説明

キー入力装置、及び携帯情報端末

【課題】ユーザが入力に際して混乱することの無いキー入力装置を提供する。
【解決手段】複数の色のうちから選択される選択色の光を発光する発光部と、複数の色の光を透過するユーザに押下されるべき複数のキートップと、発光部により発光された選択色の光を複数のキートップの各々へ導光する導光部と、複数の色の各々に対応して設けられ、それぞれ複数の色の光のうちの対応する色の光のみを透過して、各キートップのユーザにより押下される表面に重なることなく配置され、複数の色毎に区分された表示形式の文字を表面に印字された複数のカラーフィルタとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
QWERTY配列は、テキスト入力に適したパーソナルコンピュータ(以下、PC)等における一般的なキーボードのキー配列である。近年、QWERTY配列のキー入力装置の搭載された携帯電話端末が多く開発されている。これには、スマートフォンと呼ばれるような高機能な携帯電話端末が普及してきているといった背景がある。このような高機能な携帯電話端末では、電子メールやWeb閲覧に限らず、テキスト入力を多く行う様々なアプリケーションも使用が可能である。一方で、携帯電話端末は、通話機能や、ワンセグメント放送受信機能、あるいはデジタルカメラ機能といった、PCとは異なる多数の独特な機能を搭載している。そのため、携帯電話端末の機能を操作するためのキー配列と、テキスト入力に適したQWERTY配列によるキー配列を、共に利用することができるキー入力装置が求められている。
【0003】
しかし、絵文字や、電子メールキー、あるいはJAVA(登録商標)アプリキーといった携帯電話端末特有のショートカットアイコンを、QWERTY配列のキーボード上に追加で印字すると、一つのキートップ上に印字される文字の数が増加して、ユーザはどのような場合にいずれのキーを押下するべきか混乱してしまうという課題がある。
【0004】
特許文献1は、簡単かつ小型な構成によって、キートップを多重な表示を行うことを可能とした上で、照明手段を用いた表示切替え形態を可能とするキーボード装置を開示している。特許文献1のキーボード装置は、それぞれに複数の機能が割り当てられた複数のキーを備え、複数のうちいずれかの操作モードが設定されると、その操作モードに対応した機能を選択して、各キーに設定するように切り替えるキーボード装置である。特許文献1のキーボード装置は、照明手段と、キートップと、制御手段とを備える。照明手段は、照明色を複数の異なる色に切り替え可能に構成される。キートップは、この照明手段の照明色に応じて、各キーに割り当てられた複数の機能に対応する表示を行うものである。キートップは、各表示の少なくとも一部が重なるように配置される。制御手段は、操作モードの設定に応じて照明手段の照明色を切り替えることで、表示手段におけるいずれか1つの表示を視認させるように制御する。特許文献1のキーボード装置によれば、表示手段における複数の表示の一部が重なっているとしても、照明手段の照明色を切り替えることで、それらの表示のいずれか1つだけを明確にして操作者の視覚に認識させることができる。
【0005】
特許文献2は、コストや消費電力を大幅に増大させることなく、簡単な制御で誰にも見やすくわかりやすいキー表示が可能な移動無線端末装置を開示している。特許文献2の移動無線端末装置は、移動通信網に収容される無線基地局と無線通信し、移動通信網を通じた通信を行う無線通信端末装置である。特許文献2の無線通信端末装置は、モード切り替えの要求を受け付ける入力手段と、入力手段を通じた要求に応じてモード切り替えを行う制御手段とを備える。入力手段は、第1のカラーフィルタと、第2のカラーフィルタと、第1の発光手段と、第2の発光手段とを備える。第1のカラーフィルタは、第1波長帯域の光が透過する透過特性を有するとともに、第2波長帯域の光については部分的に透過する透過特性を有する。第2のカラーフィルタは、第2の波長帯域の光が透過する透過特性を有するとともに、第1波長帯域の光については部分的に透過する透過特性を有する。第1のカラーフィルタと第2のカラーフィルタとは、重ねられた状態で備えられる。第1の発光手段は、第1のカラーフィルタと第2のカラーフィルタを介し移動無線端末装置の外部に向けて、第1波長帯域の光を発する。第2の発光手段は、第1のカラーフィルタと第2のカラーフィルタを介し移動無線端末装置の外部に向けて、第2波長帯域の光を発する。また、制御手段は、モード切り替えに応じて、第1の発光手段と第2の発光手段のうち、いずれか一方を選択的に発光させる。特許文献2の無線通信端末装置によれば、透過特性の異なる2つのフィルタを設け、2つの発光手段を選択的に発光させるという簡単な構成と簡単な制御で、2つの形状を選択的に投影できる。そのため、コストや消費電力を大幅に増大させることなく、簡単な制御で誰にでも見やすくわかりやすいキー表示が可能な移動無線端末装置を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−277013号公報
【特許文献2】特開2008−009526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ユーザが入力に際して混乱することの無いキー入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキー入力装置は、複数の色のうちから選択される選択色の光を発光する発光部と、複数の色の光を透過するユーザに押下されるべき複数のキートップと、発光部により発光された選択色の光を複数のキートップの各々へ導光する導光部と、複数の色の各々に対応して設けられ、それぞれ複数の色の光のうちの対応する色の光のみを透過して、各キートップのユーザにより押下される表面に重なることなく配置され、複数の色毎に区分された表示形式の文字を表面に印字された複数のカラーフィルタとを備える。
【0009】
本発明の携帯情報端末は、複数の色のうちから選択される選択色の光を発光する発光部と、複数の色の光を透過するユーザに押下されるべき複数のキートップと、発光部により発光された選択色の光を複数のキートップの各々へ導光する導光部と、複数の色の各々に対応して設けられ、それぞれ複数の色の光のうちの対応する色の光のみを透過して、各キートップのユーザにより押下される表面に重なることなく配置され、複数の色毎に区分された表示形式の文字を表面に印字された複数のカラーフィルタとユーザにより使用される機能に応じて発光部の発光する選択色の光を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが入力に際して混乱することの無いキー入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100を示す図である。
【図2】第1実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態におけるキー入力装置110の備える複数のキーのうちの一つの構成を示す断面図である。
【図4】第1実施形態におけるキートップ14の表面を示す図である。
【図5】第1実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の動作フローである。
【図6】第2実施形態におけるキー入力装置110のキートップ14上に貼付されたカラーフィルタ16、17、18を示す図である。
【図7】第3実施形態におけるキー入力装置110の構成を示す断面図である。
【図8】第4実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100を示す図である。
【図9】第4実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の構成を示す図である。
【図10】第4実施形態における3色LED22a、及び22bの点灯パターンを利用環境別に例示する表である。
【図11】第5実施形態における使用状況に応じて向きの変わる携帯電話端末100を示す図である。
【図12】第5実施形態におけるキートップ14の表面を示す図である。
【図13】第5実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話装置100の構成を示す図である。
【図14】第5実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の実施形態によるキー入力装置を以下に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
はじめに、本発明の第1実施形態によるキー入力装置の説明を行う。
【0014】
[構成の説明]
まず、本実施形態におけるキー入力装置110の構成の説明を行う。図1は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100を示す図である。本実施形態では、キー入力装置110が携帯電話端末100に搭載された場合を例示して説明する。なお、本実施形態のキー入力装置110は、携帯電話端末100に限定せず、PDA(Personal Digital Assistant)や、ネットブックと呼ばれるような小型ノートパソコンや、PHS(Personal Handy phone System)や、電子辞書等に例示される携帯情報端末に広く適用が可能である。
【0015】
図1に示すように携帯電話端末100は、情報を表示する表示部であるLCD(Liquid Crystal Display)105と複数のキーを備えるキー入力装置110の搭載された本体部との構造の違いにより、折りたたみ型、一体型、スライド型などが一般に知られている。本実施形態のキー入力装置110は、いずれのタイプにも適用が可能である。
【0016】
図2は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の構成を示す図である。
【0017】
本実施形態の携帯電話端末100は、無線部101と、送受信処理部102と、制御部103と、記憶部104と、表示部105と、LED(Light Emitting Diode)ドライバ106と、電池パック107と、電源IC(Intergrated Circuit)108、109とを備える。
【0018】
無線部101は、アンテナを備え、携帯電話端末100の参加する移動体通信ネットワークの備える図示されない無線基地局との間で電波の送受信を行う。送受信処理部102は、制御部103からの送信データに変調等の送信処理を行って生成された送信信号を無線部101へ出力し、また、無線部101からの受信信号に復調処理等の受信処理を行って生成された受信データを制御部103へ出力する。記憶部104は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)に例示される。記憶部104は、携帯電話端末100の機能を実現する処理用プログラムやデータを記憶している。制御部103は、CPU(Central Proccessing Unit)に例示される。制御部103は、記憶部104に記憶された処理用プログラムを読み込んで実行することにより、携帯電話端末100の機能を実行する。表示部105は、LCDに例示される。表示部105は、制御部103から出力されたデータを表示する。キー入力装置110は、携帯電話端末100のユーザとの入力インタフェースである。キー入力装置110の構成は、後に詳述する。キー入力装置110は、ユーザからの入力を受け付けて、制御部103へ通知する。LEDドライバ106は、キー入力装置110の備える後述される3色LED22の発光を制御する。LEDドライバ106は、制御部103と接続されており、制御部103からの制御信号に基づいて、3色LED22を制御する。電池パック107、電源IC108、109から構成される電源部は、携帯電話端末100の各構成に電源を供給する。以上が、本実施形態における携帯電話端末100の構成の説明である。
【0019】
次に、本実施形態におけるキー入力装置110の構成の説明を行う。キー入力装置110は、図1に示したように複数のキーを備える。これら複数のキーは、全て同じ構成であるので、一つのキーの構成を例として説明を行う。図3は、本実施形態におけるキー入力装置110の備える複数のキーのうちの一つの構成を示す断面図である。
【0020】
キー入力装置110は、底面となる板金10の上に導光板11が形成されている。板金10と導光板11は、キー入力装置110の備える全てのキーの構成される範囲に形成される。導光板11の上に、メンブレンシート12によるスイッチが形成される。説明上、メンブレンシート12のスイッチを構成する2枚のシートうち、導光板11側のシートをメンブレンシート12bと呼び、メンブレンシート12bに対向する導光板11側ではないシートをメンブレンシート12aと呼ぶ。メンブレンシート12a上、つまり、板金10に対して反対側の面にはラバードーム13が設けられている。ラバードーム13上にはキートップ14が設けられている。キートップ14の板金10側の面には、板金10上に設けられたパンタグラフ15が接触している。そのため、キートップ14は、パンタグラフ15により板金10と反対方向に反発力を得ており、キートップ14と一体となるラバードーム13、及びメンブレンシート12aも同様の力を受けている。これによりメンブレンシート12aと12bとの間に所定の間隔が保たれる。メンブレンシート12a及び12bには、それぞれ配線20、21が形成されている。ユーザが、キートップ14を押下すると、メンブレンシート12a及び12bが接触する。これにより、配線20、及び21がショートして、ショート信号が生成される。ショート信号が配線21を介して接続される制御部103へ通知されると、制御部103は、当該キーが押下されたことを検知する。
【0021】
また、キートップ14の表面、すなわちユーザにより押下される面には、カラーフィルタ16、17、18が貼付される。カラーフィルタ16、17、18は、それぞれ異なる特定の波長(色)の光のみを透過するフィルタである。各カラーフィルタ16、17、18の透過する光の色は、3色LED22の発光する色とそれぞれ対応している。カラーフィルタ16、17、18は、それぞれ重なること無くキートップ14の表面に貼付される。すなわち、カラーフィルタ16、17、18は、それぞれキートップ14の表面を3分割するように貼付されている。なお、本実施形態では、3種類のカラーフィルタ16、17、18を用いて3色の光に対応させているが、より多くの(あるいは少ない)カラーフィルタを用いる構成としてもよい。その場合、カラーフィルタの種類に応じて3色LED22の発光する光の色の種類が対応することとなる。
【0022】
3色LED22は、導光板11に実装されている。3色LED22は、配線23を介してLEDドライバ106と接続されており、LEDドライバ106の制御により発光する。メンブレンシート12と、ラバードーム13と、キートップ14とは、光を透過する素材を用いて形成される。これにより、3色LED22により発光された光が、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介してカラーフィルタ16、17、18へ導光され、カラーフィルタ16、17、18を介してキートップ14の表面に向けて光が発せられることになる。
【0023】
カラーフィルタ16、17、18の表面には、印刷層19が形成されている。印刷層19により、各カラーフィルタ16、17、18の表面に表示されるべき文字、や数字、や記号(以下、まとめて文字と記載する。)が形成される。印刷層19によりカラーフィルタ16、17、18が覆われていない部分が、表示されるべき文字となる。図3を参照すると、印刷層19によりカラーフィルタ16、17、18が覆われていない文字部160、170、180が確認できる。カラーフィルタ16、17、18は、特定の色の光のみを透過するため、3色LED22の発光する光の色によって発光された色の光を透過するカラーフィルタ16、17、18からのみ光が発せられる。そのため、ユーザは、キートップ14上に形成される文字のうち、3色LED22の発光する光の色によって選択された文字のみを視認することができる。
【0024】
図4は、本実施形態におけるキートップ14の表面を示す図である。図4に示すとおり、キートップ14の表面には、カラーフィルタ16、17、18の貼付された範囲に対応して印刷層19により表示されるべき文字が印刷されている。カラーフィルタ16、17、18に印字される文字は、カラーフィルタ16、17、18毎に異なる表示形式となっている。例えば、カラーフィルタ16は、QWERTY配列の文字(文字部160)、カラーフィルタ17は、一般的な携帯電話端末のキー入力装置における文字(文字部170)、カラーフィルタ18は、特定の記号である文字(文字部180)といった具合である。印字エリア161は、カラーフィルタ16の貼付されるエリアに対応する。印字エリア171は、カラーフィルタ17の貼付されるエリアに対応する。印字エリア181は、カラーフィルタ18の貼付されるエリアに対応する。印字エリア161、171、181は、3色LED22の発光する特定の色の光をカラーフィルタ16、17、18がそれぞれ透過するべき色の光を透過することで光を発して、キートップ14に印字された文字を表示する。ユーザは、キートップ14において、印字エリア161、171、181のうち光を発した印字エリアの文字のみを視認することができる。
【0025】
以上が、本実施形態におけるキー入力装置110の構成の説明である。本実施形態のキー入力装置110は、それぞれ異なる色の光を透過するカラーフィルタ16、17、18をキートップ14の表面上でそれぞれが重ならないように、キートップ14の表面を分割するように貼付される。携帯電話端末100の備えるLEDドライバ106の制御により3色LED22から特定の色の光が発光されると、カラーフィルタ16、17、18のうち発光された色の光を透過するべきカラーフィルタ16、17、18のみが光を透過する。これにより、3色LED22からの光を透過したカラーフィルタ16、17、18に対応する印字エリア161、171、181に印刷された文字が発光して、キートップ上に表示される。そのため、ユーザは、キートップ上に複数の表示形式の文字が印字されていたとしても、混乱すること無く入力を行うことが可能である。また、カラーフィルタ16、17、18が重なることなくキートップ14上に設けられることで、カラーフィルタ16、17、18を重ねて配置する場合のように厚みが増すことを防ぎ、キーの薄型化に貢献できる。
【0026】
[動作の説明]
次に、上述のように構成された本実施形態におけるキー入力装置110の動作の説明を行う。以下の説明では、本実施形態のキー入力装置110が携帯電話端末100に搭載された場合を例示して説明する。図5は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の動作フローである。なお、以下の説明において、カラーフィルタ16、17、18は、図4で説明を行った印字エリア161、171、181にそれぞれ対応しているとする。また、カラーフィルタ16は、3色LED22の発光する光の色のうち、A色のみを透過し、カラーフィルタ17は、B色のみを透過し、カラーフィルタ18は、C色のみを透過するとする。
【0027】
ユーザが、携帯電話端末100の電源を「ON」すると、電池パック107、電源IC108、109からなる電源部が携帯電話端末100の各構成に電源を供給して、携帯電話端末100が立ち上げ動作を開始する(ステップS10)。制御部103は、記憶部104に記憶された処理プログラムを実行して、表示部105へ待ち受け画面を表示する(ステップS11)。制御部103は、待ち受け画面を表示すると、LEDドライバ106を制御して3色LED22をA色に発光させる(ステップS12)。3色LED22が発光したA色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介して、キートップ14に貼付されたカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ16、17、18のうちカラーフィルタ16のみがA色の光を透過するため、キートップ14に表面において印字エリア161に印字された文字部160の文字が光を発して、キートップ14へ表示される(ステップS13)。
【0028】
ユーザによるキー入力装置110への入力に従って、制御部103がアプリケーションを起動すると(ステップS14のYes)、起動されたアプリケーションが例えばアプリケーションαである場合(ステップS15)、LEDドライバ106は、3色LED22にA色を発光させるように制御する(ステップS16)。3色LED22で発光したA色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介して、キートップ14に貼付されたカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ16、17、18のうちカラーフィルタ16のみがA色の光を透過するため、キートップ14に表面において印字エリア161に印字された文字部160の文字が光を発して、キートップ14へ表示される(ステップS17)。この後、ユーザによるキー入力装置110への入力に従って、制御部103がアプリケーションαを終了させると(ステップS18)、ステップS11へ戻り、待ち受け画面表示へ移行する。
【0029】
また、制御部103により起動されたアプリケーションが例えばアプリケーションβである場合(ステップS19)、LEDドライバ106は、3色LED22にB色を発光させるように制御する(ステップS20)。3色LED22で発光したB色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介して、キートップ14に貼付されたカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ16、17、18のうちカラーフィルタ17のみがB色の光を透過するため、キートップ14に表面において印字エリア171に印字された文字部170の文字が光を発して、キートップ14へ表示される(ステップS21)。この後、ユーザによるキー入力装置110への入力に従って、制御部103がアプリケーションβを終了させると(ステップS22)、ステップS11へ戻り、待ち受け画面表示へ移行する。
【0030】
さらに、制御部103により起動されたアプリケーションが例えばアプリケーションγである場合(ステップS23)、LEDドライバ106は、3色LED22にC色を発光させるように制御する(ステップS24)。3色LED22で発光したC色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介して、キートップ14に貼付されたカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ16、17、18のうちカラーフィルタ18のみがC色の光を透過するため、キートップ14に表面において印字エリア181に印字された文字部180の文字が光を発して、キートップ14へ表示される(ステップS25)。この後、ユーザによるキー入力装置110への入力に従って、制御部103がアプリケーションγを終了させると(ステップS26)、ステップS11へ戻り、待ち受け画面表示へ移行する。
【0031】
一方、ユーザによるキー入力装置110へ入力がなくアプリケーションも起動されない場合(ステップS14のNo)、ユーザが、携帯電話端末10の電源を「OFF」しなければ(ステップS27のNo)、ステップS11に戻り、待ち受け画面の表示を継続する。ユーザが、携帯電話端末10の電源を「OFF」したならば(ステップS27のYes)、制御部103は、携帯電話端末10の停止処理を行い、これに伴ってLEDドライバ106は、3色LED22の発光を停止する(ステップS28)。
【0032】
以上が、本実施形態におけるキー入力装置110を備える携帯電話端末100の動作の説明である。このように、本実施形態におけるキー入力装置110の構成により、携帯電話端末10で起動されるアプリケーションに応じて3色LED22の発光する光の色を切り替えることで、キー入力装置110のキートップ14に表示される文字を変更することができる。ユーザは、アプリケーションに応じてキートップ14に文字が表示されるため、混乱することなく操作を行うことが可能となる。なお、アプリケーションの種類と、3色LED22の発光する光の色との対応関係は、あくまで一例であって、これには限定しない。携帯電話端末100におけるアプリケーションや機能の種類と、3色LED22の発光する光の色とは、様々な組み合わせが可能である。また、制御部103は、携帯電話端末100のアプリケーションだけでなく、携帯電話端末100の様々な機能に応じて3色LED22の発光する光の色を制御してもよい。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるキー入力装置の説明を行う。
【0034】
本実施形態におけるキー入力装置は、キートップに貼付されるカラーフィルタの構成が異なる。これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、構成の異なる点を中心に説明を行って、第1実施形態と同様の場合は、適宜説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を行う。
【0035】
図6は、本実施形態におけるキー入力装置110のキートップ14上に貼付されたカラーフィルタ16、17、18を示す図である。なお、図6は、キー入力装置110の備える複数のキーのうちの一つを例示している。第1実施形態と同様に、キー入力装置の備える他のキーも同様の構成である。本実施形態のキー入力装置14において、キートップ14は、その表面に、第1実施形態と同様に3種類のカラーフィルタ16、17、18を貼付されている。カラーフィルタ16、17、18は、それぞれ異なる特定の色の光のみを透過するフィルタであり、各カラーフィルタ16、17、18の透過する光の色は、3色LED22の発光する色とそれぞれ対応している。カラーフィルタ16、17、18は、それぞれ重なること無くキートップ14の表面に貼付される。
【0036】
本実施形態におけるカラーフィルタ16、17、18は、図6(a)に示すように細かく分断されている。細かく分断されたカラーフィルタ16、17、18は、キートップ14の表面に重なることなく規則的に配列されている。また、本実施形態の印刷層19は、図6(b)に一例を示すように、細かく分断されたカラーフィルタ16、17、18毎に遮光印刷(黒塗り部分)を行われる。このように、キートップ14上に細かく分断されたカラーフィルタ16、17、18を規則的に配列させることで、キートップ14の前面を用いて文字を表示することが可能となる。以上が、本実施形態におけるキー入力装置14の説明である。上述以外については、第1実施形態と同様である。
【0037】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態によるキー入力装置の説明を行う。
【0038】
本実施形態におけるキー入力装置は、印刷層19がキートップ14に直接印刷されずに、キートップ14上に配置された導光シートに印刷される構成が異なる。これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、構成の異なる点を中心に説明を行って、第1実施形態と同様の場合は、適宜説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を行う。
【0039】
図7は、本実施形態におけるキー入力装置110の構成を示す断面図である。図7では、第1実施形態で説明を行ったキーが2つ並んだ断面図を示している。本実施形態のキー入力装置110は、キートップ14上に導光シート24を備える。導光シート24は、キー入力装置110の備える全てのキーのキートップ14上に設けられている。導光シート24は、伸縮性のある素材で形成される。そのため、特定のキーが押下された場合にも、導光シート24が伸びることで、他のキーが押下されてしまうことは無い。印刷層19は、導光シート24上に形成されて、表示するべき文字が印字されている。導光シート24は、3色LEDからキートップ14まで導光されて来た全ての色の光を十分に透過する。そのため、キー入力装置110の備える各キーは、導光シート24の透過する光により光を発して、導光シート24上に印字された文字を表示する。このように、本実施形態のキー入力装置110は、キートップ14上に導光シート24を設けて、導光シート24上に印刷層19による文字を印字することで、各キーの表示するべき文字を変更することが可能となる。
【0040】
なお、図7では、導光シート24の表面に印刷層19による文字が印字されていたが、導光シート24とキートップ14との間、すなわち、導光シート24の裏面に印刷層19による文字を印字しても良い。また、図7において、キートップ14上に貼付されるカラーフィルタ16、17、18は、第2実施形態で説明を行ったように、細かく分断されたカラーフィルタ16、17、18を規則的に配列させる構成としても良い。この場合、導光シート24に印字される文字は、カラーフィルタ16、17、18の配列に対応させて印字することとなる。以上が、本実施形態におけるキー入力装置14の説明である。上述以外については、第1実施形態と同様である。
【0041】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態によるキー入力装置の説明を行う。
【0042】
本実施形態におけるキー入力装置110は、複数に分割された導光板11を備え、各々の導光版11上に設けられるキートップ14の表面に異なる表示形式の文字が印字される。複数に分割された導光板11は、それぞれ3色LED22を備える。制御部103は、LEDドライバ22に各々の導光板11に設けられた3色LED22を個別に発光させることで、より多くの表示形式の文字を表示することが可能となる。本実施形態におけるキー入力装置110は、第1実施形態とほぼ同様である。そのため、構成の異なる点を中心に説明を行って、第1実施形態と同様の場合は、適宜説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を行う。
【0043】
図8は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100を示す図である。本実施形態では、第1実施形態と同様にキー入力装置110が携帯電話端末100に搭載された場合を例示して説明する。図8を参照すると、図8(a)は、第1実施形態と同様に導光板11が分割されていないキー入力装置110を備える携帯電話端末100である。一方、図8(b)は、本実施形態における導光板11が分割されたキー入力装置110を備える携帯電話端末100である。図8(b)に示すとおり、導光板11a、及び11bに分割されているため、それぞれの導光板11a、11b上に異なる表示形式の文字を印字しておくことで、より多くの表示形式の文字を表示することが可能となる。なお、導光板11が分割されているか否かは、キー入力装置110の備えるキーにより携帯電話端末100のユーザからは視認することができない。以下の説明において、キー入力装置110は、2つに分割された導光板11a及び11bを備える場合を例示して説明を行う。ただし、導光板11の分割数は、2つに限定するものではない。
【0044】
図9は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の構成を示す図である。本実施形態の携帯電話端末100は、第1実施形態と同様に、無線部101と、送受信処理部102と、制御部103と、記憶部104と、表示部105と、LEDドライバ106と、電池パック107と、電源IC108、109とを備える。本実施形態におけるキー入力装置110が、第1実施形態の構成と異なるのは、LEDドライバ106が、キー入力装置110の備える2つの導光板11a、及び11bにそれぞれ設けられる3色LED22a及び22bのそれぞれ制御を行う点である。そのため、制御部103からLEDドライバ106を制御する制御信号も、2つの3色LED22a、及び22bに対応することになる。これにより、例えば、片側の3色LED22a(あるいは、3色LED22b)だけを発光させたり、あるいは、3色LED22aと3色LED22bとで異なる色の光を発光させたりすることが可能となる。これ以外の構成は、第1実施形態と同様であるので重ねての説明を省略する。
【0045】
また、キー入力装置110の備える各キーの構成は、導光板11が導光板11a、及び11bの2つに分割されたことに伴い、導光板11a、及び11bが、それぞれに対応する3色LED22a、及び22bを備える点が異なる以外は、第1実施形態と同様である。
【0046】
図10は、本実施形態における3色LED22a、及び22bの点灯パターンを利用環境別に例示する表である。なお、以下の説明において、キー入力装置110の各キーのキートップ14に貼付されるカラーフィルタ16、17、18は、図4で説明を行った印字エリア161、171、181にそれぞれ対応しているとする。また、カラーフィルタ16は、3色LED22a、及び22bの発光する光の色のうち、A色のみを透過し、カラーフィルタ17は、B色のみを透過し、カラーフィルタ18は、C色のみを透過するとする。
【0047】
ケース1は、メール入力のようにテキスト入力を必要とする機能を利用する場合を示している。この場合、キー入力装置の全てのキーを使用するため、LEDドライバ106は、3色LED22a、及び22bを共にA色で発光させる。印字エリア161は、QWERTY配列の文字が印字される。これにより、ユーザは、一般的なテキスト入力を行うことができる。
【0048】
ケース2は、移動体通信事業者が提供するWebサイトを閲覧する機能を利用する場合を示している。この場合、ケース1のようなQWERTY配列のキーでは使用し難い。そのため、導光板11a上に設けられるキートップ14の印字エリア171は、移動体通信事業者が提供するWebサイトの閲覧に効果的な文字が印字される。LEDドライバ106は、導光板11aに対応する3色LED22aのみをB色で発光させて、導光板11bに対応する3色LED22bを発光させない。これにより、ユーザは、移動体通信事業者が提供するWebサイトを閲覧するのに適したキー表示で操作を行うことができる。
【0049】
ケース3は、電話発着信を行う機能を利用する場合を示している。導光板11b上に設けられるキートップ14の印字エリア171は、電話発着信に効果的な文字が印字される。LEDドライバ106は、導光板11bに対応する3色LED22bのみをB色で発光させて、導光板11aに対応する3色LED22aを発光させない。これにより、ユーザは、電話発着信を行うのに適したキー表示で操作を行うことができる。
【0050】
ケース4は、ワンセグメント放送を視聴する機能を利用する場合を示している。ワンセグメント放送の機能を利用する場合、チャネルの操作や、音量操作、あるいは、番組の録画・再生や、データ放送用操作等の多数のキーを必要とする。導光板11a上に設けられるキートップ14の印字エリア181は、ワンセグメント放送の機能に効果的な文字が印字される。LEDドライバ106は、導光板11aに対応する3色LED22aのみをC色で発光させて、導光板11bに対応する3色LED22bを発光させない。これにより、ユーザは、ワンセグメント放送の機能に適したキー表示で操作を行うことができる。
【0051】
ケース5は、デジタルカメラ機能を利用する場合を示している。デジタルカメラ機能を利用する場合、シャッターや、ズームや、ホワイトバランス設定や、明るさ設定、撮影後の補正処理等、多数のキーを必要とする。導光板11b上に設けられるキートップ14の印字エリア181は、デジタルカメラ機能に効果的な文字が印字される。LEDドライバ106は、導光板11bに対応する3色LED22bのみをC色で発光させて、導光板11aに対応する3色LED22aを発光させない。これにより、ユーザは、デジタルカメラ機能を利用に適したキー表示で操作を行うことができる。
【0052】
このように、本実施形態のキー入力装置110によれば、分割された導光板11a、及び11b上に設けられるキートップ14に、それぞれ使用される機能に適した文字を印字する。LEDドライバ106は、制御部103からの制御信号により、使用される機能に応じて導光板11a、及び11bに対応させて設けられる3色LED22a、及びLED22bをそれぞれ制御する。これによって、3色LED22a、及びLED22bが、発光するか否か、及び発光する光の色を、個別に制御することが可能となるため、より多くのパターンの文字を表示することが可能となる。すなわち、キートップ14上の文字は、分割された導光板11a、11b毎で、かつ、導光板11a、11bに備えられる3色LED22の発光する光の色毎を最小単位として、表示形式の区分を行うことが可能となる。ユーザは、使用する機能に応じて、適切な文字がキー入力装置110に表示されるため、混乱することなく操作を行うことができる。なお、ケース1からケース5は、あくまで利用環境の一例であり、上述の例に限定されない。また、本実施形態のキー入力装置110に第2、第3実施形態を適用することができることは言うまでも無い。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態によるキー入力装置の説明を行う。
【0054】
本実施形態におけるキー入力装置110は、携帯電話端末100の向きに応じて、キートップ14上に適切な向きで文字を表示する。そのため、ユーザは、どのような向きで携帯電話端末100を利用しても混乱することなくキー入力を行うことができる。本実施形態におけるキー入力装置110は、第1実施形態とほぼ同様である。そのため、構成の異なる点を中心に説明を行って、第1実施形態と同様の場合は、適宜説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を行う
【0055】
[構成の説明]
まず、本実施形態のキー入力装置110の構成の説明を行う。図11は、本実施形態における使用状況に応じて向きの変わる携帯電話端末100を示す図である。携帯電話端末100は、ユーザの使用するアプリケーションによって、使用時の向きが変わることがある。例えば、通常時において図11(a)の向きで使用しているものの、例えば、ワンセグメント放送を視聴するような場合に、左に90°回転させた図11(b)の向きや、右に90°回転させた図11(c)の向きに変更して使用するほうが、利便性が高い場合がある。このような場合に、キー入力装置110の備える各キーが、一方向の向きにのみ文字が印字されていると、ユーザは利用時に混乱する。そこで、本実施形態のキー入力装置は、複数の向きに対応させて文字を印字する。
【0056】
図12は、本実施形態におけるキートップ14の表面を示す図である。印字エリア161は、携帯電話端末100が図11(a)の傾きで使用された場合に対応する方向で文字部160に示す文字が印字されている。印字エリア171は、携帯電話端末100が図11(b)の傾きで使用された場合に対応する方向で文字部170に示す文字が印字されている。印字エリア181は、携帯電話端末100が図11(c)の傾きで使用された場合に対応する方向で文字部180に示す文字が印字されている。
【0057】
図13は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話装置100の構成を示す図である。本実施形態の携帯電話端末100は、第1実施形態と同様に、無線部101と、送受信処理部102と、制御部103と、記憶部104と、表示部105と、LEDドライバ106と、電池パック107と、電源IC108、109とを備え、さらに加速度センサ111を備える。本実施形態におけるキー入力装置110が、第1実施形態の構成と異なるのは、加速度センサ111により計測される携帯電話端末100の傾きに対応する向きの文字が発光されるように、制御部103がLEDドライバ106を制御する点である。これ以外の携帯電話端末100、及びキー入力装置110の構成は、いずれも第1実施形態と同様であるので重ねての説明を省略する。
【0058】
[動作の説明]
次に、上述したような本実施形態のキー入力装置110を備える携帯電話端末100の動作の説明を行う。図14は、本実施形態におけるキー入力装置110を備えた携帯電話端末100の動作フローである。また、以下の説明では、キー入力装置110のキートップ14上に、図12で示したように文字が印字されており、各印字エリアの対応は、前述した図11の携帯電話端末の向きと対応しているものとする。また、印字エリア161に対応するカラーフィルタ16は、A色の光のみを透過し、印字エリア171に対応するカラーフィルタ17は、B色の光のみを透過し、印字エリア181に対応するカラーフィルタ18は、C色の光のみを透過するものとする。
【0059】
まず、制御部103が記憶部104に記憶された処理用プログラムを実行することで、表示部に待ち受け画面が表示される(ステップS100)。この時点で、制御部103は、LEDドライバ106へA色の光を発光させる制御信号を出力しており、LEDドライバ106の制御により3色LED22は、A色の光を発光している。そのため、カラーフィルタ16のみが光を透過して、印字エリア161に印字された図11(a)に対応する向きの文字がキートップ14に表示される。印字エリア161は、携帯電話端末100の通常使用状態(図11(a)に相当する。)に適した向きの文字が印字されている。そのため、ユーザは、混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。続いて、ユーザは、アプリケーションδを起動する(ステップS101)。アプリケーションδは、実行中に携帯電話端末100の向きを変える必要があるアプリケーションである。アプリケーションδは、ユーザに携帯電話端末100を横向きに90°傾けるように表示部105上へ表示を行う(ステップS102)。ユーザは、表示部105の表示を確認して携帯電話端末100を左右いずれか90°に傾ける(ステップS103)。
【0060】
ユーザが、携帯電話端末100を左に90°傾けた(図11(b)に相当する。)場合、加速度センサ111は、携帯電話端末100の傾きを検出する(ステップS104)。制御部103は、加速度センサ111から携帯電話端末100の傾きを取得する。制御部103は、携帯電話端末100が左に90°傾いていると判定する(ステップS105)。携帯電話端末100は、携帯電話端末100の傾きに応じて、キー入力装置110の3色LED22にB色の光を発光させるよう制御信号をLEDドライバ106へ出力する(ステップS106)。LEDドライバ106は、制御部103からの制御信号に基づいて、B色の光を発光するように3色LED22を制御する。3色LED22は、LEDドライバ106の制御によりB色の光を発光する(ステップS107)。3色LED22の発光したB色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介してカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ17のみがB色の光を透過して、印字エリア171に印字された文字がキートップ14上に表示される(ステップS108)。印字エリア171は、携帯電話端末100を左に90°傾けた(図11(b)に相当する。)状態に適した向きの文字が印字されている。これによりユーザは、携帯電話端末100を傾けて使用した場合にも混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。
【0061】
一方、ユーザが、携帯電話端末100を右に90°傾けた(図11(c)に相当する。)場合、加速度センサ111は、携帯電話端末100の傾きを検出する(ステップS109)。制御部103は、加速度センサ111から携帯電話端末100の傾きを取得する。制御部103は、携帯電話端末100が右に90°傾いていると判定する(ステップS110)。携帯電話端末100は、携帯電話端末100の傾きに応じて、キー入力装置110の3色LED22にC色の光を発光させるよう制御信号をLEDドライバ106へ出力する(ステップS111)。LEDドライバ106は、制御部103からの制御信号に基づいて、C色の光を発光するように3色LED22を制御する。3色LED22は、LEDドライバ106の制御によりC色の光を発光する(ステップS112)。3色LED22発光したC色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介してカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ17のみがC色の光を透過して、印字エリア181に印字された文字がキートップ14上に表示される(ステップS113)。印字エリア181は、携帯電話端末100を右に90°傾けた(図11(c)に相当する。)状態に適した向きの文字が印字されている。これによりユーザは、携帯電話端末100を傾けて使用した場合にも混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。
【0062】
この後、ユーザは、アプリケーションδを使用し(ステップS114)、使用完了すると、アプリケーションδを終了する(ステップS115)。制御部103は、アプリケーションδを終了させると、ユーザに携帯電話端末100の傾きを戻すように表示部105上へ表示する(ステップS116)。ユーザは、表示部105の表示を確認して、携帯電話端末100を通常使用時の傾き(図11(a)に相当する。)に戻す。加速度センサ111は、携帯電話端末100の傾きを検出する(ステップS117)。制御部103は、加速度センサ111から携帯電話端末100の傾きを取得する。制御部103は、携帯電話端末100が通常使用状態の傾きに戻ったと判定する(ステップS118)。携帯電話端末100は、携帯電話端末100の傾きに応じて、キー入力装置110の3色LED22にA色の光を発光させるよう制御信号をLEDドライバ106へ出力する(ステップS119)LEDドライバ106は、制御部103からの制御信号に基づいて、A色の光を発光するように3色LED22を制御する。3色LED22は、LEDドライバ106の制御によりA色の光を発光する(ステップS120)。3色LED22発光したA色の光は、導光板11、メンブレンシート12、ラバードーム13、キートップ14を介してカラーフィルタ16、17、18へ導光される。カラーフィルタ16のみがA色の光を透過して、印字エリア161に印字された文字がキートップ14上に表示される(ステップS121)。これによりユーザは、携帯電話端末100を通常使用状態の傾きに戻しても混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。この後、ステップS100へ戻り、制御部103が表示部105へ待ち受け画面等を表示する。以上が本実施形態のキー入力装置110を備える携帯電話端末100の動作の説明である。
【0063】
このように、本実施形態のキー入力装置110を備える携帯電話端末100は、キー入力装置110の備える各キーのキートップ14上に、携帯電話端末の複数の向きに対応した文字を印字しておく。制御部103は、加速度センサ111により計測された携帯電話端末100の向きに応じて、LEDドライバ106を制御して、携帯電話端末100の向きに対応した文字の印字された印字エリア161、171、181に対応するカラーフィルタ16、17、18を透過する色の光を3色LED22に発光させる。これにより、ユーザは、携帯電話端末100条で使用するアプリケーションに応じて、携帯電話端末100の向きを傾けたとしても、適切な向きに印字された文字が表示されるため、混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。なお、制御部103は、特定のアプリケーションが使用されていない場合、例えば、表示部105に待ち受け画面を表示しているような状態においても、携帯電話端末100の向きに応じた文字を表示するようにLEDドライバ106を制御してもよい。また、第2〜第4実施形態において説明を行ったキー入力装置110が、本実施形態においても適用可能であることは容易に理解できる。
【0064】
ここまで、実施形態を参照して本発明のキー入力装置の説明を行ってきた。本発明のキー入力装置によれば、キートップ14の表面に異なる色の光を透過する複数のカラーフィルタ16、17、18を重なることなく貼付する。各カラーフィルタ16、17、18上にはそれぞれ表示するべき文字が印字されている。カラーフィルタ16、17、18は、特定の色の光のみ透過する。3色LED22の発光する光は、キートップ14を介してカラーフィルタ16、17、18に導光され、発光された光の色に対応するカラーフィルタ16、17、18のみが光を透過するため、当該カラーフィルタ16、17、18上に印字された文字のみがキートップ14上に表示される。そのため、ユーザは、混乱することなくキー入力を行うことが可能となる。また、カラーフィルタ16、17、18が重なることなくキートップ14上に設けられることで、カラーフィルタ16、17、18を重ねて配置する場合のように厚みが増すことを防ぎ、キーの薄型化に貢献できる(第1実施形態)。
【0065】
また、カラーフィルタ16、17、18は、細かく分断されて、キートップ14上に規則的に配置されてもよい。印刷層19は、細かく分断されたカラーフィルタ16、17、18ごとに印字が行われる。これにより、キートップ14全体に文字を表示することが可能となる(第2実施形態)。また、印刷層19は、キー入力装置110の全てのキーを覆うようにキートップ14上に配置された導光シート24上に設けられて(印字されても)もよい。これにより、導光シート24を交換することにより、複数の文字パターンを容易に用いることができる(第3実施形態)。
【0066】
さらに、導光板11を複数に分割して、各々の導光板11毎にキートップ14上に印字される文字パターンを変更する。制御部103、及びLEDドライバ106が、各々の導光板11に設けられた3色LED22を個別に制御することで、より多くの文字パターンを表示することが可能となる(第4実施形態)。加えて、キートップ14上に携帯電話端末100の向きに対応した複数のパターンの文字を印字しておき、制御部103が、加速度センサ111により計測された携帯電話端末100の傾きに応じて、3色LED22の発光する光の色を制御する。これによって、携帯電話端末100の向きに応じた文字がキートップ14上に表示することができる(第5実施形態)。このように、本発明のキー入力装置によれば、ユーザが混乱することなくキー入力を行うことができる。
【0067】
なお、第1から第5実施形態は、それぞれ独立してのみ実現可能なものではない。各実施形態は、それぞれ組み合わせて実現することが可能であり、組み合わせて実現することでより高い効果を得ることが可能である。また、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 板金
11、11a、11b 導光板
12、12a、12b メンブレンシート
13 ラバードーム
14 キートップ
15 パンタグラフ
16 カラーフィルタ
17 カラーフィルタ
18 カラーフィルタ
19 印刷層
20 配線
21 配線
22、22a、22b 3色LED
23 配線
24 導光シート
100 携帯電話端末
101 無線部
102 送受信処理部
103 制御部
104 記憶部
105 表示部
106 LEDドライバ
107 電池パック
108 電源IC
109 電源IC
110 キー入力装置
111 加速度センサ
160 文字部
161 印字エリア
170 文字部
171 印字エリア
180 文字部
181 印字エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色のうちから選択される選択色の光を発光する発光部と、
前記複数の色の光を透過するユーザに押下されるべき複数のキートップと、
前記発光部により発光された前記選択色の光を前記複数のキートップの各々へ導光する導光部と、
前記複数の色の各々に対応して設けられ、それぞれ前記複数の色の光のうちの対応する色の光のみを透過して、前記各キートップの前記ユーザにより押下される表面に重なることなく配置され、前記複数の色毎に区分された表示形式の文字を表面に印字された複数のカラーフィルタと
を備えるキー入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキー入力装置であって、
前記複数のカラーフィルタの各々は、細分化されて、前記各キートップの前記表面に規則的に配置される
キー入力装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のキー入力装置であって、
前記複数のカラーフィルタの表面に配置されて、前記文字を印刷される導光シート
をさらに備えるキー入力装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のキー入力装置であって、
前記導光部は、複数に分割され、
前記発光部は、前記複数の導光部の各々に対応して設けられ、
前記文字は、前記複数の導光部毎で、かつ、前記複数の色毎を最小単位として前記表示形式を区分される
キー入力装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のキー入力装置であって、
前記複数のカラーフィルタは、前記区分毎に同じ表示形式の文字をキー入力装置の向きに応じて印刷される
キー入力装置。
【請求項6】
複数の色のうちから選択される選択色の光を発光する発光部と、
前記複数の色の光を透過するユーザに押下されるべき複数のキートップと、
前記発光部により発光された前記選択色の光を前記複数のキートップの各々へ導光する導光部と、
前記複数の色の各々に対応して設けられ、それぞれ前記複数の色の光のうちの対応する色の光のみを透過して、前記各キートップの前記ユーザにより押下される表面に重なることなく配置され、前記複数の色毎に区分された表示形式の文字を表面に印字された複数のカラーフィルタと
前記ユーザにより使用される機能に応じて前記発光部の発光する前記選択色の光を制御する制御部と
を備える携帯情報端末。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯情報端末であって、
前記複数のカラーフィルタの各々は、細分化されて、前記各キートップの前記表面に規則的に配置される
携帯情報端末。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の携帯情報端末であって、
前記複数のカラーフィルタの表面に配置されて、前記文字を印刷される導光シート
をさらに備える携帯情報端末。
【請求項9】
請求項6から請求項8までのいずれかに記載の携帯情報端末であって、
前記導光部は、複数に分割され、
前記発光部は、前記複数の導光部の各々に対応して設けられ、
前記文字は、前記複数の導光部毎で、かつ、前記複数の色毎を最小単位として前記表示形式を区分され、
前記制御部は、前記複数の導光部の各々が発光する前記選択色の光を個別に制御する
携帯情報端末。
【請求項10】
請求項6から請求項9までのいずれかに記載の携帯情報端末であって、
前記携帯情報端末の向きを検出する加速度センサを更に備え、
前記複数のカラーフィルタは、前記区分毎に同じ表示形式の文字をキー入力装置の向きに応じて印刷され、
前記制御部は、前記複数の色の光のうちから前記向きに応じた前記文字が印刷された前記カラーフィルタに対応する色の光を前記発光部に発光させるように制御する
携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−113175(P2011−113175A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267299(P2009−267299)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】