説明

クライオゲン容器に送達される極低温冷凍機の冷却パワーを制御するための方法および装置

【課題】熱遮蔽が全力で冷却されることを可能にし、クライオゲン容器内のガス状クライオゲンに加えられる冷却が制御されることを可能にするクライオゲン容器とこのクライオゲン容器の熱遮蔽との冷却を制御するための方法と装置を提供する。
【解決手段】クライオゲン容器(1)と熱放射遮蔽(2)と極低温冷凍機を収容するためのスリーブ(5)とを備えるクライオスタットを提供する。また冷却のために極低温冷凍機の第1のステージを熱放射遮蔽に熱的かつ機械的に接続するための第1の熱接触部も提供される。極低温冷凍機の第2のステージを収容するための2次再凝縮チャンバ(8)が提供され、またクライオゲン容器の内部に露出された再凝縮面(11a;44)に2次再凝縮チャンバを熱的に接続するための手段(10;24)が提供される。このクライオスタットは更に、2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を制御するための圧力制御装置(100)を備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
MRI(磁気共鳴映像法)システムは、医療診断のために使用される。MRI磁石の要件は、これが安定で均質な磁界を与えることである。安定性を達成するために、超電導体を冷却することによって、典型的には液体ヘリウム、液体ネオン、液体水素または液体窒素といった極低温流体内への浸漬によって維持される極めて低い温度で動作する超電導磁石システムを使用することが一般的である。
【0002】
図1は、英国特許2414538号明細書で論じられているような冷凍機4を備えた公知のMRI磁石システムの概略断面を示す。図示の実施形態では円筒形のクライオスタットは、円筒形超電導磁石(図示せず)と液化クライオゲン16とを含むクライオゲン容器1を備え、真空ジャケット3によって完全に囲まれた1つ以上の熱遮蔽2によって囲まれている。この磁石システムには、熱遮蔽を冷却し、クライオゲンガスを再凝縮させて、液状クライオゲンを管6によってクライオゲン容器1に送り返すために、接合スリーブ5によってクライオゲン再凝縮チャンバ11に熱的に接合された冷凍機4が取り外し可能に取り付けられる。
【0003】
図2は、このような装置の熱的接合面を更に詳細に示す。接合スリーブ5の底部は、スリーブを密閉してクライオゲン容器1内のクライオゲン流体およびガスからスリーブを隔離する熱伝導性基部10で漏れ止め式に終わっている。したがって基部10は、スリーブ5の壁の一部を形成するばかりでなくクライオゲン容器1の壁の一部を形成する。基部10はまた、再凝縮チャンバ11の壁の一部でもある。再凝縮チャンバ11は、基部10と熱的に接触している再凝縮器11aを取り囲んでおり、ガスクライオゲン注入口/液状クライオゲン排出管6を介してクライオゲン容器1と連通している。冷凍機接合スリーブ5内には2ステージ冷凍機4が配置される。冷凍機4の第1ステージ熱交換部12aは、遮蔽2と熱的に接触している。この接触は、図示のように直接行われるか、あるいは柔軟な銅の組み紐といった公知の中間物によって行われる。冷凍機4の第2ステージ7は、冷凍機接合スリーブ5の下部8に位置する。第2ステージ7は、冷凍機によって低温、例えば約4Kにまで冷却される冷却ステージ9で終わる。
【0004】
スリーブ5はクライオゲンガスで満たされる。冷却ステージ9は、基部10と機械的には接触しない。冷却ステージ9はクライオゲンガスをその液化温度にまで冷却するように動作する。冷却ステージ9は好適には再凝縮熱伝達を改善するために、フィン付き加工される。スリーブ5の下部8は2次再凝縮チャンバとして整えられる。
【0005】
冷却ステージ9は、スリーブ5内の、また特に2次再凝縮チャンバ8内のガスを液化する。この結果得られた液状クライオゲン12は、これにしたがってスリーブ5の底部を部分的に満たし、また基部10における沸騰と冷却ステージ9における再凝縮とによって再凝縮チャンバ11内のガス状クライオゲンから再凝縮器11aと基部10とを介して2次再凝縮器9に熱を伝達するための熱伝達媒体となる。
【0006】
基部10は、好適には高い熱伝導性材料で、典型的には銅で作られ、液体12と接触している基部の上面10aから基部の下面への、また再凝縮器11aへの良好な熱伝導を与える。クライオゲン液12の上面は、再凝縮のために利用可能な表面積を減らし、それによって熱伝達の速度を低下させるので、好適には冷却ステージ9に接触すべきでない。液状クライオゲン12とそれのガス状の対応物は、冷却ステージ9と基部10との間の非接触(「再凝縮器」)熱接合を与える。
【0007】
冷凍機とスリーブとの間の第1ステージ熱交換器12aは、適当な場合にスリーブの排出とクライオゲンガスの再充填とクライオゲンガスの放出のためにガスが接合スリーブ5の上部と下部との間を通過できるように、少なくとも1つのガス経路13を備える。
【0008】
磁石システムと冷凍機の動作温度への冷却時、あるいは磁石システムと冷凍機が動作温度まで冷却されたとき、更なるクライオゲンガスがポート14を経由して接合スリーブ5内にゆっくりと導入され得る。ガスは、冷凍機4が適切にガスを冷却して液化できるように、ゆっくり導入される。導入されるガスの量は、適量の液体12が2次再凝縮チャンバ8内で凝縮するように測定される。
【0009】
冷凍機が保守作業のために停止されるとき、あるいは冷凍機が意図せずに停止される場合、液状クライオゲン12は沸騰して蒸発する。これらの状況下でスリーブ内で過剰な圧力が発生するのを防止するために、接合スリーブ5には圧力安全弁15が取り付けられる。
【0010】
この接合部は、冷凍機4と再凝縮器11aとの間に熱的接続を与える。2次再凝縮チャンバ8内では任意の適当なガス12が使用され得るが、2次再凝縮チャンバ8内のガス12の沸点は再凝縮チャンバ11内のガスの沸点以下であるべきである。同じガスが両再凝縮チャンバ内で使用可能である。もし異なる沸点を有するガスが使用されれば、再凝縮器11aの効率を改善するために、熱経路10に熱抵抗が置かれ得る。チャンバ11内のガスの再凝縮は、2次再凝縮チャンバ8内の液状クライオゲン12の沸点が再凝縮チャンバ11内のクライオゲンの沸点より低い場合にだけ起こる。もし両再凝縮チャンバ内で同じクライオゲンが使用されれば、これは2次再凝縮チャンバ8内のガス状クライオゲンの圧力が再凝縮チャンバ11内のガス状クライオゲンの圧力より低いことを保証することによって、用意される。
【0011】
図3は、2重再凝縮熱接合面を使用する異なる装置を示す。この装置は、米国特許出願2006207265号明細書と英国特許2431462号明細書に記載されている。
【0012】
この装置では図2の再凝縮チャンバ11は、クライオゲン容器1の内部に露出されたサービスネック22内の再凝縮面44への熱経路24に置き換えられている。冷凍機スリーブ5は、主要クライオゲン容器1から隔離されている。スリーブ5はヘリウムといったクライオゲンで満たされる。冷凍機4は、熱遮蔽2を冷却するために熱リンク40を介して働く第1ステージ熱交換器32を備える。冷凍機4はまた、スリーブ内のクライオゲンに露出された第2低温ステージ熱交換器9も備える。動作時にスリーブ内のガス状クライオゲンは、熱交換器9上で液状に再凝縮する。液状クライオゲンは、領域34における熱経路24上に滴下する。熱経路24は液状クライオゲンの温度にまで冷却される。熱は、サービスネック22から取り除かれて、サービスネック内に露出された再凝縮面44を2次再凝縮チャンバ8内の液状クライオゲンの温度にまで冷却する。これは、クライオゲン容器1からのボイルオフクライオゲンのサービスネック22内の再凝縮面44上での凝縮を引き起こす。この凝縮は、潜熱を熱経路24に放出する。この熱は、熱経路24に沿って移動し、2次再凝縮チャンバ8内の液状クライオゲンの沸騰という結果を引き起こす。熱経路24の領域34は、フィン付き加工されるか、そうでなければ熱伝達のための表面積を増加させて、しかもこの表面上の液体の自由な流れを可能にするように機械加工または準備される。今度は冷凍機4がこのボイルオフクライオゲンを冷却し、クライオゲン容器1内のボイルオフクライオゲンからの熱の効率的な除去という結果をもたらす。サービスネック内のボイルオフクライオゲンは凝縮して液体になるので、このボリューム内のボイルオフクライオゲンの圧力は減少し、更なるクライオゲン蒸気をサービスネック22内に引き込んで再凝縮させる。
【0013】
接合面は、スリーブ5内のクライオゲンが容器1内のクライオゲンより低い沸点を有するように整えられる。これは、スリーブ5内のクライオゲンの沸点に冷却された熱経路24が表面44上での再凝縮を引き起こすために十分に低温になるようにするためである。これは、クライオゲン容器1内のガス圧より低いスリーブ5内ガス圧を維持することによって達成される。
【0014】
通常の動作ではクライオゲン容器1内のクライオゲンガスの圧力は、大気圧より高く維持される。これは、汚染物がクライオゲン容器1に入る傾向を防止する、または少なくとも減らすように意図されている。クライオゲン容器の温度では空気は凍結し、クライオゲン容器に入る如何なる空気も厄介な氷堆積物を形成する。冷凍機4を全力で運転することも通常のことである。これに関する1つの理由は、熱遮蔽2が低温に保持されていてクライオゲン容器1への熱の流入を減らすことを保証することである。しかしながら冷凍機4の全力運転を保持することによって第2ステージ9における冷却は、クライオゲン容器内のガス状クライオゲンの圧力が所望圧力より低く低下し、実に大気圧より低く降下し得るほど効率的にクライオゲン容器1内のガス状クライオゲンを再凝縮させることが見出される可能性がある。これは、クライオゲン容器内の−負のゲージ圧と記述され得る−大気圧より低い圧力が、クライオゲン容器に入って厄介な氷堆積物を形成する空気の傾向を増加させるので、望ましくないことは無論である。あるいくつかの動作のとき、例えば画像形成手順のとき、クライオゲン容器1内に熱が生成され、この熱は冷凍機4を全力で運転することによって除去される必要がある。他のとき、例えばMRIシステムが待機状態にあるときには冷凍機4を少ないパワーで運転すれば十分であり、これは大気圧より高いクライオゲン容器1内の圧力−正のゲージ圧と記述され得る−を維持するという利点を有する。
【0015】
この問題は、前述の2次再凝縮チャンバを有するクライオスタットにおいて、また再凝縮面が、典型的には冷凍機の第2ステージ熱交換器がクライオゲン容器の内部に露出される他の装置において発生し、またこれは、冷凍機の低温熱交換器が固体熱伝導リンクを介してクライオゲン容器の再凝縮面に熱的にリンクされる他の装置にも当てはまる。
【0016】
冷凍機自体によって送達される冷却パワーを変えることによってこの問題に取り組もうと試みることができる。しかしながらこのような装置は熱放射遮蔽2を冷却するために利用可能な冷却パワーを低下させる。これは少なくとも、熱放射遮蔽が冷却パワーの中断または低下によって温まれば、熱放射遮蔽がこの遮蔽を再冷却するための比較的長い熱的時定数を有するという理由から望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】英国特許第2414538号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2006207265号明細書
【特許文献3】英国特許第2431462号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
冷凍機の第1冷凍ステージが熱放射遮蔽を冷却するために全力で連続運転し得るように、また第2冷凍ステージがクライオゲン容器内のクライオゲンガスの冷却の必要性にしたがって使用可能および使用不能にされ得るように、冷凍機の第1および第2冷凍ステージを切り離すことは、前述の問題に取り組む際に有利である。しかしながら従来の極低温冷凍機は、第2ステージの切り離しを与えるようには整えられていない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、第2冷却ステージ9とクライオゲン容器1との間の熱接合面の有効性の制御を可能にし、熱放射遮蔽2の効果的な冷却を与えるために冷凍機4が常に全力で運転されることを可能にし、更にクライオゲン容器内のガス状クライオゲンの圧力が所望レベルより下に降下しないようにクライオゲン容器1を過冷却する可能性を回避することによって、冷凍機の第2ステージの効果的分離を可能にする。
【0020】
本発明は、熱遮蔽2が全力で冷却されることを可能にし、更にクライオゲン容器1内のガス状クライオゲンに加えられる冷却が制御されることを可能にする、クライオゲン容器1とこのクライオゲン容器1の熱遮蔽2との冷却を制御するための方法と装置とを提供する。このことの利点は、そうでなければクライオゲン容器1内に望ましくない低い圧力という結果を招く、クライオゲン容器1内のガス状クライオゲンを過冷却するという問題を回避しながら、クライオゲン容器1内への熱流入を制限して、熱放射遮蔽2が効果的に冷却され得ることである。
【0021】
このようにして本発明は、特許請求の範囲の請求項に記載の装置と方法とを提供する。
【0022】
本発明の上記および更なる目的と利点と特徴は、付属の図面と関連して単に例として与えられる本発明のいくつかの実施形態の下記説明の考察から、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】公知のMRI磁石システムの概略断面を示す図である。
【図2】図1に示された装置の2重再凝縮熱接合面を示す図である。
【図3】2重再凝縮熱接合面を使用する異なる装置を示す図である。
【図4】図2に示された装置に適用される本発明の実施形態を示す図である。
【図5】図3に示された装置に適用される本発明の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図7】従来のMRIシステムに統合される本発明による装置の機能マップを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態を使用して行われた実験からの試験データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明によれば、中間ステージ、典型的には第1の冷却ステージの十分な熱結合を維持しながら、制御された熱伝導性によって冷凍機の低温ステージ、典型的には第2の冷却ステージの間の熱結合を変えるための方法が提供される。
【0025】
好適な実施形態では、図2または図3に示されるような2重再凝縮装置が使用される。しかしながら本発明によれば、冷凍機4の再凝縮面9に露出された2次再凝縮チャンバ8内のガス状クライオゲンの圧力を変えるための装置が準備される。上記に論じられたように、この2重再凝縮装置は、2次再凝縮チャンバ8内の液状クライオゲンの沸点がクライオゲン容器1内のクライオゲンの沸点より低い場合にだけ、クライオゲン容器1内のガス状クライオゲンを再凝縮させるために有効である。2次再凝縮チャンバ8とクライオゲン容器1とで同じクライオゲンが使用される場合には、ガス状クライオゲンの圧力は、より低い沸点を保証するために、クライオゲン容器1内より2次再凝縮チャンバ8内で低くなければならない。
【0026】
本発明の一態様によれば2次再凝縮チャンバ8内の圧力は、クライオゲン容器の効果的冷却が必要とされるときには冷凍機4とクライオゲン容器1との間に効果的熱接続が与えられるが、クライオゲン容器のより効果的でない冷却が必要とされるときには冷凍機4とクライオゲン容器1との間により効果的でない熱接続が与えられるように、クライオゲン容器1内の検出された圧力にしたがって、あるいはMRIシステムの動作にしたがって変えられる。これは、冷凍機4が熱放射遮蔽2の効果的冷却を保証しながら全力で動作することを可能にするが、クライオゲン容器1内の低い圧力の、おそらくは負のゲージ圧の問題を回避する。
【0027】
本発明は、2次再凝縮チャンバ8内とクライオゲン容器1内の同じまたは異なるクライオゲンを用いて実施され得る。いくつかの実施形態では、2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンは実際には再凝縮せず、単に冷凍機4によってある一定の温度に冷却される可能性がある。これは、再凝縮面11aまたは44がクライオゲン容器1内のガスを液化するために十分低温である場合に、機能する。再凝縮面11aまたは44は、ガスの沸点自体がクライオゲン容器1内のガスの圧力の関数であるクライオゲン容器1内のガスの沸点より低い温度に冷却されなければならない。例えばクライオゲン容器1は窒素クライオゲンを含むのに、2次再凝縮チャンバ8にはガス状ヘリウムクライオゲンが与えられる可能性がある。ヘリウムは適当な冷凍機によって約76Kの温度に冷却され得るが、2次再凝縮チャンバ8内のヘリウムの圧力は冷凍機4とクライオゲン容器1との間の熱伝導性を変化させるように変えられ得る。このような装置では、固体クライオゲンの堆積を招く可能性があるのでクライオゲン容器1内の再凝縮面を過冷却しないように注意すべきである。
【0028】
本発明の一態様によれば、冷凍機4によってクライオゲン容器1内に送達される冷却パワーは、2次再凝縮チャンバ8内の圧力を制御することによって制御され得る。このような仕方でクライオゲン容器1内の圧力は制御され得る。2次再凝縮チャンバ8内のガス圧の変化は、第1冷却ステージと機械的リンクによって熱的に結合された熱放射遮蔽との間の熱結合に対して認められるほどの影響を与えない。
【0029】
2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンガスの圧力を制御することによって、冷凍機4の第2ステージ9とクライオゲン容器1との間の熱伝導性は、最大冷却パワーからゼロ冷却パワーまでの範囲を通して変化し得る。如何なる特定の理論によることなく、前記動作は、圧力が制御される際の2次再凝縮チャンバ8内のガスの熱伝導性の変化に拠ることは明らかである。5K未満の温度におけるヘリウムガスの密度は、圧力(15psi(103466Pa)絶対圧で〜7%/psi(〜1%/kPa))で急速に変化し、この変化は、15psi(103466Pa)絶対圧で約2.5%/psi(〜0.3%/kPa)という熱伝導性の変化をもたらす。ゼロ冷却パワーは、2次再凝縮チャンバが空になったときにもたらされる。最大冷却パワーは、効果的な再凝縮を与えるために2次再凝縮チャンバ8内の液状クライオゲンの沸点がクライオゲン容器1内のクライオゲンの沸点より十分に低い最高可能圧力に2次再凝縮チャンバ内のガス状クライオゲンがなっているときに、もたらされる。
【0030】
2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンガスの圧力を変えることによって、ガスの熱伝導性は変えられる。この熱伝導性の変化は、2次冷凍機ステージ9からクライオゲン容器1に露出された再凝縮面に到達する冷却パワーの量に影響を与える。
【0031】
クライオゲン容器1に到達する低い、またはゼロの冷却パワーによって、クライオゲン容器1内の液状クライオゲンの自然熱流入および結果としてのボイルオフは、クライオゲン容器1内のガス状クライオゲンの圧力が大気圧より高く保持されることを保証する。
【0032】
図4および図5は、図2および図3に示され、上記に説明された装置が適用された本発明の実施形態を示す。
【0033】
図4および図5の各々において2次再凝縮チャンバ8は、第1冷却ステージ熱交換器に形成されたガスチャネル13を介して冷凍機スリーブ5の残り部分と連通している。冷凍機スリーブ5の内部にアクセスする管102を介してクライオゲンガスを冷凍機スリーブ5に導入および冷凍機スリーブ5から除去するために、ガス吸気/排気装置100が設けられている。管102は、2個の別々の制御弁104、106に接続される。好適な実施形態では、これらの弁はソレノイド制御弁であるが、適当であれば他のタイプの制御弁も使用可能である。第1の制御弁104は、放出されたクライオゲンガスの回復を含み得る、あるいは大気への単純な通気口となり得る通気装置に通じる。第2の制御弁106は、スリーブ5内で必要とされるよりも高い圧力でクライオゲンガスの外部供給源108に接続される。クライオゲン容器1内のクライオゲンガスの圧力または温度を測定するためにクライオゲン容器1内にはセンサー110が設けられる。このセンサーはコントローラ114に接続112される。コントローラ114は、この目的のために設けられた専用のコントローラであり得るか、あるいはより大きなシステムコントローラの一特徴要素であり得る。コントローラ114とセンサー110との間の接続112は、ワイヤによって適当なアクセスタレットを介してクライオゲン容器に導かれ得る。代替として、関連システムとの干渉を回避するような注意がなされることを条件として、無線通信装置が設けられ得る。
【0034】
動作時にセンサー110は、クライオゲン容器1内のガスの温度または圧力を示す信号をコントローラ114に送る。もしセンサーが必要な最小値より低い圧力を示すならば、コントローラ114は、通気弁104を少しだけ開放することによって応答し得る。これは、スリーブ5内の、したがってまた2次再凝縮チャンバ8内のガスの圧力を引き下げる。その結果、2次再凝縮チャンバ8内のガス状クライオゲンの熱伝導性は低下する。これは、クライオゲン容器1に露出された再凝縮面11a、44における冷却パワーの低下という結果を生じ、これが今度はクライオゲン容器1内のクライオゲンガスが寄生的熱流入によって、あるいはクライオゲン容器自体の中で生成された熱によって温まることを可能にする。これは、クライオゲン容器1内のクライオゲンガスの温度と圧力とを上昇させる。これはセンサー110によって検出される。もしクライオゲン容器1内のガス状クライオゲンの圧力の更なる上昇が必要であれば、コントローラ114は再び通気弁104を少しだけ開くことによって応答し得る。代替としてコントローラは、2次再凝縮チャンバ8内のガス圧になされた変化が十分であって、更なる変化は必要でないことを決定し得る。
【0035】
他方、センサー110は必要とされる最大値より高い圧力を示す信号をコントローラ114に送る可能性もある。この場合、コントローラ114は吸気弁106を少しだけ開くことによって応答し得る。これは、スリーブ5内の、したがってまた2次再凝縮チャンバ8内のガスの圧力を上昇させる。その結果、2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンガスの熱伝導性は上昇する。これは、クライオゲン容器1に露出された再凝縮面11a、44における冷却パワーの上昇という結果をもたらし、おそらくクライオゲンガスの液体への再凝縮という結果をもたらす。これは、クライオゲン容器1内のクライオゲンガスの温度と圧力とを降下させる。これはセンサー110によって検出される。もしクライオゲン容器内のガス状クライオゲンの圧力の更なる上昇が必要であれば、コントローラ114は再び吸気弁106を少しだけ開くことによって応答し得る。代替としてコントローラは、2次再凝縮チャンバ内のガス圧になされた変化が十分であって更なる変化は必要ないことを決定し得る。
【0036】
更なる実施形態では代替として、または更に、関連MRIシステムの動作に基づいて、あるいは同様に特にクライオゲン容器1内に配置された装置の動作に基づいて、吸気弁106または通気弁104の制御が行なわれ得る。例えばコントローラ114は、MRI画像形成サイクルの開始を検出するように接続され得る。このようなサイクル中に、例えば傾斜磁場コイルの動作によってクライオゲン容器内に、ある量の熱が生成されることは普通である。MRI画像形成サイクルの開始の検出に応答して本発明の装置は、2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンガスの圧力を上昇させ、それによって2次再凝縮チャンバ8の熱伝導性を上昇させて、この画像形成サイクルの持続時間中、クライオゲン容器1内のクライオゲンガスに対する冷却を強めることができる。これは、クライオゲン容器1内のクライオゲンガスが画像形成サイクル中に十分に冷却されることを保証する。同様にコントローラ114は、関連MRI画像形成システムが待機モードに入るのを検出するように接続され得る。システムが待機モードにある間は、画像形成は実行されない。クライオゲン容器1への熱の流入は、周囲温度からの寄生熱流入に効果的に限定される。このような状態では、クライオゲン容器1内のガス状クライオゲンを、必要とされる正のゲージ圧に維持するために、低いレベルの冷却で十分である。待機モードの検出に応答して本発明の装置は、2次再凝縮チャンバ8内のガスの圧力を低下させ、2次再凝縮チャンバ8の熱伝導性を減らして、クライオゲン容器1内のクライオゲンガスに対する冷却を弱めることができる。これは、そうでなければ熱放射遮蔽2を冷却するために冷凍機4が全力で運転されることを可能にしながら負のゲージ圧になり得るクライオゲン容器1内のクライオゲンガスが過冷却されないことを保証する。
【0037】
本発明の一態様によれば、冷凍機の第2ステージによって与えられる冷却は、2次再凝縮チャンバ内のガス圧によって制御されるが、熱放射遮蔽との機械的接触により冷凍機の第1ステージによって与えられる冷却は、2次再凝縮チャンバ内のガス圧によって影響されない。
【0038】
典型的な通気システムは、ほぼ大気圧でボイルオフ・クライオゲンガスを受け取る。大気への直接の通気は無論、大気圧で行われるが、クライオゲンガス回復装置は典型的にはクライオゲンガス吸気口をほぼ大気圧で動作させる。これは大抵の状況で本発明の動作のために十分に低い圧力であると期待され得るが、もし必要であれば、2次再凝縮チャンバ8内のクライオゲンガスの圧力を大気圧より低く引き下げるために、通気弁104に真空ポンプが接続され得る。2次再凝縮チャンバ内のクライオゲンガスの極めて低い大気圧未満の圧力は、2次再凝縮チャンバの極めて低い熱伝導性という結果をもたらし、クライオゲン容器に露出された再凝縮面に送達される低い冷却パワーという結果を生じる。
【0039】
クライオゲン容器1内における冷却と再凝縮とを制御することによって、クライオゲンの消費は削減または除去され得る。これはそれ自体公知であるクライオゲン回復装置によって回復され得るが、極めて少量のクライオゲンは通気弁104を経由する排出によって2次再凝縮チャンバ8内の圧力を変える際に消費され得る。
【0040】
前述の外部ガス源108は、比較的高い圧力の外部ガスボトルであり得る。代替装置では外部ガス源108は、スリーブ5内のガスの圧力がクライオゲン容器1内の圧力以下の圧力であるべきであるので、クライオゲン容器1からクライオゲンガスを供給するパイプによって置き換えられ得る。クライオゲン容器1から2次再凝縮チャンバ8にクライオゲンガスを供給するこのような装置によって、ある程度の自己規制が有益に与えられ得る。クライオゲン容器内のガス圧が比較的高いときには、2次再凝縮チャンバの熱伝導性は2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を上昇させることによって高められるべきである。他方、クライオゲン容器内のガス圧が比較的低いときには、2次再凝縮チャンバの熱伝導性は2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を下降させることによって下げられるべきである。
【0041】
図6は、2次再凝縮チャンバ8と連通しているガス収容ベローズ120の容積が機械的駆動装置122の動作によって制御されるもう1つの代替装置を示す。動作時にコントローラ114は、図4および図5を参照しながら説明されたようにセンサー110からデータを受信する。図4および図5に示された実施形態におけるように2次再凝縮チャンバ内の圧力を制御するために吸気弁と通気弁とを制御するよりもむしろ、コントローラ114は、機械的駆動装置122を制御してベローズの容積を増加または減少させ、それによって2次再凝縮チャンバ8内の圧力をそれぞれ減少または増加させる。
【0042】
図示の実施形態では機械的駆動装置122は、取り付けられたベローズ120の容積を適応させるシャフト124の直線運動を動作させる歯車駆動部を有するパルスモータを備える。しかしながら他の機械的駆動装置も設けられ得る。このベローズはピストン装置によって置き換えられ得る。シャフトの直線運動は、回転クランクによって駆動されるピストンロッドによって置き換えられ得る。シャフト上で動作する歯車駆動部は、シャフトの表面で動作する回転カムによって置き換えられ得る。
【0043】
これらの装置のいずれも、コントローラ114からの信号によって駆動されるパルスモータによって動作させられ得る。
【0044】
図7は、従来のMRIシステムに統合された本発明による装置の機能マップを示す。絶対圧力トランスデューサ702は、クライオゲン容器1内の絶対圧力を測定する。絶対圧力トランスデューサ704は、2次再凝縮チャンバ8内の絶対圧力を測定する。これらの圧力測定値はコントローラ114に供給される。大気圧は706で表されている。コントローラ114は、機械的駆動装置122を動作させ、それにしたがってベローズ120を駆動する。任意選択的にベローズの位置は、コントローラ114によって遠隔記録装置708に報告され得る。圧力スイッチ714は、クライオゲン容器1内のゲージ圧を、すなわちクライオゲン容器1内の絶対圧力と大気圧706との差を圧縮器710に表示し、またクライオゲン容器内のゲージ圧の如何なる有意な変化も信号で知らせる。圧縮器710は、このような表示に応じて動作周波数またはガス充填またしたがって、送達される冷却パワーが変化するように整えられ得る。しかし、そのような装置は本発明の一部をなさない。
【0045】
あるいくつかの実施形態では、2次再凝縮チャンバ8内の利用可能な圧力変化がクライオゲン容器に対する冷却パワーの必要な変化範囲のためには不十分であるときに、圧縮器710の動作周波数またはガス充填を変えるための対策が行われ得る。例えば2次再凝縮チャンバ8内の利用可能な圧力変化は、ベローズ120の変位の両極端によって制限され得る。50Hzという圧縮器710の公称動作周波数を仮定すると、40Hzから60Hzの範囲内の圧縮器710の動作周波数の変化は、全体として冷凍機4の送達されたパワーの更なる変化を可能にする。コントローラ114と圧縮器710との間の信号経路712は、圧縮器動作周波数のこのような制御を可能にする。圧縮器710の動作周波数を変えることによって熱放射遮蔽に送達される冷却パワーが変化することは無論であるが、これは一般的に望ましくない。
【0046】
本発明の装置の更なる利点は、スリーブ5が出荷のために空にされ、続いて現場到着時にクライオゲンガスで再充填されることを可能にする。動作していないときには冷凍機4は、システムへの主要な熱流入源であり、ボイルオフ速度に大きく寄与する。スリーブへのクライオゲンガスの再充填は、外部ガス源を使用して用意され得る。しかしながら好適には、クライオゲン容器1からスリーブを再充填するために異なる機能において、既存の冷凍機移送ライン/弁(図2の14)が使用される。出荷のためにスリーブ5を空にすることによって、クライオゲン容器への熱流入は著しく減らされ、クライオゲン・ボイルオフ速度を引き下げ、それによってクライオゲンが沸騰してなくなるまでの、液状クライオゲンによってクライオゲン容器が冷却された状態に保持されている時間の長さを延長する。これは、出荷のために許される時間の長さを延長し、より柔軟な物流処理を可能にすることによって、費用を節約する可能性がある。
【0047】
図8は、スリーブ5内および2次再凝縮チャンバ8内のヘリウムクライオゲンの圧力が変化させられて、15.3psi(105500Pa)絶対圧で約400mWのマージンから始まる再凝縮マージンが測定された本発明の一実施形態を使用して行われた実験からの試験データを示す。
【0048】
用語「再凝縮マージン(recondensing margin)」は、例を参照しながら説明され得る。全体の熱流入とクライオゲン容器1内で生成された熱とが500mWであることと、2次再凝縮チャンバ8内の高い圧力を用いて冷凍機4が1200mWの冷却パワーをクライオゲン容器1に送達することとを仮定すると、この状態における再凝縮マージンは700mWである。送達された冷却パワーは全体の熱流入と生成された熱とを克服するために必要とされる冷却パワーを上回る。この例ではクライオゲン容器内のクライオゲンは700mWの割合で冷却される。
【0049】
今度は、2次再凝縮チャンバ8内に中間圧力が存在すると仮定すると、冷凍機4は単に800mWの冷却パワーをクライオゲン容器1に送達することができる。再凝縮マージンは、今度は300mWである。クライオゲン容器内のクライオゲンは300mWの割合で冷却される。最後に、2次再凝縮チャンバ8内に比較的低い圧力が存在すると仮定すると、冷凍機4は単に400mWの冷却パワーをクライオゲン容器に送達することができる。再凝縮マージンは、今度は−100mWである。クライオゲン容器内のクライオゲンは100mWの割合で温まる。
【0050】
図8のカーブを直線状の応答に近似すると、80mW/psi(11.6mW/kPa)という再凝縮マージンの上昇が、あるいは典型的には1psi(6897Pa)変化ごとに20%マージン変化が得られる。この効果は、圧力の関数としてのガスの熱伝導性の変化に起因するものである。5K未満の温度におけるヘリウムガスの密度は、圧力(15psi(103466Pa)絶対圧において〜7%/psi(〜1%/kPa))で急速に変化し、15psi(103466Pa)絶対圧において約2.5%/psi(〜0.3%/kPa)という熱伝導性の変化につながる。これは、圧力の関数としての再凝縮パワーの測定可能な差という結果をもたらすために十分である。図8のデータから明らかに分かるように、2次再凝縮チャンバ8内の圧力の変化はクライオゲン容器における冷凍機の全再凝縮マージンに大きな制御可能な効果を有する。
【0051】
本発明は特にMRI画像形成システムを参照しながら説明されてきたが、本発明は他の可変温度挿入の極低温に冷却される装置にも同様に適用可能である。これらは、温度範囲(4.2K<T<300K)において実験装置を冷却できる研究用クライオスタットである。更に、本発明はクライオゲンとして特にヘリウムを参照しながら説明されてきたが、本発明は水素、ネオンまたは窒素といった他のクライオゲンを使用するシステムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 クライオゲン容器
2 熱遮蔽
3 真空ジャケット
4 冷凍機
5 スリーブ
6 管
7 第2ステージ
8 下部または2次再凝縮チャンバ
9 冷却ステージ
10 基部
11 再凝縮チャンバ
11a 再凝縮器(再凝縮面)
12 液状クライオゲン
12a 第1ステージ熱交換器
13 ガス経路
14 ポート
15 圧力安全弁
22 サービスネック
24 熱経路
32 第1ステージ熱交換器
34 領域
40 熱リンク
44 再凝縮面
100 ガス吸気/排気装置(圧力制御装置)
102 管
104 通気弁
106 吸気弁
108 クライオゲンガスの外部供給源
110 センサー
112 接続部
114 コントローラ
120 ベローズ
122 機械的駆動装置
124 シャフト
702 絶対圧力トランスデューサ
704 絶対圧力トランスデューサ
706 大気圧
708 遠隔記録装置
710 圧縮器
712 信号経路
714 圧力スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライオゲン容器(1)と、熱放射遮蔽(2)と、極低温冷凍機を収容するためのスリーブ(5)とを備え、冷却のために前記熱放射遮蔽に極低温冷凍機の第1のステージを熱的におよび機械的に接続するための第1の熱接触部と、極低温冷凍機の第2のステージを収容するための2次再凝縮チャンバ(8)と、前記クライオゲン容器の内部に露出された再凝縮面(11a;44)に前記2次再凝縮チャンバを熱的に接続するための手段(10;24)とを備えるクライオスタットであって、
前記クライオスタットは前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を制御するための圧力制御装置(100)を更に備えることを特徴とするクライオスタット。
【請求項2】
前記圧力制御装置(100)は、真空から前記クライオゲン容器内のガスの圧力までの範囲内にある圧力の範囲内で、前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を制御するように整えられる、請求項1に記載のクライオスタット。
【請求項3】
前記2次再凝縮チャンバ内のガスは前記クライオゲン容器内のガスと同じガスである、請求項1または請求項2に記載のクライオスタット。
【請求項4】
前記圧力制御装置は、
前記2次再凝縮チャンバ内にガスを導入し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を高めるための吸気弁(106)と、
前記2次再凝縮チャンバからガスを放出し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を引き下げるための通気弁(104)と、を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクライオスタット。
【請求項5】
前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するように整えられたコントローラ(114)を更に備える、請求項4に記載のクライオスタット。
【請求項6】
前記コントローラは前記クライオゲン容器内のガス圧にしたがって前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するように整えられる、請求項5に記載のクライオスタット。
【請求項7】
前記コントローラは前記クライオゲン容器(1)内に配置された装置の動作状態にしたがって前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するように整えられる、請求項5に記載のクライオスタット。
【請求項8】
前記吸気弁(106)は外部ガス供給源(108)からガスを受け取るように接続される、請求項4〜7のいずれか一項に記載のクライオスタット。
【請求項9】
前記吸気弁(106)は前記クライオゲン容器(1)からガスを受け取るように接続される、請求項4〜7のいずれか一項に記載のクライオスタット。
【請求項10】
前記通気弁(104)は前記2次再凝縮チャンバ(8)を空にするために真空ポンプに接続される、請求項4〜9のいずれか一項に記載のクライオスタット。
【請求項11】
前記圧力制御装置は、
前記2次再凝縮チャンバと連通しているベローズ(120)を備え、前記ベローズは、前記2次再凝縮チャンバ内にガスを導入し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を高めるように、また前記2次再凝縮チャンバからガスを放出し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を引き下げるように容積が制御可能である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクライオスタット。
【請求項12】
前記ベローズの動作を制御するように整えられたコントローラ(114)を更に備える、請求項11に記載のクライオスタット。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のクライオスタットと前記スリーブ(5)内に収容された極低温冷凍機(4)との組合せ物であって、前記極低温冷凍機は第1の極低温にまで冷却するように動作可能であって前記熱放射遮蔽(2)と熱的におよび機械的に接触している第1のステージ(12a;32)と、前記第1の極低温より低い第2の極低温にまで冷却するように動作可能であって、前記2次再凝縮チャンバ(8)内のガスを冷却するように動作可能である第2の冷却ステージ(9)と、を有する、クライオスタットと極低温冷凍機との組合せ物。
【請求項14】
前記第2冷却ステージ(9)と前記クライオゲン容器の内部に露出された前記再凝縮面(11a;44)との間の熱伝導性は、前記2次再凝縮チャンバ(8)内のガスを介して与えられる、請求項13に記載の組合せ物。
【請求項15】
前記極低温冷凍機を全力で動作させながら前記クライオゲン容器(1)に送達される前記極低温冷凍機(4)の冷却パワーを制御するための方法であって、
クライオゲン容器(1)と極低温冷凍機を収容するスリーブ(5)とを備え、第1の熱接触部が冷却のために熱放射遮蔽に前記極低温冷凍機の第1のステージを熱的におよび機械的に接続し、2次再凝縮チャンバ(8)が極低温冷凍機の第2のステージを収容し、そして前記2次再凝縮チャンバが前記クライオゲン容器の内部に露出された再凝縮面(11a;44)に熱的に接続される(10;24)クライオスタットにおいて、
前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を制御するステップ(100)を備える、方法。
【請求項16】
前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力は、真空から前記クライオゲン容器内のガスの圧力までの範囲内にある圧力の範囲内で制御される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記2次再凝縮チャンバ内のガスは前記クライオゲン容器内のガスと同じガスである、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記圧力制御方法は、
前記2次再凝縮チャンバ内にガスを導入し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を高めるように、また前記2次再凝縮チャンバからガスを放出し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を引き下げるように、前記2次再凝縮チャンバと連通しているベローズ(120)の容積を制御するステップを備える、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力制御方法は、
前記2次再凝縮チャンバ内にガスを導入し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を高めるように吸気弁(106)を動作させるステップと、
前記2次再凝縮チャンバからガスを放出し、それによって前記2次再凝縮チャンバ内のガスの圧力を引き下げるように通気弁(104)を動作させるステップと、を備える、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記動作させるステップは、前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するように整えられたコントローラ(114)によって制御される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記クライオゲン容器内のガスの圧力を決定し、前記決定されたガス圧にしたがって前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するステップを更に備える、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記クライオゲン容器(1)内に配置された装置の動作状態を決定し、前記決定された動作状態にしたがって前記吸気弁(106)と前記通気弁(104)の動作を制御するステップを更に備える、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記通気弁(104)は、前記2次再凝縮チャンバ(8)を空にするために真空ポンプに接続される、請求項4〜9のいずれか一項に記載のクライオスタットにおける請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−178552(P2009−178552A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15452(P2009−15452)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(505409214)シーメンス マグネット テクノロジー リミテッド (33)
【Fターム(参考)】