説明

キナゾリン誘導体



本発明は、R、R、W、X、X、Z、a及びbのそれぞれが、記載中で定義されるとおりである、式(I)のキナゾリン誘導体;これらの調製のための方法;これらを含有する医薬組成物並びに抗増殖性効果を与えるための医薬の製造におけるその使用に関する。式(I)のキナゾリン誘導体は、erbB受容体型チロシンキナーゼ、特にEGFRチロシンキナーゼによって仲介されるある種の癌のような疾病の治療において有用であることが予測される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式I:
【化1】

[式中:
は、水素、ヒドロキシ、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシから、或いは以下の式:
−X
の基から選択され、式中、Xは、直接結合であるか、又はOであり、そしてQは、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、O、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、CH=CH及びC≡Cから選択される一つの基の、鎖への挿入によって所望により分離されていてもよく、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R置換基内のいずれものCH=CH−又はHC≡C−基は、末端CH=又はHC≡位において、ハロゲノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル及びジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルから、又は以下の式:
−X
の基から選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく、式中、Xは、直接結合であるか、又はCO及びN(R)COから選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、ヘテロシクリル環内のCH基以外の、R置換基内のいずれものCH又はCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ又はそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基を、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、オキソ、チオキソ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから、或いは以下の式:
−X−Q
の基から選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく、式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、C(RO、C(RS及びC(RN(R)から選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R上の置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、ホルミル、メルカプト、スルファモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される同一又は異なっていることができる一つ若しくはそれより多い(例えば1、2又は3個)置換基を、或いは以下の式:
−X−R
の基から選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく、式中、Xは、直接結合であるか、又はO、N(R)及びC(O)から選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてRは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、カルボキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキル、カルバモイル−(1−6C)アルキル、−(1−6C)アルキルカルバモイル−(1−6C)アルキル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイル−(1−6C)アルキル又は(1−6C)アルコキシカルボニル−(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R上の置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、1又は2個のオキソ又はチオキソ置換基を所望により保有していてもよく;
bは、1、2、3、4又は5であり;
同一又は異なっていることができるそれぞれのRは、ハロゲノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、トリフルオロメチル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び以下の式:
−X−R
の基から選択され、式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R)から選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてRは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル又は(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルであり;
は、1個の窒素異種原子を含有し、そして所望によりO、S及びNから選択される1又は2個の更なる異種原子を含有していてもよい4、5、6又は7員の飽和或いは部分的に不飽和の単環式ヘテロシクリル基であり、そしてこの環は、環の炭素によって式I中の酸素原子に連結し;
aは、0、1、2、3又は4であり;
同一又は異なっていることができるそれぞれのWは、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、メルカプト、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシから、そして以下の式:
−X−R10
の基から選択され、
式中、Xは、直接結合であるか、又はO、CO、SO及びN(R11)から選択され、ここにおいてR11は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてR10は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、−(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル又は−ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルであり;
は、CO及びSOから選択され;
は、以下の式:
−(CR1213−(Q−(CR1415
の基であり、
式中、mは、0又は1であり、pは、0、1、2、3又は4であり、そしてqは、0、1、2、3又は4であり、
同一又は異なっていることができるそれぞれのR12、R13、R14及びR15は、水素、(1−6C)アルキル、アミノ、(1−6C)アルキルアミノ及びジ−[(1−6C)アルキル]アミノから選択され、そしてQは、(3−7C)シクロアルキレン及び(3−7C)シクロアルケニレンから選択され、
そしてここにおいて、X基内のいずれものCH又はCH基は、それぞれの前記のCH又はCH基において、一つ又はそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基を、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルアミノ及びジ−[(1−6C)アルキル]アミノから選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく;
Zは、水素、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び以下の式:
−X
の基から選択され、
式中、Xは、直接結合であるか、又はO、N(R16)、SO及びSON(R16)から選択され、ここにおいてR16は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−4C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−4C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−4C)アルキルであり、
但し、Xが直接結合である場合、Qは、ヘテロシクリルであることを条件とし、
そして、但し、m、p及びqが全て0である場合、Zは、ヘテロシクリルであることを条件とし、
そしてここにおいて、Z置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、O、S、SO、SO、N(R17)、CO、−C=C−及び−C≡C−から選択される一つの基の、鎖への挿入によって所望により分離されていてもよく、ここにおいてR17は、水素又は(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、ヘテロシクリル環内のCH基以外の、いずれものZ基内のいずれものCH又はCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ又はそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基を、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく、
そしてここにおいて、Z置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、ホルミル、メルカプト、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシから、及び以下の式:
−X10−R18
の基から選択される、同一又は異なっていることができる一つ若しくはそれより多い(例えば1、2又は3個の)置換基を所望により保有していてもよく、
式中、X10は、直接結合であるか、又はO、CO、SO及びN(R19)から選択され、ここにおいてR19は、水素又は(1−4C)アルキルであり、そしてR18は、ハロゲノ−(1−4C)アルキル、ヒドロキシ−(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルキル、シアノ−(1−4C)アルキル、アミノ−(1−4C)アルキル、−(1−4C)アルキルアミノ−(1−4C)アルキル及び−ジ−[(1−4C)アルキル]アミノ−(1−4C)アルキルから選択され、
そしてここにおいて、Z置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、1又は2個のオキソ置換基を所望により保有していてもよく、但し、前記オキソ置換基(単数又は複数)は、ヘテロシクリル基中の環の酸素に隣接する環の炭素上にはないことを条件とし;
但し:
(i)式I中の4−アニリノ基が、4−ブロモ−2−フルオロアニリノ又は4−クロロ−2−フルオロアニリノであり、Rが、水素又は(1−3C)アルコキシであり、そしてXがCOである場合、aは0であり、そしてZは、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、及び式Q−X−の基から選択され;そして
(ii)Qがピペリジニルである場合、Zは水素である;
ことを条件とする;]
のキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項2】
、R、W、X、X、a及びbが、請求項1で定義したとおりであり;そして
Zが、水素、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び以下の式:
−X
の基から選択され、
式中、Xは、直接結合であるか、又はO、N(R16)、SO及びSON(R16)から選択され、ここにおいてR16は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−4C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−4C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−4C)アルキルであり、
但し、Xが直接結合である場合、Qは、ヘテロシクリルであることを条件とし、
そして、但し、m、p及びqが全て0である場合、Zは、ヘテロシクリルであることを条件とし、
そしてここにおいて、Z置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、O、S、SO、SO、N(R17)、CO、−C=C−及び−C≡C−から選択される一つの基の、鎖への挿入によって所望により分離されていてもよく、ここにおいてR17は、水素又は(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、ヘテロシクリル環内のCH基以外の、いずれものZ基内のいずれものCH又はCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ又はそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基を、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される一つの置換基を所望により保有していてもよく、
そしてここにおいて、Z置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、ホルミル、メルカプト、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシから、及び以下の式:
−X10−R18
の基から選択される、同一又は異なっていることができる一つ若しくはそれより多い(例えば1、2又は3個の)置換基を所望により保有していてもよく、
式中、X10は、直接結合であるか、又はO、CO、SO及びN(R19)から選択され、ここにおいてR19は、水素又は(1−4C)アルキルであり、そしてR18は、ハロゲノ−(1−4C)アルキル、ヒドロキシ−(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルキル、シアノ−(1−4C)アルキル、アミノ−(1−4C)アルキル、−(1−4C)アルキルアミノ−(1−4C)アルキル及び−ジ−[(1−4C)アルキル]アミノ−(1−4C)アルキルから選択され、
但し:
(i)式I中の4−アニリノ基が、4−ブロモ−2−フルオロアニリノ又は4−クロロ−2−フルオロアニリノであり、Rが、水素又は(1−3C)アルコキシであり、そしてXがCOである場合、aは0であり、そしてZは、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、及び式Q−X−の基から選択され;そして
(ii)Qがピペリジニルである場合、Zは水素である;
ことを条件とする;
請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項3】
が、水素、(1−6C)アルコキシ、シクロプロピル−(1−4C)アルコキシ、シクロブチル−(1−4C)アルコキシ、シクロペンチル−(1−4C)アルコキシ、シクロヘキシル−(1−6C)アルコキシ、テトラヒドロフラニル−(1−4C)アルコキシ及びテトラヒドロピラニル−(1−4C)アルコキシから選択され、
そしてここにおいて、R置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、一つのO原子の、鎖への挿入によって所望により分離されていてもよく、
そしてここにおいて、R置換基内のいずれものCH又はCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ又はそれより多いフルオロ若しくはクロロ置換基、或いはヒドロキシ及び(1−3C)アルコキシから選択される一つの置換基を所望により保有していてもよい;
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項4】
が、(1−3C)アルコキシである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項5】
bが1、2又は3であり;そして
同一又は異なっていることができるそれぞれのRが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及び(2−4C)アルキニルから選択される;
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項6】
bが1又は2であり、そして一つのRが、式1中のアニリノ基上のメタ(3−)位にあり、そしてクロロ又はブロモである;
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項7】
式Iのキナゾリン環上の4−位におけるアニリノ基が、3−クロロ−2−ブロモアニリノ、3−クロロ−2−フルオロアニリノ、3−エチルアニリノ及び3−ブロモアニリノから選択される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項8】
は、式−CH−、−CHCH−、−(CHR12a)−、−(CHR12aCH)−、−(C(R12aCH)−、−(CHC(R12a)−及び−(CHCHR12a)−の基から選択され、
ここにおいて同一又は異なっていることができるそれぞれのR12aが、(1−4C)アルキルである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項9】
が、アゼチジン−3−イルであり;
aが、0又は1であり;そして
Wが、(1−3C)アルキルである;
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項10】
Zが、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ−(2−4C)アルコキシ及び(1−4C)アルコキシ−(2−4C)アルコキシ)から選択され、そしてm+p+qの合計が少なくとも1である;
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項11】
がCOである、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項12】
Z−X−X基が、ヒドロキシ−(2−4C)アルカノイル及び(1−4C)アルコキシ−(2−4C)アルカノイルから選択される、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項13】
以下の式Ib:
【化2】

[式中:
1bは、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ−(2−4C)アルコキシ、(1−3C)アルコキシ−(2−4C)アルコキシから、又は以下の式:
−X
の基から選択され、
式中、Xは、Oであり、そしてQは、アゼチジン−1−イル−(2−4C)アルキル、ピロリジン−1−イル−(2−4C)アルキル、ピペリジノ−(2−4C)アルキル、ピペラジノ−(2−4C)アルキル又はモルホリノ−(2−4C)アルキルであり;
2bは、式−CH−、−CHCH−、−(CHR12)−、−(CHR12CH)−及び−(CHCHR12)−の基から選択され、
ここにおいてR12は、(1−3C)アルキル、ヒドロキシ−(1−3C)アルキル及び(1−3C)アルコキシ−(1−3C)アルキルから選択され;そして
は、ヒドロキシ、(1−3C)アルコキシ、ヒドロキシ−(2−3C)アルコキシ及び(1−3C)アルコキシ−(2−3C)アルコキシから選択される;]
の請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項14】
が、(1−4C)アルコキシであり;
bが、1又は2であり;
同一又は異なっていることができるそれぞれのRが、フルオロ、クロロ、ブロモ及びエチニルから選択され;
が、アゼチジン−3−イルであり;
aが、0であり;
Wが、(1−3C)アルキルであり;
が、COであり;
は、式−(CHR12a)−、−(CHR12aCH)−及び−(CHCHR12a)−の基から選択され、
ここにおいてR12aは、(1−4C)アルキルであり;
Zが、ヒドロキシ及び(1−4C)アルコキシから選択されるか、或いは
Z−Xは、環の炭素原子によってXに連結しているテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びモルホリニルから選択され、
そしてここにおいて、Z内のいずれものヘテロシクリル基は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ及び(2−4C)アルカノイルから選択される、同一又は異なっていることができる一つ若しくは二つの置換基を所望により保有していてもよい;
請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項15】
7−[(1−アセチルピペリジン−4−イル)オキシ]−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシキナゾリン−4−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]オキシ}キナゾリン−4−アミン;
(2S)−1−[3−({4−[3−クロロ−2−フルオロアニリノ]−6−メトキシキナゾリン−7−イル}オキシ)アゼチジン−1−イル]−1−オキソプロパン−2−オール;
(2R)−1−[3−({4−[3−クロロ−2−フルオロアニリノ]−6−メトキシキナゾリン−7−イル}オキシ)アゼチジン−1−イル]−1−オキソプロパン−2−オール;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−{[(3R)−1−(メトキシアセチル)ピロリジン−3−イル]オキシ}キナゾリン−4−アミン;
2−[(3R)−3−({4−[3−クロロ−2−フルオロアニリノ]−6−メトキシキナゾリン−7−イル}オキシ)ピロリジン−1−イル]−2−オキソエタノール;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−({(3R)−1−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]ピロリジン−3−イル}オキシ)キナゾリン−4−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−({(3R)−1−(3−メトキシプロパノイル)ピロリジン−3−イル}オキシ)キナゾリン−4−アミン;
3−[(3R)−3−({4−[3−クロロ−2−フルオロアニリノ]−6−メトキシキナゾリン−7−イル}オキシ)ピロリジン−1−イル]−3−オキソプロパン−1−オール;及び
5−{[4−({4−[3−クロロ−2−フルオロアニリノ]−6−メトキシキナゾリン−7−イル}オキシ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−2−オン;
から選択される、請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルを、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項18】
医薬として使用するための、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステル。
【請求項19】
ヒトのような温血動物における抗増殖効果の発現における使用のための医薬の製造における、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルの使用。
【請求項20】
腫瘍細胞の増殖に導くシグナル伝達段階に関係するEGFRチロシンキナーゼの阻害に敏感である腫瘍の治療又は予防における使用のための医薬の製造における、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルの使用。
【請求項21】
ヒトのような温血動物における選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害効果を与えることにおける使用のための医薬の製造における、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルの使用。
【請求項22】
ヒトのような温血動物における癌の治療における使用のための医薬の製造における、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルの使用。
【請求項23】
抗増殖効果を、このような治療を必要とするヒトのような温血動物に発現するための方法であって、前記動物に有効な量の請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルを投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項24】
ヒトのような温血動物における、腫瘍細胞の増殖及び/又は生存に導くシグナル伝達段階に関係するEGFRチロシンキナーゼの阻害に敏感である腫瘍の予防又は治療のための方法であって、前記動物に有効な量の請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルを投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項25】
ヒトのような温血動物において選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害効果を与えるための方法であって、前記動物に有効な量の請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルを投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項26】
癌の治療のための、このような治療を必要とするヒトのような温血動物における方法であって、前記動物に有効な量の請求項1ないし16のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、又は医薬的に受容可能な塩、或いは医薬的に受容可能なこれらのエステルを投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項27】
方法(a)
がCOである式Iの化合物の調製のための、いずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、R、R、W、a、b及びQが請求項1において定義したとおりである以下の式II:
【化3】

のキナゾリン又はその塩の、いずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、Z、X及びXが請求項1で定義したとおりである以下の式III:
Z−X−COOH
III
の酸、又は反応性のその誘導体とのカップリング;
方法(b) 方法(a)に関して定義したとおりの式IIのキナゾリン又はその塩の、Lが置換可能な基であり、そしていずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、Z、X及びXが請求項1で定義したとおりである、以下の式IV:
Z−X−X−L
IV
の化合物との反応;
或いは
方法(c) Zが窒素によってXに連結している式Iのキナゾリン誘導体の調製のための、Lが置換可能な基であり、そしていずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、R、R、W、X、X、a、b及びQが、請求項1で定義したとおりである以下の式V:
【化4】

の化合物の、いずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、Zが先に定義したとおりである式ZHの化合物との反応;或いは
方法(d)
モノ−又はジ−(1−6C)アルキルアミノ基を保持するキナゾリン誘導体の調製のための、N−H基を含有する式Iの対応するキナゾリン誘導体の、ホルムアルデヒド又は(2−6C)アルカノールアルデヒドを使用した還元的アミノ化;或いは
方法(e)
がヒドロキシである式Iのキナゾリン誘導体の製造のための、Rが(1−6C)アルコキシ基である式Iのキナゾリン誘導体の開裂;或いは
方法(f)
が酸素原子によってキナゾリン環に連結している式Iのキナゾリン誘導体の製造のための、いずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、R、W、X、X、Z、a、b及びQが請求項1で定義したとおりである以下の式VI:
【化5】

の化合物を、R1’O基が、いずれもの官能基が必要な場合保護されていること以外は、請求項1においてRのために定義したとおりの酸素で連結された基の一つである式R1’OHの化合物とカップリングすることにより;
そしてその後、必要な場合(いずれの順序でも):
(i)式Iのキナゾリン誘導体を、もう一つの式Iのキナゾリン誘導体に転換し;
(ii)存在するいずれもの保護基を、慣用的な手段によって除去し;そして
(iii)式Iのキナゾリン誘導体の医薬的に受容可能な塩、又は医薬的に受容可能なエステルを形成すること;
を含んでなる、請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体の調製のための方法。

【公表番号】特表2007−505871(P2007−505871A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526681(P2006−526681)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003915
【国際公開番号】WO2005/026157
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】