説明

キーテレホン装置、リダイヤル制御方法およびプログラム

【課題】キーテレホン装置において、効率の良いリダイヤル処理を実現すること。
【解決手段】着信履歴を記憶する着信履歴記憶部3と、この着信履歴記憶部3が記憶した着信履歴を電話端末10、11の表示部14およびコンピュータ端末12の画面に表示させる表示制御部4と、この表示制御部4により表示された着信履歴の中の指定された着信の発信元に対して発信する呼制御部2と、を備えるキーテレホン装置1において、着信履歴記憶部3は、1つの着信の発信元に対して1以上の連絡を希望する電話番号またはアドレスを記憶し、着信の発信元に対して連絡を希望する複数の電話番号またはアドレスの記憶を受け付ける旨のメッセージを送出するIVR制御部5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーテレホン装置、リダイヤル制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話端末に着信した履歴を記憶しておき、ユーザがこの履歴に基づいて当該着信の発信元へ簡単に発信できるリダイヤル機能が広く利用されている。これによれば、ユーザが電話端末から離れていて、着信に対して応答できなかった場合でもユーザは着信が有ったことを認識することができると共に、着信の発信元へ電話番号などを調べる手間無く簡単に電話をかけられるので便利である。
【0003】
このようなリダイヤル機能は、キーテレホン装置などのPBX(Private Branch
Exchange)においても導入されている。例えば、特許文献1には、PBX経由の発信であっても発信元の顧客会社を特定する確率を向上させる技術が開示されている。
【0004】
ここで、リダイヤル機能を有するキーテレホン装置50の構成について図7を参照して説明する。キーテレホン装置50は、呼制御部51、着信履歴記憶部52、表示制御部53により構成される。また、キーテレホン装置50には、電話端末60、61、コンピュータ端末62が収容されている。電話端末60、61は、送話機および受話機からなるハンドセット部70と画像や文字を表示する表示部71とからなる。また、コンピュータ端末62は、電子メールや画像情報の送受信を行う他に、マイクロフォンおよびイヤホンを装着することによって電話端末の送話機および受話器としての機能も実現することができる。
【0005】
着信の発信元は、固定電話端末80の他に、携帯電話端末81、コンピュータ端末82を所持している。キーテレホン装置50の呼制御部51は、着信の発信元と通信網90を介して接続されている。なお、通信網90は、どのようなネットワークでもよいが、例えば、NGN(Next Generation Network)やIP(Internet
Protocol)網である。この場合、キーテレホン装置1は、NGNやIP網などとのインタフェースを有する。
【0006】
次に、キーテレホン装置50の動作について説明する。呼制御部51は、着信が電話端末61宛てであることを着信に含まれる着信情報を分析することにより認識して電話端末61に着信を接続する(ステップS30)。このときに、呼制御部51は、電話端末61が無応答であることを検出すると(ステップS31)、固定電話端末80からの着信履歴を着信履歴記憶部52に記憶させる(ステップS32)。また、表示制御部53は、この着信履歴に基づくリダイヤル情報を電話端末61の表示部71に表示させる(ステップS33)。リダイヤル情報としては、例えば連絡先電話番号として「03−1234−5678」と表示させる。なお、この電話番号は固定電話端末80の電話番号である。
【0007】
ここで、電話端末61のユーザが電話端末61に対してリダイヤル操作を行うと(ステップS34)、呼制御部51は、固定電話端末80へのリダイヤル発信を行う(ステップS35)。これにより、固定電話端末80が応答すれば、電話端末61と固定電話端末80との間で通信が開始される。
【0008】
【特許文献1】特開2002−152388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
昨今では、一人のユーザが複数の電話端末を利用するケースが増えている。図7の例では、着信の発信元であるユーザが室内に設置されている固定電話端末80により発信を行った後、携帯電話端末81を所持して外出した場合には、このユーザが連絡を欲しい電話端末は、固定電話端末80ではなく携帯電話端末81になる。
【0010】
しかし、上述したようなリダイヤル機能は、実際に着信した履歴のみを記憶するものである。よって、リダイヤル機能を用いて連絡する対象となるのは固定電話端末80の方になる。
【0011】
また、昨今では、電話端末にも様々な信号種別の信号が用いられる。例えば、テレビ電話端末であれば、音声信号と画像信号とが用いられる。さらに、同じ音声信号や画像信号であってもそのコーデック能力には様々な種類がある。しかしながら、着信履歴には、信号種別やコーデック能力の情報は含まれない。
【0012】
したがって、ユーザは、リダイヤルの際に、相手先の電話端末の信号種別やコーデック能力を把握することなくリダイヤルすることになる。その結果、ユーザは、相手先の電話端末の信号種別と異なる信号種別で発信したり、信号種別は一致していてもコーデック能力が不一致の状態で発信するといったことが避けられない。
【0013】
信号種別の異なる電話端末同士では、通信は困難である。また、信号種別が同一である電話端末同士でもコーデック能力が不一致であればコーデック能力のネゴシエーション処理が発生する。このようなネゴシエーション処理は、通信網の負荷となるため通信網の有効利用のためには好ましくない。
【0014】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、効率の良いリダイヤル処理を実現することができるキーテレホン装置、リダイヤル制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のキーテレホン装置は、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段と、この着信履歴記憶手段が記憶した着信履歴を電話端末の表示部に表示させる表示制御手段と、この表示制御手段により表示された着信履歴の中の指定された着信の発信元に対して発信する発信手段と、を備えるキーテレホン装置において、着信履歴記憶手段は、1つの着信の発信元に対して1以上の連絡を希望する電話番号またはアドレスを記憶し、着信の発信元に対して連絡を希望する複数の電話番号またはアドレスの記憶を受け付ける旨のメッセージを送出する自動応答手段を備えるものである。
【0016】
本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明のキーテレホン装置における着信履歴記憶手段、表示手段、発信手段、自動応答手段および登録手段の機能を備える制御部の機能を実現するものである。
【0017】
本発明のリダイヤル制御方法は、着信履歴を記憶し、この着信履歴を電話端末の表示部に表示させ、この表示された着信履歴の中の指定された着信の発信元に対して発信するキーテレホン装置におけるリダイヤル制御方法において、着信履歴を記憶する処理は、1つの着信の発信元に対して1以上の連絡を希望する電話番号またはアドレスを記憶するステップを有し、着信の発信元に対して連絡を希望する複数の電話番号またはアドレスの記憶を受け付ける旨のメッセージを送出する自動応答ステップを有するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、効率の良いリダイヤル処理を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置1の構成について)
本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置1の構成について図1を参照して説明する。キーテレホン装置1は、呼制御部2、着信履歴記憶部3、表示制御部4、IVR(Interactive Voice Response)制御部5を備える。また、キーテレホン装置1には、電話端末10、11、コンピュータ端末12が収容されている。また、電話端末10、11は、送話機および受話機からなるハンドセット部13と画像や文字を表示する表示部14とからなる。また、コンピュータ端末12は、電子メールや画像情報の送受信を行う他に、マイクロフォンおよびイヤホンを装着することによって電話端末の送話機および受話器としての機能も実現することができる。
【0020】
着信の発信元は、固定電話端末20の他に、携帯電話端末21、コンピュータ端末22を所持している。ホーテレホン装置1の呼制御部2は、着信の発信元と通信網30を介して接続されている。
【0021】
(本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置1の動作について)
次に、キーテレホン装置1の動作について説明する。呼制御部2は、着信が電話端末11宛てであることを着信に含まれる着信情報を分析することにより認識し、電話端末13に着信を接続する(ステップS1)。このときに、呼制御部2は、電話端末11が無応答であることを検出すると(ステップS2)、IVR制御部5に対して音声自動応答指示を送出する(ステップS3)。IVR制御部5は、呼制御部2からの音声自動応答指示に従い、音声自動応答を実施する(ステップS4)。IVR制御部5から送出される音声自動応答のメッセージの内容は、例えば「只今、電話に出られません。連絡を希望する電話番号またはアドレスを入力してください。」などである。さらに、IVR制御部5から送出される音声自動応答では、このメッセージに続き「端末種別、メディア種別、コーデック能力の入力も可能です。」などというメッセージを送出する。
【0022】
固定電話端末20のユーザは、この音声自動応答の内容を聴き、連絡を希望する電話番号またはアドレスを入力する。なお、ユーザが電話番号またはアドレスを入力する方法は、プッシュボタン信号を利用するなど、従来から広く行われている方法を用いることができる。
【0023】
また、端末種別の入力については、例えば、「固定電話ならば“1”を、携帯電話ならば“2”を、コンピュータ端末ならば“3”を、その他ならば“4”をそれぞれ入力してください。」などとする。また、メディア種別の入力については、例えば、「音声ならば“1”を、画像ならば“2”を、その他ならば“3”をそれぞれ入力してください。」などとする。また、コーデック能力の入力については、例えば、「音声のコーデックがG.711ならば“1”を、Uemclip(mU-law Embedded Coder for low-delay IP Communication)ならば“2”を、その他ならば“3”を、画像のコーデックがMpeg2(Moving picture experts group phase2)ならば“4”を、Mpeg4(Moving picture experts group phase4)ならば“5”を、その他ならば“6”をそれぞれ入力してくだい。」などとする。
【0024】
IVR制御部5からの音声自動応答に対し、固定電話端末20のユーザが各種情報の入力を行うと、これらの各種情報は、リダイヤル情報として呼制御部2に受け付けられる(ステップS5)。呼制御部2は、固定電話端末20から受け付けたリダイヤル情報を着信履歴と共に着信履歴記憶部3に記憶する(ステップS6)。表示制御部4は、着信履歴記憶部3の記憶内容を電話端末11のみならずキーテレホン装置1に収容されている他の電話端末10およびコンピュータ端末12にも表示する(ステップS7)。例えば電話端末10、11の表示部14およびコンピュータ端末12の画面に「着信先:(電話端末11)、連絡先電話番号 固定:03−1234−5678、Audio:G.711」と表示された場合には、電話端末11に着信があり、その着信の発信元は、電話番号03−1234−5678の固定電話端末20である。さらに、この固定電話端末20は音声信号により通信するものであり、そのコーデック能力はG.711であることがわかる。
【0025】
以上説明した呼制御部2の処理を図2にフローチャートとして示す。呼制御部2に着信が有り(ステップS10)、この着信に対する応答が有れば(ステップS11のNo)、通信を開始する(ステップS20)。しかしながら、着信に対する応答が無ければ(ステップS11のYes)、呼制御部2は、IVR制御部5に対して音声自動応答指示を送出する(ステップS12)。IVR制御部5は、呼制御部2からの音声自動応答指示に従い、音声自動応答を実施し、この音声自動応答に対し、リダイヤル情報の入力が有れば(ステップS13のYes)、呼制御部2は、このリダイヤル情報を着信履歴と共に着信履歴記憶部3に記憶する。また、表示制御部4は、着信履歴記憶部3に記憶されているリダイヤル情報を表示する(ステップS14)。このとき、リダイヤル情報の入力が無ければ(ステップS13のNo)、呼制御部2は、着信履歴のみを着信履歴記憶部3に記憶する。また、表示制御部4は、着信履歴記憶部3に記憶されている着信履歴を表示する(ステップS21)。
【0026】
ここで、ユーザがリダイヤル操作を行い(ステップS15のYes)、リダイヤル先の指定が有ると(ステップS16のYes)、呼制御部2は、リダイヤル先に発信する(ステップS17)。ここで、リダイヤル先が応答すれば(ステップS18のYes)、呼制御部2におけるリダイヤル制御の処理は終了する。しかし、リダイヤル先が応答しなければ(ステップS18のNo)、呼制御部2は、リダイヤル先の指定を引き続き待つためにステップS16に戻り、ステップS16およびS17の処理を、ステップS18で応答が有るまで(ステップS18のYes)繰り返す。なお、リダイヤル先の指定が無く(ステップS16のNo)、処理が中止されたら(ステップS19のYes)、呼制御部2におけるリダイヤル制御の処理を終了する。
【0027】
次に、着信の発信元と連絡先とが異なる場合の処理の流れを図3に示す。図3の例では、固定電話端末20が着信の発信元であるのに対し、携帯電話端末21が連絡先になっている。固定電話端末20のユーザは、電話端末11に対する発信を行ったが応答が得られないときに、キーテレホン装置1からのメッセージに基づき携帯電話端末21をリダイヤル時の連絡先としてキーテレホン装置1に入力する。この入力内容は着信履歴記憶部3に記憶される。
【0028】
この場合には、電話端末10、11の表示部14およびコンピュータ端末12の画面上に表示される表示内容が「着信先:(電話端末11)、連絡先電話番号 携帯:090−1234−5678、Audio:G.711、Video:Mpeg4」などと表示されている。これは、電話端末11に対する着信であり、連絡先となるのは携帯電話端末21であり、そのときに使用する信号種別は音声信号でコーデック能力はG.711および信号種別は画像信号でコーデック能力はMpeg4であることを示している。
【0029】
次に、1つの着信の発信元に対する連絡先が複数有ると共に、着信先以外からのリダイヤル操作を行う場合の処理の流れを図4に示す。図4の例では、1台の固定電話端末20が着信の発信元であるのに対し、携帯電話端末21またはコンピュータ端末22が複数の連絡先になっている。固定電話端末20のユーザは、電話端末11に発信を行ったが応答が得られないときに、キーテレホン装置1からのメッセージに基づき携帯電話端末21またはコンピュータ端末22をリダイヤル時の連絡先としてキーテレホン装置1に入力する。この入力内容は、着信履歴記憶部3に記憶される。
【0030】
この場合には、電話端末10、11の表示部14およびコンピュータ端末12の画面上の表示される内容が「着信先:(電話端末11)、(1)連絡先電話番号 携帯:090−1234−5678、Audio:G.711、Video:Mpeg4、(2)PC:1234@56.co.jp、Audio:Uemclip、Video:Mpeg2」などと表示されている。これは、電話端末11に対する着信であり、連絡先となるのは第一候補が携帯電話端末21であり、そのときに使用する信号種別は音声信号でコーデック能力はG.711および信号種別は画像信号でコーデック能力はMpeg4である。また、第二候補はコンピュータ端末22であり、そのときに使用する信号種別は音声信号でコーデック能力はUemclipおよび信号種別は画像信号でコーデック能力はMpeg2であることを示している。ユーザは、図4に示した表示内容に対し、図2のステップS16においてリダイヤル先を指定することができる。
【0031】
次に、電話帳40と着信履歴記録部3とが連携する処理について図5および図6を参照して説明する。なお、電話帳40とは、電話帳形式の情報の登録手段であり、呼制御部2に含まれてもよいし、着信履歴記憶部3内の一部を電話帳40としてもよい。また、この連携する処理の制御は呼制御部2が行うものとして説明する。しかしながら、この連携する処理の制御は着信履歴記憶部3やその他の図示しない制御部が行ってもよい。電話帳40は、予め電話番号またはアドレスおよびこれらの電話番号またはアドレスに対応する名称が登録されている。
【0032】
呼制御部2は、着信履歴記憶部3の記憶内容と電話帳40の登録内容とを対照する。ここで、着信履歴記憶部3の記憶内容と電話帳40の登録内容とが一致する情報が存在したとする。このときには、着信履歴記憶部3は、図5に示すように、記憶されている電話番号またはアドレスに対応する名称を追加記憶する。図5の例では、着信履歴記憶部3には連絡先電話番号として「03−1234−5678」が記憶されている。また、電話帳40にも「03−1234−5678」の電話番号が登録されている。呼制御部2は、電話帳40と着信履歴記憶部3との間で共通する情報を見付けることにより、これらを関連付ける。これにより、図5の点線で囲った部分の情報が着信履歴記憶部3に追加記憶される。
【0033】
また、着信履歴記憶部3の記憶内容と電話帳40の登録内容とが一致する情報が存在したとする。このときには、電話帳40は、図6に示すように、登録されている電話番号またはアドレス以外の電話番号またはアドレスが有るときにはその電話番号またはアドレスを追加登録する。図6の例では、「03−1234−5678」の電話番号が「会社Aの部署B」として登録されている。これに対し、着信履歴記憶部3には「会社Aの部署B」の他に「会社Aの部署C」「会社Aの部署D」の電話番号およびアドレスが記憶されている。そこで、呼制御部2は、電話帳40と着信履歴記憶部3との間で共通する情報を見付けることにより、これらを関連付ける。これにより、図6の点線で囲った部分の情報が電話帳40に追加登録される。
【0034】
(プログラムの実施の形態について)
また、キーテレホン装置1の各部は、所定のソフトウェア(請求項でいうプログラム)により動作する汎用の情報処理装置(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal
Processor)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)など)によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、キーテレホン装置1の各部の機能が実現される。また、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。
【0035】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、キーテレホン装置1の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、キーテレホン装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、キーテレホン装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。キーテレホン装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0036】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0037】
(本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置1による効果について)
キーテレホン装置1を用いれば、効率の良いリダイヤル処理を実現することができる。例えば、着信の発信元のユーザは、発信を行った電話端末以外の電話端末またはコンピュータ端末を連絡先として指定することができる。さらに、端末種別、メディア種別、コーデック能力などについての情報も着信履歴と共に記憶することができる。これによれば、無効となるリダイヤルを低減させることができる。これにより通信網の利用効率を高めることができると共に、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0038】
また、キーテレホン装置1は、着信の発信元のユーザに対して連絡先となる端末およびその端末種別、メディア種別、コーデック能力などの入力を促すメッセージを送出する。これにより、着信の発信元のユーザがキーテレホン装置1に対してこれらの情報を入力する確率を高めることができる。
【0039】
また、着信履歴記憶部3に記憶されている内容を着信先となった電話端末11以外の電話端末10またはコンピュータ端末12が閲覧することができる。これによれば、着信先となったユーザは、自分の電話端末以外の電話端末からリダイヤル処理を実行できるという利便性を得られる。
【0040】
また、電話帳40と着信履歴記憶部3とが連携して処理を行うことにより、電話帳40および着信履歴記憶部3に格納されている情報内容を自動的に補足してより有用性の高いものとすることができる。
【0041】
また、ユーザは、連絡先が複数表示されている場合には、これらの中から任意の連絡先を選択することにより、自動的にリダイヤル処理が開始される。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0042】
(変形例)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、音声通信と画像通信とを例に挙げて説明したが、通信に用いる信号種別については、様々な信号種別を適用することができる。例えば、信号種別としては、音声通信と文字通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、画像通信と文字通信であってもよい。また、信号種別としては、デジタル通信とアナログ通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、同じ画像通信または音声通信であるが、コーデックが異なる画像通信または音声通信でもよい。
【0043】
また、IVR制御部5として音声自動応答の例を示したが、端末種別に応じてテキスト情報や画像情報によって自動応答してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【図2】図1に示す呼制御部の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置を含む電話通信システムにおいて着信の発信元と連絡先とが異なる場合の処理の流れ示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るキーテレホン装置を含む電話通信システムにおいて連絡先が複数有り、かつ、リダイヤル操作を行う電話端末が着信した電話端末とは異なる場合の処理の流れを示す図である。
【図5】電話帳と着信履歴記憶部との連携処理を説明するための図であり、着信履歴記憶部における追加記憶の様子を示す図である。
【図6】電話帳と着信履歴記憶部との連携処理を説明するための図であり、電話帳における追加登録の様子を示す図である。
【図7】従来のキーテレホン装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【符号の説明】
【0045】
1…キーテレホン装置、2…呼制御部(発信手段)、3…着信履歴記憶部(着信履歴記憶手段)、4…表示制御部(表示制御手段)、5…IVR制御部(自動応答手段)、10、11…電話端末、12、22…コンピュータ端末、13…ハンドセット部、14…表示部、20…固定電話端末、21…携帯電話端末、30…通信網、40…電話帳(登録手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段と、この着信履歴記憶手段が記憶した着信履歴を電話端末の表示部に表示させる表示制御手段と、この表示制御手段により表示された着信履歴の中の指定された着信の発信元に対して発信する発信手段と、を備えるキーテレホン装置において、
上記着信履歴記憶手段は、1つの着信の発信元に対して1以上の連絡を希望する電話番号またはアドレスを記憶し、
上記着信の発信元に対して連絡を希望する複数の電話番号またはアドレスの記憶を受け付ける旨のメッセージを送出する自動応答手段を備える、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項2】
請求項1記載のキーテレホン装置において、
前記表示制御手段は、前記着信履歴記憶手段に記憶されている1以上の電話番号またはアドレスを前記表示部に一覧表示させる、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のキーテレホン装置において、
当該キーテレホン装置が収容する複数の電話端末が前記着信履歴記憶手段および前記表示制御手段を共有する、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のキーテレホン装置において、
予め電話番号またはアドレスおよびこれらの電話番号またはアドレスに対応する名称が登録される電話帳形式の登録手段を備え、
前記着信履歴記憶手段の記憶内容と上記登録手段の登録内容とを対照し、上記記憶内容と一致する上記登録内容が有るときには、
前記着信履歴記憶手段においては、記憶されている電話番号またはアドレスに対応する名称を追加記憶し、
前記登録手段においては、登録されている電話番号またはアドレス以外の電話番号またはアドレスが有るときにはその電話番号またはアドレスを追加登録する、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載のキーテレホン装置において、
前記着信履歴記憶手段は、前記着信の発信元の前記電話番号またはアドレスに加え、当該電話番号またはアドレスを有する前記着信の発信元の端末種別、メディア種別、コーデック能力を記憶する、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項6】
請求項1または5記載のキーテレホン装置において、
前記自動応答手段は、前記着信の発信元に対して連絡を希望する電話番号またはアドレスを有する端末種別、メディア種別、コーデック能力の記憶を受け付ける旨のメッセージを送出する、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載のキーテレホン装置において、
前記発信手段は、前記表示部に表示され、指定された前記電話番号またはアドレスに対して自動発信する、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載のキーテレホン装置において、
前記着信履歴記憶手段、前記表示制御手段、前記発信手段、前記自動応答手段および前記登録手段の機能を備える制御部を備える、
ことを特徴とするキーテレホン装置。
【請求項9】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項8記載のキーテレホン装置における前記制御部の機能を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
着信履歴を記憶し、この着信履歴を電話端末の表示部に表示させ、この表示された着信履歴の中の指定された着信の発信元に対して発信するキーテレホン装置におけるリダイヤル制御方法において、
上記着信履歴を記憶する処理は、1つの着信の発信元に対して1以上の連絡を希望する電話番号またはアドレスを記憶するステップを有し、
上記着信の発信元に対して連絡を希望する複数の電話番号またはアドレスの記憶を受け付ける旨のメッセージを送出する自動応答ステップを有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項11】
請求項10記載のリダイヤル制御方法において、
前記表示させる処理は、前記記憶するステップの処理により記憶されている1以上の電話番号またはアドレスを前記表示部に一覧表示させるステップを有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項12】
請求項10または11記載のリダイヤル制御方法において、
前記キーテレホン装置が収容する複数の電話端末が前記着信履歴および前記表示を共有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項記載のリダイヤル制御方法において、
予め電話番号またはアドレスおよびこれらの電話番号またはアドレスに対応する名称が登録される電話帳形式の登録を行うステップを有し、
前記着信履歴の内容と上記登録の内容とを対照し、上記着信履歴の内容と一致する上記登録の内容が有るときには、
前記着信履歴を記憶する処理においては、記憶されている電話番号またはアドレスに対応する名称を追加記憶し、
前記登録の処理においては、登録されている電話番号またはアドレス以外の電話番号またはアドレスが有るときにはその電話番号またはアドレスを追加登録する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項記載のリダイヤル制御方法において、
前記着信履歴を記憶する処理は、前記着信の発信元の前記電話番号またはアドレスに加え、当該電話番号またはアドレスを有する前記着信の発信元の端末種別、メディア種別、コーデック能力を記憶するステップを有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項15】
請求項10または14記載のリダイヤル制御方法において、
前記自動応答ステップの処理は、前記着信の発信元に対して連絡を希望する電話番号またはアドレスを有する端末種別、メディア種別、コーデック能力の記憶を受け付ける旨のメッセージを送出するステップを有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。
【請求項16】
請求項10から15のいずれか1項記載のリダイヤル制御方法において、
前記発信の処理は、前記表示させる処理により前記表示部に表示され、指定された前記電話番号またはアドレスに対して自動発信するステップを有する、
ことを特徴とするリダイヤル制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−130357(P2010−130357A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302977(P2008−302977)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】