説明

ガラスランチャンネル組立体

【課題】位置ズレ防止手段としての突起をガラスランチャンネル組立体の所定の位置に正確かつ安定して形成することができる構成のガラスランチャンネル組立体を提供する。
【解決手段】本発明のガラスランチャンネル組立体の接続ガラスランチャンネルの基底部175には、係合部材200を取り付け可能であって窓枠の溝内に設けられた係合部に係合可能に形成されている突起部165が設けられている。基底部の内周側表面には根元支持部168が形成されている。根元支持部に対応する範囲には、突起部と、係合部材の幹部205を挿入可能な挿入孔160とが形成されている。挿入孔の周囲を構成する内壁であって接続ガラスランチャンネルの長手方向の内壁177及び幅方向の内壁には、係合部材を挿入孔に挿入したとき幹部に係止する長手方向係止部185,188及び幅方向係止部がそれぞれ少なくとも一つ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓枠に装備されるガラスランチャンネル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に設けられる窓枠、特にスライドドア、フロントドア、リアドア等のドアパネル本体に設けられる窓枠(この場合はドア枠ともいう。)には、一般にガラスランチャンネル組立体(ガラスラン、ガラスランチャンネル、ランチャン、案内部材等とも呼称される。)が装備されている。かかる用途のガラスランチャンネル組立体は、長尺状に成形された横断面形状が略U字形の溝構成部材(長尺成形部材)であり、窓枠に形成された溝に装着され、車両を構成する部材(例えばドアパネル)内を昇降動するガラス製の窓板の昇降を案内する。ガラスランチャンネル組立体は、一般に、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性ポリマー材料を用いて押出成形等を行うことによって製造される。
この種のガラスランチャンネル組立体は、窓枠の形状に対応しており、押出成形により長尺状に成形される複数個のガラスランチャンネルと、該長尺状の少なくとも二つのガラスランチャンネルを接続する成形体として窓枠のコーナー部に配置される接続ガラスランチャンネルとから構成される。かかる接続ガラスランチャンネルは、一般に射出成形によって成形されている。
この種のガラスランチャンネル組立体では、ガラス製窓板が昇降動する際に作用する応力によって所定の装着位置から位置ズレを起こす虞があり、該位置ズレを防止する工夫が必要である。このような位置ズレを防止する手段の一つとして、窓枠のコーナー部(即ち上記接続ガラスランチャンネル)に移動防止用の突起を一体的に設けることが知られている。かかる突起を窓枠構成部材の一部に当接させることにより、窓枠の昇降動に伴うガラスランチャンネル組立体の移動(位置ズレ)を規制することが可能となる。
【0003】
例えば特許文献1には、ガラスランチャンネル組立体におけるガラス開口部のコーナー部に相当する部位(型成形部)に該型成形部よりも硬質材料からなるインサート部材を配置するとともに該インサート部材における上記突起に相当する部位の表面を該型成形部を構成する材料(即ち比較的軟質の材料)で被覆することを特徴とするガラスランチャンネル組立体とその製法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−196909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術では、なお以下のような問題が考えられる。即ち、
(1).上記の技術では、突起を構成する上記インサート部材を成形型内に予め配置しておき、該成形型内に上記型成形部を構成する溶融材料を射出することによって、該インサート部材が一体となった型成形部を成形する必要がある。このため、使用する成形型内に硬質なインサート部材を固定しておく必要があり、それ故に該使用する成形型の構造が複雑化する。また、インサート部材がキャビティ内に存在するため溶融樹脂の流れが妨げられたり、溶融樹脂の熱が奪われたりして、溶融樹脂がキャビティに十分いき渡らなくなるショートショットを起こす虞がある。
(2).また、上記(1)の問題に伴い、該複雑な構造となった成形型内の所定の正規位置にインサート部材が正しく配置されなかった場合やインサート部材そのものが型内に挿入されなかった場合、或いは射出された樹脂の圧力によってインサート部材が位置ズレした場合には、修復不能な不良品が形成されてしまう虞がある。また、所定の正規位置にインサート部材が正しく配置されない状態で成形型を閉じた場合には該成形型を損傷する虞もある。
更に、型成形部を射出成形する際の成形過程で劣化しない程度の耐熱性を有する材料をインサート部材の材料として使用しなければならないという実用上の大きな制約を受ける。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点(1)と(2)を解決するべく創出されたものであり、その目的は、上記位置ズレ防止手段としての突起を所定の位置に正確かつ安定して形成することができる構成のガラスランチャンネル組立体を提供することである。また、そのようなガラスランチャンネル組立体を備えるガラスラン製品を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するべく、本発明により、車両の窓枠に装着されるガラスランチャンネル組立体が提供される。
即ち、本発明のガラスランチャンネル組立体は、請求項1に記載のとおり、車両に装着されるガラスランチャンネル組立体である。
本発明のガラスランチャンネル組立体は、弾性ポリマー材料から所定の横断面形状に押出成形された所定長の第1の長尺なガラスランチャンネルと、弾性ポリマー材料から所定の横断面形状に押出成形された所定長の第2の長尺なガラスランチャンネルと、弾性ポリマー材料から射出成形されたガラスランチャンネルであって上記第1と第2のガラスランチャンネルの長手方向の端末同士を一体的に接続する接続ガラスランチャンネルとを含む。
また、上記第1と第2のそれぞれのガラスランチャンネル及び接続ガラスランチャンネルは、各ガラスランチャンネルが車両の窓枠の所定位置に形成された溝内に装着されたとき、上記窓枠に案内されて昇降動する昇降窓板の端面と対向する位置に配置される基底部と、該基底部の幅方向の少なくとも車内側の端部から該基底部と所定の交差角度を有して上記基底部から内周側に向けて一体に突出する側壁部と、上記側壁部の突出先端側から折返し状に上記基底部に向けて突出するシールリップとを有する。
上記接続ガラスランチャンネルの基底部には、外周側表面(窓枠への装着状態において後述の係合部(窓枠構成部材)と対向する側の面をいう。以下同じ。)から突出する突起部が設けられており、該接続ガラスランチャンネルが上記窓枠の所定位置に装着されたとき上記突起部が上記窓枠の溝内に設けられた窓枠構成部材の係合部に係合可能とされている。
上記突起部は、上記接続ガラスランチャンネルの弾性ポリマー材料よりも硬質で剛性を有する材料から予め成形される係合部材であって上記基底部に配置される根元部と該根元部から離れる方向に突出する幹部とを有する係合部材を取り付け可能に形成されている。
上記接続ガラスランチャンネルの基底部の内周側表面(窓枠への装着状態において窓板と対向する面をいう。以下同じ。)には、上記係合部材が取り付けられたとき該係合部材の根元部を支持する根元支持部が形成されている。
上記根元支持部に対応する範囲には、突起部と、上記係合部材の幹部を挿入可能な挿入孔とが形成され、該挿入孔は上記基底部から上記突起部にかけて形成されている。
上記挿入孔の周囲を構成する内壁であって上記接続ガラスランチャンネルの長手方向の内壁及び幅方向の内壁には、上記係合部材を上記挿入孔に挿入したとき該係合部材の幹部に係止する長手方向係止部及び幅方向係止部がそれぞれ少なくとも一つ形成されていることを特徴とする。
【0008】
かかる構成の本発明のガラスランチャンネル組立体では、係合部材の幹部を挿入可能な挿入孔が上記基底部から上記突起部にかけて形成され、該挿入孔の周囲を構成する内壁であって上記接続ガラスランチャンネルの長手方向の内壁及び幅方向の内壁には、それぞれ長手方向係止部及び幅方向係止部が形成されている。
従って、本発明のガラスランチャンネル組立体によると、インサート部材を挿入した成形型内において射出成形法により突起を一体成形することが要求される上記特許文献1に記載の従来例とは異なり、予め別途に成形された係合部材を後で取り付けるという容易な作業によって位置ズレ防止手段である突起を形成することができる。また、係合部材を接続ガラスランチャンネル本体(基底部)に後付けすればよいため、該係合部材を構成する材料や形状の制約が低減される。
さらに、係合部材を接続ガラスランチャンネルの基底部に取り付けたとき、挿入孔の内壁に形成された長手方向係止部及び幅方向係止部が係合部材の幹部(例えば幹部の四方)に係止するため、係合部材を備えるガラスランチャンネル組立体を運搬する場合等に発生し得る挿入孔の変形に対して、接続ガラスランチャンネルの基底部から係合部材が抜ける方向に位置ズレしたり、抜け落ちしたりするのを未然に防止することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のガラスランチャンネル組立体において、上記挿入孔の周囲を構成する内壁であって上記基底部の内周側に位置する内壁には、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項2のガラスランチャンネル組立体によると、係合部材を挿入孔に挿入したときに、基底部の内周側に位置する内壁に形成された係止部が係合部材(幹部)の根元部側に係止するため、係合部材を基底部に対して安定して係止させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2のガラスランチャンネル組立体において、上記挿入孔の周囲を構成する内壁であって上記基底部の外周側に位置する内壁には、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項3のガラスランチャンネル組立体によると、係合部材を挿入孔に挿入したときに、基底部の外周側に位置する内壁に形成された係止部が係合部材(幹部)の先端側に係止するため、係合部材を基底部に対して安定して係止させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかのガラスランチャンネル組立体において、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、上記挿入孔の中心軸に向けて突出する凸部又は上記挿入孔の中心軸から離れる方向に凹む凹部を備えていることを特徴とする。
かかる構成の請求項4のガラスランチャンネル組立体によると、係合部材の幹部を挿入孔に挿入した際に、係合部材と接続ガラスランチャンネルの基底部との機械的な係止が可能となり、係合部材を接続ガラスランチャンネルの基底部に、より容易且つ強固に固定することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4のガラスランチャンネル組立体において、上記凹部は、上記内壁の端部であって上記基底部の外周側に位置する端部に形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項5のガラスランチャンネル組立体によると、簡単な構成で前記係合部材を接続ガラスランチャンネルの基底部に固定することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかのガラスランチャンネル組立体において、上記挿入孔は、上記基底部及び上記突起部を内外周方向に貫通する貫通孔であることを特徴とする。
かかる構成の請求項6のガラスランチャンネル組立体によると、挿入孔が貫通しているため、接続ガラスランチャンネルの基底部の外周側から係合部材の有無や取り付け状態を確認することができる。このため、より確実に係合部材を挿入孔に取り付けることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から5のいずれかのガラスランチャンネル組立体において、上記挿入孔は、上記基底部の内周側に向けて開口し且つ前記突起部の外周側は閉塞した非貫通孔であることを特徴とする。
かかる構成の請求項7のガラスランチャンネル組立体によると、挿入孔が突起部の外周側に貫通していないため突起部が変形しにくくなり、挿入孔自体の変形を抑制することができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかのガラスランチャンネル組立体において、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部は、上記挿入孔の中心軸に直交する方向において連続して形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項8のガラスランチャンネル組立体によると、挿入孔の周囲を構成する内壁に長手方向係止部及び幅方向係止部が連続して(例えば挿入孔の全周に亘り)形成されているため基底部と係合部材との係止がより強固となる。このため、接続ガラスランチャンネルが変形した場合に基底部と係合部材との係止が外れることをより効果的に抑制して係合部材の位置ズレや抜け落ちを防止することができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかのガラスランチャンネル組立体において、上記根元支持部は、上記接続ガラスランチャンネルの基底部の内周側表面よりも外周方向に後退する凹状に形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項9のガラスランチャンネル組立体によると、係合部材の根元部が上記凹状に形成された根元支持部に当接することによって、係合部材の位置決めが容易となる。このため、正確な位置に容易に係合部材を配置し固定することができる。さらに、係合部材を取り付けた接続ガラスランチャンネルを窓枠に装着する際に、基底部が係合部材の根元部を挟持するため係合部材の位置ズレや抜け落ちをより効果的に防止することができる。
また、基底部の凹状になった根元支持部に、基底部よりも硬い材料から形成された根元部が配置されることによって基底部の変形を抑制することができる。
【0017】
さらに、上記目的を実現するべく、ここで開示されるいずれかのガラスランチャンネル組立体を備えるガラスラン製品が提供される。即ち、本発明のガラスラン製品は、請求項10に記載のとおり、請求項1から9のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体と上記係合部材とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10のガラスラン製品において、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、上記挿入孔の中心軸に向けて突出する凸部を備えており、上記係合部材の幹部には、該凸部と係止する係止凹部が形成されている。上記係合部材を上記挿入孔に挿入した状態で、上記係止凹部に上記凸部が係止していることを特徴とする。
かかる構成の請求項11のガラスラン製品によると、係合部材の剛性を確保しつつ係合部材の係止凹部と接続ガラスランチャンネルの基底部の凸部とが機械的に係止しているため、係合部材を接続ガラスランチャンネルの基底部により容易且つ強固に固定することができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項11のガラスラン製品において、上記凸部は、上記内壁であって上記基底部の内周側に位置する内壁に形成されており、上記係止凹部は、上記幹部の根元部側に形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項12のガラスラン製品によると、係合部材の幹部の根元部側を係止(固定)することができるので、係合部材を安定して基底部に係止させることができる。
【0020】
請求項13の発明は、請求項10のガラスラン製品において、上記長手方向係止部及び上記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、上記挿入孔の中心軸から離れる方向に凹む凹部を備えており、上記係合部材の幹部には、該凹部と係止する係止凸部が形成されている。上記係合部材を上記挿入孔に挿入した状態で、上記凹部に上記係止凸部が係止していることを特徴とする。
かかる構成の請求項13のガラスラン製品によると、係合部材の係止凸部と接続ガラスランチャンネルの基底部の凹部とが機械的に係止しているため、係合部材を接続ガラスランチャンネルの基底部により容易且つ強固に固定することができる。さらに、幹部の係止凸部を大きく(太く)形成することにより、突起部を大きく(太く)しなくても基底部の凹部とより強固に係止できる。
【0021】
請求項14の発明は、請求項13のガラスラン製品において、上記凹部は、上記内壁であって上記基底部の外周側に位置する内壁に形成されており、上記係止凸部は、上記幹部の先端側に形成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項14のガラスラン製品によると、係合部材の幹部の先端側を係止(固定)することができるので、接続ガラスランチャンネルの基底部の外周側が大きく変位した場合であっても、係合部材を安定して基底部に係止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一実施形態に係るガラスランチャンネル組立体が取り付けられた自動車の左側の前ドアと後ドアとを模式的に示す車外側側面図である。
【図2】一実施形態に係るガラスランチャンネル組立体の全体構造を模式的に示す側面図である。
【図3】図1中のIII‐III線に沿う横断面図であって、ガラスランチャンネルの構造を模式的に示す断面図である。
【図4】図2中のIV‐IV線に沿う横断面図であって、接続ガラスランチャンネルの構造を模式的に示す断面図である。
【図5】図4中のV‐V線に沿う横断面図であって、接続ガラスランチャンネルの構造を模式的に示す部分断面図である。
【図6】一実施形態に係る係合部材の構造を模式的に示す斜視図である。
【図7】図3中のVII‐VII線に沿う横断面図である。
【図8】図7中のVIII‐VIII線に沿う横断面図である。
【図9】他の実施形態に係る接続ガラスランチャンネルの構造と装着状態を模式的に示す断面図である。
【図10】他の実施形態に係る係合部材の構造を模式的に示す斜視図である。
【図11】他の実施形態に係る係合部材を取り付けた接続ガラスランチャンネルの構造を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば押出成形等によるガラスランチャンネルの製造に関する一般的な事項)は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明のガラスラン製品(ガラスランチャンネル組立体及び係合部材を備える)の好適な一実施形態(第1実施形態)を詳細に説明する。図1は、自動車(車両)1に装着される前ドア6と後ドア6Aを模式的に示す側面図である。この図では、自動車1の左側面に装着されるドア6,6Aのみ示しているが、自動車1の右側面にも同様の構造(即ち左右対称)のドア並びにシール装置が装着される。以下の説明は図示される左側面の前後のドア6,6Aに装着されるガラスラン製品についてのみ説明し、重複する右側面の前ドア及び後ドアに装着されるガラスラン製品についての説明は省略する。
なお、本発明において、前方及び後方は車両の前後方向を指し、内周側(又は内周方向)及び外周側(又は外周方向)は、それぞれ窓開口の中心方向及び窓板の外周縁方向(窓開口の中心から離れる方向)を指す。また、上方及び下方は重力方向で上下方向を指し、右側及び左側はそれぞれ車両右側(運転席側)及び車両左側(助手席側)を指し、車内側及び車外側はそれぞれ車両の中心に近づく方向及び車両の中心から離れる方向を指す。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る前ドア6は、ドア本体8を構成するドアアウターパネル12及びドアインナーパネル14(図7参照)並びに該ドア本体8の上方に形成されたドア枠(窓枠)22を有する。
ドア枠22は、自動車1のセンターピラー60に沿って上下方向に配置されるセンターピラー側縦辺枠61と、センターピラー側縦辺枠61の上端と一体に接合され、自動車1のフロントピラー62に沿って延びる上辺枠50(水平枠56と傾斜枠58とを含む)とを有する。上辺枠50の傾斜枠58のやや前寄りの部位には、ほぼ鉛直方向(即ちセンターピラー側縦辺枠61と平行に延びる方向)に延びるフロントピラー側縦辺枠63(「仕切り枠」、「パーテション」ともいう。)の上端が接続されてフロントピラー側縦辺枠63が装着されている。また、フロントピラー側縦辺枠63と傾斜枠58とが所定の交差角度で交差するように前コーナー部16が形成され、並びにセンターピラー側縦辺枠61と水平枠56とが所定の交差角度で交差するように後コーナー部18が形成されている。ここで、前コーナー部16は、図7に示すように、上記構成の傾斜枠58の端部と、該傾斜枠58と所定の交差角度で交差するフロントピラー側縦辺枠63とから構成されている。フロントピラー側縦辺枠63は、横断面が略H字形状に形成された鋼材により構成されており、車両幅方向に延びる部分42が該フロントピラー側縦辺枠63の底壁部42を構成する。また、フロントピラー側縦辺枠63は、スポット溶接等によって断面L字形状の接合金具45に固定されており、さらに接合金具45は、ネジ46等によってドアインナーパネル14に締結固定されている。これによって、フロントピラー側縦辺枠63を所定位置に固定することができる。
【0026】
そして、図1に示すように、ドア枠22(即ちセンターピラー側縦辺枠61、上辺枠50、フロントピラー側縦辺枠63)の内周側の所定位置には後述するガラスラン製品100(ガラスランチャンネル組立体105(図2参照))を装着可能な溝32(図3参照)が連続して形成されている。溝32内には、該溝32の形状に追随してガラスラン製品100が装着されており窓枠構造体を構成する。
また、ドア本体上縁10と、センターピラー側縦辺枠61と、上辺枠50とフロントピラー側縦辺枠63とにより窓開口部70が形成されている。この窓開口部70には窓板66が昇降可能に装着され、窓板66はドア本体8の内部に設けられた図示しない窓板昇降機構に取り付けられている。昇降時(図1の矢印X及びYの方向に移動するとき)には窓板66の周縁がガラスラン製品100(ガラスランチャンネル組立体105)によりガイドされる。
【0027】
同様に、本実施形態に係る後ドア6Aは、ドア本体8Aのドアアウターパネル12A及びドアインナーパネル(図示せず)並びに該ドア本体8Aの上方に形成されたドア枠(窓枠)22Aを有する。
ドア枠22Aは、センターピラー側縦辺枠61Aと、センターピラー側縦辺枠61Aの上端と一体に接合されている上辺枠50Aとを有している。上辺枠50Aは、センターピラー側縦辺枠61Aの上端からリアピラー64に沿って湾曲しながら斜め下方向に延びる傾斜枠58Aを有する。また、ドア枠22Aは、リアピラー側縦辺枠65を有している。ドア枠22Aには、前ドア6の場合と同様にガラスラン製品100Aが装着されている。
【0028】
図2は、上記前ドア6のドア枠22及び後ドア6Aのドア枠22Aの所定位置に形成された溝内にそれぞれ装着される本実施形態に係るガラスラン製品100,100Aの全体を模式的に示す側面図である。図1及び図2に示されるように、前ドア6,後ドア6Aの形状の違い、即ち前後のドア枠22,22Aの形状の違いによって、サイズ等に若干の相違はあるものの、前ドア6に装着されるガラスラン製品100と後ドア6Aに装着されるガラスラン製品100Aとはほぼ同じであり、本発明を特徴付ける構成に相違はない。従って、以下の説明は、前ドア6及びドア枠22用のガラスラン製品100について行い、後ドア6A及びドア枠22A用のガラスラン製品100Aについての説明は重複するため省略する。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係るガラスラン製品100は、ガラスランチャンネル組立体105と係合部材200とを備えている。
まず、ガラスラン製品100を構成するガラスランチャンネル組立体105について説明する。図2に示すように、本実施形態に係るガラスランチャンネル組立体105は、フロントピラー側縦辺枠63に沿って装着される長尺な第1のガラスランチャンネル110と、上辺枠50に沿って装着される長尺な第2のガラスランチャンネル120と、センターピラー側縦辺枠61に沿って装着される長尺な第3のガラスランチャンネル130と、ドアアウターパネル12に装備される別体のサッシュロア19(図1参照)に沿って装着される長尺な第4のガラスランチャンネル140とを備える。
さらに、本実施形態に係るガラスランチャンネル組立体105は、これら第1〜第4の長尺なガラスランチャンネル110,120,130,140に加えて、計3つの接続ガラスランチャンネル150,150A,150Bを備えている。即ち、上記第1と第2のガラスランチャンネル110,120、第2と第3のガラスランチャンネル120,130及び第3と第4のガラスランチャンネル130,140の長手方向の対向する端末同士をそれぞれ一体的に接続する接続ガラスランチャンネル150、150A及び150Bを備えている。
【0030】
上記第1〜第4の長尺なガラスランチャンネル110,120,130,140は、それぞれ、押出成形によって所定の弾性ポリマー材料から所定の横断面形状に形成されている。好ましい弾性ポリマー材料としては、加硫によって硬化する弾性ゴム(典型的にはエチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)を主体とする材料)やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)やスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)等が挙げられる。
他方、接続ガラスランチャンネル150,150A,150Bは、それぞれ、隣接するガラスランチャンネルの端末同士の間に、所定の弾性ポリマー材料を用いた射出成形(インサート射出成形)を行うことにより該端末同士を接続するように形成されている。好ましい弾性ポリマー材料としては、加硫によって硬化する弾性ゴム(典型的にはEPDMゴムを主体とする材料)やTPO等が挙げられ、隣接するガラスランチャンネルの対向する端末同士の間に射出成形された際に該端末と好適に接続されるように該隣接するガラスランチャンネルを形成する弾性ポリマー材料と相溶性を有して化学的に接合可能であることが好ましい。
【0031】
次に、本実施形態に係るガラスランチャンネル組立体105を構成する長尺な第1〜第4のガラスランチャンネルの横断面形状と取付形態を簡単に説明する。図3は、図1におけるIII‐III線断面図であり、この図に基づいて本実施形態に係る長尺な第2のガラスランチャンネル120と窓枠22(ここでは傾斜枠58)を構成する部材の該部位における横断面構造を説明する。なお、他の長尺な第1、第3、第4のガラスランチャンネル110,130,140についてもほぼ同様の構造であるため、重複した説明は省略する。
【0032】
図3に示すように、傾斜枠58(窓枠22)は、ドアアウターパネル12(図1参照)とドアインナーパネル14(図7参照)とのそれぞれから車両上方に延長されて形成された車外側ドア枠23と車内側ドア枠24とが所定の態様で折り曲げられることにより相互に係合するように構成されている。また、窓枠構成部材としての断面L字形状のストッパー25は、車内側ドア枠24とスポット溶接等により接合されている。
かかる構成の傾斜枠58では、車外側ドア枠23からなる車外側側壁28と、ストッパー25からなる車内側側壁29及び底壁30とによって溝32が形成されている。なお、車内側側壁29の溝32側の表面の一部には、長手方向に沿って突部34が形成されている。
【0033】
一方、図3に示すように、本実施形態に係るガラスランチャンネル(ここでは第2のガラスランチャンネル120)は、上記ポリマー材料の押出成形によって長尺に成形された略U字形状の一定の横断面形状を有する。なお、溝32に装着する前は図4に示すように拡開したU字形状に形成されている。
また、ガラスランチャンネル120は、ドア枠(窓枠)22に案内されて昇降動する昇降窓板66の端面と対向する位置に配置される基底部75と、該基底部75の幅方向のそれぞれの端部から該基底部75と所定の交差角度をなして内周側に向けて一体に突出する車内側側壁部80及び車外側側壁部90を有している。基底部75の表面には、該基底部75よりも静止摩擦係数が低い低摩擦層79が長手方向に連続して形成されている。これにより、昇降窓板66が基底部75(低摩擦層79)に繰り返し当たってもガラスランチャンネル120の位置ズレを防止することができる。
【0034】
さらに、図3に示すように、ガラスランチャンネル120は、車内側側壁部80及び車外側側壁部90それぞれの突出先端側から基底部75の幅方向中心側に向けて一体に突出し、該車内側側壁部80及び車外側側壁部90との間に空間を保って折返し状に延びて昇降窓板66の側面に弾接可能な車内側シールリップ85及び車外側シールリップ95を有している。
また、ガラスランチャンネル120において、車内側係止突部82と車内側折返しリップ84とが車内側側壁部80から外方(車内側)に張り出すように形成されている。同様に、車外側係止突部92と車外側折返しリップ94とが車外側側壁部90から外方(車外側)に張り出すように形成されている。これによりガラスランチャンネル120が傾斜枠58(窓枠22)の溝32内に装着された状態において、溝32からの抜け出しが防止される。なお、上記第2のガラスランチャンネル120(並びに他の長尺な第1、第3及び第4のガラスランチャンネル110,130,140)の構造自体は、特に本発明の本質的部分ではないため、これ以上の詳細な構造説明を省略する。
【0035】
次に本実施形態に係るガラスランチャンネル組立体105を特徴付ける接続ガラスランチャンネル150について詳細に説明する。なお、本実施形態に係るガラスランチャンネル組立体105は、計3つの接続ガラスランチャンネル150,150A,150Bを備えているが、本発明の特徴的部分は共通するため、以下では第1と第2のガラスランチャンネル110,120の長手方向の端末同士を一体的に接続する接続ガラスランチャンネル150について図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態に係る接続ガラスランチャンネル150の横断面形状における車内側側壁部152及び車外側側壁部154に形成された付属的部分(上記折返しリップ84,94やシールリップ85,95等)については、図3に示した上記第2の長尺なガラスランチャンネル120に形成されたものと実質的に同じ形状であるため、実質的に同一である部材や機構には同一の符号を付すとともに再度の詳細な説明は省略している。
【0036】
図4は、図2中のIV‐IV線に沿う横断面図であって、接続ガラスランチャンネル150の構造を模式的に示す断面図である。図5は、図4中のV‐V線に沿う部分断面図である。
図4及び図5に示すように、接続ガラスランチャンネル150の基底部175には、該基底部175の外周側表面から突出する突起部165が設けられている。突起部165は、窓枠22(傾斜枠58)の溝32内に設けられた後述する係合部としての係合孔40に係合可能な形状に形成されている。さらに、突起部165は、後述する係合部材200を取り付け可能に形成されている。ここで、突起部165は、該突起部165に形成された後述する挿入孔160に挿入されて取り付けられる係合部材200の幹部205とともに、窓枠22(傾斜枠58)の溝32内に設けられた係合孔40に係合可能な突出部167を構成する。
また、接続ガラスランチャンネル150の基底部175の内周側表面には、後述する係合部材200が取り付けられたとき該係合部材200の根元部210を支持する根元支持部168が形成されている。根元支持部168は、基底部175の内周側表面よりも外周方向に後退する凹状に形成されており、且つ、後述する根元部210の外形に対応した形状に形成され根元部210の周縁の少なくとも一部に当接して支持するように構成されている。
ここで、接続ガラスランチャンネル150において根元支持部168に対応する範囲には上記突起部165が形成されており、且つ係合部材200の幹部205を挿入可能な挿入孔160が形成されている。本実施形態において挿入孔160は、基底部175及び突起部165を内外周方向に貫通する貫通孔である。なお、挿入孔160及び突起部165の形状は特に制限されず、横断面形状が四角形の他、丸孔や楕円等でもよい。
【0037】
図4及び図5に示すように、挿入孔160の周囲は横内壁177と縦内壁179とで筒状に囲まれており、横内壁177及び縦内壁179のうち基底部175の外表面から外周側に突出した部分は、突起部165を形成している。
また、横内壁177は、接続ガラスランチャンネル150の基底部175の長手方向に沿って板状に形成され、本実施形態では一対の横内壁177,177が基底部175の幅方向(横方向)において所定の間隔をあけて配置されている。
また、縦内壁179は、接続ガラスランチャンネル150の基底部175の幅方向に沿って板状に形成され、本実施形態では、一対の縦内壁179,179が基底部175の長手方向(縦方向)において所定の間隔をあけて配置されている。
図4に示すように、横内壁177の内周側には、第1の長手方向係止部185,185が基底部175の幅方向において対向する部位に形成されている。また、第1の長手方向係止部185は、挿入孔160の中心軸Zに向けて突出する凸部186を備えている。一方、横内壁177の外周側には第2の長手方向係止部188,188が基底部175の幅方向において対向する部位に形成されている。また、第2の長手方向係止部188は、挿入孔160の中心軸Zから離れる方向に凹む段差状の係止凹部189を備えている。
本実施形態に係る凸部186及び係止凹部189は、それぞれ挿入孔160の中心軸Zに直交する方向において連続して形成されている。即ち、横内壁177において基底部175の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0038】
一方、図5に示すように、縦内壁179の外周側には第1の幅方向係止部195,195が形成されている。第1の幅方向係止部195は、挿入孔160の中心軸Zから離れる方向に凹む段差状の凹部196を備えている。本実施形態に係る凹部196は、挿入孔160の中心軸Zに直交する方向において連続して形成されている。即ち、縦内壁179において基底部175の幅方向に沿って連続して形成されている。また、図5に示すように、基底部175の内周側表面であって根元支持部168の近傍には、窓板66が係合部材200に衝突するのを防止する衝突防止突条169が形成されている。
【0039】
なお、本実施形態に係る第1の長手方向係止部185及び第2の長手方向係止部188は、基底部175の幅方向において対向する部位にそれぞれ一対ずつ横内壁177の長手方向に沿って延びるように形成されているが、基底部175の幅方向において対向する複数の部位に形成してもよいし、或いは、車内側及び車外側の横内壁177のいずれか一方に形成してもよい。また、それぞれの係止部185,188は、基底部175の横内壁177のどの部位に形成してもよく、例えば、横内壁177の内外周方向の中間部近傍(中央部付近)に形成してもよい。
また、第1の幅方向係止部195についても同様に、基底部175の長手方向において対向する複数の部位に形成してもよいし、或いは、車両前方側及び車両後方側の縦内壁179のいずれか一方に形成してもよい。また、係止部195は、基底部175の縦内壁179のどの部位に形成してもよく、例えば、縦内壁179の内外周方向の中間部近傍(中央部付近)や内周側に形成してもよい。さらに、段差状の係止凹部189と段差状の凹部196とは互いに連続して環状の段差形状をなしているが、連続していなくともよく、互いに異なる深さの段差をなしていてもよい。
また、長手方向係止部及び幅方向係止部はいずれも、挿入孔の中心軸に向けて突出する凸部又は挿入孔の中心軸から離れる方向に凹む凹部を備えていればよく、上記形態に限定されない。さらに、凸部及び凹部は挿入孔の中心軸に対して垂直に又は傾斜して形成することができる。
【0040】
次に、本実施形態に係るガラスラン製品100を構成する係合部材であって挿入孔に取り付けられる(挿入される)係合部材200について図面を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態に係る係合部材200の構造を模式的に示す斜視図である。
本実施形態に係る係合部材200は接続ガラスランチャンネル150とは別に予め形成された部材であり、接続ガラスランチャンネル150を成形する弾性ポリマー材料よりも硬質で剛性を有する合成樹脂材料、例えばポリアセタール(POM)、ナイロン(ポリアミド系樹脂)等の弾性ポリマー材料から成形された成形品である。なお、係合部材200は金属材料のプレス成形品、鋳造品、鍛造品等でもよい。また、係合部材200は、図6に示すように、平板状の根元部210と、該根元部210から離れる方向に突出する(立ち上がる)幹部205とを有する。
根元部210の平板状の本体部212は、上記根元支持部168に嵌り込むことができるサイズと形状に成形されており、接続ガラスランチャンネル150に取り付けられたとき基底部175に対向する側の表面上には複数の位置ズレ防止突起214が形成されている。一方、幹部205は、上記挿入孔160に挿入されて接続ガラスランチャンネル150に取り付け可能に形成されており、挿入孔160に挿入された幹部205と突起部165とからなる突出部167は窓枠22(傾斜枠58)に形成された係合孔40に係合することができる。
【0041】
幹部205は、挿入孔160に挿入され得るサイズの柱状本体部207と、該柱状本体部207の先端から張り出した係止頭部220とを備えている。柱状本体部207の根元部210側には、係合部材200を接続ガラスランチャンネル150に取り付けた際に、上記基底部175の内周側に位置する横内壁177の端部(即ち横内壁177の内周側端部)に形成された第1の長手方向係止部185が係止可能な長手方向係止凹溝224が形成されている。さらに、柱状本体部207の幅広面(平板状の本体部212の長辺と平行な面)の突出方向(立上り方向)の中央辺りには、挿入孔160の周囲を構成する横内壁177に係止する長手方向係止突条部230が形成されている。
また、係止頭部220は、図6に示すように、柱状本体部207の外形よりも大きく設定されており、上記基底部175の外周側に位置する横内壁177の端部(即ち横内壁177の外周側端部)に形成された第2の長手方向係止部188に係止する長手方向係止凸部221と、上記基底部175の外周側に位置する縦内壁179の端部(即ち縦内壁179の外周側端部)に形成された第1の幅方向係止部195に係止する幅方向係止凸部222とを備えている。
【0042】
次に、係合部材200を取り付けた接続ガラスランチャンネル150の機能(作用、効果)について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、係合部材200は、幹部205を挿入孔160に挿入して根元部210を根元支持部168に嵌め込むことにより、接続ガラスランチャンネル150の所定位置に取り付けられている。
このとき、図4に示すように、接続ガラスランチャンネル150では、第1の長手方向係止部185,185が係合部材200の長手方向係止凹溝224,224に長手方向に沿って係止している。そして、係合部材200の長手方向係止突条部230,230は、挿入孔160の周囲を構成する内壁のうち横内壁177に当接して係止している。ここで、係合部材200を取り付けた接続ガラスランチャンネル150を備えるガラスラン製品100を運搬する場合等に、例えば、車内側側壁部152や車外側側壁部154が互いに近づく方向に変位して図4の矢印X1の方向(基底部175の幅方向)の力が働いた場合、第1の長手方向係止部185,185が互いに近づく方向に変位し長手方向係止凹溝224,224に嵌り込み、幹部205を挟持する。このため、接続ガラスランチャンネル150の係合部材200に対する係止が維持されて係合部材200の抜け落ち等を防止することができる。
また、係合部材200の長手方向係止凸部221,221は、第2の長手方向係止部188,188の係止凹部189,189に係止している。ここで、例えば、車内側側壁部152や車外側側壁部154が互いに離れる方向に変位して接続ガラスランチャンネル150に図4の矢印Y1の方向(基底部175の幅方向)の力が働いた場合、第2の長手方向係止部188,188が互いに近づく方向に変位し長手方向係止部188,188と係止凸部221,221の係止が強くなるため、係合部材200の抜け落ち等を防止することができる。
【0043】
図5に示すように、接続ガラスランチャンネル150では、係合部材200の幅方向係止凸部222,222は、第1の幅方向係止部195,195の凹部196,196に幅方向に沿って係止している。ここで、例えば、ガラスラン製品100が長手方向に変形して接続ガラスランチャンネル150に図5の矢印X2の方向(基底部175の長手方向)の力が働いた場合、第1の幅方向係止部195,195が互いに近づく方向に変位し係止部195,195と係止凸部222,222の係止が強くなるため、係合部材200の抜け落ち等を防止することができる。
また、例えば、ガラスラン製品100が長手方向に変形して接続ガラスランチャンネル150に図5の矢印Y2の方向(基底部175の長手方向)の力が働いた場合、基底部175の根元支持部168を形成する段差が係合部材200の根元部210(平板状本体部212)を挟持する。また、本実施形態のように基底部175の凹状になった根元支持部168に基底部175よりも硬い材料から形成された根元部210が配置されていることによって基底部175の変形を抑制することができる。このため係合部材200の位置ズレや抜け落ちを効果的に防止することができる。
【0044】
なお、上記のように、接続ガラスランチャンネル150が長手方向や幅方向に変形することによって基底部175が変形して横内壁177や縦内壁179の外周側端部や内周側端部が変位することもあるが、一方の内壁の変位が他方の内壁を変位させることも同時に起こり得る。
例えば、本実施形態のように横内壁177と縦内壁179とが連続して筒状を形成していると、車内側側壁部152と車外側側壁部154とが互いに近づく方向に変位した場合、横内壁177,177の外周側端部は互いに離れる方向に変位するが、縦内壁179,179の外周側端部は横内壁177,177の変位によって互いに近づく方向に引き寄せられる。他方、横内壁177,177の外周側端部が互いに近づく方向に変位した場合、縦内壁179,179の外周側端部は互いに離れる方向に変位する。
このように、横内壁177及び縦内壁179で囲まれた挿入孔160は、典型的には長手方向及び幅方向に変形する。
これに対し、係合部材200を接続ガラスランチャンネル150の基底部175に取り付けたとき、挿入孔160の横内壁177に形成された第1の長手方向係止部185が係合部材200の幅方向係止凹溝224に係止し,さらに第2の長手方向係止部188及び縦内壁179に形成された第1の幅方向係止部195が係合部材200の幹部205の四方、即ち長手方向係止凸部221及び幅方向係止凸部222に係止する。このため、係合部材200を備えるガラスランチャンネル組立体105(即ちガラスラン製品100)を運搬する場合等に発生し得る挿入孔160の変化(変形)に対して、係合部材200の位置ズレや抜け落ち等を未然に防止することができる。
【0045】
次に、係合部材200を取り付けた接続ガラスランチャンネル150を窓枠22(傾斜枠58)の所定位置に形成された溝32内に装着した状態の接続ガラスランチャンネル150について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図7は、フロントピラー側縦辺枠63と傾斜枠58とが所定の交差角度で交差する前コーナー部16の構成を示す図であって、該部分に配置される第1実施形態に係る接続ガラスランチャンネル150を車外側からみた断面図である。図8は、図7中のVIII‐VIII線に沿う横断面図である。
図7及び図8に示すように、窓枠構成部材である上記ストッパー25の突出部167に対応する部位には、係合部としての係合孔40が形成されている。係合孔40は上記突出部167が挿通(貫通)し得るサイズを有する。
【0046】
図7及び図8に示すように、係合部材200は、幹部205を挿入孔160に挿入して根元部210を根元支持部168に嵌め込むことにより、接続ガラスランチャンネル150の所定位置に取り付けられている。そして、突起部165と幹部205とからなる突出部167を窓枠22に形成された係合孔40に挿通して係合させ、該係合部材200を取り付けた接続ガラスランチャンネル150を窓枠22の溝32内に装着している。
このとき、図8に示すように、第1の長手方向係止部185は、係合部材200の長手方向係止凹溝224に嵌り込んで係止している。係合部材200の長手方向係止突条部230は、挿入孔160の周囲を構成する内壁のうち横内壁177に当接して係止している。そして、係合部材200の長手方向係止凸部221は、第2の長手方向係止部188の係止凹部189に係止している。また、図7に示すように、係合部材200の幅方向係止凸部222は、第1の幅方向係止部195の凹部196に係止している。このため、窓枠22(傾斜枠58)の所定位置に形成された溝32内に装着された接続ガラスランチャンネル150において、係合部材200が接続ガラスランチャンネル150に長手方向においても幅方向においても強固に係止しているため、係合部材200の接続ガラスランチャンネル150からの位置ズレや抜け落ち等が防止される。
【0047】
また、図7に示すように、傾斜枠58に装着された接続ガラスランチャンネル150に対して傾斜枠58に沿って長手方向(特に水平枠56或いはセンターピラー側縦辺枠61のある方向)に移動(位置ズレ)させようとする力が働いた場合、突出部167の外壁面、即ち本実施形態においては、突起部165の外壁面が係合孔40の周縁に当接する。突出部167は、挿入孔160内に固定された係合部材200の幹部205によって機械的強度が補強されているため、かかる当接によって接続ガラスランチャンネル150の移動が規制され、長手方向の位置ズレを防止することができる。ここで、本実施形態の突起部165の立ち上がり方向とストッパー25との交差角度θは垂直であるが、該交差角度θが鋭角となるように突起部165の立ち上がり方向を決定する(即ち、挿入孔160の形成方向を決定する。)ことが好ましい。該交差角度θを鋭角とすることで、使用時にストッパー25から接続ガラスランチャンネル150が脱落することを防止し得る。
なお、図7中の符号112は第1のガラスランチャンネルの基底部、符号114は第1のガラスランチャンネルの車内側側壁部であり、符号122は第2のガラスランチャンネルの基底部、符号124は第2のガラスランチャンネルの車内側側壁部である。
【0048】
以上より、本実施形態に係る係合部材200を取り付けた接続ガラスランチャンネル150では、硬質の係合部材200として予め成形された別部材が用いられていることによって、上記の従来例のようなインサート部材を挿入した成形型内において射出成形法により突起を一体成形することとは異なり、係合部材200を接続ガラスランチャンネル150の所定位置に装着するという容易な作業によって、機械的強度に優れる突出部167を形成することができる。そして、係合部材200を接続ガラスランチャンネル150の本体を構成する基底部175に後付けすればよいため、該係合部材200を構成する材料や形状の制約も低減することができる。
【0049】
突起部の形状は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、以下に説明するような変更例が挙げられる。図9は、第2実施形態に係る接続ガラスランチャンネル350の構造と装着状態を模式的に示す断面図である。
図9に示すように、接続ガラスランチャンネル350の基底部375には、外周側表面から突出する突起部365が設けられている。突起部365は、窓枠22(傾斜枠58)の係合孔40に係合可能な形状に形成されている。さらに、突起部365は、係合部材200を取り付け可能に形成されており、後述する挿入孔360に挿入されて取り付けられる係合部材200の幹部205とともに、窓枠22の係合孔40に係合可能な突出部367を構成する。また、接続ガラスランチャンネル350の基底部375の内周側表面には、係合部材200が取り付けられたとき該係合部材200の根元部210を支持する根元支持部368が形成されている。根元支持部368は、基底部375の内周側表面よりも外周方向に後退する凹状に形成されており、且つ、根元部210の外形に対応した形状に形成され根元部210の周縁の少なくとも一部に当接して支持するように構成されている。
ここで、接続ガラスランチャンネル350において根元支持部368に対応する範囲には上記突起部365が形成されており、且つ係合部材200の幹部205を挿入可能な挿入孔360が形成されている。本実施形態において挿入孔360は、基底部375の内周側に向けて開口し且つ突起部365の外周側は閉塞した非貫通孔である。
かかる構成により、第1実施形態の場合と同様の効果に加えて、挿入孔360が貫通していないため、突起部365が変形しにくく挿入孔360の変形を抑制できる。さらに、挿入孔360が突起部365を貫通していないため係合部材200の周辺から接続ガラスランチャンネル350の溝内に水滴が浸入することを防止することができる。
【0050】
係合部材の形状は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、以下に説明するような変更例が挙げられる。図10は、第3実施形態に係る係合部材400の構造を模式的に示す斜視図である。図11は、第3実施形態に係る係合部材400を取り付けた接続ガラスランチャンネル450の構造を模式的に示す断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る係合部材400は、上記第1実施形態に係る係合部材200と同様の平板状の本体部412と位置ズレ防止突起414とを有する根元部410を備える。
一方、本係合部材400を特徴づける幹部405は、上記第1実施形態に係る係合部材200と同様の長手方向係止凹溝424及び長手方向係止突条部430を有する柱状本体部407と、長手方向係止凸部421及び幅方向係止凸部422を有する係止頭部420とを備える。さらに、柱状本体部407の根元部410側には、幅方向係止凹溝426が形成されており、この係止凹溝426は係合部材400を接続ガラスランチャンネル450に取り付けた際に、上記基底部475の内周側に位置する縦内壁479に形成された第2の幅方向係止部497(凸部498)と係止可能である(図11参照)。さらにまた、柱状本体部407の幅狭面(平板状の本体部412の短辺と平行な面)の突出方向(立上り方向)の中央辺りには縦内壁479に係止する幅方向係止突条部440が形成されている。なお、挿入孔460に挿入された幹部405と突起部465とからなる突出部467は窓枠22(傾斜枠58)に形成された係合孔40に係合することができる。
【0051】
図11に示すように、接続ガラスランチャンネル450では、係合部材400の幅方向係止凸部422,422は、第1の幅方向係止部495,495の凹部496,496に幅方向に沿って係止している。ここで、接続ガラスランチャンネル450に図11の矢印X3又はY3の方向(基底部475の長手方向)の力が働いた場合、第1実施形態と同様の構成に加え、さらに係止凹溝426及び幅方向係止突条部440が形成されていることによって、接続ガラスランチャンネル450の基底部475が長手方向において変形した場合の係合部材400の抜け落ちを一層良好に防止することができる。
【0052】
以上、本発明の具体例を図面を参照しつつ詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記各実施形態では、第1のガラスランチャンネル110と第2のガラスランチャンネル120との間に形成された接続ガラスランチャンネル150に係合部材200を取り付けているが、他の接続ガラスランチャンネルに装着してもよい。また、必ずしも全ての接続ガラスランチャンネルに突起部を設けたり係合部材を取り付けたりする必要はなく、必要な部位に必要な個数の突起部を形成し補強部材を装着することができる。
また、上記実施形態はサッシュ(即ち帯鋼板を冷間ロール成形法により所定の横断面形状、例えば図3に図示する形状に折り曲げ成形した長尺材)製のサッシュドア枠(窓枠)に装着されるガラスラン製品に関するものであるが、このようなサッシュドアに適用が限定されるものではなく、例えば、プレス加工によってドアパネルの窓開口部に相当する部分を打ち抜いて、残部でドアパネルと一体のドア枠を形成するプレスドア枠(窓枠)にも好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 自動車(車両)
6 前ドア
6A 後ドア
8,8A ドア本体
10 ドア本体上縁
12,12A ドアアウターパネル
14 ドアインナーパネル
16 前コーナー部
18 後コーナー部
19 サッシュロア
22,22A ドア枠(窓枠)
23 車外側ドア枠
24 車内側ドア枠
25 ストッパー
28 車外側側壁
29 車内側側壁
30 底壁
32 溝
34 突部
40 係合孔
42 底壁部
45 接続金具
46 ネジ
50,50A 上辺枠
56 水平枠
58,58A 傾斜枠
60 センターピラー
61,61A センターピラー側縦辺枠
62 フロントピラー
63 フロントピラー側縦辺枠
64 リアピラー
65 リアピラー側縦辺枠
66 窓板
70 窓開口部
75 基底部
79 低摩擦層
80 車内側側壁部
82 車内側係止突部
84 車内側折返しリップ
85 車内側シールリップ
90 車外側側壁部
92 車外側係止突部
94 車外側折返しリップ
95 車外側シールリップ
100,100A ガラスラン製品
105 ガラスランチャンネル組立体
110 第1のガラスランチャンネル
112 第1のガラスランチャンネルの基底部
114 第1のガラスランチャンネルの車内側側壁部
120 第2のガラスランチャンネル
122 第2のガラスランチャンネルの基底部
124 第2のガラスランチャンネルの車内側側壁部
130 第3のガラスランチャンネル
140 第4のガラスランチャンネル
150,150A,150B 接続ガラスランチャンネル
152 車内側側壁部
154 車外側側壁部
160 挿入孔(貫通孔)
165 突起部
167 突出部
168 根元支持部
169 衝突防止突条
175 基底部
177 横内壁
179 縦内壁
185 第1の長手方向係止部
186 凸部
188 第2の長手方向係止部
189 係止凹部
195 第1の幅方向係止部
196 凹部
200 係合部材
205 幹部
207 柱状本体部
210 根元部
212 根元部の平板状本体部
214 位置ズレ防止突起
220 係止頭部
221 長手方向係止凸部
222 幅方向係止凸部
224 長手方向係止凹溝
230 長手方向係止突条部
350 接続ガラスランチャンネル
360 挿入孔
365 突起部
367 突出部
368 根元支持部
375 基底部
400 係合部材
405 幹部
407 柱状本体部
410 根元部
412 平板状の本体部
414 位置ズレ防止突起
420 係止頭部
421 長手方向係止凸部
422 幅方向係止凸部
424 長手方向係止凹溝
426 幅方向係止凹溝
430 長手方向係止突条部
440 幅方向係止突条部
450 接続ガラスランチャンネル
460 挿入孔
465 突起部
467 突出部
475 基底部
479 縦内壁
495 第1の幅方向係止部
496 凹部
497 第2の幅方向係止部
498 凸部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装着されるガラスランチャンネル組立体であって、
弾性ポリマー材料から所定の横断面形状に押出成形された所定長の第1の長尺なガラスランチャンネルと、
弾性ポリマー材料から所定の横断面形状に押出成形された所定長の第2の長尺なガラスランチャンネルと、
弾性ポリマー材料から射出成形されたガラスランチャンネルであって前記第1と第2のガラスランチャンネルの長手方向の端末同士を一体的に接続する接続ガラスランチャンネルとを含み、
前記第1と第2のそれぞれのガラスランチャンネル及び接続ガラスランチャンネルは、各ガラスランチャンネルが車両の窓枠の所定位置に形成された溝内に装着されたとき、前記窓枠に案内されて昇降動する昇降窓板の端面と対向する位置に配置される基底部と、
該基底部の幅方向の少なくとも車内側の端部から該基底部と所定の交差角度を有して前記基底部から内周側に向けて一体に突出する側壁部と、
前記側壁部の突出先端側から折返し状に前記基底部に向けて突出するシールリップとを有し、
前記接続ガラスランチャンネルの基底部には、外周側表面から突出する突起部が設けられており、該接続ガラスランチャンネルが前記窓枠の所定位置に装着されたとき前記突起部が前記窓枠の溝内に設けられた窓枠構成部材の係合部に係合可能とされており、
前記突起部は、前記接続ガラスランチャンネルの弾性ポリマー材料よりも硬質で剛性を有する材料から予め成形される係合部材であって前記基底部に配置される根元部と該根元部から離れる方向に突出する幹部とを有する係合部材を取り付け可能に形成されており、
前記接続ガラスランチャンネルの基底部の内周側表面には、前記係合部材が取り付けられたとき該係合部材の根元部を支持する根元支持部が形成されており、
前記根元支持部に対応する範囲には、突起部と、前記係合部材の幹部を挿入可能な挿入孔とが形成され、該挿入孔は前記基底部から前記突起部にかけて形成されており、
前記挿入孔の周囲を構成する内壁であって前記接続ガラスランチャンネルの長手方向の内壁及び幅方向の内壁には、前記係合部材を前記挿入孔に挿入したとき該係合部材の幹部に係止する長手方向係止部及び幅方向係止部がそれぞれ少なくとも一つ形成されていることを特徴とするガラスランチャンネル組立体。
【請求項2】
前記挿入孔の周囲を構成する内壁であって前記基底部の内周側に位置する内壁には、前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項3】
前記挿入孔の周囲を構成する内壁であって前記基底部の外周側に位置する内壁には、前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項4】
前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、前記挿入孔の中心軸に向けて突出する凸部又は前記挿入孔の中心軸から離れる方向に凹む凹部を備えていることを特徴とする請求項1から3に記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項5】
前記凹部は、前記内壁の端部であって前記基底部の外周側に位置する端部に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項6】
前記挿入孔は、前記基底部及び前記突起部を内外周方向に貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項7】
前記挿入孔は、前記基底部の内周側に向けて開口し且つ前記突起部の外周側は閉塞した非貫通孔であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項8】
前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部は、前記挿入孔の中心軸に直交する方向において連続して形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項9】
前記根元支持部は、前記接続ガラスランチャンネルの基底部の内周側表面よりも外周方向に後退する凹状に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のガラスランチャンネル組立体と前記係合部材とを備えることを特徴とするガラスラン製品。
【請求項11】
前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、前記挿入孔の中心軸に向けて突出する凸部を備えており、
前記係合部材の幹部には、該凸部と係止する係止凹部が形成されており、
前記係合部材を前記挿入孔に挿入した状態で、前記係止凹部に前記凸部が係止していることを特徴とする請求項10に記載のガラスラン製品。
【請求項12】
前記凸部は、前記内壁であって前記基底部の内周側に位置する内壁に形成されており、
前記係止凹部は、前記幹部の根元部側に形成されていることを特徴とする請求項11に記載のガラスラン製品。
【請求項13】
前記長手方向係止部及び前記幅方向係止部の少なくともいずれか一方は、前記挿入孔の中心軸から離れる方向に凹む凹部を備えており、
前記係合部材の幹部には、該凹部と係止する係止凸部が形成されており、
前記係合部材を前記挿入孔に挿入した状態で、前記凹部に前記係止凸部が係止していることを特徴とする請求項10に記載のガラスラン製品。
【請求項14】
前記凹部は、前記内壁であって前記基底部の外周側に位置する内壁に形成されており、
前記係止凸部は、前記幹部の先端側に形成されていることを特徴とする請求項13に記載のガラスラン製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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