範囲の拡大を図ったガスセンサを得るべく検討を重ねた結果、圧力を高くすると検知対象ガスの燃焼量が増えてガスセンサの出力が大きくなることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、請求項1記載の発明は、検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置において、前記ガスセンサを収容するセンサ室と、前記センサ室の圧力を検出する圧力センサと、前記センサ室に前記雰囲気を流入して前記センサ室を加圧する加圧手段と、前記圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記センサ室内の圧力が前記雰囲気圧より高くなるように前記加圧手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置に存する。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記制御手段が、前記センサ室内の圧力が設定値で一定になるように前記加圧手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置に存する。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記ガスセンサの劣化度を検出する劣化検出手段をさらに備え、前記制御手段が、前記劣化度に応じて前記センサ室内の圧力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置に存する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、制御手段が、圧力センサにより検出された圧力に基づいてセンサ室内の圧力が雰囲気圧より高くなるように加圧手段を制御するので、ガスセンサの出力が大きくなり、低濃度側の検出範囲の拡大を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、制御手段が、センサ室内の圧力が設定値で一定になるように加圧手段を制御する。これにより、センサ室の圧力が一定となり、ガスセンサの出力が雰囲気圧の影響を受けることがないので、正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、劣化検出手段がガスセンサの劣化度を検出し、制御手段が劣化度に応じてセンサ室内の圧力を制御するので、ガスセンサが劣化してガスセンサの感度が変動しても正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のガス濃度検出装置の一実施の形態を示す電気構成図である。
【図2】図1に示すガス濃度検出装置の構成図である。
【図3】図1に示すガスセンサの構成例を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)におけるA−A線断面図である。
【図4】0ppmのトルエンを含んだ雰囲気をそれぞれ流入管からセンサ室内に導入して、さらにセンサ室の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した結果を示すグラフである。
【図5】900ppmのトルエンを含んだ雰囲気をそれぞれ流入管からセンサ室内に導入して、さらにセンサ室の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した結果を示すグラフである。
【図6】第1実施形態における図1に示すCPUの検出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態における図1に示すCPUの設定値変更処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示すガスセンサの出力を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ガス濃度検出装置1は、図1及び図2に示すように、ガスセンサ2と、駆動回路3(図1)と、差動増幅器4(図1)と、センサ室5(図2)と、圧力センサ6と、加圧手段としての吸気ポンプ7と、減圧手段としてのバルブ8と、マイクロコンピュータ(以下μCOM)9(図1)と、を備えている。
【0017】
ガスセンサ2は、後述する駆動回路3にてパルス電圧が供給されて間欠的に検知対象ガスと燃焼する高温に制御される。このガスセンサ2は、図1に示すように、感応素子部Rs及び補償素子部Rrから構成されている。感応素子部Rsは、白金ヒータ21及び白金族、たとえばパラジウム(Pd)を担持したアルミナ(Al2O3)からなるPd/Al2O3触媒層22を含む。上記パラジウムは、検知対象ガスとの燃焼を促進する触媒である。補償素子部Rrは、白金ヒータ23及びアルミナ(Al2O3)のみからなるAl2O3層24を含む。
【0018】
詳しくは、図3(A)および(B)に示すように、このガスセンサ2は、シリコン(Si)ウエハ25の上に、酸化シリコン(SiO2)膜26a、窒化シリコン(SiN)膜26b及び酸化ハフニウム(HfO2)膜26cからなる絶縁薄膜が成膜され、その上に、感応素子部Rsとして白金ヒータ21及びPd/Al2O3触媒層22、補償素子部Rrとして白金ヒータ23及びAl2O3層24が形成されている。また、図3(C)に示すように、異方性エッチングして凹部27及び28を形成して、それぞれ薄膜ダイヤフラムDs及びDrを形成することにより熱容量を小さくしている。
【0019】
白金ヒータ21及び23は、図1に示すように、固定抵抗R1及びR2と可変抵抗Rvと共にブリッジ回路を構成している。そして、このブリッジ回路において、白金ヒータ21及び固定抵抗R1の接続点、並びに白金ヒータ23及び固定抵抗R2の接続点には、駆動回路3からのパルス電圧が所定のインターバルで間欠的に供給される。また、白金ヒータ21及び白金ヒータ23の接続点と、可変抵抗Rvの可動端子は、差動増幅器4の入力にそれぞれ接続される。そして、この差動増幅器4の出力がガスセンサ2のセンサ出力として後述するμCOM9に対して供給される。
【0020】
このようなガスセンサ2を使用するに際しては、まず、検出動作開始前に、μCOM9に供給されるセンサ出力が中間電位となるように可変抵抗Rvを調整する。この状態において、検出対象ガスが感応素子部Rsに吸着したり接触したりすると触媒作用により、この素子で燃焼する。この燃焼により発生する熱により、白金ヒータ21の抵抗値が上昇する。一方、補償素子部Rrにおいては触媒であるパラジウムが担持されていないため検出対象ガスは燃焼しない。この結果、ブリッジ回路の平衡が崩れ、μCOM9に検知対象ガスの濃度に応じたセンサ出力が供給される。この場合、白金ヒータ23は、周囲温度の変動による白金ヒータ21の抵抗値の変動分を相殺し、反応熱に起因する白金ヒータ21の抵抗値の変動成分のみを取り出せるように温度補償する。
【0021】
上記センサ室5は、図2に示すように、上記ガスセンサ2を収容する筐体である。このセンサ室5には、雰囲気をセンサ室5内に流入する流入管10と、雰囲気をセンサ室5外に流出する流出管11と、が連通されている。上記圧力センサ6は、センサ室5の圧力を検出して、μCOM9に対して出力する。上記吸気ポンプ7は、流入管10に設けられている。吸気ポンプ7は、センサ室5に雰囲気を流入する。上記バルブ8は、流出管11に設けられている。バルブ8は、流出管11の開閉を行う。以上の構成により、バルブ8により流出管11を弁閉した状態で吸気ポンプ7によりセンサ室5に雰囲気を導入すると、センサ室5内が加圧される。また、センサ室5が加圧された状態でバルブ8を弁開するとセンサ室5内の雰囲気が流出管11から流出してセンサ室5内が減圧される。
【0022】
μCOM9は、図1に示すように、駆動回路3、差動増幅器4、圧力センサ6、吸気ポンプ7及びバルブ8に接続され、ガス濃度検出装置1全体の制御を行う。μCOM9は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)91、CPU91のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM92、各種のデータを格納するとともにCPU91の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM93等を有して構成している。
【0023】
次に、上述したガス濃度検出装置1の動作を説明する前に本発明のガス濃度検出装置1の検出原理について説明する。本発明者らは、0ppm、900ppmのトルエン(検知対象ガス)を含んだ雰囲気をそれぞれ流入管10からセンサ室5内に導入して、さらにセンサ室5内の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した。結果を図4及び図5に示す。
【0024】
図4に示すように、トルエン0ppmでは、センサ室5の圧力が増加してもセンサ出力は変動しないことが分かった。また、図5に示すように、トルエン900ppmでは、センサ室5の圧力を増加するに従ってセンサ出力を大きくできることが分かった。これは、トルエンのように極性の大きい検知対象ガスの場合は、センサ室5内の圧力を増加させることにより感応素子部Rsの表面に吸着するトルエンの量が増加したためと考えられる。また、無極性又は低有極性の検知対象ガスであっても、センサ室5内の圧力を増加させることにより感応素子部Rsの表面に接触するトルエンの量が増加してセンサ出力が大きくなると考えられる。以上のことから、本発明者らは、ガスセンサ2を収容するセンサ室5の圧力を高くすると感温素子部Rs表面で燃焼する検知対象ガスが増えてセンサ出力が大きくなることを見出した。
【0025】
次に、上記検出原理を踏まえてガス濃度検出装置1の動作について図6を参照して以下説明する。CPU91は、定期的に又は検出操作が行われると図6に示す検出処理を行う。検出処理において、CPU91は、まずバルブ8を弁閉して流出管11を閉じる(ステップS1)。その後、CPU91は、吸気ポンプ7を駆動させて(ステップS2)、センサ室5内に雰囲気を導入する。これにより、センサ室5が加圧されて、センサ室5が雰囲気圧より高くなる。
【0026】
次に、CPU91は、圧力センサ6の出力を取り込んでセンサ室5内の圧力を測定する(ステップS3)。その後、CPU91は、ステップS3で測定したセンサ室5の圧力が雰囲気圧より高い設定値に達したか否かを判断する(ステップS4)。圧力が設定値に達していなければ(ステップS4でN)、CPU91は、再びステップS2に戻って吸気ポンプ7の駆動を継続させる。これに対して、圧力が設定値に達していれば(ステップS4でY)、CPU91は、駆動回路3を制御してパルス電圧をガスセンサ2に対して供給する(ステップS5)。
【0027】
次に、CPU91は、ガスセンサ2のセンサ出力を取り込んで検知対象ガスの濃度を検出した後(ステップS6)、処理を終了する。エタノールやトルエンなどの極性の大きい検知対象ガスの場合、背景技術で説明したように、図8(A)に示すように、ガスセンサ2のセンサ出力は、パルス電圧供給後から数〜数十msにピークを持つ山状波形が得られる。よって、極性の大きい検知対象ガスを検出したい場合は、ステップS6において、CPU91は、ガスセンサ2の出力のピークを取り込んで検知対象ガスの濃度を検出する。一方、メタンや水素、COなどの無極性又は低有極性の検知対象ガスの濃度の場合、図8(B)に示すように、ガスセンサ2のセンサ出力は、山状波形が得られず、上昇した跡に検知対象ガスの濃度に応じた値で一定となる。よって、無極性又は低有極性の検知対象ガスを検出したい場合は、ステップS6において、CPU91は、上記一定となるセンサ出力を取り込んで検知対象ガスの濃度を検出する。
【0028】
上述したガス濃度検出装置1によれば、CPU91が、圧力センサ6により検出された圧力に基づいてセンサ室5内の圧力が雰囲気圧より高い設定値になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御するので、ガスセンサ2の出力が大きくなり、低濃度側の検出範囲の拡大を図ることができる。
【0029】
また、上述したガス濃度検出装置1によれば、CPU91が、センサ室5内の圧力が設定値で一定になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御する。これにより、センサ室5の圧力が一定となり、ガスセンサ2の出力が雰囲気圧の影響を受けることがないので、正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0030】
第2実施形態
ところで、上述したガスセンサ2の感応素子部Rsを構成するPd/Al2O3触媒層22が経年的に劣化する。このPd/Al2O3触媒層22の劣化により感応素子部Rsの熱容量が変化して、検知対象ガスの濃度に対するセンサ出力の感度が劣化する、という問題がある。そこで、このような問題を解決するために第2実施形態では、CPU91は、ガスセンサ2の劣化度を検出して、劣化度に応じて設定値を変更する設定値変更処理を行うようにした。
【0031】
上記設定値変更処理の詳細について図7を参照して説明する。まず、CPU91は、ガスセンサ2のセンサ出力が所定時間以上、変動していないか否かを判断する(ステップS11)。変動していれば(ステップS11でN)、CPU91は、検知対象ガスが存在していないエアベースではなく、劣化検出が行えないと判断して設定値の変更を行うことなく設定値変更処理を終了して、上記検出処理を行う。これに対して、変動していなければ(ステップS11でY)、CPU91は、エアベースであると判断して駆動回路3を制御してパルス電圧をガスセンサ2に対して供給する(ステップS12)。その後、CPU91は、感応素子部Rsの両端電圧を取り込む(ステップS13)。
【0032】
次に、CPU91は、劣化度検出手段として働き、予めROM92内に記憶されている劣化していない感応素子部Rsのエアベース時の両端電圧と、ステップS13で取り込んだ感応素子部Rsの両端電圧と、を比較してガスセンサ2の劣化度を検出する(ステップS14)。次に、CPU91は、ステップS14で検出した劣化度に応じて設定値を変更した後(ステップS15)に設定値変更処理を終了して、上記検出処理を行う。
【0033】
ステップS14で劣化していないと検出した場合、ステップS15においてCPU91は、上記設定値の変更は行わない。一方、ステップS14で劣化していると検出した場合、ステップS15においてCPU91は、上記設定値の変更を行う。具体的には、CPU91は、ステップS14で検出した劣化度が高くガスセンサ2の感度が低下するほど上記設定値が高くなるように設定する。
【0034】
上述した第2実施形態によれば、CPU91がガスセンサ2の劣化度を検出し、設定値を変更することにより劣化度に応じてセンサ室5内の圧力を制御するので、ガスセンサ2が劣化してガスセンサ2の感度が変動しても正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0035】
なお、第2実施形態では、感応素子部Rsの両端電圧に基づいてガスセンサ2の劣化度を検出していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、劣化度を検出する方法としては、他に公知の方法であってもよく、例えばガスセンサ2のセンサ出力に基づいて劣化を検出しても良いし、単に使用時間から劣化度を予測してもよい。
【0036】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ガス濃度検出装置
2 ガスセンサ
5 センサ室
6 圧力センサ
7 吸気ポンプ(加圧手段)
8 バルブ(減圧手段)
91 CPU(制御手段、劣化検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃度検出装置に係り、特に、検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述したガスセンサとして、例えば特許文献1に記載された接触燃焼式や吸着燃焼式のガスセンサが知られている。このガスセンサは、シリコン基板に支持された薄膜ダイヤフラムと、薄膜ダイヤフラム上に形成された白金ヒータと、この白金ヒータを覆う検知対象ガスとの燃焼を促進する貴金属触媒膜と、から構成されている。上述した構成のガスセンサは、白金ヒータを通電すると雰囲気中の酸素と検知対象ガスとが貴金属触媒膜上で燃焼して、このときに発生する燃焼熱を白金ヒータの抵抗変化としてとらえることで、検知対象ガスの濃度を検出している。
【0003】
エタノールやトルエンなどの極性の大きい検知対象ガスは貴金属触媒膜の表面上への吸着作用があるため、ガスセンサの白金ヒータを間欠的に通電させると、通電していない間に検知対象ガスが貴金属触媒膜に吸着する。その後、白金ヒータが通電されると吸着された検知対象ガスが一気に燃焼するため、図8(A)に示すように、ガスセンサの出力は、通電開始後から数〜数十msにピークを持つ山状波形が得られる。このピークの出力に基づいて検知対象ガスの濃度を検出するものを吸着燃焼式という。
【0004】
一方、メタンや水素、COなどの無極性又は低有極性の検知対象ガスは貴金属触媒膜の表面上への吸着作用がない。このため、白金ヒータを非通電状態から通電状態にしても、図8(B)に示すように、ガスセンサの出力は、山状波形が得られず、上昇した後に検知対象ガスの濃度に応じた値で一定となる。この一定の出力に基づいて検知対象ガスの濃度を検出するものを接触燃焼式という。
【0005】
しかしながら、上述した従来のガスセンサでは、検出対象ガスの濃度が低い雰囲気中では貴金属触媒膜上で燃焼する検出対象ガスが少なくなるため、出力が小さくなる。よって、従来のガスセンサでは、低濃度の検出には限界があり、低濃度側の検出範囲が狭いという、問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−69465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、低濃度側の検出範囲の拡大を図ったガスセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、低濃度側の検出範囲の拡大を図ったガスセンサを得るべく検討を重ねた結果、圧力を高くすると検知対象ガスの燃焼量が増えてガスセンサの出力が大きくなることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、請求項1記載の発明は、検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置において、前記ガスセンサを収容するセンサ室と、前記センサ室の圧力を検出する圧力センサと、前記センサ室に前記雰囲気を流入して前記センサ室を加圧する加圧手段と、前記圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記センサ室内の圧力が前記雰囲気圧より高くなるように前記加圧手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置に存する。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記制御手段が、前記センサ室内の圧力が設定値で一定になるように前記加圧手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置に存する。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記ガスセンサの劣化度を検出する劣化検出手段をさらに備え、前記制御手段が、前記劣化度に応じて前記センサ室内の圧力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置に存する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、制御手段が、圧力センサにより検出された圧力に基づいてセンサ室内の圧力が雰囲気圧より高くなるように加圧手段を制御するので、ガスセンサの出力が大きくなり、低濃度側の検出範囲の拡大を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、制御手段が、センサ室内の圧力が設定値で一定になるように加圧手段を制御する。これにより、センサ室の圧力が一定となり、ガスセンサの出力が雰囲気圧の影響を受けることがないので、正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、劣化検出手段がガスセンサの劣化度を検出し、制御手段が劣化度に応じてセンサ室内の圧力を制御するので、ガスセンサが劣化してガスセンサの感度が変動しても正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のガス濃度検出装置の一実施の形態を示す電気構成図である。
【図2】図1に示すガス濃度検出装置の構成図である。
【図3】図1に示すガスセンサの構成例を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)におけるA−A線断面図である。
【図4】0ppmのトルエンを含んだ雰囲気をそれぞれ流入管からセンサ室内に導入して、さらにセンサ室の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した結果を示すグラフである。
【図5】900ppmのトルエンを含んだ雰囲気をそれぞれ流入管からセンサ室内に導入して、さらにセンサ室の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した結果を示すグラフである。
【図6】第1実施形態における図1に示すCPUの検出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態における図1に示すCPUの設定値変更処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示すガスセンサの出力を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ガス濃度検出装置1は、図1及び図2に示すように、ガスセンサ2と、駆動回路3(図1)と、差動増幅器4(図1)と、センサ室5(図2)と、圧力センサ6と、加圧手段としての吸気ポンプ7と、減圧手段としてのバルブ8と、マイクロコンピュータ(以下μCOM)9(図1)と、を備えている。
【0017】
ガスセンサ2は、後述する駆動回路3にてパルス電圧が供給されて間欠的に検知対象ガスと燃焼する高温に制御される。このガスセンサ2は、図1に示すように、感応素子部Rs及び補償素子部Rrから構成されている。感応素子部Rsは、白金ヒータ21及び白金族、たとえばパラジウム(Pd)を担持したアルミナ(Al2O3)からなるPd/Al2O3触媒層22を含む。上記パラジウムは、検知対象ガスとの燃焼を促進する触媒である。補償素子部Rrは、白金ヒータ23及びアルミナ(Al2O3)のみからなるAl2O3層24を含む。
【0018】
詳しくは、図3(A)および(B)に示すように、このガスセンサ2は、シリコン(Si)ウエハ25の上に、酸化シリコン(SiO2)膜26a、窒化シリコン(SiN)膜26b及び酸化ハフニウム(HfO2)膜26cからなる絶縁薄膜が成膜され、その上に、感応素子部Rsとして白金ヒータ21及びPd/Al2O3触媒層22、補償素子部Rrとして白金ヒータ23及びAl2O3層24が形成されている。また、図3(C)に示すように、異方性エッチングして凹部27及び28を形成して、それぞれ薄膜ダイヤフラムDs及びDrを形成することにより熱容量を小さくしている。
【0019】
白金ヒータ21及び23は、図1に示すように、固定抵抗R1及びR2と可変抵抗Rvと共にブリッジ回路を構成している。そして、このブリッジ回路において、白金ヒータ21及び固定抵抗R1の接続点、並びに白金ヒータ23及び固定抵抗R2の接続点には、駆動回路3からのパルス電圧が所定のインターバルで間欠的に供給される。また、白金ヒータ21及び白金ヒータ23の接続点と、可変抵抗Rvの可動端子は、差動増幅器4の入力にそれぞれ接続される。そして、この差動増幅器4の出力がガスセンサ2のセンサ出力として後述するμCOM9に対して供給される。
【0020】
このようなガスセンサ2を使用するに際しては、まず、検出動作開始前に、μCOM9に供給されるセンサ出力が中間電位となるように可変抵抗Rvを調整する。この状態において、検出対象ガスが感応素子部Rsに吸着したり接触したりすると触媒作用により、この素子で燃焼する。この燃焼により発生する熱により、白金ヒータ21の抵抗値が上昇する。一方、補償素子部Rrにおいては触媒であるパラジウムが担持されていないため検出対象ガスは燃焼しない。この結果、ブリッジ回路の平衡が崩れ、μCOM9に検知対象ガスの濃度に応じたセンサ出力が供給される。この場合、白金ヒータ23は、周囲温度の変動による白金ヒータ21の抵抗値の変動分を相殺し、反応熱に起因する白金ヒータ21の抵抗値の変動成分のみを取り出せるように温度補償する。
【0021】
上記センサ室5は、図2に示すように、上記ガスセンサ2を収容する筐体である。このセンサ室5には、雰囲気をセンサ室5内に流入する流入管10と、雰囲気をセンサ室5外に流出する流出管11と、が連通されている。上記圧力センサ6は、センサ室5の圧力を検出して、μCOM9に対して出力する。上記吸気ポンプ7は、流入管10に設けられている。吸気ポンプ7は、センサ室5に雰囲気を流入する。上記バルブ8は、流出管11に設けられている。バルブ8は、流出管11の開閉を行う。以上の構成により、バルブ8により流出管11を弁閉した状態で吸気ポンプ7によりセンサ室5に雰囲気を導入すると、センサ室5内が加圧される。また、センサ室5が加圧された状態でバルブ8を弁開するとセンサ室5内の雰囲気が流出管11から流出してセンサ室5内が減圧される。
【0022】
μCOM9は、図1に示すように、駆動回路3、差動増幅器4、圧力センサ6、吸気ポンプ7及びバルブ8に接続され、ガス濃度検出装置1全体の制御を行う。μCOM9は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)91、CPU91のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM92、各種のデータを格納するとともにCPU91の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM93等を有して構成している。
【0023】
次に、上述したガス濃度検出装置1の動作を説明する前に本発明のガス濃度検出装置1の検出原理について説明する。本発明者らは、0ppm、900ppmのトルエン(検知対象ガス)を含んだ雰囲気をそれぞれ流入管10からセンサ室5内に導入して、さらにセンサ室5内の圧力を変化させたときの各圧力におけるセンサ出力を測定した。結果を図4及び図5に示す。
【0024】
図4に示すように、トルエン0ppmでは、センサ室5の圧力が増加してもセンサ出力は変動しないことが分かった。また、図5に示すように、トルエン900ppmでは、センサ室5の圧力を増加するに従ってセンサ出力を大きくできることが分かった。これは、トルエンのように極性の大きい検知対象ガスの場合は、センサ室5内の圧力を増加させることにより感応素子部Rsの表面に吸着するトルエンの量が増加したためと考えられる。また、無極性又は低有極性の検知対象ガスであっても、センサ室5内の圧力を増加させることにより感応素子部Rsの表面に接触するトルエンの量が増加してセンサ出力が大きくなると考えられる。以上のことから、本発明者らは、ガスセンサ2を収容するセンサ室5の圧力を高くすると感温素子部Rs表面で燃焼する検知対象ガスが増えてセンサ出力が大きくなることを見出した。
【0025】
次に、上記検出原理を踏まえてガス濃度検出装置1の動作について図6を参照して以下説明する。CPU91は、定期的に又は検出操作が行われると図6に示す検出処理を行う。検出処理において、CPU91は、まずバルブ8を弁閉して流出管11を閉じる(ステップS1)。その後、CPU91は、吸気ポンプ7を駆動させて(ステップS2)、センサ室5内に雰囲気を導入する。これにより、センサ室5が加圧されて、センサ室5が雰囲気圧より高くなる。
【0026】
次に、CPU91は、圧力センサ6の出力を取り込んでセンサ室5内の圧力を測定する(ステップS3)。その後、CPU91は、ステップS3で測定したセンサ室5の圧力が雰囲気圧より高い設定値に達したか否かを判断する(ステップS4)。圧力が設定値に達していなければ(ステップS4でN)、CPU91は、再びステップS2に戻って吸気ポンプ7の駆動を継続させる。これに対して、圧力が設定値に達していれば(ステップS4でY)、CPU91は、駆動回路3を制御してパルス電圧をガスセンサ2に対して供給する(ステップS5)。
【0027】
次に、CPU91は、ガスセンサ2のセンサ出力を取り込んで検知対象ガスの濃度を検出した後(ステップS6)、処理を終了する。エタノールやトルエンなどの極性の大きい検知対象ガスの場合、背景技術で説明したように、図8(A)に示すように、ガスセンサ2のセンサ出力は、パルス電圧供給後から数〜数十msにピークを持つ山状波形が得られる。よって、極性の大きい検知対象ガスを検出したい場合は、ステップS6において、CPU91は、ガスセンサ2の出力のピークを取り込んで検知対象ガスの濃度を検出する。一方、メタンや水素、COなどの無極性又は低有極性の検知対象ガスの濃度の場合、図8(B)に示すように、ガスセンサ2のセンサ出力は、山状波形が得られず、上昇した跡に検知対象ガスの濃度に応じた値で一定となる。よって、無極性又は低有極性の検知対象ガスを検出したい場合は、ステップS6において、CPU91は、上記一定となるセンサ出力を取り込んで検知対象ガスの濃度を検出する。
【0028】
上述したガス濃度検出装置1によれば、CPU91が、圧力センサ6により検出された圧力に基づいてセンサ室5内の圧力が雰囲気圧より高い設定値になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御するので、ガスセンサ2の出力が大きくなり、低濃度側の検出範囲の拡大を図ることができる。
【0029】
また、上述したガス濃度検出装置1によれば、CPU91が、センサ室5内の圧力が設定値で一定になるように吸気ポンプ7及びバルブ8を制御する。これにより、センサ室5の圧力が一定となり、ガスセンサ2の出力が雰囲気圧の影響を受けることがないので、正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0030】
第2実施形態
ところで、上述したガスセンサ2の感応素子部Rsを構成するPd/Al2O3触媒層22が経年的に劣化する。このPd/Al2O3触媒層22の劣化により感応素子部Rsの熱容量が変化して、検知対象ガスの濃度に対するセンサ出力の感度が劣化する、という問題がある。そこで、このような問題を解決するために第2実施形態では、CPU91は、ガスセンサ2の劣化度を検出して、劣化度に応じて設定値を変更する設定値変更処理を行うようにした。
【0031】
上記設定値変更処理の詳細について図7を参照して説明する。まず、CPU91は、ガスセンサ2のセンサ出力が所定時間以上、変動していないか否かを判断する(ステップS11)。変動していれば(ステップS11でN)、CPU91は、検知対象ガスが存在していないエアベースではなく、劣化検出が行えないと判断して設定値の変更を行うことなく設定値変更処理を終了して、上記検出処理を行う。これに対して、変動していなければ(ステップS11でY)、CPU91は、エアベースであると判断して駆動回路3を制御してパルス電圧をガスセンサ2に対して供給する(ステップS12)。その後、CPU91は、感応素子部Rsの両端電圧を取り込む(ステップS13)。
【0032】
次に、CPU91は、劣化度検出手段として働き、予めROM92内に記憶されている劣化していない感応素子部Rsのエアベース時の両端電圧と、ステップS13で取り込んだ感応素子部Rsの両端電圧と、を比較してガスセンサ2の劣化度を検出する(ステップS14)。次に、CPU91は、ステップS14で検出した劣化度に応じて設定値を変更した後(ステップS15)に設定値変更処理を終了して、上記検出処理を行う。
【0033】
ステップS14で劣化していないと検出した場合、ステップS15においてCPU91は、上記設定値の変更は行わない。一方、ステップS14で劣化していると検出した場合、ステップS15においてCPU91は、上記設定値の変更を行う。具体的には、CPU91は、ステップS14で検出した劣化度が高くガスセンサ2の感度が低下するほど上記設定値が高くなるように設定する。
【0034】
上述した第2実施形態によれば、CPU91がガスセンサ2の劣化度を検出し、設定値を変更することにより劣化度に応じてセンサ室5内の圧力を制御するので、ガスセンサ2が劣化してガスセンサ2の感度が変動しても正確に検知対象ガスの濃度を検出することができる。
【0035】
なお、第2実施形態では、感応素子部Rsの両端電圧に基づいてガスセンサ2の劣化度を検出していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、劣化度を検出する方法としては、他に公知の方法であってもよく、例えばガスセンサ2のセンサ出力に基づいて劣化を検出しても良いし、単に使用時間から劣化度を予測してもよい。
【0036】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ガス濃度検出装置
2 ガスセンサ
5 センサ室
6 圧力センサ
7 吸気ポンプ(加圧手段)
8 バルブ(減圧手段)
91 CPU(制御手段、劣化検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置において、
前記ガスセンサを収容するセンサ室と、
前記センサ室の圧力を検出する圧力センサと、
前記センサ室に前記雰囲気を流入して前記センサ室を加圧する加圧手段と、
前記圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記センサ室内の圧力が前記雰囲気圧より高くなるように前記加圧手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記センサ室内の圧力が設定値で一定になるように前記加圧手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置。
【請求項3】
前記ガスセンサの劣化度を検出する劣化検出手段をさらに備え、
前記制御手段が、前記劣化度に応じて前記センサ室内の圧力を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
【請求項1】
検知対象ガスとの燃焼により雰囲気中の前記検知対象ガスの濃度を検出するガスセンサを備えたガス濃度検出装置において、
前記ガスセンサを収容するセンサ室と、
前記センサ室の圧力を検出する圧力センサと、
前記センサ室に前記雰囲気を流入して前記センサ室を加圧する加圧手段と、
前記圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記センサ室内の圧力が前記雰囲気圧より高くなるように前記加圧手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記センサ室内の圧力が設定値で一定になるように前記加圧手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置。
【請求項3】
前記ガスセンサの劣化度を検出する劣化検出手段をさらに備え、
前記制御手段が、前記劣化度に応じて前記センサ室内の圧力を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−164367(P2010−164367A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5535(P2009−5535)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]