説明

クライアント・サーバシステム

【課題】サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定するとともに、当該クライアント装置以外の装置に対してトラブルを発生させない。
【解決手段】TV受信装置2と、DVDレコーダ4と、を備えるクライアント・サーバシステム1において、TV受信装置2に、判別プログラム313aを実行したCPU311により挿入部に挿入されたカードがICカード7であると判別された場合に、ICカード7から、ペアリング情報を取得する取得プログラム313bを実行したCPU311と、当該取得されたペアリング情報を用いて、TV受信装置2を、DVDレコーダ4とペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行プログラム313cを実行したCPU311と、を備えるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント・サーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバ装置と、当該サーバ装置と無線LAN(Local Area Network)等の無線ネットワークを介してペアリングして通信するクライアント装置と、を備えたクライアント・サーバシステムが知られている。クライアント・サーバシステムのサーバ装置及びクライアント装置には、例えば、無線ネットワーク等を識別するための識別情報と、通信データを暗号化・復号化するための暗号鍵と、等を含むペアリング情報が設定されており、クライアント装置に設定されたペアリング情報が、サーバ装置に設定されたペアリング情報と一致する場合にのみ、クライアント装置はサーバ装置とペアリングできるようになっている。
【0003】
クライアント装置にペアリング情報を設定する方法としては、例えば、ユーザがクライアント装置に備えられた入力部を操作してペアリング情報を入力する方法、サーバ装置から無線LAN通信や赤外線通信によってクライアント装置にペアリング情報を送信する方法等がある。
しかしながら、ペアリング情報を入力する方法は、ユーザにとって煩わしいという問題がある。
また、ペアリング情報を送信する方法は、ペアリング情報が漏洩し易いという問題がある。さらに、特に、赤外線通信によってペアリング情報を送信する方法には、サーバ装置とクライアント装置とが離れ過ぎていると、サーバ装置から送信されたペアリング情報がクライアント装置に届かないという問題もある。
【0004】
そこで、ICカード等にペアリング情報を記憶させ、当該記憶されたペアリング情報をクライアント装置に読み取らせる方法が考えられる。
【0005】
ところで、地上波デジタル放送やBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送に関するテレビジョン放送信号(以下、「TV放送信号」という)には、著作権保護等のために不正コピーを防止する目的で、スクランブル処理が施されている。したがって、装置で地上波デジタル放送等に関するTV放送信号を受信して視聴するためには、当該装置に当該スクランブル処理を解除するための情報が記憶されたICカード(B−CAS(BS-Conditional Access Systems)カード)を挿入しておく必要がある。そこで、例えば、B−CASカード用のインターフェースを備えた装置(例えば、特許文献1参照)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、クライアント装置が、例えば、特許文献1のようにB−CASカード用のインターフェースを備えた装置である場合には、当該クライアント装置に、ペアリング情報を記憶したICカード用のインターフェースを追加しなければならず、コストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、例えば、サイズや端子位置が異なる、複数種類のICカードに対応できるICカード用コネクタ(例えば、特許文献2参照)、端子の数や位置が異なる、複数種類のメモリカードに対応できるメモリカード用コネクタ(例えば、特許文献3参照)等を利用して、クライアント装置を、B−CASカードにも、ペアリング情報を記憶したICカードにも、対応できる構成にすることが考えられる。
【特許文献1】特開2005−045756号公報
【特許文献2】特開2003−317861号公報
【特許文献3】特開2004−152541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2や3を利用して、クライアント装置を、B−CASカードにも、ペアリング情報を記憶したICカードにも、対応できるようにする場合、ICカードの端子位置と、B−CASカードの端子位置と、を変えなければ、トラブルを発生させてしまう可能性がある。
具体的には、例えば、従来のデジタル放送受信装置がある場合、このデジタル放送受信装置においては、B−CASカードを挿入しなければ、デジタル放送を受信することができないが、例えば、ICカードの端子位置と、B−CASカードの端子位置とが同じだと、このデジタル放送受信装置は、ICカードも読み取り可能となる。したがって、B−CASカードと誤ってICカードが挿入されてしまうと、このデジタル放送受信装置は誤動作を起こしてしまうことになる。
【0009】
本発明の課題は、サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定するとともに、当該クライアント装置以外の装置に対してトラブルを発生させないことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報と、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を管理するための管理情報と、を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記挿入部に挿入されたカードの前記部位の形状に基づいて、当該カードが、前記ICカードであるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記挿入部に挿入されたカードが前記ICカードであると判別され、前記ICカードに記憶された前記管理情報に基づいて、前記サーバ装置とペアリング中の前記クライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を下回る場合に、当該ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に、検出端子を備え、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報と、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を管理するための管理情報と、を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に前記検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記検出端子が前記導電部と接触し、前記ICカードに記憶された前記管理情報に基づいて、前記サーバ装置とペアリング中の前記クライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を下回る場合に、前記挿入部に挿入された前記ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記挿入部に挿入されたカードの前記部位の形状に基づいて、当該カードが、前記ICカードであるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記挿入部に挿入されたカードが前記ICカードであると判別された場合に、当該ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に、検出端子を備え、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に前記検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記検出端子が前記導電部と接触した場合に、前記挿入部に挿入された前記ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、クライアント装置をサーバ装置とペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、クライアント装置は、判別手段によって、挿入部に挿入されたカードの部位の形状に基づいて、当該カードが、ICカードであるか否かを判別することができ、取得手段によって、判別手段により挿入部に挿入されたカードがICカードであると判別された場合に、当該ICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行手段によって、取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、サーバ装置とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード用のインターフェースを介してICカードからペアリング情報を取得することができるため、ICカード用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカードは、B−CASカードと異なる形状の部位を有しているため、当該クライアント装置以外の他の装置には完全に挿入することができない。すなわち、サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定することができるとともに、当該クライアント装置以外の他の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【0015】
また、取得手段は、判別手段により挿入部に挿入されたカードがICカードであると判別され、ICカードに記憶された管理情報に基づいて、サーバ装置とペアリング中のクライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能なクライアント装置の個数を下回る場合に、当該ICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができる。
したがって、サーバ装置とペアリング可能なクライアント装置の個数は、例えば、当該サーバ装置の送信能力等によって決定されるが、サーバ装置の送信能力が限界である場合には、クライアント装置は、当該サーバ装置にペアリングされないため、サーバ装置は、安定的にクライアント装置に映像情報や音声情報を送信することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に検出端子を備え、クライアント・サーバシステムは、クライアント装置をサーバ装置とペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、クライアント装置は、取得手段によって、検出端子が導電部と接触した場合に、挿入部に挿入されたICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行手段によって、取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、サーバ装置とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード用のインターフェースを介してICカードからペアリング情報を取得することができるため、ICカード用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカードはB−CASカードと異なる位置に導電部を有しているため、当該クライアント装置以外の装置ではICカードからペアリング情報を取得することができない。すなわち、サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定することができるとともに、当該クライアント装置以外の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【0017】
また、取得手段は、検出端子が導電部と接触し、ICカードに記憶された管理情報に基づいて、サーバ装置とペアリング中のクライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能なクライアント装置の個数を下回る場合に、挿入部に挿入されたICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができる。
したがって、サーバ装置とペアリング可能なクライアント装置の個数は、例えば、当該サーバ装置の送信能力等によって決定されるが、サーバ装置の送信能力が限界である場合には、クライアント装置は、当該サーバ装置にペアリングされないため、サーバ装置は、安定的にクライアント装置に映像情報や音声情報を送信することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、クライアント装置をサーバ装置とペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、クライアント装置は、判別手段によって、挿入部に挿入されたカードの部位の形状に基づいて、当該カードが、ICカードであるか否かを判別することができ、取得手段によって、判別手段により挿入部に挿入されたカードがICカードであると判別された場合に、当該ICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行手段によって、取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、サーバ装置とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード用のインターフェースを介してICカードからペアリング情報を取得することができるため、ICカード用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカードは、B−CASカードと異なる形状の部位を有しているため、当該クライアント装置以外の装置には完全に挿入することができない。すなわち、サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定することができるとともに、当該クライアント装置以外の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に検出端子を備え、クライアント・サーバシステムは、クライアント装置をサーバ装置とペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、クライアント装置は、取得手段によって、検出端子が導電部と接触した場合に、挿入部に挿入されたICカードから、インターフェースを介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行手段によって、取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、サーバ装置とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード用のインターフェースを介してICカードからペアリング情報を取得することができるため、ICカード用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカードはB−CASカードと異なる位置に導電部を有しているため、当該クライアント装置以外の装置ではICカードからペアリング情報を取得することができない。すなわち、サーバ装置と、当該サーバ装置とペアリング情報を用いてペアリングするクライアント装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、簡易且つ低コストに、クライアント装置にペアリング情報を設定することができるとともに、当該クライアント装置以外の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図を参照して、本発明にかかるクライアント・サーバシステムの最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0021】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステム1について説明する。
【0022】
<構成>
まず、クライアント・サーバシステム1の構成について、図1〜図6を参照して説明する。
クライアント・サーバシステム1は、例えば、図1に示すように、B−CASカード6を挿入する挿入部2aを備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号(以下、「TV放送信号」という)を受信するクライアント装置としてのテレビジョン受信装置2(以下、「TV受信装置2」という)と、TV受信装置2と無線ネットワークNを介してペアリングされ、TV受信装置2に映像情報や音声情報を送信するサーバ装置としてのDVD(Digital Versatile Disk)レコーダ4と、等を備えて構成される。
なお、DVDレコーダ4に対するTV受信装置2の個数は、図1の限りでなく、任意である。
【0023】
無線ネットワークNは、例えば、Bluetooth規格やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11規格などに準じた無線LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0024】
B−CASカード6は、例えば、図2(a)や図3に示すように、IC61を備えており、IC61は、例えば、TV放送信号に施されたスクランブル処理を解除するためのスクランブル解除情報61a等を記憶している。
【0025】
また、クライアント・サーバシステム1は、例えば、挿入部2aに挿入可能なICカード7を備えている。
【0026】
(ICカード)
ICカード7は、例えば、図2(b)や図3に示すように、IC71を備えており、IC71は、例えば、ペアリング情報71aと、管理情報71bと、等を記憶している。
ペアリング情報71aは、例えば、無線ネットワークNを識別するための識別情報(SSID等)と、TV受信装置2とDVDレコーダ4との間の通信データを暗号化・復号化するための暗号鍵と、等を含む、TV受信装置2をDVDレコーダ4とペアリングさせるための情報である。
また、管理情報71bは、例えば、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数と、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数と、等を含む、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を管理するための情報である。
【0027】
ここで、例えば、一のICカード7は、一のサーバ装置(DVDレコーダ4)とセットになっている。そして、ICカード7に記憶されたペアリング情報71aと、このICカード7とセットのDVDレコーダ4に記憶されたペアリング情報と、は同一である。
また、管理情報71bに含まれる、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数は、例えば、DVDレコーダ4の送信能力(すなわち、DVDレコーダ4がTV受信装置2の映像情報や音声情報を送信する能力)等に基づいて決定される。
【0028】
ICカード7は、例えば、図2に示すように、B−CASカード6と異なる形状の部位を有している。
具体的には、ICカード7は、例えば、B−CASカード6と略同一の形状を成すカード本体部7aと、カード本体部7aの挿入方向側の短手端部に設けられた突出部7bと、から形成されている。
ここで、例えば、ICカード7のIC71に配置された端子の位置は、B−CASカード6のIC61に配置された端子の位置と、略同一であり、例えば、ICカード7のカード本体部7a全体に対するIC71の位置は、B−CASカード6全体に対するIC61の位置と、略同一である。
【0029】
ICカード7には、突出部7bが設けられている。そのため、例えば、クライアント・サーバシステム1を構成するクライアント装置(TV受信装置2)以外の装置に備えられたB−CASカード6を挿入するための挿入部Zに対しては、例えば、図4(a)に示すように、B−CASカード6は完全に挿入できるものの、例えば、図4(b)に示すように、ICカード7は完全に挿入できない。したがって、TV受信装置2以外の装置の挿入部ZにICカード7を挿入しても、TV受信装置2以外の装置に備えられたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子は、ICカード7のIC71と接触することができず、ICカード7に記憶されたペアリング情報71a等のデータを読み取ることができない。
【0030】
(TV受信装置(クライアント装置)の構成)
TV受信装置2は、例えば、地上波デジタル放送に関するTV放送信号を受信可能に構成されており、当該受信されたTV放送信号に基づく映像情報や音声情報を出力可能に構成されている。
さらに、TV受信装置2は、例えば、無線ネットワークNを介してペアリングされたDVDレコーダ4と通信して、そのDVDレコーダ4から送信された映像情報や音声情報を受信可能に構成されており、当該受信された映像情報や音声情報を出力可能に構成されている。
【0031】
TV受信装置2の外面には、例えば、図1に示すように、挿入部2aの挿入口2a1が設けられている。
【0032】
挿入部2aは、例えば、B−CASカード6と、ICカード7と、が完全に挿入できるように形成されている。
具体的には、挿入部2aには、例えば、図5に示すように、B−CASカード6やICカード7の挿入方向側の面に、ICカード7の突出部7bを収容可能な陥没部2a2が設けられている。
したがって、挿入部2aにICカード7を挿入した場合、挿入部2aに備えられたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子271は、ICカード7のIC71と接触することができるため、TV受信装置2は、接触端子271を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7からペアリング情報71a等のデータを読み取ることができる。
【0033】
そして、例えば、図5に示すように、陥没部2a2の底部には、ICカード検出部26が取り付けられている。
ICカード検出部26は、例えば、外部からの押圧力によりオンオフされる物理スイッチ等から構成され、ICカード7の突出部7bがICカード検出部26を押圧することにより検出信号が後述する制御部31に出力されるようになっている。
【0034】
TV受信装置2は、具体的には、例えば、図3に示すように、無線通信用のアンテナ211を有する無線通信部21と、デコーダ22と、OSD回路25と、ICカード検出部26と、インターフェース27と、TV放送信号受信用のアンテナ281を有するチューナ28と、復調部29と、入力部30と、制御部31と、等を備えて構成される。各部は、バス20によって接続されている。
また、TV受信装置2は、例えば、デコーダ22に接続された音声出力部23や映像表示部24も備えている。
【0035】
無線通信部21は、例えば、無線ネットワークNを介して、DVDレコーダ4との間で所定の通信データの送受信を行う。
具体的には、無線通信部21は、例えば、DVDレコーダ4との間で無線信号の送受信を行うための無線通信用のアンテナ211やRF(Radio Frequency)変換器(図示省略)、Bluetooth規格やIEEE802.11規格に準じた無線LANに接続するための無線LANカード(図示省略)などを備えている。
より具体的には、無線通信部21は、例えば、DVDレコーダ4から送信された映像情報(圧縮映像情報)や音声情報(圧縮音声情報)を受信して、デコーダ22に出力する。
【0036】
デコーダ22は、例えば、制御部31から入力される制御信号に従って、無線通信部21から出力された圧縮音声情報をデコードして、音声情報を音声出力部23に出力するとともに、無線通信部21から出力された圧縮映像情報をデコードして、映像情報を映像表示部24に出力する。
また、デコーダ22は、例えば、制御部31から入力される制御信号に従って、復調部29から出力されたトランスポートストリームを解読して、当該トランスポートストリームを構成する各トランスポートパケットを判別し、ユーザ所望の放送番組に関連するトランスポートパケットにかかるデータを、圧縮音声情報と、圧縮映像情報と、等に分離する。そして、例えば、当該圧縮音声情報をデコードして、音声情報を音声出力部23に出力するとともに、当該圧縮映像情報をデコードして、映像情報を映像表示部24に出力する。
【0037】
音声出力部23は、例えば、スピーカ機器等であり、デコーダ22から出力された音声情報に基づく音声を出力する。
【0038】
映像表示部24は、例えば、液晶表示機器等であり、デコーダ22から出力された映像情報に基づく映像を表示したり、或いは、デコーダ22から出力されてOSD回路25によりOSD表示信号が合成された映像情報に基づく映像を表示する。
【0039】
OSD回路25は、例えば、制御部31から入力される制御信号に従って、映像表示部24に所定のオンスクリーンディスプレイ(OSD)表示をさせるためのOSD表示信号を、デコーダ22から映像表示部24に出力される映像情報に合成する。
【0040】
ICカード検出部26は、例えば、物理スイッチ等から構成されており、ICカード7の突出部7b等からの押圧力を検出すると、当該検出信号を制御部31に出力する。
【0041】
インターフェース27は、例えば、制御部31が、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6から、スクランブル解除情報61a等のデータを取得する際に使用されるとともに、挿入部2aに挿入されたICカード7から、ペアリング情報71aや管理情報71bなどのデータを取得する際に使用される。
また、インターフェース27は、例えば、制御部31が、挿入部2aに挿入されたICカード7に記憶された管理情報71bを更新する際に使用される。
具体的には、インターフェース27は、例えば、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6のIC61やICカード7のIC71と接触する接触端子271等から構成されている。
【0042】
チューナ28は、例えば、制御部31から入力される制御信号に従って、TV放送信号受信用のアンテナ281により受信されたTV放送信号(例えば、地上波デジタル放送に関するTV放送信号)の中から、ユーザ所望の放送番組のチャンネルに対応する周波数帯域に存在するTV放送信号を受信し、当該受信したTV放送信号を変調して、中間周波信号を復調部29に出力する。
【0043】
復調部29は、例えば、制御部31から入力される制御信号に従って、チューナ28から出力された中間周波信号に対してデジタル復調や誤り訂正などの処理を施し、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6からインターフェース27を介して取得されたスクランブル解除情報61aを用いて、ストリーム(例えば、トランスポートストリーム)に付加されたスクランブル信号を解除し、当該スクランブル信号が解除されたトランスポートストリームを、デコーダ22に出力する。
【0044】
入力部30は、例えば、TV受信装置2の外面に備えられた操作ボタン(図示省略)や、TV受信装置2用のリモートコントローラ(図示省略)及び当該リモートコントローラと通信可能なリモコン受信部(図示省略)などから構成されており、例えば、ユーザによって操作されると、当該操作に伴う各種入力信号を制御部31に出力する。
【0045】
制御部31は、例えば、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)311と、RAM(Random Access Memory)312と、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)313と、等を備えている。
【0046】
CPU311は、例えば、EPROM313に記憶されたTV受信装置2用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0047】
RAM312は、例えば、CPU311によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0048】
EPROM313は、例えば、TV受信装置2で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU311によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でEPROM313に記憶されている。
【0049】
具体的には、EPROM313には、例えば、ペアリング情報71aと、判別プログラム313aと、取得プログラム313bと、ペアリング処理実行プログラム313cと、等が記憶されている。
【0050】
ペアリング情報71aは、例えば、取得プログラム313bを実行したCPU311が、インターフェース27を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7から取得したペアリング情報71aである。
【0051】
判別プログラム313aは、例えば、挿入部2aに挿入されたカードの挿入方向側の短手端部の形状に基づいて、当該カードが、ICカード7であるか否かを判別する機能を、CPU311に実現させる。
具体的には、CPU311は、例えば、ICカード検出部26から検出信号が入力された場合に、挿入部2aに挿入されたカードが、ICカード7であると判別する。
CPU311は、かかる判別プログラム313aを実行することによって、判別手段として機能する。
【0052】
取得プログラム313bは、例えば、判別プログラム313aを実行したCPU311により挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であると判別された場合に、ICカード7から、インターフェース27を介して、ペアリング情報71aや管理情報71bを取得する機能を、CPU311に実現させる。
具体的には、CPU311は、判別プログラム313aを実行したCPU311により挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であると判別され、そして、インターフェース27を介して、ICカード7から取得した管理情報71bに基づいて、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数(例えば、5個)を下回ると判断した場合に、ICカード7から、インターフェース27を介して、ペアリング情報71aを取得し、EPROM313に記憶させる。
CPU311は、かかる取得プログラム313bを実行することによって、取得手段として機能する。
【0053】
ペアリング処理実行プログラム313cは、例えば、取得プログラム313bを実行したCPU311により取得されたペアリング情報71aを用いて、TV受信装置2を、DVDレコーダ4と無線ネットワークNを介してペアリングさせる処理を実行する機能を、CPU311に実現させる。
例えば、取得プログラム313bを実行したCPU311により取得されてEPROM313に記憶されたペアリング情報71aが、DVDレコーダ4に記憶されているペアリング情報と同一である場合に、TV受信装置2は、DVDレコーダ4とペアリングされる。
CPU311は、かかるペアリング処理実行プログラム313cを実行することによって、ペアリング処理実行手段として機能する。
【0054】
(DVDレコーダ(サーバ装置)の構成)
DVDレコーダ4は、例えば、DVDに映像情報や音声情報を記録可能に構成されており、DVDに記録された映像情報や音声情報を再生可能に構成されている。
さらに、DVDレコーダ4は、例えば、無線ネットワークNを介してペアリングされたTV受信装置2と通信して、そのTV受信装置2に映像情報(圧縮映像情報)や音声情報(圧縮音声情報)を送信可能に構成されている。
また、DVDレコーダ4は、例えば、ICカード7に記憶されたペアリング情報71aと同一のペアリング情報を記憶している。
なお、DVDレコーダ4は、一般的な構成を成すものであるため、その詳細な説明については省略する。
【0055】
<処理>
次に、クライアント・サーバシステム1によるペアリング処理の実行に関する処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、TV受信装置2のCPU311は、判別プログラム313aを実行して、挿入部2aに挿入されたカードが、ICカード7であるか否かを判別する(ステップS11)。
【0057】
ステップS11で、挿入部2aに挿入されたカードが、ICカード7でないと判別する(すなわち、挿入部2aに挿入されたカードが、B−CASカード6であると判別する)と(ステップS11;No)、CPU311は、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6を用いて、ユーザ所望の放送番組を、音声出力部23や映像表示部24において視聴可能にし(ステップS12)、本処理を終了する。
【0058】
一方、ステップS11で、挿入部2aに挿入されたカードが、ICカード7であると判別すると(ステップS11;Yes)、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、「ペアリング設定画面」を、映像表示部24に表示させる(ステップS13)。
具体的には、「ペアリング設定画面」では、例えば、「サーバ装置とペアリングする」か、或いは、「サーバ装置とのペアリングを解除する」か、を選択できるようになっている。
【0059】
次いで、CPU311は、ステップS13にて表示した「ペアリング設定画面」において、ユーザによる入力部30の操作によって、「サーバ装置とペアリングする」が選択されたか否かを判断する(ステップS14)。
【0060】
ステップS14で、「サーバ装置とペアリングする」が選択されていないと判断すると(ステップS14;No)、CPU311は、ステップS13にて表示した「ペアリング設定画面」において、ユーザによる入力部30の操作によって、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されたか否かを判断する(ステップS15)。
【0061】
ステップS15で、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されていないと判断すると(ステップS15;No)、CPU311は、ステップS14以降の処理を繰り返して行う。
【0062】
ステップS15で、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されたと判断すると(ステップS15;Yes)、CPU311は、EPROM313に記憶されたペアリング情報71aを消去する等して、TV受信装置2を、DVDレコーダ4とペアリング解除させる処理を実行し(ステップS16)、インターフェース27を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7の管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数に「1」を減算することによって、管理情報71bを更新し(ステップS17)、本処理を終了する。
【0063】
また、ステップS14で、「サーバ装置とペアリングする」が選択されたと判断すると(ステップS14;Yes)、CPU311は、取得プログラム313bを実行して、インターフェース27を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7から管理情報71bを取得し、その管理情報71bに基づいて、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を下回るか否かを判断する(ステップS18)。
【0064】
ステップS18で、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を下回らないと判断すると(ステップS18;No)、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、ペアリング処理が実行できない旨を、映像表示部24に表示させて(ステップS19)、本処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS18で、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を下回ると判断すると(ステップS18;Yes)、CPU311は、インターフェース27を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7からペアリング情報71aを取得し、そのペアリング情報71aをEPROM313に記憶させ(ステップS20)、インターフェース27を介して、挿入部2aに挿入されたICカード7の管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数に「1」を加算することによって、管理情報71bを更新する(ステップS21)。
【0066】
次いで、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、TV受信装置2にペアリング情報が設定できた旨と、ICカード7を挿入部2aから抜き取るようユーザに指示する旨の表示を、映像表示部24に表示させる(ステップS22)。
【0067】
次いで、CPU311は、ペアリング処理実行プログラム313cを実行して、ステップS20にてEPROM313に記憶させたペアリング情報71aを用いて、TV受信装置2を、DVDレコーダ4と無線ネットワークNを介してペアリングさせる処理を実行し(ステップS23)、本処理を終了する。
【0068】
以上説明した第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステム1によれば、B−CASカード6を挿入する挿入部2aを備え、地上波デジタル放送に関するTV放送信号を受信するTV受信装置2と、TV受信装置2と無線ネットワークNを介してペアリングされ、TV受信装置2に映像情報や音声情報を送信するDVDレコーダ4と、TV受信装置2をDVDレコーダ4とペアリングさせるためのペアリング情報と、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を管理するための管理情報と、を記憶し、挿入部2aに挿入可能であり、且つB−CASカード6と異なる形状の部位を有するICカード7を備えている。そして、TV受信装置2は、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6から、データを取得するためのインターフェース27を備え、判別プログラム313aを実行したCPU311によって、挿入部2aに挿入されたカードの挿入方向側の短手端部の形状に基づいて、当該カードが、ICカード7であるか否かを判別することができ、取得プログラム313bを実行したCPU311によって、判別プログラム313aを実行したCPU311により挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であると判別された場合に、ICカード7から、インターフェース27を介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行プログラム313cを実行したCPU311によって、取得プログラム313bを実行したCPU311により取得されたペアリング情報を用いて、TV受信装置2を、DVDレコーダ4とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード6用のインターフェース27を介してICカード7からペアリング情報を取得することができるため、ICカード7用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカード7は、B−CASカード6と異なる形状の部位を有しているため、TV受信装置2以外の装置には完全に挿入することができない。すなわち、DVDレコーダ4と、DVDレコーダ4とペアリング情報を用いてペアリングするTV受信装置2と、を備えるクライアント・サーバシステム1において、簡易且つ低コストに、TV受信装置2にペアリング情報を設定することができるとともに、TV受信装置2以外の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【0069】
また、取得プログラム313bを実行したCPU311は、判別プログラム313aを実行したCPU311により挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であると判別され、ICカード7に記憶された管理情報71bに基づいて、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数を下回る場合に、ICカード7から、インターフェース27を介して、ペアリング情報を取得することができる。
したがって、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2の個数は、例えば、DVDレコーダ4の送信能力等によって決定されるが、DVDレコーダ4の送信能力が限界である場合には、TV受信装置2は、DVDレコーダ4にペアリングされないため、DVDレコーダ4は、安定的にTV受信装置2に映像情報や音声情報を送信することができる。
【0070】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステム1Aについて説明する。
【0071】
<構成>
まず、クライアント・サーバシステム1Aの構成について、図7〜図10を参照して説明する。
なお、第2の実施の形態のクライアント・サーバシステム1Aは、ICカードの形状が第1の実施の形態のクライアント・サーバシステム1と異なる。具体的には、TV受信装置2の構成の一部、ICカード7の構成の一部が異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符合を付して説明する。
【0072】
クライアント・サーバシステム1Aは、例えば、図7に示すように、B−CASカード6を挿入する挿入部2aAを備え、地上波デジタル放送に関するTV放送信号を受信するクライアント装置としてのテレビジョン受信装置2A(以下、「TV受信装置2A」という)と、TV受信装置2Aと無線ネットワークNを介してペアリングされ、TV受信装置2Aに映像情報や音声情報を送信するサーバ装置としてのDVDレコーダ4と、を備えて構成される。
なお、DVDレコーダ4に対するTV受信装置2Aの個数は、図7の限りでなく、任意である。
【0073】
また、クライアント・サーバシステム1Aは、例えば、挿入部2aAに挿入可能なICカード7Aを備えている。
【0074】
(ICカード)
ICカード7Aは、例えば、図8や図9に示すように、ペアリング情報71aや管理情報71bなどを記憶するIC71Aと、導電部72Aと、等を備えている。
IC71Aに配置された一の端子(例えば、Vcc端子)の表面は、例えば、絶縁材料等で覆われており、導電部72Aは、例えば、IC71AのVcc端子と同一の機能を有している。
ここで、例えば、ICカード7Aの形状は、B−CASカード6の形状と、略同一であり、例えば、ICカード7A全体に対するIC71Aの位置は、B−CASカード6全体に対するIC61と、略同一であり、例えば、ICカード7AのIC71Aに配置された端子の位置は、B−CASカード6のIC61に配置された端子の位置と、略同一である。
【0075】
ICカード7AのIC71Aに配置されたVcc端子は、絶縁材料等で覆われているので、機能しない。そのため、例えば、クライアント・サーバシステム1Aを構成するクライアント装置(TV受信装置2A)以外の装置に備えられたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子では、ICカード7Aに記憶されたペアリング情報71a等のデータを読み取ることができないようになっている。
【0076】
(TV受信装置(クライアント装置)の構成)
TV受信装置2Aは、例えば、地上波デジタル放送に関するTV放送信号を受信可能に構成されており、当該受信されたTV放送信号に基づく映像情報や音声情報を出力可能に構成されている。
さらに、TV受信装置2Aは、例えば、無線ネットワークNを介してペアリングされたDVDレコーダ4と通信して、そのDVDレコーダ4から送信された映像情報や音声情報を受信可能に構成されており、当該受信された映像情報や音声情報を出力可能に構成されている。
【0077】
TV受信装置2Aの外面には、例えば、図7に示すように、挿入部2aAの挿入口2a1Aが設けられている。
【0078】
挿入部2aAの形状は、例えば、図8に示すように、クライアント・サーバシステム1Aを構成するクライアント装置(TV受信装置2A)以外の装置に備えられたB−CASカード6を挿入するための挿入部Z(例えば、図4)の形状と略同一である。
挿入部2aAは、例えば、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子271の位置と異なる位置に、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aが有する導電部72Aと接触する検出端子272Aを備えている。
すなわち、例えば、ICカード7Aとの関係では、接触端子271は、ICカード7AのIC71Aと接触し、検出端子272Aは、ICカード7Aの導電部72Aと接触する。これにより、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aからペアリング情報71a等のデータを読み取ることができるようになっている。
したがって、例えば、TV受信装置2Aは、挿入部2aAにB−CASカード6が挿入された場合には、接触端子271のみを介して、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6からスクランブル解除情報61a等のデータを読み取ることができ、挿入部2aAにICカード7Aが挿入された場合には、接触端子271と検出端子272Aとを介して、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aからペアリング情報71a等のデータを読み取ることができる。
【0079】
TV受信装置2Aは、具体的には、例えば、図9に示すように、無線通信用のアンテナ211を有する無線通信部21と、デコーダ22と、OSD回路25と、ICカード検出部26と、インターフェース27Aと、TV放送信号受信用のアンテナ281を有するチューナ28と、復調部29と、入力部30と、制御部31Aと、等を備えて構成される。各部は、バス20Aによって接続されている。
また、TV受信装置2Aは、例えば、デコーダ22に接続された音声出力部23や映像表示部24も備えている。
【0080】
インターフェース27Aは、例えば、制御部31Aが、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6から、スクランブル解除情報61a等のデータを取得する際に使用されるとともに、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aから、ペアリング情報71aや管理情報71bなどのデータを取得する際に使用される。
また、インターフェース27Aは、例えば、制御部31Aが、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aに記憶された管理情報71bを更新する際に使用される。
具体的には、インターフェース27Aは、例えば、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6のIC61やICカード7AのIC71Aと接触する接触端子271と、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aの導電部72Aと接触する検出端子272Aと、等から構成されている。
【0081】
制御部31Aは、例えば、図9に示すように、CPU311と、RAM312と、EPROM313Aと、等を備えている。
【0082】
EPROM313Aは、例えば、TV受信装置2Aで実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU311によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形でEPROM313Aに記憶されている。
【0083】
具体的には、EPROM313Aには、例えば、ペアリング情報71aと、取得プログラム313bAと、ペアリング処理実行プログラム313cと、等が記憶されている。
【0084】
取得プログラム313bAは、例えば、検出端子272Aが導電部72Aと接触した場合に、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aから、インターフェース27Aを介して、ペアリング情報を取得する機能を、CPU311に実現させる。
具体的には、CPU311は、検出端子272Aが導電部72Aと接触し、そして、インターフェース27Aを介して、ICカード7Aから取得した管理情報71bに基づいて、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2Aの個数を下回る場合に、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aから、インターフェース27Aを介して、ペアリング情報を取得する機能を、CPU311に実現させる。
CPU311は、かかる取得プログラム313bAを実行することによって、取得手段として機能する。
【0085】
<処理>
次に、クライアント・サーバシステム1Aによるペアリング処理の実行に関する処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0086】
まず、TV受信装置2AのCPU311は、接触端子271のみを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができたか否かを判別する(ステップS31)。
【0087】
ステップS31で、接触端子271のみを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができたと判別する(すなわち、挿入部2aに挿入されたカードが、B−CASカード6であると判別する)と(ステップS31;Yes)、CPU311は、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6を用いて、ユーザ所望の放送番組を、音声出力部23や映像表示部24において視聴可能にし(ステップS32)、本処理を終了する。
【0088】
一方、ステップS31で、接触端子271のみを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができなかったと判別すると(ステップS31;No)、CPU311は、接触端子271と検出端子272Aとを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができたか否かを判断する(ステップS33)。
【0089】
ステップS33で、接触端子271と検出端子272Aとを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができないと判別すると(ステップS33;No)、CPU311は、本処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS33で、接触端子271と検出端子272Aとを介して、挿入部2aAに挿入されたカードからデータを取得することができたと判断する(すなわち、挿入部2aに挿入されたカードが、ICカード7Aであると判別する)と(ステップS33;Yes)、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、「ペアリング設定画面」を、映像表示部24に表示させる(ステップS34)。
具体的には、「ペアリング設定画面」では、例えば、「サーバ装置とペアリングする」か、或いは、「サーバ装置とのペアリングを解除する」か、を選択できるようになっている。
【0091】
次いで、CPU311は、ステップS34にて表示した「ペアリング設定画面」において、ユーザによる入力部30の操作によって、「サーバ装置とペアリングする」が選択されたか否かを判断する(ステップS35)。
【0092】
ステップS35で、「サーバ装置とペアリングする」が選択されていないと判断すると(ステップS35;No)、CPU311は、ステップS34にて表示した「ペアリング設定画面」において、ユーザによる入力部30の操作によって、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されたか否かを判断する(ステップS36)。
【0093】
ステップS36で、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されていないと判断すると(ステップS36;No)、CPU311は、ステップS35以降の処理を繰り返して行う。
【0094】
ステップS36で、「サーバ装置とのペアリングを解除する」が選択されたと判断すると(ステップS36;Yes)、CPU311は、EPROM313に記憶されたペアリング情報71aを消去する等して、TV受信装置2Aを、DVDレコーダ4とペアリング解除させる処理を実行し(ステップS37)、インターフェース27A(接触端子271及び検出端子272A)を介して、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数に「1」を減算することによって、管理情報71bを更新し(ステップS38)、本処理を終了する。
【0095】
また、ステップS35で、「サーバ装置とペアリングする」が選択されたと判断すると(ステップS35;Yes)、CPU311は、取得プログラム313bAを実行して、インターフェース27A(接触端子271及び検出端子272A)を介して、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aから管理情報71bを取得し、その管理情報71bに基づいて、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2Aの個数を下回るか否かを判断する(ステップS39)。
【0096】
ステップS39で、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2Aの個数を下回らないと判断すると(ステップS39;No)、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、ペアリング処理が実行できない旨を、映像表示部24に表示させて(ステップS40)、本処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS39で、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2Aの個数を下回ると判断すると(ステップS39;Yes)、CPU311は、インターフェース27A(接触端子271及び検出端子272A)を介して、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aからペアリング情報71aを取得し、そのペアリング情報71aをEPROM313Aに記憶させ(ステップS41)、インターフェース27A(接触端子271及び検出端子272A)を介して、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数に「1」を加算することによって、管理情報71bを更新する(ステップS42)。
【0098】
次いで、CPU311は、OSD回路25に制御信号を入力して、TV受信装置2Aにペアリング情報が設定できた旨と、ICカード7Aを挿入部2aAから抜き取るようユーザに指示する旨の表示を、映像表示部24に表示させる(ステップS43)。
【0099】
次いで、CPU311は、ペアリング処理実行プログラム313cを実行して、ステップS41にてEPROM313Aに記憶させたペアリング情報71aを用いて、TV受信装置2Aを、DVDレコーダ4と無線ネットワークNを介してペアリングさせる処理を実行し(ステップS44)、本処理を終了する。
【0100】
以上説明した第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステム1Aによれば、B−CASカード6を挿入する挿入部2aAを備え、地上波デジタル放送に関するTV放送信号を受信するTV受信装置2Aと、TV受信装置2Aと無線ネットワークNを介してペアリングされ、TV受信装置2Aに映像情報や音声情報を送信するDVDレコーダ4と、TV受信装置2AをDVDレコーダ4とペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、挿入部2aAに挿入可能であり、且つ挿入部2aAに挿入された際に検出端子272Aと接触する導電部72Aを有するICカード7Aと、を備え、挿入部2aAは、挿入されたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子271の位置と異なる位置に、検出端子272Aを備えている。そして、TV受信装置2Aは、挿入部2aAに挿入されたB−CASカード6から、データを取得するためのインターフェース27Aを備え、取得プログラム313bAを実行したCPU311によって、検出端子272Aが導電部72Aと接触し、ICカード7Aに記憶された、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2Aの個数を下回る場合に、挿入部2aAに挿入されたICカード7Aから、インターフェース27Aを介して、ペアリング情報を取得することができ、ペアリング処理実行プログラム313cを実行したCPU311によって、取得プログラム313bAを実行したCPU311により取得されたペアリング情報を用いて、TV受信装置2Aを、DVDレコーダ4とペアリングさせる処理を実行することができる。
したがって、B−CASカード6用のインターフェース27Aを介してICカード7Aからペアリング情報を取得することができるため、ICカード7A用のインターフェースを追加する必要がなく、さらに、ICカード7AはB−CASカード6と異なる位置に導電部72A(Vcc端子)を有しているため、TV受信装置2A以外の装置ではICカード7Aからペアリング情報を取得することができない。すなわち、DVDレコーダ4と、DVDレコーダ4とペアリング情報を用いてペアリングするTV受信装置2Aと、を備えるクライアント・サーバシステム1Aにおいて、簡易且つ低コストに、TV受信装置2Aにペアリング情報を設定することができるとともに、TV受信装置2A以外の装置に対してトラブルを発生させないようにすることができる。
【0101】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0102】
例えば、第1の実施の形態において、ICカード7の形状に基づいて、挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であるか否かを判別するようにしたが、例えば、ICカード7に導電部を備えるとともに、挿入部2aに挿入されたB−CASカード6のIC61と接触する接触端子271の位置と異なる位置に、ICカード7の導電部と接触する検出端子を備え、検出端子により導電部が検出できたか否かに基づいて、挿入部2aに挿入されたカードがICカード7であるか否かを判別するようにしてもよい。
この場合、接触端子271のみを介して、ICカード7からデータを読み取ることができる。そして、この場合、ICカード7の形状は、B−CASカード6の形状と略同一でよく、また、ICカード7のIC71に配置された端子の位置は、B−CASカード6のIC61に配置された端子の位置と同一でよく、また、ICカード7のIC71に配置された一の端子(例えば、Vcc端子)を絶縁材料等で覆う必要はない。
【0103】
例えば、第1及び第2の実施の形態において、クライアント・サーバシステム1,1Aを構成するサーバ装置とクライアント装置とは、ペアリング情報を用いて、無線ネットワークNを介してペアリング可能であれば、TV受信装置2,2AやDVDレコーダ4の限りでなく任意である。
【0104】
例えば、第1及び第2の実施の形態において、管理情報71bを、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2,2Aの個数と、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数と、等を含む情報としたが、管理情報71bには、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2の個数は含まなくてもよい。
この場合、CPU311は、例えば、ペアリングさせる処理を実行した場合には、ICカード7,7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数に「1」を減算し、例えば、ペアリング解除させる処理を実行した場合には、ICカード7,7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数に「1」を加算する。そして、CPU311は、例えば、ICカード7,7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数が「0」でなければ(すなわち、「0」より大きい値であれば)、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2,2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数を下回ると判断して、ペアリング処理を実行し、例えば、ICカード7,7Aの管理情報71bに含まれるDVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数が「0」であれば、DVDレコーダ4とペアリング中のTV受信装置2,2Aの個数が、DVDレコーダ4とペアリング可能なTV受信装置2,2Aの個数を下回らないと判断して、ペアリング処理が実行できない旨を表示することになる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムの構成を示す図である。
【図2】B−CASカードの裏面を示す図(a)及び第1の実施の形態におけるICカードの裏面を示す図(b)である。
【図3】第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムを構成するTV受信装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムを構成するTV受信装置以外の装置に設けられたB−CASカード用の挿入部に、B−CASカードを挿入した状態を示す図(a)及び第1の実施の形態におけるICカードを挿入した状態を示す図(b)である。
【図5】第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムを構成するTV受信装置に設けられた挿入部に、B−CASカードを挿入した状態を示す図(a)及び第1の実施の形態におけるICカードを挿入した状態を示す図(b)である。
【図6】第1の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムによるペアリング処理の実行に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムの構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムを構成するTV受信装置に設けられた挿入部に、第2の実施の形態におけるICカードを挿入した状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムを構成するTV受信装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態におけるクライアント・サーバシステムによるペアリング処理の実行に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1,1A クライアント・サーバシステム
2,2A TV受信装置(クライアント装置)
2a,2aA 挿入部
27,27A インターフェース
271 接触端子
272A 検出端子
311 CPU(判別手段、取得手段、ペアリング処理実行手段)
313a 判別プログラム(判別手段)
313b,313bA 取得プログラム(取得手段)
313c ペアリング処理実行プログラム(ペアリング処理実行手段)
4 DVDレコーダ(サーバ装置)
6 B−CASカード
61 IC
7,7A ICカード
72A 導電部
N 無線ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報と、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を管理するための管理情報と、を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記挿入部に挿入されたカードの前記部位の形状に基づいて、当該カードが、前記ICカードであるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記挿入部に挿入されたカードが前記ICカードであると判別され、前記ICカードに記憶された前記管理情報に基づいて、前記サーバ装置とペアリング中の前記クライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を下回る場合に、当該ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項2】
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に、検出端子を備え、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報と、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を管理するための管理情報と、を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に前記検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記検出端子が前記導電部と接触し、前記ICカードに記憶された前記管理情報に基づいて、前記サーバ装置とペアリング中の前記クライアント装置の個数が、当該サーバ装置とペアリング可能な前記クライアント装置の個数を下回る場合に、前記挿入部に挿入された前記ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項3】
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つB−CASカードと異なる形状の部位を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記挿入部に挿入されたカードの前記部位の形状に基づいて、当該カードが、前記ICカードであるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記挿入部に挿入されたカードが前記ICカードであると判別された場合に、当該ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。
【請求項4】
B−CASカードを挿入する挿入部を備え、地上波デジタル放送に関するテレビジョン放送信号を受信するクライアント装置と、当該クライアント装置と無線ネットワークを介してペアリングされ、当該クライアント装置に映像及び/又は音声情報を送信するサーバ装置と、を備えるクライアント・サーバシステムにおいて、
前記挿入部は、挿入されたB−CASカードのICと接触する接触端子の位置と異なる位置に、検出端子を備え、
前記クライアント装置を前記サーバ装置と前記ペアリングさせるためのペアリング情報を記憶し、前記挿入部に挿入可能であり、且つ当該挿入部に挿入された際に前記検出端子と接触する導電部を有するICカードを備え、
前記クライアント装置は、
前記挿入部に挿入されたB−CASカードから、データを取得するためのインターフェースと、
前記検出端子が前記導電部と接触した場合に、前記挿入部に挿入された前記ICカードから、前記インターフェースを介して、前記ペアリング情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたペアリング情報を用いて、当該クライアント装置を、前記サーバ装置と前記ペアリングさせる処理を実行するペアリング処理実行手段と、
を備えることを特徴とするクライアント・サーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−28832(P2008−28832A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200759(P2006−200759)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】