説明

キナゾリン−4−オン誘導体

下記一般式(I):


[Xは式−N=C(R)−又は式−NH−CH(R)−で表される基を示し、R、R、R、及びRは水素原子、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、又はヒドロキシ基を示し、RはC〜Cのアルキル基又はC〜C10のアリール基を示し、Rはアミノ基を示す]で表される化合物またはその塩を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素阻害作用を有する医薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有し、抗アレルギー、抗炎症、組織損傷保護作用又は抗喘息等の作用を有する医薬に関するものである。
【背景技術】
プロスタグランジンD2(PGD2)はアラキドン酸カスケード中のシクロオキシゲナーゼ経路によりプロスタグランジンH2(PGH2)を中間体として合成されるアラキドン酸代謝物の一種で、このような生合成経路からはPGD2の他にプロスタグランジンF2α(PGF2α)、プロスタグランジンE2(PGE2)、プロスタグランジンI2(PGI2)及びトロンボキサンA2(TXA2)が合成されることが知られている。喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性炎症疾患では、アレルギー反応の中心的役割を担っていると思われる抗原と免疫グロブリンE(IgE)の複合体が結合して活性化されたマスト細胞において、アラキドン酸代謝カスケードが活性化されてアラキドン酸に由来する種々の炎症性メディエーターが放出され、アレルギー症状の惹起に重要な役割をはたしているものと考えられる。
そのなかでもPGD2は最も多量に産生、放出される炎症性メディエーターであり、喘息患者の気管支肺胞洗浄液中に高濃度で検出されている(「ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー(The Journal of Immunology)」,(米国),1982年,第129巻,第4号,p.1627−1631;「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)」,(米国),1986年,第315巻,第13号,p.800−804)。実際にPGD2は強力な気道収縮作用を示すだけではなく、炎症に深く関与する好酸球を活性化する作用や気道過敏性を誘発する作用を有することから、アレルギー性炎症疾患の中でもアレルギー性喘息の病態に深く関わっているものと考えられる(「ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー(The Journal of Immunology)」,(米国),1982年,第129巻,第4号,p.1627−1631;「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)」,(米国),1986年,第315巻,第13号,p.800−804;「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Meaicine)」,(米国),1984年,第311巻,第4号,p.209−213;「ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー(The Journal of Immunology)」,(米国),1992年,第148巻,第11号,p.3536−3542;「サイエンス(Science)」,(米国),2000年,第287巻,p.2013−2017)。
PGH2よりPGD2を合成する合成酵素には造血器型酵素(H−PGDS)とリポカリン型酵素の2種類が知られている。リポカリン型酵素は主に脳内に分布し、PGD2が睡眠誘発物質であることから、睡眠の誘発、その他体温低下、黄体ホルモン分泌抑制、痛みや匂いの応答調節作用に関与していることが知られており(「ビタミンズ・アンド・ホルモンズ(Vitamins and hormones)」,(米国),2000年,第58巻,p.89−120;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」,(米国),1985年,第260巻,第23号,p.12140−12145;「バイオキミカ・エトゥ・バイオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)」,(オランダ),2000年,第1482巻,第1−2号,p.259−271)、特に睡眠調節作用との関わりについては注目されている。一方、造血器型酵素は主に胎盤、肺、マスト細胞、抗原提示細胞に分布していることから、アレルギー性炎症疾患には造血器型酵素が主に関与しているものと考えられる(「ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー(The Journal of Immunology)」,(米国),1989年,第143巻,第9号,p.2982−2989;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」,(米国),1990年,第265巻,第1号,p.371−375;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」,(米国),1995年,第270巻,第7号,p.3239−3246)。
これまでに、造血器型酵素の阻害剤として、テトラゾール骨格を有するベンズヒドリルオキシ誘導体であるHQL−79(4−ベンズヒドリルオキシ−1−{3−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピル}ピリジン)が知られており、HQL−79が喘息病態モデルにおいて気道への好酸球浸潤および遅発性喘息反応といった気道炎症病態を抑制することが報告されているが(「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファルマコロジー(Japanese Journal of Pharmacology)」,1998年,第78巻,第1号,p.1−10;「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファルマコロジー(Japanese Journal of Pharmacology)」,1998年,第78巻,第1号,p.11−22)、その活性は十分とは言えない。
現在、アレルギー性の疾患にはケトチフェン、テルフェナジン等の抗アレルギー剤、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤及び抗炎症性ステロイド剤が使用されているが、従来の抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤では薬効が十分でなかったり、遅発的アレルギー反応を十分に抑制しないことがあり、また、眠気、鎮静症状等の中枢性副作用の問題がある。遅発的アレルギー反応の抑制には抗炎症性ステロイドが有効であるが、免疫抑制等の副作用の問題もあり、使いやすい薬剤とは言えない。従って、選択的で強力な造血器型酵素の阻害剤は、従来の薬剤と比べて副作用の少ないアレルギー性炎症疾患、特にアレルギー性喘息の有力な治療薬となることが期待できる。
【発明の開示】
本発明の課題は、造血器型PGD2合成酵素の選択的阻害剤を開発し、副作用が少なく安全性の高い優れたアレルギー性鼻炎等のアレルギー性炎症疾患、特にアレルギー性喘息治療のための医薬を提供することにある。
造血器型PGD2合成酵素はGlutathione S−transferase(GST)のサブタイプでσクラスGSTに分類されるGlutathione要求性の酵素である。近年、X線結晶構造解析によりその3次元構造が解明され(「セル(Cell)」,(米国),1997年,第90巻,第6号,p.1085−1095)、この酵素は他のGSTと比較し、4番目のαヘリックスが短く、広く深い特異的なCleft構造を持つことが報告された。本発明者らは、解析された3次元構造に基づいて、コンピューターを用いた分子設計の手法を用い、造血器型PGD2合成酵素のCleft構造部分に結合可能と思われる低分子有機化合物を設計、合成した。そして、所望の酵素阻害活性が見出された化合物群についてさらに分子設計より導かれた方針に従って誘導化することにより、下記の一般式(I)で表される化合物が造血器型PGD2合成酵素(H−PGDS)に対して極めて優れた阻害作用を有することを見出した。本発明を上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明の医薬は、下記一般式(I):

[式中、
Xは、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)、又は式−NH−CH(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基を示し、
、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいヒドロキシ基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
Rは、置換基を有していてもよいアミノ基を示す]
で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2(PGD2)合成酵素阻害作用を有する医薬を提供するものである。
本発明の好ましい態様によれば、Rが、下記一般式(II):

[式中、
は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基である上記の医薬;
Xが、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基である上記の医薬;
、R、R、及びRが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、又はC〜Cのアルコキシ基である上記の医薬;
が、下記置換基群α−1より選択される基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基、又は下記置換基群α−1より選択される基で置換されていてもよいフェニル基である上記の医薬
[置換基群α−1]ヒドロキシ基、C〜Cのアルコキシ基;
が、下記置換基群α−2より選択される基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基、又はC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である上記の医薬
[置換基群α−2]ハロゲン原子、カルボキシ基、カルバモイル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基;
が、C〜Cのアルキル基、又は下記置換基群α−3より選択される基で置換されていてもよいフェニル基である上記の医薬;
[置換基群α−3]ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基、ニトロ基;
及びRが、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記置換基群α−4より選択される基で置換されていてもよいC〜Cのアルコキシ基である上記の医薬
[置換基群α−4]カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基
が提供される。
さらに好ましい態様によれば、抗アレルギー作用、抗アレルギー性炎症、及び抗喘息作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する上記の医薬;脳損傷の増悪の予防作用、及び/又は脳損傷の予後の改善作用を有する上記の医薬;脳保護作用を有する上記の医薬;性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する上記の医薬が提供される。
別の観点からは、本発明により、上記の医薬の製造のための上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の使用が提供される。
さらに別の観点からは、本発明により、ヒトを含む哺乳類動物において造血器型PGD2合成酵素を阻害する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;アレルギー疾患、アレルギー性炎症疾患、及び喘息からなる群から選ばれる1以上の疾患を予防及び/又は治療する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳損傷の増悪を予防する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳損傷の予後を改善する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳の保護方法であって、上記一般式(I)で表される化合物笈び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;性周期、睡眠、体温、痛覚、及び嗅覚からなる群から選ばれる生体作用の調節方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
また、本発明により、下記一般式(I−1):

[式中、
X’は、式−N=C(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基、又は式−NH−CH(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基を示し、
’、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいヒドロキシ基を示し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
R’は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物(ただし、下記化合物群βで表される化合物を除く)。
[化合物群β]

が提供される。
さらに好ましい態様によれば、R’が、下記一般式(II−1):

[式中、
’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
’は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基である上記の化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
本明細書において用いられる用語の意味は以下の通りである。
「ハロゲン原子」としては、特に言及する場合を除き、弗素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子のいずれを用いてもよい。
「C〜C10のアルキル基」としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、又は1−アダマンチル基などを挙げることができる。アルキル部分を含む他の置換基のアルキル部分についても同様である。
「C〜C10のアリール基」としては、単環又は縮合環のいずれでもよく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などを挙げることができる。
「C〜Cのアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、又はtert−ブトキシ基などを挙げることができる。
「C〜Cのアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、又はtert−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
「C〜Cのアルキリデンアミノ基」としては、メチリデンアミノ基、エチリデンアミノ基、n−プロピリデンアミノ基、又はtert−ブチリデンアミノ基などを挙げることができる。
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」という場合には、官能基上の化学的に可能な位置に1個又は2個以上の「置換基」を有する場合があることを意味する。官能基に存在する置換基の種類、置換基の個数、及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。官能基に存在する「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、チオキソ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、スルファニルカルボニル基、オキサロ基、メソオキサロ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィノ基、スルフィナモイル基、スルフェノ基、スルフェナモイル基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホニル基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基(具体例:ビニル基、アリル基、1−プロペニル基など)、C〜Cのアルキニル基(具体例:エチニル基、1−プロピニル基など)、C〜Cのアルキリデン基、C〜C10のアリール基、C〜C12のアラルキル基(具体例:ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基など)、C〜C12のアラルキリデン基(具体例:ベンジリデン基、フェネチリデン基、1−ナフチルメチリデン基、2−ナフチルメチリデン基など)、C〜Cのアルコキシ基、C〜C10のアリールオキシ基(具体例:フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基など)、C〜C12のアラルキルオキシ基(具体例:ベンジルオキシ基、(1−ナフチルメチル)オキシ基、(2−ナフチルメチル)オキシ基など)、C〜Cのアルキルスルファニル基(具体例:メチルスルファニル基、エチルスルファニル基など)、C〜C10のアリールスルファニル基(具体例:フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基など)、C〜C12のアラルキルオキシスルファニル基(具体例:ベンジルスルファニル基、(1−ナフチルメチル)スルファニル基、(2−ナフチルメチル)スルファニル基など)、C〜Cのアルカノイル基(具体例:アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、ピバロイル基など)、C〜C10のアロイル基(具体例:ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基など)、C〜Cのアルキルスルホニル基(具体例:メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基など)、C〜C10のアリールスルホニル基(具体例:ベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基など)、C〜Cのアルコキシカルボニル基、アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ジアゼニル基、ウレイド基、チオウレイド基、グアニジノ基、カルバモイミドイル基(アミジノ基)、アジド基、イミノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、アミノオキシ基、ジアゾ基、セミカルバジノ基、セミカルバゾノ基、アロファニル基、ヒダントイル基、ホスファノ基、ホスホロソ基、ホスホ基、ボリル基、シリル基、スタニル基、セラニル基、オキシド基、あるいは、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜10員単環又は二環以上の不飽和、部分飽和又は完全飽和の複素環基(具体例:チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾチオフェニル基、イソベンゾフラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、クロメニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、1,2,4−トリアジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、アゼチジニル基、2−オキソアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、チオモリホリノ基、チオモルホリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、キヌクリジニル基など)などを挙げることができる。
これらの置換基は、さらに1種又は2種以上の他の置換基により置換されていてもよい。そのような例として、例えば、C〜Cのハロゲン化アルキル基(具体例:クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基など)、C〜Cのハロゲン化アルコキシ基(具体例:トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基など)、カルボキシ置換C〜Cアルキル基(具体例:カルボキシメチル基、カルボキシエチル基など)、C〜Cアルキル置換アミノ基(具体例:メチルアミノ基、エチルアミノ基など)、複素環置換C〜Cアルキリデン基(ここでいう複素環とは、上述した「窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の同一又は異なるヘテロ原子を環構成原子として含有する4〜10員単環又は二環以上の不飽和、部分飽和又は完全飽和の複素環」を表す。下記の説明においても特に言及しない場合には同様である。具体例:(チオフェン−2−イル)メチリデン基、(ピリジン−3−イル)メチリデン基、(ピラゾール−4−イル)メチリデン基など)、複素環−カルボニル基(具体例:(チオフェン−2−イル)カルボニル基、ニコチノイル基、(ピラゾール−4−イル)カルボニル基など)などを挙げることができる。また、上記の置換基のうち2つ以上の置換基がそれらが結合している原子(炭素原子、窒素原子、ホウ素原子など)と一緒になって環を形成してもよい。このような環には、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選ばれる1以上のヘテロ原子が環構成原子として含有されていてもよく、環上には1以上の置換基が存在していてもよい。環は単環又は縮合環のいずれでもよく、不飽和、部分飽和又は完全飽和のいずれであってもよい。
上記一般式(I)において、Xとしては、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)、及び式−NH−CH(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)を挙げることができ、好適には、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)である。
、R、R、及びRの定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
、R、R、及びRとしては、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられ、好適には、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、及びメトキシ基であり、さらに好適には、
(1)R、R、R、及びRがすべて水素原子、
(2)Rがメチル基、R、R、及びRが水素原子、
(3)R、R、及びRが水素原子、Rがメチル基、
(4)R、R、及びRが水素原子、Rがクロロ基、
(5)R、R、及びRが水素原子、Rがブロモ基、
(6)R、R、及びRが水素原子、Rがクロロ基、
(7)R及びRが水素原子、R及びRがメトキシ基、
であり、さらに特に好適には、
(1)R、R、R、及びRがすべて水素原子、
(2)R、R、及びRが水素原子、Rがメチル基、
である。
の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
としては、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、及び4−メトキシフェニル基であり、さらに好適には、メチル基、ヒドロキシメチル基、及び4−メトキシフェニル基である。Xが式−NH−CH(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)である場合、Rとしては、ヒドロキシメチル基が特に好ましい。
Rの定義における「置換基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
Rとしては、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられ、好適には、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキリデンアミノ基であり、さらに好適には、下記一般式(II):

[式中、
は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基、及び下記式:

で表される基であり、特にさらに好適には、下記一般式(II):

[式中、
は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基である。
の定義における「置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
としては、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、2−カルボキシエチル基、2−カルバモイルエチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、3−カルバモイルプロピル基、1−アダマンチル基、及び4−tert−ブチルフェニル基であり、さらに好適には、メチル基、トリフルオロメチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、及び3−カルボキシプロピル基である。
の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
としては、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び4−ニトロフェニル基であり、さらに好適には、フェニル基、3−クロロフェニル基、及び4−ニトロフェニル基である。
の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、及び置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基が挙げられ、好適には、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、(エトキシカルボニル)メトキシ基、及びカルボキシメトキシ基であり、さらに好適には、ヒドロキシ基及びカルボキシメトキシ基である。
上記一般式(I−1)において、X’としては、式−N=C(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)、及び式−NH−CH(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)を挙げることができ、好適には、式−N=C(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)である。
’、R’、R’、及びR’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
’、R’、R’、及びR’としては、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられ、好適には、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、及びメトキシ基であり、さらに好適には、
(1)R’、R’、R’、及びR’がすべて水素原子、
(2)R’がメチル基、R’、R’、及びR’が水素原子、
(3)R’、R’、及びR’が水素原子、R’がメチル基、
(4)R’、R’、及びR’が水素原子、R’がクロロ基、
(5)R’、R’、及びR’が水素原子、R’がブロモ基、
(6)R’、R’、及びR’が水素原子、R’がクロロ基、
(7)R’及びR’が水素原子、R’及びR’がメトキシ基、
であり、さらに特に好適には、
(1)R’、R’、R’、及びR’がすべて水素原子、
(2)R’、R’、及びR’が水素原子、R’がメチル基、
である。
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、及び4−メトキシフェニル基であり、さらに好適には、メチル基、ヒドロキシメチル基、及び4−メトキシフェニル基である。X’が式−NH−CH(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)である場合、R’としては、ヒドロキシメチル基が特に好ましい。
R’の定義における「置換基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
R’としては、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられ、好適には、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキリデンアミノ基であり、さらに好適には、下記一般式(II−1):

[式中、
’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を表す]
で表される基、及び下記式:

で表される基であり、特にさらに好適には、下記一般式(II−1):

[式中、
’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を表す]
で表される基である。
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、2−カルボキシエチル基、2−カルバモイルエチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、3−カルバモイルプロピル基、1−アダマンチル基、及び4−tert−ブチルフェニル基であり、さらに好適には、メチル基、トリフルオロメチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、及び3−カルボキシプロピル基である。
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、メチル基、フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び4−ニトロフェニル基であり、さらに好適には、フェニル基、3−クロロフェニル基、及び4−ニトロフェニル基である。
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基」の「置換基」としては、「置換基を有していてもよい」の語について言及した具体的な置換基と同様の基が挙げられる。
’としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、及び置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基が挙げられ、好適には、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、(エトキシカルボニル)メトキシ基、及びカルボキシメトキシ基であり、さらに好適には、ヒドロキシ基及びカルボキシメトキシ基である。
上記一般式(I−1)で表される化合物の範囲から、下記化合物群βで表される化合物は除かれる。
[化合物群β]

上記一般式(I−1)で定義される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物(ただし、上記化合物群βで表される化合物は除く)はいずれも新規化合物であり、本物質発明に基づく化合物の用途に関しては特に限定されない。
上記一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は塩を形成することができる。薬理学的に許容される塩としては、酸性基が存在する場合には、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩、又はアンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩をあげることができ、塩基性基が存在する場合には、例えば、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいはメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、乳酸塩等の有機酸塩をあげることができる。グリシンなどのアミノ酸と塩を形成する場合もある。本発明の医薬の有効成分としては、薬学的に許容される塩も好適に用いることができる。
上記一般式(I)及び(I−1)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もある。本発明の医薬の有効成分としては、上記のいずれの物質を用いてもよい。さらに一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学活性体やジアステレオマーなどの立体異性体として存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の立体異性体、光学対掌体又はジアステレオマーの任意の混合物、ラセミ体などを用いてもよい。
また、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物において、例えば、Rが下記一般式(II):

で表される基であり、Rがヒドロキシ基である場合、あるいは、R’が下記一般式(II−1):

で表される基であり、R’がヒドロキシ基である場合、上記一般式(II)又は(II−1)で表されるようなヒドロキシピラゾール構造として存在する場合のほかに、その互変異性体(tautomer)であるピラゾロン構造として存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の互変異性体又はそれらの混合物を用いてもよい。また、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物がオレフィン、イミン、アゾなどの二重結合を有する場合には、その配置はZ配置又はE配置のいずれでもよく、本発明の医薬の有効成分としてはいずれかの配置の幾何異性体又はそれらの混合物を用いてもよい。
本発明の医薬の有効成分として一般式(I)及び(I−1)に包含される化合物を以下に例示するが、本発明の医薬の有効成分は下記の化合物に限定されることはない。
なお、下記表において用いられる略語の意味は下記の通りである。
Me:メチル基、Et:エチル基、i−Pr:イソプロピル基、n−Bu:n−ブチル基、t−Bu:tert−ブチル基、Ph:フェニル基。




一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
[1]R又はR’が置換基を有していてもよいC〜Cのアルキリデンアミノ基である化合物の製造法
R又はR’が置換基を有していてもよいC〜Cのアルキリデンアミノ基である化合物は、例えば、3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体又は3−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキシキナゾリン−4−オン誘導体とアルデヒド誘導体又はケトン誘導体を脱水縮合することにより製造することができる。アルデヒド誘導体及びケトン誘導体は市販化合物若しくは各種の公知文献に記載された製造法により製造することができる。
以下に、代表例として、本発明の好ましい態様である、Rが下記一般式(II):

である化合物、及びR’が下記一般式(II−1):

である化合物の製造法を示す。
(1)ピラゾール部分の製造
ピラゾール部分は、例えば、以下の反応工程式1に示す方法によって、アルデヒド誘導体として製造することができる。
<反応工程式1>

[式中、R601は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R701は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R801は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R1001は、メチル基、エチル基などのアルキル基又はベンジル基などのアラルキル基などを示す]
例えば、β−ケトエステル誘導体(1)とヒドラジン誘導体(2)とを脱水縮合させることにより、2,5−ジ置換−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン誘導体(3)を製造することができる。この反応は、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。
溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
次に、得られた2,5−ジ置換−2,4−ジヒドロピラゾール−3−オン誘導体(3)をホルミル化することにより、1,3,5−トリ置換−4−ホルミル−1H−ピラゾール誘導体(4)を製造することができる。この反応は、オキシ塩化リンの存在下、N,N−ジメチルホルムアミド中、0℃〜溶媒の還流温度、好ましくは60〜100℃の反応温度で行われる。反応終了後、反応混合物を水で処理するとR801がヒドロキシ基である化合物が、また、炭酸水素ナトリウム水溶液で処理するとR801がクロロ基である化合物が得られる。次に、R801がヒドロキシ基である化合物は、アルキル化(具体例:ブロモ酢酸エチルエステルによる(エトキシカルボニル)メチル化)など;R801がヒドロキシ基である化合物は、置換反応(具体例:ナトリウムエトキシドとの反応によるエトキシ基の導入)などの官能基変換反応を行うことができる。該官能基変換反応は、種々の公知官能基変換反応を用いることができ、例えば、セオドラ・W.・グリーン(Theodora W.Green),ピーター・G.・M.・ブッツ(Peter G.M.Wuts)編「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシズ(Protective Groups in Organic Syntheses)」,(米国),第3版,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年4月;「ハンドブック・オブ・リエージェンツ・フォー・オーガニック・シンセシス(Handbook of Reagents for Organic Synthesis)」,(米国),全4巻,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年6月等に記載の方法を用いるこかができる。
(2)キナゾリノン部分の製造
キナゾリノン部分は、例えば、以下の反応工程式2に示す方法によって、3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体又は3−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン誘導体として製造することができる。
<反応工程式2>

[式中、R101は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R201は、一般式(I)におけるR又は一般式(I−1)におけるR’、あるいはそれらの前駆体を示し、R301は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R01は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R501は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R2001は、メチル基、エチル基などのアルキル基又はベンジル基などのアラルキル基などを示し、W501は、ハロゲン原子などを示す]
アントラニル酸エステル誘導体(5)をアシル化剤(6)でN−アシル化することにより、2−(アシルアミノ)安息香酸エステル誘導体(7)を製造することができる。この反応は、塩基及び/又は触媒の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、−80℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸;酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸;4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
次に、得られた2−(アシルアミノ)安息香酸エステル誘導体(7)とヒドラジン(1水和物)とを縮合、環化させることにより、3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(8)を製造することができる。この反応は、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の環流温度の反応温度で行われる。
溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
次に、得られた3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(8)を還元することにより、3−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(9)を製造することができる。この反応は、例えば、触媒の存在下、水素雰囲気下、溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。触媒としては、パラジウム−活性炭素、パラジウム−黒などの貴金属触媒などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;水などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
また、3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(8)は、以下の反応工程式3に示す方法によっても製造することができる。
<反応工程式3>

[式中、R101は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を表し、R201は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を表し、R301は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を表し、R401は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を表し、R501は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を表し、W501は、ハロゲン原子などを表す]
アントラニル酸誘導体(10)とアシル化剤(6)を縮合、環化させることにより、4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン誘導体(11)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、−80℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。また、ピリジンなどの塩基は溶媒として用いてもよい。
次に、得られた4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン誘導体(11)とヒドラジン(1水和物)とを縮合させることにより、3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(8)を製造することができる。この反応は、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。
溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
(3)ピラゾール部分とキナゾリノン部分の縮合、及び官能基変換による一般式(I)で表される化合物の製造
一般式(I)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式4及び反応工程式5に示す方法によって製造することができる。
<反応工程式4>

[式中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、一般式(I)及び(II)における定義と同義であり、R101は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R201は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R01は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R401は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R501は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R601は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R701は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R801は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示す]
<反応工程式5>

[式中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、一般式(I)及び(II)における定義と同義であり、R101は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R201は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R01は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R401は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R501は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R601は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R701は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示し、R801は、一般式(II)におけるR又はその前駆体を示す]
3−アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(8)と1,3,5−トリ置換−4−ホルミル−1H−ピラゾール誘導体(4)とを脱水縮合することにより、イミン誘導体(12)を製造することができる。この反応は、触媒の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸;酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸;4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;酢酸などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
イミン誘導体(12)において、官能基変換などを行う必要がある場合には、最後に官能基変換反応を行うことにより、最終目的物である化合物(13)を製造することができる。該官能基変換反応は、種々の公知官能基変換反応を用いることができ、例えば、セオドラ・W.・グリーン(Theodora W.Green),ピーター・G.・M.・ブッツ(Peter G.M.Wuts)編「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシズ(Protective Groups in Organic Syntheses)」,(米国),第3版,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年4月;「ハンドブック・オブ・リエージェンツ・フォー・オーガニック・シンセシス(Handbook of Reagents for Organic Synthesis)」,(米国),全4巻,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年6月等に記載の方法を用いることができる。
同様に、3−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(9)及び1,3,5−トリ置換−4−ホルミル−1H−ピラゾール誘導体(4)を用いて、イミン誘導体(14)及び最終目的物である化合物(15)を製造することができる。
一般式(I−1)で表される化合物も同様の方法で製造することができる。
[2]R又はR’が置換基を有していてもよいアミノ基である化合物の製造法
R又はR’が置換基を有していてもよいアミノ基である化合物は、例えば、以下の反応工程式6に示す方法によって、4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン誘導体とヒドラジン誘導体を脱水縮合することにより製造することができる。
<反応工程式6>

[式中、R、R、R、R、及びRは、一般式(I)における定義と同義であり、R101は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R201は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R301は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R401は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、R501は、一般式(I)におけるR又はその前駆体を示し、Rは、置換基を有していてもよいアミノ基を示し、R3001は、置換基を有していてもよいアミノ基又はその前駆体を示す]
4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン誘導体(11)とヒドラジン誘導体(16)を脱水縮合することにより、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(17)を製造することができる。
この反応は、触媒の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸;酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸;4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;酢酸などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン誘導体(17)において、官能基変換などを行う必要がある場合には、最後に官能基変換反応を行うことにより、最終目的物である化合物(18)を製造することができる。該官能基変換反応は、種々の公知官能基変換反応を用いることができ、例えば、セオドラ・W.・グリーン(Theodora W.Green),ピーター・G.・M.・ブッツ(Peter G.M.Wuts)編「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシズ(Protective Groups in Organic Syntheses)」,(米国),第3版,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年4月;「ハンドブック・オブ・リエージェンツ・フォー・オーガニック・シンセシス(Handbook of Reagents for Organic Synthesis)」,(米国),全4巻,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.),1999年6月等に記載の方法を用いることができる。
ヒドラジン誘導体(16)は市販化合物若しくは各種の公知文献に記載された製造法により製造することができる。
一般式(I)で表される化合物が1以上の不斉炭素を有し、その光学活性体を製造する場合には、光学活性な原料を用いて製造してもよいし、一旦ラセミ体を製造した後に光学分割してもよい。光学分割の方法としては当業者に周知の方法を用いることができ、例えば、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを用いることができる。
一般式(I−1)で表される化合物も同様の方法で製造することができる。
以上のような方法で製造された一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は当業者に周知の方法、例えば、抽出、沈殿、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、懸濁洗浄、再結晶などにより、単離、精製することができる。また、本発明化合物の薬理学的に許容される塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物も、それぞれ当業者に周知の方法で製造することができる。
本明細書の実施例には、一般式(I)及び(I−1)に包含される代表的化合物の製造方法が具体的に説明されている。従って、当業者は、上記の一般的な製造方法の説明及び実施例の具体的製造方法の説明を参照しつつ、適宜の反応原料、反応試薬、反応条件を選択し、必要に応じてこれらの方法に適宜の修飾ないし改変を加えることによって、一般式(I)及び(I−1)に包含される化合物をいずれも製造可能である。
一般式(I)及び(I−1)で示される化合物は造血器型プロスタグランジンD2(PGD2)合成酵素に対する阻害作用を有しており、アレルギー性炎症抑制剤として好適に用いることができる。上記の医薬は、アレルギー反応に起因する炎症疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。より具体的には、本発明の医薬は、次に示すようなアレルギー性炎症反応が関与していると考えられる疾患、例えば接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、花粉症、喘息、気管支炎、血管炎、鼻炎、鼻閉、間質性肺炎、関節炎、眼炎、結膜炎、神経炎、中耳炎、脳脊髄炎、膀胱炎、喉頭炎、食物アレルギー、昆虫アレルギー、薬物アレルギー、アナフェラキシーショックなどのアレルギー性疾患、さらにはプロスタグランジンD2の過剰産生による血管拡張や血管透過性昂進や炎症細胞の浸潤を伴う組織障害の拡大の予防及び/又は治療薬として有用である。
また、最近の研究から、脳血管障害、脳変性疾患、脱髄疾患等の疾患による脳損傷部位では、ミクログリア細胞やマクロファージにおいて造血器型プロスタグランジンD2合成酵素(H−PGDS)の発現が増加し、損傷部位で顕著な活性化が認められるアストログリア細胞ではプロスタグランジンD受容体(DP受容体)が誘導されることが確認された(特願2002−204725号明細書)。脳損傷モデル動物にHQL−79の様なH−PDGS阻害剤またはDP受容体の拮抗剤を投与するとアストログリア細胞の活性化が抑制され、H−PGDS大量発現トランスジェニックマウスでの脳損傷モデルでは損傷が増悪されることから、PGD2が脳損傷の増悪に関係していることは明らかである。従って、H−PGDSの強力な阻害剤は、脳損傷の増悪の予防及び/又は脳損傷の予後の改善に有用な薬剤として有用であり、本発明の医薬もこの目的に使用できる。本発明の医薬の適用対象となる脳損傷は特に限定されず、例えば、交通事故等による外傷性のもの、脳梗塞や脳出血等の脳血管障害によるもの、脳変性疾患、脱髄疾患等によるものなどを例示することができるが、これらに限定されることはない。
さらに、プロスタグランジンD2が、睡眠の誘発、体温低下、黄体ホルモン分泌抑制、痛みや匂いの応答調節作用に関与していることが知られていることから(「ビタミンズ・アンド・ホルモンズ(Vitamins and hormones)」,(米国),2000年,第58巻,p.89−120;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」,(米国),1985年,第260巻,第23号,p.12140−12145;「バイオキミカ・エトゥ・バイオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)」,(オランダ),2000年,第1482巻,第1−2号,p.259−271)、本発明の医薬は、性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する医薬として有用である。
本発明の医薬の有効成分としては、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物及び薬理学的に許容されるそれらの塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の1種又は2種以上を用いることができる。本発明の医薬としては上記の物質自体を用いてもよいが、好適には、本発明の医薬は有効成分である上記の物質と1又は2以上の薬学的に許容される製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供される。上記医薬組成物において、製剤用添加物に対する有効成分の割合は、1重量%から90重量%程度である。
本発明の医薬は、例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、又は液剤などの経口投与用の医薬組成物として投与してもよいし、静脈内投与、筋肉内投与、若しくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤などの非経口投与用の医薬組成物として投与することもできる。粉末の形態の医薬組成物として調製された製剤を用時に溶解して注射剤又は点滴剤として使用してもよい。
医薬用組成物の製造には、固体又は液体の製剤用添加物を用いることができる。製剤用添加物は有機又は無機のいずれであってもよい。すなわち、経口用固形製剤を製造する場合は、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの形態の製剤を調製することができる。用いられる賦形剤としては、例えば、乳糖、蔗糖、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、デンプン、タルク、ソルビット、結晶セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素などを挙げることができる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチンなどを挙げることができる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化直物油などを挙げることができる。着色剤としては、通常医薬品に添加することが許可されているものであればいずれも使用することができる。矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などを使用することができる。これらの錠剤、顆粒剤には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングを付することができる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤等を添加することができる。
経口投与のための液体製剤、例えば、乳剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤の製造には、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水又は植物油を用いることができる。この製剤には、不活性な希釈剤以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤又は保存剤を配合することができる。液体製剤を調製した後、ゼラチンのような吸収されうる物質のカプセル中に充填してもよい。非経口投与用の製剤、例えば注射剤又は坐剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁剤としては、例えば、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンを挙げることができる。坐剤の製造に用いられる基剤としては、例えば、カカオ脂、乳化カカオ脂、ラウリン脂、ウィテップゾールを挙げることができる。製剤の調製方法は特に限定されず、当業界で汎用されている方法はいずれも利用可能である。
注射剤の形態にする場合には、担体として、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸及び水酸化ナトリウム等の希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸ナトリウム等のpH調整剤及び緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸及びチオ乳酸等の安定化剤等が使用できる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するために十分な量の食塩、ブドウ糖、マンニトール又はグリセリンを製剤中に配合してもよく、通常の溶解補助剤、無痛化剤又は局所麻酔剤等を使用することもできる。
軟膏剤、例えば、ペースト、クリーム及びゲルの形態にする場合には、通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤及び保存剤等を必要に応じて配合することができ、常法により成分を混合して製剤化することができる。基剤としては、例えば、白色ワセリン、ポリエチレン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン及びベントナイト等を使用することができる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等を使用することができる。貼付剤の形態にする場合には、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル又はペースト等を常法により塗布することができる。支持体としては、綿、スフ及び化学繊維からなる織布又は不織布;軟質塩化ビニル、ポリエチレン及びポリウレタン等のフィルム又は発泡体シートを好適に使用できる。
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、経口投与の場合には、成人一日あたり本発明化合物の重量として通常0.01〜5,000mgである。この投与量を患者の年令、病態、症状に応じて適宜増減することが好ましい。前記一日量は一日に一回、又は適当な間隔をおいて一日に2〜3回に分けて投与してもよいし、数日おきに間歇投与してもよい。注射剤として用いる場合には、成人一日あたり本発明化合物重量として0.001〜100mg程度である。
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。実施例中、化合物番号は上記の表において示した化合物の番号と対応させてある。
例1:化合物番号1の化合物の製造
(1)2−(アセトアミド)安息香酸メチルエステル
アントラニル酸メチルエステル(3.02g,20mmol)及びトリエチルアミン(3.5mL,25mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、氷冷下、アセチルクロリド(1.57mL,22mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物を氷水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた固体をメタノールで懸濁洗浄、n−ヘキサン/酢酸エチルから再結晶して、標題化合物の白色結晶(0.98g,25.4%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.72(3H,s),4.90(2H,s),7.45(1H,t,J=6.9Hz),7.63−7.71(1H,m),7.74−7.77(1H,m),8.22−8.25(1H,m).
(2)3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
2−(アセトアミド)安息香酸メチルエステル(0.95g,4.92mmol)のエタノール(5mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(1.4mL,28.9mmol)を加え、8時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、析出した結晶を濾取、メタノールから再結晶して、標題化合物の白色結晶(0.42g,48.7%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.72(3H,s),4.90(2H,s),7.45(1H,t,J=6.9Hz),7.63−7.71(1H,m),7.74−7.77(1H,m),8.22−8.25(1H,m).
(3)3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド
3−メチル−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オン(2.90g,16.6mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)溶液に、氷冷下、オキシ塩化リン(1.85mL,19.8mmol)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、氷水にあけ、室温で終夜攪拌した。析出した固体を濾取、水洗、減圧乾燥した。この固体をイソプロピルエーテルで洗浄して、標題化合物の黄色固体(1.70g,50.4%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.43(3H,s),7.28−7.33(1H,m),7.42−7.48(2H,m),7.79−7.82(2H,m),9.52(1H,s),9.90(1H,s).
(4)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号1)の製造
3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(0.069g,0.342mmol)のエタノール(1mL)溶液に、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(0.05g,0.285mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾取、エタノールで洗浄して、標題化合物の黄色結晶(0.084g,81.6%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.25(3H,s),2.64(3H,s),7.14(1H,t,J=7.5Hz),7.35(2H,t,J=8.1Hz),7.47−7.53(2H,m),7.65(1H,d,J=7.8Hz),7.77−7.82(1H,m),7.88(2H,dd,J=8.7,1.2Hz),8.23(1H,dd,J=7.8,1.2Hz).
例2:化合物番号2の化合物の製造
(1)5−クロロ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
3−メチル−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オン(1.74g,10mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、氷冷下、オキシ塩化リン(1.12mL,12mmol)を加え、80℃で1時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、氷水にあけ、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で終夜攪拌した。この混合物を酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して、標題化合物の白色固体(1.237g,56.1%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.53(3H,s),7.46−7.54(5H,m),9.96(1H,s).
(2)3−[(5−クロロ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号2)の製造
5−クロロ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒド(22mg,0.1mmol)のトルエン(2.5mL)溶液に、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物;17.5mg,0.1mmol)及び触媒量のパラトルエンスルホン酸を加え、8時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、不溶物を濾過、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して、標題化合物の淡黄色固体(14.4mg,38.1%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.50(3H,s),2.55(3H,s),7.50−7.67(7H,m),7.83(1H,t,J=7.0Hz),8.17(1H,d,J=7.7Hz),8.90(1H,s).
例3:化合物番号3の化合物の製造
(1)5−エトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
5−クロロ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒド(例2(1)の化合物;0.110g,0.5mmol)のエタノール(4mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(0.044g,0.65mmol)を加え、60℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、溶媒を減圧留去して得られた残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、標題化合物の黄色油状物(0.068g,59.2%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.36(3H,t,J=7.0Hz),2.50(3H,s),4.43(2H,q,J=7.0Hz),7.33−7.38(1H,m),7.44−7.50(2H,m),7.64−7.67(2H,m),9.91(1H,s).
(2)3−[(5−エトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号3)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び5−エトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:加熱還流、7時間
収率:19.4%
H−NMR(CDCl):δ 1.33(3H,t,J=7.0Hz),2.56(3H,s),2.66(3H,s),4.27(2H,q,J=7.0Hz),7.33−7.38(1H,m),7.43−7.50(3H,m),7.66−7.77(4H,m),8.23−8.31(1H,m),8.81(1H,s).
例4:化合物番号4の化合物の製造
(1)5−(エトキシカルボニル)メトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物;0.404g,2mmol)のアセトン(20mL)溶液に、炭酸カリウム(2.76g,20mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。この混合物に、ブロモ酢酸エチルエステル(0.27mL,2.4mmol)を加え、8時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、不溶物を濾過、溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して、標題化合物の黄色油状物(0.214g,37.1%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.22(3H,t,J=7.3Hz),2.45(3H,s),4.17(2H,q,J=7.3Hz),5.23(2H,s),7.34−7.49(3H,m),7.69−7.73(2H,m),9.78(1H,s).
(2)3−{[5−(エトキシカルボニル)メトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号4)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び5−(エトキシカルボニル)メトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:キシレン/酢酸混合溶媒
反応:加熱還流、24時間
収率:29.0%
H−NMR(CDCl):δ 1.18(3H,t,J=7.3Hz),2.50(3H,s),2.63(3H,s),4.16(2H,q,J=7.1Hz),4.92(2H,s),7.34−7.51(4H,m),7.66−7.77(4H,m),8.28(1H,dd,J=7.9,1.0Hz),8.78(1H,s).
例5:化合物番号5の化合物の製造
3−{[5−(エトキシカルボニル)メトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号4;30mg,0.067mmol)のメタノール(3mL)溶液に、水酸化カリウム水溶液(11.2mg/0.1mL)を加え、室温で15分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣に蒸留水を加え、不溶物を濾過した。濾液に1規定塩酸を加えて酸性とし、析出した結晶を濾取、水洗して、標題化合物の白色固体(14.7mg,50.8%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.41(3H,s),2.49(3H,s),5.11(2H,s),7.38−7.43(1H,m),7.50−7.56(3H,m),7.64−7.67(1H,m),7.75−7.85(3H,m),8.16(1H,dd,J=7.9,1.3Hz),8.79(1H,s),13.20(1H,brs).
例6:化合物番号6の化合物の製造
(1)3−エチル−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
3−オキソペンタン酸エチルエステル(4.90g,34mmol)のエタノール(35mL)溶液に、フェニルヒドラジン(3.79g,35mmol)を加え、8時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、析出した固体を濾取、エタノールで洗浄して、標題化合物の白色結晶(6.16g,96.2%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H,t,J=7.6Hz),2.52(2H,q,J=7.6Hz),3.42(2H,s),7.13−7.20(1H,m),7.35−7.41(2H,m),7.86−7.89(2H,m).
(2)3−エチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−エチル−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:80.6%
H−NMR(CDCl):δ 1.37(3H,t,J=7.6Hz),2.81(2H,q,J=7.6Hz),4.87(1H,br),7.27−7.33(1H,m),7.43−7.49(2H,m),7.82(2H,d,J=7.6Hz),9.56(1H,s).
(3)3−[(3−エチル−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号6)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−エチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:89.5%
H−NMR(CDOD):δ 1.28(3H,t,J=7.4Hz),2.59−2.69(5H,m),6.92(1H,brs),7.08(1H,t,J=7.1Hz),7.24(1H,t,J=7.6Hz),7.34(1H,brs),7.51(1H,t,J=7.6Hz),7.62−7.64(1H,m),7.77−7.84(2H,m),8.16−8.18(2H,m).
例7:化合物番号7の化合物の製造
(1)5−オキソ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:14.8%
H−NMR(CDCl):δ 5.47(1H,brs),7.37−7.52(3H,m),7.80(2H,d,J=7.6Hz),9.78(1H,s).
(2)3−[(5−ヒドロキシ−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号7)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び5−オキソ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:室温攪拌、2時間
収率:56.4%
H−NMR(CDCl):δ 2.57(3H,s),6.96−7.77(8H,m),8.14−8.27(2H,m).
例8:化合物番号8の化合物の製造
(1)3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、β−ケトアジピン酸ジエチルエステル、及びフェニルヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:92.1%
H−NMR(CDCl):δ 1.28(3H,t,J=7.3Hz),2.72−2.84(4H,m),3.46(2H,s),4.18(2H,q,J=7.3Hz),7.15−7.20(1H,m),7.35−7.41(2H,m),7.85(2H,d,J=7.6Hz).
(2)3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:70.7%
H−NMR(CDCl):δ 1.27(3H,t,J=7.3Hz),2.84(2H,t,J=7.3Hz),3.11(2H,t,J=7.3Hz),4.17(2H,q,J=7.3Hz),7.26−7.33(1H,m),7.42−7.53(2H,m),7.80(2H,d,J=7.8Hz),8.56(1H,brs),9.59(1H,s).
(3)3−({3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号8)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:68.5%
H−NMR(CDOD):δ 1.22(3H,t,J=7.3Hz),2.60(3H,s),2.76(2H,t,J=7.3Hz),2.93(2H,t,J=7.3Hz),4.12(2H,q,J=7.3Hz),7.08−7.11(1H,m),7.23−7.35(2H,m),7.49−7.65(2H,m),7.80−7.85(3H,m),8.17−8.19(2H,m).
例9:化合物番号9の化合物の製造
下記反応条件下、例5と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−({3−[2−(エトキシカルボニル)エチル]−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号8)
塩基:水酸化ナトリウム水溶液
溶媒:メタノール
反応:50℃、3時間
収率:87.7%
H−NMR(CDOD):δ 2.51(3H,s),2.67(2H,t,J=6.8Hz),2.81(2H,t,J=6.6Hz),7.02−7.08(1H,m),7.23−7.29(2H,m),7.42−7.47(1H,m),7.53−7.56(1H,m),7.71−7.81(3H,m),8.02(1H,s),8.11(1H,d,J=7.6Hz).
例10:化合物番号10の化合物の製造
塩化アンモニウム(0.053g,1mmol)のベンゼン懸濁液に、1mol/Lトリメチルアルミニウム/n−ヘキサン溶液(2mL,2mmol)、次いで3−{[3−(2−カルボキシエチル)−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号9;0.0891g,0.2mmol)のベンゼン溶液を加え、室温で1時間、次いで50℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、氷水にあけ、ベンゼンで抽出した。ベンゼン層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して、標題化合物の淡黄色粉末(0.0487g,58.5%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.50−2.54(5H,m),2.87(2H,t,J=7.8Hz),6.74(1H,s),7.03(1H,t,J=6.9Hz),7.32(3H,m),7.49(1H,t,J=7.4Hz),7.61−7.65(1H,m),7.80(1H,t,J=7.1Hz),8.04−8.13(3H,m),3.12(1H,s).
例11:化合物番号11の化合物の製造
(1)3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、3−オキソピメリン酸ジエチルエステル、及びフェニルヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:76.8%
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H,t,J=7.3Hz),1.96−2.07(2H,m,),2.45(2H,t,J=7.3Hz),2.55(2H,t,J=7.3Hz),3.44(2H,s),4.14(2H,q,J=7.3Hz),7.15−7.20(1H,m),7.36−7.42(2H,m),7.84−7.88(2H,m).
(2)3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 1.27(3H,t,J=7.1Hz),2.08−2.15(2H,m),2.43−2.51(2H,m),2.81−2.89(2H,m),4.15(2H,q,J=7.1Hz),5.17(1H,brs),7.27−7.34(1H,m),7.43−7.50(2H,m),7.78−7.82(2H,m),9.57(1H,s).
(3)3−({3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号11)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:64.1%
H−NMR(CDOD):δ 1.18(3H,t,J=7.1Hz),1.96(2H,t,J=7.0Hz),2.41(2H,t,J=7.0Hz),2.52−2.69(5H,m),4.07(2H,q,J=7.1Hz),6.83−7.09(3H,m),7.34−7.49(2H,m),7.58−7.81(3H,m),8.11−8.14(1H,m),8.23−8.31(1H,m).
例12:化合物番号12の化合物の製造
下記反応条件下、例5と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−({3−[3−(エトキシカルボニル)プロピル]−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号11)
塩基:水酸化ナトリウム水溶液
溶媒:メタノール
反応:50℃、3時間
収率:58.8%
H−NMR(CDOD):δ 2.02(2H,t,J=7.4Hz),2.44(2H,t,J=7.1Hz),2.62(3H,s),2.69(2H,t,J=7.5Hz),7.19(1H,t,J=7.4Hz),7.38(2H,t,J=8.0Hz),7.56(1H,t,J=7.5Hz),7.67(1H,d,J=8.2Hz),7.83−7.87(3H,m),8.12(1H,s),8.21−8.24(1H,m).
例13:化合物番号13の化合物の製造
原料として、3−{[3−(3−カルボキシプロピル)−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号12)を用いて例10と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:51.7%
H−NMR(DMSO−d):δ 1.77−1.80(2H,m),2.11(2H,t,J=7.1Hz),2.50−2.54(5H,m),6.71−6.85(4H,m),7.23−7.48(5H,m),7.68(1H,t,J=7.4Hz),8.11(1H,d,J=7.6Hz),8.53(1H,s).
例14:化合物番号14の化合物の製造
(1)1,3−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:6.2%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.22(3H,s),3.43(3H,s),9.64(1H,s).
(2)3−[(1,3−ジメチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号14)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び1,3−ジメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデビドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:67.6%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.12(3H,s),2.51(3H,s),3.31(3H,s),7.54(1H,t,J=7.4Hz),7.64−7.67(1H,m),7.82−7.88(1H,m),8.11−8.16(2H,m).
例15:化合物番号15の化合物の製造
(1)1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:54.2%
H−NMR(CDCl):δ 2.44(3H,s),7.38−7.47(3H,m),7.53−7.57(1H,m),8.36(1H,brs),9.57(1H,s).
(2)3−{[1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号15)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:71.8%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.15(3H,s),2.49(3H,s),7.43−7.69(6H,m),7.85−7.90(1H,m),8.13−8.18(2H,m).
例16:化合物番号16の化合物の製造
(1)1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、アセト酢酸エチルエステル、及び(3−クロロフェニル)ヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:35.6%
H−NMR(CDCl):δ 2.20(3H,s),3.44(2H,s),7.12−7.16(1H,m),7.28−7.34(1H,m),7.81−7.85(1H,m),7.92−7.94(1H,m).
(2)1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:83.9%
H−NMR(CDCl):δ 2.42(3H,s),7.25−7.28(1H,m),7.46−7.47(1H,m),7.74−7.77(1H,m),7.88−7.90(1H,m),9.01(1H,brs),9.40(1H,s).
(3)3−{[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号16)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:52.9%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.19(3H,s),2.50(3H,s),7.19(1H,d,J=8.3Hz),7.44(1H,t,J=8.3Hz),7.56(1H,t,J=7.9Hz),7.68(1H,d,J=7.9Hz),7.85−7.90(1H,m),7.96−7.99(1H,m),8.10−8.16(2H,m),8.21(1H,s).
例17:化合物番号17の化合物の製造
(1)1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、アセト酢酸エチルエステル、及び(4−クロロフェニル)ヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:45.4%
H−NMR(CDCl):δ 2.20(3H,s),3.44(2H,s),7.33−7.37(2H,m),7.82−7.86(2H,m).
(2)1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:90.4%
H−NMR(CDCl):δ 2.41(3H,s),4.17(1H,s),7.40−7.42(2H,m),7.73−7.81(2H,m),9.44(1H,s).
(3)3−{[1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号17)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:67.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.23(3H,s),2.62(3H,s),7.19−7.23(2H,m),7.44−7.52(2H,m),7.60(1H,d,J=8.3Hz),7.75−7.81(3H,m),8.16−8.19(1H,m).
例18:化合物番号18の化合物の製造
(1)3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:45.8%
H−NMR(CDCl):δ 2.38(3H,s),2.42(3H,s),6.66(1H,brs),7.26(2H,d,J=8.6Hz),7.66(2H,d,J=8.6HZ),9.55(1H,s).
(2)3−{[3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号18)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:40−50℃、2時間
収率:63.3%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.20(3H,s),2.29(3H,s),7.18(2H,d,J=8.6Hz),7.53(1H,t,J=7.6Hz),7.66(1H,d,J=8.3Hz),7.82−7.89(3H,m),8.12−8.15(2H,m).
例19:化合物番号19の化合物の製造
(1)3−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、アセト酢酸エチルエステル、及び(4−メトキシフェニル)ヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:29.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.19(3H,s),3.40(2H,s),3.81(3H,s),6.89−6.94(2H,m),7.70−7.76(2H,m).
(2)3−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:54.5%
H−NMR(CDCl):δ 2.42(3H,s),3.84(3H,s),6.94−6.99(2H,m),7.64−7.69(2H,m),9.35(1H,s),9.56(1H,s).
(3)3−{[3−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号19)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:77.0%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.16(3H,s),2.49(3H,s),3.43(3H,s),6.99(2H,d,J=8.9Hz),7.56(1H,t,J=7.4Hz),7.68(1H,d,J=7.9Hz),7.83−7.90(3H,m),8.13−8.17(2H,m).
例20:化合物番号20の化合物の製造
(1)3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:72.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.56(3H,s),7.05(1H,brs),7.83−7.87(2H,m),8.39−8.42(2H,m),10.01(1H,s).
(2)3−{[3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシピラゾール−4−イル]メチリデン}アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号20)の製造
原料として、3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドを用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:73.3%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.50(3H,s),2.51(3H,s),7.47(1H,t,J=7.3Hz),7.61(1H,d,J=7.9Hz),7.77(1H,t,J=7.9Hz),8.05(1H,s),8.11(1H,d,J=7.7Hz),8.19(2H,d,J=8.6Hz),8.35(2H,d,J=8.6Hz).
例21:化合物番号21の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−エチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:50−60℃、2時間
収率:87.1%
H−NMR(CDCl):δ 1.39(3H,t,J=7.3Hz),2.25(3H,s),2.92(2H,q,J=7.3Hz),5.09(1H,br),7.11−7.16(3H,m),7.32−7.38(2H,m),7.46−7.52(2H,m),7.67−7.82(2H,m),7.87−7.90(2H,m),8.22(1H,dd,J=8.0,1.4Hz).
例22:化合物番号22の化合物の製造
(1)2−(イソブチリルアミノ)安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及びイソブチリルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 1.30(6H,d,J=7.7Hz),2.58−2.68(1H,m),3.93(3H,s),7.04−7.09(1H,m),7.51−7.57(1H,m),8.01−8.05(1H,m),8.74−8.77(1H,m),11.1(1H,brs).
(2)3−アミノ−2−イソプロピル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−(イソブチリルアミノ)安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:56.5%
H−NMR(CDCl):δ 1.37(6H,d,J=6.9Hz),3.72−3.81(1H,m),4.83(2H,s),7.41−7.47(1H,m),7.68−7.76(2H,m),8.29(1H,d,J=8.0Hz).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−イソプロピル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号22)の製造
原料として、3−アミノ−2−イソプロピル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:54.2%
H−NMR(CDCl):δ 1.37(6H,d,J=6.6Hz),2.25(3H,s),3.33−3.42(1H,m),5.44(1H,brs),7.11−7.16(1H,m),7.33−7.38(2H,m),7.46−7.51(2H,m),7.68−7.81(2H,m),7.89−7.92(2H,m),8.21−8.24(1H,m).
例23:化合物番号23の化合物の製造
(1)2−(バレリルアミノ)安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及びバレリルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 0.97(3H,t,J=7.3Hz),1.39−1.46(2H,m),1.70−1.77(2H,m),2.45(2H,t,J=7.6Hz),3.93(3H,s),7.04−7.10(1H,m),7.51−7.57(1H,m),8.01−8.04(1H,m),8.73−8.76(1H,m),11.06(1H,brs).
(2)3−アミノ−2−ブチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−(バレリルアミノ)安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:70.6%
H−NMR(CDCl):δ 0.99(3H,t,J=7.3Hz),1.44−1.56(2H,m),1.77−1.87(2H,m),3.03(2H,t,J=8.0Hz),4.86(2H,s),7.41−7.47(1H,m),7.65−7.76(2H,m),8.22−8.25(1H,m).
(3)2−ブチル−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号23)の製造
原料として、3−アミノ−2−ブチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:56.1%
H−NMR(DMSO−d):δ 0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.32−1.45(2H,m),1.68−1.78(2H,m),2.25(3H,s),2.81(2H,t,J=7.7Hz),3.64(1H,brs),7.04(1H,t,J=7.0Hz),7.33(2H,t,J=7.7Hz),7.50(1H,t,J=7.6Hz),7.65(1H,d,J=8.2Hz),7.77−7.82(1H,m),8.02−8.14(4H,m).
例24:化合物番号24の化合物の製造
(1)2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
アントラニル酸(1.37g,10mmol)のピリジン(30mL)溶液に、氷冷下、ベンゾイルクロリド(2.32mL,20mmol)を加え、60℃で7時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、氷水にあけた。析出した結晶を濾取、水洗後、メタノールから再結晶して、標題化合物の白色結晶(1.95g,87.5%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 7.49−7.60(4H,m),7.61−7.87(2H,m),8.24−8.34(3H,m).
(2)3−アミノ−2−フェニル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(1.00g,4.48mmol)のエタノール(20mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.44mL,9mmol)を加え、12時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、溶媒を減圧留去、キシレンを加え、12時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、溶媒を減圧留去して得られた固体をメタノールで懸濁洗浄して、標題化合物の白色結晶(0.77g,72.6%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 5.02(2H,S),7.48−7.57(4H,m),7.78−7.81(4H,m),8.31−8.34(1H,m).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−フェニル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号24)の製造
原料として、3−アミノ−2−フェニル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:77.8%
H−NMR(CDCl):δ 2.17(3H,s),7.10−7.13(1H,m),7.29−7.34(2H,m),7.47−7.58(5H,m),7.68−7.72(2H,m),7.80−7.83(4H,m),8.30(1H,d,J=8.2Hz).
例25:化合物番号25の化合物の製造
(1)2−tert−ブチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
原料として、アントラニル酸、及びピバロイルクロリドを用いて例24(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 1.40(9H,s),7.46−7.52(1H,m),7.57−7.60(1H,m),7.75−7.81(1H,m),8.17−8.20(1H,m).
(2)3−アミノ−2−tert−ブチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例24(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2−tert−ブチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、及びヒドラジン一水和物
溶媒:キシレン
反応:加熱還流、20時間
収率:75.1%
H−NMR(CDCl):δ 1.58(9H,s),4.74(2H,s),7.41−7.47(1H,m),7.66−7.76(2H,m),8.23(1H,d,J=8.3Hz).
(3)2−tert−ブチル−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号25)の製造
原料として、3−アミノ−2−tert−ブチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:39.8%
H−NMR(CDCl):δ 1.55(9H,s),2.26(3H,s),3.30(1H,brs),7.18(1H,t,J=7.4Hz),7.38−7.54(4H,m),7.71−7.83(2H,m),7.96(2H,d,J=7.6Hz),8.22−8.25(1H,m).
例26:化合物番号26の化合物の製造
(1)2−[(アセトキシアセチル)アミノ]安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及びアセトキシアセチルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:97.3%
H−NMR(CDCl):δ 2.33(3H,s),3.93(3H,s),4.74(2H,s),7.10−7.16(1H,m),7.54−7.59(1H,m),8.03−8.06(1H,m),8.72−8.76(1H,m),11.70(1H,br).
(2)3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−[(アセトキシアセチル)アミノ]安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:88.5%
H−NMR(DMSO−d):δ 4.69(2H,d,J=5.6Hz),5.14(1H,t,J=5.6Hz),5.69(2H,s),7.50−7.56(1H,m),7.70(1H,d,J=7.9Hz),7.80−7.86(1H,m),8.15(1H,dd,J=8.1,1.2Hz).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号26)の製造
原料として、3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:51.9%
H−NMR(CDCl):δ 2.25(3H,s),4.73(2H,br),4.84(2H,s),7.15(1H,t,J=7.4Hz),7.35(1H,t,J=7.9Hz),7.47−7.57(1H,m),7.65(1H,s),7.69−7.85(4H,m),8.26(1H,d,J=7.9Hz).
例27:化合物番号27の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例26(2)の化合物)、及び5−(エトキシカルボニル)メトキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−カルバルデヒド(例4(1)の化合物)
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:加熱還流、12時間
収率:54.1%
H−NMR(CDCl):δ 1.20(3H,t,J=7.1Hz),2.50(3H,s),4.13−4.21(3H,m),4.75(2H,d,J=4.6Hz),4.83(2H,s),7.35−7.54(4H,m),7.72−7.82(4H,m),8.30−8.34(1H,m),9.07(1H,s).
例28:化合物番号28の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例26(2)の化合物)、及び5−オキソ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例7(1)の化合物)
溶媒:エタノール/酢酸混合溶媒
反応:加熱還流、4.5時間
収率:21.3%
MS(EI)m/z:429(M),255,253,176,174,77.
例29:化合物番号29の化合物の製造
(1)2−[(メトキシアセチル)アミノ]安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及びメトキシアセチルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:97.2%
H−NMR(CDCl):δ 3.57(3H,s),3.95(3H,s),4.17(2H,s),7.09−7.15(1H,m),7.52−7.59(1H,m),8.05(1H,dd,J=7.9,1.7Hz),8.81(1H,dd,J=8.6,1.0Hz),11.73(1H,br).
(2)3−アミノ−2−メトキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2−[(メトキシアセチル)アミノ]安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、15時間
収率:58.5%
H−NMR(DMSO−d):δ 3.44(3H,s),4.67(2H,s),5.66(2H,s),7.51−7.57(1H,m),7.70(1H,d,J=8.2Hz),7.79−7.86(1H,m),8.14(1H,dd,J=8.2,1.3Hz).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メトキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号29)の製造
原料として、3−アミノ−2−メトキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:73.3%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.20(3H,s),2.49(3H,s),3.40(3H,s),4.53(2H,s),7.12(1H,t,J=7.3Hz),7.36−7.42(2H,m),7.61(1H,t,J=7.3Hz),7.74−7.77(1H,m),7.87−7.97(3H,m),8.00−8.20(2H,m).
例30:化合物番号30の化合物の製造
(1)2−(4−メトキシフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
原料として、アントラニル酸、及び4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて例24(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:85.2%
H−NMR(CDCl):δ 3.90(3H,s),7.00(2H,d,J=8.9Hz),7.45−7.50(1H,m),7.65(1H,d,J=7.6Hz),7.77−7.83(1H,m),8.20−8.28(1H,m),8.26(2H,d,J=8.7Hz).
(2)3−アミノ−2−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例24(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2−(4−メトキシフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、及びヒドラジン一水和物
溶媒:キシレン
反応:加熱還流、32時間
収率:90.3%
H−NMR(CDCl):δ 3.88(3H,s),5.05(2H,s),6.98−7.04(2H,m),7.46−7.52(1H,m),7.75−7.85(4H,m),8.28−8.31(1H,m).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号30)の製造
原料として、3−アミノ−2−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:59.3%
H−NMR(CDCl):δ 2.10(3H,s),3.79(3H,s),7.01−7.14(3H,m),7.38(2H,t,J=7.9Hz),7.62(1H,t,J=7.6Hz),7.74−7.79(3H,m),7.89−7.95(3H,m),8.18−8.22(2H,m).
例31:化合物番号31の化合物の製造
(1)2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及び3−メトキシベンゾイルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:82.2%
H−NMR(CDCl):δ 3.90(3H,s),4.08(3H,s),6.98−7.13(3H,m),7.45−7.60(2H,m),8.03(1H,dd,J=7.9,1.7Hz),7.19(1H,dd,J=7.8,1.7Hz),12.01(1H,br).
(2)3−アミノ−2−(3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物
溶媒:トルエン
反応:加熱還流、17時間
収率:94.7%
H−NMR(CDCl):δ 3.87(3H,s),5.04(2H,s),7.06(1H,ddd,J=8.3,2.4,1.3Hz),7.30−7.55(4H,m),7.77−7.80(2H,m),8.29−8.33(1H,m).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−(3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号31)の製造
原料として、3−アミノ−2−(3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:62.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.17(3H,s),3.85(3H,s),6.85(1H,br),7.00−7.13(2H,m),7.22−7.59(7H,m),7.78−7.87(4H,m),8.30(1H,d,J=7.9Hz).
例32:化合物番号32の化合物の製造
(1)2−[(2−メトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸メチルエステル
原料として、アントラニル酸メチルエステル、及び3−メトキシベンゾイルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 3.92(3H,s),4.08(3H,s),6.98−7.13(3H,m),7.45−7.60(2H,m),8.03(1H,dd,J=7.9,1.7Hz),8.19(1H,dd,J=7.8,1.7Hz),8.91(1H,m),12.15(1H,br).
(2)3−アミノ−2−(2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2−[(2−メトキシベンゾイル)アミノ]安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物
溶媒:トルエン
反応:加熱還流、24時間
収率:18.4%
H−NMR(CDCl):δ 3.87(3H,s),5.34(2H,s),7.03(1H,d,J=8.3Hz),7.15(1H,td,J=7.6,1.0Hz),7.48−7.56(3H,m),7.77−7.80(2H,m),8.33−8.36(1H,m).
(3)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−(2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号32)の製造
原料として、3−アミノ−2−(3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:74.5%
H−NMR(CDCl):δ 2.14(3H,s),4.01(3H,s),6.98−7.17(3H,m),7.34−7.40(3H,m),7.46−7.61(4H,m),7.80−7.93(4H,m),8.34−8.37(1H,m).
例33:化合物番号33の化合物の製造
(1)2,5−ジメチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
原料として、2−アミノ−6−メチル安息香酸、及びアセチルクロリドを用いて例24(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:53.1%
H−NMR(CDCl):δ 2.43(3H,s),2.79(3H,s),7.28(1H,d,J=7.9Hz),7.37(1H,d,J=7.9Hz),7.62(1H,t,J=7.9Hz).
(2)3−アミノ−2,5−ジメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例24(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2,5−ジメチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、及びヒドラジン一水和物
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、8時間
収率:45.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.68(3H,s),2.87(3H,s),4.83(2H,s),7.19(1H,d,J=7.3Hz),7.44−7.59(3H,m).
(3)2,5−ジメチル−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号33)の製造
原料として、3−アミノ−2,5−ジメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:64.4%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.20(3H,s),2.50(3H,s),2.77(3H,s),7.10(1H,t,J=7.3Hz),7.27−7.48(4H,m),7.69(1H,t,J=7.8Hz),8.01(2H,d,J=7.9Hz),8.11(1H,s).
例34:化合物番号34の化合物の製造
(1)2,8−ジメチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
原料として、2−アミノ−3−メチル安息香酸、及びアセチルクロリドを用いて例24(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:100%
H−NMR(CDCl):δ 2.47(3H,s),2.54(3H,s),7.37(1H,t,J=7.8Hz),7.61−7.64(1H,m),8.01−8.04(1H,m).
(2)3−アミノ−2,8−ジメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
下記反応条件下、例24(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:2,8−ジメチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、及びヒドラジン一水和物
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、8時間
収率:37.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.60(3H,s),2.71(3H,s),4.89(2H,brs),7.32(1H,t,J=7.6Hz),7.55−7.65(1H,m),8.08(1H,dd,J=7.6,1.0Hz).
(3)2,8−ジメチル−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号34)の製造
原料として、3−アミノ−2,8−ジメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:71.8%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.23(3H,s),2.50(3H,s),2.55(3H,s),7.07(1H,t,J=6.9Hz),7.32−7.42(3H,m),7.67−7.70(1H,m),7.95−8.10(4H,m).
例35:化合物番号35の化合物の製造
(1)3−アミノ−6−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−アセトアミド−5−クロロ安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:84.9%
H−NMR(CDCl):δ 2.70(3H,s),4.89(2H,s),7.58(2H,d,J=8.6Hz),7.66(1H,dd,J=8.6,2.3Hz),8.19(1H,d,J=2.3Hz).
(2)6−クロロ−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号35)の製造
原料として、3−アミノ−6−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:88.9%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.18(3H,s),2.49(3H,s),7.16(1H,t,J=7.3Hz),7.39−7.45(2H,m),7.72(1H,d,J=8.6Hz),7.90−7.98(3H,m),8.10(1H,d,J=2.3Hz),8.19(1H,s).
例36:化合物番号36の化合物の製造
(1)2−アセトアミド−4−クロロ安息香酸メチルエステル
原料として、2−アミノ−4−クロロ安息香酸メチルエステル、及びアセチルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:63.7%
H−NMR(CDCl):δ 2.24(3H,s),3.93(3H,s),7.05(1H,dd,J=8.6,2.1Hz),7.95(1H,d,J=8.6Hz),8.82(1H,d,J=2.1Hz),11.10(1H,brs).
(2)3−アミノ−7−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−アセトアミド−4−クロロ安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:74.5%
H−NMR(CDCl):δ 2.70(3H,s),4.88(2H,brs),7.40(1H,dd,J=8.6,2.0Hz),7.63(1H,d,J=2.0Hz),8.15(1H,d,J=8.6Hz).
(3)7−クロロ−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号36)の製造
原料として、3−アミノ−7−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:75.5%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.18(3H,s),2.49(3H,s),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.42(2H,t,J=7.9Hz),7.59−7.63(1H,m),7.77(1H,d,J=2.3Hz),7.97(2H,d,J=7.6Hz),8.13−8.19(2H,m).
例37:化合物番号37の化合物の製造
(1)3−アミノ−6−ブロモ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−アセトアミド−5−ブロモ安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:93.7%
H−NMR(CDCl):δ 2.70(3H,s),4.89(2H,s),7.51(1H,d,J=8.6Hz),7.80(1H,dd,J=8.6,2.2Hz),8.36(1H,d,J=2.2Hz).
(2)6−ブロモ−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号37)の製造
原料として、3−アミノ−6−ブロモ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:81.2%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.18(3H,s),2.49(3H,s),7.16(1H,t,J=7.3Hz),7.42(2H,d,J=7.9Hz),7.65(1H,d,J=8.6Hz),7.97(2H,d,J=8.7Hz),8.03(1H,dd,J=8.6,2.3Hz),8.18(1H,s),8.19(1H,d,J=2.3Hz).
例38:化合物番号38の化合物の製造
(1)2−アセトアミド−4,5−ジメトキシ安息香酸メチルエステル
原料として、2−アミノ−4,5−ジメトキシ安息香酸メチルエステル、及びアセチルクロリドを用いて例1(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:55.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.23(3H,s),3.89(3H,s),3.91(3H,s),3.96(3H,s),7.45(1H,s),8.47(1H,s).
(2)3−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
原料として、2−アセトアミド−4,5−ジメトキシ安息香酸メチルエステル、及びヒドラジン一水和物を用いて例1(2)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:88.5%
H−NMR(CDCl):δ 2.69(3H,s),3.99(3H,s),4.00(3H,s),4.89(2H,s),7.04(1H,s),7.52(1H,s).
(3)6,7−ジメトキシ−3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号38)の製造
原料として、3−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:56.2%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.22(3H,s),2.49(3H,s),3.87(3H,s),3.90(3H,s),7.05−7.11(2H,m),7.31−7.40(3H,m),8.01−8.07(3H,m).
例39:化合物番号39の化合物の製造
(1)3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オンの製造
3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例26(2)の化合物;0.30g,1.57mmol)のテトラヒドロフラン/メタノール(40mL+40mL)混合溶液に、5%パラジウム−活性炭素粉末(0.08g)を加え、水素雰囲気下8時間攪拌した。不溶物を濾別し溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=99:1→9:1)で精製して、標題化合物の白色固体(0.217g,71.5%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 3.52−3.60(2H,m),4.65−4.70(1H,m),4.90−5.00(3H,m),6.60−6.65(1H,m),6.71(1H,d,J=8.3Hz),6.86(1H,d,J=1.7Hz),7.16−7.23(1H,m),7.56(1H,dd,J=7.6,1.3Hz).
(2)3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号39)の製造
原料として、3−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン、及び3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド(例1(3)の化合物)を用いて例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:52.3%
H−NMR(DMSO−d):δ 2.18(3H,s),3.64(2H,m),5.12(1H,m),5.34(1H,br),6.68−6.80(2H,m),7.09−7.15(1H,m),7.21(1H,s),7.28−7.42(3H,m),7.65(1H,d,J=7.9Hz),7.96−7.99(2H,m),8.09(1H,s).
例40:化合物番号40の化合物の製造
3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号39)を50%エタノール水溶液に溶解し、10mg/mL溶液とした。この溶液2mLをキラルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによって光学分割した。
<条件>
ポンプ:SHIMADZU LC−7A
検出器:SHIMADZU SPD−7A
検出波長:254nm
カラム:SHISEIDO chiral CD−Ph 4.6mm×250mm;粒子径5μm
移動相:60%メタノール水溶液
流速:0.6mL/min
1回の注入量:100μL
第1の画分として、3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オンの光学活性体(8.1mg,99.9%ee)を得た。
例41:化合物番号41の化合物の製造
例40において、第2の画分として、3−[(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)メチリデン]アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−4−オンの光学活性体(8.2mg,94.4%ee)を得た。
本化合物は、化合物番号40の化合物のエナンチオマーである。
例42:化合物番号42の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及びジフェニルアセトアルデヒド
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、12時間
収率:34.2%
H−NMR(CDCl):δ 2.50(3H,s),5.27(1H,d,J=7.1Hz),7.25−7.75(13H,m),8.23(1H,dt,J=8.0,0.8Hz),8.75(1H,d,J=7.1Hz).
例43:化合物番号43の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及びβ−フェニルシンナムアルデヒド
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、20時間
収率:15.7%
H−NMR(CDCl):δ 2.60(3H,s),7.06(1H,d,J=10.0Hz),7.33−7.48(11H,m),7.62(1H,d,J=8.0Hz),7.68−7.73(1H,m),8.24(1H,dd,J=8.0,1.6Hz),8.43(1H,d,J=10.0Hz).
例44:化合物番号44の化合物の製造
(1)3−(1−アダマンチル)−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、3−(1−アダマンチル)−3−オキソプロピオン酸エチル、及びフェニルヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:80.7%
H−NMR(CDCl):δ 1.72−2.07(15H,m),3.42(2H,s),7.14−7.19(1H,m),7.35−7.42(2H,m),7.87−7.92(2H,m).
(2)3−(1−アダマンチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−(1−アダマンチル)−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:47.1%
H−NMR(CDCl):δ 1.78−2.10(15H,m),7.27−7.32(1H,m),7.43−7.81(2H,m),7.84−7.87(2H,m),9.83(1H,s).
(3)3−(1−アダマンチル)−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号44)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−(1−アダマンチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:エタノール
反応:室温、終夜
収率:32.3%
H−NMR(CDCl):δ 1.77−1.82(6H,m),2.05−2.08(9H,m),2.66(3H,s),7.18(1H,t,J=7.4Hz),7.39(1H,d,J=8.0Hz),7.42(1H,d,J=7.4Hz),7.51(1H,t,J=8.0Hz),7.68(1H,d,J=8.0Hz),7.78−7.83(1H,m),7.96(1H,s),7.97(2H,d,J=8.0Hz),8.27(1H,d,J=8.5Hz).
例45:化合物番号45の化合物の製造
(1)1−(4−tert−ブチルフェニル)−3,3−ビス(モルホリノ)プロパ−2−エン−1−オンの製造
1,1−ビス(N−モルホリノ)エチレン(1.98g,10.0mmol)及びトリエチルアミン(1.56mL,11.2mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、0℃で4−tert−ブチルベンゾイルクロライド(1.95mL,10.0mmol)を1時間かけて滴下し、室温で終夜攪拌した。反応混合物に2N水酸化ナトリウムを加えジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、標題化合物の白色結晶(1.74g,48.7%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.33(9H,s),3.28−3.36(8H,m),3.72−3.82(8H,m),5.13(1H,s),7.42(2H,d,J=8.4Hz),7.79(2H,d,J=8.4Hz).
(2)4−tert−ブチルベンゾイル酢酸エチルの製造
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3,3−ビス(モルホリノ)プロパ−2−エン−1−オン(1.08g,3.0mmol)のエタノール(50.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(4滴)を加え、49時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジクロロメタン=1:2)で精製して、標題化合物の無色油状物(327mg,43.9%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.26(3H,t,J=7.1Hz),1.34(9H,s),3.97(2H,s),4.22(2H,q,J=7.1Hz),7.49(2H,d,J=8.2Hz),7.89(2H,d,J=8.2Hz).
(3)3−(4−tert−ブチルフェニル)−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンの製造
原料として、4−tert−ブチルベンゾイル酢酸エチル、及びフェニルヒドラジンを用いて例6(1)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:84.2%
H−NMR(CDCl):δ 1.35(9H,s),3.85(2H,s),7.22(2H,t,J=7.4Hz),7.41−7.49(3H,m),7.71(2H,d,J=8.2Hz),7.99(2H,d,J=8.8Hz).
(4)3−(4−tert−ブチルフェニル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒドの製造
原料として、3−(4−tert−ブチルフェニル)−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−5−オンを用いて例1(3)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
収率:64.6%
H−NMR(DMSO−d):δ 1.32(9H,s),7.25−7.30(1H,m),7.45−7.50(4H,m),7.82(2H,d,J=8.2Hz),7.90(2H,d,J=7.4Hz),9.54(1H,s).
(5)3−(4−tert−ブチルフェニル)−5−ヒドロキシ−1−フェニルピラゾール−4−イル}メチリデン)アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(化合物番号45)の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び3−(4−tert−ブチルフェニル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロピラゾール−4−カルバルデヒド
溶媒:エタノール
反応:室温、終夜
収率:45.9%
H−NMR(DMSO−d):δ 1.29(9H,s),2.54(3H,s),7.21(1H,t,J=7.4Hz),7.45−7.50(5H,m),7.65−7.68(3H,m),7.84−7.89(1H,m),8.07−8.14(3H,m),8.40(1H,s).
例46:化合物番号46の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、43時間
収率:6.0%
H−NMR(CDCl):δ 2.49(3H,s),6.98(2H,d,J=8.8Hz),7.16−7.19(6H,m),7.38−7.43(4H,m),7.49−7.54(1H,m),7.65(1H,d,J=7.7Hz),7.79−7.82(3H,m),8.14(1H,dd,J=7.8,1.3Hz),8.75(1H,s).
例47:化合物番号47の化合物の製造
下記反応条件下、例1(4)と同様の操作を行い、標題化合物を得た。
原料:3−アミノ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(例1(2)の化合物)、及び9−エチルカルバゾール−3−カルボキシアルデヒド
溶媒:エタノール
反応:加熱還流、4時間
収率:94.5%
H−NMR(CDCl):δ 1.43(3H,t,J=7.1Hz),2.81(1H,t,J=5.9Hz),3.90−3.98(1H,m),4.06−4.13(1H,m),4.35(2H,q,J=7.1Hz),4.94(1H,d,J=2.7Hz),5.26−5.31(1H,m),6.74(1H,dd,J=8.2,0.5Hz),6.88−6.93(1H,m),7.23−7.49(5H,m),7.86(1H,dd,J=8.6,1.6Hz),7.97(1H,dd,J=8.0,1.6Hz),8.03−8.12(1H,m),8.41(1H,d,J=1.6Hz),9.31(1H,s).
試験例1:脾臓型プロスタグランジンD2合成酵素阻害活性の測定
グルタチオン(0.1mM)とヒト造血器型プロスタグランジンD2合成酵素(適量)を含む100mM Tris(hydroxymethyl)aminomethane/HCl緩衝液(pH8.0)の緩衝液を被験化合物存在又は非存在下、25℃で5分間プレインキュベーションし、14CラベルしたプロスタグランジンH2([14C]PGH2)(10μM)を加え、さらに25℃で1分間インキュベーションした。反応液にエーテル、メタノール、クエン酸の混合物を添加し、エーテル層をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)にて展開し(展開溶媒=エーテル:メタノール:酢酸=90:2:1)、イメージングプレートに露光することにより生成したPGD2を定量した。被験化合物の酵素阻害率は、被験化合物非存在下でのPGD2生成量を100%として計算した。結果を以下に示す。


試験例2:遺伝性脱髄疾患における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
Galactosylceramidase欠損症であるヒトKrabbe病のモデルマウスTwitcher(「ブレイン・リサーチ(Brain Research)」,(オランダ),1980年,第202巻,第2号,p.479−483;「ブレイン;ア・ジャーナル・オブ・ニューロロジー(Brain;A Journal of Neurology)」,(英国),1980年,第103巻,第3号,p.695−710;「ジャーナル・オブ・ニューロケミストリー(Journal of Neurochemistry)」,(英国),1996年,第66巻,第3号,p.1118−1124;「ジャーナル・オブ・ニューロパソロジー・アンド・エクスペリメンタル・ニューロロジー(Journal of Neuropathology and Experimental Neurology)」,(米国),1999年,第58巻,第6号,p.644−653参照。)を用いて、遺伝性の脱髄による脳損傷に伴うH−PGDSとDP受容体のmRNAの変化を定量的RT−PCR法により定量した。その結果H−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量は共に、脱髄による脳損傷に伴い増加した。免疫組織染色法により、H−PGDSはミクログリア細胞と脱髄の進んだ組識局所に集積するAmeboid細胞やマクロファージ細胞に発現し、DP受容体は、脱髄の進んだ組織の周辺に分布する活性化されたアストログリア細胞に発現することを同定した。
試験例3:自己免疫性脱髄疾患における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
ヒト多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎マウス(「セルラー・イムノロジー(Cellular Immunology)」,(米国),1999年,第191巻,第2号,p.97−104;「ネイチャー・レビュース;ニューロサイエンス(Nature Reviews.Neuroscience)」,(英国),2002年,第3巻,第4号,p.291−301参照。)においても、定量的RT−PCR法により測定したH−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量を測定した。その結果H−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量は、共に、脱髄による脳損傷と相関した増加を示した。免疫組織染色法による観察では、H−PGDSはミクログリア細胞と脱髄の進んだ組織局所に集積するAmeboid細胞やマクロファージ細胞に発現した。
試験例4:外傷刺激における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
外傷性大脳皮質障害(Stab wound)モデル(「ブレイン・リサーチ(Brain Research)」,(オランダ),2000年,第883巻,第1号,p.87−97;「ジャーナル・オブ・ニューロケミストリー(Journal of Neurochemistry)」,(英国),1999年,第73巻,第2号,p.812−820参照。)を用いて、脳損傷におけるH−PGDSとDP受容体のmRNAの発現を調べた。その結果、H−PGDSは損傷後2日目に最大値をとり、DP受容体は2日目から8日目にかけて持続的に増加した。損傷後24時間後から障害部位周囲に集積するミクログリア細胞とマクロファージ細胞でH−PGDSの誘導がおこり、障害部位周辺のアストログリア細胞ではGFAPとDP受容体の発現が増強し、これらの現象は8日後まで持続した。
試験例5:ヒト造血器型プロスタグランジンD合成酵素大量発現による外傷性脳損傷の増悪
ヒトH−PGDS大量発現トランスジェニックマウス(国際公開第01/24607号パンフレット参照。)を用いたStab woundモデルでは、損傷部位でのマクロファージの集積および抗GFAP抗体を用いて免疫組織化学的に調べたアストログリア細胞の活性化が、野生型マウスに比べて顕著であり、治癒は遅延した。
試験例6:造血器型プロスタグランジンD合成酵素阻害剤投与による遺伝性脱髄疾患におけるアストログリア細胞の活性化の抑制
Twitcherマウスに、H−PGDS阻害剤であるHQL−79を30mg/kg/dayの用量で、14日間皮下投与した。その結果、アストログリア細胞の活性化が抑制され、同時にアストログリア細胞でのDP受容体の発現が低下した。
試験例7:造血器型プロスタグランジンD合成酵素阻害剤投与による外傷性脳損傷におけるDP受容体の誘導の抑制と脳損傷の回復促進
H−PGDS阻害剤であるHQL−79をStab woundモデルマウスに30mg/kg/dayの用量で、4日間経口投与した。その結果、組織損傷領域でのDP受容体mRNAは低下し、脳損傷の回復促進が認められた。
試験例8:細胞を用いたプロスタグランジンD2産生抑制試験
造血器型プロスタグランジンD2合成酵素を発現するラット好塩基球性白血病細胞、RBL−2H3を24ウェルプレートに播種し、1晩培養後、被験化合物含有又は非含有の培地に置換し37℃で1時間プレインキュベーションした。細胞をPBS(−)で洗浄後、被験化合物含有又は非含有のHepes緩衝液(pH7.4)に置換し、37℃で15分間インキュベーション後、終濃度2.5μMのカルシウムイオノフォア(A23187)を添加し37℃で15分間インキュベーションしPGD2産生を惹起させた。細胞上清を回収し、上清へ流出したPGD2量をCayman社製のEIAキットにより測定した。被験化合物のPGD2産生阻害率は被験化合物非存在下におけるA23187によるPGD2産生量を100%として算出した。結果を以下に示す。

【産業上の利用可能性】
本発明の医薬は、造血器型PGD2合成酵素に対して強力な阻害作用を有することから、アレルギー、アレルギー性炎症、及び喘息などの疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。また、脳損傷の増悪の予防及び/又は予後の改善、組織損傷保護、性周期調節、睡眠調節、体温調節、鎮痛、又は嗅覚調節などの作用を有する医薬としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):

[式中、
Xは、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)、又は式−NH−CH(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基を示し、
、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいヒドロキシ基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
Rは、置換基を有していてもよいアミノ基を示す]
で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2(PGD2)合成酵素阻害作用を有する医薬。
【請求項2】
Rが、下記一般式(II):

[式中、
は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基である請求の範囲第1項に記載の医薬。
【請求項3】
Xが、式−N=C(R)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基である請求の範囲第1項又は第2項に記載の医薬。
【請求項4】
、R、R、及びRが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、又はC〜Cのアルコキシ基である請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項5】
が、下記置換基群α−1より選択される基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基、又は下記置換基群α−1より選択される基で置換されていてもよいフェニル基である請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の医薬。
[置換基群α−1]ヒドロキシ基、C〜Cのアルコキシ基
【請求項6】
が、下記置換基群α−2より選択される基で置換されていてもよいC〜C10のアルキル基、又はC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である請求の範囲第2項ないし第5項のいずれか1項に記載の医薬。
[置換基群α−2]ハロゲン原子、カルボキシ基、カルバモイル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基
【請求項7】
が、C〜Cのアルキル基、又は下記置換基群α−3より選択される基で置換されていてもよいフェニル基である請求の範囲第2項ないし第6項のいずれか1項に記載の医薬。
[置換基群α−3]ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基、ニトロ基
【請求項8】
が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記置換基群α−4より選択される基で置換されていてもよいC〜Cのアルコキシ基である請求の範囲第2項ないし第7項のいずれか1項に記載の医薬。
[置換基群α−4]カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基
【請求項9】
抗アレルギー作用、抗アレルギー性炎症、及び抗喘息作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項10】
脳損傷の増悪の予防作用、及び/又は脳損傷の予後の改善作用を有する請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項11】
性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項12】
下記一般式(I−1):

[式中、
X’は、式−N=C(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)、又は式−NH−CH(R’)−(式中、左側の結合手がベンゼン環に結合し右側の結合手が窒素原子に結合する)で表される基を示し、
’、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいヒドロキシ基を示し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
R’は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物(ただし、下記化合物群βで表される化合物は除く)。
[化合物群β]

【請求項13】
R’が、下記一般式(II−1):

[式中、
’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアルキル基、又はC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、
’は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を示し、
’は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシ基を示す]
で表される基である請求の範囲第12項に記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物。

【国際公開番号】WO2004/031180
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【発行日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541270(P2004−541270)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012648
【国際出願日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願人】(597051148)株式会社医薬分子設計研究所 (18)
【Fターム(参考)】