説明

キナゾリノン化合物およびその使用方法

本発明は、キナゾリノン化合物およびこれらの化合物の調製方法に関する。本発明はまた、キナゾリノン化合物を含む医薬組成物に関する。本発明は、本発明の治療有効量の式Iのキナゾリノン化合物を必要とする対象に投与することにより、細胞増殖性障害(例えば、癌)の治療方法を提供する。本発明は、式Iの化合物を、薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせて含む医薬組成物も提供する。一実施形態では、医薬組成物は第2の化学療法剤をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2007年6月22日に出願された米国仮特許出願第60/945,838号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
癌は、米国における第2の主要死亡原因であり、これを上回るのは循環器疾患だけである(非特許文献1)。癌の診断および治療における最近の進歩にもかかわらず、癌が早期に発見された場合、外科処置や放射線治療が治療に有効であるが、転移性疾患のための現在の薬物治療は概して一時的に抑えるに過ぎず、めったに長期的な治癒をもたらすものではない。新規な化学療法が市場に参入してきているが、耐性腫瘍の治療における、第1治療として、また、第2および第3治療として、単剤治療かまたは既存の薬剤との併用治療に用いる有効な新規な薬物が依然として求められている。
【0003】
これらの薬剤の投与に伴う副作用が低減されれば具現化される治療的有用性のため、癌を治療するために使用する薬剤の特異性を改善することは、非常に興味深いことである。癌治療のための1つのアプローチは、哺乳動物細胞の有糸分裂過程を標的とすることである。有糸分裂を標的とする治療薬の例には、タキサンおよびカンプトテシンの部類のトポイソメラーゼI阻害剤が含まれる。
【0004】
癌治療のための新たに出現してきている標的部類は有糸分裂キネシンである。有糸分裂キネシンは、有糸分裂紡錘の構築および機能に必須の酵素であるが、一般に、神経突起におけるなどの他の微小管構造の一部ではない。有糸分裂キネシンは、有糸分裂のすべての段階において重要な役割を果たす。これらの酵素は、ATPの加水分解によって放出されるエネルギーを、微小管に沿って細胞カーゴの方向性のある運動を推進する機械的力に変換させる「分子モーター」である。この仕事に十分な触媒ドメインは約340個のアミノ酸からなるコンパクトな構造である。有糸分裂の際、キネシンは、微小管を、有糸分裂紡錘である双極構造に器質化する。キネシンは、紡錘微小管に沿った染色体の移動、ならびに有糸分裂の特定の段階に付随する有糸分裂紡錘の構造的変化を媒介する。有糸分裂キネシン機能を実験的に摂動させると、有糸分裂紡錘の形成異常または機能障害を引き起こし、しばしば細胞周期停止や細胞死がもたらされる。
【0005】
特定されている有糸分裂キネシンの中にはKSP(例えば、5とも称される)がある。KSPは、逆平行ホモ二量体からなる双極ホモ四量体に組み立てられるプラス方向微小管モーターの進化的に保存されたキネシンのサブファミリーに属する。有糸分裂の際、KSPは、有糸分裂紡錘の微小管と関係する。KSPに対抗する抗体をヒト細胞中にマイクロインジェクションすると、前中期の間の紡錘体極の分離が防止され、単極紡錘体がもたらされ、有糸分裂停止とプログラム細胞死の誘発が引き起こされる。非ヒト有機体中のKSPおよび関連キネシンは逆行性微小管を束ね、それらを互いに滑らせ、それによって2つの紡錘体極を離れさせる。KSPは、また、後期B紡錘体伸長および紡錘体極での微小管の集束も媒介することができる。
【0006】
ヒトKSP(HsEg5とも称される)は、[非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;GenBank登録番号:X85137、NM004423およびU37426]に記載されており、KSP遺伝子の断片(TRIP5)は、[非特許文献9;GenBank登録番号L40372]に記載されている。ツメガエル(Xenopus)のKSP同族体(Eg5)、ならびにショウジョウバエ(Drosophila)のK−LP61F/KRP130が報告されている。
【0007】
最近、ある種のキナゾリノンはKSPの阻害剤であると記述されている[特許文献1、2001年5月3日;特許文献2、2001年12月27日;特許文献3、2001年5月3日;特許文献4、2003年5月15日;特許文献5、2003年5月15日;特許文献6、2003年8月28日;特許文献7、2003年11月27日および特許文献8、2004年1月29日]。
【0008】
キナゾリノン誘導体は、メタクアロン、鎮痛催眠剤、クロロクアロン、鎮咳薬およびピリクアロン、抗けいれん剤などの多くの生物学的に活性な化合物中に存在する特別な構造体である。キナゾリノンおよび誘導体は、催眠性、鎮痛性、抗けいれん性、鎮咳性および抗炎症性の活性などの多種多様な生物学的特性を有することが知られている。
【0009】
そのための特定の生物学的使用が記載されているキナゾリノン誘導体には、特許文献9が記載している2−(置換フェニル)−4−オキソキナゾリンが含まれ、これは気管支拡張作用を有すると記載されている。特許文献10、特許文献11および特許文献12は、抗炎症剤として有用な1−置換−4−アリール−2(1H)−キナゾリノン誘導体の部類を記載している。特許文献13は、高血圧の治療のための4(3H)−キナゾリノン誘導体の部類を特許請求している。特許文献14は、神経変性障害、向精神障害、薬物およびアルコール性の中枢および末梢神経系障害を治療するのに使用されるキナゾリン−4−オン誘導体の医薬組成物を記載している。
【0010】
キナゾリノン誘導体は、癌を含む細胞増殖性障害の治療に用いられる治療薬の有望なリストの中の1つである。この分野では、例えば、特許文献15は、血管平滑細胞増殖を阻害するためのキナゾリノン誘導体を含む医薬組成物を記載している。特許文献16は、この同じキナゾリノン誘導体を、メサンギウム細胞増殖を阻害するために使用している。特許文献17、特許文献18および特許文献19は、チミジル酸シンテターゼを阻害するためのキナゾリノン誘導体の使用を記載している。この酵素は、デオキシウリジン一リン酸のメチル化の触媒作用をして、DNA合成に必要なチミジン一リン酸を産生する。特許文献20および特許文献21は、チロシン受容体キナーゼの過活性または不適切な活性を特徴とする癌の治療のために用いるキナゾリノン誘導体を記載している。特許文献22は、上皮細胞で生じる癌腫の治療のための(1H−アゾール−1−イルメチル)置換キナゾリン組成物を特許請求している。特許文献23は、新血管形成を弱め、悪性腫瘍を治療するのに有用なキナゾリノン誘導体を含む組成物を記載している。特許文献24は、抗腫瘍活性を有するキナゾリン−4−オン誘導体を含む医薬組成物を記載している。
【0011】
本明細書で引用する文献を、特許請求する本発明の先行技術であると認めるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第01/30768号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/98278号パンフレット
【特許文献3】国際公開第01/30768号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/039460号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/043995号パンフレット
【特許文献6】国際公開第03/070701号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/097053号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/009036号パンフレット
【特許文献9】米国特許第5,147875号明細書
【特許文献10】米国特許第3,723,432号明細書
【特許文献11】米国特許第3,740,442号明細書
【特許文献12】米国特許第3,925,548号明細書
【特許文献13】欧州特許第0056637号明細書
【特許文献14】欧州特許出願公開第0884319号明細書
【特許文献15】国際公開第96/06616号パンフレット
【特許文献16】国際公開第96/19224号パンフレット
【特許文献17】米国特許第4,981,856号明細書
【特許文献18】米国特許第5,081,124号明細書
【特許文献19】米国特許第5,280,027号明細書
【特許文献20】米国特許第5,747,498号明細書
【特許文献21】米国特許第5,773,476号明細書
【特許文献22】米国特許第5,037,829号明細書
【特許文献23】国際公開第98/34613号パンフレット
【特許文献24】米国特許第5,187,167号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Cancer Facts and Figures 2005年、American Cancer Society、Inc.
【非特許文献2】Blangyら、Cell、第83号:1159〜69頁(1995年)
【非特許文献3】Whiteheadら、Arthritis Rheum.、第39号:1635〜42頁(1996年)
【非特許文献4】Galgioら、J.Cell Biol.、第135号:339〜414頁(1996年)
【非特許文献5】Blangyら、J.Biol.Chem.、第272号:19418〜24頁(1997年)
【非特許文献6】Blangyら、Cell Motil Cytoskeleton、第40号:174〜82頁(1998年)
【非特許文献7】Whitehead and Rattner、J.Cell Sci.、第111号:2551〜61頁(1998年)
【非特許文献8】Kaiserら、JBC 274:18925〜31頁(1999年)
【非特許文献9】Leeら、Mol Endocrinol.、第9号:243〜54頁(1995年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0015】
【化1】

(式中、
m、nおよびAは、0、1、2、3および4からなる群から独立に選択され、
R1は、H、アルキル、アリール、置換アリール、ハロアリール、ビ−アリールまたはビス−アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロアルキルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
Yは、結合、−C=O、−S=Oおよび−S(O)からなる群から選択され、
XはNR2、O、SおよびCHR2からなる群から選択され、R1とR2は一緒に環を形成することができ、XがCHR2である場合、R4はアルキニルまたはアルケニルであり、
R2は、水素、低級アルキルを含むアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
R3は、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ペルフルオロアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択され、
R4は、H、アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニルおよびS−アルキルから選択され、
各R5および各R6は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、窒素、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシもしくはハロアルキルオキシ;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
Qは存在しないか、または−CO−、−COO−、−CONR11、−C(=S)−、−CH−、−SO−および−SO−からなる群から選択され、
R7は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、複素環で置換されたアリールからなる群から選択され、
WはHまたはNR8R9から選択され、ここで、R8およびR9は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、COR13、−COR13、−CONR14R14、−SOR13、−SOR13、−C(=S)R14、−C(=NH)R14、−C(=O)NR15R15および−C(=S)NR14R15からなる群から独立に選択されるか、R8とR9は、それらが結合しているNと一緒に任意選択で複素環または置換複素環を形成しており、
各ZはNおよびCからなる群から独立に選択され、すべてのZがNである場合mは0である。
各R10は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシまたはハロアルキルオキシ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
R11、R12、R13、R14およびR15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、オキサアルキル、オキサアルキルアリールおよび置換オキサアルキルアリールからなる群から独立に選択される)。
【0016】
一実施形態では、化合物の立体配置は「R」配置である。
【0017】
本発明は、式Iの化合物を、薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせて含む医薬組成物も提供する。一実施形態では、医薬組成物は第2の化学療法剤をさらに含む。
【0018】
本発明はさらに、細胞増殖性障害を治療する方法を提供する。その方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、薬学的に許容される担体と合わせて投与することを含み、前記細胞増殖性障害が治療される方法である。
【0019】
一実施形態では、細胞増殖性障害は前癌状態である。他の実施形態では、その細胞増殖性障害は癌である。他の実施形態では、その癌は腺癌、扁平上皮癌、肉腫、リンパ腫、多発性骨髄腫または白血病である。あるいは、その癌は肺癌、結腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、急性白血病、慢性白血病、多重黒色腫、卵巣癌、悪性神経膠腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌または頭部癌および頸部癌である。その癌は、原発性癌であっても転移性癌であってもよい。
【0020】
一実施形態では、式Iの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、第2の化学療法剤と合わせて投与する。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、様々な実施例を含む本明細書で提供するさらなる説明から明らかである。提供される実施例は、本発明を実施するのに有用な様々な成分および手法を例示するものである。これらの実施例は、請求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。本開示をもとにして、当業者は、本発明を実施するのに有用な他の成分および手法を特定しそれを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PACA−2異種移植モデルに対するN−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミドの効果を示す図である。
【図2】MDA−MB−231異種移植モデルに対するN−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミドの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明は、キナゾリノン誘導体に関する。一実施形態では、本発明の化合物は、有糸分裂キネシン、特に有糸分裂キネシンKSPの阻害剤である。他の実施形態では、本発明の化合物は、癌を含む細胞増殖疾患を治療するのに有用である。
【0024】
1.アリールキナゾリノン誘導体
本発明は、KSPキネシン活性に付随する細胞増殖疾患、障害を治療し、KSPキネシンを阻害するために使用できる新規なアリールキナゾリノン誘導体、その薬学的に許容される塩、立体異性体およびプロドラッグに関する。
【0025】
一実施形態では、アリールキナゾリノン誘導体は式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩である。
【0026】
【化2】

(式中、
m、nおよびAは、0、1、2、3および4からなる群から独立に選択され、
R1は、H、アルキル、アリール、置換アリール、ハロアリール、ビ−アリールまたはビス−アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロアルキルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
Yは、結合、−C=O、−S=Oおよび−S(O)からなる群から選択され、
XはNR2、O、SおよびCHR2からなる群から選択され、R1とR2は一緒に環を形成することができ、XがCHR2である場合、R4はアルキニルまたはアルケニルであり、
R2は、水素、低級アルキルを含むアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
R3は、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ペルフルオロアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択され、
R4は、H、アルキル、置換アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニルおよびS−アルキルから選択され、
各R5および各R6は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、窒素、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシもしくはハロアルキルオキシ;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
Qは存在しないか、または−CO−、−COO−、−CONR11、−C(=S)−、−CH−、−SO−および−SO−からなる群から選択され、
R7は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、複素環で置換されたアリールからなる群から選択され、
WはHまたはNR8R9から選択され、ここで、R8およびR9は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、COR13、−COR13、−CONR14R14、−SOR13、−SOR13、−C(=S)R14、−C(=NH)R14、−C(=O)NR15R15および−C(=S)NR14R15からなる群から独立に選択されるか、R8とR9は、それらが結合しているNと一緒に任意選択で複素環または置換複素環を形成しており、
各ZはNおよびCからなる群から独立に選択され、すべてのZがNである場合mは0である。
各R10は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシまたはハロアルキルオキシ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
R11、R12、R13、R14およびR15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、オキサアルキル、オキサアルキルアリールおよび置換オキサアルキルアリールからなる群から独立に選択される)。
【0027】
一実施形態では、Aは0、1または2である。
【0028】
一実施形態では、Aは1であり、R5およびR6はHである。
【0029】
一実施形態では、mは1である。
【0030】
一実施形態では、nは3である。
【0031】
一実施形態では、nは2である。
【0032】
一実施形態では、R8およびR9はHである。
【0033】
一実施形態では、XはNR2である。他の実施形態では、XはNHである。代替の実施形態では、XはOまたはSである。
【0034】
他の実施形態では、XはCHR2である。他の実施形態では、Xはエチニルである。
【0035】
一実施形態では、Yは結合である。
【0036】
一実施形態では、R1はフェニルである。
【0037】
一実施形態では、R2はHである。
【0038】
一実施形態では、R3はHである。
【0039】
一実施形態では、R4はエチニル、メチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
【0040】
一実施形態では、R5およびR6はHである。
【0041】
一実施形態では、Qは存在しない。
【0042】
一実施形態では、QはCO、CH2、CHR12またはSO2である。
【0043】
一実施形態では、R7は非置換または置換フェニルである。
【0044】
一実施形態では、WはHである。
【0045】
一実施形態では、R8およびR9はHである。
【0046】
いくつかの代表的な式Iの化合物を以下に示す:N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−ベンジル−アミノ]−プロピル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン、2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−ブト−3−イニル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン、N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−3−メチルスルファニル−プロピル]−4−ピラゾール−1−イル−ベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピル]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペンチル]−4−メチルベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3,3−ジメチルブチル]−4−ブロモベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェノキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、およびN−(3−アミノプロピル)−N−[(1R)−1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル−ブト−3−イニル]−2,3,5,6−テトラフルオロ−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3,4,5−テトラフルオロベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペント−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2,3−ジフルオロ−4−メチル−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3,5−トリフルオロベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロベンズアミド。
【0047】
代表的な本発明の化合物は実施例においても示す。
【0048】
この説明および添付の特許請求の範囲で用いるように、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、別段の定義のない限り、本発明が属する分野の技術者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。用語に不一致がある場合、本明細書がこれを支配する。以下の用語は一般に以下の意味を有する。
【0049】
本明細書で用いる「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)、分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル)を含む飽和脂肪族基を含む。「アルキル」は、1つもしくは複数の炭化水素骨格の炭素原子を置き換える酸素、窒素またはイオウ原子を有するアルキル基をさらに含む。特定の実施形態では、直鎖状または分岐状アルキルは、その骨格中に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖の場合C〜C、分枝鎖の場合C〜C)、より好ましくは4個以下の炭素原子を有する。
【0050】
「アルキル」という用語はまた、「非置換(アルキル)」と「置換アルキル」の両方も含み、その後者は、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を指す。そうした置換基は、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル(S(O)NH)、アミンスルホキシド(NHS(O)もしくはS(O)NH)、スルホンアミド(NHS(O)もしくはS(O)NH)、ニトロ、−CF、ハロゲン、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、あるいは芳香族またはヘテロ芳香族部分を含むことができる。「アルキルアリール」またはアラルキル部分は、アリールで置換されたアルキル部分(例えば、メチルフェニル(ベンジル))である。「アルキル」は、天然および非天然アミノ酸の側鎖も含む。
【0051】
アリールは、1〜4個のヘテロ原子を含んでよい5員および6員の「非共役型」または単環芳香族基、ならびに、少なくとも1つの芳香族環を有する「共役型」または多環系を含む芳香族性を有する基を含む。アリール基の例には、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが含まれる。さらに、「アリール」という用語は、多環式基、例えば、三環式基、二環式基、例えばナフタレン、ベンズオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリンまたはインドリジンを含む。環構造中にヘテロ原子を有するそうしたアリール基は、「アリール複素環」、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とも称することもでき、それらは、例えば、ピリジン、ピラゾール、ピリミジン、フラン、イソオキサゾール、イミダゾール[2,1,b]チアゾール、トリアゾール、ピラジン、ベンゾチオフェン、イミダゾールまたはチオフェンである。
【0052】
アリール環は、1つもしくは複数の環位置において、上記したような置換基、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、カルボキシアルキル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置換されていてよい。アリール基はまた、芳香族でない脂環式環または複素環と縮合するかまたは橋かけされて、多環系を形成していてもよい(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)。
【0053】
「アルケニル」は、上記したアルキルと長さが類似しており、かつそのアルキルとの置き換えが可能であるが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(例えば、脂環)基(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換されたシクロアルケニル基およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルケニル基を含む。「アルケニル」という用語は、1つもしくは複数の炭化水素骨格炭素を置き換える酸素、窒素またはイオウを含むアルケニル基をさらに含む。特定の実施形態では、直鎖状または分岐状アルケニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖の場合C〜C、分枝鎖の場合C〜C)。同様に、シクロアルケニル基は、その環構造中に3〜8個の炭素原子、より好ましくはその環構造中に5または6個の炭素原子を有することができる。「C〜C」という用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0054】
「アルケニル」という用語は、「非置換アルケニル」と「置換アルケニル」の両方も含み、その後者は、1つまたは複数の炭化水素骨格炭素原子上の水素を置き換える置換基を有するアルケニル部分を指す。そうした置換基は、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、フェニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。
【0055】
「アルキニル」は、上記したアルキルと長さが類似しており、かつそのアルキルとの置き換えが可能であるが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、分枝鎖アルキニル基およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルキニル基を含む。「アルキニル」という用語は、1つもしくは複数の炭化水素骨格炭素を置き換える酸素、窒素、イオウまたはリン原子を有するアルキニル基をさらに含む。特定の実施形態では、直鎖状または分岐状アルキニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖の場合C〜C、分枝鎖の場合C〜C)。「C〜C」という用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
【0056】
「アルキニル」という用語は、「非置換アルキニル」と「置換アルキニル」の両方も含み、その後者は、1つまたは複数の炭化水素骨格炭素原子上の水素を置き換える置換基を有するアルキニル部分を指す。そうした置換基は、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。
【0057】
別段の炭素数の指定のない限り、「低級アルキル」は、その骨格構造中に1〜10個、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する上記に定義したアルキル基を含む。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば2〜5個の炭素原子の鎖長を有する。
【0058】
本明細書で用いる「アミン」または「アミノ」は、窒素原子が、少なくとも1個の炭素またはヘテロ原子と共有結合している化合物を含む。「アルキルアミノ」は、窒素が、少なくとも1つの追加のアルキル基と結合している化合物からなる基を含む。アルキルアミノ基の例には、ベンジルアミノ、メチルアミノ、エチルアミノおよびフェネチルアミノが含まれる。「ジアルキルアミノ」は、窒素原子が、少なくとも2つの追加のアルキル基と結合している基を含む。ジアルキルアミノ基の例には、ジメチルアミノおよびジエチルアミノが含まれる。「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」は、窒素が、少なくとも1つまたは2つのアリール基とそれぞれ結合している基を含む。「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1つのアルキル基および少なくとも1つのアリール基と結合しているアミノ基を指す。「アルカミノアルキル」は、これもアルキル基と結合している窒素原子と結合しているアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を指す。
【0059】
「アミド」または「アミノカルボキシ」という用語は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素と結合した窒素原子を含む化合物または部分を含む。この用語は、カルボキシ基と結合したアミノ基と結合しているアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を含む「アルカミノカルボキシ」基を含む。それは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素と結合したアミノ基と結合しているアリールまたはヘテロアリール部分を含むアリールアミノカルボキシ基を含む。「アルキルアミノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」、および「アリールアミノカルボキシ」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分がそれぞれ、カルボニル基の炭素と結合した窒素原子と結合している部分を含む。アミドは、直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環などの置換基で置換されていてよい。アミド基上の置換基はさらに置換されていてよい。
【0060】
「アシル」は、アシル基(CHCO−)またはカルボニル基を含む化合物および部分を含む。「置換アシル」は、水素原子の1つまたは複数が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分で置き換えられたアシル基を含む。
【0061】
「アシルアミノ」は、アシル部分がアミノ基と結合している部分を含む。例えば、この用語は、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基を含む。
【0062】
「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、酸素原子と共有結合した置換または非置換アルキル、アルケニルおよびアルキニル基を含む。アルコキシ基(またはアルコキシル基)の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基が含まれる。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの基で置換されていてよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例には、これらに限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシおよびトリクロロメトキシが含まれる。
【0063】
「シクロアルキル」という用語は、飽和非環状基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)を含む。好ましいシクロアルキルは、その環構造中に3〜8個の炭素原子を有する。より好ましくは、その環構造中に5または6個の炭素原子を有する。シクロアルキルは、「非置換シクロアルキル」と「置換シクロアルキル」の両方も含み、その後者は、その環構造中の炭素上の1つまたは複数の水素を置き換えることを指す。そうした置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。
【0064】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」という用語は、1個または複数のヘテロ原子を含む閉環構造、例えば3〜10員環または4〜7員環を含む。「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素またはイオウが含まれる。
【0065】
ヘテロシクリル基は、飽和していても飽和していなくてもよく、ピロリジン、ピラジン、ピリミジン、オキソラン、1,3−ジオキソラン、チオラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノンおよびピロリジノン、スルタムならびにスルトンを含む。ピロールおよびフランなどの複素環基は、芳香族の特徴を有することができる。これらは、キノリンおよびイソキノリンなどの縮合環構造を含む。複素環基の他の例には、ピリジンおよびプリンが含まれる。複素環は、1つまたは複数の位置において、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの上記したような置換基で置換されていてよい。複素環基は、1つまたは複数の構成原子において、例えば低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CFまたは−CNなどで置換されていてもよい。
【0066】
「チオアルキル」という用語は、イオウ原子と結合したアルキル基を含む化合物または部分を含む。チオアルキル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの基で置換されていてよい。
【0067】
「カルボニル」または「カルボキシ」という用語は、二重結合で酸素原子と結合した炭素を含む化合物および部分を含む。カルボニルを含む部分の例には、これらに限定されないが、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、酸無水物等が含まれる。
【0068】
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」という用語は、二重結合でイオウ原子と結合した炭素を含む化合物および部分を含む。
【0069】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHまたは−Oを有する基を含む。
【0070】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等を含む。「過ハロゲン化(された)」という用語は一般に、すべての水素がハロゲン原子で置換されている部分を指す。
【0071】
「C1〜C6」という用語は、1〜6個の炭素原子(C1、C2、C3、C4、C5またはC6)を含む。「C2〜C6」という用語は、2〜6個の炭素原子(C2、C3、C4、C5またはC6)を含む。「C3〜C6」という用語は、3〜6個の炭素原子(C3、C4、C5またはC6)を含む。「C3〜C8」という用語は、3〜8個の炭素原子(C3、C4、C5、C6、C7またはC8)を含む。「C5〜C8」という用語は、5〜8個の炭素原子(C5、C6、C7またはC8)を含む。
【0072】
充足されていない原子価を有するどのヘテロ原子または炭素原子も原子価を充足するまでの水素原子を有するものとされることに留意すべきである。
【0073】
本明細書で説明する化合物は不斉中心を有することができる。非対称的に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ体で単離することができる。ラセミ体の分割、または光学的に活性な出発原料からの合成などによって光学的に活性な形態物を調製する仕方は当業界でよく知られている。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も、本明細書で説明する化合物中に存在することができ、そうしたすべての安定な異性体は本発明に含まれるものとする。本発明の化合物のシス型およびトランス型の幾何異性体が記載されるが、これらは、異性体の混合物としてまたは別々の異性体として単離することができる。具体的な立体配置または異性体が具体的に示されていない限り、すべてのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体、および幾何異性体構造が意図されているものとする。示されるかまたは説明されるすべての互変異性体も本発明の一部とみなされるものとする。
【0074】
したがって、そうした非対称からもたらされる異性体(例えば、すべての鏡像異性体およびジアステレオマー)は、別段の指定のない限り、本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。そうした異性体は、古典的な分離技術や立体化学的に制御された合成法によりほぼ純粋な形態で得ることができる。さらに、本出願で論じる構造ならびに他の化合物および部分も、そのすべての互変異性体を包含する。適切な場合には、アルケンは、E−配置もまたZ−配置も含むことができる。
【0075】
本明細書で用いる「置換(された)」という用語は、指定された原子上の任意の1つまたは複数の水素が、表示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。ただし、その指定された原子の正規の原子価を超えることはなく、かつ、その置換は安定した化合物をもたらすものとする。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、その原子上の2個の水素が置き換えられている。ケト置換基は芳香族部分には存在しない。本明細書で用いる環二重結合は、隣接する環状原子間に形成された二重結合(例えば、C=C、C=NまたはN=N)である。「安定化合物」および「安定構造物」とは、反応混合物から有用な程度の純度に単離し、有効な治療薬に処方するのに十分堅牢である化合物を意味するものとする。
【0076】
置換基との結合が、環中の2つの原子を連結する結合を交差して示されている場合、そうした置換基はその環のどの原子と結合していてもよい。ある置換基が、それを介してそうした置換基と、所与の式の化合物の残りの部分とを結合させる原子が指定されないで示されている場合、そうした置換基は、その置換基のどの原子を介して結合していてもよい。置換基および/または変数の組合せは許容されるが、そうした組合せは、安定化合物がもたらされる場合のみである。
【0077】
本明細書では、別段の明確な指定のない限り、単数形は複数も含むものとする。
【0078】
2.化合物の合成
本発明は、式Iの化合物の合成方法も提供する。一実施形態では、本発明は、以下のスキーム、および実施例で示す手順による化合物の合成方法を提供する。
【0079】
組成物が、特定の成分を有するかまたは含むように記載されている記述を通して、その組成物の実施形態は、言及された化合物からなるか、またはそれから本質的になっていてよいものとする。同様に、方法またはプロセスが、特定の工程ステップを有する、または含むように記載されている場合、そのプロセスは、その挙げられた工程ステップからなるか、またはそれから本質的になる実施形態を含むこともできるものとする。さらに、本発明の操作可能性が保持される限り、ステップの順番または具体的な作業を実施する順番は重要でないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたは作業を同時に実施することができる。
【0080】
本発明の合成プロセスは多種多様の官能基を許容するものであり、したがって、置換された様々な出発原料を使用することができる。そのプロセスは一般に、プロセス全体の最後かまたはその近辺で所望の最終化合物を提供するが、場合によっては、その化合物を、薬学的に許容されるその塩、エステルまたはプロドラッグにさらに転換させることが望ましいことがある。
【0081】
本発明の化合物は様々な仕方で調製することができ、そのいくつかは当業界で周知である。一般に、本発明の化合物は、当業者が周知であるかまたは本明細書での教示に照らせば当業者に明らかな標準的合成方法または手順を用いることによって、市販の出発原料、文献で知られている化合物から、または容易に調製される中間体から調製することができる。有機分子の調製のための標準的な合成方法または手順、ならびに官能基の転換および操作法は、この分野の関連する科学文献または標準的な教科書から得ることができる。いずれか1つまたは複数の情報源に限定するわけではないが、Smith,M.B.; March, J.March's Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure, 第5版;John Wiley & Sons:New York、2001年;およびGreene, T.W.;Wuts, P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,第3版;John Wiley & Sons:New York、1999年などの古典的な教科書(これらを参照により本明細書に組み込む)は、当業者に知られた有用で広く認められている有機合成の参考書である。合成方法の以下の記述は、限定するわけではないが、本発明の化合物の調製のための基本手順を示そうとするものである。
【0082】
一般式(I)を有する本発明の化合物は、市販の出発原料、または文献の手順を用いて調製することができる出発原料から以下のスキームにしたがって調製することができる。これらのスキームは本発明の代表的な化合物の調製を示す。
【0083】
基本的スキーム1
【0084】
【化3】

スキーム2
【0085】
【化4】

本発明の式Iの化合物は、スキーム1および2に示す反応を用いて調製することができる。
【0086】
本発明に包含される化合物は、本発明の範囲または本質的な特徴を逸脱することなく、本方法または他の方法により作製することができる。これらの化合物の等価の意味に含まれかつ範囲内にあるすべての変更は、本発明に包含されるものとする。したがって当業者は、所望の置換パターンを化合物上にもたらし、高いかまたは低い生成収率をもたらし、反応副生成物を最小化し、危険性または毒性のある化学反応物の使用を排除し、かつ/または、所望量の生成物を得る(例えば、工業生産のためのスケールアップ反応規模)などのために、本明細書で示す合成スキームをどのように変えるかを周知であると思われる。
【0087】
本発明は、実施例に開示したものなどの本明細書で開示する合成方法の1つによって調製された化合物をさらに提供する。
【0088】
3.治療方法
本発明は、そうした治療を必要とする哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳動物における細胞増殖性障害の治療方法も提供する。本発明はさらに、細胞増殖性障害の治療に有用な医薬品の調製ための式Iの化合物の使用を提供する。一実施形態では、そうした治療を必要とする哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳動物の癌または前癌状態の治療を提供する。哺乳動物は、任意の哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタであってよい。例えば、哺乳動物はヒトである。
【0089】
有効量の式Iの化合物を、哺乳動物の正常細胞に影響を及ぼすことなく、哺乳動物の細胞増殖性障害を治療する方法において使用する。例えば、治療有効量の式Iの化合物を、哺乳動物の正常細胞に影響を及ぼすことなく癌細胞における細胞死を誘発させることによって、哺乳動物の癌を治療する方法において使用する。細胞死は、アポトーシスの機序によっても、また壊死の機序によっても起こる可能性がある。他の例では、治療有効量の式Iの化合物の投与は、正常細胞の細胞死を誘発することなく、異常増殖細胞における細胞死を誘発する。
【0090】
本発明は、治療有効量の式Iの化合物を哺乳動物に投与することによって、哺乳動物の細胞増殖性障害に対して保護する方法も提供する。本発明は、細胞増殖性障害の防止に有用な医薬品の調製のための式Iの化合物の使用も提供する。一実施形態では、本発明は、そうした治療を必要とする哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳動物の癌の防止を提供する。
【0091】
本発明の化合物は、例えば、本明細書で説明するような医薬組成物の形態で投与することができる。
【0092】
本明細書で用いる、「対象」は、任意の哺乳動物、例えばヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダであってよい。好ましい態様では、対象はヒトである。
【0093】
本明細書で用いる、「それを必要とする対象」は、細胞増殖性障害を有する対象、または、全人口と比べて細胞増殖性障害にかかる危険性を有する対象(例えば、遺伝的危険因子または環境的危険因子を有すると診断された患者)である。一態様では、それを必要とする対象は前癌状態を有する。好ましい態様では、それを必要とする対象は癌を有する。
【0094】
本明細書で用いる「細胞増殖性障害」という用語は、細胞の無秩序かつ/または異常な増殖が、癌性であっても非癌性であってもよい望ましくない状態または疾患、例えば乾癬状態の発生をもたらす可能性のある状態を指す。本明細書で用いる「乾癬状態」という用語は、ケラチン生成細胞の過剰増殖、炎症性細胞浸潤およびサイトカインの変化を含む障害を指す。
【0095】
一実施形態では、細胞増殖性障害は癌である。本明細書で用いる「癌」という用語は、肺、胸部、結腸、卵巣、前立腺などの充実性腫瘍、悪性黒色腫、非黒色腫皮膚癌、ならびに小児白血病およびリンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、リンパ球および皮膚由来のリンパ腫などの血液腫瘍および/または悪性腫瘍、急性リンパ芽球性、急性骨髄性または慢性骨髄性白血病などの急性および慢性白血病、形質細胞腫、リンパ系腫瘍およびAIDSに関連する癌を含む。
【0096】
乾癬状態に加えて、本発明の組成物を用いて治療できる増殖性疾患の種類は、表皮嚢腫および皮様嚢腫、脂肪腫、腺、毛細血管腫および皮膚血管腫、リンパ管腫、損傷性母斑(nevi lesion)、奇形腫、腎腫、筋線維腫症、骨芽細胞腫および他の形成異常母斑などである。一実施形態では、増殖性疾患には異形成症および類似の障害が含まれる。
【0097】
本明細書で用いる「単剤治療」は、それを必要とする対象に単一の活性化合物または治療化合物を投与することを指す。単剤治療は、治療有効量の活性化合物の投与を含むことが好ましい。例えば、癌の治療を必要とする対象への本発明の実施形態による化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を用いた癌の単剤治療。単剤治療と対比されるのが、複数の活性化合物を組み合わせて投与する併用治療であり、その組合せの各成分は治療有効量であることが好ましい。一態様では、本発明の化合物を用いた単剤治療は、所望の生物学的効果を誘発させるのに併用治療より効果的である。
【0098】
本明細書で用いる「治療する(treating)」は、疾患、状態または障害と闘うのを目的とした、患者の管理およびケアを表現するものであり、症状または合併症の発現を阻止するか、症状または合併症を緩和するか、あるいは疾患、状態または障害を排除するための本発明の化合物の投与を含む。
【0099】
一態様では、癌を治療すると、腫瘍のサイズの縮小がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、腫瘍体積の縮小がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、腫瘍の数の減少がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織または器官における転移病巣の数の減少がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、担体だけを受け入れた個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の平均寿命の延長がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、治療を受けていない個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の平均寿命の延長がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない薬物を用いて単剤治療を受けた個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の平均寿命の延長がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、担体だけを受け入れた個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の死亡率の低下がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、治療を受けていない個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の死亡率の低下がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない薬物を用いて単剤治療を受けた個体群と比較して、治療を受けた対象個体群の死亡率の低下がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、腫瘍増殖速度の低下がもたらされる。他の態様では、癌を治療すると、腫瘍再増殖の低下がもたらされる。
【0100】
他の態様では、細胞増殖性障害を治療または防止すると、細胞増殖速度の低下がもたらされる。他の態様では、細胞増殖性障害を治療または防止すると、増殖細胞の割合の低下がもたらされる。他の態様では、細胞増殖性障害を治療または防止すると、細胞増殖の領域または区域のサイズの縮小がもたらされる。他の態様では、細胞増殖性障害を治療または防止すると、異常な外観または形態を有する細胞の数または割合の低下がもたらされる。
【0101】
他の態様では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体を、化学療法剤と合わせて投与することができる。細胞増殖性障害に対して活性を有する化学療法の例は、当業者に知られており、Physician's Desk Reference、第59版、Thomson PDR(2005年)などの参考書にみることができる。例えば、化学療法剤は、タキサン、アロマターゼ阻害剤、アントラサイクリン、微小管標的薬物、トポイソメラーゼ毒性薬物、標的モノクローナルまたはポリクローナル抗体、分子標的または酵素の阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤)またはシチジン類似薬物であってよい。好ましい態様では、化学療法剤は、これらに限定されないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、シスプラチン、カルボプラチン、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル)、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビンHCl)、araC、5−フルオロウラシル(5−FU)、メトトレキサート(MTX)、TAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル)、ZOLADEX(登録商標)(ゴセレリン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、イダルビシンまたはGLEEVEC(登録商標)(イマチニブ)、IRESSA(登録商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(登録商標)(エルロチニブ)、NEXAVAR(登録商標)(ソラフェニブ)、SUTENT(登録商標)(スニチニブリンゴ酸塩)、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)、ERBITUX(登録商標)(セツキシマブ)、AVASTIN(登録商標)(ベバシズマブ)、または、http://www.cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.aspに挙げられている薬剤であってよい。他の態様では、化学療法剤は、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などのサイトカインであってよい。他の態様では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、放射線治療と合わせて投与することができる。さらに他の実施形態では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、代謝産物、類似体もしくは誘導体は、これらに限定されないが、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシンおよびシクロホスファミド)、FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド)、ACTもしくはATC(アドリアマイシン、シクロホスファミドおよびパクリタキセル)、またはCMFP(シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシルおよびプレドニゾン)などの標準的な化学療法併用剤と合わせて投与することができる。
【0102】
4.医薬組成物および処方物
開示した化合物の「薬学的に許容される塩」または「塩」は、イオン結合を含む開示化合物の産物であり、一般に、開示化合物を、対象に投与するのに適した酸かまたは塩基と反応させることによって得られる。薬学的に許容される塩には、これらに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩を含む酸付加塩;Na、K、Liなどのアルカリ金属カチオン、MgもしくはCaなどのアルカリ土類金属塩または有機アミン塩を含むことができる。
【0103】
「医薬組成物」は、対象に投与するのに適した形態で開示化合物を含む処方物である。一実施形態では、医薬組成物はバルクかまたは単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IV(静脈)バッグ、錠剤、エアロゾル吸入器に取り付けた単一ポンプまたはバイアルを含む様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性成分(例えば、開示化合物またはその塩の処方物)の量は、効果的な量であり、関係する具体的な治療によって変わる。当業者は、患者の年齢や状態に応じて、投与量に通常の変更を加えることが必要な場合があることを理解されよう。投薬は投与経路にも依存することになる。経口、肺内、経直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内などを含む様々な経路が考えられる。本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、粉剤、噴霧剤、軟剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤、生体内分解性の埋め込み剤および吸入剤が含まれる。一実施形態では、活性化合物を、滅菌状態のもとで、薬学的に許容される担体、および必要とされる任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合する。
【0104】
本発明は、式Iの化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と合わせて含む医薬処方物も提供する。本明細書で用いる「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」は、薬剤の投与に適した任意かつすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤などを含むものとする。適切な担体は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Twentieth Edition」、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA.に記載されている。これを参照により本明細書に組み込む。そうした担体または希釈剤の例には、これらに限定されないが、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンが含まれる。リポソームおよび固定油などの非水性媒体も使用することができる。薬剤として活性な物質のためのそうした媒体や薬剤の使用は、当業界でよく知られている。従来のいずれかの媒体または薬剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、組成物におけるその使用が考慮される。補助的な活性化合物も組成物中に混ぜ込むことができる。
【0105】
処方のための方法は、PCT国際出願PCT/US02/24262(WO03/011224)、米国特許出願公開第2003/0091639号および米国特許出願公開第2004/0071775号に開示されている。そのそれぞれを参照により本明細書に組み込む。
【0106】
式Iの化合物は、従来の手順によって、治療有効量(例えば、腫瘍増殖の阻害、腫瘍細胞の死滅、細胞増殖性障害の治療または防止などによって所望の治療効果を実現するのに十分な効果的レベル)の式Iの化合物(活性成分として)を、標準的な薬剤用担体または希釈剤と混合することによって(すなわち、本発明の医薬組成物を作製することによって)調製した適切な剤形で投与する。これらの手順は、所望の製剤を得るのに適するように、その成分を混合、顆粒化および圧縮または溶解させることを含む。他の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物を、標準的な薬剤用担体または希釈剤を含まない適切な剤形で投与する。
【0107】
薬学的に許容される担体には、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸など固体担体が含まれる。液体担体の例には、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、水などが含まれる。同様に、担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの当業界で知られている時間遅延材料を、単独かまたはワックス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルメタクリレートまたは同様のものと合わせて含むことができる。他の注入剤、賦形剤、香味剤および当業界で知られているものなどの他の添加剤も、本発明による医薬組成物に含めることができる。
【0108】
本発明の活性化合物を含む医薬組成物は、一般に知られている仕方、例えば、慣用的な混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、水簸、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、活性化合物を、薬剤として使用できる製剤に加工するのを容易にする、賦形剤および/または助剤を含む1つまたは複数の生理学的に許容される担体を用いて、従来の方法で処方することができる。もちろん、適切な処方物は、選択される投与経路に依存する。
【0109】
本発明の化合物または医薬組成物は、現在化学療法で用いられている多くの周知の方法で対象に投与することができる。例えば、癌の治療のためには、本発明の化合物を、腫瘍中に直接注入するか、血流または体腔中に注入するか、または経口でとるか、またはパッチを用いて皮膚を通して施用することができる。乾癬状態の治療のためには、全身投与(例えば、経口投与)または皮膚の患部への局所投与が好ましい投与経路である。選択される用量は効果的な治療を構成するのに十分でなければならないが、許容されない副作用を引き起こすほど多くてはならない。患者の病状(例えば、癌、乾癬など)および健康を、治療中、および治療後、妥当な期間注意深く監視しなければならない。
【実施例】
【0110】
本発明の様々な特徴をさらに説明するために以下に実施例を示す。これらの実施例では、本発明を実施するための有用な方法も説明する。これらは、請求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。
【0111】
(実施例1)
基本手順A:N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミド(1)の合成。
【0112】
基本手順A、ステップ1:[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0113】
【化5】

無水ピリジン(20ml)中の(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸(5.0g、23.5ミリモル)の混合物に、2−アミノ−4−クロロ−安息香酸(4.03g、23.5ミリモル)およびトリフェニルホスファイト(7.40ml)を加えた。次いで、反応混合物を55℃で16時間加熱した。これに、フェニルヒドラジン(2.8ml、28.2ミリモル)を加えた。得られた混合物を100℃で8時間撹拌した。溶媒を除去した後、残留物をフラッシュカラム(ヘキサン中のヘキサン〜20%酢酸エチル)で精製して[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.5g、53.4%)を灰白色固体として得た。融点155−157°C.[LC−MS]:439[M+H].400MHz H NMR:(DMSO−d)δ9.21および9.0(s,s,1H,回転異性体),8.08(m,1H),7.81(m,1H),7.60(dd,J=2.0,6.4Hz,1H),7.31−7.18(m,3H),6.89−6.67(m,3H),5.14−4.97(m,br,1H),2.86(m,br,2H),2.25(m,1H),1.32(s,9H)。
【0114】
(実施例2)
基本手順A、ステップ2:2−((R)−1−アミノ−ブタ−3−イニル)−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン。
【0115】
【化6】

メタノール(65ml)中の(R)−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.35g、12.2ミリモル)の混合物に、ジオキサン中のHCl(4M、20ml)を加えた。得られた溶液を撹拌し、反応の完了をHPLC/LCMSで監視した。次いで、溶媒を除去し、混合物をジエチルエーテルで摩砕して2−((R)−1−アミノ−ブタ−3−イニル)−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン(4.60g、100%)を灰白色固体として得た。融点175−180°C.LCMS:m/e339[M+H].H NMR:(DMSOd)δ9.27(s,1H),8.73(s,br,3H),8.15(d,J=8.4Hz,1H),7.79(d,J=2.0Hz,1H),7.70(dd,J=2.0および8.4Hz,1H),7.32(t,J=8.0Hz,2H),6.92(t,J=7.6Hz1H),6.68(m,2H),4.90,4.58(m,1H,回転異性体),3.18(m,1H),3.08(m 2H)。
【0116】
(実施例3)
基本手順A、ステップ3:2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン。
【0117】
【化7】

ジクロロメタン(60ml)中の(R)−(1−アミノ−ブタ−3−イニル)−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン(4.60g、12.2ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(5.5ml)の混合物に、ジクロロエタン(10ml)中の3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒド(2.45g、12.1ミリモル)の溶液を加え、続いて、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(NaBH(OAc))(ジクロロエタン中に0.25M、100ml)の溶液を加えた。反応混合物を室温で撹拌し、反応の進行をHPLC/MSで監視した。反応が完了したら、飽和炭酸ナトリウム水溶液(100ml)を加えた。得られた有機層を集め、塩水で洗浄した。溶媒を除去し、残留物をフラッシュカラムで精製して2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(6.1g、95%)を灰白色固体として得た。融点78−80°C.LCMS:m/e526[M+H].H NMR(DMSO−d):δ9.09(s,br,1H),8.07(d,J=8.8Hz,1H),7.74(m,1H),7.83−7.76(m,5H),7.58(dd,J=8.8および2.0Hz,1H),7.17(t,J=7.6Hz,2H),6.83(brm,1H),6.65(m,2H),4.1および4.0(s,s,br,1H,回転異性体),3.6(t,J=6.8Hz,2H),2.75(s,br,1H),2.67−2.52(brm,2H),2.35(brm,2H),1.67(brm,2H)。
【0118】
(実施例4)
基本手順A、ステップ4:3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−N−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピル]−2−フルオロ−ベンズアミド。
【0119】
【化8】

アセトニトリル(30ml)中の3−クロロ−2−フルオロ−安息香酸(3.2g、18.3ミリモル)の溶液に、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド(DMC)(3.3g、19.5ミリモル)を加え、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(6.8ml、39ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で10分間撹拌し、ジイソプロピルエチルアミンの2.5Mアセトニトリル(30ml)溶液中の(R)−2−{3−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(6.1g)が入ったフラスコに移した。反応混合物を室温で撹拌し、反応の進行をHPLC/MSで監視した.反応が完了したら、炭酸ナトリウムの飽和溶液(100ml)を加えた。有機層を集め、水層をEtOAc(2×50ml)で洗浄した。一緒にした有機層を塩水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムで分離して3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−N−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)プロピル]−2−フルオロ−ベンズアミドを灰白色固体(7.6g、96%)として得た。融点130−132°C.LCMS:m/e682[M+H].H NMR(CDCl):δ8.09(m,1H),7.71(m,3H),7.46(m,1H),7.35(m,2H),7.29(m,1H),7.16(m,1H),7.10(m,1H),7.03(m,1H),6.90(m,1H),6.82(m,1H),6.68(m,1H),6.50(m,1H),3.73(m,1H),3.58(m,1H),3.51(m,1H),3.38(m,1H),3.26(m,1H),3.06(m,1H),2.88(m,1H),2.01(s,1H),1.80(m,1H),1.54(m,1H)。
【0120】
(実施例5)
基本手順A、ステップ5:N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミド(1)。
【0121】
【化9】

メタノール(10ml)中の(R)−3−クロロ−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−N−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピル]−2−フルオロ−ベンズアミド(1.13g、1.65ミリモル)の溶液に、Nをパージした。この溶液にヒドラジン(110μl)を加えた。次いで混合物を室温で撹拌し、反応の進行をHPLC/MSで監視した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液から溶媒を除去した。残留物をフラッシュカラムで精製してN−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミド(708mg、91%)を灰白色固体として得た。融点101−103°C.LCMS:m/e552[M+H].H NMR(CDCl):δ8.13(d,J=8.8Hz,1H),7.83(s,1H),7.45(dd,J=4.8および2.0Hz,1H),7.32(m,1H),7.22(t,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=8.0Hz,1H),7.05(t,J=8.0Hz,1H),6.95(m,1H),6.84(t,J=7.2Hz,1H),6.72(d,J=7.2Hz,1H),6.48(d,J=7.2Hz1H),3.62(m,1H),3.48(m,1H),3.28(br,1H),3.14(m,1H),3.02(br,1H),2.59(m,2H),2.30(br,1H),2.02(t,2.4Hz,1H),1.36(m,2H)。
【0122】
(実施例6)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−ブロモベンズアミド(2)。
【0123】
【化10】

基本手順Aに記載したような(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ブロモ安息香酸を用いたこと以外は、これを基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 570 [M+H]。
【0124】
(実施例7)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド(3)。
【0125】
【化11】

基本手順Aに記載したような(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この生成物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 505 [M+H]。
【0126】
(実施例8)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−クロロベンズアミド(4)。
【0127】
【化12】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−クロロ安息香酸を用いたこと以外は、この生成物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 525 [M+H]。
【0128】
(実施例9)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−ニトロベンズアミド(5)。
【0129】
【化13】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ニトロ安息香酸を用いたこと以外は、この生成物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 536 [M+H]。
【0130】
(実施例10)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3,4−ジクロロベンズアミド(6)。
【0131】
【化14】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,4−ジクロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 559 [M+H]。
【0132】
(実施例11)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,3−ジフルオロベンズアミド(7)。
【0133】
【化15】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 527 [M+H]。
【0134】
(実施例12)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−フルオロベンズアミド(8)。
【0135】
【化16】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−フルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 509 [M+H]。
【0136】
(実施例13)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3,4−ジフルオロベンズアミド(9)。
【0137】
【化17】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,4−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 527 [M+H]。
【0138】
(実施例14)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,3,4−トリフルオロベンズアミド(10)。
【0139】
【化18】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3,4−トリフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 545 [M+H]。
【0140】
(実施例15)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3,5−ジクロロベンズアミド(11)。
【0141】
【化19】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,5−ジクロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 560 [M+H]。
【0142】
(実施例16)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,3−ジクロロベンズアミド(12)。
【0143】
【化20】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジクロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 560 [M+H]。
【0144】
(実施例17)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−4−フルオロベンズアミド(13)。
【0145】
【化21】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−クロロ−4−フルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 543 [M+H]。
【0146】
(実施例18)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−ブロモベンズアミド(14)。
【0147】
【化22】

基本手順Aに記載したような((R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−ブロモ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 570 [M+H]。
【0148】
(実施例19)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−ヨードベンズアミド(15)。
【0149】
【化23】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ヨード安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 617 [M+H]。
【0150】
(実施例20)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−フルオロ−4−メチルベンズアミド(16)。
【0151】
【化24】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−フルオロ−4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 523 [M+H]。
【0152】
(実施例21)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,6−ジフルオロ−3−メチルベンズアミド(17)。
【0153】
【化25】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,6−ジフルオロ−3−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 541 [M+H]。
【0154】
(実施例22)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−フルオロ−3−メチルベンズアミド(18)。
【0155】
【化26】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−フルオロ−3−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 523 [M+H]。
【0156】
(実施例23)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド(19)。
【0157】
【化27】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 543 [M+H]。
【0158】
(実施例24)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−2,4−ジフルオロベンズアミド(20)。
【0159】
【化28】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−クロロ−2,4−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 561 [M+H]。
【0160】
(実施例25)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,3−ジフルオロ−4−メチルベンズアミド(21)。
【0161】
【化29】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ−4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 541 [M+H]。
【0162】
(実施例26)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]キノリン−2−カルボキシアミド(22)。
【0163】
【化30】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりにキノリン−2−カルボン酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e542 [M+H]。
【0164】
(実施例27)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(23)。
【0165】
【化31】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ピラゾール−イル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 557 [M+H]。
【0166】
(実施例28)
N−(3−アミノプロピル)−N−(1−{7−クロロ−3−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル}プロピル)−4−メチルベンズアミド(24)。
【0167】
【化32】

基本手順Aに記載したようなフェニルヒドラジンの代わりに3−フルオロフェニルヒドラジンを用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 523 [M+H]。
【0168】
(実施例29)
N−(3−アミノプロピル)−N−(1−{7−クロロ−3−[(2−フルオロフェニル)アミノ]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル}プロピル)−4−メチルベンズアミド(25)。
【0169】
【化33】

基本手順Aに記載したようなフェニルヒドラジンの代わりに2−フルオロフェニルヒドラジンを用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 523 [M+H]。
【0170】
(実施例30)
N−(3−アミノプロピル)−N−(1−{7−クロロ−3−[(2,5−ジフルオロフェニル)アミノ]−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル}プロピル)−4−メチルベンズアミド(26)。
【0171】
【化34】

基本手順Aに記載したようなフェニルヒドラジンの代わりに2、5−ジフルオロフェニルヒドラジンを用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 541 [M+H]。
【0172】
(実施例31)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド(27)。
【0173】
【化35】

「基本手順A」に記載したような2−アミノ−4−クロロ安息香酸の代わりに2−アミノ−5−クロロ安息香酸を用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いて、基本手順Aに記載したようにしてこの化合物を合成した。LCMS:m/e 505 [M+H]。
【0174】
(実施例32)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド(28)。
【0175】
【化36】

「基本手順A」に記載したような2−アミノ−4−クロロ安息香酸の代わりに2−アミノ−5−メチル安息香酸を用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いて、基本手順Aに記載したようにしてこの化合物を合成した。LCMS:m/e 484 [M+H]。
【0176】
(実施例33)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェノキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド(29)。
【0177】
【化37】

「基本手順A」に記載したような手順でフェニルヒドラジンの代わりにO−フェニルヒドロキシルアミンを用い、(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いて、基本手順Aに記載したようにしてこの化合物を合成した。LCMS:m/e 506 [M+H]。
【0178】
(実施例34)
基本手順B
2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンのスルホニル化、続く脱保護。
【0179】
【化38】

(実施例35)
N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(30)の合成。
【0180】
【化39】

ピリジン(0.5mL)中の2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(52.6mg、0.10μモル)の溶液を、それぞれのスルホニルクロリド(この場合、DMA/AcCN(1:1)中の4−メチルベンゼンスルホニルクロリド、0.25M溶液、0.5mL、0.125μモル)で処理した。混合物を45℃で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物をMeOH(1.0mL)にとり、ヒドラジン(0.25mL)で処理した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を逆相クロマトグラフィーで精製して最終生成物を得た。収率(10.4mg、20%)。LCMS:m/e 551 [M+H]。
【0181】
(実施例36)
N−(3−アミノプロピル)−N−[(1R)−1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(31)。
【0182】
【化40】

(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−D−2−アミノ酪酸を用い3−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを基本手順Bに記載したようにして用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 545 [M+H]。
【0183】
(実施例37)
N−(3−アミノプロピル)−N−{1−[3−(ベンジルオキシ)−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル]プロピル}−4−メチルベンズアミド(32)。
【0184】
【化41】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、フェニルヒドラジンの代わりにO−ベンジルヒドロキシルアミンを用いて、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 520 [M+H]。
【0185】
(実施例38)
N−(3−アミノプロピル)−N−[(1R)−1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド(33)。
【0186】
【化42】

(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−D−2−アミノ酪酸を用い、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−スルホニルクロリドを基本手順Bに記載したようにして用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 559 [M+H]。
【0187】
(実施例39)
N−(3−アミノプロピル)−N−[(1R)−1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]チオフェン−3−スルホンアミド(34)。
【0188】
【化43】

(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−D−2−アミノ酪酸を用い、チオフェン−3−スルホニルクロリドを基本手順Bに記載したようにして用いたこと以外は、この化合物を「基本手順A」に記載のようにして合成した。LCMS:m/e 533 [M+H]。
【0189】
(実施例40)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−メチルブチル]−3,4−ジフルオロベンズアミド(35)。
【0190】
【化44】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−ロイシンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,4−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 555 [M+H]。
【0191】
(実施例41)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−メチルブチル]−3,5−ジクロロベンズアミド(36)。
【0192】
【化45】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−ロイシンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,5−ジクロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 588 [M+H]。
【0193】
(実施例42)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−メチルブチル]−3−クロロ−4−フルオロベンズアミド(37)。
【0194】
【化46】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−ロイシンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−クロロ−4−フルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 571 [M+H]。
【0195】
(実施例43)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−(メチルチオ)プロピル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド(38)。
【0196】
【化47】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−メチオニンを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 589 [M+H]。
【0197】
(実施例44)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−(メチルチオ)プロピル]−2,3−ジフルオロ−4−メチルベンズアミド(39)。
【0198】
【化48】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−メチオニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ−4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 587 [M+H]。
【0199】
(実施例45)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3−(メチルチオ)プロピル]−4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアミド(40)。
【0200】
【化49】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−メチオニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ピラゾール−1−イル−安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 603 [M+H]。
【0201】
(実施例46)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)エチル]−3,4−ジクロロベンズアミド(41)。
【0202】
【化50】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3、4−ジクロロ−安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 546 [M+H]。
【0203】
(実施例47)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]−2,3−ジフルオロベンズアミド(42)。
【0204】
【化51】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ−安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 541 [M+H]。
【0205】
(実施例48)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]−4−フルオロベンズアミド(43)。
【0206】
【化52】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−フルオロ−安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 523 [M+H]。
【0207】
(実施例49)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]−3−ブロモベンズアミド(44)。
【0208】
【化53】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−ブロモ−安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 584 [M+H]。
【0209】
(実施例50)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]−4−クロロ−2,5−ジフルオロベンズアミド(45)。
【0210】
【化54】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,5−ジフルオロ−4−クロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 575 [M+H]。
【0211】
(実施例51)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]−3−フルオロ−4−メチルベンズアミド(46)。
【0212】
【化55】

基本手順Aに記載したようなt(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−フルオロ−4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 537 [M+H]。
【0213】
(実施例52)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−メチルプロピル]キノリン−2−カルボキシアミド(47)。
【0214】
【化56】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−バリンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりにキノリン−2−カルボン酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 556 [M+H]。
【0215】
(実施例53)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−4−ブロモベンズアミド(48)。
【0216】
【化57】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ブロモ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 638 [M+H]。
【0217】
(実施例54)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−4−メチルベンズアミド(49)。
【0218】
【化58】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 573 [M+H]。
【0219】
(実施例55)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−2,3−ジフルオロベンズアミド(50)。
【0220】
【化59】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 595 [M+H]。
【0221】
(実施例56)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−4−フルオロベンズアミド(51)。
【0222】
【化60】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−フルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 577 [M+H]。
【0223】
(実施例57)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−3,4−ジフルオロベンズアミド(52)。
【0224】
【化61】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,4−ジフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 595 [M+H]。
【0225】
(実施例58)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(2−チエニル)エチル]−3−クロロ−4−フルオロベンズアミド(53)。
【0226】
【化62】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−β−(2−チエニル)−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3−クロロ−4−フルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 611 [M+H]
(実施例59)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−3,4−ジクロロベンズアミド(54)。
【0227】
【化63】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−チロシンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに3,4−ジクロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 638 [M+H]。
【0228】
(実施例60)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−2,3,4−トリフルオロベンズアミド(55)。
【0229】
【化64】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−チロシンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3,4−トリフルオロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 623 [M+H]。
【0230】
(実施例61)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イン−1−イル]−4−クロロ−2,5−ジフルオロベンズアミド(56)。
【0231】
【化65】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにDL−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,5,−ジフルオロ−4−クロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 571 [M+H]。
【0232】
(実施例62)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イン−1−イル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド(57)。
【0233】
【化66】

DL−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸を基本手順Aに記載のようにして用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 553 [M+H]。
【0234】
(実施例63)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3,3−ジメチルブチル]−4−ブロモベンズアミド(58)。
【0235】
【化67】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにβ−tertブチル−N−Boc−DL−アラニンを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−ブロモ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 612 [M+H]。
【0236】
(実施例64)
N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペンチル]−4−メチルベンズアミド(59)。
【0237】
【化68】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりに2−アミノヘキサン酸を用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 533 [M+H]。
【0238】
(実施例65)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−クロロベンズアミド(60)。
【0239】
【化69】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−クロロ安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 511 [M+H]。
【0240】
(実施例66)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド(61)。
【0241】
【化70】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 491 [M+H]。
【0242】
(実施例67)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,6−ジフルオロ−3−メチルベンズアミド(62)。
【0243】
【化71】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,6−ジフルオロ−3−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 527 [M+H]。
【0244】
(実施例68)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−フルオロ−3−メチルベンズアミド(63)。
【0245】
【化72】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに4−フルオロ−3−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS: m/e 509 [M+H]。
【0246】
(実施例69)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド(64)。
【0247】
【化73】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 529 [M+H]。
【0248】
(実施例70)
N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−2,3−ジフルオロ−4−メチルベンズアミド(65)。
【0249】
【化74】

基本手順Aに記載したような(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりにN−Boc−DL−2−アミノ酪酸を用い、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアルデヒドの代わりに(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアルデヒドを用い、2−フルオロ−3−クロロ安息香酸の代わりに2,3−ジフルオロ−4−メチル安息香酸を用いたこと以外は、この化合物を基本手順Aに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 527 [M+H]。
【0250】
(実施例71)
基本手順C
2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンの還元的アミノ化、続く、脱保護。
【0251】
【化75】

(実施例72)
2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−ブタ−3−イニル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン(66)。
【0252】
【化76】

ジクロロエタン(0.5mL)中の2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(52.6mg、0.10μモル)の溶液を、それぞれのアルデヒド(この場合、4−メチルベンズアルデヒド、DCE中の0.25M溶液、0.8mL、0.2μモル)で処理した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物をMeOH(1.0mL)にとり、ヒドラジン(0.25mL)で処理した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を逆相クロマトグラフィーで精製して終生成物を得た。収率(14mg、24%)。LCMS:m/e 500 [M+H]。
【0253】
(実施例73)
2−{1−[(3−アミノプロピル)(4−メチル−ベンジル)アミノ]プロピル}−3−アニリノ−7−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン(67)。
【0254】
【化77】

(R)−2−(3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピル)イソインドリン−1,3−ジオンの代わりに2−{3−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Cに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 491 [M+H]。
【0255】
(実施例74)
2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−プロピル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン(68)。
【0256】
【化78】

(R)−2−(3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピル)イソインドリン−1,3−ジオンの代わりに2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Cに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 491 [M+H]。
【0257】
(実施例75)
2−{(1R)−1−[(3−アミノプロピル)(4−フルオロ−3−メチルベンジル)アミノ]プロピル}−3−アニリノ−7−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン(69)。
【0258】
【化79】

(R)−2−(3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピル)イソインドリン−1,3−ジオンの代わりに2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンを用い、4−メチルベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロ−3−メチルベンズアルデヒドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Cに記載のようにして合成した。LCMS:m/e 508.04 [M+H]。
【0259】
(実施例76)
2−{(1R)−1−[(3−アミノプロピル)(ベンジル)アミノ]プロピル}−3−アニリノ−7−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン(70)。
【0260】
【化80】

(R)−2−(3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピル)イソインドリン−1,3−ジオンの代わりに2−{3−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピルアミノ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオンを用い、4−メチルベンズアルデヒドの代わりにベンズアルデヒドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Cに記載のようにして合成した。収率(16%)。LCMS:m/e 477.04 [M+H]。
【0261】
(実施例77)
基本手順D;(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド(1)の合成。
【0262】
【化81】

(実施例78)
(R)−ベンジル3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート。
【0263】
【化82】

(R)−2−(1−アミノブタ−3−イニル)−7−クロロ−3−(フェニルアミノ)キナゾリン−4(3H)−オン(185mg、0.54ミリモル)を1,2−ジクロロエタン(10mL)に溶解し、N,N,−ジイソプロピルエチルアミン(1.62ミリモル)を加え、5分間撹拌し、次いで、3−N−カルボニルオキシベンジルプロパンアルデヒド(0.59ミリモル)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.18ミリモル)を加えた。LCMSにより、数時間で出発原料の存在が示されたので、反応物を18時間撹拌した。反応が完了したら、反応物を炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、100mLのジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去して(R)−ベンジル3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート(>90%)を得た。融点=63−65°C;400MHzH NMR(DMSO−d)δ:9.09(s,1H),8.07(d,J=8.8,1H),7.83(s,br,1H),7.59−7.56(dd,J=2.0;6.4,1H),7.29(m,5H),7.18(m,2H),6.83(t,J=7.6,1H),6.67(d,J=8.0,2H),4.95(s,2H),4.20(s,br,1H),4.00,s,br,1H),3.03−2.98(dd,2H),2.75−2.5(m,3H),2.3(m,br 2H),1.46(m,2H);LCMS:530[M+H]。
【0264】
(実施例79)
(R)−ベンジル3−(3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド)プロピルカルバメート。
【0265】
【化83】

(R)−ベンジル3−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート(0.28g、0.53ミリモル)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.22mL、1.60ミリモル)を加え、続いて、2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリド(0.112g、0.58ミリモル)を加えた。反応物を窒素雰囲気下で、反応が完了するまで(LC/MS)(合計5分間)撹拌した。混合物をさらに10分間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)、水(5ml×2)および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。固体をろ過により除去し、溶媒を真空下で除去して(R)−ベンジル3−(3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド)プロピル−カルバメートをオレンジ色の固体(0.31g、0.45ミリモル、84%)として得た。融点103−105°C.H−NMR(DMSO−d):δ9.41−8.94(m,1H),8.21−5.62(m,16H),5.35−4.80(m,2H),3.46−1.15(m,11H).LC/MS:686[M+H]。
【0266】
(実施例80)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド(1)。
【0267】
【化84】

ACN(20mL)中の(R)−ベンジル3−(3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド)プロピルカルバメート(0.62g、0.90ミリモル)、1−エチニルシクロヘキセン(0.478mL、4.50ミリモル)に、ヨード−トリメチルシラン(1.3mL、9.0ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を10%NaCO水溶液(40mL)でクエンチした。層を分離し、水層をDCM(2×30mL)で洗浄した。一緒にした有機層を塩水(1×40mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し濃縮してオレンジ色の固体(1.2g)を得た。残留物をシリカゲルカラム(25%〜50%EtOAc/Hex)で分離して(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド(0.24g、48%)を得た。融点175°C. H−NMR(DMSO−d):δ9.39−8.94(m,1H),8.18−5.90(m,11H),5.00−4.74(m,1H),4.00−0.85(m,11H).LC/MS:552[M+H]。
(実施例81)
N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル−ブタ−3−イニル]−2,3,5,6−テトラフルオロ−ベンズアミド(71)。
【0268】
【化85】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに1,2,4,5テトラフルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点156−158°C. LCMS:m/e572[M+H].H NMR(CDCl):δ9.21−9.04(m,1H),8.18−7.52(m,4H),7.31−7.05(m,2H),6.97−6.63(m,2H),6.58−6.22(m,1H),5.02−4.83(m,1H),4.05−3.88(m,1H),3.81−2.84(m,4H),2.93−2.60(m,1H),2.56−1.37(m,5H)。
【0269】
(実施例82)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,3,4,5−テトラフルオロベンズアミド(72)。
【0270】
【化86】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,4,5テトラフルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点=155−158°C;400MHz H NMR(DMSO−d)δ:9.4−4.8(m,12H),4.0−0.8(m,10H);LCMS:572[M+H].
(実施例83)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシアミド(73)。
【0271】
【化87】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりにベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点=103−106°C;400MHz H NMR(DMSO−d)δ:9.3−5.7(m,16H),4.1−0.7(m,10H);LCMS:556[M+H]。
【0272】
(実施例84)
N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペンタ−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド(74)。
【0273】
【化88】

(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタ−4−イン酸の代わりに(DL)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘキス−4−イン酸を用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点=185−190°C;H NMR 400MHz(DMSO−d)δ:9.4−4.9(m,14H),4.1−1.0(m,12H);LCMS:566[M+H]。
【0274】
(実施例85)
N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−4−メチル−ベンズアミド(75)。
【0275】
【化89】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに4−メチルベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点=130−133°C(分解);400MHz H NMR(DMSO−d)δ:9.2−6.3(m,15H),4.0−0.8(m,13H);LCMS:514[M+H]。
【0276】
(実施例86)
N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブタ−3−イニル]−2,3−ジフルオロ−4−メチル−ベンズアミド(76)。
【0277】
【化90】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3−ジフルオロ−4−メチルベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点=175−180°C;400MHz H NMR(DMSO−d)δ:9.7−6.2(m,13H),4.9−1.2(m,13H);LCMS:550[M+H]。
【0278】
(実施例87)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアミド(77)。
【0279】
【化91】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,−ジ−フルオロ−6−メトキシベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点138−145°C.H NMR 400MHz(DMSO):δ9.17−8.9(m,1H),8.07(s,1H),7.94−7.68(m,1H),7.65−7.50(m,4H),7.19−7.04(m,3H),6.87−6.79(m,2H),6.69−6.51(m,3H),6.24−6.18(m,1H),4.89(d,J=10.56Hz1H),3.87−3.74(m,2H),3.64−3.36(m,2H),3.19−2.88(m,2H),2.69−2.53(m,2H),1.65−1.55(m,1H).LCMS:m/e566[M+H]。
【0280】
(実施例88)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンズアミド(78)。
【0281】
【化92】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,−ジ−フルオロ−4−メトキシベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点135−140°C.H NMR(DMSO):δ9.12−9.00(m,1H),8.14−6.48(m,13H),5.28(br,1H),3.91−3.86(m,1H),3.81−3.73(m,2H),3.46−3.30(m,2H),3.28−3.06(m,1H),2.96−2.89(m,1H),2.73−2.65(m,1H),2.45−2.56(m,1H),2.31−2.13(m,1H),2.06(s,1H).LCMS:m/e566.17[M+H]。
【0282】
(実施例89)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド(79)。
【0283】
【化93】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,6,−ジ−フルオロ−4−クロロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点140−145°C.H NMR(DMSO):δ9.09−9.05(m,1H),8.11−07(m,1H),7.92−7.89(m,1H),7.85−7.73(m,1H),7.68−7.52(m,4H),7.35−7.17(m,2H),7.15−7.04(m,3H),6.86−6.81(m,2H),6.56−6.54(d,J=8,22Hz,1H),6.28−6.26(d,J=8.22Hz,1H),4.98−4.96(m,1H),3.94−3.62(m,2H),3.16−2.93(m,4H),2.77−2.65(m,2H).LCMS:m/e571[M+H]。
【0284】
(実施例90)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド(80)。
【0285】
【化94】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに3,5,−ジ−フルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点165−167°C.LCMS:m/e536[M+H].1HNMR(DMSO−d6):δ9.18(s.1H),8.12(m,1H),7.95(s,1H),7.65(m,3H),7.38(d,J=8.0Hz,2H),7.04(m,2H),6.79(m,1H),6.46(d,J=7.6Hz,1H),4.97(m,1H),3.18(m,2H),3.01(m,2H),2.73(m,2H),1.91(s,1H),1.73(m,2H),1.33−1.19(m,2H)。
【0286】
(実施例91)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,3,5−トリフルオロベンズアミド(81)。
【0287】
【化95】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,5,−トリ−フルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点168−170°C.LC−MS:m/e554[M+H].H NMR(CDCl):δ8.14(s,1H),8.06(t,J=6.8Hz,1H),7.81(m,1H),7.41(m,1H),7.06(m,2H),6.81−6.88(m,2H),6.62−6.72(m,3H),5.04(t,J=13.2Hz),3.79(m,1H),3.63−3.81(m,2H),3.52(m,1H),3.15(q,J=7.2Hz,1H),2.97(brs,2H),2.63−2.69(m,1H),2.06(d,J=6.8Hz,1H),1.95(m,1H),1.44(t,J=7.2Hz,1H),1.26(m,1H)。
【0288】
(実施例92)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブタ−3−イニル)−2,3−ジフルオロベンズアミド(82)。
【0289】
【化96】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,−ジ−フルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この生成物を基本手順Dに記載のようにして合成した。融点168−170°C.LC−MS:m/e536[M+H].H NMR(CDCl):δ8.14(s,1H),8.06(t,J=6.8Hz,1H),7.81(m,1H),7.41(m,1H),7.06(m,2H),6.81−6.88(m,2H),6.62−6.72(m,3H),5.04(t,J=13.2Hz),3.79(m,1H),3.63−3.81(m,2H),3.52(m,1H),3.15(q,J=7.2Hz,1H),2.97(brs,2H),2.63−2.69(m,1H),2.06(d,J=6.8Hz,1H),1.95(m,1H),1.44(t,J=7.2Hz,1H),1.26(m,1H)。
【0290】
(実施例93)
基本手順E;(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(83)の合成。
【0291】
【化97】

(実施例94)
(R)−tert−ブチル1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルカルバメート。
【0292】
【化98】

ピリジン(無水、50ml)中の3−アミノピコリン酸(1.94g、14.06ミリモル)およびD−boc−プロパルギルグリシンの混合物に、トリフェニルホスファイト(4.43ml、16.87ミリモル)を加えた。混合物を55℃で18時間加熱した。室温に冷却した後、フェニルヒドラジン(1.66ml、16.87ミリモル)を加えた。得られた混合物を110℃で4日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。250mlのEtOAcおよび80mlの水を残留物に加えた。有機層を分離し、次いで塩水(80ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製して(R)−tert−ブチル1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルカルバメート(2.12g、37%)を淡褐色固体として得た。融点108−110°C. LCMS:m/e406[M+H].H NMR,400MHz(CDCl):δ8.87(d,J=4Hz,1H),8.15(d,J=8.0Hz,1H),7.73(m,1H),7.24(m,3H),7.00(t,J=8.0Hz,1H),6.78(s,2H),5.88(m,1H),5.32(s,1H),3.10−2.62(m,2H),1.96(s,1H),1.45(s,9H)。
【0293】
(実施例95)
(R)−2−(1−アミノブタ−3−イニル)−3−(フェニルアミノ)ピリド[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン。
【0294】
【化99】

メタノール(15ml)中の(R)−tert−ブチル1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルカルバメート(1.20g、2.96ミリモル)の溶液に、4.5mlのHCl(1,4−ジオキサン中の4.0M)を加えた。反応を室温で18時間実施した。溶媒を減圧下で除去して(R)−2−(1−アミノブタ−3−イニル)−3−(フェニルアミノ)ピリド[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン(1.1g)を淡褐色固体として得た。融点206−208°C.LCMS:m/e306[M+H].1H NMR(400MHz)(DMSO−d6):δ9.34(s,1H),8.85(s,1H),8.20(d,J=8Hz,1H),7.94(dd,J=8.0Hzおよび3.2Hz,1H),7.22(t,J=7.6Hz,2H),6.91(t,J=7.6Hz,1H),6.80(s,J=8Hz,1H),4.98(m,3H),4.53(s,1H),3.11(m,2H)。
【0295】
(実施例96)
(R)−ベンジル3−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート。
【0296】
【化100】

1,2−ジクロロエタン(20ml)中の(R)−2−(1−アミノブタ−3−イニル)−3−(フェニルアミノ)ピリド[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン(500mg、1.46ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(638μl、3.66ミリモル)の溶液に、3−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]プロピオンアルデヒド(303mg、1.46ミリモル)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(620mg、2.93ミリモル)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで10mlの炭酸ナトリウムを加えた。この反応混合物に200mlの1,2−ジクロロエタンおよび40mlの水を加えた。有機層を分離し、塩水(50ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を、CHCl/CHOH(18:1)で溶出させ、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製して(R)−ベンジル3−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート(365mg、50%)を灰白色固体として得た。融点75−77°C.LCMS:m/e497[M+H].1H NMR(CDCl):δ8.85(dd,J=6.4Hzおよび1.6Hz,1H),8.12(d,J=8Hz,1H),7.65(br,1H),7.31(m,5H),7.23(t,J=8.4Hz,3H),6.99(t,J=7.2Hz,1H),6.72(d,J=7.6Hz,2H),5.61(s,1H),5.07(m,2H),4.29(s,1H),3.37−3.22(m,2H),2.74(s,2H),2.52(m,2H),1.03(m,4H)。
【0297】
(実施例97)
(R)−ベンジル3−(3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド)プロピルカルバメート。
【0298】
【化101】

ジクロロメタン(無水、2.0ml)中の(R)−ベンジル3−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニルアミノ)プロピルカルバメート(130mg、0.262ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(50μl、0.288ミリモル)の溶液に、3−クロロ−2−フルオロベンゾイルクロリド(55mg、0.288ミリモル)を加えた。反応を室温で10分間実施した。150mlのジクロロメタンを反応混合物に加え、次いで、飽和NaHCO水溶液(30ml)、水(30ml)および塩水(30ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製して(R)−ベンジル3−(3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド)プロピルカルバメート(125mg、74%)を淡黄色固体として得た。融点100−102°C.LCMS:m/e653[M+H].1H NMR(CDCl):δ8.88(d,J=2.8Hz,1H),8.15(d,J=8.8Hz,1H),7.70(m,1H),7.35(m,6H),7.23(m,2H),7.08(t,J=7.2Hz,2H),6.88(s,1H),6.51(s,2H),5.25(s,1H),5.13−4.99(m,2H),3.77(m,1H),3.51(m,1H),3.30−3.14(m,2H),2.05(m,1H),1.64(s,1H),1.45(m,2H),1.26(m,2H)。
【0299】
(実施例98)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(83)。
【0300】
【化102】

アセトニトリル(2ml)中の(R)−ベンジル3−(3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド)プロピルカルバメート(100mg、0.153ミリモル)の溶液に、ヨードトリメチルシラン(83μl、0.613ミリモル)を0℃で徐々に加えた。10分間撹拌した後、0.5mlの飽和NaHCO水溶液を加えて反応物をクエンチした。100mlのジクロロメタンを反応混合物に加え、次いで水(30ml)、塩水(30ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を分取HPLCで精製した。得られた生成物(TFA塩)をジクロロメタン(100ml)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(20ml)、飽和NaCl水溶液(20ml)で洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。EtOAc(2ml)中の残留物の溶液にHCl:EtOAc(3.0M、1.0ml)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、濃縮して(R)−N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−2−フルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(40mg、44%、2HCl)を淡黄色固体として得た。融点198−200°C.LCMS:m/e519[M+H].H NMR(CDOD):δ8.93(s.1H),8.59(d,J=8.0Hz,1H),8.12(s,1H),7.52(s,1H),7.27(d,J=6.4Hz,2H),7.10(s,2H),7.00(m,1H),6.85(s,1H),6.53(s,1H),6.38(s,1H),5.51(s,1H),5.26(s,1H),3.73−3.59(m,2H),2.65−2.29(m,2H),2.01−1.59(m,2H),1.19(m,4H)。
【0301】
(実施例99)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−2,3−ジフルオロ−4−メチル−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(84)。
【0302】
【化103】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,−ジ−フルオロ−4−メチルベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Eに記載のようにして合成し、黄色固体として得た。融点185−187°C. LCMS: m/e 517 [M+H].1H NMR(DMSO−d6):δ9.18(m.1H),8.87(m,1H),8.31(m,1H),7.95(m,1H),7.78(s,1H),7.21(m,1H),7.08(m,1H),6.84(m,2H),6.52(d,J=8.0Hz,1H),6.33(m,1H),5.23(s,1H),4.99(m,1H),4.18(s,2H),3.47(m,1H),3.24(m,1H),2.91(m,1H),2.72(m,1H),2.33(m,2H),2.05(s,3H),1.67(m,2H)。
【0303】
(実施例100)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−2,6−ジフルオロ−3−メチル−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(85)。
【0304】
【化104】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,6,−ジ−フルオロ−3−メチルベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Eに記載のようにして合成し、黄色固体として得た。融点198−200°C.LCMS:m/e517[M+H].1H NMR(DMSO−d6):δ9.14(m.1H),8.88(m,1H),8.31(m,1H),7.96(m,1H),7.81(s,1H),7.12(m,2H),6.85(m,2H),6.60(d,J=7.6Hz,1H),6.28(m,1H),5.99(m,1H),5.08(m,1H),3.76(s,2H),3.38−3.21(m,2H),3.18(m,1H),2.92(m,1H),2.26(s,2H),2.12(s,1H),2.03(s,1H),1.98(s,1H),1.24(s,2H)。
【0305】
(実施例101)
(R)−N−(3−アミノプロピル)−2,3,4,5−テトラフルオロ−N−(1−(4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリド[3,2−d]ピリミジン−2−イル)ブタ−3−イニル)ベンズアミド(86)。
【0306】
【化105】

2−フルオロ−3−クロロベンゾイルクロリドの代わりに2,3,4,5−テトラ−フルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は、この化合物を基本手順Eに記載のようにして合成し、淡黄色固体として得た。融点180−182°C.LCMS:m/e539[M+H].1H NMR(DMSO−d6):δ9.24(m.1H),8.89(m,1H),8.31(m,1H),7.96−7.71(m,3H),7.20(m,1H),7.13(m,1H),6.94−6.67(m,1H),6.58(d,J=8.0Hz,1H),5.40(br,3H),3.50(m,1H),3.45(m,1H),3.29(m,2H),3.20(m,1H),2.71(m,1H),1.82−1.54(m,2H),1.30−1.20(m,2H)。
【0307】
(実施例102)
HsEg5 ATPアーゼ活性および化合物阻害の蛍光検出
精製されたHsEg5モーター断片を、予め形成したMT重合体(Cytoskeleton、Denver、CO)との室温で20分間の混合によって活性化した。共役酵素アッセイがADPの蓄積を検出可能なレゾルフィンシグナルに翻訳することができるADP Quest(DiscoverX、Fremont、CA)を用いて、MT活性化ATPアーゼ活性を測定した(図1A)。蛍光は、Wallac Victor2プレートリーダー(Perkin−Elmer Life Sciences、Boston、MA)で、λEx=535nmおよびλEm=590nmで測定した。ADP Questキットからの試薬AおよびBを等分し、使用時まで−20℃で冷凍した。標準曲線は、50mM Pipes(pH7.0)、5.0mM MgCl、20μMパクリタキセルおよび0.5μMチューブリンからなる反応緩衝液中の提供されたADP試薬を用いて決定した。10nMのHsEg5濃度によるK判定のために、同じ緩衝液を用いた。
【0308】
阻害剤スクリーニングのために、化合物の最終濃度が100μM〜5nM(1つから3つの連続希釈液、最終濃度)の範囲内であり、HsEg5の最終濃度が10nMであるように、4μLの化合物を10μLのMT活性化HsEg5とインキュベートした。軽く振盪させながら、混合液を室温で10分間インキュベートした。スクリーニングアッセイでは、すべての反応ウェルに0.3%DMSOが含まれた。陰性対照としてDMSOだけを含むウェルを用い、バックグラウンドとしてATPを含まないウェルを用いた。6μLのATP(20μMの最終濃度)の添加は、ATP加水分解反応を開始させた。20μL反応液を室温で10分間進行させ、その後、10μLの試薬Aおよび20μLの試薬Bを加えた。室温で20分間の進行の後、蛍光を測定し、GraphPad Prismバージョン3.0(GraphPad Software、San Diego、CA)を用いてデータ分析を実施した。
【0309】
(実施例103)
ハイスループットスクリーニングのためのロボット設定
ハイスループットスクリーニングのために、Sciclone ALH3000(Caliper Life Sciences、Hopkinton、MA)およびMultidrop 384(Thermo Electron Corp、Waltham、MA)を用いて、蛍光アッセイを自動化した。先ず、スクリーニング(10μMまたは1μM)およびIC50判定(100μMから5nMまで10個のデータポイント)のための化合物希釈プレートを、コーニングポリプロピレンV底96ウェルプレートに作製した。両方とも、第1および第7のカラムは、バックグラウンド(ATP非添加)および陰性対照(DMSOのみ)を含んだ。10μMまたは1μMの化合物をスクリーニングするために、50μMまたは5μMの各化合物の4μlを、20μLアッセイ反応で用いた。IC50判定のために、母化合物プレートは、30mMの保存溶液濃度の試験化合物24μLを含んでいた。30mMの各試験化合物の6μLを、カラム2の各ウェルに加え、その後、Sciclone ALH3000によるDMSO中での1:3の連続希釈を実施した。次に、Multidrop 384を用いて234μLのアッセイ緩衝液を加えた。次に、4μLの希釈された化合物を、20μL反応で用いた。最終濃度は、元の保存溶液の1:300の希釈溶液であった。第2に、試薬源プレートには、それぞれMT活性化HsEg5、試薬Aおよび試薬Bと命名した、3本の列を準備した。MTをアッセイ緩衝液で希釈し、室温で10分間重合させた。使用直前に、HsEg5タンパク質を氷上で解凍し、室温で20分間、MT重合体の添加によって活性化した。次に、HsEg5/MTを試薬源プレートの列Aに加えた。最終アッセイ濃度は、10nM HsEg5および500nM MTであった。試薬AおよびBを−20℃で保存し、室温で解凍して、試薬源プレートの列BとCに移した。第3に、無ATPブランクを設けるためにアッセイ緩衝液を代わりに加えた第1の列のウェルを除く、V形96ウェルプレートの各ウェルに80μM ATP溶液を移すことによって、ATP基質プレートを調製した。アッセイでのATPの最終濃度は、20μMであった。
【0310】
アッセイは、以下の手順により、Sciclone ALH3000でプログラムした:1)アッセイプレートへの4μLの化合物の添加と、続く10μLのMT活性化HsEg5の添加。時々振盪させながら、混合液を室温で10分間インキュベートした。2)HsEg5 ATPアーゼ反応は、6μLのATPの添加によって開始し、室温で10分間進行させた。3)プレートへの10μLの試薬Aおよび20μLの試薬Bの添加、および室温で正確に20分間のインキュベーション。蛍光は、前に述べた励起および発光波長により、Wallac Victor2複数標識カウンターで測定した。
【0311】
(実施例104)
HsEg5 ATPアーゼ活性および化合物阻害のルミネッセンス検出
精製されたHsEg5モーター断片を、予め形成したMT重合体(Cytoskeleton、Denver、CO)との室温で20分間の混合によって活性化した。MT活性化ATPアーゼ活性は、Kinase−Glo(登録商標)Plusルミネッセンスキナーゼアッセイ(Promega、Madison、WI)を用いて測定した。
【0312】
阻害剤スクリーニングのために、化合物の最終濃度が100μM〜5nM(1つから3つの連続希釈液、最終濃度)の範囲内であり、HsEg5の最終濃度が25nMであるように、5μLの化合物を20μLのMT活性化HsEg5とインキュベートした。軽く振盪させながら、混合液を室温で20分間インキュベートした。スクリーニングアッセイでは、すべての反応ウェルに0.3%DMSOが含まれた。陰性対照としてDMSOだけを含むウェルを用い、バックグラウンドとしてATPを含まないウェルを用いた。13μM ATPの15μL(5μMの最終濃度)の添加は、ATP加水分解反応を開始させた。40μL反応液を室温で45分間進行させ、その後、40μLのKinase(登録商標)−Glo Plusを加えた。室温で15分間の進行の後、ルミネッセンスを測定した。
【0313】
(実施例105)
MTSアッセイ
代謝的に活性な細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素の活性を、テトラゾリウム化合物MTSを用いて測定することによって、細胞生存度を判定した。Promega Technical Bulletin No.169(CellTiter 96水性非放射性細胞増殖アッセイ)に記載されている通りに、アッセイを実施した。2つのヒト癌細胞系を試験した(表1を参照)。10%熱不活化FBS、10mM L−グルタミンおよび10mM Hepes pH7.5を加えたDMEM培地(4.5g/Lグルコース)で、細胞を37℃および5%COで維持した。簡潔には、表1に記載した通りに細胞を96ウェルプレートに播種し、16〜24時間インキュベートした。候補化合物をDMSOで連続的に希釈し、細胞培養培地でさらに希釈し、次に細胞に加えた(0.33%の最終DMSO濃度)。候補化合物の存在下で、細胞を72時間インキュベートした。MTS保存溶液(PBS中にMTS 2gm/L、PMS 46.6mg/ml)を細胞に加え(最終濃度MTS 2gm/LおよびPMS 7.67mg/L)、4時間インキュベートした。SDSを1.4%の最終濃度まで加え、プレートリーダーを用いて2時間以内に490nMの吸光度を測定した。IC50は、DMSO(0.33%)だけで処理した対照ウェルと比較して、生存細胞数の50%の減少をもたらす化合物の濃度と定義され、非線形回帰分析を用いて計算した。記載した化合物について、IC50値を表2に示す。表2の化合物番号は、実施例タイトルで挿入した番号に対応する。
【0314】
【表1】

【0315】
【表2−1】

【0316】
【表2−2】

【0317】
【表2−3】

【0318】
【表2−4】

Eg5 IC50データは、上に述べた蛍光およびルミネッセンス検出の両アッセイを用いて生成した。化合物1〜69は自動蛍光アッセイを用いてスクリーニングし、化合物70〜83はルミネッセンス検出アッセイを用いてスクリーニングした。(参考文献「Zhang B、Senator D、Wilson CJ、Ng SC.(2005年)「Development of a high−throughput robotic fluorescence−based assay for HsEg5 inhibitor screening」Anal Biochem.345:326〜335頁」を参照)。
【0319】
(実施例106)
インビボデータ
6週齢の雌の胸腺欠損ヌードマウス(NCR nu/nu、Charles River Laboratory、Wilmington、MA)を、試験前の少なくとも1週間、動物飼育施設に馴化させた。腫瘍増殖に及ぼす化合物の影響を判定するために、PACA2腫瘍異種移植片を保有する胸腺欠損マウスで効力試験を実施した。0日目に、腫瘍細胞(1匹につき1×10個のPACA2細胞)を皮下に接種した。腫瘍の寸法をデジタルマイクロカリパスで測定し、腫瘍容積を長さ×幅の二乗/2で計算した。腫瘍が約100mmの容積に到達したとき、マウスを群に無作為化し、腹腔内に週3回(月曜日−水曜日−金曜日、続いて2日の投薬休止日)、合計4週間、媒体対照または、40%のPEG400および60%の水で10mg/mlに製剤化した、6.25および12.5mg/kgの化合物で処理した。結果を、平均腫瘍容積±SEで表す。群間の腫瘍サイズの差を評価するために、マンホイットニーノンパラメトリックt検定を実施し、有意性をp値<0.05について評価した。処理期間中、接種後の表示日に定期的に腫瘍サイズを測定した。結果を、処理期間の関数として、いくつかの腫瘍(n=10)のmmで表した平均腫瘍容積±SEで表す。PACA−2異種移植モデルで、媒体対照群と比較して、N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミドの十分耐えられた6.25または12.5mg/kgの用量で処理された群で、腫瘍増殖の有意な減少が観察された。(図1Aを参照)。
【0320】
(実施例107)
インビボデータ
Charles River Laboratoryから受け取った6週齢の雌の胸腺欠損ヌードマウス(NCR nu/nu)を、試験開始前の1週間、動物飼育施設に馴化させた。加圧滅菌された敷料を敷いた4つの滅菌ケージにマウスを収容し、自由摂取の加圧滅菌飼料および水を与えた。腫瘍増殖に及ぼす化合物の影響を判定するために、PACA2腫瘍異種移植片を保有する胸腺欠損マウスで効力試験を実施した。0日目に、腫瘍細胞(1匹につき1×10個のPACA2細胞)を皮下に接種した。腫瘍の寸法をデジタルマイクロカリパスで週3回測定し、腫瘍容積を長さ×幅の二乗/2で計算した。腫瘍が約300mmの容積に到達したとき、マウスを群に無作為化し、腹腔内に週3回(月曜日−水曜日−金曜日、続いて2日の投薬休止日)、媒体対照または、DMA/PEG400/水(20:40:40)で製剤化した、3mg/kgおよび12.5mg/kgの化合物で処理した。結果を、平均腫瘍容積±SEで表す。群間の腫瘍サイズの差を評価するために、スチューデントのt検定を実施し、有意性をp値<0.05について評価した。処理期間中、接種後の表示日に定期的に腫瘍サイズを測定した。結果を、処理期間の関数として、いくつかの腫瘍(n=10)のmmで表した平均腫瘍容積±SEで表す。PACA−2異種移植モデルで、媒体対照群と比較して、N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミドの十分耐えられた3mg/kgまたは12.5mg/kgの用量で処理された群で、腫瘍増殖の有意な減少が観察された。(図1Bを参照)。
【0321】
(実施例108)
インビボデータ
Charles River Laboratoryから受け取った6週齢の雌の胸腺欠損ヌードマウス(NCR nu/nu)を、試験開始前の1週間、動物飼育施設に馴化させた。加圧滅菌された敷料を敷いた4つの滅菌ケージにマウスを収容し、自由摂取の加圧滅菌飼料および水を与えた。腫瘍増殖に及ぼす化合物の影響を判定するために、MDA−MB−231腫瘍異種移植片を保有する胸腺欠損マウスで効力試験を実施した。0日目に、腫瘍細胞(1匹につき5×10個のMDA−MB−231細胞)を皮下に接種した。腫瘍の寸法をデジタルマイクロカリパスで週3回測定し、腫瘍容積を長さ×幅の二乗/2で計算した。腫瘍が約100mmの容積に到達したとき、マウスを群に無作為化し、腹腔内に週3回(月曜日−水曜日−金曜日、続いて2日の投薬休止日)、媒体対照または、DMA/PEG400/水(4:8:88)で製剤化した、3mg/kg、6mg/kgおよび12mg/kgの化合物で処理した。結果を、平均腫瘍容積±SEで表す。群間の腫瘍サイズの差を評価するために、スチューデントのt検定を実施し、有意性をp値<0.05について評価した。処理期間中、接種後の表示日に定期的に腫瘍サイズを測定した。結果を、処理期間の関数として、いくつかの腫瘍(n=8)のmmで表した平均腫瘍容積±SEで表す。MDA−MB−231異種移植モデルで、媒体対照群と比較して、N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミドの十分耐えられた3mg/kg、6mg/kgまたは12mg/kgの用量で処理された群で、腫瘍増殖の有意な減少が観察された(図2を参照)。
【0322】
他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内にある。いくつかの実施形態を示し説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な修正を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩:
【化106】

(式中、
m、nおよびAは、0、1、2、3および4からなる群から独立に選択され、
R1は、H、アルキル、アリール、置換アリール、ハロアリール、フルオロアリール、ビアリールまたはビスアリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロアルキルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
Yは、結合、−C=O、−S=Oおよび−S(O)2からなる群から選択され、
XはNR2、O、SおよびCHR2からなる群から選択され、R1とR2は一緒になって環を形成することができ、XがCHR2である場合、R4はアルキニルまたはアルケニルであり、
R2は、水素、低級アルキルを含むアルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびペルフルオロアルキルからなる群から選択され、
R3は、H、アルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ペルフルオロアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択され、
R4は、H、アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニルおよびS−アルキルから選択され、
各R5および各R6は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、窒素、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシもしくはハロアルキルオキシ;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
Qは存在しないか、または−CO、−COO、−CONR11、−C(=S)、−CH2、−SOおよび−SO2からなる群から選択され、
R7は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、複素環で置換されたアリールからなる群から選択され、
WはHまたはNR8R9から選択され、ここで、R8およびR9は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、COR13、−CO2R13、−CONR14R14、−SOR13、−SO2R13、−C(=S)R14、−C(=NH)R14、および−C(=S)NR14R15からなる群から独立に選択されるか、R8とR9は、それらが結合しているNと一緒になって任意選択で複素環または置換複素環を形成しており、
各ZはNおよびCからなる群から独立に選択され、すべてのZがNである場合mは0である。
各R10は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシまたはハロアルキルオキシ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択され、
R11、R12、R13、R14およびR15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、オキサアルキル、オキサアルキルアリールおよび置換オキサアルキルアリールからなる群から独立に選択される)。
【請求項2】
Aは0、1、または2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが1または2であり、そして各R5および各R6は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、窒素、アミノ、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、メチレンジオキシもしくはハロアルキルオキシ;またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキシ、カルボキシアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニルおよびアルキルスルホンアミドからなる群から独立に選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが1であり、R5およびR6がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
mは1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
nは4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
nは2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R8およびR9はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
XはNR2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
XはNH2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
XはOまたはSである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
XはCHR2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Xはエチニルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Yは結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R1はフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R2はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
R3はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R4はエチニル、メチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R5およびR6はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
QはCO、CH、CHR12またはSOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
R7は非置換または置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
WはHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
R8およびR9はHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
N−(3−アミノ−プロピル)−3−クロロ−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2−フルオロ−ベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−ベンジル−アミノ]−プロピル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン、2−{(R)−1−[(3−アミノ−プロピル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−ブト−3−イニル}−7−クロロ−3−フェニルアミノ−3H−キナゾリン−4−オン、N−(2−アミノエチル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−3−クロロ−2−フルオロベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−3−メチルスルファニル−プロピル]−4−ピラゾール−1−イル−ベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−プロピル]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペンチル]−4−メチルベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−3,3−ジメチルブチル]−4−ブロモベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(3−アニリノ−6−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−N−[1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェノキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−4−メチルベンズアミド、およびN−(3−アミノプロピル)−N−[(1R)−1−(3−アニリノ−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)プロピル]−1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル−ブト−3−イニル]−2,3,5,6−テトラフルオロ−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3,4,5−テトラフルオロベンズアミド、N−(3−アミノプロピル)−3−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ペント−3−イニル)−2−フルオロベンズアミド、N−(3−アミノ−プロピル)−N−[(R)−1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブト−3−イニル]−2,3−ジフルオロ−4−メチル−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロ−4−メトキシベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3,5−トリフルオロベンズアミド、(R)−N−(3−アミノプロピル)−N−(1−(7−クロロ−4−オキソ−3−(フェニルアミノ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ブト−3−イニル)−2,3−ジフルオロベンズアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物を、薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項26】
第2の化学療法剤をさらに含む、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記第2の化学療法剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、araC、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシンイマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブリンゴ酸塩、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブおよびベバシズマブからなる群から選択される、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
細胞増殖性障害を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に請求項1に記載の治療有効量の式Iの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することを含み、該細胞増殖性障害が治療される方法。
【請求項29】
前記細胞増殖性障害が前癌状態である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記細胞増殖性障害が癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記癌が、腺癌、扁平上皮癌、肉腫、リンパ腫、多発性骨髄腫または白血病である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記癌が、肺癌、結腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、急性白血病、慢性白血病、多重黒色腫、卵巣癌、悪性神経膠腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、または頭部癌および頸部癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記式Iの化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、またはそのプロドラッグもしくは代謝産物を、第2の化学療法剤と合わせて投与する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の化学療法剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、araC、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、エポチロン、ナベルビン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシンイマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブリンゴ酸塩、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブおよびベバシズマブからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記癌治療が、腫瘍サイズの縮小、腫瘍増殖の遅延、患者の生存率の向上、または患者の生活の質の向上を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記癌が、原発性癌または転移性癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
立体配置が「R」配置である、請求項1に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−530885(P2010−530885A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513424(P2010−513424)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/067571
【国際公開番号】WO2009/002808
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(501054229)アークル インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】