説明

キナーゼ阻害剤

本発明は、式I:


(式中、R、R、X及びZは本願明細書に記載のとおりである)
又はその薬理学的に許容できる塩で示されるキナーゼ阻害剤の提供に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキナーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
p38キナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼスーパーファミリーに属するマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼである。このキナーゼは、熱、紫外線及び浸透圧ストレスなどの細胞外からのストレス、並びに炎症性刺激(例えばリポ多糖類)によって活性化する。活性化したとき、p38キナーゼは細胞内のタンパク質基質をリン酸化し、それにより炎症誘発性サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン−1β(IL−1β)の生合成が制御される。これらのサイトカインは、多くの慢性炎症性障害(非特許文献1及び2)、心血管及び中枢神経系障害(非特許文献3)及び自己免疫不全(非特許文献4)の病理に関与する。更に、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ−プロテインキナーゼ2(又はpMAPKAPK2)のリン酸化形態はまたp38MAPK経路のキナーゼであり、p38MAPKによって直接活性化されうる。MAPKAPK2のノックアウトマウスを用いた研究においてサイトカイン産生の減少が示されており、すなわちMAPKAPK2が炎症反応における主要な調節物質であり、抗炎症治療における良好な標的物質となりうることを示唆するものである(特許文献1)。
【0003】
p38キナーゼの阻害剤又はサイトカイン阻害剤として、多くの尿素化合物が同定されている(例えば特許文献2から10)。p38キナーゼ阻害剤又はサイトカイン阻害剤は、通常生産コストが高く、また生物学的利用能及び吸収性に課題があるため、in vivo効果及び治療的な使用が制限されうる。以上より、新規な小分子のサイトカイン抑圧剤、すなわち、改良された効力及びより大きな生物学的利用能を有する、p38キナーゼ阻害化合物に対するニーズが存在する。
【特許文献1】国際公開第05/120509号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/23091号パンフレット
【特許文献3】国際公開第01/012188号パンフレット
【特許文献4】国際公開第04/004720号パンフレット
【特許文献5】国際公開第04/037789号パンフレット
【特許文献6】国際公開第99/32111号パンフレット
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0058961号公報
【特許文献8】欧州特許第1609789号公報
【特許文献9】国際公開第03/072569号パンフレット
【特許文献10】国際公開第00/43384号パンフレット
【特許文献11】Leeら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,696,149−170(1993)
【特許文献12】Muller−Ladner,Curr.Opin.Rheumatol.,8,210−220(1996)
【特許文献13】Salituroら、CurrentMedicinalChemistry,6,807−823(1999)
【特許文献14】Pargellisら、NatureStructuralBiology,9(4),268−272(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、過剰なサイトカイン産生から生じる症状の治療に有用な、新規なp38キナーゼ阻害剤の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は式I:
【化1】

(式中、Zは以下からなる群から選択され、
【化2】

Xは以下からなる群から選択され、
【化3】

はハロ基及びC−Cアルキルハロ基からなる群から選択される1〜6個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cアルキル基であるか、C−Cアルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択される1又は2個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cシクロアルキル基であるか、又はトリメチルシリル基であり、
はC−Cアルキル基で任意に置換されてもよいフェニル基であるか、又はC−Cアルキル基で任意に置換されてもよいピリジニル基であり、Yは水素、C−Cアルキル基、ハロ基又はC−Cアルキルハロ基であり、
はC−Cシクロアルキル基で任意に置換されてもよいC−Cアルキル基であるか、C−Cアルコキシ基であるか、C−Cアルキルハロ基であるか、C−Cアルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択される1〜4個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cシクロアルキル基であるか、又は、ピリジル基、フェニル基若しくはチエニル基であって、それらの各々がハロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルキルハロ基及びC−Cアルコキシ基からなる群から選択される第1の置換基で任意に置換され、またC−Cアルキル基及びハロ基からなる群から選択される第2の置換基で更に任意に置換されてもよく、
は水素又はC−Cアルキル基である)
で表される化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。
【0006】
本発明はまた、哺乳類のp38キナーゼを阻害する方法であって、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0007】
本発明はまた、哺乳類の腫瘍壊死因子α(TNFα)の製造を抑制する方法であって、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0008】
本発明はまた、哺乳類のインターロイキン−1β(IL−1β)の産生を抑制する方法であって、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0009】
本発明は更に、哺乳類の過剰なサイトカイン産生から生じる症状を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0010】
本発明はまた、哺乳類の感受性腫瘍の増殖を阻害する方法であって、p38の阻害に十分な量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0011】
本発明はまた、哺乳類の腫瘍転移を阻害する方法であって、p38の阻害に十分な量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0012】
本発明はまた、哺乳類の慢性関節リウマチの治療方法であって、p38の阻害に十分な量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、かかる処置を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法の提供に関する。
【0013】
本発明はまた、薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる医薬用製剤の提供に関する。
【0014】
本発明はまた、p38キナーゼの阻害剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類のp38キナーゼの阻害用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、p38キナーゼの阻害用の医薬組成物の提供に関する。
【0015】
本発明はまた、腫瘍壊死因子α(TNFα)産生の抑制剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類の腫瘍壊死因子α(TNFα)産生の抑制用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、腫瘍壊死因子α(TNFα)産生の抑制用の医薬組成物の提供に関する。
【0016】
本発明はまた、インターロイキン−1β(IL−1β)産生の抑制剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類のインターロイキン−1β(IL−1β)産生の抑制用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、インターロイキン−1β(IL−1β)産生の抑制用の医薬組成物の提供に関する。
【0017】
本発明はまた、過剰なサイトカイン産生から生じる症状の治療用薬剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類の過剰なサイトカイン産生から生じる症状の治療用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、過剰なサイトカイン産生から生じる症状の治療用の医薬組成物の提供に関する。
【0018】
本発明はまた、感受性腫瘍の増殖阻害剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類の感受性腫瘍の増殖阻害用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、感受性腫瘍の増殖阻害用の医薬組成物の提供に関する。
【0019】
本発明はまた、転移抑制剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類における転移抑制用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、転移抑制用の医薬組成物の提供に関する。
【0020】
本発明はまた、慢性関節リウマチの治療用薬剤の製造への、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。更に本発明は、哺乳類の慢性関節リウマチの治療用の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。更に本発明は、1つ以上の薬理学的に許容できる添加剤、担体又は希釈剤との組合せで、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなる、慢性関節リウマチの治療用の医薬組成物の提供に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
用語「p38キナーゼ」とは、p38α及び/又はp38βキナーゼアイソフォームを意味する。
【0022】
用語「TNFα(IL−1β、サイトカイン)の産生の抑制」とは、哺乳類のTNFα、IL−1β又は他のサイトカインの過剰なin vivo濃度が、正常値若しくは正常値以下のレベルに減少することを意味する。この減少は、大食細胞などの全ての細胞からの、TNFα、IL−1β又は他のサイトカインのin vivoでの放出を抑制すること、ゲノムレベルにおける、哺乳類のTNFα、IL−1β又は他のサイトカインの過剰なin vivoでのレベルを、通常若しくは通常以下のレベルに下方制御すること、翻訳後において、TNFα、IL−1β又は他のサイトカインの合成を阻害すること、又は翻訳レベルにおいて、TNFα、IL−1β又は他のサイトカインを下方制御することによって可能となる。
【0023】
当業者であれば、式Iに係る具体的な化合物が少なくとも1つの対掌性中心を有することを認識する。本発明には、すべての個々の鏡像異性体又はジアステレオマー、並びにラセミ化合物などの、前記化合物の鏡像異性体若しくはジアステレオマーの混合物が包含される。少なくとも1つの対掌性中心を含んでなる式Iの化合物は、1つの鏡像異性体又はジアステレオマーの混合物として存在することが好ましい。1つの鏡像異性体又はジアステレオマーの混合物は、キラル試薬を開始原料とするか、又は立体選択的若しくは立体特異的な合成方法により調製してもよい。あるいは、標準的な方法(対掌性クロマトグラフィ又は結晶化法)により混合物から単一の鏡像異性体又はジアステレオマーを単離してもよい。
【0024】
当業者であれば、本発明の化合物が酸付加塩を形成できることを理解するであろう。全ての場合において、全ての化合物の薬理学的に許容できる塩は、それらの名称の範疇に包含される。本発明の化合物はアミンであるため、多くの無機及び有機酸のうちのいずれかと反応して、薬理学的に許容できる酸付加塩を形成する。本発明の用語「薬理学的に許容できる塩」とは、生存する生物体に対する中毒性を実質的に有さない、式Iの化合物の塩のことを指す。典型的な薬理学的に許容できる塩としては、薬理学的に許容できる有機酸若しくは無機酸と、本発明の化合物との反応により調製される塩が挙げられる。かかる塩の例としては、Journal of Pharmaceutical Science,66,2−19(1977)に列記されている薬理学的に許容できる塩が挙げられ、それらは当業者に公知である。式Iの化合物のメシル酸塩が最も好ましい。
【0025】
式Iの化合物はp38キナーゼの阻害剤である。すなわち、本発明はまた、哺乳類のp38キナーゼを阻害する方法であって、前記処置を必要とする哺乳類に対して、p38キナーゼを阻害するのに十分な量の式Iの化合物を投与することを含んでなる方法の提供に関する。式Iの化合物の投与により処置される哺乳類としては、ヒトが好ましい。
【0026】
本発明の化合物は、p38キナーゼの阻害剤として、炎症誘発性サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン−1β(IL−1β)の産生の抑制、すなわち過剰なサイトカイン産生から生じる障害の治療に有用である。現在の化合物はしたがって、炎症性障害(湿疹、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、骨関節炎、炎症性腸疾患及び毒性ショック症候群など)の治療に有用であると考えられる。本発明の化合物はまた、心血管障害(例えば急性心筋梗塞、慢性心不全、アテローム性動脈硬化症、ウィルス性筋心臓炎、心臓同種移植拒否及び敗血症関連の心臓機能不全)の治療にも有用であると考えられる。更に本発明の化合物はまた、中枢神経系障害(例えば髄膜炎菌性髄膜炎、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患及び多発性硬化症)の治療にも有用であると考えられる(国際公開第03/072569号、第04/004720号、第99/23091号、第99/32111号)。
【0027】
大部分の固形腫瘍は悪性細胞及び間質細胞(内皮細胞を含む)の激増により質量が増加する。腫瘍が直径2〜3mmより大きくなるには、脈管系を形成しなければならず、そのプロセスは血管新生として知られている。腫瘍により誘発された血管形成のアンジオスタチン及びエンドスタチンによる抑制は、抗腫瘍活性をもたらすことが報告されている(O’Reillyら、Cell,88,277−285(1997))。選択的なp38キナーゼ阻害剤SB22025が血管新生を阻害することが示されている(J.R.Jacksonら、J.Pharmacol.Exp.Therapeutics,284,687(1998))。血管新生は、大部分の固形腫瘍が広範囲に拡大するための不可欠な要素であるため、このプロセスの抑制のための新規なp38キナーゼ阻害剤の開発は、抗腫瘍治療における有望なアプローチである。抗腫瘍治療におけるこのアプローチは、中毒性の副作用又は従来の化学療法における薬剤耐性の誘導という問題を含まないと考えられる(Judah Folkman,Endogenous Inhibitors of Angiogenesis,The Harvey Lectures, Series92,pages 65−82,Wiley−Liss Inc.,(1998))。
【0028】
したがって本発明の化合物はまた、感受性腫瘍の増殖を阻害する際の、p38キナーゼの阻害剤として有用である。(Schultz,R.M.Potential of p38 MAP kinase inhibitors in the treatment of cancer.(E.Jucker(ed.),Progress in Drug Research,60,59−92,(2003))より)。感受性腫瘍は、その生存、増殖又は転移がp38キナーゼに依存する腫瘍であるものとして定義される。感受性腫瘍の例としては、脳、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭及び肺における腫瘍が挙げられる(米国特許第5717100号)。好ましくは、本発明の用語「感受性腫瘍」には、非小細胞肺癌(A.Greenbergら、Am.J.Respir.CellMol.Biol.,26,558(2002))、乳癌(J.Chenら、J.Biol.Chem.,276,47901(2001)、B.Salhら、Int.J.Cancer,98,148(2002)、及びS.Xiongら、CancerRes.,61,1727(2001))、胃癌(Y.D.Jungら、Proc.Am.Assoc.CancerRes.,43,9(2002)、結腸直腸癌(S.Xiongら、CancerRes.,61,1727(2001))及び悪性黒色腫(C.Denkertら、Clin.Exp.Metastasis,19,79(2002))などのヒト癌が挙げられる。
【0029】
TNFαの抑制による血管新生の阻害は、転移の阻害若しくは防止にも有用であることが教示されている(米国特許第6414150号、米国特許第6335336号)。更に、TNFαの抑制は、悪液質(全てのがん患者の約半数が経験する消耗性症候群)の治療及び予防にもつながると考えられる(T.Yonedaら、J.Clin.Invest.,87,977(1991))。
【0030】
更に、p38キナーゼの抑制は、特定のウィルス性の症状、例えばインフルエンザ(K.Kujimeら、J.Immunology.,164,3222−3228(2000))、ライノウイルス(S.Griegoら、J.Immunology,165,5211−5220(2000))及びHIV(L.Shapiroら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95,7422−7426,(1998))による症状の治療に効果的であると考えられる。
【0031】
本発明の用語「C−Cアルキル」とは、直鎖状又は分岐状の一価の、1〜7個の炭素原子数である飽和脂肪族鎖を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチル基などが例示されるがこれらに限定されない。用語「C−Cアルキル」には、その定義中に用語「C−Cアルキル」が包含されるものとする。
【0032】
本発明の用語「C−Cアルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子数の、酸素原子と結合する直鎖若しくは分岐状アルキル鎖のことを指す。典型的なC−Cアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
【0033】
本明細書中で特に明記しない限り、本発明の用語「ハロ」とは、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素原子のことを指す。
【0034】
本発明の用語「C−Cアルキルハロ」とは、最高5個のハロ原子で置換されてもよいC−Cアルキルのことを指す。典型的なC−Cアルキルハロ基としては、メチルハロ、トリフルオロメチル、エチルハロ、ビスフルオロメチルエチル、プロピルハロ、イソプロピルハロ、ブチルハロ、tert−ブチルハロなどが挙げられる。
【0035】
本発明の用語「C−Cシクロアルキル」とは、炭素原子及び水素原子からなる完全に飽和した環状構造を意味し、シクロプロピル及びシクロブチル基などが包含される。
【0036】
式Iの化合物において、特定の種類のものが好ましいp38キナーゼ阻害剤として機能する。以下のパラグラフにおいてかかる好ましい種類のものを記載する。
a)Zは
【化4】

であり、
b)Xは
【化5】

であり、
c)Rは水素であり、
d)Yはメチルであり、
e)RはC−Cアルキル基であり、
f)Rはtert−ブチル基であり、
g)Rはフェニル基又はピリジニル基であり、各々メチル基で任意に置換されてもよく、
h)Rは4−トリル基であり、
i)Rはフェニル基又はチエニル基であり、各々、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルキルハロ及びC−Cアルコキシ基からなる群から選択される第1の置換基で任意に置換され、またC−Cアルキル基及びハロ基から選択される第2の置換基で更に任意に置換されてもよく、
j)Rはフェニル基であり、ハロ基からなる群から選択される第1の置換基で置換され、C−Cアルキル及びハロ基から選択される第2の置換基で更に置換されてもよく、
k)式Iの化合物はフリーの塩基であり、
l)式Iの化合物は塩であり、
m)式Iの化合物はメシル酸塩である。
【0037】
本発明の好ましい実施態様では、パラグラフa)〜m)のすべての組合せを含む。他の好ましい式Iの化合物は、
Xがパラグラフb)にて説明される化合物であり、
がパラグラフe)にて説明される化合物であり、
がパラグラフg)にて説明される化合物であり、
がパラグラフc)にて説明される化合物である。
【0038】
また、好ましい実施態様では、
Xがパラグラフb)にて説明される化合物であり、
がパラグラフf)にて説明される化合物であり、
がパラグラフh)にて説明される化合物であり、
がパラグラフi)にて説明される化合物であり、
がパラグラフc)にて説明される化合物である。
【0039】
また、好ましい実施態様では、
Xがパラグラフb)にて説明される化合物であり、
がC−Cアルキル基で4位を置換されたフェニル基である。
【0040】
Xがパラグラフb)にて説明される化合物であるのが最も好ましい。
【0041】
特に以下の化合物が最も好ましい化合物である。
【化6】

【0042】
本発明の化合物は様々な方法で調製することができ、その幾つかを下記の反応式において例示する。当業者であれば、式Iの化合物の調製において、以下の反応式中の個々の処理を適宜変化させてもよいことを認識するであろう。式Iの化合物の調製に必要となる処理の具体的な順序は、合成しようとする具体的な化合物、開始化合物及び置換された部分の相対的な不安定性などに依存する。説明の便宜上、若干の置換基を以下の反応式において省略することもあるが、それによりいかなる形であれ反応式の教示が限定されるものではない。
【0043】
式Iの化合物及びその中間体は、以下の反応式にて図示するように調製してもよく、また式中のR、R及びXは上記で定義したとおりである。
【0044】
反応式1
【化7】

【0045】
アミン(a)を、適当なイソシアネート又はカルバメート(例えばピラゾリル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート)と反応させ、式Iの化合物を得る。例えば、アミン(1当量)、トリクロロエチルカルバメート(1当量)及び適切な塩基溶液(ジイソプロピルエチルアミン(2当量)又は炭酸カリウムなど)を、適切な溶媒(アセトニトリル又はジメチルスルホキシド(DMSO)など)中で加熱する。その後所望の化合物を単離してもよく、また必要に応じて、公知の精製法(例えばクロマトグラフィ)を使用して式Iの化合物を精製してもよい。
【0046】
必要なアミンは以下の反応式2に示すように調製され、式中、Xは上記の通り定義される。
【0047】
反応式2
【化8】

【0048】
ニトロ部分(b)をスタンダードの還元条件下で還元してもよく、例えば、適切な溶媒(低級アルカノール又は酢酸エチルなど)中で、パラジウム触媒の存在下で水素で還元するか、又は塩化ニッケル(II)六水和物の存在下で水素化ホウ素ナトリウムで還元し、対応するアミン(a)を調製してもよい。かかる還元処理は当業者に公知である。Larock,R.,“Comprehensive Organic Transformations,”412,VCH Publishing,Inc.,New York,1989を参照のこと。
【0049】
必要となるニトロ化合物は下記の反応式3にて図示するように調製され、式中、HalはCl又はFであり、X’はC(O)Rであるか、又は適切な保護基PGである。
【0050】
反応式3
【化9】

【0051】
適切な有機溶媒(THFなど)中で、2−ハロ−4−ニトロ−ピリジン(e)を、適当な4−ヒドロキシピペリジン及び水素化ナトリウム若しくはトリフェニルホスフィンと反応させ、対応する置換されたピペリジンb(i)を得る。あるいは、2−ハロ−4−ニトロ−ピリジン(e)を、極性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はブタノール)中で、適当なピペラジン及び塩基(例えば炭酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド又はトリエチルアミン)と反応させ、対応する置換されたピペラジンb(ii)を得る。
【0052】
式b(iii)のアミンは、適切な塩基(例えば炭酸ナトリウム)の存在下で、適切な溶媒(例えばエタノール)中で、2−ハロ−4−ニトロ−ピリジン(e)を適当なアミノピペリジンと反応させることにより調製される。
【0053】
当業者であれば、上記の方法が本発明に包含されるピリジル異性体の形成に利用できることを認識するであろう。
【0054】
必要となるピラゾリルカルバメートは、以下の反応式で説明するように調製でき、式中、R及びRは上記で定義したとおりである。
【0055】
反応式4
【化10】

【0056】
3−アミノピラゾール(m)を、公知の反応条件において形成する(Larock,R.,”Comprehensive Organic Transformations,”79,VCH Publishing,Inc.,New York,1989)。例えば、α−シアノケトン(j)及び適切なヒドラジン又はヒドラジン塩(k)を、適切な有機溶媒(例えばエタノール)中で高温で反応させる。得られるピラゾール(m)を、標準的な技術(例えばシリカゲルカラムにおけるクロマトグラフィ)を使用して精製してもよい。
【0057】
2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(n)を、適切に置換された3−アミノピラゾール(m)及び塩基(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はピリジン)と、適切な溶媒(例えばTHF又は水/酢酸エチル)中で反応させ、対応する2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(o)を得る。当業者であれば、3−アミノピラゾールを他の活性炭酸塩と反応させることにより、対応するカルバメートを調製できると認識するであろう。
【0058】
式I(i)の化合物は、以下の反応式5で示すように調製でき、式中、R、R、R及びPGは上記で定義したとおりであり、ZはO、N又は結合であり、RはC又はNである。
【0059】
反応式5
【化11】

【0060】
式(f)の化合物を、公知の反応条件下で脱保護する。例えば、保護基がtert−ブトキシカルボニルである場合、式(f)の化合物は適切な有機溶媒若しくは溶媒混合物(例えばジクロロメタン)中に溶解させ、酸(例えばジオキサン又はトリフルオロ酢酸中の塩酸)で処理する。N保護されたピペリジン置換尿素(f)の脱保護により、置換されたピペリジン(g)が得られ、それを、有機酸及び有機アミンの標準的なカップリング条件下で、カップリング剤(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸(EDCI)、又はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の触媒量、又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)又はトリエチルアミンなど)の存在下で、適切な溶媒(例えばメチレンクロライド又はアセトニトリル)中で、置換されたカルボン酸と反応させ、式I(i)の化合物を得る。当業者であれば、式I(i)を、異なるN保護基(例えばホルミル基)を有する他の被保護ピペリジンを開始原料として調製できることを認識し、その場合、他の脱保護方法により中間体(g)を形成させる必要があると考えられる。
【0061】
適切なアミノ保護基「Pg」(例えばtert−ブトキシカルボニル(BOC)部分)を必要に応じて利用するか、又は必要となることもあり、これらの基を導入するための手法は当業者にとり周知である。当業者であれば、保護基が本発明の化合物の合成経路中のいかなる工程においても除去できることを認識するであろう。窒素及び酸素の保護基を導入及び除去する方法は公知技術である(Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons,New York,(1999)参照)。
【0062】
また当業者であれば、式Iの化合物の置換基の全てが、化合物の合成に採用される具体的な反応条件を許容できるわけではないことを認識するであろう。これらの部分は、合成経路上のいかなるタイミングで導入してもよく、又はそれらを必要に応じて保護し、更に脱保護してもよい。
【0063】
実施例及びアッセイにおいて使用する以下の略記、記号及び用語は、以下の意味を有する。
n−BuOH=nブタノール、
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド、
DIEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、
DMSO=ジメチルスルホキシド、
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、
h=時間、
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、
LDA=リチウムジイソプロピルアミド、
EDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸、
EtOAc=酢酸エチル、
EtOH=エタノール、
EtO=ジエチルエーテル、
MeOH=メタノール、
NaBH(OAc)=ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、
TBAF=フッ化テトラブチルアンモニウム、
TfO=トリフルオロメタンスルホン酸無水物、
及びTHF=テトラヒドロフラン。
【0064】
調製
調製1:2−クロロ−4−メチル−5−ニトロ−ピリジン
【化12】

【0065】
0.5mLの硫酸中に、4−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミン(3.0mmol、0.5g)を溶解させた。7.6mLの水を添加し、溶液を0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(4.5mmol、0.3g)を添加し、2時間混合物を撹拌し、室温に加温した。水で希釈し、塩基性のpHとなるまで10%水酸化ナトリウム水溶液を添加した。酢酸エチル抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を混合した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−オルを得た。MS(ES):m/z=155[M+H]
【0066】
オキシ塩化リン(0.6mmol、0.05mL)及びペンタ塩化リン(0.6mmol、0.12g)を4−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−オル(1.9mmol、0.3g)に添加した。120℃で1.5時間撹拌した。冷却し、氷水を添加し、CHClで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で混合有機層を洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2−クロロ−4−メチル−5−ニトロ−ピリジンを得た。
【0067】
調製2:2,3−ジクロロ−5−ニトロ−ピリジン
濃HCl(100mL)中に5−ニトロ−ピリジン−2−オル(20g、143mmol)を添加した。50℃に加熱し、次に水(100mL)に溶解させた塩素酸カリウム(6.13g、50mmol)を滴下して添加した。50℃で30分間撹拌した。アイスバス中で反応液を冷却した。固体を濾過して除去し、水で洗浄した。完全に乾燥させ、3−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−オルを21.13g(85%)得た。MS(ES):m/z=173[M+H]
【0068】
丸底フラスコ中に塩化リン(11.28mL、121mmol)を添加し、0℃に冷却した。キノリン(7.15mL、60.5mmol)、更に3−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−オル(21.13g、121mmol)を徐々に添加した。反応液を2時間の120℃に加熱した。氷上に反応液を注入し、水で粉末化した。固体を濾過して除去し、水で洗浄した。完全に乾燥させ、標題化合物の19.95g(86%)を得た:HNMRδ(400MHz,DMSO)9.20(s,1H),8.97(s,1H)。
【0069】
調製3:4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化13】

【0070】
撹拌装置を用い、6−クロロ−2−メチル−3−ニトロ−ピリジン(Asymchem、25.00g、144.9mmol)、tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシレート(29.68g、159.4mmol)及びトリエチルアミン(23.2mL、167mmol)/n−BuOH(250mL)を、窒素雰囲気下で50℃で4時間、65℃で2時間、更に室温で一晩混合物を撹拌した。更にtert−ブチル1−ピペラジンカルボキシレート(1.5g)を添加し、65℃で4時間反応液を加熱した。得られたスラリーを30℃に冷却し、ヘキサン(75mL)を添加した。スラリーを1時間にわたり室温に冷却し、水(150mL)を添加した。スラリーを45分間静置し、濾過した。ケーキ状物を水(4×100mL)、次にヘキサン(100mL)で洗浄し、一晩空気乾燥し、明るい黄色の結晶(46.30g、99%の収率、MS(ES):m/z=267[M+H−C])として4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。
【0071】
Pd/C(5%、Aldrich社製、3.04g、1.43mmol)と共に、室温で4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(46.00g、142.7mmol)のTHF(750mL)中のスラリーを混合し、水素雰囲気(Parrシェーカー、40〜45psi)下で6時間静置した。MeOH(250mL)を添加し、スラリーを室温で4時間、水素雰囲気下に置いた。更に触媒(3.04g)を添加し、混合物を7時間水素下に静置した。セライト521(登録商標)のパッドで混合物を濾過し、次にTHF及びMeOHで洗浄し、減圧下で濃縮し、淡いピンク色の固体として標題化合物を得た(41.58g、99%の収率、MS(ES+):m/z=293[M+H])。
【0072】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表1】

【0073】
調製6:4−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
nブタノール(20mL)中に、2−クロロ−5−ニトロ−ピリジン(1.0g、6.31mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.76g、9.45mmol)及びトリエチルアミン(1.76mL、12.6mmol)を添加した。120℃で17時間加熱した。室温に冷却し、酢酸エチル及び水を添加した。有機層を分離し、水及び飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。有機層を回収し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、20%EtOAc:ヘキサンで溶出し、4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル1.14g(58%)を得た。MS(ES):m/z=309[M+H]
【0074】
4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.14g、3.70mmol)をEtOAc:MeOH(20mL)=1:1溶液に添加した。EtOAc(5mL)を使用して10%のPd/Cを添加した。反応をパージし、更に水素を添加した。パージ/充填サイクルを2回繰り返し、水素バルーン下に反応液を配置し、室温で20時間撹拌した。セライト(登録商標)パッドで反応液を濾過し、EtOAcで瀘過物ケーキを洗浄した。濾過水を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物1.01g(98%)を得た。MS(ES):m/z=279[M+H]
【0075】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表2】

【0076】
調製8:4−(5−アミノ−3−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
DMF(20mL)中に2,3−ジクロロ−5−ニトロ−ピリジン(2.0g、10.36mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.12g、11.40mmol)及び炭酸カリウム(1.72g、12.43mmol)を添加した。80℃で2.5日間加熱した。室温に冷却し、酢酸エチル及び水を添加した。有機層を分離し、水及び飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。有機層を回収し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、20%EtOAc:ヘキサンで溶出し、4−(3−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル3.29g(93%)を得た。MS(ES):m/z=341[M+H]
【0077】
メタノール(50mL)中に、4−(3−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(3.09g、9.01mmol)を添加した。塩化ニッケル(II)六水和物(10.7g、45.1mmol)を添加し、反応液を0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(5.11g、135.15mmol)を徐々に添加し、0℃で2時間撹拌した。CHClを添加し、セライト(登録商標)パッドで濾過した。CHClで瀘過物ケーキを洗浄し、濾過液を回収した。濾過液に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、有機層を分離した。CHCl(2×30mL)で水性層を抽出した。有機抽出液を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜70%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、標題化合物1.77g(63%)を得た。MS(ES):m/z=311.2[MH]
【0078】
調製9:rac−[(trans)−4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−シクロプロピル−メタノン
【化14】

【0079】
15mLの無水ジクロロメタン中にトランス−2,5−ジメチルピペラジン(500mg、4.37mmol、1.0当量)を溶解させた。5mLのジクロロメタンに溶解させたジ−tert−ブチルジカルボン酸塩(953mg、4.37mmol、1.0当量)を添加した。室温で20時間撹拌した。白色固体をフィルターで濾過し、430mgのN−BOC−トランス−2,5−ジメチルピペラジン(50%の収率)を得た。1HNMR(メタノール−d4)dppm 4.11(m,1H)、3.55(dd,J=13.6,1.7Hz,1H),3.23(dd,J=13.6,4.0Hz,1H),3.12(m,1H),3.00(dd,J=12.7,2.9Hz,1H),2.49(m,1H),1.46(s,9H),1.24(d,J=7.6,3H),1.15(d,J=6.8Hz,3H)。
【0080】
5mLの無水DMF中に2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン(310mg、1.82mmol、1.0当量)及びN−BOC−トランス−2,5−ジメチルピペラジン(397mg、2.0mmol、1.1当量)を溶解させ、炭酸カリウム(251mg、1.82mmol、1.0当量)を添加し、80℃で20時間混合物を撹拌した。溶液をEtOAc:氷水=1:1(v/v)の混合物に注入した。EtOAc(2×20mL)で水溶性相を抽出し、水(3×20mL)及び飽和塩化ナトリウム水(30mL)で混合有機層を洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機溶液を乾燥させ、減圧下で濃縮し、クルードなrac−(trans)−2,5−ジメチル−4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た:MS(ES+):m/z=251.2(M+H)。
【0081】
室温で、ジオキサン(4.2mL)中の4M HClを、rac−(trans)−2,5−ジメチル−4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.15g、0.43mmol)に添加し、撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し、白色固体としてrac−(trans)−2,5−ジメチル−1−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン 二塩化水素塩0.138gを得た。(定量分析)MS(ES):m/z=251.2[M+H]
【0082】
EDCI(0.147g、0.77mmol)、HOBt(0.10g、0.77mmol)、rac−(trans)−2,5−ジメチル−1−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン 二塩化水素塩(0.16g、0.64mmol)のCHCl(5mL)中溶液に、シクロプロピルカルボン酸(56μL、0.7mmol)をN雰囲気下、室温で添加し、更にDIEA(0.22mL、1.28mmol)を添加した。1時間後、濃縮し、残余物を得た。当該残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、50〜70%=ヘキサン:AcOEtで溶出し、0.114gのrac−シクロプロピル−[(trans)−2,5−ジメチル−4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン(56%は、降伏する)を得た。MS(ES):m/z=319.1[M+H]
【0083】
雰囲気下、rac−シクロプロピル−[(trans)−2,5−ジメチル−4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン(0.114g、0.35mmol)及び10% Pd/C(0.043g)のEtOH(5mL)中溶液に、NHCOOH(0.23g、3.5mmol)を添加し、80℃で加熱した。2時間後、反応混合物を冷却し、セライト(登録商標)で濾過した。減圧下で濃縮し、0.1gの標題化合物を得た。(定量的分析)MS(ES):m/z=289.3[M+H]
【0084】
調製10:1−[4−(5−アミノ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン
80℃で一晩、密封した試験管中で、2−クロロ−4−メチル−5−ニトロ−ピリジン(0.85mmol、0.15g)、2,2−ジメチル−1−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オン塩酸塩(0.94mmol、0.16g)及びトリエチルアミン(2.12mmol、0.3mL)の溶液を撹拌した。室温に混合物を冷却し、CHClを添加し、飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2,2−ジメチル−1−[4−(4−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル勾配(30%〜最高60%)で溶出した。MS(ES):m/z=307[M+H]
【0085】
2,2−ジメチル−1−[4−(4−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン(0.31mmol、0.09g)の2mLのエタノール中溶液に、10%(0.031mmol)アンモニウムギ酸塩(1.55mmol、0.1g)及びパラジウム(炭素)を添加した。90℃で1時間溶液を撹拌した。冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過し、減圧下で濃縮した。残余物は更なる精製をせずに使用できるものであった。MS(ES):m/z=277[M+H]
【0086】
上記の第2の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表3】

【0087】
調製12:1−[4−(5−アミノ−4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン
【化15】

【0088】
処理A:2,4−ジクロロ−ピリジン(6.7mmol、1g)、N−Bocピペラジン(8.1mmol、1.5g)、ナトリウムtertブトキシド(9.5mmol、0.9g)、酢酸パラジウム(II)(0.7mmol、0.15g)及び2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル(0.7mmol、0.2g)のトルエン中溶液を、100℃で4時間、窒素雰囲気下で撹拌した。室温に冷却し、水を添加した。酢酸エチル中に抽出し、有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物として4−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。当該残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル勾配(10%〜50%)で溶出した。MS(ES):m/z=298[M+H]
【0089】
処理B:4−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.6g、1.9mmol)のCHCL(4mL)中溶液を室温においてHCl(ジオキサン中4N溶液、1.5mL、5.9mmol)で処理した(わずかな発熱が生じた)。混合物を3時間撹拌し、更にHCl(ジオキサン中4N溶液、1.5mL、5.9mmol)を添加し、一晩撹拌した。減圧下で濃縮し、塩酸1−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジンを得、EtO(0.43g)で粉末化した。LCMS ES+(m/z)198[M+H]。
【0090】
処理C:1−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン塩酸(2.2mmol、0.4g)、トリエチルアミン(7.6mmol、1.1mL)/(13mLのCHCl)及びピバロイルクロライド(2.2mmol、0.3mL)を室温で一晩撹拌した。CHClを添加し、飽和水塩化ナトリウム及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、1−[4−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オンを得た。MS(ES):m/z=282[M+H]
【0091】
処理D:硫酸(2.3mL)中に1−[4−(4−クロロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン(1.6mmol、0.4g)を溶解させ、溶液を0℃に冷却した。硝酸カリウム(1.6mmol、0.2g)を添加し、混合物を撹拌し、一晩かけて室温に戻した。混合物を水で希釈し、塩基性pHとなるまで10%水酸化ナトリウムを添加した。酢酸エチル中に抽出した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物として1−[4−(4−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オンを得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル混合物(30%〜最高60%)で溶出させた。MS(ES):m/z=327[M+H]
【0092】
処理E:テトラヒドロフラン:水=1:1溶液22mL中の1−[4−(4−クロロ−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン(0.9mmol、0.3g)、及び4mLのアンモニアの混合液中に、亜ジチオン酸ナトリウム(4.5mmol、0.8g)を添加した。室温で2時間溶液を撹拌した。減圧濃縮し、酢酸エチル中に残余物を抽出した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物を得た(更に精製せずに用いた)。MS(ES):m/z=297[M+H]
【0093】
上記の処理C−Eの方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表4】

【0094】
調製14:[4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン
【化16】

【0095】
22Lのフラスコに酢酸(5L)を添加した。氷水浴中に反応液を添加した。撹拌しながらピペラジン(355.00g、2.0当量、4.06mol)を徐々に添加し、温度を〜40℃に上昇させた。更に酢酸を5L添加した。混合物が溶液状になるまで撹拌した。冷却バスを〜13℃に調整した。塩化2,6−ジフルオロベンゾイル(355.00g、1.00当量、2.01mol、253.39mL)を2時間にわたって滴下して添加し、約13〜15℃に反応温度を維持した。一晩撹拌した。減圧下で濃縮し、2Lの氷水中に残余物を溶解させた。氷水浴中のフラスコを冷却した。5N NaOHを添加し、pHを7.5に調整し、30℃以下に反応温度を維持した。〜10℃において濾過した。ジクロロメタン(4×2L)を用いて濾過液から目的の化合物を抽出した。減圧下で溶媒を除去した。室温で1.5Lのメタノール中に固体を溶解させ、濾過した。メタノール溶液を濃縮し、2.0Lのトルエンで溶媒を交換し、純粋な生成物を得た。濾過し、(2,6−ジフルオロフェニル)−ピペラジン−1−イル−メタノンを得た。濾過液を濃縮し、再度濾過し、更なる生成物(合計400g)を得た。
【0096】
オーバーヘッドスターラーを備える5Lのフラスコ中に、(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル−メタノン(1.07当量、1.55mol、350.00g)、メタノール(37.06mol、1.50L,1.19kg)、トリエチルアミン(1.79mol、250.00mL、181.50g)、6−クロロ−2−メチル−3−ニトロ−ピリジン(1.00当量、1.45mol、250.00g)を添加した。室温で0.5時間反応混合物を撹拌した。徐々に60℃に加熱し、60℃で一晩撹拌を継続させた。温度を60℃に維持しながら、水(750mL)を滴下して添加した。混合物を室温に冷却させた。濾過し、ケーキ状物を150mLメタノール/水=2:1、次いでMTBEで2回洗浄した。45℃で減圧下で乾燥させ、黄色の固体(535g)として(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノンを得た。
【0097】
3ガロンオートクレーブに、(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン(1.00当量、1.44mol、520.00g)、メタノール(197.66mol、8.00L、6.33kg)及びTHFで湿らせた5%のパラジウム/炭素(75.00g)を添加した。30℃以下に温度を維持しながら、室温で、50psiで反応液を水素化した。0.5時間後に26℃に冷却し、2時間静置した。フィルターに通し、減圧下で濃縮した。濾過して固体を得、メタノール、更にヘプタンでリンスした。更に濾過を行い、[4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノンの第2バッチを得た。減圧下で45℃で乾燥させた(445g)。
【0098】
調製15:[4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン
CO(34.55g、0.250mol)で、無水DMF(270mL)中の2−クロロ−3−メチル−5−ニトロ−ピリジン(27.00g、0.156mol)及びピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(32.03g、0.172mol)のスラリーを処理し、Nの下で80℃で一晩反応混合物を加熱した。得られる反応混合物を1/1=EtOAc/HO(3,000mL)に注入し、層を分離し、EtOAc(1,000mL)で水性層を抽出した。飽和塩化ナトリウム水(1,000mL×3)で混合有機層を洗浄し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色の固体を得た。ヘキサン/EtOAcの黄色の固体をスラリー化し、減圧濾過し、得られた固体を回収した。ヘキサンで洗浄し、真空濾過し、黄色の固体として4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た(42.84g)。減圧下で濾過物を濃縮し、黄色の固体を得た。ヘキサン中に黄色の固体をスラリー化し、次に減圧濾過して得られる固体を回収し、ヘキサンで洗浄し、減圧濾過して乾燥させ、更なる(5.38g)4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル化合物を、黄色の固体として(48.22g、95.9%の収率)得た。HNMR(400MHz,CDCl)δ8.96(d,1H),8.14(d,1H),3.57(m,4H),3.41(m,4H),2.36(s,3H),1.48(s,9H)、TOF−MS[ES+,M+H]Obs.m/z323.1723,Calc.m/z323.1719、Anal.Calcd.ForC1522:C55.88、H6.87、N17.37。Found C55.94、H6.87、N17.14.
【0099】
ジオキサン(4当量)中の4M HCl溶液を、DCM(73mL)中の4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(7.77g、24.13mmol)の溶液に添加した。室温で一晩混合物を撹拌した。更に2当量のHClのジオキサン中溶液を添加した。開始原料がLCMSにより検出されなくなった後、固体をフィルター濾過し、減圧下で乾燥させ、黄色がかった固体として塩酸6.91g(97%収率)の1−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジンを得た。ES+(m/z):259[M+1]
【0100】
1−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジンの懸濁液にトリエチルアミン塩酸塩(DCM(120mL)中、6.91g、24.13mmol)を滴下して添加した。2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド(1当量)を添加し、室温で一晩混合物を撹拌した。更に2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド(1.6mL)及びトリエチルアミン(1.5の同等)を添加し、反応を完了させた。反応液を一晩静置した。DCMで希釈し、水で数回抽出した。Naの上で有機層を乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。ヘキサンで数回固体を洗浄し、(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノンを8.08g(93%収率)得た。ES+(m/z):363[M+1]
【0101】
THF/HO(166mL、1:1)中の(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン(3g、8.29mmol)の溶液に、Na(10の同等)及びアンモニア水(3mL/mmol、32%)を添加した。30分間撹拌し、次に層を分離した。DCM、EtOAc及びイソプロピルアルコール/EtOAcで水性層を抽出した。有機層を混合し、NaSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。Varian(商標)SCXカラムに粗生成物を添加し、MeOHでカラムを洗浄し、次にMeOH中の2M NHで溶出し、[4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン1.2g(44%収率)を得た。ES+(m/z):333[M+1]
【0102】
調製16:4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化17】

【0103】
THF(25mL)中の6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−オル(1.54g、10.0mmol)、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.05g、10.0mmol)、及びトリフェニルホスフィン(4.02g、15.3mmol)の冷却混合物に、0℃で滴下状してジイソプロピルアゾジカルボキシレート(3.0mL、15.5mmol)を添加した。添加完了後、冷却バスを除去し、22℃で一晩反応混合物を撹拌した。減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出させ、無色の油状物(2.69g、80%収率)として4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES):m/z=338.2[M+H]
【0104】
水素雰囲気下、22℃で2時間、4−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.69g、8.0mmol)及び10%のパラジウム/炭素(1.0g)のエタノール(60mL)中混合物を撹拌した。パラジウム触媒を濾過して除去した。濾過液を濃縮し、無色の油状物を得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出させ、標題化合物を得た(2.19g、89%収率)。MS(ES):m/z=308.2[M+H]
【0105】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表5】

【0106】
調製18:4−(5−アミノ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.5g、2.48mmol)の氷冷無水THF(3mL)中溶液に、プレウォッシュしたNaH(0.1g、2.48mmol、鉱油中60%の分散形態)のTHF(2mL)中懸濁液を添加した。混合物を20分間撹拌させ、2−クロロ−5−ニトロ−ピリジン(0.36g、2.26mmol)を徐々に添加した。添加完了後、冷却バスを除去し、22℃で一晩反応混合物を撹拌した。アイスバスで反応混合物を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を添加した。酢酸エチル(25mL)及び蒸留水(25mL)により、反応混合物を分離させた。水性相を単離し、酢酸エチル(3×35mL)で抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出させ、白色固体(0.55g、75%収率)として4−(5−ナイトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES):m/z=324.2[M+H]
【0107】
水素雰囲気下、室温で4時間、4−(5−ナイトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.7g、8.35mmol)及び10%のパラジウム/炭素(0.5g)のエタノール(100mL)中混合液を撹拌した。パラジウム触媒を濾過して除去した。濾過液を濃縮し、得られた無色の油状生成物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで抽出し、白色固体として標題化合物を得た(2.11g、86%)(ES+(m/z)194.2[M+H−BOC])。
【0108】
調製19:[4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−(2−フルオロ−フェニル)−メタノン
【化18】

【0109】
4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.41g、31.87mmol)の氷冷無水THF(80mL)中溶液に、プレウォッシュしたNaH(1.27g、31.87mmol、鉱油中60%の分散)のTHF(20mL)中懸濁液を添加した。混合物を20分間撹拌させ、2−クロロ−3−メチル−5ニトロピリジン(5g、28.97mmol)を徐々に添加した。添加完了後、冷却バスを除去し、22℃で一晩反応混合物を撹拌した。アイスバスで反応混合物を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を添加した。酢酸エチル(350mL)及び蒸留水(150mL)を用いて反応混合液を分離させた。水性相を単離し、酢酸エチル(1×100mL)で抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液(2×150mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させ、濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出し、白色固体(6.5g、67%収率)として4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES):m/z=360.3[M+Na]
【0110】
4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.12g、30mmol)の冷却ジクロロメタン(450mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(150mL)を添加した。22℃で60分間反応混合液を撹拌した。溶媒の除去後、残余物を1N水酸化ナトリウム(150mL)で処理し、ジクロロメタン及び酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させた。溶媒を除去し、黄色の固体(6.9g、97%収率)として、3−メチル−5−ニトロ−2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジンを得た。MS(ES):m/z=238.2[M+H]
【0111】
3−メチル−5−ニトロ−2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジンのジクロロメタン(50mL)中溶液に、2−フルオロ−ベンゾイル塩化物(1.74g、11.0mmol)及びトリエチルアミン(1.21g、12mmol)を滴下して添加し、室温で2時間、N雰囲気下で撹拌した。蒸留水(3×20mL)、更に飽和塩化ナトリウム水溶液(1×20mL)で反応混合物を洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機相を乾燥させ、濃縮し、黄色の固体として(2−フルオロ−フェニル)−[4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−メタノンを得た。
【0112】
水素雰囲気下、22℃で一晩、(2−フルオロ−フェニル)−[4−(3−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−メタノン(3.58g、10mmol)及び10%のパラジウム/炭素(358mg)のエタノール(100mL)中混合物を撹拌した。濾過して触媒を除去した。濾過液を濃縮し、無色油状物を得た。当該油状物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチル(1:1)、更に70%酢酸エチル/ヘキサンで抽出し、黄色の固体(2.27g、50%収率)を得た。MS(ES):m/z=330.2[M+H]
【0113】
調製20:4−(4−アミノ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
窒素パージした、2−クロロ−4−ニトロ−ピリジン(4.32g、27.2mmol)、tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジンカルボキシレート(11.0g、54.5mmol)、セシウムカーボネート(13.3g、40.8mmol)、パラジウムアセテート(122mg、0.544mmol)及び2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(271mg、0.68mmol)の混合物に、100mLのトルエンを添加した。室温で一晩混合物を撹拌し、水及び酢酸エチルにより分離させた。更に酢酸エチルで水性層を抽出し、硫酸ナトリウム上で混合有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜20%の酢酸エチル/ヘキサン勾配で溶出し、白いワックス様の固体(5.37g、61%、LCMSES+(m/z)268[M−tBu])として4−(4−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。
【0114】
4−(4−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.0g、9.28mmol)及び5%のPd/C(151mg)のEtOAc(150mL)中スラリーを、室温で一晩、60psi(Parr shaker)で水素雰囲気下に置いた。反応混合液をセライト(登録商標)パッドで濾過し、減圧下で濃縮し、白色固体(2.6g、95%収率)として標題化合物を得た。LCMS ES+(m/z)294[M+H]
【0115】
調製21:[4−(4−アミノ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン
2−クロロ−4−ニトロピリジン3g(18.9mmol)、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル7.6g(37.8mmol)、[1,1’]ビナフタレニル−2−イル−ジ−tert−ブチル−ホスファン188mg(0.47mmol)、酢酸パラジウム85mg(0,38mmol)、及び炭酸セシウム9.2g(28.4mmol))を500mLのフラスコに添加し、Nで10分間パージした。次に無水トルエン(500mL)を添加し、N雰囲気下、室温で一晩撹拌した。水及びEtOAc(それぞれ500mL)で反応液を分離させた。有機層を分離した。MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、EtOAc:ヘキサンの混合液を用い、10×カラム体積で5〜20%のEtOAcの勾配で溶出し、白色固体として標題化合物の4−(4−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.2g(34%収率)を得た。(ES+(m/z)=324[M+H]。
【0116】
1.2gの4−(4−ナイトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに4M HClのEtO中溶液8mLを添加し、4時間懸濁液を撹拌した。溶媒を蒸発させ、EtOで残留する固体を粉末化し、淡黄色の固体として1.1g(100%収率)の4−ニトロ−2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジンジヒドロクロライドを得た(ES+(m/z)=224[M+H])。
【0117】
1.1g(3.7mmol)の4−ニトロ−2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジンジヒドロクロライドの無水ジクロロメタン(50mL)中懸濁液にトリエチルアミン(2.57mL、18.5mmol)を添加した。次に、2,6−ジフルオロベンゾイル塩化物(0.512mL、4.07mmol)を添加した。室温で一晩混合物を撹拌した。水(50mL)を添加し、有機層を分離した。MgSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、黄色の固体として(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(4−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−メタノン1.22g(91%収率)を得た(ES+(m/z)=364[M+H])。
【0118】
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−[4−(4−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−メタノンの1.1g(3.0mmol)の氷酢酸(10mL)中溶液に鉄粉末(419mg、7.5mmol)を添加し、80℃で撹拌した。15分後に混合物を室温に戻し、セライト(登録商標)で濾過した。EtO及びEtOAcでセライト(登録商標)パッドを洗浄した。水、飽和NaHCO水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で、得られた有機層を洗浄した。有機層を分離し、MgSOを通じて乾燥させ、溶媒を蒸発させ、白色固体として標題化合物831mg(83%収率)を得た。ES+(m/z)=334[M+H]。
【0119】
調製22:4−(5−アミノ−ピリジン−2−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化19】

【0120】
無水エタノール中にN−Boc−4−アミノピペリジン(0.9g、4.8mmol)を溶解させ、0℃で固体の炭酸ナトリウム(0.8g、7.9mmol)、更に2−クロロ−5−ニトロ−ピリジン(0.6g、3.9mmol)を添加した。室温で一晩溶液を撹拌し、9℃で6時間溶液を加熱した。室温で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、EtOH及び水を用いて粗製混合物を分離させた。EtOAcで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。有機層を混合し、MgSOを通じて乾燥させた。溶媒を濾過し、蒸発させ、4−(5−ナイトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。
【0121】
4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.4mmol、0.8g)の20mLの酢酸エチル中溶液に、SnCl・HO(11.8mmol、2,7g)を添加した。室温で一晩溶液を撹拌した。溶液のpHが塩基性となるまでNaHCO水溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。セライト(登録商標)パッドで懸濁液を濾過した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を得た。MS(ES):m/z=293[M+H]
【0122】
調製23:メチル1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート
1−メチルシクロヘキサンカルボン酸(7.11g、50.0mmol)のMeOH(10mL)及びEtO(40mL)中溶液を、トリメチルシリルジアゾメタン(2.0M/ヘキサン、26mL、52mmol)の滴下により処理した。室温で一晩反応混合物を撹拌し、減圧下で濃縮し、澄んだ淡黄色の油状物(7.811g、50mmol、100%)として標題化合物を得た。MS(ES):m/z=156[M+H]
【0123】
調製24:3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸 ベンジルエステル
【化20】

【0124】
2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸(423.2mmol、50g)のDMF 300mL中溶液に、水酸化カリウム(486.7mmol、32.1g)を添加した。100℃で1時間溶液を撹拌し、臭化ベンジルを添加した。一晩溶液を撹拌した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈した。水で有機層を洗浄した。酢酸エチルで水性層を数回洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。HNMR(CDCl,300MHz):δppm:7.36−7.32(m,5H),5.1(s,2H),3.5(s,2H),1.21(s,6H).
【0125】
調製25:1−フルオロメチル−シクロプロパンカルボン酸 エチルエステル
【化21】

【0126】
1−フルオロ−シクロブタンカルボン酸 エチルエステル(1.6g、8mmol)のアセトニトリル(22mL)及び水(274mL)中溶液に、AgF(4.5当量、4.56g)を添加した。激しく撹拌しながら、80℃で20時間、密封した試験管内で混合物を加熱した。混合物を冷却し、セライト(登録商標)で濾過した。減圧下で溶媒を除去し、油状物(0.81g、61%収率)として標題化合物を得た(更なる精製なしで使用した)。MS(ES):m/z=147.1[M+H]
【0127】
調製26:1−トリフルオロメチル−シクロプロパンカルボン酸 メチルエステル
1−トリフルオロメチルシクロプロパンe−1−カルボン酸(3.65g、23.7mmol)のメタノール−ヘキサン(2.5mL−22.5mL)中溶液に、2Mのジアゾメタンのヘキサン(14.2mL、28.45mmol)中溶液を添加した。減圧下で濃縮し、残余物を蒸留し、黄色の油状物(2.93g、73%収率)として標題化合物を得た。MS(ES):m/z=169.1[M+H]
【0128】
調製27:3−オキソ−3−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピル)−プロピオニトリル
1−トリフルオロメチル−シクロプロパン−1−カルボン酸メチル・エステル(2.93g、17.4mmol)及びアセトニトリル(1.43gのmL、34.8mmol)の無水アセトン(氷)で冷却したTHF(30mL)中溶液に、2MのLDAのTHF(19.15mL、38.3mmol)中溶液を添加した。−70℃で1.5時間の反応混合物を撹拌し、更に2時間にわたり22℃に加熱した。濃縮し、ヘキサンを添加し、濾過し、黄色の固体を得た。ヘキサンで洗浄し、ジエチルエーテル(250mL)及び2N HCl(150mL)で処理した。ジエチルエーテル(4×100mL)で水層を抽出した。混合有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去し、3−オキソ−3−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピル)−プロピオニトリル(2.99g、97%収率)を得た。MS(ES−):m/z=176.1[M+H]
【0129】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表6】

【0130】
調製30:5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−2H−ピラゾル−3−イルアミン
【化22】

【0131】
3−オキソ−3−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピル)−プロピオニトリル(2.66g、15.0mmol)、N−ベンズヒドリデン−N’−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−ヒドラジン(TL、2002、43、2171−2173)(4.31g、15.0mmol)及びp−トリルスルホン酸(14.29g、75.0mmol)のエタノール(85mL)中混合物を、密封した試験管内で90℃で18時間加熱した。溶媒の除去後、残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜5%のジクロロメタン/メタノールで溶出し、茶色の固体(2.29g、54%収率)を得た。MS(ES+):m/z=283.2[M+H]
【0132】
調製31:5−ペンタフルオロエチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン
【化23】

【0133】
4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−3−オキソ−ペンタンニトリル(4.0g、21.4mmol)及びp−トリル−ヒドラジン(10g、64.1mmol)のエタノール(20mL)中混合物を、密封した試験管中で95℃で15時間加熱した。室温に冷却後、減圧下で溶媒を除去し、黄色の固体を得た。ジクロロメタン(250mL)、蒸留水(150mL)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を用いて固体を分散させた。水性相を単離し、ジクロロメタン(100mL)で抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させ、濃縮し、暗い金色の油状物を得た。当該油状物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、酢酸エチル及びヘキサンで抽出し、ライトブラウンの固体(3.24g、52%収率)を得た。MS(ES+):m/z=292.1[M+H]
【0134】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表7】

【0135】
調製34:[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
5−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(2.29g、8.1mmol)及びピリジン(0.9mL、11mmol)の氷塩冷却したTHF(30mL)中溶液に、−15℃で、2,2,2−トリクロロエチルクロロギ酸(1.80g、8.5mmol)のTHF(10mL)中溶液を滴下して添加した。−15℃で0.5時間撹拌し、更に22℃で1時間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)及び飽和水重炭酸ナトリウム溶液(50mL)を用いて反応混合物を分離させた。水性相を単離し、ジクロロメタンで2度(各25mL)抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させ、濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出し、白色固体(2.46g、66%収率)を得た。MS(ES+):m/z=457.2[M+H]
【0136】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表8】

【0137】
調製38:5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
【化24】

【0138】
5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(400g、1.74mol)のTHF(8L)中溶液に、NaCO(2.4L)の飽和溶液を添加し、0℃に混合物を冷却した。次に2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(406.77g、1.92mol)を滴下して添加し、更に0℃で2時間混合物を撹拌した。酢酸エチル(3×6.5L)で反応混合物を抽出し、無水硫酸マグネシウムを通じて乾燥し、濃縮した。最小量の酢酸エチルで固体を溶解させ、過剰量のヘキサンを添加して沈殿させた。濾過して固体を回収し、乾燥させ、オフホワイトの固体(586g、83%収率)として標題化合物を得た。HNMR(400MHz,CDCl)δ7.34(d,2H),7.29(d,2H),6.78(bs,1H),6.41(bs,1H),4.81(s,2H),2.41(s,3H),1.34(s,9H).MS(ES+):m/z=406.1[M+H].
【0139】
調製39:[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロエチルエステル
【化25】

【0140】
THF(1.5mL/mmol、60mL)とリチウムジイソプロピルアミド(LDA、2.0M/ヘプタン、Aldrich社製、2.2当量、88mmol、44mL)を混合し、−78℃に冷却した。メチル−1−メチルシクロプロパンカルボキシレート(TCIUS、4.56g40mmol)及びCHCN(4.20mL、80mmol)をTHF(10mL)中で混合し、撹拌しながら徐々に添加した。−65〜−78℃で1時間混合物を撹拌し、バスを除去し、室温に混合物を加温した。減圧下で反応混合物を濃縮し、スラリー状にした。ヘキサン(150mL)を添加し、スラリーから沈殿物を形成させた。減圧濾過して固体を回収し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄した。キャッチフラスコを新しいものに置換し、50mLの2.5M HClのフリット上で固体を溶解させ、フラスコ中で回収した。20mLの2.5M HCl、更に200mLのEtOでリンスした。濾過液を層分離させ、EtO(150mL)で酸性相を抽出した。EtOによる有機相を混合し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、澄んだ琥珀色の油状物(3.58g、29.1mmol、73%の収率)として3−(1−メチル−シクロプロピル)−3−オキソ−プロピオニトリルを得た。精製せずに使用し、トリルヒドラジン塩酸(5.23g、33.0mmol)及びエタノール(2mL/mmol)と、20時間還流下で反応させた。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮させた。残余物を酢酸エチル(250mL)で希釈し、水(2×60mL)、飽和NaHCO(60mL)水及び飽和塩化ナトリウム水(60mL)で洗浄した。MgSOで有機相を乾燥させ、濾過し、遠心濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、酢酸エチル及びヘキサンの勾配で溶出し、5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(4.2238g、18.5mmol、46%)を得た。LCMS(ES+):m/z=228.2[M+H]
【0141】
2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(3.7mL、27.5mmol)で、5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(5.68g、25mmol)及びピリジン(2.2mL、27.5mmol)の冷却(0℃)THF(3mL/mmol)中溶液を処理した。反応温度を0℃に維持し、2時間後、クロロホルメート(0.3mL)及びピリジン(0.2mL)を徐々に添加した。1時間後、反応液を水(150mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。水(100mL)、飽和NaHCO(50mL)水及び飽和塩化ナトリウム水(50mL)で混合有機相を洗浄した。酢酸エチル/ヘキサンからシロップ状の粗生成物を再結晶させ、白色固体(8.18g、20.3mmol、81%)として標題化合物を得た。LCMS(ES+):m/z=402.2/404.2[M+H]
【0142】
あるいは、5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(4.75g、21mmol)のテトラヒドロフラン(105mL)及び飽和水溶性炭酸ナトリウム(32mL)中溶液に、0℃で2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(3.0mL、23mmol)を滴下して添加した。この温度で2時間撹拌した。混合物を水に注入し、相を分離させた。酢酸エチルで水性相を抽出した。
【0143】
処理A:
有機層を混合し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色の固体を得た。最小量の酢酸エチルで固体を溶解させ、撹拌しながら、濁りが生じるまでヘキサンを添加した。標題化合物を結晶化させ、濾過し白色固体を得た。HNMR(DMSO):9.89(brs,1H),7.31(d,J=8Hz,2H),7.23(d,J=8Hz,2H),6.12(s,1H),4.82(s,2H),2.31(s,3H),1.37(s,3H),0.89(q,J=4Hz,2H),0.71(q,J=4Hz,2H).
【0144】
処理B:
イソプロピルアルコール(91.56mol)で、酢酸エチル溶媒を置換した。<0℃で2時間スラリーを撹拌し、濾過し、冷却イソプロピルアルコール(13.08mol)で洗浄し、減圧下、40℃で一晩乾燥させ、白い結晶状の固体として標題化合物を得た。
【0145】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表9】

【0146】
調製41:[5−(1−フルオロメチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
雰囲気下、−78℃で30分間にわたり、ジイソプロピルアミン(1.7mL、2.2eq、12.1mmol)及びn−BuLi(ヘキサン中1.6M、7.5mL、2.2当量、12.1mmol)の12mL THF中溶液からLDA溶液を調製した。1−フルオロメチルシクロプロパンカルボン酸 エチルエステル(0.81g、5.5mmol)の7mL THF中溶液を添加した。混合物を撹拌し、−78℃〜室温まで加温し、室温で5時間撹拌を継続させた。飽和NHCl水液を10mL添加した。AcOEtを添加し、有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。NaSOを通じて乾燥させ、溶媒を除去し、茶色の油状物(0.42g、54%収率)を得た。10mLのEtOH中に当該油状物を溶解させ、p−トリルヒドラジン(0.47g、1eq、3mmol)を添加した。90℃で一晩、密封した試験管中で混合物を加熱した。混合物を冷却し、減圧下で溶媒を除去し、残余物を得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、15〜80%=ヘキサン/AcOEtで溶出し、油状物として0.336gの5−(1−フルオロメチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミンを得た。MS(ES+):m/z=246.1[M+H]
【0147】
窒素雰囲気下、0℃で5−(1−フルオロメチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(176mg、0.71のmmol)及びピリジンの4mL THF中溶液に、ClCOCHCCl(1.00当量、717.49μmol、152.01mg)を徐々に添加した。混合物を撹拌し、5時間にわたり0℃から室温まで加温した。不溶性物をろ過紙、減圧下で濾過液から溶媒を除去し、油状物を得た。当該油状物をクロマトグラフィに供し(ヘキサン/AcOEt、20〜80%)、黄色の油状物として110mgの標題化合物を得た。MS(ES+):m/z=420.0[M+H]
【0148】
調製42:(2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
THF(50mL)中に、トリメチルシリル−ジアゾメタン(2M THF中)(25mL、50mmol)を添加した。−78℃に反応液を冷却し、30分にわたりリチウムジイソプロピルアミド(2M THF中)(25mL、50mmol)を添加した。メチルプロピオレート(4.45mL、50mmol)を添加し、−78℃で2時間撹拌した。室温に加温し、18時間撹拌した。酢酸エチル、水及び1N HClを添加した。有機層を分離し、酢酸エチル(2×25mL)で水性相を抽出した。有機抽出液を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜60%=EtOAc:ヘキサンで溶出し、5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸 メチルエステル3.59g(36%)を得た。
【0149】
CHCl(30mL)中に、5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸 メチルエステル(1.60g、8.07mmol)及び4−メチルフェニル−1−ホウ酸(1.64g、12.1mmol)を添加した。4Å分子篩(1.50g)、更に酢酸銅(II)(1.61g、8.88mmol)を添加した。次にトリエチルアミン(8mL)を添加し、室温で2.5日間撹拌した。反応液をセライト(登録商標)パッドで濾過し、CHClで洗浄した。濾過液を回収し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。有機層を分離し、CHCl(2×20mL)で水性層を抽出した。有機抽出液を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜30%=EtOAc:ヘキサンを溶出し、2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸 メチルエステル655mg(29%)を得た。MS(ES+):m/z=289.3[M+H]。
【0150】
メタノール(25mL)中に2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸 メチルエステル(665mg、2.30mmol)を添加した。1N NaOH(10mL、10mmol)を添加し、50℃で4時間加熱した。室温に冷却し、減圧下で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びCHClを添加した。有機層を分離し、CHCl(2×25mL)で水性層を抽出した。有機抽出液を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸の620mg(98%)を得た。MS(ES+):m/z=275.3[M+H]
【0151】
2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(620mg、2.26mmol)をtert−ブタノール(5mL)及びトルエン(5mL)に添加した。トリエチルアミン(0.378mL、2.71mmol)、更にジフェニルホスホリルアジ化物(0.586mL、2.71mmol)を添加し、60℃で1時間加熱した。次に100℃で19時間加熱した。減圧下で反応液を濃縮させた。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜30%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、(2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル504mg(65%)を得た。MS(ES+):m/z=346.4[M+H]
【0152】
THF(10mL)中に(2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(504mg、1.46mmol)を添加した。4MのHCl/ジオキサン(4mL、16mmol)を添加し、60℃で3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、Varian(商標)SCXカラムにロードした。MeOHでカラムを洗浄し、生成物を2M NH/MeOHで溶出した。濾過水を回収し、減圧下で濃縮し、2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾル−3−イルアミンの175mg(49%)を得た。
【0153】
酢酸エチル(10mL)中に2−p−トリル−5−トリメチルシラニル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(170mg、0.693mmol)を添加した。炭酸カリウム(191mg、1.38mmol)及び水(2mL)を添加した。反応液を撹拌し、トリクロロエチルクロロホルメート(0.114mL、0.831mmol)を添加した。室温で18時間撹拌した。水及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。有機層を回収し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜30%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、標題化合物280mg(96%)を得た。MS(ES+):m/z=420.2[M+H]
【0154】
調製43:[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル・プロピオン酸(100g)のMeOH(1L、HPLCグレードの溶媒)中懸濁液に、HSO(4.5g)を添加し、室温で週末(約70時間)に撹拌した。溶媒を除去し、EtOAc(1L)及びHO(100mL)を用いて残余物を分離させた。EtOAcで水性層を再度抽出し、MgSO上で混合有機層を乾燥させた。濾過し、減圧下で濃縮し、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオン酸 メチルエステルを得た。HNMR(CDCl,300MHz):δppm3.9(d,2H,J=11.1Hz),3.76(s,3H),3.71(d,2H,J=11.1Hz),2.8(bs,2H),1.1(s,3H).
【0155】
3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル・プロピオン酸の酸性メチル・エステル(32.5g)の冷却(−78℃)CHCl(400mL)及び2,6−ルチジン(80mL)中溶液に、TfO(80mL)を滴下して添加した。反応液を室温に戻し、生成物点のみがTLC分析によって検出されるようになるまで(約2時間)撹拌した。CHCl(400mL)で希釈し、HCl(3%の水溶液)で洗浄した。MgSO上で有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、5%ヘキサン/酢酸エチルで溶出し、無色の油状物として2−メチル−2,3−ビス−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−プロピオン酸 メチルエステルを得た。HNMR(CDCl,300MHz):δppm4.7(d,2H,J=10.3Hz),4.5(d,2H,J=10.3Hz),3.8(s,3H),1.4(s,3H).
【0156】
2−メチル−2,3−ビス−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−プロピオン酸メチル・エステル(65.9mmol、26.3g)の無水THF 500mL中溶液に、1M(132mmol、132mL)TBAFを添加し、0℃まで冷却した。一晩撹拌した。減圧下で濃縮し、CHClを添加した。飽和塩化ナトリウム水で有機層を洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で及び乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−メチルプロピオン酸 メチルエステルを得た。HNMR(CDCl,300MHz):δppm:4.7−4.4(m,4H),3.5(s,3H),0.98(t,3H,J=1.7Hz).
【0157】
3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−メチルプロピオン酸 メチルエステル(28.2mmol、4.3g)の100mLの無水THF中溶液に、2.0M LDA(62.0mmol、31mL)、更に無水アセトニトリル(56.4mmol、2.9mL)を添加し、−78℃に冷却した。−78℃で2時間撹拌し、溶液を一晩静置し、室温に加温した。減圧下で濃縮し、CHClを添加した。飽和塩化ナトリウム水及び10%HCl水で有機層を洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物を得た。90℃で一晩、31mLのエタノール中で、p−トリルヒドラジン塩酸塩(15.5mmol、2.5g)及び得られた残余物(15.5mmol、2.5g)を撹拌した。濃縮し、残余物を水に溶解させた。10%の水酸化ナトリウム溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミンを得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル(15%〜50%まで)で溶出した。MS(ES+):m/z=266[M+H]
【0158】
5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イルアミン(7.3mmol、1.9g)の37mLのTHF中溶液に、2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(8.1mmol、1.1mL)及び水炭酸ナトリウム溶液(4.8mL)を添加した。24時間撹拌した。水に当該溶液を注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を得た。MS(ES+):m/z=440[M+H]
【0159】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表10】

【0160】
調製45:4−(5−{3−[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−ウレイド}−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化26】

【0161】
4−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(調製4、1.05当量、0.5845g)、[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロエチルエステル(調製39、1.0当量、0.8054g)及びジイソプロピルエチルアミン(2当量、0.7mL)のDMSO(0.25M、8mL)中溶液を、60℃で6時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、水(20mL)を添加した。EtOAc(2×25mL)で抽出し、水(10mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で混合有機相を洗浄した。MgSOで乾燥させ、残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、2Mのアンモニア−メタノール/ジクロロメタン勾配で溶出させた。LCMS(ES+):m/z=532.3[M+H]
【0162】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表11】

【0163】
調製49:4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−6−メチル−ピリジン−2−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(調製3、41.20g、140.9mmol)、(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、57.03g、140.9mmol)及びDIEA(36.8mL、211.4mmol)のDMSO(500mL)中溶液を、60〜65℃で2.5時間加熱した。最後の30分の間に更にDMSO(100mL)を添加し、厚いスラリーを形成させた。室温にスラリーを冷却し、一晩静置した。ジエチルエーテル(600mL)を添加し、室温で1時間スラリーを撹拌した。濾過し、ジエチルエーテル(5×300mL)で洗浄し、次に空気乾燥し、白色固体を得た(68.70g、DMSOで校正しないとき89%の収率:DMSOを約85mol%で含有)。LCMS(ES+):m/z=548[M+H]
【0164】
調製50:1−[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素
【化27】

【0165】
4−(6−メチル−5−{3−[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−ウレイド}−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(約2.74mmol)の酢酸エチル:ジクロロメタン=1:1溶液(200mL)に3分間塩化水素ガスをバブリングし、確実に飽和させた。混合物を30分間静置し、減圧下で濃縮し、白色固体を得た。固体をMeOH中に溶解させ、20gのVarian SCXカラム上へロードし、更にMeOHでリンスした。MeOH:ジクロロメタン=1:1/2Mアンモニアでフリーの塩基を溶出させた。減圧下で溶液を濃縮し、白色固体(1.21g、2段階処理で99%)を得た。LCMS(ES+):m/z=446[M+H]
【0166】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表12】

【0167】
調製52:1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素
4−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(200mg、0.718mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.125mL、0.718mmol)及び(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、291mg、0.718mmol)をDMSO(5mL)中に添加し、75℃で17時間加熱した。室温に冷却し、EtOAc及び水を添加した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水(2×20mL)で洗浄した。有機層を回収し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0〜70%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル328mg(85%)を得た。MS(ES+):m/z=534.4[M+H])。
【0168】
THF(10mL)中に4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(565mg、1.06mmol)を添加した。4MのHCl/ジオキサン(2.65mL、10.6mmol)を添加し、60℃で3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、Varian(商標)SCXカラム上へロードした。MeOHでカラムを洗浄し、更に生成物を2M NH/MeOHで洗浄した。濾過水を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物411mg(89%)を得た。MS(ES+):m/z=434.2[M+H]
【0169】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表13】

【0170】
調製56:1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素
4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−6−メチル−ピリジン−2−イル}−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(調製49、63.20g、115.4mmol)のMeOH(600mL)中溶液を、22℃でHCl(ジオキサン中4N溶液、300mL、1200mmol)で処理した。混合物を4時間撹拌し、次に減圧下で濃縮し(室温、約10Torr、3日間)、オフホワイトの粉末(62.2g−ジオキサンを約45mol%で含有)として1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素 ジヒドロクロリドを得た。LCMS(ES+):m/z=448[M+H]
【0171】
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素ジヒドロクロリド(10g、19.2mmol)のMeOH中溶液を、70gのVarianSCXカラム上へロードし、MeOH(約300mL)でリンスした。2Mアンモニア/MeOH:ジクロロメタン=1:1溶液(150mL)でフリーの塩基を溶出させた。減圧下で濃縮し、白色固体(6.24g)を得た。LCMS(ES+):m/z=448[M+H]
【0172】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表14】

【0173】
調製59:1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[2−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−尿素
【化28】

【0174】
1−5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、608mg、1.5mmol)及び4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(453mg、1.5mmol)のDMSO(3mL)中溶液を、5分間窒素ガスでバブリングした。次にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(500μL、3.0mmol)を添加した。60℃で一晩撹拌し、酢酸エチル(25mL)及び飽和水重炭酸ナトリウム溶液(50mL)を用いて反応混合物を分離させた。水性相を単離し、酢酸エチルで2度(各25mL)抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させ、濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出し、茶色の固体(746mg、88%収率)として4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−6−メチル−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+):m/z=563.3[M+H]
【0175】
4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−6−メチル−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(746mg、1.33mmol)の冷却したジクロロメタン(20mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)を添加した。22℃で25分間反応混合物を撹拌した。溶媒の除去後、残余物を1N水酸化ナトリウム(20mL)で処理し、ジクロロメタンで3回(各20mL)抽出した。硫酸ナトリウム上で混合有機相を乾燥させた。溶媒を除去し、白色固体(605mg、98%収率)を得た。MS(ES+):m/z=463.2[M+H]
【0176】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表15−1】

【表15−2】

【0177】
調製68:1−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素 塩酸
4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.9mmol、0.9g)の4mLのDMSO中溶液に、[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(2.7mmol、1.2g)及びDIEA(2.9mmol、0.5mL)を添加し、85℃で一晩撹拌した。冷却し、水を添加し、CHClで抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4−(5−{3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−ウレイド}−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル勾配(10〜50%)で溶出した。MS(ES+):m/z=584[M+H]。
【0178】
5mLのCHCl及び4.0M 塩化水素/ジオキサン(7.35mmol、1.8mL)に溶解させた4−(5−{3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−ウレイド}−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.5mmol、0.9g)を室温で一晩撹拌した。濃縮し、ジエチルエーテルで白色固体を分散させた。MS(ES+):m/z=484[M+H]
【0179】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表16】

【0180】
調製70:1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−尿素
(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、2.0mmol、0.8g)を、4−(5−アミノ−ピリジン−2−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(2.0mmol、0.6g)及び炭酸カリウム(2.20mmol、0.3g)のアセトニトリル(25mL)中溶液に添加した。室温で12時間、溶液を撹拌した。水を添加し、CHClで抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物を得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、CHCl:MeOHの勾配(0.5〜20%)で溶出し、4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。MS(ES+):m/z=548[M+H]
【0181】
4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.1mmol、0.6g)のEtO(5mL)中溶液を、22℃でHCl(ジエチルエーテル中2.0M溶液、5mL、10mmol)で処理した。室温で一晩溶液を撹拌した。減圧濃縮して残余物を得、更に当該残余物をSCXカートリッジに添加し、2.0Nアンモニア/メタノールで抽出した。フリーの塩基として標題化合物を得た。MS(ES):m/z=488[M+H]
【0182】
調製71:1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−4−イル]−尿素
【化29】

【0183】
4−(4−アミノ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(調製20、1g、3.41mmol)、(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、1.38g、3.41mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、6.82mmol)のDMSO(15mL)中溶液を60℃で5日間加熱した。得られる混合物を室温に冷却し、相分離を補助するために飽和塩化ナトリウム水溶液を使用して、水及び酢酸エチルに層分離させた。酢酸エチルで水性層を抽出し、水で二回混合有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、酢酸エチル/ジクロロメタンの勾配で溶出し、4−{4−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル877mg(43%収率)を得た。LCMS ES+(m/z)549[M+H]
【0184】
4−{4−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(877mg、1.6mmol)のEtOAc:DCM=1:1(100mL)中溶液を、3分間HCl(g)でバブリング処理した。得られた混合物を30分間静置し、減圧下で濃縮した。MeOH中に残余物を溶解させ、20gのVarian SCXカラム上へロードし、MeOHで十分リンスした。フリーの塩基をDCM:2Mアンモニア/MeOH=1:1で溶出させた。減圧下で溶液を濃縮し、標題化合物を得た。(定量分析)LCMS ES+(m/z)449[M+H]。
【0185】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表17】

【0186】
実施例1
1−{6−[4−(2,2−ジメチル−ペンタノイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−3−[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素
【化30】

【0187】
1−[5−(1−メチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−3−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(調製5、1当量、0.1510g)、2,2−ジメチルペンタン酸(1.15当量、0.0521g)及び触媒DMAP(約0.1当量、0.049g)のジクロロメタン(約0.1M、5mL)中溶液若しくはスラリーを、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸(EDC1.15当量、0.0767g)で処理した。室温で48時間得られる混合物を激しく撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。精製A:2Mのアンモニア−メタノール/ジクロロメタンの濃度勾配(酢酸エチルのジクロロメタン又はヘキサン中の勾配)を使用して、シリカゲル上で精製した。精製B:10mMの重炭酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルの勾配を用い、Xterra 30×75mmの5ミクロンMS C18カラムで逆相クロマト精製し、微量の標題化合物を得た。LCMS(ES+):m/z=544.[M+H]
【0188】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表18】

【0189】
実施例4
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素 メタンスルホン酸
【化31】

【0190】
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(調製56、157mg、0.35mmol)、トリメチル酢酸(54mg、0.53mmol)及び触媒DMAP(4mg)のジクロロメタン(3.5ml)中混合液を、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸(EDCI、101mg、0.53mmol)で処理した。得られる混合液を室温で一晩撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、2Mのアンモニア−メタノール/ジクロロメタンの勾配で溶出し、フリーの塩基として標題化合物を得た。LCMS(ES+):m/z=532[M+H]
【0191】
遊離アミンのジクロロメタン(5mL)中溶液若しくはスラリーを、2Mのメタンスルホン酸/ジクロロメタン(1当量、0.155mL)で処理した。得られる混合物を撹拌し、窒素雰囲気下で濃縮し、減圧下で乾燥させ、塩を調製した。
【0192】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表19−1】

【表19−2】

【表19−3】

【表19−4】

【表19−5】

【表19−6】

【表19−7】

【表19−8】

【表19−9】

【表19−10】

【0193】
実施例46
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素
【0194】
アセトニトリル(5mL)中に、1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(48mg、0.111mmol)、2,6−ジフルオロ安息香酸(21mg、0.133mmol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(3mg、0.022mmol)を添加した。O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(50mg、0.133mmol)を添加し、70℃で19時間加熱した。室温に冷却し、CHCl及び水を添加した。有機層を分離し、CHCl(2×25mL)で水性相を抽出した。有機層を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0−60%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、標題化合物を得た。LCMS(ES):m/z=574.2[M+H]
【0195】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表20】

【0196】
実施例50
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素
【0197】
CHCl(10mL)中に、1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(200mg、0.461mmol)、トリエチルアミン(0.071mL、0.507mmol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(6mg、0.051mmol)を添加した。2,2−ジメチル−プロピオニル塩化物(0.062mL、0.507mmol)を添加し、室温で17時間撹拌した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、0−100%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、標題化合物175mg(73%)を得た。MS(ES+):m/z=518.2[M+H]
【0198】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表21】

【0199】
実施例53
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(3−メチル−ペンタノイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(0.20g、0.46mmol)を、3−メチル−ペンタン酸(0.059g、0.51mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.06g、0.46mmol)及びポリマー被支持カルボジイミド(0.83g、1.0mmol)のCHCl/DMF(18/1、mL)混合懸濁液中で反応させた。室温で一晩混合液を撹拌し、次に樹脂を濾過し、CHClで洗浄した。濃縮し、SCXカートリッジで残余物を精製し、NHOH/CHOH 2Nで溶出し、薄いピンク色の固体として標題化合物135mg(55%)を得た。MS(ES+):m/z=532[M+H]
【0200】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表22−1】

【表22−2】

【0201】
実施例61
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−5−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素
アセトニトリル(10mL)中に、1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(5−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素(300mg、0.670mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(154mg、0.804mmol)、2,6−ジフルオロ安息香酸(127mg、0.804mmol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(15mg、0.134mmol)を添加した。反応液を60℃で18時間加熱した。反応液を室温に冷却し、CHCl及び水を添加した。有機層を分離し、CHCl(2×20mL)で水性層を抽出した。有機層を混合し、MgSOを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、10〜70%のEtOAc:ヘキサンで溶出し、標題化合物を得た。MS(ES+):m/z=588.3[M+H]
【0202】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表23−1】

【表23−2】

【0203】
実施例68
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素 モノメタンスルホネート
【化32】

【0204】
オーバーヘッドスターラーを有する25L容の3首フラスコに、[4−(5−アミノ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン(1.00当量、601.77mmol、200.00g)、5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(1.00当量、602.88mmol、244.00g)、N,N−ジメチルアミノピリジン(60.47mmol、7.50g)、ジイソプロピルエチルアミン(229.36mmol、40.00mL、29.64g)、DMSO(1.00L)を添加した。徐々に加熱し、60〜65℃に維持した。DMSO(250mL)を添加し、〜65℃で1時間撹拌を継続した。MTBEを添加し、0.5時間〜60℃に維持した。室温に冷却した。濾過して固体を回収し、混合した。MTBEでケーキ状物をリンスし、一晩減圧下で乾燥させた。9Lのメタノール中に材料を溶解させ、還流しながら活性炭(65g)で1時間処理した。セライト(登録商標)で混合物を濾過した。濾過液を濃縮し、溶媒を酢酸エチルに交換した。濾過し、酢酸エチル、ヘプタンでリンスし、減圧下、40℃で乾燥させ、1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素(490g)を得た。
【0205】
5Lのフラスコに1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素(1.00当量、600.67mmol、353.00g)及びメタノール(3.50L)を添加した。混合物を50〜60℃に加熱した。250mLの酢酸エチル中に、メタン硫酸(1.00当量、603.49mmol、39.56mL、58.00g)を滴下して添加した。〜50℃で0.5時間溶液を撹拌し、熱源を除去した。5時間撹拌し、濾過した。減圧下で濾過水を濃縮した。酢酸エチル(300mL)を添加し、減圧下で濃縮した。酢酸エチルを更に300mL添加し、減圧下で濃縮した。2Lのジエチルエーテルを添加し、15分間撹拌した。一晩静置した。3時間撹拌し、濾過した。ジエチルエーテル及びヘプタンをリンスし、〜40℃で減圧下で乾燥させ、標題化合物(391.4g)を得た。
【0206】
実施例69
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[6−(trans)−4−シクロプロパンカルボニル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−5−メチル−ピリジン−3−イル]−尿素
【化33】

【0207】
rac−[(trans)−4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−シクロプロピル−メタノン(調製9、0.1g、0.35mmol)、5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(0.283g、0.7mmol)をDMSO(3mL)及びDIEA(0.12mL、0.7mmol)中に溶解させた。密封した試験管中で80℃で15時間加熱した。冷却し、氷水中に注いだ。AcOEtで数回抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOを通じて乾燥させ、残余物を得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、50−90%のAcOEt/ヘキサンで溶出し、固体として0.09g(47%収率)のrac−1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[6−(trans)−4−シクロプロパンカルボニル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−5−メチル−ピリジン−3−イル]−尿素を得た。MS(ES+):m/z=544.5[M+H]
【0208】
粗生成物をキラルクロマトグラフィに供し、Chirapack ASカラムを使用して、ヘキサン−DMEA 0.2%:EtOH 25%で溶出(3.78分)した。MS(ES+):m/z=544.5[M+H]
【0209】
実施例70
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,2−ジメチル−プロピオニル)ピペラジン−1−イル]−4−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素
(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製38、0.32mmol、0.1g)を、(1−[4−(5−アミノ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン(0.3mmol、0.08g)及び炭酸カリウム(0.3mmol、0.05g)のアセトニトリル(3mL)中溶液に添加し、80℃で4時間溶液を撹拌した。水を添加し、CHClで抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物を得た。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチルの勾配(20%〜80%まで)で溶出した。MS(ES+):m/z=532[M+H]
【0210】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表24】

【0211】
実施例74
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{5−クロロ−6−[4−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−(5−クロロ−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素 塩酸(1.6mmol、0.7g)のCHCl(5mL)中溶液に、1−メチルシクロプロパンカルボン酸(1.6mmol、0.2g)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物(1.8mmol、0.2g)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.8mmol、0.3g)及びトリエチルアミン(4.8mmol、0.7mL)を添加した。室温で24時間溶液を撹拌した。水を添加し、CHClで抽出した。有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残余物を得た。当該残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル勾配(20%〜80%)で溶出させた。MS(ES+):m/z=550[M+H]
【0212】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表25】

【0213】
実施例76
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリジン−3−イル}−尿素
【化34】

【0214】
3mLのアセトニトリル中で、11−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−尿素(0.22mmol、0.1g)、2,6−ジフルオロ−塩化ベンゾイル(0.2mmol、0.03mL)及びトリエチルアミン(0.2mmol、0.03mL)を室温で一晩撹拌した。CHClを添加し、飽和水塩化ナトリウム及び水で洗浄した。硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、CHCl:MeOHの勾配(0.5〜10%)で溶出させた。MS(ES+):m/z=588[M+H]
【0215】
実施例77
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{2−メチル−6−[1−(1−メチル−シクロプロパンカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−3−イル}−尿素
【化35】

【0216】
4−{5−[3−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−ウレイド]−6−メチル−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン(93mg、0.2mmol)、1−メチルシクロプロピル 1−カルボン酸(40mg、0.4mmol)、HOBt(30mg、0.25mmol)及びDCC(80mg、0.4mmol)のジクロロメタン(2mL)中反応混合物を、22℃で18時間撹拌した。濾過し、シリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出し、白色固体(111mg、100%収率)を得た。MS(ES+):m/z=545.3[M+H]
【0217】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表26−1】

【表26−2】

【表26−3】

【表26−4】

【表26−5】

【0218】
実施例99
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{5−クロロ−6−[1−(2−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−3−イル}−尿素メシラート
【化36】

【0219】
上記の方法と実質的に同様の方法で、フリーの塩基を調製した。ジクロロメタン(1mL)及びMeOH(5mL)中の当該フリーのアミンの溶液又はスラリーを、メタンスルホン酸(1当量、17.66mg0.183mL)で処理し、メシル酸塩に変換した。得られる混合物を激しく撹拌し、濃縮し、減圧下で乾燥させ、塩を調製した。MS(ES+):m/z=605.0[M+H](フリーの塩基として)。
【0220】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表27−1】

【表27−2】

【表27−3】

【表27−4】

【表27−5】

【0221】
実施例117
1−{6−[1−(2−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−5−メチル−ピリジン−3−イル}−3−[2−p−トリル−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−1−トリフルオロメチル−エチル)―2H―−ピラゾル−3−イル]−尿素
【化37】

【0222】
[2−p−トリル−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−1−トリフルオロメチル−エチル)―2H―−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸 2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(調製37、95mg、0.185mmol)及び[4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−(2−フルオロ−フェニル)−メタノン(調製19、61mg、0.185mmol)のDMSO(3mL)中溶液を、5分間窒素ガスでバブリングした。次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.08mL、0.463mmol)を添加した。70℃で一晩撹拌し、CHCl(75mL)に添加し、10gのSCX MegaBond溶出カラムで洗浄した。CHCl(3×35mL)、MeOH(2×50mL)及び2M NH/MeOH(3×50mL)でカラムを洗浄した。所望のフラクションを混合し、濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、CHCl及び10% MeOH/90% CHCl溶液で溶出させ、白色固体(69mg、54%収率)として標題化合物を得た。MS(ES+):m/z=693.5[M+H]
【0223】
実施例118
1−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素
5mLのCHCl中で、1−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−3−(2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−尿素塩酸塩(0.85mmol、0.5g)、2,6−ジフルオロベンゾイル塩化物(0.85mmol、0.1mL)及びトリエチルアミン(2.6mmol、0.4mL)を室温で一晩撹拌した。水を添加し、CHClで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。無水硫酸ナトリウムを通じて乾燥させ、減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/酢酸エチル(20%〜70%)を使用して溶出させた。MS(ES):m/z=624[M+H]
【0224】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表28】

【0225】
実施例121
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2−シクロペンチル−アセチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素 メタンスルホネート
【化38】

【0226】
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{6−[4−(2−シクロペンチル−アセチル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−尿素のCHCl/MeOH(95/5)(2mL)中溶液を撹拌し、0.10mLの1Nメタン硫酸のCHCl/MeOH(95/5)中溶液を添加した。室温で20分間混合物を撹拌し、Nをフラッシュし、溶媒を蒸発させた。塩をEtOで分散させ、濾過し、乾燥させ、標題化合物を得た。MS(ES+):m/z=544[M+H]
【0227】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表29−1】

【表29−2】

【表29−3】

【表29−4】

【0228】
実施例134
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−{2−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−4−イル}−尿素 メタンスルホネート
【化39】

【0229】
1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル)−3−[2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−4−イル]−尿素(調製71、179mg、400mmol)、2,6−ジフルオロ安息香酸(76mg、0.48mmol)及び触媒DMAP(5mg)のジクロロメタン(4ml)中溶液を、EDCI(92mg、0.48mmol)で処理した。室温で一晩得られた混合物を撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、窒素雰囲気下で濃縮した。数mLのDCMで残余物を分散させた。超音波破壊の後、白色固体をフィルターで濾過し、減圧下で乾燥させ、フリーの塩基(69%収率)として標題化合物162mgを得た。
【0230】
遊離アミンのDCM:MeOH=3:2(5mL)中懸濁液を、2M メタンスルホン酸/ジクロロメタン(1当量、0.138mL)で処理した。溶液が清澄となるまで混合物を撹拌し、窒素雰囲気下で濃縮し、減圧下で乾燥させ、表題の塩を得た。(LCMSES+(m/z)589[M+H])。
【0231】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表30】

【0232】
実施例136
1−{2−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−4−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素
[4−(4−アミノ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン(265mg、0.80mmol)、5−(1−フルオロメチル−シクロプロピル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(350mg、0.80mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(700mL)の4mLのDMSO中溶液を、60℃で16時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、水を添加した。沈殿物を濾過し、水及びペンタンでリンスし、真空オーブンで60℃で乾燥させた。残余物をシリカゲルクロマトグラフィに供し、2Mのアンモニア−メタノール/ジクロロメタン(0〜2%)の勾配で溶出し、85mgの生成物を得た。
【0233】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表31】

【0234】
実施例139
1−{2−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−4−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素 メシレート
71mg(0.114mmol)の1−{2−[1−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−ピリジン−4−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1−フルオロメチル−1−メチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素の2mLのDCM/MeOH(95:5)混合液中溶液に、調製直後の1M MeSOHのDCM/MeOH(95:5)中溶液を0.114mL(0.114mmol)添加した。室温で20分間混合物を撹拌し、N流中で溶媒を蒸発させた。残余物をEtOで分散させ、標題化合物(76mg、93%収率)(100%の純度)を得た。ES+(m/z)=625[M+H]
【0235】
上記の方法と実質的に同様の方法で、以下の化合物を調製した。

【表32】

【0236】
実施例141
1−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−5−メチル−ピリジン−3−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素 メタンスルホネート
【化40】

【0237】
[4−(5−アミノ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノン(400mg、1.205mmol)及び[5−(2−フルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−カルバミン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(1当量)のアセトニトリル(12mL)中溶液に、DIEA(2当量)を添加した。密封した試験管中で、80℃で混合物を撹拌した。4日後に溶媒を除去した。DCMで粗生成物を溶解させ、水で抽出し、NaSO上で乾燥させた。濾過し、減圧下で溶媒を除去した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィに供し、ヘキサン/アセトン=3:1で溶出させ、白色固体(48%収率)として352mgの1−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−5−メチル−ピリジン−3−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素を得た。ES+(m/z):606[M+1]
【0238】
DCM(0.5mL)中に、フリーの塩基としての1−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−5−メチル−ピリジン−3−イル}−3−[5−(2−フルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−2−p−トリル−2H−ピラゾル−3−イル]−尿素50mg(0.083mmol)を溶解させた。トリフルオロメタンスルホン酸/DCM(1N)を1当量添加した。30分後に溶媒を除去し、白色固体を得た。エーテル/DCMで数回洗浄した後、減圧下で固体を乾燥させ、標題化合物(95%収率)55mgを得た。ES+(m/z):606[M+1]
【0239】
p38キナーゼの阻害:
標準用液の調製
2.5mLの1M トリス−HCl(pH7.5)、0.1mLの1M ジチオスレイトール、1.0mLの1M 塩化マグネシウム及び300μLの1% トリトンX−100を混合し、水100mLで希釈し、キナーゼ緩衝液を調製した。このキナーゼ緩衝液84mLを16mLのDMSOと混合し、16%のDMSO溶液を調製した。
【0240】
102.6μLの10mM ATP水溶液、25μL33P−ATP、及び163.5μLの4mM EpidermalGrowthFactorPeptide661−681水溶液(Biomol,Catalog#P−121)を、5mLのキナーゼ緩衝液に添加し、200μMのATP溶液を調製した
【0241】
1536μLのキナーゼ緩衝液に、9.5μLの濃縮した酵素溶液(250ngのp38酵素/μLキナーゼ緩衝液)を溶解し、p38キナーゼ酵素溶液を調製した。
【0242】
サンプル調製
Costar社製96穴マイクロタイタープレート内に、248μLの16% DMSO溶液中に、各化合物のジメチルスルホキシド中の10mMストック液を2μL溶解させ、各試験化合物及びコントロール化合物の80μM濃度の溶液を調製した。プレートを1:3で連続希釈し、Tecan Genesis自動液体ハンドラー上に配置した。
【0243】
アッセイ
連続希釈された化合物の溶液10μLを、Beckman Multimek 96ウェル自働液体ハンドラーに配置したアッセイプレートに添加した。200μMのATP溶液20μLを、Titertek Multidrop 8−チャネル液体ハンドラーを用いて添加した。p38キナーゼ酵素溶液10μLを、Multimekを使用してアッセイプレートへ添加した。混合物を30℃で40分間反応させ、次にMultidropで調製直後の5%の結晶AcOH 60μLを添加して反応を停止させた。この溶液80μLを、Multimekを使用して「MAPH」プレートへ移した。このプレートを、室温で30分間静置し、次に調製直後の0.5%結晶AcOH(1×300μL、2×200μL)を用い、Titertek MAP抽出機で洗浄/吸引した。プレートを吸引し、100μL MicroScint−20シンチレーション液(Packard Bioscience社製)をMultidropで添加した。プレートを30分間静置し、33P−同位元素を、PE/Wallac Microbeta Triluxシンチレーションカウンターでカウントした。
【0244】
実施例5で例証した化合物を、最初に10の濃度(20μM〜1nMとなるように、1:3連続希釈)で試験した。次に25nM未満のIC50値を有する化合物を、2μM〜0.1nM(1:3連続希釈)の濃度で再試験した。IC50値は、各化合物ごとに非線形回帰を使用して算出した(IDBS ActivityBaseソフトウェアを使用)。基本的に上記に従い実施例5を試験し、22nMのIC50でp38キナーゼ酵素を阻害することが明らかとなった。
【0245】
in vitroにおけるp−MAPKAPK2の抑制
RAW264.7細胞(マウス単球/大食細胞系 ATCC)を、RPMI−1640培地+10%のウシ胎児血清(FBS)を用い96ウェルプレート中に50,000の細胞/ウェルの密度で播種し、沈着させ、48時間かけてウェルの底に付着させた。コンフルエンスとなった後、細胞を、各化合物の10の連続希釈系列で2時間処理した。全ての試験においてコントロール化合物も含めた。2時間後にアニソマイシン(100ug/ml)を添加し、細胞を5%のCO雰囲気下、37℃で30分間インキュベートした。次に細胞を固定し、過酸化水素で処理し、内在性ペルオキシダーゼを除去した。最後にプレートをFBSでブロッキングし、洗浄し、抗リン酸化−MAPKAPK2抗体(Thr334,Cell Signalling,Cat#3041)及びahP−コンジュゲート二次抗体を用いてELISAアッセイを実施した。この反応では、強化された化学発光基質ahPであるFEMTO(Pierce社製)を用いた検出を行い、それにより急速な動態における発光及び高いシグナル強度がもたらされた。
【0246】
基本的に上記に従い例証した化合物を試験した結果、300nM以下のIC50値を有することが明らかとなった。実施例111、113、114、115、119で調製した化合物を、基本的に上記に従い、100%の血清の存在下で試験し、500nM以下のIC50値を有することが明らかとなった。以下の化合物を基本的に上記に従い試験し、以下の活性を有することが明らかとなった。
【表33】

【0247】
in vitroでTNFαの抑制:
マウス腹腔マクロファージ:
1mLのチオグリコール酸塩ブロス(1.0Lの蒸留水中に、5.0gのイーストエキス、15.0gのカシトン又はトリプチカーゼ、5.0gのデキストロース、2.5gの塩化ナトリウム、0.75gのL−シスチン、0.5gのチオグリコール酸ナトリウム、1.0mgのレサズリン及び0.75gのアガー)を、Balb/C雌マウスの腹膜空腔に注入した。注入後4日目又は5日目にマウスをと殺し、RPMI−1640培地(BioWhittaker)4mLでi.p.注入し、腹膜マクロファージをシリンジで吸引した。
【0248】
サイトカイン産生:
マウス腹膜マクロファージを血球計測板で計測し、10%のウシ胎児血清を添加したRPMI−1640培地で、96ウェルプレート中に5×10細胞/ウェルとなるように調節した。200μL/ウェルで96ウェルプレートに沈着させ、少なくとも3時間、細胞をウェルの底部に付着させた。試験化合物又は標準物質のp38キナーゼ阻害剤を、37℃で1時間、8つの濃度系列を使用して前処理した(20μL/ウェル)。37℃で、18時間、50ng/mLのリポ多糖(LPS)及び10U/mLインターフェロン−γの混合物を用いて細胞を処理した(20μL/ウェル)。処理に供された培地を回収し、Luminex検出法を使用してTNFα産生をアッセイした。
【0249】
TNFα/Luminex(Bio−Rad Bio−Plex Kit−Catalog#171−G12221)検出アッセイ:
TNFαスタンダードのプレミックス(1つのスタンダードチューブ/2つの96ウェルプレート)の凍結乾燥品を、滅菌水50μL(500,000pg/mL)に溶解させて再調製した。サンプルを5秒間ボルテックスし、30分間氷上でインキュベートし、更に使用前に5秒間ボルテックスした。12本の一組の1.5mLチューブを#1〜#12として適宜ラベルし、それらのチューブに以下に示す数値で培地を添加した。(スタンダード濃度は以下の通り:50,000、25,000、12,500、6,250、3,125、1,562.5、781.3、390.6、195.3、97.7、48.8及び24.4pg/mL)。抗サイトカインをコンジュゲートしたビーズのプレミックスを30秒間激しくボルテックスした(25×)。抗サイトカインをコンジュゲートしたビーズを、1×Bio−Plex Assay Bufferを使用している1×濃度に希釈した。全プレートについて、ビーズのプレミックス240μLを、5,760μLのBio−Plex Assay Bufferに添加した。ミリポア社製の96ウェルフィルタープレートをブロッキングバッファでブロッキングした(100μL/ウェル)。ブロッキングバッファをミリポア社製の濾過システムを使用して濾過し、更に乾燥させた。フィルタープレートを、Bio−Plex Assay Bufferで、100μL/ウェルで2回洗浄し、タオルドライした。1×抗サイトカイン共役ビーズを15秒間ボルテックスし、各ウェルに50μLずつ添加した。これを濾過し、タオルで乾燥させた。プレートを、Bio−Plex Wash Bufferで、100μL/ウェルで2回洗浄した。再度濾過し、タオルで乾燥させた。サンプル又はスタンダードを50μLずつ、各サンプルウェルに添加した。これを、6にセットした状態で遮光しながら60秒間、更に3にセットした状態で30分間、シェーカ上で室温でインキュベートし、更に一晩冷蔵庫で保存した。Bio−Plex Wash Bufferで3回洗浄した。濾過し、タオルで乾燥させた。全てのプレートにおいてサイトカイン検出抗体を調製し(使用前〜10分)、サイトカイン検出抗体プレミックスのストック溶液60μLを、Bio−Plex検出抗体希釈液5940μLに添加した。
【0250】
サイトカイン検出抗体を50μL添加し、6にセットした状態で遮光しながら60秒間、更に3にセットした状態で30分間、シェーカ上で室温でインキュベートした。Bio−Plex Wash Bufferで3回洗浄した。これを濾過し、タオルで乾燥させた。全てのプレートにおいてStrept−PE(使用前〜10分)を調製し、Bio−Plex Assay Buffer 5940μLに60μL添加した。50μLのStreptavidin−PEを各ウェルに添加し、6にセットした状態で遮光しながら60秒間、更に3にセットした状態で30分間、シェーカ上で室温でインキュベートした。Bio−Plex Wash Bufferで3回洗浄した。これを濾過した。Bio−Plex Assay Buffer 100μL/ウェル中にビーズを再懸濁した。スタンダード及びサンプルをLuminex装置で測定した。これらの強度値を、更に4パラメータの対数回帰法(Bio−Plex Manager 2.0、Bio−Rad社製)を用いて作成した12地点に関する標準曲線(2回)に基づいてpg/ml単位に変換し、IC50を算出した。
【0251】
実施例5で例証した化合物を基本的に上記に従い試験し、18nMのIC50でin vitroでTNFαを抑制した。
【0252】
in vivoでのTNFαの抑制
雌のBalb/cマウス(6マウス/投与群)に化合物を経口投与した(30、10、3及び1mg/kg)。4つの投与量(0.1mL/マウスのボリュームのP.O.、ビヒクル:水の1%のNaCMC/0.25%のTween−80)で当該化合物を投与してから1時間後において、マウスに400μg/kgでLPSをIP注入した。LPS曝露の1.5時間後に、マウスをイソフルランで麻酔し、血液を心臓穴から採取した。血漿中のTNFa−濃度を、R&D Systems社製のELISAキットを使用して測定し、投与量に対する反応ED50を測定した。
【0253】
実施例5で例証した化合物を基本的に上記の通り試験し、2.24mg/kgのTMED50においてin vivoTNFαを抑制した。最小有効量50(Threshold Minimum Effective Dose(TMED50))とは、50%以上の抑制がなされ、かつそれがコントロール/プラセボ群とは統計学的に異なるときの投与量を指す。
【0254】
経口曝露
雄のフィッシャー344マウスへの経口露光により、化合物をスクリーニングした。動物を一晩絶食させ、Tween80(0.25%v/v)及び消泡剤(0.1%w/v)を含有するカルボキシルメチルセルロースナトリウム(1%w/v)の懸濁液として調製した試験化合物を投与した。投与懸濁液を1mg/mLで調製し、1mL/kgで胃管を介して強制投与した。血液を投与後0.5〜7時間にサンプリングし、遠心分離により血漿を調製した。血漿サンプルを、オンライン固相抽出及びLC/MS/MSを使用して分析した。
【0255】
実施例5で例証した化合物を、基本的に上記に従い試験し、Cmaxが9390ng/mL、AUC(0−7h)が36800ngh/mLであった。
【0256】
関節内LPSにより誘発されたTNFαに対する効果
ネズミ足関節へのLPS関節内注入によりTNFαの合成が誘導され、それを滑液洗浄液中で測定できる。2時間以内にTNFαが高いレベルで検出できる。関節炎が進行する部位が関節であるため、経口投与の化合物が関節滑膜の炎症性反応に影響を及ぼすか否かを、このモデルで迅速に解析できる。
【0257】
6匹の雌のLewisラット(150〜200g)を各治療群に含めた。動物に対し、担体(1%のカルボキシメチルセルロースNa−0.25% Tween80中)又は試験化合物(1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg及び30mg/kg)を経口投与した。1時間後、10μLのLPS(10μg)を各ネズミの右の足関節に関節内投与し、一方左の足関節に生理食塩水10μLを投与した。2時間後、各足関節を生理食塩水100μLで洗浄した。洗浄液を回収し、−80℃で保存した。
群1:担体(1% NaCMC−0.25% Tween80、1mL、PO)
群2:試験化合物(1mg/kg、1mL、PO)
群3:試験化合物(3mg/kg、1mL、PO)
群4:試験化合物(10mg/kg、1mL、PO)
群5:試験化合物(30mg/kg、1mL、PO)
【0258】
市販のELISAキット(R&D、RTA00)でTNFαを測定した。実施例5で例証した化合物による処理により、TNFα産生が用量反応的に阻害され、TMED50=3.57mg/kg(滑液洗浄液)として算出された。
【0259】
フローサイトメトリを用いた、アニソマイシン刺激マウスにおけるex vivoでのリン酸化MAPKAPK2の阻害アッセイ
8〜10週齢の雌のBalb/cマウスをTaconic社から購入し、30、10、3、1mg/kgの濃度で化合物を含有する溶液を0.2mL経口投与した。2時間又は他の所定時間の後、血液を心臓穴から採取し、EDTAを含有する試験管に集めた。血液100μLを37℃で10分間インキュベートした。次に全血をFITCコンジュゲートしたラット抗マウスLy−6Gモノクローナル抗体(1:250)、及びAPCコンジュゲートしたラット抗マウスCD11bmAb(1:100)と混合し、10μg/mlのアニソマイシンで刺激した。両方の細胞表面抗原の染色、及びアニソマイシン刺激を37℃で15分間実施し、更にLyse/Fixバッファ(BD Biosciences,Cat#558049)を用いて室温で10分間処理した。溶解させた血液サンプルを室温で8分間、600×gでスピンダウンし、4mLのPBSで更に洗浄した。希釈(1:100希釈)した抗−リン酸化−MAPKAPK−2抗体(Thr334)(Cell Signaling社製、Cat#3041)、及びマウスBD Fc Block(1:100希釈)(BD Biosciences,553141)を、200μLの透過用の溶媒B(Caltag,Cat#GAS002S−5)に溶解させ、血球に添加し、室温で30分間インキュベートした。インキュベート後、3mLの染色/洗浄バッファを添加し、細胞を上記の通りスピンダウンし、更に3mlの染色/洗浄バッファで洗浄した。更に細胞をBeckman CoulterF500を使用してフローサイトメトリで解析した。ホスフィノ−MapKap−K2染色の平均の蛍光強度を、陽性染色されたCD11b+Ly6G−細胞に関して測定した。データの分析をJMPプログラムにより実施した。実施例5で例証した化合物による処理により、TMED50=2.28mg/kgとして表される、p−MAPKAPK2合成の用量反応の阻害が観察された。
【0260】
ネズミコラーゲン誘導による関節炎有効性モデル
雌のLewisラット(≒190g、Charles River Labs社製)を用い、ウシII型コラーゲン(2mg/mL)を等量のアジュバント(水酸化アルミニウム)と混合してエマルジョンを形成させ、免疫した。ラットの尾の付け根付近の背部に、約0.3mgのエマルジョンを皮下注射した。すべての動物を、同じプロトコルに従って7日後に再度免疫した。ラット体内で、初回免疫後、12〜14日において関節炎(一方又は両方の足関節の膨張リング及び発赤を特徴とする)を開発し始める。関節炎の第1の徴候が見られたときに、ラットを5つの処理群に等しく分け、治療はラットに1日2回(Bid)、14日間にわたり投薬することにより実施した。
処理群:
群1:担体1mL(1% カルボキシメチルセルロースNa+0.25% Tween80)PO、Bid×14日
群2:試験化合物5mg/kg、1mL、PO、Bid×14
群3:試験化合物15mg/kg、1mL、PO、Bid×14
群4:試験化合物30mg/kg、1mL、PO、Bid×14
群5:プレドニソロン10mg/kg、1mL、PO、qd(1日1回)×14
【0261】
足関節の直径を週5日、カリパス副木で測定し記録した。データを複合炎症スコアから得た曲線下の領域(AUC)として表し、統計分析を実施した。実施例5で例証した化合物では、組織学的な意味においてTMED50=5mg/kgを呈した。
【0262】
本発明の化合物は経口投与で用いるのが好ましい。しかしながら、経口投与が唯一の投与経路、又は唯一の好ましい投与経路ではない。例えば、経皮投与は薬剤の経口摂取を忘れやすい、若しくは経口摂取を敬遠する患者にとって好ましく、また静脈内投与は簡便性において、又は経口投与に関連する合併症の危険性を回避するという意味において好ましい。式Iの化合物は、具体的な状況によっては経皮的、筋肉内、鼻腔内、直腸内経路で投与してもよい。投与経路はいかなる形で変化させてもよく、例えば薬の物理的性質、患者及び介護者の便宜、及び他の関連する状況に応じて変化させてもよい(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(1990))。
【0263】
医薬組成物は周知の製薬法で調製される。担体又は賦形剤は、固体、半固体、又は担体若しくは有効成分の媒体として機能しうる液体材料であってもよい。適切な担体又は賦形剤は公知である。医薬組成物は、経口投与、吸入、非経口投与又は局所投与に適する形態で調製でき、錠剤、カプセル、エアゾール、吸入器、坐薬、溶液、懸濁液等の形態で患者に投与できる。
【0264】
本発明の化合物は、例えば不活性希釈剤若しくはカプセルにより、又は錠剤に圧縮した形態で経口投与してもよい。治療目的で経口投与する場合、化合物を賦形剤と共に混合し、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェーハ、チューインガムなどの形で用いてもよい。これらの調製物は本発明の化合物(活性成分)を少なくとも4%含有する必要があるが、具体的な形状によって、単位重量当り4%〜約70%の間で適宜変化させることができる。かかる適切な投与量となるような量で、組成物中に当該化合物を添加する。本発明の好ましい組成及び調製法は、当業者に公知の方法を用いて決定できる。
【0265】
錠剤、ピル、カプセル、トローチなどの場合は、以下の補助剤のうちの1つ以上を含有させてもよい:結合剤(例えばポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース又はゼラチン)、添加剤又は希釈剤(例えば澱粉、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸ジカルシウム)、崩壊剤(例えばクロスカルメロース、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、穀物澱粉など)、潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク又は水素化した植物油)、滑走剤(例えばコロイド状シリカ)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80)、及び甘味料(例えば蔗糖、アスパルテーム又はサッカリン)又は香料(例えばペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジフレーバー)。投与単位の形態がカプセルである場合、上記のタイプの材料に加えて、液体担体(例えばポリエチレングリコール又は脂肪油)を含有させてもよい。他の投与単位の形態としては、コーティングなどの、投与単位の物理的な形状を修飾する他の様々な材料を含むものが挙げられる。すなわち、錠剤又はピルを砂糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリレートなどのコーティング剤でコーティングしてもよい。シロップとしてもよく、本発明の化合物に加えて、甘味料としての蔗糖、適切な防腐剤、染料、着色料及び風味料を含有させてもよい。これらの様々な組成物を調製する際に使用する材料は、薬理学的に純粋で、またその使用量が毒性をもたらす量ではないことが必要である。好ましい製剤は、所望の投与量の式Iの化合物に対して、1% カルボキシメチルセルロースNa−0.25% Tweenを添加することにより調製される。
【0266】
式Iの化合物は通常、広い投与量範囲において効果的である。例えば、1日当りの投与量を、約0.0001〜約30mg/kg体重の範囲とすることができる。場合によっては、上記の範囲の下限投与量以下のレベルでも十分過ぎることもあり、一方で上限投与量以上でもいかなる有害な副作用を生じさせないこともあるため、上記の投与量範囲はいかなる形であれ本発明の範囲を限定することはない。実際の化合物の投与量は、治療しようとする症状、化合物の投与経路、実際に投与する化合物、年齢、体重及び個々の患者の反応、並びに患者の症状の重症度などの関連する状況を考慮に入れて、医師により決定されることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、Zは以下からなる群から選択され、
【化2】

Xは以下からなる群から選択され、
【化3】

はハロ基及びC−Cアルキルハロ基からなる群から選択される1〜6個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cアルキル基であるか、C−Cアルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択される1又は2個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cシクロアルキル基であるか、又はトリメチルシリル基であり、
はC−Cアルキル基で任意に置換されてもよいフェニル基であるか、又はC−Cアルキル基で任意に置換されてもよいピリジニル基であり、Yは水素、C−Cアルキル基、ハロ基又はC−Cアルキルハロ基であり、
はC−Cシクロアルキル基で任意に置換されてもよいC−Cアルキル基であるか、C−Cアルコキシ基であるか、C−Cアルキルハロ基であるか、C−Cアルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択される1〜4個の置換基で任意に置換されてもよいC−Cシクロアルキル基であるか、又は、ピリジル基、フェニル基若しくはチエニル基であって、それらの各々が、ハロ基、シアノ基、C−Cアルキル基、C−Cアルキルハロ基及びC−Cアルコキシ基からなる群から選択される第1の置換基で任意に置換され、C−Cアルキル基及びハロ基からなる群から選択される第2の置換基で更に任意に置換されてもよく、
は水素又はC−Cアルキル基である)
で表される化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
【請求項2】
Xが
【化4】

である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が4−トリル基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
がC−Cアルキル基である、請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
がtert−ブチル基である、請求項1から3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
が2,6−ジフルオロベンジル基である、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
式Iの化合物:
【化5】

1−(5−tert−ブチル−2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−3−{6−[4−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−2−メチル−ピリジン−3−イル}−尿素
又はその薬理学的に許容できる塩。
【請求項9】
薬理学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤との組合せで請求項1から8のいずれか1項記載の化合物を含んでなる医薬用製剤。

【公表番号】特表2009−513649(P2009−513649A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537914(P2008−537914)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/041644
【国際公開番号】WO2007/053394
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】