説明

クエチアピンの代謝産物

式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の有効量を投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病及び神経変性障害に一般的に関連する不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状を治療する方法。本発明の別の態様において、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の有効量、及び少なくとも一つの医薬として許容される担体又は希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
抗精神病薬開発の目標は、古い抗精神病薬の投与につきものである副作用をより少なくするとともに、有効性及び安全性が増した薬剤を開発することであった。フマル酸クエチアピンは、参照することによって本明細書の一部にとり入れられている、米国特許第4,879,288号に記載されている。フマル酸クエチアピンは、精神病の陽性症状(幻覚、妄想)及び陰性症状(情緒的引きこもり、無気力)の両者を治療することができ、そして、古い薬剤と比較して、神経及び内分泌の副作用が少ない。フマル酸クエチアピンは、又、敵意及び攻撃性の減少とも関連している。フマル酸クエチアピンは、EPS、急性失調症、急性運動異常症及び遅発性運動異常症のような副作用をほとんど示さない。フマル酸クエチアピンは、治療、働く能力及び全般的な生活の質に対する患者のコンプライアンスを高め、同時に常習性を低減するのを助けている。[P. Weiden et al., Atypical antipsychotic drugs and long-term outcome in schizophrenia, 11 J. Clin. Psychiatry, 53-60, 57 (1996)]。フマル酸クエチアピンは強化された忍容性という特徴があるので、その使用は、抗精神病薬の副作用に過敏な(高齢患者のような)患者の治療には特に有利である。フマル酸クエチアピンの代謝産物は同定されている(E. Warawa et al. Behavioral approach to nondyskinetic dopamine antagonists: identification of Seroquel, 44 J. Med. Chem., 372-389 (2001) 及び U.S.4,879,288)。米国特許第4,879,288号に記載された一つの化合物は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンであり、このものはフマル酸クエチアピンの代謝産物として同定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、式I:
【化1】

によって示されるような構造を有している。本明細書において提供されるのは、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、及び神経変性障害に関連する症状又は状態の少なくとも一つを治療する方法である。本発明の別の態様において提供されるのは、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩の有効量及び少なくとも一つの医薬として許容される担体を含む医薬組成物である。更に提供されるのは、上記の医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、本明細書中に挙げられた症状又は状態を治療する方法である。更に提供されるのは、哺乳動物において、本明細書中に挙げられた症状又は状態の治療における式Iの化合物及び/又は上記の医薬組成物の使用である。更に提供されるのは、治療効果のある一つ又はそれ以上の別の薬剤と組み合わせて投与される式Iの化合物の使用である。更に、本明細書において提供されるのは、哺乳動物において、本明細書中に挙げられた症状又は状態の治療において使用するための医薬の製造における、式Iの化合物及び/又は医薬組成物の使用である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
式Iの化合物は、抗ドーパミン活性を示すジベンゾチアゼピンである。該化合物は、脳において、広い範囲の神経伝達物質受容体と相互作用するが、ドーパミン(D2)受容体よりもセロトニン(5−HT2)受容体に対して高い親和性を有することが示されている。式Iの化合物は、急性失調症、急性運動障害及び遅発性ジスキネジアのような副作用を引き起こす可能性が低い抗精神病薬として使用することができる。更に、式Iの化合物は、全ての年齢の患者の治療に使用することができ、且つ、高齢患者の治療に有利である。
【0004】
用語「哺乳動物」は、温血動物、好ましくはヒトを意味する。
【0005】
式Iの化合物は、化学の業界において知られている種々の方法によって製造される。式Iの化合物は、公知の化合物、又は容易に製造される中間体、例えば式II:
【化2】

のラクタムから出発することによって製造することができる。この化合物は、例えば、J. Schmutz et al. Helv. Chim. Acta, 48:336(1965)に記載されているような、文献において公知の方法によって製造することができる。式IIのラクタムは、塩化リンで処理して、式III:
【化3】

のイミノクロリドを生成する。式IIIのイミノクロリドは、又、塩化チオニル又は五塩化リンのようなその他の試薬を用いて生成することもできる。イミノクロリドは、次いでピペラジンと反応して式Iの化合物を与える。
【0006】
本明細書において提供される式Iの化合物は、遊離塩基として有用であるが、医薬として許容される塩の形態で、及び/又は、医薬として許容される水和物の形態で提供され得る。例えば、式Iの医薬として許容される塩は、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸及び亜リン酸のような鉱酸から誘導されるものを包含する。医薬として許容される塩は、又、脂肪族モノ、ジカルボン酸塩及び芳香族酸を包含する有機酸を用いて生成される。式Iのその他の医薬として許容される塩は、塩酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩及びリン酸塩を包含するが、これらに限定されない。
【0007】
臨床医は、当業界で既に公知の多くの方法を用いることによって有効量を決定することができるが、それらの例としてBPRSクラスタースコアがあり、これは敵意と陽性症状のレベルを評価するのに使用することができる。本発明の文脈の中で用語「治療する」は、本発明の化合物の有効量を、前から存在する、急性又は慢性の病態、又は再発性の症状又は状態のいずれかを緩和するために投与することを包含する。この定義は、又、再発性の状態を防止するための予防的治療及び慢性障害に対する継続的治療を包含する。
【0008】
特に、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩、又は式Iの医薬組成物の投与によって治療することができる症状及び状態は、一般に精神病及び神経変性障害に関連した不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状を包含するが、これらに限定されない。
【0009】
式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩は、1日当たり750mgまでの量が投与可能であるが、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩の量としては、1日当たり1mgと600mgの間で投与することができる。
【0010】
式Iの化合物は、1日1回と4回の間で、式Iの化合物の所定量を含んで哺乳動物に投与されるが、その所定の量は1mgと600mgの間である。
【0011】
本発明は、又、最初に式Iの化合物の所定の投与量を、1日2回ヒトの患者に投与するステップ(ここで、所定の投与量は1mgと30mgの間であり、耐えられるなら第2日及び第3日に、1日2回、1〜50mgの増分を伴う)を含む、本明細書中に挙げられた症状又は状態を治療する方法を提供する。その後、更なる投与量の調節を、少なくとも2日の間隔を空けて行うことができる。
【0012】
本発明の一実施態様において、医薬組成物は、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩を、1日当たり750mgまで含む。
【0013】
本発明の別の一実施態様において、医薬組成物は、1日当たり、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩を100mgと400mgの間で含むことができる。
【0014】
本発明の医薬組成物は、通常の医薬品添加物を用いて通常の処理によって、適宜、得ることができる。それ故、経口使用を意図する医薬組成物は、例えば、一つ又はそれ以上の着色料、甘味料、矯味矯臭剤及び/又は保存料を含有することができる。
【0015】
本発明の式Iの化合物から医薬組成物を製造するための、医薬として許容される不活性な担体は、固体又は液体のいずれかであり得る。固体形状の製剤は、粉剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ及び坐薬を包含する。
【0016】
本発明の組成物は、経口、筋肉内、皮下、局所、経鼻、腹腔内、胸郭内、静脈内、硬膜外、くも膜下、脳室内経路を含む任意の経路により、及び関節への注射により、投与することができる。
【0017】
一つ又はそれ以上の添加物と組み合わせて単一投与形態を製造するための有効成分の量は、治療される宿主及び個々の投与経路によって必要に応じ変化する。式Iの化合物の治療又は予防目的のための投与量は、医薬のよく知られた原理に従って、症状又は状態の性質及び重症度、動物又は患者の年齢及び性、及び投与経路に従って当然変化する。
【0018】
本発明の別の態様は、本明細書中に挙げられる症状又は状態の治療において使用するための、式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩又は溶媒和物を提供する。
【0019】
更なる態様において、本発明は、本明細書中に挙げられる症状又は状態の治療における使用のための薬剤の製造における、式Iの化合物、又は医薬として許容されるその塩又は溶媒和物の使用を提供する。
【0020】
更なる態様において、本発明は、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩、及び同じ医薬組成物の一部として組み合わせて投与される、一つ又はそれ以上の別の治療活性剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ剤又はセロトニン再取り込み阻害剤の有効量を哺乳動物に投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、及び神経変性障害に関連する症状又は状態の少なくとも一つを治療する方法、及びそのような活性剤が併用療法の利点を得るように設計された適切な用法の一部として別個に投与される方法、に関する。適切な用法、投与される各々の活性剤投与量及び各々の活性剤の特定の投与間隔は、治療される対象、投与される特定の活性剤及び治療される特定の障害又は状態の性質及び重症度によって決まる。一般的に、本発明の化合物は、単一の活性剤として又は他の活性剤と併用して使用されるとき、一回又は分割投与で、1日当たり約750mgまでの量で、対象に投与される。そのような化合物は、1日当たり最大で6回、好ましくは1〜4回までの投薬計画で投与される。それでも、治療される対象及び治療への個々の反応、更に選択された医薬処方の型及びそのような投与が実行される期間及び間隔によって、変更が生じてもよい。ある種の例においては、上記の範囲の下限値を下回る投与水準が適量を上回ることもあり、一方、別の場合においては、所望の効果を達成するために大量投与が採用されることもあり、ただし、そのような大量投与は、1日を通して投与するためにいくつかの小投与量に先ず分割されて行われる。
【0021】
例示的なベンゾジアゼピンは、アジナゾラム、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロナゼパム、クロラゼペート、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、バレゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム及びこれらの同等物を包含するが、これらに限定されない。
【0022】
例示的な5−HT1Aリガンド及び/又は5−HT1Bリガンドは、ブスピロン、アルネスピロン、エルザソナン、イプサピロン、ジェピロン、ゾピクロン及びこれらの同等物を包含するが、これらに限定されない。
【0023】
例示的なmGluR2アゴニストは、(1S,3R)−1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(2S,3S,4S)−α−(カルボキシシクロプロピル)グリシン及び3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンを包含する。
【0024】
例示的な抗うつ剤は、マプロチリン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、SSRI及びSNRI、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、ベンラファキシン、フルオキサミン及びレボキセチンを包含するが、これらに限定されない。
【0025】
例示的な抗精神病薬は、クロザピン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アミスルプリド、スルピリド、ゾテピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ジプラシドン及びセルチンドールを包含するが、これらに限定されない。
【0026】
以下に提供する実施例は、いかなる方法でも本発明を制限するものではなく、単に例示の目的のみを意図するものである。
【実施例】
【0027】
実施例1
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの製造
【化4】

マグネチック・スターラー及び窒素ガス入り口付き還流冷却器を備えた1,000ml丸底フラスコに、乾燥した固体の、ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11(10−H)−オン25.0g(0.110モル)[J. Schmutz et al. Helv. Chim. Acta, 48:336(1965)によって開示された方法により製造された]を入れ、次いでPOCl3を310ml、及びN,N−ジメチルアニリン3mlを入れた。反応混合物を還流(106℃)温度に6時間加熱し、透明な橙色溶液を得た。反応液を室温に冷却し、POCl3をロータリーエバポレーターで除去して、橙色のオイルを得た。この残留物を、氷水(500ml)と酢酸エチル(800ml)の間で分配した。層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(3×200ml)。酢酸エチル抽出液を併せ、MgSO4で乾燥し、濾過し、次いでロータリーエバポレーターで溶媒を除去して、粗イミノクロリド(26.26g、収率97%)を淡黄色固体として得た。その構造は、NMR及びマススペクトル(300MHz、CDCl3、ES+、M+1=246.7)によって確認された。粗イミノクロリド(27.35g、0.111モル)を、マグネチック・スターラー及び窒素ガス入り口付き還流冷却器を備えた2,000ml丸底フラスコ中のo−キシレン1000mlに加えた。この溶液に、室温で、乾燥固体の市販のピペラジン(47.95g、0.557モル)を一度に加えた。殆ど全てのピペラジンが溶解するまで混合物を撹拌した。そして、反応混合物を還流下(142℃)40時間(便宜上)加熱した。次いで反応液を室温まで放置冷却し、そのアリコートを1N−NaOH/CH2Cl2の間で分配した。有機相をTLC(シリカゲル、CH2Cl2/メタノール=90:10、ヨードプラチナートで可視化)でチェックし、一つの主要生成物に明らかに変換されていることが示された(Rf=0.45)。反応溶液の1滴をCH3CNで希釈して、LC/MS分析用試料を作製し、所望の生成物(M+1=296.4)の存在を確認した。反応混合物を高真空下でロータリーエバポレーターで濃縮し、キシレンを除去した。残留物を1N−NaOH(400ml)及びCH2Cl2(200ml)の間で分配した。層を分離し、水相を更にCH2Cl2で抽出した(3×200ml)。CH2Cl2抽出物を併せ塩水(200ml)で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を除去して、未精製の標題の化合物(35.3g)を黄色粘性物質として得た。未精製の遊離塩基を、シリカゲル(600g)、0〜20%メタノール/CH2Cl2の勾配溶出液を用いたフラッシュ・カラムクロマトグラフィによって精製した。純粋な所望の生成物を含有する画分を併せ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、精製した遊離塩基を淡黄色泡状物質(25.67g、収率78%)として得た。
【0028】
実施例2
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン・二塩酸塩の製造
遊離塩基を、メタノール(125ml)及びジエチルエーテル(125ml)の混合物に溶解し、次いで1.0M−HCl/エーテル(Aldrich Inc.)250mlで処理することによって、その二塩酸塩に変換した。最初、灰色を帯びた白色粘着性の固体が分離し、そして混合物を更にエーテル500mlで希釈した。粘着性の固体は、撹拌を延長しても固体化しなかった。溶媒を粘性物質からデカントして除いた。粘性物質を無水エタノール(200ml)で処理し、次いで、結晶が生じるまで撹拌し、結晶の濃厚な白色懸濁液を得た。この混合物をエーテル(800ml)でゆっくり希釈し、結晶化が完了するまで一夜撹拌放置した。二塩酸塩を濾過により単離し、エーテルで洗浄(3×50ml)し、次いで60℃で減圧乾燥し、標題化合物の二塩酸塩を白色固体(31.64g、変換率98.8%)として得た。
分析:
生成物は、NMR及びLC/MS(300MHz、CDCl3;AP+、M+1=296.4)により特性決定した。
【0029】
実施例3
マウスでのアッセイ
ドーパミン拮抗性の評価を齧歯類モデルで行った。使用した方法及び手順は、J. Med. Chem., 44(3), 372-389, 2001に見出すことができ、この文献は参照することによって本明細書の一部に取り入れられている。結果は以下の通りである。脳セロトニン5−HT2受容体に対する結合親和性は、27K1nM、ドーパミンD1及びD2受容体に対する結合親和性は、それぞれ、1489及び234K1nMであった。これらの結果は、二塩酸塩としての本発明の化合物が広範囲な神経伝達物質受容体と相互に作用することを示すが、しかしながら、二塩酸塩としての本発明の化合物は、又、脳においてドーパミン(D2)受容体と比較してセロトニン(5−HT2)受容体に対して、より高い親和性を有していることを明らかにしている。セロトニン及びドーパミン受容体拮抗作用の組合せにおいて、D2受容体よりも5−HT2受容体に対して高い親和性を有するということは、式Iの化合物が強力な非定型抗精神病薬であることを示唆している。J. Goldstein, Quetiapine Fumarate (Seroquel): a new atypical antipsychotic, 35(3) Drugs of Today 193-210(1999).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物名11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを有する有効量の化合物、又は医薬として許容されるその塩を哺乳動物に投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病及び神経変性障害に関連する症状又は状態の少なくとも一つを治療する方法。
【請求項2】
症状又は状態が、不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
医薬として許容される塩が二塩酸塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
有効量の第1成分の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン又は医薬として許容されるその塩を、1種又はそれ以上の別の治療活性剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ剤又はセロトニン再取り込み阻害剤から選択される有効量の第2成分と組合せて投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病及び神経変性障害に関連する症状又は状態の少なくとも一つを治療する方法。
【請求項5】
有効量の11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン又は医薬として許容されるその塩を哺乳動物に投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、神経変性障害、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状の治療における11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン又は医薬として許容されるその塩の使用。
【請求項6】
有効量の式I:
【化1】

の化合物又は医薬として許容されるその塩を、少なくとも一つの医薬として許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物。
【請求項7】
医薬として許容される塩が二塩酸塩である、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
請求項5に記載の有効量の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、神経変性障害に関連する症状又は状態の少なくとも一つを治療する方法。
【請求項9】
症状又は状態が、不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
哺乳動物における統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、神経変性障害、不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状の治療用医薬の製造における、請求項5に記載の医薬組成物の使用。
【請求項11】
哺乳動物における統合失調症、痴呆、不安、うつ病、気分障害、双極性障害、双極性躁病、双極性うつ病、認識力障害、精神病、神経変性障害、不安、激越、敵意、パニック、摂食障害、情動症状、気分症状、陰性精神症状及び陽性精神症状の治療用医薬の製造における、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの使用。

【公表番号】特表2007−516193(P2007−516193A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518324(P2006−518324)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002783
【国際公開番号】WO2005/002586
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】