説明

ガラスシンチレータ

シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、上記希土類元素は、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、を含み、上述のガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、波長100nm未満の光子を入射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出器等に用いられるガラスシンチレータに関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー加速器の大型化に伴い、その周辺の放射線モニターが重要になってくる。管理上、特に人の出入りが厳しく制限されている場所で放射線モニターを行おうとする場合、例えば、その放射線モニターに使用するシンチレータをファイバ状に加工する等、何らかの工夫が必要になる。このような使用を目的としたとき、従来の単結晶シンチレータでは、その加工が困難となる傾向にある。
【0003】
ファイバ状のシンチレータとしては、特許文献1に開示されているように、コア中に蛍光物質を添加した光ファイバシンチレータの使用が考えられる。これに対し、特許文献2には、マトリックス材料として無機ガラスを用い、そこへ希土類元素を添加してガラスシンチレータを作製することが開示されている。また、特許文献3にも無機ガラスをマトリックスとするガラスシンチレータの提案がある。一方、ガラス状の蛍光体という点に注目すると、特許文献4に、マトリックス成分であるガラスの強度の改善を目的とした発光性ガラスが開示されている。また、特許文献5にはシリカガラス中への希土類元素の添加が開示されている。
【特許文献1】英国特許出願公開第2253070号明細書
【特許文献2】特開平9−188543号公報
【特許文献3】特開平9−145845号公報
【特許文献4】特開2000−86283号公報
【特許文献5】特開2001−282153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これまでの技術において、ガラスシンチレータの放射線耐性及び加工性を両立するのは困難であった。例えば、特許文献1において、光ファイバのコア材料として使用しているプラスチックは、実際、そのエッチピットの測定による放射線計測に用いられるため、放射線に曝されると傷を残すという問題があった。また、特許文献2においては、ガラスシンチレータに使用している材質がハロゲンガラスであり、原料が高価であるばかりか、製造時の人体への危険性も考慮しなければならない。特許文献4における改善はレーザー耐性を向上させるための手段であり、放射線耐性を向上させるための手段とは指針が異なると考えられる。特許文献5においては、実施上、1種類の希土類元素しかガラス中に添加しておらず、それ故に検知できる光子の波長領域が100〜400nmに限られてしまっていた。
【0005】
本発明は、従来技術における諸問題、すなわち十分に優れた放射線耐性及び加工性を両立し、かつ波長100nm未満の光子を十分に効率的に検出できるガラスシンチレータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を行い、ガラスシンチレータにおいて、2種以上の希土類元素をシリカガラス又はケイ酸塩ガラス中に含有させることでシンチレーション効果を効率的に起こすことを見出した。このことにより、該ガラスシンチレータは、短い波長の光子、すなわち、X線やγ線等の電離放射線を効果的に検出できることが明らかになった。また、そのようなガラスシンチレータは加工性をも満足できることを見出し、上記課題を解決できるガラスシンチレータの発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明の第1の態様は、シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、上記希土類元素は、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素とを含み、上述のガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、波長100nm未満の光子を入射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータである。
【0008】
ここで、Y、La、Gd、Luは母材元素としての役割を果たすものであり、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybは賦活剤元素としての役割を果たすものである。このような構成材料を複合的に用いることにより、このガラスシンチレータは、母材元素から賦活剤元素へのエネルギー移動が効率的に行われれる。したがって、X線やγ線等がこのガラスシンチレータに当たる(照射される)と、十分効率的に蛍光が得られ、電離放射線を優れた感度で検出することが可能になる。
【0009】
種々検討を行う過程で、本発明のガラスシンチレータが光子の検出のみならず、α線、β線又は中性子線の検出にも有効であることが認められた。
【0010】
すなわち、本発明の第2の態様は、シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、上記希土類元素は、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素とを含み、上述のガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、α線、β線、β線、電子線、陽電子線、荷電粒子線又は中性子線を照射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータである。
【0011】
本発明のガラスシンチレータは、希土類元素のなかでもGdを母材元素に用いると放射線耐性が向上するので好ましい。
【0012】
すなわち、本発明の第3の態様は、シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、上記希土類元素は、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Gdとを含み、上述のガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、X線、γ線、α線、電子線又は熱中性子線を照射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータである。
【0013】
放射線検出において光電子増倍管やフォトダイオードとのマッチングや発光効率等を考えると、より好ましい賦活剤はCe、Tb又はEuである。
【0014】
すなわち、本発明の第4の態様は、シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、上記希土類元素は、Ce、Eu及びTbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Gdとを含み、上述のガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、X線、γ線、α線、電子線又は熱中性子線を照射されると、紫外光領域又は可視光領域の光を発するガラスシンチレータである。
【0015】
ガラスシンチレータの使用において、その形状は特に制限はされないが、ファイバ状に加工されていることが好ましい。
【0016】
すなわち、本発明は、ファイバ状に加工して得られる上記のいずれかのガラスシンチレータであると好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のガラスシンチレータは、加工性及び放射線耐性を両立したシンチレータであり、γ線、X線、中性子線等の電離放射線を効率的に検出する目的で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ファイバ状に加工して得られる本発明のガラスシンチレータの部分模式斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
100…ガラスシンチレータ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明におけるガラスシンチレータに関する実施形態について、具体的に説明する。まず、製造方法であるが、上記の希土類成分、シリカ成分、ガラス修飾成分を混合して混合物を得て、その混合物を加熱することによって本発明のガラスシンチレータを製造することができる。混合する希土類成分、シリカ成分、ガラス修飾成分の化学形は、上述した元素又は化合物を含むもの、あるいは上述した元素の供給源又は化合物の原料となるものであれば特に制限は無い。例えば、希土類成分の原料として酸化物若しくは硝酸塩等を用いてもよい。シリカ成分の原料としてSiO、ケイ酸塩若しくはカレット等を用いてもよい。ガラス修飾成分として水酸化ナトリウム、酸化ナトリウム若しくはホウ酸等を用いてもよい。混合物を加熱した後で一旦冷却し、再度加熱することによって溶融し、その後又はそれと同時にファイバ等の任意の形状に加工できる。また、予め型を用意する等により1回の加熱で望み通りの形状に仕上げることもできる。
【0021】
原料を混合する際の組成比であるが、希土類成分及びシリカ成分の比率は以下に説明する範囲であると好ましい。通常、希土類成分中の希土類原子(希土類元素)の総量をL[mol]、シリカ成分中のケイ素原子(ケイ素元素)の数をS[mol]として表した時、その商(L/S)が1未満であると好ましい。これは(L/S)が1以上になると結晶成分であるところのLnSiOあるいはLnSi(Lnは希土類一般を表す。)が生成してしまい、加工性を低下させる要因となるからである。好ましくは(1/99)≦(L/S)≦(30/70)であるが、希土類成分が過度に少ないと発光効率が低下する傾向にあるので、更に好ましくは(3/97)≦(L/S)≦(12/88)である。
【0022】
希土類成分のうち、例えばガドリニウム(Gd)等の母材元素と、例えばセリウム等の賦活剤元素との比率は以下に説明する範囲であると好ましい。母材元素の原子数をG[mol]とし、賦活剤元素の原子数をC[mol]とした時、その商(C/G)が0<(C/G)≦(50/50)の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは0<(C/G)≦(20/80)である。母材及び賦活剤の種類によって(C/G)の値に特に好ましい値(最適値)があり、例えば、ガドリニウムを母材元素に選び、セリウムを賦活剤元素に選んだ場合、(8/92)≦(C/G)≦(12/88)であると特に好ましい。
【0023】
ガラス修飾成分の種類と量であるが、以下に説明するものであると好ましい。Na等のアルカリ金属をガラスシンチレータに添加すると、ガラスシンチレータの加工性を向上できるので好ましい。例えば、水酸化ナトリウムをガラス修飾成分に用いる場合、ナトリウム原子の数をN[mol]とし、希土類原子とケイ素原子の総量を(L+S)[mol]と表した時、その商{N/(L+S)}は(10/245)≦{(N/(L+S)}≦(200/245)の範囲内であることが好ましい。更に好ましくは(80/245)≦{N/(L+S)}≦(100/245)である。Naの代わりにBを用いてもよく、更にはNa及びBを同時に添加してもよい。また、カーボン等の還元剤を加えると発泡抑制効果が現れるので、より好ましい。
【0024】
以上のようにして得られる本発明のガラスシンチレータの形状に特に制限はなく、直方体状、円筒形状、平板状、ファイバ状等での使用が挙げられる。そのなかで、図1の符号100に示すようなファイバ状であると、計測地点を微調整するための可動性が付与されるので好ましい。
【0025】
本実施形態のガラスシンチレータは、例えば、放射線検出装置、放射線スペクトル測定装置、陽電子放出核種断層撮像装置等に用いることができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0027】
(実施例1)
Gd、CeO、SiOをそれぞれ1.96g、0.21g、14.00g秤量し、乳鉢中で混合して混合物を得た。この時、Gd、Ce、Siの原子数はそれぞれ10.8mmol、1.2mmol、233mmolであった。得られた混合物をるつぼに入れ、そのるつぼ中に、更にNaOHを3.87g(Naの原子数97mmol)、カーボン粉末を3mg加え、るつぼを1500℃で24時間加熱した。得られた試料を冷却した後に目視にて観察したところ、透明で、目に見える気泡を含んでいなかった。試料を一部取り出し、ガスバーナを用いて再加熱したところ溶融し、ファイバ加工が容易にできた。すなわち、本実施例のガラスシンチレータは加熱溶融により様々な形状への加工が可能であることが確認できた。
【0028】
残りの試料の一部を粉砕し、それにCuのKα線、すなわちX線を照射したところ、試料から1m離れた位置からでも、試料からの青色の発光が確認された。その発光について、X線照射における発光スペクトルの測定を行ったところ、410nm付近に頂点を示す上(発光強度の高い側)に凸な曲線が得られた。残りの試料を10mm角のほぼ立方体に加工し、密封された放射線源を一つの面に密着させ、更にその逆側の面上に光電子増倍管を設置し、マルチチャネル検出器を用いて本実施例のガラスシンチレータで放射線計測が可能かどうか調べた。α線源として370kBqのAm−241を、β線源として370kBqのNi−63を、β線源として370kBqのNa−22を、γ線源として370kBqのCe−137から生成するBa−137mを用いた。中性子は上記Am−241とBeとからBe(α,n)Cの反応によって放出させた。いずれの放射線を本実施例のガラスシンチレータに照射した場合にも、青色の発光に起因する光電子が検出され、そのガラスシンチレータでこれら放射線の計測が可能であることが確認された。
【0029】
電子銃を使用して上記粉末試料に電子線を照射したところ、青色の発光が得られた。電子線照射において電子が試料によってその運動を止められるために制動放射線が放出される。この時、照射する電子の加速電圧を上昇させることによって、電子線耐性及び放射線耐性を評価することができる。もし、試料の放射線に対する耐性が劣っていると、照射する電子の電圧を上昇させた時に特定の発光色を示さず、白く光っているように観察されるいわゆる「焼き付き」という現象が起こる。電子線照射実験で電子の加速電圧を25kVまで上昇させたところ、本実施例のガラスシンチレータ粉末では青色の発光が観察され、発光スペクトル測定を行っても波長410nm付近に頂点を示す上(発光強度の高い側)に凸な曲線が得られた。このことから、本実施例のガラスシンチレータは、少なくともこの条件での放射線耐性を十分有していることが確認された。
【0030】
(実施例2)
Gd、Tb、SiOをそれぞれ1.96g、0.22g、14.00g秤量し、乳鉢中で混合して混合物を得た。得られた混合物をるつぼに入れ、そのるつぼ中に、更にNaOHを3.87g、カーボン粉末を3mg加え、るつぼを1500℃で24時間加熱した。得られた試料を冷却した後に目視にて観察したところ、透明で、目に見える気泡を含んでいなかった。試料の一部を粉砕し、それにCuのKα線、すなわちX線を照射したところ、試料から1m離れた位置からでも、試料からの緑色の発光が確認された。その発光について、X線照射における発光スペクトルの測定を行ったところ、シャープで上(発光強度の高い側)に凸な曲線(ピーク)が複数得られ、その中で最も高い強度を示したのが540nm付近に頂点を示すピークであった。
【0031】
(実施例3)
Gd、Eu、SiOをそれぞれ1.96g、0.21g、14.00g秤量し、乳鉢中で混合して混合物を得た。得られた混合物をるつぼに入れ、そのるつぼ中に、更にNaOHを3.87g、カーボン粉末を3mg加え、るつぼを1500℃で24時間加熱した。得られた試料を冷却した後に目視にて観察したところ、透明で、目に見える気泡を含んでいなかった。試料の一部を粉砕し、それにCuのKα線、すなわちX線を照射したところ、試料から1m離れた位置からでも、試料からの赤色の発光が確認された。その発光について、X線照射における発光スペクトルの測定を行ったところ、シャープで上(発光強度の高い側)に凸な曲線(ピーク)が複数得られ、その中で最も高い強度を示したのが620nm付近に頂点を示すピークであった。
【0032】
(比較例1)
CeO、SiOをそれぞれ2.07g、14.00g秤量し、乳鉢中で混合して混合物を得た。得られた混合物をるつぼに入れ、そのるつぼ中に、更にNaOHを3.87g、カーボン粉末を3mg加え、るつぼを1500℃で24時間加熱した。得られた試料を冷却した後に目視にて観察したところ、透明で、目に見える気泡を含んでいなかった。試料の一部を粉砕し、それにCuのKα線、すなわちX線を照射したところ、試料から1m離れた位置からでは、試料が発光していることを確認できなかった。この条件で試料から5cm離れた位置にカメラを設置して撮影したところ、辛うじて試料からの青色の発光が確認された。更に試料の一部を10mm角のほぼ立方体に加工し、実施例1において用いたγ線源で放射線計測の可否を調べたところ、比較例1の試料では放射線計測ができないと判断された。
【0033】
(比較例2)
SiO、Al、ZnO、Tbをそれぞれ11.34g、4.82g、3.84g、0.20g秤量し、乳鉢中で混合して混合物を得た。得られた混合物をるつぼに入れ、るつぼを1500℃で24時間加熱した。得られた試料を冷却した後に目視にて観察したところ、完全に透明だとは判断できなかった。試料を一部取り出し、ガスバーナを用いて再加熱したところ溶融し、ファイバ加工が可能であった。更に試料の一部を粉砕し、それにCuのKα線、すなわちX線を照射したところ、試料から1m離れた位置からでは、試料が発光していることを確認できなかった。この条件で試料から5cm離れた位置にカメラを設置して撮影したところ、辛うじて試料からの緑色の発光が確認された。その粉末試料に電子線照射し、電子の加速電圧を25kVに設定したところ、「焼き付き」が確認された。すなわち、比較例2の試料はこの条件での放射線耐性が十分ではないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のガラスシンチレータは、例えば、放射線検出装置、放射線スペクトル測定装置、陽電子放出核種断層撮像装置等に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、
前記希土類元素は、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、を含み、
前記ガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、
波長100nm未満の光子を入射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータ。
【請求項2】
シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、
前記希土類元素は、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、を含み、
前記ガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、
α線、β線、β線、電子線、陽電子線、荷電粒子線又は中性子線を照射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータ。
【請求項3】
シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、
前記希土類元素は、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Gdと、を含み、
前記ガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、
X線、γ線、α線、電子線又は熱中性子線を照射されると、紫外光領域、可視光領域又は赤外光領域の光を発するガラスシンチレータ。
【請求項4】
シリカ又はケイ酸塩をマトリックスとするガラス成分、希土類元素及びガラス修飾成分を含有し、
前記希土類元素は、Ce、Eu及びTbからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Gdと、を含み、
前記ガラス修飾成分は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B及びAlからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、
X線、γ線、α線、電子線又は熱中性子線を照射されると、紫外光領域又は可視光領域の光を発するガラスシンチレータ。
【請求項5】
ファイバ状に加工して得られる請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスシンチレータ。

【図1】
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【国際公開番号】WO2005/028590
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514001(P2005−514001)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010223
【国際出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】