説明

キー入力練習装置及びキー入力練習用コンピュータプログラム

【課題】 タイピング技能の幅広い層に利用可能な構成であって、練習中に感知できる音に反映されて自分自身のキータイピング技能が認知できるキー入力練習装置を提供する。
【解決手段】 キー入力用の入力部1と、楽音を再生する再生部2と、打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示する表示部3と、タイマ4と、打鍵すべきキーを決定し、それを上記表示部3にキー記号として表示させると共に、入力部1により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、それから所定の演算処理により、現在のキー入力の出来を示すリアルタイムレベル値を算出し、該リアルタイムレベル値の変更に応じて、再生部2の楽曲再生の豪華さを変更する制御部5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力用キーボードなどのキー操作技能を向上させるためのキー入力練習装置及びキー入力練習用コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
練習者が、キーボードによる文字入力のスピードを、現状よりも速くしようとする場合や、より正確に入力しようとする場合、何らかのきっかけがないと、なかなか意識して速く、しかも正確に入力できるようにはならないものである。
【0003】
そのきっかけとして、従来のキー入力練習装置では、一定時間内に入力できた文字数を元にして算出した、練習者の入力スピードや、文字数、或いは入力ミス数などを練習後に成績として表示し、練習者がそれを見ることで、次回にはそれを上回る結果が出せるように頑張らせようとすることが行われている。
【0004】
また、練習者の文字毎の入力スピードを詳細に分析して記録しておき、練習する際には、練習者のスピードと過去の成績のスピードとを対比して表示することで、リアルタイムに練習者がより速く入力しようと仕向けることも行われている。
【0005】
さらには、練習中にBGMを流すことで、練習者にリラックスして入力させたり、リズムよく入力させたりすることも行われている。
【0006】
加えて、後述する特許文献1では、タイピングの練習中に歌詞や映像と共に音楽データを再生し、その再生テンポと練習者のキー入力のテンポとを比較し、音楽の再生テンポを練習者のキー入力テンポに合わせるようにして、音楽に遅れないように、歌詞を入力させようとしたものである。
【特許文献1】特開2002−297166号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、練習後に練習者の入力スピードや文字数、あるいは入力ミス数などを成績として表示する従来の方法の場合、リアルタイムに逐一練習者に入力をより正確にすばやくできるように促すわけではないので、練習者に余程の向上心がない限り効果が上がらないという問題がある。
【0008】
また、練習中において練習者にとって視覚的に最も重要なものは、入力する文字そのものである。練習者はこれを常に注視するわけであり、画面上のその他の情報に気を配る余裕はない。従って過去の成績と現在のスピードをリアルタイムに対比するような方法で情報を表示していたとしても、練習者の視線は入力する文字にあるのであって、その他の情報をたとえ見に行ったとしても、その都度の視線移動によって、目は疲れ、集中力も途切れてしまうのは問題である。
【0009】
さらに、従来から、練習中にBGMを流して練習者をリラックスさせるようなことが行われているが、それがキーボード入力における正確さやスピードに対してどれだけの効果があるかは不明である。それに加えて、折角BGMを流すのだから、音楽を聴覚的に有意義に使って、従来よりも効果の上がる手法が期待される。
【0010】
加えて上記特許文献1のように、練習者の入力テンポに音楽再生テンポを合わせていたのでは、練習者がより速く入力しようとするきっかけがないため、キー入力が速くなることはあまり期待できない。のんびりしていても再生が合わせてくれるという気持ちの油断があり、反って逆効果といわざるを得ない。
【0011】
それに、これまでの構成はいずれもタイピングの対象者がいずれも初心者などごく一部の者を対象にしており、タイピングの技能が幅広い層に利用されるような構成になっていない。
【0012】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、タイピング技能の幅広い層に利用可能な構成であって、練習中に感知できる音に反映されて自分自身のキータイピング技能が認知できるキー入力練習装置を提供せんとするものである。
【0013】
併せてそのような装置がコンピュータで実現できるコンピュータプログラムについても提案する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのため本発明に係るキー入力練習装置は、
キー入力用の入力手段と、
楽曲データを再生する再生手段と、
打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示する表示手段と、
打鍵すべきキーを決定し、それ乃至それと関係のある一定の文字列を上記表示手段にキー記号として表示させると共に、入力手段により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、その比較結果を任意の演算値に評価し、すでに記憶されている従前のリアルタイムレベル値がある場合は、その値に対して上記演算値により所定の演算を行い、それを現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値として記憶し、また従前のリアルタイムレベル値が記憶されていない場合は、デフォルト値又は上記演算値をそのままリアルタイムレベル値として記憶しておくと共に、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する制御手段と
を有することを基本的特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、打鍵すべきキー或いはそれと関係のある一定の文字列を、上記表示手段にキー記号として表示させ、決定された打鍵すべきキーと入力手段により検出された打鍵キーとの一致乃至不一致が制御手段により比較判断される。そして、その比較結果は、一定の演算値に評価される。
【0016】
その評価とは、例えば、両キーが一致していれば、後で掛け合わされる値であるリアルタイムレベル値に対してそれが演算前の値より大きくなるように、演算値は、例えば1.2とする。反対に一致していなければ、上記リアルタイムレベル値に対してそれが演算前の値より小さくなるように、演算値は、例えば0.8とする。
【0017】
以上の例では、リアルタイムレベル値に演算値を掛け合わせる乗算処理を演算の例としたが、該乗算処理のみでなく、除算や加減算、その他種々の演算の仕方を自由に実施して良い。それに応じて、上記両キーの一致・不一致の比較結果に対応して評価される演算値は、現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値を、任意の演算処理により、上げることができる、又はそのままの状態に維持するか下げることができる、ものである必要がある。この値によって、後述するように、制御手段が、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更するからである。これらの演算値への評価は、いつも一定の固定した値でも良いが、テーブル値として備えておいて種々異ならしめたり、或いは指数関数的な値として求められるなど、両キーの一致・不一致の比較に応じて、上記リアルタイムレベル値を、上昇・下降させ、場合によりそのままの状態に維持することができる、ものであれば、様々なものが用いることができる。
【0018】
該リアルタイムレベル値と演算値とを演算した処理結果は、現在のリアルタイムレベル値として記憶され、次の演算処理時に、その被演算値となるものである。
【0019】
他方、制御手段において決定される打鍵すべきキーは、一のキーのみではなく、単文を含む一連の文字列であっても良い。またキー記号として表示手段に表示される一定の文字列と、決定された打鍵すべきキーとが一致しない場合もあることに気を付けなければならない。後述するように、決定される打鍵すべき個々のキーと表示手段に表示されるキー記号は、通常は同じものである。その際打鍵すべきキーのシーケンス(例えば一連の文字列)が予めCD−ROMのライブラリーなどから読み出されて打鍵すべき一連のキーとして決定されるケースも考えられる。しかしそれだけに拘わらず、同様に一連の文字列(文書を含む)がCD−ROMのライブラリーなどから読み出されて、それに対応する訳語のキー順が打鍵すべき訳語のキー順として同様にCD−ROMのライブラリーなどから同時に読み出されて決定され(例えば「赤い」が一連の問題文文字列なら「red」が打鍵すべき訳語のキー順として一緒にライブラリーなどに記憶されていて、この「赤い」という文字列が表示手段に表示される文字列なら、「red」が打鍵すべき一連のキーとして決定されることになる。その場合表示手段の問題文の画面には「赤い」が表示され、また検出された打鍵キーと決定された打鍵すべきキーとの制御手段による比較処理において、「red」が打鍵すべきキーとして決定されることになる。従って上記表示手段にキー記号として表示させる際に、ライブラリーに記憶された「赤い」に文字列と「red」の訳語のキー順の組の例なら、問題文文字列「赤い」が表示されるように、表示手段に向けて指示を出力する。
【0020】
上述のように、リアルタイムレベル値は、現在のキー入力の出来(現在のタイピングの出来)を示す値であり、従前に記憶されているものがあれば、それが上記演算処理の被演算値となり、また従前に記憶されているものがなければ、デフォルトで用意されている値(例えば1)が演算処理の被演算値となる。このリアルタイムレベル値は、表示手段に表示されるようにして、練習者が確認できるようにしても良い。
【0021】
そして、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記上記制御手段により、再生手段に対し、楽曲再生の内容を変更せしめるように指示を出力する。
【0022】
出力されるその指示の内容は、両キーが一致し、演算結果としてリアルタイムレベル値が上昇すると、例えば、再生手段の楽曲データの演奏パート数が増やされ、正しいキーが打鍵される度に、練習者に聞こえてくる楽音が次第に豪華になるようにする。反対に間違ったキーが打鍵されると、演算結果としてリアルタイムレベル値が下降し、例えば、再生手段の楽曲データの演奏パート数が減らされ、間違ったキーが打鍵される度に、練習者に聞こえてくる楽音が次第に貧弱になるようにする。従って、練習者は、練習で良い結果が出れば出るほど、楽音が豪華に聴こえるようになり、モチベーションを維持しながら練習するようになり、また音だけで、自分のタイピング技能が認知できるため、視線移動による目の疲れや集中力の途切れといった問題は起きなくなる。
【0023】
すなわち、自然に聴こえてくる音だけで、自分のタイピング技能が認知できるため、タイピング技能の向上だけに、意識を集中させることが可能となる。もちろん、演算結果としてリアルタイムレベル値をそのままの値に維持することも可能である。さらに、上述した再生手段における楽曲再生の内容の変更処理は、演奏パートの増減に限らず、後述するような種々の変更が可能である。
【0024】
上記制御手段による比較結果において、両キーが合致すると判定される場合は、上述したように、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更させる、最終的なリアルタイムレベル値を上昇させるように、制御手段によって設定し、反対に両キーが合致しないと判定される場合は、最終的なリアルタイムレベル値を、制御手段によってそのままの状態又は下げるように設定すると良い(請求項2)。
【0025】
本構成中に、さらにタイマが備えられており、上記制御手段による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御手段が上記タイマを参照し、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とすると良い(請求項3)。表示手段に表示されてから、所定の時間内に、キー入力の反応がある場合にのみ、上記比較結果を有効に扱おうとするものであり、キー入力の速さを向上させるのに役立つ。もちろん、速さを追求しても、比較結果において、両キーが一致しないと判定された場合(キー入力が所定の時間内であっても比較結果は不一致なので)、リアルタイムレベル値は、そのままの状態に維持されるか又は下げるように設定されることになる。これは、正確さが担保されなくなるからである。「比較結果が有効」に扱われるとは、その意味を含んでいる。
【0026】
同じく、タイマがさらに備えられており、該タイマで測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御手段によって、上記リアルタイムレベル値をそのままの状態、又は、その超過時間に応じて下げるように設定すると良い(請求項4)。こちらは、請求項3の構成とほぼ同義であるが、リアルタイムレベル値を下げる場合、超過時間に応じて下げるように設定することが特徴である。超過時間>所定の時間、であり、該超過時間は、所定時間を過ぎて、さらに通常人に比べ著しく時間が経過した時の超過した時間を言い、その場合は、できるだけ、リアルタイムレベル値を下げるようにすると学習効果が上がる。
【0027】
上述のように、再生手段における楽曲再生の内容の変更処理は、その一例として、リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲データの演奏パート数を増減させることで行われる(請求項5)。楽曲データの演奏パート数が増えれば、その分、実際に楽曲データの演奏が豪華になり、反対に、演奏パート数が減れば、演奏が貧弱になって聞こえる。従って、練習者が聴くことができる演奏が豪華になることで、さらに豪華な演奏を求めて練習者が無意識のうちに、キー入力を正しく、場合によってはキー入力を速くしようとする、という意識が作用して、良い連鎖が生まれるため、従来にないキー入力練習効果が期待できる。
【0028】
反対に、入力ミスをした時などには、演奏が一気に貧弱になるなど、練習者にある種のストレスを与えるようにしたため、自然にキー入力をより正確にしようとする、場合により、キー入力を速くしようと心がけつつ、入力ミス防止にも気を配るようになるという、これまた従来にないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0029】
このような楽曲再生の内容の変更処理は、楽曲データの演奏パート数の増減に限らず、種々の変更(曲のアレンジ処理と考えると良い)が可能であることは前に述べたとおりである。例えば、上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、楽曲データの演奏スタイルやパターンを変化させるようにしても良い(請求項6)。このような変化により、練習者への楽音の聴こえ方が全然異なることになり、この場合もまた、従来にないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0030】
さらに、上記楽曲再生の内容の変更処理は、リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、楽曲データの演奏のコード進行や構成音を変化させるようにしても良い(請求項7)。このような変化により、練習者への楽音の聴こえ方が変化し、この場合もまた、従来にないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0031】
また、上記楽曲再生の内容の変更処理は、リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させるようにしても良い(請求項8)。このような変化により、練習者への楽音の聴こえ方が全然相違することになり、この場合も、これまでにないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0032】
加えて、上記楽曲再生の内容の変更処理は、リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、楽曲データの音色の切り替えや変化により行うようにしても良い(請求項9)。このような変化により、練習者への楽音の聴こえ方が全然異なることになり、この場合にも、これまでにないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0033】
他方、上記楽曲再生の内容の変更処理は、リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、楽曲データそのものを切り替えるようにしても良い(請求項10)。このような変化により、楽曲データそのものが違うので、練習者にとって、全く異なる楽音が聴こえることになり、これまでにないキー入力練習効果が期待できるようになる。
【0034】
請求項11乃至請求項14の構成は、コンピュータに読み出されて実行されることで、上記請求項1乃至請求項4のキー入力練習装置となるコンピュータプログラムに関する提案を行うものである。
【0035】
すなわち、上述した課題を解決するための構成として、上記請求項1乃至請求項4に規定したキー入力練習装置の各構成における処理手段を、コンピュータの構成を利用して実行する、該コンピュータで読み込まれて実行可能なコンピュータプログラムにつき開示する。もちろんこれらの構成は、コンピュータプログラムとしてだけではなく、後述するように、同様な機能を有するプログラムを格納した記録媒体の構成として提供されても良いことは言うまでもない。この場合、コンピュータとは中央演算処理装置の構成を含んだ汎用的なコンピュータの構成の他、特定の処理に向けられた専用機などを含むものであっても良く、中央演算処理装置の構成を伴うものであれば特に限定はない。
【0036】
コンピュータに上記各処理を実行させるためのこのようなプログラムが、コンピュータに読み出されると、請求項1乃至請求項4に規定された装置構成におけるいずれかの手段で達成されると同様な処理が実行されることになる。
【0037】
また既存のハードウェア資源を用いてこのコンピュータプログラムを実行することにより、既存のハードウェアで新たなアプリケーションとしての請求項1乃至請求項4に規定したキー入力練習装置の構成が容易に実行できるようになる。さらにこのようなコンピュータプログラムが前述の記録媒体に記録されることにより、これをソフトウェア商品として容易に配付、販売することができるようになる。加えて記録媒体の構成としては、上述した形式の場合の他、RAMやROMなどの内部記憶装置の構成やハードディスクなどの外部記憶装置の構成であっても良く、そのようなプログラムがそこに記録されれば、本発明に規定された記録媒体に含まれることは言うまでもない。
【0038】
尚、後述する請求項11乃至請求項14に記載された各手段のうち一部の処理を実行する機能は、コンピュータに組み込まれた機能(コンピュータにハードウェア的に組み込まれている機能でも良く、該コンピュータに組み込まれているオペレーティングシステムや他のアプリケーションプログラムなどによって実現される機能でも良い)によって実現され、前記プログラムには、該コンピュータによって達成される機能を呼び出すあるいはリンクさせる命令が含まれていても良い。
【0039】
これは、請求項11乃至請求項14に規定された各手段の一部が、例えばオペレーティングシステムなどによって達成される機能の一部で代行され、その機能を実現するためのプログラム乃至モジュールなどは直接記録されているわけではないが、それらの機能を達成するオペレーティングシステムの機能の一部を、呼び出したりリンクさせるようにしてあれば、実質的に同じ構成となるからである。
【0040】
上記プログラムは、それ自身使用の対象となる他、後述のように記録媒体に記録されて配付乃至販売され、また通信などにより送信されて、譲渡の対象とすることもできるようになる。
【0041】
そのうち請求項11の構成は、上記請求項1の構成に対応するものであって、具体的な構成としては、
コンピュータに読み出されて実行されることで、該コンピュータが、
キー入力用の入力手段と、
楽曲データを再生する再生手段と、
打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示する表示手段と、
打鍵すべきキーを決定し、それ乃至それと関係のある一定の文字列を上記表示手段にキー記号として表示させると共に、入力手段により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、その比較結果を任意の演算値に評価し、すでに記憶されている従前のリアルタイムレベル値がある場合は、その値に対して上記演算値により所定の演算を行い、それを現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値として記憶し、また従前のリアルタイムレベル値が記憶されていない場合は、デフォルト値又は上記演算値をそのままリアルタイムレベル値として記憶しておくと共に、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する制御手段と
して機能することを特徴とするキー入力練習コンピュータプログラムである。
【0042】
また請求項12の構成は、上記請求項2の構成に対応するキー入力練習用コンピュータプログラムであって、具体的な構成としては、上記制御手段による比較結果において、両キーが合致すると判定される場合は、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更させる、最終的なリアルタイムレベル値を上昇させるように、制御手段によって設定し、反対に両キーが合致しないと判定される場合は、最終的なリアルタイムレベル値を、制御手段によってそのままの状態又は下げるように設定することを特徴としている。
【0043】
請求項13の構成は、上記請求項3の構成に対応するキー入力練習用コンピュータプログラムであって、具体的な構成としては、タイマがさらに備えられており、上記制御手段による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御手段が上記タイマを参照し、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とすることを特徴としている。
【0044】
また請求項14の構成は、上記請求項4の構成に対応するキー入力練習用コンピュータプログラムであって、具体的な構成としては、タイマがさらに備えられており、該タイマで測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御手段によって、上記リアルタイムレベル値をそのままの状態、又は、その超過時間に応じて下げるように設定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0045】
本発明の請求項1〜請求項14記載のキー入力練習装置及びキー入力練習用コンピュータプログラムによれば、幅広いタイピング技能の層に利用できるものであって、且つ練習中に感知できる音だけで(音の豪華さや貧弱さだけ)、自分のキー入力技能が認知できるため、視線移動による目の疲れや集中力の途切れもなく、キー入力技能の向上だけに意識を集中させることが可能であって、しかもキー入力の正確さや速さによりその楽曲の再生内容を変更する処理が行われるため、練習意欲のモチベーションを維持しながら練習できることになるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【実施例1】
【0047】
図1〜図7は、本発明の望ましい実施形態構成を示している。そのうち、図1は、本発明に係るキー入力練習装置の構成が実現されるパソコン100の斜視図である。該パソコン100は、通常の構成からなり、ここでは、後述する入力部1となるキーボードと、同じく後述する表示部3となるディスプレイが示されている。
【0048】
本構成では、パソコン100の後述するCD−ROMドライブ116に、CD−ROM120を入れて、それに読み込ませ、実行された場合に、該パソコン100が、本発明のキー入力練習装置として利用可能なプログラムが、該CD−ROM120に格納されている。従って、このCD−ROM120を上記CD−ROMドライブ116に読み込ませて実行させ、パソコン100上に、本発明のキー入力練習装置が実現されることになる。
【0049】
図2は、上記パソコン100の回路概要図である。同図に示すように、本パソコン100は、システムバス102を介して、CPU104、ROM106、RAM108、画像制御部110、I/Oインターフェース112及びハードディスクドライブ114がつながっており、該システムバス102を介して、夫々のデバイスに制御信号、データの入出力がなされることになる。
【0050】
CPU104は、CD−ROMドライブ116により上記CD−ROM120から読み込まれ、ハードディスクドライブ114乃至RAM108に格納される上記プログラムに基づき、キー入力練習装置全体の制御を行う中央演算処理装置である。また後述する制御部5は、上記プログラムが稼働した該CPU104によって構成されることになる。
【0051】
ROM106は、本パソコン100のBIOSなどが記憶されている格納領域である。
【0052】
RAM108は、本プログラムの格納エリアの他、ワークエリア、種々の係数、パラメータ等の、一時的な記憶領域等として使用される。後述する再生部2から読み出される楽音再生データ乃至その一部を記憶しておく構成としても使用される。
【0053】
画像制御部110は、画像データバッファを有しており(上記RAM108上に設けても良い)、CPU104の指令により、必要な画像処理を行って、その結果をディスプレイたる表示部3に出力する。該表示部3は、CPU104の指令に基づき、該画像制御部110で処理された映像情報を、後述する図4や図5に示すように表示する。
【0054】
I/Oインターフェース112は、これを介してシステムバス102につながるキーボードたる後述する入力部1、マウス118、サウンドシステムたる後述する再生部2及びCD−ROMドライブ116に接続されており、これらのデバイスとシステムバス102上につながった上記デバイスとの間で、制御信号やデータの入出力がなされることになる。
【0055】
上記デバイスのうちCD−ROMドライブ116は、キー入力練習用のプログラムが格納されたCD−ROM120から、該プログラムやデータなどを読み出す。そのプログラムやデータ(楽音再生データを含む)などは、ハードディスクドライブ114に格納され、またメインとなるプログラムは上記RAM108上に格納され、CPU104により実行される。
【0056】
上述のように、ハードディスクドライブ114は、上記キー入力練習用プログラムの読み込み及びその実行によって、該プログラム自身と必要なデータ等を格納する。該ハードディスクドライブ114に格納される必要なデータは、他に、上記プログラムと共にCD−ROM120から読み出される楽音再生データや表示部3の画面表示データなどがある。
【0057】
また上記サウンドシステムたる再生部2は、後述するように、一定の効果音や楽曲を再生するものが用いられており、効果音の場合楽音波形データが、また楽曲の場合MIDIデータが、夫々用いられ、その再生部2内でD/A変換など必要な処理が行われ、さらにアンプ構成が備えられていて増幅処理がなされ、パソコン100に備えられたスピーカ(図示無し)から、その効果音又は楽曲が再生されることになる。後述するように、その再生速度調整は後述する制御部5によりなされることになる。
【0058】
このほか、図面上には特に記載されていないが、水晶発振子などが備えられていて、そこから必要なクロックが発生せしめられ、必要な時間を刻む、後述するタイマ4が構成されている。
【0059】
本実施形態に係るキー入力練習用プログラムを、パソコン100(RAM108及びハードディスクドライブ114)に読み込ませて、(CPU104に)実行させることで、図3に示すように、入力部1と、再生部2と、表示部3と、タイマ4と、制御部5とを備えた構成となる。
【0060】
上記入力部1は、本構成がパソコン100のキー入力練習用の構成であるため、上述のように、パソコン100のキーボードからなる。練習者は、後述する表示部3に表示された打鍵すべきキーに相当するキー記号に応じて、該キーボードから、所望のキーを打鍵することになる。
【0061】
上記再生部2は、上述のように、サウンドシステムで構成されている。本実施例構成では、本プログラムが起動した際、メインのメニュー画面(図示無し)で、表示部3に表示された効果音の種類の選択や楽曲の選択ができるようになっている。その選択に応じて、効果音の楽音波形データ、或いは楽曲のMIDIデータが、ハードディスクドライブ114で構成される図3に示す楽音再生データを記憶した格納部から読み出され、該再生部2内でD/A変換など必要な処理が行われ、さらにアンプ構成により増幅処理がなされ、スピーカから、その効果音又は楽曲が再生されることになる。上記楽音は、さらに、漫才、落語、物語の朗読、英会話などの音声などであっても良い。
【0062】
上記表示部3は、本パソコン100のディスプレイで構成されており、後述する制御部5で決定された打鍵すべきキーに相当するキー記号(基本的には文字情報)を表示する機能を有している。また、上述のように、決定された打鍵すべきキーに関係のある一定の文字列を上記表示部3にキー記号として表示しても良い。さらに該表示部3には、現在の楽音再生速度(テンポ情報)や入力前の現在の経過時間、キー入力が許される所定の時間からの超過時間等が表示されるようにしても良い。その他、後述する制御部5による、検出された打鍵キーと決定された打鍵すべきキーとの比較結果(一致又は間違い)などや上記リアルタイムレベル値を表示するようにしても良い。加えて、楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの演奏パート数の増減状態や、楽曲データの演奏スタイル乃至パターンの変化状態、楽曲データの演奏のコード進行或いは構成音を変化させた場合のその変化状態、楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させた場合のその変化状態、楽曲データの音色の切り替え・変化の状態、切り替えられた楽曲データの変更情報などを、メインのメニュー画面を表示したり、後述する図5に示すようなキー入力練習用の様々な表示がなされる。場合により、該表示部3には、打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示せず、再生部2を使用して、音声等の楽音により、打鍵すべきキーに相当する音声で練習者に伝達するようにしても良い。
【0063】
上記タイマ4は、上述のように、水晶発振子などによりそこから必要なクロックが発生せしめられ、必要な時間を刻む構成であり、後述する制御部5による楽音再生速度の制御の際に参照されることになる。
【0064】
上記制御部5は、上記キー入力練習用プログラムとそれを読み込んで実行するCPU104とで構成されており、打鍵すべきキーを決定し、それ乃至それと関係のある一定の文字列(後述するように、「red」が打鍵すべき一連のキーとして決定されるなら、「赤い」という文字列が表示部3に表示される文字列となる)を上記表示部3にキー記号として表示させると共に、入力部1により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、その比較結果を任意の演算値に評価し、すでに記憶されている従前のリアルタイムレベル値がある場合は、その値に対して上記演算値により所定の演算を行い、それを現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値として記憶し、また従前のリアルタイムレベル値が記憶されていない場合は、デフォルト値又は上記演算値をそのままリアルタイムレベル値として記憶しておくと共に、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記再生部2の楽曲再生の内容を変更する機能を有している。
【0065】
上記打鍵すべきキーの決定に当たっては、例えば、乱数を発生させて一のキーのみを決定しても良いし、それだけではなく、単文を含む一連の文字列であることも含まれる。またキー記号として表示部3に表示される一定の文字列と、決定された打鍵すべきキーとが一致しない場合もあることに気を付けなければならない。後述するように、決定される打鍵すべき個々のキーと表示部3に表示されるキー記号は、通常は同じものである。その際打鍵すべきキーのシーケンス(例えば一連の文字列)が予めCD−ROMのライブラリーなどから読み出されて打鍵すべき一連のキーとして決定されるケースも考えられる。しかしそれだけに拘わらず、同様に一連の文字列(文書を含む)がCD−ROMのライブラリーなどから読み出されて、それに対応する訳語のキー順が打鍵すべき訳語のキー順として同様にCD−ROMのライブラリーなどから同時に読み出されて決定され(例えば「赤い」が一連の問題文文字列なら「red」が打鍵すべき訳語のキー順として一緒にライブラリーなどに記憶されていて、この「赤い」という文字列が表示部3に表示される文字列なら、「red」が打鍵すべき一連のキーとして決定されることになる。その場合表示部3の問題文の画面には「赤い」が表示され、また検出された打鍵キーと決定された打鍵すべきキーとの本制御部5による比較処理において、「red」が打鍵すべきキーとして決定されることになる。従って上記表示部3にキー記号として表示させる際に、ライブラリーに記憶された「赤い」に文字列と「red」の訳語のキー順の組の例なら、問題文文字列「赤い」が表示されるように、表示部3に向けて指示を出力する。
【0066】
また、リアルタイムレベル値とは、上述のように、現在のキー入力(タイピング)の出来を示す一つの指数であり、本実施例における装置で、一度キー入力の練習がなされると、それが上記HDD114に記憶されて、次の練習機会からそのリアルタイムレベル値を基に、制御部5により、再生部2の楽曲再生の内容を変化させるなどの制御が行われることになる。デフォルトでは1の値が設定される。また上述のように、表示部3で該リアルタイムレベル値が表示されるようにしても良い。
【0067】
上記演算値は、上記リアルタイムレベル値を被演算値とする所定の演算処理において、該リアルタイムレベル値に掛け合わす値であり、打鍵されたキーと打鍵されるべきキーとの制御部5による比較処理によって、該比較結果が任意の値に評価されて出てくるものであって、上記演算処理がどのような処理かによって、その値は異なる。例えば、上記演算処理が、乗算処理の場合、両キーの比較結果が一致と判定されれば、演算値は、例えば1.2と評価される。反対に不一致と判定されれば、演算値は、例えば0.8と評価される。この評価値を上記リアルタイムレベル値に演算(乗算)する。上記演算処理が、加算処理で実行される場合には、両キーの比較結果が一致と判定されれば、該演算値は、例えば+0.2と評価される。反対に不一致と判定されれば、この演算値は、例えば−0.2と評価される。以上の他、演算処理は、減算や除算、その他、種々の演算の仕方を自由に実施して良い。それに応じて、上記両キーの一致・不一致の比較結果に対応して評価される演算値は、現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値を、任意の演算処理により、上げることができる、又はそのままの状態に維持するか下げることができる、ものにする。この値によって、後述するように、制御部5が、上記再生部2の楽曲再生の内容を変更するからである。これらの演算値への評価は、固定した値でも良いが、テーブル値として備えておいたり、或いは指数関数的な値として求められるなど、両キーの一致・不一致の比較に応じて、上記リアルタイムレベル値を、上昇・下降させ、場合によりそのままの状態に維持することができる、ものであれば、種々のものを用いることができる。
【0068】
いずれにしても、キー入力練習の度に、現在のキー入力(タイピング)の出来を示すリアルタイムレベル値が上下し、それに応じて、制御部5により、再生部2の楽曲再生の内容に変化がつけられることになる。
【0069】
楽曲の再生内容の変化については、上述のように、基本的には曲のアレンジ処理に相応するものであり、楽曲データの演奏パート数の増減や、楽曲データの演奏スタイル乃至パターンを変化させたり、楽曲データの演奏のコード進行或いは構成音を変化させる場合、楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させるやり方、楽曲データの音色の切り替えや変化させること、楽曲データの切り替えなど、種々の方法により、練習者に楽曲演奏が豪華に聴こえたり、反対に貧弱に聴こえるなど、明らかに耳で聴こえる方法で、自己のリアルタイムレベル値が現在どの程度か分かるような手法が採用される。これらの処理は、テーブル参照などのルールを予め決定しておき、その都度どのルールに従って、これらのいずれかの変化に決定するか、或いはどの変化の組み合わせ方をするか調節するようにしても良い。
【0070】
また、請求項3や4、或いは請求項13や14に規定される所定の時間については、例えば練習者が過去に行った表示部3への入力指示表示から練習者が実際に入力するまでに掛かった時間に応じて決定しても良い。この時間は、全くの初めての練習の時は、プログラムにおいてデフォルトで用意されている時間に設定される。2度目以降は、例えば練習者が過去に行った打鍵すべきキーに相当するキー記号の表示からタイマ4で測定された実際に入力するまでに掛かった入力時間について、過去の複数回の平均時間、最速時間、最新時間などを制御部5で求め、ハードディスクドライブ114等に記憶させておき、これらの時間を元に、所定の時間を決定するようにしても良い。また上記所定の時間は、打鍵すべきキー毎に決定しても良いし、いろんなキーをまとめた総合的なもので決定しても良いし、連続する2つ以上のキーごとに決定しても良い。
【0071】
上記制御部5による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御部5が上記タイマ4を参照し、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とする、すなわち、キー入力の正確さと速さとを見ており、その両方が両立できる場合に、上記演算処理によりリアルタイムレベル値を上げ、例えば楽曲データの演奏パート数を増やすなど、練習者に楽曲演奏が豪華に聴こえるように、再生部2の楽曲の演奏内容を変更させるようにする。
【0072】
反対に、上記制御部5による比較結果において、両キーが一致しないと判定された場合、上記演算処理によりリアルタイムレベル値を下げ、例えば楽曲データの演奏パート数を減らすなど、練習者に楽曲演奏が貧弱に聴こえるように、再生部2の楽曲の演奏内容を変更させるようにする。
【0073】
以上の本実施例の構成では、練習者のスキルにあわせて、楽曲演奏内容を豪華にしたり貧弱にするように制御することで、練習者のスキルにあった楽曲演奏内容で楽曲を出力させ、その楽音を聞いた練習者が、そこから演奏の豪華さや貧弱さなどを感知することにより、自分のスキルがどの程度かを自ずと分かるようにし、練習しようとするモチベーションの維持とスキルのアップという向上心が保てるように、制御部5により次のような制御を実施する。すなわち、上記タイマ4で測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御部5によって、上記リアルタイムレベル値を、その超過時間に応じて下げるように設定する。超過時間は、所定時間を過ぎて、さらに通常人に比べ著しく時間が経過した時の超過した時間を言い、該超過時間に応じてリアルタイムレベル値を下げように設定する。超過時間>所定の時間、であり、通常人に比べ著しく時間が経過してキー入力が行われる場合は、リアルタイムレベル値を下げるようにすると、楽音演奏が豪華な方から貧弱な方に変化し、練習者の練習しようとする意欲が上がるようになる。
【0074】
この構成は、単にキー入力の正否に拘泥することなく、たとえ少ない数の間違いがあったとしても、ずっと一定の速度で、キー入力が正しく行われていれば、少しずつ楽音の再生内容が変化していき(豪華になっていったり、時に貧弱になることにより)、それを聞いた練習者にとり、練習に対する意欲が湧くようにし(スキルアップのモチベーションの維持ができるようにし)、反対に、キー入力が極端に遅い場合は、キー入力の正否に拘わらず(もちろんキー入力が遅く且つ間違っている場合はより楽音の再生が貧弱になるようにし)、少しずつ楽音の再生内容を貧弱にしていき、練習者に無理を強いることなく、練習ができるようになる。尚、キー入力が遅い場合は、上記所定時間の他に、上述のように、さらにそれより長い超過時間を設けて、最大遅れても良い時間を設定し、それを超過した場合に、その超過時間に応じて、制御部5により楽音再生内容を一度に変化させるように決定され、再生部2を制御するようにしても良い。
【0075】
後述する図6ステップS110の画面表示の割り込みルーチンの処理は、図4に示すような内容のものが、表示部3の画面上に表示される。まず、入力部1を模したキーボードおよび、それを操作する手が、表示され、また問題キーは、テキスト文字のほか、キートップの色や運指アニメーションなどで報知される。すなわち、同図に示すように、表示部3に、打鍵すべきキーに相当するキー記号の表示(図面上は”n”)がなされ、練習者がホームポジション位置より、入力部1上の指定されたレターのキーを打鍵しようとしている状態が示されている。
【0076】
図5は、打鍵すべきキーに相当するキー記号の表示以外に、表示部3に、リアルタイムレベル値、所定時間、経過時間、超過時間等、様々な表示がされている状態を示す画面表示状態を示す説明図である。ここでは、自動車のスピードメータ風にし、長針をリアルタイムレベル値、短針を経過時間とする。長針は時計回りに、短針は反時計回りに回転する。短針が12時の位置から一周する時間を超過時間とし、扇形の範囲を所定時間とする。長針が12時にあるときをリアルタイムレベル標準値とし、リアルタイムレベル下限値がMin、リアルタイムレベル上限値がMaxとする。いろんな情報を狭いエリア内で確認できるようにして、視線移動をできるだけ減らすと良い。また、人間が瞬時に直感的に理解できるような態様で表示するのが良い。
【0077】
以上の実施例構成によれば、キー記号として表示部3に表示される決定された打鍵すべきキーと入力部1により検出された打鍵キーとが、制御部5により、合致すると判断されると、現在のキー入力(タイピング)の出来を示すリアルタイムレベル値が上がり、それに応じて、制御部5により、再生部2の楽曲再生の内容に変化がつけられることになる。
【0078】
両キーの合致と判断される場合の楽曲の再生内容の変化については、上述のように、楽曲データの演奏パート数を増大させたり、楽曲データの演奏スタイル乃至パターンを変化させたり、楽曲データの演奏のコード進行或いは構成音を変化させる場合、或いは楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させるやり方、楽曲データの音色の切り替えや変化させること、楽曲データの切り替えなど、種々の方法により、練習者に楽曲演奏が豪華に聴こえるように制御し、明らかに耳で聴こえる方法で、自己のリアルタイムレベル値が上昇し、現在どの程度か分かるような手法が採用される。
【0079】
反対に両キーが不一致と判断される場合の楽曲の再生内容の変化については、上述のように、楽曲データの演奏パート数を減少させたり、楽曲データの演奏スタイル乃至パターンを変化させたり、楽曲データの演奏のコード進行或いは構成音を変化させる場合、或いは楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させるやり方、楽曲データの音色の切り替えや変化させること、楽曲データの切り替えなど、種々の方法により、練習者に楽曲演奏が貧弱に聴こえるように制御し、明らかに耳で聴こえる方法で、自己のリアルタイムレベル値が下がり、現在どの程度か分かるようになる。
【0080】
従って、例えば、正しいキーが打鍵される度に、練習者に聴こえてくる楽曲の再生内容が豪華になる。そうなれば、練習意欲のモチベーションを維持しながら練習でき、また音だけで、自分のタイピング技能が認知できるため、視線移動による目の疲れや集中力の途切れといった問題は起きなくなる。反対に間違ったキーが打鍵されると、練習者に聴こえてくる楽曲の再生内容が貧弱になる。そうなると、音だけで、自分のタイピング技能が認知できるため、タイピング技能の向上だけに、意識を集中させることが可能となる。
【0081】
また、上記制御部5による比較結果において、両キーが合致すると判定された場合、上述のように、再生部2の楽曲再生の内容を変更させる、最終的なリアルタイムレベル値を上昇させるように、制御部5によって設定し、反対に両キーが合致しないと判定される場合は、最終的なリアルタイムレベル値を、制御部5によってそのままの状態又は下げるように設定する。
【0082】
本構成中に、さらにタイマ4が備えられており、上記制御部5による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御部5が上記タイマ4が参照され、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とする。すなわち、単にキー入力が正しかったという判定だけではなく、所定の時間内に、正しいキー入力がないと、モチベーションを上げられるような楽音の再生の内容の変化がない(楽音演奏が豪華になったように聴こえない)ため、練習者にとっては、それが1つのストレスとなり、より速く正しいキーを打つように練習者をし向けることができるようになる。その意味では、上記再生内容を豪華にすることは、所定の時間内に正しいキー入力があった場合のご褒美ということになる。
【0083】
また、表示部1に表示されてから、所定の時間内に、キー入力の反応がある場合にのみ、上記比較結果を有効に扱うため、キー入力の速さを向上させるのにも役立つ。もちろん、速さを追求しても、比較結果において、両キーが一致しないと判定された場合(キー入力が所定の時間内であっても比較結果は不一致なので)、リアルタイムレベル値は、そのままの状態に維持されるか又は下げるように設定されることになる。これは、正確さが担保されなくなるからである。
【0084】
同じく、タイマ4で測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御部5によって、上記リアルタイムレベル値が、その超過時間に応じて下げるように設定される。これは、超過時間に応じて、リアルタイムレベル値を下げるように設定することが特徴である。超過時間>所定の時間、であり、通常人に比べ著しく時間が経過してキー入力が行われる場合は、リアルタイムレベル値を下げるようにすると、楽音演奏が豪華な方から貧弱な方に変化し、練習者の練習しようとする意欲が上がるようになる。
【0085】
当然のことながら、上記制御部5による比較結果において、両キーが一致しないと判定された場合、上記再生部2の楽音再生の内容を現在より貧弱になるようにする。このように制御することで、キー入力を間違った場合は、練習者にとって楽音再生音が貧弱に聴こえ、ここでも、練習者にとっては、それが1つのストレスとなり、正しいキーを打つよう心がけさせるようになる。
【0086】
さらに上記のような制御部5による制御がなされることで、すなわち、タイマ4で測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、その超過時間に応じて、制御部5によりそれに対応する演算値に評価され、リアルタイムレベル値が所定の演算処理により下がるように制御され、それに応じて再生部2の楽音演奏の内容が練習者に貧弱に聴こえるように設定されるため、練習者のスキルにあわせて、楽音の再生内容を豪華にしたり貧弱にしたり制御することができ、練習者のスキルにあった再生内容で楽音を出力させ、その楽音を聞いた練習者が、そこから聴こえる楽音の重層感などを感知することにより、自分のスキルがどの程度かを自ずと分かるようにし、練習しようとするモチベーションの維持とスキルのアップという向上心が保てるようにする。
【0087】
上記構成は、単にキー入力の正否に拘泥することなく、たとえ少ない数の間違いがあったとしても、ずっと一定の速度で、キー入力が正しく行われていれば、少しずつ楽音の再生内容が豪華に聴こえるようにしていき、それを聞いた練習者にとり、練習に対する意欲が湧くようにし(スキルアップのモチベーションの維持ができるようにし)、反対に、キー入力が極端に遅い場合は、キー入力の正否に拘わらず(もちろんキー入力が遅く且つ間違っている場合はより再生内容が貧弱に聴こえるようにし)、少しずつ楽音の再生内容が貧弱に聴こえるようにしていき、練習者に無理を強いることなく、練習ができるようになる。尚、遅い方の場合は、上記所定時間の他に、さらにそれより長い超過時間を設けて、最大遅れても良い時間を設定し、それを超過した場合に、その超過時間に応じて、制御部5によりリアルタイムレベル値が演算され、再生部2を制御するようにしても良い。
【0088】
図6は、パソコン100上で上記キー入力練習用プログラムが実行された場合の、該プログラム処理のメインフローを示すフローチャートである。
【0089】
まず、メインフローがスタートすると、初期化処理がなされる(ステップS100)。この状態では、練習フラグはOFFにされている。
【0090】
その後、練習者により練習内容の設定が行われる(ステップS102)。これは例えば、「英数モード」「ひらがなモード」「テンキーモード」などのモードを選択したり、「ひらがなモード」の場合の「ローマ字入力」「かな入力」などの入力方法を選択したり、「ローマ字入力」の場合の「日本式」「ヘボン式」「自己流」などのタイプ方式を選択したりするものである。さらに、再生させたい効果音データ(曲データなど)を選択する。
【0091】
練習者により「練習開始」が実行される(ステップS104)と、練習フラグがONにセットされているか否かがチェックされる(ステップS106)。練習フラグがONにセットされていれば(ステップS106;Y)、後述するステップS112に移行する。反対に練習フラグがONにセットされていなければ(ステップS106;N)、練習フラグがONにセットされる(ステップS108)。そして第1問目の練習問題が作成される(ステップS110)。練習問題とは、本実施例1では、練習者に練習させる文字キーや、文字、単語などであるが、後述する実施例3などに示すように、長文などの配列であっても良い。勿論、練習問題は予めすべての問題を作成しておいても良いし、規定の条件を満たす(例えば、正しくタイプした回数が規定回数に達する)までは、割り込み処理の中でその都度問題を作成するようにしても良い。また、後述する実施例3などに示すように、ライブラリーとして一連の文字列(文書を含む)とそれに対応する訳語のキー順とが1つの組として一緒に記憶されており、CD−ROM120などからRAM108を介してこれらのデータの組が読み出されて、この訳語のキー順が、打鍵すべき訳語のキー順として、また上記一連の文字列が表示部3に表示されるものとして、これらを練習問題として作成されるものとしても良い。
【0092】
次に、ステップS106の練習フラグがONになっている場合(ステップS106;Y)、或いは第1問の作成がなされた後、割り込み処理により、画面表示、キー入力監視及び効果音再生がなされる(ステップS112)。
【0093】
最後に、練習フラグがONで練習問題終了条件が満たされているか否かがチェックされる(ステップS114)。練習フラグがONで練習問題終了条件が満たされている(ステップS114;Y)と、練習フラグがOFFにセットされ(ステップS116)、練習結果の分析処理がなされる(ステップS118)。その結果は、割り込み処理により。表示部3を介した表示によって、練習者に知らされる。
【0094】
処理が終了したか否かがチェックされる(ステップS120)。処理が終了しなかった場合(ステップS120;N)、上記ステップS104に戻って、以上の処理を繰り返す。反対に処理が終了した場合(ステップS120;Y)は、メインフローの処理がエンドとなりプログラムが終了する。
【0095】
図7は、図6のステップS112におけるキー入力監視割り込み処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0096】
まず、練習フラグがONになっているか否かがチェックされる(ステップS200)。ここで練習フラグがONになっていなければ(ステップS200;N)、メインフローへ復帰する。
【0097】
反対に練習フラグがONになっていれば(ステップS200;Y)、入力部1からのキーの入力があるか否かがチェックされる(ステップS202)。ここで、キーの入力があれば(ステップS202;Y)、入力部1により検出された打鍵キーと制御部5により決定された打鍵すべきキーとが一致するか否かがチェックされる(ステップS204)。
【0098】
両キーが一致していなければ(ステップS204;N)、後述するステップS218に処理が移行する。
【0099】
反対に両キーが一致していれば(ステップS204;Y)、タイマ4により計測される経過時間が所定時間を経過していないか否かがチェックされる(ステップS206)。所定時間とは、例えば練習者が問題キーを入力できる標準時間である。より速く入力させようと仕向けるなら所定時間をそれより短めに設定しておいても良い。
【0100】
所定時間を経過していれば(ステップS206;Y)、経過時間が超過時間以上になったか否かがチェックされる(ステップS208)。経過時間が超過時間以上になっていなければ(ステップS208;N)、第2問目以降の問題が作成される(ステップS214)。
【0101】
反対に経過時間が超過時間以上になっていれば(ステップS208;Y)、リアルタイムレベル値がダウンする処理が行われる(ステップS210)。その後、第2問目以降の問題が作成される(ステップS214)。
【0102】
反対に所定時間を経過していなければ(ステップS206;N)、リアルタイムレベル値がアップする処理が行われ(ステップS212)、第2問目以降の問題が作成される(ステップS214)。その後は後述するステップS220に移行する。
【0103】
上記ステップS202に戻って、入力部1からのキーの入力がなければ(ステップS202;N)、タイマ4により計測される経過時間が所定時間を経過していないか否かがチェックされる(ステップS216)。
【0104】
所定時間を経過していなければ(ステップS216;N)、メインフローへ復帰する。
【0105】
反対に所定時間を経過していれば(ステップS216;Y)、リアルタイムレベル値がダウンする処理が行われる(ステップS218)。その後、経過時間がリセットされる(ステップS220)。
【0106】
尚、図6のステップS112における画面表示割り込み処理については、上述した図4及び図5と、その説明に示したとおりである。
【0107】
また、図6のステップS112における効果音再生割り込み処理ルーチンの処理については、以下のようなものである。
【0108】
楽曲データが、MIDIデータの場合には、楽曲データの時間情報に従って、MIDIデータを、再生部2を構成するMIDI音源へ出力することで、楽曲演奏を行う。
【0109】
楽曲データが、オーディオ波形データの場合には、再生部2を構成するオーディオ音源の出力バッファへ、定期的に、楽曲波形データを先頭から読み出して、書き込むことで楽曲演奏を行う。
【0110】
上記の方法に限らず、要は従来から行われているような手法を使って楽曲演奏すれば良い。
【0111】
また上記の処理で上下されるリアルタイムレベル値は、その値が高いほど、楽曲演奏を豪華に、低いほど、貧弱に、なるように、以下のような処理がなされる。
【0112】
1)楽曲データの演奏パート数を増減させる方法
演奏パート数は、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。そして楽曲データがMIDIデータの場合には、MIDIチャンネルごとにパートデータを用意しておく。
【0113】
例えば、もっとも貧弱な演奏では、主旋律パートだけをMIDI出力し、豪華度がアップするにつれて、ベースパート、伴奏パート、リズムパートなど、MIDI出力するパートを増やしていくように、制御部5により再生部2を制御するようにすれば良い。
【0114】
オーディオデータの場合には、パートごとに波形データを用意しておき、豪華度アップにしたがって出力バッファへ書き込むパート波形を増やしていけば良い。
【0115】
2)楽曲データの演奏スタイルやパターンを変化させる方法
スタイルやパターン変化数は、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。そして楽曲の小節やビート単位で、豪華度の異なる演奏スタイルやパターンデータを用意しておく。
【0116】
上記リアルタイムレベル値が上昇し、豪華度アップするに従って、出力するスタイルやパターンを切り替えていくようにする。
【0117】
3)楽曲データの演奏のコード進行や構成音を変化させる方法
コード進行や構成音の変化パターンは、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。そして上記リアルタイムレベル値が上昇し、豪華度アップするに従って、制御部5により再生部2を制御し、単純なコード進行を複雑に変化させたり、テンションコードで格好良く響くように、コード構成音を変化させたりする。
【0118】
4)楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させる方法
残響や音源定位などの効果パターンは、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。
【0119】
そして楽曲データがMIDIデータの場合は、ソフトウェア音源を再生部2として使って、オーディオデータと同様に、波形データを出力バッファに書き込むことで演奏を行う。
【0120】
上記リアルタイムレベル値が上昇し、豪華度アップに従って、制御部5により再生部2を制御し、オーディオ波形データの残響効果や音源定位を変化させていくように、波形データを加工する。例えば、モノラル、ステレオ、サラウンドなどの効果や、残響の深さの違いを使って豪華さを変化させていくようにする。
【0121】
5)楽曲データの音色の切り替えや変化による方法
音色の切り替えや変化パターンは、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。
【0122】
例えば、楽曲データがMIDIデータの場合は、ソフトウェア音源を再生部2として使って、各パートに割り当てられた音色の豪華さを複数用意しておき、その時のリアルタイムレベル値に従った演奏の豪華度によって、制御部5により再生部2を制御し、音色を切り替えるようにすれば良い。例えば、リコーダやハーモニカなどの単調な楽器音色からピアノやサックスなどの複雑な楽器音色に切り替えることで豪華さを変化させたり、同一楽器音色において安っぽい音色からだんだん高級な楽器音色へと切り替えることによって豪華さを変化させたりする。
【0123】
6)楽曲データそのものを切り替える方法
楽曲データ数は、リアルタイムレベル値の段階数以上用意する必要がある。そして演奏の豪華さの異なる楽曲を複数用意しておき、その時のリアルタイムレベル値に従った演奏の豪華度によって、制御部5により再生部2を制御し、楽曲データを切り替えていくようにする。
【0124】
もちろん、上記1)〜6)の項目を適宜組み合わせることによって、楽曲演奏の豪華さや貧弱さを変化させるようにしても良い。
【0125】
以上の本実施例構成が実行されることで、練習者がすばやく入力できれば、その度に、リアルタイムレベル値が上昇して、演奏が豪華になり、豪華になった演奏を聴くことで、さらに豪華な演奏を求めて練習者が無意識のうちに入力を速くしようとする、という良い連鎖が生まれるため、従来にないスピードアップ効果が期待できるようになる。
【0126】
また、入力ミスをした時には、リアルタイムレベル値が下がって、演奏が一気に貧弱に聴こえるようになるなど、練習者にある種のストレスを与えるようにしたため、自然にスピードアップしようと心がけつつ、入力ミス防止にも気を配るようになるという、これまた従来にない入力ミス抑制効果が期待できる。
【0127】
さらには、楽曲演奏の変化を耳で聴くことだけで、リアルタイムに自分の入力の出来具合がチェックできるという、目に負担を掛けないリアルタイムチェック効果が期待できる。
【0128】
加えて、リアルタイムレベルアップダウンの条件を、練習者のスキルに応じて決定するようにすることで、タイピング技能が低い人から高い技能を持った人までが、さらなる技能向上を目指して幅広く利用できるという効果も期待できる。
【0129】
また、本実施例構成を少し改良するだけで、所定回数だけ正解或いは不正解があった場合にリアルタイムレベル値を上昇又は減少させるように制御することができる。そのような構成にすることで、練習者にとって、キー入力に間違いがある度に演奏が貧弱に聴こえるようになったり、キー入力が正解する度に演奏が豪華に聴こえるようになったりすることがなく、心理的に落ち着いてキー入力の練習ができるようになる。
【0130】
また、練習問題の提示スピードについて行けない場合でも、所定時間内にキー入力がない時はリアルタイムレベル値は一段ダウンされ、さらに経過時間が超過時間以上になった場合はさらなるリアルタイムレベル値のダウンがあり、聴こえる楽音の豪華さが異なることが明確になるため、練習者にある種のストレスを与えて、目に負担を掛けないで、リアルタイムに自分の入力の出来具合がチェックでき、従来にないすばらしい練習効果が期待できるようになる。
【0131】
尚、本発明のキー入力練習装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記所定時間、制限時間、正解・不正解の夫々の回数等の設定は、練習者が任意に設定できるようにすることも可能である。
【0132】
さらには、画面に「赤い」と表示して「red」と入力させる前記の例以外にも、「Se_tember」と表示して「p」を入力させたり、「15 x 15 = ?」と表示して「225」と入力させたりというように、クイズや問題に対する答えをキー入力によって練習者に解答させるようなものにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明のキー入力練習装置は、単にパソコンのキー入力練習用だけではなく、その他の入力手段を備える、例えば電子楽器などにも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明に係るキー入力練習装置の構成が実現されるパソコン100の斜視図である。
【図2】パソコン100の回路概要図である。
【図3】プログラムの実行により構成された本実施形態に係るキー入力練習用装置の機能ブロック図である。
【図4】画面表示の割り込みルーチン処理時に、表示部3に表示された入力部1と運指状態を示す説明図である。
【図5】表示部3に、リアルタイムレベル値、所定時間、経過時間、超過時間等、様々な表示がされている状態を示す画面表示状態を示す説明図である。
【図6】パソコン100上で上記キー入力練習用プログラムが実行された場合の、該プログラム処理のメインフローを示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS112におけるキー入力監視割り込み処理の処理フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
1 入力部
2 再生部
3 表示部
4 タイマ
5 制御部
100 パソコン
102 システムバス
104 CPU
106 ROM
108 RAM
110 画像制御部
112 I/Oインターフェース
114 ハードディスクドライブ
116 CD−ROMドライブ
118 マウス
120 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー入力用の入力手段と、
楽曲データを再生する再生手段と、
打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示する表示手段と、
打鍵すべきキーを決定し、それ乃至それと関係のある一定の文字列を上記表示手段にキー記号として表示させると共に、入力手段により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、その比較結果を任意の演算値に評価し、すでに記憶されている従前のリアルタイムレベル値がある場合は、その値に対して上記演算値により所定の演算を行い、それを現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値として記憶し、また従前のリアルタイムレベル値が記憶されていない場合は、デフォルト値又は上記演算値をそのままリアルタイムレベル値として記憶しておくと共に、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する制御手段と
を有することを特徴とするキー入力練習装置。
【請求項2】
上記制御手段による比較結果において、両キーが合致すると判定される場合は、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更させる、最終的なリアルタイムレベル値を上昇させるように、制御手段によって設定し、反対に両キーが合致しないと判定される場合は、最終的なリアルタイムレベル値を、制御手段によってそのままの状態又は下げるように設定することを特徴とする請求項1記載のキー入力練習装置。
【請求項3】
タイマがさらに備えられており、上記制御手段による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御手段が上記タイマを参照し、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とすることを特徴とする請求項1又は2記載のキー入力練習装置。
【請求項4】
タイマがさらに備えられており、該タイマで測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御手段によって、上記リアルタイムレベル値をそのままの状態、又は、その超過時間に応じて下げるように設定することを特徴とする請求項1又は2記載のキー入力練習装置。
【請求項5】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの演奏パート数を増減させることを特徴とする請求項1〜4いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項6】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの演奏スタイルやパターンを変化させることを特徴とする請求項1〜5いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項7】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの演奏のコード進行や構成音を変化させることを特徴とする請求項1〜6いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項8】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの残響や音源定位などの効果を変化させることを特徴とする請求項1〜7いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項9】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データの音色の切り替えや変化により行うことを特徴とする請求項1〜8いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項10】
上記リアルタイムレベル値に応じて、制御手段により、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する処理において、楽曲データそのものを切り替えることを特徴とする請求項1〜9いずれか1つに記載のキー入力練習装置。
【請求項11】
コンピュータに読み出されて実行されることで、該コンピュータが、
キー入力用の入力手段と、
楽曲データを再生する再生手段と、
打鍵すべきキーに相当するキー記号を表示する表示手段と、
打鍵すべきキーを決定し、それ乃至それと関係のある一定の文字列を上記表示手段にキー記号として表示させると共に、入力手段により検出された打鍵キーと、決定された打鍵すべきキーとを比較し、その比較結果を任意の演算値に評価し、すでに記憶されている従前のリアルタイムレベル値がある場合は、その値に対して上記演算値により所定の演算を行い、それを現在のキー入力の出来を示す上記リアルタイムレベル値として記憶し、また従前のリアルタイムレベル値が記憶されていない場合は、デフォルト値又は上記演算値をそのままリアルタイムレベル値として記憶しておくと共に、記憶されるそのリアルタイムレベル値の変更に応じて、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更する制御手段と
して機能することを特徴とするキー入力練習用コンピュータプログラム。
【請求項12】
上記制御手段による比較結果において、両キーが合致すると判定される場合は、上記再生手段の楽曲再生の内容を変更させる、最終的なリアルタイムレベル値を上昇させるように、制御手段によって設定し、反対に両キーが合致しないと判定される場合は、最終的なリアルタイムレベル値を、制御手段によってそのままの状態又は下げるように設定することを特徴とする請求項11記載のキー入力練習用コンピュータプログラム。
【請求項13】
タイマがさらに備えられており、上記制御手段による比較結果において、両キーの合致判定の際に、制御手段が上記タイマを参照し、所定の時間内にキー入力があった場合にのみ、その比較結果を有効とすることを特徴とする請求項11又は12記載のキー入力練習用コンピュータプログラム。
【請求項14】
タイマがさらに備えられており、該タイマで測定されたキー入力のあった時間が所定の時間を超えてあった際に、制御手段によって、上記リアルタイムレベル値をそのままの状態、又は、その超過時間に応じて下げるように設定することを特徴とする請求項請求項11又は12記載のキー入力練習用コンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−334169(P2007−334169A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168296(P2006−168296)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】