説明

ガラスおよびガラスセラミックの紫外線吸収を調整する方法ならびにガラスおよびガラスセラミックを有する発光手段

【課題】従来の技術の欠点を解消し、特に、TiOの含有量が出来るだけ低い場合にも効果的な紫外線ブロックを有する方法およびガラスを提供する。
【解決手段】ガラスは、熔融後に、特に500K/分より小さい冷却速度で緩慢な冷却に曝され、あるいは、温度Tに一定時間加熱され、その時間および温度または冷却速度は、ガラスが、特に>500K/分の冷却速度で急速冷却されたガラス管と比較して、5nmより多い、特に10nmより多い紫外線遮断のシフトを示すように、選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスおよびガラスセラミックの紫外線吸収、特に紫外線遮断を調整するための方法、所定に調整された紫外線遮断を有するガラスまたはガラスセラミック、ならびにこのようなガラスまたはこのようなガラスセラミックを有する発光手段に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプのようなガス放電管の製造のためのガラスは知られている。これらガラスは特に強い紫外線吸収特性を有するほうがよい。
【0003】
蛍光照明器具、特に小型化した蛍光ランプは、特に液晶表示器(LCD)の製造の際におよび背面が照明された表示器(受動ディスプレイ、いわゆるバックライトユットを有するディスプレイ)の場合に、光源として用いられる。この用途のためには、このような蛍光照明器具は極めて小さい寸法を有し、従って、ランプガラスは極めて薄い厚さのみを有する。
【0004】
このような使用のためのガラスは、400nm、特に380nmの波長領域までの特に可視光の透過率を有する。透過率は比較的に一定である。紫外線領域ではガラスの透過率は低いほうがよい。何故ならば、ガス放電管、特に蛍光ランプは、発光の際に、紫外線放射の形で光の大部分を放射するからである。このような部分は、ポリマーおよび他のプラスチックのような周囲構造部材にとって、有害な影響を有する。それ故に、これらの構造部材は時間と共に脆くなる。このことはすべての製品を使えなくすることがある。特に有害なそのような輝線は、発光のために用いられる水銀の、313nmにおける輝線である。蛍光ランプでの使用のためのガラスは、この輝線を出来るだけ完全に吸収するほうがよい。更に、364nmでの輝線の出来るだけ高い吸収が望ましい。
【0005】
所望の範囲内で紫外線を吸収する、前記使用のための蛍光ランプガラスは、特許文献1から公知である。しかし、このようなガラスが、可視光波長領域では、強い変色および場合によっては強いソラリゼーションを示すことが明らかになった。原材料の熔封の際に既に、黄褐色の変色がしばしば生じる。
【0006】
特許文献2からは、高い安定度を有する、ジルコニウム酸化物含有のおよびリチウム酸化物含有のホウケイ酸塩ガラスが公知である。このホウケイ酸塩ガラスは、特に、鉄−コバルト−ニッケル合金との溶融ガラスとしての使用には適している。このようなガラスは、Fe,Cr,CoOおよびTiOのような着色成分も含有することができる。
【0007】
特許文献3には、眼科学上の使用のためのガラスが記載されている。このガラスは特殊な屈折率およびアッベ指数ならびにこれに適した密度を有する。このようなガラスは310nmと335nm間に紫外線遮断を示し、紫外線吸収剤としてTiOを含む。このガラスの製造のためには、AsおよびSbによる清澄が十分ではないので、多くの場合に塩素による清澄が必要であることが、と明記される。最後に、ここでも同様に、このようなガラスが極めて薄いにも拘わらず、FeとTiOの組合せがガラスの着色をもたらし、それ故に、100ppmより少ない鉄含有量を有する水晶原材料のみを使用することが意図されることが、記載されている。
【0008】
の僅かの含有量を有するホウケイ酸塩ガラスも公知である。ジルコニウム酸化物含有のおよびリチウム酸化物含有のこのようなホウケイ酸塩ガラスは、例えば、特許文献4に記載されている。このガラスは高い酸安定性およびアルカリ安定性、ならびに加水分解にも安定性を有し、特に、鉄コバルトニッケル合金との熔融には適切である。このようなガラスはFe,Ca,CoOならびにTiOのような着色成分を含有することができる。しかし、このようなガラス内でのホウ素成分が、低い化学的安定性をもたらすことも知られている。この理由から、今まで、高いホウ素含有量、すなわち25重量%より多いホウ素含有量を有するガラスは、ガス放電管での使用のためのガラスとしては考慮されなかった。何故ならば、これらガラスは極めて悪い化学的安定性を有するからである。それ故に、このようなランプの中に含まれる蛍光層が、そこに支配的な厳しい条件で、支持体ガラス(Substratglas)と反応することが、今まで前提になっていた。
【特許文献1】米国特許第A 5,747,399号公報
【特許文献2】ドイツ特許第A-198 42 942号公報
【特許文献3】米国特許第A 4,565,791号公報
【特許文献4】ドイツ特許第A-19842942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の技術に基づく蛍光ランプガラスの欠点は、蛍光ランプガラスが不十分な紫外線ブロックしか有しなかったことである。紫外線ブロックを達成するためには、これらのガラスに、例えばTiOまたはFeが添加されるであろう。特に、効果的な紫外線ブロックに関しては、効果的な紫外線ブロックおよび同時に可視光波長領域での高い透過率を達成するためには、TiOの添加が特に適していることが明らかになった。更に、TiOは、特に急勾配の紫外線遮断を有するという利点を持つ。しかし、工業ガラスにTiOの添加の欠点は、特にホウケイ素塩ガラスでは、望まないときでも、異なった相への分離が生じることである。このことにより、ガラスがチンダル効果を示し、牛乳状に濁ることになる。この効果は、TiOの含有量が2重量%より多い場合、特にホウケイ素塩ガラスに生ずることがある。ガラスが異なった相への分離によって牛乳状に濁るときには、ガラスの透過性が決定的に重要である用途の場合には、このようなガラスは使用することはできない。例えば、そのようなガラスは照明として使用できない。
【0010】
従って、本発明の課題は、従来の技術の欠点を解消し、特に、TiOの含有量が出来るだけ低い場合にも効果的な紫外線ブロックを有する方法およびガラスを提供することである。特に、313nmにある有害な水銀放電線をブロックすることが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に基づき、上記課題は、ガラス成分が請求項1に記載のガラス組成物を有してなるガラスが、熔融後に、特に、<500K/分、好ましくは<200K/分および100K/分、全く特に好ましくは<50K/分および<10K/分の冷却速度で緩慢な冷却に曝され、あるいは、或る温度に一定時間加熱され、冷却速度または時間は、ガラスが、熔融物から室温に急速に冷却されたガラスと比較して、少なくとも5nmの紫外線遮断のシフトを有するように、選択されていることによって解決される。300nmと350nmの間、好ましくは310nmと330nmの間、全く特に好ましくは313nmと325nmの間の波長領域にある紫外線遮断と、ガラスが紫外線遮断の上にある波長領域内でガラスは著しく透明であることと、を得ようと努力が特になされる。
【0012】
nmの紫外線遮断は、ここでは、0.2mmの厚さを有するガラスが、(より短い波長に向かって)前記波長の下で<0.1%のスペクトル透過率を有することを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明者たちは、紫外線遮断の位置が、急速に冷却されかつ従って驚くべきことに可視光波長領域内で透明なガラスの熱処理によって、影響されることを発見した。
【0014】
「急速冷却する」とは、ここでは、ガラスを特別の冷却に曝さず、すなわち直接的に周囲室温に曝すことを意味する。
【0015】
特には、適切な冷却または適切な熱後処理によって、紫外線遮断の位置が影響を受けることができる。それ故に、低いTiO含有量を有するガラスに関しても、<320nmの波長に対する紫外線光のブロックが達成される。すなわち、紫外線遮断が313nmより上にあり、従って、313nmにある有害な水銀線がブロックされるのである。
【0016】
本発明に基づいて製造されたガラスをガス放電管に使用することは好ましい。
【0017】
前記ガラスの使用は、驚くべきことに、ガス放電管中の支持体ガラスとして適切である。何故ならば、ガラスと蛍光層の予想できる反応が、少なくとも作動中に支配的な条件下では生ぜず、作動中にガラスが十分に耐蝕性を有するからである。
【0018】
ランプ内での使用のためのガラスとしてホウケイ酸塩ガラスが特に好ましい。ホウケイ酸塩ガラスは第1の成分としてはSiOとB、他の成分としてはLiO,NaO,KO,CaO,MgO,SrO,BaOのようなアルカリ金属酸化物および/またはアルカリ土類金属酸化物を含む。
【0019】
5重量%と10重量%の間のBの含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、高い化学的安定性を示す。
【0020】
10重量%と25重量%の間のBの含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、良好な加工性と、タングステン金属およびコバール合金への熱膨張係数(いわゆるCTE)の良好な適合性とを示す。
【0021】
25〜35重量%の範囲内のBの含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、ランプのガラスとしての使用の際に、僅かの誘電損率tanδを示す。このことは、特に、電極なしのガス放電ランプ、すなわちランプの電球の外部に取着される電極を有するランプ内での使用の際には、好都合である。
【0022】
一般的には、本願に記載されたガラスは、>1〜7重量%、好ましくは>1〜5重量%、全く好ましくは>1〜4重量%の範囲内のTiOの含有量を有する。Feは、好ましくは<500ppmの含有量で、ガラスに含まれている。Feは一般的に不純物として存在している。しかしまた、Feは紫外線遮断の調整のために意識的に入れられる。ここでは、添加された含有量は10〜500ppm、好ましくは50〜200、全く好ましくは70〜150ppmの間にある。
【0023】
ここに記載したガラスの場合、TiO+Bの合計が、5〜35重量%の範囲内に、特に6〜25重量%の範囲内にあることは、特に好ましい。
【0024】
本発明の第1の実施の形態では、基礎ガラスは通常は少なくとも60重量%のSiOを含む。少なくとも61重量%および好ましくは少なくとも63%が好適である。SiOの全く特に好ましい最小量は65重量%である。SiOの最高量は75重量%、特に73重量%である。72重量%および特に最大70重量%のSiOは全く特に好ましい。Bは、本発明では、5重量%よりも多い量、好ましくは8重量%より多く、好ましくは10重量%より多く、特に少なくとも15重量%を含有する。この場合、少なくとも16重量%が特に好ましい。Bの最高量は最大35重量%であるが、最高32重量%が好ましい。最大30重量%が特に好ましい。
【0025】
Alは0〜10重量%の量で含まれており、0.5重量%または1重量%および特に2重量%の最小量が好ましい。その最大量は通常は5重量%であり、好ましくは3重量%である。個々のアルカリ金属酸化物LiO、NaOおよびKOはそれぞれ別々に0〜20重量%または0〜10重量%である。最小量0.1重量%または0.2重量%および特に0.5重量%は好ましい。個々のアルカリ金属酸化物の最高量は好ましくは最大8重量%である。0.2重量%ないし1重量%のLiOの量、NaOに対しては0.2重量%ないし1.5重量%、KOに対しては6〜8重量%が好ましい。本発明に係わる基礎ガラスでは、アルカリ金属酸化物の合計は0〜25重量%および特に0.5〜5重量%である。Mg,Ca,Srのようなアルカリ土類金属酸化物は、本発明に基づき、それぞれ0〜20重量%の量でおよび特に0〜8重量%または0〜5重量%の量で含まれている。アルカリ土類金属酸化物の合計は、本発明に基づいて、0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。この場合、アルカリ金属酸化物は、特に適切な実施の形態では、共に少なくとも0.5重量%または>1重量%を有する。
【0026】
更に、基礎ガラスは、第1の実施の形態では、好ましくは0〜3重量%のZnO、0〜3または0〜5重量%のZrO、0〜1または0〜0.5重量%のCeOならびに0〜1重量%または0〜0.5重量%のFeを含む。更に、WO、Bi、MoOは、それぞれ別々に、0〜5重量%または0〜3重量%、特に0.1〜3重量%の量で含まれていてもよい。
【0027】
ガラスが紫外線照射の際のソラリゼーションに対して非常に安定的であるにも拘わらず、ソラリゼーション安定性はPdO,PtO3,PtO2,PtO,RhO2,RhO2,Rh2O,IrO2および/またはIrの僅かの含有量によって、一層高められることができることが、明らかになった。これらの物質の通常の最大含有量は、最大0.1重量%、好ましくは最大0.01重量%である。最大0.001重量%が特に好ましい。最小含有量は、この目的には、通常は0.01ppmである。少なくとも0.05ppmおよび特に少なくとも0.1ppmが好ましい。
【0028】
ガラスが、化学的安定性、清澄性および加工性の向上のために、僅か量のCeO,PbOおよびSbを含有することができるが、これらガラスがこれらの物質を含んでいないことは好ましい。
【0029】
ガラス組成物のTiOの含有量が>2重量%であり、>5ppmのFeの全含量を有するフリットが用いられる場合、好ましくはAsで清澄化がなされ、硝酸塩と共に熔融がなされる。可視領域でのガラスの着色を抑えるために、硝酸塩添加が>1重量%の含有量を有するアルカリ金属硝酸塩としてなされることは好ましい。
【0030】
更に、ガラスに関して発見されたのは、ガラス溶融物が実質的に塩化物を含まず、ガラス溶融物の場合に清澄化のために塩化物および/またはSbが特に添加されないことによって、特に、可視波長領域内でのガラスの変色が、少なくとも部分的に防止されることである。つまりは、清澄剤として塩化物が用いられないときは、特にTiOの使用の際に生じるガラスの青色変色が防止されることができることが、本発明により発見された。塩化物ならびに弗化物の最大含有量は、本発明では、2重量%、特に1重量%である。最大0.1重量%の含有量が好ましい。
【0031】
更に、例えば、清澄剤として使用される硫酸塩も、前記材料と同様に、可視波長領域でのガラスの変色をもたらすことが明らかになった。従って、硫酸塩も用いられないことは好ましい。硫酸塩の最大含有量は、本発明では、2重量%、特に1重量%である。最大0.1重量%の含有量が好ましい。
【0032】
本願では、可視波長領域は、320nmと780nmの間の波長領域を意味する。
【0033】
更に、これらのガラスに関しては、Asによりしかも酸化条件下で清澄化が行なわれるとき、前記欠点が一層防止されることが、見出された。含まれているTiOの少なくとも80%、通常は少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%および特に99%が、Ti4+として存在していることは好ましい。多くの場合に、チタンの99.9および99.99%さえもTi4+として存在する。幾つかの場合には、99.999%のTi4+の含有量が適切であることが分かった。従って、酸化条件は、特に、Ti4+が前記の量で存在しまたはこの段階に酸化される条件を意味する。このような酸化条件は、熔融物では、例えば、硝酸塩、特にアルカリ金属硝酸塩および/またはアルカリ土類金属硝酸塩の添加によって容易に達成される。酸素および/または乾燥空気の吹き込みよっても、酸化性の溶融物を得ることができる。更に、酸化熔融物を、例えば、フリッとの熔融の際に、酸化するためのバーナー調整手段を用いて発生させることは可能である。
【0034】
例えば、ASと共に硝酸塩を使用しながらの、酸化性清澄化によって、特に、チタン鉄鉱(FeTiO)複合体の生成を抑制することができる。この複合体の生成は可視領域での強い変色をもたらす。
【0035】
溶融の際に、ガラスに硝酸塩を、好ましくはアルカリ金属硝酸塩および/またはアルカリ土類金属硝酸塩の形で添加するにも拘わらず、完成したガラス中のNO濃度は、清澄化の後に最大0.01重量%および多くの場合に高々0.001重量%に過ぎない。
【0036】
本発明によるガラスの組成は以下の範囲(重量%)にある。
【0037】
SiO 60〜85重量%
0〜35重量%、好ましくは>0〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、
ZnO 0〜8重量%
ZrO 0〜5重量%および
TiO >10.5〜10重量%、好ましくは>1〜10重量%
Fe 0〜5重量%である。
【0038】
本発明に係わる好ましいガラスは、第1の実施の形態では、例えば、以下の組成を示す。
【0039】
SiO 60〜75重量%、好ましくは60〜<75重量%
5〜35重量%、好ましくは>5〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、
ZnO 0〜3重量%
ZrO 0〜5重量%
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜0.5重量%
CeO 0〜0.5重量%
MnO 0〜1.0重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%、但し、
ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbが少なくとも0.5〜10重量%、好ましくは>0.5〜10重量%であり、ΣPdO+PtO+PtO+PtO+RhO++Rh+IrO+Irは、0.00001%〜0.1重量%である。
【0040】
他の好ましい組成物以下を含有する。
【0041】
SiO 63〜72重量%
15〜22重量%
Al 0〜3重量%
LiO 0〜5重量%
NaO 0〜5重量%
O 0〜5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0.5〜5重量%であり、
MgO 0〜3重量%
CaO 0〜5重量%
SrO 0〜3重量%
BaO 0〜3重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaOは 0〜5重量%であり、
ZnO 0〜3重量%
ZrO 0〜5重量%
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜0.5重量%
CeO 0〜0.5重量%
MnO 0〜1.0重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%
SO(2−) 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%、但し、
ΣFe+CeO+TiO+PbO+As+Sbは0.5〜10重量%である。
【0042】
前記すべてのガラスの組成物は、好ましくは前記量のFeを含み、全く特に好ましくは実質的にFeOを含まない。
【0043】
本発明の第2の実施の形態では、以下の組成物が用いられる。この組成物は、酸、アルカリおよび水に対し特に高い化学的安定性を特徴とする。
【0044】
SiO 60〜85重量%
0〜10重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 5〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 3〜20重量%であり、
ZnO 0〜8重量%
ZrO 0〜5重量%ならびに
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜5重量%
CeO 0〜5重量%
MnO 0〜5重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
PbO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%、
但し、ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbは、少なくとも0.5〜10重量%、好ましくは少なくとも>0.5〜10重量%であり、
ΣPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Irが0.1重量%であり、ならびに
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%である。
【0045】
本方法に適したガラスの第2の実施の形態は、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも62重量%のSiOの最小含有量を有する。64重量%の最小含有量が特に好ましい。本発明に係わるガラス中のSiOの最大含有量は、高々85重量%、特に79重量%である。高々75重量%の含有量が好ましい。特に好ましい最高含有量は72重量%である。
【0046】
の含有量は高々10重量%、特に高々5重量%である。高々4重量%の含有量が好ましい。高々3重量%のBの最大含有量が特に好ましい。高々2重量%の含有量が全く特に好ましい。個々の場合には、本発明に係わるガラスもBを完全に含まないことがある。しかし、ガラスは、好ましい実施形態では、少なくとも0.1重量%を含む。0.5重量%が好ましい。0.75重量%の最小含有量が特に好ましく、0.9重量%が全く特に好ましい。
【0047】
本発明の第2の実施の形態に基づくガラスは、個々の場合にAlを含まないことがあるが、ガラスは通常Alを0.1重量%、特に0.2重量%の最小含有量で含む。0.3重量%の最小含有量が好ましく、0.7の最小量、特に少なくとも1.0が特に好ましい。Alの最高量は通常は10重量%であり、最大8重量%が好ましい。多くの場合、5重量%の最高量、特に4重量%が十分であることが明らかになった。
【0048】
第2の実施の形態に基づくガラスは、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物を含む。この場合、アルカリ金属酸化物の全含有量は少なくとも5重量%であり、特に少なくとも6重量%であり、好ましくは少なくとも8重量%である。少なくとも10重量%のアルカリ金属酸化物の最小全量が特に好ましい。すべてのアルカリ金属酸化物の最大有量は高々25重量%であり、22重量%および特に20重量%の最高量は特に好ましい。多くの場合、18重量%の最高量が十分であることが明らかになった。このうち、LiOの含有量は、本発明では、0重量%ないし高々10重量%であり、最大8重量%および特に最大6重量%の最高量は好ましい。KOは、少なくとも0重量%の量および高々20重量%の量で含まれており、0.01重量%、好ましくは0.05重量%の最小含有量が好ましい。個々の場合には、1.0重量%の最小含有量が適切であることが明らかになった。KOの最高含有量は、好ましい実施の形態では、最大18重量%であり、最大15重量%および特に最大10重量%が好ましい。多くの場合、5重量%の最大含有量が全く十分であることが明らかになった。
【0049】
NaOの単独含有量は、個々の場合に、0重量%および最大20重量%である。しかし、NaOの含有量が少なくとも3重量%、特に少なくとも5重量%であることは好ましい。少なくとも8重量%の含有量、特に少なくとも10重量%が好ましい。特に好ましい実施の形態では、ナトリウム酸化物は、本発明では、少なくとも12重量%の量で含まれている。NaOの好ましい最高量は18重量%または16重量%であり、15重量%の上限は特に好ましい。
【0050】
個々のアルカリ土類金属酸化物の含有量は、CaOに関して、最大20重量%である。しかし、個々の場合、18重量%、特に最大15重量%の最大含有量で十分である。本発明に係わるガラスはカルシウム成分を有しなくてもよいが、本発明に係わるガラスは通常は少なくとも1重量%のCaOを含む。少なくとも2重量%、特に少なくとも3重量%の含有量が好ましい。実際には、4重量%の最小含有量が適切であることが明らかになった。MgOに関する下限は、個々の場合に、0重量%である。しかし、少なくとも1重量%であり、好ましくは少なくとも2重量%が好適である。本発明に係わるガラス中のMgOの最高含有量は8重量%であり、最大7および特に最大6重量%が好ましい。SrOおよび/またはBaOは、本発明に係わるガラスでは、完全に用いなくてもよい。しかし、少なくともこれらの両物質の一方または双方がそれぞれ1重量%、好ましくは少なくとも2重量%の含有量で含まれている。ガラス中に与えられたすべてのアルカリ土類金属酸化物の全含有量は少なくとも3重量%であり、高々20重量%である。4重量%の、特に5重量%の最小含有量は好ましい。多くの場合、6または7重量%の最小含有量が適切であることが明らかになった。アルカリ土類金属酸化物の好ましい最高限界は18重量%であり、最大15重量%が好ましい。幾つかの場合には、12重量%の最大含有量が十分であることが明らかになった。
【0051】
第2の実施形態に基づくガラスはZnOを含まなくてもよいが、好ましくは0.1重量%の最小量および高々8重量%の最大含有量、好ましくは高々5重量%含む。3重量%または2重量%の最高含有量が全く適切であることができる。ZrOは0〜5重量%、特に0〜4重量%で含まれている。3重量%の最高含有量が多くの場合に十分であることが分かった。
【0052】
第2の実施形態に基づくガラスは、好ましい実施の形態では、少なくとも0.1重量%および高々2重量%、特に高々<1重量%の量でTiO,PbO,Asおよび/またはSbの全含有量を有することを特徴とする。この場合、Asおよび/またはSbの好ましい最小含有量は少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%および特に少なくとも0.1重量%である。この場合、通常の最高量は最大2重量%、特に最大1.5重量%であり、最大1重量%および特に0.8重量%が特に好ましい。前記元素のうち、特にTiOが本発明に係わるガラスに含まれていることは好ましい。但し、他の前記成分の含有量がより高くある限り、ガラスは原理的に元素TiOを有しないことは可能である。TiOの最高含有量が重量%であることは好ましく、高々5重量%が好ましい。TiOの好ましい最小含有量は1重量%である。ガラスは0〜5重量%PbOを含有し、2重量%、特に最大1重量%の含有量が適切である。ガラスが鉛を含まないことは好ましい。Feおよび/またはCeOの含有量はそれぞれ0〜5重量%であり、0〜1および特に0〜0.5重量%の量が好ましい。MnOおよび/またはNdの含有量は0〜5重量%であり、0〜2重量%、特に0〜1重量%の量が好ましい。成分Biおよび/またはMoOはそれぞれ0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%の量で含まれており、Asおよび/またはSbはそれぞれ、本発明に係わるガラスでは、0〜1重量%の量で含まれている。最小含有量の部分量は好ましくは0.1、特に0.2重量%である。本発明に係わるガラスは、好ましい実施の形態では、場合によっては0〜2重量%のSO2−の僅かの量ならびにClおよび/またはFもそれぞれ0〜2重量%の量で同様に含む。この場合、Fe,CeO,TiO,PbO,AsおよびSbの全量は、0.1〜10重量%、好ましくは>1〜8重量%である。
【0053】
第1のおよび第2の実施の形態に基づくガラスは、平板ガラスを特にフロート法で製造するために、特に適しており、管ガラスの製造は特に好ましい。このガラスは、少なくとも0.5mm、特に少なくとも1mmの、上限が高々2cm、特に高々1cmの直径を有する管の製造には適している。管の特に好ましい直径は2mmと5mmの間にある。このような管が少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.1mmの肉厚を有し、少なくとも0.2mmが特に好ましいことが明らかになった。最大の肉厚は高々1mmであり、肉厚が高々<0.8mm、または<0.7mmが好ましい。
【0054】
本願に記載したガラス、特にホウケイ酸塩ガラスは、特に、ガス放電管ならびに蛍光ランプ、特に小型化した蛍光ランプに使用のために、適しており、全く特に照明のために、ディスプレイのような電子表示装置および例えば移動電話およびコンピュータモニタの場合のLCD画面の、特に背面照明のために適している。好ましいディスプレイならびに画面はいわゆるフラットディスプレイであり、特に、平らなバックライト装置である。例えば、キセノン原子の放電に基づく発光手段(キセノンランプ)のような、ハロゲンを含まない発光手段が特に好ましい。この実施の形態が特に環境に優しいことが分かった。
【0055】
本願に記載したガラスが僅かの誘電特性を有することは好ましい。この場合、誘電率は、1MHzでかつ25℃の場合に、最大12であり、好ましくは10より下である。7より下および特に5より下の値は全く特に好ましい。誘電損率tanδ[10−4]は最大120であり、好ましくは100より少ない。80より下の損率が特に好ましく、50より下および30より下の値が特に好ましい。15より下の値が全く特に好ましい。
【0056】
本願に記載したガラスは、特に、外部電極を有する蛍光ランプの使用のために、および、電極がガラスと熔融されており、例えばコバール合金、モリブデンおよびタングステン等からなるガラスの中を通ってなる蛍光ランプのためにも、適切である。外部電極の場合には、これらの電極を、例えば、導電性ペーストによって形成することができる。
【0057】
更に、平らなガス放電ランプのための平板ガラスの形の、ここに記載したガラスの使用も好ましい。
【0058】
本発明により、前記ガラスは、特に、後続の実施の形態では、まず半製品に成形される。
【0059】
例えば熱成形工程による半製品の製造は、例えば熔融物から直接なされることができる。例えば、管が製造されるのは、液状のガラスが熔融タンクからいわゆるダンナー吹管に流れ、その吹管から引き出されて管が形成されることによってである。この管を、他の方法、例えばベロー引き上げ法またはエー引き上げ法によっても、製造することができる。これらの工程は当業者には知られている。
【0060】
平板ガラスを、アップ・ドローまたはダウン・ドローによってあるいはフロート法によって製造することができる。これらの工程も当業者に知られている。中空ガラスを圧縮成形または吹込み成形することができる。
【0061】
前記工程ではガラスの所定の冷却も行われない。
【0062】
例えば、ガラスが、管引きの際に、非常に短時間内に室温に冷えるのは、ガラスが例えばダンナー吹管を離れた後である。「冷却」はなされないか、重要でない「冷却」がなされるだけである。
【0063】
本発明に基づいて、ガラスを、紫外線遮断の調整のために熱処理に曝すことができる。熱処理によって、紫外線遮断すなわち紫外線ブロックならびに透過、特にガラスの散乱も調整することができる。
【0064】
所定の紫外線遮断の調整のために、例えば以下の組成(酸化物を基準とする重量%で)を有するガラスが選択される。
【0065】
SiO 64.27
19.03
Al 2.65
LiO 0.65
NaO 0.72
O 7.46
ZnO 0.60
TiO 4.5
As 0.10
紫外線遮断を正確に調整すべき場合には、低温での焼鈍は特に好ましい。何故ならば、長時間により、より良いプロセス制御が保証されているからである。
【0066】
紫外線遮断の適切な調整は、例えば蛍光ランプの製造のために通例である多段階工程でも、達成できる。
【0067】
この熱後処理を、管の更なる加工にも組み込むことができる。例えば、いわゆる小型化したガス放電ランプ、またはバックライトのための蛍光ランプの製造の際には、少なくとも1つの更なる熱処理がなされる。熱処理の際には、ガラスを全体にまたは部分的に加熱する。このようなプロセスの例は、ガラス管の整列、製造によりガラス管に生じる波打ちの補償、蛍光層の焼き入れ、電極の溶封である。
【0068】
熱処理は、所定の温度での個別の処理として実行されることができる。高い温度では、短時間で十分である。
【0069】
この焼鈍段階は、同様に、所定の温度分布の通過(Durchlaufen)によって達成できる。所定の温度での種々の加熱速度および停止時間が可能である。
【0070】
紫外線遮断のシフトが、後続の段階として接続された焼鈍段階によってなされる必要がなくて、ガラスの融解の直後でも達成されることができるのは、所望の熱成形工程の際に、ガラスを、所定の時間に、焼鈍温度に保ち、あるいは、好ましくは<500K/分、特に好ましくは<10K/分、特に好ましくは<1K/分、例えば0.3K/分(20K/時間)、所定の冷却に曝すことによってである。
【0071】
製造工程では冷却速度は好ましくは1000K/分より小さく、好ましくは500K/分より小さく、特に好ましくは100K/分より小さくおよび好ましくは10K/分より小さい。冷却速度が1K/分よりも小さいことは全く特に好ましい。
【0072】
熱成形工程における熔融直後の焼鈍処理と、後置の焼鈍工程との組合せも可能である。この場合、再焼鈍が複数の温度でなされることができる。但し、TはTg≦T<Tg+400℃の範囲にあり、但し、Tgは、例えば、ショット社編『Guide to Glass』、ハインツ・G・プフェンダー、チャップマンおよびホール、1996年、20〜22頁に記載のように、転移温度を示す。再焼鈍の時間は適切に選択され、好ましくは、数秒から120分までの範囲にある。
【0073】
以下、図面および実施の形態を参照して本発明を詳述する。図1には、低圧力放電ランプの、特に蛍光ランプの、全く特に好ましくは小型化されたに蛍光ランプの原理図が示されている。
【0074】
図1には、管引された管ガラスから製造されたいわゆるバックライトランプが示されている。中央部分10はかなり透明であり、ランプ本体を形成している。2つの開放端部12.1,12.2には、ブッシングの金属ワイヤ14.1,14.2が挿入されている。ブッシングは、例えば焼鈍段階で、透明な管ガラスと熔融される。
【0075】
ガラスの膨張係数が金属ワイヤ14.1,14.2の膨張係数と著しく一致するように、ブッシングの領域内のガラスが選択されていることは好ましい。
【0076】
図2ないし図4には、本発明に基づきかように製造されたバックライトランプの使用が例示されている。
【0077】
図2には、以下のような用途のための特別な使用が示されている。すなわち、このような用途では、本発明に係わるガラスからなる個々の小型化された複数の蛍光ランプ110が互いに平行に用いられ、複数の窪み150を有するプレート130に設けられており、これら窪みは、発せられた光をディスプレイに反射する。反射型のプレート130の上方には、反射層160が付着されている。この反射層は、蛍光ランプ110によってプレート130の方向に放射された光を、一種の反射器として均等に分散させ、かくて、ディスプレイの均等な照射を引き起こす。この装置が、例えばテレビ装置のような、より大きなディスプレイのために用いられることは好ましい。
【0078】
図3の実施の形態では、蛍光ランプ210は、外側でディスプレイ202に取着されることもできる。この場合、光は、光ガイドとして用いられる光伝送型のプレート250、いわゆるLGP(ライト・ガイド・プレート)によって、ディスプレイに亘って均等に分散される。このような光伝送型のプレートは、例えば、光を分散させる粗い表面を有する。発光ランプは外部のまたは内部の電極を有することができる。
【0079】
更に、このようなバックライト装置のために発光ランプを使用することも可能である。このようなバックライト装置では、発光ユニット310は成形されたディスク315に設けられている。このことは図4に示されている。この場合、平行の仕切り壁、すなわち、所定の幅(Wrib)を有するいわゆるバリヤ380によって、所定の深さ(dchannel)および所定の幅(Wchannel)を有する複数のチャネルが、ディスクに形成されるような成形がなされる。これらのチャネルには、放電蛍光材料350が設けられている。この場合、チャネルは燐層370を有するディスクと共に、複数の放射空間360.1,360.2、360.3、360.4、360.5を形成している。図4に示したバックライト装置は、電極を有しないガス放電ランプである。すなわち、ブッシングはなくて、外部の電極330a,330bのみがある。図4に示したカバーディスク410は、システムの構造に従って、不透明なディフューザ・ディスクまたは透明なディスクであってもよい。電極を有しない、図4に示したランプ装置は、いわゆるEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)装置である。しかし、原理的には、内側のボンディングも可能である。すなわち、内側の電極によってプラズマの発火をなすことができる。この種の発火は他の技術である。このようなシステムは、CCFL(コールド・カソード・フルオロスセント・ランプ)システムと呼ばれる。前記装置は、大きい、平坦なバックライトを形成し、従って、フラット・バックライトとも呼ばれる。
【0080】
本発明を以下の実施の形態によって詳述する。
【0081】
本発明に係わるガラスが、知られた方法で製造され、従来の技術から知られたガラスと比較された。この場合、原材料は約1500℃でフリントガラス坩堝の中で溶融された。
【0082】
図5には、以下の組成物を有するガラスに関して、紫外線の遮断のシフトが示されている。
【0083】
SiO 64.35
19.0
Al 2.65
LiO 0.65
NaO 0.70
O 7.45
ZnO 0.60
As 0.10
TiO2 4.50
ガラス管は、ダンナー法により製造され、非常に迅速に、すなわち、約1100℃から300℃へと1分より少ない時間で冷却されるであろう。厚みd=0.2mmおよび透過率T<0.1%を有するこのガラスの紫外線の遮断は302nmにあった。図5では、曲線には、参照符号100が付されている。透過率スペクトルから明瞭に認められるように、緩慢に冷却されたサンプル、すなわち、20K/時間で冷却されたサンプルは、320nmの紫外線の遮断を有し、従って、水銀ランプの313nmの線を共に含める。緩慢に冷却されたサンプルの透過率曲線には参照符号200が付されている。TiOの含有量は4.5重量%であった。ガラス管は3mmの直径を有した。ガラスの壁部の厚さは0.2mmであった。紫外線の遮断は、本願では、透過率T<0.1%を特徴とする。
【0084】
緩慢な冷却の代わりに、再焼鈍も行なうことができる。本発明によって、まず、ガラスとガラスセラミックの紫外線遮断をシフトするための方法を記する。この方法によって、TiO含有量が僅かであっても、紫外線吸収が313nmより大きな範囲で達成される。かくして、濁り、すなわちガラスのチンダル効果が減じられる。何故ならば、TiO含有量が、急速冷却と比較可能な遮断位置(Kantenlage)を有するガラスの場合よりも低いからである。本発明では、所定の還元・酸化条件の調節によって、所定の冷却または焼鈍により、紫外線遮断が調整され、急速冷却されたサンプルと比較してより高い波長へとシフトされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明により陰影をつけた領域を有するいわゆるバックライトを示す図。
【図2】小型のバックライト装置のための反射型のベースプレート、支持プレートおよびサブストレート・プレートの基本形を示す図。
【図3】外部電極を有するバックライト装置を示す図。
【図4】側方に取着された蛍光ランプを有するディスプレイ装置を示す図。
【図5】本発明に係わる焼鈍工程による紫外線の遮断のシフトを示すダイヤフラムを示す図。
【符号の説明】
【0086】
10…中央部分
12.1…開放端
12.2…開放端
14.1…金属ワイヤ
14.2…金属ワイヤ
110…蛍光管
130…プレート
150…窪み
160…反射層
202…ディスプレイ
210…蛍光管
250…光伝送型のプレート
310…発光ユニット
315…成形されたディスク
330a…外部の電極
330b…外部の電極
360.1…放射空間
360.2…放射空間
360.3…放射空間
360.4…放射空間
360.5…放射空間
380…バリヤ
410…カバーディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低い紫外線透過率を有し、紫外線をブロックする透明なガラスを製造する方法であって、ガラス組成物は以下の成分を重量%で含み、
SiO 60〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、
TiO >0.5〜10重量%であり、
前記ガラスは、熔融後に、特に500K/分より小さい冷却速度で緩慢な冷却に供され、あるいは、温度Tに一定時間加熱され、その時間および温度または冷却速度は、前記ガラスが、特に>500K/分の冷却速度で急速冷却されたガラス管と比較して、5nmより多い、特に10nmより多い紫外線遮断のシフトを示すように、選択されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、<340nmの波長に関して透過率がT<0.1であるように実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、<320nmの波長に関して透過率がT<0.1であるように実行されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
温度TがTg<T<Tg+400℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ガラス組成物は以下の成分を含む、請求項1ないし4のいずれか1に記載の方法。
SiO 60〜75重量%
>5〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、
ZnO 0〜3重量%
ZrO 0〜5重量%
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜0.5重量%
CeO 0〜0.5重量%
MnO 0〜1.0重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%、但し、
ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbが少なくとも0.5〜10重量%であり、ガラスは、
PdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Irの含有量を、0.00001%〜0.1重量%の全量で有する。
【請求項6】
前記ガラス組成物は以下の成分を含む請求項1ないし5のいずれか1に記載の方法。
SiO 60〜85重量%
0〜10重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 5〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 3〜20重量%であり、
ZnO 0〜8重量%
ZrO 0〜5重量%
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜5重量%
CeO 0〜5重量%
MnO 0〜5重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
PbO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%、但し、
ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbは少なくとも0.5〜10重量%であり、
ΣPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Irは0.1重量%であり、ならびに、
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%である。
【請求項7】
TiOの含有量は>0.5〜8重量%、好ましくは>1〜6重量%、全く好ましくは>2〜5重量%であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
ガラス本体を有する発光手段、特に蛍光ランプであって、前記ガラス本体のガラスは、以下の成分、すなわち、
SiO 60〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、および
TiO >0.5〜10重量%、を含むガラス組成物を有し、
前記ガラス本体は、少なくとも部分的に透明であり、<340nmの波長に関して透過率T<0.1を有することを特徴とする発光手段。
【請求項9】
<320nmの波長に関しては透過率T<0.1であることを特徴とする請求項8に記載の発光手段。
【請求項10】
前記ガラス本体のガラスの前記ガラス組成物が以下の成分を有することを特徴とする請求項8または9に記載の発光手段。
SiO 60〜75重量%
>18〜35重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量%
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 0〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 0〜20重量%であり、
ZnO 0〜3重量%
ZrO 0〜5重量%ならびに
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜0.5重量%
CeO 0〜0.5重量%
MnO 0〜1.0重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%であり、但し、
ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbは少なくとも0.5〜10重量%であり、ガラスはPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Irの含有量を、0.00001〜0.1重量%の全量で有することを特徴とする請求項8または9に記載の発光手段。
【請求項11】
前記ガラス本体の前記ガラス組成物が以下の成分を有することを特徴とする請求項8または9に記載の発光手段。
SiO 60〜85重量%
0〜10重量%
Al 0〜10重量%
LiO 0〜10重量%
NaO 0〜20重量
O 0〜20重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KO 5〜25重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 0〜5重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaO 3〜20重量%であり、
ZnO 0〜8重量%
ZrO 0〜5重量%ならびに
TiO >0.5〜10重量%
Fe 0〜5重量%
CeO 0〜5重量%
MnO 0〜5重量%
Nd 0〜1.0重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜5重量%
MoO 0〜5重量%
PbO 0〜5重量%
As 0〜1重量%
Sb 0〜1重量%、
但し、ΣFe+CeO+TiO+PbO+AS+Sbは少なくとも0.5〜10重量%であり、
ΣPdO+PtO+PtO+PtO+RhO+Rh+IrO+Irが0.1重量%であり、ならびに
SO2− 0〜2重量%
Cl 0〜2重量%
0〜2重量%
である。
【請求項12】
TiOの含有量が>0.5〜8重量%、好ましくは>1〜6重量%、全く好ましくは>2〜5重量%であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1に記載の発光手段。
【請求項13】
前記発光手段は蛍光ランプであり、蛍光はEEFLランプ、ガス放電ランプ、LCDディスプレイ・コンピュータモニター・電話ディスプレイ・およびディスプレイ用の照明装置であることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1記載の発光手段。
【請求項14】
前記発光手段は第1のおよび第2の部分ならびに複数の電気的なブッシングを有し、これらのブッシングは第2の部分の領域に設けられていることを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1に記載の発光手段。
【請求項15】
発光体のガラス本体は管状または管に類似した形を有することを特徴とする請求項8ないし14までのいずれか1に記載の発光手段。
【請求項16】
前記管状または管に類似したガラス本体の直径は<0.8cmでありおよび/または肉厚が<1mmであることを特徴とする請求項15に記載の発光手段。
【請求項17】
前記発光体のガラス本体は、<1cmの厚さを有する平板ガラスであることを特徴とする請求項8ないし14のいずれか1に記載の発光手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−188420(P2006−188420A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367991(P2005−367991)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(505458670)ショット・アーゲー (32)
【Fターム(参考)】